JP2022045740A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ランフラット走行時に横力がかかったときのリム外れの発生を抑制することが可能なランフラットタイヤを提供する。【解決手段】ランフラットタイヤであって、リムストリップゴム32、41は、一体的なゴム部材として、ビードコア21のタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつサイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側にも一部が配置されているゴム部材であり、さらに、リムストリップゴム32の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度よりも高く、タイヤ幅方向断面視において、ビードコア断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21Aの位置と、ビードコア断面のビードトウ11Bから最も遠い第3の角部21Cの位置との、タイヤ径方向距離を距離Ld、ビードコア断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21Aの位置と、ビードコア断面の重心位置Gとの、タイヤ幅方向距離を距離Lgとしたとき、式(1)Lg/Ld≧2/3を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、サイドウォールに補強ゴム層が配置されたサイド補強タイプのランフラットタイヤに関する。
従来、サイドウォールに補強ゴム層を配置されたサイド補強タイプのランフラットタイヤが知られている。この補強ゴム層は、タイヤの内圧が低下した場合であっても、タイヤが完全に偏平化することを妨げる機能を有する。よって、ランフラットタイヤは、この補強ゴム層を備えることにより、ある程度の距離のランフラット走行(タイヤの内圧が低下した状態での走行)を行うことが可能である。
例えば特許文献1には、ビードコアを縦長の断面略三角形状とするとともに、ビードエーペックスゴムを排除したランフラットタイヤが開示されている。
特開2002-301915号公報
特許文献1に示されるランフラットタイヤの場合、ランフラット走行時にカーブを走行するときなどにおいてタイヤに強い横力がかかると、ビードコアが縦長の断面略三角形状であるため、ビードコアに働くモーメントによりビードコアが倒れやすい。この場合、ビードがリムから外れる、いわゆるリム外れが発生するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ランフラット走行時に横力がかかったときのリム外れの発生を抑制することができるランフラットタイヤを提供することにある。
(1)本発明のランフラットタイヤ(例えば、タイヤ1)は、一対のビード(例えば、ビード11)と、前記一対のビードの各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール(例えば、サイドウォール12)と、前記一対のサイドウォール間に配置されたトレッド(例えば、トレッド13)と、前記一対のビード間に架け渡されたカーカスプライ(例えば、カーカスプライ23)と、備えるランフラットタイヤであって、前記サイドウォールは、前記カーカスプライのタイヤ幅方向外側に配置されたサイドウォールゴム(例えば、サイドウォールゴム30)と、前記カーカスプライのタイヤ内腔側に配置された補強ゴム層(例えば、補強ゴム層50)、と、を有し、前記ビードは、ビードコア(例えば、ビードコア21)と、リム(例えば、リム100)と接触するリムストリップゴム(例えば、リムストリップゴム32)と、を有し、前記リムストリップゴムは、一体的なゴム部材として、前記ビードコアのタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつ前記サイドウォールゴムのタイヤ幅方向内側にも一部が配置されているゴム部材であり、さらに、前記リムストリップゴムの硬度は、前記サイドウォールゴムの硬度よりも高く、タイヤ幅方向断面視において、前記ビードコア断面のビードトウ(例えば、ビードトウ11B)に最も近い角部(例えば、第1の角部21A)の位置と、前記ビードコア断面の前記ビードトウから最も遠い角部(例えば、第3の角部21C)の位置との、タイヤ径方向距離を距離Ld、前記ビードコア断面の前記ビードトウに最も近い角部の位置と、前記ビードコア断面の重心位置Gとの、タイヤ幅方向距離を距離Lgとしたとき、下記(1)の式を満たす。
Lg/Ld≧2/3・・・(1)
本発明によれば、ランフラット走行時に横力がかかったときのリム外れの発生を抑制することが可能なランフラットタイヤを提供することができる。
本発明の第1実施形態のランフラットタイヤのタイヤ幅方向の半断面を示す図である。 上記実施形態のランフラットタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態のビードコアの断面形状を模式的に示す図である。 比較例のビードコアの断面形状を模式的に示す図である。 上記実施形態の第1変形例のランフラットタイヤにおける、図2に対応する部分拡大断面図である。 上記変形例のビードコアの断面形状を模式的に示す図である。 上記実施形態の第2変形例のビードコアの断面形状を模式的に示す図である。 上記実施形態の第3変形例のビードコアの断面形状を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態のランフラットタイヤにおける、図2に対応する部分拡大断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るランフラットタイヤであるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面を示す図である。タイヤ1の基本的な構造は、タイヤ幅方向の断面において左右対称となっているため、ここでは、右半分の断面図を示す。図中、符号Sは、タイヤ赤道面である。タイヤ赤道面Sは、タイヤ回転軸(タイヤ子午線)に直交する面で、かつタイヤ幅方向中心に位置する面である。
ここで、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図1の断面図における紙面左右方向である。図1においては、タイヤ幅方向Xとして図示されている。
そして、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ赤道面Sに近づく方向であり、図1においては、紙面左側である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道面Sから離れる方向であり、図1においては、紙面右側である。
また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1における紙面上下方向である。図1においては、タイヤ径方向Yとして図示されている。
そして、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図1においては、紙面上側である。タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図1においては、紙面下側である。
なお、図1の断面図は、タイヤを規定リムであるリム100に装着して規定内圧を充填した無負荷状態のタイヤ幅方向断面図(タイヤ子午線断面図)である。なお、規定リムとは、タイヤサイズに対応してJATMAに定められた標準となるリムを指す。また、規定内圧とは、例えばタイヤが乗用車用である場合には180kPaである。
なお、後述する図2、図5、図9についても同様である。
タイヤ1は、例えば乗用車用のランフラットタイヤであり、タイヤ幅方向両側に設けられた一対のビード11と、ビード11の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール12と、サイドウォール12の各々のタイヤ径方向外側に連なって踏面(路面との接地面)13Cを構成するトレッド13と、を備える。
図2に、図1に示される第1実施形態のタイヤ1における、ビード11およびサイドウォール12のタイヤ径方向内側領域周辺の拡大断面図を示す。
ビード11は、ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22とを備える。
ビードコア21は、ゴムが被覆された金属製のビードワイヤを複数回巻いて形成した環状の部材であり、空気が充填されたタイヤ1を、ホイールのリム100に固定する役目を果たす部材である。ビードコア21は、タイヤ径方向外側端21Eと、タイヤ径方向内側端21Fを有する。本実施形態のビードコア21は、その断面形状が、タイヤ幅方向内側に斜面21Gを有する略三角形の形状となっている。
ビードフィラー22は、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出する、先端先細り形状のゴム部材である。ビードフィラー22は、タイヤ径方向外側端22Aと、タイヤ径方向内側端22Bを有する。ビードフィラー22は、ビード周辺部の剛性を高め、高い操縦性および安定性を確保するために設けられている部材である。ビードフィラー22は、例えば周囲のゴム部材よりも硬度の高いゴムにより構成される。ビードフィラー22は、断面が略三角形のビードコア21の、タイヤ幅方向内側の斜面21Gと接触するように配置されている。
図2に示されるように、ビード11は、そのタイヤ径方向内側の端部を構成するビードベース11Aが、リム100のシート部100Cに配置されて、リム100に装着される。リム100については、後述する。
ビードベース11Aは、タイヤ幅方向内側の端部に形成されたビードトウ11Bと、タイヤ幅方向外側の端部に形成されたビードヒール11Cと、ビードトウ11Bとビードヒール11Cとの間の接触面11Dと、を有する。ビードトウ11Bは、タイヤ幅方向内側、かつタイヤ径方向内側の端部であって、断面形状が直角に近い鋭角形状の頂部に形成されている。ビードヒール11Cは、断面凸R形状に形成された湾曲形状に形成されている。接触面11Dは、ビードベース11Aにおけるリム100のシート部100Cと対向する面であって、タイヤ径方向外側に若干凹となる湾曲面に形成されている。ビードトウ11Bはビードヒール11Cよりもタイヤ径方向においてやや内側に位置しており、このため、接触面11Dはビードヒール11C側からビードトウ11B側に向かうにしたがい、タイヤ径方向内側にせり出すように僅かに傾斜している。
タイヤ1の内部には、一対のビード11間を架け渡されたカーカスプライ23が埋設されている。カーカスプライ23は、タイヤ1の骨格となるプライを構成しており、一対のビード11間を、一対のサイドウォール12およびトレッド13を通過する態様で、タイヤ1内に埋設されている。
カーカスプライ23は、一方のビードコア21から他方のビードコア21に延び、トレッド13とビード11との間を延在するプライ本体24と、ビードコア21の周りで折り返されているプライ折り返し部25とを備える。本実施形態においては、プライ折り返し部25は、プライ本体24に重ね合わされている。
カーカスプライ23は、タイヤ幅方向に延びる複数のプライコードにより構成されている。また、複数のプライコードは、タイヤ周方向に並んで配列されている。このプライコードは、ポリエステルやポリアミド等の絶縁性の有機繊維コード等により構成されており、トッピングゴムにより被覆されている。
なお、本実施形態のカーカスプライ23は、第1カーカスプライ231および第2カーカスプライ232が重ねられた2層のカーカスプライによって構成されているが、カーカスプライ23は1層であってもよいし、3層以上であってもよい。
ビード11は、チェーハー31と、チェーハー31のタイヤ幅方向外側に配置されたリムストリップゴム32と、をさらに備える。
チェーハー31は、ビードコア21周りに設けられたカーカスプライ23のタイヤ径方向内側に設けられている。チェーハー31は、カーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側にも延在している。
チェーハー31は、カーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側に配置された第1の端部31Aと、プライ本体24のタイヤ幅方向内側に配置された第2の端部31Bを有する。
チェーハー31は、例えば繊維を練り込んだゴムや、モジュラスの高いゴムにより構成されており、タイヤ1を構成する構成部材の中で、比較的強度が高い。例えば、後述のインナーライナー29やサイドウォールゴム30よりも強度が高い。
リムストリップゴム32は、チェーハー31およびカーカスプライ23のタイヤ幅方向外側に配置されており、リム装着時に、リム100と接触するゴム部材である。リムストリップゴム32は、タイヤ径方向外側端32Aと、タイヤ径方向内側端32Bを有する。
ここで、説明の便宜上、本実施形態に係るタイヤ1が装着されるリム100について説明しておく。
図1および図2には、リム100における、タイヤ1のビード11が装着される部分が示されている。図2に示されるように、リム100は、当該リム100の軸方向(タイヤ幅方向に相当)外側のリムフランジ100Aと、軸方向内側のハンプ100Bと、リムフランジ100Aとハンプ100Bとの間のシート部100Cと、を備える。リムフランジ100Aおよびハンプ100Bは、径方向外側に突出する周方向に沿った円環状の凸条である。ハンプ100Bよりも軸方向内側(図2で左側)は、リム100の主体をなす円筒状のウェル部(不図示)に連続している。
シート部100Cは、リムフランジ100Aとハンプ100Bとに挟まれる周溝形状の底部を形成する。このシート部100Cに、ビード11のビードベース11Aが嵌合されてリム100にタイヤ1が装着される。
タイヤ1に戻ると、サイドウォール12は、カーカスプライ23のタイヤ幅方向内側に配置された補強ゴム層50と、カーカスプライ23の幅方向外側に配置されたサイドウォールゴム30とを備える。
補強ゴム層50は、タイヤ幅方向断面視(タイヤ子午線断面視)において略三日月形状のサイド補強ゴムである。補強ゴム層50は、タイヤ径方向外側端50Aと、タイヤ径方向内側端50Bを有する。この補強ゴム層50は、タイヤ1の内圧が低下した場合であっても、タイヤ1が完全に偏平化することを妨げる機能を有する。
サイドウォールゴム30は、タイヤ1の外壁面を構成するゴム部材である。サイドウォールゴム30は、タイヤ径方向外側端30Aと、タイヤ径方向内側端30Bを有する。このサイドウォールゴム30は、タイヤ1がクッション作用をする際に最もたわむ部分であり、通常、耐疲労性を有する柔軟なゴムが採用される。
トレッド13は、カーカスプライ23のタイヤ径方向外側に配置されたスチールベルト26と、スチールベルト26のタイヤ径方向外側に配置されたキャッププライ27と、キャッププライ27のタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴム28と、を備える。
スチールベルト26は、ゴムで被覆された複数のスチールコードにより構成されている。スチールベルト26を設けることにより、タイヤ1の剛性が確保され、トレッド13と路面の接地状態が良くなる。本実施形態においては、2層構造のスチールベルト(内側のスチールベルト261と外側のスチールベルト262)が設けられているが、積層されるスチールベルト26の枚数はこれに限らない。
キャッププライ27は、スチールベルト26のタイヤ径方向外側に配置された部材であり、ベルト補強層としての機能を有する。キャッププライ27は、ポリアミド繊維等の絶縁性の有機繊維層により構成されており、トッピングゴムにより被覆されている。キャッププライ27を設けることにより、耐久性の向上、走行時のロードノイズの低減を図ることができる。本実施形態においては、キャッププライ27のタイヤ幅方向外側端27Aは、スチールベルト26のタイヤ幅方向外側端26Aよりもタイヤ幅方向外側に延出している。
本実施形態の2層構造のスチールベルト26は、内側のスチールベルト261が外側のスチールベルト262よりも幅広であり、したがってスチールベルト26のタイヤ幅方向外側端26Aは、内側のスチールベルト261のタイヤ幅方向外側端で構成される。
トレッドゴム28は、通常走行時の踏面(路面との接地面)13Cを構成する部材である。トレッドゴム28は、タイヤ幅方向外側端28Aを有する。トレッドゴム28の踏面13Cには、複数の溝で構成されるトレッドパターン13Dが設けられている。
ビード11、サイドウォール12、トレッド13において、カーカスプライ23および補強ゴム層50のタイヤ内腔側には、タイヤ1の内壁面を構成するゴム層としてのインナーライナー29が設けられている。インナーライナー29は、トレッド13においては、主にカーカスプライ23の内面を覆い、サイドウォール12およびビード11においては、主に補強ゴム層50の内面を覆っている。インナーライナー29は、耐空気透過性ゴムにより構成されており、タイヤ内腔内の空気が外部に漏れるのを防ぐ。
ここで、図1に示されるように、サイドウォール12のサイドウォールゴム30は、トレッド13に向かって延出している。一方、トレッド13のトレッドゴム28は、サイドウォール12に向かって延出している。その結果、カーカスプライ23の一部領域のタイヤ外表面側において、トレッドゴム28と、サイドウォールゴム30とが積層された状態となっている。より詳細には、サイドウォールゴム30とトレッドゴム28とが共に存在する領域、すなわちサイドウォール12とトレッド13の移行領域において、カーカスプライ23のタイヤ外表面側に、サイドウォールゴム30と、トレッドゴム28とが、順に積層された状態となっている。
ビード11においては、カーカスプライ23のタイヤ内腔側に、補強ゴム層50とチェーハー31とが、順に積層された状態となっている。インナーライナー29は、さらにこれらのゴム部材のタイヤ内腔側を覆っている。
チェーハー31の第2の端部31Bの周辺に注目してみると、チェーハー31の一部は、インナーライナー29のタイヤ幅方向外側に配置され、かつ補強ゴム層50のタイヤ幅方向内側に配置されている。
ビード11とサイドウォール12の移行領域付近においては、カーカスプライ23のタイヤ外表面側に、リムストリップゴム32とサイドウォールゴム30とが、順に積層された状態となっている。また、この移行領域付近には、タイヤ幅方向外側に突出する頂部33Aを有してタイヤ周方向に環状に連続して延びるリムプロテクタ33が設けられている。リムプロテクタ33の頂部33Aは、タイヤ周方向に環状に連続して延びるリムラインを構成する。
リムストリップゴム32およびその周りの部材に注目してみると、リムストリップゴム32は、一体的なゴム部材として、ビードコア21のタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつサイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側にも一部が配置されている。
本実施形態においては、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aが、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aよりもタイヤ径方向外側に配置されている。
すなわち、本実施形態においては、ビード11およびサイドウォール12におけるカーカスプライ23のタイヤ幅方向外側には、リムストリップゴム32と、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側に配置されたサイドウォールゴム30が配置されているが、このリムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端は、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端よりも、タイヤ径方向外側に配置されている。
これにより、リム装着部付近で局所的な変形が生じることをより効果的に抑制し、ランフラット耐久性をさらに向上させることができる。
ここで、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aからビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eまでのタイヤ径方向距離D1は、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eからビードコア21のタイヤ径方向内側端21Fまでのタイヤ径方向距離D2の2倍以上であることが好ましい。より好ましくは3倍以上である。
ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eからチェーハー31の第1の端部31Aまでのタイヤ径方向距離D3および、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eからチェーハー31の第2の端部31Bまでのタイヤ径方向距離D4はそれぞれ、5mm以上15mm以下であることが好ましい。チェーハー31の第1の端部31Aおよび第2の端部31Bは、リムプロテクタ33の頂部33Aによって形成されるリムラインよりもタイヤ径方向内側に位置していることが好ましい。
リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側端32Aからリムプロテクタ33の頂部33Aまでのタイヤ径方向距離D5は、5mm以上15mm以下であることが好ましい。
このような位置関係を有することにより、リム装着部付近で局所的な変形が生じることをより効果的に抑制し、ランフラット耐久性をさらに向上させることができる。
ここで、ビードフィラー22および補強ゴム層50に採用するゴムとしては、少なくともサイドウォールゴム30およびインナーライナー29よりも硬度が高いゴムを用いる。
なお、ゴムの硬度は、JIS K6253-1:2012に準拠して、23℃雰囲気において、タイプAデュロメータで測定される値(デュロメータ硬さ)である。
例えば、サイドウォールゴム30の硬度を基準としたとき、ビードフィラー22の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度の1.2倍以上2.3倍以下の硬度のゴムを用いることがより好ましい。また、補強ゴム層50の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度の1.1倍以上1.9倍以下の硬度のゴムを用いることがより好ましい。
リムストリップゴム32に採用するゴムとしては、少なくともサイドウォールゴム30およびインナーライナー29よりも硬度が高いゴムを用いる。
例えば、サイドウォールゴム30の硬度を基準としたとき、リムストリップゴム32の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度の1.1倍以上1.6倍以下の硬度のゴムを用いることがより好ましい。
なお、サイドウォールゴム30とインナーライナー29は、ほぼ同じ硬度のゴムが用いられている。
このような硬度とすることで、タイヤとしての柔軟性とビード11付近の剛性のバランスを保ち、かつランフラット耐久性を確保することができる。
さらに、リムストリップゴム32の硬度は、サイドウォールゴム30よりも高く、かつビードフィラー22の硬度よりも低い値であることが好ましい。
例えば、リムストリップゴム32の硬度を基準としたとき、サイドウォールゴム30の硬度は、リムストリップゴム32の硬度の0.6倍以上0.9倍以下の硬度のゴムを用いることがより好ましい。また、ビードフィラー22の硬度は、リムストリップゴム32の硬度の1.1倍以上1.6倍以下の硬度のゴムを用いることがより好ましい。
具体的には、例えば、リムストリップゴム32のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、65以上70以下であることが好ましい。そして、サイドウォールゴム30のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、45以上60以下の範囲であることが好ましい。そして、ビードフィラー22のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、75以上100以下の範囲であることが好ましい。
リムストリップゴム32は、カーカスプライ23を介してビードコア21およびビードフィラー22のタイヤ幅方向外側に配置され、かつサイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側に一部が配置されている。そして、上述のとおり、リムストリップゴム32の硬度を、サイドウォールゴム30の硬度よりも高く、かつビードフィラー22の硬度よりも低くすることにより、この部分のタイヤ内のゴムの硬度が段階的に変化する構成となる。このような構成を採用することにより、ランフラット走行時においても、リム装着部付近等のビード11近傍における局所的な変形および応力の発生を抑制することができる。
なお、補強ゴム層50のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、70以上85以下の範囲であって、かつリムストリップゴム32の硬度の1.1倍以上1.4倍以下の値であることが好ましい。補強ゴム層50のデュロメータ硬さが70未満であると、ランフラット耐久性や耐ビード外れ性能を確保するのが難しくなる。一方、デュロメータ硬さが85を超えると、乗り心地性能の向上を図るのが難しくなる。
このような硬度とすることで、タイヤとしての柔軟性とビード11付近の剛性のバランスを保ち、かつランフラット耐久性を確保することができる。
なお、ビードフィラー22と補強ゴム層50との間には、少なくとも2層以上のプライにより構成されるカーカスプライ23が挟まれていることが好ましい。これにより、リム装着部付近で局所的な変形が生じることをより効果的に抑制し、ランフラット耐久性をさらに向上させることができる。
以上のように、本実施形態のタイヤ1は、一対のビード11と、一対のビード11の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール12と、一対のサイドウォール12間に配置されたトレッド13と、一対のビード11間に架け渡されたカーカスプライ23と、を備える。そして、本実施形態のサイドウォール12は、カーカスプライ23のタイヤ幅方向外側に配置されたサイドウォールゴム30と、カーカスプライ23のタイヤ内腔側に配置された補強ゴム層50と、を有している。そして、本実施形態のビード11は、ビードコア21と、リム100と接触するリムストリップゴム32と、を有している。さらに、本実施形態のリムストリップゴム32は、一体的なゴム部材として、ビードコア21のタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつサイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側にも一部が配置されているゴム部材であり、かつ、リムストリップゴム32の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度よりも高い。
次に、ビードコア21の断面形状について説明する。
図2に示すように、本実施形態のビードコア21は、タイヤ幅方向断面視(タイヤ子午線断面視)において、その断面形状が略三角形となっている。より詳細には、本実施形態のビードコア21の断面形状は、3つの頂点21A、21B、21Cと、これらを結ぶ3つの線分S1、S2、S3からなる略直角二等辺三角形である。
図3に、本実施形態のビードコア21の断面形状を模式的に示す。以下、ビードコア21の断面が直角二等辺三角形であるとして説明する。
第1の頂点21Aは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向内側であって、かつタイヤ幅方向内側に存在する頂点である。第1の頂点21Aは、ビードトウ11Bに最も近いビードコア21の角部(第1の角部21A)を示す頂点である。
第2の頂点21Bは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向内側であって、かつタイヤ幅方向外側に存在する頂点である。第2の頂点21Bは、ビードヒール11Cに最も近いビードコア21の角部(第2の角部21B)を示す頂点である。
第3の頂点21Cは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向外側であって、かつタイヤ幅方向外側に存在する頂点である。第3の頂点21Cは、ビードトウ11Bから最も遠いビードコア21の角部(第3の角部21C)を示す頂点である。第3の頂点21Cは、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eを示す頂点である。
第1の線分S1は、第1の頂点21Aと第2の頂点21Bを結ぶ線分である。第1の線分S1は、タイヤ幅方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ径方向内側端21Fを示す線分である。
第2の線分S2は、第2の頂点21Bと第3の頂点21Cを結ぶ線分である。第2の線分S2は、タイヤ径方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ幅方向外側端を示す線分である。
第3の線分S3は、第3の頂点21Cと第1の頂点21Aを結ぶ線分である。第3の線分S3は、ビードコア21のタイヤ幅方向内側の斜面21Gを示す線分である。
本実施形態のビードコア21の断面形状は、第2の頂点21Bを頂角とする直角二等辺三角形である。すなわち、第2の頂点21Bの角度が90°であり、第1の頂点21Aおよび第3の頂点21Cの角度が45°である。そして、第1の線分S1と第2の線分S2の長さが等しい。
図3にはさらに、距離Ldと、距離Lwが示されている。
距離Ldは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、ビードコア21の断面のビードトウ11Bから最も遠い第3の角部21C(第3の頂点21C)の位置との、タイヤ径方向距離である。図3においては、距離Ldは、第2の線分S2の長さと等しい。
距離Lwは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、ビードコア21の断面のビードヒール11Cに最も近い第2の角部21B(第2の頂点21B)の位置との、タイヤ幅方向距離である。図3においては、距離Lwは、第1の線分S1の長さと等しい。
そして、本実施形態においては、ビードコア21の断面が直角二等辺三角形であることから、距離Ldと距離Lwは同じ長さである。
図3にはさらに、ビードコア21の断面の重心位置Gと、距離Lgが示されている。
距離Lgは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、重心位置Gとの、タイヤ幅方向距離である。
本実施形態においては、ビードコア21の断面が直角三角形であることから、距離Lgは、距離Lwの2/3倍の長さである(Lg=2/3×Lw)。そして、前述のとおり、距離Ldと距離Lwは同じ長さであることから(Ld=Lw)、図3の模式図においては、Lg/Ld=2/3の関係となっている。
ここで、図4に、比較例として、従来の断面正方形のビードコア21の断面形状を模式的に示す。図4に示すように、比較例のビードコア21は、タイヤ幅方向断面視(タイヤ子午線断面視)において、その断面形状が正方形となっている。より詳細には、本比較例のビードコア21の断面形状は、4つの頂点21A、21B、21C、21Dと、これらを結ぶ4つの線分S1、S2、S4、S5からなる正方形の形状である。
なお、図3に示される本実施形態のビードコア21の断面積と、図4に示される比較例のビードコア21の断面積は同じとしている。
第1の頂点21Aは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向内側であって、かつタイヤ幅方向内側に存在する頂点である。第1の頂点21Aは、ビードトウ11Bに最も近いビードコア21の角部(第1の角部21A)を示す頂点である。
第2の頂点21Bは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向内側であって、かつタイヤ幅方向外側に存在する頂点である。第2の頂点21Bは、ビードヒール11Cに最も近いビードコア21の角部(第2の角部21B)を示す頂点である。
第3の頂点21Cは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向外側であって、かつタイヤ幅方向外側に存在する頂点である。第3の頂点21Cは、ビードトウ11Bから最も遠いビードコア21の角部(第3の角部21C)を示す頂点である。
第4の頂点21Dは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向外側であって、かつタイヤ幅方向内側に存在する頂点である。第4の頂点21Dは、ビードヒール11Cから最も遠いビードコア21の角部(第4の角部21D)を示す頂点である。
第1の線分S1は、第1の頂点21Aと第2の頂点21Bを結ぶ線分である。第1の線分S1は、タイヤ幅方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ径方向内側端を示す線分である。
第2の線分S2は、第2の頂点21Bと第3の頂点21Cを結ぶ線分である。第2の線分S2は、タイヤ径方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ幅方向外側端を示す線分である。
第4の線分S4は、第3の頂点21Cと第4の頂点21Dを結ぶ線分である。第4の線分S4は、タイヤ幅方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ径方向外側端を示す線分である。
第5の線分S5は、第4の頂点21Dと第1の頂点21Aを結ぶ線分である。第5の線分S5は、タイヤ径方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ幅方向内側端を示す線分である。
本比較例のビードコアの断面形状は正方形であり、4つの頂点21A、21B、21C、21Dの角度は、それぞれ90°である。そして、4つの線分S1、S2、S3、S4の長さは等しい。
図4にはさらに、距離Ldと、距離Lwが示されている。
距離Ldは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、ビードコア21の断面のビードトウ11Bから最も遠い第3の角部21C(第3の頂点21C)の位置との、タイヤ径方向距離である。図4においては、距離Ldは、第2の線分S2および第5の線分S5の長さと等しい。
距離Lwは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、ビードコア21の断面のビードヒール11Cに最も近い第2の角部21B(第2の頂点21B)の位置との、タイヤ幅方向距離である。図4においては、距離Lwは、第1の線分S1および第4の線分S4の長さと等しい。
そして、本比較例においては、ビードコア21の断面が正方形であることから、距離Ld(第2の線分S2の長さ、第5の線分S5の長さ)と、距離Lw(第1の線分S1の長さ、第4の線分S4の長さ)は、同じ長さである。
図4にはさらに、ビードコア21の断面の重心位置Gと、距離Lgが示されている。
距離Lgは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、重心位置Gとの、タイヤ幅方向距離である。
本比較例においては、ビードコア21の断面が正方形であることから、距離Lgは、距離Lwの1/2倍の長さである(Lg=1/2×Lw)。そして、前述のとおり、距離Ldと距離Lwは同じ長さであることから(Ld=Lw)、図3の模式図においては、Lg/Ld=1/2の関係となっている。
ここで、ランフラット走行時におけるコーナリングの際などにおいて、タイヤ1に横力がかかった場合について考える。
横力により、サイドウォール12がタイヤ幅方向内側(図面左側)に傾倒すると、ビード11の接触面11Dがリム100のシート部100Cとの間で摺動しながら、ビード11がタイヤ幅方向内側にスライドし、ビード11のビードトウ11Bがリム100のハンプ100Bに当接する。この状態でさらに横力が働くと、ビード11がハンプ100Bに当接したまま、ビードコア21に働くモーメントによりビードコア21が回転する可能性がある。この場合、ビード11のビードトウ11Bがリム100のハンプ100Bを乗り越えて、ビード11がリム100から外れる、いわゆるリム外れが生じるおそれがある。
ここで、ビードコア21には、リム100と嵌合する嵌合力Feが働いている。この嵌合力Feは、横力がかかった場合において、ビードコア21の回転を抑制する方向の力となる。
嵌合力Feは、ビードコア21の断面積に応じた大きさの力となる。例えば、嵌合力Feは、ビードワイヤを同じ回数だけ巻いて形成した断面積が同じビードコア21であるならば、その断面形状によらず、略同じ大きさになると考えることができる。この嵌合力Feは、図3、図4に示すように、ビードコア21の重心位置Gからタイヤ径方向内側に向かって働くと考えることができる。
まず、図4に示す比較例において、タイヤ1に横力がかかった場合の、ビードコア21に働くモーメントについて検討する。
図4には、ランフラット走行時にタイヤに横力がかかった場合における、比較例のビードコア21に対する力のかかり方のモデルが示されている。
横力により、サイドウォール12がタイヤ幅方向内側(図面左側)に傾倒すると、その力は、タイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側に向かう力として、ビードコア21のタイヤ径方向外側端に最も強くかかる。
すなわち、横力発生時には、図4に示すように、横力に基づく力F1が、ビードコア21の第3の角部21Cにかかる。
ここで、比較例のように、ビードコア21の断面形状が正方形である場合において、力F1がどの程度の大きさになると、ビードコア21が回転するかを検討する。
タイヤに横力がかかってビードコア21が回転する場合は、ビードコア21としては、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)が回転支点となる。
第1の角部21Aを回転支点として考えると、ビードコア21には嵌合力Feが働いているため、通常、ビードコア21の回転を抑制する方向に、Fe×Lgのモーメントがかかっている。この嵌合力Feに基づくモーメントよりも、横力に基づく力F1による逆方向のモーメントが大きくなってしまった場合、ビードコア21が回転する可能性がある。すなわち、F1×Ld>Fe×Lgの関係になると、ビードコア21が回転する可能性がある。逆に、F1×Ld≦Fe×Lgの関係であれば、ビードコア21は回転し難い。
比較例においては、Lg/Ld=1/2である。したがって、F1>1/2×Feとなってしまった場合、すなわち、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの1/2倍を上回ってしまった場合には、ビードコア21が回転してしまう可能性がある。
このように、比較例の断面正方形のビードコア21を用いた場合では、横力に対抗するための、嵌合力Feに基づくモーメントを大きなモーメントとすることが難しい。ビードコア21の重量と耐横力のバランスを考慮すると、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの2/3倍の大きさであっても、ビードコア21が回転しないような構成とすることが望まれる。
なお、比較例に示す断面正方形のビードコアの場合であっても、ビードコア21の断面積を大きくすることによって、嵌合力Feを大きくして、嵌合力Feに基づくモーメントを大きなモーメントとすることは可能である。しかしながら、ビードコア21の断面積を大きくすると、ビードコア21の体積が増えて、重量が増加するため、転がり抵抗の悪化、燃費の低下等が発生する。
次に、図3に示す本実施形態において、タイヤ1に横力がかかった場合の、ビードコア21に働くモーメントについて検討する。
図3には、ランフラット走行時にタイヤに横力がかかった場合における、本実施形態のビードコア21に対する力のかかり方のモデルが示されている。
横力により、サイドウォール12がタイヤ幅方向内側(図面左側)に傾倒すると、その力は、タイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側に向かう力として、ビードコアのタイヤ径方向外側端21Eに最も強くかかる。
すなわち、横力発生時には、図3に示すように、横力に基づく力F1が、ビードコア21の第3の角部21Cにかかる。
ここで、本実施形態のように、ビードコア21の断面形状が、第2の角部21Bが略直角の略直角二等辺三角形である場合において、力F1がどの程度の大きさになると、ビードコア21が回転するかを検討する。
タイヤに横力がかかってビードコア21が回転する場合は、ビードコア21としては、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)が回転支点となる。
第1の角部21Aを回転支点として考えると、ビードコア21には嵌合力Feが働いているため、通常、ビードコア21の回転を抑制する方向に、Fe×Lgのモーメントがかかっている。この嵌合力Feに基づくモーメントよりも、横力に基づく力F1による逆方向のモーメントが大きくなってしまった場合、ビードコア21が回転する可能性がある。すなわち、F1×Ld>Fe×Lgの関係になると、ビードコア21が回転する可能性がある。逆に、F1×Ld≦Fe×Lgの関係であれば、ビードコア21は回転し難い。
本実施形態においては、Lg/Ld=2/3である。したがって、F1>2/3×Feとなってしまった場合、すなわち、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの2/3倍を上回ってしまった場合には、ビードコア21が回転してしまう可能性がある。
逆にいうと、本実施形態の断面直角二等辺三角形のビードコア21を用いた場合では、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの2/3倍の大きさを上回らない状態であれば、ビードコア21は回転し難い。
このように、本実施形態の断面直角二等辺三角形のビードコア21を用いた場合では、ビードコアの断面積を大きくすることなく、横力に対抗するための、嵌合力Feに基づくモーメントを大きなモーメントとすることができる。
このように、横力に基づく力F1が嵌合力Feの2/3倍の大きさであっても、ビードコア21が回らないような構成が望まれる。よって、距離Lgと距離Ldの関係は、下記式(1)を満たすことが望ましい。
Lg/Ld≧2/3・・・(1)
横力に基づく力F1によって、ビードコアが回らない条件は、前述のとおりF1×Ld≦Fe×Lgである。横力に基づく力F1が仮に嵌合力Feの2/3倍(F1=2/3Fe)の場合であっても、上記式(1)を満たしていれば、F1×Ld≦Fe×Lgの条件を満たすことになるため、ビードコア21は回転し難い。
以上のように、上記式(1)満たせば、ビードコア21の断面積を大きくすることなく、横力によって生じるビードコア21の回転を抑制することができる。よって、転がり抵抗の悪化、燃費の低下を生じさせることなく、リム外れの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態のようにビードコア21の断面形状が略直角二等辺三角形であれば、重心位置Gがタイヤ幅方向外側にずれるため、簡単な構成により、ビードコア21の断面積を大きくすることなく、横力によって生じるビードコア21の回転を抑制することができる。
さらに、本実施形態のリムストリップゴム32は、一体的なゴム部材として、ビードコア21のタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつサイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側にも一部が配置されているゴム部材である。そして、リムストリップゴム32の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度よりも高い。
このように、比較的硬度の低いサイドウォールゴム30と、比較的硬度の高いリムストリップゴムとが積層される移行領域を設け、かつビードコア21のタイヤ幅方向外側に比較的硬度の高いリムストリップゴムを配置することにより、横力がダイレクトにビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eに伝わるのを抑制し、横力に基づく力F1が局所的に大きな力となることを抑制することができる。
以下、第1実施形態の第1変形例について説明する。
第1変形例のタイヤ1は、ビードコア21の形状が異なる。
図5は、本記実施形態の第1変形例のタイヤ1における、図2に対応する部分拡大断面図であり、ビード11およびサイドウォール12のタイヤ径方向内側領域周辺の拡大断面図である。
図5に示すように、本変形例のビードコア21は、タイヤ幅方向断面視(タイヤ子午線断面視)において、その断面形状がタイヤ幅方向に長い扁平状の略長方形となっている。より詳細には、本変形例のビードコア21の断面形状は、4つの頂点21A、21B、21C、21Dと、これらを結ぶ4つの線分S1、S2、S4、S5からなる略長方形の形状である。
図6に、本変形例のビードコア21の断面形状を模式的に示す。以下、ビードコア21の断面が長方形であるとして説明する。
第1の頂点21Aは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向内側であって、かつタイヤ幅方向内側に存在する頂点である。第1の頂点21Aは、ビードトウ11Bに最も近いビードコア21の角部(第1の角部21A)を示す頂点である。
第2の頂点21Bは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向内側であって、かつタイヤ幅方向外側に存在する頂点である。第2の頂点21Bは、ビードヒール11Cに最も近いビードコア21の角部(第2の角部21B)を示す頂点である。
第3の頂点21Cは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向外側であって、かつタイヤ幅方向外側に存在する頂点である。第3の頂点21Cは、ビードトウ11Bから最も遠いビードコア21の角部(第3の角部21C)を示す頂点である。
第4の頂点21Dは、ビードコア21の断面における、タイヤ径方向外側であって、かつタイヤ幅方向内側に存在する頂点である。第4の頂点21Dは、ビードヒール11Cから最も遠いビードコア21の角部(第4の角部21D)を示す頂点である。
第1の線分S1は、第1の頂点21Aと第2の頂点21Bを結ぶ線分である。第1の線分S1は、タイヤ幅方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ径方向内側端21Fを示す線分である。
第2の線分S2は、第2の頂点21Bと第3の頂点21Cを結ぶ線分である。第2の線分S2は、タイヤ径方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ幅方向外側端を示す線分である。
第4の線分S4は、第3の頂点21Cと第4の頂点21Dを結ぶ線分である。第4の線分S4は、タイヤ幅方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eを示す線分である。
第5の線分S5は、第4の頂点21Dと第1の頂点21Aを結ぶ線分である。第5の線分S5は、タイヤ径方向と略平行であり、ビードコア21のタイヤ幅方向内側端を示す線分である。
本実施形態においては、4つの頂点21A、21B、21C、21Dの角度は、それぞれ90°である。そして、第1の線分S1の長さと第4の線分S4の長さが等しく、第2の線分S2の長さと第5の線分S5の長さが等しい。そして、第1の線分S1および第4の線分S4の長さは、第2の線分S2および第5の線分S5の長さよりも長い。
すなわち、本変形例のビードコア21の断面形状は、タイヤ幅方向に長い扁平状の長方形である。
図6にはさらに、距離Ldと、距離Lwが示されている。
距離Ldは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、ビードコア21の断面のビードトウ11Bから最も遠い第3の角部21C(第3の頂点21C)の位置との、タイヤ径方向距離である。図6においては、距離Ldは、第2の線分S2および第5の線分S5の長さと等しい。
距離Lwは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、ビードコア21の断面のビードヒール11Cに最も近い第2の角部21B(第2の頂点21B)の位置との、タイヤ幅方向距離である。図6においては、距離Lwは、第1の線分S1および第4の線分S4の長さと等しい。
そして、本変形例においては、距離Ld(第2の線分S2の長さ、第5の線分S5の長さ)は、距離Lw(第1の線分S1の長さ、第4の線分S4の長さ)の3/4倍の長さで設定されている。
図6にはさらに、ビードコア21の断面の重心位置Gと、距離Lgが示されている。
距離Lgは、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)の位置と、重心位置Gとの、タイヤ幅方向距離である。
本変形例においては、ビードコア21の断面が長方形であることから、距離Lgは、距離Lwの略1/2倍の長さである(Lg=1/2×Lw)。そして、前述のとおり、距離Ldは距離Lwの3/4倍の長さであることから(Ld=3/4×Lw)、図3の模式図においては、Lg/Ld=2/3の関係となっている。
タイヤに横力がかかってビードコア21が回転する場合は、ビードコア21としては、ビードコア21の断面のビードトウ11Bに最も近い第1の角部21A(第1の頂点21A)が回転支点となる。
第1の角部21Aを回転支点として考えると、ビードコア21には嵌合力Feが働いているため、通常、ビードコア21の回転を抑制する方向に、Fe×Lgのモーメントがかかっている。この嵌合力Feに基づくモーメントよりも、横力に基づく力F1による逆方向のモーメントが大きくなってしまった場合、ビードコア21が回転する可能性がある。すなわち、F1×Ld>Fe×Lgの関係になると、ビードコア21が回転する可能性がある。逆に、F1×Ld≦Fe×Lgの関係であれば、ビードコア21は回転し難い。
本変形例においては、Lg/Ld=2/3である。したがって、F1>2/3×Feとなってしまった場合、すなわち、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの2/3倍を上回ってしまった場合には、ビードコア21が回転してしまう可能性がある。
逆にいうと、本変形例の断面長方形のビードコア21を用いた場合では、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの2/3倍の大きさを上回らない状態であれば、ビードコア21は回転し難い。
このように、本変形例の断面長方形のビードコア21を用いた場合では、ビードコアの断面積を大きくすることなく、横力に対抗するための、嵌合力Feに基づくモーメントを大きなモーメントとすることができる。
このように、横力に基づく力F1が嵌合力Feの2/3倍の大きさであっても、ビードコア21が回らないような構成が望まれる。よって、距離Lgと距離Ldの関係は、下記式(1)を満たすことが望ましい。
Lg/Ld≧2/3・・・(1)
横力に基づく力F1によって、ビードコアが回らない条件は、前述のとおりF1×Ld≦Fe×Lgである。横力に基づく力F1が仮に嵌合力Feの2/3倍の場合であっても(F1=2/3Fe)、上記式(1)を満たしていれば、F1×Ld≦Fe×Lgの条件を満たすことになるため、ビードコア21は回転し難い。
以上のように、上記式(1)満たせば、ビードコア21の断面積を大きくすることなく、横力によって生じるビードコア21の回転を抑制することができる。よって、転がり抵抗の悪化、燃費の低下を生じさせることなく、リム外れの発生を抑制することができる。
なお、上記式(1)を満たせば、ビードコア21の断面形状に関わらず、横力によって生じるビードコア21の回転を抑制するという効果が得られる。
以下、第1実施形態の第2変形例について説明する。
第2変形例のタイヤ1は、ビードコア21の形状が異なる。
図7は、本変形例のビードコア21の断面形状を模式的に示す。本変形例のビードコア21は、タイヤ幅方向断面視(タイヤ子午線断面視)において、その断面形状が直角三角形となっている。
ここで、本変形例のビードコア21の断面形状は、図3のビードコア21の断面形状と比較すると、やや扁平となっており、距離Ldは、距離Lwの略8/9倍の長さで設定されている(Ld/Lw=8/9)。そして、本変形例のビードコア21の断面形状は直角三角形であることから、距離Lgは、距離Lwの2/3倍の長さである(Lg=2/3×Lw)。よって、図7の模式図においては、Lg/Ld=3/4の関係となっている。
上述のとおり、F1×Ld>Fe×Lgの関係になると、ビードコア21が回転する可能性がある。逆に、F1×Ld≦Fe×Lgの関係であれば、ビードコア21は回転し難い。
本変形例においては、Lg/Ld=3/4である。したがって、F1>3/4×Feとなってしまった場合、すなわち、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの3/4倍(0.75倍)を上回ってしまった場合には、ビードコア21が回転してしまう可能性がある。
逆にいうと、本変形例の断面直角三角形のビードコア21を用いた場合では、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの3/4倍の大きさを上回らない状態であれば、ビードコア21は回転し難い。
このように、本変形例の断面直角三角形のビードコア21を用いた場合では、ビードコアの断面積を大きくすることなく、横力に対抗するための、嵌合力Feに基づくモーメントを大きなモーメントとすることができる。
本変形例に示すように、横力に基づく力F1が嵌合力Feの3/4倍の大きさであっても、ビードコア21が回らないような構成であることがより望ましい。よって、距離Lgと距離Ldの関係は、下記式(2)を満たすことがより望ましい。
Lg/Ld≧3/4・・・(2)
横力に基づく力F1によって、ビードコアが回らない条件は、前述のとおりF1×Ld≦Fe×Lgである。横力に基づく力F1が仮に嵌合力Feの3/4倍の場合であっても(F1=3/4Fe)、上記式(2)を満たしていれば、F1×Ld≦Fe×Lgの条件を満たすことになるため、ビードコア21は回転し難い。
以上のように、上記式(2)満たせば、ビードコア21の断面積を大きくすることなく、横力によって生じるビードコア21の回転をより効果的に抑制することができる。よって、転がり抵抗の悪化、燃費の低下を生じさせることなく、リム外れの発生を抑制することができる。
以下、第1実施形態の第3変形例について説明する。
第3変形例のタイヤ1は、ビードコア21の形状が異なる。
図8は、本変形例のビードコア21の断面形状を模式的に示す。本変形例のビードコア21は、タイヤ幅方向断面視(タイヤ子午線断面視)において、その断面形状が長方形となっている。
ここで、本変形例のビードコア21の断面形状は、図6のビードコア21の断面形状と比較すると、より扁平となっており、距離Ldは、距離Lwの略2/3倍の長さで設定されている(Ld/Lw=2/3)。そして、本変形例のビードコア21の断面形状は長方形であることから、距離Lgは、距離Lwの1/2倍の長さである(Lg=1/2×Lw)。よって、図8の模式図においては、Lg/Ld=3/4の関係となっている。
上述のとおり、F1×Ld>Fe×Lgの関係になると、ビードコア21が回転する可能性がある。逆に、F1×Ld≦Fe×Lgの関係であれば、ビードコア21は回転し難い。
本変形例においては、Lg/Ld=3/4である。したがって、F1>3/4×Feとなってしまった場合、すなわち、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの3/4倍(0.75倍)を上回ってしまった場合には、ビードコア21が回転してしまう可能性がある。
逆にいうと、本変形例の断面長方形のビードコア21を用いた場合では、横力に基づく力F1が、嵌合力Feの3/4倍の大きさを上回らない状態であれば、ビードコア21は回転し難い。
このように、本変形例の断面長方形のビードコア21を用いた場合では、ビードコアの断面積を大きくすることなく、横力に対抗するための、嵌合力Feに基づくモーメントを大きなモーメントとすることができる。
本変形例に示すように、横力に基づく力F1が嵌合力Feの3/4倍の大きさであっても、ビードコア21が回らないような構成であることがより望ましい。よって、距離Lgと距離Ldの関係は、下記式(2)を満たすことがより望ましい。
Lg/Ld≧3/4・・・(2)
横力に基づく力F1によって、ビードコアが回らない条件は、前述のとおりF1×Ld≦Fe×Lgである。横力に基づく力F1が仮に嵌合力Feの3/4倍の場合であっても(F1=3/4Fe)、上記式(2)を満たしていれば、F1×Ld≦Fe×Lgの条件を満たすことになるため、ビードコア21は回転し難い。
以上のように、上記式(2)満たせば、ビードコア21の断面積を大きくすることなく、横力によって生じるビードコア21の回転をより効果的に抑制することができる。よって、転がり抵抗の悪化、燃費の低下を生じさせることなく、リム外れの発生を抑制することができる。
なお、上記式(2)を満たせば、ビードコア21の断面形状に関わらず、横力によって生じるビードコア21の回転をより効果的に抑制するという効果が得られる。
なお、本実施形態の構成は、タイヤ断面高さH1が大きいランフラットタイヤにおいても好適である。通常、タイヤ断面高さH1が大きい場合、タイヤのリム装着部付近に強い応力がかかり、局所的な変形が生じやすい。このような場合であっても、本実施形態の構成であれば、リム装着部付近で局所的な変形が生じることを抑制することが可能であり、ランフラット耐久性を向上させることができる。
また、リムベースラインBLからビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aまでのタイヤ径方向距離H2に対してタイヤ断面高さH1が相対的に大きいランフラットタイヤは、リム装着部付近で局所的な変形が生じやすいが、本実施形態の構成は、このようなランフラットタイヤにおいても好適に採用できる。例えば、リムベースラインBLからトレッド13の踏面13Cまでのタイヤ径方向距離H1(タイヤ断面高さH1)が、リムベースラインBLからビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aまでのタイヤ径方向距離H2の3倍以上であるようなタイヤであっても、本実施形態の構成を採用すれば、リム装着部付近で局所的な変形が生じることを抑制し、ランフラット耐久性を向上させることができる。ここで、タイヤ断面高さH1とは、リムベースラインBLからトレッド13の踏面13Cまでのタイヤ径方向の距離であり、換言すると、タイヤの外径とリム径の差の1/2である。
また、本実施形態の構成は、補強ゴム層50のタイヤ径方向外側端50Aがトレッド13の領域まで延在している場合において、特に好適である。具体的には、スチールベルトのタイヤ幅方向外側端26Aのタイヤ径方向内側にも断面三日月形状の補強ゴム層50のタイヤ径方向外側領域が配置されている場合に、特に好適である。このような場合、トレッド13とサイドウォール12の境界領域であるショルダー付近の剛性が高い。したがって、その分タイヤのリム装着部付近に強い応力がかかり、局所的な変形が生じやすい。このような場合であっても、本実施形態の構成であれば、リム装着部付近で局所的な変形が生じることを抑制することが可能であり、ランフラット耐久性を向上させることができる。
本実施形態のタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係るタイヤ1は、一対のビード11と、一対のビード11の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール12と、前記一対のサイドウォール12間に配置されたトレッド13と、一対のビード11間に架け渡されたカーカスプライ23と、を備えるランフラットタイヤであって、サイドウォール12は、カーカスプライ23のタイヤ幅方向外側に配置されたサイドウォールゴム30と、カーカスプライ23のタイヤ内腔側に配置された補強ゴム層50と、を有し、ビード11は、ビードコア21と、リム100と接触するリムストリップゴム32と、を有し、リムストリップゴム32は、一体的なゴム部材として、ビードコア21のタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつサイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側にも一部が配置されているゴム部材であり、さらに、リムストリップゴム32の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度よりも高く、タイヤ幅方向断面視において、ビードコア断面のビードトウに最も近い第1の角部21Aの位置と、ビードコア断面のビードトウから最も遠い第3の角部21Cの位置との、タイヤ径方向距離をLd、ビードコア断面のビードトウに最も近い第1の角部21Aの位置と、ビードコア断面の重心位置Gとの、タイヤ幅方向距離をLgとしたとき、下記(1)の式を満たす。
Lg/Ld≧2/3・・・(1)
これにより、ランフラット走行時に横力がかかったときのリム外れの発生を抑制することができる。
(2)本実施形態に係るタイヤ1は、さらに距離Ldおよび距離Lgが、下記(2)の式を満たす。
Lg/Ld≧3/4・・・(2)
これにより、ランフラット走行時に横力がかかったときのリム外れの発生をさらに抑制することができる。
(3)本実施形態に係るタイヤ1のビードコア21の断面は、略三角形である。
これにより、ビードコアの体積および重量を増やすことなく、上述の効果を得ることができる。
(4)本実施形態に係るタイヤ1のビード11は、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22をさらに備え、ビードフィラー22が、断面が略三角形のビードコア21の、タイヤ幅方向内側の斜面と接触するように配置されている。
これにより、ビードコア21とビードフィラー22の接触面積を増やすことができ、ビードコア21とビードフィラー22の接合状態を安定させることができる。
(5)本実施形態に係るタイヤ1のビード11は、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22をさらに備え、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aからビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eまでのタイヤ径方向距離D1は、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Eからビードコア21のタイヤ径方向内側端21Fまでのタイヤ径方向距離D2の2倍以上である。より好ましくは3倍以上である。
これにより、リム外れの発生を抑制するとともに、タイヤの剛性を確保することができる。
(6)本実施形態に係るタイヤ1のビード11は、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22をさらに備え、リムストリップゴム32は、カーカスプライ23を介してビードコア21およびビードフィラー22のタイヤ幅方向外側に配置され、かつサイドウォールゴム30のタイヤ幅方向内側に一部が配置されており、リムストリップゴム32の硬度は、サイドウォールゴム30の硬度よりも高く、かつビードフィラー22の硬度よりも低い。
これにより、リムストリップゴム32周辺のタイヤ内のゴムの硬度が段階的に変化する構成となり、ランフラット走行時においても、リム装着部付近等のビード近傍における局所的な変形および応力の発生を抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るタイヤについて、図9を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、また詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、図9に示されるように、第1実施形態におけるチェーハー31が、リムストリップゴムと一体的な部材として構成されている。すなわち、本実施形態のリムストリップゴム41は、第1実施形態におけるチェーハー31およびリムストリップゴム32が一体となったひとつのゴム部材である。
リムストリップゴム41は、カーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側に配置された第1の端部41Aと、プライ本体24のタイヤ幅方向内側に配置された第2の端部41Bを有する。
本実施形態においては、リムストリップゴム41の硬度は、インナーライナー29の硬度よりも高く、かつ補強ゴム層50の硬度よりも低い値であることが好ましい。
例えば、リムストリップゴム41の硬度を基準としたとき、インナーライナー29の硬度は、リムストリップゴム41の硬度の0.6倍以上0.9倍以下の硬度のゴムを用いることがより好ましい。また、補強ゴム層50の硬度は、リムストリップゴム41の硬度の1.1倍以上1.4倍以下の硬度のゴムを用いることがより好ましい。
具体的には、例えば、リムストリップゴム41のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、65以上70以下であることが好ましい。そして、インナーライナー29のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、45以上60以下の範囲であることが好ましい。そして、補強ゴム層50のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、70以上85以下の範囲であって、かつリムストリップゴム41の硬度の1.1倍以上1.4倍以下の値であることが好ましい。
なお、本実施形態においても、リムストリップゴム41の硬度は、ビードフィラー22の硬度よりも低い値であることが好ましく、ビードフィラー22のタイプAデュロメータで測定される硬さの値は、75以上100以下の範囲であることが好ましい。
リムストリップゴム41の第2の端部31Bの周辺に注目してみると、リムストリップゴム41の一部は、インナーライナー29のタイヤ幅方向外側に配置され、かつ補強ゴム層50のタイヤ幅方向内側に配置されている。そして、上述のとおり、リムストリップゴム41の硬度を、インナーライナー29の硬度よりも高く、かつ補強ゴム層50の硬度よりも低くすることにより、この部分のタイヤ内のゴムの硬度が段階的に変化する構成となる。このような構成を採用することにより、ランフラット走行時においても、ビード11近傍における局所的な変形および応力の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態のリムストリップゴム41は、インナーライナー29のタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつカーカスプライ23を介してビードフィラー22のタイヤ幅方向内側に一部が配置されている。そして、上述のとおり、リムストリップゴム41の硬度を、インナーライナー29よりも高く、かつビードフィラー22の硬度よりも低くすることにより、この部分のタイヤ内のゴムの硬度が段階的に変化する構成となる。このような構成を採用することにより、ランフラット走行時においても、ビード11近傍における局所的な変形および応力の発生を抑制することができる。
本実施形態に係るタイヤによれば、上記(1)~(6)に加えて以下の効果を奏する。
(7)本実施形態のタイヤ1は、カーカスプライ23および補強ゴム層50のタイヤ内腔側に設けられたインナーライナー29をさらに備え、リムストリップゴム41の一部は、インナーライナー29のタイヤ幅方向外側に配置され、かつ補強ゴム層50のタイヤ幅方向内側に配置されており、リムストリップゴム41の硬度は、インナーライナー29の硬度よりも高く、かつ補強ゴム層50の硬度よりも低い。
これにより、リムストリップゴム41周辺のタイヤ内のゴムの硬度が段階的に変化する構成となり、ランフラット走行時においても、ビード11近傍における局所的な変形および応力の発生を抑制することができる。
なお、本発明のタイヤは、乗用車、ライトトラック、トラック、バス等の各種タイヤとして採用することができるが、特に乗用車用のタイヤとして好適である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
1 タイヤ
11 ビード
11B ビードトウ
12 サイドウォール
13 トレッド
21 ビードコア
21A 第1の角部(第1の頂点)
21C 第3の角部(第3の頂点)
21E タイヤ径方向外側端
21F タイヤ径方向内側端
21G 斜面
22 ビードフィラー
22A タイヤ径方向外側端
22B タイヤ径方向内側端
23 カーカスプライ
231 第1カーカスプライ
232 第2カーカスプライ
24 プライ本体
25 プライ折り返し部
26 スチールベルト
27 キャッププライ
28 トレッドゴム
29 インナーライナー
30 サイドウォールゴム
31 チェーハー
32、41 リムストリップゴム
50 補強ゴム層
100 リム

Claims (7)

  1. 一対のビードと、
    前記一対のビードの各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、
    前記一対のサイドウォール間に配置されたトレッドと、
    前記一対のビード間に架け渡されたカーカスプライと、
    を備えるランフラットタイヤであって、
    前記サイドウォールは、前記カーカスプライのタイヤ幅方向外側に配置されたサイドウォールゴムと、前記カーカスプライのタイヤ内腔側に配置された補強ゴム層と、を有し、
    前記ビードは、ビードコアと、リムと接触するリムストリップゴムと、を有し、
    前記リムストリップゴムは、一体的なゴム部材として、前記ビードコアのタイヤ幅方向外側に一部が配置され、かつ前記サイドウォールゴムのタイヤ幅方向内側にも一部が配置されているゴム部材であり、さらに、前記リムストリップゴムの硬度は、前記サイドウォールゴムの硬度よりも高く、
    タイヤ幅方向断面視において、
    前記ビードコア断面のビードトウに最も近い角部の位置と、前記ビードコア断面の前記ビードトウから最も遠い角部の位置との、タイヤ径方向距離を距離Ld、前記ビードコア断面の前記ビードトウに最も近い角部の位置と、前記ビードコア断面の重心位置との、タイヤ幅方向距離を距離Lgとしたとき、下記(1)の式を満たす、ランフラットタイヤ。
    Lg/Ld≧2/3・・・(1)
  2. 前記距離Ldおよび前記距離Lgは、さらに下記(2)の式を満たす、請求項1に記載のランフラットタイヤ。
    Lg/Ld≧3/4・・・(2)
  3. 前記ビードコアの断面が略三角形である、請求項1または請求項2に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記ビードは、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラーをさらに備え、
    前記ビードフィラーが、断面が略三角形の前記ビードコアの、タイヤ幅方向内側の斜面と接触するように配置されている、請求項3に記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記ビードは、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラーをさらに備え、
    前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端から前記ビードコアのタイヤ径方向外側端までのタイヤ径方向距離は、前記ビードコアのタイヤ径方向外側端から前記ビードコアのタイヤ径方向内側端までのタイヤ径方向距離の2倍以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記ビードは、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラーをさらに備え、
    前記リムストリップゴムは、前記カーカスプライを介して前記ビードコアおよび前記ビードフィラーのタイヤ幅方向外側に配置され、かつ前記サイドウォールゴムのタイヤ幅方向内側に一部が配置されており、
    前記リムストリップゴムの硬度は、サイドウォールゴムの硬度よりも高く、かつ前記ビードフィラーの硬度よりも低い、請求項1~5のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ。
  7. 前記カーカスプライおよび前記補強ゴム層のタイヤ内腔側に設けられたインナーライナーをさらに備え、
    前記リムストリップゴムの一部は、前記インナーライナーのタイヤ幅方向外側に配置され、かつ前記補強ゴム層のタイヤ幅方向内側に配置されており、
    前記リムストリップゴムの硬度は、前記インナーライナーの硬度よりも高く、かつ前記補強ゴム層の硬度よりも低い、請求項1~6のいずれか1項に記載のランフラットタイヤ。
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