JP2005001443A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドフレックスゾーンの最適化を図ることにより、サイド部の表面歪の発生を有効に抑制してサイド部の耐久性を向上させるとともに、乗心地性を向上させた、偏平率が40%以下の空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ1は、ビードコア2、補強ゴム3を埋設したビード部4、サイドウォール部5、及びトレッド部6の各部にわたってトロイド状に延びるカーカス9を配設し、カーカス9のクラウン部10外周側に傾斜ベルト層11a、11bからなるベルト12と、ベルト補強層14とを具え、偏平率が40%以下である。補強ゴム3を、ゴム硬さが80以下の軟質ゴムで構成し、サイドウォール部5を構成する外皮ゴム15を、厚さtがタイヤ最大幅位置Pにて3.5mm以下とし、サイドフレックスゾーン18をタイヤ径方向に沿って計測したときの距離Lをタイヤ断面高さSHの30%以上とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビードコア、及びその直上に位置し略三角形状の断面をもつ補強ゴムを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されたプライ折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスを配設し、カーカスのクラウン部外周側に配設され、タイヤ周方向に対し傾斜して延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層からなるベルトと、該ベルトの少なくとも両端部を覆う範囲に配設され、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト補強層とを具える偏平率が40%以下の空気入りタイヤに関し、特にかかるタイヤの乗心地性とサイド部の耐久性の向上を図る。
【0002】
【従来の技術】
新車に装着される標準タイヤの大径化と偏平化は年々進んでおり、近年では乗用車用タイヤであっても17インチや18インチといったリム径の大きなタイヤや、偏平率が45%や40%といった超偏平タイヤも登場している。それに加え、ユーザーの中には、標準タイヤのホイールをインチアップして更にリム径の大きなホイールとそれに適合するタイヤに取り換えることによって車の外観を良くする、いわゆるドレスアップをすることを楽しむ人々が増えてきている。
【0003】
ホイールをインチアップする場合には、通常、タイヤの外径は標準タイヤと同じにしながら、リム径だけを標準タイヤよりも大きくするため、必然的に標準タイヤよりも偏平率が小さく、タイヤのサイド部の狭い超偏平タイヤとなる。かかる超偏平タイヤにおいては、補強ゴムの上端位置とベルト補強層の端縁位置との間の、構造的に軟らかく、タイヤが撓む際に比較的変形しやすい領域であるサイドフレックスゾーンが極端に狭くなるため、路面の凹凸により発生する振動を、このサイドフレックスゾーンで十分に吸収することができず、振動が車体に直接伝わってしまう結果、乗心地の悪いタイヤとなってしまう。さらに、サイドフレックスゾーンが狭いことにより、タイヤの空気圧が低下した状態で使用すると、サイド部の表面歪が増大する傾向がある。このサイド部の表面歪が大きい状態で長期間使用を続けると、サイド部表面に細かい亀裂が生じることがあり、これはサイド部の耐久性や外観を損なう。
【0004】
耐久性を高めた偏平空気入りタイヤとしては、例えば特許文献1に、カーカスに最も近接するベルト層のそれぞれの側部を、それよりも外周側のベルト層の側部上に折り返してプライ折返し部を形成し、そのプライ折返し部の幅をベルトの最大幅の8〜13%としてなる、偏平率が50%以下の空気入りラジアルタイヤが記載されている。しかし、かかるタイヤは、ベルト側縁のセパレーションを有効に防止することで高速耐久性の向上を図っているが、前記のようなサイド部の耐久性の検討は行われていない。
【0005】
また、特許文献2には、ラジアルカーカスをビードコアの周りで内側から外側へ折り返して巻き上げるとともに、ラジアルカーカスの本体部分と巻き上げ部分との間で、ビードコアの外周側にビードフィラーを配置し、有機繊維コードからなり、ビードコア及びビードフィラーのそれぞれを内包するフリッパーを、ビードコアの周りで内側から外側へ折り返して配置してなり、フリッパーの折返し端位置とビードフィラーの半径方向外端位置の適正化を図った空気入りラジアルタイヤが記載されている。かかる記載によれば、フリッパーによりタイヤ回転方向バネ定数を有利に増加させ、操縦安定性の向上に寄与すると共に、適度な硬さのビードフィラーによりタイヤ径方向のバネ定数の上昇を防ぎ、快適な乗心地の提供に寄与することができる。しかし、かかるタイヤでは、やはり前記のようなサイド部の耐久性の検討は行われていない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−233018号公報
【特許文献2】
特開平10−250323号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この発明の目的は、補強ゴムとサイドフレックスゾーンの適正化を図ることにより、サイド部の表面歪の発生を有効に抑制して耐久性を向上させるとともに、乗心地性を向上させた、偏平率が40%以下の空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、ビードコア、及びその直上に位置し略三角形状の断面をもつ補強ゴムを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されたプライ折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスを配設し、カーカスのクラウン部外周側に配設され、タイヤ周方向に対し傾斜して延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層からなるベルトと、該ベルトの少なくとも両端部を覆う範囲に配設され、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト補強層とを具える偏平率が40%以下の空気入りタイヤにおいて、補強ゴムはゴム硬さが80以下の比較的軟質のゴムからなり、サイドウォール部を構成する外皮ゴムは厚さがタイヤ最大幅位置にて3.5mm以下であり、補強ゴムの上端位置とベルト補強層の端縁位置との間の領域、いわゆるサイドフレックスゾーンをタイヤ径方向に沿って計測したときの距離がタイヤ断面高さの30%以上であることを特徴とする空気入りタイヤである。
【0009】
ここで、「タイヤ断面高さ」とは、JATMAに定める断面高さの定義に従い、「タイヤを適用リムに装着し、規定の空気圧とし、無負荷状態のタイヤの外径とリム径の差の1/2」をいうものとする。また「ゴム硬さ」とは、JIS K6253に規定するスプリング式硬さ試験機A型により得られたゴム硬さのことをいうものとする。
【0010】
また、補強ゴムはゴム硬さが75以上であり、サイドウォール部を構成する外皮ゴムは厚さがタイヤ最大幅位置にて2.0mm以上であり、サイドフレックスゾーンをタイヤ径方向に沿って計測したときの距離がタイヤ断面高さの50%以下であることが好ましい。
【0011】
さらに、補強ゴムのタイヤ径方向高さはタイヤ断面高さの10〜20%の範囲にあることが好ましい。なお、「補強ゴムのタイヤ径方向高さ」とは、タイヤをJATMA又はこれに準ずる規格に定める標準リムに装着した状態にてリム径を測定する位置から補強ゴム上端位置までをタイヤ径方向に沿って測定した距離をいうものとする。
【0012】
さらにまた、操縦安定性の観点から、高いビード剛性がより重視される場合には、補強ゴムをカーカスのプライ本体部とプライ折返し部との間に埋設することが好ましい。
【0013】
加えて、耐久性の観点から、プライ折返し部の上端位置でのセパレーションの防止がより重視される場合には、補強ゴムを、これとビードコアとの間を通りプライ本体部の外面に沿って配設されるプライ折返し部の外面に沿って配設することが好ましい。
【0014】
さらに、空気入りタイヤは、JATMA又はこれに準ずる規格に定める標準リムに装着したタイヤの外面に、リムフランジよりもタイヤ幅方向外側に突出してリムを保護する突起ゴムをさらに具えることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下、「タイヤ」という。)の幅方向左半断面図である。
【0016】
タイヤ1は、ビードコア2、及びその直上に位置し略三角形状の断面をもつ補強ゴム3を埋設した一対のビード部4、ビード部4からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部5、及び両サイドウォール部5間にまたがって延びるトレッド部6の各部にわたってトロイド状に延びるプライ本体部7と、このプライ本体部7から延び前記ビードコア2の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されたプライ折返し部8とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカス9を配設し、カーカス9のクラウン部10外周側に配設され、タイヤ周方向に対し傾斜して延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層、図1では2層の傾斜ベルト層11a、11bからなるベルト12と、ベルト12の少なくとも両端部13を覆う範囲に配設され、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト補強層、図1ではベルト12の全面を覆う1層のベルト補強層14とを具え、偏平率が40%以下である。
【0017】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、補強ゴム3を、ゴム硬さが80以下の比較的軟質のゴムで構成し、サイドウォール部5を構成する外皮ゴム15を、厚さtがタイヤ最大幅位置Pにて3.5mm以下とし、補強ゴム3の上端位置16とベルト補強層の端縁位置17との間のサイドフレックスゾーン18をタイヤ径方向に沿って計測したときの距離Lをタイヤ断面高さSHの30%以上とすることにある。
【0018】
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
前述の通り、サイドフレックスゾーンが狭い場合には、路面の凹凸により発生する振動を十分に吸収することができず、この振動が車体に直接伝わってしまう結果、乗心地の悪いタイヤとなってしまう上、サイド部の表面歪が大きくなり、歪が一箇所に集中しやすくなるため、サイド部表面に細かい亀裂が生じて、サイド部の耐久性や外観を損なう懸念がある。したがって、乗心地性及び耐久性を確保する観点からはサイドフレックスゾーンをできるだけ広くすることが好ましい。サイドフレックスゾーンを広くする簡便な方法としては、ビードフィラーのタイヤ径方向高さを低くすることが考えられるが、これだけでは十分なサイド部の耐久性と乗心地性を両立させることはできなかった。この原因について発明者らが鋭意研究を重ねたところ、偏平率が60%以上のようなタイヤの場合には、ハンドルを切ったり、ブレーキをかけたりすることにより車軸に発生する力を直接的に路面に伝えるために、補強ゴムとして比較的硬質のゴムを使用することが有用であるが、偏平率が40%以下の超偏平タイヤの場合には、硬質の補強ゴムを使用すると、サイドフレックスゾーンが狭いタイヤ形状であるが故に、力が直接的に路面に伝わりすぎ、乗心地性を悪化させるため、補強ゴムの硬さを調整する必要があることを見出した。そこで、発明者らは、補強ゴム3を、ゴム硬さが80以下と従来の補強ゴムに比べて軟質のゴムで構成し、補強ゴム3の上端位置16とベルト補強層の端縁位置17との間のサイドフレックスゾーン18をタイヤ径方向に沿って計測したときの距離Lをタイヤ断面高さSHの30%以上とすれば、サイド部の広い範囲にわたって振動を効率的に吸収するサイドフレックスゾーンが形成されるので、サイド部の表面歪が一箇所に集中するのを防ぎ、かつ、広い領域で路面からの振動が吸収される結果、サイド部の耐久性と乗心地性を向上できるとの着想を得たが、サイド部の耐久性は依然として不十分であった。そこで、サイド部の表面歪はサイドウォール部の外皮ゴムの厚さに比例して発生しやすくなるとの発想の下、さらに研究を重ねた結果、上記構成に加えて、サイドウォール部5を構成する外皮ゴム15を、厚さtがタイヤ最大幅位置Pにて3.5mm以下と薄くすれば、サイド部の表面歪そのものを低下させることができ、前述した亀裂の発生が防止される結果、乗心地性と耐久性の双方を向上させることができることを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
【0019】
また、補強ゴム3はゴム硬さが75以上であり、サイドウォール部5を構成する外皮ゴム15は厚さtがタイヤ最大幅位置Pにて2.0mm以上であり、サイドフレックスゾーン18をタイヤ径方向に沿って計測したときの距離Lがタイヤ断面高さSHの50%以下であることが好ましい。補強ゴム3のゴム硬さが75未満の場合にはビード部の剛性が低下しすぎ、操縦安定性を損なうおそれがあるからであり、厚さtがタイヤ最大幅位置Pにて2.0mm未満の場合には道路脇の縁石やポットホールと呼ばれる道路上の穴などにタイヤが接触したり落ちたりした際、サイド部外面からカット傷が入る現象、いわゆるサイドカットが起きやすくなり、耐久性を損なうおそれがあるからであり、距離Lがタイヤ断面高さSHの50%を超える場合にはサイド部の剛性が低下しすぎ、やはり操縦安定性を損なうおそれがあるからである。
【0020】
さらに、補強ゴム3のタイヤ径方向高さRHはタイヤ断面高さSHの10〜20%の範囲にあることが好ましい。補強ゴム3のタイヤ径方向高さRHがタイヤ断面高さSHの10%未満の場合には車軸に発生する力の伝達を路面に直接的に行えなくなるおそれがあり、操縦安定性等、他の性能を損なうおそれがあるからであり、20%を超える場合にはサイドフレックスゾーン18を十分に確保することができず、サイド部の表面歪が増大するので、耐久性及び乗心地性を向上させる効果が十分に得られないからである。
【0021】
さらにまた、操縦安定性の観点から、高いビード剛性がより重視される場合には、図1に示すように、補強ゴム3をカーカス9のプライ本体部7とプライ折返し部8との間に埋設することが好ましい。このように補強ゴム3をプライ本体部7とプライ折返し部7との間に埋設すれば、操舵によりタイヤ幅方向に作用する力が発生した際にも、カーカスのプライコードがこの力を支えてビード部の変形を抑制する構造となっているので、高い操縦安定性を確保できるからである。
【0022】
加えて、耐久性の観点から、プライ折返し部の上端位置でのセパレーションの防止がより重視される場合には、図2に示すように、補強ゴム3を、これとビードコア2との間を通りプライ本体部7の外面に沿って配設されるプライ折返し部8の外面に沿って配設することが好ましい。このように補強ゴム3をプライ折返し部8の外面に沿って配設すれば、プライ本体部7とプライ折返し部8とが互いに密着するので、上端位置19への応力の集中を回避して、セパレーションを防止することができるからである。
【0023】
さらに、タイヤ1は、標準リムに装着したタイヤの外面に、リムフランジ20よりもタイヤ幅方向外側に突出してリムを保護する突起ゴム21をさらに具えることが好ましい。かかる突起ゴム21を具えることによっても、前述したサイドカットを有効に防止することができるからである。
【0024】
なお、上述したところは、この発明の実施態様の一部を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、ベルト補強層14は、図1に示すように、ベルト12の幅よりも広い幅を有する1枚の広幅ベルト補強層であってもよく、図2に示すように、ベルト12の両端縁上に配設された1対の狭幅ベルト補強層であってもよく、また、図示は省略するが、これら広幅ベルト補強層と狭幅ベルト補強層との組合せであってもよい。さらに、カーカス9のプライ折返し部8の上端位置19は、図1に示すように、補強ゴム3の上端位置16よりもタイヤ径方向外側にあってもよいが、図2に示すように、補強ゴム3の上端位置16よりもタイヤ径方向内側にあってもよい。
【0025】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し、性能評価を行ったので以下に説明する。
【0026】
実施例1及び2のタイヤは、タイヤサイズが215/35R18の乗用車用超偏平ラジアルタイヤであり、1枚のカーカスプライで構成されるカーカスと、2層の傾斜ベルト層からなるベルトと、1層の広幅ベルト補強層と、カーカスのプライ本体部とプライ折返し部との間に埋設された補強ゴム(実施例1、3及び4)、又はプライ折返し部の外面に沿って配設された補強ゴム(実施例2)とを具え、プライ折返し部の上端位置は補強ゴムの上端位置よりもタイヤ径方向内側にあり、タイヤの外面に突起ゴムを具え、それぞれ表1に示す諸元を有する。
【0027】
比較のため、タイヤサイズ、カーカス、ベルト、及びベルト補強層が実施例1及び2と同じであり、カーカスのプライ本体部とプライ折返し部との間に埋設された補強ゴム及びタイヤの外面に突起ゴムを具え、プライ折返し部の上端位置は補強ゴムの上端位置よりもタイヤ径方向内側にあり、表1に示す諸元を有するものの、補強ゴムのゴム硬さ及びサイドフレックスゾーンの距離がこの発明の範囲外であるタイヤ(比較例1)、補強ゴムのゴム硬さがこの発明の範囲外であるタイヤ(比較例2)、並びに外皮ゴムの厚さがこの発明の範囲外であるタイヤ(比較例3)についても併せて試作した。
【0028】
(試験方法)
前記各供試タイヤを、サイズが8Jのリムに取り付けてタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に、空気圧が低下した状態を再現することを目的として、通常の空気圧よりもかなり低い130kPa(相対圧)の空気圧を適用し、次の各試験を行った。
【0029】
1.サイド部の耐久性
前記各タイヤ車輪のサイド部の全体に伸縮性のメッシュを貼り付け、無負荷状態を基準とし、JATMA又はこれに準ずる規格に定める最大負荷、このサイズのタイヤでは4.4kNの負荷を掛けた状態での各メッシュ間隔の変化率(%)を測定し、これら変化率の最大値からサイド部の耐久性を評価した。この評価結果を表1に示す。なお、表1中の耐久性の数値は小さいほど優れている。
【0030】
2.乗心地性
前記各タイヤ車輪をテスト車両に装着し、助手席に1名が乗車した時を想定して60kgのダミーウェイトを置いた条件下でテストコースを走行し、プロのドライバーによりフィーリング評価を行った。この評価結果を表1に示す。また、このテスト走行時の操縦安定性についてもフィーリング評価を行ったので、表1に併せて付記した。なお、表1の乗心地性及び操縦安定性の数値は10点満点で評価したものであり、数値が大きいほど性能が優れている。
【0031】
【表1】
Figure 2005001443
【0032】
表1に示す評価結果から、実施例1〜4のタイヤはいずれも、比較例1〜3のタイヤに比べて乗心地性及びサイド部の耐久性に優れていることが分かる。
【0033】
【発明の効果】
この発明により、補強ゴムとサイドフレックスゾーンの適正化を図ることにより、サイド部の表面歪の発生を有効に抑制してサイド部の耐久性を向上させるとともに、乗心地性を向上させた、偏平率が40%以下の空気入りタイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う代表的な空気入りタイヤの幅方向左半断面図である。
【図2】この発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向左半断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 ビードコア
3 補強ゴム
4 ビード部
5 サイドウォール部
6 トレッド部
7 プライ本体部
8 プライ折返し部
9 カーカス
10 クラウン部
11a、11b 傾斜ベルト層
12 ベルト
13 ベルト端部
14 ベルト補強層
15 外皮ゴム
16 補強ゴム上端位置
17 ベルト補強層端縁位置
18 サイドフレックスゾーン
19 プライ折返し部上端位置
20 リムフランジ
21 突起ゴム

Claims (6)

  1. ビードコア、及びその直上に位置し略三角形状の断面をもつ補強ゴムを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されたプライ折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスを配設し、カーカスのクラウン部外周側に配設され、タイヤ周方向に対し傾斜して延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも2層の傾斜ベルト層からなるベルトと、該ベルトの少なくとも両端部を覆う範囲に配設され、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1層のベルト補強層とを具える偏平率が40%以下の空気入りタイヤにおいて、
    補強ゴムはゴム硬さが80以下の比較的軟質のゴムからなり、
    サイドウォール部を構成する外皮ゴムは厚さがタイヤ最大幅位置にて3.5mm以下であり、
    補強ゴムの上端位置とベルト補強層の端縁位置との間の領域、いわゆるサイドフレックスゾーンをタイヤ径方向に沿って計測したときの距離がタイヤ断面高さの30%以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 補強ゴムはゴム硬さが75以上であり、サイドウォール部を構成する外皮ゴムは厚さがタイヤ最大幅位置にて2.0mm以上であり、サイドフレックスゾーンをタイヤ径方向に沿って計測したときの距離がタイヤ断面高さの50%以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 補強ゴムのタイヤ径方向高さはタイヤ断面高さの10〜20%の範囲にある請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 補強ゴムはカーカスのプライ本体部とプライ折返し部との間に埋設される請求項1〜3のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 補強ゴムは、これとビードコアとの間を通りプライ本体部の外面に沿って配設されるプライ折返し部の外面に沿って配設される請求項1〜3のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  6. 標準リムに装着したタイヤの外面に、リムフランジよりもタイヤ幅方向外側に突出してリムを保護する突起ゴムをさらに具える請求項1〜5のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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