JP2023093790A - グラフェンの製造方法 - Google Patents

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広之 阿曽
Hiroyuki Aso
賢二郎 林
Kenjiro Hayashi
章一 須田
Shoichi Suda
正明 ▲乗▼松
Masaaki Norimatsu
大雄 近藤
Daiyu Kondo
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Abstract

【課題】グラフェン膜の特性の低下を抑制すること。【解決手段】金属膜上に形成されたグラフェン膜の上面に枠状の保持膜を形成する工程と、前記保持膜を形成した後、前記金属膜をエッチング液に溶かす工程と、前記金属膜を溶かした後、前記グラフェン膜を転写基板上に移す工程と、前記グラフェン膜を前記転写基板上に移した後、前記保持膜を除去する工程と、を備えるグラフェンの製造方法。これにより、転写基板上に大きなグラフェン膜を特性の低下を抑えて転写することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、グラフェンの製造方法に関する。
金属膜上に形成したグラフェン膜を基板に転写する方法として、金属膜をエッチング液に溶かした後、グラフェン膜を液体表面に浮かせ、液体表面に浮いたグラフェン膜を基板に転写する方法が知られている(例えば特許文献1-4)。
特表2019-511451号公報 特表2018-531426号公報 米国特許出願公開第2017/0028692号明細書 米国特許出願公開第2017/0057812号明細書
グラフェン膜の散開を抑制するため、グラフェン膜上にレジスト膜を塗布した後に、金属膜をエッチング液に溶かすことが行われている。グラフェン膜上に形成したレジスト膜は最終的に除去されるが、レジスト膜の一部がグラフェン膜上に残渣として残ることがある。この場合、グラフェン膜に汚染等が生じて特性が低下してしまうことがある。
1つの側面では、グラフェン膜の特性の低下を抑制することを目的とする。
1つの態様では、金属膜上に形成されたグラフェン膜の上面に枠状の保持膜を形成する工程と、前記保持膜を形成した後、前記金属膜をエッチング液に溶かす工程と、前記金属膜を溶かした後、前記グラフェン膜を転写基板上に移す工程と、前記グラフェン膜を前記転写基板上に移した後、前記保持膜を除去する工程と、を備えるグラフェンの製造方法である。
1つの態様では、グラフェン膜が形成された金属膜をエッチング液に溶かす工程と、前記金属膜を溶かした後、前記グラフェン膜を液体表面に浮かせる工程と、前記液体表面に浮いた前記グラフェン膜を、枠状の囲い部が形成された転写基板の前記囲い部内に移す工程と、前記転写基板の前記囲い部内に前記グラフェン膜を移した後、前記囲い部を前記転写基板から除去する工程と、を備えるグラフェンの製造方法である。
1つの側面として、グラフェン膜の特性の低下を抑制することができる。
図1(a)から図1(d)は、実施例1に係るグラフェンの製造方法を示す断面図(その1)である。 図2(a)から図2(d)は、実施例1に係るグラフェンの製造方法を示す断面図(その2)である。 図3(a)は、保持膜を形成する前のグラフェン膜付きの基板の平面図、図3(b)は、保持膜を形成した後のグラフェン膜付きの基板の平面図である。 図4は、図2(a)の工程を行った後の転写基板の顕微鏡像である。 図5は、図2(b)の工程を行った後の転写基板の顕微鏡像である。 図6は、図2(d)の工程を行った後の転写基板の顕微鏡像である。 図7(a)から図7(c)は、比較例に係るグラフェンの製造方法を示す断面図(その1)である。 図8(a)から図8(c)は、比較例に係るグラフェンの製造方法を示す断面図(その2)である。 図9(a)は、電気特性を評価したデバイスの上面図、図9(b)は、図9(a)のA-A断面図である。 図10(a)から図10(d)は、実施例2に係るグラフェンの製造方法を示す断面図(その1)である。 図11(a)から図11(d)は、実施例2に係るグラフェンの製造方法を示す断面図(その2)である。 図12(a)から図12(d)は、実施例2に係るグラフェンの製造方法を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1(a)から図2(d)は、実施例1に係るグラフェンの製造方法を示す断面図である。図1(a)のように、グラフェン膜30付きの基板10を準備する。グラフェン膜30付きの基板10は、基板10上に金属膜20が形成され、金属膜20上にグラフェン膜30が形成されている。基板10は、例えば酸化膜付きシリコン基板である。金属膜20は、例えば銅膜である。なお、基板10および金属膜20は、この場合に限られる訳ではない。金属膜20は、グラフェンの触媒となる金属により形成された膜であればよい。金属膜20は、例えば鉄膜、ニッケル膜、またはコバルト膜でもよい。金属膜20は、例えばスパッタリング法により、基板10上に堆積される。金属膜20の厚さは、例えば1nm~1mm程度である。
グラフェン膜30は、例えば熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法により金属膜20上に成長される。熱CVD法では、例えば、原料ガスとしてメタンガスを用い、希釈ガスとして水素およびアルゴンを用いる。なお、グラフェン膜30は、例えばプラズマCVD法またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法等の他の方法により成長されてもよい。グラフェン膜30は、単層でもよいし、複数層でもよい。グラフェン膜30を成長した後、窒素雰囲気中にグラフェン膜30付きの基板10を載置して脱気処理を行ってもよい。
図1(b)のように、グラフェン膜30の上面に枠状の保持膜40を形成する。図3(a)は、保持膜40を形成する前のグラフェン膜30付きの基板10の平面図、図3(b)は、保持膜40を形成した後のグラフェン膜30付きの基板10の平面図である。図3(a)および図3(b)のように、グラフェン膜30の上面に、矩形状の外形を有し、内側に円形状の開口42を有する保持膜40を形成する。保持膜40はグラフェン膜30の上面に接して形成され、保持膜40の開口42からはグラフェン膜30が露出している。開口42の大きさは適宜決定されるが、例えば5mm~2cm程度である。
保持膜40は、例えば粘着剤を有するテープである。保持膜40は、粘着剤によりグラフェン膜30の上面に貼り付けられている。テープは、後述する乾燥処理に耐え得るような、ポリイミドテープ等の耐熱テープであることが好ましい。耐熱テープの厚さは、例えば0.03mm~0.1mm程度である。
図1(c)のように、ビーカー等の容器70に入ったエッチング液74にグラフェン膜30付きの基板10を浸す。エッチング液74は、金属膜20を溶かすことが可能な液体である。エッチング液74として、例えば塩化鉄(FeCl)水溶液または王水が用いられる。なお、エッチング液74はこの場合に限られる訳ではない。例えば、金属膜20が銅膜である場合では硝酸(HNO)を含むエッチング液74を用いてもよいし、鉄膜である場合では塩酸(HCl)を含むエッチング液74を用いてもよい。ニッケル膜またはコバルト膜である場合では硝酸または塩酸を含むエッチング液74を用いてもよい。
グラフェン膜30付きの基板10をエッチング液74に浸すことで、金属膜20がエッチング液74に溶け、基板10とグラフェン膜30が分離する。基板10はエッチング液74の下に沈み、グラフェン膜30はエッチング液74の表面に浮く。グラフェン膜30の上面に保持膜40が設けられているため、グラフェン膜30を金属膜20から分離させてエッチング液74の表面に浮いた状態としても、グラフェン膜30が散開することが抑制される。
図1(d)のように、エッチング液74の表面に浮いたグラフェン膜30を別の基板(不図示)で掬った後、希塩酸および純水等により洗浄し、最終的に、容器72に入れられた純水76の表面に浮いた状態とする。グラフェン膜30の上面に保持膜40が設けられていることから、グラフェン膜30に対して洗浄を行っても、グラフェン膜30が散開することが抑制される。
図2(a)のように、純水76の表面に浮いたグラフェン膜30を転写基板60で掬う。グラフェン膜30を転写基板60で掬った後、グラフェン膜30が濡れているときに、グラフェン膜30の位置決めをしたり、グラフェン膜30に皺が生じている場合には皺伸ばしを行ったりしてもよい。転写基板60は、例えば酸化膜付きシリコン基板であるが、グラフェン膜30の使用用途に応じて適宜適切な基板が選択される。なお、転写基板60を親水性にするため、グラフェン膜30を掬う前に、転写基板60に対して酸素プラズマアッシャー処理を行ってもよい。
図2(b)のように、転写基板60をホットプレート等の加熱機器78上に載置し、転写基板60およびグラフェン膜30に付着した水分を蒸発させて乾燥させる。転写基板60を加熱機器78上に載置する場合に、転写基板60を加熱機器78上に載置した石英治具88に斜めに立てかけるようにしてもよい。このようにすることで、転写基板60とグラフェン膜30の中の水が抜けやすくなる。また、転写基板60を石英治具88に斜めに立てかけずにそのまま加熱機器78に乗せると水蒸気の気泡でグラフェン膜30が損傷する恐れがある。
図2(c)のように、グラフェン膜30を乾燥させた後、保持膜40を除去する。グラフェン膜30を加熱して乾燥させることで、グラフェン膜30のうち保持膜40の開口42から露出して保持膜40が貼り付いていない部分は、熱収縮によって保持膜40から離れるようになる。このため、グラフェン膜30のうち保持膜40の開口42から露出した部分への影響を抑えつつ、保持膜40を除去することができる。例えば、保持膜40が粘着剤を有するテープである場合、グラフェン膜30のうち保持膜40の開口42から露出した部分が熱収縮することで、この部分への影響を抑えつつ、保持膜40をグラフェン膜30から剥がすことができる。保持膜40を除去した部分には、グラフェン膜30の一部が残ったりするが、この部分は保持膜40の残渣があるのでデバイスには用いない。つまり、グラフェン膜30のうち、保持膜40を除去した部分をデバイスに用いる。
図2(d)のように、転写基板60を加熱機器78上に再度載置し、図2(b)で説明したグラフェン膜30の乾燥のときよりも高い温度で転写基板60およびグラフェン膜30を加熱する。これにより、転写基板60とグラフェン膜30の密着性が向上する。
[転写実験]
図1(a)から図2(d)に示した方法によりグラフェン膜30を転写基板60に転写する実験を行った。各工程の詳細について以下に示す。
図1(a)の工程:基板10に酸化膜付きシリコン基板を用い、金属膜20に銅膜を用いた、金属膜20上に熱CVD法を用いてグラフェン膜30を成長させた。その後、グラフェン膜30付きの基板10を切り出し、平面視して、一辺の長さL1(図3(a)参照)が12mmの正方形状とした。
図1(b)の工程:保持膜40に粘着剤を有する厚さが約10mmのポリイミドテープを用いた。保持膜40をグラフェン膜30の上面に粘着剤により貼り付けた。保持膜40は、平面視して、正方形状の外形を有し、内側に円形状の開口42が設けられている。保持膜40の一辺の長さL2(図3(b)参照)は12mmで、開口42の直径D(図3(b)参照)は7mmであった。
図1(c)の工程:エッチング液74に塩化鉄水溶液を用いた。金属膜20をエッチング液74に溶かして、グラフェン膜30を基板10から分離させてエッチング液74の表面に浮かせた。
図1(d)の工程:エッチング液74の表面に浮かんだグラフェン膜30を酸化膜付きシリコン基板で掬い、純水10分、希塩酸10分、純水10分の順に洗浄し、最終的に、容器72内の純水76の表面に浮かした状態とした。
図2(a)の工程:転写基板60に酸素プラズマアッシャー処理を5分間行った酸化膜付きシリコン基板を用い、純水76の表面に浮いたグラフェン膜30を転写基板60で掬った。転写基板60で掬ったグラフェン膜30に対して位置決めおよび皺伸ばしを行った。
図2(b)の工程:加熱機器78としてホットプレートを用い、転写基板60を加熱機器78上に載置した石英治具88に斜めに立てかけた。この状態で、加熱機器78(ホットプレート)の温度を60℃に設定して1時間の熱処理を行い、グラフェン膜30を乾燥させた。
図2(c)の工程:転写基板60を加熱機器78から取り出した後、グラフェン膜30の上面から保持膜40を剥がした。
図2(d)の工程:転写基板60を加熱機器78上に再度載置し、加熱機器78(ホットプレート)の温度を150℃に設定して1時間の熱処理を行った。
図4は、図2(a)の工程を行った後の転写基板60の顕微鏡像である。図5は、図2(b)の工程を行った後の転写基板60の顕微鏡像である。すなわち、図4は、グラフェン膜30を掬った後の転写基板60の顕微鏡像であり、図5は、グラフェン膜30を加熱して乾燥させた後の転写基板60の顕微鏡像である。図4および図5において、グラフェン膜30のうち保持膜40の開口42に位置して露出している部分をグラフェン膜30aとする。図4および図5のように、グラフェン膜30を加熱して乾燥させた後(図5)は、加熱処理を行う前(図4)に比べて、保持膜40の開口42で露出したグラフェン膜30aが熱収縮し、グラフェン膜30aが保持膜40から離れていることが確認できる。
図6は、図2(d)の工程を行った後の転写基板60の顕微鏡像である。すなわち、図6は、グラフェン膜30から保持膜40を剥がし、その後、150℃、1時間の熱処理を行った後の転写基板60の顕微鏡像である。図6においても、図4および図5と同じく、グラフェン膜30のうち保持膜40の開口42に位置して露出していた部分をグラフェン膜30aとしている。図6のように、保持膜40の開口42で露出していたグラフェン膜30aが熱収縮して保持膜40から離れたことで、グラフェン膜30aへの影響を抑えつつ保持膜40をグラフェン膜30から剥がせたことが確認できる。このため、大きな面積のグラフェン膜30aが転写基板60に転写できたことが確認できる。なお、グラフェン膜30aの周囲には、保持膜40が貼り付いていた箇所のグラフェン膜30bが一部残っている。
[比較例]
図7(a)から図8(c)は、比較例に係るグラフェンの製造方法を示す断面図である。図7(a)のように、グラフェン膜30付きの基板10を準備し、グラフェン膜30の上面にPMMA(polymenthyl methacrylate)レジストであるポリマー膜90を塗布する。ポリマー膜90はグラフェン膜30の上面全面に形成される。
図7(b)のように、容器70に入ったエッチング液74にグラフェン膜30付きの基板10を浸して、金属膜20をエッチング液74に溶かす。これにより、基板10とグラフェン膜30が分離し、基板10はエッチング液74の下に沈み、グラフェン膜30はエッチング液74の表面に浮く。グラフェン膜30の上面にポリマー膜90が設けられているため、グラフェン膜30を金属膜20から分離させても、グラフェン膜30が散開することが抑制される。
図7(c)のように、エッチング液74の表面に浮いたグラフェン膜30を別の基板(不図示)で掬った後、グラフェン膜30を洗浄し、最終的に容器72に入った純水76の表面にグラフェン膜30が浮いた状態とする。グラフェン膜30の上面にポリマー膜90が設けられているため、グラフェン膜30を洗浄しても、グラフェン膜30が散開することが抑制される。
図8(a)のように、純水76の表面に浮いたグラフェン膜30を転写基板60で掬う。
図8(b)のように、ポリマー膜90が溶ける溶液94が入った容器92に転写基板60を浸す。これにより、グラフェン膜30の上面に設けられたポリマー膜90が溶けて除去される。
図8(c)のように、転写基板60を容器92から取り出す。その後、転写基板60およびグラフェン膜30を加熱機器(不図示)により加熱して、転写基板60とグラフェン膜30を乾燥させるとともに、転写基板60とグラフェン膜30の密着性を向上させる。
[電気特性評価]
実施例1の方法により転写したグラフェン膜30と、比較例の方法により転写したグラフェン膜30と、を用いてデバイスを作製して電気特性の評価を行った。図9(a)は、電気特性を評価したデバイスの上面図、図9(b)は、図9(a)のA-A断面図である。図9(a)および図9(b)のように、電気特性を評価したデバイスは、酸化膜付きシリコン基板80の下面にゲート電極82が設けられ、上面にソース電極84およびドレイン電極86が設けられている。ゲート電極82、ソース電極84、およびドレイン電極86は、チタン層と金層の積層構造とした。
酸化膜付きシリコン基板80の上面に、ソース電極84とドレイン電極86の間を接続するグラフェン膜30が設けられている。典型的なグラフェン膜30の長さは1~50μmで、幅は1~50μmで、厚さは数nm~数百nmであった。グラフェン膜30は、上述した実施例1および比較例の方法により酸化膜付きシリコン基板80上に転写した後、所望の形状にフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いてパターニングすることで形成した。
図9(a)および図9(b)に示すデバイスに対して、ソース電極84とドレイン電極86にプローブ針を当ててドレイン電極86に10mVの電流を流す。ゲート電極82に-40V~+40Vの間を500mVのステップで振った電圧を印加する。これにより、移動度およびコンタクト抵抗を測定した。表1は測定結果である。
Figure 2023093790000002
表1のように、実施例1は、比較例に比べて、移動度が大きく、コンタクト抵抗は小さい結果であった。比較例の転写方法では、グラフェン膜30の上面にポリマー膜90の残渣が残ってしまい、その結果、移動度が小さく、コンタクト抵抗が大きくなったものと考えられる。一方、実施例1では、枠状の保持膜40を用いているため、グラフェン膜30aの上面に保持膜40の残渣が残り難く、その結果、移動度が大きく、コンタクト抵抗が小さくなったと考えられる。
実施例1によれば、図1(b)および図3(b)のように、グラフェン膜30の上面に枠状の保持膜40を形成する。図1(c)のように、保持膜40を形成した後、金属膜20をエッチング液74に溶かす。図2(a)のように、金属膜20を溶かした後、グラフェン膜30を転写基板60上に移す。図2(c)のように、グラフェン膜30を転写基板60上に移した後、保持膜40を除去する。グラフェン膜30の上面に保持膜40を形成することで、グラフェン膜30の散開が抑制され、図6のように、転写基板60上に大きなグラフェン膜30aを転写することができる。また、グラフェン膜30aは、保持膜40が形成されていなかった部分であるため、保持膜40の残渣が残ることが抑制される。よって、グラフェン膜30aは特性の低下が抑制される。
また、実施例1では、図3(b)のように、保持膜40は、平面視して、輪郭が丸みを帯びた線で形成される円形状の開口42を有する。例えば、開口42が平面視して矩形状をしている場合では、開口42で露出するグラフェン膜30aのうち開口42の角に位置する部分に応力が集中し易くなり、グラフェン膜30aに皺が発生し易くなる。これに対し、開口42の輪郭が丸みを帯びた線で表される形状であると、開口42で露出するグラフェン膜30aの外周全体に応力が分散され易く、グラフェン膜30aに皺が発生し難くなる。また、例えば加熱機器78によりグラフェン膜30を乾燥させるときに、グラフェン膜30aの外周全体が熱収縮によって均等に保持膜40から離れ易くなる。このため、グラフェン膜30aへの影響を抑えて保持膜40を除去することが容易にでき、転写基板60上に大きなグラフェン膜30aが転写され易くなる。なお、開口42の形状は、円形状である場合を例に示したが、楕円形状等、輪郭が丸みを帯びた線で表される形状であればよい。
また、実施例1では、図3(b)のように、保持膜40は、平面視して、矩形状の外形を有し、内側に輪郭が丸みを帯びた線で形成される開口42を有する。これにより、グラフェン膜30の上面への保持膜40の貼り付けおよびグラフェン膜30からの保持膜40の剥がしの作業性を向上させつつ、グラフェン膜30aの皺の発生の抑制および大きなグラフェン膜30aの転写が可能となる。
また、実施例1では、図2(b)のように、グラフェン膜30を転写基板60上に移した後、転写基板60上のグラフェン膜30を加熱して乾燥させる。その後、図2(c)のように、保持膜40を除去する。転写基板60上に移したグラフェン膜30を加熱して乾燥させることで、開口42で露出するグラフェン膜30aが熱収縮して保持膜40から離れるようになる。このため、その後にグラフェン膜30から保持膜40を除去することで、グラフェン膜30aへの影響を抑えつつ、保持膜40を除去することができる。
また、実施例1では、グラフェン膜30の上面への保持膜40の形成は、粘着剤を有するテープである保持膜40をグラフェン膜30の上面に貼り付けることで行う。グラフェン膜30からの保持膜40の除去は、保持膜40をグラフェン膜30から剥がすことで行う。これにより、転写基板60上に残るグラフェン膜30aへの影響を抑えて、保持膜40を除去することが容易にできる。
図10(a)から図11(d)は、実施例2に係るグラフェンの製造方法を示す断面図である。図12(a)から図12(d)は、実施例2に係るグラフェンの製造方法を示す平面図である。図12(a)から図12(d)では、図の明瞭化のために、グラフェン膜30および囲い部50にハッチングを付している。図10(a)のように、グラフェン膜30付きの基板10を準備する。これは、実施例1の図1(a)と同じであるため説明を省略する。
図10(b)および図12(a)のように、容器70に入ったエッチング液74にグラフェン膜30付きの基板10を浸す。これにより、金属膜20がエッチング液74に溶け、基板10とグラフェン膜30が分離する。基板10はエッチング液74の下に沈み、グラフェン膜30はエッチング液74の表面に浮く。このときに、グラフェン膜30の上面に保持膜が形成されていないため、グラフェン膜30は散開して複数に分かれることがある。
図10(c)および図12(b)のように、グラフェン膜30を希塩酸および純水で洗浄し、最終的に、容器72に入れられた純水76の表面にグラフェン膜30が浮いた状態とする。この洗浄工程においても、グラフェン膜30は散開して更に多くに分かれる。
図10(d)のように、枠状の囲い部50が形成された転写基板60を予め準備する。例えば、囲い部50は、平面視して、矩形状の外形を有し、内側には矩形状の開口52を有する(図12(c)も参照)。囲い部50内には、スポイト等を用いて純水54を予め入れておいてもよい。また、転写基板60を親水性にするため、転写基板60に対して事前に酸素プラズマアッシャー処理を行ってもよい。囲い部50は、例えば粘着剤を有するテープである。囲い部50は、粘着剤により転写基板60の上面に貼り付けられている。テープは、後述する乾燥処理に耐え得るような、ポリイミドテープ等の耐熱テープである場合が好ましい。
なお、囲い部50は、平面視して、五角形以上の多角形の外形、または、円形や楕円形等の輪郭が丸みを帯びた線で形成される外形を有する等、その他の外形形状をしていてもよい。開口52は、平面視して、五角形以上の多角形形状を有していてもよいし、円形や楕円形等の輪郭が丸みを帯びた線で形成される形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。
図11(a)および図12(c)のように、純水76の表面に浮いているグラフェン膜30を、転写基板60の囲い部50内に移す。例えば、純水76の表面に浮いているグラフェン膜30をピンセットで摘まんで転写基板60の囲い部50内に移す。
図11(b)のように、転写基板60を加熱機器78上に載置し、囲い部50内の水分を蒸発させて、グラフェン膜30を乾燥させる。
図11(c)および図12(d)のように、グラフェン膜30を乾燥させた後、囲い部50を転写基板60から除去する。囲い部50内の水分は蒸発しているため、囲い部50を除去しても、グラフェン膜30が動くことは抑制される。
図11(d)のように、転写基板60を加熱機器78上に再度載置し、図11(b)で説明したグラフェン膜30の乾燥のときよりも高い温度で加熱する。これにより、転写基板60とグラフェン膜30の密着性が向上する。
実施例2によれば、図10(b)のように、グラフェン膜30が形成された金属膜20をエッチング液74に溶かす。図10(c)のように、金属膜20を溶かした後、グラフェン膜30を純水(液体)76の表面に浮かせる。図11(a)のように、純水76の表面に浮いたグラフェン膜30を、枠状の囲い部50が形成された転写基板60の囲い部50内に移す。図11(c)のように、囲い部50内にグラフェン膜30を移した後、囲い部50を転写基板60から除去する。これにより、グラフェン膜30の上面にポリマー膜を形成しなくても、転写基板60の所望の位置にグラフェン膜30を転写することができる。グラフェン膜30の上面にポリマー膜を形成していないため、グラフェン膜30にポリマー膜の残渣が残ることがなく、グラフェン膜30の特性の低下が抑制される。
また、実施例2では、図11(b)のように、転写基板60の囲い部50内にグラフェン膜30を移した後、グラフェン膜30を加熱して乾燥させる。その後に、図11(c)のように、転写基板60から囲い部50を除去する。これにより、囲い部50を除去しても、グラフェン膜30が動くことを抑制できる。
また、実施例2では、図10(d)のように、グラフェン膜30を転写基板60の囲い部50内に移す前に、囲い部50内に純水(液体)54を注入しておく。これにより、グラフェン膜30を囲い部50内で動かくことが容易となり、グラフェン膜30を所望の位置に合わせることができる。このことから、囲い部50内に注入しておく純水54の量は、グラフェン膜30を移動させることを可能としつつ、グラフェン膜30が勝手に動くことが抑制される程度の量であることが好ましい。
また、実施例2では、囲い部50は、粘着剤を有するテープであり、粘着剤によって転写基板60に貼り付けられている。これにより、囲い部50の除去は、囲い部50を転写基板60から剥がすことでできるため、囲い部50内のグラフェン膜30への影響を抑えて、囲い部50を除去することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)金属膜上に形成されたグラフェン膜の上面に枠状の保持膜を形成する工程と、前記保持膜を形成した後、前記金属膜をエッチング液に溶かす工程と、前記金属膜を溶かした後、前記グラフェン膜を転写基板上に移す工程と、前記グラフェン膜を前記転写基板上に移した後、前記保持膜を除去する工程と、を備えるグラフェンの製造方法。
(付記2)前記保持膜は、平面視して、輪郭が丸みを帯びた線で形成される開口を有する、付記1に記載のグラフェンの製造方法。
(付記3)前記保持膜は、平面視して、矩形状の外形を有し、内側に前記開口を有する、付記2に記載のグラフェンの製造方法。
(付記4)前記グラフェン膜を前記転写基板上に移した後、前記転写基板上の前記グラフェン膜を加熱して乾燥させる工程を備える、付記1から3のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
(付記5)前記保持膜の除去は、前記グラフェン膜を乾燥させた後に行われる、付記4に記載のグラフェンの製造方法。
(付記6)前記グラフェン膜を乾燥させることで、前記グラフェン膜のうち前記保持膜の開口から露出して前記保持膜が形成されていない部分は熱収縮により前記保持膜から離れる、付記4または5に記載のグラフェンの製造方法。
(付記7)前記グラフェン膜の乾燥は、加熱機器上に載置された石英治具に斜めに立てかけて行う、付記4から6のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
(付記8)前記保持膜の形成は、粘着剤を有するテープである前記保持膜を前記グラフェン膜の上面に貼り付けることで行われ、前記保持膜の除去は、前記保持膜を前記グラフェン膜から剥がすことで行われる、付記1から7のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
(付記9)グラフェン膜が形成された金属膜をエッチング液に溶かす工程と、前記金属膜を溶かした後、前記グラフェン膜を液体表面に浮かせる工程と、前記液体表面に浮いた前記グラフェン膜を、枠状の囲い部が形成された転写基板の前記囲い部内に移す工程と、前記転写基板の前記囲い部内に前記グラフェン膜を移した後、前記囲い部を前記転写基板から除去する工程と、を備えるグラフェンの製造方法。
(付記10)前記転写基板の前記囲い部内に前記グラフェン膜を移した後、前記グラフェン膜を加熱して乾燥させる工程を備え、前記囲い部の除去は、前記グラフェン膜を乾燥させた後に行われる、付記9に記載のグラフェンの製造方法。
(付記11)前記グラフェン膜を前記転写基板の前記囲い部内に移す前に、前記転写基板の前記囲い部内に液体を注入する工程を備える、付記9または10に記載のグラフェンの製造方法。
(付記12)前記囲い部は、粘着剤を有するテープであり、前記粘着剤によって前記転写基板に張り付けられている、付記9から11のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
10 基板
20 金属膜
30、30a、30b グラフェン膜
40 保持膜
42 開口
50 囲い部
52 開口
54 純水
60 転写基板
70、72 容器
74 エッチング液
76 純水
78 加熱機器
80 酸化膜付きシリコン基板
82 ゲート電極
84 ソース電極
86 ドレイン電極
88 石英治具
90 ポリマー膜
92 容器
94 溶液

Claims (10)

  1. 金属膜上に形成されたグラフェン膜の上面に枠状の保持膜を形成する工程と、
    前記保持膜を形成した後、前記金属膜をエッチング液に溶かす工程と、
    前記金属膜を溶かした後、前記グラフェン膜を転写基板上に移す工程と、
    前記グラフェン膜を前記転写基板上に移した後、前記保持膜を除去する工程と、を備えるグラフェンの製造方法。
  2. 前記保持膜は、平面視して、輪郭が丸みを帯びた線で形成される開口を有する、請求項1に記載のグラフェンの製造方法。
  3. 前記保持膜は、平面視して、矩形状の外形を有し、内側に前記開口を有する、請求項2に記載のグラフェンの製造方法。
  4. 前記グラフェン膜を前記転写基板上に移した後、前記転写基板上の前記グラフェン膜を加熱して乾燥させる工程を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
  5. 前記保持膜の除去は、前記グラフェン膜を乾燥させた後に行われる、請求項4に記載のグラフェンの製造方法。
  6. 前記グラフェン膜を乾燥させることで、前記グラフェン膜のうち前記保持膜の開口から露出して前記保持膜が形成されていない部分は熱収縮により前記保持膜から離れる、請求項4または5に記載のグラフェンの製造方法。
  7. 前記保持膜の形成は、粘着剤を有するテープである前記保持膜を前記グラフェン膜の上面に貼り付けることで行われ、
    前記保持膜の除去は、前記保持膜を前記グラフェン膜から剥がすことで行われる、請求項1から6のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
  8. グラフェン膜が形成された金属膜をエッチング液に溶かす工程と、
    前記金属膜を溶かした後、前記グラフェン膜を液体表面に浮かせる工程と、
    前記液体表面に浮いた前記グラフェン膜を、枠状の囲い部が形成された転写基板の前記囲い部内に移す工程と、
    前記転写基板の前記囲い部内に前記グラフェン膜を移した後、前記囲い部を前記転写基板から除去する工程と、を備えるグラフェンの製造方法。
  9. 前記転写基板の前記囲い部内に前記グラフェン膜を移した後、前記グラフェン膜を加熱して乾燥させる工程を備え、
    前記囲い部の除去は、前記グラフェン膜を乾燥させた後に行われる、請求項8に記載のグラフェンの製造方法。
  10. 前記グラフェン膜を前記転写基板の前記囲い部内に移す前に、前記転写基板の前記囲い部内に液体を注入する工程を備える、請求項8または9に記載のグラフェンの製造方法。
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