JP2023092282A - 無溶剤型接着剤組成物、積層体、包装体及び積層体の製造方法 - Google Patents

無溶剤型接着剤組成物、積層体、包装体及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一次ラミネートの後に、従来必要とされてきた長時間のエージング工程を設けることなく二次ラミネートを実施した場合においても、エアーの混入及びテレスコープの発生を抑制可能な無溶剤型接着剤、並びに、エアーの混入及びテレスコープが抑制された該接着剤を用いた積層体の提供。エアーの混入及びテレスコープの発生が抑制された三層以上の積層体を効率的に製造する方法の提供。【解決手段】上記課題は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含む無溶剤型接着剤であって、該接着剤を介してポリエチレンテレフタレートフィルム同士を貼り合わせた積層体を20℃65%RH環境下に1時間保管後の剪断応力が2.0N以上である、無溶剤型接着剤によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、各種プラスチックフィルム、及び金属蒸着フィルムの積層に好適に用いられる、無溶剤型接着剤及びそれを用いた積層体に関する。さらに、本発明は、食品、医薬品、化粧品、洗剤、雑貨等に好適に用いられる、前記積層体を用いた包装体に関する。
近年、法規制の強化及び環境保全又は安全性への配慮から、包装材料に用いられるラミネート接着剤において、溶剤型から無溶剤型への切り替え要望が高まっている。最近では、無溶剤型接着剤ラミネート業務の中心である二層構成のみならず、従来溶剤型でラミネートが行われている三層以上構成への無溶剤接着剤の利用が検討されている。
一般的に三層以上構成の積層体を得る方法としては、第1の基材と中間基材とを第1の接着剤を用いてラミネート(以下、一次ラミネートともいう)して中間積層体を得た後、得られた中間積層体の中間基材面と第2の基材とを、第2の接着剤を用いてラミネート(以下、二次ラミネート)する方法が挙げられる。
しかしながら、無溶剤型接着剤はハンドリング性及び洗浄性、あるいは外観性能やポットライフといった観点から、含有する樹脂の分子量が低く設計されており、ラミネート後の凝集力の立ち上がりが遅い傾向にある。その結果、三層以上の積層体を無溶剤型接着剤のみを用いて製造する場合、一次ラミネートと二次ラミネートとの間にエージング工程を設けずにラミネート工程を連続して行うと、一次ラミネート後の接着剤の凝集力が充分でない状態で二次ラミネートを行うことになり、一次ラミネートで形成された接着層にデラミネーション(以下、デラミ)が発生するという課題がある。そのため、従来は、三層以上の構成を無溶剤型でラミネートするには一次ラミネートと二次ラミネートとの間に充分な硬化時間(例えば24時間)を設ける必要があり、生産効率の向上が求められていた。あるいは、溶剤型と無溶剤型を併用する必要があり、完全な無溶剤化が進まない原因となっていた。
上記に対し、例えば、特許文献1には、ウレタンプレポリマーにポリエステルポリオールを導入することで凝集力の立ち上がりを早め、初期接着強度を改善した無溶剤型接着剤が記載されている。
特開2021-4343号公報
しかしながら、初期接着強度と二次ラミネート可否とは必ずしも相関しておらず、特許文献1に記載の初期接着強度を改善した無溶剤型接着剤を用いても、三層以上の積層体を得るために、エージング工程を設けずに連続ラミネートを実施可能とする程度の凝集力を発現することは困難である。具体的には、特許文献1に記載の無溶剤型接着剤を用いたとしても、二次ラミネートにおいて、エアーが混入することによるデラミや、貼り合わせたフィルムが剪断方向に滑り、ズレを生じることで発生するテレスコープ(タケノコ状に巻き取られる状態)という不具合を抑止することはできていない。
したがって本発明の目的は、一次ラミネートの後に、従来必要とされてきた長時間のエージング工程を設けることなく二次ラミネートを実施した場合においても、エアーの混入及びテレスコープの発生を抑制可能な無溶剤型接着剤、並びに、エアーの混入及びテレスコープが抑制された該接着剤を用いた積層体を提供することにある。
また、本発明の目的は、無溶剤型接着剤を用いつつ、エアーの混入及びテレスコープの発生が抑制された三層以上の積層体を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す実施形態により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様に係る無溶剤型接着剤は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含み、該接着剤を介してポリエチレンテレフタレートフィルム同士を貼り合わせた積層体を20℃65%RH環境下に1時間保管後の剪断応力が2.0N以上であることを特徴とする。なお、上記剪断応力は、以下の<1>及び<2>の手順で求められるものである。
<1>ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを配合し、厚みが25μmで濡れ張力が50mN/mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布量2.0g/mで塗布した後、同ポリエチレンテレフタレートフィルムを25mm幅で貼り合わせ、20℃65%RH環境下に1時間保管する。
<2>保管後に、貼り合わせ面積が25mm×25mmとなる試験片を作成し、該試験片を用いて80℃環境下における剪断応力を測定する。
本発明の一態様に係る無溶剤型接着剤は、前記剪断応力が2.5N以上であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る積層体は、前記無溶剤型接着剤から形成される接着剤層が、少なくとも2つの基材の間に配置されてなることを特徴とする。
本発明の一態様に係る積層体は、第1の基材層、第1の接着剤層、中間基材層、第2の接着剤層、及び第2の基材層をこの順に備える積層体であって、前記第1の接着剤層が、前記無溶剤型接着剤から形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る包装体は、前記積層体を用いてなることを特徴とする。
本発明の一態様に係る積層体の製造方法は、第1の基材層、第1の接着剤層、中間基材層、第2の接着剤層、及び第2の基材層をこの順に備える積層体の製造方法であって、第1の基材層と中間基材層とを、前記無溶剤型接着剤である第1の接着剤を用いて積層する第1の工程、及び第1の工程の後に、第2の接着剤を用いて第2の基材層を積層する第2の工程を有する、ことを特徴とする。
本発明により、一次ラミネートの後に、従来必要とされてきた長時間のエージング工程を設けることなく二次ラミネートを実施した場合においても、エアーの混入及びテレスコープの発生を抑制可能な無溶剤型接着剤、並びに、エアーの混入及びテレスコープが抑制された該接着剤を用いた積層体を提供することができる。また、本発明により、無溶剤型接着剤を用いつつ、エアーの混入及びテレスコープの発生が抑制された三層以上の積層体を効率的に製造する方法を提供することができる。
〔無溶剤型接着剤〕
本発明の無溶剤型接着剤は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含み、該接着剤を介してポリエチレンテレフタレートフィルム同士を貼り合わせた積層体を20℃65%RH環境下に1時間保管後の剪断応力が2.0N以上であることを特徴とする。
なお、上記剪断応力は、以下の<1>~<2>の手順で求められるものである。
<1>ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを配合し、厚みが25μmで濡れ張力が50mN/mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布量2.0g/mで塗布した後、同ポリエチレンテレフタレートフィルムを25mm幅で貼り合わせ、20℃65%RH環境下に1時間保管する。
<2>保管後に、貼り合わせ面積が25mm×25mmとなる試験片を作成し、該試験片を用いて80℃環境下における剪断応力を測定する。
所定の条件で測定した20℃65%RH環境下に1時間保管後の剪断応力が2.0N以上であることにより、本発明の無溶剤型接着剤は、二次ラミネートを実施する際のフィルムずれによるエアー混入(デラミ)やテレスコープの発生を抑制することができる。
より詳細には、剪断応力とは、接着剤樹脂を挟むように位置するフィルムを面平行方向に滑らせる剪断変形において発生する応力のことであり、ラミネート工程においてはフィルム進行方向(面平行方向)に対して発生する。より具体的には、フィルム進行方向に対して発生する剪断応力(面平行方向)が、インプレッションロール、コーティングロール、ニップロール、タッチロールのいずれかを通る際にフィルムずれを発生させ、これを抑制できない場合、剥離方向(面垂直方向)に応力変換され、エアーを混入してデラミが生じる。本発明の無溶剤型接着剤は、所定の条件で測定した20℃65%RH環境下に1時間保管後の剪断応力が2.0N以上と高い値であることで、フィルムの滑り幅が抑制され、ラミネート直後の形態を維持することができる。これにより、フィルムずれによるエアー混入(デラミ)を抑制することができ、二次ラミネートを可能にする。
また、一般に、無溶剤型接着剤はラミネート直後の凝集力が溶剤型接着剤に比べて弱いため、ラミネート直後にフィルムが剪断方向に滑りやすく、タケノコ状に巻き取られるテレスコープという不具合が生じやすい(巻ズレとも呼ばれる)。我々は、当該不具合にも接着剤の剪断応力が関与していると推測し、一次及び二次ラミネート試験においてテレスコープの発生を観察したところ、同様に抑制できることを見出した。
剪断応力は、JIS K 6850:1999に準拠した試験方法により測定され、本明細書においては、以下のようにして測定することができる。
<1>ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを配合し、厚みが25μmで濡れ張力が50mN/mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布量2.0g/mで塗布した後、同ポリエチレンテレフタレートフィルムを25mm幅で貼り合わせ、20℃65%RH環境下に1時間保管する。
<2>保管後に、貼り合わせ面積が25mm×25mmとなる試験片を作成し、該試験片を用いて80℃環境下における剪断応力を測定する。
なお、本発明では、測定は5回行い、その平均値を用いた。
また、剪断応力測定装置としては、一般的な引張試験機を用いることができる。
上記剪断応力は、2.0N以上であることが重要であり、好ましくは2.2N以上、より好ましくは2.5N以上である。また、好ましくは10.0N以下であり、より好ましくは7.5N以下、さらに好ましくは5.0N以下である。
以下に、本発明の無溶剤型接着剤を構成する成分について詳細に説明する。
〔ポリオール(A)〕
本発明の無溶剤型接着剤を構成するポリオール(A)は、水酸基を2つ以上有する化合物であればよく、公知のポリオールから選択することができる。ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。これらのポリオール(A)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオール(A)は、基材へのレベリング性と接着性能の観点から、好ましくはポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールを含み、より好ましくはポリエーテルポリオールを含む。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールは、水酸基とエーテル結合とを分子内に各々2つ以上有する化合物であればよく、2官能ポリエーテルポリオール、3官能ポリエーテルポリオールのいずれであってもよい。これらのポリエーテルポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2官能のポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコールのようなポリアルキレングリコール;ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体;プロピレンオキサイド・エチレンオキサイドランダムポリエーテル;が挙げられる。
また、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、シュークローズ等の低分子量ポリオール開始剤に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を付加重合した付加重合体をポリエーテルポリオールとして用いてもよい。
該付加重合体としては、例えば、プロピレングリコールプロピレンオキサイド付加体、グリセリンプロピレンオキサイド付加体、ソルビトール系プロピレンオキサイド付加体、シュークローズ系プロピレンオキサイド付加体が挙げられる。
3官能以上のポリエーテルポリオールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールのような脂肪族ポリオール;前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルのような種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;前記脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトンのような種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;が挙げられる。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えば、カルボキシ基成分と水酸基成分とを反応させて得られるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール;が挙げられる。
上記カルボキシ基成分として好ましくは、両末端に1級水酸基を有する多価カルボン酸であり、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸のような非環状脂肪族ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸;これら脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類;が挙げられる。
中でも反応性の観点から、前記カルボキシ基成分として好ましくは、非環状脂肪族ジカルボン酸を含むものであり、より好ましくはアジピン酸を含むものである。
上記水酸基成分として好ましくは、両末端に1級水酸基を有する多価アルコールであり、該多価アルコールとしては、ジオールや3官能以上のポリオールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3,3‘-ジメチロールヘプタン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサンのような脂肪族ジオール;ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシエチレングリコールのようなエーテルグリコール;前記脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、テトラヒドロフランのような種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;前記脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトンのような種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFのようなビスフェノールにエチレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物;が挙げられる。
前記3官能以上のポリオールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールのような脂肪族ポリオール;前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルのような種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;前記脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトンのような種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;が挙げられる。
中でも反応性の観点から、前記多価アルコールとして好ましくは、脂肪族ジオールを含むものであり、より好ましくはジエチレングリコールを含むものである。
これらのカルボキシ基成分及び水酸基成分は、各々1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらポリオール(A)は、ポリオール中の水酸基の一部が酸変性された酸変性物であってもよく、ポリオール中の水酸基の一部に酸無水物を反応させてカルボキシ基を導入したものであってもよく、ポリオール中の水酸基の一部にポリイソシアネートを反応させてウレタン結合を導入したものであってもよい。
前記酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸エステル無水物が挙げられる。トリメリット酸エステル無水物としては、例えば、炭素数2~30のアルキレングリコール又はアルカントリオールを無水トリメリット酸でエステル化反応させてなるエステル化合物が挙げられ、具体的には、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
上記ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールを、上記ポリイソシアネートで変性する場合の、イソシアネート基のモル数と水酸基のモル数とのモル当量比(NCOモル数/OHモル数)は、好ましくは0.20~0.40であり、より好ましくは0.30~0.35である。モル当量比が0.20以上であると、より分子量の高い高分子が得られて接着強度が向上するため好ましい。モル当量比が0.40以下であると、ポットライフが向上するため好ましい。
本発明におけるポリオール(A)として、より好ましくは、ポリエーテルポリオールをポリイソシアネートで変性してなるポリエーテルポリウレタンポリオールである。ポリエーテルポリウレタンポリオールを用いると、接着剤中の柔軟性と架橋密度とが程よく含まれて接着強度が向上し、且つ良好なポットライフを与えるため好ましい。
ポリオール(A)の数平均分子量は、好ましくは300~3,000、より好ましくは500~2,000である。数平均分子量が300以上であると、接着剤中の高分子の強靭性が増加して接着強度が向上するため好ましい。数平均分子量が3,000以下であると、樹脂の相溶性が向上するため好ましい。
なお、本明細書における数平均分子量及び重量平均分子量は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、溶媒としてテトロヒドロフランを用いて、標準ポリスチレン換算した値である。
ポリオール(A)の水酸基価は、好ましくは100~200、より好ましくは120~180である。水酸基価が100以上であると良好な架橋密度を与えて接着強度が向上するため好ましい。水酸基価が200以下であると、ポットライフが向上するため好ましい。
〔ポリイソシアネート(B)〕
本発明の無溶剤型接着剤を構成するポリイソシアネート(B)は、特に制限されないが、好ましくは、ウレタン結合を有するものであり、より好ましくは、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネートとの反応生成物であるポリエステルポリウレタンポリイソシアネート及び/又はポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートを含む。さらに好ましくは、ポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートを含むものである。ポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートを含むことで、接着剤中の柔軟性と架橋密度とを両立し、剪断応力と接着強度が向上し、且つ良好なポットライフを与えるため好ましい。
(ポリエステルポリオール)
上記ポリエステルポリオールとしては、水酸基とエステル結合とを分子内に各々2つ以上有する化合物であればよく、前述の〔ポリオール(A)〕における(ポリエステルポリオール)の項で記載したものを援用することができる。
(ポリエーテルポリオール)
上記ポリエーテルポリオールとしては、水酸基とエーテル結合とを分子内に各々2つ以上有する化合物であればよく、前述の〔ポリオール(A)〕における(ポリエーテルポリオール)の項で記載したものを援用することができる。ポリエーテルポリオールを用いると、塗膜が柔軟になり接着強度が向上するため好ましい。
中でも塗膜柔軟性と樹脂相溶性との観点から、ポリエーテルポリオールとして好ましくは、分子量400~2,000のポリエーテルポリオールである。分子量が400以上であると、接着剤における高分子鎖の柔軟性が増すため好ましい。分子量が2,000以下であると、イソシアネート成分との相溶性が向上し、ウレタン化反応が容易に進行するため好ましい。
上記ポリエーテルポリウレタンポリオールを合成するにあたり、ポリオール原料全量に対して含まれる3官能のポリオール原料の含有率は、好ましくは4.0質量%以上、12.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以上、10.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以上、8.5質量%以下である。4.0質量%以上であると効率的に架橋が形成され、剪断応力が向上し、二次ラミネートにおけるエアー混入とテレスコープを抑制できるため好ましい。12.0質量%以下であると柔軟性が向上し、接着強度が向上するため好ましい。
ポリエーテルポリオールと後述するポリイソシアネートとを反応させてポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートを得る際の、イソシアネート基のモル数と水酸基のモル数との比(NCOモル数/OHモル数)は、好ましくは3.0以上、4.0未満であり、好ましくは3.3以上、3.6未満である。モル当量比が3.0以上であると、増粘を抑制してポットライフが良くなるため好ましい。モル当量比が4.0未満であると、より分子量の高いポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートが得られ、剪断応力及び接着強度が向上するため好ましい。
(ポリイソシアネート)
上記ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、又はこれらの変性体が挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性体としては、例えば、アロファネート型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビウレット型変性体、アダクト型変性体のほか、上記ポリイソシアネート成分とポリオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるイソシアネート基とウレタン結合とを有する反応生成物が挙げられる。
上記ポリイソシアネートの変性体を形成するポリオールとしては、特に制限されず、公知のポリオールから選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルウレタンポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
これらのポリイソシアネートは、剪断応力及び基材密着性向上の観点から、好ましくは芳香族ポリイソシアネートである。より好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである。ジフェニルメタンジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートのいずれであってもよい。
すなわち、ポリイソシアネート(B)は、好ましくは、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールと、芳香族ポリイソシアネートとの反応生成物であるポリエステルポリウレタンポリイソシアネート及び/又はポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートを含むものである。
ポリイソシアネート(B)のポリイソシアネート基含有率は、好ましくは10.0~12.0、より好ましくは10.5~11.5の範囲である。上記範囲であると程よい架橋密度を形成して接着強度が向上するため好ましい。
本発明の無溶剤型接着剤は、前述のポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を配合して得られる無溶剤型のウレタン系接着剤であって、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との配合割合は、前記ポリイソシアネート(B)が有する全イソシアネート基と、前記ポリオール(A)が有する全水酸基との反応当量比[NCO/OH]が1.0~2.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0~1.5の範囲である。また、ポリオール(A)の配合量は、接着性能の観点から、全ポリイソシアネートに対して、好ましくは30~100質量%であり、より好ましくは40~70質量%である。
本発明の無溶剤型接着剤の粘度は、常温(25℃)~120℃において好ましくは100~10,000mPa・sであり、より好ましくは1,000~5,000mPa・sである。さらに好ましくは、常温(25℃)~80℃において100~10,000mPa・sであり、より好ましくは1,000~5,000mPa・sである。
粘度が100mPa・s以上であると接着剤の初期凝集力に優れるため好ましい。粘度が10,000mPa・s以下であるとポットライフに優れるため好ましい。
本発明の無溶剤型接着剤は、40℃下に20分静置した時の40℃におけるICI粘度が、好ましくは5,000mPa・s未満であり、より好ましくは4,000mPa・s未満である。さらに好ましくは3,500mPa・s未満であり、より好ましくは3,000mPa・s未満である。
40℃のICI粘度が5,000mPa・s未満であるとポットライフに優れてハンドリング性が向上するため好ましい。
〔その他成分〕
本発明の無溶剤型接着剤は、接着剤又は包装体に要求される各種物性を満たすために、上記以外のその他成分を含有してもよい。これらのその他成分は、ポリオール(A)又はポリイソシアネート(B)のいずれに配合してもよいし、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを配合する際に添加してもよい。これらのその他成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(シランカップリング剤)
本発明の無溶剤型接着剤は、金属箔等の金属系素材に対する接着強度を向上させる観点から、シランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン;が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、ポリオール(A)の質量を基準として、好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.2~3質量%である。上記範囲とすることで、金属箔に対する接着強度を向上することができるため好ましい。
(リン酸又はリン酸誘導体)
本発明の無溶剤型接着剤は、金属箔等の金属系素材に対する接着強度を向上させる観点から、リン酸又はリン酸誘導体を含有することができる。
前記リン酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸のようなリン酸類;メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸のような縮合リン酸類;が挙げられる。また、リン酸の誘導体としては、例えば、上述のリン酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化したものが挙げられる。該アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンのような脂肪族アルコール;フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノールのような芳香族アルコール;が挙げられる。
リン酸又はその誘導体の含有量は、ポリオール(A)の質量を基準として、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.05~5質量%、特に好ましくは0.05~1質量%である。
(レベリング剤又は消泡剤)
本発明の無溶剤型接着剤は、積層体の外観を向上させるため、さらにレベリング剤及び/又は消泡剤を含有することができる。レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチンが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物が挙げられる。
(反応促進剤)
本発明の無溶剤型接着剤は、硬化反応を促進するため、さらに反応促進剤を含有することができる。反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレートのような金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7のような3級アミン;トリエタノールアミンのような反応性3級アミン;が挙げられる。
(その他添加剤)
本発明の無溶剤型接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク等の無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤等)、防錆剤、増粘剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤、硬化反応を調整するための触媒が挙げられる。
〔積層体〕
本発明の積層体は、上述の無溶剤型接着剤からなる接着剤層が、少なくとも2つの基材の間に配置されてなるものであり、具体的には、無溶剤型接着剤を第1の基材に塗布して接着剤層を形成し、前記接着剤層に第2の基材を重ね合わせ、両シート状基材の間に位置する前記接着剤層を硬化してなるものである。
また、本発明の無溶剤型接着剤は、従来の無溶剤型接着剤と比較して、所定の条件で測定した20℃65%RH環境下に1時間保管後の剪断応力が2.0N以上と高い値である。したがって、三層構成以上の積層体を製造する際の一次ラミネートに用いた場合に、長時間のエージング工程を設けなくても、二次ラミネートにおけるデラミやテレスコープの発生を抑制できる。
即ち、第1の基材層、第1の接着剤層、中間基材層、第2の接着剤層、及び第2の基材層をこの順に備える積層体において、前記第1の接着剤層が、本発明の無溶剤型接着剤から形成されていることが好ましい。
また、第1の基材層と中間基材層とを、本発明の無溶剤型接着剤である第1の接着剤を用いて積層する第1の工程と、第1の工程の後に、第2の接着剤を用いて第2の基材層を積層する第2の工程とのを有する製造方法によって、第1の基材層、第1の接着剤層、中間基材層、第2の接着剤層、及び第2の基材層をこの順に備える本発明の積層体を製造することができる。
第2の接着剤は、公知の接着剤から適宜選択でき、例えば公知の2液硬化型ウレタン接着剤を好適に用いることができる。第2の接着剤は、無溶剤型接着剤であってもよく、溶剤型接着剤であってもよい。
(基材)
基材は特に制限されないが、好ましくはシート状基材であり、例えば、従来公知のプラスチックフィルム、紙、金属箔等が挙げられ、2つの基材は同種のものでも異種のものでもよい。
プラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のフィルムを用いることができ、好ましくは熱可塑性樹脂のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。基材は、蒸着層等のバリア膜を備えていてもよく、該蒸着層としては、アルミニウム等の金属の蒸着層、シリカ、アルミナ等の金属酸化物の蒸着層が挙げられる。
第1の基材は、好ましくはプラスチックフィルムである。プラスチックフィルムとしては、包装材に一般的に使用されるものが挙げられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)のようなポリエステル樹脂フィルム;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン樹脂フィルム;ポリスチレン樹脂フィルム;ナイロン6、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)のようなポリアミド樹脂フィルム;ポリカーボネート樹脂フィルム;ポリアクリルニトリル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD6/ナイロン6、ナイロン6/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。中でも、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。
プラスチックフィルムは、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の厚みを有するものである。
第2の基材としては、上記第1の基材のほか、シーラント基材を用いることができる。第2の基材が積層体の最外層となる場合、第2の基材はシーラント基材であることが好ましい。
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが挙げられる。
シーラント基材の厚みは特に制限されず、包装材への加工性やヒートシール性等を考慮すると、好ましくは10~150μmであり、より好ましくは20~70μmである。また、シーラント基材に数μm程度の高低差を有する凸凹を設けることで、滑り性や包装材の引き裂き性を付与することができる。
第2の基材が、積層体の中間層となる場合、第2の基材としては、前述のプラスチックフィルム、紙、金属箔等を好適に用いることができる。
基材は、印刷層を有していてもよい。印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様等の所望の任意の印刷模様を形成する層であり、ベタ印刷層も含む。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、印刷層の形成方法は特に限定されない。
一般的には、印刷層は、顔料や染料等の着色剤を含む印刷インキを用いて形成される。印刷インキの塗工方法は特に限定されず、グラビアコート法、フレキソコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スピンコート法、インクジェット法等の方法により塗布することができる。これを放置するか、必要により送風、加熱、減圧乾燥、紫外線照射等を行うことにより印刷層を形成することができる。
印刷層は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下の厚みを有するものである。
積層体を製造する方法としては、従来公知の方法が挙げられ、例えば、ラミネーターを用いて無溶剤型接着剤を一方の基材の片面に塗布して未硬化の接着剤層を形成した後、塗布面と他方の基材と貼り合わせ、次いで、常温若しくは加温下で接着剤層を硬化する方法が挙げられる。無溶剤型接着剤の塗布量は、好ましくは1~4g/m程度であり、積層体の厚みは、好ましくは10μm以上150μm以下である。
三層以上の積層体を作製する際には、二層の積層体を作製した後に、該積層体をラミネーターの一次給紙あるいは二次給紙として取り付け、他方に三層目のフィルムを取り付けてラミネートする方法が挙げられる。無溶剤型接着剤の塗布量は、積層体に含まれる無溶剤型接着剤すべてに共通して、好ましくは1~4g/m程度であり、積層体の厚みは、好ましくは10μm以上200μm以下である。
本発明の積層体の構成の一例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
2軸延伸ポリプロピレン(OPP)/印刷層/接着剤層/CPP、
OPP/印刷層/接着剤層/AL蒸着CPP、
OPP/印刷層/接着剤層/PE、
印刷層/OPP/接着剤層/CPP、
NY/印刷層/接着剤層/PE、
印刷層/NY/接着剤層/CPP
NY/印刷層/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/CPP、
印刷層/PET/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
OPP/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/PE、
OPP/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
透明蒸着PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/PE、
透明蒸着PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/CPP、
OPP/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/PE、
OPP/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/CPP、
NY/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/PE、
NY/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/NY/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/NY/接着剤層/CPP
〔包装体〕
本発明の包装体は、少なくともその一部に上述の積層体を用いてなるものであればよく形状は制限されない。包装体としては、例えば、2枚以上の積層体のシーラント基材同士を向かい合わせてヒートシールしたパウチ等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に指定がない場合は「質量部」及び「質量%」を意味する。
〔数平均分子量(Mn)の測定方法〕
数平均分子量(Mn)は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem-21」を用いて測定した。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトラヒドロフラン、分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
〔水酸基価(OHV)の測定方法〕
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mLを加えて溶解した。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mLとした溶液)を正確に5mL加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間の攪拌を持続した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。水酸基価は次の(式2)により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
(式2)水酸基価(mgKOH/g)=[{(b-a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(mL)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(mL)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
〔NCO含有率(質量%)の測定方法〕
200mLの三角フラスコに試料約1gを量り採り、これに0.5Nジ-n-ブチルアミンのトルエン溶液10mL、及びトルエン10mLを加えて溶解した。次に、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.25N塩酸溶液で滴定した。NCO含有率(質量%)は以下の(式3)により求めた。(式3):NCO(質量%)={(b-a)×4.202×F×0.25}/S
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.25N塩酸溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.25N塩酸溶液の消費量(ml)
F:0.25N塩酸溶液の力価
〔ICI粘度〕
ICI粘度は、東亜工業社製「CV-1S」を用いて測定した。具体的には、40℃に設定した当該機のプレート上に、配合直後の接着剤溶液をガラス棒で1滴載せ、コーンを降ろして回転を開始させ、安定したところの数値(mPa・s)を用いた。
<ポリオール(A)の製造>
(ポリエーテルポリオール(A-1)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加した数平均分子量約400のトリオール103.8部、トリメチロールプロパン5.8部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール356.2部、数平均分子量約2,000のポリテトラメチレングリコール259.7部、トリレンジイソシアネート74.4部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、ウレタン結合を有するポリエーテルポリオール(A-1)を得た。
(ポリエーテルポリオール(A-2~A-10)の合成)
原料を表1に記載の配合(質量部)に変更した以外は、(A-1)と同様にしてウレタン化反応を行い、ウレタン結合を有するポリエーテルポリオール(A-2~A-10)を得た。
得られたポリオールを表1に示す。表1中の数値は質量部である。
Figure 2023092282000001
表1中の略称を以下に示す。
4,4’-MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
(ポリエステルポリオール(A-11)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、アジピン酸94.8部、セバシン酸65.6部、テレフタル酸269.5部、エチレングリコール60.4部、ジエチレングリコール309.7部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行い、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が60mgKOH/gの、ポリエステルポリオール(A-11)を得た。
(ポリエステルポリオール(A-12、A-13)の合成)
原料を表2に記載の配合(質量部)に変更した以外は、(A-11)と同様にしてエステル化反応を行い、ポリエステルポリオール(A-12、A-13)を得た。
得られたポリエステルポリオールを表2に示す。表2中の数値は質量部である。
Figure 2023092282000002

<ポリイソシアネート(B)の製造>
(ポリイソシアネート(B-1)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(質量比50:50)371.0部、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加した数平均分子量約400のトリオール27.4部、トリメチロールプロパン2.6部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール31.8部、数平均分子量約2,000のポリプロピレングリコール289.4部、数平均分子量約1,000のポリテトラメチレングリコール77.8部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基含有率11.1%の、ウレタン結合を有するポリイソシアネート(B-1)を得た。
(ポリイソシアネート(B-2~B-13)の合成)
原料を表3に記載の配合(質量部)に変更した以外は、(B-1)と同様にしてウレタン化反応を行い、ウレタン結合を有するポリイソシアネート(B-2~B-13)を得た。
(ポリイソシアネート(B-14)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物241.4部、ポリエステルポリオール(A-7)558.6部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基含有率が10.1%の、ウレタン結合を有するポリイソシアネート(B-14)を得た。
(ポリイソシアネート(B-15、B-16)の合成)
原料を表3に記載の配合(質量部)に変更した以外は、(B-14)と同様にしてウレタン化反応を行い、ウレタン結合を有するポリイソシアネート(B-15、B-16)を得た。
得られたポリイソシアネートを表3に示す。表3中の数値は質量部である。
Figure 2023092282000003
表3中の略称を以下に示す。
2,4-MDI:2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート
4,4’-MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
HDIビウレット:ビウレット型ポリイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体
<無溶剤型接着剤の製造>
[実施例1~25、比較例1~4]無溶剤型接着剤1~29
表4-1、表4-2(以下、表4)の配合に従ってポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを混合し、無溶剤型接着剤1~29を得た。
<無溶剤型接着剤の評価>
得られた無溶剤型接着剤について以下の評価を実施した。結果を表4に示す。
〔20℃65%RH下、1時間保管後の剪断応力〕
得られた接着剤を、JIS K 6768:1999に準拠した試験方法により測定される濡れ張力50mN/m、厚み25μmのPETフィルムに塗布量2.0g/mで塗布し、同PETフィルムを25mm幅で貼り合わせた積層体を、20℃65%RH環境に1時間保管し、貼り合わせ面積25mm×25mmの80℃環境下における剪断応力の数値を確認した。測定は5回行い、その平均値を用いた。
〔積層体の作製〕
印刷インキ(東洋インキ(株)製、リオアルファR631白)を、酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比70/30)にて、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈した。厚み15μmのナイロンフィルム(ユニチカ社製「エンブレムON-RT」、以下、NY)上に、希釈した印刷インキを、版深35μmのベタ版を備えたグラビア校正機を用いて、印刷速度50m/分で印刷した後、50℃で乾燥した。印刷層の厚みは0.5~1μmの範囲内とした。
次いで、常温環境下にてラミネーターを用いて、厚み12μmのアルミ蒸着PETフィルム(麗光社製「ダイアラスターH27」、以下、VM-PET)の蒸着面と、上記で得られたNYの印刷面とを、得られた無溶剤型接着剤を用いて、塗布量2.0[g/m]、ラミネート速度200[m/min]で3000m貼り合わせ(一次ラミネート)、20℃、65%RHの環境に1時間静置した。
次いで、常温環境下にてラミネーターを用いて、厚み100μmの表面コロナ放電処理をした直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井東セロ社製「TUX-FCD」、以下、LLDPE)と、上記で得られた積層体のPET面とを、新規に配合した先程と同様の無溶剤型接着剤を用いて、塗布量2.0[g/m]、ラミネート速度200[m/min]で貼り合わせた(二次ラミネート)後、40℃で2日間保温して接着剤を完全に硬化させて、NY/印刷層/接着剤層1/VM-PET/接着剤層2/LLDPEの構成である積層体を得た。
〔二次ラミネートにおけるデラミネーション〕
二次ラミネート過程において、ラミネート速度200[m/min]まで増速する第1の過程、200[m/min]に到達してから塗布量が安定化するまでの第2の過程、塗布量が安定してから継続して積層体が形成される第3の過程、最後に加工停止ボタンを押して減速する第4の過程の4つに分けた際、それぞれの過程において、一次ラミネートで形成された中間積層体のフィルムがとられ、第1の基材と中間基材とがデラミネーションしたかどうかを確認した。デラミネーションするとエアーが混入する。第1の基材と中間基材とがデラミネーションするほど中間積層体のフィルムがとられた場合は、塗工部において異音が発生するため、異音の有無でデラミネーションの有無を判断した。評価は以下の基準で行った。
A:全ての過程においてデラミネーションが発生しない(非常に良好)
B:第2及び第3の過程においてデラミネーションが発生しないが、第1及び第4の過程においてデラミネーションが発生する(良好)
C:第3の過程においてデラミネーションが発生しないが、第1、第2及び第4の過程においてデラミネーションが発生する(使用可能)
D:全ての工程においてデラミネーションが発生する(使用不可)
〔二次ラミネートにおけるテレスコープ〕
二次ラミネート過程において、約3000mの積層体の巻取りロールのどの段階からテレスコープが発生するかを目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:テレスコープ無し(非常に良好)
B:2000m未満でテレスコープ無し、2000m以上でテレスコープ発生(良好)
C:1000m未満でテレスコープ無し、1000m以上2000m未満でテレスコープ発生(使用可能)
D:1000m未満でテレスコープ発生(使用不可)
〔接着強度〕
得られた積層体を、幅15mm・長さ300mmに切り取って試験片とした。JIS K6854に基づき、インストロン型引張試験機を用いて、温度20℃、相対湿度65%の環境下で、300mm/分の剥離速度で引張り、NYとVM-PETとの間のT型剥離強度[N/15mm]を測定した。測定は5回行い、その平均値を用いて下記基準で評価を行った。
A:剥離強度が2.0[N/15mm]以上(非常に良好)
B:剥離強度が1.5[N/15mm]以上、2.0[N/15mm]未満(良好)
C:剥離強度が1.0[N/15mm]以上、1.5[N/15mm]未満(使用可能)
D:剥離強度が1.0[N/15mm]未満(使用不可)
Figure 2023092282000004
Figure 2023092282000005
評価結果から、所定の条件で測定した剪断応力が2.0N以上と高い本発明の無溶剤型接着剤は、従来必要とされてきた数十時間という長時間のエージング工程を設けなくても、二次ラミネートにおいて、エア混入(デラミ)及びテレスコープを抑制することができた。
また、ポリイソシアネート(B)合成におけるNCO/OH反応比が3.3以上3.6未満であった実施例1は、当該比が3.6を超える実施例5よりも高分子の凝集力に優れるために剪断応力が高く、二次ラミネート過程が良好となった。
ポリエーテルポリウレタンポリオールを合成するにあたり、ポリオール原料全量に対して含まれる3官能のポリオール原料の含有率が5.0質量%以上、8.5質量%以下である実施例1は、当該率が5.0質量%を下回る実施例8よりも架橋の形成が速いために剪断応力が高く、二次ラミネート過程が良好となった。また実施例1は、当該率が8.5質量%を上回る実施例9、10よりも高分子鎖の柔軟性が高いために接着強度が良好となった。
ポリイソシアネート(B)にポリエーテルポリウレタンを用いた実施例1は、ポリエステルポリウレタンを用いた実施例11、12、13よりも高分子鎖の自由度が高いために架橋が効率よく形成され、剪断応力が高く、二次ラミネート過程が良好となった。さらに、高分子鎖の柔軟性が高いために接着強度が良好となった。
ポリオール(A)に3官能原料を用いた実施例1は、同原料を用いていない実施例16,17よりも架橋の形成が速いために剪断応力が高く、二次ラミネート過程が良好となった。また、ポリオール(A)にポリエーテルポリウレタンを用いた実施例1は、ポリエステルポリウレタンを用いた実施例23、24、25よりも高分子鎖の自由度が高いために架橋が効率よく形成され、剪断応力が高く、二次ラミネート過程が良好となった。さらに、高分子鎖の柔軟性が高いために接着強度が良好となった。

Claims (6)

  1. ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含む無溶剤型接着剤であって、
    該接着剤を介してポリエチレンテレフタレートフィルム同士を貼り合わせた積層体を20℃65%RH環境下に1時間保管後の剪断応力が2.0N以上である、無溶剤型接着剤。
    なお、上記剪断応力は、以下の<1>及び<2>の手順で求められるものである。
    <1>ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを配合し、厚みが25μmで濡れ張力が50mN/mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布量2.0g/mで塗布した後、同ポリエチレンテレフタレートフィルムを25mm幅で貼り合わせ、20℃65%RH環境下に1時間保管する。
    <2>保管後に、貼り合わせ面積が25mm×25mmとなる試験片を作成し、該試験片を用いて80℃環境下における剪断応力を測定する。
  2. 前記剪断応力が2.5N以上である、請求項1に記載の無溶剤型接着剤。
  3. 請求項1又は2に記載の無溶剤型接着剤から形成される接着剤層が、少なくとも2つの基材の間に配置されてなる積層体。
  4. 第1の基材層、第1の接着剤層、中間基材層、第2の接着剤層、及び第2の基材層をこの順に備える積層体であって、
    前記第1の接着剤層が、請求項1又は2に記載の無溶剤型接着剤から形成されている積層体。
  5. 請求項3又は4に記載の積層体を用いてなる包装体。
  6. 第1の基材層、第1の接着剤層、中間基材層、第2の接着剤層、及び第2の基材層をこの順に備える積層体の製造方法であって、
    第1の基材層と中間基材層とを、請求項1又は2に記載の無溶剤型接着剤である第1の接着剤を用いて積層する第1の工程、及び
    第1の工程の後に、第2の接着剤を用いて第2の基材層を積層する第2の工程を有する、積層体の製造方法。
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