JP2023042982A - 2液硬化型接着剤、積層体及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着強度と塗工性能に優れ、且つ折り曲げ浮き抑制性能に優れる2液硬化型接着剤、該接着剤を用いてなる積層体、及び包装体の提供。【解決手段】上記課題は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含む2液硬化型接着剤であって、該接着剤からなる硬化膜が、特定の過程の応力変化において、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする2液硬化型接着剤。(1)10%伸長させた時の応力が0.30[N/mm2]以上である(2)長さ60mmまで伸長させた時の応力を基準とする、100秒間保持後の応力の変化率が30%以上、60%以下である【選択図】図1

Description

本発明は、各種プラスチックフィルム、及び金属蒸着フィルムの積層に好適に用いられる、2液硬化型接着剤及びそれを用いた積層体に関する。さらに、本発明は、食品、医薬品、化粧品、洗剤、雑貨等に好適に用いられる、前記積層体を用いた包装体に関する。
近年、金属蒸着フィルム及び厚手のポリエチレンフィルム等をラミネートした3層以上の包装体を用いた詰め替え包材の需要が拡大している。このような包材は、内容物の注ぎ口やチャック部分を取り付ける、又は厚手のシーラントを使用したスタンディングパウチとなる場合が多く、該包材に用いられるラミネート接着剤には耐熱性が要求される。
このような要求に対し、例えば、特許文献1には、糖アルコールを導入して多分岐を持たせることで耐熱性を向上させ、ボイル後のデラミ抑制を付与した無溶剤型接着剤が開示されている。
国際公開第2019/116903号
しかしながら、特許文献1に記載の接着剤は、多分岐成分を豊富に用いるため骨格が剛直化しており、ヒートシール部分を折り曲げた際に基材密着性が低下し、デラミが発生するという課題(以下、折り曲げ浮きともいう)がある。
したがって本発明の課題は、接着強度と塗工性能に優れ、且つ折り曲げ浮き抑制性能に優れる2液硬化型接着剤、該接着剤を用いてなる積層体、及び包装体を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す実施形態により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様に係る2液硬化型接着剤は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含む2液硬化型接着剤であって、該接着剤を40℃65%RH下で10日間硬化させた、長さ20mm、幅5mm、厚み100μmの硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度100[mm/分]で長さ60mmまで伸長させて100秒間保持した際、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
(1)10%伸長させた時の応力が0.30[N/mm]以上である
(2)長さ60mmまで伸長させた時の応力を基準とする、100秒間保持後の応力の変化率が30%以上、60%以下である
本発明の一態様に係る2液硬化型接着剤は、前記(1)において、10%伸長させた時の応力が0.50[N/mm]以上であり、前記(2)において、長さ60mmまで伸長させた時の応力を基準とする、100秒間保持後の応力の変化率が35%以上、50%以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る積層体は、上記2液硬化型接着剤からなる接着剤層が、少なくとも2つのシート状基材の間に配置されてなることを特徴とする。
本発明の一態様に係る包装体は、上記積層体を用いてなることを特徴とする。
本発明により、接着強度と塗工性能に優れ、且つ折り曲げ浮き抑制性能に優れる2液硬化型接着剤、該接着剤を用いてなる積層体、及び包装体を提供することができる。
本発明の接着剤からなる硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度100[mm/分]で長さ60mmまで伸長させた後、その状態を100秒間保持する、という一連の過程の応力を測定したグラフである。
〔2液硬化型接着剤組成物〕
本発明の2液硬化型接着剤は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含み、該接着剤を40℃65%RH下で10日間硬化させてなる、長さ20mm、幅5mm、厚み100μmの硬化膜が、20℃65%RHの環境下、速度100[mm/分]で長さ60mmまで伸長させた後、その状態を100秒間保持する、という一連の過程の応力変化において、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
(1)10%伸長させた時の応力が0.30[N/mm]以上である
(2)長さ60mmまで伸長させた時の応力を基準とする、100秒間保持後の応力の変化率が30%以上、60%以下である
2液硬化型接着剤から形成される硬化膜が(1)の範囲内にあることにより、本発明の2液硬化型接着剤は、歪みに対する耐性に優れる。
2液硬化型接着剤から形成される硬化膜が(2)の範囲内にあることにより、本発明の2液硬化型接着剤は、高分子鎖が充分延ばされた状態での一定の歪み後の変化が小さく、歪み後の耐性に優れる。
上記により、本発明の2液硬化型接着剤は、折り曲げられた際に接着剤に加わる歪みに対する耐性に優れ、優れた折り曲げ浮き抑制性能を発揮することができる。
図1には、本発明の2液硬化型接着剤からなる、長さ20mm、幅5mm、厚み100μmの硬化膜を用いて、20℃65%RHの環境下、引張り試験機(島津製作所社製EZ-S)にて、速度100[mm/分]で長さ60mmまで伸長させた後、その状態を100秒間保持する、という一連の過程を行った際の応力の推移を示している。なお、上記硬化膜は、2液硬化型接着剤を、温度40℃、湿度65%RHの環境下で10日間エージングして硬化させ、厚み100μmの硬化膜を得た後、長さ20mm、幅5mmのサイズに切り取ったものである。
速度100[mm/分]で伸長させていくにつれ、応力の値は高くなり、24秒後に40mm伸長し、硬化膜の長さが60mmに達した時に、応力の値はピーク(以下、ピークトップ)を迎える。その後、引張りを停止し、その状態を100秒間保持している間に、応力の値は徐々に低下する。
引張りを開始して10%伸長させた時、即ち、2mm伸長させた時の応力は、伸長(歪み)に対する超初期の応力であり、この値が大きいほど、伸長に対する耐性があり、歪みに強いことを表す。(1)における10%伸長させた時の応力は、好ましくは0.50[N/mm]以上である。
100秒間保持している間の応力の低下は、一定の歪みに対する応力の低下であり、応力の低下率が小さいほど、伸長後の変化が小さいことを表す。(2)における100秒間保持後の応力の変化率は、好ましくは35%以上、50%以下である。
低下率は、以下の式によって算出することができる。
式:{1-([124秒後の応力数値]/[ピークトップの応力数値])}×100
以下に、本発明を詳細に説明する。
〔ポリオール(A)〕
本発明の2液硬化型接着剤を構成するポリオール(A)は、水酸基を2つ以上有する化合物であればよく、公知のポリオールから選択することができる。ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。これらのポリオール(A)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオール(A)は、基材へのレベリング性と接着性能の観点から、好ましくはポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールを含み、より好ましくはポリエーテルポリオールを含む。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては、水酸基とエーテル結合とを分子内に各々2つ以上有する化合物であればよい。これらのポリエーテルポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコールのようなポリアルキレングリコール;ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体;プロピレンオキサイド・エチレンオキサイドランダムポリエーテル;が挙げられる。
また、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、シュークローズ等の低分子量ポリオール開始剤に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を付加重合した付加重合体をポリエーテルポリオールとして用いてもよい。
該付加重合体としては、例えば、プロピレングリコールプロピレンオキサイド付加体、グリセリンプロピレンオキサイド付加体、ソルビトール系プロピレンオキサイド付加体、シュークローズ系プロピレンオキサイド付加体が挙げられる。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、好ましくは400以上4,000以下であり、より好ましくは400以上2,000以下である。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えば、カルボキシ基成分と水酸基成分とを反応させて得られるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール;が挙げられる。
上記カルボキシ基成分として好ましくは、両末端に1級水酸基を有する多価カルボン酸であり、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸のような非環状脂肪族ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸;これら脂肪族又は芳香族ジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類;が挙げられる。
中でも反応性の観点から、前記カルボキシ基成分として好ましくは、非環状脂肪族ジカルボン酸を含むものであり、より好ましくはアジピン酸を含むものである。
上記水酸基成分として好ましくは、両末端に1級水酸基を有する多価アルコールであり、該多価アルコールとしては、ジオールや3官能以上のポリオールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3,3‘-ジメチロールヘプタン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサンのような脂肪族ジオール;ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシエチレングリコールのようなエーテルグリコール;前記脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、テトラヒドロフランのような種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;前記脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトンのような種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFのようなビスフェノールにエチレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物;が挙げられる。
前記3官能以上のポリオールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールのような脂肪族ポリオール;前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルのような種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;前記脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトンのような種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;が挙げられる。
中でも反応性の観点から、前記多価アルコールとして好ましくは、脂肪族ジオールを含むものであり、より好ましくはジエチレングリコールを含むものである。
これらのカルボキシ基成分及び水酸基成分は、各々1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらポリオール(A)は、ポリオール中の水酸基の一部が酸変性された酸変性物であってもよく、酸無水物を反応させてカルボキシ基を導入したものであってもよく、ポリイソシアネートを反応させてウレタン結合を導入したものであってもよい。
前記酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸エステル無水物が挙げられる。トリメリット酸エステル無水物としては、例えば、炭素数2~30のアルキレングリコール又はアルカントリオールを無水トリメリット酸でエステル化反応させてなるエステル化合物が挙げられ、具体的には、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
上記ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールを、上記ポリイソシアネートで変性する場合の、イソシアネート基のモル数と水酸基のモル数とのモル当量比(NCOモル数/OHモル数)は、好ましくは0.25~0.40であり、より好ましくは0.30~0.35である。モル当量比が0.25以上であると、より分子量の高い高分子が得られるので接着強度及び折り曲げ浮き抑制性能が向上するため好ましい。モル当量比が0.40以下であると、増粘を抑制して塗工性能が良くなるため好ましい。
本発明におけるポリオール(A)として、より好ましくは、ポリエーテルポリオールをポリイソシアネートで変性してなるポリエーテルポリウレタンポリオールである。ポリエーテルポリウレタンポリオールを用いると、接着剤中の柔軟性と強靭性とが向上し、折り曲げ浮き抑制性能に優れる。
ポリオール(A)の酸価は、好ましくは0.2~3.0mgKOH/gであり、より好ましくは0.2~1.5mgKOH/gである。酸価が0.2mgKOH/g以上であると金属密着性が向上し、3.0mgKOH/g以下であると、安定したポットライフが得られるため好ましい。
ポリオール(A)が複数のポリオールを含む場合、ポリオール(A)の酸価は、各々のポリオールの酸価とその質量比率から求めることができる。
〔ポリイソシアネート(B)〕
本発明の2液硬化型接着剤を構成するポリイソシアネート(B)は、特に制限されないが、好ましくは、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であるポリエステルポリウレタンポリイソシアネート(b1)及び/又はポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であるポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)を含み、より好ましくは、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であるポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)を含む。中でも、ポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)を含むと、接着剤中の柔軟性と強靭性が向上し、特に、折り曲げ浮き抑制性能に優れるため好ましい。
(ポリエステルポリオール)
上記ポリエステルポリオールとしては、水酸基とエステル結合とを分子内に各々2つ以上有する化合物であればよく、前述の〔ポリオール(A)〕における(ポリエステルポリオール)の項で記載したものを援用することができる。
(ポリエーテルポリオール)
上記ポリエーテルポリオールとしては、水酸基とエーテル結合とを分子内に各々2つ以上有する化合物であればよく、前述の〔ポリオール(A)〕における(ポリエーテルポリオール)の項で記載したものを援用することができる。ポリエーテルポリオールを用いると、塗膜が柔軟になり接着強度が向上するため好ましい。
中でも塗膜柔軟性と樹脂相溶性との観点から、ポリエーテルポリオールとして好ましくは、分子量400~2,000のポリエーテルポリオールである。分子量が400以上であると、接着剤における高分子鎖の柔軟性が増すため好ましい。分子量が2,000以下であると、イソシアネート成分との相溶性が向上し、ウレタン化反応が容易に進行するため好ましい。
ポリエーテルポリオールと後述するポリイソシアネートとを反応させてポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)を得る際の、イソシアネート基のモル数と水酸基のモル数とのモル当量比(NCOモル数/OHモル数)は、好ましくは2.0~4.0であり、より好ましくは2.0~3.5であり、さらに好ましくは2.0~3.3である。モル当量比が2.0以上であると、増粘を抑制して塗工性能が良くなるため好ましい。モル当量比が4.0以下であると、より分子量の高いポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)が得られ、接着強度及び折り曲げ浮き耐性が向上するため好ましい。
(ポリイソシアネート)
上記ポリイソシアネート(b1)又は(b2)を構成するポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、又はこれらの変性体が挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性体としては、例えば、アロファネート型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビウレット型変性体、アダクト型変性体のほか、上記ポリイソシアネート成分とポリオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるイソシアネート基とウレタン結合とを有する反応生成物が挙げられる。
上記ポリイソシアネートの変性体を形成するポリオールとしては、特に制限されず、公知のポリオールから選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルウレタンポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
上記ポリイソシアネート(b1)又は(b2)を構成するポリイソシアネートは、基材密着性向上の観点から、好ましくは芳香族ポリイソシアネートである。より好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである。ジフェニルメタンジイソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートのいずれであってもよい。
ポリイソシアネート(B)は、上記ポリエステルポリウレタンポリイソシアネート(b1)及び上記ポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)以外の、ポリイソシアネート(b3)を含有することが好ましい。
ポリイソシアネート(B)が、ポリエステルポリウレタンポリイソシアネート(b1)及び/又はポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)に加えて、さらにポリイソシアネート(b3)を含むことで、粘弾性が異なる高分子鎖が偏在する硬化塗膜を形成し、接着強度、折り曲げ浮き抑制、塗工性、外観に優れる。
このようなポリイソシアネート(b3)としては、上述したポリイソシアネート(b1)又は(b2)を構成する(ポリイソシアネート)の項に記載されたものを援用できる。
ポリイソシアネート(b3)は、柔軟性と剛直性との効率的な付与による接着強度と折り曲げ浮き抑制の向上、塗工性向上、及び外観向上の観点から、好ましくは2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートであり、より好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体である。
ポリイソシアネート(b3)の配合量は、ポリイソシアネート(B)の質量を基準(100質量%)として、好ましくは5質量%以上15質量%以下、より好ましくは10質量%以上15質量%以下である。5質量%以上であると粘度を低減でき、塗工性能が向上するため好ましい。15質量%以下であると柔軟性を高め、接着強度が向上するため好ましい。
本発明の2液硬化型接着剤は、前述のポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を配合して得られる2液硬化型のウレタン系接着剤であって、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との配合割合は、前記ポリイソシアネート(B)が有する全イソシアネート基と、前記ポリオール(A)が有する全水酸基との反応当量比[NCO/OH]が0.8~2.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0~1.5の範囲である。また、ポリオール(A)の配合量は、接着性能の観点から、全ポリイソシアネートの質量を基準(100質量%)として、好ましくは30~70質量%であり、より好ましくは35~50質量%である。
本発明の2液硬化型接着剤におけるポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を配合した直後の酸価は、0.1~3.0mgKOH/gの範囲あるであることが好ましく、より好ましくは0.1~2.0mgKOH/gの範囲であり、さらに好ましくは、0.1~1.5mgKOH/gの範囲である。
本発明の2液硬化型接着剤の粘度は、常温(25℃)~120℃において好ましくは100~10,000mPa・sであり、より好ましくは1,000~5,000mPa・sである。さらに好ましくは、常温(25℃)~80℃において100~10,000mPa・sであり、より好ましくは1,000~5,000mPa・sである。
粘度が100mPa・s以上であると接着剤の初期凝集力に優れるため好ましい。粘度が10,000mPa・s以下であると塗工外観に優れるため好ましい。
〔溶剤〕
本発明の2液硬化型接着剤は、溶剤型又は無溶剤型の接着剤として使用することができ、必要に応じて溶剤を含有してもよい。なお本発明の「溶剤」とは、本発明におけるポリオールやポリイソシアネートを溶解可能な溶解性の高い有機溶剤を指す。
上記溶解性の高い有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサンが挙げられる。
有機溶剤としてより好ましくは、ポリイソシアネートに対して不活性なものであり、例えば、酢酸エチル等のエステル系;メチルエチルケトン等のケトン系;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系;が挙げられる。
本発明の2液硬化型接着剤を溶剤型接着剤として使用する場合の粘度は、常温~150℃において好ましくは100~10,000mPa・s、より好ましくは100~5,000mPa・sであり、さらに好ましくは常温~100℃において100~10,000mPa・s、より好ましくは100~5,000mPa・sである。接着剤の粘度が上記範囲より高い場合は、上記有機溶剤で希釈してもよい。有機溶剤の含有量は所望される粘度によるが、一般的に、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の合計に対して15~60質量%の範囲で含有することが望ましい。
〔その他成分〕
本発明の2液硬化型接着剤は、接着剤又は包装体に要求される各種物性を満たすために、上記以外のその他成分を含有してもよい。これらのその他成分は、ポリオール(A)又はポリイソシアネート(B)のいずれに配合してもよいし、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを配合する際に添加してもよい。これらのその他成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(シランカップリング剤)
本発明の2液硬化型接着剤は、金属箔等の金属系素材に対する接着強度を向上させる観点から、シランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン;が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、全ポリオール(A)の固形分を基準として、好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.2~3質量%である。上記範囲とすることで、金属箔に対する接着強度を向上することができるため好ましい。
(リン酸又はリン酸誘導体)
本発明の2液硬化型接着剤は、金属箔等の金属系素材に対する接着強度を向上させる観点から、リン酸又はリン酸誘導体を含有することができる。
前記リン酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸のようなリン酸類;メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸のような縮合リン酸類;が挙げられる。また、リン酸の誘導体としては、例えば、上述のリン酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化したものが挙げられる。該アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンのような脂肪族アルコール;フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノールのような芳香族アルコール;が挙げられる。
リン酸又はその誘導体の含有量は、ポリオール(A)の固形分を基準として、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.05~5質量%、特に好ましくは0.05~1質量%である。
(レベリング剤又は消泡剤)
本発明の2液硬化型接着剤は、積層体の外観を向上させるため、さらにレベリング剤及び/又は消泡剤を含有することができる。レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチンが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物が挙げられる。
(反応促進剤)
本発明の2液硬化型接着剤は、硬化反応を促進するため、さらに反応促進剤を含有することができる。反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレートのような金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7のような3級アミン;トリエタノールアミンのような反応性3級アミン;が挙げられる。
(その他添加剤)
本発明の2液硬化型接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク等の無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤等)、防錆剤、増粘剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤、硬化反応を調整するための触媒が挙げられる。
〔積層体〕
本発明の積層体は、上述の2液硬化型接着剤からなる接着剤層が、少なくとも2つのシート状基材の間に配置されてなるものであり、具体的には、2液硬化型接着剤を第1のシート状基材に塗布して接着剤層を形成し、前記接着剤層に第2のシート状基材を重ね合わせ、両シート状基材の間に位置する前記接着剤層を硬化してなるものである。
(シート状基材)
シート状基材は特に制限されず、例えば、従来公知のプラスチックフィルム、紙、金属箔等が挙げられ、2つのシート状基材は同種のものでも異種のものでもよい。
プラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のフィルムを用いることができ、好ましくは熱可塑性樹脂のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。シート状基材は、蒸着層等のバリア膜を備えていてもよく、該蒸着層としては、アルミニウム、シリカ、アルミナ等の蒸着層が挙げられる。
第1のシート状基材は、好ましくはプラスチックフィルムである。プラスチックフィルムとしては、包装材に一般的に使用されるものが挙げられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)のようなポリエステル樹脂フィルム;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン樹脂フィルム;ポリスチレン樹脂フィルム;ナイロン6、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)のようなポリアミド樹脂フィルム;ポリカーボネート樹脂フィルム;ポリアクリルニトリル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD6/ナイロン6、ナイロン6/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。中でも、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。
プラスチックフィルムは、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の厚みを有するものである。
第2のシート状基材としては、上記第1のシート状基材のほか、シーラント基材を用いることができる。第2のシート状基材が積層体の最外層となる場合、第2のシート状基材はシーラント基材であることが好ましい。
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが挙げられる。
シーラント基材の厚みは特に制限されず、包装材への加工性やヒートシール性等を考慮すると、好ましくは10~150μmであり、より好ましくは20~70μmである。また、シーラント基材に数μm程度の高低差を有する凸凹を設けることで、滑り性や包装材の引き裂き性を付与することができる。
第2のシート状基材が、積層体の中間層となる場合、第2のシート状基材としては、前述のプラスチックフィルム、紙、金属箔等を好適に用いることができる。
シート状基材は、基材上に印刷層を有していてもよい。
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様等の所望の任意の印刷模様を形成する層であり、ベタ印刷層も含む。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、印刷層の形成方法は特に限定されない。
一般的には、印刷層は、顔料や染料等の着色剤を含む印刷インキを用いて形成される。印刷インキの塗工方法は特に限定されず、グラビアコート法、フレキソコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スピンコート法、インクジェット法等の方法により塗布することができる。これを放置するか、必要により送風、加熱、減圧乾燥、紫外線照射等を行うことにより印刷層を形成することができる。
印刷層は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下の厚みを有するものである。
積層体を製造する方法としては、従来公知の方法が挙げられ、例えば、ラミネーターを用いて2液硬化型接着剤を一方のシート状基材の片面に塗布して未硬化の接着剤層を形成した後、塗布面と他方のシート状基材と貼り合わせ、次いで、常温若しくは加温下で接着剤層を硬化する方法が挙げられる。2液硬化型接着剤の乾燥後塗布量は、好ましくは1~4g/m程度であり、積層体の厚みは、好ましくは10μm以上150μm以下である。
本発明の積層体の構成の一例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
2軸延伸ポリプロピレン(OPP)/印刷層/接着剤層/CPP、
OPP/印刷層/接着剤層/AL蒸着CPP、
OPP/印刷層/接着剤層/PE、
印刷層/OPP/接着剤層/CPP、
NY/印刷層/接着剤層/PE、
印刷層/NY/接着剤層/CPP
NY/印刷層/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/CPP、
印刷層/PET/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
透明蒸着PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/PE、
透明蒸着PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/CPP、
NY/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/PE、
NY/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/NY/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/NY/接着剤層/CPP
〔包装体〕
本発明の包装体は、少なくともその一部に上述の積層体を用いてなるものであればよく形状は制限されない。包装体としては、例えば、2枚の積層体のシーラント基材同士を向かい合わせてヒートシールしたパウチ等が挙げられる。本発明の包装体は、接着強度と折り曲げ浮き抑制性能に優れるため、様々な形状を有する詰め替えパウチ等に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に指定がない場合は「質量部」及び「質量%」を意味する。
〔数平均分子量(Mn)の測定方法〕
数平均分子量(Mn)は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem-21」を用いて測定した。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトラヒドロフラン、分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
〔NCO含有率(質量%)の測定方法〕
200mLの三角フラスコに試料約1gを量り採り、これに0.5Nジ-n-ブチルアミンのトルエン溶液10mL、及びトルエン10mLを加えて溶解した。次に、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.25N塩酸溶液で滴定した。NCO含有率(質量%)は以下の(式3)により求めた。(式3):NCO(質量%)={(b-a)×4.202×F×0.25}/S
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.25N塩酸溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.25N塩酸溶液の消費量(ml)
F:0.25N塩酸溶液の力価
<ポリオール(A)の製造>
(ポリエーテルポリオール(A-1)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加した数平均分子量約400のトリオール103.8部、トリメチロールプロパン5.8部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール356.2部、数平均分子量約2000のポリテトラメチレングリコール259.7部、トリレンジイソシアネート74.4部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール(A-1)を得た。
(ポリエーテルポリオール(A-2~A-4、A-6、A-7)の合成)
原料を表1に記載の配合(質量部)に変更した以外は、(A-1)と同様にしてウレタン化反応を行い、末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール(A-2~A-4、A-6、A-7)を得た。
(ポリエーテルポリオール(A-5)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール433.8部、数平均分子量約2,000のポリテトラメチレングリコール128.4部、ジプロピレングリコール37.0部、トリレンジイソシアネート200.8部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール(A-5)を得た。
反応容器に酢酸エチル267.0部を添加し、77℃に加熱した状態で攪拌しながら1時間還流することで固形分を75%に調整し、末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール(A-5)の溶液を得た。
得られたポリオールを表1に示す。表1中の数値は質量部である。
Figure 2023042982000002
表1中の略称を以下に示す。
4,4’-MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
(ポリエステルポリオール(A-8)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、アジピン酸94.8部、セバシン酸65.6部、テレフタル酸269.5部、エチレングリコール60.4部、ジエチレングリコール309.7部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行い、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が60mgKOH/gの、ポリエステルポリオール(A-8)を得た。
(ポリエステルポリオール(A-9、A-10)の合成)
原料を表2に記載の配合(質量部)に変更した以外は、(A-8)と同様にしてエステル化反応を行い、ポリエステルポリオール(A-9、A-10)を得た。
得られたポリエステルポリオールを表2に示す。表2中の数値は質量部である。
Figure 2023042982000003
<ポリイソシアネート(B)の製造>
(ポリイソシアネート(B-1)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(質量比50:50)258.6部、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加した数平均分子量約400のトリオール12.8部、トリメチロールプロパン2.2部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール27.2部、数平均分子量約2,000のポリプロピレングリコール322.9部、数平均分子量約2,000のポリテトラメチレングリコール96.4部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、ポリエーテルポリウレタンポリオールを得た。
得られたポリエーテルポリウレタンポリオールに、HDIビウレット(ビウレット型ポリイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体)80.0部を加えて70℃で1時間混合し、イソシアネート基含有率が9.6%の、ポリイソシアネート(B-1)を得た。
(ポリイソシアネート(B-2、B-4~B-12)の合成)
原料を表3に記載の配合(質量部)に変更した以外は、(B-1)と同様にしてウレタン化反応を行い、得られたポリエーテルポリウレタンポリオールにポリイソシアネート(b3)を混合して、ポリイソシアネート(B-2、B-4~B-12)を得た。
(ポリイソシアネート(B-3)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(質量比50:50)310.8部、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加した数平均分子量約400のトリオール13.6部、トリメチロールプロパン2.3部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール28.7部、数平均分子量約2,000のポリプロピレングリコール342.4部、数平均分子量約2,000のポリテトラメチレングリコール102.2部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基含有率が8.0%の、ポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートであるポリイソシアネート(B-3)を得た。
(ポリイソシアネート(B-13)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物218.0部、ポリエステルポリオール(A-9)502.0部を仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、ポリエステルポリウレタンポリオールを得た。
得られたポリエステルポリウレタンポリオールに、HDIビウレット(ビウレット型ポリイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体)80.0部を加えて70℃で1時間混合し、イソシアネート基含有率が10.3%の、ポリイソシアネート(B-13)を得た。
(ポリイソシアネート(B-14)の合成)
撹拌機、温度系、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、表3に記載の配合(質量部)で仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら80℃~90℃で3時間加熱してウレタン化反応を行い、ポリエーテルポリウレタンポリオールを得た。
得られたポリエーテルポリウレタンポリオールに、HDIビウレット(ビウレット型ポリイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体)80.0部を加えて70℃で1時間混合した。
反応容器に酢酸エチル267.0部を添加し、77℃に加熱した状態で攪拌しながら1時間還流することで固形分を75%に調整し、イソシアネート基含有率が5.6%の、ポリイソシアネート(B-14)の溶液を得た。
得られたポリイソシアネートを表3に示す。表3中の数値は質量部である。
Figure 2023042982000004
表3中の略称を以下に示す。
2,4-MDI:2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート
4,4’-MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
ポリメリックMDI:ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート
ポリメリックMDI及び4,4’-MDIの混合物:ルプラネートM20S(BASF社製、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの質量:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの質量=60:40)
HDIビウレット:ビウレット型ポリイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体
<2液硬化型接着剤の製造>
[実施例1~20、比較例1~8]2液硬化型接着剤1~20及び22~29
表4の配合に従ってポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを混合し、2液硬化型接着剤1~20及び22~29を得た。
[実施例21]2液硬化型接着剤21
ポリオール(A-5)溶液100部とポリイソシアネート(B-14)溶液100部とを混合し、酢酸エチルを用いて固形分を40%に調整することで、溶剤型の2液硬化型接着剤21を得た。
<2液硬化型接着剤の評価>
得られた2液硬化型接着剤について以下の評価を実施した。結果を表4に示す。
〔10%伸長時の応力〕
得られた接着剤を、コロナ未処理のCPPフィルム上に、厚み100μmになるようにアプリケーターを用いて薄く広げ、上から同じフィルムで挟み、40℃65%RHの環境下で10日間放置して接着剤を硬化させ、積層体を作製した。積層体を長さ20mm、幅5mmに切り抜き、CPPフィルムを剥離させて、長さ20mm、幅5mm、厚み100μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度100[mm/分]で伸長させ、10%伸長させた時(2mm伸長時点)の応力[N/mm]の数値を確認した。測定は5回行い、その平均値を用いて下記基準で評価を行った。
A:応力が0.50[N/mm]以上(非常に良好)
B:応力が0.40[N/mm]以上、0.50[N/mm]未満(良好)
C:応力が0.30[N/mm]以上、0.40[N/mm]未満(使用可能)
D:応力が0.30[N/mm]未満(使用不可)
〔応力緩和度(応力の変化率)〕
上記と同様の手法で、長さ20mm、幅5mm、厚み100μmの硬化膜を作製した。20℃65%RHの環境下、速度100[mm/分]で60[mm]まで伸長させた後、その状態を100秒間保持する、という一連の過程に現れる応力変化を計測した。得られた計測カーブから、長さ60mmまで伸長させた時の応力を基準とする、100秒間保持後の応力の変化率を計算した。測定は5回行い、その平均値を用いて下記基準で評価を行った。
A:35%以上、50%以下
B:32%以上35%未満、50%を超え55%以下
C:30%以上32%未満、55%を超え60%以下
D:30%未満、又は、60%を超える(使用不可)
〔積層体の作製〕
印刷インキ(東洋インキ(株)製、リオアルファR631白)を、酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比70/30)にて、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈した。厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製「エステルフィルムE5102」、以下、PET)上に、希釈した印刷インキを、版深35μmのベタ版を備えたグラビア校正機を用いて、印刷速度50m/分で印刷した後、50℃で乾燥した。印刷層の厚みは0.5~1μmの範囲内とした。
次いで、常温環境下にてラミネーターを用いて、厚み12μmのアルミ蒸着PETフィルム(麗光社製「ダイアラスターH27」、以下、VM-PET)のVM面と、上記で得られたPETの印刷面とを、得られた2液硬化型接着剤を用いて貼り合わせ、40℃で1日間保温して接着剤を硬化させた。
次いで、常温環境下にてラミネーターを用いて、厚み100μmの表面コロナ放電処理をした直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井東セロ社製「TUX-FCD」、以下、LLDPE)と、上記で得られたVM-PETフィルムのPET面とを、先程と同様の2液硬化型接着剤を用いて貼り合わせた後、40℃で2日間保温して接着剤を硬化させて、PET/印刷層/接着剤層1/VM-PET/接着剤層2/LLDPEの構成である積層体を得た。
接着剤層1及び2における2液硬化型接着剤の塗布量は、無溶剤型接着剤の場合はいずれも2.0g/m、溶剤型接着剤の場合は乾燥後塗布量3.5g/mとした。
〔接着強度〕
得られた積層体を、幅15mm・長さ300mmに切り取って試験片とした。JIS K6854に基づき、インストロン型引張試験機を用いて、温度20℃、相対湿度65%の環境下で、300mm/分の剥離速度で引張り、PETとVM-PETとの間のT型剥離強度[N/15mm]を測定した。測定は5回行い、その平均値を用いて下記基準で評価を行った。
A:剥離強度が2.0[N/15mm]以上(非常に良好)
B:剥離強度が1.6[N/15mm]以上、2.0[N/15mm]未満(良好)
C:剥離強度が1.2[N/15mm]以上、1.6[N/15mm]未満(使用可能)
D:剥離強度が1.2[N/15mm]未満(使用不可)
〔折り曲げ浮き抑制性能〕
得られた積層体から、幅10cm・長さ20cmのサイズを切り取り、LLDPEが内側になるように折り曲げた状態で180℃、2kg、1秒の条件でヒートシールを行い試験片とした。同様にして合計5個の試験片を作製し、1日間の間、充分に室温に放冷した。その後ヒートシールされた試験片を手で折り曲げて開き、目視によって以下の基準で評価した。
A:5個全ての試験片で浮きが発生していない(非常に良好)
B:1個の試験片で浮きが発生している(良好)
C:2個以上の試験片で浮きが発生している(使用可能)
D:4~5個の試験片で浮きが発生している(使用不可)
〔塗工性能〕
得られた接着剤を用いて、40℃でのコーンプレート粘度を測定し、以下の基準で評価した。
A:粘度が4,000[mPa・s]未満(非常に良好)
B:粘度が4,000[mPa・s]以上、4,500[mPa・s]未満(良好)
C:粘度が4,500[mPa・s]以上、5,000[mPa・s]未満(使用可能)
D:粘度が5,000[mPa・s]以上(使用不可)
〔外観性能〕
得られた積層体を巻き返し、PETとVM-PET間、及びVM-PETとLLDPE間において、オレンジピール、トンネリング、気泡、接着剤掠れ等の外観不良がすべて消失したメーター数を測定し、下記基準で評価を行った。メーター数が小さいほど、ラミネートを開始してから外観不良が消失するまでの時間が短く、外観性能に優れている。外観不良の確認は、PETとVM-PET間はPET側から、VM-PETとLLDPE間はLLDPE側から、目視で観察し判断した。
A:メーター数0m以上、20m未満で外観不良が消失した(非常に良好)
B:メーター数20m以上、30m未満で外観不良が消失した(良好)
C:メーター数30m以上、40m未満で外観不良が消失した(使用可能)
D:メーター数40m以上で外観不良が消失した、又は外観不良が消失しない(使用不可)
Figure 2023042982000005
評価結果から、本発明の2液硬化型接着剤は、接着強度、折り曲げ浮き抑制適正、塗工性能、及び外観性能に優れていた。
また、ポリイソシアネート(b3)によって粘度の低減及び柔軟性と剛直性の効率的な付与を施した実施例1は、(b3)量が相対的に少ない実施例3,4に比べて、粘性と弾性のバランスが良いために10%伸長時の応力値が高く、また、応力緩和度が35%以上50%未満の値を維持したことから、接着強度と折り曲げ浮き抑制性能、及び塗工性能と外観性能が良好であった。
また実施例1は、(b3)量が相対的に多い実施例6に比べて、硬化後の塗膜のウレタン密度のバランスが良いために剛直になりすぎず、接着強度が良好であった。
また、ポリイソシアネート(b3)にHDIビウレットを用いた実施例1は、ポリイソシアネート(b3)にMDI類を用いた実施例7,8に比べて、硬化後の塗膜の芳香環密度のバランスが良いために剛直になりすぎず、応力緩和度が35%以上50%未満の値を維持したことから、接着強度と折り曲げ浮き抑制性能が良好であった。
また、ポリイソシアネート(B)としてポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)を含む実施例1は、ポリエステルポリウレタンポリイソシアネート(b1)のようなウレタンエステル骨格を含む実施例12に比べて、分子鎖の自由度が高く、応力緩和度が35%以上50%未満の値を維持したことから、接着強度と折り曲げ浮き抑制性能、及び塗工性能と外観性能が良好であった。
また実施例1は、ポリイソシアネート(B)中のポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)のウレタン反応時のNCO/OHモル比が3.0であり、実施例9,10(モル比は3.4、3.8)に比べて、より分子量の高いポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)を用いているため、ポリオール(A)との反応後に生成する高分子鎖が長く弾性に優れており、10%伸長時の応力値が高く、接着強度と折り曲げ浮き抑制性能が良好であった。
また、実施例1は、ポリオール(A)に程よく分岐成分が組み込まれたポリエーテルポリオール(A-1)を用いており、分岐成分を持たないポリエーテルポリオール(A-4)を用いた実施例14に比べて、優れた弾性を発現するため、10%伸長時の応力値が低く、折り曲げ浮き抑制性能が良好であった。
また、実施例1は、ポリオール(A)にポリエーテルポリウレタンポリオールを用いており、ポリエステルポリオールを用いた実施例16,17,18,19,20に比べて、エーテル骨格による分子鎖の自由度が高く、応力緩和度が35%以上50%未満の値を維持したことから、接着強度と折り曲げ浮き抑制性能が良好であり、且つレベリング性に優れるために塗工性能と外観性能が良好であった。
また、本発明の2液硬化型接着剤は、無溶剤型(実施例1~20)及び溶剤型(実施例21)のいずれにおいても良好な性能を発現した。特に本発明の2液硬化型接着剤は、無溶剤型で従来大きな課題であった折り曲げ浮き抑制性能や外観性能を解決でき、溶剤型と遜色ない優れた性能を示すことから、無溶剤型接着剤として非常に有用である。
1 10%伸長させた時の応力
2 長さ100mmまで伸長させた時の応力
3 100秒間保持後の応力
10 応力の値のピーク(ピークトップ)
20 100秒間保持後の応力の変化

Claims (8)

  1. ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを含む2液硬化型接着剤であって、
    該接着剤を40℃65%RH下で10日間硬化させた、長さ20mm、幅5mm、厚み100μmの硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度100[mm/分]で長さ60mmまで伸長させて100秒間保持した際、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする2液硬化型接着剤。
    (1)10%伸長させた時の応力が0.30[N/mm]以上である
    (2)長さ60mmまで伸長させた時の応力を基準とする、100秒間保持後の応力の変化率が30%以上、60%以下である
  2. 前記(1)において、10%伸長させた時の応力が0.50[N/mm]以上であり、前記(2)において、長さ60mmまで伸長させた時の応力を基準とする、100秒間保持後の応力の変化率が35%以上、50%以下である、請求項1に記載の2液硬化型接着剤。
  3. 前記ポリイソシアネート(B)が、ポリエステルポリウレタンポリイソシアネート(b1)及び/又はポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート(b2)を含む、請求項1又は2に記載の2液硬化型接着剤。
  4. 前記ポリイソシアネート(B)が、さらに、ポリイソシアネート(b3)を含み、
    前記ポリイソシアネート(b3)が、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートである、請求項3に記載の2液硬化型接着剤。
  5. 前記ポリオール(A)が、ポリエーテルポリウレタンポリオールを含む、請求項1~4いずれか1項に記載の2液硬化型接着剤。
  6. 無溶剤型接着剤である、請求項1~5いずれか1項に記載の2液硬化型接着剤。
  7. 請求項1~6いずれか1項に記載の2液硬化型接着剤からなる接着剤層が、少なくとも2つのシート状基材の間に配置されてなる積層体。
  8. 請求項7に記載の積層体を用いてなる包装体。
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