JP2023091105A - ワイヤレス給電用磁気シールド体 - Google Patents

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誠 柳澤
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萌 齊藤
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Abstract

【課題】複雑な形状、大電力による磁気を十分にシールド可能な、Fe-Si-Al合金を用いたワイヤレス給電システムに用いられる磁気シールド体を提供すること。【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と軟磁性粒子(B)を含み、軟磁性粒子(B)は、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が0.05<t2/t1<0.7である、無機化合物により表面処理されたFe-Si-Alからなる鱗片状軟磁性粒子(b1)を含み、厚みが2~5mmであることを特徴とする、ワイヤレス給電用磁気シールド体により解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、ワイヤレス給電システムに用いられる磁気シールド体に関する。
近年、磁界共鳴方式の非接触送電を利用したワイヤレス給電システムの開発が精力的にすすめられている。ワイヤレス給電とは、金属接点やコネクタなどを介さずに電力を伝送すること、およびその技術であり、ワイヤレス電力伝送、ワイヤレス充電、非接触電力伝送等とも呼称される。例えば、特許文献1には、車両バッテリーの充電に、路面側の給電(送電)コイルと車両側の受電コイルとの間で電力を伝送するワイヤレス充電が提案されている。これは、給電コイルと受電コイルとを所定の距離で対向配置し、給電コイルで生成される磁界振動に受電コイルを共振させることで、電力を伝送するものである。この方式は、コイル間の電磁誘導による電力伝送方式と比べて伝送距離を長くすることができるという利点がある。
給電時、複数の受電コイルは、給電コイルの上面近傍に配置されて給電コイルからの送電を受ける。このとき、給電コイルからの磁束が車両内部に設置された電子回路等の動作障害を発生させないように、受電コイルと車両給電対象の機器の間に磁気シールド体が設置されている。この磁気シールド体により給電時に発生する磁束の漏れを抑制する技術が特許文献2に記載されている。この磁気シールド体として、軟磁性粉末をシリコンやその他のゴムでできたシート中に練り込んだシートが知られている。
このような磁気シールド体として、特許文献3には、扁平状の磁性粉体を絶縁材料中に分散してなり、複素透磁率および損失正接が特定範囲にある磁性体が開示されている。同文献の実施例では、固形分比率が40%のエポキシ樹脂に扁平状の磁性粉体であるパーマロイを添加し、得られた混合物をドクターブレード法によりフィルム形成した磁気シールド体が開示されている。
特許文献4には、誘電体および/または磁性体と共に、誘電率調整剤として特定の黒鉛を含有する電磁波吸収材料が開示されている。同文献の実施例7~9には、水添アクリロニトリル-ブタジエンゴム、扁平軟磁性体、黒鉛またはカーボンブラック、および溶剤等を配合した塗料を調製し、バーコーターによって形成された100μm厚のシート状電磁波吸収材料が開示されている。
また、特許文献5には、塗装という簡便な工程で形成でき、優れた磁気シールド特性を有する塗膜の提供を課題として、バインダーおよび磁性フィラーを含む塗膜が開示されている。
特開2020-036389号公報 特開2008-206234号公報 特開2012-134463号公報 特開2004-336028号公報 特開2016-21490号公報
従来のワイヤレス給電システムの用途としては小型の通信機器等の消費電力の少ないものが主流であったが、近年大型の産業機械や電気自動車への利用による大電力化がすすめられている。また大型化するワイヤレス給電システムによりコイル形状の複雑化に伴い、磁気シールド体形状も複雑化しており、特許文献4に記載されているようなシート形状では複数のシートを貼り合わせる必要がある。それによってシート部材間に隙間が生じると磁気シールド効果が弱まり本来の機能が得られない問題がある。
また、特許文献5に記載されているような磁気シールド性を有する塗膜を表面に形成する方法も考えられるが、このような磁気シールド塗料による塗膜では膜厚が薄く、大電力により発生する磁気を十分にシールドするのが困難である問題がある。
磁界共鳴方式の非接触送電を利用したワイヤレス給電システムにおける伝送効率の向上には、磁性体の磁気シールド効果を高めることが不可欠であると同時に、磁性体中で発生する渦電流の抑制や、コイルが発熱することによるコイルインダクタンス低下による伝送効率低下を抑制することが求められている。
本発明では上記課題を鑑みてなされたものであり、複雑な形状、大電力による磁気を十分にシールド可能な、Fe-Si-Al合金を用いたワイヤレス給電システムに用いられる磁気シールド体を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]:熱可塑性樹脂(A)と軟磁性粒子(B)を含み、
軟磁性粒子(B)は、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が0.05<t2/t1<0.7である、無機化合物により表面処理されたFe-Si-Al合金からなる鱗片状軟磁性粒子(b1)を含み、
厚みが1.5~5mmであることを特徴とする、ワイヤレス給電用磁気シールド体。
[2]:鱗片状軟磁性粒子(b1)は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、およびチタニアの少なくともいずれかにより表面処理されたFe-Si-Al合金であることを特徴とする、[1]記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
[3]:面内方向における熱拡散率が1.5[mm/s]以上であることを特徴とする、[1]または[2]記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
[4]:表面抵抗率が1×10[Ω/□]以上であることを特徴とする、[1]~[3]いずれか1項記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
[5]:熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂を含むことを特徴とする、[1]~[4]いずれか1項記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
本発明によれば、ワイヤレス給電システムにおける、複雑な形状、大電力による磁気を十分にシールド可能なFe-Si-Al合金を用いた磁気シールド体の提供が可能となる。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の反中に属し得る。また、後述する実施形態及び変形例は互いに好適に組み合わせることができる。また、本発明で特定する数値「A~B」は、数値Aと数値Aより大きい値および数値Bと数値Bより小さい値を満たす範囲をいう。なお、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。また、本明細書におけるシートは、フィルム、板状と同義である。本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
[ワイヤレス給電用磁気シールド体]
本実施形態におけるワイヤレス給電用磁気シールド体は、熱可塑性樹脂(A)と軟磁性粒子(B)とを含み、厚みが1.5~5mmである。
さらに、軟磁性粒子(B)は、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が0.02<t2/t1<0.7である、無機化合物により表面処理されたFe-Si-Al合金からなる鱗片状軟磁性粒子(b1)を含む。
これにより、ワイヤレス給電システムにおける、複雑な形状、大電力による磁気を十分にシールド可能であり、産業機械や電気自動車等への利用による、大型化したワイヤレス給電システムにも好適に使用できる。
ワイヤレス給電用磁気シールド体の厚みが1.5~5mmであることで、高い磁気シールド性能と、自動車や産業機械への搭載における軽量化の両立が可能となる。厚みは、2~4mmであることが好ましい。
ワイヤレス給電システムの大電力化により、送受信コイルの発熱による巻き線被覆樹脂の溶解や、巻き線そのものの熱抵抗の増加による伝送効率の低下が起こる場合がある。そのため、受信コイル背面に設置された際、ワイヤレス給電用磁気シールド体にも放熱効果を向上させることが求められ、特に大型化する受信コイルは平面方向に熱が広がることから、ワイヤレス給電用磁気シールド体の面内方向における熱拡散率が、1.5[mm/s]以上であることが好ましく、2.0[mm/s]以上がより好ましい。好ましくは100[mm/s]以下である。
また、ワイヤレス給電システムにおいて、磁気シールド体は送信コイルと受信コイル間で共振される磁場を受け、磁気シールド体内のフィラーが導電性をもつと、磁場に対して渦電流を発生し、磁場の磁気損失によるワイヤレス給電システム全体の伝送効率が落ちることから、発生する渦電流を抑制する必要がある。そのため本実施形態におけるワイヤレス給電用磁気シールド体そのものの導電性が低いことが求められるため、ワイヤレス給電用磁気シールド体の表面抵抗率が1×10[Ω/□]以上であることが好ましく、1×10[Ω/□]以上であることがより好ましい。好ましくは1017[Ω/□]以下である。
<熱可塑性樹脂(A)>
熱可塑性樹脂とは、適当な温度に加熱すると軟化して可塑性をもち、冷却すると固化する樹脂であり、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂、スチレン-オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂等が例示できる。
これらのうちでも、加工性、機械物性、電気特性、耐熱性に優れる点から、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、またはポリカーボネート樹脂が好適である。なかでも、耐熱性・電気特性の観点から、ポリアミド樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂(A)の質量平均分子量は特に限定されないが、成膜性および耐久性の観点から10,000~500,000であることが好ましい。質量平均分子量は15,000~400,000がより好ましく、15,000~300,000が更に好ましい。
質量平均分子量は、島津製作所製ProminenceGPCシステムを用いて、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)法により、分子量分布曲線を測定し、ポリスチレン換算の値から算出できる。
<軟磁性粒子(B)>
軟磁性粒子(B)は、無機化合物により表面処理されたFe-Si-Al合金からなる鱗片状軟磁性粒子(b1)を含む。さらには、鱗片状軟磁性粒子(b1)は、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が、0.05<t2/t1<0.7である。
鱗片状軟磁性粒子(b1)を用いることで、熱可塑性樹脂(A)との相溶性の向上と、給電コイルより発せられる磁界による渦電流の発生を抑制することが可能となり、高い磁気シールド性能を発揮できる。
t2/t1<0.7であることで熱可塑性樹脂(A)との相溶性向上と表面抵抗率の増加による磁界により発生する渦電流を抑制することが可能となり高い磁気シールド性を発揮できる。また、0.05<t2/t1であることで、無機化合物による表面処理が過剰にならず、熱拡散率の低下や透磁率の低下を抑制することができる。
鱗片状軟磁性粒子(b1)は、無機化合物により表面処理されたFe-Si-Al合金からなる鱗片状軟磁性粒子である。ここで、鱗片状粒子とは、鱗のような薄板状の粒子であり、フレーク形状または扁平形状の粒子をいう。その平面形状は、円形、楕円形、角形、不定形などを含み得るが、好適には、円形、楕円形である。鱗片状粒子のアスペクト比(平均粒子径D50/厚み)は、比透磁率の観点から5~100であることが好ましく、10~90であることがより好ましく、20~80であることが更に好ましい。
鱗片状軟磁性粒子の平均粒子径D50は、体積平均粒子径をいい、例えば、市販の粒子径分布測定装置(商品名:「LA-300」、堀場製作所製等)を用いて、100個の鱗片状粒子の粒子径およびその体積を求め、これに基づき体積で重みづけをした平均値を得ることで算出することができる。
比透磁率の観点から、軟磁性粒子(B)100質量%中の鱗片状軟磁性粒子(b1)の含有率は、50質量%以上であることが好ましく、95~100質量%であることがより好ましく、98~100質量%であることがさらに好ましい。
鱗片状軟磁性粒子(b1)の平均粒子径は、優れた比透磁率を得るために、15~100μmであることが好ましく、15~80μmであることがより好ましく、40~80μmとすることが更に好ましい。
鱗片状軟磁性粒子(b1)の平均厚みは、割れや欠けを防止する観点から0.5~20μmが好ましく、1~10μmがより好ましく、1~5μmが更に好適である。鱗片状粒子の平均厚みは、鱗片状粒子の断面を市販のデジタル顕微鏡や、電子走査型顕微鏡等を用いて100個の鱗片状粒子の厚みをそれぞれ求め、これらの平均値を得ることで算出することができる。
Fe-Si-Al合金の含有成分の質量比率(%)は任意とすることができるが、好適範囲として82<Fe<86.5、9.0<Si<11.0、4.5<Al<7.0が挙げられ、好ましくは、83<Fe<85.6、9.4<Si<10.6、5.0<Al<6.4が挙げられる。また、Fe-Si-Al合金の好適製品としてセンダストが挙げられる。
鱗片状軟磁性粒子(b1)は、熱可塑性樹脂(A)との相溶性を向上させるためと給電コイルより発せられる磁界による渦電流の発生を抑制するために無機化合物により表面処理を行い、導電性を低下させる必要がある。
無機化合物としては、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、またはチタン等を含む化合物が挙げられ、表面抵抗率への効果からケイ素を含む化合物がより好ましい。
無機化合物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、またはチタニア等の無機酸化物であることが好ましく、表面抵抗率への効果からシリカがより好ましい。
ケイ素を含む無機化合物としては、ケイ素化合物を被着させた態様が例示できる。ケイ素により表面処理されたFe-Si-Al合金は、ケイ素系表面処理剤を用いて容易に形成できる。ケイ素化合物は、有機ケイ素化合物であってもよい。
無機酸化物である、チタニア、ジルコニア、またはアルミナによる表面処理としては、チタネート、ジルコネート、またはアルミネート系カップリング剤等の公知の表面処理剤による表面処理が可能である。
表面処理の度合いとして鱗片状軟磁性粒子(b1)の表面に露出しているFe元素が減ることで導電性が低下することから、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が、0.02<t2/t1<0.7であり、0.05<t2/t1<0.65が好ましく、0.05<t2/t1<0.5であることが更に好ましい。
0.02より大きいことにより、透磁率に優れ、かつ0.7より小さいことで、表面抵抗率に優れた磁気シールド体とすることができる。
t2/t1の比率は、表面処理前の鱗片状軟磁性粒子の形状、平均粒子径、およびアスペクト比や、表面処理剤の種類および配合量等により制御することができる。
元素量はX線光電子分析装置(K-alpha+、サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を用いて測定できる。
鱗片状軟磁性粒子の表層の表面改質処理を0.02<t2/t1<0.7となるように行うことによって以下の効果が得られる。まず、熱可塑性樹脂(A)との相溶性を向上させることができる。それによって、シート状にしたときの鱗片状軟磁性粒子の割れや欠けを効果的に防止できる。また、磁性樹脂組成物の流動性を向上できる。その結果、シート状に成形したときの鱗片状軟磁性粒子の配向性を高め、優れた比透磁率を有するシートを得ることができる。
更に、導電性の高いFe元素の露出を適切な範囲とすることで渦電流発生による磁気損失を効果的に低減できる。鱗片状軟磁性粒子に対する表面処理剤の添加量を増やすことで、Fe元素の露出量を減らすことが可能であるが、過剰な添加を行うと鱗片状軟磁性粒子中の軟磁性金属量が相対的に低下することで、磁性シールド体の比透磁率の低下につながる。
そのため、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が、0.02<t2/t1<0.7である必要がある。
また、これにより、磁性樹脂組成物中の樹脂の劣化を抑制して耐熱性・耐熱老化性を改善する効果、および鱗片状軟磁性粒子の防錆を効果的に発揮させる効果が得られる。更に、鱗片状軟磁性粒子の粒子表面への表面処理を行うことにより、比表面積の低下による鱗片状軟磁性粒子の分散性も向上する。
ケイ素化合物としては、アルコキシシラン、シラザン等のシラン化合物が好適である。アルコキシランの例としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、シラザンの例としては、ヘキサメチルジシラザン、N-メチル-ヘキサメチルジシラザン、N-エチル-ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチル-N-プロピルジシラザン、パーヒドロポリシラザンを用いた処理が例示できる。
また、ケイ素化合物として、ポリシロキサンの側鎖および/または末端の全部または一部がメチル基になっているシリコーン化合物、側鎖の一部が水素原子であるシリコーン化合物、側鎖および/または末端の全部または一部にアミノ基、エポキシ基等の有機基を導入した変性シリコーン化合物、分岐構造を有するシリコーンレジンが挙げられる。なお、シリコーン化合物は直鎖状、環状のいずれの構造でもよい。
ポリシロキサンの側鎖および/または末端の全部または一部がメチル基になっているシリコーン化合物としては、例えば、ポリメチルヒドロシロキサン(水素末端)、ポリメチルヒドロシロキサン(トリメチルシロキシ末端)、ポリメチルフェニルシロキサン(水素末端)、ポリメチルフェニルシロキサン(トリメチルシロキシ末端)のようなモノメチルポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン(水素末端)、ジメチルポリシロキサン(トリメチルシロキシ末端)、環状ジメチルポリシロキサンのようなジメチルポリシロキサンが挙げられる。
側鎖の一部が水素原子であるシリコーン化合物としては、例えば、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(トリメチルシロキシ末端)、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(水素末端)、ポリメチルヒドロシロキサン(水素末端)、ポリメチルヒドロシロキサン(トリメチルシロキシ末端)、ポリエチルヒドロシロキサン(トリエチルシロキシ末端)、ポリフェニル-(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン(水素末端)、メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー(水素末端)、メチルヒドロシロキサン-オクチルメチルシロキサンコポリマー・ターポリマーが挙げられる。
また、有機基を導入した変性シリコーンとしては、例えば、アミノ基、エポキシ基、メトキシ基、(メタ)アクリロイル基、フェノール基、カルボン酸無水物基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基および水素原子の有機基を導入した反応性シリコーン並びに、例えば、ポリエーテル、アラルキル、フルオロアルキル、長鎖アルキル、長鎖アラルキル、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドおよびポリエーテルメトキシで変性された非反応性シリコーンが挙げられる。
ケイ素化合物の鱗片状軟磁性粒子(b1)の表層への被着処理は、乾式または湿式で行うことができる。好適例として、原料粒子を含有する溶液にケイ素系表面処理剤を添加して、ゾル-ゲル法によって鱗片状軟磁性粒子(b1)表面にシリカ(SiO)等のケイ素化合物を被着させる方法が例示できる。アルコキシシラン、シラザン等のシラン化合物の加水分解を促進するために、ケイ素化合物に塩基を添加してもよい。塩基としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が例示できる。
鱗片状軟磁性粒子(b1)の表層への被着処理に用いるケイ素化合物は、鱗片状軟磁性粒子(b1)との反応速度や収率の観点からアルコキシシランやシラザン等のシラン化合物が好ましく、アルコキシシランがより好ましい。
チタネート系カップリング剤の具体例としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピル(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤の具体例としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤の具体例としては、イソプロピルトリイソステアロイルジルコネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルジルコネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)ジルコネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)ジルコネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)ジルコネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリデシル)ホスファイトジルコネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートジルコネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンジルコネート、イソプロピルトリオクタノイルジルコネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルジルコネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルジルコネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)ジルコネート、イソプロピルトリクミルフェニルジルコネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)ジルコネート、ジクミルフェニルオキシアセテートジルコネート、ジイソステアロイルエチレンジルコネート等が挙げられる。
表面処理における表面処理剤の配合量は、表面処理処理前後のFe元素量の変化比率t2/t1を制御する観点から、表面処理前の鱗片状軟磁性粒子500質量部に対して表面処理剤である無機化合物を5~50質量部添加するのが好ましく、15~40質量部がより好ましい。
熱可塑性樹脂(A)および軟磁性粒子(B)の配合量は、比透磁率および熱拡散率を向上と表面抵抗率の制御の観点から熱可塑性樹脂(A)/軟磁性粒子(B)=5/95~25/75が好ましく、10/90~20/80がより好ましい。
<ワイヤレス給電用磁気シールド体の製造>
ワイヤレス給電用磁気シールド体は、熱可塑性樹脂(A)および軟磁性粒子(B)を含有する磁性樹脂組成物を用いて成形される。磁性樹脂組成物は、常温で固形状の混練物とする。本明細書でいう磁性樹脂組成物は、配合成分を混練した樹脂組成物であって、成形前の組成物をいう。成形前の組成物には、例えば、塊状、ペレット状、顆粒状の磁性樹脂組成物を含む。
上記磁性樹脂組成物をワイヤレス給電用磁気シールド体になるように任意の成形方法にて加工する。一例として溶融プレス成形があり、熱可塑性樹脂(A)の融点以上の温度で任意の形状のシールド体を作製することが可能である。その他の方法として射出成形や押出成形等で作製することが可能であるが、何ら限定するものではない。
以下の実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は、本発明を何ら制限するものではない。なお、実施例中、特に断りがない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
また、表中の配合量は、質量部であり、表中の空欄は配合していないことを表す。
<平均粒子径の測定>
軟磁性粒子(B)の平均粒子径D50は、体積平均粒子径であり、粒子径分布測定装置(商品名:「LA-300」、堀場製作所製等)を用いて、100個の鱗片状粒子の粒子径およびその体積を求め、これに基づき体積で重みづけをした平均値を得ることで算出した。
<平均粒子厚みの測定>
軟磁性粒子(B)の平均粒子厚みは、軟磁性粒子をビスフェノールA型液状エポキシ樹脂および変性脂環式ポリアミンを用いて常温硬化による樹脂埋め込みを行い、軟磁性粒子断面を切削し、デジタルマイクロスコープVHX-7000(キーエンス製)を用いて100個の軟磁性粒子断面の厚みを測定し、平均値を得ることで算出した。
<鱗片状軟磁性粒子の粒子表面のFe元素量測定>
X線光電子分析装置(K-alpha+、サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を用い、鱗片状軟磁性粒子の平面部分におけるFe元素量を測定した。X線源は単色AlKαX線を使用し、出力72Wの定量分析によりFe元素量を求めた。
<熱可塑性樹脂の融点の測定>
示差走査熱量測定装置(セイコー インスツルメンツ社製、DSC6200)を用いて、JIS K 7121に基づく示差走査熱量測定の昇温法による結晶融解吸熱ピーク温度から算出した。樹脂の融点の測定は、昇温速度10℃/分で40℃から300℃まで昇温し求めた。
<熱可塑性樹脂の質量平均分子量の測定>
質量平均分子量は、島津製作所製ProminenceGPCシステムを用いて、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)法により、分子量分布曲線を測定し、ポリスチレン換算の値から算出した。
ポリスチレン換算に使用した標準ポリスチレンには、VARIAN社製ポリスチレンを用い、カラムは東ソー社製TSKgelGMH-HTを用い、測定時のキャリアにはオルトジクロロベンゼンを用いた。カラム温度は140℃、キャリア流速は1.0mLでおこなった。
実施例で使用した原料は、以下のとおりである。
<熱可塑性樹脂>
・(A1)ポリアミド樹脂:6-ナイロン、アミランCM-1007(東レ社製、融点:225℃、質量平均分子量:250,000)
・(A2)ポリカーボネート樹脂:PC、ユーピロンE2000(MEP社製、融点:220℃、質量平均分子量:60,000)
・(A3)スチレン樹脂:GPPS、HF77(日本ポリスチレン社製、融点:240℃、質量平均分子量:220,000)
・(A4)ポリエステル樹脂:NEH-2050(ユニチカ社製、融点:166℃、質量平均分子量:18,000)
<軟磁性粒子(B)>
・(b1-1)センダスト:平均粒子径50μm、厚み1μm、鱗片状。シラン系カップリング剤処理。
・(b1-2)センダスト:平均粒子径80μm、厚み1μm、鱗片状。シラン系カップリング剤処理
・(b1-3)センダスト:平均粒子径50μm、厚み1μm、鱗片状。アルミネート系カップリング剤処理
・(b1-4)センダスト:平均粒子径50μm、厚み1μm、鱗片状。チタネート系カップリング剤処理
・(b1-5)センダスト:平均粒子径50μm、厚み1μm、鱗片状。シラン系カップリング剤処理
・(b’-1)センダスト:平均粒子径50μm、厚み1μm、鱗片状。シラン系カップリング剤処理
・(b’-2)センダスト:平均粒子径50μm、厚み1μm、鱗片状。
・(b’-3)センダスト:平均粒子径80μm、厚み1μm、鱗片状。
・(b’-4)センダスト:平均粒子径50μm、厚み1μm、鱗片状。シラン系カップリング剤処理
(鱗片状軟磁性粒子(b1-1)の製造方法)
鱗片状軟磁性粒子(b’-2)500質量部と、テトラエトキシシラン(TEOS)15質量部と、イソプロピルアルコール500質量部と、水65質量部とを混合し、25℃にて3時間攪拌した。その後、28%アンモニア水を1質量部添加し、pH9.5に調整した後、50℃にて5時間攪拌した後、120℃で3時間乾燥させ、粒子表面がケイ素化合物で被覆された鱗片状軟磁性粒子(b1-1)を得た。
(鱗片状軟磁性粒子(b1-2)の製造方法)
鱗片状軟磁性粒子(b’-3)500質量部と、テトラエトキシシラン(TEOS)15質量部と、イソプロピルアルコール500質量部と、水65質量部とを混合し、25℃にて3時間攪拌した。その後、28%アンモニア水を1質量部添加し、pH9.5に調整した後、50℃にて5時間攪拌した後、120℃で3時間乾燥させ、粒子表面がケイ素化合物で被覆された鱗片状軟磁性粒子(b1-2)を得た。
(鱗片状軟磁性粒子(b1-3)の製造方法)
鱗片状軟磁性粒子(b’-2)500質量部と、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(プレンアクトAL-M)15質量部と、イソプロピルアルコール500質量部とを混合し、25℃にて3時間攪拌した。その後、70℃にて5時間攪拌した後、120℃で3時間乾燥させ、粒子表面がアルミネート化合物で被覆された鱗片状軟磁性粒子(b1-3)を得た。
(鱗片状軟磁性粒子(b1-4)の製造方法)
鱗片状軟磁性粒子(b’-3)500質量部と、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(プレンアクトKR-TTS)15質量部と、イソプロピルアルコール500質量部とを混合し、25℃にて3時間攪拌した。その後、70℃にて5時間攪拌した後、120℃で3時間乾燥させ、粒子表面がチタネート化合物で被覆された鱗片状軟磁性粒子(b1-4)を得た。
(鱗片状軟磁性粒子(b1-5)の製造方法)
鱗片状軟磁性粒子(b’-2)500質量部と、テトラエトキシシラン(TEOS)25質量部と、イソプロピルアルコール500質量部と、水65質量部とを混合し、25℃にて3時間攪拌した。その後、28%アンモニア水を1質量部添加し、pH9.5に調整した後、50℃にて5時間攪拌した後、120℃で3時間乾燥させ、粒子表面がケイ素化合物で被覆された鱗片状軟磁性粒子(b1-5)を得た。
(鱗片状軟磁性粒子(b’-1)の製造方法)
鱗片状軟磁性粒子(b’-2)500質量部と、テトラエトキシシラン(TEOS)1質量部と、イソプロピルアルコール500質量部と、水65質量部とを混合し、25℃にて3時間攪拌した。その後、28%アンモニア水を1質量部添加し、pH9.5に調整した後、50℃にて5時間攪拌した後、120℃で3時間乾燥させ、粒子表面がケイ素化合物で被覆された鱗片状軟磁性粒子(b’-1)を得た。
(鱗片状軟磁性粒子(b’-4)の製造方法)
鱗片状軟磁性粒子(b’-2)500質量部と、テトラエトキシシラン(TEOS)100質量部と、イソプロピルアルコール500質量部と、水65質量部とを混合し、25℃にて3時間攪拌した。その後、28%アンモニア水を1質量部添加し、pH9.5に調整した後、50℃にて5時間攪拌した後、120℃で3時間乾燥させ、粒子表面がケイ素化合物で被覆された鱗片状軟磁性粒子(b’-4)を得た。
表面処理前の鱗片状軟磁性粒子のFe元素量(t1)と、表面処理後の鱗片状軟磁性粒子のFe元素量(t2)Fe元素量から、t2/t1を求めた。
鱗片状軟磁性粒子(B)のD50平均粒子径、厚み、形状、t2/t1を表1に示した。
Figure 2023091105000001
[実施例1]
(磁性樹脂組成物1の製造)
ポリアミド樹脂(A1)15%およびセンダスト(b1-1)85%となるように配合し、オープンニーダーに投入した後、260℃で10分間混練した。その後、フィーダルーダーを通して、ペレタイズを行い、ペレット状の磁性樹脂組成物1を得た。
(ワイヤレス給電用磁性シールド体(X-1)の作製)
得られたペレット状の磁性樹脂組成物1をシート状になるように、前記シートの一主面となる方向から15MPaの圧力を均一に熱可塑性樹脂(A)の融点+15℃(240℃)で1分プレスして、縦200mm・横200mm・厚み2.0mmの磁気シールド体(X-1)を作製した。
[実施例2~11、比較例1~6]
実施例1の熱可塑性樹脂(A)、軟磁性粒子(B)を表2、3に記載された原料および配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ磁性樹脂組成物1~17を作製し、実施例1と同様の方法によりプレスシートを表2、3に記載された厚みで作製し、磁気シールド体(X-2)~(X-17)を得た。
《磁気シールド体の評価》
本発明の磁気シールド体の比透磁率および熱拡散率、表面抵抗率、磁界シールド性能を下記の方法で評価した。結果を表2、3に示す。
(比透磁率の測定)
磁気シールド体を外形11.0mm、内径6.5mm、厚み1.0mmのリング形状に加工し、インピーダンスアナライザ(E4990A、KEYSIGHT社製)を用いて、周波数f=1MHz時のインダクタンスを測定し、短絡同軸管法から比透磁率を測定した。
[評価基準]
+++:150以上。
++:100以上150未満。
+:50以上100未満。
NG:50未満。
(熱拡散率の測定)
磁気シールド体の主面に対して垂直な断面方向に厚さ500μmにて切削し、面内方向の熱拡散率をレーザーフラッシュ法にて測定した。
[評価基準]
+++:4.0[mm/s]以上。
++:2.5[mm/s]以上4.0[mm/s]未満。
+:1.5[mm/s]以上2.5[mm/s]未満。
NG:1.5[mm/s]未満。
(表面抵抗率の測定)
得られた磁気シールド体の主面に対して、4探針法にて表面の電気抵抗率を測定した。印加電圧は10Vとした。
[評価基準]
+++:1×10[Ω/□]以上
++:1×10[Ω/□]以上1×10[Ω/□]未満
+:1×10[Ω/□]以上1×10[Ω/□]未満
NG:1×10[Ω/□]未満
(磁界シールド性能の測定)
KEC法を用いて測定した。KEC法冶具にサンプルを設置しない状態を0dBとし、磁気シールド体を設置し、磁界シールド性能を測定した。
[評価基準]
+++:30dB以上。
++:25dB以上30dB未満。
+:20dB以上25dB未満。
NG:20dB未満。
Figure 2023091105000002
Figure 2023091105000003
表2、3の結果より、熱可塑性樹脂(A)と、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が0.02<t2/t1<0.7である、無機化合物により表面処理されたFe-Si-Al合金からなる鱗片状軟磁性粒子(b1)とを含み、厚みが1.5~5mmであることで、高い熱拡散率と比透磁率、シールド性能を備えつつ、表面抵抗率の高い磁性シールド体を得ることができた。一方で鱗片状軟磁性粒子(b1)に該当しない軟磁性粒子(B)のみを用いた場合、比誘電率、熱拡散率、表面抵抗値、シールド性の全てを満足する磁気シールド体を得ることはできなかった。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と軟磁性粒子(B)を含み、
    軟磁性粒子(B)は、表面処理前の粒子表面に存在するFe元素量(t1)と表面処理後の粒子表面に存在するFe元素量(t2)の比が0.02<t2/t1<0.7である、無機化合物により表面処理されたFe-Si-Al合金からなる鱗片状軟磁性粒子(b1)を含み、
    厚みが1.5~5mmであることを特徴とする、ワイヤレス給電用磁気シールド体。
  2. 鱗片状軟磁性粒子(b1)は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、およびチタニアの少なくともいずれかにより表面処理されたFe-Si-Al合金であることを特徴とする、請求項1記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
  3. 面内方向における熱拡散率が1.5[mm/s]以上であることを特徴とする、請求項1または2記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
  4. 表面抵抗率が1×10[Ω/□]以上であることを特徴とする、請求項1~3いずれか1項記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
  5. 熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂を含むことを特徴とする、請求項1~4いずれか1項記載のワイヤレス給電用磁気シールド体。
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