JP2023090065A - 屋内排気管とパイプフードとの接続構造、連通管及び屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法 - Google Patents

屋内排気管とパイプフードとの接続構造、連通管及び屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法 Download PDF

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Toru Ogasawara
敦司 後藤
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Abstract

【課題】見栄えが良く、螺旋部を有する屋内排気管を用いつつ接続部における気密性が向上し、施工品質のばらつきを抑えることができる屋内排気管とパイプフードとの接続構造を提供する。【解決手段】建物10の屋内に配置され可撓性を有する屋内排気管18と、建物10の屋外に配置され接続筒32を有するパイプフード20と、建物10の外壁12を貫通する貫通孔14内に配置され屋内排気管18が内挿接続される屋内側端部22と接続筒32が内挿接続される屋外側端部24とを有して屋内排気管18とパイプフード20とを連通させる連通管16とを備える。屋内排気管18は可撓性を確保するための螺旋部28を一端18aに有し、屋内側端部22は屋内側開放端16bから所定範囲の内周面16aに雌ねじ部26を有する。螺旋部28が雌ねじ部26に螺合され、屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとの間隙には充填剤38が充填される。【選択図】図9

Description

本発明は屋内排気管とパイプフードとの接続構造、連通管及び屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法に関する。
特許文献1に従来の屋内排気管とパイプフードとの接続構造の一例が開示されている([0002]段落、図7参照)。この接続構造は、建物の屋内に配置され、可撓性を確保するための螺旋部を有する屋内排気管と、建物の屋外に配置され、接続筒を有するパイプフードとを備えている。
屋内排気管の一端は、建物の外壁を貫通する貫通孔に屋内から挿入される。パイプフードは、屋外から接続筒を貫通孔内に挿入しつつ、貫通孔を屋外から覆う。屋内排気管の一端と接続筒とが接続された接続部が貫通孔内に配置され、その接続部にはアルミテープが巻き付けられる。
この接続構造によれば、屋内排気管と接続筒との接続部にアルミテープを巻き付けるだけであるため、その接続部を貫通孔内に挿入して配置することが容易である。このため、接続部が露出することがなく、見栄えが良い。
他方、特許文献1には、屋内排気管の他端を衣類乾燥機の排気口に接続するためのアダプタが開示されている([0020]段落、図6参照)。このアダプタは、屋内排気管の他端が接続される一端側端部の内周面に、屋内排気管の螺旋部に対応する雌ねじ部を有し、衣類乾燥機の排気口に接続される他端側端部の外周面に、固定リング嵌合用のリング固定溝を有する。衣類乾燥機の排気口にはアダプタ接続口を有する排気口ガイドが取り付けられ、この排気口ガイドはアダプタ接続口の内周面に固定リング嵌合用のリング固定溝を有する。このアダプタでは、アダプタの一端側端部内に屋内排気管の他端を挿入するとともに螺旋部と雌ねじ部とを螺合する一方、アダプタのリング固定溝及び排気口ガイドのリング固定溝間に固定リングを介在させつつアダプタの他端側端部を接続口ガイドのアダプタ接続口内に挿入する。
また、特許文献1には、屋内排気管とパイプフードの接続筒との接続部にアルミテープを巻き付ける代わりに、上記アダプタとワンタッチで接続可能なパイプフードを用いてもよい、との記載がある([0018]段落参照)。
特開平6-94294号公報
しかし、上記従来の屋内排気管とパイプフードとの接続構造では、接続部がアルミテープで補強されてはいるが、気密性が十分とは言えない。すなわち、この接続部において、屋内排気管側は可撓性を確保するための螺旋部であり、パイプフード側は単純な円筒状の接続筒である。螺旋形状と単純な円筒形状との接続では、接続部における両者の接触面積が減少する。このため、接続筒内に屋内排気管を挿入するにしても、屋内排気管内に接続筒を挿入するにしても、十分な密着性を確保することが困難である。
屋内排気管と接続筒との間隙にコーキング剤を充填させて密着性を向上させることはできるが、この場合であっても螺旋形状と単純な円筒形状との接続部が不安定であるが故、気密漏れが懸念される。
他方、上記アダプタとワンタッチ接続可能なパイプフードの具体的構造については、特許文献1には記載されていない。上記アダプタをパイプフードにワンタッチ接続させるためには、パイプフードの接続筒の内周面に固定リング嵌合用のリング固定溝を形成するか、あるいは固定リング嵌合用のリング固定溝を内周面に有するガイド筒をパイプフードの接続筒に取り付ける必要がある。そして、アダプタのリング固定溝と接続筒又はガイド筒のリング固定溝との間に固定リングを介在させつつ、アダプタの他端側端部を接続筒内又はガイド筒内に挿入する。こうすることで、上記アダプタとパイプフードとを接続させることができる。
しかし、上述したアダプタとパイプフードとを接続する構造では、アダプタの他端側端部の外周面に固定リング溝が形成され、この他端側端部はパイプフードの接続筒内又はガイド筒内に挿入される。このような構造では、外壁の貫通孔内に予め配置されたアダプタに対しては、パイプフードの接続筒又はガイド筒を外挿により接続することが困難である。よって、施工方法の自由度が低い。施工方法の自由度が低いと、施工方法毎に異なる態様が要求されるため、施工品質もばらつくおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部を有する屋内排気管を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる屋内排気管とパイプフードとの接続構造、連通管及び屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の屋内排気管とパイプフードとの接続構造は、
建物の屋内に配置され、可撓性を有する屋内排気管と、
前記建物の屋外に配置され、接続筒を有するパイプフードと、
前記建物の外壁を貫通する貫通孔内に配置され、前記屋内排気管が内挿接続される屋内側端部と前記接続筒が内挿接続される屋外側端部とを有して前記屋内排気管と前記パイプフードとを連通させる連通管と、を備え、
前記屋内排気管は、前記可撓性を確保するための螺旋部を一端に有し、
前記屋内側端部は、屋内側開口端から所定範囲の内周面に雌ねじ部を有し、
前記螺旋部が前記雌ねじ部に螺合され、
前記屋外側端部の内周面と前記接続筒の外周面との間隙には充填剤が充填されることを特徴とする。
連通管の屋内側端部内には屋内排気管が挿入され、屋内側端部と屋内排気管とが接続される。屋内側端部には屋内側開口端から所定範囲の内周面に雌ねじ部が設けられ、この雌ねじ部には屋内排気管の可撓性を確保するための螺旋部が螺合する。このため、屋内側端部と屋内排気管との接続部においては、螺旋部と雌ねじ部との螺合により十分な密着性が確保される。
連通管の屋外側端部内にはパイプフードの接続筒が挿入され、屋外側端部と接続筒とが接続される。屋外側端部の内周面と接続筒の外周面との間隙には充填剤が充填される。このため、屋外側端部と接続筒との接続部においては、両者の間隙に介在する充填剤により十分な気密性が確保される。
また、連通管の屋外側端部内にパイプフードの接続筒が挿入される構造であるため、外壁の貫通孔内に予め配置された連通管に対してもパイプフードの接続筒を容易に接続することができ、施工方法の自由度が高い。また、パイプフードが接続された連通管を外壁の貫通孔内に挿入して配置する先付け施工であっても、貫通孔内に配置された連通管に対してパイプフードを接続する後付け施工であっても、いずれにも対応できる。このため、施工方法の違いにより異なる態様を採用する必要がない。
したがって、本発明の屋内排気管とパイプフードとの接続構造では、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部を有する屋内排気管を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる。
本発明の連通管は、本発明の屋内排気管とパイプフードとの接続構造に用いられる。
本発明の連通管は、建物の外壁を貫通する貫通孔内に配置されて、屋内に配置される屋内排気管と屋外に配置されるパイプフードの接続筒とを連通させる。この連通管は、パイプフードが接続された連通管を外壁の貫通孔内に挿入して配置する先付け施工、及び貫通孔内に配置された連通管に対してパイプフードを接続する後付け施工の双方に対応できる。
先付け施工と後付け施工とで用いる部材が異なると、施工方法の違いにより品質がばらつくおそれがある。この点、先付け施工、後付け施工に関わらず、同一の連通管を用いることができるため、施工品質のばらつきを抑えることができる。
本発明の第1の屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法は、
建物の屋内に配置され、可撓性を有する屋内排気管と、前記建物の屋外に配置され、接続筒を有するパイプフードとを、前記建物の外壁を貫通する貫通孔内に配置され、前記屋内排気管が内挿接続される屋内側端部と前記接続筒が内挿接続される屋外側端部とを有して前記屋内排気管と前記パイプフードとを連通させる連通管を介して接続する施工方法であって、
前記屋内排気管は、前記可撓性を確保するための螺旋部を一端に有し、
前記屋内側端部は、屋内側開口端から所定範囲の内周面に雌ねじ部を有し、
前記屋外側端部の内周面と前記接続筒の外周面との間隙に充填剤を介在させつつ、前記接続筒を前記屋外側端部に内挿接続する連通管パイプフード接続工程と、
前記連通管の前記屋内側端部を前記屋外から前記貫通孔内に挿入して、前記連通管を前記貫通孔内に配置するとともに前記パイプフードを前記外壁に配置する連通管パイプフード配置工程と、
前記屋内排気管の前記一端を前記屋内から前記屋内側端部内に挿入するとともに、前記螺旋部を前記雌ねじ部に螺合させる連通管屋内排気管接続工程と、を順に実施することを特徴とする。
この屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法では、連通管パイプフード接続工程と、連通管パイプフード配置工程と、連通管屋内排気管接続工程と、を順に実施する。この施工方法は、パイプフードが接続された連通管を外壁の貫通孔内に挿入して配置する先付け施工である。
連通管パイプフード接続工程では、連通管の屋外側端部の内周面とパイプフードの接続筒の外周面との間隙に充填剤を介在させつつ、パイプフードの接続筒を連通管の屋外側端部内に挿入して、接続筒と屋外側端部とを接続する。
連通管パイプフード配置工程では、連通管の屋内側端部を屋外から貫通孔内に挿入して、連通管を貫通孔内に配置するとともにパイプフードを外壁に配置する。
連通管屋内排気管接続工程では、屋内排気管の一端を屋内から連通管の屋内側端部内に挿入するとともに、屋内排気管の螺旋部を屋内側端部の雌ねじ部に螺合させる。
こうして先付け施工により、外壁の貫通孔内に配置された連通管を介して屋内排気管とパイプフードとを接続することができる。
この施工方法では、本発明の連通管を用いるとともに、本発明の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用するので、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部を有する屋内排気管を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる。
本発明の第2の屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法は、
建物の屋内に配置され、可撓性を有する屋内排気管と、前記建物の屋外に配置され、接続筒を有するパイプフードとを、前記建物の外壁を貫通する貫通孔内に配置され、前記屋内排気管が内挿接続される屋内側端部と前記接続筒が内挿接続される屋外側端部とを有して前記屋内排気管と前記パイプフードとを連通させる連通管を介して接続する施工方法であって、
前記屋内排気管は、前記可撓性を確保するための螺旋部を一端に有し、
前記屋内側端部は、屋内側開口端から所定範囲の内周面に雌ねじ部を有し、
前記貫通孔内に前記連通管を配置させる連通管配置工程と、
前記貫通孔内に配置された前記連通管の前記屋外側端部の内周面と前記接続筒の外周面との間隙に充填剤を介在させつつ、前記接続筒を前記屋外から前記屋外側端部に内挿接続する連通管パイプフード接続工程と、
前記貫通孔内に配置された前記連通管の前記屋内側端部内に前記屋内排気管の前記一端を前記屋内から挿入するとともに、前記螺旋部を前記雌ねじ部に螺合させる連通管屋内排気管接続工程と、を備えることを特徴とする。
この屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法は、連通管配置工程と、連通管パイプフード接続工程と、連通管屋内排気管接続工程とを備える。この施工方法は、貫通孔内に配置された連通管に対してパイプフードを接続する後付け施工である。
この施工方法では、まず連通管配置工程を実施する。連通配置工程では、建物の外壁の貫通孔内に連通管を配置させる。外壁の貫通孔に関しては、外壁の製造時に貫通孔も同時に形成してもよいし、外壁の完成後に貫通孔を孔加工してもよい。また、外壁の製造時に貫通孔も同時に形成するとともにその貫通孔内に連通管を同時に配置してもよいし、外壁に形成された貫通孔内に後から連通管を挿入して配置してもよい。
連通管配置工程の実施後、連通管パイプフード接続工程と連通管屋内排気管接続工程とを実施する。連通管パイプフード接続工程と連通管屋内排気管接続工程とは、いずれを先に実施しても構わない。
連通管パイプフード接続工程では、貫通孔内に配置された連通管の屋外側端部の内周面と接続筒の外周面との間隙に充填剤を介在させつつ、パイプフードの接続筒を屋外から連通管の屋外側端部内に挿入して、接続筒と屋外側端部とを接続する。
連通管屋内排気管接続工程では、貫通孔内に配置された連通管の屋内側端部内に屋内排気管の一端を屋内から挿入するとともに、屋内排気管の螺旋部を屋内側端部の雌ねじ部に螺合させる。
こうして後付け施工により、外壁の貫通孔内に配置された連通管を介して屋内排気管とパイプフードとを接続することができる。
この施工方法では、本発明の連通管を用いるとともに、本発明の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用するので、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部を有する屋内排気管を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる。
本発明の屋内排気管とパイプフードとの接続構造、連通管及び屋内排気管とパイプフードとを接続させる施工方法によれば、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部を有する屋内排気管を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる。
図1は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を説明する概略施工図である。 図2は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造に係り、連通管の正面図である。 図3は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造に係り、パイプフードの正面図である。 図4は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した先付け施工に係り、パイプフードの接続筒にコーキング剤を塗布した状態を示す説明図である。 図5は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した先付け施工に係り、連通管の屋外側端部内にパイプフードの接続筒を挿入した状態を示す説明図である。 図6は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した先付け施工に係り、連通管とパイプフードのフードとの境界部にコーキング剤を塗布した状態を示す説明図である。 図7は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した先付け施工に係り、外壁の貫通孔内に連通管を挿入して配置するとともに、外壁にパイプフードをビス固定する様子を示す説明図である。 図8は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した先付け施工に係り、外壁とパイプフードのフードとの境界部にコーキング剤を塗布した状態を示す説明図である。 図9は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した先付け施工に係り、連通管の屋内側端部内に屋内排気管を挿入するとともに、屋内側端部の雌ねじ部に屋内排気管の螺旋部を螺合した状態を示す説明図である。 図10は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した後付け施工に係り、外壁の貫通孔に連通管が配置されている状態を示す説明図である。 図11は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した後付け施工に係り、パイプフードの接続筒にコーキング剤を塗布した状態を示す説明図である。 図12は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した後付け施工に係り、貫通孔に配置された連通管の屋外側端部内にパイプフードの接続筒を挿入するとともに、外壁にパイプフードをビス固定する様子を示す説明図である。 図13は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した後付け施工に係り、外壁とパイプフードのフードとの境界部にコーキング剤を塗布した状態を示す説明図である。 図14は、実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した後付け施工に係り、連通管の屋内側端部内に屋内排気管を挿入するとともに、屋内側端部の雌ねじ部に屋内排気管の螺旋部を螺合した状態を示す説明図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
(実施例)
図1に、実施例の屋内排気管とパイプフードとを接続する接続構造を説明する概略施工図を示す。
<屋内排気管とパイプフードとの接続構造及び連通管の構成>
図1に示すように、この屋内排気管とパイプフードとの接続構造は、建物10の外壁12を貫通する貫通孔14内に配置された連通管16と、建物10の屋内に配置された屋内排気管18と、建物10の屋外に配置されたパイプフード20とを備える。連通管16は、屋内排気管18とパイプフード20とを接続する。
連通管16は、貫通孔14内に配置される。連通管16は、ステンレス鋼よりなり、外径が約100mm、軸方向長さが約300mmの円筒状部材である。図2に示すように、連通管16における図2の左側である軸方向一端側が屋内側端部22となり、連通管16における図2の右側である軸方向他端側が屋外側端部24となる。図8に示すように、屋内側端部22内には屋内排気管18の一端18aが挿入されて接続される。屋外側端部24にはパイプフード20の後述する接続筒32が挿入されて接続される。なお後述するように、接続筒32の軸方向長さが約45mmであり、連通管16の屋外側開口端16cから約45mmの範囲が屋外側端部24となる。
連通管16の内周面16aには、屋内側開口端16bから所定範囲に雌ねじ部26が形成されている。この実施例では、屋内側開口端16bから約50mmの範囲に雌ねじ部26が形成されている。雌ねじ部26は、屋内排気管18の後述する螺旋部28に螺合可能に形成されている。雌ねじ部26は、螺旋部28との螺合により所定の気密性が確保されるように形成されている。雌ねじ部26及び螺旋部28における山谷の形状や大きさによっても気密性の程度が変わるが、雌ねじ部26は、屋内側開口端16bから例えば50mm~100mm程度の範囲に形成することができる。
連通管16の内周面16aにおける雌ねじ部26以外の部分は、軸方向に一定の円形断面形状を有する。すなわち、連通管16における屋外側端部24の内周面24aは、軸方向に一定の円形断面形状を有する。
屋内排気管18は、可撓性を有し、伸縮や屈曲が可能なアルミフレキシブル管よりなる。図1に示すように、屋内排気管18は、可撓性を確保するための螺旋部28を軸方向長さの全体に有する。
図3に示すように、パイプフード20は、ステンレス鋼よりなり、フード30と、接続筒32と、ガラリ34と、複数の係止爪36とを備える。フード30は、略直方体の箱状をなしている。パイプフード20が外壁12に配置されたときに外壁12に対向するフード30の裏面には、円形の開口が形成されるとともに、その開口周縁を覆うように接続筒32が取り付けられている。接続筒32はフード30に螺合により取り付けられている。外壁12に配置されたパイプフード20におけるフード30の下面には、矩形状の開口が形成されるとともに、その開口に複数枚の羽根板よりなるガラリ34が配設されている。
パイプフード20の接続筒32は、外径が約100mm、軸方向長さが約45mmの単純な円筒状部材である。接続筒32の外周面32aは、軸方向に一定の円形断面形状を有する。連通管16における屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとは、互いに整合する円形断面形状を有する。屋外側端部24内に接続筒32が挿入される関係上、屋外側端部24の内径は接続筒32の外径より若干大きく設定されている。
屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとの間隙にはコーキング剤38(図4参照)が充填される。コーキング剤38は、接続筒32におけるフード30側の基端部に配置される。このコーキング剤38により、屋外側端部24と接続筒32とが固定されるとともに、両者間における防水性や気密性が確保される。コーキング剤38は、本発明における充填剤に相当する。
接続筒32の外周面32aには、その先端側に3個の係止爪36が取り付けられている。各係止爪36は、板ばね状をなして弾性変形可能であり、外周面32aに周方向に等間隔に配置されている。各係止爪36は、接続筒32と屋外側端部24との接続時に屋外側端部24の内周面24aに弾性変形しつつ圧接される。
この接続構造では、連通管16の屋内側端部22内には屋内排気管18の一端18aが挿入されるとともに、屋内排気管18の螺旋部28と屋内側端部22の雌ねじ部26とが螺合する。このため、屋内側端部22と屋内排気管18との接続部においては、螺旋部28と雌ねじ部26との螺合により十分な密着性が確保される。
連通管16の屋外側端部24内にはパイプフード20の接続筒32が挿入されるとともに、屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとの間隙にはコーキング剤38が充填され、このコーキング剤38により屋外側端部24と接続筒32とが固定される。このため、屋外側端部24と接続筒32との接続部においては、両者の間隙に介在するコーキング剤38により十分な気密性が確保される。
連通管16の屋外側端部24内にパイプフード20の接続筒32が挿入される構造であるため、外壁12の貫通孔14内に予め配置された連通管16に対してもパイプフード20の接続筒30を容易に接続することができ、施工方法の自由度が高い。また、パイプフード20が接続された連通管16を外壁12の貫通孔14内に挿入して配置する先付け施工であっても、貫通孔14内に配置された連通管16に対してパイプフード20を接続する後付け施工であっても、いずれにも対応できる。このため、施工方法の違いにより異なる態様を採用する必要がない。
したがって、この屋内排気管とパイプフードとの接続構造では、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部28を有する屋内排気管18を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる。
特に、連通管16の屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとは、互いに整合するとともに連通管16の軸方向に一定の円形断面形状を有する。このため、屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとの接触面積を十分に確保しやすく接続部が安定するため、気密性を高めるのに有利となる。また、屋外側端部24内に接続筒32をスムーズに挿入することができる。また、屋外側端部24の内周面24a及び接続筒32の外周面32aのいずれにも溝加工を施す必要がないため、余分な工数及びコストの増加を抑えることができる。
また、この屋内排気管とパイプフードとの接続構造で用いた連通管16は、パイプフード20が接続された連通管16を外壁12の貫通孔14内に挿入して配置する先付け施工、及び貫通孔14内に配置された連通管16に対してパイプフード20を接続する後付け施工の双方に対応できる。
先付け施工と後付け施工とで用いる部材が異なると、施工方法の違いにより品質がばらつくおそれがある。この点、先付け施工、後付け施工に関わらず、同一の連通管16を用いることができるため、施工品質のばらつきを抑えることができる。
さらに、接続筒32の外周面32aには複数の係止爪36が取り付けられており、各係止爪36は、接続筒32と屋外側端部24との接続時に、弾性変形しつつ屋外側端部24の内周面24aに圧接される。このため、各係止爪36の弾性力により、連通管16と接続筒32との接合力を高めることができる。
連通管16の屋内側端部22と屋内排気管18との接続が螺合によるため、連通管16に対する屋内排気管18の着脱が容易であり、例えばメンテナンス作業を容易に行うことができる。
<先付け施工により屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法>
実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した施工方法により、連通管16を介して屋内排気管18とパイプフード20とを接続する方法について、図4~図9を参照しつつ説明する。この施工方法は、パイプフード20が接続された連通管16を外壁12の貫通孔14内に挿入して配置する先付け施工である。
この先付け施工では、以下に示す準備工程と、連通管パイプフード接続工程と、連通管パイプフード配置工程と、連通管屋内排気管接続工程と、を順に実施する。
<準備工程>
建物10の外壁12には貫通孔14が形成されている。なお、この貫通孔14は、外壁12の完成後に孔加工により形成されたものであっても、外壁12の製造時に同時に形成されたものであっても、いずれでもよい。連通管16の軸方向長さは、外壁12の厚さ、すなわち貫通孔14の長さに応じて予め調整しておく。この調整は、連通管16の屋外側端部24側を所定量切断することにより行うことができる。
<連通管パイプフード接続工程>
図4に示すように、パイプフード20の接続筒32におけるフード30側の基端部に、1条のコーキング剤38を塗布する。コーキング剤38は特に限定されないが、シリコーン系等の樹脂よりなる。コーキング剤38は、接続筒32の外周面32aの全周に、例えば、幅約5mmの範囲に高さ約5mmで塗布する。コーキング剤38が塗布された部位には、防水性や気密性が付与される。なお、コーキング剤38を塗布する条数、幅や高さは特に限定されず、適宜設定可能である。
その後、図5に示すように、連通管16の屋外側端部24内にパイプフード20の接続筒32を挿入する。この際、屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとの間隙の全周にはコーキング剤38が介在する。
その後、図6に示すように、連通管16とパイプフード20のフード30との境界部にシリコーン系等の樹脂よりなるコーキング剤40を全周塗布する。コーキング剤40が塗布された部位には、防水性や気密性が付与される。なお、コーキング剤40の代わりに又はコーキング剤40と共に、ゴムパッキンや防水粘着テープ等を用いてもよい。
<連通管パイプフード配置工程>
その後、図7に示すように、外壁12の貫通孔14内に屋外から連通管16の屋内側端部22を挿入して、貫通孔14内に連通管16を配置する。そして、外壁12の外面12aに対してパイプフード20をビス42で固定する。
その後、図8に示すように、パイプフード20のフード30の上面及び両側面と外壁12の外面12aとの境界部にシリコーン系等の樹脂よりなるコーキング剤44を塗布する。コーキング剤44が塗布された部位には、防水性や気密性が付与される。なお、コーキング剤44の代わりに又はコーキング剤44と共に、ゴムパッキンや防水粘着テープ等を用いてもよい。
<連通管屋内排気管接続工程>
その後、図9に示すように、屋内排気管18の一端18aを屋内から連通管16の屋内側端部22内に挿入するとともに、屋内排気管18の螺旋部28を屋内側端部22の雌ねじ部26に螺合させる。
こうして先付け施工により、外壁12の貫通孔14内に配置された連通管16を介して、屋内排気管18とパイプフード20とを接続する。これにより、屋内排気管18、連通管16及びパイプフード20の内部に連続して延びる排気通路46が形成される。
図1に示すように、屋内排気管18の他端は、建物10の屋内に配置された衣類乾燥機48の排気口に機器側接続筒50を介して接続される。これにより、衣類乾燥機48の排気口からの湿気は排気通路46を介して屋外に排出される。
この施工方法では、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部28を有する屋内排気管18を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる。
<後付け施工により屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法>
実施例の屋内排気管とパイプフードとの接続構造を採用した施工方法により、連通管16を介して屋内排気管18とパイプフード20とを接続する方法について、図10~図14を参照しつつ説明する。この施工方法は、外壁12の貫通孔14内に配置された連通管16に対してパイプフード20を接続する後付け施工である。
<準備工程>
連通管16の軸方向長さを、外壁12の厚さ、すなわち貫通孔14の長さに応じて予め調整しておく。この調整は、連通管16の屋外側端部24側を所定量切断することにより行うことができる。
この後付け施工は、準備工程の他、以下に示す連通管配置工程と、連通管パイプフード接続工程と、連通管屋内排気管接続工程とを備える。この後付け施工では、準備工程の後に、まず連通管配置工程を実施し、その後に、連通管パイプフード接続工程と、連通管屋内排気管接続工程とを実施する。連通管パイプフード接続工程と連通管屋内排気管接続工程とは、いずれを先に実施しても構わない。説明の便宜上、連通管パイプフード接続工程の実施後に、連通管屋内排気管接続工程を実施する方法を以下に説明する。
<連通管配置工程>
図10に示すように、外壁12の貫通孔14内に連通管16を配置する。貫通孔14は、外壁12の製造と同時に形成されたものであっても、外壁12の完成後に孔加工により形成されたものであっても、いずれでもよい。また、外壁12の製造時に貫通孔14も同時に形成するとともにその貫通孔14内に連通管16を同時に配置してもよいし、外壁12に形成された貫通孔14内に後から連通管16を挿入して配置してもよい。
外壁12がコンクリート壁である場合は、外壁12の完成後に貫通孔14を孔加工することが容易ではない。このため、外壁12がコンクリート壁である場合は、外壁12の製造時に貫通孔14も同時に形成するとともにその貫通孔14内に連通管16を同時に配置するのがよい。
連通管16の外周面と貫通孔14の内周面との間隙の全周には、コーキング剤52を充填する。コーキング剤52は、連通管16の屋内側端部22の外周面と貫通孔14の内周面との間隙の全周、及び連通管16の屋外側端部24の外周面と貫通孔14の内周面との間隙の全周の双方に充填する。
<連通管パイプフード接続工程>
図11に示すように、パイプフード20の接続筒32におけるフード30側の基端部に、2条のコーキング剤38を塗布する。コーキング剤38は特に限定されないが、シリコーン系等の樹脂よりなる。各コーキング剤38は、接続筒32の外周面32aの全周に、例えば、幅約5mmの範囲に高さ約5mmで塗布する。コーキング剤38が塗布された部位には、防水性や気密性が付与される。なお、コーキング剤38を塗布する条数、幅や高さは特に限定されず、適宜設定可能である。
その後、図12に示すように、貫通孔14内に配置された連通管16の屋外側端部24内にパイプフード20の接続筒32を屋外から挿入する。この際、屋外側端部24の内周面24aと接続筒32の外周面32aとの間隙の全周には2条のキーキング剤38が介在する。そして、外壁12の外面12aに対してパイプフード20をビス42で固定する。
その後、図13に示すように、パイプフード20のフード30の上面及び両側面と外壁12の外面12aとの境界部にシリコーン系等の樹脂よりなるコーキング剤44を塗布する。コーキング剤44が塗布された部位には、防水性や気密性が付与される。なお、コーキング剤44の代わりに又はコーキング剤44と共に、ゴムパッキンや防水粘着テープ等を用いてもよい。
<連通管屋内排気管接続工程>
その後、図14に示すように、屋内排気管18の一端18aを屋内から連通管16の屋内側端部22内に挿入するとともに、屋内排気管18の螺旋部28を屋内側端部22の雌ねじ部26に螺合させる。
こうして後付け施工により、外壁12の貫通孔14内に配置された連通管16を介して、屋内排気管18とパイプフード20とを接続する。これにより、屋内排気管18、連通管16及びパイプフード20の内部に連続して延びる排気通路46が形成される。
図1に示すように、屋内排気管18の他端は、建物10の屋内に配置された衣類乾燥機48の排気口に機器側接続筒50を介して接続される。これにより、衣類乾燥機48の排気口からの湿気は排気通路46を介して屋外に排出される。
この施工方法では、見栄えが良く、しかも可撓性を確保するための螺旋部28を有する屋内排気管18を用いつつ接続部における気密性が向上するとともに、施工品質のばらつきを抑えることができる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例では、屋内排気管18にアルミフレキシブル管を用いたが、本発明はこれに限定されず、ポリエチレン等の可撓性樹脂よりなる屋内排気管としてもよい。可撓性樹脂よりなる屋内排気管を採用する場合、可撓性を確保するための螺旋部は必ずしも軸方向長さの全体に設けなくてもよい。
実施例では、フード30に対して接続筒32を螺合により取り付けるが、本発明はこれに限定されず、フード30と接続筒32とを一体に設けてもよい。
実施例では、パイプフード20及び連通管16の材料にステンレス鋼を用いたが、アルミニウム合金や樹脂を用いてもよい。
本発明は例えば、衣類乾燥機、衣類洗浄乾燥機又は除湿設備等に利用可能である。
10…建物
12…外壁
14…貫通孔
16…連通管
16a…内周面
16b…屋内側開口端
18…屋内排気管
20…パイプフード
22…屋内側端部
24…屋外側端部
26…雌ねじ部
28…螺旋部
32…接続筒
32a…外周面
38…コーキング剤(充填剤)

Claims (4)

  1. 建物の屋内に配置され、可撓性を有する屋内排気管と、
    前記建物の屋外に配置され、接続筒を有するパイプフードと、
    前記建物の外壁を貫通する貫通孔内に配置され、前記屋内排気管が内挿接続される屋内側端部と前記接続筒が内挿接続される屋外側端部とを有して前記屋内排気管と前記パイプフードとを連通させる連通管と、を備え、
    前記屋内排気管は、前記可撓性を確保するための螺旋部を一端に有し、
    前記屋内側端部は、屋内側開口端から所定範囲の内周面に雌ねじ部を有し、
    前記螺旋部が前記雌ねじ部に螺合され、
    前記屋外側端部の内周面と前記接続筒の外周面との間隙には充填剤が充填されることを特徴とする屋内排気管とパイプフードとの接続構造。
  2. 請求項1記載の屋内排気管とパイプフードとの接続構造に用いられる連通管。
  3. 建物の屋内に配置され、可撓性を有する屋内排気管と、前記建物の屋外に配置され、接続筒を有するパイプフードとを、前記建物の外壁を貫通する貫通孔内に配置され、前記屋内排気管が内挿接続される屋内側端部と前記接続筒が内挿接続される屋外側端部とを有して前記屋内排気管と前記パイプフードとを連通させる連通管を介して接続する施工方法であって、
    前記屋内排気管は、前記可撓性を確保するための螺旋部を一端に有し、
    前記屋内側端部は、屋内側開口端から所定範囲の内周面に雌ねじ部を有し、
    前記屋外側端部の内周面と前記接続筒の外周面との間隙に充填剤を介在させつつ、前記接続筒を前記屋外側端部に内挿接続する連通管パイプフード接続工程と、
    前記連通管の前記屋内側端部を前記屋外から前記貫通孔内に挿入して、前記連通管を前記貫通孔内に配置するとともに前記パイプフードを前記外壁に配置する連通管パイプフード配置工程と、
    前記屋内排気管の前記一端を前記屋内から前記屋内側端部内に挿入するとともに、前記螺旋部を前記雌ねじ部に螺合させる連通管屋内排気管接続工程と、を順に実施することを特徴とする屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法。
  4. 建物の屋内に配置され、可撓性を有する屋内排気管と、前記建物の屋外に配置され、接続筒を有するパイプフードとを、前記建物の外壁を貫通する貫通孔内に配置され、前記屋内排気管が内挿接続される屋内側端部と前記接続筒が内挿接続される屋外側端部とを有して前記屋内排気管と前記パイプフードとを連通させる連通管を介して接続する施工方法であって、
    前記屋内排気管は、前記可撓性を確保するための螺旋部を一端に有し、
    前記屋内側端部は、屋内側開口端から所定範囲の内周面に雌ねじ部を有し、
    前記貫通孔内に前記連通管を配置させる連通管配置工程と、
    前記貫通孔内に配置された前記連通管の前記屋外側端部の内周面と前記接続筒の外周面との間隙に充填剤を介在させつつ、前記接続筒を前記屋外から前記屋外側端部に内挿接続する連通管パイプフード接続工程と、
    前記貫通孔内に配置された前記連通管の前記屋内側端部内に前記屋内排気管の前記一端を前記屋内から挿入するとともに、前記螺旋部を前記雌ねじ部に螺合させる連通管屋内排気管接続工程と、を備えることを特徴とする屋内排気管とパイプフードとを接続する施工方法。
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