本発明の一実施形態の遊技機の一例であるスロットマシン1は、図1に示すように、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、前面(すなわち、図1の紙面貫通方向の手前側の面)に図示しない開口部と、この開口部を開閉可能な板状の前扉20とを有している。
前扉20は、その略中央部分に設けられた透光性の表示窓21を有し、筺体10に対してロック可能に取り付けられている。表示窓21は、前扉20により筺体10の開口部を閉鎖した状態で、後述する各回転リール41,42,43の表面に配置された複数の図柄を視認可能に配置されている。
また、筺体10は、表示装置の一例の液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を有している。液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24の各々は、前扉20の表示窓21の上部に配置されている。遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を用いて行われる。例えば、液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。また、電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯し、スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。
また、筺体10は、メダルが払い出される払い出し口25、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留する下皿26および操作部30を有している。払い出し口25、下皿26および操作部30の各々は、前扉20の表示窓21の下部に配置されている。
操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、前扉20に操作可能に設けられ操作により各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、前扉20に操作可能に設けられ操作により回転中の各回転リール41,42,43を停止させるストップスイッチ34,35,36とを有している。操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)および表示部の一例の貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。この貯留メダル表示部は、貯留されたメダルの数に加えて、後述する遊技区間が有利区間であることが表示可能に構成されている。
また、スロットマシン1は、図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、メダルを払い出すホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、ホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)、スロットマシン1の設定値を変更するときに管理者が操作する設定部45等と共に、筺体10の内部に配置されている。
回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置され、複数の回転リール(この実施形態では、3つの回転リール41,42,43)と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。各回転リール41,42,43は、略円筒状で、その表面には、図3に示すように、各回転リール41,42,43の周方向に沿って間隔を空けて配列された複数の図柄と、基準点(図示せず)とが設けられている。基準点は、例えば、回転リール41,42,43のゼロ番の図柄(ベルA)の中心に配置されている。
ここで、図1~図9を参照して、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。
図1に示すように、スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、または、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(すなわち、クレジット)を使用して、メダルをベットする。予め設定されている規定の枚数(例えば、1~3枚)のメダルがベットされると、有効ライン70が有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
有効ライン70は、図4に示すように、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、有効ライン70によって、表示窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。スロットマシン1では、有効ライン70は、例えば、右下がりラインで構成され、所定枚数(例えば、3枚)のメダルがベットされることにより有効化される。一例として、スロットマシン1の表示窓21に表示される図柄は、各回転リールにつき3図柄である。
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作されると、スロットマシン1内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽せんという。)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作されると、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、表示窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43が停止すると、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出され、1ゲームが終了する。この実施形態では、全ての回転リール41,42,43が停止した状態で、内部抽せんにより当せんした役毎に設定された図柄の組み合わせが、有効ライン70上に配置された場合に、有効ライン70上に配置された図柄の組み合わせに対応する役が入賞したと判定される。なお、有効ライン70上に役に対応する図柄の組み合わせが停止しなかった場合(いわゆるハズレ時)も、入賞に含まれる。
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
また、遊技中は、複数の遊技区間の中から1つの遊技区間が設定され、複数の遊技状態の中から1つ遊技状態が設定される。そして、設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんが行われる。遊技状態には、図5~図7に示すように、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態が含まれる。
第1遊技状態は、内部抽せんにより当せんする役(以下、単に当せん役という。)のうち、リプレイ等のフラグの種類(図9参照)およびその当せん確率を決定するための遊技状態であり、一例として、図5に示すように、RT0と、RT1とで構成されている。
RT0は、第2遊技状態が特別役実施状態から特別役非持ち越し状態に移行した場合、または、遊技状態の初期化(リセット)時(例えば、RAMクリア時)に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT1からRT0に移行する)。また、スロットマシン1が遊技場等に設置された直後の第1遊技状態もRT0に設定されている。言い換えると、第1遊技状態は、一種BBが実施されている場合を除いて、全てRT0に設定されている。
RT1は、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態から特別役実施状態に移行した場合に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT0からRT1に移行する)。RT1では、図9に示すように、リプレイ役および一種BBに当せんする可能性はない。
第2遊技状態は、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されていない特別役非持ち越し状態と、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されている特別役持ち越し状態と、入賞した一種BBを実施するための特別役実施状態とを含む。
特別役非持ち越し状態は、特別役実施状態に移行したときから払い出されたメダルが所定数(例えば、180枚または2枚)を超えた場合、または、遊技状態の初期化などの所定条件を満たした場合に設定される。
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより一種BBに当せんしかつ当せんした一種BBが当せんした遊技で入賞しなかった場合に設定される。一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)であり、特別役の一例である。一種BBが持ち越されている場合、一種BBの抽せんは行われない。持ち越されている一種BBは、設定値を変更しても消滅しないように構成されているが、消滅するように構成しても構わない。
特別役実施状態は、内部抽せんにより特別役に当せんしかつ入賞した場合に設定され、一種BB実施状態(図6中、BB一般で示す。)と、RB持ち越し状態(図6中、JAC内部で示す)およびRB実施状態(図6中、JAC中で示す)を含んでいる。BB一般は、特別役が入賞した場合に設定される。BB一般は、役物非内部状態の一例で、内部抽せんにより特別役物の一例のRB(図9のJAC)に当せんしていない場合に設定される。JAC内部は、役物内部状態の一例で、第2遊技状態がBB一般であるときに、内部抽せんによりRB(すなわち、図9のJAC)に当せんしかつRBが入賞していない場合に設定される。JAC中は、役物実施状態の一例で、当せんしたRBが入賞した場合に設定される。JAC中は、JAC中に移行したときから12ゲーム消化するか、または、JAC中に何らかの役が8回入賞することで、BB一般に移行する。
第3遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、一例として、図7に示すように、一般遊技状態とATとで構成されている。
一般遊技状態は、指示機能が発生しない状態であり、例えば、設定値の変更後、RAMクリア後およびAT終了後、AT抽せんに当せんするまで設定される。スロットマシン1では、一般遊技状態として、通常状態と、AT抽せんに当せんする確率が通常状態よりも高い高確率状態(いわゆるチャンスゾーン(CZ))とを有している。AT抽せんは、一例として、第1遊技状態がRT0であり、かつ、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役に応じて行われる。通常状態から高確率状態への移行は、例えば、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間である場合に内部抽せんが行われ、その結果、AT抽せんに当せんしなかった場合に行われる高確率状態移行抽せんに当せんすることで行われる。また、通常状態から高確率状態への移行は、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間である場合での遊技数が所定範囲内に達した場合に行われる。
ATは、指示機能が発生する有利状態の一例であり、第3遊技状態がATに移行したときから経過した遊技数が、ATで遊技可能な遊技数(すなわち、ATゲーム数)に到達するまで設定される。ATでは、メダルの払い出しのある押し順役の押し順の報知が行われ、一般遊技状態(例えば、通常状態)よりもメダルの獲得期待値が高くなるように構成されている。
なお、ATおよび高確率状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態の一例であり、AT抽せんおよび高確率状態移行抽せんは、有利状態抽せんの一例である。また、ATまたは高確率状態の延長抽せんも有利状態抽せんに含んでも構わない。
遊技区間は、指示機能に係る処理が行われるか否かを決定するための状態であり、一例として、図8に示すように、有利区間と通常区間とで構成されている。指示機能に係る処理とは、指示機能の上乗せ、継続等の指示権利に係る直接的な処理、抽せん状態やその状態移行の遷移等(遊技数減算等)の間接的な処理及び有利区間を終了させる処理をいう。
有利区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であり、遊技区間が通常区間で行われた内部抽せんの結果に基づいて行われる区間移行抽せんに当せんした後、有利区間が終了する条件を満たすまで設定される。有利区間には、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、第3遊技状態が有利遊技状態(例えば、AT)で進行する有利区間とが含まれる。有利遊技状態は、操作態様によって有利不利がある場合に有利な操作態様を示唆する任意の状態(例えば、ART)であればよく、ATに限らない。
通常区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であり、遊技区間として有利区間が設定されていない場合に設定される。つまり、通常区間では、ストップスイッチ34、35、36の操作に関する情報(例えば、操作態様役に設定されているストップスイッチ34、35、36の操作態様)をナビすることも、有利遊技状態(スロットマシン1では、AT)への移行抽せんを行うことも、有利遊技状態に移行することもできない。通常区間は、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する。
指示機能とは、出玉に影響する操作手順(例えば、押し順役の押し順)または操作方法を何らかの方法によって遊技者に教える機能であり、例えば、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することで入賞可能な押し順役の押し順を指示する機能、または、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われたときの回転リール41,42,43の位置が予め定められた操作位置であった場合に入賞可能な役の操作位置を指示する機能をいう。すなわち、遊技区間が有利区間である場合にのみ、第3遊技状態としてATが設定される。
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、図2に示すように、メイン制御部110とサブ制御部120とで構成されている。
メイン制御部110およびサブ制御部120の各々は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムまたはデータ等を記憶しておく記憶装置(例えば、ROMおよびRAM)等を備えている。メイン制御部110は、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、区間制御部114と、遊技状態制御部115と、計測部116と、設定値制御部117とを有し、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部120は、演出制御部121を有し、各種演出等を行うための制御を行う。
なお、以下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120の各部は、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
内部抽せん部111は、複数の内部抽せんテーブルを有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、内部抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときの第1遊技状態(言い換えると、RT状態)を判定し、判定されたRT状態に基づいて内部抽せんテーブルを選択する。そして、内部抽せん部111は、選択された内部抽せんテーブルと、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数とに基づいて、内部抽せんを行う。
例えば、当せん役については、図9に示す内部抽せんテーブルに基づいて決定される。この内部抽せんテーブルは、RT状態毎に設けられており、内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域に関する情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
図9では、RT状態および第2遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。すなわち、各内部抽せんテーブルには、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数の領域)が設けられており、この領域の各々が、図9の“○”で示されている当せん領域にそれぞれ対応付けられている。
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33または各ストップスイッチ34、35、36の操作の受付に伴って回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始または停止させる(すなわち、回転リール41,42,43の回転を制御する)。
例えば、全ての回転リール41,42,43が停止している状態でスタートスイッチ33が操作された場合、回転リール制御部112は、全ての回転リール41,42,43を回転させる。いずれかの回転リール41,42,43が回転している状態で、回転中の回転リール41,42,43に対応するストップスイッチ34,35,36が操作された場合、回転リール制御部112は、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43を停止させる。
各回転リール41、42、43を停止させる場合、回転リール制御部112は、内部抽せんにより当せんした役と、各ストップスイッチ34,35,36が操作されたタイミング(すなわち、各ストップスイッチ34、35、36の操作が受け付けられたときの対応する回転リール41、42、43の位置)に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御は、当せんした役に対応する図柄を有効ライン70上に引き込むように各回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御は、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン70上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。
遊技結果判定部113は、内部抽せんの結果および回転リール41,42,43の停止制御の結果に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン70上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。
遊技結果判定部113は、判定した遊技の結果、または、精算スイッチの操作の受付に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技の結果に基づいて払い出されたメダル(すなわち、役の当せんまたは入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば、50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(すなわち、クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
遊技結果判定部113は、例えば、第3遊技状態がATに移行した場合、第3遊技状態がATに移行したことを表す信号をホールコンピュータに出力して、管理者に報知する。
区間制御部114は、複数の遊技区間(スロットマシン1では、通常区間および有利区間)の中から遊技区間を設定する。
例えば、区間制御部114は、遊技区間が通常区間でありかつ区間移行条件が満たされた場合(例えば、区間移行抽せんに当せんしたとき)に遊技区間を有利区間に設定する。区間移行抽せんの当否は、例えば、区間移行抽せんが行われる役(すなわち、抽せん対象役)に内部抽せんにより当せんした場合に行われる抽せんに当せんしたか否かで決定される。区間移行抽せんは、スロットマシン1の設定値によって当せん確率に差を設けてもよいし、設けなくてもよい。区間移行抽せんの当せん確率に差を設ける場合、例えば、抽せん対象役の内部抽せんにおける当せん確率に設定差を設けることで実現してもよいし、内部抽せんにより抽せん対象役に当せんしたときに行われる抽せんの当せん確率に設定差を設けることで実現してもよい。
区間制御部114は、遊技区間が有利区間である場合、遊技区間を有利区間のままとするか、または、通常区間に設定するかを決定する。例えば、区間制御部114は、第3遊技状態がATから一般遊技状態の通常状態に移行したか否かを判定し、通常状態に移行したと判定された場合に、遊技区間を有利区間から通常区間に設定する。
スロットマシン1は、複数の有利区間の終了条件を有している。区間制御部114は、複数の終了条件のうちの1つが満たされた場合、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させて有利区間を終了させる。複数の終了条件には、有利区間への移行時を基準として、メダルの払い出し数およびメダルの投入数の差数(図10参照。以下、第1差数という。)がゼロを超えた場合に充足可能な少なくとも1つの第1終了条件と、第1終了条件とは異なる少なくとも1つの第2終了条件とが含まれる。言い換えると、第1終了条件は、第1差数がゼロを超える期間(図10に第1終了条件充足可能期間として示す)において、充足可能に構成されている。本実施形態では、第2終了条件は、第1差数にかかわらず充足可能に構成されている。第2条件には、所定の遊技に関する条件が充足され、かつ、所定の第1差数に関する条件が充足されることが含まれる。
第1終了条件の一例を次に示す。
・遊技区間が有利区間に設定された以降、第1差数がゼロ以上の所定値(例えば、2400枚または上限値)に到達した場合。上限値は、ゼロ以上の任意の値である。
第2終了条件の一例を次に示す。つまり、第2終了条件は、下記のいずれか1つまたはいずれか複数または全部の条件を含むことができる。例えば、第2終了条件に、「任意の設定値が設定された場合」が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
・遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(言い換えると、有利区間消化ゲーム数)が所定値(例えば、3000ゲーム)に到達した場合。
・任意の設定値が設定された場合。
・任意の設定値が設定されかつ第1差数が所定値よりも大きい場合。つまり、区間制御部114は、設定値が設定された場合、第1差数に基づいて有利区間の終了を制御可能に構成されている。所定値は、任意の値を設定することができる。例えば、所定値は、ゼロでもよいし、マイナス1000でもよいし、プラス1000でもよい。
・特別役(本実施形態では、一種BB)の入賞の持ち越しに関する条件が充足された場合。例えば、遊技区間が有利区間でありかつ第2遊技状態が「特別役持ち越し状態」以外であって、後述する遊技状態のリセット動作が行われた場合に、一種BBの入賞の持ち越しに関する条件が充足される。
・有利遊技状態(本実施形態では、AT)が終了した場合。
・所定のRTに移行した場合。
・所定フラグの当せん確率が変化した場合。
・一種BBに当せんした場合、または、一種BBが入賞した場合、または、一種BBが終了した場合。
・第1差数または第2差数が所定枚数プラスのときに突入するCZを突破できなかった場合。
例えば、第1の有利区間から通常区間に移行した後、通常区間から第2の有利区間に移行する場合、第2の有利区間は、第1の有利区間と同様に複数の終了条件のいずれか1つが充足された場合に通常区間に移行するように構成されている。言い換えると、区間制御部114は、第1の有利区間と同じルールで、つまり、第1終了条件または第2終了条件のいずれかが充足されたか否かにより、第2の有利区間を通常区間に移行させて終了させる。また、第2の有利区間は、第1の有利区間とは異なる数のメダルを払い出し可能に構成されている。例えば、第1終了条件の所定値が2400枚であり、第1の有利区間におけるメダルの差数の最小値がマイナス1000枚であり、第2の有利区間におけるメダルの差数の最小値がマイナス100枚であったとする。第1終了条件により各有利区間が終了する場合、第1の有利区間では、1000+2400=3400枚のメダルが払い出される可能性があり、第2の有利区間では、100+2400=2500枚のメダルが払い出される可能性がある。
遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114は、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物(例えば、RBまたはCT)および役物連続作動装置(例えば、一種BB)を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、操作部30に設けた表示部を介して、有利区間であることを表示する。
遊技状態制御部115は、有利遊技状態抽せん部1151を有し、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態の移行を制御する。
例えば、遊技状態制御部115は、複数のRT状態(この実施形態では、RT0およびRT1)の中から内部抽せんが行われる1つのRT状態を設定する。具体的には、遊技状態制御部115は、前述のとおり、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態に移行した場合、第1遊技状態をRT0に設定し、第2遊技状態が特別役実施状態に移行した場合、第1遊技状態をRT1に設定する。また、遊技状態制御部115は、所定の条件が満たされた場合に、第2遊技状態をBB一般、JAC内部およびJAC中の各遊技状態に移行させる。
有利遊技状態抽せん部1151は、予め設定された抽せん条件(以下、単に、抽せん条件という。)が満たされた場合に、遊技状態を通常状態よりも遊技者にとって有利な有利遊技状態に移行させるか否かの有利遊技状態抽せんを行う。
有利遊技状態抽せんには、AT抽せんおよびATの延長抽せんが含まれる。例えば、AT抽せんは、第1遊技状態がRT0で、第3遊技状態が一般遊技状態であり、かつ、遊技区間が有利区間であるときに、内部抽せんにより所定の役(例えば、チェリー、スイカ等のいわゆるレア役)に当せんした場合に行われる。また、例えば、ATの延長抽せんは、第1遊技状態がRT0で、かつ、第3遊技状態がATであるときに、内部抽せんにより所定の役(例えば、チェリー、スイカ等のいわゆるレア役)に当せんした場合に行われる。
遊技状態制御部115は、第1差数がプラスの場合とマイナスの場合とで出玉性能を変化させることができるように構成されている。出玉性能とは、出玉率の高低に関する処理全般をいい、AT中のメダルの増加性能およびATゲーム数の上乗せ性能等を含む。例えば、遊技状態制御部115は、第1差数がマイナスの場合、第1差数がプラスの場合よりもメダルの増加性能を高くする。つまり、第1差数がプラスの場合、第1差数がマイナスの場合と比較して、1ゲーム当たりのメダルの増加数は減少するが、その分、第1終了条件を充足するまでに必要なゲーム数が多くなり、ATが長くなる。
計測部116は、例えば、遊技結果判定部113により判定された遊技の結果に基づいて、遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(すなわち、有利区間消化ゲーム数)と、第1差数(=有利区間への移行時を基準として、メダルの払い出し数およびメダルの投入数の差数)、および/または、有利区間におけるメダルの払い出し数およびメダルの投入数の差数の最大値および最小値の差(図11参照。以下、第2差数という。)とを計測する。第1差数および第2差数は、より具体的には累積値である。また、例えば、計測部116は、全ての回転リール41,42,43が定常回転となった以降に設定された起算点から経過した時間を計測する。
第1差数および第2差数の計測は、例えば、次の条件で行われる。
・第1差数および第2差数の計測は、有利区間中に行われる。
・遊技区間が有利区間から通常区間に移行した場合、移行前の有利区間中に計測された第1差数および第2差数は、ゼロリセットされる。
・遊技区間が通常区間から有利区間に移行した場合、第1差数および第2差数は、ゼロから計測される。
設定値制御部117は、管理者が設定部45を操作することにより、遊技に対する有利度合い(例えば、機械割)が異なる複数の設定値(この実施形態では6つ)の中から1つの設定値を設定する。有利度合いの差は、例えば、所定の役に対する内部抽せんの当せん確率に差を設けることで実現している。また、設定値制御部117は、設定した設定値に応じて、有利区間への移行率、AT抽せん、AT上乗せ抽せん等の出玉関連の有利度合を設定する。
設定値を設定する方法の一例を以下に示す。この方法は、(1)から(7)の順に行われる。
(1)前扉20を開ける。
(2)スロットマシン1の主電源をオフする。スロットマシン1の主電源をオフすることで、回転中の回転リール41、42、43は全て停止するが、この回転リール41、42、43の停止による入賞判定は行われない。
(3)設定部45の所定箇所に設定変更キーを挿入し、設定変更モードをオフからオンに変更する。
(4)スロットマシン1の主電源をオンする。
(5)現在の設定値が、例えば、操作部30の貯メダル表示部に表示される。所定のボタンを操作して、貯メダル表示部に表示された設定値を所望の設定値に合わせる。
(6)スタートスイッチ33を操作する。スタートスイッチ33を操作することで、スロットマシン1の設定値が貯メダル表示部に表示された設定値に変更される。
(7)設定変更モードをオンからオフに変更して、設定変更キーを抜出する。
演出制御部121は、内部抽せんが行われた遊技状態と、内部抽せんの結果とに基づいて、1ゲーム毎に演出を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を介して、決定された演出を出力する。
演出制御部121は、有利区間中に、遊技者が把握可能な態様で、第1差数が所定値(例えば、2400枚)に到達するまでの残り差数に関する情報である第1情報を報知可能または示唆可能に構成されている。第1情報には、例えば、「残り差数」を示す具体的な数値または示唆の情報、および、「第1差数」を示す具体的な数値または示唆の情報が含まれる。本実施形態では、演出制御部121は、遊技区間が有利区間でかつ遊技状態が一般遊技状態である場合、または、遊技区間が有利区間でかつ遊技状態が有利遊技状態である場合に、第1情報を報知可能または示唆可能に構成されている。つまり、演出制御部121は、遊技区間が有利区間であれば、遊技状態を問わず、第1情報の報知または示唆を行うことができる。
第1情報は、液晶表示装置22(メイン液晶)、電飾装置23およびスピーカ24に加え、サブ液晶(図示せず)、役物(図示せず)、遊技者に向かって風を送る送風装置(図示せず)および筐体10の任意の部分を振動させる振動装置(図示せず)等を用いて、報知または示唆される。液晶表示装置22(メイン液晶)、電飾装置23およびスピーカ24に加え、サブ液晶、役物、送風装置および振動装置等は、報知装置の一例である。
第1情報の報知態様または示唆態様の一例を次に示す。
・液晶表示装置22に表示された数字またはグラフにより、第1情報を報知する。第1情報は、小役履歴およびCZ突入回数などの遊技データと共に液晶表示装置22に表示されてもよいし、単独で液晶表示装置22に表示されてもよい。
・液晶表示装置22に表示されたキャラクターまたはキャラクターの会話内容により、第1情報を示唆する。
・サブ液晶に表示されるエフェクト、または、電飾装置23を用いて、第1情報を示唆する。例えば、残り差数が4000枚以上ある場合、サブ液晶に黄色のエフェクトを表示するか、または、電飾装置23を黄色に発光させ、残り差数が6000枚以上ある場合、サブ液晶に緑色のエフェクトを表示するか、または、電飾装置23を緑色に発光させ、残り差数が8000枚以上ある場合、サブ液晶に赤色のエフェクトを表示するか、または、電飾装置23を赤色に発光させる。
・スピーカ24から出力される音声により、第1情報を報知または示唆する。
液晶表示装置22に表示されたキャラクターまたはキャラクターの会話内容により、遊技中に第1情報を示唆する場合の一例を次に示す。
・(A)液晶表示装置22にキャラAが表示された場合、残り差数が「大」であることが示唆され、キャラBが表示された場合、残り差数が「小」であることが示唆される。
・(B)キャラクターの会話内容が、「余裕だね!」のように活気のある元気な状態であることが読み取れる場合、残り差数が「大」であることが示唆され、キャラクターの会話内容が「疲れたな」のように活気のない状態であることが読み取れる場合、残り差数が「小」であることが示唆される。
(A)および(B)は、例えば、以下の条件が充足された場合に遊技中の演出の一パターンとして出力される。
・遊技中の当せん役にかかわらず行われる抽せんに当せんした場合。
・遊技中の当せん役に応じて行われる抽せんに当せんした場合。
・遊技中に所定の役(例えば、ベル)に所定回数(例えば、10回)当せんした場合。
・遊技中に所定の役(例えば、スイカ)が有効ライン70上に揃った場合。
・遊技中の当せん役、出力された演出等に応じて蓄積されるポイントが所定値に到達した場合。
(A)および(B)は、遊技中に限らず、所定のスイッチ(例えば、操作スイッチ37)を押したり、サブ液晶をタッチしたりすることで、液晶表示装置22に表示されてもよい。
演出制御部121は、遊技状態が有利遊技状態(本実施形態では、AT)である場合、第1情報と、ATにおいて獲得可能なメダルの数または獲得されたメダルの数に関する情報である第2情報とを報知装置(例えば、液晶表示装置22)により報知可能に構成されている。第2情報には、ATにおいて獲得可能なメダルの数または獲得されたメダルの数を示す具体的な数値、または、アイコンおよび絵等を用いた示唆の情報が含まれる。液晶表示装置22が、複数の画面を有する場合、演出制御部121は、液晶表示装置22の第2情報が表示される画面とは異なる画面に第1情報を表示させるように構成することができる。「画面」は、例えば、メイン液晶またはサブ液晶の液晶画面に表示される動画像または静止画像である。「複数の画面」は、1つの階層に同時に全て表示されてもよいし、複数階層に分かれて表示されてもよい。例えば、演出制御部121は、操作部30に設けられている操作装置37を介して、スロットマシン1に対して所定の呼び出し操作が実行される場合に、第1情報を呼び出して、液晶表示装置22に表示させる。このとき、第2情報は、呼び出しされることなく、第1情報とは異なる階層の画面に表示される。これにより、表示されている情報が何の情報であるかが分かり易くなり、表示される情報に対する混乱の発生を抑制できる。
演出制御部121は、切替条件が満たされる場合、報知モードを第1モードまたは第2モードに自動的に切り替え可能に構成されている。報知モードは、第1情報の報知または非報知に関するモードである。第1モードは、第1情報を報知可能な報知モードであり、第2モードは、第1情報を報知不可能な報知モードである。
例えば、演出制御部121は、特定期間において報知モードを第2モードに設定し、特定期間経過後において報知モードを自動的に第1モードに設定する。この場合、切替条件には、特定期間の経過が含まれる。特定期間は、例えば、遊技状態のリセット動作後または電断復帰後でかつ特定条件が満たされるまでの期間である。遊技状態のリセット動作には、RAMがクリアされる動作の他、複数の設定値の中から任意の設定値が設定される動作が含まれる。遊技状態のリセット動作により遊技状態がリセットされると、遊技状態に加えて遊技区間もリセットされる。演出制御部121は、設定値の設定動作の有無に関わらず、特定期間において報知モードを第2モードに設定する。報知モードが第1モードの状態で遊技状態のリセット動作が行われた場合、演出制御部121は、報知モードを第1モードから第2モードに切り替える。報知モードが第2モードの状態で遊技状態のリセット動作が行われた場合、演出制御部121は、報知モードを第2モードに再設定する。このとき、特定期間はリセットされる。これにより、設定値の変更の有無が判断され難くなる。
特定条件は、例えば、一定の遊技を必要とする条件を含む。特定条件の一例を次に示す。
・遊技場の営業開始または遊技者の遊技開始から、ATまたはCZに少なくとも1回当せんすること。
・遊技場の営業開始または遊技者の遊技開始から、所定ゲーム(例えば、500ゲーム)以上、遊技されること。
・遊技場の営業開始または遊技者の遊技開始から、所定の小役(例えば、リプレイ)に所定回数(例えば、70回)当せんすること。
・遊技場の営業開始または遊技者の遊技開始から、所定の演出(例えば、一種BB当せん演出)を所定回数(例えば、1回)発生させること。
切替条件の一例を次に示す。
・特的期間が経過した場合。
・設定された日時に到達した場合。これにより、例えば、土日または遊技場のイベント日には、第1情報が報知または示唆されないように報知モードを第2モードに切り替え、平日は、第1情報が報知または示唆されるように報知モードを第1モードに切り替えることができる。
演出制御部121は、遊技することなく第1差数がゼロを超えているか否かを報知または示唆するアトラクト演出を実行可能に構成されている。例えば、演出制御部121は、全ての回転リール41、42、43が停止しかつメダルがベットされていない状態で、スロットマシン1に対してアトラクト演出実行操作が行われた場合に、報知装置を介して、アトラクト演出を実行する。アトラクト演出は、報知モードが第1モードである場合にのみ実行可能に構成されていてもよいし、報知モードにかかわらず実行可能に構成されていてもよい。
アトラクト演出実行操作は、例えば、次の操作を含む。
・ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、35、36、および、操作装置37の少なくともいずれかを用いて実行される操作。
・スロットマシン1を遊技することなく一定時間放置する放置操作。
・精算スイッチを操作する精算操作。
・スロットマシン1をエラーから復帰させる復帰操作。
演出制御部121は、有利区間(=有利区間の全部)または有利区間中の所定期間における差数に応じて、設定値を示唆可能に構成されている。例えば、演出制御部121は、有利区間における第1差数または第2差数が1000枚以上プラスであった場合、有利区間終了時に抽せんで、設定値を示唆する演出を出力する。設定値を示唆する演出が出力される場合、第1差数または第2差数が大きければ大きいほど、確度の高い示唆演出が出力されるようにしてもよい。また、第1差数または第2差数が小さければ小さいほど、設定値を示唆する演出が出力される確率が高くなるようにしてもよい。有利区間中の所定期間は、有利区間の一部であればよく、例えば、遊技者が視認可能な任意の期間(例えば、1回のATの開始から終了までの期間)を含む。所定期間における差数は、第1差数または第2差数でもよいし、有利遊技状態(本実施形態では、AT)におけるメダルの払い出し数およびメダルの投入数の差数であってもよい。
図12および図13を参照して、第1情報の呼び出し処理について説明する。以下に説明する処理は、一例として、制御装置100のCPUが所定のプログラムを実行することで実施される。
図12に示すように、サブ制御部120は、遊技区間が通常区間から有利区間に移行して有利区間が開始されたか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1は、有利区間が開始されたと判定されるまで繰り返される。
有利区間が開始されたと判定されると、メイン制御部110が、第1差数を計測し(ステップS2)、サブ制御部120が、第1情報の呼び出し操作が行われたか否かを判定する(ステップS3)。
呼び出し操作が行われたと判定された場合、サブ制御部120は、報知モードが第1モードであるか否かを判定する(ステップS4)。報知モードが第1モードであると判定された場合、サブ制御部120は、第1情報を呼び出して、報知装置を介して第1情報を報知または示唆する(ステップS5)。第1情報の演算は、メイン制御部110およびサブ制御部120のいずれかで行われる。メイン制御部110が第1情報を演算する場合、演算された第1情報が記憶装置に記憶される。サブ制御部120は、記憶装置から第1情報を取得する。サブ制御部12が第1情報を演算する場合、第1差数が記憶装置に記憶される。サブ制御部120は、記憶装置から第1差数を取得して第1情報を演算する。一方、報知モードが第1モードであると判定されなかった場合(つまり、報知モードが第2モードであった場合)、サブ制御部120は、呼び出し操作を受け付けず、第1情報を呼び出さない(ステップS6)。
ここで、図13を参照して、報知モードの切り替え処理について説明する。図13に示すように、サブ制御部120は、遊技状態のリセット動作後または電断復帰後、報知モードを自動的に第2モードに設定し(ステップS11)、特定条件が充足されたか否かを判定する(ステップS12)。ステップS11は、特定条件が充足されたと判定されるまで繰り返される。つまり、特定条件が充足されるまで、報知モードは第2モードまま維持される。特定条件が充足されたと判定されると、サブ制御部120は、報知モードを自動的に第1モードに設定して(ステップS13)、報知モードの切り替え処理が終了する。
ステップS5およびステップS6の後、または、ステップS3において呼び出し操作が行われたと判定されなかった場合、サブ制御部120は、遊技区間が有利区間から通常区間に移行して有利区間が終了したか否かを判定する(ステップS7)。スロットマシン1では、第2終了条件が充足されない限り、第1差数がゼロ未満で有利区間が終了することはない。有利区間が終了したと判定された場合、メイン制御部110が、計測した第1情報を消去して、第1情報の呼び出し処理が終了する。一方、有利区間が終了したと判定されなかった場合、ステップS2に戻り、計測部116により第1情報の計測が継続される。
スロットマシン1によれば、次のような効果を発揮できる。
本発明の第1態様のスロットマシン1は、遊技区間が有利区間でありかつ終了条件が満たされた場合に、有利区間を通常区間に移行させ、有利区間への移行時を基準として、有利区間におけるメダルの払い出し数およびメダルの投入数の差数である第1差数を計測する制御装置100を備える。終了条件に、第1差数がゼロ以上の所定値に到達することが含まれる。制御装置100は、有利区間中に、遊技者が把握可能な態様で、第1差数が所定値に到達するまでの残り差数に関する情報である第1情報を報知可能または示唆可能に構成されている。このような構成により、滞在している有利区間で獲得可能なメダルの数を確認することができる。その結果、有利区間に起因する遊技意欲の減退を回避可能な遊技機を実現できる。
第1態様のスロットマシン1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前記実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前記実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、有利区間に起因する遊技意欲の減退をより確実に回避可能なスロットマシン1を実現できる。
制御装置100は、指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が一般遊技状態または一般遊技状態よりも遊技者にとって有利である有利遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から、内部抽せんが行われる1つの遊技区間を設定可能であると共に、遊技区間が有利区間でかつ遊技状態が一般遊技状態である場合、および、遊技区間が有利区間でかつ遊技状態が有利遊技状態である場合の少なくともいずれかにおいて、第1情報を報知可能または示唆可能に構成されている。スロットマシン1では、一般遊技状態中に第1情報が報知または示唆されるので、残り差数がどの程度かを確認しながら、一般遊技状態での遊技を進めることができる。また、一般遊技状態では、基本的に出玉率が100%以下で持ちメダルが減るが、その分、残り差数が増加する。スロットマシン1では、残り差数の増加の様子を一般遊技状態中に知ることができるので、有利遊技に当せんしてメダルを増やしたいとの遊技継続意欲を持たせることができる。また、有利遊技状態では、基本的に出玉率が100%を超えており持ちメダルが増えるが、その分、残り差数が減少する。スロットマシン1では、残り差数がどの程度かを確認しながら有利遊技状態での遊技を進めることができる。
スロットマシン1が報知装置を備える。制御装置100は、遊技状態が有利遊技状態である場合、第1情報と、有利遊技状態において獲得可能なメダルの数または獲得されたメダルの数に関する情報である第2情報とを報知装置により報知可能または示唆可能に構成されている。このような構成により、獲得可能または獲得したメダル数と残り差数とが相反的に連動している様子を確認することができる。また、スロットマシン1の仕様(例えば、有利区間の終了条件)に精通していない人に対して、スロットマシン1の使用を容易に理解させることができる。
報知装置が、複数の画面を有する液晶表示装置22で構成されている。制御装置100は、
液晶表示装置22の第2情報が表示される画面とは異なる画面に第1情報を表示させる。第1情報および第2情報が同じ画面にあると、どちらが何の情報かに混乱するおそれがある。スロットマシン1では、第1情報および第2情報が液晶表示装置22の異なる画面に表示されるので、このような情報混乱の発生を抑制できる。
制御装置100は、スロットマシン1に対して所定の操作が実行された場合、第1情報を液晶表示装置22に表示させる。このような構成により、所定の操作を実行することで、第1情報を見たい時に見ることができる。また、第2情報が表示されている状態下では、第1情報を表示することで混乱を招く恐れがあるが、所定の操作を実行しないと第1情報が表示されないので、このような情報混乱の発生を抑制できる。
スロットマシン1が、第1情報の報知または非報知に関する報知モードとして、第1情報を報知可能な第1モードと、第1情報を報知不可能な第2モードとを有する。報知モードの切り替えにより、第1情報の表示/非表示を変更することができるので、第1情報が報知され続ける状態を回避できる。
制御装置100は、切替条件が満たされる場合、報知モードを第1モードまたは第2モードに自動的に切り替える。報知モードの切り替えの手間を省くことができる。
制御装置100は、特定期間において報知モードを第2モードに設定する。
特定期間が、遊技状態のリセット動作後または電断復帰後、特定条件が満たされるまでの期間である。設定変更せずに電源オンオフしただけの場合、設定値を変更(再設定を含む)した場合のどちらの場合でも第1情報が表示されるとすると、設定値の設定があったかどうかが第1情報により容易に判断できる。これに対し、リセット動作後(設定値の設定後を含む)または電源復帰後から特定条件が満たされる期間までは第1情報が表示されないようにすることで、設定値の変更があったかどうかが容易に判断できなくなる。これにより、遊技者は、出玉率の高い設定値への変更または当該設定値での据え置きへの期待をもって遊技できる。
特定条件が、一定期間の遊技を必須とする条件である。このような構成により、第1情報の報知または示唆は、遊技開始後すぐに行われず、ある程度は遊技が必要になる。これにより、遊技者に対して遊技の実施を促すことができる。
スロットマシン1が、遊技に対する有利度合いが異なる複数の設定値を有し、遊技状態のリセット動作には、複数の設定値の中から任意の設定値が設定される設定動作が含まれる。制御装置100は、設定動作の有無に関わらず、特定期間において報知モードを第2モードに設定する。このように構成することで、遊技者に対して、設定値の変更の有無を分かり難くすることができる。
本発明の第2態様のスロットマシン1は、遊技区間が有利区間でありかつ複数の終了条件のいずれか1つが満たされた場合に、有利区間を通常区間に移行させ、有利区間への移行時を基準として、有利区間におけるメダルの払い出し数およびメダルの投入数の差数である第1差数を計測する制御装置100を備える。複数の終了条件が、第1差数がゼロを超えた場合に充足可能な少なくとも1つの第1終了条件と、第1終了条件とは異なる少なくとも1つの第2終了条件とを含む。このような構成により、第1終了条件が充足した場合、第1差数がゼロを超えた場合に有利区間が終了するので、有利区間を完走させても差数がプラスに到達しない状況を回避することができる。第1差数がゼロ以上でしか有利区間が終了しない場合、遊技場が損する可能性が高くなるが、スロットマシン1では、第2終了条件を有しているので、このような可能性を回避できる。また、第1差数がゼロ以上でしか有利区間が終了しない場合、驚きにかけるので、第2終了条件を設けることで、遊技に対する楽しさを増加させることができる。その結果、有利区間に起因する遊技意欲の減退を回避可能な遊技機を実現できる。
第2態様のスロットマシン1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前記実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前記実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、有利区間に起因する遊技意欲の減退をより確実に回避可能なスロットマシン1を実現できる。
第2終了条件が、第1差数にかかわらず充足可能に構成されている。
第2終了条件に、設定値が設定されることが含まれる。これにより、第1差数が必要以上にマイナスになり、ある遊技者が遊技した際に一回のATで獲得可能なメダルの数が多くなりすぎるのを防止できる。その結果、射幸性を抑制可能なスロットマシン1を実現できる。
制御装置100は、設定値が設定された場合、第1差数に基づいて有利区間の終了を制御可能に構成されている。このように構成することで、設定値を設定する前の日のスロットマシン1の第1差数がプラスまたはややマイナスの場合等の遊技者が遊技を敬遠する場合にのみ設定変更で有利区間を終了させることができる。その結果、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
制御装置100が、ゼロを基準として第1差数を報知または示唆可能に構成されている。このような構成により、例えば、第1差数がプラスかマイナスかを容易に判別することできる。
第1差数の報知または示唆が、AT中に行われる。有利遊技状態は有利な状態であって、第1差数が動きやすい状態である。そんな状態で第1差数を示唆されることは遊技者の欲求を満たしている。つまり、AT中に遊技者の関心の強い要素を表示できる。
第1差数が、複数段階で報知される。例えば、第1差数がどの程度か分かるのでプレイの基準となる。
第2終了条件に、所定の遊技に関する条件が充足され、かつ、所定の第1差数に関する条件が充足されることが含まれる。例えば、第2終了条件は、ATが通常状態に移行しかつ第1差数がマイナスまたは1000枚以下のプラスであることを含む。所定の遊技に関する条件は、例えば、ATの終了、CZの失敗、規定ゲーム数消化等、任意の条件を含むことができる。
制御装置100は、第1差数がプラスの場合とマイナスの場合とで出玉性能を変化させる。出玉性能は、例えば、操作態様役当せん時に発生させるナビの頻度を変えることで行う。例えば、第1差数がマイナスの場合は操作態様役当せん時に100%ナビを発生させて、出玉性能を純増6枚にし、第1差数がプラスの場合は操作態様役当せん時に発生させるナビの頻度を低下させて、出玉性能を純増3枚にする。第1差数がプラスの場合、出玉性能は低下するが、その代わり、ATゲーム数の上乗せが発生し易くなったり、上乗せゲーム数が多くなったりする。第1差数がプラスの場合、出玉性能が高く、第1差数がマイナスの場合、出玉性能が低くなるようにしてもよい。
制御装置100は、遊技することなく第1差数がゼロを超えているか否かを報知または示唆するアトラクト演出を実行可能に構成されている。このような構成により、遊技するまえに第1差数がゼロを超えているか否かが分かるので、遊技者がスロットマシン1を遊技する動機になり、スロットマシン1の稼働が促進される。
制御装置100は、有利区間における第1差数に応じて、または、有利区間における第2差数に応じて、設定値を示唆可能に構成されている。このような構成により、有利区間におけるさらなる楽しみを提供できる。
制御装置100は、有利区間中の所定期間における第1差数に応じて、または、有利区間の所定期間における第2差数に応じて、設定値を示唆可能に構成されている。有利区間中、さらに楽しくなる期間が絞られているので、楽しさが明確になる。
第2終了条件に、一種BBの入賞の持ち越しに関する条件が充足されることが含まれる。一種BB持ち越し状態でATを実施するスロットマシン1において、一種BB持越し状態であるか否かで有利区間が終了するかどうかを決められるのは合理的である。
第1終了条件に、第1差数がゼロよりも大きい上限値に到達することが含まれる。このような構成により、スロットマシン1の射幸性を抑制できる。
第1の有利区間から通常区間に移行した後、通常区間から第2の有利区間に移行する場合、第2の有利区間は、第1の有利区間と同様に複数の終了条件のいずれか1つが充足された場合に通常区間に移行し、第1の有利区間とは異なる数のメダルを払い出し可能に構成されている。第1有利区間および第2有利区間が同じルールで終了するので、有利区間の終了条件を遊技者に分かり易くすることができる。
スロットマシン1は、次のように構成することもできる。
スロットマシン1は、スロットマシン1の状態に関するモードとして、遊技者による遊技を可能にする第1モードと、第1モードとは異なる第2モードとを有していてもよい。この場合、制御装置100は、次の処理を実行可能に構成されている。
・モードが第2モードでありかつ遊技区間が有利区間である場合、「第1差数に関する情報」を出力する。
制御装置100は、遊技者以外の操作者による操作に応じて、「計測された第1差数」を変更または消去可能に構成されていてもよい。また、制御装置100は、モードが第2モードでありかつ遊技区間が有利区間である場合、「計測された第1差数」に基づく「第1差数に関する情報」、および、変更または消去された「計測された第1差数」に基づく「第1差数に関する情報」の少なくともいずれかを出力するように構成されていてもよい。
制御装置100は、操作者による操作に応じて、モードを第1モードから第2モードに切り替え可能に構成されていてもよい。
「操作者」には、例えば、遊技場スタッフが含まれる。第2モードは、例えば、遊技場が開店している間に設定されるモードではなく、開店準備中に設定されるモードである。この場合、第2モードは、いわば、遊技場スタッフが扱うモードであり、原則として、第2モードに設定された状態のスロットマシン1を、遊技者が視認したり何等かの操作をしたりすることはない。
「操作者による操作」には、例えば、遊技状態のリセット動作、および、第1差数を変更するための特殊操作が含まれる。この「操作者による操作」は、スロットマシン1が第2モードに設定された状態下において実施されることが可能となっている。
「計測された第1差数の変更または消去」は、言い換えると、第1差数の計測値を現時点の値から異ならせることであり、例えば、第1差数をゼロリセットまたは消去して値を「0(ゼロ)」または「-(NULL)」にしたり、「-2000」から「-1000」に変更したりすることを含む。
制御装置100は、計測された第1差数が変更または消去される前後の「第1差数に関する情報」を出力可能に構成してもよい。制御装置100は、変更または消去前の「第1差数に関する情報」として、変更または消去直前の「第1差数に関する情報」のみを出力するように構成してもよいし、遊技開始から変更または消去直前までの全ての「第1差数に関する情報」を出力するように構成してもよい。変更または消去前後の「第1差数に関する情報」が出力されることにより、操作者が「第1差数に関する情報」の変更を容易に確認できる。また、制御装置100は、変更または消去後の「第1差数に関する情報」のみを出力するように構成されていてもよい。
「第1差数に関する情報」には、次に示す情報が含まれる。
・第1差数の値そのもの。
・第1差数がゼロ以上の所定値に到達するまでの残り差数の値そのもの。
・第1差数が基準値(例えば、ゼロ)以上か、または、基準値未満かについての情報。第1差数が基準値未満の場合、その程度を筐体10の台枠LEDもしくは電飾装置23により出力される色、または、スピーカ24から出力される音により、報知される。例えば、第1差数が、基準値マイナス5000枚~10000枚であれば、電飾装置23から「虹色」の光が出力され、基準値マイナス3000枚~5000枚であれば、電飾装置23から「赤色」の光が出力され、基準値マイナス2000枚~3000枚であれば、電飾装置23から「緑色」の光が出力され、基準値マイナス1000枚~2000枚であれば、電飾装置23から「黄色」の光が出力され、基準値マイナス1枚~マイナス1000枚であれば、電飾装置23から「青色」の光が出力される。これにより、例えば、遊技場スタッフは、第1差数が基準値に対してプラスであるか、マイナスであるのか、マイナスの場合はどの程度マイナスなのかを容易に知ることができるので、第1差数のリセットの必要性を確実に判断することができる。これは、第1差数が、基準値に対するマイナスの度合の大きい値であるほど、現時点で払い出し可能なメダルの最大数が大きくなるためである。
「第1差数に関する情報」は、スロットマシン1を構成する任意の装置、または、データカウンタ等の外部装置に出力される。スロットマシン1を構成する任意の装置としては、例えば、操作者が視認可能な装置(例えば、液晶表示装置22、電飾装置23、サブ液晶(図示せず)、スピ―カ24およびクレジット表示の7セグ)、および、筐体10の内部に収容されている装置(例えば、メイン制御部110を構成する基板に設けられた7セグ表示部および前扉20に設けられた表示部)が含まれる。
このような構成のスロットマシン1(以下、第3態様のスロットマシン1という。)では、遊技状態をリセットするべきか否かを見極めるための指標となり得る第1差数を出力することができるので、遊技場スタッフは、遊技状態をリセットすべきか否かを簡単に見極めることができる。その結果、遊技場スタッフの作業負荷を軽減できるスロットマシン1を実現できる。
一般的に、スロットマシンでは、設定変更モードや設定確認モードの場合、有利区間割合(累計)、連続役物比率(6000遊技(15セット合計))、役物比率(6000遊技(15セット合計))、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)の、計5つのみの「管理情報」が表示され得る。「管理情報」の表示は、例えばメイン制御部110が実装されたメイン制御基板上の7セグの表示装置(図示せず)にて行われる。「管理情報」は、例えば検査機関による立会検査や日ごろの遊技場側において、不正遊技の有無の確認のために用いられる情報である。そのため、「管理情報」は、遊技区間が有利区間から通常区間に移行したことに伴ってリセットされたり、遊技状態や遊技区間のリセット操作に伴ってリセットされたりすることはなく、蓄積され続けてメイン制御基板上に表示される。これに対し、「差数」は、「管理情報」には含まれない。「差数」は、あくまでも遊技場スタッフがスロットマシンをリセットするべきかどうかを判断するために用いる指標であって、遊技場スタッフによる操作により現時点から異ならせる(例えばリセット)ことのできる情報である。従って、「差数」は、「管理情報」とは用途が異なり、また、リセット挙動も「管理情報」とは異なっている。
第3態様のスロットマシン1において、制御装置100は、モードが第2モードでありかつ遊技区間が通常区間である場合、第1差枚に関する情報を報知不可能に構成され、通常区間である旨を報知可能に構成されてもよい。報知対象となる第1差枚は、通常区間では計測されないため、通常区間では報知されず、第1差枚を把握できない。このため、遊技場スタッフは、遊技区間が通常区間であることを把握できるので、遊技状態のリセットが必ずしも必須ではないと判断することができる。また、通常区間である旨が報知されていれば、遊技場スタッフは、遊技状態のリセットが必ずしも必須ではないことを、直接的に把握することができる。従って、遊技場スタッフの作業負荷をより確実に軽減できる。
第3態様のスロットマシン1の第2モードには、例えば、次に示すモードが含まれる。
・操作者による設定値の設定を可能にする設定変更モード。設定変更モードは、遊技者は扱うことのできない、いわば遊技場スタッフ用のモードと言える。設定変更モードにおいて、遊技場タッフは、第1差数を確認して遊技状態のリセットが必要かどうかを見極め、遊技状態のリセットが必要であればモードを変更することなく引き続き設定値を設定することによって、遊技状態をリセットできる。その結果、遊技場スタッフの作業効率および作業に対する利便性を向上させることができる。
・操作者による設定されている設定値の確認を可能にする設定確認モード。設定確認モードは、遊技者は扱うことのできない、いわば遊技場スタッフ用のモードと言える。設定確認モードにおいて、遊技場スタッフは、第1差数と設定値とを確認してリセットが必要かどうか、リセットが必要であればどの設定値に打ち換えるかなどを思案できる。
・操作者による遊技状態のリセット動作の実行を可能にするリセット用モード。リセット用モードは、遊技者は扱うことのできない、いわば遊技場スタッフ用のモードと言える。リセット用モードにおいて、遊技場スタッフは、第1差数を確認して遊技状態のリセットが必要かどうかを思案することができる。遊技状態をリセットすることで、モードを第2モードに設定して遊技状態をリセットすることで遊技区間と共に第1差数をリセットしたり、遊技状態のリセット操作とは別の操作を介して第1差数を任意の値に変更したりすることができる。
第3態様のスロットマシン1において、設定値を設定する操作以外の操作により、計測された第1差数の変更を行ってもよい。設定変更の操作と第1差数を変更する操作とが異なっているので、設定値を打ち換えずに、第1差数を変更することができる。
第3態様のスロットマシン1において、制御装置100は、変更後の値が変更前の値よりもゼロに近くなるように、計測された第1差数を変更可能に構成されてもよい。例えば、第1差数がマイナスの値である場合、当該差数をゼロの値に変更したり、現時点よりもよりゼロに近づいた値に変更したりすることが含まれる。第1差数がマイナスであって、かつ、マイナスの程度が大きい程、当該有利区間で遊技者が獲得可能なメダルの枚数は多くなる。これに対し、第1差数をゼロの値に近づけることで、当該有利区間で遊技者が獲得可能なメダル枚数の期待値を下げることができる。
第3態様のスロットマシン1において、制御装置100は、計測された第1差枚をゼロに変更可能に構成されてもよい。第1差数が例えばマイナスの値であった場合、当該差数をゼロリセットすることにより、遊技者が獲得可能なメダル枚数の期待値をゼロリセット前よりも下げることができる。
第3態様のスロットマシン1は、開口部と、開口部を開閉する前扉20とを有する筐体10と、第1差数に関する情報を報知する報知装置と、計測された第1差数を変更する操作を受け付ける操作装置37とを備え、報知部および操作部30は、開口部から筐体10の外部に露出可能な状態で筐体10の内部に収容されるように構成してもよい。報知装置および操作装置30が、遊技者が事実上視認不可能なスロットマシンの筐体10の内部に収容されているため、遊技場スタッフのみが、第1差数に基づく遊技状態のリセット可否の見極めと第1差数を変更するための操作を行うことができる。
演出制御部121は、有利遊技状態では、第1情報の報知または示唆を行わないように構成してもよい。例えば、AT中に第1情報が確認可能である場合、現在のATで払い出し可能なメダルの枚数の推測に繋がり、ATを楽しめない恐れがある。有利遊技状態において第1情報の報知または示唆を行わないように演出制御部121を構成することで、このような不利益を回避できる。
第1情報の報知態様または示唆態様が、設定値の示唆を兼ねてもよい。例えば、第1情報を液晶表示装置22に表示して報知する際、液晶表示装置22に表示される第1情報の色で、設定値の示唆を行うことができる。例えば、第1情報の表示が赤色で表示された場合は、設定値が奇数である可能性が示唆され、第1情報の表示が青色で表示された場合は、設定値が偶数である可能性が示唆される。また、第1情報の表示が金色で表示された場合は、設定値が高い可能性が示唆される。これにより、第1情報の報知態様を、設定値を推測する材料の1つとすることができるので、遊技の興趣性を向上させることができる。
演出制御部121は、ゼロを基準として第1差数を報知または示唆可能に構成してもよい。第1差数は、例えば、少なくとも2以上の段階的に報知または示唆されるようにしてもよい。第1差数の報知または示唆は、遊技区間が有利区間であれば、任意の遊技状態(例えば、AT)で行うことができる。例えば、土日のように比較的稼働が上がる日は、客付きが良いため第1情報を表示せずとも遊技してくれるため、第1情報を非表示にし、平日のように稼働が落ち着いている日は、第1情報を表示できるようにすることができる。稼働促進に繋がる可能性もある。第1差数の報知または示唆の段階は、例えば、1000枚に液晶表示装置22に表示される画像を段階的に変化させることで表示されたり、スピーカ24から出力される音声を段階的に変化させることで表示されたり、電飾装置23から出力される光の色を段階的に変化させることで表示されたりする。例えば、演出制御部121は、第1差数がマイナス1000枚である場合、電飾装置23から青色の光を出力させ、第2差数がマイナス2000枚である場合、電飾装置23から黄色の光を出力させる。
報知モードは、例えば、操作部30の操作装置37を介して手動で切り替え可能であってもよい。
第1情報の報知または非報知は、報知モードを用いて管理する場合に限らず、他の方法により管理してもよい。
報知装置は、省略することができる。この場合、例えば、スロットマシン1と、外部装置(例えば、携帯用端末または遊技場のデータカウンタ)とで遊技システムを構成し、第1情報が、外部装置を介して遊技者に報知または示唆されるように構成することができる。
操作装置37は、省略することができる。
制御装置100(スロットマシン1では、区間制御部114)は、遊技状態に応じて(例えば、AT中か否かにより)有利区間の終了を制御可能に構成されていてもよい。
制御装置100を構成する各部は、前記実施形態に限らず、任意に変更することができる。例えば、遊技状態制御部115が区間制御部114を兼ねてもよいし、回転リール制御部112が計測部116を兼ねてもよいし、回転リール制御部112で実行される処理の一部が遊技状態制御部115で実行されてもよい。また、可能であれば、メイン制御部110の構成をサブ制御部120に設けてもよいし、サブ制御部120の構成をメイン制御部110に設けてもよい。
有利区間の終了条件は、第1終了条件および第2終了条件に限らない。これらの条件とは異なる条件で、遊技区間を有利区間から通常区間に強制的に設定してもよいし、また、有利区間を通常区間に強制的に設定する条件を設けなくてもよい。例えば、有利区間消化ゲーム数が3000ゲームに到達することで遊技区間が有利区間から通常区間に強制的に設定されるが、有利区間の差数が2400枚に到達することでは、遊技区間が有利区間から通常区間に強制的に設定されないように構成してもよい。また、例えば、有利区間から通常区間に強制的に設定された場合を除いて、一旦、遊技区間が有利区間に設定されると、いわゆるボーナス(例えば、一種BB)が1回入賞するか、または、メダルの払い出しが最大となる操作態様役の操作態様を1回報知するまでは、遊技区間を有利区間から通常区間に設定できないように構成してもよい。
スロットマシン1の設定値が変更された場合、遊技区間は、スロットマシン1の設定値が変更される直前の状態を引き継ぐように設定してもよいし、予め設定されている初期状態に設定される(すなわち、初期化される)ようにしてもよい。設定値の変更により遊技区間が引き継がれる場合、「スロットマシン1の設定値が変更される直前の状態」には、例えば、演出の状態(例えば、設定変更前の演出のステージ)および蓄積されたポイントが含まれる。第1差数は、設定値の変更によりリセットされるので、「スロットマシン1の設定値が変更される直前の状態」には含まれない。
前記実施形態では、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物および役物連続作動装置を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、有利区間であることが表示部に表示されるように構成しているが、これに限らない。例えば、遊技区間が有利区間へ移行したときに、表示部に有利区間中であることを必ず表示されるように構成してもよいし、有利区間であることが表示されないように構成しなくてもよい。有利区間であることが表示されない場合、スロットマシン1では、例えば、第1情報により遊技区間の有利区間であるか否かを判定または推測できるので、有益である。
前記実施形態では、遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114が、操作部30に設けた表示部を介して、遊技区間が有利区間であることを表示するように構成しているが、これに限らない。例えば、液晶表示装置22が表示部を兼ねるように構成してもよいし、表示部を省略して遊技区間が有利区間であることを表示しないように構成してもよい。表示部に有利区間であることが表示された後は、有利区間が終了するまで、有利区間であることを表示し続けてもよいし、有利区間であることを表示し続けなくてもよい。
制御装置100は、ソフトウェアと協働して所定の機能を実行するCPUに代えて、ハードウェアのみで所定の機能を実現するように専用に設計されているFPGA(field-programmable gate array)、または、ASIC(application specific integrated circuit)を含んでいてもよい。
メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれ異なる基板に設けてもよいし、同一基板上に設けてもよい。すなわち、メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれがCPU、ROMおよびRAM等を備えていてもよいし、CPU、ROMおよびRAM等を共有していてもよい。
押し順役は、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞する場合に限らない。押し順役は、例えば、所定の位置でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよいし、所定の位置に加え、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよい。
内部抽せんテーブルは、図9に示されている情報に限らず、スロットマシンの設計に応じて、他の任意の情報を含むことができる。
有効ライン70は、少なくとも1本設定されていればよく、2本以上であっても構わない。
本開示は、メダルレス機にも適用することができる。メダルレス機は、物理的なメダルを使用して遊技するのではなく、メダルの枚数を保持した情報(クレジットデータのようなもの)を基に、ベットした場合はその分情報は減算された状態となり、払い出しを受けた場合はその分情報が加算された状態となる。つまり、本願にいう「遊技媒体の払い出し数」は、メダルレス機であれば物理的に払い出された枚数ではなく、遊技者に付与され加算されるデータが含まれる。メダルレス機では、ホッパーが不要になる。
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。