JP2023081473A - ガラス管 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、紫外線透過率の高いガラス管に関する。
深紫外域(例えば、波長200~350nm)において高い出力を有する光源が開発されており、医療現場における殺菌用の紫外線ランプや磁気記録媒体への書き込み装置等に用いられている。
深紫外域の透過率が高いガラスの代表例としては、石英ガラスが挙げられる。しかし、石英ガラスは、線熱膨張係数が低いため、光源として使用するために電極等の金属を含む部品と封着する際に、部品との熱膨張係数差が大きくなり、紫外線ランプの端部を封止できないという問題がある。
このような事情から、現在は、例えば特許文献1、2に記載のガラスが用いられている。
光源の保護に使用されているガラスの深紫外域の透過率が高い程、光源の殺菌性能が向上する。例えば、殺菌用途の紫外線ランプの外筒に用いられるガラス管の透過率が高い程、殺菌力が高くなり、殺菌に要する時間を短縮することができる。
従来のガラス管では、深紫外域での透過率を高めるため、酸化ホウ素を多く含有するガラスが採択されることが多かった。しかし、これらのガラスは、一般的なホウケイ酸ガラスやソーダ石灰ガラスと比較すると耐候性が低く、紫外紫外線ランプの短寿命化を招くという問題があった。
一方、耐候性が高いホウケイ酸ガラスやソーダ石灰ガラスでは、Fe2O3やTiO2等のガラス中の不純物によって紫外線が吸収されるため、光源の殺菌性能が低くなってしまうという問題があった。また、特許文献1、2に記載のガラスについても、Fe2O3やTiO2等のガラス中の不純物が紫外線を吸収してしまう。このため、上記の外筒に使用するためには、高純度原料の使用や製造方法の工夫等によって、不純物を低減しなければならない。
そこで、本発明の技術的課題は、上記事情に鑑み、深紫外域での透過率が高いガラス管を得ることである。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、深紫外線光源デバイスに用いられるガラス管に厚みの薄い領域を設けることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス管は、厚みが0.4mm以下である薄肉部を含むガラス管であって、薄肉部の中で最も薄い最薄部の厚みをt1[mm]、最薄部の厚みt1換算での波長222nmの分光透過率をT222[%]、最薄部の外径をD1[mm]、最薄部の内径をd1[mm]、ガラスに含まれる酸化鉄と酸化チタンの合量をFe2O3+TiO2[質量%]とした時に、d1/D1が0.76以上であり、且つ(Fe2O3+TiO2)×T222の値が0.2以上であることを特徴とする。ガラス管に薄肉部を設けることにより、Fe2O3やTiO2等の不純物による紫外線の吸収が軽減されるため、深紫外域での高い透過率を達成することが可能になる。「(Fe2O3+TiO2)×T222」は、波長222nmにおけるガラスの分光透過率と、ガラスに含まれる酸化鉄と酸化チタンの合量との積を意味している。なお、ガラス中のFe2O3は、三価の酸化鉄と二価の酸化鉄の双方を含み得るが、ここでは二価の酸化鉄は三価の酸化鉄に換算した上で取り扱うものとする。
また、本発明のガラス管では、最薄部の厚みt1[mm]が0.2mm以下であることが好ましい
また、本発明のガラス管では、Fe2O3+TiO2の合量が0.002~0.1質量%、Fe2O3の含有量が0~0.05質量%、TiO2の含有量が0~0.05質量%であることが好ましい
また、本発明のガラス管では、最薄部の厚みt1換算での波長222nmの分光透過率が30%以上であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、最薄部の厚みt1換算での波長230nmの分光透過率が40%以上であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、最薄部の厚みt1換算での波長200nmの分光透過率(%)をT200、最薄部の厚みt1換算での波長260nmの分光透過率(%)をT260とした場合、T200/T260が0.3以上であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、ガラス管の曲がりが6.0mm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、最薄部の厚みt1の公差が30μm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、最薄部の外径D1と端部の外径D2の比D1/D2が0.8以上であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、最薄部の内径d1と端部における内径d2の比d1/d2が0.8以上であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、外径の公差が30μm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、内径の公差が30μm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、外表面のRaが0.01μm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、内表面のRaが0.01μm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、最薄部の厚みt1が0.1mm未満であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の高速加速寿命試験(HAST)を行った時、ガラス表面に発生する異物の最大の長辺が100μm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、20~300℃の温度範囲における線熱膨張係数が30×10-7/℃~100×10-7/℃であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、高温粘度104.0dPa・sになる温度が1300℃以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、液相粘度が104.8dPa・s以上であることが好ましい。
また、本発明のガラス管では、475℃に昇温した硝酸カリウム(KNO3)溶融塩に7時間浸漬させた場合に、表面に形成される圧縮応力値が200MPa以上になることが好ましい。
また、本発明の深紫外線用紫外線ランプは、上記のガラス管を外筒とすることが好ましい。
本発明のガラス管は、厚みが0.4mm以下となる薄肉部を含む。本発明のガラス管は、図1に示すように、ガラス管全体の厚みが0.4mm以下、つまりガラス管全体が薄肉部を構成することが好ましい。これにより、ガラス管の透過率が高くなり、紫外線ランプとしての殺菌性能が向上する。また、本発明のガラス管は、図2、3に示すように、ガラス管の端部の厚みが厚く、薄肉部に向かって厚みが一定、或いは一定でない傾斜で減少して薄くなることも好ましい。これにより、紫外線ランプの殺菌性能と電極等の部品の封着し易さを両立することができる。更に、本発明のガラス管は、円周方向の一部分のみ、例えば図4に示すように、円周の半分のみを薄くしてもよい。これにより、特定の領域からのみ紫外線を取り出して利用することができる。結果として、意図しない方向に紫外線が照射されることによって、人体に悪影響が及ぶリスクを低減することができる。
図2~4のように厚みが異なる部分を有するガラス管については、例えばガラス管の所望の部分をフッ化水素酸等に浸食され難い性質を有する材料、例えばパラフィン、樹脂、無機膜等によって保護した上で、フッ化水素酸等に浸漬することで厚みの異なるガラス管を得ることができる。他にも、フッ化水素酸等を部分的に接触させないようにガラス管の一部をフッ化水素酸等に浸漬することでも厚みの異なるガラス管を得ることができる。
本発明の図1のような実施形態のガラス管において、平均厚みは、好ましくは0.4mm以下、0.001~0.4mm、より好ましくは0.005~0.3mm、より好ましくは0.01~0.2mm、更に好ましくは0.02~0.1mm、0.03~0.1mm未満、最も好ましくは0.04~0.005mmである。平均厚みが厚過ぎると、深紫外域の透過率が低下し易くなる。一方、平均厚みが薄過ぎると、加工性が著しく低下する。
本発明のガラス管では、図2および図3のようにガラス管の長さ方向の中央部分が薄肉部であることが好ましい。これにより、中央部分の深紫外域の透過率が高くなり、紫外線を取り出して利用し易くなる。
本発明のガラス管において、最薄部の厚みt1は、好ましくは0.4mm以下、0.001~0.4mm、0.005~0.3mm、0.01~0.2mm、0.02~0.1mm、0.03~0.1mm未満、最も好ましくは0.04~0.005mmである。最薄部の厚みt1が厚過ぎると、深紫外域の透過率が低下し易くなる。一方、最薄部の厚みt1が薄過ぎると、加工性が著しく低下する。なお、紫外線ランプへの加工性を高めるために端部の厚みt2を0.4mm以上にしてよい。
最薄部の厚みt1換算での波長200nmの分光透過率T200は、好ましくは5%以上、15%以上、20%以上、最も好ましくは25%以上である。分光透過率T200が低過ぎると、この付近の波長を利用した紫外線ランプの殺菌性能が低下し易くなる。
最薄部の厚みt1換算での波長222nmの分光透過率T222は、好ましくは10%以上、20%以上、30%以上、最も好ましくは40%以上である。分光透過率T222が低過ぎると、この付近の波長を利用した紫外線ランプの殺菌性能が低下し易くなる。
最薄部の厚みt1換算での波長230nmの分光透過率T230は、好ましくは10%以上、20%以上、30%以上、最も好ましくは40%以上である。分光透過率T230が低過ぎると、この付近の波長を利用した紫外線ランプの殺菌性能が低下し易くなる。
最薄部の厚みt1換算での波長254nmの分光透過率T254は、好ましくは30%以上、40%以上、50%以上、最も好ましくは60%以上である。分光透過率T254が低過ぎると、この付近の波長を利用した紫外線ランプの殺菌性能が低下し易くなる。
最薄部の厚みt1換算での波長260nmの分光透過率T260は35%以上が好ましい、45%以上、55%以上、最も好ましくは65%以上である。分光透過率T260が低過ぎると、この付近の波長を利用した紫外線ランプの殺菌性能が低下し易くなる。
最薄部の厚みt1換算での波長275nmの分光透過率T275は、好ましくは60%以上、70%以上、75%以上、最も好ましくは80%以上である。分光透過率T275が低過ぎると、この付近の波長を利用した紫外線ランプの殺菌性能が低下し易くなる。
最薄部の厚みt1換算での波長200nmの分光透過率(%)をT200、最薄部の厚みt1換算での波長260nmの分光透過率(%)をT260とした場合、T200/T260は、好ましくは0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.25以上、0.3以上、最も好ましくは0.35以上である。この値が小さ過ぎると、波長200nm~260nmの透過率変化が大きくなるため、波長によって紫外線ランプの殺菌性能が変化し易くなる。一方、この値が大きいと、波長200nm~260nmの透過率変化が小さくなるため、使用する波長に関わらず紫外線ランプの殺菌性能が保たれる。特に、波長の短い紫外線を用いた紫外線ランプの殺菌性能を高めることができる。
本発明のガラス管において、(Fe2O3+TiO2)×T222の値は、好ましくは0.2以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、最も好ましくは1.0以上である。(Fe2O3+TiO2)×T222の値が小さいことは、酸化鉄及び酸化チタンによる光の吸収が大きく、ガラス管の透過率が低いこと、或いは高い透過率を達成するために酸化鉄及び酸化チタンの含有量を厳しく制限していることを意味する。透過率の低いガラス管は紫外線ランプに適さない。また、透過率を高めるために酸化鉄及び酸化チタンの含有量を厳しく制限すると、ガラス原料に高純度で高価なものを選択しなければならない上に、ガラス管をリサイクルし難くなる。一方、この値が大きいと、紫外線ランプに適した透過率、ガラス原料のコスト低下及びリサイクル性を両立することができる。
TiO2とFe2O3は、ガラスを着色する成分であるため含有しないことが好ましい。しかし、これらの成分は、例えばSiO2原料に不可避の不純物として含まれる成分でもある。そのため、ガラスの着色を意図しない場合でも、製造コストを考慮して、TiO2とFe2O3は不可避不純物としてガラスに含んでもよい。
TiO2の含有量は、質量%で、好ましくは0.1%以下、0.0001~0.08%、0.0001~0.05%、0.0005~0.04%、0.0008~0.03%、0.001~0.02%、0.001~0.01%、最も好ましくは0.003~0.005%である。TiO2の含有量が多過ぎると、紫外線の吸収が大きくなり、透過率が損なわれるため光源の殺菌性能が低下し易くなる。一方、TiO2の含有量が少な過ぎると、ガラス原料や製造設備からの混入量を低減する必要があるため、生産コストが高くなってしまう。更に、廃ガラスをリサイクルして使用し難くなるため、環境への負荷が大きくなる。
Fe2O3の含有量は、質量%で、好ましくは0~0.1%、0~0.08%、0~0.05%、0.0001~0.04%、0.0005~0.03%、0.0008~0.02%、0.001~0.01%、最も好ましくは0.002~0.005%である。Fe2O3の含有量が多過ぎると、紫外線の吸収が大きくなり、透過率が損なわれるため光源の殺菌性能が低下し易くなる。一方、Fe2O3の含有量が少な過ぎると、ガラス原料や製造設備からの混入量を低減する必要があるため、生産コストが高くなってしまう。更に、廃ガラスをリサイクルして使用し難くなるため、環境への負荷が大きくなる。
鉄は、価数によって吸収する光の波長が異なる。特に3価の鉄は波長300nm以下の光を吸収し易い。この範囲の透過率を高めることを重視する場合、ガラス原料に還元性を示す木粉、カーボン、金属アルミニウム等を加える、或いは溶融の雰囲気を還元性にして2価の酸化鉄含有量を多くすることが好ましい。よって、酸化鉄に占める2価の酸化鉄の質量割合は、好ましくは0.05以上、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、最も好ましくは0.5以上である。
ガラスを着色したい場合、TiO2とFe2O3をバッチ原料に添加すればよい。この場合、TiO2とFe2O3の合計含有量及び個別含有量は、質量%で、好ましくは7%以下、6%以下、0超~5%、0.001~1%、0.002~1%、最も好ましくは0.1~0.5%である。
最薄部の厚みt1における外径D1は、紫外線ランプの大きさによって、適宜選択することができるが、好ましくは4~70mm、10~50mm、15~40mm、15.5~38mm、最も好ましくは16~35mmである。外径D1が小さ過ぎると、紫外線ランプの作製が難しくなる。一方、外径D1が大き過ぎると、紫外線ランプとして扱い難くなる。
最薄部の厚みt1における内径d1は、好ましくは3.2~69.9mm、9.2~49.9mm、14.2~39.9mm、最も好ましくは15.2~34.9mmである。外径D1に対して内径d1が小さ過ぎると、ガラスの厚みが大きくなるため、薄肉部の透過率が低下し、紫外線ランプの殺菌性能が低下する。一方、内径d1が大き過ぎると、ガラス管の厚みが薄くなるため、透過率は向上するが、破損の可能性も高まる。
紫外線ランプでは、ガラス管に電極等の金属を含む部品を封着する必要がある。紫外線ランプの作製に適した外径と、高い透過率を得るために厚みの薄さとを両立させる必要がある。内径d1/外径D1は、好ましくは0.76以上、0.8以上、0.85以上、0.9以上、0.91以上、0.92以上、0.93以上、0.94以上、0.95以上、0.96以上、0.97以上、0.98以上、最も好ましくは0.99以上である。このため、内径d1/外径D1が小さ過ぎると、厚みが大き過ぎる、或いは外径が小さ過ぎて紫外線ランプの作製に適さない。一方、内径d1は,外径D1以上の値にならないため、内径d1/外径D1は常に1未満である。
ガラス管には、紫外線ランプを作製する際に電極等の金属を含む部品を封着する等の加工を施す必要がある。厚みが薄いガラス管では、このような加工の難易度が高い。よって、紫外線ランプへの加工性を優先する場合は、ガラス管の端部の厚みt2を厚くしてもよい。この場合、端部の厚みt2は、好ましくは0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、0.7mm以上、最も好ましくは0.8mm以上である。端部の厚みt2を厚くすると、紫外線ランプの加工性と紫外線ランプとしての殺菌性能を両立させることができる。一方、紫外線ランプとしての殺菌性能を優先する場合は、ガラス管の端部の厚みt2を他の部分と同等にしてもよい。この場合、端部の厚みt2は、好ましくは0.4mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、0.1mm以下、0.09mm以下、0.08mm以下、0.07mm以下、0.06mm以下、最も好ましくは0.05mm以下である。端部の厚みt2が薄いと、ガラス管の透過率が向上して、紫外線ランプの殺菌性能を高めることができる。
端部の厚みt2における外径D2は、好ましくは4~70mm、10~50mm、15~40mm、15.5~38mm、最も好ましくは16~35mmである。外径D2は、紫外線ランプの大きさによって適宜選択し得るが、外径D2が小さ過ぎると紫外線ランプの作製が難しくなる。一方、外径D2が大き過ぎると、紫外線ランプとして扱い難くなる。
端部の厚みt2における内径d2は、好ましくは3.2~69.9mm、8~49.9mm、13~39.9mm、最も好ましくは14~34.9mmである。内径d2は、外径D2と厚みに依存する。紫外線ランプの加工性を優先する場合、内径d2が適度に小さいことが好ましい。しかし、内径d2が小さ過ぎると、逆に加工性が低下する上、紫外線ランプとしての殺菌性能が低下し易くなる。一方、内径d2が大き過ぎると、ガラス管の厚みが薄くなるため、透過率は向上するが、紫外線ランプへの加工性が低下して、破損の可能性も高まる。
ガラス管の外径が極端に異なる部分が存在すると、紫外線ランプへの加工性が損なわれる虞がある。そのため、ガラス管の外径は比較的近い大きさであることが好ましい。本発明のガラス管は、最薄部の厚みt1における外径D1と端部の厚みt2における外径D2の比であるD1/D2は、好ましくは0.8~1.2、0.85~1.15、0.9~1.1、0.91~1.09、0.92~1.08、0.93~1.07、0.94~1.06、0.95~1.05、0.96~1.04、最も好ましくは0.97~1.03である。この値が1から離れ過ぎると、ガラス管に外径が極端に異なる部分が存在することになり、紫外線ランプへの加工性が損なわれるだけでなく、紫外線ランプとしても扱い難くなる虞がある。
電極等の金属を含む部品を封着し易くするため、予めガラス管の端部を電極の部品に合わせた外径および内径に加工する場合、本発明のガラス管は、最薄部の厚みt1における外径D1と端部の厚みt2における外径D2の比であるD1/D2は、好ましくは0.5~2.0、0.6~1.9、0.7~1.8、0.8~1.7、0.9~1.6、最も好ましくは1.0~1.5である。
ガラス管の内径が極端に異なる部分が存在すると、紫外線ランプへの加工性が損なわれる虞がある。そのため、ガラス管の内径は比較的近い大きさであることが好ましい。本発明のガラス管は、最薄部の厚みt1における内径d1と端部の厚みt2における内径d2の比d1/d2は、好ましくは0.8以上、0.85以上、0.9以上、0.95以上、0.96以上、0.97以上、0.98以上、0.99以上、最も好ましくは1.00以上である。この値が小さ過ぎると、端部の厚みが薄過ぎるため紫外線ランプへの加工性が低下し易くなる。一方、この値が大き過ぎると、端部の厚みが厚過ぎるため、薄肉部を作製するのに時間が掛かる。
電極等の金属を含む部品を封着し易くするため、予めガラス管の端部を電極の部品に合わせた外径および内径に加工する場合、本発明のガラス管は、最薄部の厚みt1における内径d1と端部の厚みt2における内径d2の比であるd1/d2は、好ましくは0.5~2.0、0.6~1.9、0.7~1.8、0.8~1.7、0.9~1.6、最も好ましくは1.0~1.5である。
本発明のガラス管において、円周方向の厚みが同等になる場合、同一円周上の外径の公差は、好ましくは30μm以下、25μm以下、20μm以下、最も好ましくは15μm以下である。外表面の真円度が大き過ぎると、ガラス管をバーナー炎によって加熱して加工するために回転させる際、ガラス管の位置が安定せず、加熱ムラが生じる。そして、加熱され難い部分が、加工に適した温度に昇温するまでの間、加熱され易い部分が高温の状態で保持される。その結果、ガラス組成中の蒸発し易い成分、例えばB2O3、Na2O等の蒸発量が多くなり、製品の品質が低下する。また、加工にかかる時間も長くなるため、加工効率が低下する。一方、円周方向の厚みが部分的に異なる場合、同一円周上の外径の公差は、好ましくは1.5mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.1mm以下、最も好ましくは0.03mm以下である。
円周方向の厚みが同等になる場合、同一円周上の内径の公差は、好ましくは30μm以下、25μm以下、20μm以下、最も好ましくは15μm以下である。内表面の真円度が大き過ぎると、紫外線ランプに加工する際に電極等の金属を含む部品との封着で不良になり易く、効率が低下する。一方、円周方向の厚みが部分的に異なる場合、同一円周上の外径の公差は、好ましくは1.5mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.1mm以下、最も好ましくは0.03mm以下が好ましい。
本発明のガラス管において、外表面のRaは、好ましくは0.01μm以下、0.005μm以下、0.003μm以下、0.001μm以下、0.0008μm以下、最も好ましくは0.0005μm以下である。外表面のRaが大き過ぎると、紫外線ランプから発せられる光が散乱され易くなる。これによってガラス管の透過率が低下して、紫外線ランプの殺菌性能が低下する。
内表面のRaは、好ましくは0.01μm以下、0.005μm以下、0.003μm以下、0.001μm以下、0.0008μm以下、最も好ましくは0.0005μm以下である。内表面のRaが大き過ぎると、紫外線ランプから発せられる光が散乱され易くなる。これによってガラス管の透過率が低下して、紫外線ランプの殺菌性能が低下する。
本発明のガラス管において、管の曲がりは、好ましくは6.0mm以下、より好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは4.0mm以下である。管の曲がりが大き過ぎると、ガラス管をバーナー炎によって加熱して加工するために回転させる際、ガラス管の位置が安定せず、加熱ムラが生じる。そして、加熱され難い部分が、加工に適した温度に昇温するまでの間、加熱され易い部分が高温の状態で保持される。その結果、ガラス組成中の蒸発し易い成分、例えばB2O3、Na2O等の蒸発量が多くなり、製品の品質が低下する。また、加工にかかる時間も長くなるため、加工効率が低下する。特に、厚みが0.1mm以下のガラス管は軟化した際に表面張力による収縮が起こり易いため、ガラス管の曲がりは加工効率に大きく影響する。
円周方向の厚みが同等になる実施形態では、同一円周上の厚みの公差は、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。同一円周上の厚みの公差が大き過ぎると、ガラス管の各部分の熱容量の違いが大きくなり、バーナー炎によって加熱して加工する際に均一に昇温しなくなる。厚みが大きく、熱容量が大きい部分が加工に適した温度に昇温するまでの間、厚みが小さく、熱容量の小さい部分は高温の状態で保持されて、ガラス組成中の蒸発し易い成分、例えばB2O3、Na2O等の蒸発量が多くなり、製品の品質が低下する。また、加工にかかる時間も長くなるため加工効率が低下する。特に、厚みが0.1mm以下のガラス管は軟化した際に表面張力による収縮が起こり易いため、ガラス管の厚みの公差は加工効率に大きく影響する。一方、円周方向の厚みが部分的に異なる実施形態では、同一円周上の厚みの公差は1.5mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.1mm以下、特に0.03mm以下が好ましい。
本発明のガラス管は、ソーダ石灰系ガラスであることが好ましい。ソーダ石灰系ガラスは、建築物、車両等の窓板ガラスに用いられているガラス組成系であり、耐候性に優れつつ製造が比較的容易であるというメリットを有する。
また、本発明のガラス管は、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~85質量%、Al2O3 0~20質量%、B2O3 0~10%、Li2O+Na2O+K2O 5~30%、MgO+CaO+SrO+BaO 5~30%を含有することが好ましい。「MgO+CaO+SrO+BaO」とは、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量である。各成分の含有範囲を限定した理由を述べる。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
SiO2は、ガラスのネットワーク構造を構成する成分の一つである。SiO2の含有量が少ない程、加工性が向上するが、その含有量が少な過ぎると、耐候性が低下し易くなる上に、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が増大して、耐熱衝撃性が低下し易くなる。一方、SiO2の含有量が多い程、耐候性が向上するが、その含有量が多過ぎると、ガラスの粘度が高くなり、加工性が低下し易くなる上に、液相温度が上昇し、失透し易くなる。よって、SiO2の含有量は、好ましくは50~85%、55~84%、60~83%、65~82%、68~81%、69~80%、特に70~79%である。
Al2O3は、ガラスのネットワーク構造を構成する成分の一つであり、また耐候性を向上させる効果がある。Al2O3の含有量が少な過ぎると、耐候性が低下し易くなる。一方、Al2O3の含有量が多過ぎると、ガラスの粘度が上昇する。よって、Al2O3の含有量は、好ましくは0~20%、0.5~15%、0.6~10%、0.7~8%、0.8~7%、0.9~6%、特に1.0~5%である。
B2O3は、ガラスの粘度を下げ、溶融性や加工性を高める効果がある。B2O3の含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなり、耐候性が低下し易くなる。よって、B2O3の含有量は、好ましくは0~10%、0.01~9%、0.02~8%、0.03~7%、0.04~6%、0.04~5%、特に0.05~4%である。
アルカリ金属酸化物(R2O)であるLi2O、Na2O及びK2Oは、ガラスのネットワーク構造を切断する成分の一つであり、ガラスの粘度を低下させて、加工性や溶融性を高める効果がある。Li2O+Na2O+K2Oの含有量の下限範囲は、好ましくは5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、12.5%以上、特に13%以上である。一方、Li2O+Na2O+K2Oの含有量が多過ぎると、耐候性が低下したり、熱膨張係数が増大して耐熱衝撃性が低下したりする。よって、Li2O+Na2O+K2Oの含有量の上限範囲は、好ましくは30%以下、25%以下、23%以下、20%以下、19.5%以下、19%以下、18.5%以下、特に18%以下である。
Li2Oは、既述の通り、ガラスの粘度を低下させて、加工性や溶融性を高める効果がある。アルカリ金属酸化物の中でも、Li2Oは、ガラスの粘度を低下させる効果が最も高く、次いでNa2O、K2Oの順に効果が高い。しかし、Li2Oの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。よって、Li2Oの含有量の上限は、好ましくは30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。なお、Li2Oの含有量が6%以下になると、失透が生じ難くなる。
加工性を重視する場合、Li2Oの含有量の下限は、好ましくは0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上、0.5%以上、0.6%以上、0.7%以上、0.8%以上、0.9%以上、特に1.0%以上である。
耐候性を重視する場合、Li2Oの含有量の上限は、好ましくは1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.05%以下、0.01%以下、特に含有しないことが好ましい。
Na2Oは、Li2Oと同様にガラスの粘度を低下させて、加工性や溶融性を高める効果がある。また、Na2Oの含有量が少な過ぎると、耐失透性が低下することもある。一方、Na2Oは含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。よって、Na2Oの含有量の上限は、好ましくは30%以下、25%以下、20%以下、19%以下、18.5%以下、18.3%以下、18%以下、17.9%以下、17.5%以下、17%以下、16.5%以下、特に16%以下である。
加工性を重視する場合、Na2Oの含有量の下限は、好ましくは0.1%以上0.5%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、4.5%以上、5%以上、5.5%以上、特に6%以上である。
K2Oは、Li2O、Na2Oの効果ほどではないが、ガラスの粘度を低下させて、加工性や溶融性を高める効果がある。しかし、K2Oの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。一方、K2Oの含有量が少な過ぎると、耐失透性が低下することがある。よって、K2Oの含有量の上限は、好ましくは30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5.5%以下、特に5%以下である。
加工性を重視する場合は、K2Oの含有量の下限は、好ましくは0.01%以上0.05%、0.1%、0.3%、0.5%、0.6%以上、0.7%以上0.8%以上、0.9%以上、特に1.0%以上である。
アルカリ土類金属酸化物(R’O)であるMgO、CaO、SrO及びBaOは、アルカリ金属酸化物(R2O)と同様に、ガラスのネットワーク構造を切断する成分の一つであり、ガラスの粘度を低下させる効果がある。また耐候性にも影響を与える成分である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなるだけでなく、耐候性も低下し易くなる。よって、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは5~30%、5.5~25%、5.3~20%、5.5~15%、5.8~13%、6.5~12%、6.6~11%、6.7~10.8%、6.8~10・5%、6.9~10.3%、特に7~10%である。
ガラスの粘度を低下させる効果はBaOが最も高く、次いでSrO、CaO、MgOの順に効果は低くなる。よって、加工性に着目する場合、アルカリ土類金属酸化物間の含有量の関係は、MgO≦CaO(特にMgO<CaO)、MgO≦SrO(特にMgO<SrO)、MgO≦BaO(特にMgO<BaO)、CaO≦SrO(特にCaO<SrO)、CaO≦BaO(特にCaO<BaO)、SrO≦BaO(特にSrO<BaO)が好ましく、MgO≦CaO≦SrO≦BaOがより好ましく、MgO<CaO<SrO<BaOが更に好ましい。
MgOは、既述の通り、ガラスの粘度を低下させる効果のある成分である。MgOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘度が高くなり、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下するだけでなく耐候性も低下し易くなる。よって、MgOの含有量は、好ましくは0~30%、0超~25%、0.001~20%、0.005~15%、0.01~10%、0.05~9%、0.08~8%、0.1~7%、0.2~6%、0.3~5%、0.4~4.5%、特に0.5~4%である。
CaOは、MgOと同様に、ガラスの粘度を低下させる成分であり、既述の通り粘度を低下させる効果はMgOよりも高い。CaOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘度が高くなり、CaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下するだけでなく耐候性も低下し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは0~30%、0超~25%、0.001~20%、0.005~15%、0.01~13%、0.05~12%、0.1~11%、0.5~10%、0.6~9%、0.7~8%、0.8~7%、0.9~6%、特に1.0~5%である。
SrOは、MgO、CaOと同様に、ガラスの粘度を低下させる成分であり、既述の通り粘度を低下させる効果はMgO、CaOよりも高い。SrOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘度が高くなり、SrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下するだけでなく耐候性も低下し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0~30%、0超~25%、0.001~20%、0.005~15%、0.01~13%、0.05~12%、0.1~11%、0.5~10%、0.6~9%、0.7~8%、0.8~7%、0.9~6%、特に1.0~5%である。
BaOは、MgO、CaO、SrOと同様に、ガラスの粘度を低下させる成分であり、既述の通り粘度を低下させる効果はMgO、CaO、SrOよりも高い。BaOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘度が高くなり、BaOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下するだけでなく耐候性も低下し易くなる。また、BaOの含有量が多過ぎると、炭酸塩又は硫酸塩が析出し易くなり、また耐加水分解性が低下し易くなる。よって、BaOの含有量は、好ましくは0~30%、0~1%、0~0.9%、0~0.8%、0~0.7%、0~0.6%、0~0.5%、0~0.4%、0~0.3%、0~0.2%、0~0.1%、0~0.01%、0~0.01%未満、特に0~0.001%である。
TiO2とFe2O3の好適な含有量等は、既述の通りである。
上記成分以外にも他の成分を導入してもよい。
ZrO2は、耐アルカリ性を高める成分である。しかし、ZrO2の含有量が多過ぎると、ガラスの粘度が上昇し、また耐失透性が低下し易くなる。よって、ZrO2の含有量は、好ましくは0~3%、0~2.5%、0~2%、0~1.5%、0.1~0.8%、特に0.2~0.6%である。
ZnOは、ガラスの粘度を低下させる効果がある。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、耐候性を低下させる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0~4%、0~1%、特に0~0.01%である。
清澄剤として、F、Cl、Sb2O3、SnO2、SO3等を1種類以上導入してもよい。これらの清澄剤の合計含有量及び個別含有量は、好ましくは5%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.3%以下である。なお、Clは清澄剤として加えない場合でも、Clはバッチ原料に含まれる不純物としてガラス中に含まれ得る。Clの含有量が多過ぎると、加熱加工する際に白色の欠陥を生じ易くなる。よって、Clの含有量は、好ましくは0.1%以下、0.05%以下、0.01%以下、0.005%以下、特に0.04%以下である。
化学的耐久性、高温粘度等の改良のために、P2O5、Cr2O3、PbO、La2O3、WO3、Nb2O3、Y2O3等をそれぞれ3%以下、2%以下、1%以下、1%未満、0.5%以下で導入してもよい。
不純物として、H2、CO2、CO、H2O、He、Ne、Ar、N2等の成分をそれぞれ0.1%まで導入してもよい。またPt、Rh、Au等の貴金属元素の混入量は、それぞれ500ppm以下、更には300ppm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス管は、ホウケイ酸系ガラスが好ましい。ホウケイ酸系ガラスは、理化学容器や医薬品容器用ガラスに用いられているガラス組成系であり、ソーダ石灰ガラスよりも、生産性は劣るが、優れた耐候性を有する。本発明のガラス管は、ガラス組成として、質量%で、SiO2 60~85%、Al2O3 0~15%、B2O3 3~20%、Li2O+Na2O+K2O 3~15%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~10%を含有することが好ましい。各成分の含有範囲を限定した理由を述べる。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
SiO2は、ガラスのネットワーク構造を構成する成分の一つである。SiO2の含有量が少ない程、加工性が向上するが、その含有量が少な過ぎると、耐加水分解性が低下し易くなる上に、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が増大して、耐熱衝撃性が低下し易くなる。一方、SiO2の含有量が多い程、耐候性が向上するが、その含有量が多過ぎると、ガラスの粘度が高くなり、加工性が低下し易くなる上に、液相温度が上昇し、失透し易くなる。よって、SiO2の含有量は、好ましくは60~85%、65~80%、66~79%、67~78%、68~77%、69~76%、特に70~75%である。
Al2O3は、ガラスのネットワーク構造を構成する成分の一つであり、また耐加水分解性を向上させる効果がある。Al2O3の含有量が少な過ぎると、耐加水分解性が低下し易くなる。一方、Al2O3の含有量が多過ぎると、ガラスの粘度が上昇する。よって、Al2O3の含有量は、好ましくは0~15%、1~12%、2~11%、3~10%、3.5~9%、3.9~8.5%、4~8%、4.1~7.9%、4.2~7.8%、4.3~7.7%、4.4~7.6%、特に4.5~7.5%である。
B2O3は、ガラスの粘度を下げ、溶融性や加工性を高める効果がある。B2O3の含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなり、耐候性が低下し易くなる。よって、B2O3の含有量は、好ましくは3~20%、5~18%、6~16%、7~15%、8~14%、9~13%、特に10~12%である。
アルカリ金属酸化物(R2O)であるLi2O、Na2O及びK2Oは、ガラスのネットワーク構造を切断する成分の一つであり、ガラスの粘度を低下させ、加工性や溶融性を高める効果がある。一方、Li2O+Na2O+K2Oの含有量が多過ぎると、耐候性が低下したり、熱膨張係数が増大して耐熱衝撃性が低下したりする。よって、Li2O+Na2O+K2Oの含有量は、好ましくは3~15%、好ましくは3.5~14%、4~13%、4.5~12.5%、5~12%、5.5~11.5%、5.6~11%以上、5.7~10.5%、5.8~10%、5.9~9.5%、6~9%、6.1~8.9%、6.2~8.8%、6.3~8.7%、6.4~8.6%、特に6.5~8.5%である。
アルカリ金属酸化物(R2O)において、ガラスの粘度を低下させる効果は、Li2Oが最も高く、次いでNa2O、K2Oの順に効果が高い。よって、ガラスの粘度を下げる観点では、アルカリ金属酸化物の含有量の関係は、好ましくはLi2O≧Na2O≧K2O、Li2O≧Na2O>K2O又はLi2O>Na2O≧K2Oであり、特にLi2O>Na2O>K2Oである。また、アルカリ金属酸化物の中でK2Oの割合が高過ぎると、耐候性と加工性を両立することが困難になる。そのため、耐候性と加工性を両立させる観点では、Na2O>K2Oが好ましい。
アルカリ金属酸化物の中でLi2Oの割合が高過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。よって、耐失透性の観点では、アルカリ金属酸化物の含有量の関係は、Na2O>Li2Oが好ましい。また、耐失透性を改善する効果は、K2Oが最も高く、次いでNa2O、Li2Oの順に効果が高い。耐候性と耐失透性の両立を重視する観点では、好ましくはLi2O≧Na2O≧K2O、Li2O≧K2O>Na2O又はLi2O>Na2O≧K2O、特にLi2O>K2O>Na2Oである。
Li2Oは、既述の通り、ガラスの粘度を低下させて、加工性や溶融性を高める効果がある。アルカリ金属酸化物の中でも、Li2Oは、ガラスの粘度を低下させる効果が最も高く、次いでNa2O、K2Oの順に効果が高い。しかし、Li2Oの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。よって、Li2Oの含有量は、好ましくは0~6%、0~5.5%、0~5%、0~4.5%、0~4%、0~3.5%、0~3.4%、0~3.3%、0~3.2%、0~3.1%、0~3%、0~2.9%、0~2.8%、特に0~2.7%である。なお、Li2Oの含有量が3%以下になると、失透が生じ難くなる。
Na2Oは、Li2Oと同様にガラスの粘度を低下させて、加工性や溶融性を高める効果がある。また、Na2Oの含有量が少な過ぎると、耐失透性が低下することもある。一方、Na2Oは含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。よって、Na2Oの含有量は、好ましくは0~12%、0~10%、0~9%、0~8.5%、0~8.3%、0~8.2%、0~8.1%、0~8%、0~7.9%、0~7.8%、0~7.7%、0~7.6%、特に0~7.5%である。
K2Oは、Li2O、Na2Oの効果ほどではないが、ガラスの粘度を低下させて、加工性や溶融性を高める効果がある。しかし、K2Oの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。一方、K2Oの含有量が少な過ぎると、耐失透性が低下することがある。よって、K2Oの含有量は、好ましくは0~5%、0~4%、0~3.8%、0~3.7%、0~3.6%、0~3.5%、0~3.3%、0~3.1%、0~3%、特に0~3%未満である。
アルカリ土類金属酸化物(R’O)であるMgO、CaO、SrO及びBaOは、アルカリ金属酸化物と同様に、ガラスのネットワーク構造を切断する成分の一つであり、ガラスの粘度を低下させる効果もある。また耐候性にも影響を与える成分である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなるだけでなく耐失透性も低下し易くなる。よって、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは0~10%、0超~9%、0.01~8%、0.0.05~7%、0.1~6%、0.15~5%、0.2~4%、0.25~3%、0.3~2.9%、0.35~2.8%、0.4~2.7%、0.45~2.6%、特に0.5~2.5%である。
ガラスの粘度を低下させる効果はBaOが最も高く、次いでSrO、CaO、MgOの順に効果は低くなる。よって、加工性に着目する場合、アルカリ土類金属酸化物間の含有量の関係は、MgO≦CaO(特にMgO<CaO)、MgO≦SrO(特にMgO<SrO)、MgO≦BaO(特にMgO<BaO)、CaO≦SrO(特にCaO<SrO)、CaO≦BaO(特にCaO<BaO)、SrO≦BaO(特にSrO<BaO)が好ましく、MgO≦CaO≦SrO≦BaOがより好ましく、MgO<CaO<SrO<BaOが更に好ましい。
MgOは、ガラスのネットワーク構造を切断し、ガラスの粘度を低下させる成分である。また、MgOの含有量が多過ぎると、耐候性や耐失透性が低下し易くなる。よって、MgOの含有量は、好ましくは0~10%、0~8%、0~5%、0~3%、0~1%、0~0.9%、0~0.8%、0~0.7%、0~0.6%、0~0.5%、0~0.4%、0~0.3%、0~0.2%、特に0~0.1%である。なお、加工性を重視する場合、MgOを0.01%以上導入してもよい。
CaOは、MgOと同様にガラスの粘度を低下させる成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、耐候性や耐失透性が低下し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは0超~10%、0.01~10%、0.05~9%、0.1~8%、0.15~7%、0.2~6%、0.25~5%、0.3~4.5%、0.35~4%、0.4~3.5%、0.45~3%、特に0.5~2.5%である。
SrOの含有量は、好ましくは0~5%、0~4%、0~3%、0~2%、0~1%、0~0.5%、0~0.4%、0~0.3%、0~0.2%、0~0.1%、0~0.01%、0~0.01%未満、特に0~0.001%である。SrOの含有量が多過ぎると、耐候性や耐失透性が低下し易くなる。
BaOの含有量は、好ましくは0~5%、0~4.5%、0~4%、0~3.5%、0~3%、0~2.5%、0~2%、0~1.9%、0~1.8%、0~1.7%、0~1.6、特に0~1.5%である。BaOの含有量が多過ぎると、耐候性や耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも他の成分を導入してもよい。
ZrO2は、耐候性を高める成分である。しかし、ZrO2の含有量が多過ぎると、ガラスの粘度が上昇し、また耐失透性が低下し易くなる。よって、ZrO2の含有量は、好ましくは0~3%、0~2.5%、0~2%、0~1.5%、0.1~0.8%、特に0.2~0.6%である。
ZnOは、ガラスの粘度を低下させる効果がある。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、耐候性に悪影響を与える。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0~4%、0~1%、特に0~0.01%である。
清澄剤として、F、Cl、Sb2O3、SnO2、SO3等を1種類以上導入してもよい。これらの清澄剤の合計含有量及び個別含有量は、好ましくは5%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.3%以下である。なお、Clは清澄剤として加えない場合でも、Clはバッチ原料に含まれる不純物としてガラス中に含まれ得る。Clの含有量が多過ぎると、加熱加工する際に白色の欠陥を生じ易くなる。よって、Clの含有量は、好ましくは0.1%以下、0.05%以下、0.01%以下、0.005%以下、特に0.04%以下である。
化学的耐久性、高温粘度等の改良のために、P2O5、Cr2O3、PbO、La2O3、WO3、Nb2O3、Y2O3等をそれぞれ3%以下、2%以下、1%以下、1%未満、0.5%以下で導入してもよい。
不純物として、H2、CO2、CO、H2O、He、Ne、Ar、N2等の成分をそれぞれ0.1%まで導入してもよい。またPt、Rh、Au等の貴金属元素の混入量は、それぞれ500ppm以下、更には300ppm以下であることが好ましい。
本発明のガラス管は、温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の高速加速寿命試験(HAST)において試験後のガラス表面に発生する異物の最大長辺が100μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以下、30μm以下、特に10μm以下である。
「高速加速寿命試験(HAST)」とは以下の試験を指す。
(1)表面積が16cm2になるよう切断し切断面に鏡面研磨を施したガラス管、或いは20mm×35mm×2.00mmの寸法に加工し鏡面研磨を施したガラス管と同じ組成のガラス試料を準備する。
(2)平山製作所社製の試験装置を用いて温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の加速試験を実施する。
(3)加速試験後の試料を、キーエンス社製デジタルマイクロスコープを用いて観察し、ガラス表面に発生した異物の最大の長辺を測定する。
(1)表面積が16cm2になるよう切断し切断面に鏡面研磨を施したガラス管、或いは20mm×35mm×2.00mmの寸法に加工し鏡面研磨を施したガラス管と同じ組成のガラス試料を準備する。
(2)平山製作所社製の試験装置を用いて温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の加速試験を実施する。
(3)加速試験後の試料を、キーエンス社製デジタルマイクロスコープを用いて観察し、ガラス表面に発生した異物の最大の長辺を測定する。
本発明のガラス管において、作業点は、好ましくは1300℃以下、1260℃以下、1240℃以下、1220℃以下、1200℃以下、特に1180℃以下である。作業点が高くなると、ガラス管を紫外線ランプに加工する際の加工温度がより高温になり、ガラスに含まれるアルカリ成分の蒸発が著しく増加する。蒸発したアルカリ成分は、ガラス管内壁に付着するため、加工された紫外線ランプの不良の原因となる場合がある。ここで、「作業点」は、ガラスの粘度が104.0dPa・sになる温度を指す。
本発明のガラス管は、化学強化処理(イオン交換処理)に供することにより、その表面に圧縮応力層を形成することが可能である。本発明のガラス管は、475℃のKNO3溶融塩中に7時間浸漬して化学強化処理を行った際に形成される圧縮応力層の圧縮応力値が、100MPa以上になることが好ましく、200MPa以上になることが更に好ましく、特に300MPa以上になることが特に好ましい。
なお、圧縮応力層の圧縮応力値と応力深さは次のようにして測定することができる。まず試料の両表面に鏡面研磨を施した後、475℃のKNO3溶融塩中に7時間浸漬して化学強化処理を行う。続いて試料の表面を洗浄し、表面応力計(株式会社折原製作所製FSM-6000)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から圧縮応力値と応力深さを算出する。算出にあたり、試料の屈折率を1.50、光弾性定数を29.5[(nm/cm)/MPa]とする。なお、化学強化処理前後では、ガラス表層におけるガラス組成が微視的に異なるものの、ガラス全体として見た場合、ガラス組成は実質的に相違しない。
次に、本発明のガラス管を製造する方法をダンナー法で説明する。
まずガラス原料を所定のガラス組成になるように調合してバッチを作製する。次に、このバッチを1550~1700℃の溶融窯に連続投入して溶融、清澄を行った後、得られた溶融ガラスを回転する耐火物に巻きつけながら、耐火物の先端部から空気を吹き出しつつ、耐火物の先端部からガラスを管状に引出す。
続いて、引き出した管状ガラスを所定の長さに切断することでガラス管を得る。このようにして得られたガラス管は紫外線ランプの製造に供される。
なお、本発明のガラス管は、ダンナ-法に限らず、他の方法(例えば、ベロー法、ダウンドロー法、リドロー法)で製造してもよい。
また、本発明のガラス管は、電極等の金属を含む部品を封着し易くするため、予め端部を電極の部品に合わせた外径及び内径に加工しても良い。加工方法は特に限定されないが、例えば、加工したい部分をバーナー炎で加熱し、軟化したガラスに形を整える治具をあて、所望の外径及び内径にした後、カッターで不要な部分を切断して端部の形状をバーナー炎で整えることで封着に適したガラス管を得ることができる。この加工と、後述するガラス管の厚みを薄くする加工はどちらを先に行っても良い。
次に、深紫外線光源デバイスに用いるガラス管を製造する方法を説明する。以下、ガラス管をフッ化水素酸によるエッチングで厚みが薄くなるよう加工する製造方法について説明するが、この方法は一例であり、他の方法(例えば、フッ酸以外の酸や混酸によるエッチング、ダンナー法、ベロー法、ダウンドロー法、リドロー法)で作製してもよい。
まずガラス管を用意し、ガラス管を任意の濃度のフッ化水素酸と塩酸、硫酸、硝酸等から選択された酸との混合溶液に浸漬させる。このとき、薄肉部を形成するために、ガラス管の一部分をマスキングしてもよい。ガラス管が所望の厚みになったら混合溶液中から取出し、ガラス表面に残留している混合溶液を洗浄してガラス管を得る。浸漬時間はガラス組成と混合溶液の濃度に応じて適宜選択すればよい。
必要に応じて、ガラス管をKNO3溶融塩中に浸漬してイオン交換することにより、化学強化されたガラス管を得ることができる。
本発明のガラス管は、その内表面及び/又は外表面にコーティングを有していてもよい。コーティングは、例えば、フッ素、シリコン、界面活性剤等の無機コーティング、有機コーティングが挙げられる。
以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示であり、本発明を何ら限定するものではない。
表1は本発明の実施例1、2及び比較例を示している。なお、表中の「N.A.」は未測定を意味している。
各試料は以下のようにして調製した。まず表中に示すガラス組成となるようにダンナー法で作製したガラス管を混合溶液に浸漬させた。なお、実施例1では、フッ化水素酸濃度が5mol/L、塩酸濃度が2mol/Lになるよう調製した混合溶液に130分間浸漬させたものである。実施例2では、フッ化水素酸濃度が7.5mol/L、塩酸濃度が3mol/Lになるよう調製した混合溶液に70分間浸漬させたものである。その後、測定に必要な形状に加工して各種評価に供した。その結果を表中に示す。
各種管寸法(外径、内径、厚み)はノギス、マイクロメーター、ダイヤルゲージ、レーザー光或いはその他の適切な精度を有する測定方法を用いて測定することができる。表中において、外径は、ノギスを用いて同一円周上の3点を測定し、その平均値を示した。厚みは、ダイヤルゲージを用いて同一サンプルの異なる3点を測定し、その平均値を示した。内径は、外径の平均値から厚みの平均値の2倍を引いた値を示した。
薄肉部の最も薄い部分の厚み、つまり最薄部の厚みt1は、以下のようにして測定することができる。例えばダイヤルゲージを用いる場合は、図1~3のような場合はガラス管を長さ方向に割断し、片方の端部から反対側の端部まで厚みを測定しながらダイヤルゲージを移動させた際の厚みの最小値がt1である。図4のような場合のガラス管では、厚みを測定しながらガラス管を円周方向に1回転させた際の厚みの最小値がt1である。厚みを測定する器具或いは装置は適切な精度を有するものを適宜使用することができる。
曲がりは1000mmの間隔で配置した2個のローラー上に1000mmの長さのガラス管を載せ、ダイヤルゲージを用いて管を1回転させる間の最大値と最小値を読み取る。最大値と最小値の差の半分をガラス管の曲がりとした。
外径の公差は、以下の手順で測定する。平坦な机又は台の上にガラス管を載せ、任意の1点の外径を測定する。その後、測定器具あるいは測定装置は動かさず、管の端の位置がずれないようにガラス管を回転させて外径を測定する。少なくとも3点以上測定した最大値と最小値の差を公差とした。
内径の公差は、以下の手順で測定する。平坦な机又は台の上にガラス管を載せ、任意の1点の内径を測定する。その後、測定器具あるいは測定装置は動かさず、管の端の位置がずれないようにガラス管を回転させて内径を測定する。少なくとも3点以上測定した最大値と最小値の差を公差とした。
厚みの公差は、以下の手順で測定する。平坦な机又は台の上にガラス管を載せ、任意の1点の厚みを測定する。その後、測定器具あるいは測定装置は動かさず、管の端の位置がずれないようにガラス管を回転させて厚みを測定する。少なくとも3点以上測定した最大値と最小値の差を公差とした。
外表面のRaは触針を走査させるサーフコーダやレーザー顕微鏡、白色干渉計、AFM等によって測定することができる。測定を行う距離は5μm程度が好ましい。
内表面のRaは触針を走査させるサーフコーダやレーザー顕微鏡、白色干渉計、AFM等によって測定することができる。測定を行う距離は5μm程度が好ましい。
歪点Psは、ASTM C336に準拠したファイバー延伸法で求めたものである。徐冷点Ta及び軟化点Tsは、ASTM C388に準拠したファイバー延伸法で求めたものである。
作業点(ガラスの粘度が104.0dPa・sになる温度)及び高温粘度103.0dPa・sになる温度は、白金球引き上げ法で求めたものである。
耐候性試験は、高速加速寿命試験(HAST)に準じた試験で行ったものである。なお、詳細な試験手順は上記の通りである。
分光透過率は、日本分光製V-670を用いて評価した。測定条件は以下の通りである。測定範囲:200nm~800nm、データ取り込み間隔:1nm、紫外・可視域のバンド幅:5.0nm、近赤外域のバンド幅:20.0nm、レスポンス:Medium、走査速度:200nm/min、積分球ユニットを使用。なお、ガラス管は半割りして測定に供した。
線熱膨張係数は、約5mmφ×20mmのロッド状に成形したガラスを測定試料とし、ディラートメーターにより、20~300℃の温度範囲で測定したものである。
図5は、実施例1、2に係る波長200nm~800nmの透過率曲線で示したデータである。なお、厚み0.17mmの透過率曲線が実施例1のデータ、厚み0.05mmの透過率曲線が実施例2のデータである。
表、図から明らかなように、実施例1、2は、T222×(Fe2O3+TiO2)が大きいため、深紫外域での透過率が高かった。一方、比較例は、T222×(Fe2O3+TiO2)が小さいため、深紫外域での透過率が低かった。
本発明のガラス管は、深紫外線光源デバイスの保護材料として好適である。また、固体、液体、気体の保存容器等にも使用することができる。
Claims (21)
- 厚みが0.4mm以下である薄肉部を含むガラス管であって、
薄肉部の中で最も薄い最薄部の厚みをt1[mm]、最薄部の厚みt1換算での波長222nmの分光透過率をT222[%]、最薄部の外径をD1[mm]、最薄部の内径をd1[mm]、ガラスに含まれる酸化鉄と酸化チタンの合量をFe2O3+TiO2[質量%]とした時に、d1/D1が0.76以上であり、且つ(Fe2O3+TiO2)×T222の値が0.2以上であることを特徴とするガラス管。 - 最薄部の厚みt1[mm]が0.2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス管。
- Fe2O3+TiO2の合量が0.002~0.1質量%、Fe2O3の含有量が0~0.05質量%、TiO2の含有量が0~0.05質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス管。
- 最薄部の厚みt1換算での波長222nmの分光透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のガラス管。
- 最薄部の厚みt1換算での波長230nmの分光透過率が40%以上であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のガラス管。
- 最薄部の厚みt1換算での波長200nmの分光透過率(%)をT200、最薄部の厚みt1換算での波長260nmの分光透過率(%)をT260とした場合、T200/T260が0.3以上であることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のガラス管。
- ガラス管の曲がりが6.0mm以下であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のガラス管。
- 最薄部の厚みt1の公差が30μm以下であることを特徴とする請求項1~7の何れかに記載のガラス管。
- 最薄部の外径D1と端部の外径D2の比D1/D2が0.8~1.2であることを特徴とする請求項1~8の何れかに記載のガラス管。
- 最薄部の内径d1と端部の内径d2の比d1/d2が0.8以上であることを特徴とする請求項1~9の何れかに記載のガラス管。
- 外径の公差が30μm以下であることを特徴とする請求項1~10の何れかに記載のガラス管。
- 内径の公差が30μm以下であることを特徴とする請求項1~11の何れかに記載のガラス管。
- 外表面のRaが0.01μm以下であることを特徴とする請求項1~12の何れかに記載のガラス管。
- 内表面のRaが0.01μm以下であることを特徴とする請求項1~13の何れかに記載のガラス管。
- 最薄部の厚みt1が0.1mm未満であることを特徴とする請求項1~14の何れかに記載のガラス管。
- 温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の高速加速寿命試験(HAST)を行った時、ガラス表面に発生する異物の最大の長辺が100μm以下であることを特徴とする請求項1~15の何れかに記載のガラス管。
- 20~300℃の温度範囲における線熱膨張係数が30×10-7/℃~100×10-7/℃であることを特徴とする請求項1~16の何れかに記載のガラス管。
- 高温粘度104.0dPa・sになる温度が1300℃以下であることを特徴とする請求項1~17の何れかに記載のガラス管。
- 液相粘度が104.8dPa・s以上であることを特徴とする請求項1~18の何れかに記載のガラス管。
- 475℃に昇温した硝酸カリウム(KNO3)溶融塩に7時間浸漬させた場合に、表面に形成される圧縮応力値が200MPa以上になることを特徴とする請求項1~19の何れかに記載のガラス管。
- 請求項1~20の何れかに記載のガラス管を外筒とすることを特徴とする深紫外線用ランプ。
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