JP2023080006A - 光配向性ポリマー、バインダー組成物、バインダー層、光学積層体、光学積層体の製造方法、画像表示装置 - Google Patents
光配向性ポリマー、バインダー組成物、バインダー層、光学積層体、光学積層体の製造方法、画像表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、液晶配向性を良好とすることができる光配向性ポリマー、バインダー組成物、バインダー層、光学積層体、光学積層体の製造方法および画像表示装置を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の光配向性ポリマーは、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する光配向性ポリマーである。ここで、下記式(1)中、Pは光配向性基を表し、Aは酸開裂基を表す。JPEG2023080006000047.jpg5016【選択図】なし
Description
本発明は、光配向性ポリマー、バインダー組成物、バインダー層、光学積層体、光学積層体の製造方法、および、画像表示装置に関する。
光学補償シートおよび位相差フィルムなどの光学フィルムは、画像着色解消および視野角拡大などの点から、様々な画像表示装置で用いられている。
光学フィルムとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、液晶化合物を用いて形成される光学異方性層が提案されている。
光学フィルムとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、液晶化合物を用いて形成される光学異方性層が提案されている。
本発明者らは、特許文献1に記載されている光配向性ポリマーについて検討を行ったところ、この光配向性ポリマーを用いて形成される層(以下、「下層」とも略す。)の上層に形成される光学異方性層の配向性(以下、「液晶配向性」とも略す。)が液晶化合物の種類によっては劣る場合があることを明らかとした。特に、円盤状液晶化合物の液晶配向性については、改善の余地があることを明らかとした。
そこで、本発明は、液晶配向性を良好とすることができる光配向性ポリマー、バインダー組成物、バインダー層、光学積層体、光学積層体の製造方法および画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、側鎖に光配向性基を含み、かつ、光配向性基よりも側鎖の末端側に所定の酸開裂基を含む繰り返し単位を有する光配向性ポリマーを用いると、液晶配向性が良好となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 後述する式(1)で表される繰り返し単位を有する光配向性ポリマー。
[2] 後述する式(1)で表される繰り返し単位が、後述する式(2)で表される繰り返し単位である、[1]に記載の光配向性ポリマー。
[3] 架橋性基を有する繰り返し単位をさらに有する、[1]または[2]に記載の光配向性ポリマー。
[4] 架橋性基を有する繰り返し単位が、後述する式(C)で表される繰り返し単位である、[3]に記載の光配向性ポリマー。
[5] 架橋性基が、後述する式(C1)~(C4)のいずれかで表される基を表す、[3]または[4]に記載の光配向性ポリマー。
[6] 後述する式(1)で表される繰り返し単位の含有量aと、架橋性基を有する繰り返し単位の含有量bとが、質量比で以下の式(D1)を満たす、[3]に記載の光配向性ポリマー。
0.03≦a/(a+b)≦0.8・・・(D1)
[7] 重量平均分子量が10000~500000である、[1]~[6]のいずれかに記載の光配向性ポリマー。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の光配向性ポリマー、バインダー、および、光酸発生剤を含む、バインダー組成物。
[9] [8]に記載のバインダー組成物を用いて形成され、その表面が配向制御能を有する、バインダー層。
[10] [9]に記載のバインダー層と、
バインダー層上に配置される光学異方性層と、を有する光学積層体。
[11] [8]に記載のバインダー組成物を用いて得られる塗膜に対して、光酸発生剤から酸を発生させ、その後、光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程と、
バインダー層上に、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布して、光学異方性層を形成する工程と、を有する光学積層体の製造方法。
[12] [9]に記載のバインダー層または[10]に記載の光学積層体を有する、画像表示装置。
[2] 後述する式(1)で表される繰り返し単位が、後述する式(2)で表される繰り返し単位である、[1]に記載の光配向性ポリマー。
[3] 架橋性基を有する繰り返し単位をさらに有する、[1]または[2]に記載の光配向性ポリマー。
[4] 架橋性基を有する繰り返し単位が、後述する式(C)で表される繰り返し単位である、[3]に記載の光配向性ポリマー。
[5] 架橋性基が、後述する式(C1)~(C4)のいずれかで表される基を表す、[3]または[4]に記載の光配向性ポリマー。
[6] 後述する式(1)で表される繰り返し単位の含有量aと、架橋性基を有する繰り返し単位の含有量bとが、質量比で以下の式(D1)を満たす、[3]に記載の光配向性ポリマー。
0.03≦a/(a+b)≦0.8・・・(D1)
[7] 重量平均分子量が10000~500000である、[1]~[6]のいずれかに記載の光配向性ポリマー。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の光配向性ポリマー、バインダー、および、光酸発生剤を含む、バインダー組成物。
[9] [8]に記載のバインダー組成物を用いて形成され、その表面が配向制御能を有する、バインダー層。
[10] [9]に記載のバインダー層と、
バインダー層上に配置される光学異方性層と、を有する光学積層体。
[11] [8]に記載のバインダー組成物を用いて得られる塗膜に対して、光酸発生剤から酸を発生させ、その後、光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程と、
バインダー層上に、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布して、光学異方性層を形成する工程と、を有する光学積層体の製造方法。
[12] [9]に記載のバインダー層または[10]に記載の光学積層体を有する、画像表示装置。
本発明によれば、液晶配向性を良好とすることができる光配向性ポリマー、バインダー組成物、バインダー層、光学積層体、光学積層体の製造方法および画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において表記される2価の基(例えば、-O-CO-)の結合方向は特に限定されず、例えば、「L1-L2-L3」の結合においてL2が-O-CO-である場合、L1側に結合している位置を*1、L3側に結合している位置を*2とすると、L2は*1-O-CO-*2であってもよく、*1-CO-O-*2であってもよい。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において表記される2価の基(例えば、-O-CO-)の結合方向は特に限定されず、例えば、「L1-L2-L3」の結合においてL2が-O-CO-である場合、L1側に結合している位置を*1、L3側に結合している位置を*2とすると、L2は*1-O-CO-*2であってもよく、*1-CO-O-*2であってもよい。
[光配向性ポリマー]
本発明の光配向性ポリマーは、後述する式(1)で表される繰り返し単位を有する光配向性の重合体である。
本発明の光配向性ポリマーは、後述する式(1)で表される繰り返し単位を有する光配向性の重合体である。
本発明においては、上述した通り、後述する式(1)で表される繰り返し単位、すなわち、側鎖に光配向性基を含み、かつ、光配向性基よりも側鎖の末端側に所定の酸開裂基を含む繰り返し単位を有する光配向性ポリマーを配合すると、液晶配向性が良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、本発明の光配向性ポリマーは、同一の側鎖に光配向性基および酸開裂基を含む繰り返し単位を有しているため、酸開裂基が有している「フッ素原子またはケイ素原子を含む基」(後述する式(B1)および(B2)中のY)の存在によって光配向性ポリマーが下層の最表面(上層との界面側)に偏在した際に、酸開裂基だけでなく、光配向性基も最表面に存在することになり、その結果、他の繰り返し単位の影響を受けることなく、上層に対する配向制御能を最大限に発揮できたため、液晶配向性が良好になったと考えられる。
以下では、本発明の光配向性ポリマーが有する繰り返し単位について詳述する。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、本発明の光配向性ポリマーは、同一の側鎖に光配向性基および酸開裂基を含む繰り返し単位を有しているため、酸開裂基が有している「フッ素原子またはケイ素原子を含む基」(後述する式(B1)および(B2)中のY)の存在によって光配向性ポリマーが下層の最表面(上層との界面側)に偏在した際に、酸開裂基だけでなく、光配向性基も最表面に存在することになり、その結果、他の繰り返し単位の影響を受けることなく、上層に対する配向制御能を最大限に発揮できたため、液晶配向性が良好になったと考えられる。
以下では、本発明の光配向性ポリマーが有する繰り返し単位について詳述する。
上記式(1)中、R1は、水素原子または置換基を表す。
ここで、R1の一態様が表す置換基の種類は特に限定されず、公知の置換基が挙げられる。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、および、水酸基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、または、塩素原子が好ましい。
アルキル基としては、例えば、炭素数1~18の直鎖状、炭素数3~18の分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1~4の直鎖状アルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が更に好ましい。
アリール基としては、例えば、炭素数6~12のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、α-メチルフェニル基、および、ナフチル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、イミダゾイルオキシ基、ベンゾイミダゾイルオキシ基、ピリジン-4-イルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、キナゾリニルオキシ基、プリニルオキシ基、および、チオフェン-3-イルオキシ基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、および、エトキシカルボニル基が挙げられる。
R1としては、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
ここで、R1の一態様が表す置換基の種類は特に限定されず、公知の置換基が挙げられる。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、および、水酸基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、または、塩素原子が好ましい。
アルキル基としては、例えば、炭素数1~18の直鎖状、炭素数3~18の分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1~4の直鎖状アルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が更に好ましい。
アリール基としては、例えば、炭素数6~12のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、α-メチルフェニル基、および、ナフチル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、イミダゾイルオキシ基、ベンゾイミダゾイルオキシ基、ピリジン-4-イルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、キナゾリニルオキシ基、プリニルオキシ基、および、チオフェン-3-イルオキシ基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、および、エトキシカルボニル基が挙げられる。
R1としては、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
上記式(1)中、Xは、-O-、-S-、または、-NR2-を表し、R2は、水素原子または置換基を表す。
ここで、R2の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。また、R2としては、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。
Xとしては、-O-、または、-NR2-であることが好ましく、-O-、または、-NH-であることがより好ましく、-NH-であることがさらに好ましい。
ここで、R2の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。また、R2としては、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。
Xとしては、-O-、または、-NR2-であることが好ましく、-O-、または、-NH-であることがより好ましく、-NH-であることがさらに好ましい。
上記式(1)中、L1は、単結合または2価の連結基を表す。
ここで、L1の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、-O-、-S-、-N(Q)-、-CO-、または、これらを組み合わせた基が挙げられる。Qは、水素原子または置換基を表す。
2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、および、炭素数1~10のアルキニレン基などの2価の脂肪族炭化水素基、アリーレン基などの2価の芳香族炭化水素基、が挙げられる。
2価の複素環基としては、例えば、2価の芳香族複素環基が挙げられ、具体的には、ピリジレン基(ピリジン-ジイル基)、ピリダジン-ジイル基、イミダゾール-ジイル基、チエニレン(チオフェン-ジイル基)、キノリレン基(キノリン-ジイル基)などが挙げられる。
また、これらを組み合わせた基としては、上述した、2価の炭化水素基、2価の複素環基、-O-、-S-、-N(Q)-、および、-CO-からなる群から選択される少なくとも2種以上を組み合わせた基が挙げられ、例えば、-2価の炭化水素基-O-、および、-2価の炭化水素基-N(Q)-などが挙げられる。
L1としては、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の分岐鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数6~12のアリーレン基、-O-、および、-N(Q)-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、-O-、および、-NH-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることがより好ましい。
なお、上述した2価の炭化水素基(アルキレン基などを含む)および2価の複素環基が有していてもよい置換基、ならびに、Qの一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
ここで、L1の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、-O-、-S-、-N(Q)-、-CO-、または、これらを組み合わせた基が挙げられる。Qは、水素原子または置換基を表す。
2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、および、炭素数1~10のアルキニレン基などの2価の脂肪族炭化水素基、アリーレン基などの2価の芳香族炭化水素基、が挙げられる。
2価の複素環基としては、例えば、2価の芳香族複素環基が挙げられ、具体的には、ピリジレン基(ピリジン-ジイル基)、ピリダジン-ジイル基、イミダゾール-ジイル基、チエニレン(チオフェン-ジイル基)、キノリレン基(キノリン-ジイル基)などが挙げられる。
また、これらを組み合わせた基としては、上述した、2価の炭化水素基、2価の複素環基、-O-、-S-、-N(Q)-、および、-CO-からなる群から選択される少なくとも2種以上を組み合わせた基が挙げられ、例えば、-2価の炭化水素基-O-、および、-2価の炭化水素基-N(Q)-などが挙げられる。
L1としては、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の分岐鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数6~12のアリーレン基、-O-、および、-N(Q)-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、-O-、および、-NH-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることがより好ましい。
なお、上述した2価の炭化水素基(アルキレン基などを含む)および2価の複素環基が有していてもよい置換基、ならびに、Qの一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
上記式(1)中、Pは、光配向性基を表す。
ここで、光配向性基とは、異方性を有する光(例えば、平面偏光など)の照射により、再配列または異方的な化学反応が誘起される光配向機能を有する基をいい、配向の均一性に優れ、熱的安定性および化学的安定性も良好となる点から、光の作用により二量化および異性化の少なくとも一方が生じる光配向性基が好ましい。
ここで、光配向性基とは、異方性を有する光(例えば、平面偏光など)の照射により、再配列または異方的な化学反応が誘起される光配向機能を有する基をいい、配向の均一性に優れ、熱的安定性および化学的安定性も良好となる点から、光の作用により二量化および異性化の少なくとも一方が生じる光配向性基が好ましい。
光の作用により二量化する光配向性基としては、例えば、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、マレイミド誘導体、および、ベンゾフェノン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の誘導体の骨格を有する基などが好適に挙げられる。
一方、光の作用により異性化する光配向性基としては、例えば、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、スピロピラン化合物、桂皮酸化合物、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基などが好適に挙げられる。
一方、光の作用により異性化する光配向性基としては、例えば、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、スピロピラン化合物、桂皮酸化合物、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基などが好適に挙げられる。
光配向性基としては、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体およびマレイミド誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の誘導体の骨格を有する基、または、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、および、スピロピラン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基が好ましく、桂皮酸誘導体骨格、または、クマリン誘導体骨格を有する基がより好ましい。
上記式(1)中、Aは、下記式(B1)または(B2)で表される、酸の作用により分解して極性基を生じる酸開裂基を表す。なお、下記式(B1)および(B2)中、*は結合位置を表す。
ここで、下記式(B1)または(B2)で表される酸開裂基は、酸の作用によって開裂して、フッ素原子またはケイ素原子を含む基(すなわち、下記式(B1)および(B2)中のY)の脱離を生じさせると共に、極性基を生じるものである。
ここで、下記式(B1)または(B2)で表される酸開裂基は、酸の作用によって開裂して、フッ素原子またはケイ素原子を含む基(すなわち、下記式(B1)および(B2)中のY)の脱離を生じさせると共に、極性基を生じるものである。
上記式(B1)および(B2)中、Lb1およびLb2は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
ここで、Lb1およびLb2の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。なかでも、-O-2価の炭化水素基-であることが好ましく、-O-炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基-であることがより好ましい。
ここで、Lb1およびLb2の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。なかでも、-O-2価の炭化水素基-であることが好ましく、-O-炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基-であることがより好ましい。
本発明においては、上層(光学異方性層)形成用の組成物の塗布性(以下、「上層塗布性」とも略す。)が良好となる理由から、Lb1およびLb2は、2価の連結基であることが好ましい。
上記式(B1)および(B2)中、Yは、フッ素原子またはケイ素原子を含む基を表す。ただし、上記式(B1)中の2個のYは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
フッ素原子またはケイ素原子を含む基に含まれるフッ素原子およびケイ素原子の合計数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~40が好ましく、1~30がより好ましく、5~25がさらに好ましく、10~20が特に好ましい。
フッ素原子またはケイ素原子を含む基は、いわゆる有機基(炭素原子を含む基)であることが好ましい。フッ素原子およびケイ素原子を含む基に含まれる炭素数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~30が好ましく、3~20がより好ましく、5~10がさらに好ましい。
フッ素原子またはケイ素原子を含む基としては、例えば、フッ素原子を含むアルキル基、および、ポリジアルキルシロキサン鎖を含む基が挙げられる。
フッ素原子またはケイ素原子を含む基は、いわゆる有機基(炭素原子を含む基)であることが好ましい。フッ素原子およびケイ素原子を含む基に含まれる炭素数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~30が好ましく、3~20がより好ましく、5~10がさらに好ましい。
フッ素原子またはケイ素原子を含む基としては、例えば、フッ素原子を含むアルキル基、および、ポリジアルキルシロキサン鎖を含む基が挙げられる。
フッ素原子を含むアルキル基としては、液晶配向性がより良好となる理由から、下記式(F)で表される基が好ましい。なお、下記式(F)中、*は結合位置を表す。
式(F) *-Lb3-Cf
ここで、Lb3は、単結合または2価の連結基を表す。Lb3の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、Cfは、フッ素原子含有アルキル基を表す。フッ素原子含有アルキル基とは、フッ素原子を含むアルキル基を表し、パーフルオロアルキル基が好ましい。
フッ素原子含有アルキル基の炭素数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~30が好ましく、3~20がより好ましく、5~10がさらに好ましい。
フッ素原子含有アルキル基に含まれるフッ素原子の数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~40が好ましく、1~30がより好ましく、5~25がさらに好ましく、10~20が特に好ましい。
式(F) *-Lb3-Cf
ここで、Lb3は、単結合または2価の連結基を表す。Lb3の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、Cfは、フッ素原子含有アルキル基を表す。フッ素原子含有アルキル基とは、フッ素原子を含むアルキル基を表し、パーフルオロアルキル基が好ましい。
フッ素原子含有アルキル基の炭素数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~30が好ましく、3~20がより好ましく、5~10がさらに好ましい。
フッ素原子含有アルキル基に含まれるフッ素原子の数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~40が好ましく、1~30がより好ましく、5~25がさらに好ましく、10~20が特に好ましい。
上記式(B1)および(B2)中、Rb1およびRb2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ただし、上記式(B2)中の2個のRb2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
ここで、Rb1およびRb2の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
Rb1の一態様が表す置換基としては、アルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
Rb2の一態様が表す置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、または、2個のRb2が互いに結合して形成された環(例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環)であることが好ましい。
ここで、Rb1およびRb2の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
Rb1の一態様が表す置換基としては、アルキル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
Rb2の一態様が表す置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、または、2個のRb2が互いに結合して形成された環(例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環)であることが好ましい。
本発明においては、上記式(1)中のAは、液晶配向性がより良好となる理由から、上記式(B1)で表される酸開裂基であることが好ましい。
上記式(1)で表される繰り返し単位としては、液晶配向性がより良好となる理由から、下記式(2)で表される繰り返し単位が好ましい。なお、下記式(2)中のR1、XおよびL1の定義は、それぞれ、上記式(1)のR1、XおよびL1の定義と同じである。
上記式(2)中、RA1、RA2、RA3、RA4およびRA5は、それぞれ独立に、上記式(B1)もしくは(B2)で表される酸開裂基、水素原子、または、置換基を表す。ただし、RA1、RA2、RA3、RA4およびRA5の少なくとも1つは、上記式(B1)または(B2)で表される酸開裂基を表す。
ここで、RA1、RA2、RA3、RA4およびRA5の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。なかでも、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
本発明においては、RA1、RA2、RA3、RA4およびRA5のうち、1~3つが上記式(B1)もしくは(B2)で表される酸開裂基であることが好ましく、1~2つが上記式(B1)もしくは(B2)で表される酸開裂基であることがより好ましく、1つが上記式(B1)もしくは(B2)で表される酸開裂基であることがさらに好ましい。
ここで、RA1、RA2、RA3、RA4およびRA5の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。なかでも、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
本発明においては、RA1、RA2、RA3、RA4およびRA5のうち、1~3つが上記式(B1)もしくは(B2)で表される酸開裂基であることが好ましく、1~2つが上記式(B1)もしくは(B2)で表される酸開裂基であることがより好ましく、1つが上記式(B1)もしくは(B2)で表される酸開裂基であることがさらに好ましい。
本発明の光配向性ポリマー中における上記式(1)で表される繰り返し単位の含有量は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、光配向性ポリマーの全繰り返し単位に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。なお、上限は100質量%であってもよい。
また、本発明の光配向性ポリマーは、上記式(1)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。他の繰り返し単位を有する場合、上記式(1)で表される繰り返し単位の含有量は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
また、本発明の光配向性ポリマーは、上記式(1)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。他の繰り返し単位を有する場合、上記式(1)で表される繰り返し単位の含有量は、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
本発明の光配向性ポリマーは、上記式(1)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。
〔架橋性基を有する繰り返し単位〕
光配向性ポリマーは、架橋性基を有する繰り返し単位をさらに有していてもよい。
架橋性基の種類は特に限定されず、公知の架橋性基が挙げられる。なかでも、バインダー層上に配置される上層との密着性に優れる点で、カチオン重合性基、または、ラジカル重合性基が好ましい。
光配向性ポリマーは、架橋性基を有する繰り返し単位をさらに有していてもよい。
架橋性基の種類は特に限定されず、公知の架橋性基が挙げられる。なかでも、バインダー層上に配置される上層との密着性に優れる点で、カチオン重合性基、または、ラジカル重合性基が好ましい。
カチオン重合性基としては、例えば、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、および、オキセタニル基が挙げられる。
ラジカル重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、および、アリル基が挙げられる。
架橋性基を有する繰り返し単位の主鎖の構造は特に限定されず、公知の構造が挙げられ、例えば、(メタ)アクリル系、スチレン系、シロキサン系、シクロオレフィン系、メチルペンテン系、アミド系、および、芳香族エステル系からなる群から選択される骨格が好ましい。
これらのうち、(メタ)アクリル系、シロキサン系、および、シクロオレフィン系からなる群から選択される骨格がより好ましく、(メタ)アクリル系骨格がさらに好ましい。
これらのうち、(メタ)アクリル系、シロキサン系、および、シクロオレフィン系からなる群から選択される骨格がより好ましく、(メタ)アクリル系骨格がさらに好ましい。
上記式(C)中、RC1は、水素原子または置換基を表す。
ここで、RC1の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
RC1としては、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
ここで、RC1の一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
RC1としては、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
上記式(C)中、LC1は、単結合または2価の連結基を表す。
ここで、LC1の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。
LC1としては、液晶配向性がより良好となる理由から、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の分岐鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数6~12のアリーレン基、-O-、-CO-、および、-N(Q)-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の分岐鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、-O-、-CO-、および、-NH-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることがより好ましい。Qは、水素原子または置換基を表す。
なお、上述したアルキレン基やアリーレン基が有していてもよい置換基、ならびに、Qの一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
ここで、LC1の一態様が表す2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。
LC1としては、液晶配向性がより良好となる理由から、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の分岐鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数6~12のアリーレン基、-O-、-CO-、および、-N(Q)-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~10の直鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の分岐鎖状のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数3~10の環状のアルキレン基、-O-、-CO-、および、-NH-からなる群から選択される少なくとも2以上の基を組み合わせた2価の連結基であることがより好ましい。Qは、水素原子または置換基を表す。
なお、上述したアルキレン基やアリーレン基が有していてもよい置換基、ならびに、Qの一態様が表す置換基としては、上記R1の一態様が表す置換基で例示した基が挙げられる。
上記式(C)中、LC2は、m+1価の連結基を表す。
ここで、m+1価の連結基としては、液晶配向性がより良好となる理由から、置換基を有していてもよい炭素数1~24のm+1価の炭化水素基であって、炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、炭素数1~10の酸素原子または窒素原子を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基がより好ましい。
ここで、m+1価の連結基としては、液晶配向性がより良好となる理由から、置換基を有していてもよい炭素数1~24のm+1価の炭化水素基であって、炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、炭素数1~10の酸素原子または窒素原子を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基がより好ましい。
m+1価の連結基に含まれる炭素数は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、1~24が好ましく、1~10がより好ましい。
m+1価の連結基としては、2価の連結基が好ましい。好適態様である2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。
m+1価の連結基としては、2価の連結基が好ましい。好適態様である2価の連結基としては、例えば、上記式(1)中のL1の一態様が表す2価の連結基で例示したものと同様のものが挙げられる。
上記式(C)中、Zは、架橋性基を表す。
ここで、架橋性基としては、上述したカチオン重合性基、または、ラジカル重合性基が挙げられる。
ここで、架橋性基としては、上述したカチオン重合性基、または、ラジカル重合性基が挙げられる。
上記式(C1)~(C4)中、*は、結合位置を表す。
また、上記式(C3)中、RC2は、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。
また、上記式(C4)中、RC3は、水素原子またはメチル基を表す。
また、上記式(C3)中、RC2は、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。
また、上記式(C4)中、RC3は、水素原子またはメチル基を表す。
上記式(C)中、mは、1以上の整数を表す。なかでも、液晶配向性がより良好となる理由から、1~5の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
本発明の光配向性ポリマー中における架橋性基を有する繰り返し単位の含有量は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、光配向性ポリマーの全繰り返し単位に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限値は特に限定されず、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
本発明においては、上述した式(1)で表される繰り返し単位の含有量aと、上述した架橋性基を有する繰り返し単位の含有量bとは、液晶配向性がより良好となる理由から、質量比で下記式(D1)を満たしていることが好ましい。
0.03≦a/(a+b)≦0.8・・・(D1)
0.03≦a/(a+b)≦0.8・・・(D1)
上記以外の他の繰り返し単位を形成するモノマー(ラジカル重合性単量体)としては、例えば、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリルアミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物、および、ビニル化合物が挙げられる。
本発明の光配向性ポリマーの合成法は特に限定されず、例えば、上述した式(1)で表される繰り返し単位を形成するモノマー、および、架橋性基を有する繰り返し単位などの他の繰り返し単位を形成するモノマーを混合し、有機溶剤中で、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成できる。
本発明の光配向性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、10000~500000が好ましく、10000~300000がより好ましく、30000~150000がさらに好ましい。
ここで、本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、以下に示す条件でゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):THF(テトラヒドロフラン)
・装置名:TOSOH HLC-8320GPC
・カラム:TOSOH TSKgel Super HZM-H(4.6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:40℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:1.0ml/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000~1050(Mw/Mn=1.03~1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
ここで、本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、以下に示す条件でゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):THF(テトラヒドロフラン)
・装置名:TOSOH HLC-8320GPC
・カラム:TOSOH TSKgel Super HZM-H(4.6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:40℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:1.0ml/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000~1050(Mw/Mn=1.03~1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
[バインダー組成物]
本発明のバインダー組成物は、本発明の光配向性ポリマーと、バインダーと、光酸発生剤とを含む組成物である。
ここで、本発明のバインダー組成物中に含まれる光配向性ポリマーの含有量は、後述するバインダー100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましい。
また、本発明のバインダー組成物中に含まれる光酸発生剤の含有量は、後述するバインダー100質量部に対して、0.5~50質量部が好ましく、2.5~25質量部がより好ましい。
本発明のバインダー組成物は、本発明の光配向性ポリマーと、バインダーと、光酸発生剤とを含む組成物である。
ここで、本発明のバインダー組成物中に含まれる光配向性ポリマーの含有量は、後述するバインダー100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましい。
また、本発明のバインダー組成物中に含まれる光酸発生剤の含有量は、後述するバインダー100質量部に対して、0.5~50質量部が好ましく、2.5~25質量部がより好ましい。
〔バインダー〕
本発明のバインダー組成物に含まれるバインダーの種類は特に限定されず、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化する樹脂(以下、「樹脂バインダー」ともいう。)であってもよく、重合性化合物であってもよい。
本発明のバインダー組成物に含まれるバインダーの種類は特に限定されず、それ自体は重合反応性のない樹脂のみから構成されるような単に乾燥固化する樹脂(以下、「樹脂バインダー」ともいう。)であってもよく、重合性化合物であってもよい。
<樹脂バインダー>
樹脂バインダーとしては、例えば、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、アクリロニトリルアクリレートスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ポリエチレンスチレン共重合樹脂、エチレン酢ビ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリスチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリスチレンアクリル酸共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、および、これらの共重合樹脂が挙げられる。
樹脂バインダーとしては、例えば、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、アクリロニトリルアクリレートスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル塩化ポリエチレンスチレン共重合樹脂、エチレン酢ビ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリスチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリスチレンアクリル酸共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、および、これらの共重合樹脂が挙げられる。
<重合性化合物>
重合性化合物としては、例えば、エポキシ系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、オキセタニル系モノマーが挙げられ、エポキシ系モノマーまたは(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。
また、重合性化合物として、重合性液晶化合物を用いてもよい。
重合性化合物としては、例えば、エポキシ系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、オキセタニル系モノマーが挙げられ、エポキシ系モノマーまたは(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。
また、重合性化合物として、重合性液晶化合物を用いてもよい。
エポキシ系モノマーであるエポキシ基含有モノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、および、複素環型エポキシ樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル系モノマーである、アクリレート系モノマーおよびメタクリレート系モノマーとしては、3官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO(プロピレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO(エチレンオキサイド)変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、および、ペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。また、4官能以上のモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートが挙げられる。
重合性液晶化合物は特に限定されず、例えば、ホメオトロピック配向、ホモジニアス配向、ハイブリッド配向およびコレステリック配向のいずれかの配向が可能な化合物が挙げられる。
ここで、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプとに分類できる。さらに、それぞれ低分子と高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物)が好ましい。また、モノマーであるか、重合度が100未満の比較的低分子量な液晶化合物が好ましい。
また、重合性液晶化合物が有する重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、および、ビニル基が挙げられる。
このような重合性液晶化合物を重合させることにより、液晶化合物の配向を固定することができる。なお、液晶化合物が重合によって固定された後においては、もはや液晶性を示す必要はない。
ここで、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプとに分類できる。さらに、それぞれ低分子と高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物)が好ましい。また、モノマーであるか、重合度が100未満の比較的低分子量な液晶化合物が好ましい。
また、重合性液晶化合物が有する重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、および、ビニル基が挙げられる。
このような重合性液晶化合物を重合させることにより、液晶化合物の配向を固定することができる。なお、液晶化合物が重合によって固定された後においては、もはや液晶性を示す必要はない。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1または特開2005-289980号公報の段落[0026]~[0098]に記載のものが好ましく、ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落[0020]~[0067]または特開2010-244038号公報の段落[0013]~[0108]に記載のものが好ましい
上記重合性液晶化合物として、逆波長分散性の液晶化合物を用いることができる。
ここで、本明細書において「逆波長分散性」の液晶化合物とは、これを用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいう。
ここで、本明細書において「逆波長分散性」の液晶化合物とは、これを用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいう。
逆波長分散性の液晶化合物は、上記のように逆波長分散性のフィルムを形成できるものであれば特に限定されず、例えば、特開2008-297210号公報に記載の一般式(I)で表される化合物(特に、段落[0034]~[0039]に記載の化合物)、特開2010-084032号公報に記載の一般式(1)で表される化合物(特に、段落[0067]~[0073]に記載の化合物)、および、特開2016-081035号公報に記載の一般式(1)で表される化合物(特に、段落[0043]~[0055]に記載の化合物)が挙げられる。
さらに、特開2011-006360号公報の段落[0027]~[0100]、特開2011-006361号公報の段落[0028]~[0125]、特開2012-207765号公報の段落[0034]~[0298]、特開2012-077055号公報の段落[0016]~[0345]、WO12/141245号公報の段落[0017]~[0072]、WO12/147904号公報の段落[0021]~[0088]、WO14/147904号公報の段落[0028]~[0115]に記載の化合物が挙げられる。
さらに、特開2011-006360号公報の段落[0027]~[0100]、特開2011-006361号公報の段落[0028]~[0125]、特開2012-207765号公報の段落[0034]~[0298]、特開2012-077055号公報の段落[0016]~[0345]、WO12/141245号公報の段落[0017]~[0072]、WO12/147904号公報の段落[0021]~[0088]、WO14/147904号公報の段落[0028]~[0115]に記載の化合物が挙げられる。
〔光酸発生剤〕
本発明のバインダー組成物は、光酸発生剤を含む。
光酸発生剤は特に限定されず、波長300nm以上、好ましくは波長300~450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましい。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、2以下の酸を発生する光酸発生剤がさらに好ましい。なお、本発明において、pKaは、基本的に25℃の水中におけるpKaを指す。水中で測定できないものは、測定に適する溶剤に変更し測定したものを指す。具体的には、化学便覧などに記載のpKaが参考にできる。pKaが3以下の酸としては、スルホン酸またはホスホン酸が好ましく、スルホン酸がより好ましい。
本発明のバインダー組成物は、光酸発生剤を含む。
光酸発生剤は特に限定されず、波長300nm以上、好ましくは波長300~450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましい。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、2以下の酸を発生する光酸発生剤がさらに好ましい。なお、本発明において、pKaは、基本的に25℃の水中におけるpKaを指す。水中で測定できないものは、測定に適する溶剤に変更し測定したものを指す。具体的には、化学便覧などに記載のpKaが参考にできる。pKaが3以下の酸としては、スルホン酸またはホスホン酸が好ましく、スルホン酸がより好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、トリクロロメチル-s-トリアジン類、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、および、オキシムスルホネート化合物が挙げられる。なかでも、オニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、または、オキシムスルホネート化合物が好ましく、オニウム塩化合物、または、オキシムスルホネート化合物がより好ましい。光酸発生剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明のバインダー組成物は、上述した、光配向性ポリマー、バインダー、および、光酸発生剤以外の他の成分を含んでいてもよい。
〔重合開始剤〕
本発明のバインダー組成物は、バインダーとして重合性化合物を用いた場合には、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤は特に限定されず、重合反応の形式に応じて、熱重合開始剤および光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤としては、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、および、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63-040799号公報、特公平5-029234号公報、特開平10-095788号公報、および、特開平10-029997号公報記載)が挙げられる。
本発明のバインダー組成物は、バインダーとして重合性化合物を用いた場合には、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤は特に限定されず、重合反応の形式に応じて、熱重合開始剤および光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤としては、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、および、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63-040799号公報、特公平5-029234号公報、特開平10-095788号公報、および、特開平10-029997号公報記載)が挙げられる。
〔溶媒〕
本発明のバインダー組成物は、バインダー層を形成する作業性の点から、溶媒を含むのが好ましい。
溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、および、シクロヘキサノン)、エーテル類(例えば、ジオキサン、および、テトラヒドロフラン)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、および、トリメチルベンゼン)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、および、クロロトルエン)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、および、酢酸ブチル)、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、および、シクロヘキサノール)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、および、エチルセロソルブ)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、および、ジメチルアセトアミド)が挙げられる。
溶媒を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のバインダー組成物は、バインダー層を形成する作業性の点から、溶媒を含むのが好ましい。
溶媒としては、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、および、シクロヘキサノン)、エーテル類(例えば、ジオキサン、および、テトラヒドロフラン)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、および、トリメチルベンゼン)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、および、クロロトルエン)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、および、酢酸ブチル)、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、および、シクロヘキサノール)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、および、エチルセロソルブ)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、および、ジメチルアセトアミド)が挙げられる。
溶媒を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[バインダー層]
本発明のバインダー層は、上述した本発明のバインダー組成物を用いて形成され、その表面が配向制御能を有する層である。より具体的には、バインダー層は、バインダー組成物の塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、光配向処理を施して形成される層である。
つまり、バインダー層を形成する方法は、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、塗膜に対して光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程(工程1)を有することが好ましい。
なお、配向制御能を有するとは、バインダー層上に配置される液晶化合物を所定の方向に配向させる機能を有することを意味する。
バインダー組成物が重合性化合物を含む場合、上記工程1においては、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜に対して、硬化処理を施して、その後、塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させる処理(以後、単に「酸発生処理」ともいう。)を実施した後、光配向処理を施して、バインダー層を形成することが好ましい。
なお、後述するように、硬化処理と、酸発生処理とは同時に実施してもよい。
以下、上記硬化処理を実施する方法について詳述する。
本発明のバインダー層は、上述した本発明のバインダー組成物を用いて形成され、その表面が配向制御能を有する層である。より具体的には、バインダー層は、バインダー組成物の塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、光配向処理を施して形成される層である。
つまり、バインダー層を形成する方法は、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、塗膜に対して光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程(工程1)を有することが好ましい。
なお、配向制御能を有するとは、バインダー層上に配置される液晶化合物を所定の方向に配向させる機能を有することを意味する。
バインダー組成物が重合性化合物を含む場合、上記工程1においては、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜に対して、硬化処理を施して、その後、塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させる処理(以後、単に「酸発生処理」ともいう。)を実施した後、光配向処理を施して、バインダー層を形成することが好ましい。
なお、後述するように、硬化処理と、酸発生処理とは同時に実施してもよい。
以下、上記硬化処理を実施する方法について詳述する。
バインダー組成物の塗膜を形成する方法は特に限定されず、例えば、支持体上にバインダー組成物を塗布して、必要に応じて乾燥処理を施す方法が挙げられる。
支持体は、後段で詳述する。
また、支持体上には配向層が配置されていてもよい。
バインダー組成物を塗布する方法は特に限定されず、塗布方法としては、例えば、スピンコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、および、ダイコート法が挙げられる。
支持体は、後段で詳述する。
また、支持体上には配向層が配置されていてもよい。
バインダー組成物を塗布する方法は特に限定されず、塗布方法としては、例えば、スピンコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、および、ダイコート法が挙げられる。
次に、バインダー組成物の塗膜に対して、硬化処理、および、塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させる処理(以後、「酸発生処理」ともいう。)を実施する。
硬化処理としては、光照射処理または加熱処理が挙げられる。
また、硬化処理の条件は特に限定されないが、光照射による重合においては、紫外線を用いることが好ましい。照射量は、10mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、20mJ/cm2~5J/cm2がより好ましく、30mJ/cm2~3J/cm2がさらに好ましく、50~1000mJ/cm2が特に好ましい。また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
硬化処理としては、光照射処理または加熱処理が挙げられる。
また、硬化処理の条件は特に限定されないが、光照射による重合においては、紫外線を用いることが好ましい。照射量は、10mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、20mJ/cm2~5J/cm2がより好ましく、30mJ/cm2~3J/cm2がさらに好ましく、50~1000mJ/cm2が特に好ましい。また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させる処理とは、バインダー組成物中に含まれている光酸発生剤が感光する光を照射して、酸を発生させる処理である。本処理を実施することにより、開裂基での開裂が進行し、フッ素原子またはケイ素原子を含む基が脱離する。
上記処理で実施される光照射処理は、光酸発生剤が感光する処理であればよく、例えば、紫外線を照射する方法が挙げられる。光源としては、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプなどの紫外線を発光するランプを用いることが可能である。また、照射量は、10mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、20mJ/cm2~5J/cm2がより好ましく、30mJ/cm2~3J/cm2がさらに好ましく、50~1000mJ/cm2が特に好ましい。
上記処理で実施される光照射処理は、光酸発生剤が感光する処理であればよく、例えば、紫外線を照射する方法が挙げられる。光源としては、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプなどの紫外線を発光するランプを用いることが可能である。また、照射量は、10mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、20mJ/cm2~5J/cm2がより好ましく、30mJ/cm2~3J/cm2がさらに好ましく、50~1000mJ/cm2が特に好ましい。
上記硬化処理および酸発生処理は、硬化処理を実施した後、酸発生処理を実施してもよいし、硬化処理および酸発生処理を同時に実施してもよい。特に、バインダー組成物中の光酸発生剤および重合開始剤が同じ波長の光で感光する場合、同時に実施することが生産性の点から好ましい。
上記で形成されたバインダー組成物の塗膜(硬化処理が施された、バインダー組成物の硬化膜を含む)に対して、実施される光配向処理の方法は特に限定されず、公知の方法が挙げられる。
光配向処理としては、例えば、バインダー組成物の塗膜(硬化処理が施された、バインダー組成物の硬化膜を含む)に対して、偏光または塗膜表面に対して斜め方向から非偏光を照射する方法が挙げられる。
光配向処理としては、例えば、バインダー組成物の塗膜(硬化処理が施された、バインダー組成物の硬化膜を含む)に対して、偏光または塗膜表面に対して斜め方向から非偏光を照射する方法が挙げられる。
光配向処理において、照射する偏光は特に限定されず、例えば、直線偏光、円偏光、および、楕円偏光が挙げられ、直線偏光が好ましい。
また、非偏光を照射する「斜め方向」とは、塗膜表面の法線方向に対して極角θ(0<θ<90°)傾けた方向である限り、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できるが、θが20~80°が好ましい。
また、非偏光を照射する「斜め方向」とは、塗膜表面の法線方向に対して極角θ(0<θ<90°)傾けた方向である限り、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できるが、θが20~80°が好ましい。
偏光または非偏光における波長としては、光配向性基が感光する光であれば特に限定されず、例えば、紫外線、近紫外線、および、可視光線が挙げられ、250~450nmの近紫外線が好ましい。
また、偏光または非偏光を照射するための光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、および、メタルハライドランプが挙げられる。このような光源から得た紫外線または可視光線に対して、干渉フィルタまたは色フィルタなどを用いることで、照射する波長範囲を限定できる。また、これらの光源からの光に対して、偏光フィルタまたは偏光プリズムを用いることで、直線偏光を得ることができる。
また、偏光または非偏光を照射するための光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、および、メタルハライドランプが挙げられる。このような光源から得た紫外線または可視光線に対して、干渉フィルタまたは色フィルタなどを用いることで、照射する波長範囲を限定できる。また、これらの光源からの光に対して、偏光フィルタまたは偏光プリズムを用いることで、直線偏光を得ることができる。
偏光または非偏光の積算光量は特に限定されず、1~300mJ/cm2が好ましく、5~100mJ/cm2がより好ましい。
偏光または非偏光の照度は特に限定されず、0.1~300mW/cm2が好ましく、1~100mW/cm2がより好ましい。
偏光または非偏光の照度は特に限定されず、0.1~300mW/cm2が好ましく、1~100mW/cm2がより好ましい。
なお、上記では、光配向処理を実施する前に、硬化処理および酸発生処理を実施する態様を述べたが、本発明はこの態様には限定されず、光配向処理の際に、同時に硬化処理および酸発生処理を実施してもよい。
バインダー層の厚みは特に限定されず、液晶配向性がより良好となる理由から、0.1~10μmが好ましく、0.5~5μmがより好ましい。
[光学積層体]
本発明の光学積層体は、本発明のバインダー層と、バインダー層上に設けられる光学異方性層とを有する。
本発明の光学積層体の好適な態様の1つとしては、バインダー層上に設けられる光学異方性層が重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物を用いて形成されており、また、バインダー層と光学異方性層とが互いに隣接して積層されている態様が挙げられる。
また、本発明の光学積層体は、バインダー層を支持する支持体を有していることが好ましい。
以下、本発明の光学積層体の好適態様について詳述する。
本発明の光学積層体は、本発明のバインダー層と、バインダー層上に設けられる光学異方性層とを有する。
本発明の光学積層体の好適な態様の1つとしては、バインダー層上に設けられる光学異方性層が重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物を用いて形成されており、また、バインダー層と光学異方性層とが互いに隣接して積層されている態様が挙げられる。
また、本発明の光学積層体は、バインダー層を支持する支持体を有していることが好ましい。
以下、本発明の光学積層体の好適態様について詳述する。
〔支持体〕
支持体としては、例えば、ガラス基板およびポリマーフィルムが挙げられる。
ポリマーフィルムの材料としては、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体などのアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合体などのスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、および、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
支持体としては、例えば、ガラス基板およびポリマーフィルムが挙げられる。
ポリマーフィルムの材料としては、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体などのアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合体などのスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、および、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
支持体の厚みは特に限定されず、5~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましく、20~90μmがさらに好ましい。支持体は剥離可能なものが好ましい。
〔バインダー層〕
バインダー層は、上述した本発明のバインダー層である。
バインダー層は、上述した本発明のバインダー層である。
〔光学異方性層〕
光学異方性層は、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を用いて形成されることが好ましい。
ここで、光学異方性層を形成するための重合性液晶組成物としては、例えば、本発明のバインダー組成物において任意成分として記載した重合性液晶化合物、重合開始剤および溶媒などを配合した組成物が挙げられる。
光学異方性層は、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を用いて形成されることが好ましい。
ここで、光学異方性層を形成するための重合性液晶組成物としては、例えば、本発明のバインダー組成物において任意成分として記載した重合性液晶化合物、重合開始剤および溶媒などを配合した組成物が挙げられる。
光学異方性層の厚みは特に限定されず、0.1~10μmが好ましく、0.5~5μmがより好ましい。
[光学積層体の製造方法]
本発明の光学積層体の製造方法は、上述した本発明の光学積層体の好適態様を作製する方法であり、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、塗膜に対して光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程(工程1)と、バインダー層上に、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布して、光学異方性層を形成する工程(工程2)とを有する。
本発明の光学積層体の製造方法は、上述した本発明の光学積層体の好適態様を作製する方法であり、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、塗膜に対して光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程(工程1)と、バインダー層上に、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布して、光学異方性層を形成する工程(工程2)とを有する。
〔工程1〕
工程1は、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、塗膜に対して光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程である。
工程1の手順は、上述した通りである。
工程1は、上記バインダー組成物を用いて得られる塗膜中の光酸発生剤から酸を発生させた後、塗膜に対して光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程である。
工程1の手順は、上述した通りである。
〔工程2〕
工程2は、バインダー層上に、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布して、光学異方性層を形成する工程である。
重合性液晶組成物を塗布する方法は特に限定されず、工程1で例示される塗布方法が挙げられる。
工程2は、バインダー層上に、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布して、光学異方性層を形成する工程である。
重合性液晶組成物を塗布する方法は特に限定されず、工程1で例示される塗布方法が挙げられる。
光学異方性層を形成する方法としては、重合性液晶組成物の塗膜に対して加熱処理を施して、その後、硬化処理を施す方法が挙げられる。上記加熱処理により重合性液晶化合物を配向させることができる。
上記では加熱処理と硬化処理とを別々に実施したが、加熱条件下にて硬化処理を実施する方法でもよい。
なお、重合性液晶化合物の種類によって加熱処理を実施せずに配向する場合には、加熱処理は実施しなくてもよい。
塗膜を加熱した後、後述する硬化処理の前に、必要に応じて、塗膜を冷却してもよい。
上記では加熱処理と硬化処理とを別々に実施したが、加熱条件下にて硬化処理を実施する方法でもよい。
なお、重合性液晶化合物の種類によって加熱処理を実施せずに配向する場合には、加熱処理は実施しなくてもよい。
塗膜を加熱した後、後述する硬化処理の前に、必要に応じて、塗膜を冷却してもよい。
加熱処理の条件は特に限定されず、重合性液晶化合物が配向する温度であればよい。加熱温度は、通常、30~100℃が好ましく、50~80℃がより好ましい。加熱時間は、0.5~20分間が好ましく、1~5分間がより好ましい。
硬化処理の方法は特に限定されず、光照射処理、および、加熱処理が挙げられ、光照射処理が好ましい。光照射処理の際の光としては、紫外線が好ましい。
光照射を行う際の条件は特に限定されず、照射量としては10mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、20mJ/cm2~5J/cm2がより好ましく、30mJ/cm2~3J/cm2がさらに好ましい。
また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
光照射を行う際の条件は特に限定されず、照射量としては10mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、20mJ/cm2~5J/cm2がより好ましく、30mJ/cm2~3J/cm2がさらに好ましい。
また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の光学異方性層または本発明の光学積層体を有する、画像表示装置である。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、および、プラズマディスプレイパネルが挙げられる。
これらのうち、液晶セル、または、有機EL表示パネルが好ましく、液晶セルがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、または、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置が好ましい。
本発明の画像表示装置は、本発明の光学異方性層または本発明の光学積層体を有する、画像表示装置である。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、および、プラズマディスプレイパネルが挙げられる。
これらのうち、液晶セル、または、有機EL表示パネルが好ましく、液晶セルがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、または、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置が好ましい。
〔液晶表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置は、上述した本発明の光学異方性層または本発明の光学積層体と、液晶セルとを有する液晶表示装置である。
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、FFS(Fringe-Field-Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)モードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置は、上述した本発明の光学異方性層または本発明の光学積層体と、液晶セルとを有する液晶表示装置である。
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、FFS(Fringe-Field-Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)モードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
〔有機EL表示装置〕
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、偏光子、本発明の光学異方性層または本発明の光学積層体、および、有機EL表示パネルをこの順で有する態様が好適に挙げられる。
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、偏光子、本発明の光学異方性層または本発明の光学積層体、および、有機EL表示パネルをこの順で有する態様が好適に挙げられる。
<偏光子>
上記偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であれば特に限定されず、従来公知の吸収型偏光子および反射型偏光子を利用できる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子が挙げられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子とがあり、いずれも適用できる。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法としては、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、および、特許第4751486号公報に記載される方法が挙げられる。
反射型偏光子としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、および、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子が挙げられる。
これらのうち、密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(-CH2-CHOH-を繰り返し単位として含むポリマー。特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子が好ましい。
上記偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であれば特に限定されず、従来公知の吸収型偏光子および反射型偏光子を利用できる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子が挙げられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子とがあり、いずれも適用できる。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法としては、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、および、特許第4751486号公報に記載される方法が挙げられる。
反射型偏光子としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、および、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子が挙げられる。
これらのうち、密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(-CH2-CHOH-を繰り返し単位として含むポリマー。特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子が好ましい。
偏光子の厚みは特に限定されず、3~60μmが好ましく、5~30μmがより好ましく、5~15μmがさらに好ましい。
<有機EL表示パネル>
有機EL表示パネルは、陽極、陰極の一対の電極間に発光層または発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した部材であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、および、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
有機EL表示パネルは、陽極、陰極の一対の電極間に発光層または発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した部材であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、および、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<A工程>
2000mLの3口ナスフラスコに、5-クロロ-2-ペンタノン(manchester organics社)300g、(+)-10-カンファースルホン酸2.89gおよび、メタノール120mLを量りとり、水浴で攪拌しながらオルトギ酸トリメチル(日宝化学社)277gを30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間水浴で攪拌した後、ジイソプロピルエチルアミン15mLを加え反応を停止した。続いて100mmHgの減圧下でギ酸メチルを留去し、ヘキサン1200mLで希釈し、溶剤飽和炭酸水素ナトリウム水800mLで二回分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより、mB-1aを黒色液体として441g得た(収率100%)。
2000mLの3口ナスフラスコに、5-クロロ-2-ペンタノン(manchester organics社)300g、(+)-10-カンファースルホン酸2.89gおよび、メタノール120mLを量りとり、水浴で攪拌しながらオルトギ酸トリメチル(日宝化学社)277gを30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間水浴で攪拌した後、ジイソプロピルエチルアミン15mLを加え反応を停止した。続いて100mmHgの減圧下でギ酸メチルを留去し、ヘキサン1200mLで希釈し、溶剤飽和炭酸水素ナトリウム水800mLで二回分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより、mB-1aを黒色液体として441g得た(収率100%)。
<B工程>
3000mLの3口ナスフラスコに、mB-1a250g、2-(パーフルオロブチル)エタノール(Unimatec社)911g、(+)-10-カンファースルホン酸3.21gおよび、ヘキサン412mLを量りとり、窒素を60mL/minで流し、攪拌しながら72℃で30分間加熱した。続いて窒素を60mL/minで流し、内温を72℃に保持したままヘキサンを滴下ポンプを用いて13.7mL/minの流速で5時間滴下し、滴下終了後1時間攪拌した。反応途中で揮発した溶剤はDean-Stark管を用いて全て留去した。ジイソピロピルエチルアミン4.6mLを加え反応を停止し、室温まで冷却した後に、ヘキサン3300mLで希釈し、アセトニトリル/水/トリエチルアミン(5/1/0.005,vol%)1980mLで二回分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより、mB-1bを褐色液体として695g得た(収率79%)。
3000mLの3口ナスフラスコに、mB-1a250g、2-(パーフルオロブチル)エタノール(Unimatec社)911g、(+)-10-カンファースルホン酸3.21gおよび、ヘキサン412mLを量りとり、窒素を60mL/minで流し、攪拌しながら72℃で30分間加熱した。続いて窒素を60mL/minで流し、内温を72℃に保持したままヘキサンを滴下ポンプを用いて13.7mL/minの流速で5時間滴下し、滴下終了後1時間攪拌した。反応途中で揮発した溶剤はDean-Stark管を用いて全て留去した。ジイソピロピルエチルアミン4.6mLを加え反応を停止し、室温まで冷却した後に、ヘキサン3300mLで希釈し、アセトニトリル/水/トリエチルアミン(5/1/0.005,vol%)1980mLで二回分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより、mB-1bを褐色液体として695g得た(収率79%)。
<C工程>
300mLの3口ナスフラスコに、p-ヒドロキシ安息香酸メチル25g、mB-1b 100g、炭酸カリウム23g、ヨウ化カリウム6.9g、ジメチルアセトアミド50mLを量りとり、攪拌しながら85℃で12時間加熱した。室温まで冷却した後に、ヘキサン260mLと酢酸エチル140mLで希釈し、イオン交換水300mLで分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、得られた溶液を濃縮し、ヘキサンから再結晶を行うことにより、mB-1cを淡黄色固体として93g得た(収率88%)。
300mLの3口ナスフラスコに、p-ヒドロキシ安息香酸メチル25g、mB-1b 100g、炭酸カリウム23g、ヨウ化カリウム6.9g、ジメチルアセトアミド50mLを量りとり、攪拌しながら85℃で12時間加熱した。室温まで冷却した後に、ヘキサン260mLと酢酸エチル140mLで希釈し、イオン交換水300mLで分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、得られた溶液を濃縮し、ヘキサンから再結晶を行うことにより、mB-1cを淡黄色固体として93g得た(収率88%)。
<D工程>
300mLの3口ナスフラスコに、mB-1c 50g、ナトリウムメトキシド3.7g、イオン交換水1.75g、テトラヒドロフラン17.5mL、メタノール7.5mLを量りとり、攪拌しながら50℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後に、ヘキサン150mLと酢酸エチル10mLで希釈し、得られた結晶をろ取し、真空乾燥を行うことにより、mB-1dを淡黄色固体として46g得た(収率92%)。
300mLの3口ナスフラスコに、mB-1c 50g、ナトリウムメトキシド3.7g、イオン交換水1.75g、テトラヒドロフラン17.5mL、メタノール7.5mLを量りとり、攪拌しながら50℃で1時間加熱した。室温まで冷却した後に、ヘキサン150mLと酢酸エチル10mLで希釈し、得られた結晶をろ取し、真空乾燥を行うことにより、mB-1dを淡黄色固体として46g得た(収率92%)。
<最終工程>
100mLの3口ナスフラスコに、4-アミノシクロヘキサノール2.5g、トリエチルアミン2.4g、ジメチルアセトアミド18mLを量りとり、0℃で攪拌しながら塩化メタクロイル2.4gを30分かけて滴下した。滴下終了後、40℃で1時間加熱し、mB-1eを褐色溶液として得た。この反応容器にmB-1d 12.6g、ジメチルアミノピリジン0.94g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4.4gを加え、40℃で2時間加熱し、室温まで冷却した後に、メタノール10mL、水50mLを添加し、得られた結晶をろ取した。結晶は酢酸エチル200mLに溶解させ、飽和食塩水で分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、得られた溶液を濃縮し、ヘキサンから再結晶を行うことにより、mB-1で表されるモノマーmB-1を淡黄色固体として9.4g得た(収率63%)。
100mLの3口ナスフラスコに、4-アミノシクロヘキサノール2.5g、トリエチルアミン2.4g、ジメチルアセトアミド18mLを量りとり、0℃で攪拌しながら塩化メタクロイル2.4gを30分かけて滴下した。滴下終了後、40℃で1時間加熱し、mB-1eを褐色溶液として得た。この反応容器にmB-1d 12.6g、ジメチルアミノピリジン0.94g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4.4gを加え、40℃で2時間加熱し、室温まで冷却した後に、メタノール10mL、水50mLを添加し、得られた結晶をろ取した。結晶は酢酸エチル200mLに溶解させ、飽和食塩水で分液洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、得られた溶液を濃縮し、ヘキサンから再結晶を行うことにより、mB-1で表されるモノマーmB-1を淡黄色固体として9.4g得た(収率63%)。
[実施例1(光配向性ポリマーP-1の合成)]
冷却管、温度計および撹拌機を備えたフラスコに、下記モノマーmB-1を1.0質量部、下記式mC-4で表されるモノマーmC-4を1.0質量部、重合開始剤として2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)を0.02質量部と、溶媒としてトルエン2.5質量部を仕込み、フラスコ内に窒素を30mL/min流しながら、水浴加熱により70℃で7時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷し、得られた重合体溶液を大過剰のメタノール中へ投入して重合体を沈殿させ、回収した沈殿物をろ別し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃において2時間真空乾燥することにより、下記式P-1で表される光配向性ポリマーP-1を得た。なお、下記式P-1中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は110000であった。
冷却管、温度計および撹拌機を備えたフラスコに、下記モノマーmB-1を1.0質量部、下記式mC-4で表されるモノマーmC-4を1.0質量部、重合開始剤として2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)を0.02質量部と、溶媒としてトルエン2.5質量部を仕込み、フラスコ内に窒素を30mL/min流しながら、水浴加熱により70℃で7時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷し、得られた重合体溶液を大過剰のメタノール中へ投入して重合体を沈殿させ、回収した沈殿物をろ別し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃において2時間真空乾燥することにより、下記式P-1で表される光配向性ポリマーP-1を得た。なお、下記式P-1中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は110000であった。
[実施例1(光学積層体(1A)の作製)]
セルロースアシレートフィルムTG40(富士フイルム社製:厚み40μm)上にギーサー塗布機を用いて、下記の組成の円盤状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(1A-a)を塗布して、組成物層を形成した。その後、フィルムの両端を保持し、フィルムの組成物層が形成された面の側に、フィルムとの距離が5mmとなるように冷却板(9℃)を設置し、フィルムの組成物層が形成された面とは反対側に、フィルムとの距離が5mmとなるようにヒーター(110℃)を設置し、90秒間乾燥させた。
次いで、得られたフィルムを温風にて116℃で1分間加熱し、酸素濃度が100体積ppm以下の雰囲気になるように窒素パージしながら365nmのUV-LEDを用いて、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、得られた塗膜に、温風にて115℃で25秒間アニーリングした。
次いで、室温で、ワイヤーグリッド偏光子を通したUV光(超高圧水銀ランプ;UL750;HOYA製)を7.9mJ/cm2(波長:313nm)照射することで、下層(バインダー層)に該当する、表面に配向制御能を有する光学異方性層(1A-a)を形成した。
なお、形成した光学異方性層(1A-a)の膜厚は1.0μmであった。波長550nmにおける面内レタデーションReは0nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションRthは40nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、フィルム面に対して、水平に配向していることを確認した。
セルロースアシレートフィルムTG40(富士フイルム社製:厚み40μm)上にギーサー塗布機を用いて、下記の組成の円盤状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(1A-a)を塗布して、組成物層を形成した。その後、フィルムの両端を保持し、フィルムの組成物層が形成された面の側に、フィルムとの距離が5mmとなるように冷却板(9℃)を設置し、フィルムの組成物層が形成された面とは反対側に、フィルムとの距離が5mmとなるようにヒーター(110℃)を設置し、90秒間乾燥させた。
次いで、得られたフィルムを温風にて116℃で1分間加熱し、酸素濃度が100体積ppm以下の雰囲気になるように窒素パージしながら365nmのUV-LEDを用いて、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、得られた塗膜に、温風にて115℃で25秒間アニーリングした。
次いで、室温で、ワイヤーグリッド偏光子を通したUV光(超高圧水銀ランプ;UL750;HOYA製)を7.9mJ/cm2(波長:313nm)照射することで、下層(バインダー層)に該当する、表面に配向制御能を有する光学異方性層(1A-a)を形成した。
なお、形成した光学異方性層(1A-a)の膜厚は1.0μmであった。波長550nmにおける面内レタデーションReは0nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションRthは40nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、フィルム面に対して、水平に配向していることを確認した。
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光学異方性層形成用組成物(1A-a)
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下記の円盤状液晶化合物1 8質量部
下記の円盤状液晶化合物2 2質量部
下記の円盤状液晶化合物3 90.0質量部
下記の重合性モノマー1 12.0質量部
下記の重合開始剤S-1(オキシム型) 3.0質量部
下記の光酸発生剤D-1 3.0質量部
上記の光配向性ポリマーP-1 0.6質量部
トリイソプロピルアミン 0.2質量部
o-キシレン 634質量部
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光学異方性層形成用組成物(1A-a)
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下記の円盤状液晶化合物1 8質量部
下記の円盤状液晶化合物2 2質量部
下記の円盤状液晶化合物3 90.0質量部
下記の重合性モノマー1 12.0質量部
下記の重合開始剤S-1(オキシム型) 3.0質量部
下記の光酸発生剤D-1 3.0質量部
上記の光配向性ポリマーP-1 0.6質量部
トリイソプロピルアミン 0.2質量部
o-キシレン 634質量部
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次いで、上記で作製した光学異方性層(1A-a)の上に、ギーサー塗布機を用いて、下記の組成の円盤状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(1A-b)を塗布し、95℃の温風で120秒間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して95℃にてUV照射(100mJ/cm2)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、上層に該当する光学異方性層(1A-b)を形成した。
光学異方性層(1A-b)の厚みは1.5μmであり、波長550nmにおけるΔndは153nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
フィルムの幅方向を0°(長手方向は反時計回りを90°、時計回りを-90°)とすると、光学異方性層(1A-b)側から見たとき、光学異方性層(1b)の面内遅相軸方向は-14°であった。
光学異方性層(1A-b)の厚みは1.5μmであり、波長550nmにおけるΔndは153nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
フィルムの幅方向を0°(長手方向は反時計回りを90°、時計回りを-90°)とすると、光学異方性層(1A-b)側から見たとき、光学異方性層(1b)の面内遅相軸方向は-14°であった。
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光学異方性層形成用組成物(1A-b)
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上記の円盤状液晶化合物1 80質量部
上記の円盤状液晶化合物2 20質量部
下記の配向膜界面配向剤1 1.8質量部
上記の重合性モノマー1 10.0質量部
上記の重合開始剤S-1(オキシム型) 5.0質量部
下記の含フッ素化合物A 0.1質量部
下記の含フッ素化合物B 0.2質量部
下記の含フッ素化合物C 0.1質量部
下記の消泡剤1 2.1質量部
メチルエチルケトン 419質量部
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光学異方性層形成用組成物(1A-b)
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上記の円盤状液晶化合物1 80質量部
上記の円盤状液晶化合物2 20質量部
下記の配向膜界面配向剤1 1.8質量部
上記の重合性モノマー1 10.0質量部
上記の重合開始剤S-1(オキシム型) 5.0質量部
下記の含フッ素化合物A 0.1質量部
下記の含フッ素化合物B 0.2質量部
下記の含フッ素化合物C 0.1質量部
下記の消泡剤1 2.1質量部
メチルエチルケトン 419質量部
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上記手順によって、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(1A-a)と光学異方性層(1A-b)とが直接積層された光学積層体(1A)を作製した。
[実施例2]
モノマーmB-1に代えて、下記式mB-2で表されるモノマーmB-2を用いた以外は、実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、下記式P-2で表される光配向性ポリマーP-2を合成した。なお、下記式P-2中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は100000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーP-2を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(2A)を作製した。
モノマーmB-1に代えて、下記式mB-2で表されるモノマーmB-2を用いた以外は、実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、下記式P-2で表される光配向性ポリマーP-2を合成した。なお、下記式P-2中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は100000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーP-2を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(2A)を作製した。
[実施例3]
モノマーmC-4に代えて、下記式mC-5で表されるモノマーmC-5を用いた以外は、実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、下記式P-3で表される光配向性ポリマーP-3を合成した。なお、下記式P-3中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は150000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーP-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(3A)を作製した。
モノマーmC-4に代えて、下記式mC-5で表されるモノマーmC-5を用いた以外は、実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、下記式P-3で表される光配向性ポリマーP-3を合成した。なお、下記式P-3中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は150000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーP-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(3A)を作製した。
[実施例4]
モノマーmB-1に代えて、下記式mB-3で表されるモノマーmB-3を用いた以外は、実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、下記式P-4で表される光配向性ポリマーP-4を合成した。なお、下記式P-4中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は100000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーP-4を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(4A)を作製した。
モノマーmB-1に代えて、下記式mB-3で表されるモノマーmB-3を用いた以外は、実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、下記式P-4で表される光配向性ポリマーP-4を合成した。なお、下記式P-4中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bは、それぞれ、53質量%および47質量%であった。また、重量平均分子量は100000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーP-4を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(4A)を作製した。
[比較例1]
実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、光配向性ポリマーH-1を合成した。なお、下記式H-1中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bおよびcは、それぞれ、37質量%、26質量%および37質量%であった。また、重量平均分子量は80000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーH-1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(H1A)を作製した。
実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、光配向性ポリマーH-1を合成した。なお、下記式H-1中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bおよびcは、それぞれ、37質量%、26質量%および37質量%であった。また、重量平均分子量は80000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーH-1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(H1A)を作製した。
[比較例2]
実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、光配向性ポリマーH-2を合成した。なお、下記式H-2中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bおよびcは、それぞれ、37質量%、26質量%および37質量%であった。また、重量平均分子量は100000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーH-2を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(H2A)を作製した。
実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、光配向性ポリマーH-2を合成した。なお、下記式H-2中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bおよびcは、それぞれ、37質量%、26質量%および37質量%であった。また、重量平均分子量は100000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーH-2を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(H2A)を作製した。
[比較例3]
実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、光配向性ポリマーH-3を合成した。なお、下記式H-3中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bおよびcは、それぞれ、40質量%、24質量%および36質量%であった。また、重量平均分子量は50000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーH-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(H3A)を作製した。
実施例1で合成した光配向性ポリマーP-1と同様の方法で、光配向性ポリマーH-3を合成した。なお、下記式H-3中の各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、a、bおよびcは、それぞれ、40質量%、24質量%および36質量%であった。また、重量平均分子量は50000であった。
また、光配向性ポリマーP-1に代えて、光配向性ポリマーH-3を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、光学積層体(H3A)を作製した。
[評価]
〔液晶配向性〕
2枚の偏光板をクロスニコルに配置し、その間に作製した光学積層体を配置して光漏れの程度および偏光顕微鏡で面状を観察した。結果を下記表1に示す。
AA:液晶ダイレクタが均一に整って配向し、表示性能が優れる。
A:液晶ダイレクタの乱れがなく、面状が安定している。
B:液晶ダイレクタの乱れが部分的であり、面状が安定している。
C:液晶ダイレクタが大幅に乱れて面状が安定せず、表示性能が非常に劣る。
ここで、安定した面状とは、クロスニコル配置した2枚の偏光板の間に光学積層体を設置して観察した際にムラや配向不良等の欠陥がない状態を意図する。
また、液晶ダイレクタとは液晶性分子の長軸が配向している方向(配向主軸)のベクトルを意図する。
なお、下記表1においては、液晶配向性の評価に関して、上層だけでなく、下層についても評価しているが、下層の評価は、支持体上に下層(バインダー層)に該当する光学異方性層を形成したサンプルを用いて行った。
〔液晶配向性〕
2枚の偏光板をクロスニコルに配置し、その間に作製した光学積層体を配置して光漏れの程度および偏光顕微鏡で面状を観察した。結果を下記表1に示す。
AA:液晶ダイレクタが均一に整って配向し、表示性能が優れる。
A:液晶ダイレクタの乱れがなく、面状が安定している。
B:液晶ダイレクタの乱れが部分的であり、面状が安定している。
C:液晶ダイレクタが大幅に乱れて面状が安定せず、表示性能が非常に劣る。
ここで、安定した面状とは、クロスニコル配置した2枚の偏光板の間に光学積層体を設置して観察した際にムラや配向不良等の欠陥がない状態を意図する。
また、液晶ダイレクタとは液晶性分子の長軸が配向している方向(配向主軸)のベクトルを意図する。
なお、下記表1においては、液晶配向性の評価に関して、上層だけでなく、下層についても評価しているが、下層の評価は、支持体上に下層(バインダー層)に該当する光学異方性層を形成したサンプルを用いて行った。
〔上層塗布性〕
作製したバインダー層(下層)の表面エネルギーを以下に示す方法で測定し、以下の基準で上層塗布性を評価した。結果を下記表1に示す。なお、測定には、下記表1に示すアニーリング温度で作製したバインダー層(下層)を用いた。
<表面エネルギーの測定方法>
バインダー層形成用組成物の表面エネルギーと、365nmのUV-LED照射後の加熱後(110℃/120℃/135℃でそれぞれ測定)のバインダー層の表面エネルギーをそれぞれ測定した。なお、表面エネルギーは接触角計[“CA-X”型接触角計、協和界面科学(株)製]を用いた。具体的な測定方法は下記の通りである。
石英基板上に測定対象をスピンコートした。なお、溶媒を含有する場合は乾燥させて膜を作成した。続いて、接触角計を用い、乾燥状態(20℃/65%RH)で、液体として純水を使用して直径1.0mmの液滴を針先に作り、これを上記のスピンコート膜の表面に接触させてフィルム上に液滴を作った。フィルムと液体とが接する点における、液体表面に対する接線とフィルム表面がなす角で、液体を含む側の角度を接触角とし、測定した。また、水の代わりにヨウ化メチレンを用いて接触角を測定し、以下で定義される表面自由エネルギーを求めた。
ここで、表面自由エネルギー(γsv:単位、mN/m)とは、D.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)を参考に、反射防止フィルム上で実験的に求めた純水H2Oとヨウ化メチレンCH2I2のそれぞれの接触角θH2O、θCH2I2から以下の連立方程式a,bより求めたγsdとγshの和で表される値γsv(=γsd+γsh)で定義した。
a.1+cosθH2O=2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
b.1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8
γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
<評価基準>
A:表面エネルギーの差異が20mN/m以上
B:表面エネルギーの差異が10mN/m以上20mN/m未満
C:表面エネルギーの差異が10mN/m未満
作製したバインダー層(下層)の表面エネルギーを以下に示す方法で測定し、以下の基準で上層塗布性を評価した。結果を下記表1に示す。なお、測定には、下記表1に示すアニーリング温度で作製したバインダー層(下層)を用いた。
<表面エネルギーの測定方法>
バインダー層形成用組成物の表面エネルギーと、365nmのUV-LED照射後の加熱後(110℃/120℃/135℃でそれぞれ測定)のバインダー層の表面エネルギーをそれぞれ測定した。なお、表面エネルギーは接触角計[“CA-X”型接触角計、協和界面科学(株)製]を用いた。具体的な測定方法は下記の通りである。
石英基板上に測定対象をスピンコートした。なお、溶媒を含有する場合は乾燥させて膜を作成した。続いて、接触角計を用い、乾燥状態(20℃/65%RH)で、液体として純水を使用して直径1.0mmの液滴を針先に作り、これを上記のスピンコート膜の表面に接触させてフィルム上に液滴を作った。フィルムと液体とが接する点における、液体表面に対する接線とフィルム表面がなす角で、液体を含む側の角度を接触角とし、測定した。また、水の代わりにヨウ化メチレンを用いて接触角を測定し、以下で定義される表面自由エネルギーを求めた。
ここで、表面自由エネルギー(γsv:単位、mN/m)とは、D.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)を参考に、反射防止フィルム上で実験的に求めた純水H2Oとヨウ化メチレンCH2I2のそれぞれの接触角θH2O、θCH2I2から以下の連立方程式a,bより求めたγsdとγshの和で表される値γsv(=γsd+γsh)で定義した。
a.1+cosθH2O=2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
b.1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8
γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
<評価基準>
A:表面エネルギーの差異が20mN/m以上
B:表面エネルギーの差異が10mN/m以上20mN/m未満
C:表面エネルギーの差異が10mN/m未満
上記表1に示す結果から、上記式(1)で表される繰り返し単位を有さず、上記式(B1)および(B2)に相当する酸開裂基を含む繰り返し単位と、光配向性基を含む繰り返し単位とを別々に有する光配向性ポリマーを用いた場合には、上層の液晶配向性が劣ることが分かった(比較例1~3)。また、比較例3については、115℃で下層(バインダー層)を形成した場合には上層塗布性が劣ることが分かった。
一方、上記式(1)で表される繰り返し単位を有する光配向性ポリマーを用いた場合には、上層の液晶配向性が良好となり、また、上層塗布性も良好となることが分かった(実施例1~4)。
また、実施例1と実施例4との対比から、上記式(1)中のAが上記式(B1)で表される酸開裂基であると、液晶配向性がより良好となることが分かった。
一方、上記式(1)で表される繰り返し単位を有する光配向性ポリマーを用いた場合には、上層の液晶配向性が良好となり、また、上層塗布性も良好となることが分かった(実施例1~4)。
また、実施例1と実施例4との対比から、上記式(1)中のAが上記式(B1)で表される酸開裂基であると、液晶配向性がより良好となることが分かった。
Claims (13)
- 下記式(1)で表される繰り返し単位を有する光配向性ポリマー。
R1は、水素原子または置換基を表す。
Xは、-O-、-S-、または、-NR2-を表し、R2は、水素原子または置換基を表す。
L1は、単結合または2価の連結基を表す。
Pは、光配向性基を表す。
Aは、下記式(B1)または(B2)で表される、酸の作用により分解して極性基を生じる酸開裂基を表す。
*は、結合位置を表す。
Lb1およびLb2は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
Yは、フッ素原子またはケイ素原子を含む基を表す。ただし、前記式(B1)中の2個のYは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Rb1およびRb2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ただし、前記式(B2)中の2個のRb2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。 - 架橋性基を有する繰り返し単位をさらに有する、請求項1に記載の光配向性ポリマー。
- 前記式(1)で表される繰り返し単位の含有量aと、前記架橋性基を有する繰り返し単位の含有量bとが、質量比で以下の式(D1)を満たす、請求項3に記載の光配向性ポリマー。
0.03≦a/(a+b)≦0.8・・・(D1) - 重量平均分子量が10000~500000である、請求項1に記載の光配向性ポリマー。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の光配向性ポリマー、バインダー、および、光酸発生剤を含む、バインダー組成物。
- 請求項8に記載のバインダー組成物を用いて形成され、その表面が配向制御能を有する、バインダー層。
- 請求項9に記載のバインダー層と、
前記バインダー層上に配置される光学異方性層と、を有する光学積層体。 - 請求項8に記載のバインダー組成物を用いて得られる塗膜に対して、前記光酸発生剤から酸を発生させ、その後、光配向処理を施して、バインダー層を形成する工程と、
前記バインダー層上に、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布して、光学異方性層を形成する工程と、を有する光学積層体の製造方法。 - 請求項9に記載のバインダー層を有する、画像表示装置。
- 請求項10に記載の光学積層体を有する、画像表示装置。
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US18/055,660 US11827727B2 (en) | 2021-11-29 | 2022-11-15 | Photo-alignment polymer, binder composition, binder layer, optical laminate, optical laminate manufacturing method, and image display device |
KR1020220158547A KR20230080321A (ko) | 2021-11-29 | 2022-11-23 | 광배향성 폴리머, 바인더 조성물, 바인더층, 광학 적층체, 광학 적층체의 제조 방법, 화상 표시 장치 |
CN202211502267.1A CN116178621A (zh) | 2021-11-29 | 2022-11-28 | 光取向性聚合物、粘合剂组合物、粘合剂层、光学层叠体及其制造方法、图像显示装置 |
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2022
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