JP7335986B2 - 化合物、液晶組成物、液晶フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、化合物、液晶組成物、および、液晶フィルムに関する。
液晶化合物を用いて形成される液晶層は、ディスプレイ分野で使用される光学フィルムの用途に用いられている。
液晶層の形成方法としては、光配向性成分を含む光配向層を用いる方法が知られている(文献1)。具体的には、配向規制力を有する光配向層を形成した後、その上に液晶層形成用組成物を塗布して、液晶層を形成する方法が知られている。
国際公開第2015/178447号
一方、近年、工業的な点から、液晶層をより簡便な方法で作製することが求められている。特許文献1に記載の方法では、光配向層形成用組成物を塗布して光配向層を形成した後、光配向層上に液晶化合物を含む組成物を塗布する方法が実施されており、少なくとも2回の塗布操作が実施されていた。仮に、1回の塗布操作で、液晶層を形成することができれば、工業的な点から望ましい。
本発明者らは、特許文献1に記載される光配向化合物と液晶化合物とを含む液晶組成物を基材上に塗布して、1回の塗布操作で液晶層の形成を試みたところ、液晶化合物の配向性が十分でなく、改良の余地があることを知見した。
本発明は、上記実情に鑑みて、液晶化合物と併用して液晶層を形成した際に、液晶化合物の配向性に優れる液晶層を形成することが可能な化合物を提供することを課題とする。
また、本発明は、液晶組成物および液晶フィルムを提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、以下の構成の本発明を完成させた。
(1) 光配向性基と、後述する式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つとを有する化合物。
(2) 光配向性基を有する繰り返し単位A、および、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位Bを含む、(1)に記載の化合物。
(3) 繰り返し単位Bが、後述する式(1)~(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含む、(2)に記載の化合物。
(4) 繰り返し単位Bが式(1)で表される繰り返し単位または式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%であり、
繰り返し単位Bが式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、15~40質量%であり、
繰り返し単位Bが式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、40~80質量%である、(3)に記載の化合物。
(5) 繰り返し単位Bが、後述する式(5)~(7)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含む、(2)~(4)のいずれかに記載の化合物。
(6) (1)~(5)のいずれかに記載の化合物と、液晶化合物とを含む液晶組成物。
(7) (6)に記載の液晶組成物を用いて形成された液晶フィルム。
本発明によれば、液晶化合物と併用して液晶層を形成した際に、液晶化合物の配向性に優れる液晶層を形成することが可能な化合物を提供することもできる。
また、本発明によれば、液晶組成物および液晶フィルムを提供することもできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリルおよびメタクリルのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan、Axometrics社製において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折計(NAR-4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルターとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
本明細書中における「光」とは、活性光線または放射線を意味し、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光:Extreme Ultraviolet)、X線、紫外線、および、電子線(EB:Electron Beam)などを意味する。なかでも、紫外線が好ましい。
また、本明細書において表記される2価の基(例えば、-O-CO-)の結合方向は特に限定されず、例えば、「L-L-L」の結合においてLが-O-CO-である場合、L側に結合している位置を*1、L側に結合している位置を*2とすると、Lは*1-O-CO-*2であってもよく、*1-CO-O-*2であってもよい。
本発明の化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)の特徴点としては、後述する式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する点が挙げられる。式(A)~(D)で表される基は、基材との相互作用がしやすく、化合物を基材側に偏在しやすくする。なお、以下、式(A)~(D)で表される基を、まとめて相互作用性基ともいう。
そのため、特定化合物および液晶化合物を含む液晶組成物を用いて基材上に塗膜を形成すると、塗膜中の特定化合物が基材側に偏在しやすくなる。このような塗膜に対して偏光を照射すると、塗膜中の基材側の領域において、配向規制力の高い光配向層として機能し得る領域が形成されやすくなる。そのため、塗膜中の液晶化合物の配向性が高くなり、結果として、液晶化合物の配向性に優れる液晶フィルムが形成される。
本発明の化合物は、光配向性基と、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つとを有する。
なお、後述するように化合物は、ポリマーであってもよい。化合物がポリマーである場合、ポリマーは光配向性基と、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つとを同じ繰り返し単位中に有していてもよいし、異なる繰り返し単位中に有していてもよい。つまり、ポリマーは、光配向性基および式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位を含んでいてもよいし、光配向性基を有する繰り返し単位と式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位との2種の繰り返し単位を含んでいてもよい。
以下、特定化合物について詳述する。
<光配向性基>
光配向性基とは、異方性を有する光(例えば、平面偏光など)の照射により、再配列または異方的な化学反応が誘起される光配向機能を有する基をいい、配向の均一性に優れ、熱的安定性または化学的安定性も良好となる点から、光の作用により二量化および異性化の少なくとも一方が生じる光配向性基が好ましい。
光の作用により二量化する光配向性基としては、例えば、桂皮酸誘導体(M. Schadt et al., J. Appl. Phys., vol. 31, No. 7, page 2155 (1992))、クマリン誘導体(M. Schadt et al., Nature., vol. 381, page 212 (1996))、カルコン誘導体(小川俊博他、液晶討論会講演予稿集,2AB03(1997))、マレイミド誘導体、および、ベンゾフェノン誘導体(Y. K. Jang et al., SID Int. Symposium Digest, P-53 (1997))からなる群から選択される少なくとも1種の誘導体の骨格を有する基が挙げられる。
一方、光の作用により異性化する光配向性基としては、例えば、アゾベンゼン化合物(K. Ichimura et al.,Mol.Cryst.Liq.Cryst ., 298, 221(1997))、スチルベン化合物(J.G.Victor and J.M.Torkelson,Macromolecules, 20, 2241(1987))、スピロピラン化合物(K. Ichimura et al., Chemistry Letters, page 1063 (1992);K.Ichimura et al., Thin Solid Films, vol. 235, page 101 (1993))、桂皮酸化合物(K.Ichimura et al.,Macromolecules, 30, 903 (1997))、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物(S. Yamamura et al., Liquid Crystals, vol. 13, No. 2, page 189 (1993))からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基が挙げられる。
これらのうち、光配向性基が、シンナモイル基、アゾベンゼン基、カルコニル基、および、クマリン基からなる群から選択されることが好ましい。
特定化合物は、液晶化合物の配向性により優れる液晶層が得られる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、ポリマーであることが好ましい。
特定化合物は、光配向性基を有する繰り返し単位Aを含むことが好ましい。
繰り返し単位Aの主鎖の構造は特に限定されず、公知の構造が挙げられ、(メタ)アクリル系、スチレン系、シロキサン系、シクロオレフィン系、メチルペンテン系、アミド系、および、芳香族エステル系からなる群から選択される骨格が好ましい。
これらのうち、(メタ)アクリル系、シロキサン系、および、シクロオレフィン系からなる群から選択される骨格がより好ましく、(メタ)アクリル系骨格がさらに好ましい。
繰り返し単位Aとしては、式(W)で表される繰り返し単位が好ましい。
W1は、水素原子またはメチル基を表す。
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の好適態様は、後述するLで表される2価の連結基の好適態様と同じである。
W2、RW3、RW4、RW5およびRW6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。RW2、RW3、RW4、RW5およびRW6のうち、隣接する2つの基が結合して環を形成していてもよい。
上記置換基の種類は特に制限されず、後述するRおよびRで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。なかでも、炭素数1~20のアルコキシ基が好ましい。
特定化合物中における繰り返し単位Aの含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、特定化合物中の全繰り返し単位に対して、15~98質量%が好ましく、30~95質量%がより好ましい。
<式(A)~(D)で表される基(相互作用性基)>
特定化合物は、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する。上述したように、これらの基は、基材との相互作用がしやすく、特定化合物を基材側に偏在しやすくする。
式中、*は結合位置を表す。
は、有機陽イオン基を表す。有機陽イオン基とは、正電荷を有する有機基である。有機陽イオン基は特に制限されず、4級アンモニウム基およびピリジニウム基が挙げられる。なかでも、4級アンモニウム基が好ましい。
は、アニオンを表す。アニオンの種類は特に制限されず、公知のアニオンが挙げられる。例えば、ハロゲンイオン(F、Cl、Br、I)、NO 、CIO 、BF 、CO 2-、および、SO 2-などの無機アニオン、CHOSO 、COSO 、さらには酢酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、および、トリフルオロ酢酸などの有機酸残基からなる有機アニオンが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ハロゲンイオン(ハロゲンアニオン)が好ましい。
は、陰イオン基を表す。陰イオン基とは、負電荷を有する基である。陰イオン基は特に制限されず、-COO、および、-SO が挙げられる。
は、有機カチオンを表す。有機カチオンは特に制限されず、有機アンモニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、および、有機ホスホニウムカチオンが挙げられる。なかでも、有機アンモニウムカチオンが好ましい。
有機アンモニウムカチオンとは、N(R)で表されるカチオンである。Rは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5がさらに好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、RおよびRのいずれか一方は水素原子である。
アルキル基の炭素数は特に制限されず、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アリール基としては、単環構造でも、多環構造でもよい。
ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は特に制限されず、窒素原子、酸素原子、および、硫黄原子が挙げられる。
およびRで表される基(アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基)が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられる。置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、芳香族ヘテロ環チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えば、ヘテロアリール基)、シリル基、および、これらを組み合わせた基などが挙げられる。なお、上記置換基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
は、炭素数1~20のアルキル基を表す。
アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
なお、Rが炭素数2~20のアルキル基である場合、アルキル基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-N(Q)-、-CO-O-、-O-CO-または-CO-に置換されていてもよい。
Qは置換基を表す。置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RおよびRで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
*は結合位置を表す。
上述したように、特定化合物はポリマーであることが好ましい。
特定化合物は、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位Bを含むことが好ましい。
繰り返し単位Bが、式(1)~(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含むことが好ましい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、特定化合物は、式(1)で表される繰り返し単位、式(2)で表される繰り返し単位、または、式(4)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。また、特定化合物は、式(1)~(4)で表される繰り返し単位を複数有していてもよい。例えば、式(1)で表される繰り返し単位、式(2)で表される繰り返し単位、または、式(4)で表される単位と、式(3)で表される繰り返し単位と、を含むこともできる。
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基を表す。
アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アルキル基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RおよびRで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
、L、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基は特に制限されず、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基(例えば、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、および、炭素数1~10のアルキニレン基などの2価の脂肪族炭化水素基、並びに、アリーレン基などの2価の芳香族炭化水素基)、置換基を有していてもよい2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R)-、-CO-、または、これらを組み合わせた基(例えば、-CO-O-、-O-2価の炭化水素基-、-(O-2価の炭化水素基)-O-(mは、1以上の整数を表す)、および、-2価の炭化水素基-O-CO-など)が挙げられる。Rは、水素原子またはアルキル基を表す。
2価の炭化水素基および2価の複素環基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RおよびRで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
、Y、D、E、R、RおよびRの定義は上述した通りである。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、繰り返し単位Bは、式(5)~(7)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含むことが好ましい。
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基を表す。
上記アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アルキル基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RおよびRで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
、LおよびLは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、上述した、L、L、LおよびLで表される2価の連結基で例示した基が挙げられる。
は、アニオンを表す。式(5)中のYは、式(1)中のYと同義である。
は、有機カチオンを表す。式(6)中のEは、式(2)中のEと同義である。
、RおよびR10は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基を表す。
上記アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アルキル基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RおよびRで表されるアルキル基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
特定化合物中における繰り返し単位Bの含有量は特に制限されない。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、繰り返し単位Bが式(1)で表される繰り返し単位または式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%であることが好ましい。
また、繰り返し単位Bが式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、15~40質量%であることが好ましい。
また、繰り返し単位Bが式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、40~80質量%であることが好ましい。
特定化合物は、上述した、繰り返し単位A、および、繰り返し単位Bを含むことが好ましい。
特定化合物は、繰り返し単位A、および、繰り返し単位B以外の、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
特定化合物は、架橋性基を有する繰り返し単位を含んでいてもよい。
架橋性基を有する繰り返し単位の主鎖の構造は特に限定されず、公知の構造が挙げられ、(メタ)アクリル系、スチレン系、シロキサン系、シクロオレフィン系、メチルペンテン系、アミド系、および、芳香族エステル系からなる群から選択される骨格が好ましい。
これらのうち、(メタ)アクリル系、シロキサン系、および、シクロオレフィン系からなる群から選択される骨格がより好ましく、(メタ)アクリル系骨格がさらに好ましい。
架橋性基を有する繰り返し単位としては、式(Z)で表される繰り返し単位が好ましい。
11は、水素原子またはメチル基を表す。
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、上述した、L、L、LおよびLで表される2価の連結基で例示した基が挙げられる。
Zは、架橋性基を表す。架橋性基の種類は特に制限されず、公知の架橋性基が挙げられ、例えば、ラジカル重合性基、および、カチオン重合性基が挙げられる。
架橋性基としては、式(Z1)~(Z4)で表される基のいずれかが好ましい。
は、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。
は、水素原子またはメチル基を表す。
*は結合位置を表す。
特定化合物が架橋性基を有する繰り返し単位を含む場合、特定化合物中における架橋性基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、特定化合物中の全繰り返し単位に対して、20~80質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましい。
他の繰り返し単位としては、繰り返し単位A、繰り返し単位B、および、架橋性基を有する繰り返し単位とは異なる、アルキル基を有する繰り返し単位が挙げられる。
アルキル基の炭素数は特に制限されず、1~20が好ましく、1~15がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。熱による特定化合物の配向緩和を抑制できる点で、環状のアルキル基が好ましい。環状のアルキル基としては、アダマンタンなどが挙げられる。
特定化合物が上記アルキル基を有する繰り返し単位を含む場合、特定化合物中におけるアルキル基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、特定化合物中の全繰り返し単位に対して、20~80質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましい。
特定化合物がポリマーである場合、特定化合物の重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、10000~500000が好ましく、20000~300000がより好ましい。
本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、以下に示す条件でゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):THF(テトラヒドロフラン)
・装置名:TOSOH HLC-8320GPC
・カラム:TOSOH TSKgel Super HZM-H(4.6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:40℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:1.0ml/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000~1050(Mw/Mn=1.03~1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
光配向化合物は、公知の方法で合成できる。
<液晶組成物>
本発明の液晶化合物は、上述した特定化合物、および、液晶化合物を含む。
特定化合物は上述した通りであり、説明を省略する。
(液晶化合物)
液晶化合物の種類は特に限定されず、例えば、ホメオトロピック配向、ホモジニアス配向、ハイブリッド配向およびコレステリック配向のいずれかの配向が可能な化合物が挙げられる。
ここで、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプとに分類できる。さらに、それぞれ低分子と高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物)が好ましい。また、モノマーであるか、重合度が100未満の比較的低分子量な液晶化合物が好ましい。
液晶化合物は、重合性基を有することが好ましい。つまり、液晶化合物は、重合性液晶化合物であることが好ましい。重合性液晶化合物が有する重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、および、ビニル基が挙げられる。
このような重合性液晶化合物を重合させることにより、液晶化合物の配向を固定することができる。なお、液晶化合物が重合によって固定された後においては、もはや液晶性を示す必要はない。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1または特開2005-289980号公報の段落[0026]~[0098]に記載のものを好ましく、ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落[0020]~[0067]または特開2010-244038号公報の段落[0013]~[0108]に記載のものを好ましい
上記重合性液晶化合物として、逆波長分散性の液晶化合物を用いることができる。
ここで、本明細書において「逆波長分散性」の液晶化合物とは、この化合物を用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレタデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいう。
逆波長分散性の液晶化合物は、上記のように逆波長分散性のフィルムを形成できるものであれば特に限定されず、例えば、特開2008-297210号公報に記載の一般式(I)で表される化合物(特に、段落[0034]~[0039]に記載の化合物)、特開2010-084032号公報に記載の一般式(1)で表される化合物(特に、段落[0067]~[0073]に記載の化合物)、および、特開2016-081035公報に記載の一般式(1)で表される化合物(特に、段落[0043]~[0055]に記載の化合物)が挙げられる。
さらに、特開2011-006360号公報の段落[0027]~[0100]、特開2011-006361号公報の段落[0028]~[0125]、特開2012-207765号公報の段落[0034]~[0298]、特開2012-077055号公報の段落[0016]~[0345]、WO12/141245号公報の段落[0017]~[0072]、WO12/147904号公報の段落[0021]~[0088]、WO14/147904号公報の段落[0028]~[0115]に記載の化合物が挙げられる。
液晶組成物中における光配向化合物の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、液晶化合物の含有量に対して、0.01~30質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
液晶組成物中における液晶化合物の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、99質量%以下の場合が多い。
なお、液晶組成物中の全固形分とは、液晶層を構成する成分を意図し、溶媒は含まれない。
(他の成分)
液晶組成物は、上述した、液晶化合物および光配向化合物以外の他の化合物を含んでいてもよい。
液晶組成物は、レベリング剤を含んでいてもよい。
レベリング剤は、フッ素原子またはケイ素原子を有することが好ましい。つまり、レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤またはケイ素系レベリング剤が好ましく、フッ素系レベリング剤がより好ましい。
レベリング剤の具体例としては、特開2007-069471号公報の段落[0079]~[0102]の記載の化合物、特開2013-047204号公報に記載の一般式(I)で表される化合物、特開2012-211306号公報に記載の一般式(I)で表される化合物、特開2002-129162号公報に記載の一般式(I)で表される液晶配向促進剤、特開2005-099248号公報に記載の一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物が挙げられる。
液晶組成物中におけるレベリング剤の含有量は、液晶組成物中の全固形分に対して、0.01~5質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましい。
液晶組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて選択され、例えば、熱重合開始剤、および、光重合開始剤が挙げられる。例えば、光重合開始剤としては、α-カルボニル化合物、アシロインエーテル、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、および、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせなどが挙げられる。
液晶組成物中における重合開始剤の含有量は、液晶組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.3~10質量%がより好ましい。
液晶組成物は、熱酸発生剤を含んでいてもよい。特に、特定化合物がカチオン重合性基を有する場合、液晶フィルムを形成する際に熱酸発生剤を用いて、カチオン重合性基を重合させることにより耐熱性に優れる液晶フィルムが得られる。
液晶組成物中における熱酸発生剤の含有量は、液晶組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.3~10質量%がより好ましい。
また、液晶組成物は、重合性モノマーを含んでいてもよい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の化合物が挙げられる。なかでも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。また、重合性モノマーとしては、上記の重合性基を有する液晶化合物と共重合性のモノマーが好ましい。例えば、特開2002-296423号公報中の段落[0018]~[0020]に記載の重合性モノマーが挙げられる。
液晶組成物中における重合性モノマーの含有量は、液晶化合物の全質量に対して、1~50質量%が好ましく、2~30質量%がより好ましい。
また、液晶組成物は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、アミン(例:ジイソプロピルエチルアミン)、アミド(例:N,N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例:ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例:ピリジン、1,3-ジオキソラン)、炭化水素(例:ベンゼン、ヘキサン、トルエン)、アルキルハライド(例:クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例:アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン)、および、エーテル(例:テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン)が挙げられる。なお、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
また、液晶組成物は、垂直配向剤、および、水平配向剤などの各種配向制御剤を含んでいてもよい。これらの配向制御剤は、界面側において液晶化合物を水平または垂直に配向制御可能な化合物である。
さらに、液晶組成物は、上記成分以外に、重合禁止剤、密着改良剤、および、可塑剤を含んでいてもよい。
特に、後述する工程2において液晶化合物の重合を抑制する目的で、液晶組成物は重合禁止剤を含んでいてもよい。
<液晶フィルムおよびその形成方法>
本発明の液晶フィルムは、上述した液晶組成物を用いて形成される。
本発明の液晶フィルムの製造方法は特に制限されず、上述した液晶組成物を用いる方法であればよく、以下の工程1~3を有することが好ましい。
より具体的には、以下の工程1~3を有する製造方法が好ましい。
工程1:特定化合物および重合性液晶化合物を含む液晶組成物を基材上に塗布して、塗膜を形成する工程
工程2:形成された塗膜に対して、偏光を照射する工程
工程3:工程2で得られた塗膜中の重合性液晶化合物を配向させた後、硬化処理を施して液晶フィルムを形成する工程
以下、工程1~3の手順について詳述する。
(工程1)
工程1は、特定化合物および重合性液晶化合物を含む液晶組成物を基材上に塗布して、塗膜を形成する工程である。本工程を実施することにより、特定化合物中の相互作用性基と基材との間で相互作用が生じて、塗膜中において特定化合物が基材側に偏在しやすくなる。
使用される液晶組成物は、上述した通りである。
基材は、有機基材(有機材料で構成される基材)であってもよいし、無機基材(無機材料で構成される基材)であってもよく、有機基材が好ましい。
有機基材としては、樹脂基材が好ましい。
樹脂基材の材料としては、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、および、ラクトン環含有重合体であるアクリル酸エステル重合体などのアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、および、アクリロニトリルスチレン共重合体などのスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、および、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィン系ポリマー;、塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、および、芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
無機基材としては、ガラス基材が挙げられる。
基材は、透明であることが好ましい。つまり、基材としては、透明基材が好ましい。
なお、透明基材とは、可視光の透過率が60%以上である基材を意図し、その透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
基材は、その表面に水素結合性基を有することが好ましい。
水素結合性基としては、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、ウレア基、および、ウレタン基が挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、ヒドロキシ基またはカルボキシ基が好ましい。
基材の表面に水素結合性基を導入する方法は特に制限されず、コロナ処理、および、紫外線照射処理などの公知の表面処理方法が挙げられる。
また、基材を構成する材料(例えば、ポリマー)自体が、水素結合性基を有していてもよい。
また、基材は、基材を構成する主成分とは別に、水素結合性基を有する添加剤を含んでいてもよい。
さらに、基材は、熱または光などにより分解して、水素結合性基を生じる化合物を含み、所定の処理(例えば、光照射処理、または、加熱処理)を施すことにより、基材の表面に水素結合性基を導入してもよい。
基材の表面の水接触角は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、80°以下が好ましく、70°以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、1°以上の場合が多い。
基材の表面の水接触角の測定方法としては、以下の通りである。
まず、接触角計[“CA-X”型接触角計、協和界面科学(株)製]を用い、乾燥状態(20℃/65%RH)で、液体として純水を使用して3μLの液滴を針先に作り、これを基材表面に接触させて、基材上に液滴を作る。滴下後15秒での基材と液体とが接する点における、液体表面に対する接線と基材表面がなす角で、液体を含む側の角度を測定し、水接触角とする。
基材は、単層構造であっても、複層構造であってもよい。
基材が複層構造である場合、基材は、支持体と、支持体上に配置される光学異方性層とを有していてもよい。
光学異方性層としては、面内方向に位相差を有する光学異方性層、および、厚み方向に位相差を有する光学異方性層が挙げられる。
基材の厚みは特に限定されず、5~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましく、20~90μmがさらに好ましい。
液晶組成物を基材上に塗布する方法は特に制限されず、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、および、ワイヤーバー法が挙げられる。
なお、塗膜を形成した後であって、後述する工程2の前に、塗膜に対して加熱処理を施してもよい。加熱処理を施すことにより、特定化合物がより基材側により偏在しやすくなる。
加熱処理の際の加熱温度としては、本発明の効果がより優れる点で、加熱温度としては50~250℃が好ましく、50~150℃がより好ましく、加熱時間としては10秒間~10分間が好ましい。
(工程2)
工程2は、形成された塗膜に対して、偏光を照射する工程である。偏光を照射することにより、塗膜中に偏在している特定化合物が所定の方向に配向し、塗膜中の一部の領域が光配向膜として機能しやすくなる。
塗膜に対して照射する偏光は特に制限はなく、例えば、直線偏光、円偏光、および、楕円偏光が挙げられ、直線偏光が好ましい。
偏光における波長は特に制限はないが、例えば、紫外線、近紫外線、および、可視光線が挙げられる。なかでも、250~450nmの近紫外線が好ましい。
また、偏光を照射するための光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、および、メタルハライドランプが挙げられる。このような光源から得た紫外線または可視光線に対して、干渉フィルタまたは色フィルタなどを用いることで、照射する波長範囲を制限できる。また、これらの光源からの光に対して、偏光フィルタまたは偏光プリズムを用いることで、直線偏光を得ることができる。
偏光の照射方向は特に制限されず、塗膜側から照射してもよいし、基材側から照射してもよい。本発明の効果がより優れる点で、基材側から照射することが好ましい。
偏光の積算光量は特に制限されないが、1~300mJ/cmが好ましく、2~100mJ/cmがより好ましい。
(工程3)
工程3は、工程2で得られた塗膜中の重合性液晶化合物を配向させた後、硬化処理を施して液晶フィルムを形成する工程である。本工程を実施することにより、工程2により得られた所定の方向に配向した特定化合物の配向規制力に基づいて重合性液晶化合物が配向され、この配向された重合性液晶化合物に対して硬化処理を施すことにより、配向した液晶化合物を固定してなる液晶フィルムが形成される。
重合性液晶化合物を配向させる方法としては、加熱処理が挙げられる。
塗膜を加熱する場合の条件は特に制限されないが、加熱温度としては50~250℃が好ましく、50~150℃がより好ましく、加熱時間としては10秒間~10分間が好ましい。
また、塗膜を加熱した後、後述する硬化処理の前に、必要に応じて、塗膜を冷却してもよい。冷却温度としては20~200℃が好ましく、30~150℃がより好ましい。
次に、重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して硬化処理を施す。
重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して実施される硬化処理の方法は特に制限されず、例えば、光照射処理および加熱処理が挙げられる。なかでも、製造適性の点から、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
光照射処理の照射条件は特に制限されないが、50~1000mJ/cmの照射量が好ましい。
光照射処理の際の雰囲気は特に制限されないが、窒素雰囲気が好ましい。
上記工程1~3の手順を実施することにより、基材上に液晶フィルムが得られる。
なお、上記工程1で使用される液晶組成物がレベリング剤を含む場合、形成される液晶フィルムの基材側とは反対側にレベリング剤が偏在する。
つまり、液晶組成物がレベリング剤を含む場合に形成される液晶フィルムは、液晶化合物と、特定化合物と、レベリング剤と、含む液晶組成物を用いて形成された、2つの主面を有する液晶フィルムであって、液晶フィルム中において、レベリング剤が一方の面主面側に偏在しており、特定化合物が他方の主面側に偏在している、液晶フィルムに該当する。
液晶フィルムの厚みは特に制限されないが、0.1~10μmが好ましく、0.5~5μmがより好ましい。
液晶フィルムの面内レタデーションは特に制限されないが、例えば、反射防止膜用途に用いる場合、液晶フィルムの波長550nmにおける面内レタデーションは110~160nmが好ましい。
<用途>
上記液晶フィルムは種々の用途に適用できる。例えば、表示素子と、液晶フィルムとを含む画像表示装置が挙げられる。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に制限されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、および、プラズマディスプレイパネルが挙げられ、液晶セルまたは有機EL表示パネルが好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、または、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置が好ましい。
液晶表示装置に利用される液晶セルとしては、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、または、TN(Twisted Nematic)モードであることが好ましい。
本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、偏光子、液晶フィルム、および、有機EL表示パネルをこの順で有する態様が好ましい。
上記偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であれば特に制限されず、従来公知の吸収型偏光子および反射型偏光子を利用できる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子などが用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子および延伸型偏光子があり、いずれも適用できる。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法として、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、および、特許第4751486号公報に記載の方法が挙げられ、これらの偏光子に関する公知の技術も好ましく利用できる。
反射型偏光子としては、例えば、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド偏光子、および、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子が挙げられる。
これらのうち、密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(-CH-CHOH-を繰り返し単位として含むポリマー。特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子が好ましい。
偏光子の厚みは特に制限されず、3~60μmが好ましく、5~30μmがより好ましい。
有機EL表示パネルは、陽極および陰極の一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した部材である。有機EL表示パネルは、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、および、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきではない。
<モノマーmA-1の合成>
撹拌羽根、温度計、滴下ロート、および、還流管を備えた2L三口フラスコに、trans-1、4-シクロヘキサンジオール(50.0g)、トリエチルアミン(48.3g)、および、N,N-ジメチルアセトアミド(800g)を入れて、得られた混合液を氷冷下で撹拌した。
次に、滴下ロートを用いてメタクリル酸クロリド(47.5g)を40分かけて上記フラスコ内に滴下し、滴下終了後、反応液を40℃で2時間撹拌した。
反応液を室温(23℃)まで冷却した後、反応液を吸引ろ過して、析出した塩を除去した。得られたろ液を撹拌羽根、温度計、滴下ロートおよび還流管を備えた2L三口フラスコに移し、水冷下で撹拌した。
次に、フラスコ内に、N,N-ジメチルアミノピリジン(10.6g)およびトリエチルアミン(65.9g)を添加し、滴下ロートを用いて、あらかじめテトラヒドロフラン(125g)に溶解させた4-メトキシ桂皮酸クロリド(127.9g)を30分かけて上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、反応液を50℃で6時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水で分液洗浄し、得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、得られた溶液を濃縮することにより黄白色固体を得た。
得られた黄白色固体をメチルエチルケトン(400g)に加熱溶解させ、再結晶を行うことで、以下に示すモノマーmA-1を白色固体として76g得た(収率40%)。なお、Meはメチル基を表す。
<重合体P-1の合成>
冷却管、温度計、および、撹拌機を備えたフラスコに、ジメチルアセトアミド(35g)、モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)を添加し、窒素を5mL/min流しながら、得られた溶液を80℃に加熱し、撹拌した。
次に、V-601(富士フイルム和光純薬社製)(0.13g)、および、ジメチルアセトアミド(35g)を混合した溶液を、2時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに5時間加熱状態を維持したまま、反応液を撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで放冷し、反応液にジメチルアセトアミド(60g)を加えて希釈することで、重合体濃度が約20質量%の重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を大過剰のメタノール中へ投入して重合体を沈殿させ、沈殿物をろ別し、得られた固形分を大量のメタノールで洗浄した後、室温において24時間送風乾燥することにより、重合体P-1を得た。Meは、メチル基を表す。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から91質量%、9質量%であった。
また、上述した方法で測定した重合体P-1の重量平均分子量は58,000であった。
<重合体P-2の合成>
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(11.9g)、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(3.9g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-1を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から79質量%、21質量%であった。
<重合体P-3の合成>
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(9.8g)、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(6.6g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-3を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から65質量%、35質量%であった。
<重合体P-4の合成>
冷却管、温度計、および、撹拌機を備えたフラスコに、シクロヘキサノン(35g)、モノマーmA-1(12.0g)、および、メタクリル酸(3.0g)を添加し、窒素を5mL/min流しながら、得られた溶液を80℃に加熱し、撹拌した。
次に、V-601(富士フイルム和光純薬社製)(0.21g)、および、シクロヘキサノン(10g)を混合した溶液を、2時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに7時間加熱状態を維持したまま、反応液を撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで放冷し、反応液にシクロヘキサノン(30g)を加えて希釈することで、重合体濃度が約20質量%の重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を大過剰のメタノール中へ投入して重合体を沈殿させ、沈殿物をろ別し、得られた固形分を大量のメタノールで洗浄した後、室温において24時間送風乾燥することにより、モノマーmA-1とメタクリル酸の重合体を得た。
さらに、得られたモノマーmA-1とメタクリル酸の重合体(1.0g)をシクロヘキサノン/イソプロピルアルコール(2/1)の混合溶媒(4.0g)に添加し、50℃で溶解させた。その後、得られた溶液にジイソプロピルエチルアミン(418μL)を添加し、50℃にて30分間撹拌することで、重合体P-4を得た(固形分濃度20%)。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から79質量%、21質量%であった。
<重合体P-5の合成>
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(12.0g)、および、4-(4-アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾイルオキシフェニルボロン酸(3.0g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-5を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から81質量%、19質量%であった。
<重合体P-6の合成>
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(6.0g)、および、2-(メタクリロイロキシ)エチルアセトアセテート(富士フイルム和光純薬社製)(9.0g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-5を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から40質量%、60質量%であった。
<重合体P-7の合成>
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(9.75g)、および、2-(メタクリロイロキシ)エチルアセトアセテート(富士フイルム和光純薬社製)(5.25g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-7を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から65質量%、35質量%であった。
<重合体P-8の合成>
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(6.0g)、サイクロマーM-100(ダイセル社製)(7.7g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)を用いた以外は、重合体P-1と同様の合成方法で、重合体P-8を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から40質量%、9質量%、51質量%であった。
<重合体P-9の合成>
特許文献1を参考に以下の重合体P-9を合成した。
<特定基材の作製>
シクロオレフィンポリマーフィルム(ZF-14、日本ゼオン社製)の片側の面に、コロナ処理装置を用いて、出力0.3kWおよび処理速度7.6m/分の条件で1回コロナ処理することにより、特定基材を得た。
特定基材は、コロナ処理された表面上に、ヒドロキシ基などの水素結合性基を有していた。また、コロナ処理面の水接触角は、63°であった。
水接触角の測定方法は、上述した通りである。
<実施例1>
特定基材のコロナ処理側の面に、下記液晶層形成用組成物1を、バーコーターを用いて塗布した。特定基材上に形成された塗膜を室温で30秒間乾燥し、次に、高圧水銀灯を用いて、波長313nmのバンドパスフィルター(BPF313、朝日分光社製)およびワイヤーグリッド偏光子を介して、特定基材の塗膜が形成された表面とは反対側の表面側(塗膜形成面とは逆側)から偏光紫外線を照射した(波長313nmで50mJ/cm)。その後、得られたフィルムを温風にて120℃で1分間加熱し、次に、60℃に冷却した後に、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて、波長365nmにて80mJ/cmの紫外線を塗膜側から照射し、続いて120℃に加熱しながら300mJ/cmの紫外線を塗膜側から照射した。上記手順によって、特定基材と、液晶フィルム1(膜厚2.7μm)とを有する光学フィルム1を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶層形成用組成物1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記重合性液晶化合物L-1 7.1質量部
・下記重合性液晶化合物L-2 1.3質量部
・下記重合性液晶化合物L-3 0.2質量部
・下記重合性液晶化合物L-4 46.5質量部
・下記重合性液晶化合物L-5 25.0質量部
・下記重合性液晶化合物L-6 15.0質量部
・下記重合性化合物A-1 5.0質量部
・下記重合性化合物A-2 5.0質量部
・重合開始剤(Irgacure2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
4.0質量部
・下記レベリング剤T-1 0.2質量部
・重合体P-1 3.0質量部
・シクロペンタノン 201.6質量部
・メチルエチルケトン 60.2質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
重合性液晶化合物L-1
重合性液晶化合物L-2
重合性液晶化合物L-3
重合性液晶化合物L-4
重合性液晶化合物L-5
重合性液晶化合物L-6
重合性化合物A-1
重合性化合物A-2
レベリング剤T-1
<実施例2>
重合体P-1のかわりに重合体P-2を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム2を有する光学フィルム2を作製した。
<実施例3>
重合体P-1のかわりに重合体P-4を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム3を有する光学フィルム3を作製した。
<実施例4>
重合体P-1のかわりに重合体P-5を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム4を有する光学フィルム4を作製した。
<実施例5>
重合体P-1のかわりに重合体P-6を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム5を有する光学フィルム5を作製した。
<実施例6>
重合体P-1のかわりに重合体P-7を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム6を有する光学フィルム6を作製した。
<実施例7>
重合体P-1のかわりに重合体P-3を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム7を有する光学フィルム7を作製した。
<実施例8>
重合体P-1のかわりに重合体P-8を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム8を有する光学フィルム8を作製した。
<比較例1>
重合体P-1のかわりに重合体P-9を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム9を有する光学フィルム9を作製した。
<液晶配向性評価>
各実施例および比較例で得られた光学フィルムから幅40mm、長さ40mmのフィルムを切り出した。試料をクロスニコル下の偏光顕微鏡(10倍の対物レンズ使用)で観察し、下記の基準で液晶フィルムの液晶配向性を評価した。
A:光学異方性があり、観察視野内で光漏れがなかった。
B:光学異方性があり、観察視野内で光漏れがわずかにあった。
C:光学異方性がなかった。
表1中、「相互作用性基」は、式(1)~(4)で表される基のうちのどの基を有するかを表す。
表1中、「単位含有量(質量%)」は、特定化合物中の繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対する、繰り返し単位Bの含有量を表す。
表1に示すように、本発明の化合物を用いることにより、所望の効果が得られた。
なかでも、実施例2~5の比較より、特定化合物が、式(1)で表される繰り返し単位、式(2)で表される繰り返し単位、または、式(4)で表される単位を含む場合(特定化合物が、式(5)~(7)で表される繰り返し単位のいずれかを有する場合)、より優れた効果が得られることが確認された。
実施例1、2、7および8の比較より、特定化合物が式(1)で表される繰り返し単位を含む場合、特定化合物中の繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対する、繰り返し単位Bの含有量が30質量%以下(好ましくは、5~30質量%)の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
実施例5および6の比較より、特定化合物が式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、特定化合物中の繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対する、繰り返し単位Bの含有量が40質量%以上(好ましくは、40~80質量%)の場合、より優れた効果が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. 光配向性基を有する繰り返し単位A、および、式(1)で表される繰り返し単位を含む繰り返し単位Bを含む、化合物であって、
    前記光配向性基が、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、マレイミド誘導体、および、ベンゾフェノン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の誘導体の骨格を有する基、または、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、スピロピラン化合物、桂皮酸化合物、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基であり、
    前記繰り返し単位Aの含有量が、前記化合物中の全繰り返し単位に対して、15~95質量%であり、
    前記繰り返し単位Bの含有量が、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~35質量%である、化合物。
    は、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。
    は、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R は、水素原子またはアルキル基を表す。
    は、4級アンモニウム基またはピリジニウム基を表す。Y は、アニオンを表す。
  2. 前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%である、請求項に記載の化合物。
  3. 前記繰り返し単位Bが、式(5)で表される繰り返し単位を含む、請求項1又は2に記載の化合物。
    は、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。
    は、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R は、水素原子またはアルキル基を表す。
    は、アニオンを表す。
    、RおよびR10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。
  4. 化合物と、液晶化合物とを含む液晶組成物であって、
    前記化合物が、光配向性基を有する繰り返し単位A、および、式(1)~(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを有する繰り返し単位Bを含み、
    前記光配向性基が、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、マレイミド誘導体、および、ベンゾフェノン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の誘導体の骨格を有する基、または、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、スピロピラン化合物、桂皮酸化合物、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基であり、
    前記繰り返し単位Aの含有量が、前記化合物中の全繰り返し単位に対して、15~95質量%であり、
    前記繰り返し単位Bが前記式(1)で表される繰り返し単位または前記式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~35質量%であり、
    前記繰り返し単位Bが前記式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、15~40質量%であり、
    前記繰り返し単位Bが前記式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、40~80質量%である、液晶組成物。
    、R 、R およびR は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。
    、L 、L およびL は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R は、水素原子またはアルキル基を表す。
    は、4級アンモニウム基またはピリジニウム基を表す。Y は、アニオンを表す。
    は、-SO 、または、-COO を表す。E は、有機カチオンを表す。
    およびR は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または、ヘテロアリール基を表し、R およびR のいずれか一方は水素原子である。
    は、炭素数1~20のアルキル基を表す。ただし、R が炭素数2~20のアルキル基である場合、アルキル基を構成する-CH -の1個以上が-O-、-S-、-N(Q)-、-CO-O-、または-CO-に置換されていてもよい。Qはアルキル基を表す。
  5. 前記繰り返し単位Bが前記式(1)で表される繰り返し単位または前記式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%である、請求項に記載の液晶組成物
  6. 前記繰り返し単位Bが、式(5)~(7)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含む、請求項4又は5に記載の液晶組成物。
    、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。
    、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R は、水素原子またはアルキル基を表す。
    は、アニオンを表す。
    は、有機カチオンを表す。
    、RおよびR10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。
  7. 請求項のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いて形成された液晶フィルム。
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