JP7335986B2 - 化合物、液晶組成物、液晶フィルム - Google Patents
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Description
液晶層の形成方法としては、光配向性成分を含む光配向層を用いる方法が知られている(文献1)。具体的には、配向規制力を有する光配向層を形成した後、その上に液晶層形成用組成物を塗布して、液晶層を形成する方法が知られている。
また、本発明は、液晶組成物および液晶フィルムを提供することも課題とする。
(2) 光配向性基を有する繰り返し単位A、および、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位Bを含む、(1)に記載の化合物。
(3) 繰り返し単位Bが、後述する式(1)~(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含む、(2)に記載の化合物。
(4) 繰り返し単位Bが式(1)で表される繰り返し単位または式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%であり、
繰り返し単位Bが式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、15~40質量%であり、
繰り返し単位Bが式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、40~80質量%である、(3)に記載の化合物。
(5) 繰り返し単位Bが、後述する式(5)~(7)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含む、(2)~(4)のいずれかに記載の化合物。
(6) (1)~(5)のいずれかに記載の化合物と、液晶化合物とを含む液晶組成物。
(7) (6)に記載の液晶組成物を用いて形成された液晶フィルム。
また、本発明によれば、液晶組成物および液晶フィルムを提供することもできる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリルおよびメタクリルのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan、Axometrics社製において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
そのため、特定化合物および液晶化合物を含む液晶組成物を用いて基材上に塗膜を形成すると、塗膜中の特定化合物が基材側に偏在しやすくなる。このような塗膜に対して偏光を照射すると、塗膜中の基材側の領域において、配向規制力の高い光配向層として機能し得る領域が形成されやすくなる。そのため、塗膜中の液晶化合物の配向性が高くなり、結果として、液晶化合物の配向性に優れる液晶フィルムが形成される。
なお、後述するように化合物は、ポリマーであってもよい。化合物がポリマーである場合、ポリマーは光配向性基と、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つとを同じ繰り返し単位中に有していてもよいし、異なる繰り返し単位中に有していてもよい。つまり、ポリマーは、光配向性基および式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位を含んでいてもよいし、光配向性基を有する繰り返し単位と式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位との2種の繰り返し単位を含んでいてもよい。
以下、特定化合物について詳述する。
光配向性基とは、異方性を有する光(例えば、平面偏光など)の照射により、再配列または異方的な化学反応が誘起される光配向機能を有する基をいい、配向の均一性に優れ、熱的安定性または化学的安定性も良好となる点から、光の作用により二量化および異性化の少なくとも一方が生じる光配向性基が好ましい。
一方、光の作用により異性化する光配向性基としては、例えば、アゾベンゼン化合物(K. Ichimura et al.,Mol.Cryst.Liq.Cryst ., 298, 221(1997))、スチルベン化合物(J.G.Victor and J.M.Torkelson,Macromolecules, 20, 2241(1987))、スピロピラン化合物(K. Ichimura et al., Chemistry Letters, page 1063 (1992);K.Ichimura et al., Thin Solid Films, vol. 235, page 101 (1993))、桂皮酸化合物(K.Ichimura et al.,Macromolecules, 30, 903 (1997))、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物(S. Yamamura et al., Liquid Crystals, vol. 13, No. 2, page 189 (1993))からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基が挙げられる。
特定化合物は、光配向性基を有する繰り返し単位Aを含むことが好ましい。
繰り返し単位Aの主鎖の構造は特に限定されず、公知の構造が挙げられ、(メタ)アクリル系、スチレン系、シロキサン系、シクロオレフィン系、メチルペンテン系、アミド系、および、芳香族エステル系からなる群から選択される骨格が好ましい。
これらのうち、(メタ)アクリル系、シロキサン系、および、シクロオレフィン系からなる群から選択される骨格がより好ましく、(メタ)アクリル系骨格がさらに好ましい。
LWは、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の好適態様は、後述するL1で表される2価の連結基の好適態様と同じである。
RW2、RW3、RW4、RW5およびRW6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。RW2、RW3、RW4、RW5およびRW6のうち、隣接する2つの基が結合して環を形成していてもよい。
上記置換基の種類は特に制限されず、後述するRaおよびRbで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。なかでも、炭素数1~20のアルコキシ基が好ましい。
特定化合物は、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する。上述したように、これらの基は、基材との相互作用がしやすく、特定化合物を基材側に偏在しやすくする。
式中、*は結合位置を表す。
Y-は、アニオンを表す。アニオンの種類は特に制限されず、公知のアニオンが挙げられる。例えば、ハロゲンイオン(F-、Cl-、Br-、I-)、NO3 -、CIO4 -、BF4 -、CO3 2-、および、SO4 2-などの無機アニオン、CH3OSO3 -、C2H5OSO3 -、さらには酢酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、および、トリフルオロ酢酸などの有機酸残基からなる有機アニオンが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ハロゲンイオン(ハロゲンアニオン)が好ましい。
有機アンモニウムカチオンとは、N+(R)4で表されるカチオンである。Rは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5がさらに好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アルキル基の炭素数は特に制限されず、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アリール基としては、単環構造でも、多環構造でもよい。
ヘテロアリール基に含まれるヘテロ原子は特に制限されず、窒素原子、酸素原子、および、硫黄原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
なお、Rcが炭素数2~20のアルキル基である場合、アルキル基を構成する-CH2-の1個以上が-O-、-S-、-N(Q)-、-CO-O-、-O-CO-または-CO-に置換されていてもよい。
Qは置換基を表す。置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RaおよびRbで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
*は結合位置を表す。
特定化合物は、式(A)~(D)で表される基の少なくとも1つを有する繰り返し単位Bを含むことが好ましい。
アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アルキル基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RaおよびRbで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
2価の炭化水素基および2価の複素環基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RaおよびRbで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
上記アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アルキル基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RaおよびRbで表される基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
E+は、有機カチオンを表す。式(6)中のE+は、式(2)中のE+と同義である。
上記アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。
アルキル基が有していてもよい置換基の種類は特に制限されず、公知の置換基が挙げられ、RaおよびRbで表されるアルキル基が有していてもよい置換基で例示した基が挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、繰り返し単位Bが式(1)で表される繰り返し単位または式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%であることが好ましい。
また、繰り返し単位Bが式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、15~40質量%であることが好ましい。
また、繰り返し単位Bが式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位Bの含有量は、繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対して、40~80質量%であることが好ましい。
特定化合物は、繰り返し単位A、および、繰り返し単位B以外の、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
架橋性基を有する繰り返し単位の主鎖の構造は特に限定されず、公知の構造が挙げられ、(メタ)アクリル系、スチレン系、シロキサン系、シクロオレフィン系、メチルペンテン系、アミド系、および、芳香族エステル系からなる群から選択される骨格が好ましい。
これらのうち、(メタ)アクリル系、シロキサン系、および、シクロオレフィン系からなる群から選択される骨格がより好ましく、(メタ)アクリル系骨格がさらに好ましい。
L8は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、上述した、L1、L2、L3およびL4で表される2価の連結基で例示した基が挙げられる。
架橋性基としては、式(Z1)~(Z4)で表される基のいずれかが好ましい。
Rfは、水素原子またはメチル基を表す。
*は結合位置を表す。
アルキル基の炭素数は特に制限されず、1~20が好ましく、1~15がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、これらを組み合わせた構造であってもよい。熱による特定化合物の配向緩和を抑制できる点で、環状のアルキル基が好ましい。環状のアルキル基としては、アダマンタンなどが挙げられる。
特定化合物が上記アルキル基を有する繰り返し単位を含む場合、特定化合物中におけるアルキル基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、特定化合物中の全繰り返し単位に対して、20~80質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましい。
本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、以下に示す条件でゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):THF(テトラヒドロフラン)
・装置名:TOSOH HLC-8320GPC
・カラム:TOSOH TSKgel Super HZM-H(4.6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:40℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:1.0ml/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000~1050(Mw/Mn=1.03~1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
本発明の液晶化合物は、上述した特定化合物、および、液晶化合物を含む。
特定化合物は上述した通りであり、説明を省略する。
液晶化合物の種類は特に限定されず、例えば、ホメオトロピック配向、ホモジニアス配向、ハイブリッド配向およびコレステリック配向のいずれかの配向が可能な化合物が挙げられる。
ここで、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプとに分類できる。さらに、それぞれ低分子と高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物)が好ましい。また、モノマーであるか、重合度が100未満の比較的低分子量な液晶化合物が好ましい。
このような重合性液晶化合物を重合させることにより、液晶化合物の配向を固定することができる。なお、液晶化合物が重合によって固定された後においては、もはや液晶性を示す必要はない。
ここで、本明細書において「逆波長分散性」の液晶化合物とは、この化合物を用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレタデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいう。
さらに、特開2011-006360号公報の段落[0027]~[0100]、特開2011-006361号公報の段落[0028]~[0125]、特開2012-207765号公報の段落[0034]~[0298]、特開2012-077055号公報の段落[0016]~[0345]、WO12/141245号公報の段落[0017]~[0072]、WO12/147904号公報の段落[0021]~[0088]、WO14/147904号公報の段落[0028]~[0115]に記載の化合物が挙げられる。
なお、液晶組成物中の全固形分とは、液晶層を構成する成分を意図し、溶媒は含まれない。
液晶組成物は、上述した、液晶化合物および光配向化合物以外の他の化合物を含んでいてもよい。
液晶組成物は、レベリング剤を含んでいてもよい。
レベリング剤は、フッ素原子またはケイ素原子を有することが好ましい。つまり、レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤またはケイ素系レベリング剤が好ましく、フッ素系レベリング剤がより好ましい。
液晶組成物中におけるレベリング剤の含有量は、液晶組成物中の全固形分に対して、0.01~5質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましい。
液晶組成物中における重合開始剤の含有量は、液晶組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.3~10質量%がより好ましい。
液晶組成物中における熱酸発生剤の含有量は、液晶組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.3~10質量%がより好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の化合物が挙げられる。なかでも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。また、重合性モノマーとしては、上記の重合性基を有する液晶化合物と共重合性のモノマーが好ましい。例えば、特開2002-296423号公報中の段落[0018]~[0020]に記載の重合性モノマーが挙げられる。
液晶組成物中における重合性モノマーの含有量は、液晶化合物の全質量に対して、1~50質量%が好ましく、2~30質量%がより好ましい。
さらに、液晶組成物は、上記成分以外に、重合禁止剤、密着改良剤、および、可塑剤を含んでいてもよい。
特に、後述する工程2において液晶化合物の重合を抑制する目的で、液晶組成物は重合禁止剤を含んでいてもよい。
本発明の液晶フィルムは、上述した液晶組成物を用いて形成される。
本発明の液晶フィルムの製造方法は特に制限されず、上述した液晶組成物を用いる方法であればよく、以下の工程1~3を有することが好ましい。
より具体的には、以下の工程1~3を有する製造方法が好ましい。
工程1:特定化合物および重合性液晶化合物を含む液晶組成物を基材上に塗布して、塗膜を形成する工程
工程2:形成された塗膜に対して、偏光を照射する工程
工程3:工程2で得られた塗膜中の重合性液晶化合物を配向させた後、硬化処理を施して液晶フィルムを形成する工程
以下、工程1~3の手順について詳述する。
工程1は、特定化合物および重合性液晶化合物を含む液晶組成物を基材上に塗布して、塗膜を形成する工程である。本工程を実施することにより、特定化合物中の相互作用性基と基材との間で相互作用が生じて、塗膜中において特定化合物が基材側に偏在しやすくなる。
樹脂基材の材料としては、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、および、ラクトン環含有重合体であるアクリル酸エステル重合体などのアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、および、アクリロニトリルスチレン共重合体などのスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、および、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィン系ポリマー;、塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、および、芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
なお、透明基材とは、可視光の透過率が60%以上である基材を意図し、その透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
水素結合性基としては、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、ウレア基、および、ウレタン基が挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、ヒドロキシ基またはカルボキシ基が好ましい。
基材の表面に水素結合性基を導入する方法は特に制限されず、コロナ処理、および、紫外線照射処理などの公知の表面処理方法が挙げられる。
また、基材を構成する材料(例えば、ポリマー)自体が、水素結合性基を有していてもよい。
また、基材は、基材を構成する主成分とは別に、水素結合性基を有する添加剤を含んでいてもよい。
さらに、基材は、熱または光などにより分解して、水素結合性基を生じる化合物を含み、所定の処理(例えば、光照射処理、または、加熱処理)を施すことにより、基材の表面に水素結合性基を導入してもよい。
基材の表面の水接触角の測定方法としては、以下の通りである。
まず、接触角計[“CA-X”型接触角計、協和界面科学(株)製]を用い、乾燥状態(20℃/65%RH)で、液体として純水を使用して3μLの液滴を針先に作り、これを基材表面に接触させて、基材上に液滴を作る。滴下後15秒での基材と液体とが接する点における、液体表面に対する接線と基材表面がなす角で、液体を含む側の角度を測定し、水接触角とする。
基材が複層構造である場合、基材は、支持体と、支持体上に配置される光学異方性層とを有していてもよい。
光学異方性層としては、面内方向に位相差を有する光学異方性層、および、厚み方向に位相差を有する光学異方性層が挙げられる。
加熱処理の際の加熱温度としては、本発明の効果がより優れる点で、加熱温度としては50~250℃が好ましく、50~150℃がより好ましく、加熱時間としては10秒間~10分間が好ましい。
工程2は、形成された塗膜に対して、偏光を照射する工程である。偏光を照射することにより、塗膜中に偏在している特定化合物が所定の方向に配向し、塗膜中の一部の領域が光配向膜として機能しやすくなる。
塗膜に対して照射する偏光は特に制限はなく、例えば、直線偏光、円偏光、および、楕円偏光が挙げられ、直線偏光が好ましい。
また、偏光を照射するための光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、および、メタルハライドランプが挙げられる。このような光源から得た紫外線または可視光線に対して、干渉フィルタまたは色フィルタなどを用いることで、照射する波長範囲を制限できる。また、これらの光源からの光に対して、偏光フィルタまたは偏光プリズムを用いることで、直線偏光を得ることができる。
工程3は、工程2で得られた塗膜中の重合性液晶化合物を配向させた後、硬化処理を施して液晶フィルムを形成する工程である。本工程を実施することにより、工程2により得られた所定の方向に配向した特定化合物の配向規制力に基づいて重合性液晶化合物が配向され、この配向された重合性液晶化合物に対して硬化処理を施すことにより、配向した液晶化合物を固定してなる液晶フィルムが形成される。
塗膜を加熱する場合の条件は特に制限されないが、加熱温度としては50~250℃が好ましく、50~150℃がより好ましく、加熱時間としては10秒間~10分間が好ましい。
また、塗膜を加熱した後、後述する硬化処理の前に、必要に応じて、塗膜を冷却してもよい。冷却温度としては20~200℃が好ましく、30~150℃がより好ましい。
重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して実施される硬化処理の方法は特に制限されず、例えば、光照射処理および加熱処理が挙げられる。なかでも、製造適性の点から、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
光照射処理の照射条件は特に制限されないが、50~1000mJ/cm2の照射量が好ましい。
光照射処理の際の雰囲気は特に制限されないが、窒素雰囲気が好ましい。
なお、上記工程1で使用される液晶組成物がレベリング剤を含む場合、形成される液晶フィルムの基材側とは反対側にレベリング剤が偏在する。
つまり、液晶組成物がレベリング剤を含む場合に形成される液晶フィルムは、液晶化合物と、特定化合物と、レベリング剤と、含む液晶組成物を用いて形成された、2つの主面を有する液晶フィルムであって、液晶フィルム中において、レベリング剤が一方の面主面側に偏在しており、特定化合物が他方の主面側に偏在している、液晶フィルムに該当する。
上記液晶フィルムは種々の用途に適用できる。例えば、表示素子と、液晶フィルムとを含む画像表示装置が挙げられる。
本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に制限されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、および、プラズマディスプレイパネルが挙げられ、液晶セルまたは有機EL表示パネルが好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、または、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置が好ましい。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子などが用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子および延伸型偏光子があり、いずれも適用できる。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法として、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、および、特許第4751486号公報に記載の方法が挙げられ、これらの偏光子に関する公知の技術も好ましく利用できる。
反射型偏光子としては、例えば、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド偏光子、および、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子が挙げられる。
これらのうち、密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(-CH2-CHOH-を繰り返し単位として含むポリマー。特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子が好ましい。
撹拌羽根、温度計、滴下ロート、および、還流管を備えた2L三口フラスコに、trans-1、4-シクロヘキサンジオール(50.0g)、トリエチルアミン(48.3g)、および、N,N-ジメチルアセトアミド(800g)を入れて、得られた混合液を氷冷下で撹拌した。
次に、滴下ロートを用いてメタクリル酸クロリド(47.5g)を40分かけて上記フラスコ内に滴下し、滴下終了後、反応液を40℃で2時間撹拌した。
反応液を室温(23℃)まで冷却した後、反応液を吸引ろ過して、析出した塩を除去した。得られたろ液を撹拌羽根、温度計、滴下ロートおよび還流管を備えた2L三口フラスコに移し、水冷下で撹拌した。
次に、フラスコ内に、N,N-ジメチルアミノピリジン(10.6g)およびトリエチルアミン(65.9g)を添加し、滴下ロートを用いて、あらかじめテトラヒドロフラン(125g)に溶解させた4-メトキシ桂皮酸クロリド(127.9g)を30分かけて上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、反応液を50℃で6時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水で分液洗浄し、得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別し、得られた溶液を濃縮することにより黄白色固体を得た。
得られた黄白色固体をメチルエチルケトン(400g)に加熱溶解させ、再結晶を行うことで、以下に示すモノマーmA-1を白色固体として76g得た(収率40%)。なお、Meはメチル基を表す。
冷却管、温度計、および、撹拌機を備えたフラスコに、ジメチルアセトアミド(35g)、モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)を添加し、窒素を5mL/min流しながら、得られた溶液を80℃に加熱し、撹拌した。
次に、V-601(富士フイルム和光純薬社製)(0.13g)、および、ジメチルアセトアミド(35g)を混合した溶液を、2時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに5時間加熱状態を維持したまま、反応液を撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで放冷し、反応液にジメチルアセトアミド(60g)を加えて希釈することで、重合体濃度が約20質量%の重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を大過剰のメタノール中へ投入して重合体を沈殿させ、沈殿物をろ別し、得られた固形分を大量のメタノールで洗浄した後、室温において24時間送風乾燥することにより、重合体P-1を得た。Meは、メチル基を表す。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から91質量%、9質量%であった。
また、上述した方法で測定した重合体P-1の重量平均分子量は58,000であった。
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(11.9g)、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(3.9g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-1を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から79質量%、21質量%であった。
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(9.8g)、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(6.6g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-3を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から65質量%、35質量%であった。
冷却管、温度計、および、撹拌機を備えたフラスコに、シクロヘキサノン(35g)、モノマーmA-1(12.0g)、および、メタクリル酸(3.0g)を添加し、窒素を5mL/min流しながら、得られた溶液を80℃に加熱し、撹拌した。
次に、V-601(富士フイルム和光純薬社製)(0.21g)、および、シクロヘキサノン(10g)を混合した溶液を、2時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに7時間加熱状態を維持したまま、反応液を撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで放冷し、反応液にシクロヘキサノン(30g)を加えて希釈することで、重合体濃度が約20質量%の重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を大過剰のメタノール中へ投入して重合体を沈殿させ、沈殿物をろ別し、得られた固形分を大量のメタノールで洗浄した後、室温において24時間送風乾燥することにより、モノマーmA-1とメタクリル酸の重合体を得た。
さらに、得られたモノマーmA-1とメタクリル酸の重合体(1.0g)をシクロヘキサノン/イソプロピルアルコール(2/1)の混合溶媒(4.0g)に添加し、50℃で溶解させた。その後、得られた溶液にジイソプロピルエチルアミン(418μL)を添加し、50℃にて30分間撹拌することで、重合体P-4を得た(固形分濃度20%)。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から79質量%、21質量%であった。
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(12.0g)、および、4-(4-アクリロイルオキシブトキシ)ベンゾイルオキシフェニルボロン酸(3.0g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-5を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から81質量%、19質量%であった。
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(6.0g)、および、2-(メタクリロイロキシ)エチルアセトアセテート(富士フイルム和光純薬社製)(9.0g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-5を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から40質量%、60質量%であった。
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(9.75g)、および、2-(メタクリロイロキシ)エチルアセトアセテート(富士フイルム和光純薬社製)(5.25g)を用いた以外は、<重合体P-1の合成>と同様の手順に従って、重合体P-7を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から65質量%、35質量%であった。
モノマーmA-1(13.8g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)のかわりに、モノマーmA-1(6.0g)、サイクロマーM-100(ダイセル社製)(7.7g)、および、メタクロイルコリンクロリド(80%水溶液、東京化成工業社製)(1.7g)を用いた以外は、重合体P-1と同様の合成方法で、重合体P-8を合成した。
なお、以下の構造式中の各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、以下では左側の繰り返し単位から40質量%、9質量%、51質量%であった。
特許文献1を参考に以下の重合体P-9を合成した。
シクロオレフィンポリマーフィルム(ZF-14、日本ゼオン社製)の片側の面に、コロナ処理装置を用いて、出力0.3kWおよび処理速度7.6m/分の条件で1回コロナ処理することにより、特定基材を得た。
特定基材は、コロナ処理された表面上に、ヒドロキシ基などの水素結合性基を有していた。また、コロナ処理面の水接触角は、63°であった。
水接触角の測定方法は、上述した通りである。
特定基材のコロナ処理側の面に、下記液晶層形成用組成物1を、バーコーターを用いて塗布した。特定基材上に形成された塗膜を室温で30秒間乾燥し、次に、高圧水銀灯を用いて、波長313nmのバンドパスフィルター(BPF313、朝日分光社製)およびワイヤーグリッド偏光子を介して、特定基材の塗膜が形成された表面とは反対側の表面側(塗膜形成面とは逆側)から偏光紫外線を照射した(波長313nmで50mJ/cm2)。その後、得られたフィルムを温風にて120℃で1分間加熱し、次に、60℃に冷却した後に、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて、波長365nmにて80mJ/cm2の紫外線を塗膜側から照射し、続いて120℃に加熱しながら300mJ/cm2の紫外線を塗膜側から照射した。上記手順によって、特定基材と、液晶フィルム1(膜厚2.7μm)とを有する光学フィルム1を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶層形成用組成物1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記重合性液晶化合物L-1 7.1質量部
・下記重合性液晶化合物L-2 1.3質量部
・下記重合性液晶化合物L-3 0.2質量部
・下記重合性液晶化合物L-4 46.5質量部
・下記重合性液晶化合物L-5 25.0質量部
・下記重合性液晶化合物L-6 15.0質量部
・下記重合性化合物A-1 5.0質量部
・下記重合性化合物A-2 5.0質量部
・重合開始剤(Irgacure2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
4.0質量部
・下記レベリング剤T-1 0.2質量部
・重合体P-1 3.0質量部
・シクロペンタノン 201.6質量部
・メチルエチルケトン 60.2質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
重合体P-1のかわりに重合体P-2を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム2を有する光学フィルム2を作製した。
重合体P-1のかわりに重合体P-4を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム3を有する光学フィルム3を作製した。
重合体P-1のかわりに重合体P-5を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム4を有する光学フィルム4を作製した。
重合体P-1のかわりに重合体P-6を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム5を有する光学フィルム5を作製した。
重合体P-1のかわりに重合体P-7を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム6を有する光学フィルム6を作製した。
重合体P-1のかわりに重合体P-3を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム7を有する光学フィルム7を作製した。
重合体P-1のかわりに重合体P-8を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム8を有する光学フィルム8を作製した。
重合体P-1のかわりに重合体P-9を用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、液晶フィルム9を有する光学フィルム9を作製した。
各実施例および比較例で得られた光学フィルムから幅40mm、長さ40mmのフィルムを切り出した。試料をクロスニコル下の偏光顕微鏡(10倍の対物レンズ使用)で観察し、下記の基準で液晶フィルムの液晶配向性を評価した。
A:光学異方性があり、観察視野内で光漏れがなかった。
B:光学異方性があり、観察視野内で光漏れがわずかにあった。
C:光学異方性がなかった。
表1中、「単位含有量(質量%)」は、特定化合物中の繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対する、繰り返し単位Bの含有量を表す。
なかでも、実施例2~5の比較より、特定化合物が、式(1)で表される繰り返し単位、式(2)で表される繰り返し単位、または、式(4)で表される単位を含む場合(特定化合物が、式(5)~(7)で表される繰り返し単位のいずれかを有する場合)、より優れた効果が得られることが確認された。
実施例1、2、7および8の比較より、特定化合物が式(1)で表される繰り返し単位を含む場合、特定化合物中の繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対する、繰り返し単位Bの含有量が30質量%以下(好ましくは、5~30質量%)の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
実施例5および6の比較より、特定化合物が式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、特定化合物中の繰り返し単位Aおよび繰り返し単位Bの合計量に対する、繰り返し単位Bの含有量が40質量%以上(好ましくは、40~80質量%)の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
Claims (7)
- 光配向性基を有する繰り返し単位A、および、式(1)で表される繰り返し単位を含む繰り返し単位Bを含む、化合物であって、
前記光配向性基が、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、マレイミド誘導体、および、ベンゾフェノン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の誘導体の骨格を有する基、または、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、スピロピラン化合物、桂皮酸化合物、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基であり、
前記繰り返し単位Aの含有量が、前記化合物中の全繰り返し単位に対して、15~95質量%であり、
前記繰り返し単位Bの含有量が、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~35質量%である、化合物。
L 1 は、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R d )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R d は、水素原子またはアルキル基を表す。
X + は、4級アンモニウム基またはピリジニウム基を表す。Y - は、アニオンを表す。 - 前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%である、請求項1に記載の化合物。
- 前記繰り返し単位Bが、式(5)で表される繰り返し単位を含む、請求項1又は2に記載の化合物。
L5は、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R d )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R d は、水素原子またはアルキル基を表す。
Y-は、アニオンを表す。
R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。 - 化合物と、液晶化合物とを含む液晶組成物であって、
前記化合物が、光配向性基を有する繰り返し単位A、および、式(1)~(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを有する繰り返し単位Bを含み、
前記光配向性基が、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、マレイミド誘導体、および、ベンゾフェノン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の誘導体の骨格を有する基、または、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、スピロピラン化合物、桂皮酸化合物、および、ヒドラゾノ-β-ケトエステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の骨格を有する基であり、
前記繰り返し単位Aの含有量が、前記化合物中の全繰り返し単位に対して、15~95質量%であり、
前記繰り返し単位Bが前記式(1)で表される繰り返し単位または前記式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~35質量%であり、
前記繰り返し単位Bが前記式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、15~40質量%であり、
前記繰り返し単位Bが前記式(4)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、40~80質量%である、液晶組成物。
L 1 、L 2 、L 3 およびL 4 は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R d )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R d は、水素原子またはアルキル基を表す。
X + は、4級アンモニウム基またはピリジニウム基を表す。Y - は、アニオンを表す。
D - は、-SO 3 - 、または、-COO - を表す。E + は、有機カチオンを表す。
R a およびR b は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または、ヘテロアリール基を表し、R a およびR b のいずれか一方は水素原子である。
R c は、炭素数1~20のアルキル基を表す。ただし、R c が炭素数2~20のアルキル基である場合、アルキル基を構成する-CH 2 -の1個以上が-O-、-S-、-N(Q)-、-CO-O-、または-CO-に置換されていてもよい。Qはアルキル基を表す。 - 前記繰り返し単位Bが前記式(1)で表される繰り返し単位または前記式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、前記繰り返し単位Bの含有量は、前記繰り返し単位Aおよび前記繰り返し単位Bの合計量に対して、5~30質量%である、請求項4に記載の液晶組成物。
- 前記繰り返し単位Bが、式(5)~(7)で表される繰り返し単位の少なくとも1つを含む、請求項4又は5に記載の液晶組成物。
L5、L6およびL7は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~10のアルケニレン基、炭素数1~10のアルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、-O-、-S-、-NH-、-N(R d )-、-CO-、もしくは、これらを組み合わせた基を表す。R d は、水素原子またはアルキル基を表す。
Y-は、アニオンを表す。
E+は、有機カチオンを表す。
R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1~20のアルキル基を表す。 - 請求項4~6のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いて形成された液晶フィルム。
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