JP2023077169A - 発光装置および測距装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023077169000001
【課題】好適な状態の基板に発光素子を設けることが可能な発光装置および測距装置を提供する。
【解決手段】本開示の発光装置は、第1基板と、前記第1基板の下面に設けられた発光素子と、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物と、前記第1基板の上面に設けられた膜であって、前記レンズ上に配置されているかまたは前記レンズを形成している第1部分と、前記構造物上に配置されているかまたは前記構造物を形成している第2部分と、を含む膜とを備え、前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記第1部分の最上部の高さは、前記第2部分の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する。
【選択図】図5

Description

本開示の実施形態は、発光装置および測距装置に関する。
半導体レーザーの一種として、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の面発光レーザーが知られている。一般に、面発光レーザーを利用した発光装置では、基板の表面または裏面に複数の発光素子が2次元アレイ状に設けられる。
特表2004-526194号公報
発光素子を備える基板をダイシング(個片化)する際には、例えば、基板にダイシングテープを貼り、基板にレーザーを照射し、ダイシングテープを延ばす。これにより、基板が複数のチップに分割される。
しかしながら、ダイシングテープを延ばすと、ダイシングテープの糊材が延び、チップのエッジ部がダイシングテープから剥がれる可能性がある。この場合、チップのエッジ部付近でダイシングテープの糊材が引きちぎられ、ダイシングテープの糊材がチップに付着する可能性がある。その結果、糊材が付着したチップが不良品となる可能性がある。このように、発光素子を備える基板を加工すると、基板の状態が悪くなる場合がある。
そこで、本開示は、好適な状態の基板に発光素子を設けることが可能な発光装置および測距装置を提供する。
本開示の第1の側面の発光装置は、第1基板と、前記第1基板の下面に設けられた発光素子と、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物と、前記第1基板の上面に設けられた膜であって、前記レンズ上に配置されているかまたは前記レンズを形成している第1部分と、前記構造物上に配置されているかまたは前記構造物を形成している第2部分と、を含む膜とを備え、前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記第1部分の最上部の高さは、前記第2部分の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する。これにより、好適な状態の第1基板に発光素子を設けることが可能となる。例えば、この構造物によりダイシングテープの剥がれの進行を止めることで、ダイシングテープの糊材が第1基板に付着するのを抑制することが可能となり、これにより第1基板の状態を良好に維持することが可能となる。
また、この第1の側面において、前記レンズは、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、またはバイナリレンズでもよい。これにより例えば、レンズの形状を凸型または凹型にすることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記第1基板の下面には、1つ以上の前記発光素子が設けられており、前記第1基板の上面には、1つ以上の前記レンズが設けられており、前記発光素子と前記レンズは、1:1で、N:1で、または1:Nで対応していてもよい(Nは2以上の整数)。これにより例えば、レンズのサイズを様々なサイズに設定することが可能となる。
また、この第1の側面において、前記構造物は、前記レンズを環状に包囲する形状を有していてもよい。これにより例えば、この構造物をレンズの周りの広い範囲に配置することや、ダイシングテープの剥がれの進行を広い範囲で止めることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記構造物は、内周側または外周側の角が丸められた形状を有していてもよい。これにより例えば、この構造物によりダイシングテープの剥がれの進行を好適に止めることが可能となる。
また、この第1の側面の発光装置は、前記構造物として、前記第1基板の上面の複数の角または辺に設けられた複数の構造物を備えていてもよい。これにより例えば、これらの構造物を第1基板の上面の角付近または辺付近に限定して配置することが可能となる。
また、この第1の側面において、前記複数の構造物は、前記レンズを環状に包囲するように環状に並べられていてもよい。これにより例えば、これらの構造物をレンズの周りの広い範囲に配置することや、ダイシングテープの剥がれの進行を広い範囲で止めることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記構造物の縦断面の形状は、四角形、三角形、凸レンズ状の形状、または凹レンズ状の形状でもよい。これにより例えば、この構造物の形状を凸型または凹型にすることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記第1基板の側面と前記構造物との距離は、10~100μmでもよい。これにより例えば、ダイシングテープの剥がれの進行を、第1基板の側面付近で止めることが可能となる。
また、この第1の側面の発光装置は、前記第1基板の側面に設けられた改質層をさらに備えていてもよい。これにより例えば、第1基板の側面から光が出入りすることを抑制することが可能となる。
また、この第1の側面において、前記膜は、前記レンズ上に設けられた反射防止膜を含んでいてもよい。これにより例えば、ダイシングテープと接触する部分を反射防止膜とすることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記膜は、前記レンズ上に設けられた反射防止膜と、前記反射防止膜とは異なる光吸収膜、無機膜、または有機膜とを含んでいてもよい。これにより例えば、光吸収性、剛性、弾性などの機能を、上記構造物に持たせることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記光吸収膜、前記無機膜、または前記有機膜は、前記反射防止膜上に設けられていてもよい。これにより例えば、第1基板上に反射防止膜と光吸収膜、無機膜、または有機膜とを順に設けることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記第1基板は、ガリウム(Ga)およびヒ素(As)を含む半導体基板でもよい。これにより例えば、第1基板を発光素子に適したものとすることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記発光素子から出射された光は、前記第1基板の下面から上面へと前記第1基板内を透過し、前記レンズに入射してもよい。これにより例えば、発光装置を裏面出射型とすることが可能となる。
また、この第1の側面の発光装置は、前記発光素子を介して前記第1基板が搭載された第2基板をさらに備えていてもよい。これにより例えば、発光装置用の回路を、第1基板とは別の第2基板に設けることが可能となる。
また、この第1の側面において、前記第2基板は、シリコン(Si)を含む半導体基板でもよい。これにより例えば、発光素子やレンズを高特性なGaAs基板に形成しつつ、発光装置用の回路を安価なSi基板に形成することが可能となる。
本開示の第2の側面の発光装置は、第1基板と、前記第1基板の下面に設けられた発光素子と、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物とを備え、前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記レンズの最上部の高さは、前記構造物の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する。これにより、好適な状態の第1基板に発光素子を設けることが可能となる。例えば、この構造物によりダイシングテープの剥がれの進行を止めることで、ダイシングテープの糊材が第1基板に付着するのを抑制することが可能となり、これにより第1基板の状態を良好に維持することが可能となる。
本開示の第3の側面の測距装置は、光を発生させる発光素子を含み、前記発光素子からの光を被写体に照射する発光部と、前記被写体から反射した光を受光する受光部と、前記受光部により受光された光に基づいて、前記被写体との距離を測定する測距部とを備え、前記発光部は、第1基板と、前記第1基板の下面に設けられた前記発光素子と、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物と、前記第1基板の上面に設けられた膜であって、前記レンズ上に配置されているかまたは前記レンズを形成している第1部分と、前記構造物上に配置されているかまたは前記構造物を形成している第2部分と、を含む膜とを備え、前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記第1部分の最上部の高さは、前記第2部分の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する。これにより、上述のように、好適な状態の第1基板に発光素子を設けることが可能となる。
本開示の第4の側面の測距装置は、光を発生させる発光素子を含み、前記発光素子からの光を被写体に照射する発光部と、前記被写体から反射した光を受光する受光部と、前記受光部により受光された光に基づいて、前記被写体との距離を測定する測距部とを備え、前記発光部は、第1基板と、前記第1基板の下面に設けられた前記発光素子と、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物とを備え、前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記レンズの最上部の高さは、前記構造物の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する。これにより、上述のように、好適な状態の第1基板に発光素子を設けることが可能となる。
第1実施形態の測距装置の構成例を示すブロック図である。 第1実施形態のSTL(Structured Light)方式を説明するための図である。 第1実施形態の発光装置の構造の例を示す断面図である。 図3のBに示す発光装置の構造を示す断面図である。 第1実施形態の発光装置の構造を示す断面図および平面図である。 比較例の発光装置の基板の構造を示す平面図および断面図である。 第1実施形態の発光装置の基板の構造を示す平面図および断面図である。 比較例の発光装置の製造方法を示す断面図である。 第1実施形態の発光装置の製造方法を示す断面図である。 比較例の発光装置の製造方法の欠点を説明するための平面図である。 第1実施形態の発光装置の製造方法の利点を説明するための断面図である。 第1実施形態の変形例の発光装置の構造を示す平面図である。 第2実施形態の発光装置の基板の構造を示す平面図および断面図である。 第3実施形態の発光装置の基板の構造を示す平面図および断面図である。 第4実施形態の発光装置の基板の構造を示す平面図および断面図である。 第5実施形態の発光装置の構造の例を示す断面図(1/4)である。 第5実施形態の発光装置の構造の例を示す断面図(2/4)である。 第5実施形態の発光装置の構造の例を示す断面図(3/4)である。 第5実施形態の発光装置の構造の例を示す断面図(4/4)である。 第6実施形態の発光装置の基板の構造の例を示す断面図(1/2)である。 第6実施形態の発光装置の基板の構造の例を示す断面図(2/2)である。 第7実施形態の発光装置の製造方法を示す断面図である。 第8実施形態の発光装置の製造方法を示す断面図である。 第9実施形態の発光装置の構造を示す断面図および平面図である。 第10実施形態の発光装置の製造方法を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
(1)第1実施形態の測距装置101
(1.1)測距装置101の構成
図1は、第1実施形態の測距装置101の構成例を示すブロック図である。
図示のように測距装置101は、発光部102、駆動部103、電源回路104、発光側光学系105、受光側光学系106、受光部107、信号処理部108、制御部109、および温度検出部110を備えている。
発光部102は、複数の光源により光を発する。本例の発光部102は、各光源としてVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER:垂直共振器面発光レーザ)による発光素子102aを有しており、それら発光素子102aが例えばマトリクス状等の所定態様により配列されて構成されている。
駆動部103は、発光部102を駆動するための電源回路を有して構成される。
電源回路104は、例えば測距装置101に設けられた不図示のバッテリ等からの入力電圧に基づき、駆動部103の電源電圧を生成する。駆動部103は、該電源電圧に基づいて発光部102を駆動する。
発光部102より発せられた光は、発光側光学系105を介して測距対象としての被写体Sに照射される。そして、このように照射された光の被写体Sからの反射光は、受光側光学系106を介して受光部107の受光面に入射する。
受光部107は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の受光素子とされ、上記のように受光側光学系106を介して入射する被写体Sからの反射光を受光し、電気信号に変換して出力する。
受光部107は、受光した光を光電変換して得た電気信号について、例えばCDS(Correlated Double Sampling)処理、AGC(Automatic Gain Control)処理等を実行し、さらにA/D(Analog/Digital)変換処理を行う。そしてデジタルデータとしての信号を、後段の信号処理部108に出力する。
また、本例の受光部107は、フレーム同期信号Fsを駆動部103に出力する。これにより駆動部103は、発光部102における発光素子102aを受光部107のフレーム周期に応じたタイミングで発光させることが可能とされる。
信号処理部108は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等により信号処理プロセッサとして構成される。信号処理部108は、受光部107から入力されるデジタル信号に対して、各種の信号処理を施す。
制御部109は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するマイクロコンピュータ、またはDSP等の情報処理装置を備えて構成され、発光部102による発光動作を制御するための駆動部103の制御や、受光部107による受光動作に係る制御を行う。
制御部109は、測距部109aとしての機能を有する。測距部109aは、信号処理部108を介して入力される信号(つまり被写体Sからの反射光を受光して得られる信号)に基づき、被写体Sまでの距離を測定する。本例の測距部109aは、被写体Sの三次元形状の特定を可能とするために、被写体Sの各部について距離の測定を行う。
ここで、測距装置101における具体的な測距の手法については後に改めて説明する。
温度検出部110は、発光部102の温度を検出する。温度検出部110としては、例えばダイオードを用いて温度検出を行う構成を採ることができる。
本例では、温度検出部110により検出された温度の情報は駆動部103に供給され、これにより駆動部103は該温度の情報に基づいて発光部102の駆動を行うことが可能とされる。
(1.2)測距手法について
測距装置101における測距手法としては、例えばSTL(Structured Light:構造化光)方式やToF(Time of Flight:光飛行時間)方式による測距手法を採用することができる。
STL方式は、例えばドットパターンや格子パターン等の所定の明/暗パターンを有する光を照射された被写体Sの画像に基づいて距離を測定する方式である。
図2は、第1実施形態のSTL方式を説明するための図である。
STL方式では、例えば図2のAに示すようなドットパターンによるパターン光Lpを被写体Sに照射する。パターン光Lpは、複数のブロックBLに分割されており、各ブロックBLにはそれぞれ異なるドットパターンが割当てられている(ブロックB間でドットパターンが重複しないようにされている)。
図2のBは、STL方式の測距原理についての説明図である。
ここでは、壁Wとその前に配置された箱BXとが被写体Sとされ、該被写体Sに対してパターン光Lpが照射された例としている。図中の「G」は受光部107による画角を模式的に表している。
また、図中の「BLn」はパターン光Lpにおける或るブロックBLの光を意味し、「dn」は受光部107による受光画像に映し出されるブロックBLnのドットパターンを意味している。
ここで、壁Wの前の箱BXが存在しない場合、受光画像においてブロックBLnのドットパターンは図中の「dn’」の位置に映し出される。すなわち、箱BXが存在する場合と箱BXが存在しない場合とで、受光画像においてブロックBLnのパターンが映し出される位置が異なるものであり、具体的には、パターンの歪みが生じる。
STL方式は、このように照射したパターンが被写体Sの物体形状によって歪むことを利用して被写体Sの形状や奥行きを求める方式となる。具体的には、パターンの歪み方から被写体Sの形状や奥行きを求める方式である。
STL方式を採用する場合、受光部107としては、例えばグローバルシャッタ方式によるIR(Infrared:赤外線)受光部が用いられる。そして、STL方式の場合、測距部109aは、発光部102がパターン光を発光するように駆動部103を制御すると共に、信号処理部108を介して得られる画像信号についてパターンの歪みを検出し、パターンの歪み方に基づいて距離を計算する。
続いて、ToF方式は、発光部102より発された光が対象物で反射されて受光部107に到達するまでの光の飛行時間(時間差)を検出することで、対象物までの距離を測定する方式である。
ToF方式として、いわゆるダイレクトToF(dTOF)方式を採用する場合、受光部107としてはSPAD(Single Photon Avalanche Diode)を用い、また発光部102はパルス駆動する。この場合、測距部109aは、信号処理部108を介して入力される信号に基づき、発光部102より発せられ受光部107により受光される光について発光から受光までの時間差を計算し、該時間差と光の速度とに基づいて被写体Sの各部の距離を計算する。
なお、ToF方式として、いわゆるインダイレクトToF(iTOF)方式(位相差法)を採用する場合、受光部107としては例えばIRを受光することのできる受光部が用いられる。
(2)第1実施形態の発光装置1
図3は、第1実施形態の発光装置1の構造の例を示す断面図である。本実施形態の発光装置1は、測距装置101の一部でもよいし、測距装置101そのものでもよい。
図3のAは、本実施形態の発光装置1の構造の第1の例を示している。この例の発光装置1は、発光部102を含むLD(Laser Diode)チップ41と、駆動部103を含むLDD(Laser Diode Driver)基板42と、実装基板43と、放熱基板44と、補正レンズ保持部45と、1つ以上の補正レンズ46と、配線47とを備えている。
図3のAは、互いに垂直なX軸、Y軸、およびZ軸を示している。X方向とY方向は横方向(水平方向)に相当し、Z方向は縦方向(垂直方向)に相当する。また、+Z方向は上方向に相当し、-Z方向は下方向に相当する。-Z方向は、厳密に重力方向に一致していてもよいし、厳密には重力方向に一致していなくてもよい。
LDチップ41は、放熱基板44を介して実装基板43上に配置され、LDD基板42も、実装基板43上に配置されている。実装基板43は、例えばプリント基板である。実装基板43にはさらに、図1に示す受光部107や信号処理部108が配置されていてもよい。放熱基板44は、例えばAl(酸化アルミニウム)基板やAlN(窒化アルミニウム基板)などのセラミック基板である。
補正レンズ保持部45は、LDチップ41を囲むように放熱基板44上に配置されており、LDチップ41の上方に1つ以上の補正レンズ46を保持している。これらの補正レンズ46は、上述の発光側光学系105に含まれている。LDチップ41内の発光部102から発光された光は、これらの補正レンズ46により補正された後、上述の被写体Sに照射される。図3のAは、一例として、補正レンズ保持部45に保持された2つの補正レンズ46を示している。
配線47は、実装基板43の表面、裏面、内部などに設けられており、LDチップ41とLDD基板42とを電気的に接続している。配線47は例えば、実装基板43の表面や裏面に設けられたプリント配線や、実装基板43を貫通するビア配線である。本実施形態の配線47はさらに、放熱基板44の内部または付近を通過している。
図3のBは、本実施形態の発光装置1の構造の第2の例を示している。この例の発光装置1は、第1の例の発光装置1と同じ構成要素を備えているが、配線47の代わりにバンプ48を備えている。
図3のBでは、放熱基板44上にLDD基板42が配置されており、LDD基板42上にLDチップ41が配置されている。このようにLDチップ41をLDD基板42上に配置することにより、第1の例の場合に比べて、実装基板43のサイズを小型化することが可能となる。図3のBでは、LDチップ41が、LDD基板42上にバンプ48を介して配置されており、バンプ48によりLDD基板42と電気的に接続されている。バンプ48は、例えば金(Au)で形成されている。
以下、本実施形態の発光装置1について、図3のBに示す第2の例の構造を有しているとして説明する。ただし、以下の説明は、第2の例に特有の構造についての説明を除き、第1の例の構造を有する発光装置1にも適用可能である。
図4は、図3のBに示す発光装置1の構造を示す断面図である。
図4は、発光装置1内のLDチップ41とLDD基板42の断面を示している。図4に示すように、LDチップ41は、基板51と、積層膜52と、複数の発光素子53と、複数のアノード電極54と、複数のカソード電極55とを備えており、LDD基板42は、基板61と、複数の接続パッド62とを備えている。基板51は、本開示の第1基板の例であり、基板61は、本開示の第2基板の例である。図4に示す発光素子53は、上述の発光素子102aの具体例となっている。なお、図4では、後述するレンズ71、構造物72、および反射防止膜73の図示は省略されている(図5を参照)。
基板51は、例えばGaAs(ガリウムヒ素)基板などの化合物半導体基板である。図4は、-Z方向を向いている基板51の表面S1と、+Z方向を向いている基板51の裏面S2と、表面S1と裏面S2との間に設けられた基板51の複数の側面S3とを示している。図4に示す表面S1および裏面S2は、Z方向に垂直である。図4では、表面S1が基板51の下面となっており、裏面S2が基板51の上面となっている。
積層膜52は、基板51の表面S1に積層された複数の層を含んでいる。これらの層の例は、n型半導体層、活性層、p型半導体層、および光反射層や、光の射出窓を有する絶縁層などである。積層膜52は、-Z方向に突出した複数のメサ部Mを含んでいる。これらのメサ部Mの一部が、複数の発光素子53となっている。
発光素子53は、積層膜52の一部として、基板51の表面S1に設けられている。本実施形態の発光素子53は、VCSEL構造を有しており、光を+Z方向に出射する。発光素子53から出射された光は、図4に示すように、基板51の表面S1から裏面S2へと基板51内を透過し、基板51から上述の補正レンズ46(図3)に入射する。このように、本実施形態のLDチップ41は、裏面出射型のVCSELチップとなっている。
アノード電極54は、発光素子53の下面に形成されている。カソード電極55は、発光素子53以外のメサ部Mの下面に形成されており、メサ部Mの下面から、メサ部M間にある積層膜52の下面まで延びている。各発光素子53は、対応するアノード電極54と対応するカソード電極55との間に電流が流れることで光を出射する。
上述のように、LDチップ41は、LDD基板42上にバンプ48を介して配置されており、バンプ48によりLDD基板42と電気的に接続されている。具体的には、LDD基板42に含まれる基板61上に接続パッド62が形成されており、接続パッド62上にバンプ48を介してメサ部Mが配置されている。各メサ部Mは、アノード電極54またはカソード電極55を介してバンプ48上に配置されている。基板61は、例えばSi(シリコン)基板などの半導体基板である。
LDD基板42は、発光部102を駆動する駆動部103を含んでいる。図4は、駆動部103に含まれる複数のスイッチSWを模式的に示している。各スイッチSWは、バンプ48を介して、対応する発光素子53と電気的に接続されている。本実施形態の駆動部103は、これらのスイッチSWを個々のスイッチSWごとに制御(オン・オフ)することができる。よって、駆動部103は、複数の発光素子53を個々の発光素子53ごとに駆動させることができる。これにより、例えば測距に必要な発光素子53のみを発光させるなど、発光部102から出射される光を精密に制御することが可能となる。このような発光素子53の個別制御は、LDD基板42をLDチップ41の下方に配置することにより、各発光素子53を対応するスイッチSWと電気的に接続しやすくなったことで実現可能となっている。
図5は、第1実施形態の発光装置1の構造を示す断面図および平面図である。
図5のAは、発光装置1内のLDチップ41とLDD基板42の断面を示している。上述のように、LDチップ41は、基板51と、積層膜52と、複数の発光素子53と、複数のアノード電極54と、複数のカソード電極55とを備えており、LDD基板42は、基板61と、複数の接続パッド62とを備えている。ただし、図5のAでは、アノード電極54、カソード電極55、および接続パッド62の図示が省略されている。
本実施形態のLDチップ41は、基板51の表面S1に複数の発光素子53を備えると共に、基板51の裏面S2に複数のレンズ71と、構造物72と、反射防止膜73とを備えている。反射防止膜73は、本開示の膜の例である。
レンズ71は、発光素子53と同様に、2次元アレイ状に配置されている。本実施形態のレンズ71は、発光素子53と1対1で対応しており、レンズ71の各々が、1つの発光素子53の+Z方向に配置されている。また、本実施形態のレンズ71は、図5のAに示すように、基板51の裏面S2に基板51の一部として設けられている。具体的には、本実施形態のレンズ71は凸レンズであり、基板51の裏面S2を凸形状にエッチング加工することで、基板51の一部として形成されている。本実施形態によれば、基板51のエッチング加工によりレンズ71を形成することで、レンズ71を簡単に形成することができる。なお、凸レンズ以外のレンズ71の例や、レンズ71を形成するための基板51のエッチング加工の詳細については、後述する。
構造物72は、基板51の裏面S2に設けられており、基板51の裏面S2に段差を形成している。本実施形態の構造物72は、凸レンズであるレンズ71と同様に凸型の形状を有しているが、レンズ71としては使用されない。本実施形態の構造物72は、後述するように、基板51上の全レンズ71を環状に包囲する形状を有している(図5のBを参照)。また、本実施形態の構造物72は、レンズ71と同様に、基板51の裏面S2に基板51の一部として設けられている。よって、本実施形態によれば、基板51のエッチング加工により構造物72を形成することで、構造物72を簡単に形成することができる。なお、凸型以外の形状を有する構造物72の例や、構造物72を形成するための基板51のエッチング加工の詳細については、後述する。
反射防止膜73は、レンズ71と構造物72とを覆うように、基板51の裏面S2に設けられている。よって、反射防止膜73は、レンズ71上に配置された第1部分X1と、構造物72上に配置された第2部分X2とを含んでいる。反射防止膜73は、基板51の内部からレンズ71に入射した光が、基板51の内部へと反射されることを防止する機能を有している。反射防止膜73は、例えば酸化シリコン膜である。反射防止膜73は、本実施形態では均一な厚さを有しているが、不均一な厚さを有していてもよい。
上記複数の発光素子53から出射された光は、基板51の表面S1から裏面S2へと基板51内を透過し、上記複数のレンズ71に入射する。本実施形態では、各発光素子53から出射された光が、対応する1つのレンズ71に入射する。これにより、上記複数の発光素子53から出射された光を、個々のレンズ71ごとに成形することが可能となる。上記複数のレンズ71を通過した光は、補正レンズ46(図3)を通過して、被写体S(図1)に照射される。なお、発光素子53とレンズ71が1対1に対応しない場合の例については、後述する。
ここで、図5のAに示す厚さA1、A2、B1、B2、C1、C2や幅D1、D2について説明する。
本実施形態では、各レンズ71の最上部の高さが、構造物72の最上部の高さよりも高くなっている。別言すると、各レンズ71の最上部のZ座標が、構造物72の最上部のZ座標よりも大きくなっている。本実施形態の各レンズ71は凸レンズであるため、各レンズ71の最上部は、各レンズ71の頂部である。一方、本実施形態の構造物72は凸型の形状を有しかつ平坦な上面を有しているため、構造物72の最上部は、構造物72の上面である。よって、本実施形態では、各レンズ71の頂部の高さが、構造物72の上面の高さよりも高くなっている。
その結果、各レンズ71上の反射防止膜73の第1部分X1の最上部の高さは、構造物72上の反射防止膜73の第2部分X2の最上部の高さよりも高くなっている。各レンズ71上の第1部分X1の最上部は、各レンズ71の頂部の上方に存在している。一方、構造物72上の第2部分X2の最上部は、構造物72の上面の上方に存在している。よって、各レンズ71の頂部の上方に存在する第1部分X1の最上部の高さは、構造物72の上面の上方に存在する第2部分X2の最上部の高さよりも高くなっている。
厚さA1、B1、C1はそれぞれ、基板51、レンズ71、構造物72のZ方向の厚さを表している。幅D1は、図5のAにおける構造物72のX方向の幅を表している。基板51の厚さA1は、例えば100~600μmである。レンズ71の厚さB1は、例えば0.1~10μmである。構造物72の厚さC1は、例えば0.1~10μmである。構造物72の幅D1は、例えば10~100μmである。また、反射防止膜73の厚さは、例えば0.1~1μmである。
各レンズ71の厚さB1は、基板51の裏面S2の平坦部に対する各レンズ71の最上部の高さに相当している。同様に、構造物72の厚さC1は、基板51の裏面S2の平坦部に対する構造物72の最上部の高さに相当している。よって、各レンズ71の最上部の高さが、構造物72の最上部の高さよりも高いことは、各レンズ71の厚さB1が、構造物72の厚さC1よりも厚いと言い換えることができる(B1>C1)。
さらに、厚さA2、B2、C2はそれぞれ、基板51と反射防止膜73の合計厚、レンズ71と反射防止膜73の合計厚、構造物72と反射防止膜73の合計厚を表している。幅D2は、図5のAにおける構造物72と反射防止膜73の合計幅を表している。各レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さが、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さよりも高いことは、各レンズ71と反射防止膜73の合計厚B2が、構造物72と反射防止膜73の合計厚C2よりも厚いと言い換えることができる(B2>C2)。
本実施形態のLDチップ41を製造する際には、後述するように、基板51に発光素子53、レンズ71、構造物72、反射防止膜73などを設けた後、基板51をダイシングする。具体的には、基板51にダイシングテープを貼り、基板51にレーザーを照射し、ダイシングテープを延ばす。これにより、基板51が複数のチップ(LDチップ41)に分割される(図9を参照)。
しかしながら、ダイシングテープを延ばすと、ダイシングテープの糊材が延び、LDチップ41のエッジ部がダイシングテープから剥がれる可能性がある。この場合、LDチップ41のエッジ部付近でダイシングテープの糊材が引きちぎられ、ダイシングテープの糊材がLDチップ41に付着する可能性がある。その結果、糊材が付着したLDチップ41が不良品となる可能性がある。このように、基板51を加工すると、基板51の状態が悪くなる場合がある。
そこで、本実施形態のLDチップ41を製造する際には、基板51にレンズ71だけでなく構造物72を設けた後に、基板51をダイシングする。これにより、ダイシングテープの剥がれの進行を構造物72により止めることで、ダイシングテープの糊材がレンズ71などに付着するのを抑制することが可能となる。さらには、各レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さを、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さよりも高くすることで、ダイシングテープを貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となる。これにより、ダイシングテープの糊材が構造物72に固着するのを抑制することが可能となる。その結果、基板51の状態を良好に維持することが可能となる。このような作用のさらなる詳細については、後述する。
なお、上記複数のレンズ71は、本実施形態では同じ形状を有しているが、互いに異なる形状を有していてもよい。また、構造物72は、本実施形態では平坦な上面を有しているが、非平坦な上面を有していてもよい。これらの場合でも、各レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さを、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さよりも高く設定することで、上記の効果を得ることができる。
図5のBは、基板51の裏面S2に設けられたレンズ71や構造物72のレイアウトを示している。図5のBでは、レンズ71が、基板51の裏面S2に2次元アレイ状に配置されており、具体的には、正方格子状に配置されている。また、構造物72は、四角形の裏面S2の四辺に沿って延びる四角形の環状の形状を有しており、基板51上の全レンズ71を環状に包囲している。なお、図5のAは、図5のBに示すA-A’線に沿った断面を示している。
(3)第1実施形態の発光装置1と比較例の発光装置1との比較
次に、図6~図11を参照して、第1実施形態の発光装置1と比較例の発光装置1とを比較する。本比較例の発光装置1の説明では、本実施形態の発光装置1の説明で使用した符号と同じ符号を使用する。
図6は、比較例の発光装置1の基板51の構造を示す平面図および断面図である。図6のAは、ダイシングされる前の基板51の構造を示す平面図であり、図6のBは、図6のAに示すA-A’線に沿った断面図である。
本比較例の基板51は、図6のAおよびBに示すように、複数のチップ領域81と、スクライブ領域(ダイシング領域)82とを備えている。各チップ領域81は、基板51のダイシング後に1つのLDチップ41となる領域である。スクライブ領域82は、基板51のダイシング時にカットされる領域である。本比較例の基板51は、スクライブ領域82においてカットされることで、複数のチップ領域81に分割される。
各チップ領域81は、長方形(または正方形)の平面形状を有しており、レンズ領域81aと、周辺領域81bとを含んでいる。レンズ領域81aは、2次元アレイ状に配置された複数のレンズ71を含んでいる(図6のB)。周辺領域81bは、レンズ領域81aを環状に包囲している。
スクライブ領域82は、上記複数のチップ領域81を個々のチップ領域81ごとに環状に包囲する平面形状を有しており、X方向に延びる複数のスクライブライン(ダイシングライン)82aと、Y方向に延びる複数のスクライブライン82bとを含んでいる。本比較例の基板51は、これらのスクライブライン82a、82bにダイサーを当ててカットされることで、複数のチップ領域81に分割される。符号Lは、スクライブライン82bを通過する平面を示している。
本比較例の基板51には、構造物72が設けられていないことに留意されたい。なお、反射防止膜73は、図6のAおよびBに示す基板51上に、後に形成される。すなわち、図6のAおよびBは、反射防止膜73が形成される前の基板51を示している。
図7は、第1実施形態の発光装置1の基板51の構造を示す平面図および断面図である。図7のAは、ダイシングされる前の基板51の構造を示す平面図であり、図7のBは、図7のAに示すA-A’線に沿った断面図である。
本実施形態の基板51は、図7のAおよびBに示すように、複数のチップ領域81と、スクライブ領域82とを備えている。本実施形態のチップ領域81およびスクライブ領域82の構造は、おおむね比較例のチップ領域81およびスクライブ領域82の構造と同じである。
ただし、本実施形態の基板51には、複数の構造物72が設けられている。これらの構造物72は、基板51のチップ領域81内に設けられており、具体的には、1つのチップ領域81内に1つの構造物72が設けられている(図7のA)。各構造物72は、周辺領域81b内に設けられており、レンズ領域81aを環状に包囲する平面形状を有している。本実施形態の各構造物72は、図7のAおよびBに示すように、スクライブ領域82内には設けられていないことに留意されたい。
図8は、比較例の発光装置1の製造方法を示す断面図である。図8のA~Cは、本比較例の発光装置1のLDチップ41を製造する工程を示している。
まず、基板51に積層膜52、発光素子53、レンズ71、反射防止膜73などを設けた後、基板51にダイシングテープ83を貼る(図8のA)。ただし、図8のAは、基板51およびレンズ71を図示しているものの、積層膜52、発光素子53、および反射防止膜73の図示は省略している。図8のAでは、基板51の表面S1が、基板51の上面となっており、基板51の裏面S2が、基板51の下面となっている。図8のAはさらに、基板51のチップ領域81およびスクライブ領域82を示している。
図8のAに示すように、ダイシングテープ83は、基材83aと、基材83a上に設けられた糊材83bとを含んでいる。本比較例の基板51は、レンズ71と糊材83bとが接するように、ダイシングテープ83に貼られる。図8のAに示す工程は、ダイシングテープ83のラミネート工程と呼ばれる。
次に、基板51にレーザー光を照射する(図8のB)。符号Pは、基板51に照射されるステルス用レーザー光を示している。本比較例のレーザー光は、基板51のスクライブ領域82に照射される。その結果、スクライブ領域82内で基板51がレーザー光により改質され、スクライブ領域82内に改質層84が形成される。
次に、基板51にダイシングテープ83が貼られている状態で、ダイシングテープ83を矢印Fで示すように延ばす(図8のC)。その結果、ダイシングテープ83から基板51に力が加わり、基板51がチップ領域81ごと(LDチップ41ごと)に分割される。理由は、基板51内の改質層84が、基板51内のその他の部分に比べて、割れやすい状態になっているからである。図8のCに示す工程は、ダイシングテープ83のエクスパンド工程と呼ばれる。符号Gは、基板51の分割によりLDチップ41間に生じた隙間を示している。
本比較例では、エクスパンド工程でダイシングテープ83を延ばすと、ダイシングテープ83の糊材83bが延び、LDチップ41のエッジ部がダイシングテープ83から剥がれる可能性がある。この場合、LDチップ41のエッジ部付近でダイシングテープ83の糊材83bが引きちぎられ、ダイシングテープ83の糊材83bがLDチップ41に付着する可能性がある。その結果、糊材83bが付着したLDチップ41が不良品となる可能性がある。このように、基板51を加工すると、基板51の状態が悪くなる場合がある。
図9は、第1実施形態の発光装置1の製造方法を示す断面図である。図9のA~Cは、本実施形態の発光装置1のLDチップ41を製造する工程を示している。図9のA~Cの説明において、図8のA~Cの説明と共通の事項については、説明を適宜省略する。
まず、基板51に積層膜52、発光素子53、レンズ71、構造物72、反射防止膜73などを設けた後、基板51にダイシングテープ83を貼る(図9のA)。ただし、図9のAは、基板51、レンズ71、および構造物72を図示しているものの、積層膜52、発光素子53、および反射防止膜73の図示は省略している。
次に、基板51にレーザー光を照射する(図9のB)。本実施形態のレーザー光も、基板51のスクライブ領域82に照射される。その結果、スクライブ領域82内に改質層84が形成される。
次に、基板51にダイシングテープ83が貼られている状態で、ダイシングテープ83を矢印Fで示すように延ばす(図9のC)。その結果、基板51がチップ領域81ごと(LDチップ41ごと)に分割される。
本実施形態では、基板51にレンズ71だけでなく構造物72を設けた後に、基板51をダイシングする。これにより、ダイシングテープ83の剥がれの進行を構造物72により止めることで、ダイシングテープ83の糊材83bがレンズ71などに付着するのを抑制することが可能となる。さらには、各レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さを、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さよりも高くすることで(図5のAを参照)、ダイシングテープ83を貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となる。これにより、ダイシングテープ83の糊材83bが構造物72に固着するのを抑制することが可能となる。その結果、基板51の状態を良好に維持することが可能となる。
図9のCは、ダイシング後の基板51の側面S3に残存した改質層84を示している。ダイシング後の基板51では、基板51の側面S3が、改質層84の影響で、基板51の他の面より粗くなっている。別言すると、ダイシング後の基板51の側面S3は、大きなラフネスを有している。本実施形態では、ダイシング後の基板51の側面S3を、研磨により平坦化してもよいし、研磨せずに粗いままにしてもよい。後者の場合、基板51の側面S3が粗いことで、基板51の側面S3から光が出入りすることを抑制することが可能となる。ダイシング後の基板51の側面S3は例えば、改質層84の影響で1~3μmのサイズの複数の凹部を含んでおり、これらの凹部が基板51の側面S3を粗くしている。
図10は、比較例の発光装置1の製造方法の欠点を説明するための平面図である。
図10は、図8のCにおける基板51の分割後に、基板51の裏面S2をダイシングテープ83越しに観察した様子を示している。具体的には、図10は、9つのLDチップ41内の基板51の裏面S2と、これらのLDチップ41間の隙間Gとを示している。
図10はさらに、ダイシング後の基板51の裏面S2に糊材83bが存在している様子を示している。図10において、クロスハッチングで示す領域は、糊材83bが存在していない領域を示し、斜線ハッチングで示す領域は、糊材83bが存在している領域を示している。また、符号K1は、LDチップ41の中心部付近に存在する糊材83bを示し、符号K2は、LDチップ41のエッジ部付近に存在する糊材83bを示している。
上述のように、エクスパンド工程でダイシングテープ83を延ばすと、ダイシングテープ83の糊材83bが延び、LDチップ41のエッジ部がダイシングテープ83から剥がれる可能性がある。図10にてクロスハッチングで示す領域は、このような剥がれが生じた領域に相当する。この場合、LDチップ41のエッジ部付近でダイシングテープ83の糊材83bが引きちぎられ、ダイシングテープ83の糊材83bがLDチップ41に付着する可能性がある。符号K2で示す糊材83bは、このように引きちぎられた糊材83bに相当する。ダイシング後の基板51からダイシングテープ83を剥がす際、符号K1で示す糊材83bは一般に基材83aと共に基板51から剥がれるが、符号K2で示す糊材83bは基板51に残る可能性がある。
LDチップ41に付着した糊材83bは、LDチップ41の光学特性を悪化させる可能性がある。例えば、レンズ71に糊材83bが付着すると、光がレンズ71を透過しなくなる可能性や、透過しにくくなる可能性がある。同様に、基板51の裏面S2におけるレンズ71以外の領域に付着した糊材83bも、LDチップ41の光学特性を悪化させる可能性がある。
図11は、第1実施形態の発光装置1の製造方法の利点を説明するための断面図である。図11のA~Cは、レンズ71や構造物72を図示しているが、反射防止膜73の図示は省略している。
図11のAは、図8のCと同様に、比較例のエクスパンド工程を示している。本比較例の基板51は、レンズ71は備えているが、構造物72は備えていない。そのため、エクスパンド工程でダイシングテープ83を延ばすと、ダイシングテープ83の糊材83bが延び、LDチップ41のエッジ部がダイシングテープ83から剥がれる可能性がある。
図11のBは、図10のCと同様に、本実施形態のエクスパンド工程を示している。本実施形態の基板51は、レンズ71および構造物72を備えている。これにより、ダイシングテープ83の剥がれの進行を構造物72により止めることで、ダイシングテープ83の糊材83bがレンズ71などに付着するのを抑制することが可能となる。本実施形態によれば、ダイシングテープ83の剥がれの進行を、構造物72により止めて、レンズ71まで拡がらないようにすることが可能となる。
ただし、図11のBに示すレンズ71の厚さB1(図5のAを参照)は、構造物72の厚さC1より薄くなっている。よって、基板51の裏面S2が図5のAに示すように+Z方向を向いている場合、レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さが、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さより低くなる。その結果、図11のBに示す構造物72は、レンズ71よりも-Z方向に突き出ている。そのため、基板51にダイシングテープ83を貼る際に、ダイシングテープ83を貼る荷重が構造物72に集中し、ダイシングテープ83の糊材83bが構造物72に固着してしまうおそれがある。
図11のCも、図10のCと同様に、本実施形態のエクスパンド工程を示している。ただし、図11のCに示すレンズ71の厚さB1(図5のAを参照)は、構造物72の厚さC1より厚くなっている。よって、基板51の裏面S2が図5のAに示すように+Z方向を向いている場合、レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さが、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さより高くなる。これにより、ダイシングテープ83を貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となり、ダイシングテープ83の糊材83bが構造物72に固着するのを抑制することが可能となる。よって、基板51に構造物72を設ける場合、レンズ71の厚さB1は、構造物72の厚さC1より厚くすることが望ましい。
ここで、図5のAおよびBを再び参照する。
図5のAは、基板51の側面S3を示している。本実施形態では、基板51の側面S3と構造物72との距離を、短く設定することが望ましい。理由は、ダイシングテープ83の剥がれの進行を、基板51の側面S3付近で止めて、ダイシングテープ83が剥がれる領域を狭くするためである。基板51の側面S3と構造物72との距離は、例えば10~100μmに設定することが望ましい。また、ダイシングテープ83の剥がれは、周辺領域81bで止めることにより、レンズ領域81aまで拡がらないようにすることが望ましい(図7のAを参照)。
図5のBに示すように、本実施形態の発光装置1は、基板51の裏面S2に複数のレンズ71を備え、本実施形態の構造物72は、これらのレンズ71を環状に包囲する形状を有している。本実施形態によれば、構造物72をレンズ71の周りの広い範囲に配置することで、ダイシングテープ83の剥がれの進行を広い範囲で止めることが可能となる。なお、構造物72の形状のその他の例については、後述する。
(4)第1実施形態の変形例の発光装置1
図12は、第1実施形態の変形例の発光装置1の構造を示す平面図である。
図12のAは、図5のBと同様に、基板51の裏面S2に設けられたレンズ71および構造物72のレイアウトを示している。ただし、図5のBに示すレンズ71は、正方格子状に配置されているのに対し、図12のAに示すレンズ71は、三角格子状に配置されている。このように、レンズ71を2次元アレイ状に配置する際のレイアウトは、どのようなレイアウトでもよい。
なお、レンズ71を三角格子状に配置する際の格子の向きは、図12のAに示す向きでもよいし、図12のBに示す向きでもよい。また、レンズ71のレイアウトは、正方格子や三角格子のような規則的なレイアウトでもよいし、レンズ71がランダムに配置された不規則なレイアウトでもよい。また、構造物72のレイアウトも、後述するように様々なレイアウトとすることが可能である。
以上のように、本実施形態の発光装置1では、各レンズ71上の反射防止膜73(第1部分X1)の最上部の高さが、レンズ71と異なる構造物72上の反射防止膜73(第2部分X2)の最上部の高さよりも高くなっている。よって、本実施形態によれば、好適な状態の基板51に発光素子53やレンズ71を設けることが可能となる。例えば、構造物72によりダイシングテープ83の剥がれの進行を止めることで、ダイシングテープ83の糊材83bが基板51に付着するのを抑制することが可能となり、これにより基板51の状態を良好に維持することが可能となる。
なお、本実施形態のレンズ71や構造物72は、基板51上の膜により覆われており、具体的には、基板51上の反射防止膜73により覆われている。しかしながら、レンズ71や構造物72は、基板51上の膜により形成されていてもよい。この膜は、反射防止膜73でもよいし、反射防止膜73とは異なる膜でもよい。このような膜の詳細については後述する。
(第2~第4実施形態)
(1)第2実施形態
図13は、第2実施形態の発光装置1の基板51の構造を示す平面図および断面図である。図13のAおよびBの関係は、図7のAおよびBの関係と同様である。
本実施形態の基板51は、図13のAに示すように、各チップ領域81内に複数のレンズ71と複数の構造物72とを備えている。各チップ領域81内において、これらのレンズ71は、レンズ領域81a内に配置され、これらの構造物72は、周辺領域81b内に配置されている。さらに、これらの構造物72は、これらのレンズ71を環状に包囲するように環状に並べられている。よって、これらの構造物72は、図7のAに示す各チップ領域81内の構造物72と似た形状を有している。これにより、ダイシングテープ83の剥がれの進行を、構造物72により止めて、レンズ71まで拡がらないようにすることが可能となる。図7のAに示す構造物72は、連続的な環を形成しているのに対し、図13のAに示す複数の構造物72は、非連続的な環を形成している。本実施形態の基板51をダイシングすると、各チップ領域81は、基板51の裏面S2の角や辺の付近にこれらの構造物72を有することとなる。本実施形態の基板51の側面S3と構造物72との距離も、例えば10~100μmに設定することが望ましい。
(2)第3実施形態
図14は、第3実施形態の発光装置1の基板51の構造を示す平面図および断面図である。図14のAおよびBの関係は、図7のAおよびBの関係と同様である。
本実施形態の基板51は、図14のAに示すように、各チップ領域81内に複数のレンズ71と複数の構造物72とを備えている。本実施形態の各チップ領域81は、周辺領域81bの4つの角に4つの構造物72を備えており、各構造物72は、平面視でL字型の形状を有している。ダイシングテープ83の剥がれは、一般に周辺領域81bのこれらの角付近で進行しやすい。本実施形態によれば、構造物72のサイズが小さいにもかからわず、ダイシングテープ83の剥がれの進行を効果的に抑制することが可能となる。なお、平面視における各構造物72の形状は、L字型以外でもよい。
(3)第4実施形態
図15は、第4実施形態の発光装置1の基板51の構造を示す平面図および断面図である。図15のAおよびBの関係は、図7のAおよびBの関係と同様である。
本実施形態の基板51は、図15のAに示すように、各チップ領域81内に複数のレンズ71と1つの構造物72とを備えている。本実施形態の構造物72は、図7のAに示す構造物72と同様に、これらのレンズ71を環状に包囲する形状を有している。ただし、本実施形態の構造物72は、内周側の各角と外周側の各角とが丸められた形状(ラウンド形状)を有している。これにより、ダイシングテープ83の剥がれの進行を効果的に抑制することが可能となる。
ここで、第4実施形態の利点を、図10を参照して説明する。図10では、符号K1で示す糊材83bの各角が、ラウンド形状を有している。これは、ダイシングテープ83の剥がれが、このようなラウンド形状を生じるように進行しやすいことを示している。そのため、構造物72によりダイシングテープ83の剥がれの進行を止めるためには、構造物72もラウンド形状を有していることが望ましい。よって、本実施形態の構造物72は、内周側の各角と外周側の各角とが丸められた形状(ラウンド形状)を有している。
これらの実施形態では、第1実施形態と同様に、各レンズ71上の反射防止膜73(第1部分X1)の最上部の高さが、構造物72上の反射防止膜73(第2部分X2)の最上部の高さよりも高く設定される。よって、これらの実施形態によれば、好適な状態の基板51に発光素子53やレンズ71を設けることが可能となる。
(第5および第6実施形態)
第5実施形態の発光装置1や、第6実施形態の発光装置1は、第1~第4実施形態の変形例の発光装置1に相当している。以下、図16~図21を参照して、第5および第6実施形態の発光装置1の種々の例を説明する。
(1)第5実施形態
図16~図19は、第5実施形態の発光装置1の構造の例を示す断面図である。図16のA~図19のBの各々は、図5のAと同様に、発光装置1の基板51等の断面を示している。
図16のAに示す例では、発光装置1が、凸レンズである複数のレンズ71と、凹型の形状を有する構造物72とを備えている。反射防止膜73は、レンズ71と構造物72とを覆うように、基板51の裏面S2に設けられている。よって、反射防止膜73は、レンズ71上に配置された第1部分X1と、構造物72上に配置された第2部分X2とを含んでいる。この例では、第1部分X1もレンズ71と同様に凸型の形状を有しており、第2部分X2も構造物72と同様に凹型の形状を有している。平面視におけるレンズ71および構造物72の形状は、例えば図5のBに示すレンズ71および構造物72の形状と同じである。
図16のAは、深さE1、E2と、幅F1、F2とを示している。深さE1は、構造物72のZ方向の深さを表し、幅F1は、図16のAにおける構造物72のX方向の幅を表している。この例では、基板51の厚さA1が例えば約100μmであり、構造物72の深さE1が例えば20μm以内である。この例ではさらに、構造物72の幅F1が例えば10~100μmであり、反射防止膜73の厚さが例えば0.1~1μmである。深さE2は、構造物72の凹部内における第2部分X2の深さを表し、幅F2は、構造物72の凹部内における第2部分X2の幅を表している。
第1~第4実施形態では、発光装置1が、凸レンズである複数のレンズ71と、凸型の形状を有する構造物72とを備え、レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さが、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さよりも高くなっている。図16のAに示す凹型の形状の構造物72は、第1~第4実施形態における凸型の形状の構造物72と同様の効果を奏することができる。
例えば、図16のAに示す例によれば、ダイシングテープ83の剥がれの進行を構造物72により止めることで、ダイシングテープ83の糊材83bがレンズ71などに付着するのを抑制することが可能となる。理由は、ダイシングテープ83が、凹型の形状の構造物72の角(より正確には、第2部分X2の角)に引っ掛かりやすいからである。また、図16のAに示す例によれば、構造物72の形状が凹型であることで、ダイシングテープ83を貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となり、ダイシングテープ83の糊材83bが構造物72に固着するのを抑制することが可能となる。
このように、図16のAに示す例によれば、第1部分X1の高さが第2部分X2の高さより高い凸型の形状の構造物72により得られる効果を、凹型の形状の構造物72により得ることが可能となる。この例における深さE1、E2の値は、どのような値に設定してもよいが、基板51が割れにくい値に設定することが望ましい。なお、ダイシングテープ83の剥がれの進行をより効果的に抑制したい場合には、構造物72の形状は凹型にするよりも凸型にする方が望ましい。
図16のBに示す例では、発光装置1が、凹レンズである複数のレンズ71と、凹型の形状を有する構造物72とを備えている。反射防止膜73は、レンズ71と構造物72とを覆うように、基板51の裏面S2に設けられている。よって、反射防止膜73は、レンズ71上に配置された第1部分X1と、構造物72上に配置された第2部分X2とを含んでいる。この例では、第1部分X1もレンズ71と同様に凹型の形状を有しており、第2部分X2も構造物72と同様に凹型の形状を有している。平面視におけるレンズ71および構造物72の形状は、例えば図5のBに示すレンズ71および構造物72の形状と同じである。
図16のBは、図16のAに示す深さE1、E2と幅F1、F2とに加え、深さG1、G2を示している。深さG1は、レンズ71のZ方向の深さを表し、深さG2は、レンズ71の凹部内における第1部分X1の深さを表している。この例では、基板51の厚さA1が例えば約100μmであり、レンズ71の深さG1が例えば20μm以内である。また、反射防止膜73の厚さが、例えば0.1~1μmである。
図16のBに示す凹型の形状の構造物72は、第1~第4実施形態における凸型の形状の構造物72と同様の効果を奏することができる。理由は、図16のAに示す凹型の形状の構造物72の場合と同様である。図16のBに示す例では、深さE1、E2、G1、G2の値は、どのような値に設定してもよいが、基板51が割れにくい値に設定することが望ましい。例えば、深さG1は、深さE1より深くても浅くてもよいし、深さG2は、深さE2より深くても浅くてもよい。
図17のAに示す例では、発光装置1が、凸レンズである複数のレンズ71と、凸型の形状を有する構造物72と、レンズ71と構造物72とを覆う反射防止膜73とを備えている。図5のAに示す構造物72の縦断面の形状が、四角形であるのに対し、図17のAに示す構造物72の形状は、三角形である。これにより、図5のAに示す構造物72と同様の効果を得ることが可能となる。図17のAにおいて、平面視におけるレンズ71および構造物72の形状は、例えば図5のBに示すレンズ71および構造物72の形状と同じである。なお、このような三角形の縦断面の形状は、凹型の形状の構造物72にも適用可能である。
図17のBに示す例では、発光装置1が、凸レンズである複数のレンズ71と、凸型の形状を有する構造物72と、レンズ71と構造物72とを覆う反射防止膜73とを備えている。図5のAに示す構造物72の縦断面の形状が、長方形であるのに対し、図17のBに示す構造物72の形状は、台形である。これにより、図5のAに示す構造物72と同様の効果を得ることが可能となる。図17のBにおいて、平面視におけるレンズ71および構造物72の形状は、例えば図5のBに示すレンズ71および構造物72の形状と同じである。なお、このような台形の縦断面の形状は、凹型の形状の構造物72にも適用可能である。
図18のAに示す例では、発光装置1が、凸レンズである複数のレンズ71と、凸型の形状を有する複数の構造物72と、レンズ71と構造物72とを覆う反射防止膜73とを備えている。これらの構造物72は、図13のAに示す構造物72と同様に、これらのレンズ71を環状に包囲するように環状に並べられている。また、図18のAに示す各構造物72は、レンズ71と同様に凸レンズ状の形状を有しているが、レンズ71としては使用されない。図18のAに示す例によれば、第1~第4実施形態の構造物72と同様の効果を得ることが可能となる。また、図18のAに示す例によれば、レンズ71を形成する工程と同様の工程により構造物72を形成することが可能となる。
図18のBに示す例では、発光装置1が、凸レンズである複数のレンズ71と、凹型の形状を有する複数の構造物72と、レンズ71と構造物72とを覆う反射防止膜73とを備えている。これらの構造物72は、図13のAに示す構造物72と同様に、これらのレンズ71を環状に包囲するように環状に並べられている。また、図18のBに示す各構造物72は、図16のBに示すレンズ71と同様に凹レンズ状の形状を有しているが、レンズ71としては使用されない。図18のBに示す例によれば、第1~第4実施形態の構造物72と同様の効果を得ることが可能となる。また、図18のBに示す例によれば、図16のBに示すレンズ71を形成する工程と同様の工程により構造物72を形成することが可能となる。
図19のAに示す例では、発光装置1が、レンズ71、構造物72、反射防止膜73等に加え、半導体膜74を備えている。図19のAでは、半導体膜74が、基板51の裏面S2に形成されている。さらには、レンズ71および構造物72が、半導体膜74の上面に、半導体膜74の一部として設けられている。さらには、反射防止膜73が、半導体膜74の上面に、レンズ71および構造物72を覆うように形成されている。図19のAの反射防止膜73および半導体膜74は、本開示の膜の例である。具体的には、反射防止膜73は、レンズ71および構造物72上に配置されている膜となっており、半導体膜74は、レンズ71および構造物72を形成している膜となっている。半導体膜74は、例えばSi(シリコン)膜である。
図19のAの反射防止膜73および半導体膜74は、レンズ71上に配置されているかまたはレンズ71を形成している第1部分Y1と、構造物72上に配置されているかまたは構造物72を形成している第2部分Y2とを含んでいる。そして、各レンズ71の最上部の高さが、構造物72の最上部の高さよりも高くなっている。その結果、反射防止膜73および半導体膜74の第1部分Y1の最上部の高さが、反射防止膜73および半導体膜74の第2部分Y2の最上部の高さよりも高くなっている。これにより、ダイシングテープ83の剥がれの進行を構造物72により止めることや、ダイシングテープ83を貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となる。
なお、図19のAに示す反射防止膜73は、構造物72上に配置されている膜と解する代わりに、構造物72を形成している膜と解してもよい。前者のように解する場合でも、後者のように解する場合でも、反射防止膜73および半導体膜74の第1部分Y1の最上部の高さは、反射防止膜73および半導体膜74の第2部分Y2の最上部の高さよりも高く設定される。これは、第1~第4実施形態の反射防止膜73や、第5実施形態のその他の例の反射防止膜73についても同様である。
図19のBに示す例では、発光装置1が、図5のAに示す発光装置1と同様にレンズ71や構造物72等を備えているが、反射防止膜73は備えていない。このように、本実施形態の発光装置1は、反射防止膜73を備えていなくてもよい。この場合、ダイシングテープ83は、反射防止膜73の上面ではなく基板51の裏面S2に接触することになる。
図19のBでは、各レンズ71の最上部の高さが、構造物72の最上部の高さよりも高くなっている。これにより、ダイシングテープ83の剥がれの進行を構造物72により止めることや、ダイシングテープ83を貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となる。
なお、図19のBに示す例では、発光装置1が、図16のAに示す形状のレンズ71および構造物72を備えていてもよいし、図16のBに示す形状のレンズ71および構造物72を備えていてもよい。すなわち、この例における発光装置1は、凹レンズであるレンズ71や、凹型の形状を有する構造物72を備えていてもよい。この場合にも、ダイシングテープ83の剥がれの進行を構造物72により止めることや、ダイシングテープ83を貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となる。
(2)第6実施形態
図20および図21は、第6実施形態の発光装置1の基板51の構造の例を示す断面図である。図20のA~図21のDの各々は、図4のAと同様に、発光装置1の基板51等の断面を示しているが、構造物72や反射防止膜73等の図示は省略されている。
図20のAの基板51は、図5のAの基板51と同様に、発光素子53と1対1で対応する凸レンズである複数のレンズ71を備えている。同様に、図20のB、C、およびDの各々の基板51は、発光素子53と1対1で対応する複数のレンズ71を備えている。ただし、図20のBの基板51は、凹レンズを備えており、図20のCの基板51は、互いに形状(曲率)の異なる凸レンズを備えており、図20のDの基板51は、凸レンズと凹レンズの両方を備えている。このように、本実施形態の各レンズ71は、凸レンズでも凹レンズでもよい。また、本実施形態の各レンズ71は、後述するように、凸レンズ以外の態様で凸型の形状を有するレンズでもよいし、凹レンズ以外の態様で凹型の形状を有するレンズでもよい。
図21のAの基板51では、発光素子53とレンズ71がN:1で対応している(Nは2以上の整数)。よって、図21のAでは、N個の発光素子53から出射された光が、1個のレンズ71に入射する。一方、図21のBの基板51では、発光素子53とレンズ71が1:Nで対応している。よって、図21のBでは、1個の発光素子53から出射された光が、N個のレンズ71に入射する。このように、本実施形態の各レンズ71は、発光素子53と1:1で対応していなくてもよい。
図21のCの基板51では、発光素子53とレンズ71が1:1で対応している。ただし、図21のCの基板51は、凸型の形状のフレネルレンズを備えている。また、図21のDの基板51では、発光素子53とレンズ71が1:1で対応している。ただし、図21のDの基板51は、凸型の形状のバイナリレンズと、フラットレンズとを備えている。このように、本実施形態の各レンズ71は、凸レンズや凹レンズ以外のレンズでもよい。
(第7および第8実施形態)
第1~第6実施形態の発光装置1は、例えば第7実施形態の方法や第8実施形態の方法により製造可能である。以下、図22および図23を参照して、第7および第8実施形態の発光装置1の製造方法について説明する。
(1)第7実施形態
図22は、第7実施形態の発光装置1の製造方法を示す断面図である。
まず、基板51の表面S1に積層膜52を形成し、積層膜52に、発光素子53を含むメサ部Mを形成する(図22のA)。具体的には、基板51の表面S1を上向きにした状態で基板51の表面S1に積層膜52やメサ部Mを形成し、その後に基板51の表面S1を下向きにする。図22のAに示す工程ではさらに、基板51の表面S1に、不図示のアノード電極54やカソード電極55が形成される。
次に、フォトリソグラフィおよびドライエッチングにより、基板51の裏面S2にレンズ71および構造物72を形成する(図22のB)。本実施形態のレンズ71および構造物72は、基板51の裏面S2に、基板51の一部として形成される。なお、レンズ71および構造物72は、本実施形態では同じエッチングにより同時に形成されるが、異なるエッチングにより順番に形成されてもよい。次に、基板51の裏面S2に、レンズ71および構造物72を覆うように反射防止膜73を形成する(図22のB)。反射防止膜73は例えば、スパッタにより形成される。
本実施形態のレンズ71および構造物72は、上述のように、各レンズ71の最上部の高さが、構造物72の最上部の高さよりも高くなるように形成される(図5のAを参照)。その結果、本実施形態の反射防止膜73は、上述のように、各レンズ71上の第1部分X1の最上部の高さが、構造物72上の第2部分X2の最上部の高さよりも高くなるように形成される(図5のAを参照)。
次に、基板51を、符号Lで示すようにダイシングする(図22のC)。基板51のダイシングは例えば、図9のA~Cに示す方法で行う。これにより、基板51が、上述のスクライブ領域82でカットされ、上述の複数のチップ領域81に分割される。このようにして、本実施形態の発光装置1が製造される。
(2)第8実施形態
図23は、第8実施形態の発光装置1の製造方法を示す断面図である。図23に示す方法は、図22のBに示す工程の一例に相当する。ただし、図23では、積層膜52や発光素子53等の図示が省略されている。
まず、基板51の裏面S2にレジスト膜85を形成し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングによりレジスト膜85をパターニングする(図23のA)。その結果、レジスト膜85が、複数のレンズ71を形成するための複数の凸部85aと、複数の構造物72を形成するための複数の凸部85bとに加工される。図23Aは、複数の凸部85aのうちの2つと、複数の凸部85bのうちの1つとを示している。
次に、レジスト膜85を加熱する(図23のB)。その結果、上記複数の凸部85aが、凸レンズのような縦断面形状を有する複数の凸部85cに変化し、上記複数の凸部85bも、凸レンズのような縦断面形状を有する複数の凸部85dに変化する。図23のBに示す工程では、レジスト膜85を例えば150℃程度に加熱する。
次に、レジスト膜85をマスクとして用いたドライエッチングにより、レジスト膜85のパターンを、基板51の裏面S2に転写する(図23のC)。その結果、基板51の裏面S2に、複数のレンズ71と複数の構造物72とが形成される。図23のCに示す工程によれば、図18のAに示すレンズ71と構造物72とが形成される。よって、本実施形態の各レンズ71は、凸レンズとなり、本実施形態の各構造物72は、凸レンズ状の形状を有する凸部となる。
その後、基板51の裏面S2に、レンズ71および構造物72を覆うように反射防止膜73を形成する。このようにして、図22のBに示す構造が実現される。ただし、本実施形態の各構造物72は、凸レンズ状の形状を有する凸部となる。本実施形態の構造物72は、レンズ71と同様の形状を有しているため、レンズ71と同時に簡単かつ安価に形成することが可能である。
なお、本実施形態の発光装置1の製造方法は、図18のAに示す発光装置1以外の発光装置1を製造することにも適用可能である。
(第9および第10実施形態)
(1)第9実施形態
図24は、第9実施形態の発光装置1の構造を示す断面図および平面図である。
図24のAは、図5のAと同様に、発光装置1内のLDチップ41とLDD基板42の断面を示している。本実施形態のLDチップ41は、図5のAに示す構成要素に加え、構造物形成膜75を備えている。図24のAの反射防止膜73および構造物形成膜75は、本開示の膜の例である。なお、図24のAは、図5のAと同様に、アノード電極54、カソード電極55、および接続パッド62の図示を省略している。
図5のAに示す構造物72が、基板51の一部により形成されているのに対し、本実施形態の構造物72は、構造物形成膜75により形成されている。構造物形成膜75は、基板51の裏面S2上に反射防止膜73を介して形成されている。構造物形成膜75は、例えば光吸収膜、無機膜、または有機膜である。本実施形態の構造物72は、図5のBに示す構造物72と同様に、基板51上の全レンズ71を環状に包囲する形状を有している。
以上のように、本実施形態のLDチップ41は、基板51の裏面S2に反射防止膜73および構造物形成膜75を備えている。本実施形態の反射防止膜73および構造物形成膜75は、レンズ71上に配置された第1部分Z1と、構造物72を形成している第2部分Z2とを含んでいる。第1部分Z1は、反射防止膜73および構造物形成膜75のうちの反射防止膜73のみを含んでいる。第2部分Z2は、反射防止膜73および構造物形成膜75のうちの構造物形成膜75のみを含んでいる。
本実施形態では、第1実施形態(図5のA)と同様、各レンズ71の最上部の高さが、構造物72の最上部の高さより高くなっている。別言すると、各レンズ71の最上部のZ座標が、構造物72の最上部のZ座標より大きくなっている。本実施形態の各レンズ71は凸レンズであるため、各レンズ71の最上部は、各レンズ71の頂部である。一方、本実施形態の構造物72は凸型の形状を有しかつ平坦な上面を有しているため、構造物72の最上部は、構造物72の上面である。よって、本実施形態では、各レンズ71の頂部の高さが、構造物72の上面の高さより高くなっている。また、本実施形態では、各レンズ71上の第1部分Z1の最上部の高さが、構造物72内の第2部分Z2の最上部の高さより高くなっている。よって、本実施形態によれば、ダイシングテープ83の剥がれの進行を構造物72により止めることや、ダイシングテープ83を貼る際の荷重が構造物72に集中するのを抑制することが可能となる。
図24のBは、基板51の裏面S2に設けられたレンズ71や構造物72のレイアウトを示している。本実施形態のレンズ71や構造物72のレイアウトは、第1実施形態(図5のB)のレンズ71や構造物72のレイアウトと同様である。図24のAは、図24のBに示すA-A’線に沿った断面を示している。
構造物形成膜75は例えば、光を吸収する機能を有する光吸収膜である。これにより、基板51内の迷光が構造物形成膜75で反射することを抑制することが可能となり、混色の発生を抑制することが可能となる。
構造物形成膜75は例えば、無機材料で形成された無機膜でもよい。一般に、無機膜は剛性を有する膜であるため、構造物形成膜75を無機材料で形成することで、構造物形成膜75に剛性を与えることができる。これにより、基板51にダイシングテープ83を貼る際に、ダイシングテープ83からの圧力で基板51が反ることを抑制することが可能となる。
構造物形成膜75は例えば、有機材料で形成された有機膜でもよい。一般に、有機膜は弾性を有する膜であるため、構造物形成膜75を有機材料で形成することで、構造物形成膜75に弾性を与えることができる。これにより、基板51にダイシングテープ83を貼る際に、ダイシングテープ83から基板51への圧力を分散させることが可能となる。
(2)第10実施形態
図25は、第10実施形態の発光装置1の製造方法を示す断面図である。第9実施形態の発光装置1は、例えば本実施形態の方法により製造可能である。
まず、基板51の表面S1に積層膜52を形成し、積層膜52に、発光素子53を含むメサ部Mを形成する(図25のA)。具体的には、基板51の表面S1を上向きにした状態で基板51の表面S1に積層膜52やメサ部Mを形成し、その後に基板51の表面S1を下向きにする。図25のAに示す工程ではさらに、基板51の表面S1に、不図示のアノード電極54やカソード電極55が形成される。
次に、フォトリソグラフィおよびドライエッチングにより、基板51の裏面S2にレンズ71を形成する(図25のB)。本実施形態のレンズ71は、基板51の裏面S2に、基板51の一部として形成される。次に、基板51の裏面S2に、レンズ71を覆うように反射防止膜73を形成する(図25のB)。反射防止膜73は例えば、スパッタにより形成される。次に、反射防止膜73上に構造物形成膜75を形成し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングにより、構造物形成膜75を構造物72に加工する(図25のB)。
本実施形態のレンズ71および構造物72は、上述のように、各レンズ71の最上部の高さが、構造物72の最上部の高さよりも高くなるように形成される。その結果、各レンズ71上に配置された第1部分Z1の最上部の高さが、構造物72を形成している第2部分Z2の最上部の高さよりも高くなる(図24のAを参照)。
次に、基板51を、符号Lで示すようにダイシングする(図25のC)。基板51のダイシングは例えば、図9のA~Cに示す方法で行う。これにより、基板51が、上述のスクライブ領域82でカットされ、上述の複数のチップ領域81に分割される。このようにして、本実施形態の発光装置1が製造される。
なお、第1~第10実施形態の発光装置1は、測距装置101の光源として使用されているが、その他の態様で使用されてもよい。例えば、これらの実施形態の発光装置1は、プリンタなどの光学機器の光源として使用されてもよいし、照明装置として使用されてもよい。
以上、本開示の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の変更を加えて実施してもよい。例えば、2つ以上の実施形態を組み合わせて実施してもよい。
なお、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)
第1基板と、
前記第1基板の下面に設けられた発光素子と、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物と、
前記第1基板の上面に設けられた膜であって、前記レンズ上に配置されているかまたは前記レンズを形成している第1部分と、前記構造物上に配置されているかまたは前記構造物を形成している第2部分と、を含む膜とを備え、
前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記第1部分の最上部の高さは、前記第2部分の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
発光装置。
(2)
前記レンズは、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、またはバイナリレンズである、(1)に記載の発光装置。
(3)
前記第1基板の下面には、1つ以上の前記発光素子が設けられており、
前記第1基板の上面には、1つ以上の前記レンズが設けられており、
前記発光素子と前記レンズは、1:1で、N:1で、または1:Nで対応している(Nは2以上の整数)、(1)に記載の発光装置。
(4)
前記構造物は、前記レンズを環状に包囲する形状を有する、(1)に記載の発光装置。
(5)
前記構造物は、内周側または外周側の角が丸められた形状を有する、(4)に記載の発光装置。
(6)
前記構造物として、前記第1基板の上面の複数の角または辺に設けられた複数の構造物を備える、(1)に記載の発光装置。
(7)
前記複数の構造物は、前記レンズを環状に包囲するように環状に並べられている、(6)に記載の発光装置。
(8)
前記構造物の縦断面の形状は、四角形、三角形、凸レンズ状の形状、または凹レンズ状の形状である、(1)に記載の発光装置。
(9)
前記第1基板の側面と前記構造物との距離は、10~100μmである、(1)に記載の発光装置。
(10)
前記第1基板の側面に設けられた改質層をさらに備える、(1)に記載の発光装置。
(11)
前記膜は、前記レンズ上に設けられた反射防止膜を含む、(1)に記載の発光装置。
(12)
前記膜は、前記レンズ上に設けられた反射防止膜と、前記反射防止膜とは異なる光吸収膜、無機膜、または有機膜とを含む、(1)に記載の発光装置。
(13)
前記光吸収膜、前記無機膜、または前記有機膜は、前記反射防止膜上に設けられている、(13)に記載の発光装置。
(14)
前記第1基板は、ガリウム(Ga)およびヒ素(As)を含む半導体基板である、(1)に記載の発光装置。
(15)
前記発光素子から出射された光は、前記第1基板の下面から上面へと前記第1基板内を透過し、前記レンズに入射する、(1)に記載の発光装置。
(16)
前記発光素子を介して前記第1基板が搭載された第2基板をさらに備える、(1)に記載の発光装置。
(17)
前記第2基板は、シリコン(Si)を含む半導体基板である、(16)に記載の発光装置。
(18)
第1基板と、
前記第1基板の下面に設けられた発光素子と、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物とを備え、
前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記レンズの最上部の高さは、前記構造物の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
発光装置。
(19)
光を発生させる発光素子を含み、前記発光素子からの光を被写体に照射する発光部と、
前記被写体から反射した光を受光する受光部と、
前記受光部により受光された光に基づいて、前記被写体との距離を測定する測距部とを備え、
前記発光部は、
第1基板と、
前記第1基板の下面に設けられた前記発光素子と、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物と、
前記第1基板の上面に設けられた膜であって、前記レンズ上に配置されているかまたは前記レンズを形成している第1部分と、前記構造物上に配置されているかまたは前記構造物を形成している第2部分と、を含む膜とを備え、
前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記第1部分の最上部の高さは、前記第2部分の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
測距装置。
(20)
光を発生させる発光素子を含み、前記発光素子からの光を被写体に照射する発光部と、
前記被写体から反射した光を受光する受光部と、
前記受光部により受光された光に基づいて、前記被写体との距離を測定する測距部とを備え、
前記発光部は、
第1基板と、
前記第1基板の下面に設けられた前記発光素子と、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物とを備え、
前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記レンズの最上部の高さは、前記構造物の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
測距装置。
1:発光装置、41:LDチップ、42:LDD基板、
43:実装基板、44:放熱基板、45:補正レンズ保持部、
46:補正レンズ、47:配線、48:バンプ、
51:基板、52:積層膜、53:発光素子、54:アノード電極、
55:カソード電極、61:基板、62:接続パッド、
71:レンズ、72:構造物、73:反射防止膜、
74:半導体膜、75:構造物形成膜、
81:チップ領域、81a:レンズ領域、81b:周辺領域、
82:スクライブ領域、82a:スクライブライン、82b:スクライブライン、
83:ダイシングテープ、83a:基材、83b:糊材、84:改質層、
85:レジスト膜、85a:凸部、85b:凸部、85c:凸部、85d:凸部、
101:測距装置、102:発光部、102a:発光素子、103:駆動部、
104:電源回路、105:発光側光学系、106:受光側光学系、107:受光部、
108:信号処理部、109:制御部、109a:測距部、110:温度検出部

Claims (20)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板の下面に設けられた発光素子と、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物と、
    前記第1基板の上面に設けられた膜であって、前記レンズ上に配置されているかまたは前記レンズを形成している第1部分と、前記構造物上に配置されているかまたは前記構造物を形成している第2部分と、を含む膜とを備え、
    前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記第1部分の最上部の高さは、前記第2部分の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
    前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
    発光装置。
  2. 前記レンズは、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、またはバイナリレンズである、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第1基板の下面には、1つ以上の前記発光素子が設けられており、
    前記第1基板の上面には、1つ以上の前記レンズが設けられており、
    前記発光素子と前記レンズは、1:1で、N:1で、または1:Nで対応している(Nは2以上の整数)、請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記構造物は、前記レンズを環状に包囲する形状を有する、請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記構造物は、内周側または外周側の角が丸められた形状を有する、請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記構造物として、前記第1基板の上面の複数の角または辺に設けられた複数の構造物を備える、請求項1に記載の発光装置。
  7. 前記複数の構造物は、前記レンズを環状に包囲するように環状に並べられている、請求項6に記載の発光装置。
  8. 前記構造物の縦断面の形状は、四角形、三角形、凸レンズ状の形状、または凹レンズ状の形状である、請求項1に記載の発光装置。
  9. 前記第1基板の側面と前記構造物との距離は、10~100μmである、請求項1に記載の発光装置。
  10. 前記第1基板の側面に設けられた改質層をさらに備える、請求項1に記載の発光装置。
  11. 前記膜は、前記レンズ上に設けられた反射防止膜を含む、請求項1に記載の発光装置。
  12. 前記膜は、前記レンズ上に設けられた反射防止膜と、前記反射防止膜とは異なる光吸収膜、無機膜、または有機膜とを含む、請求項1に記載の発光装置。
  13. 前記光吸収膜、前記無機膜、または前記有機膜は、前記反射防止膜上に設けられている、請求項12に記載の発光装置。
  14. 前記第1基板は、ガリウム(Ga)およびヒ素(As)を含む半導体基板である、請求項1に記載の発光装置。
  15. 前記発光素子から出射された光は、前記第1基板の下面から上面へと前記第1基板内を透過し、前記レンズに入射する、請求項1に記載の発光装置。
  16. 前記発光素子を介して前記第1基板が搭載された第2基板をさらに備える、請求項1に記載の発光装置。
  17. 前記第2基板は、シリコン(Si)を含む半導体基板である、請求項16に記載の発光装置。
  18. 第1基板と、
    前記第1基板の下面に設けられた発光素子と、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物とを備え、
    前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記レンズの最上部の高さは、前記構造物の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
    前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
    発光装置。
  19. 光を発生させる発光素子を含み、前記発光素子からの光を被写体に照射する発光部と、
    前記被写体から反射した光を受光する受光部と、
    前記受光部により受光された光に基づいて、前記被写体との距離を測定する測距部とを備え、
    前記発光部は、
    第1基板と、
    前記第1基板の下面に設けられた前記発光素子と、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物と、
    前記第1基板の上面に設けられた膜であって、前記レンズ上に配置されているかまたは前記レンズを形成している第1部分と、前記構造物上に配置されているかまたは前記構造物を形成している第2部分と、を含む膜とを備え、
    前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記第1部分の最上部の高さは、前記第2部分の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
    前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
    測距装置。
  20. 光を発生させる発光素子を含み、前記発光素子からの光を被写体に照射する発光部と、
    前記被写体から反射した光を受光する受光部と、
    前記受光部により受光された光に基づいて、前記被写体との距離を測定する測距部とを備え、
    前記発光部は、
    第1基板と、
    前記第1基板の下面に設けられた前記発光素子と、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有するレンズと、
    前記第1基板の上面に設けられ、凸型または凹型の形状を有し、前記レンズとは異なる構造物とを備え、
    前記レンズが凸型の形状を有する場合、前記構造物は凸型の形状を有し、前記レンズの最上部の高さは、前記構造物の最上部の高さよりも高いか、または前記構造物は凹型の形状を有し、
    前記レンズが凹型の形状を有する場合、前記構造物は凹型の形状を有する、
    測距装置。
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