JP2023076547A - 刺繍アクセサリ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のアクセサリは、終端具、クサリや留め具が金属材料から成り、金属アレルギーのユーザは使用し難いという課題がある。【解決手段】本発明の刺繍アクセサリ10は、機械ミシンを用いて、糸を縫製して形成され、主に、装飾部11と、装飾部11の一端側に連続して形成される係止部12と、装飾部11の他端側に連続して形成される係止受け部13と、を有する。この構造により、刺繍アクセサリ10をネックレス等として使用した場合でも、金属材料が使用されてなく、金属アレルギーのユーザでも安心して使用することができる。【選択図】図1A
Description
特許法第30条第2項適用申請有り サンプル配布日:令和3年3月29日 配布先:Maggie Lui MATCH SHOWROOM
特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイト掲載日:令和3年2月17日 ウェブサイトアドレス:Instagramのストーリーズにて掲載した為、投稿後24時間で自動削除されアドレスは不明。
特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトリーフレット掲載日:令和3年4月2日 ウェブサイトリーフレットのアドレス: https://www.pref.gunma.jp/06/g16g_00149.html https://www.pref.gunma.jp/contents/100196620.pdf
特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイト掲載日:令和3年2月14日 ウェブサイトアドレス:https://www.instagram.com/sisyu_tsunagi/ ・ウェブサイト掲載日:令和3年2月21日 ウェブサイトアドレス:https://m.facebook.com/1385904326/posts/10218784307583872/?d=n ※現在上記アドレスの投稿は削除されています ・ウェブサイト掲載日:令和3年3月5日 ウェブサイトアドレス:http://blog.studiobycolor.com/?eid=169#gsc.tab=0 開催日:令和 3年4月23日、24日 展示会名:Life with Jewelry
特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイト掲載日:令和2年10月5日 ウェブサイトアドレス:https://www.instagram.com/embland_official/?hl=ja ・ウェブサイト掲載日:令和2年10月6日 ウェブサイトアドレス:https://www.instagram.com/p/CF-mLoWJLPb/ ・ウェブサイト掲載日:令和2年10月8日 ウェブサイトアドレス:http://www.kajihara-design.com/blog/4456 ・ウェブサイト掲載日:令和2年11月15日 ウェブサイトアドレス:https://coq-textile.shop/ 販売場所:株式会社KAJIHARA DESIGN STUDIOが運営する販売サイトCOQ 販売日:令和2年11月15日~ 販売場所:丸井今井札幌本店 販売日:令和3年2月23日~3月9日
本発明は、刺繍アクセサリに関し、特に、糸を縫製して形成される係止部及び係止受け部を有し、係止受け部に係止部を着脱自在に係止させることで、使用時に外れ難く、金属アレルギーのユーザでも安心して使用出来る刺繍アクセサリに関する。
特許文献1には、従来の装飾具が開示されている。装飾具は、組みひもを用いて形成され、組みひもを構成する組糸の1種には、金属や宝石等が組み合わされる。そして、その組糸は、組みひもの表面に現れるように組み込まれることで、装飾具は、ネックレス等として用いられる。
また、組みひもの両端部には、それぞれ終端具が取り付けられ、両終端具には、それぞれクサリ及び留め具が取り付けられる。そして、終端具、クサリ及び留め具は、例えば、金、銀等の金属材料により形成される。
上述したように、終端具は、それぞれ組みひもの両端部に加締め加工等により固定されると共に、終端具と留め具とは、クサリを介して連結する。そして、ユーザが、上記ネックレス等の装飾具を身に着ける際には、組みひもの両端部の留め具同士を連結させ一環状にすることで、装飾具が、ユーザの首回りに装着される。この構造により、装飾具の使用中には、留め具にて上記一環状の状態を維持することで、装飾具が、装着中にユーザの首回りから外れることが防止される。
しかしながら、上記金属製の終端具、クサリ及び留め具が、ユーザの肌に直接触れ易くなる。そのため、金属アレルギーを持つユーザは、上記留め具等との接触により発疹等が発生することで、装飾具を使用し難いという課題がある。
一方、金属アレルギー対策として、上記金属製の留め具等を使用しない場合には、装飾具は、組みひものみとなり、ネックレス等のように使用時に一環状の状態として使用することが難しいという課題がある。
また、上記金属製の留め具等を使用せず、単に組みひもの端部同士を絡める場合には、ユーザの装飾具の使用時に、ユーザの行動に合わせて、組みひもが揺れたりすることで、組みひもの絡めた箇所が外れ易くなる。そして、装飾具がユーザの首回り等から気づかない間に外れ、紛失してしまう恐れがあるという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、糸を縫製して形成される係止部及び係止受け部を有し、係止受け部に係止部を着脱自在に係止させることで、使用時に外れ難く、金属アレルギーのユーザでも安心して使用出来る刺繍アクセサリを提供することにある。
本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、縫製した糸から形成された装飾部と、前記糸から形成され前記装飾部と連続する係止部及び係止受け部を有する刺繍体が連結される刺繍アクセサリであって、前記刺繍アクセサリの長さは、連結される前記刺繍体の個数により調整されることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、前記刺繍体の連結状態時には、前記係止部は、前記係止受け部に対して引っ掛けられると共に、前記係止部は、前記係止受け部により引っ張られることで、前記係止受け部側へと屈曲した状態となることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、前記係止部は、前記装飾部の延在方向に形成される第1片部と、前記第1片部と重畳領域を有し、前記第1片部との交差方向に延在する第2片部と、を有し、前記係止部が前記係止受け部により引っ張られることで、前記係止部の前記糸が、前記重畳領域へと密集し、締まった状態となることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、前記係止部及び前記係止受け部は、前記装飾部と連続して形成されるベース部と、前記糸により前記装飾部と連続して形成され、前記ベース部をその内部に包含する表皮部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、前記装飾部、前記係止部及び前記係止受け部は、水溶性不織布に対して縫製された前記糸により形成され、前記水溶性不織布は、前記刺繍体の内部に残存していないことを特徴とする。
本発明の一実施形態である刺繍アクセサリは、糸を縫製して形成され、係止受け部は、係止部を係止するための環状部を有する。この構造により、金属アレルギーを有するユーザでも、刺繍アクセサリをネックレス等として安心して使用することが出来る。また、刺繍アクセサリが糸から形成されることで軽量化が実現され、ご高齢の方でも肩こり等気にすることなく、気軽に使用することが出来る。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、係止部は、第1片部と、第2片部とを有する。そして、第2片部が、係止受け部の環状部を挿通し、環状部に引っ掛かることで、係止部が、係止受け部から抜けて外れることが防止される。この構造により、ユーザの予期せぬタイミングにて、刺繍アクセサリが外れ、刺繍アクセサリを紛失することが防止される。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリの係止部では、表皮部の縫製ラインが、係止部の短手方向に沿って形成されると共に、係止部の長手方向に密集して配列される。この構造により、係止部は、係止受け部により引っ張られた際に、その引っ張り領域が、密集し、締まった状態となる。その結果、係止部の第2片部は、係止受け部側へと反り返ることが防止され、略直線形状を維持する。そして、第2片部が、環状部に引っ掛かり続けることで、環状部から抜けて外れ難くなる。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリの係止部では、表皮部が、サテンステッチによりベース部を包含した状態に形成される。この構造により、刺繍アクセサリの使用時には、係止部は、係止受け部やユーザの被服、肌等と繰り返し接触するが、表皮部により解れ難い構造となり、刺繍アクセサリを繰り返し使用することが可能となる。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、係止部は略T字形状に形成され、環状部は略楕円形状に形成される。そして、係止部の第2片部の長さは、環状部の内径よりも長く形成される。この構造により、第2片部が、環状部に引っ掛かり続けることで、環状部から抜けて外れ難くなる。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、係止部は略V字形状に形成され、環状部は略円形状に形成される。そして、係止部の開口端部の離間幅は、環状部の内径よりも長く形成される。この構造により、第2片部が、環状部に引っ掛かり続けることで、環状部から抜けて外れ難くなる。
また、本発明の一実施形態である刺繍アクセサリでは、装飾部、係止部及び係止受け部は、糸のみから形成される。この構造により、金属アレルギーを有するユーザでも、刺繍アクセサリをネックレス等として安心して使用することが出来る。
以下、本発明の一実施形態に係る刺繍アクセサリ10に関して図面に基づき詳細に説明する。尚、以下の本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1Aは、本実施形態の刺繍アクセサリ10を説明する平面図である。図1Bは、図1Aに示す刺繍アクセサリ10の使用状態を説明する平面図である。図2Aは、図1Aに示す刺繍アクセサリ10の係止部12を説明する拡大平面図であり、実際に製作した刺繍アクセサリ10を示す。図2B及び図2Cは、図1Aに示す刺繍アクセサリ10の係止部12の縫製方法を説明する拡大平面図である。図3Aは、図1Aに示す刺繍アクセサリ10の係止受け部13を説明する拡大平面図であり、実際に製作した刺繍アクセサリ10を示す。図3B及び図3Cは、図1Aに示す刺繍アクセサリ10の係止受け部13の縫製方法を説明する拡大平面図である。図4A~図4Cは、図1Aに示す刺繍アクセサリ10の使用時の係止状態を説明する図であり、実際に製作した刺繍アクセサリ10での係止状態を示す。
図1Aに示す如く、刺繍アクセサリ10は、機械ミシン(図示せず)を用いて、糸を縫製して形成され、主に、装飾部11と、装飾部11の一端側に連続して形成される係止部12と、装飾部11の他端側に連続して形成される係止受け部13と、を有する。そして、刺繍アクセサリ10は、例えば、刺繍技術を用いて糸を縫製して形成されるネックレスやブレスレット等であり、係止部12、装飾部11及び係止受け部13が、一連の紐状態に縫製して形成される。
装飾部11は、例えば、複数の五角形の柄が連続して紐状態に形成される。尚、装飾部11の柄としては、機械ミシンを用いて縫製可能なデザインであれば良く、花柄、レース柄やその他の多角形形状等、様々な柄を採用することが出来る。
係止部12は、例えば、装飾部11の一端側に略T字形状に形成される。係止部12は、装飾部11と連続して糸を縫製して形成される。この構造により、係止部12が、金属アレルギーのユーザの首回り等の肌に直接触れた場合でも、発疹や痒み等のアレルギー症状に悩まされることが防止される。
係止受け部13は、装飾部11の他端側に形成され、係止部12が挿通されることで、係止部12が引っ掛かり、刺繍アクセサリ10の係止状態が実現される。図示したように、係止受け部13としては、例えば、略楕円形状の環状部13Aが、連続して複数形成されることで、首回りの長さ等、ユーザの体型に応じて刺繍アクセサリ10の長さ調整が可能となる。尚、係止受け部13も係止部12と同様に、装飾部11と連続して糸を縫製して形成されることで、金属アレルギーのユーザでも安心して使用することが出来る。
図1Bに示す如く、刺繍アクセサリ10の使用時には、ユーザは、係止部12を係止受け部13のいずれかの環状部13Aに挿通させ、係止部12を係止受け部13に引っ掛けることで、刺繍アクセサリ10を一環状の状態に維持することが出来る。そして、詳細は後述するが、刺繍アクセサリ10をネックレスとして用いる場合には、ユーザは、刺繍アクセサリ10を首回りに装着することで、使用時に、刺繍アクセサリ10がいつの間にか外れて紛失することが防止される。
ここで、本実施形態の機械ミシンとは、家庭用ミシンや工業用ミシンを含む概念である。また、糸とは、上記機械ミシンにて縫製可能な糸であり、例えば、コットン(綿)、リネン(麻)、シルク(絹)、カシミヤ(山羊)、ウール(羊毛)等の天然繊維から成る糸、レーヨン、キュプラ等の再生繊維から成る糸、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン等の化学繊維から成る糸、また、金や銀等の金属またはシリカ、アルミナ等のセラミックス、炭素繊維等から成る無機繊維、及びそれらの無機材料等を被覆または複合した繊維から成る糸等、公知の糸が本発明に適用可能である。
図2Aに示す如く、係止部12は、例えば、略T字形状に形成され、装飾部11と連続して形成される第1片部21と、第1片部21の先端側に連続して形成される第2片部22と、を有する。そして、丸印23にて示す領域は、第1片部21と第2片部22とが重畳して形成される重量領域となる。詳細は後述するが、上記重畳領域は、第1片部21と第2片部22との一体状態を維持する領域となると共に、係止受け部13に対して引っ掛かる領域となる。
図2B及び図2Cを用いて、係止部12の縫製方法を説明する。尚、縫製ライン25,27とは、機械ミシンにより下記縫製用基材に対して針を落として形成される個々の糸の延在方向を意味する。
ここで、刺繍アクセサリ10は、刺繍時に用いられる水溶性不織布等の縫製用基材(図示せず)に対して糸を縫製して形成される。そして、縫製用基材として水溶性不織布を用いた場合には、作業者は、刺繍アクセサリ10が完成した後、水溶性不織布をぬるま湯等に浸し、刺繍アクセサリ10の内部に配設される部分を含めて水溶性不織布を溶解させる。
この縫製方法により、刺繍アクセサリ10の係止部12及び係止受け部13では、それらの厚み方向の中心部に、刺繍アクセサリ10の装飾部11と連続して形成されるベース部24,31が形成される。その結果、刺繍用基材を除去した後も、係止部12及び係止受け部13は、装飾部11と一体の状態を維持することが出来る。
図2Bに示す如く、ベース部24は、例えば、ランニングステッチやジグザグステッチ等を用いて形成され、伸縮性の低い部材となる。そして、ベース部24は、係止部12を少し小さくした略相似形として形成され、係止部12の芯材として用いられる。この構造により、刺繍アクセサリ10は繰り返し使用されるが、その形状を維持し、型崩れし難くなる。また、図示したように、ベース部24を形成する縫製ライン25同士を重畳して形成し、あるいは隣接して形成することで、係止部12全体の厚み、強度や硬度を調整することも出来る。
尚、ベース部24は、ランニングステッチやジグザグステッチを用いて形成される場合に限定するものではなく、クロスステッチ等の各種ステッチと組み合わせて形成される場合でも良い。
また、ベース部24では、丸印23(図2A参照)にて示す重畳領域において、第1片部21の長手方向(紙面上下方向)に延在する縫製ライン25の一部が、第2片部22の長手方向(紙面左右方向)に延在する縫製ライン25と重畳する。この構造により、係止部12の上記重畳領域は、ベース部24を介して糸が密集することで、その強度や硬度が高められ、環状部13Aにより繰り返し引っ張られるが、破断し難い領域となる。
図2Cに示す如く、表皮部26は、例えば、サテンステッチにより形成され、その内部にベース部24を包含するように形成される。そして、第1片部21では、個々の縫製ライン27が、第1片部21の短手方向(紙面左右方向)に延在するように形成されると共に、個々の縫製ライン27が、第1片部21の長手方向(紙面上下方向)に密接した状態に配列される。
表皮部26の縫製工程では、機械ミシンの針は、ベース部24を跨ぐように、ベース部24の短手方向(紙面左右方向)の両側面近傍の刺繍用基材(図示せず)に針を落とし、刺繍用基材の裏面側にて、回転釜を介して上糸と下糸とを絡ませる作業を繰り返す。そして、個々の縫製ライン27において、上記縫製方法を繰り返すことで、ベース部24が表皮部26の内部に包含される構造が実現される。
同様に、第2片部22では、個々の縫製ライン27が、第2片部22の短手方向(紙面上下方向)に延在するように形成されると共に、個々の縫製ライン27が、第2片部22の長手方向(紙面左右方向)に密接した状態に配列される。そして、第2片部22では、ベース部24が表皮部26の内部に包含される構造となる。
この構造により、係止部12では、最表面が糸の密接状態の表皮部26により被覆されることで、所望の耐久性や耐摩耗性等を有する。そして、刺繍アクセサリ10の使用時には、係止部12は、係止受け部13やユーザの被服、肌等と繰り返し接触するが、表皮部26により解れ難い構造となり、繰り返し使用することが可能となる。
次に、図3Aから図3Cを用いて、係止受け部13の構造及びその縫製方法を説明する。尚、係止受け部13も、ベース部31と、ベース部31をその内部に包含する表皮部33と、を有する構造において、上述した係止部12と同様の構造となる。そのため、係止受け部13の説明の際には、係止部12の説明を適宜参照する。また、縫製ライン32,34とは、機械ミシンにより下記縫製用基材に対して針を落として形成される個々の糸の延在方向を意味する。
図3Aに示す如く、係止受け部13は、例えば、5つの略楕円形状の環状部13Aが連続して形成され、係止受け部13の一端側が、装飾部11と連続して形成される。そして、5つの環状部13Aが、刺繍アクセサリ10の延在方向に連続して形成されることで、ユーザは、刺繍アクセサリ10の長さを調整しながら、刺繍アクセサリ10を使用することが出来る。
図3Bに示す如く、ベース部31は、例えば、ランニングステッチやジグザグステッチを用いて形成され、その縫製ライン32は、環状部13Aの略周方向に沿って形成される。そして、縫製ライン32同士を重畳して形成し、あるいは、隣接して形成することで、係止受け部13全体の厚み、強度や硬度を調整することも出来る。
図3Cに示す如く、表皮部33は、例えば、サテンステッチにより形成され、その内部にベース部31を包含するように形成される。そして、個々の縫製ライン34が、環状部13Aの上記周方向と略直交方向となる略径方向に延在するように形成されると共に、個々の縫製ライン34が、環状部13Aの上記周方向に密接した状態に配列される。
この構造により、係止受け部13では、最表面が糸の密接状態の表皮部33により被覆されることで、所望の耐久性や耐摩耗性等を有する。そして、刺繍アクセサリ10の使用時には、係止受け部13は、係止部12やユーザの被服、肌等と繰り返し接触するが、表皮部33により解れ難い構造となり、繰り返し使用することが可能となる。
図4A~図4Cでは、実際に製作した刺繍アクセサリ10を用い、係止部12が、係止受け部13に対して係止された状態を示す。そして、図4Aでは、係止部12と係止受け部13とが、お互いに引っ張り合うことなく、単に、係止部12が、係止受け部13に対して係止された状態を示す。
図示したように、係止部12は、係止受け部13の先端側の環状部13Aに対して係止される。具体的には、係止部12の第2片部22が、環状部13Aの裏面側から表面側へと挿通され、第2片部22が、環状部13Aを完全に挿通すると共に、環状部13Aの表面側に引っ掛かった状態となる。
刺繍アクセサリ10の使用時には、ユーザの動作等に合わせて、係止部12の第1片部21が、環状部13A内にてスライド移動するが、第2片部22の長さL1が、環状部13Aの内径R1,R2よりも長くなることで、第2片部22が、環状部13Aから抜けて外れ難くなる。
一方、図4B及び図4Cでは、例えば、ユーザが刺繍アクセサリ10を引っ張る等の動作を行うことで、係止部12と係止受け部13とが、お互いに引っ張り合った状態を示す。
図4Bに示すように、環状部13Aは、丸印23にて示す係止部12の第1片部21と第2片部22との重畳領域及びその近傍領域を引っ張った状態となる。図2Cを用いて上述したように、第1片部21の表皮部26では、その短手方向に縫製ライン27が形成される。そして、図3Cを用いて上述したように、環状部13Aの表皮部33では、その径方向に縫製ライン34が形成される。
この構造により、図4Cに示すように、第1片部21は、縫製ライン27を介して環状部13Aの表面側へと反り上がった状態となると共に、環状部13Aも、縫製ライン34を介して第1片部21の表面側へと反り上がった状態となる。更に、丸印23にて示す上記重畳領域では、第2片部22の表皮部26の縫製ライン27が、上記重畳領域である中心部側へと密集し、締まった状態となる。その結果、第2片部22が、係止受け部13側へと略V字形状へと反り返ることが防止され、略直線形状を維持する。そして、第2片部22が、環状部13Aに引っ掛かり続けることで、環状部13Aから抜けて外れ難くなる。
尚、図4Bに示すように、係止受け部13の環状部13Aは、引っ張られることで、その開口部が狭まり、係止部12の第2片部22は、更に、環状部13Aから抜けて外れ難くなる。
以上より、刺繍アクセサリ10の使用状況に関わらず、係止部12は、係止受け部13に対して係止された状態を維持することが可能となる。そして、刺繍アクセサリ10をネックレスやブレスレット等として用いた場合でも、使用時に、刺繍アクセサリ10がいつの間にか外れて紛失することが防止される。
次に、本発明の他の実施形態に係る刺繍アクセサリ50に関して図面に基づき詳細に説明する。尚、以下の本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図5Aは、本実施形態の刺繍アクセサリ50を説明する平面図であり、実際に製作した刺繍アクセサリ50を示す。図5Bは、図5Aに示す刺繍アクセサリ50の使用状態を説明する概略図である。図6Aは、図5Aに示す刺繍アクセサリ50の係止部52を説明する拡大平面図であり、実際に製作した刺繍アクセサリ50を示す。図6B及び図6Cは、図5Aに示す刺繍アクセサリ50の係止部52の縫製方法を説明する拡大平面図である。図7A及び図7Bは、図5Aに示す刺繍アクセサリ50の使用時の係止状態を説明する平面図であり、実際に製作した刺繍アクセサリ50での係止状態を示す。
図5Aに示す如く、刺繍アクセサリ50は、機械ミシン(図示せず)を用いて、糸を縫製して形成され、主に、装飾部51と、装飾部51の一端側に連続して形成される係止部52と、装飾部51の他端側に連続して形成される係止受け部53と、を有する。そして、刺繍アクセサリ50は、例えば、刺繍技術を用いて糸を縫製して形成されるネックレスやブレスレット等であり、係止部52、装飾部51及び係止受け部53が、一連の状態に縫製して形成される。
図示したように、刺繍アクセサリ50は、複数の刺繍アクセサリ50を連結させることで一環状の状態となり、ネックレス等として使用することが出来る点において刺繍アクセサリ10と異なるが、刺繍技術を用いて糸を縫製して形成される点においては刺繍アクセサリ10と同様である。そのため、以下の刺繍アクセサリ50の説明では、刺繍アクセサリ10の説明を適宜参照し、繰り返しの説明は省略する。
装飾部51は、例えば、1本の主幹部51Aから2本の枝部51B,51Cが分岐する柄である。尚、装飾部51の柄としては、機械ミシンを用いて縫製可能なデザインであれば良く、花柄、レース柄やその他の多角形形状等、様々な柄を採用することが出来る。
係止部52は、例えば、装飾部51の主幹部51Aの一端側に碇形状として形成される。係止部52は、装飾部51と連続して糸を縫製して形成される。この構造により、係止部52が、金属アレルギーのユーザの首回り等の肌に直接触れた場合でも、発疹や痒み等のアレルギー症状に悩まされることが防止される。
係止受け部53は、装飾部51の他端側に形成され、係止部52が挿通されることで、係止部52が引っ掛かり、個々の刺繍アクセサリ50同士を連結させることが出来る。そして、複数の刺繍アクセサリ50を紐状に連結させ、一環状の状態にすることで、ネックレスやブレスレット等として使用することが出来る。このとき、刺繍アクセサリ50の連結させる個数を調整することで、首回りや手首回りの長さ等、ユーザの体型に応じて刺繍アクセサリ50の全体の長さ調整が可能となる。尚、係止受け部53も係止部52と同様に、装飾部51と連続して糸を縫製して形成されることで、金属アレルギーのユーザでも安心して使用することが出来る。
図5Bに示す如く、ユーザは、複数の刺繍アクセサリ50を紐状に連結させることで、ネックレスとして使用することが出来る。また、シャツ等の被服に、係止部52や係止受け部53を取り付けることで、上記紐状の刺繍アクセサリ50を被服に対して着脱自在に装着することも出来る。
図6Aに示す如く、係止部52は、例えば、略V字形状に形成され、装飾部11と連続して形成される第1片部61と、第1片部61の先端側に連続して形成される第2片部62と、を有する。そして、丸印63にて示す領域は、第1片部61と第2片部62とが重畳して形成される重量領域となる。詳細は後述するが、上記重畳領域は、第1片部61と第2片部62との一体状態を維持する領域となると共に、係止受け部53に対して引っ掛かる領域となる。
図6B及び図6Cを用いて、係止部52の縫製方法を説明する。尚、刺繍アクセサリ50も刺繍アクセサリ10と同様に、刺繍時に用いられる水溶性不織布等の縫製用基材(図示せず)に対して糸を縫製して形成される。また、縫製ライン66,67とは、機械ミシンにより下記縫製用基材に対して針を落として形成される個々の糸の延在方向を意味する。
図6Bに示す如く、ベース部64は、例えば、ランニングステッチやジグザグステッチ等を用いて形成され、伸縮性の低い部材となる。そして、ベース部64は、係止部52を少し小さくした略相似形として形成され、係止部52の芯材として用いられる。この構造により、刺繍アクセサリ50は繰り返し使用されるが、その形状を維持し、型崩れし難くなる。尚、ベース部64は、上述したベース部24と略同等の構造であり、上述したベース部24の説明を参照する。
また、図示したように、ベース部64では、丸印63にて示す上記重畳領域において、第1片部61と第2片部62の個々の縫製ライン66の一部が重畳することで、糸が密集し、強度や硬度が高められる。
図6Cに示す如く、表皮部65は、例えば、サテンステッチにより形成され、その内部にベース部64を包含するように形成される。そして、表皮部65は、上述した表皮部26と略同等の構造であり、第1片部61では、個々の縫製ライン67が、第1片部61の短手方向に延在するように形成されると共に、個々の縫製ライン67が、第1片部61の長手方向に密接した状態に配列される。第2片部62でも、個々の縫製ライン67が、第2片部62の短手方向に延在するように形成されると共に、個々の縫製ライン67が、第2片部62の長手方向に密接した状態に配列される。
この構造により、係止部52では、最表面が密接状態の表皮部65により被覆されることで、所望の耐久性や耐摩耗性等を有する。そして、刺繍アクセサリ50の使用時には、係止部52は、係止受け部53やユーザの被服、肌等と繰り返し接触するが、表皮部65により解れ難い構造となり、繰り返し使用することが可能となる。
図5Aに示す如く、係止受け部53は、上述した係止受け部13と略同等の構造であり、上述した係止受け部13の説明を参照する。そして、係止受け部53も、ベース部(図示せず)と、ベース部をその内部に被覆する表皮部68とから形成される。尚、係止受け部53の環状部53Aは、例えば、略円形状に形成され、それぞれ主幹部51A及び枝部51B,51Cの他端側に連続して形成される。
図7A及び図7Bでは、実際に製作した刺繍アクセサリ50を用い、係止部52が、係止受け部53に対して係止された状態を示す。そして、図7Aでは、係止部52と係止受け部53とが、お互いに引っ張り合うことなく、単に、係止部52が、係止受け部53に対して係止された状態を示す。
図7Aに示すように、係止部52は、係止受け部53のいずれかの環状部53Aに対して係止される。具体的には、係止部52の第1片部61及び第2片部62が、環状部53Aの裏面側から表面側へと挿入され、第2片部62が、環状部53Aを完全に挿通すると共に、環状部53Aの表面側に引っ掛かった状態となる。
刺繍アクセサリ50の使用時には、ユーザの動作等に合わせて、係止部52の第1片部61が、環状部53A内にてスライド移動するが、第2片部62の端部において、第1片部61と第2片部62との離間幅W1が、環状部53Aの内径R3よりも長くなることで、第2片部62が、環状部53Aから抜けて外れ難くなる。
一方、図7Bでは、例えば、ユーザが刺繍アクセサリ50を引っ張る等の動作を行うことで、係止部52と係止受け部53とが、お互いに引っ張り合った状態を示す。
図7Bに示すように、環状部53Aは、丸印63にて示す係止部52の第1片部61と第2片部62との重畳領域及びその近傍領域を引っ張った状態となる。上述したように、丸印63にて示す上記重畳領域では、ベース部64(図6B参照)同士が重畳すると共に、表皮部65(図6C参照)同士も重畳することで、糸が密集し、強度や硬度が高められた領域となる。
更には、係止受け部53が、上記重畳領域を係止部52の先端側へと向けて引っ張ることで、表皮部65の縫製ライン67(図6C参照)が、先端側へと密集し、締まった状態となる。そして、第2片部62が、係止部52の先端側へと反り返り、あるいは、上記重畳領域が裂けることが防止される。その結果、第2片部62が、環状部53Aに引っ掛かり続けることで、環状部53Aから抜けて外れ難くなる。
以上より、刺繍アクセサリ50の使用状況に関わらず、係止部52は、係止受け部53に対して係止された状態を維持することが可能となる。そして、刺繍アクセサリ50をネックレスやブレスレット等として用いた場合でも、使用時に、刺繍アクセサリ50が勝手に外れて紛失することが防止される。
尚、本実施形態では、刺繍アクセサリ50では、係止部52の第1片部61と第2片部62とが略V字の碇形状に形成される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。図8Aは、本実施形態の刺繍アクセサリ50の変形例を説明する平面図であり、実際に製作した刺繍アクセサリ50を示す。図8Bは、図8Aに示す刺繍アクセサリ50の使用時の係止状態を説明する平面図である。
図8Aに示す如く、刺繍アクセサリ50の係止部71は、第1片部61と第2片部62に加えて、第3片部72を追加し、例えば、略矢印形状として形成される場合でも良い。第3片部72は、第2片部62と略同一構造であり、第1片部61の先端側にその一部が重畳して形成される。図8Bに示す如く、係止部71の第1片部61、第2片部62及び第3片部72が、環状部53Aの裏面側から表面側へと挿入され、第2片部62が、環状部53Aの表面側に引っ掛かった状態となる。そして、第2片部62及び第3片部72にて環状部53Aに引っ掛かることで、係止部71は、係止受け部53から抜けて外れ難くなる。
また、刺繍アクセサリ10の係止部12では、係止部12の第1片部21と第2片部22とが略T字形状に形成される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、刺繍アクセサリ50のように、第1片部21と第2片部22とが略V字の碇形状に形成される場合や上記矢印形状に形成される場合でも良い。また、刺繍アクセサリ10の係止受け部13の環状部13Aが、略円形状に形成される場合でも良い。つまり、上述したように、係止部12と係止受け部13との係止状態が、しっかりと維持される構造であれば、任意の組み合わせや設計変更が可能である。そして、刺繍アクセサリ50についても同様に、係止部51,71と係止受け部53の形状は、任意の組み合わせや設計変更が可能である。例えば、係止部12の第2片部22が、三角形状、四角形状やハート形状等に形成される場合も良い。この場合には、第1片部21側に位置する第2片部22の端部が、係止受け部13の環状部13Aに引っ掛かる部分を有することで、同様な効果が得られる。
また、刺繍アクセサリ10,50では、表皮部26,33,65,68が、サテンステッチにより形成される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、表皮部26,33,65,68が、タタミステッチにより形成される場合でも良い。タタミステッチの場合には、サテンステッチによりは細かい縫い目になるが、ベース部24,31,64をその内部に包含することで、サテンステッチの場合と同様な効果を得ることが出来る。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10,50 刺繍アクセサリ
11,51 装飾部
12,52,71 係止部
13,53 係止受け部
13A,53A 環状部
21,61 第1片部
22,62 第2片部
72 第3片部
24,31,64 ベース部
25,27,32,34,66,67 縫製ライン
26,33,65,68 表皮部
11,51 装飾部
12,52,71 係止部
13,53 係止受け部
13A,53A 環状部
21,61 第1片部
22,62 第2片部
72 第3片部
24,31,64 ベース部
25,27,32,34,66,67 縫製ライン
26,33,65,68 表皮部
Claims (5)
- 縫製した糸から形成された装飾部と、前記糸から形成され前記装飾部と連続する係止部及び係止受け部を有する刺繍体が連結される刺繍アクセサリであって、
前記刺繍アクセサリの長さは、連結される前記刺繍体の個数により調整されることを特徴とする刺繍アクセサリ。 - 前記刺繍体の連結状態時には、
前記係止部は、前記係止受け部に対して引っ掛けられると共に、前記係止部は、前記係止受け部により引っ張られることで、前記係止受け部側へと屈曲した状態となることを特徴とする請求項1に記載の刺繍アクセサリ。 - 前記係止部は、
前記装飾部の延在方向に形成される第1片部と、
前記第1片部と重畳領域を有し、前記第1片部との交差方向に延在する第2片部と、を有し、
前記係止部が前記係止受け部により引っ張られることで、前記係止部の前記糸が、前記重畳領域へと密集し、締まった状態となることを特徴とする請求項2に記載の刺繍アクセサリ。 - 前記係止部及び前記係止受け部は、前記装飾部と連続して形成されるベース部と、前記糸により前記装飾部と連続して形成され、前記ベース部をその内部に包含する表皮部と、を有することを特徴とする請求項3に記載の刺繍アクセサリ。
- 前記装飾部、前記係止部及び前記係止受け部は、水溶性不織布に対して縫製された前記糸により形成され、
前記水溶性不織布は、前記刺繍体の内部に残存していないことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の刺繍アクセサリ。
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