JP2023069753A - 構造物及び構造物の形成方法 - Google Patents

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允哉 中村
Mitsuya Nakamura
嘉一 石関
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Abstract

【課題】構造物を効率的に形成することができる構造物及び構造物の形成方法を提供する。【解決手段】構造物は、モルタルを積層させて構成される長辺部11,13と、セパレータ20とを有する。セパレータ20は、長辺部11,13を連結し、モルタルの積層により形成される支持部21及び本体部25を備える。支持部21は、長辺部11,13から突出して形成された突出部21a,21bと、突出部21a,21bの直上層において突出部21a,21bから更に突出した22a,22bとを備える。本体部25は、支持部21に支持され、長辺部11,13から突出したループ形状部27,28を有したモルタル部L21,L22を交互に積層して構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、移動するノズルから吐出されるモルタルを積層させて形成する構造物及びその構造物の形成方法に関する。
建築物等の立体の構造物を形成する場合、3次元(3D)プリンタを利用することがある。この3Dプリンタにおいては、ノズルから材料を吐出させながらノズルを移動させて層を形成し、形成した層を徐々に積み重ねることにより立体形状を有する構造物を形成する。このような構造物においては、コンクリート等のセメント系材料は、引張強度は低いため、高い引張強度を有する構造物を形成するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の構造物は、孔部を有し構造物の外形を構成する外形成体と、外形成体の孔部に第2モルタルを注入して形成される内構造体とを備える。外形成体は、3Dプリンタのノズルから第1モルタルを吐出させながら経路に沿って移動させて、奇数層部及び偶数層部を交互に積層させて形成する。内構造体は、外形成体を構成する第1モルタルよりも高強度の部材を構成する第2モルタルで構成する。
ここで、第1モルタルを積層して形成した枠内に第2モルタルを注入する場合、注入された第2モルタルによって枠の側方から圧力(側圧)が加わる。この場合、枠の強度に対して側圧が大きいと枠が破損することがあるため、簡単な構成で側圧に対抗する技術が検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献に記載の技術では、3Dプリンタによりモルタルを積層して所定高さまで形成した外枠及び内枠の上面に、端部のそれぞれを載置した金属製のセパレータ(連結部材)を配置する。そして、セパレータの上に更にモルタルを積層して外枠及び内枠を形成した後、第2モルタルを注入する。これにより、第2モルタルにより、セパレータの中央部を埋設させる。
特開2020-026686号公報 特開2021-062488号公報
しかしながら、金属製のセパレータを配置する場合には、その配置位置において、モルタルの吐出を一旦停止する必要があった。そして、セパレータを配置した後、再びモルタルを吐出させて積層していた。従って、手間や費用等が掛かっていたため、構造物を効率的に形成することは難しかった。
上記課題を解決する構造物は、モルタルを積層させて構成され突出形状部を有する壁部を備えた構造物であって、前記突出形状部は、前記モルタルの積層により形成され前記壁部から突出して形成される支持部と、前記モルタルの積層により形成され前記支持部に支持される本体部とを備え、前記支持部は、前記壁部から突出して形成された第1突出部と、前記第1突出部の直上層において前記第1突出部から更に突出した第2突出部とを有する。
本発明によれば、構造物を効率的に形成することができる。
実施形態における構造物の斜視図である。 実施形態における構造物の突出形状部の配置を示した斜視図である。 実施形態における構造物における要部の断面正面図である。 実施形態における突出形状部以外の部分におけるモルタル部を説明する説明図である。 実施形態における突出形状部の支持部の最下層のモルタル部の説明図である。 実施形態における突出形状部の支持部の中間層のモルタル部の説明図である。 実施形態における突出形状部の支持部の最上層のモルタル部の説明図である。 実施形態における突出形状部の本体部の第1モルタル層の説明図である。 実施形態における突出形状部の本体部の第2モルタル層の説明図である。 実施形態における突出形状部の構成を説明する概略構成図である。 実施形態における経路作成サーバ及び3Dプリンタの構成の説明図である。 実施形態におけるハードウェア構成の説明図である。 第1変更例における突出形状部を用いた構造物における要部の断面正面図である。 第1変更例における突出形状部に用いた係止部材の構成を説明する正面図である。 第2変更例における突出形状部を用いた構造物における要部の断面正面図である。 第3変更例における突出形状部を用いた構造物における要部の断面正面図である。
以下、図1~図12を用いて、構造物及び構造物の形成方法を具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態の構造物10は、建物の躯体を構成する躯体部であって、外形部10bと内部構造体15とを備える。なお、図1では、外形の積層による縞模様を省略している。
外形部10bは、中空の略直方体形状の外形本体であって、長辺部11,13及び短辺部12,14を有した水平断面が略長方形の枠形状で構成されている。本実施形態では、長辺部11が第1壁部、長辺部13が第2壁部に対応する。各辺部(11~14)は、外側部11a,12a,13a,14aと、内側部11b,12b,13b,14bとで構成される。外側部11a~14aは、内側部11b~14bと同じ幅を有し、内側部11b~14bの外側において内側部11b~14bと当接して並べられる。外形部10bは、3次元(3D)プリンタを用いて、積層可能な硬化性を有するモルタル(セメント系材料)を積層させて形成される。
内部構造体15は、外形部10bよりも高強度の部材であって、例えば、スリムクリート(登録商標)等、繊維を混合したセメント系材料(繊維補強コンクリート材料)で構成される。内部構造体15は、外形部10bの内部に形成された空間S1に充填された状態で外形部10bと一体化される。
図2は、構造物10において、内部構造体15を省略し、各辺部(11~14)を仮想線で示し、空間S1内の突出形状部(セパレータ20)の配置を示した斜視図である。このセパレータ20は、任意の壁部と他の壁部とを連結する連結部である。
また、図3は、図2に示したセパレータ20の中心線における拡大断面図である。この図3においては、内側部11b,13bの間に見える短辺部12の外形の積層による縞模様は省略している。
図4~図9は、セパレータ20を4個形成した部分付近における各層のモルタル部の形状を示した平面断面図である。これら図4~図9では、断面を示すハッチングは省略している。
図2に示すように、構造物10の空間S1内には、長辺部11,13を橋渡しする複数のセパレータ20が設けられている。本実施形態では、例えば、上段と下段には、横方向にほぼ等間隔で4個のセパレータ20が配置され、中段には上下のセパレータ20の間の位置に、3個のセパレータ20が配置されている。各セパレータ20は、長辺部11,13の側圧が高くなる部分(内部構造体15を構成する材料が空間S1に注入されたときに外側に膨らみやすい部分)に配置される。
図4に示すように、セパレータ20を形成していない層のモルタル部L1は、直線形状の外側部11a~14aと内側部11b~14bとが当接するように一筆書きの経路で形成されている。
図3に示すように、各セパレータ20は、支持部21と、この支持部21によって支持される本体部25とを備える。
支持部21は、モルタル部L1に対して、長辺部11,13から同じ大きさで、内側(空間S1側)に突出した形状を積層して構成される。この場合、支持部21は、長辺部11(13)から突出して形成された第1突出部と、この第1突出部の直上層において第1突出部から更に突出した第2突出部とを有する。そして、支持部21は、この第1突出部及び第2突出部を積層することにより、上に向かうに従って突出部が徐々に大きくなるモルタル部L11,L12,…,L1nを積層して構成される。
具体的には、図5に示すように、支持部21の最下層のモルタル部L11においては、長辺部11,13から突出した突出部21a,21bが形成される。これら突出部21a,21bは、先端が円弧状で折り返すループ形状を有する。
そして、図6に示すように、最下層の直上層(支持部21において下から2層目)のモルタル部L12においては、長辺部11,13から突出する突出部22a,22bが形成される。この突出部22a(22b)は、長辺部11(13)から長辺部13(11)に向かって延在して折り返した後、長辺部11(13)に向かって延在するループ形状で構成される。突出部22a,22bは、直下の突出部21a,21bよりも空間S1側(対向する長辺部13,11側)に大きく突出している。ここで、突出部22a,22bは、上に積層されるモルタルの先端が重さで降下せずに支持可能な突出量で形成される。具体的には、例えば、突出部22a(22b)は、その先端における円弧の折り返し部の一部が、直下の突出部21a(22b)の先端の折り返し部の一部と当接するように形成される。従って、ここでは、突出部21a,21bが第1突出部、突出部22a,22bが第2突出部に対応する。なお、突出部22a,22bの直上の層の突出部においては、この突出部が第2突出部、直下の突出部22a,22bが第1突出部に対応する。
そして、図7に示すように、支持部21の最上層のモルタル部L1nにおいては、長辺部11,13から突出した突出部24a,24bの先端が当接するように形成される。この場合、突出部24a(24b)は、突出部22a(22b)と同様なループ形状で構成される。なお、突出部24a(24b)は、第2突出部に対応し、この突出部24a(24b)の直下の突出部が、第1突出部に対応する。
図3に示すように、セパレータ20の本体部25は、モルタル部L21,L22を交互に3個ずつ積層して構成される。
図8に示すように、モルタル部L21は、長辺部13から長辺部11に向けて突出したループ形状部27を有する。このループ形状部27は、長辺部13から長辺部11に向かって延在し、先端が長辺部11の内側部11bと当接して円弧状で折り返して長辺部13に向かって延在するループ形状を有する。
図9に示すように、モルタル部L22は、モルタル部L21における長辺部11,13が逆になった形状を有する。具体的には、モルタル部L22は、長辺部11から長辺部13に向かって延在し、先端が長辺部13の内側部13bと当接して円弧状で折り返して長辺部11に向かって延在するループ形状を有するループ形状部28を有する。
図10に示すように、本体部25は、空間S1に注入される材料によって長辺部11,13の側面に加わる側圧P1に対抗可能な接触面積A1となる積層数で構成される。なお、支持部21は、上に向かって段々と突出長が長くなる突出部を有するため、例えば突出部の先端部が角度θ1の傾斜でせり出すように構成されて、本体部25を支持する。
(3Dプリンタ40及び作成支援サーバ60の構成)
次に、図11及び図12を用いて、上述した構造物10の外形部10bを形成する3Dプリンタ40及び作成支援サーバ60について説明する。
(ハードウェア構成例)
図11は、3Dプリンタ40の制御装置50及び作成支援サーバ60等として機能する情報処理装置H10のハードウェア構成例である。
情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を有する。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアを有していてもよい。
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
入力装置H12は、利用者等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイやタッチパネル等である。
記憶装置H14は、制御装置50及び作成支援サーバ60の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶部(例えば、後述する吐出経路記憶部62)である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末(図示せず)、制御装置50及び作成支援サーバ60における各処理(例えば、後述する制御部51,61における処理)を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各種処理に対応する各種プロセスを実行する。例えば、プロセッサH15は、制御装置50及び作成支援サーバ60のアプリケーションプログラムが起動された場合、後述する各処理を実行するプロセスを動作させる。
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは
(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
(3Dプリンタ40の機能)
図11に示す本実施形態の3Dプリンタ40は、吐出部としてのノズル41、ロボットアーム45及び制御装置50を備える。
ノズル41は、その先端部が縮径し、その先端が開口した吐出口41aを有している。本実施形態では、吐出口41aは、下方を向いている。ノズル41の吐出口41aと反対側の端部には、ホース42の端部が接続されている。ホース42は、圧送ポンプ(図示せず)に接続されている。この圧送ポンプの圧力により、ホース42を介してノズル41に供給されたモルタルは、吐出口41aから下方に吐出される。
ノズル41には、取付部44を介してロボットアーム45が取り付けられる。ノズル41は、このロボットアーム45に支持され、このロボットアーム45の動きに従って水平方向や上下方向に移動する。ロボットアーム45は、制御装置50の制御部51からの指示によって移動が制御される。本実施形態の制御部51は、移動時においてもノズル41からのモルタルの吐出方向が常に下方になるように、ロボットアーム45を制御する。
制御装置50は、構造物形成処理を実行する制御部51を備える。そのため、記憶部に格納された構造物形成プログラムを実行することにより、制御部51は、積層管理部511、移動制御部512及び吐出量制御部513として機能する。
積層管理部511は、構造物10を形成するために、積層させるモルタルの経路及び高さを管理する処理を実行する。積層管理部511は、積層した層数をカウントし、現在のモルタルの積層数を記憶し、構造物10の最終的な積層数になった場合にノズル41の移動を停止する。
移動制御部512は、経路に応じてノズル41を移動させるロボットアーム45の動きを制御する処理を実行する。
吐出量制御部513は、モルタルを圧送するポンプを制御して、ノズル41から吐出されるモルタルの吐出量を制御する処理を実行する。
(作成支援サーバ60の構成)
次に、形成支援システムとしての作成支援サーバ60の構成について説明する。
作成支援サーバ60は、ノズル41の移動経路を決定するコンピュータ端末である。この作成支援サーバ60は、制御部61及び吐出経路記憶部62を備える。作成支援サーバ60は、3Dプリンタ40の制御装置50に接続される。
制御部61は、記憶部に格納された経路決定プログラムを実行することにより、セパレータ形成部611及び経路作成部612として機能する。
セパレータ形成部611は、セパレータ20の形状を記憶している。そして、セパレータ形成部611は、セパレータ20の設置箇所の情報を取得した場合、セパレータ20の支持部21及び本体部25を、形成予定の構造物に追加した更新形状を生成する。
経路作成部612は、構造物10の外形部10bを形成するための一筆書きによる経路を作成する。本実施形態では、経路作成部612は、外形部10bを形成するために、外形部10bの半分の幅を用いて、長辺部11,13及び短辺部12,14を、幅方向に2つ接続された状態の2重の経路を生成する。
吐出経路記憶部62には、構造物10の外形部10bを形成するノズル41の経路データが記録される。この経路データは、経路作成部612により一筆書き経路を作成した場合に記録される。経路データには、構造物識別子、吐出幅、積層数に応じた経路に関するデータが含まれる。
構造物識別子データ領域には、各構造物10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
吐出幅データ領域には、この構造物10を形成するためにノズル41から吐出するモルタルの幅を特定するためのデータが記録される。
積層数に応じた経路データ領域には、この構造物10を形成するために、階層数に関連付けて、各階層における3Dプリンタ40のノズル41の経路を記憶する。
(構造物10の形成方法)
次に、構造物10の形成方法について説明する。
図11に示す作成支援サーバ60の制御部61は、ユーザの指示に応じて、形成する構造物の形状とともに、構造物におけるセパレータ20の設置個所の情報を取得する。
そして、制御部61は、セパレータ20を設けた構造物の更新形状を生成する。具体的には、制御部61のセパレータ形成部611は、記憶しているセパレータ20の形状(構成)を用いて、形成する構造物における設置個所に対応してセパレータ20を配置する。この場合、セパレータ20の大きさ(積層数や長さ)は、設置個所の長辺部11,13の距離や加わる側圧に対応するように調整される。そして、セパレータ形成部611は、設置個所に配置したセパレータ20を構造物の形状に追加した新たな形状(更新形状)を生成する。
次に、制御部61の経路作成部612は、生成した更新形状を用いて、モルタルを吐出するノズル41の経路を層毎に形成し、階層数に関連付けて経路データに記憶する。
その後、作成支援サーバ60の制御部61は、構造物10を形成する前に、3Dプリンタ40の制御装置50に経路データを送信する。制御装置50の制御部51は、取得した経路データを記憶する。
そして、3Dプリンタ40は、制御装置50の制御部51に応じて、積層形成処理を実行する。具体的には、制御部51の積層管理部511は、移動制御部512及び吐出量制御部513を制御する。そして、移動制御部512は、ノズル41からモルタルを吐出させながらロボットアーム45を移動させる。この場合、制御部51の吐出量制御部513は、経路データの吐出幅のモルタルとなるように、ポンプからの吐出量とノズル41の移動速度とを調整する。そして、制御部51の積層管理部511は、経路データの階層毎の経路(始点及び終点が同じ一筆書きの経路)に沿ってノズル41を移動させる。
この場合、図4に示すように、セパレータ20が形成されていない部分の層では、一筆書きの経路でモルタル部L1を形成する。そして、このモルタル部L1を積層する。
そして、図5~図7に示すように、セパレータ20の支持部21が形成される層においては、モルタル部L1の始点及び終点が同じ一筆書きの経路でモルタル部L11,L12,…,L1nを形成し、積層する。これにより、上方になるに従って大きくなる突出部(21a~24a,21b~24b)を有し長辺部11,13と一体化した支持部21が形成される。
その後、図8及び図9に示すように、セパレータ20の本体部25が形成される最下層においては、モルタル部L1の始点及び終点が同じ一筆書きの経路でモルタル部L21を形成する。このモルタル部L21は、支持部21の最上層の突出部24a,24bの上に重ねて形成される。その後、本体部25は、モルタル部L1の始点及び終点が同じ一筆書きの経路で、モルタル部L21,L22を交互に積層することにより形成される。
そして、外形部10bが完成した後、この外形部10bを型枠として用いて、空間S1に繊維補強コンクリート材料を充填する。
これにより、図2に示す複数のセパレータ20は、繊維コンクリート材料によって埋められる。
その後、この繊維補強コンクリート材料が硬化することにより、内部構造体15は、外形部10bと一体化されて、構造物10が完成する。
(作用)
本実施形態では、構造物10の長辺部11,13から突出し、長辺部11,13を連結するセパレータ20を、モルタルを積層して形成する。この場合、セパレータ20の支持部21は、長辺部11(13)から突出して形成された突出部21a,21bと、突出部22a,22bとを有する。突出部22a,22bは、突出部21a,21bの直上層において突出部21a,21bから更に突出する。これにより、セパレータ20の本体部25は、モルタルを積層した支持部21によって支持される。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、長辺部11,13の間で側圧に対抗するセパレータ20を、モルタルを積層して形成する。これにより、構造物10の長辺部11,13及び短辺部12,14の形成と同時にセパレータ20を形成することができるため、側圧による破損を抑制する構成を効率的に形成することができる。
(2)本実施形態では、セパレータ20は、本体部25と、この本体部25を支持する支持部21とを備える。支持部21は、上方に積層されるにつれて突出長が長くなる突出部(21a~24a、21b~24b)を備える。これにより、簡単な構成で、本体部25を支持するので、モルタル形成時に本体部25が重力によって降下することを抑制することができる。従って、所望の形状の構造物10を形成することができる。
(3)本実施形態では、セパレータ20の本体部25は、側圧に対抗する接触面積A1に対応する層数で構成する。これにより、長辺部11,13の側圧を十分に抑制することができる。また、本体部25を、異なる形状のモルタル部L21,L22を交互に積層して構成したため、長辺部11,13とループ形状部27,28との当接部において、高さ方向の目地の発生を抑制することができる。
(4)本実施形態では、作成支援サーバ60の制御部61は、取得した設置個所に対応してセパレータ20を、構造物10の形状に追加した更新形状を生成し、この更新形状を用いて層毎の経路を生成する。これにより、側圧を考慮すべき箇所を指定することにより、セパレータ20を設置した形状の構造物を効率的に形成することができる。
(5)本実施形態の構造物10は、各層における始点及び終点が同じ経路に沿ってノズル41を移動させながらモルタルを吐出させて形成する。これにより、モルタルの吐出を止めることなく構造物10を形成することができるので、セパレータ20を含む外形部10bを効率的に形成することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、セパレータ20の本体部25は、長辺部11から突出するループ形状部27を有するモルタル部L21と、長辺部13から突出するループ形状部28を有するモルタル部L22とを交互に積層して構成した。本体部25の構成は、これに限られず、一方の壁部から突出するモルタル部L21(L22)のみを積層してもよいし、数層毎に交互に積層してもよい。更に、長辺部11,13の両方から突出するループ形状部の先端を空間S1の中央で当接した形状のモルタル部を積層してもよい。
・上記実施形態では、セパレータ20の本体部25は、対向する長辺部11,13の2箇所を連結した。連結部は、2箇所に限られず、更に多くの箇所を連結するように配置してもよい。例えば、3箇所を連結する場合、この3箇所のうちの2つを連結する連結部を有するモルタル部を、順番に積層して構成する構造物としてもよい。
・上記実施形態では、セパレータ20を、モルタルの積層のみで形成した。セパレータ20の本体部25を、モルタルの積層だけでなく他の部材とともに構成してもよい。
例えば、図13に示す構造物70において、セパレータ20の本体部75は、モルタル部L21,L22がそれぞれ1層の合計2層と、金属製の係止部材80とで構成される。
図14に示すように、係止部材80は、水平に延在する軸部81の両端部に上下に突出する係合部83,84を設けた形状を有する。なお、係止部材80は、この形状や材料等に限られず、積層部材の間に埋設された状態で、側圧に対抗できる力を補強できる部材であればよい。
そして、図13に示すように、係止部材80を、本体部75のモルタル部L21,L22の間に埋設する。これにより、係止部材80の係合部83,84は、モルタル部L21,L22を係止する。従って、本体部75となるモルタル部の層を高く積層できず接触面積A1が小さい場合であっても、係止部材80によって、側圧に抵抗することができる。
更に、係止部材80の位置は、モルタル部の中央に設ける場合に限られない。
例えば、図15に示す構造物71の本体部76のように、同じ構成のモルタル部L22を積層する場合には、モルタル部L22の先端と、これに接触する長辺部13の内側部13bとの間に、係止部材80を設けてもよい。
また、図16に示す構造物72の本体部77は、長辺部11,13の両方から突出するループ形状部79a,79bの先端を空間S1の中央で当接した形状のモルタル部L23を積層して構成される。この場合、ループ形状部79a,79bの間に係止部材80を設けてもよい。
・上記実施形態では、構造物10の支持部21は、長辺部11,13の両方から徐々に突出する突出部(21a~24a,21b~24b)を有する。支持部の構成はこれに限定されない。例えば、片方の長辺部11(13)から徐々に突出する突出部のみで支持部を構成してもよい。
また、上記実施形態の支持部21は、全体として直角三角形を2つ並べた形状を有する。支持部は、壁部から突出して形成された第1突出部と、この第1突出部の直上層において第1突出部から更に突出した第2突出部とを有していれば、全体形状は、三角形状に限られない。例えば、直角三角形の一辺が、上に凸な曲線形状や下に凸な曲線形状で構成された形状でもよいし、途中で傾斜角度が変更される折れ曲がった直線を有した全体形状でもよい。
・上記実施形態では、セパレータ20の支持部21は、突出部(21a~24a,21b~24b)を同じ方向で突出させる。この突出方向を階層毎に変更してもよい。例えば、第1壁部に対して、90度とは異なる方向とは突出させてもよい。この場合、第2突出部は、第1突出部よりも第2壁部に向かった斜め方向に突出するように形成してもよい。
・上記実施形態では、外形部10bによって形成される空間S1に注入する繊維コンクリート材料の側圧に対抗するセパレータ20を有する構造物10として説明した。構造物は、壁部から突出する突出形状部を有していれば、側圧に対抗することを目的としていない構造の構造物であってもよい。例えば、空間S1において流路を形成するような場合、長辺部11,13から空間S1に向かって突出する突出形状部を有する構造物であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記本体部は、前記第1壁部から前記第2壁部に向かって延在し、前記第2壁部と当接して折り返し前記第1壁部に向かって延在するループ形状部を有することを特徴とする請求項2に記載の構造物。
(b)前記本体部は、前記第1壁部及び前記第2壁部に加わる側圧に応じて決定される積層数の前記モルタルを積層して構成されることを特徴とする請求項2又は前記(a)に記載の構造物。
(c)前記支持部は、前記モルタルを積層させることにより、前記第1突出部の層において前記第2壁部から前記第1突出部に対応する長さの突出部と、前記第2突出部の層において前記第2突出部に対応する長さの突出部とを更に備えることを特徴とする請求項2、前記(a)又は前記(b)に記載の構造物。
(d)前記モルタル部は、前記第1壁部及び前記第2壁部を連結する係止部材を更に備えることを特徴とする請求項2及び前記(a)~前記(c)の何れか1項に記載の構造物。
θ1…角度、A1…接触面積、L1,L11,L12,L1n,L21,L22,L23…モルタル部、P1…側圧、S1…空間、10,70,71,72…構造物、10b…外形部、11,13…長辺部、11a,12a,13a,14a…外側部、11b,12b,13b,14b…内側部、12,14…短辺部、15…内部構造体、20…突出形状部としてのセパレータ、21…支持部、21a,21b…第1突出部としての突出部、22a,22b…第1突出部及び第2突出部としての突出部、24a,24b…第2突出部としての突出部、25,75,76,77…本体部、27,28,79a,79b…ループ形状部、40…3Dプリンタ、41…ノズル、41a…吐出口、42…ホース、44…取付部、45…ロボットアーム、50…制御装置、51…制御部、60…作成支援サーバ、61…制御部、62…吐出経路記憶部、80…係止部材、81…軸部、83,84…係合部、511…積層管理部、512…移動制御部、513…吐出量制御部、611…セパレータ形成部、612…経路作成部。

Claims (3)

  1. モルタルを積層させて構成され突出形状部を有する壁部を備えた構造物であって、
    前記突出形状部は、
    前記モルタルの積層により形成され前記壁部から突出して形成される支持部と、
    前記モルタルの積層により形成され前記支持部に支持される本体部とを備え、
    前記支持部は、前記壁部から突出して形成された第1突出部と、前記第1突出部の直上層において前記第1突出部から更に突出した第2突出部とを有することを特徴とする構造物。
  2. 前記壁部は、対向配置された第1壁部と第2壁部とを有し、
    前記突出形状部は、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する前記本体部を有した連結部であることを特徴とする請求項1に記載の構造物。
  3. モルタルをノズルから吐出させながら前記ノズルを移動させて前記モルタルを積層させることにより構成され突出形状部を有する壁部を備えた構造物の形成方法であって、
    前記突出形状部は、支持部と、前記支持部に支持される本体部とを備え、
    前記壁部から突出して形成された第1突出部を、前記モルタルを吐出させて形成し、前記第1突出部の直上層において前記第1突出部から更に突出した第2突出部を、前記モルタルを吐出させて形成することにより、前記支持部を形成し、
    前記支持部の形成後に、前記支持部の上において、前記モルタルを吐出させて、前記本体部を形成することを特徴とする構造物の形成方法。
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