JP2023066152A - フェンダパネル取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリップおよびスリーブの相対回転を抑制することができるフェンダパネル取付構造を提供する。【解決手段】フェンダパネル取付構造20は、フェンダパネル16を挟み込むクリップ40と、クリップの嵌合孔51に挿入されるスリーブ41と、クリップをアウトサイドパネル15に取り付けるリベット42と、を備えている。ここで、クリップを樹脂製とし、スリーブを金属製とした。また、スリーブに突起部73を形成した。突起部は、嵌合孔の内周面51aに接触する円筒部65の外周面72に複数設けられている。さらに、突起部は、嵌合孔の内周面の方向に向けて先細りとなるように凸状に形成され、且つ先端が内周面よりも大きい円に沿って配置されている。【選択図】図5
Description
本発明は、フェンダパネル取付構造に関する。
フェンダパネル取付構造として、例えば、フェンダパネルがクリップに挟み込まれ、クリップにスリーブが挿入され、スリーブとアウトサイドパネルとにリベットが挿入され、リベットによりクリップがアウトサイドパネルに固定されるものが知られている。クリップがアウトサイドパネルに固定されることにより、アウトサイドパネルにフェンダパネルがクリップを介して取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
このフェンダパネル取付構造は、クリップが樹脂で形成され、スリーブが金属で形成されている。よって、例えば、車体に焼付塗装をする際にクリップをスリーブに溶着することが可能である。これにより、スリーブおよびクリップの相対回転をある程度抑えることが可能である。
しかし、特許文献1のフェンダパネル取付構造は、加工公差や組付公差などの製造ばらつきにより、クリップをスリーブに焼付塗装で溶着する前にスリーブに対してクリップが滑って回転してしまうことが考えられる。クリップが回転することにより、例えば、クリップがフェンダパネルの稜線(突起)などに乗り上げて、クリップがフェンダパネルに対して傾くことが考えられる。
この場合、クリップは、焼付塗装によりフェンダパネルに対して傾いた状態でスリーブに溶着される。このため、フェンダパネルをクリップで安定させた状態に挟持することが難しく、例えば、車両の走行中に雑音や打音が発生する恐れがある。
また、クリップがスリーブに溶着されている状態においても、車両の走行振動などによりクリップがスリーブに対して滑って回転してしまい、フェンダパネルに対して傾くおそれがある。
また、クリップがスリーブに溶着されている状態においても、車両の走行振動などによりクリップがスリーブに対して滑って回転してしまい、フェンダパネルに対して傾くおそれがある。
本発明は、クリップおよびスリーブの相対回転を抑制することができるフェンダパネル取付構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係るフェンダパネル取付構造は、フェンダパネル(例えば、実施形態のフェンダパネル16)を挟み込むクリップ(例えば、実施形態のクリップ40)と、前記クリップの嵌合孔(例えば、実施形態の嵌合孔51)に挿入され、中空に形成されたスリーブ(例えば、実施形態のスリーブ41)と、前記スリーブの中空に挿入され、前記クリップをアウトサイドパネル(例えば、実施形態のアウトサイドパネル15)に取り付けるリベット(例えば、実施形態のリベット42)と、を備えたフェンダパネル取付構造(例えば、実施形態のフェンダパネル取付構造20)において、前記クリップは樹脂製であり、前記スリーブは金属製であり、前記スリーブは、前記嵌合孔の内周面(例えば、実施形態の内周面51a)に接触する外周面(例えば、実施形態の外周面72)において周方向に複数設けられた突起部(例えば、実施形態の突起部73)を有し、前記突起部は、前記内周面の方向に向けて先細りとなるように凸状に形成され、且つ先端(例えば、実施形態の先端73a)が前記内周面よりも大きい円(例えば、実施形態の円77)に沿って配置されている。
(1)本発明に係るフェンダパネル取付構造は、フェンダパネル(例えば、実施形態のフェンダパネル16)を挟み込むクリップ(例えば、実施形態のクリップ40)と、前記クリップの嵌合孔(例えば、実施形態の嵌合孔51)に挿入され、中空に形成されたスリーブ(例えば、実施形態のスリーブ41)と、前記スリーブの中空に挿入され、前記クリップをアウトサイドパネル(例えば、実施形態のアウトサイドパネル15)に取り付けるリベット(例えば、実施形態のリベット42)と、を備えたフェンダパネル取付構造(例えば、実施形態のフェンダパネル取付構造20)において、前記クリップは樹脂製であり、前記スリーブは金属製であり、前記スリーブは、前記嵌合孔の内周面(例えば、実施形態の内周面51a)に接触する外周面(例えば、実施形態の外周面72)において周方向に複数設けられた突起部(例えば、実施形態の突起部73)を有し、前記突起部は、前記内周面の方向に向けて先細りとなるように凸状に形成され、且つ先端(例えば、実施形態の先端73a)が前記内周面よりも大きい円(例えば、実施形態の円77)に沿って配置されている。
この構成によれば、スリーブの外周面に複数の突起部を設け、突起部を先細りとなるように凸状に形成した。さらに、突起部の先端を嵌合孔の内周面よりも大きい円に沿って配置した。複数の突起部の外周を嵌合孔の内周面よりも大きくした。ここで、クリップは樹脂製の部材であり、スリーブは金属製の部材である。
よって、スリーブを嵌合孔に挿入する際に、先端の尖った突起部を嵌合孔の内周面にめり込ませることができる。すなわち、突起部を嵌合孔の内周面に埋設させて、突起部と嵌合孔の内周面とを周方向において重複(オーバーラップ)させることができる。これにより、スリーブおよびクリップの相対回転を抑制することができる。
したがって、例えば、クリップが回転してフェンダパネルの稜線(突起)などに乗り上げて、フェンダパネルに対して傾くことを抑制できる。この結果、フェンダパネルをクリップで安定させた状態に挟持することができ、例えば、車両の走行中に雑音や打音が発生することを抑制できる。
したがって、例えば、クリップが回転してフェンダパネルの稜線(突起)などに乗り上げて、フェンダパネルに対して傾くことを抑制できる。この結果、フェンダパネルをクリップで安定させた状態に挟持することができ、例えば、車両の走行中に雑音や打音が発生することを抑制できる。
また、スリーブの外周面に複数の突起部を設けることにより、車両の走行振動などによりクリップがスリーブに対して滑って回転することを抑えることができる。これにより、車両の走行振動などによりクリップがフェンダパネルに対して傾くことを抑制できる。
(2)前記突起部は、前記スリーブの挿入方向に延在されていてもよい。
この構成によれば、突起部をスリーブの挿入方向に延在させた。これにより、スリーブを嵌合孔に挿入する際に、先端の尖った突起部を嵌合孔の内周面に一層好適にめり込ませる(埋設させる)ことができる。
さらに、突起部をスリーブの挿入方向に延在させることにより、突起部と嵌合孔の内周面とが重複する領域(以下、重複領域ということもある。)をスリーブの挿入方向に長く確保できる。すなわち、重複領域の面積を大きく確保できる。
このように、突起部を嵌合孔の内周面に一層好適にめり込ませ、且つ重複領域の面積を大きく確保することにより、スリーブおよびクリップの相対回転を一層良好に抑制することができる。
さらに、突起部をスリーブの挿入方向に延在させることにより、突起部と嵌合孔の内周面とが重複する領域(以下、重複領域ということもある。)をスリーブの挿入方向に長く確保できる。すなわち、重複領域の面積を大きく確保できる。
このように、突起部を嵌合孔の内周面に一層好適にめり込ませ、且つ重複領域の面積を大きく確保することにより、スリーブおよびクリップの相対回転を一層良好に抑制することができる。
本発明によれば、スリーブの外周面に複数の突起部を設け、突起部を先細りとなるように凸状に形成した。これにより、クリップおよびスリーブの相対回転を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいてフェンダパネル取付構造を説明する。図面において、矢印FRは車両の前方、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の左側方を示す。なお、実施形態においては、フェンダパネル取付構造を、一例として車両のフロントサイドドアに適用する例に説明するが、フェンダパネル取付構造をその他の車両部位に適用させることも可能である。
<車両>
図1は、実施形態のフェンダパネル取付構造を備えた車両を示す斜視図である。
図1に示すように、車両10は、例えば、フロントバンパフェース12と、フロントグリル13と、フロントフード(エンジンフード)14と、アウトサイドパネル(アウタサイドパネル)15と、フロントフェンダパネル16と、フェンダパネル取付構造20と、を備えている。
図1は、実施形態のフェンダパネル取付構造を備えた車両を示す斜視図である。
図1に示すように、車両10は、例えば、フロントバンパフェース12と、フロントグリル13と、フロントフード(エンジンフード)14と、アウトサイドパネル(アウタサイドパネル)15と、フロントフェンダパネル16と、フェンダパネル取付構造20と、を備えている。
フロントバンパフェース12は、不図示のフロントバンパビームの車体前方に取り付けられた状態において車体左端から車体右端まで車幅方向に延びている。すなわち、フロントバンパフェース12は、フロントバンパビームを車体前方から覆うように配置されている。フロントグリル13は、フロントバンパフェース12の上方で、且つ、車幅方向中央に設けられている。
フロントフード14は、フロントグリル13とカウルトップ17との間の空間を上方から覆うように形成されている。フロントフード14は、例えば、基端部14aを軸にして上下方向に回動自在に支持されている。
アウトサイドパネル15は、車両10のうち車幅方向の外側に設けられている。アウトサイドパネル15は、不図示のインナサイドパネルとともに、フロントピラー22、ルーフレール(図示せず)、サイドシル23などの車体側部の骨格部材を形成する。
アウトサイドパネル15は、車両10のうち車幅方向の外側に設けられている。アウトサイドパネル15は、不図示のインナサイドパネルとともに、フロントピラー22、ルーフレール(図示せず)、サイドシル23などの車体側部の骨格部材を形成する。
図2は、図1のフェンダパネル取付構造を矢視IIの方向からみた側面図である。
図1、図2に示すように、アウトサイドパネル15は、フロントピラー22の上部に開口縁部25を有する。開口縁部25は三角形に形成されている。三角形の開口縁部25にはコーナーガラス(図示せず)が設けられる。開口縁部25は、車体前方に前部26を有する。
開口縁部25の前部26は、フェンダパネル16の取付片32(後述する)により車幅方向外側から覆われている。以下、開口縁部25の前部26を「開口縁前部26」ということもある。開口縁前部26にはクリップ孔27(図5参照)が車幅方向に向けて貫通されている。
図1、図2に示すように、アウトサイドパネル15は、フロントピラー22の上部に開口縁部25を有する。開口縁部25は三角形に形成されている。三角形の開口縁部25にはコーナーガラス(図示せず)が設けられる。開口縁部25は、車体前方に前部26を有する。
開口縁部25の前部26は、フェンダパネル16の取付片32(後述する)により車幅方向外側から覆われている。以下、開口縁部25の前部26を「開口縁前部26」ということもある。開口縁前部26にはクリップ孔27(図5参照)が車幅方向に向けて貫通されている。
フロントフェンダパネル16は、フロントフード14の側部下方の部位や、アウトサイドパネル15のうちフロントピラー22の下部に相当する部位を車幅方向外側から被覆している。以下、フロントフェンダパネル16を「フェンダパネル16」ということもある。フェンダパネル16は、突出部31と、取付片32と、を有する。
突出部31は、アウトサイドパネル15の開口縁部25の前上部を外側から覆う部位である。取付片32は、突出部31のうち下側片31aから車体後方に向けて開口縁前部26の車幅方向外側に突出されている。すなわち、取付片32は、開口縁前部26を車幅方向外側から覆っている。取付片32および開口縁前部26は、フェンダパネル取付構造20により固定されている。
<フェンダパネル取付構造>
図3は、実施形態のフェンダパネル取付構造を車体左前方からみた斜視図である。図4は、実施形態のフェンダパネル取付構造を分解した状態を示す分解斜視図である。図5は、図2におけるフェンダパネル取付構造をV-V線で破断した状態を示す断面図である。
図3から図5に示すように、フェンダパネル取付構造20は、開口縁前部26に取付片32を取り付けるように構成されている。フェンダパネル取付構造20は、クリップ40と、スリーブ41と、リベット42と、を備えている。
図3は、実施形態のフェンダパネル取付構造を車体左前方からみた斜視図である。図4は、実施形態のフェンダパネル取付構造を分解した状態を示す分解斜視図である。図5は、図2におけるフェンダパネル取付構造をV-V線で破断した状態を示す断面図である。
図3から図5に示すように、フェンダパネル取付構造20は、開口縁前部26に取付片32を取り付けるように構成されている。フェンダパネル取付構造20は、クリップ40と、スリーブ41と、リベット42と、を備えている。
<クリップ>
クリップ40は、樹脂材で形成された樹脂製の部材である。クリップ40は、フェンダパネル16の取付片32を挟み込むように断面U字状に形成されている。クリップ40は、内ベース部45と、外ベース部46と、連結部47と、を有する。
内ベース部45は、開口縁前部26と取付片32との間に介在され、開口縁前部26の側に配置されている。内ベース部45は、嵌合孔51と、一対の段部52,52(図8も参照)と、リング部53と、を有する。
クリップ40は、樹脂材で形成された樹脂製の部材である。クリップ40は、フェンダパネル16の取付片32を挟み込むように断面U字状に形成されている。クリップ40は、内ベース部45と、外ベース部46と、連結部47と、を有する。
内ベース部45は、開口縁前部26と取付片32との間に介在され、開口縁前部26の側に配置されている。内ベース部45は、嵌合孔51と、一対の段部52,52(図8も参照)と、リング部53と、を有する。
嵌合孔51は、車幅方向へ向けて貫通され、後述するスリーブ41が挿入可能に円形に形成されている。嵌合孔51は、車幅方向においてアウトサイドパネル15(具体的には、開口縁前部26)のクリップ孔27に対応する位置に配置されている。
一対の段部52,52は、内ベース部45のうち外ベース部46に対峙する内面45aに形成されている。具体的には、一対の段部52,52は、内ベース部45の内面45aのうち内ベース部45の上辺45bおよび下辺45c(図8も参照)に沿って形成されている。一対の段部52,52は、後述するスリット58に配置されている。スリット58には取付片32が配置される。
一対の段部52,52は、上辺45bおよび下辺45cから外ベース部46に向けて突出されている。一対の段部52,52は、スリット58に配置された取付片32のうちアウトサイドパネル15の側の内面32aに当接する。
一対の段部52,52は、上辺45bおよび下辺45cから外ベース部46に向けて突出されている。一対の段部52,52は、スリット58に配置された取付片32のうちアウトサイドパネル15の側の内面32aに当接する。
リング部53は、内ベース部45のうち開口縁前部26に対峙する外面45dに形成されている。具体的には、リング部53は、例えば、内ベース部45の外面45dのうち嵌合孔51の周囲に沿って環状に形成されている。リング部53は、内ベース部45の外面45dから開口縁前部26に向けて突出されることにより、開口縁前部26の外面26aに当接する。
リング部53を開口縁前部26の外面26aに当接させ、一対の段部52,52を取付片32の内面32aに当接させる理由については、後で詳しく説明する。
リング部53を開口縁前部26の外面26aに当接させ、一対の段部52,52を取付片32の内面32aに当接させる理由については、後で詳しく説明する。
外ベース部46は、取付片32の車幅方向外側に配置され、内面46aが取付片32の外面32bに接触されている。外ベース部46は、開口部56と、リブ57と、を有する。開口部56は、車幅方向において嵌合孔51に対応する位置に配置されている。開口部56は、アウトサイドパネル15(具体的には、開口縁前部26)にクリップ40をリベット42で固定する際にリベット42を挿入する孔である。
リブ57は、外ベース部46の外面46bから車幅方向外側に向けて突出されている。外ベース部46の外面46bにリブ57を設けることにより、外ベース部46の強度がリブ57により確保されている。
リブ57は、外ベース部46の外面46bから車幅方向外側に向けて突出されている。外ベース部46の外面46bにリブ57を設けることにより、外ベース部46の強度がリブ57により確保されている。
連結部47は、内ベース部45の後端部および外ベース部46の後端部を連結する。連結部47の外面にも、リブ57が外ベース部46から連続して形成されている。連結部47の強度もリブ57により確保されている。
クリップ40は、内ベース部45、外ベース部46、および連結部47により、車体前方に向けて開口する断面U字状に形成されている。すなわち、クリップ40には、内ベース部45、外ベース部46、および連結部47により、車体前方に向けて開口するスリット58が形成されている。
スリット58には、一対の段部52,52が配置されている。スリット58において、外ベース部46の内面46aと一対の段部52,52との間に取付片32が挟み込まれた状態に挟持されている。
クリップ40は、内ベース部45、外ベース部46、および連結部47により、車体前方に向けて開口する断面U字状に形成されている。すなわち、クリップ40には、内ベース部45、外ベース部46、および連結部47により、車体前方に向けて開口するスリット58が形成されている。
スリット58には、一対の段部52,52が配置されている。スリット58において、外ベース部46の内面46aと一対の段部52,52との間に取付片32が挟み込まれた状態に挟持されている。
<スリーブ>
図4、図5に示すように、スリーブ41は、金属材で形成された金属製の部材である。スリーブ41は、クリップ40(具体的には、内ベース部45)の嵌合孔51に車幅方向内側から挿入されている。スリーブ41は、円筒部65と、フランジ部66と、を有する。
円筒部65は、中空の円筒状に形成されている。円筒部65は、中空部71と、外周面72と、複数の突起部73(図7も参照)と、を有する。中空部71は、円筒部65の内部を軸線に沿って中空に貫通する貫通孔である。外周面72は、嵌合孔51の内周面51aに接触する円形に形成されている。外周面72には、複数の突起部73が形成されている。
図4、図5に示すように、スリーブ41は、金属材で形成された金属製の部材である。スリーブ41は、クリップ40(具体的には、内ベース部45)の嵌合孔51に車幅方向内側から挿入されている。スリーブ41は、円筒部65と、フランジ部66と、を有する。
円筒部65は、中空の円筒状に形成されている。円筒部65は、中空部71と、外周面72と、複数の突起部73(図7も参照)と、を有する。中空部71は、円筒部65の内部を軸線に沿って中空に貫通する貫通孔である。外周面72は、嵌合孔51の内周面51aに接触する円形に形成されている。外周面72には、複数の突起部73が形成されている。
図6は、図5におけるフェンダパネル取付構造のV1部を拡大し且つスリーブの一部を破断しない状態で示す断面図である。図7は、図6におけるフェンダパネル取付構造をVII-VII線で破断した状態を示す断面図である。
図6、図7に示すように、突起部73は、例えば、ローレット加工により形成されている。具体的には、突起部73は、外周面72において周方向に複数設けられている。突起部73は、嵌合孔51の内周面51aの方向(すなわち、径方向外側)に向けて先細りとなるように凸状に形成(突出)されている。よって、突起部73は、例えば、先端73aが先細状に尖った断面V字状に形成されている。また、突起部73は、先端73aが嵌合孔51の内周面51aよりも大きい円77に沿って配置されている。
図6、図7に示すように、突起部73は、例えば、ローレット加工により形成されている。具体的には、突起部73は、外周面72において周方向に複数設けられている。突起部73は、嵌合孔51の内周面51aの方向(すなわち、径方向外側)に向けて先細りとなるように凸状に形成(突出)されている。よって、突起部73は、例えば、先端73aが先細状に尖った断面V字状に形成されている。また、突起部73は、先端73aが嵌合孔51の内周面51aよりも大きい円77に沿って配置されている。
加えて、突起部73は、スリーブ41による嵌合孔51への挿入方向(すなわち、スリーブ41の軸線78方向)に延在されている。
なお、突起部73の先端73aを嵌合孔51の内周面51aよりも大きい円77に沿って配置させた理由や、突起部73をスリーブ41による嵌合孔51への挿入方向に延在させた理由については後で詳しく説明する。
なお、突起部73の先端73aを嵌合孔51の内周面51aよりも大きい円77に沿って配置させた理由や、突起部73をスリーブ41による嵌合孔51への挿入方向に延在させた理由については後で詳しく説明する。
円筒部65の基端部65aにフランジ部66が設けられている。フランジ部66は、円筒部65の基端部65aから径方向外側に向けてリング状に張り出されている。フランジ部66は、外周が円形に形成されている。
フランジ部66は、円筒部65が先端部65bから嵌合孔51に差し込まれた状態において、内ベース部45の内面45aに当接されている。この状態において、円筒部65の先端部65bが内ベース部45の内面45aに対して面一に配置されている。
よって、後述するリベット42によりクリップ40の内ベース部45およびアウトサイドパネル15の開口縁前部26をかしめる際に、樹脂製の内ベース部45が肉厚方向に潰されることを金属製のスリーブ41で防止できる。
フランジ部66は、円筒部65が先端部65bから嵌合孔51に差し込まれた状態において、内ベース部45の内面45aに当接されている。この状態において、円筒部65の先端部65bが内ベース部45の内面45aに対して面一に配置されている。
よって、後述するリベット42によりクリップ40の内ベース部45およびアウトサイドパネル15の開口縁前部26をかしめる際に、樹脂製の内ベース部45が肉厚方向に潰されることを金属製のスリーブ41で防止できる。
ここで、前述したように、スリーブ41は、円筒部65の外周面72に複数の突起部73が形成されている。また、スリーブ41は、金属材で形成された金属製の部材である。一方、クリップ40は、樹脂材で形成された樹脂製の部材である。
よって、スリーブ41を嵌合孔51に挿入する際に、先端の尖った突起部73を嵌合孔51の内周面51aにめり込ませることができる。すなわち、複数の突起部73を嵌合孔51の内周面51aに埋設させて、複数の突起部73と嵌合孔51の内周面51aとを周方向において重複(オーバーラップ)させることができる。これにより、スリーブ41およびクリップ40の相対回転を複数の突起部73により抑制できる。
よって、スリーブ41を嵌合孔51に挿入する際に、先端の尖った突起部73を嵌合孔51の内周面51aにめり込ませることができる。すなわち、複数の突起部73を嵌合孔51の内周面51aに埋設させて、複数の突起部73と嵌合孔51の内周面51aとを周方向において重複(オーバーラップ)させることができる。これにより、スリーブ41およびクリップ40の相対回転を複数の突起部73により抑制できる。
なお、実施形態では、円筒部65の外周面72にローレット加工により軸方向に延びる複数の突起部73を形成する例について説明したが、これに限らない。複数の突起部73を他の加工方法で形成してもよく、突起部73の形状も任意に選択が可能である。
<リベット>
図4、図6に示すように、リベット42は、金属材で形成された金属製の部材である。リベット42は、好ましくはアルミニウム合金で形成されている。リベット42は、例えば一般に使用されているリベットが採用されている。リベット42は、スリーブ41のうち円筒部65の中空部71(すなわち、中空に貫通された貫通孔)に挿入され、クリップ40をアウトサイドパネル15の開口縁前部26に取り付ける。
図4、図6に示すように、リベット42は、金属材で形成された金属製の部材である。リベット42は、好ましくはアルミニウム合金で形成されている。リベット42は、例えば一般に使用されているリベットが採用されている。リベット42は、スリーブ41のうち円筒部65の中空部71(すなわち、中空に貫通された貫通孔)に挿入され、クリップ40をアウトサイドパネル15の開口縁前部26に取り付ける。
リベット42は、リベット本体81と、ピン82と、を備えている。リベット本体81は、スリーブ41の中空部71および開口縁前部26のクリップ孔27に貫通可能に形成されている。リベット本体81は、筒部84と、鍔部85と、を備えている。筒部84は、スリーブ41の中空部71および開口縁前部26のクリップ孔27に貫通する。鍔部85は、内ベース部45の内面45aおよびスリーブ41(具体的には、円筒部65)の先端部65bに当接する。
ピン82は、リベット本体81を軸方向に貫通する部材である。具体的には、ピン82は、ピン本体87と、拡径部88と、を有する。ピン本体87は、筒部84の中空部84aに貫通されることにより軸方向に延びている。ピン本体87の先端部87aに拡径部88が設けられている。拡径部88は、例えば、筒部84の外周面まで径方向外側に拡径されている。
このように構成されたリベット42は、筒部84がスリーブ41(具体的には、円筒部65)の中空部71および開口縁前部26のクリップ孔27に貫通される。この状態において、ピン本体87の基端部87bが車幅方向外側(図4に示す矢印A方向)に引かれることにより、筒部84の先端部84bが拡径する。よって、クリップ40の内ベース部45およびアウトサイドパネル15の開口縁前部26がリベット42によりかしめられた状態に固定される。
すなわち、クリップ40の内ベース部45がアウトサイドパネル15の開口縁前部26にリベット42により取り付けられる。この状態において、リベット本体81の鍔部85から飛び出したピン本体87の基端部87b側の部分(すなわち、余剰部分)が取り除かれる。ピン本体87の余剰部分が取り除かれることにより、リベット42が図5、図6に示された状態になる。
図8は、図2におけるフェンダパネル取付構造をVIII-VIII線で破断した状態を示す断面図である。
図8に示すように、クリップ40の内ベース部45がアウトサイドパネル15の開口縁前部26にリベット42により取り付けられた状態において、クリップ40のスリット58にフェンダパネル16の取付片32が配置される。
図8に示すように、クリップ40の内ベース部45がアウトサイドパネル15の開口縁前部26にリベット42により取り付けられた状態において、クリップ40のスリット58にフェンダパネル16の取付片32が配置される。
この状態において、取付片32の内面32aに一対の段部52,52が当接する。さらに、取付片32の外面32bに外ベース部46の内面46aが当接する。すなわち、フェンダパネル16の取付片32は、外ベース部46の内面46aと一対の段部52,52とにより挟持される。
これにより、フェンダパネル16の取付片32は、クリップ40、スリーブ41、およびリベット42(すなわち、フェンダパネル取付構造20)を介して開口縁前部26に取り付けられている。
これにより、フェンダパネル16の取付片32は、クリップ40、スリーブ41、およびリベット42(すなわち、フェンダパネル取付構造20)を介して開口縁前部26に取り付けられている。
以上説明したように、実施形態のフェンダパネル取付構造20によれば、図6から図8に示すように、スリーブ41の外周面72に複数の突起部73を設け、突起部73を先細りとなるように凸状に形成した。さらに、突起部73の先端73aを嵌合孔51の内周面51aよりも大きい円77に沿って配置した。すなわち、複数の突起部73の先端73aの外周を嵌合孔51の内周面51aよりも大きくした。ここで、クリップ40は樹脂製の部材であり、スリーブ41は金属製の部材である。
よって、スリーブ41の円筒部65を嵌合孔51に挿入する際に、先端の尖った突起部73を嵌合孔51の内周面51aにめり込ませることができる。すなわち、突起部73を嵌合孔51の内周面51aに埋設させて、突起部73と嵌合孔51の内周面51aとを周方向において重複(オーバーラップ)させることができる。これにより、スリーブ41およびクリップ40の相対回転を抑制することができる。
すなわち、クリップ40がスリーブ41(具体的には、円筒部65)の外周面72に対して滑りながら円筒部65を軸に回転することを抑えることができる。よって、クリップ40が回転してフェンダパネル16の取付片32において稜線(突起)などに乗り上げて、クリップ40がフェンダパネル16の取付片32に対して傾くことを抑制できる。
これにより、取付片32(すなわち、フェンダパネル16)をクリップ40で安定させた状態に挟持することができる。したがって、例えば、車両10の走行中に、例えば、フェンダパネル16に起因する雑音や打音が発生することを抑制できる。
これにより、取付片32(すなわち、フェンダパネル16)をクリップ40で安定させた状態に挟持することができる。したがって、例えば、車両10の走行中に、例えば、フェンダパネル16に起因する雑音や打音が発生することを抑制できる。
また、スリーブ41の外周面72に複数の突起部73が設けられている。よって、車両10の走行振動などにより、クリップ40がスリーブ41に対して滑って回転することを抑えることができる。これにより、車両の走行振動などによりクリップ40がフェンダパネル16に対して傾くことも抑制できる。
また、突起部73をスリーブ41による嵌合孔51への挿入方向(すなわち、スリーブ41の軸線78方向)に延在させた。これにより、スリーブ41を嵌合孔51に挿入する際に、先端の尖った突起部73を嵌合孔51の内周面51aに一層好適にめり込ませる(埋設させる)ことができる。
さらに、突起部73をスリーブ41の挿入方向に延在させることにより、突起部73と嵌合孔51の内周面51aとが重複する領域91をスリーブ41の挿入方向(すなわち、スリーブ41の軸線78方向)に長く確保できる。以下、突起部73と嵌合孔51の内周面51aとが重複する領域91を「重複領域91」ということもある。重複領域91を長く確保することにより、重複領域91の面積を大きく確保できる。
このように、突起部73を嵌合孔51の内周面51aに一層好適にめり込ませ、且つ重複領域91の面積を大きく確保することにより、スリーブ41およびクリップ40の相対回転を一層良好に抑制することができる。
このように、突起部73を嵌合孔51の内周面51aに一層好適にめり込ませ、且つ重複領域91の面積を大きく確保することにより、スリーブ41およびクリップ40の相対回転を一層良好に抑制することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 車両
16 フェンダパネル(フロントフェンダパネル)
15 アウトサイドパネル
20 フェンダパネル取付構造
40 クリップ
41 スリーブ
42 リベット
51 嵌合孔
51a 嵌合孔の内周面
65 円筒部
72 円筒部の外周面(スリーブの外周面)
73 突起部
73a 先端
77 円
16 フェンダパネル(フロントフェンダパネル)
15 アウトサイドパネル
20 フェンダパネル取付構造
40 クリップ
41 スリーブ
42 リベット
51 嵌合孔
51a 嵌合孔の内周面
65 円筒部
72 円筒部の外周面(スリーブの外周面)
73 突起部
73a 先端
77 円
Claims (2)
- フェンダパネルを挟み込むクリップと、
前記クリップの嵌合孔に挿入され、中空に形成されたスリーブと、
前記スリーブの中空に挿入され、前記クリップをアウトサイドパネルに取り付けるリベットと、
を備えたフェンダパネル取付構造において、
前記クリップは樹脂製であり、
前記スリーブは金属製であり、
前記スリーブは、
前記嵌合孔の内周面に接触する外周面において周方向に複数設けられた突起部を有し、
前記突起部は、
前記内周面の方向に向けて先細りとなるように凸状に形成され、且つ先端が前記内周面よりも大きい円に沿って配置されている、
ことを特徴とするフェンダパネル取付構造。 - 前記突起部は、前記スリーブの挿入方向に延在されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のフェンダパネル取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021176700A JP2023066152A (ja) | 2021-10-28 | 2021-10-28 | フェンダパネル取付構造 |
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ID=86322065
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2021
- 2021-10-28 JP JP2021176700A patent/JP2023066152A/ja active Pending
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