JP2023065851A - ガスバリアフィルム及び包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱殺菌処理後においても酸素透過率が充分に低く且つ優れたラミネート強度を有する包装材を作製することができるガスバリアフィルムを提供すること。【解決手段】ポリプロピレン樹脂を含有する基材層と、プロピレンと他のモノマーとの共重合体を含有する樹脂層と、アンカーコート層と、無機酸化物の蒸着層と、をこの順に備え、アンカーコート層がアクリル樹脂を含有し、アンカーコート層の厚さが0.1~0.7μmである、ガスバリアフィルム。【選択図】図1

Description

本開示は、ガスバリアフィルム及び包装材料に関する。
ガスバリアフィルムは主に、ボイル処理、レトルト処理等の加熱殺菌を含む食品、医薬品等の包装材料として広く用いられている。近年、環境問題への意識の高まりから、包装材料にリサイクル適性を持たせるために、単一素材を使用した包装材料、いわゆるモノマテリアル包材への関心が高まっている。包装材料のラミネートフィルムとしては、一般的にポリプロピレン等が使用されているため、そのようなフィルムを使用してモノマテリアル包材を作製するためには、ガスバリアフィルムにもポリプロピレン等を基材として使用することが求められている。
また、ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械的強度、耐熱性に優れるが、金属蒸着性、他の樹脂との接着性、印刷性等の二次加工性が他の材料のフィルムに劣る。これらの問題点を解決するため、種々の方法が提案されており、例えば、下記特許文献1では、ポリプロピレンフィルムにエチレン-α-オレフィン共重合体をブレンドする方法、特許文献2、3では、エチレン-α-オレフィン共重合体等を積層する方法などが提案されている。
特開昭63-291929号公報 特開昭63-290743号公報 特開平3-49952号公報
しかしながら、従来のガスバリアフィルムでは、包装材料からパウチ等の包装材を作製した後、加熱殺菌処理時において酸素透過率を充分に低く保ちつつ、優れたラミネート強度を有することは困難であった。
そこで、本開示の一側面は、加熱殺菌処理後においても酸素透過率が充分に低く且つ優れたラミネート強度を有する包装材を作製することができるガスバリアフィルムを提供することを目的とする。本開示の他の一側面は、このようなガスバリアフィルムを用いた包装材料を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、ポリプロピレン樹脂を含有する基材層と、プロピレンと他のモノマーとの共重合体を含有する樹脂層と、アンカーコート層と、無機酸化物の蒸着層と、をこの順に備え、アンカーコート層が(メタ)アクリル樹脂を含有し、アンカーコート層の厚さが0.1~0.7μmである、ガスバリアフィルムである。
上記のガスバリアフィルムは、アンカーコート層の厚さが特定の数値範囲内であり、基材層とアンカーコート層との間に樹脂層を有することにより、樹脂層と蒸着層の界面が安定するため、ガスバリアフィルムを包装材に用いて加熱殺菌処理をした後においてもガスバリア性及び密着性を維持することができる。そのため、このバリアフィルムを用いた包装材は、加熱殺菌処理後においても酸素透過率が充分に低く且つ優れたラミネート強度を有する。
上記ガスバリアフィルムは、樹脂層の蒸着層側の表面を観察倍率50倍で250μm×250μmの範囲をレーザー顕微鏡により観察したときに、最大山高さSpが1.5μm以下であり、且つ、10μm×10μmの範囲を原子間力顕微鏡(AFM)により観察したときに、算術平均粗さSaが5nm以上であってもよい。
上記ガスバリアフィルムは、蒸着層に対してアンカーコート層とは反対側にガスバリア被覆層を更に備えもよい。
本開示の他の一側面は、上記ガスバリアフィルムと、ポリプロピレン樹脂を含有するシーラント層と、を備える、包装材料である。
本開示の一側面によれば、加熱殺菌処理後においても酸素透過率が充分に低く且つ優れたラミネート強度を有する包装材を作製することができるガスバリアフィルムを提供することが可能である。本開示の他の一側面によれば、このようなガスバリアフィルムを用いた包装材料を提供することができる。
本開示の一実施形態に係るガスバリアフィルムを示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
<ガスバリアフィルム>
図1は、一実施形態に係るガスバリアフィルムを示す模式断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るガスバリアフィルム10は、基材層1と、樹脂層2と、アンカーコート層3と、蒸着層4と、をこの順に備える。
[基材層]
基材層は、支持体となるフィルム(ベースフィルム)であり、ポリプロピレン樹脂を含有する。基材層は、例えば、ポリプロピレン樹脂をシート化した後、延伸し、一軸又は二軸に配向したフィルムであってもよい。
ポリプロピレン樹脂は、結晶性ポリプロピレン樹脂であってもよい。ポリプロピレン樹脂は、耐熱性を向上させる観点から、プロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレン樹脂であってもよい。ポリプロピレン樹脂は、プロピレンとα-オレフィンとのランダム共重合体を含有してもよい。
ポリプロピレン樹脂の含有量は、基材層の全質量を基準として、90質量%以上、95質量%以上、又は99質量%以上であってもよい。ポリプロピレン樹脂の含有量は、基材層の全質量を基準として、実質的に100質量%(基材層がポリプロピレン樹脂からなる態様)であってもよい。
基材層は、例えば、酸化防止剤、安定剤、滑剤、帯電防止剤等の有機添加剤を含有してもよく、シリカ、ゼオライト、ハイドロタルサイト、シリコン粒子、サイロイド等の無機添加剤を含有してもよい。
基材層の厚さは、3μm以上、6μm以上、10μm以上、又は15μm以上であってもよく、200μm以下、100μm以下、50μm以下、又は30μm以下であってもよい。これらの観点から、基材層の厚さは、3~200μm又は10~50μmであってもよい。
基材層に用いられるポリプロピレンは、化石燃料から重合された樹脂であってよく、リサイクルされた樹脂であってもよく、植物等のバイオマス由来の原料を重合して得られた樹脂であってもよい。これらの樹脂を使用する場合、単独で使用してもよく、化石燃料から重合された樹脂とリサイクルされた樹脂又は植物等のバイオマス由来の原料を重合して得られた樹脂とを混合して使用してもよい。
[樹脂層]
樹脂層は、プロピレンと他のモノマーとの共重合体を含有する。樹脂層は、基材層の表面上に直接形成されていてもよい。ガスバリアフィルムが樹脂層を備えることで、加熱殺菌後の基材層の収縮に伴う蒸着層にかかる応力を緩和することができ、蒸着層の破壊を抑制することができる。
共重合体の含有量は、樹脂層の全質量を基準として、90質量%以上、95質量%以上、又は99質量%以上であってもよい。共重合体の含有量は、樹脂層の全質量を基準として、実質的に100質量%(樹脂層が共重合体からなる態様)であってもよい。
共重合体におけるプロピレン単位の含有量は、モノマー単位の全量を基準として、80モル%以上、90モル%以上、又は95モル%以上であってもよく、99.5モル%以下、99モル%以下、又は98モル%以下であってもよい。共重合体におけるプロピレン単位の含有量は、モノマー単位の全量を基準として、80~99.5モル%であってもよい。
他のモノマーは、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン等のα-オレフィンであってよい。共重合体は、他のモノマーとしてエチレン単位を有するものであってもよい。共重合体は、プロピレンと複数の他のモノマー単位との共重合体であってもよい。
共重合体における他のモノマー単位の含有量は、蒸着層との密着性が優れる観点から、モノマー単位の全量を基準として、0.5モル%以上、1モル%以上、又は2モル%以上であってもよい。共重合体における他のモノマー単位の含有量は、耐熱性を向上させる観点から、モノマー単位の全量を基準として、20モル%以下、10モル%以下、又は5モル%以下であってもよい。共重合体における他のモノマー単位の含有量は、モノマー単位の全量を基準として、0.5~20モル%であってもよい。
樹脂層に用いられる共重合体は、化石燃料から重合された樹脂であってよく、リサイクルされた樹脂であってもよく、植物等のバイオマス由来の原料を重合して得られた樹脂であってもよい。これらの樹脂を使用する場合、単独で使用してもよく、化石燃料から重合された樹脂とリサイクルされた樹脂又は植物等のバイオマス由来の原料を重合して得られた樹脂とを混合して使用してもよい。
樹脂層は、加熱殺菌処理後においても包装材の酸素透過率を充分に低くしやすい観点から、蒸着層側の表面を観察倍率50倍で250μm×250μmの範囲をレーザー顕微鏡により観察したときに、最大山高さSpが1.5μm以下又は1.2μm以下であってもよい。最大山高さSpは、0.1μm以上又は0.5μm以上であってもよい。
樹脂層は、加熱殺菌処理後においても包装材の酸素透過率を充分に低くしやすい観点から、蒸着層側の表面を10μm×10μmの範囲を原子間力顕微鏡(AFM)により観察したときに、算術平均粗さSaが5nm以上又は5.5μm以上であってもよい。算術平均粗さSaは、加熱殺菌処理後においても包装材の酸素透過率を充分に低くしやすい観点から、20nm以下、15nm以下、10nm以下又は8nm以下であってもよい。
樹脂層の厚さは、加熱殺菌後の基材層の収縮に伴う蒸着層にかかる応力を緩和しやすい観点から、0.3μm以上、0.5μm以上、又は0.7μm以上であってもよい。樹脂層の厚みは、耐熱性を向上させる観点から、2.0μm以下、1.8μm以下、又は1.5μm以下であってもよい。これらの観点から、樹脂層の厚さは、0.3~2.0μmであってよい。
樹脂層は、例えば、基材層を形成するポリプロピレン樹脂と、樹脂層を形成するプロピレンと他のモノマーとの共重合体とを共押出することにより、基材層上に形成することができる。樹脂層は、基材層の片面のみに形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。
[アンカーコート層]
アンカーコート層は、(メタ)アクリル樹脂を含有し、厚さが0.1~0.7μmである。ガスバリアフィルムがアンカーコート層を備えることで、蒸着層との密着性を向上させることができる。なお、「(メタ)アクリル樹脂」とは、「アクリル樹脂」、及び、それに対応する「メタクリル樹脂」の少なくとも一方を意味する。
(メタ)アクリル樹脂としては、例えば(メタ)アクリル系モノマーを含む重合性モノマーを重合した(メタ)アクリル系重合体が挙げられる。(メタ)アクリル系重合体は、単独重合体であってもよく、(メタ)アクリル系モノマー以外の重合性モノマーとの共重合体であってもよい。(メタ)アクリル樹脂は、ウレタン硬化やエポキシ硬化等の熱架橋が可能な樹脂であってもよく、後述する硬化剤として使用されるイソシアネート化合物との反応性の観点から、一分子中に水酸基を2つ以上有するポリオールであってもよく、中でも(メタ)アクリルポリオールであってもよい。
(メタ)アクリルポリオールは、炭化水素系(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとを共重合した(メタ)アクリル系共重合体、又は炭化水素系(メタ)アクリレートと水酸基含有モノマーとこれら以外のモノマー成分(その他のモノマー成分)とを共重合した(メタ)アクリル系共重合体であってもよい。上記のモノマーを共重合することにより、複数の水酸基を含有する(メタ)アクリルポリオールを得ることができる。
アンカーコート層は、硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては、(メタ)アクリル樹脂との反応性が優れる観点から、分子中に2個以上のNCO基を有するイソシアネート系化合物であってもよい。
イソシアネート化合物は、モノマー系イソシアネートであってよい。モノマー系イソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族系又は芳香脂肪族系イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)等の脂肪族系イソシアネート等が挙げられる。
イソシアネート系化合物は、上記のモノマー系イソシアネートの重合体又は誘導体であってもよい。イソシアネート化合物は、例えば、3量体のヌレート型、1,1,1-トリメチロールプロパン等と反応させたアダクト型、又はビウレットと反応させたビウレット型等の構造を有するイソシアネートであってもよい。イソシアネート化合物は、(メタ)アクリル樹脂との反応性が優れる観点から、芳香環を有するイソシアネートであってもよい。
(メタ)アクリル樹脂が(メタ)アクリルポリオールである場合、イソシアネート化合物の含有量は、アクリルポリオールのOH基の数と、イソシアネート化合物のNCO基の数とが等量となる量であってもよい。
アンカーコート層は、蒸着層との密着性を更に向上させる観点から、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するアミノ系シランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するメルカプト系シランカップリング剤;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のNCO基を有するイソシアネート系シランカップリング剤などが挙げられる。これらのシランカップリング剤を1種類又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
アンカーコート層の厚さは、加熱殺菌後において包装材の酸素透過率を充分に低くしやすい観点及び加熱殺菌後において包装材のラミネート強度が優れる観点から、0.6μm以下、0.4μm以下、又は0.2μm以下であってもよい。アンカーコート層の厚さは、0.11μm以上、0.12μm以上、又は0.13μm以上であってもよい。これらの観点から、アンカーコート層の厚さは、0.11~0.6μm、0.12~0.4μm、又は0.13~0.2μmであってよい。
アンカーコート層は、例えば、(メタ)アクリル樹脂等を含有する(メタ)アクリル系プライマー溶液をグラビアコート、ロールコート、バーコート等の方法により、樹脂層上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。
[蒸着層]
蒸着層は、無機酸化物を含有する。蒸着層は、水蒸気、酸素等に対するガスバリア性を向上させる観点から、アンカーコート層上に直接形成されていてもよい。蒸着層は、透明性を有するものであってもよい。
無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化マグネシウム、及びこれらの混合物を用いることができる。無機酸化物は、殺菌耐性が優れる観点から、酸化アルミニウム及び酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
蒸着層の厚さは、膜厚が均一となり、ガスバリア性が優れる観点から、5nm以上、10nm以上、又は15nm以上であってよく、成膜後に外力が加わっても蒸着層に亀裂が生じにくくなる観点から、300nm以下、150nm以下、又は100nm以下であってもよい。これらの観点から、蒸着層の厚さは、5~300nmであってもよい。
蒸着層は、例えば、真空蒸着法、プラズマアシスト法、イオンビームアシスト法、スパッタリング法、反応性蒸着法等により形成することができる。蒸着層は、生産性が優れる観点から、真空蒸着法により形成してもよく、蒸着層と樹脂層との密着性が優れる観点、及び蒸着層の緻密性を向上させる観点から、プラズマアシスト法、イオンビームアシスト法で形成してもよく、蒸着膜の透明性が優れる観点から、酸素等の各種ガスを吹き込む反応性蒸着法により形成してもよい。
真空蒸着法の加熱手段としては、電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式等が挙げられる。真空蒸着法の加熱手段は、蒸発材料の選択性の幅広さが優れる観点から、電子線加熱方式であってもよい。
[ガスバリア被覆層]
ガスバリアフィルムは、蒸着層に対してアンカーコート層とは反対側にガスバリア被覆層を更に備えてもよい。ガスバリアフィルムが、ガスバリア被覆層を備えることで、蒸着層を保護することができ、ガスバリア性が更に向上する。
ガスバリア被覆層は、ケイ素化合物又はその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子と、を含有してもよい。
ケイ素化合物としては、例えば、Si(OR及びRSi(ORから選ばれる少なくとも1種であってもよい。OR及びORは、それぞれ独立に加水分解性基であり、Rは有機官能基である。Rとしては、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、イソシアネート基等が挙げられる。Si(ORは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定である観点から、テトラエトキシシラン(Si(OC)であってもよい。
水酸基を有する水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。水酸基を有する水溶性高分子は、ガスバリア性が優れる観点から、ポリビニルアルコールであってもよい。
ガスバリア被覆層は、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤等の添加剤を更に含有してもよい。
ガスバリア被覆層の厚さは、0.1μm以上又は0.3μm以上であってもよく、5μm以下又は1μm以下であってもよい。ガスバリア被覆層の厚さは、0.1~5μmであってもよい。
ガスバリア被覆層は、例えば、水溶性高分子を水又は水/アルコール混合溶媒で溶解させた後、ケイ素化合物又はその加水分解物を混合し、この混合溶液をグラビアコート、ロールコート、バーコート等の方法により、蒸着層上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。
水溶性高分子がポリビニルアルコールである場合、混合溶液中のポリビニルアルコールの含有量は、ガスバリア被覆層を形成しやすい観点から、混合溶液の全固形分量を基準として、20質量%以上又は25質量%以上であってもよく、ガスバリア性が優れる観点から、50質量%以下又は40質量%以下であってもよい。混合溶液中のポリビニルアルコールの含有量は、混合溶液の全固形分量を基準として、20~50質量%であってもよい。
<包装材料>
本開示の他の実施形態は、上記のガスバリアフィルムと、ポリプロピレン樹脂を含有するシーラント層と、を備える包装材料である。シーラント層は、例えば、延伸又は未延伸のポリプロピレンフィルムであってもよい。
シーラント層の厚さは、10μm以上又は20μm以上であってよく、200μm以下又は100μm以下であってよい。シーラント層の厚さは、10~200μmであってよよい。
包装材料は、ガスバリアフィルムとシーラント層との間に接着層を設けてもよい。接着層は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオール等に対して、二官能以上のイソシアネート化合物を作用させたポリウレタン樹脂で形成されていてもよい。
接着層は、接着性を向上させる観点から、ポリウレタン樹脂に加えて、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物、シランカップリング剤等を含有してもよい。
上記のガスバリアフィルムを用いた包装材料であれば、加熱殺菌処理後においても酸素透過率を充分に低く且つ優れたラミネート強度を有する包装材を作製することができるため、このような包装材料から作製される包装材は、食品、医薬品等を収容することができる。包装材料は、1つの包装材料をシーラント層が対向するように二つ折りにした後、折り曲げた箇所以外の3辺をヒートシールすることによって袋状の包装材(包装袋)としてもよく、2つの包装材料をシーラント層が対向するように重ねた後、4辺をヒートシールすることによって袋状の包装材としてもよい。
包装材は、口栓付きであってもよい。口栓付きの包装材は、包装袋を形成する2枚のガスバリアフィルムで口栓を挟み込んで固定してもよく、包装材の一面に穴をあけて注出口を接着して固定してもよい。注出口は、包装材の上面に設けるもよく、包装材の側面、底面、斜め上方に設けてもよい。内容物が液状又はゲル状である場合には、直接口をつけて吸出し可能なように、注出口栓(いわゆるスパウト)に加え、包装材の底部に届くストローを備えてもよい。
口栓付き包装材の他の形態としては、清涼飲料、アルコール飲料等の液体を収容するバッグ(内袋)をカートン(外箱)に収めたバッグインボックスが挙げられる。すなわち、本実施形態に係る包装材料は、バッグインボックスのバッグ、特に注出用の口栓(チューブ)を備えたバッグに使用することができる。
包装材料を口栓付き包装材として用いる場合、リサイクル性を向上させる観点から、口栓部分及びキャップの口栓全体が、ガスバリアフィルムの基材層と同じ樹脂で形成されていてもよい。
以下、実施例により本開示を更に詳細に説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
<実施例1>
ホモポリプロピレン樹脂とエチレン-プロピレンランダム共重合体樹脂(エチレン単位の含有量:3.2モル%、プロピレン単位の含有量:96.8モル%)を共押出して、ホモポリプロピレンを含む基材層と、エチレン-プロピレンランダム共重合体を含む樹脂層との積層体を作製した。基材層の厚さは19μmであり、樹脂層の厚さは0.8μmであった。
(最大山高さSpの測定)
樹脂層の蒸着層を形成する側の表面を以下の条件で観察し、最大山高さSpを測定したところ1.1μmであった。
装置名:LEXT OLS4000(Olympus製)
観察条件:観察倍率50倍
観察面積:250μm×250μmの範囲
フィルタ:表面補正
モード:表面粗さ
(算術平均粗さSaの測定)
樹脂層の蒸着層を形成する側の表面を以下の条件で観察し、算術平均粗さSaを測定したところ7.5nmであった。
装置名:AFM5400L(日立ハイテク製)
使用針:MPP-11100-10
測定面積:10μm×10μmの範囲
試料凹凸:標準
軟らかさ:軟らかい
周波数:0.6
傾き補正:3次
次いで、アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートを、アクリルポリオールのOH基に対してNCO基が等量となるように加え、全固形分が5wt%になるよう酢酸エチルで希釈した。これに3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを全固形分に対して5wt%添加して混合し、アクリル系プライマー溶液を得た。このアクリル系プライマー溶液をグラビアコート法により塗布し、乾燥させることで、アンカーコート層を形成した。アンカーコート層の厚さを以下の方法で測定したところ、0.13μmであった。次いで、アンカーコート層上に、減圧下の酸素雰囲気中で高周波励起イオンプレーティングによる反応性蒸着法により、酸化ケイ素を蒸着させることで、厚さ30nmの無機酸化物の蒸着層を形成した。次いで、蒸着層上に、下記に示すA液とB液とC液を配合比(質量%)で70/20/10に混合した溶液をグラビアコート法により塗布し、80℃20秒の条件下で乾燥させることで、厚さ0.3μmのガスバリア被覆層を形成し、ガスバリアフィルムを作製した。
A液:テトラエトキシシラン17.9gとメタノール10gとの混合溶液に塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間攪拌し加水分解させた加水分解溶液(固形分5質量%(SiO換算))。
B液:ポリビニルアルコールの含有量が5質量%である水/メタノール溶液(水/メタノール重量比=95/5)。
C液:β-(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランとイソプロピルアルコール(IPA溶液)との混合溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間攪拌し、水/IPA溶液(水/IPA重量比=1/1)で加水分解させた加水分解溶液(固形分5質量%(RSi(OH)換算))。
<実施例2>
アンカーコート層の厚さを0.6μmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
<比較例1>
アンカーコート層の厚さを0.05μmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
<比較例2>
ホモポリプロピレンを含む基材層と、エチレン-プロピレンランダム共重合体を含む樹脂層との積層体に代えて、ホモポリプロピレンを含む厚さ20μmの基材層を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
<比較例3>
アンカーコート層の厚さを1.0μmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
<実施例3>
樹脂層の厚さ0.3μmとした以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。樹脂層の蒸着層側の表面の最大山高さはSp1.0μmであり、算術平均粗さSaは7.8nmであった。
[評価]
(アンカーコート層の厚さの測定方法)
光硬化性樹脂を用いて作製したガスバリアフィルムを包埋し、ブロック片を作製した後、ウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ製EM UC7)のダイヤモンドナイフによりブロック片の断面出しを行った。ブロック片の断面出し部を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテク製 SU8020)により観察倍率20000倍で観察し、観察画像から厚みを測定した。
(レトルト処理)
作製したバリアフィルムのガスバリア被覆層側に、2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層し、ラミネートフィルム(包装材料)を作製した。作製したラミネートフィルムの3辺を190℃、1秒の条件でヒートシールして、内容物として水を充填した後、残った1辺をヒートシールして包装材(パウチ)を作製した。次いで、130℃30分の条件で加熱殺菌処理(レトルト処理)を行った。
(酸素透過率の測定)
レトルト処理後のパウチに対して、酸素透過度測定装置(Modern Control社製、OXTRAN 2/20)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で、JIS K-7126、B法(等圧法)、及びASTM D3985-81に準拠して、測定を行った。酸素透過率が2.0cm(STP)/m・day・atm以下であれば、パウチはレトルト処理後であっても低い酸素透過率を有すると判断した。
(ラミネート強度の測定)
レトルト処理後のパウチに対して、パウチのバリアフィルムと未延伸ポリプロピレンフィルムとの間のラミネート強度をJIS Z-1707に準拠して、測定した。ラミネート強度の測定は、試験幅15mm、剥離速度300mm/min、剥離角度180度にて行った。ラミネート強度が3.0N/15mm以上であれば、パウチはレトルト処理後であっても優れたラミネート強度を有すると判断した。
Figure 2023065851000002
1…基材層、2…樹脂層、3…アンカーコート層、4…蒸着層、10…ガスバリアフィルム。

Claims (4)

  1. ポリプロピレン樹脂を含有する基材層と、プロピレンと他のモノマーとの共重合体を含有する樹脂層と、アンカーコート層と、無機酸化物の蒸着層と、をこの順に備え、
    前記アンカーコート層が(メタ)アクリル樹脂を含有し、
    前記アンカーコート層の厚さが0.1~0.7μmである、ガスバリアフィルム。
  2. 前記樹脂層の前記蒸着層側の表面を観察倍率50倍で250μm×250μmの範囲をレーザー顕微鏡により観察したときに、最大山高さSpが1.5μm以下であり、且つ、10μm×10μmの範囲を原子間力顕微鏡(AFM)により観察したときに、算術平均粗さSaが5nm以上である、請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記蒸着層に対して前記アンカーコート層とは反対側にガスバリア被覆層を更に備える、請求項1又は2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムと、ポリプロピレン樹脂を含有するシーラント層と、を備える、包装材料。

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