JP2023064472A - コイル材矯正装置、コイル材矯正方法及びコイル材矯正プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】コイル材を無駄にすることなく高品位な矯正を行うことができ、品質の高い加工製品を得ることのできるコイル材矯正装置を提供すること。【解決手段】コイル材12を上下から互い違いに協働して押圧すると共に上下のローラの相対位置を調整可能な複数の矯正ローラ44と、その下流側に配置されてコイル材12をその下側で支持する下側出口ローラ42bと、その下流側に配置されてコイル材12の高さ位置を検出するセンサ47と、制御部46とを有し、制御部46が、センサ47による検出結果に基づきコイル材12の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、第1判断ステップによる判断結果に基づき、矯正ローラ44の相対位置の調整及びコイル材12の逆方向搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、を実行するレベラ40。【選択図】図3
Description
本発明は、コイル材矯正装置、コイル材矯正方法及びコイル材矯正プログラムに関する。
従来、コイル状とされた長尺の加工材料(以下、コイル材という。)を連続的又は断続的に供給しつつ機械加工をする機械加工方法が行われている。この方法によれば、例えば、アンコイラ(供給装置)から供給されたコイル材の巻き癖をレベラ(コイル材矯正装置)にて除去し、その後フィーダ(搬送装置)を経由してコイル材がプレス装置等の加工装置に搬送される。
レベラでの巻き癖の高品位な矯正は、その後の加工製品の品質に影響するので重要である。レベラを通過後のコイル材の反り状況や巻き癖の残り具合は、コイル材の材料や厚さ等の物性値によって異なることがある。そのため、従前はレベラでの矯正力の大きさの調整やその矯正力の負荷のかけ方の調整等を、熟練した作業者の経験や勘に基づき行っていた。
一方、レベラでの矯正力の補正量をフィードバック制御するものとして、特許文献1に開示のものがある。特許文献1には、「出側の矯正後の鋼板の反りを反り検出装置のセンサで検出し、制御部を介して形状制御装置へフィードバックする」構成が開示されている。
しかしながら、従前の構成では、レベラによる適正な矯正が行われる前に一定長さのコイル材がレベラを通過してしまうという課題があった。適正な矯正が行われる前にレベラを通過してしまったコイル材には反りや湾曲が残存してしまうので、そのコイル材を用いて加工を行うと、加工製品の品質が低下するし、そのコイル材を用いることなく廃棄すると、材料が無駄になるという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、コイル材を無駄にすることなく高品位な矯正を行うことができ、品質の高い加工製品を得ることのできるコイル材矯正装置、コイル材矯正方法及びコイル材矯正プログラムを提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としてのコイル材矯正装置は、以下の構成を有する。
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置であって、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正装置。
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正装置。
また、本発明の他の例示的側面としてのコイル材矯正方法は、以下の構成を有する。
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法であって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部により、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正方法。
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部により、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正方法。
また、本発明の更に他の例示的側面としてのコイル材矯正プログラムは、以下の構成を有する。
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法を実行するためのコイル材矯正プログラムであって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部に、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行させる、コイル材矯正プログラム。
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部に、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行させる、コイル材矯正プログラム。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、コイル材を無駄にすることなく高品位な矯正を行うことができ、品質の高い加工製品を得ることができる。
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1について図面を参照しつつ説明する。
<プレスシステムS>
図1は、実施形態1に係るプレスシステムSの全体構成図である。図1には搬送方向及び上流、下流、上下方向も示す。このプレスシステムSでは、アンコイラ10、フィーダ20、プレス装置(加工装置)30をコイル材12が供給される方向(搬送方向)に沿って上流側から下流側に向けて順に配置されている。また、アンコイラ10とプレス装置30との間にレベラ(コイル材矯正装置)40も配置されている。本実施形態1では、レベラ40はアンコイラ10とフィーダ20との間に配置されている。ここで、「間」とは、コイル材12の搬送方向に沿って一方を上流側、他方を下流側とする「間」を意味する。
以下、本発明の実施形態1について図面を参照しつつ説明する。
<プレスシステムS>
図1は、実施形態1に係るプレスシステムSの全体構成図である。図1には搬送方向及び上流、下流、上下方向も示す。このプレスシステムSでは、アンコイラ10、フィーダ20、プレス装置(加工装置)30をコイル材12が供給される方向(搬送方向)に沿って上流側から下流側に向けて順に配置されている。また、アンコイラ10とプレス装置30との間にレベラ(コイル材矯正装置)40も配置されている。本実施形態1では、レベラ40はアンコイラ10とフィーダ20との間に配置されている。ここで、「間」とは、コイル材12の搬送方向に沿って一方を上流側、他方を下流側とする「間」を意味する。
アンコイラ10、レベラ40及びフィーダ20は、プレス装置30の加工動作に連動して動作する。なお、プレスシステムSにおいて、レベラ40がフィーダ20の機能を有していれば、フィーダ20が別途配置されなくてもよい。また、レベラ40の搬送方向上流側又は下流側にコイル材12の撓み(ループ)を制御するループテーブルが配置されていてもよいが、ここではループテーブルについての図示及び説明を省略する。
<アンコイラ10>
コイル材12を保持する保持装置であるアンコイラ10は、マンドレル11、制御部13、駆動部14を有している。マンドレル11には、プレス装置30の加工対象であるコイル材12が保持されている。コイル材12は長尺の加工材料であってコイル状に巻回されたものであり、その内径部分がマンドレル11によって保持される。制御部13は、プレス装置30による加工動作と連動するように駆動部14によってマンドレル11を回転させ、コイル材12を巻きほぐしてその供給を行う。
コイル材12を保持する保持装置であるアンコイラ10は、マンドレル11、制御部13、駆動部14を有している。マンドレル11には、プレス装置30の加工対象であるコイル材12が保持されている。コイル材12は長尺の加工材料であってコイル状に巻回されたものであり、その内径部分がマンドレル11によって保持される。制御部13は、プレス装置30による加工動作と連動するように駆動部14によってマンドレル11を回転させ、コイル材12を巻きほぐしてその供給を行う。
<フィーダ20>
フィーダ20は、アンコイラ10に保持されたコイル材12をプレス装置30に向けて搬送する搬送装置である。フィーダ20は、下フィードローラ21、上フィードローラ22、モータ23、制御部26を有している。
フィーダ20は、アンコイラ10に保持されたコイル材12をプレス装置30に向けて搬送する搬送装置である。フィーダ20は、下フィードローラ21、上フィードローラ22、モータ23、制御部26を有している。
下フィードローラ21は、フィーダ20の固定フレーム(不図示)に回転可能に取り付けられている。上フィードローラ22は、下フィードローラ21と共にコイル材12を挟持(ニップ)するローラであり、その挟持力(ニップ力)の調整が可能とされていて、下フィードローラ21に対して上下方向に移動可能であり、かつ回転可能に取り付けられている。
モータ23は、下フィードローラ21を回転させる。下フィードローラ21の回転はギア等(不図示)の伝達手段によって上フィードローラ22に伝達される。もっとも、上フィードローラ22は、下フィードローラ21の回転駆動によりコイル材12が搬送される搬送力が上フィードローラ22への摩擦力として伝達されることにより従動されるものであってもよい。これにより、下フィードローラ21及び上フィードローラ22は、コイル材12を所定の送り長さでプレス装置30に送り出す。ここで、送り長さとは、プレス装置30での1回の加工に必要なコイル材12の長さであり、フィーダ20がプレス装置30に搬送する1回分のコイル材12の長さである。モータ23は、例えばサーボモータであり、公知の制御方法によって制御部26により制御される。
なお、フィーダ20は、図示しない入力部、表示部や記憶部を有してもよい。入力部を有することにより、フィーダ20での搬送制御に必要な設定内容やパラメータ等を作業者が入力部から入力することができる。表示部を有することにより、上記の設定内容、パラメータや、フィーダの現在の動作状況等を表示部に表示することができる。記憶部を有することにより、上記の入力部から入力された設定内容やパラメータを記憶部に記憶したり、フィーダ20の動作制御を実行するための制御プログラムを予め記憶部に記憶したりすることができ、また、上記の設定内容、パラメータ、制御プログラムを利用するための呼出し元の記憶部として利用することができる。
<プレス装置30>
図2は、実施形態1に係るプレス装置30の概略構成を示す斜視図である。このプレス装置30は、例えば、一体型ストレートサイドフレーム型又はCフレーム型のプレス装置30である。また、プレス装置30は、例えば、複数のステージで複数の加工を行う順送プレス加工(順送加工)を行う装置である。図2には、コイル材12の搬送方向や搬送方向における上流(左)、下流(右)、上下方向、及び前後方向(正面、背面)を示している。プレス装置30は、筐体302の内外に、駆動モータ304、伝達機構306、クランク軸308、コンロッド310、スライド312、ボルスタ322を有して構成される。また、プレス装置30は、コントローラ314、記憶部315、表示部316、入力部318、を有している。更に、プレス装置30は、センサ324、ロータリーエンコーダ325、ギブ326を有している。なお、順送加工はトランスファー・スタンピングともいい、それを構成するトランスファー・プレス・ツールは、それ自体で単一のプレス・ダイ(上型と下型)にすることも、連続したステーションに配置された複数のプレス・ダイにすることもできる。
図2は、実施形態1に係るプレス装置30の概略構成を示す斜視図である。このプレス装置30は、例えば、一体型ストレートサイドフレーム型又はCフレーム型のプレス装置30である。また、プレス装置30は、例えば、複数のステージで複数の加工を行う順送プレス加工(順送加工)を行う装置である。図2には、コイル材12の搬送方向や搬送方向における上流(左)、下流(右)、上下方向、及び前後方向(正面、背面)を示している。プレス装置30は、筐体302の内外に、駆動モータ304、伝達機構306、クランク軸308、コンロッド310、スライド312、ボルスタ322を有して構成される。また、プレス装置30は、コントローラ314、記憶部315、表示部316、入力部318、を有している。更に、プレス装置30は、センサ324、ロータリーエンコーダ325、ギブ326を有している。なお、順送加工はトランスファー・スタンピングともいい、それを構成するトランスファー・プレス・ツールは、それ自体で単一のプレス・ダイ(上型と下型)にすることも、連続したステーションに配置された複数のプレス・ダイにすることもできる。
駆動モータ304は、例えばサーボ制御されるサーボモータであり、回転量及び回転方向を制御しつつ伝達機構306、クランク軸308、コンロッド310を介して後述する金型303を上下移動させるものである。伝達機構306は、例えばギアやベルト等の伝達部材を有して構成され、駆動モータ304のモータ軸の回転をクランク軸308へと伝達するものである。駆動モータ304への制御信号はコントローラ314から送られるようになっている。
クランク軸308及びコンロッド310は、伝達機構306により伝達されたモータ軸の回転移動を往復移動(本実施形態1では、上下移動。)に変換するためのものである。モータ軸の回転によりクランク軸308が回転し、クランク軸308に一端近傍が連結されたコンロッド310にその回転が伝達されてコンロッド310が上下移動(昇降移動)するようになっている。
また、クランク軸308には、クランク軸308の回転に連動して、オン信号又はオフ信号を出力するロータリーカムスイッチ(不図示)が設けられている。ロータリーカムスイッチは、例えばクランク軸308の回転が所定の角度となったとき、言い換えれば加工動作中の所定のタイミングとなったときに、オン信号又はオフ信号を出力する。ロータリーカムスイッチがオン信号(又はオフ信号)を出力するタイミングを、以下、出力タイミングという。コントローラ314は、ロータリーカムスイッチから出力される信号に基づいて、アンコイラ10及びフィーダ20と連動し、加工動作を行っている。
コンロッド310の他端近傍にはスライド312が連結されている。コンロッド310の上下移動に伴いスライド312がギブ326に沿って上下移動するようになっている。プレス装置30においては、スライド312と対向するようにボルスタ322が配置されている。スライド312のボルスタ322と対向する側の面(本実施形態1では下面。)に金型303の一部としての上型303aが装着される。ボルスタ322のスライド312と対向する側の面(本実施形態1では上面。)に金型303の一部として、上型303aと対になる下型303bが装着される。
上型303aと下型303bとの間に加工の対象物としてのコイル材12を配置し、上型303aと下型303bとで押圧することにより、プレス装置30によるコイル材12に対するプレス加工が行われる。コイル材12は、例えば図3中左(上流)側から右(下流)側に搬送され、以降、コイル材12の搬送方向を左右方向ともいう。複数工程を有するプレス加工(例えば順送式の加工)においては、コイル材12の搬送方向における上流から序盤の加工が行われ、コイル材12の搬送方向における下流で終盤の加工が行われる。
詳しくは、コントローラ314により制御されて駆動モータ304が回転する。駆動モータ304の回転が伝達機構306、クランク軸308を介してコンロッド310へと伝達され、スライド312が上下移動する。スライド312の下方移動によって上型303aと下型303bとが押圧され、コイル材12のプレス加工が行われる。すなわち、プレス装置30において、駆動モータ304、伝達機構306、クランク軸308、コンロッド310、スライド312がプレス部を構成する。伝達機構306には、クランク軸308の回転数を検知するための回転数検知手段であるロータリーエンコーダ325が設けられている。コントローラ314は、ロータリーエンコーダ325によりクランク軸の回転数を検知することで、スライド312の位置を検知することが可能である。
加工の際の荷重を検知する荷重検知手段であるセンサ324は、プレス装置30がコイル材12にプレス加工を行う際に、コンロッド310に働く荷重を検知するためのセンサで、例えばロードセルである。センサ324は、例えば、筐体302に設置された歪ゲージであってもよい。センサ324は、コンロッド310のいずれかの位置(例えば、中央近傍位置)に設置されていてもよい。更に、センサ324は複数設置されていてもよく、例えば筐体302の左右の歪をそれぞれ検知し、検知した結果を加算してトータルの荷重としてもよい。なお、図2において、表示部316が配置されている側がプレス装置30の前側である。
コントローラ314は、記憶部315に記憶されている各種プログラムに従ってプレス装置30を制御する。表示部316は、プレス装置30の状態を示すデータを表示する。入力部318は、プレス装置30を操作するために必要なデータを入力するために用いられる。コントローラ314は、アンコイラ10、レベラ40、フィーダ20、プレス装置30が連動して加工を行うように制御している(図4参照)。順送加工を行うプレス装置30では、コントローラ314は、1つの加工ステージでの加工が終了すると、フィーダ20によりコイル材12を次の加工ステージに所定の送り速度で所定の送り長さだけ搬送するように制御する。
<レベラ40>
図3は、実施形態1に係るレベラ40の概略構成図である。図3では、レベラ40を正面、すなわちコイル材12の搬送方向における上流側を左側に、下流側を右側に矢視している。レベラ40は、アンコイラ10とプレス装置30との間に配置されて使用される。レベラ40は、アンコイラ10から供給されたコイル材12の巻き癖を矯正するための装置である。レベラ40は、一対の入口ローラ41、一対の出口ローラ42、本体部40a、ベース部40bを有して大略構成される。本体部40aは、一対の搬送ローラ43、複数の矯正ローラ44、搬送モータ45、移動機構48、制御部46を有している。出口ローラ42の下流側には、センサ47が配置されている。
図3は、実施形態1に係るレベラ40の概略構成図である。図3では、レベラ40を正面、すなわちコイル材12の搬送方向における上流側を左側に、下流側を右側に矢視している。レベラ40は、アンコイラ10とプレス装置30との間に配置されて使用される。レベラ40は、アンコイラ10から供給されたコイル材12の巻き癖を矯正するための装置である。レベラ40は、一対の入口ローラ41、一対の出口ローラ42、本体部40a、ベース部40bを有して大略構成される。本体部40aは、一対の搬送ローラ43、複数の矯正ローラ44、搬送モータ45、移動機構48、制御部46を有している。出口ローラ42の下流側には、センサ47が配置されている。
なお、本実施形態1では、レベラ40が、コイル材12の搬送方向に沿って上流側から一対のローラである入口ローラ41、本体部40a、一対のローラである出口ローラ42、2個のセンサ47(47a、47b)が配置され、本体部40aが床面に載置されたベース部40bによって保持されている。本体部40a内部には、一対の搬送ローラ43、複数の矯正ローラ44、搬送モータ45、制御部46が配置されている。
しかしながら、レベラ40の構成はこれに限定されず、種々のバリエーションが構成可能である。例えば、入口ローラ41は配置されなくてもよく、出口ローラ42は下側のものだけでもよい。センサ47は、1個でも3個以上でもよく、コイル材12の反り状況を判断できる程度にコイル材12の高さ位置を検出できればよい。もちろんセンサ個数が多ければより高精度にコイル材12の反り状況を判断することができる可能性がある。
矯正ローラ44の個数にも制限はなく、上側のローラの個数が下側のローラの個数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、矯正ローラ44のうち最も下流側に配置されたローラが上側のローラであるか下側のローラであるかも設計の事情に合わせて変更可能な事項である。
入口ローラ41は、供給されたコイル材12をレベラ40において最初にその上側と下側とで挟持する一対のローラであり、搬送ローラ43より上流側(すなわち、本体部40aより上流側。)に配置される。入口ローラ41は、上下方向から所定の挟持力(ニップ力)でコイル材12を挟持し、コイル材12が搬送されるのに伴って回転する。入口ローラ41は、駆動源により駆動されるローラでなくコイル材12の搬送に伴って連れ回りする従動ローラである。なお、コイル材12の材料に合わせて所定の挟持力(ニップ力)を発揮するように、入口ローラ41のうちの下側ローラに対する上側ローラの高さ位置を調整した上で、上側ローラの高さ位置をボルト等の固定部材により固定するものであってもよい。
なお、上記構成例では、入口ローラ41は上側からコイル材12を挟持する上側入口ローラと下側からコイル材12を挟持する下側入口ローラとで構成されるが、上側入口ローラが配置されず、下側入口ローラがコイル材12を下側で支持する構成であってもよい。また、レベラ40に入口ローラ41が配置されなくてもよい。
出口ローラ42は、搬送ローラ43及び後述する矯正ローラ44より下流側(すなわち、本体部40aより下流側。)に配置された一対のローラである。出口ローラ42も入口ローラ41と同様に、上下方向から所定の挟持力(ニップ力)でコイル材12をその上側と下側とで挟持し、コイル材12が搬送されるのに伴って回転する。出口ローラ42は、駆動源により駆動されるローラでなくコイル材12の搬送に伴って連れ回りする従動ローラである。なお、入口ローラ41の場合と同様に、コイル材12の材料に合わせて所定の挟持力(ニップ力)を発揮するように、出口ローラ42のうちの下側ローラに対する上側ローラの高さ位置を調整した上で、上側ローラの高さ位置をボルト等の固定部材により固定するものであってもよい。
なお、上記構成例では、出口ローラ42は上側からコイル材12を挟持する上側出口ローラ42aと下側からコイル材12を挟持する下側出口ローラ42bとで構成されるが、上側出口ローラ42aが配置されず、下側出口ローラ42bがコイル材12を下側で支持する構成であってもよい。また、矯正ローラ44より下流側にコイル材12の搬送方向に沿ってローラが複数配置される場合には、複数のローラのうち最も下流側(すなわち、センサ47に最も近い側。)に配置されるものが出口ローラ42であり、コイル材12の下側に配置されるものが下側出口ローラ42bである。
ここで、コイル材12が出口ローラ42を通過する位置を位置Qと定義する。位置Qは、大略的に把握すると、出口ローラ42がコイル材12と接触する接触位置である。例えば、位置Qの搬送方向に沿った位置(図中矢印X方向位置)は、下側出口ローラ42bとコイル材12との接触位置である。位置Qの上下方向位置(図中矢印Y方向位置)は、例えば、コイル材12の厚さ方向での中央位置に設定することも、下側出口ローラ42bとコイル材12との接触位置(すなわち、コイル材12の下側面12b内)に設定することも可能である。
本実施形態1では、センサ47がコイル材12を上方から矢視する位置に設定されることから、演算の簡便のために、位置Qの上下方向位置をコイル材12の上側面12t内に設定する。すなわち、出口ローラ42において上側出口ローラ42aが配置される場合には、位置Qは、上側出口ローラ42aとコイル材12との接触位置となる。また、出口ローラ42において上側出口ローラ42aが配置されず下側出口ローラ42bのみが配置される場合には、位置Qは下側出口ローラ42bとコイル材12との接触位置と対向するコイル材12の上側面12tの位置となる。
搬送ローラ43は、アンコイラ10から供給されたコイル材12をその上側と下側から挟持(ニップ)して搬送方向に搬送する一対のローラである。搬送ローラ43は、その一方が搬送モータ45に接続されており、搬送モータ45によって回転駆動され、その周面に当接するコイル材12を搬送方向に沿ってプレス装置30へ向けて搬送する機能を有する。搬送ローラ43の他方は、駆動側の動力がギア等の伝達手段により伝達されて搬送ローラに対して所定の挟持力(ニップ力)でコイル材12を挟持する。もっとも、搬送ローラ43の他方は、コイル材の搬送と共に連れ回りをするように配置された従動ローラであってもよい。従動側の搬送ローラ43による駆動側の搬送ローラ43に対する挟持力(ニップ力)は、例えば、コイル材12の厚さや材質が変更になっても滑ることなく適正に搬送することができるよう、調整可能とされていてもよい。
搬送モータ45による搬送ローラ43の駆動は、制御部46により制御される。制御部46は、図4に示すように、コントローラ314と接続されている。コントローラ314からの制御信号に基づき、アンコイラ10によるコイル材12の供給、レベラ40によるコイル材12の搬送、フィーダ20によるコイル材12の搬送、プレス装置30によるコイル材12への加工が、相互に連携して協調できるようになっている。
矯正ローラ44は、搬送ローラ43と共に本体部40a内に配置されている。矯正ローラ44は、搬送ローラ43の搬送方向における下流側に配置されている。矯正ローラ44は、コイル材12をその上側と下型から互い違いに協働して押圧することによりコイル材12の巻き癖を矯正する複数のローラである。矯正ローラ44のうち、コイル材12の上側に配置されるものが上側矯正ローラ44aであり、コイル材12の下側に配置されるものが下側矯正ローラ44bである。
本実施形態1では、図3に示すように、4個の上側矯正ローラ44aと3個の下側矯正ローラ44bとが配置されている。上側矯正ローラ44a及び下側矯正ローラ44bの各々の個数に特に制限はなく、上側矯正ローラ44aが下側矯正ローラ44bより多い個数であっても、下側矯正ローラ44bが上側矯正ローラ44aより多い個数であってもよい。また、最も下流側に位置する矯正ローラ44が上側矯正ローラ44aであっても下側矯正ローラ44bであってもよい。
上側矯正ローラ44aと下側矯正ローラ44bとは互い違い、すなわち入れ子状に配置されている。上側矯正ローラ44aの最下面がコイル材12の上側面12tを下方に超えており、下側矯正ローラ44bの最上面がコイル材12の下側面12bを上方に超えていることにより、これらの矯正ローラ44はコイル材12に対して適切な応力を加えることができる。その応力がコイル材12に塑性変形を促すことにより、矯正ローラ44を通過後のコイル材12は巻き癖が除去されるようになっている。
なお、上側矯正ローラ44aと下側矯正ローラ44bとの相対位置は移動機構48の機能に基づき調整可能とされている。移動機構48は、上側矯正ローラ44aと下側矯正ローラ44bとの相対位置を調整又は変化させるため、上側矯正ローラ44aを下側矯正ローラ44bに対して上下方向(矢印Y方向)に移動可能とされている。
より具体的には、移動機構48はモータ又はソレノイド等と伝達機構等を有して上側矯正ローラ44aと連結され、制御部46と接続されており、制御部46からの制御信号に基づき上側矯正ローラ44aを上下移動可能である。ここで、例えば、移動機構48は、搬送方向における上流側と下流側とでその高さ位置が異なるように上側矯正ローラ44aを傾斜可能であってもよい。このように構成することで、矯正ローラ44でコイル材12に加える応力を上流側と下流側とで変化させることができる。また、矯正ローラ44でコイル材12に加える応力が上流側と下流側とでアンバランスな場合にそれを均質化するように調整することもできる。なお、本実施形態1では、一連の上側矯正ローラ44aが搬送方向に沿ってプレート48aで連結されており、上流に近い側の上側矯正ローラ44aと下流に近い側の上側矯正ローラ44aとが各々独立に上下移動することが可能とされ、傾斜を実現している。
センサ47は、下側出口ローラ42bの搬送方向での下流側に配置されてコイル材12の高さ位置を検出するものである。本実施形態1では、センサ47は、搬送方向に沿って2個配置されている。搬送方向における上流側のセンサ47を上流側センサ又はAセンサ47a、下流側のセンサ47を下流側センサ又はBセンサ47bとする。センサ47としては、例えばレーザ等の光学的手法を用いた既知の測距センサを適用可能である。
本実施形態1では、Aセンサ47a、Bセンサ47bが共にコイル材12の上方に配置されており、コイル材12の上側面12tの高さ位置を検出するようになっている。この場合、コイル材12が出口ローラを通過する位置Qはコイル材12の上側面12tの面内に設定されることが好ましい。仮に、Aセンサ47a、Bセンサ47bが共にコイル材12の下方に配置されており、コイル材12の下側面12bの高さ位置を検出するようになっている場合は、コイル材12が出口ローラを通過する位置Qはコイル材12の下側面12bの面内に設定されることが好ましい。
Aセンサ47a、Bセンサ47bは、その検出方向を略真下(図3中矢印Y方向に沿った下方)に向けている。そして、位置Qの高さ位置を基準としてコイル材12の上側面12tの高さ位置を、それぞれのセンサ47a、47bが検出できるようになっている。例えば、Aセンサ47aによる高さ位置もBセンサ47bによる高さ位置も位置Qの高さ位置と同じである場合、コイル材12には反りや湾曲がなく平面であると判断することができる。なお、本実施形態1では、センサ47により検出された上側面12tの高さ位置を「コイル材12の高さ位置」と表現する。
<制御部46>
図4は、このプレスシステムSにおける各装置の相互接続の様子を示すブロック図である。図4に示すように、アンコイラ10、レベラ40、フィーダ20、プレス装置30は、相互に接続されている。各々の制御部13、46、26は、コントローラ314と接続され、コントローラ314からの指示に基づき、各装置10、40、20、30が協調的に制御されるようになっている。
図4は、このプレスシステムSにおける各装置の相互接続の様子を示すブロック図である。図4に示すように、アンコイラ10、レベラ40、フィーダ20、プレス装置30は、相互に接続されている。各々の制御部13、46、26は、コントローラ314と接続され、コントローラ314からの指示に基づき、各装置10、40、20、30が協調的に制御されるようになっている。
レベラ40の制御部46は、搬送モータ45及び移動機構48と接続されている。制御部46は、コンピュータとして機能し、搬送モータ45による搬送ローラ43の正逆搬送や移動機構48による上側矯正ローラ44aの上下移動を制御する。制御部46は、内部に演算処理装置46aを有しており、必要に応じて記憶部46bを有してもよい。なお、本願では、演算処理装置46aをCPU(Central Processing Unit)46aといい、記憶部46bをメモリ46bということとする。
制御部46のメモリ46b内には、矯正プログラム(コイル材矯正プログラム)Pが格納されている。メモリ46b内には、初期値データベースD1や補正値データベースD2も格納されている。矯正プログラムPの機能や各データベースD1、D2の詳細については後述する。
搬送モータ45や移動機構48の制御は、矯正プログラムPの機能に基づき制御部46が単独で行ってもよいし、コントローラ314からの制御信号に基づき行われてもよい。もちろん、矯正プログラムPや矯正データベースD1が記憶部315内に格納されていてもよい。矯正プログラムPや矯正データベースD1がどの記憶部に格納されているかは設計的事項であり、また、矯正プログラムPの機能に基づき第1判断ステップや第2判断ステップを実行するCPUがどの制御部に属しているかも設計的事項である。
<矯正プログラムP>
続いて、矯正プログラムPの機能に基づき実行されるコイル材矯正方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。矯正プログラムPは、後述するように、制御部46の主要部としてのCPU46aに第1判断ステップと第2判断ステップとを実行させる。なお、矯正プログラムPによる動作対象はCPU46aであるが、以降においては、動作対象を制御部46として表現する。
続いて、矯正プログラムPの機能に基づき実行されるコイル材矯正方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。矯正プログラムPは、後述するように、制御部46の主要部としてのCPU46aに第1判断ステップと第2判断ステップとを実行させる。なお、矯正プログラムPによる動作対象はCPU46aであるが、以降においては、動作対象を制御部46として表現する。
矯正プログラムPの実行前にアンコイラ10から供給されたコイル材12が入口ローラ41を通過し、搬送ローラ43に挟持された状態となっている。なお、ここでは、図1及び図3における上流側から下流側に向けての搬送を正方向の搬送といい、その逆(下流側から上流側に向けての搬送)を逆方向の搬送ということとする。また、搬送方向によらず、図中左側を上流側、右側を下流側ということとする。
矯正プログラムPを実行すると、まず、メモリ46bから初期値データベースD1が読み込まれる(S.1)。図6は、初期値データベースD1のデータ構造図である。初期値データベースD1には、矯正ローラ44の初期設定値がコイル材12の板厚ごとに相互に関連付けられている。矯正ローラ44の初期設定値は、下側矯正ローラ44bに対する上側矯正ローラ44aの相対位置を指標する値である。例えば、下側矯正ローラ44bの最上面と上側矯正ローラ44aの最下面との上下方向(矢印Y方向)における距離を示し、下側矯正ローラ44bの最上面よりも上側矯正ローラ44aの最下面が上方に位置する場合にプラス(+)の値としている。
図6の初期値データベースD1は、コイル材12の材料の降伏点応力が245N/mm2である場合のデータベースであり、また、下側矯正ローラ44bに対する上側矯正ローラ44aの初期設定値が入口側(すなわち上流側)と出口側(すなわち下流側)とで各々別々に設定されている。降伏点応力の異なるコイル材12の材料ごとに、各々異なる初期値データベースがメモリ46b内に格納され、使用するコイル材12に応じて適切な初期値データベースが使用されてもよい。また、入口側と出口側とで各々別々の初期値が設定されていない初期値データベースを適用することもできる。
この初期値データベースD1を用いた矯正ローラ44の初期設定により、コイル材12の材料や厚さに応じた巻き癖の矯正を行うことができる。しかしながら、コイル材12の材料特性や厚さの僅かなバラツキ、プレス加工時の温度や湿度等の周囲環境等により、必ずしも初期設定だけでは充分な品質の矯正が行えない場合がある。そのため、本実施形態1では、以下のプロセスにより、より高品位な巻き癖の除去(矯正)を行う。
読み込まれた初期値データベースD1に基づいて、移動機構48によって上側矯正ローラ44aが移動する(S.2)。それにより、下側矯正ローラ44bと上側矯正ローラ44aとの相対位置が初期値に設定される。続いて、Aセンサ47a及びBセンサ47bがオンとなる(S.3)。センサ47による検出が準備完了となる。
矯正プログラムPの機能に基づき、制御部46が搬送モータ45を駆動し、コイル材12を正方向に第1長さ分だけ搬送する(S.4)。第1長さは、例えば50mmや100mmであってもよく、特に限定されないが、コイル材12の先端が少なくともセンサ47のうち最下流に配置されたもの(本実施形態1では、Bセンサ47b。)に検出可能となる分の搬送長さである。
第1長さの正方向の搬送により、コイル材12は、初期値に設定された矯正ローラ44を通過して巻き癖が矯正され、出口ローラ42へと至る(S.5)。そして、コイル材12の先端がAセンサ47aにより検出され(S.6)、更にBセンサ47bにより検出される(S.7)。第1長さの搬送が完了したら、制御部46は搬送モータ45を停止する(S.8)。
制御部46は、センサ47による検出結果に基づきコイル材12の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する(第1判断ステップ)(S.9)。図7は、補正値データベースD2のデータ構造図である。補正値データベースD2には、コイル材12の反り状況の許容範囲と許容範囲ごとの補正値uとが相互に関連付けられている。補正値uは、移動機構48による上側矯正ローラ44aの移動量である。補正値uに基づき制御部46が移動機構48を駆動することにより、下側矯正ローラ44bに対する上側矯正ローラ44aの相対位置が調整可能となる。
コイル材12の反り状況の許容範囲は、Aセンサ47aの検出値ta及びBセンサ47bの検出値tbに対応している。各センサ47a、47bの検出値ta、tbは、位置Qの高さ位置を基準(=高さ0mm)としている。各センサ47a、47bで検出されたコイル材の高さ位置の検出値ta、tbが位置Qよりも上方である場合の値をプラス(+)としている。
図7の補正値データベースD2において、例えば、Aセンサ47aの検出値taの許容範囲とBセンサ47bの検出値tbの許容範囲とはAND条件である。すなわち、検出値taが0mm~+2mm以内であり、かつ検出値tbも0mm~+2mm以内である場合は、補正値uは0mmである。検出値taが+4mm以内であり、かつ検出値tbも+4mm以内である場合、補正値uは-0.1mmであり、検出値taが+6mm以内であり、かつ検出値tbも+6mm以内である場合、補正値uは-0.2mmである。
検出値taが0mm~-2mm以内であり、かつ検出値tbも0mm~-2mm以内である場合は、補正値uは0mmである。検出値taが-4mm以内であり、かつ検出値tbも-4mm以内である場合、補正値uは+0.1mmであり、検出値taが-6mm以内であり、かつ検出値tbも-6mm以内である場合、補正値uは+0.2mmである。
このような補正値データベースD2を用いることにより、コイル材12の反り状況、すなわち反りの方向と反りの程度に応じて、適切な補正値uを設定することができる。つまり、補正値uが0mmの場合にはコイル材12の反り状況が許容範囲内であると判断することができ、反り状況に応じて矯正ローラ44の相対位置の調整量を変化させることができる。なお、図7に示す補正値データベースD1は一例であって、これに限られない。例えば許容範囲としてBセンサ47bの検出値tbの値を用いずにAセンサ47aの検出値taの値のみを用いてもよい。また、コイル材12の反り状況として反りの有無及び反り方向のみに基づいて矯正ローラ44の相対位置の調整を行う場合は、図7のように、センサ47の検出値ta、tbの数値範囲ごとに異なる補正値uを対応付ける必要はない。例えばAセンサ47aの検出値taが-2mm≦ta≦+2mmの範囲において補正値uを0mmとし、ta<-2mmの場合は、一定の補正値u(例えば、+0.2mm。)、+2mm<taの場合は、一定の補正値u(例えば、-0.2mm)とすることもできる。
第1判断ステップにおいて、コイル材12の反り状況が予め定めた許容範囲内であると判断した場合(S.9)、制御部46は、矯正ローラ44の相対位置の調整は不要と判断し、コイル材12の逆方向の搬送を実行しない(第2判断ステップ)(S.10)。一方、コイル材12の反り状況が予め定めた許容範囲内でないと判断した場合(S.9)、制御部46は、反り状況に応じた補正値uの値を補正値データベースD2から取得し、搬送モータ45を駆動してコイル材12を第2長さ分だけ逆方向に搬送する(第2判断ステップ)(S.11)。
第2長さは、例えば50mmや100mmであってもよく、特に限定されないが、センサ47のうち最下流に配置されたもの(本実施形態1では、Bセンサ47b。)で検出されたコイル材12の検出部位が、少なくとも矯正ローラ44より上流側の位置となる分の搬送長さである。
制御部46は、移動機構48を駆動し、補正値uに応じて上側矯正ローラ44aを移動させる(S.12)。このとき、コイル材12の反り方向に応じて、上側矯正ローラ44aの移動方向は異なり、コイル材12の反りの程度(反り量)に応じて、上側矯正ローラ44aの移動量が異なる。
そして、制御部46は、搬送モータ45を駆動し、再びコイル材12を第1長さ分だけ正方向に搬送する(S.4)。再び、制御部46が第1判断ステップ(S.9)及び第2判断ステップ(S.10)を実行し、コイル材12の反り状況が予め定めた許容範囲内(-2mm~+2mm)でなければ、再びコイル材12を第2長さ分だけ逆方向に搬送する(S.11)。この工程を繰返し、コイル材12の反り状況が予め定めた許容範囲内(-2mm~+2mm)となると、矯正プログラムPはコイル材矯正方法の実行を終了する。
このコイル材矯正方法を実行することで、コイル材12の反り方向に応じて、上側矯正ローラ44aの移動方向が判断することができる。また、コイル材12の反りの程度(反り量)に応じて、上側矯正ローラ44aの移動量を変化させて調整することができる。したがって、このコイル材矯正方法により、高品位なコイル材12の矯正を行うことができる。
しかも、このコイル材矯正方法を実行することで、コイル材12の反り状況に応じて、コイル材12を逆方向に搬送するか否かが判断され、更なる矯正が必要な場合に繰返しコイル材12を逆方向に搬送することができる。コイル材12の矯正を繰り返すごとにコイル材12を次々と正方向に搬送することなく、同一箇所での繰返しの矯正を実行することができる。したがって、コイル材12を無駄にすることなく、高品質な加工製品を得ることができる。
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係る補正値データベースD3のデータ構造図である。実施形態2において以下に説明する構成以外は実施形態1と同様である。したがって、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を省略する。なお、補正値データベースD3では、曲率半径Rの許容範囲と許容範囲ごとの補正値uとが相互に関連付けられている。
図8は、実施形態2に係る補正値データベースD3のデータ構造図である。実施形態2において以下に説明する構成以外は実施形態1と同様である。したがって、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を省略する。なお、補正値データベースD3では、曲率半径Rの許容範囲と許容範囲ごとの補正値uとが相互に関連付けられている。
この実施形態2では、実施形態1と同様にAセンサ47aとBセンサ47bとが、出口ローラ42よりも下流側に搬送方向に沿って配置されている。Bセンサ47bの方がAセンサ47aよりも更に下流側である。
この実施形態2では、第1判断ステップにおいて、位置Q、Aセンサ47aによる検出値ta、Bセンサ47bによる検出値tbに基づいて、コイル材12の反り状況を示す曲率半径を演算する。ここで、図3中の矢印X方向における位置をX座標、矢印Y方向における位置をY座標とする。より具体的には、制御部46が、位置QのXY座標(Qx,Qy)と、Aセンサ47aが検出したコイル材12の上側面12tのXY座標(Ax,Ay)と、Bセンサ47bが検出したコイル材12の上側面12tのXY座標(Bx,By)とに基づき、コイル材12の曲率半径Rを演算する。
位置QのXY座標(Qx,Qy)は、上側出口ローラ42aがコイル材12の上側面12tと接触する位置であるので、予め定められた値である。Aセンサ47aによるX座標AxとBセンサ47bによるX座標もレベラ40に配置されたA、Bセンサ47a、47bの配置により定まる。したがって、実際には、Aセンサ47aによる検出値taがY座標Ayであり、Bセンサ47bによる検出値tbがY座標Byである。
これら3点のXY座標が定まると、3点を通る円の中心とその半径は既知の方程式により定まる。この演算は既知であるため詳しくは説明しないが、例えば、3点を通る円の中心OのXY座標を(Ox,Oy)とし、その半径をrとしたときに、以下の連立方程式が成立する。
・(Qx-Ox)2+(Qy-Oy)2=r2 - 数式(1)
・(Ax-Ox)2+(Ay-Oy)2=r2 - 数式(2)
・(Bx-Ox)2+(By-Oy)2=r2 - 数式(3)
これにより求めた半径rをコイル材12の曲率半径Rとみなすことができる。補正値データベースD3に基づき、この曲率半径Rの値に応じてコイル材12の反り状況が許容範囲か否かの判断(第1判断ステップ)が行われる。例えば、曲率半径Rの絶対値が5000mm以上である場合にコイル材12の反り状況が許容範囲内であると判断することができる。そして、曲率半径Rの絶対値が5000mm未満である場合にコイル材12の反り状況が許容範囲外であると判断することができる。
・(Ax-Ox)2+(Ay-Oy)2=r2 - 数式(2)
・(Bx-Ox)2+(By-Oy)2=r2 - 数式(3)
これにより求めた半径rをコイル材12の曲率半径Rとみなすことができる。補正値データベースD3に基づき、この曲率半径Rの値に応じてコイル材12の反り状況が許容範囲か否かの判断(第1判断ステップ)が行われる。例えば、曲率半径Rの絶対値が5000mm以上である場合にコイル材12の反り状況が許容範囲内であると判断することができる。そして、曲率半径Rの絶対値が5000mm未満である場合にコイル材12の反り状況が許容範囲外であると判断することができる。
より具体的には、曲率半径Rが+2500mm≦R<+5000mmの場合の補正値uを-0.1mm、曲率半径Rが+1500mm≦R<+2500mmの場合の補正値uを-0.2mm、曲率半径RがR<+1500mmの場合の補正値uを-0.3mmとすることができる。曲率半径Rが-2500mm≧R>-5000mmの場合の補正値uを+0.1mm、曲率半径Rが-1500mm≧R>-2500mmの場合の補正値uを+0.2mm、曲率半径RがR>-1500mmの場合の補正値uを+0.3mmとすることができる。
ここで、曲率半径Rの値が正の場合は、円の中心がコイル材12より上方にある場合を意味し、負の場合は、円の中心がコイル材12より下方にある場合を意味する。ただし、これら曲率半径Rの符号と補正値uの符号の設定は、いずれの方向を正とするか負とするかで異なる設定事項である。この点は、実施形態1における検出値ta、tbの符号と補正値uの符号との関係においても同様である。
制御部46が、コイル材12の反り状況が許容範囲外であると判断した場合は、第2判断ステップにおいて、コイル材12の逆方向の搬送が実行される。そして、曲率半径Rの値に応じて、補正値データベースD3に基づき、制御部46が移動機構48を駆動して上側矯正ローラ44aが移動し、再び正方向の搬送が行われることとなる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
なお、本発明は、以下の趣旨を含む。
[趣旨1]
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置であって、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正装置。
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置であって、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正装置。
[趣旨2]
前記センサが前記搬送方向に沿って複数配置され、
前記第1判断ステップにおいて、前記制御部が、前記コイル材が前記下側出口ローラを通過する位置、及び前記複数のセンサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り方向を判別することにより、前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断してもよい。
前記センサが前記搬送方向に沿って複数配置され、
前記第1判断ステップにおいて、前記制御部が、前記コイル材が前記下側出口ローラを通過する位置、及び前記複数のセンサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り方向を判別することにより、前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断してもよい。
[趣旨3]
前記センサが前記搬送方向に沿って複数配置され、
前記第1判断ステップにおいて、前記制御部が、前記コイル材が前記下側出口ローラを通過する位置、及び前記複数のセンサによる検出結果に基づき前記コイル材の曲率半径を演算することにより、前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断してもよい。
前記センサが前記搬送方向に沿って複数配置され、
前記第1判断ステップにおいて、前記制御部が、前記コイル材が前記下側出口ローラを通過する位置、及び前記複数のセンサによる検出結果に基づき前記コイル材の曲率半径を演算することにより、前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断してもよい。
[趣旨4]
前記第1判断ステップにおいて演算された前記曲率半径に基づいて、前記第2判断ステップにおいて前記相対位置の調整量を変化させてもよい。
前記第1判断ステップにおいて演算された前記曲率半径に基づいて、前記第2判断ステップにおいて前記相対位置の調整量を変化させてもよい。
[趣旨5]
前記複数の上側矯正ローラが、前記搬送方向における上流側と下流側とでその高さ位置が異なるように傾斜可能であってもよい。
前記複数の上側矯正ローラが、前記搬送方向における上流側と下流側とでその高さ位置が異なるように傾斜可能であってもよい。
[趣旨6]
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法であって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部により、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正方法。
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法であって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部により、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正方法。
[趣旨7]
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法を実行するためのコイル材矯正プログラムであって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部に、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行させる、コイル材矯正プログラム。
長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法を実行するためのコイル材矯正プログラムであって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部に、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行させる、コイル材矯正プログラム。
D1:初期値データベース
D2:補正値データベース
X、Y:矢印
P:矯正プログラム(コイル材矯正プログラム)
Q:位置
r:半径
R:曲率半径
S:プレスシステム
ta、tb:検出値
u:補正値
10:アンコイラ
11:マンドレル
12:コイル材
12t:上側面
12b:下側面
13:制御部
14:駆動部
20:フィーダ
21:下フィードローラ
22:上フィードローラ
23:モータ
26:制御部
30:プレス装置(加工装置)
40:レベラ(コイル材矯正装置)
40a:本体部
40b:ベース部
41:入口ローラ
42:出口ローラ
42a:上側出口ローラ
42b:下側出口ローラ
43:搬送ローラ
44:矯正ローラ
44a:上側矯正ローラ
44b:下側矯正ローラ
45:搬送モータ
46:制御部
46a:CPU(演算処理装置)
46b:メモリ(記憶部)
47:センサ
47a:Aセンサ(上流側センサ)
47b:Bセンサ(下流側センサ)
48:移動機構
48a:プレート
302:筐体
303:金型
303a:上型
303b:下型
304:駆動モータ
306:伝達機構
308:クランク軸
310:コンロッド
312:スライド
314:コントローラ
315:記憶部
316:表示部
318:入力部
322:ボルスタ
324:センサ
325:ロータリーエンコーダ
326:ギブ
D2:補正値データベース
X、Y:矢印
P:矯正プログラム(コイル材矯正プログラム)
Q:位置
r:半径
R:曲率半径
S:プレスシステム
ta、tb:検出値
u:補正値
10:アンコイラ
11:マンドレル
12:コイル材
12t:上側面
12b:下側面
13:制御部
14:駆動部
20:フィーダ
21:下フィードローラ
22:上フィードローラ
23:モータ
26:制御部
30:プレス装置(加工装置)
40:レベラ(コイル材矯正装置)
40a:本体部
40b:ベース部
41:入口ローラ
42:出口ローラ
42a:上側出口ローラ
42b:下側出口ローラ
43:搬送ローラ
44:矯正ローラ
44a:上側矯正ローラ
44b:下側矯正ローラ
45:搬送モータ
46:制御部
46a:CPU(演算処理装置)
46b:メモリ(記憶部)
47:センサ
47a:Aセンサ(上流側センサ)
47b:Bセンサ(下流側センサ)
48:移動機構
48a:プレート
302:筐体
303:金型
303a:上型
303b:下型
304:駆動モータ
306:伝達機構
308:クランク軸
310:コンロッド
312:スライド
314:コントローラ
315:記憶部
316:表示部
318:入力部
322:ボルスタ
324:センサ
325:ロータリーエンコーダ
326:ギブ
Claims (7)
- 長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置であって、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有し、
前記制御部が、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正装置。 - 前記センサが前記搬送方向に沿って複数配置され、
前記第1判断ステップにおいて、前記制御部が、前記コイル材が前記下側出口ローラを通過する位置、及び前記複数のセンサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り方向を判別することにより、前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する、請求項1に記載のコイル材矯正装置。 - 前記センサが前記搬送方向に沿って複数配置され、
前記第1判断ステップにおいて、前記制御部が、前記コイル材が前記下側出口ローラを通過する位置、及び前記複数のセンサによる検出結果に基づき前記コイル材の曲率半径を演算することにより、前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する、請求項1又は請求項2に記載のコイル材矯正装置。 - 前記第1判断ステップにおいて演算された前記曲率半径に基づいて、前記第2判断ステップにおいて前記相対位置の調整量を変化させる、請求項3に記載のコイル材矯正装置。
- 前記複数の上側矯正ローラが、前記搬送方向における上流側と下流側とでその高さ位置が異なるように傾斜可能である、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の矯正装置。
- 長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法であって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部により、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行する、コイル材矯正方法。 - 長尺の加工材料がコイル状とされたコイル材を供給する供給装置と、当該供給装置から供給された前記コイル材を加工する加工装置との間に設置され、前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正装置を用いて前記コイル材の巻き癖を矯正するコイル材矯正方法を実行するためのコイル材矯正プログラムであって、
前記コイル材矯正装置は、
前記供給装置から供給されて搬送方向に沿って搬送される前記コイル材をその上側と下側から互い違いに協働して押圧することにより前記コイル材の巻き癖を矯正する複数の矯正ローラであって、そのうち前記コイル材の下側に配置される複数の下側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラのうち前記コイル材の上側に配置されて前記下側矯正ローラとの相対位置が調整可能とされた複数の上側矯正ローラと、
前記複数の矯正ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材をその下側で支持する下側出口ローラと、
前記下側出口ローラの前記搬送方向での下流側に配置されて前記コイル材の高さ位置を検出するセンサと、
制御部と、を有しており、
前記制御部に、
前記センサによる検出結果に基づき前記コイル材の反り状況が予め定めた許容範囲内であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップによる判断結果に基づき、前記相対位置の調整及び前記コイル材の前記搬送方向と逆方向の搬送を実行するか否かを判断する第2判断ステップと、
を実行させる、コイル材矯正プログラム。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP2021174780A JP2023064472A (ja) | 2021-10-26 | 2021-10-26 | コイル材矯正装置、コイル材矯正方法及びコイル材矯正プログラム |
PCT/JP2022/039446 WO2023074600A1 (ja) | 2021-10-26 | 2022-10-24 | コイル材矯正装置、コイル材矯正方法及びコイル材矯正プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021174780A JP2023064472A (ja) | 2021-10-26 | 2021-10-26 | コイル材矯正装置、コイル材矯正方法及びコイル材矯正プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023064472A true JP2023064472A (ja) | 2023-05-11 |
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Family Applications (1)
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JP2021174780A Pending JP2023064472A (ja) | 2021-10-26 | 2021-10-26 | コイル材矯正装置、コイル材矯正方法及びコイル材矯正プログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS4629553Y1 (ja) * | 1968-12-09 | 1971-10-13 | ||
JP3283757B2 (ja) * | 1996-05-20 | 2002-05-20 | 株式会社日立製作所 | 不等ピッチ式ローラレベラ |
JP3428400B2 (ja) * | 1997-10-27 | 2003-07-22 | Jfeスチール株式会社 | 熱間圧延設備及び熱間圧延方法 |
JP2004243386A (ja) * | 2003-02-14 | 2004-09-02 | Nippon Steel Corp | ローラ矯正におけるロール位置設定方法 |
JP4993997B2 (ja) * | 2006-10-30 | 2012-08-08 | アイダエンジニアリング株式会社 | レリース機構及び該レリース機構を備えた矯正処理装置 |
DE102012204074A1 (de) * | 2012-03-15 | 2013-09-19 | Sms Siemag Ag | Vorrichtung zum Richten von Metallband |
-
2021
- 2021-10-26 JP JP2021174780A patent/JP2023064472A/ja active Pending
-
2022
- 2022-10-24 WO PCT/JP2022/039446 patent/WO2023074600A1/ja unknown
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WO2023074600A1 (ja) | 2023-05-04 |
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