JP2023061979A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
Description
こうしたインクジェット方式の印刷装置では、一般に、印刷を行っていない非印刷時に印刷ヘッドを所定の待機領域(ホームポジション)に待機させ、インク吐出面をキャップで覆うなどして保護するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、この種の印刷装置には、印刷ヘッドの各種メンテナンスを行うメンテナンス領域も設けられる。
これら待機領域やメンテナンス領域は、印刷が行われる印刷領域とは別の位置に設けなければならない。
印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを収容する筐体と、を備え、
前記印刷ヘッドは、印刷対象として手又は足の指の爪に印刷を施すものであり、
前記印刷ヘッドにより印刷が施される印刷領域が、前記筐体内における前側の左右方向略中央に配置され、
非印刷時に前記印刷ヘッドが配置される待機領域及び前記印刷ヘッドのメンテナンスが行われるメンテナンス領域が、前記印刷領域よりも後側に配置され、
前記印刷領域の左右両側には、前記爪に対応する印刷指以外の非印刷指を待機させる指待機空間が設けられていることを特徴としている。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、印刷装置が手の指の爪を印刷対象としてこれに印刷するネイルプリント装置である場合を例に説明するが、本発明における印刷装置の印刷対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪を印刷対象としてもよい。また、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを印刷対象としてもよい。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、図1に示した向きをいうものとする。また、X方向、Y方向は、図1に示した方向をいうものとする。
筐体2は、前面側(ネイルプリント装置1の正面側、図1において前側)に開口部211(図2参照)を有する筐体本体21と、筐体本体21の前面側に配置され、開口部211を塞ぐ下カバー22及び上カバー23とを備えている。
すなわち、本実施形態において筐体2の前面は、筐体2の高さ方向において上下ほぼ半分に分割されており、前面下側が下カバー22、前面上側が上カバー23で構成されている。下カバー22と上カバー23とは閉状態においてほぼ面一となる。
後述するように、本実施形態では、装置内の幅方向(X方向)右側にカートリッジ7のホームポジションAr1(非印刷時の待機領域)が設けられており、このホームポジションAr1からY方向における装置前方に直進した位置がカートリッジ7を着脱する際の交換領域Ar3となっている(図4参照)。
取出し口213は、この交換領域Ar3に対応する位置に、カートリッジ7を着脱する際に引っ掛からない程度の大きさに形成されている。
図2は、筐体2から下カバー22を取り外した状態を示した斜視図である。
図2に示すように、下カバー22を取り外すことにより、筐体本体21の開口部211から後述する指固定部6及び指待機部350が露出し、印刷対象である爪(当該爪に対応する指(これを以下「印刷指」とする。)いずれも図示せず。)及び印刷指以外の指(図示せず。これを以下「非印刷指」とする。)をネイルプリント装置1内に挿入可能となる。すなわち、下カバー22は、筐体本体21への装着時に開口部211を覆うようになっている。
また、下カバー22の奥側(図1において後側)には、下カバー22を筐体本体21に装着した状態において筐体2内部(後述の載置板35よりも下側の空間)に収容される引出し部24が一体に形成されている。引出し部24は、例えばネイルプリント装置1に付属する図示しない各種部品等を収納可能な小物入れとなっていてもよい。
図2及び図3に示すように、上カバー23は、前壁部212の上端部又は筐体本体21の上面(天板)の前端部に設けられたヒンジ機構214を介して、筐体本体21に回動可能に連結されている。ヒンジ機構214は、筐体2の外観に現れないようにスライド蝶番等で構成されることが好ましい。
上カバー23は、筐体本体21の前面側を覆う閉状態から、筐体本体21の前面側が開披された(本実施形態では前壁部212が露出した)開状態まで回動可能となっている。
上記のように、下カバー22及び上カバー23が装置前方に向かって取り外し又は開くことが可能に構成されていることにより、ネイルプリント装置1が高さ方向に余裕のない場所に収納されている場合でも、当該収納場所から取り出さないまま印刷等を行うことが可能となる。
窓部231からは、装置内部、特に印刷対象である爪が配置される指固定部6(後述)を、前壁部212の取出し口213のうちの左側部分を通じて、外部から目視可能となっている。
筐体2の上面には凹部251が形成されており、取手25は凹部251内に収納可能となっている。取手25は、凹部251内に収納された収納状態(図1等に示す状態)において筐体2の上面とほぼ面一となる。これにより、筐体2の高さ分の隙間があればネイルプリント装置1を配置することができ、装置収納時の省スペース化を図ることができる。
また、取手25は、凹部251内から引き起こされた引き起こし状態においてネイルプリント装置1を持ち運ぶための持ち手となる。
なお、筐体2各部の形状や配置等は、図示例に限定されず、適宜設定可能である。例えば、筐体2の上面や側面等にネイルプリント装置1の電源をON/OFFする電源スイッチ釦や各種表示部等が設けられていてもよい。
図4に示すように、筐体2内には、各種の内部構造物が組み込まれた基台3が設けられている。
基台3の上側には、ほぼ平坦な基台上板30が配置されている。基台上板30は、指固定部6に印刷指を固定した状態における爪の表面(印刷対象面)とほぼ面一となる高さに配置されている。この基台上板30は、少なくとも指固定部6の左右両側の部分においては、配置された高さよりも上側の領域と下側の領域とに仕切っている。
指固定部6は装置前面側に開口する開口部61を有する箱状の部材であり、指固定部6内部には印刷指を固定する指固定部材62が配置されている。
指固定部材62は、印刷指を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。本実施形態では、指固定部材62は、幅方向(左右方向)のほぼ中央部が窪んだ形状となっており、印刷指を指固定部材62上に載置した際に、印刷指の腹部分を指固定部材62が受けて、左右方向に指がガタつくのを防止することができる。
本実施形態では、開口部63の設けられている領域において、後述の印刷部40により印刷が行われるようになっている。
印刷指が下側から指固定部材62によって支持され、印刷指の上側が指押え64によって押さえられることで、印刷指の爪の表面(印刷対象面)の高さ方向の位置が印刷部40による印刷を行うのに適した所定の位置に位置決めされる。
筐体2内における指固定部6(後述の印刷領域Ar4)の左右両側であって、基台上板30と載置板35との間の空間は、印刷指の爪に印刷を行っている際に非印刷指を待機させておく指待機部350となっている。
また、非印刷指の指先を指入れ部351に入れておくことができるため、例えばすでに印刷が終了した指の爪が装置各部に接触することを防ぐことができる。これにより、印刷済みの爪が擦れたり傷ついたりするおそれがなく、装置内に汚れが付着することも防止することができる。
なお、載置板35よりも下側の空間を含めた、基台上板30よりも下側の空間を、指待機部としてもよい。さらに言えば、指待機部350は、筐体2内における指固定部6(後述の印刷領域Ar4)の左右両側の空間であればよい。
本実施形態では、図4に示すように、装置内の幅方向(X方向)右側にホームポジションAr1が配置され、左側にメンテナンス領域Ar2が配置されている。
また、ホームポジションAr1から取出し口213の手前までY方向における装置前方に直進した位置が、カートリッジ7を着脱する際にカートリッジホルダ8が配置される交換領域Ar3となっている。
印刷部40は、印刷ヘッドとしての機能を有するカートリッジ7、カートリッジ7を支持するカートリッジホルダ8、カートリッジ7を左右方向に沿ったX方向に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46(図8参照)、カートリッジ7を前後方向に沿ったY方向に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48(図8参照)等を備えて構成されている。
これら一対の支持部材471の延在方向における両端部にはそれぞれプーリー477が取り付けられている。装置左側及び装置右側のプーリー477には、前後方向に延在する駆動ベルト474がそれぞれ巻回されている。
装置後側に設けられているプーリー477は、駆動軸部476の両端部に取り付けられている。この駆動軸部476には、Y方向移動モータ48(図8参照)が接続されており、このY方向移動モータ48が駆動することで駆動軸部476及びこれに取り付けられているプーリー477が適宜正逆方向に回転する。
プーリー477の回転により、プーリー477に巻回されている駆動ベルト474も回転し、これによりX方向移動ステージ45(及びX方向移動ステージ45に搭載されているカートリッジ7)がY方向に移動可能となっている。
また、支持部材471上には駆動ベルト474と平行して前後方向に延在するガイド軸475が設けられている。
X方向移動ステージ45の左右両端部にはそれぞれガイド軸475が挿通されており、Y方向移動モータ48(図8参照)が駆動して駆動ベルト474が回転することによって、このX方向移動ステージ45は、ガイド軸475に沿ってY方向に移動可能となっている。
X方向移動ステージ45には、カートリッジホルダ8が搭載されている。
カートリッジホルダ8の背面側(図4において後側)には、ガイド軸455が挿通されたホルダ支持部材(図示省略)が設けられている。
カートリッジホルダ8は、X方向移動モータ46(図8参照)が駆動して駆動ベルト454が回転することによって、X方向移動ステージ45内をガイド軸455に沿ってX方向に移動可能となっている。
ストッパ部材84は、後端部がそれぞれカートリッジホルダ8の左右の側面部に固定されており、固定部分を支点として回動するようになっている。
ストッパ部材84は、カートリッジ7が装着されていない状態では上方に上げられており、カートリッジホルダ8の前面側を開放する。
そして、カートリッジホルダ8にカートリッジ7が装着されると、カートリッジ7の前面側に配置され、カートリッジ7が外部からの衝撃や振動等によってカートリッジホルダ8から外れて落下等するのを防止するようになっている。
なお、ストッパ部材84は、カートリッジホルダ8にカートリッジ7が装着されることで自動的にカートリッジ7の前面側に下りるように構成されていてもよいし、ユーザが手動によりストッパ部材84を上下させることができるようになっていてもよい。
なお、カートリッジ7の動作やヘッド移動機構49の動作を制御する印刷制御部813は、全てが1つの制御基板上に設けられている必要はない。例えば、カートリッジ7のインク吐出やX方向移動モータ46の動作等を制御する制御部81が搭載され、メインの制御基板と電気的に接続された図示しない制御基板がX方向移動ステージ45に設けられていてもよい。本実施形態においてカートリッジホルダ8の後面側には、フレキシブルなプリント配線基板425が設けられている。このプリント配線基板425は、X方向移動ステージ45に設けられている制御基板と電気的に接続されており、メインの制御基板上に設けられている印刷制御部813からの制御信号は、X方向移動ステージ45に設けられている制御基板を介してプリント配線基板425に送られ、印刷制御部813の制御に従ったカートリッジ7のインク吐出制御等が行われるようになっている。
カートリッジ7は、基台上板30よりも上側の領域を移動するように構成されている。
図4及び図5に示すように、基台上板30のうちの前側部分であって左右方向のほぼ中央部には、前述のように指固定部6が配置されており、本実施形態では、この指固定部6の開口部63に対応する領域が、印刷時においてカートリッジ7が印刷動作を行う印刷領域Ar4となっている。
印刷領域Ar4の左右方向(X方向)の中心を通り、左右方向(X方向)に垂直な架空の中心線Cにより、カートリッジ7が移動可能な基台上板30上を中心線Cより右側の第1領域と中心線Cより左側の第2領域とに分割した場合に、基台上板30の右側(第1領域)の後部に、非印刷時においてカートリッジ7が配置されるホームポジションAr1が設けられている。
ホームポジションAr1は、カートリッジ7のホームポジションであり、印刷領域Ar4とは異なる位置であって、印刷領域Ar4よりも右側に配置される。なお、ホームポジションAr1は、ヘッド移動機構49によりカートリッジ7が移動可能な範囲内に配置されればよく、図示例には限定されない。
キャップ部71は、非印刷時においてインク吐出面を乾燥等から保護するものであり、例えば柔軟性のある樹脂等で形成されている。
キャップ部71は、カートリッジ7を覆っていない初期位置にあるとき(例えば図5に示す状態)には、ばね等を有する付勢部材711によって前側に向かって付勢されている。この状態においてキャップ部71の上面はカートリッジ7の下面(すなわちインク吐出面)と接触しない程度に、十分に低い位置まで下がっている。これにより、印刷時においてキャップ部71がカートリッジ7に接触したり、その移動を妨げたりすることがないようになっている。
これによりキャップ部71は図示しないレール等に案内されてカートリッジ7のインク吐出面を覆う位置まで上方にせり上がり、インク吐出面がキャップ部71によりキャッピングされるようになっている。さらに、カートリッジ7がホームポジションAr1から離脱した際は、キャップ部71は付勢部材711によって初期位置まで押し戻され、再びカートリッジ7と干渉しない高さ位置まで下降する。
なお、キャップ部71をカートリッジ7に干渉しない高さ位置とカートリッジ7のインク吐出面を覆う高さ位置との間で上下動可能とする構成はここに例示したものに限定されない。
本実施形態において、メンテナンス領域Ar2は、互いに異なる内容の複数のメンテナンスが行われるようになっており、具体的に、当該メンテナンス領域Ar2には、パージ(スピット)処理を行うパージ部72と、インク吐出面をワイプするワイプ部73とが設けられている。
メンテナンス領域Ar2は、印刷領域Ar4及びホームポジションAr1とは異なる位置であって、印刷領域Ar4よりも左側の位置であり、ヘッド移動機構49によりカートリッジ7が移動可能な範囲内に配置される。このメンテナンス領域Ar2とホームポジションAr1とは、印刷領域Ar4の左右両側であって、印刷領域Ar4よりも後側に配置されている。
また、メンテナンス領域Ar2では、パージ部72及びワイプ部73が互いにX方向又はY方向の少なくともいずれかにずれた位置に配置されている。本実施形態では、パージ部72及びワイプ部73は、X方向の位置はほぼ同じであるが、パージ部72はワイプ部73よりもY方向において前側に配置されている。
なお、パージ部72及びワイプ部73の具体的な配置は図示例には限定されず、例えば、パージ部72とワイプ部73とのY方向における位置が逆であってもよいし、パージ部72とワイプ部73とがY方向ではなくX方向にずれて配置されていてもよいし、X方向、Y方向の両方にずれて配置されていてもよい。
パージ処理を行うことにより、カートリッジ7のノズル内で生じた目詰まり等が解消され、良好な吐出状態に回復させることができる。
図6は、パージ部72においてカートリッジ7のメンテナンスを行う様子を示す模式的な側面図である。図6では、説明の便宜上、パージ部72の内部を透過させて表している。また、図6中においてパージ処理により吐出されたインク液滴Lを破線で表している。
図6に示すように、パージ部72は、インク吐出面よりも多少大きく形成された開口部721と、この開口部721から一繋がりに形成された廃インクタンク722とを備えている。また、廃インクタンク722内には、インクを吸収する吸収体723が設けられている。吸収体723はインクを素早く吸収できるものであればよく、例えば多孔性の材料であるフェルトやスポンジ状の樹脂等が適用される。
本実施形態では、開口部721から廃インクタンク722に向かって傾斜面が形成されており、カートリッジ7のインク吐出面から吐出されたインクは、図6中、黒矢印で示すように、傾斜面を伝わって廃インクタンク722に流れ込むようになっている。
なお、吸収体723又はパージ部72全体は、取り外して交換が可能な部品としてもよい。
ワイプ部材731は、インク吐出面に付着したインク等を拭き取るクリーニングブレードであり、例えばゴム等の弾性体によって形成されている。ワイプ部材731はインクに繰り返し触れても腐食等が発生しにくい耐腐食性の材料で形成されることが好ましい。
なお、ワイプ部材731又はワイプ部73全体は、取り外して交換が可能な部品としてもよい。
図7に示すように、ワイプ部材731は、カートリッジ7の移動方向がY方向である場合、これと直交するX方向に扁平な板状部材であり、カートリッジ7がワイプ部73の上方を通る際に、その先端(上端)がインク吐出面と接触する位置及び高さに形成されている。
そして、ワイプ部材731は、カートリッジ7の移動に応じて柔軟に撓み、先端部分をインク吐出面に摺接させることによって、インク吐出面に付着したインク等を除去できるようになっている。
このため、本実施形態では、図4及び図5に示すように、ワイプ部73よりも後方に、ワイプ部材731に付着したインクを除去するスクレープ部74が設けられている。
スクレープ部74は、Y方向に延在する2条のガイドレール741に沿って、Y方向に移動可能に設けられている。
スクレープ部74の前端には、ワイプ部材731に摺接してその先端部等に付着したインクを掻き落とすスクレープ部材742が設けられている。なお、スクレープ部材742の材料、形状等は特に限定されず、ワイプ部材731に付着したインクを除去できるものであればよい。
つまり、カートリッジホルダ8をY方向に沿ってスクレープ部74の上方に移動させることにより、連結ばね743の屈曲部がカートリッジホルダ8の凹部に嵌まって、スクレープ部74とカートリッジホルダ8とが連結する。この連結状態でカートリッジホルダ8を移動させることで、ワイプ部材731をスクレープできる位置までスクレープ部74を移動させることができる。
スクレープ部74を後方からワイプ部材731上に通過させると、パージ部72に突き当たり、連結ばね743の屈曲部がカートリッジホルダ8の凹部から脱落する。これにより、スクレープ部74とカートリッジホルダ8との連結が解除される。スクレープ部74は図示しない付勢ばねにより後方に付勢されており、カートリッジホルダ8との連結が解除されると、この付勢ばねの付勢力によって初期位置(本実施形態では、図5の位置)に復帰する。
この図に示すように、ネイルプリント装置1は、上述した印刷部40のほかに、撮影部50と、通信部55と、制御装置80とを備えている。
撮影部50は、指固定部6に配置された印刷指の爪を照明装置52によって照明する。そして、撮影装置51によってその印刷指を撮影して、印刷指の爪の画像である爪画像(爪画像を含む指の画像)を得るものである。
なお、撮影部50は、カートリッジ7を移動させるヘッド移動機構49によってXY方向に移動可能に構成されていてもよい。
撮影装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮影素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。また、照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
撮影部50は、撮影装置51により爪を撮影して爪画像(印刷指を含む爪の画像)を取得する。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部812に接続され、当該撮影制御部812によって動作を制御されるようになっている。
なお、撮影部50によって撮影された画像のデータは、後述する記憶部82に記憶されてもよい。
ネイルプリント装置1と端末装置9との間での通信は、例えば無線LAN等により行われる。なお、ネイルプリント装置1と端末装置9との間での通信はこれに限定されず、いかなる方式によるものでもよい。例えば、インターネット等のネットワーク回線を使うものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信規格に基づく無線通信を行うものであってもよい。また、この通信は無線に限定されず、有線接続により両者間で各種データの送受信が可能な構成としてもよい。通信部55は端末装置9の通信方式に対応するアンテナチップ等を備えている。
制御装置80は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)821及びRAM(Random Access Memory)822等を有して構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
具体的には、記憶部82のROM821には、例えばカートリッジ7をメンテナンスするメンテナンス動作を行うためのメンテナンスプログラムや、印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、撮影部50によって爪画像が取得されたときは、取得された日時等の経時情報とともに爪画像データを端末装置9に送信する。
なお、ネイルプリント装置1側で印刷中にトラブル等が発生した場合等、動作状況に異変が生じた場合には、その旨を端末装置9側に送信するようにしてもよい。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、通信部55を介して後述の端末装置9に送信される。なお、画像データは記憶部82に記憶されてもよい。
具体的に、端末装置9は、操作部91、表示部92、通信部94、制御装置95等を備えている。
なお、各種の入力・設定等の操作を行う操作部91はタッチパネルである場合に限定されない。例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部91として設けられていてもよい。
本実施形態では、ユーザが操作部91を操作することで、爪に印刷するネイルデザインを選択すること等ができるようになっている。
本実施形態では、表示部92には、ユーザが操作部91から入力・選択したネイルデザインや、ネイルプリント装置1から送信された画像等が表示可能となっている。
なお、通信部94は、ネイルプリント装置1との間で通信を行うことのできるものであればよく、ネイルプリント装置1の通信部55の通信規格と合致するものが適用される。
具体的には、本実施形態のROM等には、端末装置9の各部を統括制御するための動作プログラムの他、ネイルプリント装置1を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム等の各種プログラムが格納されており、制御装置95がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して実行することによって、端末装置9が制御されるようになっている。
また、本実施形態の記憶部82には、ネイルデザインのデータや、爪の画像及び爪の位置・範囲の情報等が格納されるようになっている。
図9は、ネイルプリント装置1で印刷を行う場合の指の配置例を示す図である。
ネイルプリント装置1によりネイルプリントを行う場合、まずユーザは、端末装置9の操作部91からネイルプリント処理の実行を選択するとともに、爪に印刷するネイルデザインを選択する。
このとき、ユーザは、印刷指U1(図9の例では薬指)を指固定部6に載置するとともに、その左右両側の指待機部350に非印刷指U2を挿入して載置板35上に載置する。これにより、非印刷指U2を無理なく安定した状態に保つことができ、ひいては、印刷指U1への負担を減らして印刷中のブレ等を生じにくくすることができる。なお、図9では図示を省略するが、短い親指は、載置板35の下側の空間に配置しておいてもよい。
また、非印刷指U2が指待機部350内、つまり基台上板30よりも下側に配置されるので、カートリッジ7が移動する基台上板30よりも上側の領域に非印刷指U2を入れてしまうことがない。
また、図9では図示を省略するが、非印刷指U2の指先を指入れ部351に入れておくことができる。これにより、例えばすでに印刷が終了した指の爪が装置各部に接触することを防ぐことができる。
端末装置9の制御装置95は、送信されてきた爪画像から爪Tの輪郭や曲率等の爪情報を検出する。そして、制御装置95は、ユーザに選択されたネイルデザインの印刷像のデータを読み込み、当該印刷像のデータを、検出された爪Tの爪情報に基づいて補正し、印刷用データを生成する。生成された印刷用データは、端末装置9から通信部94によりネイルプリント装置1に送信される。
カートリッジ7がホームポジションAr1にある状態から印刷動作を開始する場合には、印刷制御部813は、ホームポジションAr1のキャップ部71によりキャッピングされている状態から、カートリッジ7をY方向前側、X方向左側に動かして印刷領域Ar4上方の印刷開始位置まで移動させる。そして、印刷制御部813は、予め生成した印刷用データを印刷部40に出力し、爪Tへの印刷を実行する。
なお、印刷領域Ar4で印刷を行う前に、パージ部72においてカートリッジ7からインクを強制吐出(予備吐出)させてもよい。このパージ処理により、前回の印刷動作で生じたカートリッジ7のノズル内の目詰まり等が解消される。
なお、パージ部72でのパージ処理に代えて、又はこれと併せて、カートリッジ7のインク吐出状態を正常に保つためのワイプ部73でのワイプ処理もしくは他のメンテナンス処理を行うこととしてもよい。
印刷処理が終了した際には、端末装置9の表示部92にその旨を表示させるようにしてもよい。
このように、印刷時にはその両側にスペースを要する印刷領域Ar4を中央に配置し、ホームポジションAr1及びメンテナンス領域Ar2をその両側に配置することにより、コンパクトなレイアウトとすることができる。したがって、ネイルプリント装置1をコンパクトに構成することができ、ひいては良好な印刷を行うことができる。
これにより、ネイルプリント装置1をコンパクトに構成することができるとともに、ユーザは、左右両手のどの指を印刷する場合にもこの印刷指以外の非印刷指を指待機部350に待機させておくことができる。そのため、ユーザは印刷時に非印刷指を窮屈に曲げておいたりせずに済み、快適にネイルプリントを行うことができる。また、印刷指にも負担が掛かりにくくなるため、印刷中のブレ等を生じにくくなる。
これにより、非印刷指が配置される指待機部350と、カートリッジ7が移動する空間とが基台上板30により仕切られるため、印刷時に非印刷指を誤ってカートリッジ7に接触させるといった事故を防ぐことができる。
これにより、ユーザは印刷時に非印刷指を載置板35に載置しておくことができるため、快適にネイルプリントを行うことができる。
これにより、ユーザは非印刷指の指先を指入れ部351に入れておくことができるため、例えばすでに印刷が終了した指の爪が装置各部に接触することを防ぐことができる。したがって、印刷済みの爪が擦れたり傷ついたりするおそれがなく、装置内に汚れが付着することも防止することができる。
そのため、例えば、比較的に長い人差し指や中指、薬指は載置板35上に載置し、比較的に短い親指や小指は載置板35より下側の空間に入れるなどして、非印刷指を無理なく配置することができる。
これにより、載置板35よりも下側の空間を、小物入れの引出し部24のための空間として有効に活用することができる。
また、ホームポジションAr1が第1領域に、メンテナンス領域Ar2が第2領域に、それぞれ配置されるものを例示したが、メンテナンス領域Ar2が第1領域に、ホームポジションAr1が第2領域に配置されるようにしてもよい。
例えば、小型のポンプ等を備え、インク吐出面を密閉状態とした上でノズル内等に残留するインクや不純物等をポンプによって吸引し、強制的に外部に排出させる方式のパージ部を設けてもよい。
他のメンテナンス部としては、例えば、フェルト等の高吸収性の材料で形成された吸収部材をインク吐出面に押し当ててインク吐出面に付着したインク等を吸収・吸着させて除去するものを設けてもよい。
また、カートリッジはヘッド一体型のものに限定されない。例えば、インクを吐出させる機能を備えた印刷ヘッド機構をカートリッジ7が装着されるカートリッジホルダ8側等に備え、カートリッジはインク貯留部のみを有するものとしてもよい。
この場合には、消耗品として交換可能なカートリッジを簡易かつ安価な構成で実現することができ、ユーザにとって経済的である。
なお、この場合に、カートリッジは、インクの減り具合を監視するセンサとこのセンサに接続される端子部を備え、カートリッジがカートリッジホルダに装着されると、カートリッジ端子部及びホルダ端子部を介して、インク残量が装置側で把握され、カートリッジの交換時期がユーザに報知されるように構成してもよい。
例えば、爪の表面にペン先を接触させて印刷を行う印刷用のペンを保持するペンホルダを備え、ペンを用いて印刷を行うようにしてもよい。また、本実施形態のようなインクジェット方式の印刷手段と印刷用のペンを保持するペンホルダとを両方備え、複数の印刷手段を用いて印刷を行う構成としてもよい。
例えば、各種指示を入力する操作部や表示部、印刷用データを生成する印刷データ生成部等をネイルプリント装置1側に設けて、ネイルプリント装置1の制御装置がこれらの処理を行うようにしてもよい。
このように構成した場合には、端末装置と連携することなく、ネイルプリント装置1が単体で印刷動作を完結できるように構成することもできる。
また、ネットワーク回線等を介して接続可能なサーバ装置等にネイルデザインの画像データを記憶させておき、端末装置又はネイルプリント装置1がサーバ装置等にアクセスしてネイルデザインの画像データを参照可能に構成してもよい。
このようにすることで、より多くのネイルデザインの中から印刷するデザインを選択することが可能となる。
例えば、指待機部350等に乾燥部を設けることで、他の指の爪に印刷を行っている間に、印刷済みの爪を乾燥させることができ、ネイルプリントに要する時間を短縮することができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
印刷ヘッドを備え、
前記印刷ヘッドにより印刷が施される印刷領域と、非印刷時に前記印刷ヘッドが配置される待機領域と、前記印刷ヘッドのメンテナンスが行われるメンテナンス領域とが、前記印刷ヘッドが移動可能な範囲内における互いに異なる位置に設けられ、
前記印刷領域の中心を通る架空の中心線で前記範囲を第1領域と第2領域とに分割した場合に、前記待機領域及び前記メンテナンス領域の一方が前記第1領域に配置され、前記待機領域及び前記メンテナンス領域の他方が前記第2領域に配置されていることを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
前記印刷ヘッドを収容する筐体を備え、
前記中心線は、前記筐体の左右方向で前記印刷領域を分割するものであり、前記待機領域と前記メンテナンス領域とが、前記印刷領域の前記筐体における左右両側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
前記印刷ヘッドは、印刷対象として手又は足の指の爪に印刷を施すものであり、
前記印刷領域は、前記筐体内における前側の左右方向略中央に配置され、
前記待機領域及び前記メンテナンス領域は、前記印刷領域よりも後側に配置され、
前記印刷領域の左右両側には、前記爪に対応する印刷指以外の非印刷指を待機させる指待機空間が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
前記印刷領域内において前記印刷指を挿入する開口部と、
前記開口部に前記印刷指を挿入した状態における前記爪の表面と略同じ高さに配置されて、当該高さよりも上側の領域と下側の領域とに仕切る仕切部材と、
を備え、
前記仕切部材は、前記筐体内における前記印刷領域の左右両側に設けられ、
前記指待機空間は、前記仕切部材よりも下側の空間であり、
前記印刷ヘッドは、前記仕切部材よりも上側の領域を移動するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
<請求項5>
前記開口部よりも下方の高さ位置に、前記非印刷指が載置される載置台部材が設けられ、
前記開口部及び前記載置台部材は、前記仕切部材よりも下方であり、
前記指待機空間は、前記仕切部材と前記載置台部材との間の空間であることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記載置台部材は、当該載置台部材に載置される前記非印刷指の先端側部分に対応する奥側の位置に、凹状又は穴状に形成された指入れ部を有することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
<請求項7>
前記載置台部材は、前記仕切部材と平行に設けられた板状部材であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の印刷装置。
<請求項8>
前記筐体は、前記印刷指及び前記非印刷指を内部に挿入するための開口を前面に有する筐体本体と、前記筐体本体と着脱可能に構成され、前記筐体本体への装着時に前記開口を覆うカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、当該カバー部材の前記筐体本体への装着時には前記載置台部材よりも下側の空間に収容される収納部を有することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の印刷装置。
2 筐体
3 基台
6 指固定部
7 カートリッジ
21 筐体本体
22 下カバー
23 上カバー
24 引出し部
30 基台上板
35 載置板
63 開口部
350 指待機部
351 指入れ部
Ar1 ホームポジション
Ar2 メンテナンス領域
Ar4 印刷領域
C 中心線
T 爪
U1 印刷指
U2 非印刷指
筐体と、
前記筐体に着脱可能なカバー部材と、
手又は足の指の爪に印刷を施す印刷部と、を備え、
前記印刷部は、前記爪に対応する印刷指以外の非印刷指を待機させる載置部を有し、
前記筐体における前記載置部の下部に空間が設けられ、
前記カバー部材は、前記空間に収容され、物体を収納可能である収納部を有することを特徴としている。
Claims (8)
- 印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを収容する筐体と、を備え、
前記印刷ヘッドは、印刷対象として手又は足の指の爪に印刷を施すものであり、
前記印刷ヘッドにより印刷が施される印刷領域が、前記筐体内における前側の左右方向略中央に配置され、
非印刷時に前記印刷ヘッドが配置される待機領域及び前記印刷ヘッドのメンテナンスが行われるメンテナンス領域が、前記印刷領域よりも後側に配置され、
前記印刷領域の左右両側には、前記爪に対応する印刷指以外の非印刷指を待機させる指待機空間が設けられていることを特徴とする印刷装置。 - 前記印刷領域と、前記待機領域と、前記メンテナンス領域とが、前記印刷ヘッドが移動可能な範囲内における互いに異なる位置に設けられ、
前記印刷領域の中心を通る架空の中心線で前記範囲を第1領域と第2領域とに分割した場合に、前記待機領域及び前記メンテナンス領域の一方が前記第1領域に配置され、前記待機領域及び前記メンテナンス領域の他方が前記第2領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。 - 前記中心線は、前記筐体の左右方向で前記印刷領域を分割するものであり、前記待機領域と前記メンテナンス領域とが、前記印刷領域の前記筐体における左右両側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
- 前記印刷領域内において前記印刷指を挿入する開口部と、
前記開口部に前記印刷指を挿入した状態における前記爪の表面と略同じ高さに配置されて、当該高さよりも上側の領域と下側の領域とに仕切る仕切部材と、
を備え、
前記仕切部材は、前記筐体内における前記印刷領域の左右両側に設けられ、
前記指待機空間は、前記仕切部材よりも下側の空間であり、
前記印刷ヘッドは、前記仕切部材よりも上側の領域を移動するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。 - 前記開口部よりも下方の高さ位置に、前記非印刷指が載置される載置台部材が設けられ、
前記開口部及び前記載置台部材は、前記仕切部材よりも下方であり、
前記指待機空間は、前記仕切部材と前記載置台部材との間の空間であることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。 - 前記載置台部材は、当該載置台部材に載置される前記非印刷指の先端側部分に対応する奥側の位置に、凹状又は穴状に形成された指入れ部を有することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
- 前記載置台部材は、前記仕切部材と平行に設けられた板状部材であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の印刷装置。
- 前記筐体は、前記印刷指及び前記非印刷指を内部に挿入するための開口を前面に有する筐体本体と、前記筐体本体と着脱可能に構成され、前記筐体本体への装着時に前記開口を覆うカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、当該カバー部材の前記筐体本体への装着時には前記載置台部材よりも下側の空間に収容される収納部を有することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の印刷装置。
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