JP2023061379A - スキンケア製品用不織布 - Google Patents

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久美 小山
Hisami Koyama
平 大森
Taira Omori
朋子 高野
Tomoko Takano
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Abstract

【課題】弱い力で伸びることで肌曲面への追従性および肌に付着した化粧料の拭取性に優れ、かつ肌あたりの柔らかさに優れたスキンケア製品用不織布を提供することを課題とする。【解決手段】MD方向の繊維配向率が50%以上であり、多葉扁平断面ポリエステル繊維を20質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面の最大長さをA、最大幅をB、最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さをC、前記凸部の頂点間を結ぶ線Cから凹部の底点に下した垂線の長さをDとするとき、下記式(1)の扁平度(A/B)と下記式(2)の異形度(C/D)を同時に満足することを特徴とする、スキンケア製品用不織布。A/B=2.0~3.0 ・・・ (1)C/D=1.0~5.0 ・・・ (2)【選択図】なし

Description

本発明は、スキンケア製品用不織布に関する。
近年、不織布は、保液性や風合いを活かしたスキンケア製品の用途として、その需要を拡大し続けている。そして、フェイスマスクやクレンジングシートに代表されるシート状のスキンケア製品は、薬液の皮膚への浸透や、化粧料の除去など様々な目的で使用される。フェイスマスクは、一定時間、皮膚の表面において薬液を保持できるため、皮膚に直接塗布する従来のスキンケアと比べ、薬液を十分に皮膚へ浸透させることができる。また、クレンジングシートは、クレンジング剤による化粧料の除去の効果と、シートの皮膚への接触による化粧料の除去の効果の双方から、高いクレンジング効果が得られる。上記の様な優れた性能から、シート状のスキンケア製品として、様々な商品が提案されている。
最近では、多葉扁平断面ポリエステル繊維とセルロース繊維を有する不織布を用いた対人向け清拭用や美容用の不織布が提案されている(特許文献1)。そして、特許文献1には、上記の対人向け清拭用、美容用不織布が、肌への刺激が少ないと同時に拭取性が良好なものとなることが開示されている。
また、ポリエチレン繊維とセルロース繊維を有する不織布を用いたフェイスマスク用の不織布が提案されている(特許文献2)。そして、特許文献2には、上記のフェイスマスク用不織布が、肌曲面への追従性が良好なものとなることが開示されている。
また、分割型複合繊維と親水性繊維と繊度0.8dtex以上の合成繊維を含む不織布を用いた液体含浸皮膚被覆シート用不織布が提案されている(特許文献3)。そして、特許文献3には、上記の液体含浸皮膚被覆シート用不織布が、柔軟性に優れたものとなることが開示されている。
国際公開2014/132690号公報 特開2019-90141号公報 特開2015-148023号公報
本発明者らの知見によると、特許文献1に開示された不織布(以下、公知不織布1と称することがある)は、多葉扁平断面ポリエステル繊維とセルロース繊維を含む。よって、公知不織布1を用いた対人向け清拭用、美容用不織布は、上記の多葉扁平断面ポリエステル繊維の断面形状に由来して、肌あたりの柔らかさに優れると同時に拭取性が良好なものとなる。しかし、公知不織布1のMD方向の繊維配向率が不十分であり、公知不織布1はCD方向に伸びにくい不織布となる傾向にある。よって、この公知不織布1を対人向け清拭用、美容用不織布に用いる場合においては、肌曲面への追従性が不十分であり、さらに肌に付着した化粧料の拭取性および肌あたりの柔らかさが不十分であるとの課題がある。
また、特許文献2に開示された不織布(以下、公知不織布2と称することがある)は、ポリエチレン繊維とセルロース繊維を含む。よって、公知不織布2を用いたフェイスマスク用不織布は肌曲面への良好な追従性を示す。しかし、公知不織布2が多葉扁平断面ポリエステル繊維を含まず、かつ、公知不織布2のMD方向の繊維配向率が不十分であり、公知不織布2はCD方向に伸びにくい不織布となる傾向にある。よって、この公知不織布2をフェイスマスク用不織布に用いる場合においては、肌曲面への追従性が不十分であり、さらに肌に付着した化粧料の拭取性および肌あたりの柔らかさが不十分であるとの課題がある。
また、特許文献3に開示された不織布(以下、公知不織布3と称することがある)についても、公知不織布2と同様の課題が存在する。すなわち、公知不織布3が多葉扁平断面ポリエステル繊維を含まず、かつ、公知不織布3のMD方向の繊維配向率が不十分であり、公知不織布3はCD方向に伸びにくい不織布となる傾向にある。よって、この公知不織布3を液体含浸皮膚被覆シート用不織布に用いる場合においては、肌曲面への追従性が不十分であり、さらに肌に付着した化粧料の拭取性および肌あたりの柔らかさが不十分であるとの課題がある。
そこで、本発明者は、上記の事情に鑑み、CD方向に弱い力で伸びることで肌曲面への追従性に優れ、さらに肌に付着した化粧料の拭取性、および肌あたりの柔らかさに優れたスキンケア製品用不織布を提供することを課題とする。なお、上記の拭取性とは湿潤状態にあるスキンケア製品の拭取性のことであり、以下、同様である。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
(1)MD方向の繊維配向率が50%以上であり、多葉扁平断面ポリエステル繊維を20質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、前記多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面の最大長さをA、最大幅をB、最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さをC、前記凸部の頂点間を結ぶ線Cから凹部の底点に下した垂線の長さをDとするとき、下記式(1)の扁平度(A/B)と下記式(2)の異形度(C/D)を同時に満足することを特徴とする、スキンケア製品用不織布、
A/B=2.0~3.0 ・・・ (1)
C/D=1.0~5.0 ・・・ (2)
(2)低融点繊維を23質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、接着部を有しない、(1)に記載のスキンケア製品用不織布、
(3)前記低融点繊維が、芯鞘型複合繊維である、(2)に記載のスキンケア製品用不織布、
(4)前記芯鞘型複合繊維の鞘部が、ポリエチレンである、(3)に記載のスキンケア製品用不織布、
(5)セルロース繊維を5質量%以上45質量%以下の範囲で含有する、(1)~(4)のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布、
(6)前記セルロース繊維の繊維径が、12μm以下である、(5)に記載のスキンケア製品用不織布、
(7)前記多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面形状が円周上に6個以上の凸部を有する扁平形状である、(1)~(6)のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布。
(8)MD方向の湿潤時の破断強度とCD方向の湿潤時の破断強度の比(MD方向の湿潤時の破断強度/CD方向の湿潤時の破断強度)が、2.0以上5.0以下であり、MD方向の湿潤時の破断伸度とCD方向の湿潤時の破断伸度の比(MD方向の湿潤時の破断伸度/CD方向の湿潤時の破断伸度)が、0.30以上0.60以下である、(1)~(7)のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布、
(9)CD方向の湿潤時の破断伸度が、100%以上であり、CD方向の湿潤時の20%伸長時応力が、0.1N/25mm以上1.0N/25mm以下である、(1)~(8)のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布、
(10)(1)~(9)のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布を有する、スキンケア製品、
(11)(2)~(9)のいずれかに記載のスキンケア製品用不織の製造方法であって、
水流交絡法により交絡処理が施されたパラレルレイドウェブを得る工程Iと、得られたパラレルレイドウェブを乾燥させる工程IIとを含み、前記工程IIでの乾燥温度が、前記低融点繊維の融点よりも10℃以上低い温度である、スキンケア製品用不織布の製造方法である。
本発明によれば、弱い力で伸びることで肌曲面への追従性に優れ、さらに肌に付着した化粧料の拭取性、および肌あたりの柔らかさに優れたスキンケア製品用不織布を提供することができる。
本発明のスキンケア製品用不織布の一実施形態が含有する多葉扁平断面ポリエステル繊維の断面の形状の概念図である。 実施例4のスキンケア製品用不織布の断面写真である。 比較例1のスキンケア製品用不織布の断面写真である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
発明は以下の構成を有する。すなわち、MD方向の繊維配向率が50%以上であり、多葉扁平断面ポリエステル繊維を20質量%以上60質量%以下の範囲で含有するスキンケア製品用不織布であって、上記の多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面の最大長さをA、最大幅をB、最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さをC、上記凸部の頂点間を結ぶ線Cから凹部の底点に下した垂線の長さをDとするとき、下記式(1)の扁平度(A/B)と下記式(2)の異形度(C/D)を同時に満足することを特徴とする、スキンケア製品用不織布である。
A/B=2.0~3.0 ・・・ (1)
C/D=1.0~5.0 ・・・ (2)
本発明のスキンケア製品用不織布は、MD方向の繊維配向率が50%以上である。まず、このMD方向の繊維配向率について説明する。
上記のMD方向の繊維配向率が50%以上であることで、本発明のスキンケア製品用不織布において、不織布を構成する繊維が主にMD方向に沿って配向しているため、本発明のスキンケア製品用不織布において、不織布を構成する繊維がMD方向およびCD方向のどちらか一方向に主に配向していない不織布と比べて、構成繊維同士の絡み合いは弱くなる傾向にあり、特にCD方向の機械的強度が小さくなる傾向にあるため、CD方向に弱い力で伸びやすい不織布を得ることが可能となる。そして、その結果、本発明のスキンケア製品用不織布は、肌曲面への追従性に優れたものとなる。そして、このスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品も肌曲面への追従性に優れたものとなる。上記の理由から、MD方向の繊維配向率は、55%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。また、上記のMD方向の繊維配向率は、走査型電子顕微鏡(SEM)でスキンケア製品用不織布の断面写真を撮影し、同一写真内で、本発明のスキンケア製品用不織布を構成する繊維のうち、繊維の断面の数を測定することで、算出できる。
ここで、MD方向とは、スキンケア製品用不織布の製造工程におけるスキンケア製品用不織布の進行方向のことをいう。より具体的には、スキンケア製品用不織布の製造工程において、スキンケア製品用不織布を処理した水流交絡機および熱処理機のベルトコンベアの進行方向と並行な方向であり、例えば、スキンケア製品用不織布の表面におけるウォータージェット痕により識別することができる。一方、CD方向とは、スキンケア製品用不織布の製造工程におけるスキンケア製品用不織布の進行方法と略垂直な方向をいう。
ここで、スキンケア製品用不織布およびスキンケア製品(以下、スキンケア製品等と称することがある)が肌曲面へ追従するとは、例えば、フェイスマスクの使用時において、フェイスマスクが使用者の顔面に存在する凹凸(使用者の鼻の頭から頬にかけての部位等)に沿って貼り付く性能のことをいう。
また、本発明のスキンケア製品用不織布は、多葉扁平断面ポリエステル繊維を含有する。
本発明で用いる多葉扁平断面ポリエステル繊維を構成するポリエステルは、テレフタル酸とエチレングリコール、あるいはブチレングリコールの縮合反応によって生成される高分子重合体、およびセバシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、イソフタル酸、およびパラオキシ安息香酸などとエチレングリコールやブチレングリコールとの縮合体、ならびに他のポリエステル類を含むポリエステル重合体などを意味する。
また、本発明で用いる多葉扁平断面ポリエステル繊維は、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面形状が円周上に6個以上の凸部を有する扁平形状の繊維であることが好ましい。上記横断面形状の円周状に存在する凸部を6個以上とすることで、スキンケア製品等において、スキンケア製品等の表面に存在する多葉扁平断面ポリエステル繊維が有する凹凸が肌に存在するシワ等の細かな凹凸に入り込み、スキンケア製品等と肌との接触面積が大きくなる。そして、その結果、スキンケア製品等の肌曲面への追従性が向上することで肌に付着した化粧料の拭取性にも優れたものとなる。上記の理由から、本発明で用いる多葉扁平断面ポリエステル繊維は、その横断面形状において、8個以上の凸部を有することがより好ましく、10個以上の凸部を有することがさらに好ましい。また、凸部の形状は、肌あたりの柔らかさがさらに優れるとの観点から、湾曲した形状であることが好ましい。
ここで、図1に、本発明で用いる多葉扁平断面ポリエステル繊維の単繊維横断面形状の一例を示す。図1は、本発明のスキンケア製品用不織布の一実施形態が含有する多葉扁平断面ポリエステル繊維の断面形状の概念図であり、繊維断面の円周上に8個の凸部を有する多葉扁平断面ポリエステル繊維が例示されている。また、多葉扁平断面ポリエステル繊維が有する凸部の数は、走査型電子顕微鏡(SEM)でスキンケア製品用不織布の断面写真を撮影し、同一写真内で、多葉扁平断面ポリエステル繊維の凸部の数を測定することで、算出できる。
また、本発明で用いる多葉扁平断面ポリエステル繊維は、横断面における多葉扁平断面形状は、下記式(1)の扁平度(A/B)と下記式(2)の異形度(C/D)を同時に満足する。
・扁平度(A/B)=2.0~3.0 ・・・ (1)
・異形度(C/D)=1.0~5.0 ・・・ (2)。
ここで、上記Aは、上記の多葉扁平断面形状の横断面の最長の線分の長さであり、上記Bは、線分の長さAに垂直に交わる凸部の頂点間を結ぶ最大幅の線分の長さである。また、上記Cは、上記の多葉扁平断面形状のなす最大の凹凸で、隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線分の長さであり、上記Dは、線分の長さCから凹部の底点に下した垂線の長さである。なお、上記の異形度(C/D)は、その値が大きい場合に凹部が浅く、その値が小さい場合に凹部が深いことを示す。
本発明の多葉扁平断面ポリエステル繊維において、上記の扁平度(A/B)を2.0以上とすることで、繊維の毛倒れ性が良好なものとなるため、本発明のスキンケア製品用不織布の風合いが優れたものとなる。一方で、上記の扁平度(A/B)を3.0以下とすることで、製糸性の悪化や異形度(C/D)の悪化を抑制する傾向にある。上記の理由から、上記の扁平度(A/B)は、2.0~2.7であることが好ましく、2.0~2.5であることがより好ましい。
また、本発明の多葉扁平断面ポリエステル繊維において、上記の異形度(C/D)が1.0未満では、上記の多葉扁平断面形状のなす凹部が深くなり、扁平形状を保持できなくなる傾向にある。一方で、上記の異形度(C/D)が5.0を超えると、上記の多葉扁平断面形状のなす凹部が浅くなり、肌曲面への追従性や肌に付着した化粧料の拭取性が低下する傾向にある。上記の理由から、上記の異形度(C/D)は1.0~4.0であることが好ましく、1.0~3.0であることがより好ましい。
また、本発明で用いる多葉扁平断面ポリエステル繊維は、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面における最大長さAを対称軸とし、対向する両凸部の頂点間を結ぶ線分のうち、最大幅Bを除いて最長となる線分の長さをEとするとき、下記式(3)で定義される凸部比を満足することが好ましい。
・凸部比(E/B)=0.6~0.9 ・・・ (3)
ここで、凸部比(E/B)は、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面における各凸部の頂点を結ぶ線を描いた際に得られる略楕円形状の歪み度合いを測る指標である。凸部比(E/B)が0.6未満では、上記横断面形状は略扁平十字形の形状となるため、肌に接触する凸部数が減少する。そして、その結果、肌曲面への追従性や肌に付着した化粧料の拭取性が低下する傾向にある。一方で、凸部比(E/B)が0.9を超えると、上記横断面形状は略扁平六角形の形状となるため、肌に接触する凸部数が減少する。そして、その結果、肌曲面への追従性や肌に付着した化粧料の拭取性が低下する傾向にある。上記の理由から、上記の凸部比(E/B)は0.6~0.8であることがより好ましく、0.7~0.8であることがさらに好ましい。
また、本発明の多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量は、スキンケア製品用不織布の全体に対して20質量%以上60質量%以下である。多葉扁平断面ポリエステル繊維は、特定の範囲の扁平度(A/B)と異形度(C/D)を有するため、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量を20質量%以上とすることで、本発明のスキンケア製品用不織布における繊維同士の絡合を適度なものとすることができ、本発明のスキンケア製品用不織布が締まり硬くなることを抑制し、弱い力で伸ばすことが可能となる。さらに、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面形状が円周上に6個以上の凸部を有するため、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品において、スキンケア製品の表面に存在する多葉扁平断面ポリエステル繊維が肌に存在する細かな凹凸に沿い、スキンケア製品と肌との接触面積が大きくなる。そして、その結果、スキンケア製品の肌曲面への追従性および肌に付着した化粧料の拭取性が優れたものとなる。さらに、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維は、特定の範囲の扁平度(A/B)と異形度(C/D)を有することで、本発明のスキンケア製品用不織布の嵩高性が良好なものとなるため、スキンケア製品の肌あたりの柔らかさや保液性が優れたものとなる。上記の理由から、多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量の下限は、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。一方、多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量を60質量%以下とすることで、本発明のスキンケア製品用不織布の嵩高性が適度なものとなり、繊維間の空隙が大きくなりすぎることを抑制できるため、スキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の追従性や拭取性、肌あたりの柔らかさと保液性のバランスが優れたものとなる。
また、本発明の多葉扁平断面ポリエステル繊維の繊維径は、7~20μmであることが好ましい。繊維径が7μm未満では、後述の製造工程での繊維の工程通過性が悪くなり、生産性が低下する傾向にある。一方で、繊維径が20μmを超えると、ポリエステル繊維特有の剛性が強くなるため、不織布の風合いが低下する傾向にある。上記の理由から、上記の多葉扁平断面ポリエステル繊維の繊維径は、9~15μmであることがより好ましい。ここで、多葉扁平断面ポリエステル繊維の繊維径とは、スキンケア製品用不織布の断面写真から多葉扁平断面ポリエステル繊維の断面の面積を測定し、上記の断面の面積と同一の面積の真円の直径とする。
また、本発明の多葉扁平断面ポリエステル繊維の繊維長は、不織布からの繊維抜け落ちの観点から、30mm以上であることが好ましい。一方で、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維の繊維長の上限は特に限定はされないが、後述の製造工程での繊維の工程通過性がより優れたものとなるため、80mm以下であることが好ましい。上記の理由から、上記多葉扁平断面ポリエステル繊維の繊維長は、30~64mmであることがより好ましく、35~51mmであることがさらに好ましい。
ここで、本発明のスキンケア製品用不織布の主な特徴点の1つについて説明する。上記のとおり、本発明のスキンケア製品用不織布は、MD方向の繊維配向率が50%以上であり構成繊維が主にMD方向に沿って配向しており、さらに、多葉扁平断面ポリエステル繊維を20質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、この多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面は扁平度(A/B)が2.0~3.0であり、かつ、異形度(C/D)が1.0~5.0と特定の断面形状である。これらの特徴を有する本発明のスキンケア製品用不織布では、構成繊維が主にMD方向に沿って配向しており、さらに、特定の横断面の断面形状の多葉扁平断面ポリエステル繊維を特定の含有量で含むことで、CD方向に弱い力で伸びやすく肌曲面への追従性に優れたものとなり、このことに加えて、特定の横断面の断面形状の多葉扁平断面ポリエステル繊維を特定の含有量で含むことで、この多葉扁平断面ポリエステル繊維の一部が肌のシワ等に入り込み、化粧料の拭取性および肌あたりの柔らかさに優れたものとなる。
また、本発明のスキンケア製品用不織布は、多葉扁平断面ポリエステル繊維の他に、低融点繊維を23質量%以上60質量%以下の範囲で含有することが好ましい。ここで、低融点繊維とは、低融点成分樹脂を含有する繊維である。また、上記の低融点成分樹脂とは、融点が170℃以下の熱可塑性樹脂である。また、低融点繊維の低融点成分樹脂の含有量は特に限定されないが、低融点繊維の全体に対し3~70質量%であることが好ましい。
上記低融点繊維の含有量を23質量%以上とすることで、本発明のスキンケア製品用不織布の表面において、低融点繊維特有の滑らかな肌触りの実効が得られるとともに、低融点繊維自体の剛性の低さにより、本発明のスキンケア製品用不織布の柔軟性が優れたものとなるため、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の肌への追従性や肌に付着した化粧料の拭取性、肌あたりの柔らかさが優れたものとなる。一方で、上記低融点繊維の含有量を60質量%以下とすることで、本発明のスキンケア製品用不織布は保液性にも優れたものとなる。上記の理由から、上記低融点繊維の含有量は、25質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、27質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
また、上記低融点繊維が含有する低融点成分樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂として、プロピレンの単独重合体もしくはポリプロピレンと各種α-オレフィンの共重合体が挙げられる。また、ポリエチレン系樹脂として、ポリエチレンの単独重合体もしくはエチレンと各種α-オレフィンの共重合体などが挙げられる。紡糸性や繊維の強度特性の観点から、特にポリエチレン系樹脂が好ましく用いられる。
また、上記低融点繊維は、単一繊維であってもよく、あるいは二以上の成分からなる複合繊維であってもよい。上記低融点繊維が複合繊維である場合は、一つの熱可塑性樹脂からなっていてもよく、あるいは二以上の熱可塑性樹脂が混合されたものであってもよい。
また、上記の複合繊維の構造は、例えば、芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、または分割型複合繊維が挙げられるが、芯部に剛性の高い繊維を配することで、本発明のスキンケア製品用不織布に適度な嵩高性を確保できることで、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の保液性が優れたものとなるとの観点から、低融点繊維は、芯鞘型複合繊維であることが好ましい。一方で、分割型複合繊維は、繊維断面において構成成分のうち少なくとも1成分が2個以上に区分されてなり、不織布の製造工程における交絡処理において加わる外力によって、一または複数の成分が分割して、極細繊維を与える。上記の極細繊維は、不織布の絡合性を高め、不織布の嵩高性が低下する傾向にある。そしてその結果、上記不織布を用いたスキンケア製品において、保液性が低下するとの懸念があるため、用いないことが好ましい。
また、上記芯鞘型複合繊維を構成する熱可塑性樹脂の組合せ(鞘/芯)としては、例えば、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、およびプロピレン共重合体/ポリエチレンテレフタレート等のポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂との組み合わせ(ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂)、およびポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレン共重合体/ポリプロピレン、エチレン-アクリル酸共重合体/ポリプロピレン等の二種類のポリオレフィン系樹脂の組合せ、および融点の異なる二種類のポリエステル系樹脂の組合せが挙げられる。これらの中でも、鞘部がポリオレフィン系樹脂で構成されていることで、オレフィン繊維特有の滑らかな肌触りの実効が得られるとの観点から、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂および二種類のポリオレフィン系樹脂の組合せであることが好ましい。また、ポリエチレンは、各種の樹脂の中でも同種の繊維に対する摩擦係数が低い樹脂であり、芯鞘型複合繊維の表面にポリエチレンが配されることにより、不織布を構成する繊維間に生じる摩擦力が軽減され、この芯鞘型複合繊維を用いた不織布の肌あたりの柔らかさが優れたものとなるとの観点から、芯鞘型複合繊維である低融点繊維の鞘部は、ポリエチレンであることが好ましい。
また、上記の芯成分にポリエステル系樹脂を用いる場合には、上記の芯成分の全体に対して、無機粒子を3~25質量%含むことが好ましい。この含有量の範囲内で芯成分が無機粒子を含むことで、上記芯成分により構成された芯鞘型複合繊維のハリコシが低下するため、上記芯鞘型複合繊維の弾力が適度なものとなり、剛性が高くなりすぎることを抑制できる。そして、その結果、本発明のスキンケア製品用不織布のしなやかさがより優れたものとなり、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の追従性や拭取性に寄与するものと推測する。上記の理由から、無機粒子の含有量の下限は10質量%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは15質量%以上である。一方、無機粒子の含有量の上限を25質量%以下とすることで、紡糸や不織布生産の際に糸切れが発生する可能性を低くすることができ、安定した生産がし易くなるため好ましい。
無機粒子としては、例えば、シリカゾル、シリカ、アルキルコートシリカ、アルミナゾル、酸化チタンおよび炭酸カルシウムなどが挙げられるが、上記のしなやかさ、さらには、不織布の保液性を優れたものとすることができるとの理由により、酸化チタンが好ましく用いられる。
また、上記芯鞘型複合繊維の芯と鞘の複合比(芯/鞘、体積比)は、例えば、80/20~20/80であることが好ましく、60/40~40/60であることがより好ましい。上記芯鞘型複合繊維の芯と鞘の複合比が上記の範囲内にあることで、芯成分によって繊維形状が維持されやすく、不織布の強度を適度なものとすることができる。
一方、本発明のスキンケア製品用不織布が低融点繊維を23質量%以上60質量%以下の範囲で含有する場合において、このスキンケア製品用不織布は、接着部を有しないことが好ましい。
ここで、上記の「接着部」とは、本発明のスキンケア製品用不織布の構成繊維に含まれる繊維同士が接触する部位において、互いに接触する繊維同士の一方の繊維が、互いに接触する繊維同士の他方の繊維に溶融接合されている部分をいう。なお、上記の溶融接合されている部分における溶融成分については、熱接着処理により接着性を示し、繊維同士を接着させて、接着部を形成することができる成分であり、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等を含む)を主たる成分とするプロピレン共重合体、およびエチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、およびその共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、およびナイロン12等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂等を例示できる。また、上記溶融成分の形態は、特に限定はされないが、例えば、熱接着性繊維や熱接着性樹脂等が挙げられる。
本発明のスキンケア製品用不織布が接着部を有しないことで、上記スキンケア製品用不織布の内部で、構成繊維同士が固定されることが解消され、この不織布は、弱い力で伸びるものとなるため、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品において、肌曲面への追従性および肌に付着した化粧料の拭取性がより優れたものとなる。
また、本発明のスキンケア製品用不織布は、多葉扁平断面ポリエステル繊維の他に、セルロース繊維を5質量%以上45質量%以下の範囲で含有することが好ましい。
上記セルロース繊維の含有量を5質量%以上45質量%以下とすることで、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の保液性が優れたものとなる。上記の理由から、セルロース繊維の含有量の下限は、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
また、上記セルロース繊維の繊維径は、12μm以下であることが好ましい。上記セルロース繊維の繊維径が12μm以下であることで、上記セルロース繊維の含有量の範囲内でも、上記セルロース繊維の総本数を多くすることができるため、本発明のスキンケア製品用不織布において、上記セルロース繊維が優れた分散性を示す。そして、その結果、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の保液性が優れたものとなる。上記の理由から、上記セルロース繊維の繊維径は11μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。一方で、上記セルロース繊維の繊維径の下限は、特に限定されないが、本発明のスキンケア製品用不織布の生産性を向上することができるとの理由から、1μm以上であることが好ましい。
また、上記セルロース繊維としては、パルプや綿等の植物系天然繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、アセテートやトリアセテートなどの半合成繊維を使用することができる。これらの中でも、本スキンケア製品の追従性や拭取性をより優れたものとすることができるとの理由により、レーヨンであることが好ましい。
本発明のスキンケア製品用不織布の目付は、20~120g/mであることが好ましく、この下限は、30g/m以上であることがより好ましく、40g/m以上であることがさらに好ましい。一方で、この上限は、100g/m以下であることがより好ましく、80g/m以下であることがさらに好ましい。目付を20g/m以上とすることで、本発明のスキンケア製品用不織布の製造時や使用時における取扱性が優れたものとなる。一方、目付を120g/m以下とすることで、不織布の柔軟性が向上し、結果として、上記スキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の追従性や拭取性が向上する。なお、本発明のスキンケア製品用不織布の目付は、JIS L 1913:2010 6.2に基づいて測定できる。
本発明のスキンケア製品用不織布は、効果を阻害しない範囲において、多葉扁平断面ポリエステル繊維、低融点繊維やセルロース繊維以外の繊維を含むものであってもよい。多葉扁平断面ポリエステル繊維、低融点繊維やセルロース繊維以外の繊維としては例えば、ポリアミド繊維やアクリル繊維などの合成繊維、絹や羊毛などの動物系天然繊維等が挙げられる。
また、本発明のスキンケア製品用不織布は、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定されるMD方向の湿潤時の破断強度とCD方向の湿潤時の破断強度の比(MD方向の湿潤時の破断強度/CD方向の湿潤時の破断強度)が、2.0以上5.0以下であることが好ましく、この上限は、4.8以下であることがより好ましく、さらに好ましくは4.6以下である。さらに、本発明のスキンケア製品用不織布は、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定されるMD方向の湿潤時の破断伸度とCD方向の湿潤時の破断伸度の比(MD方向の湿潤時の破断伸度/CD方向の湿潤時の破断伸度)が、0.30以上0.60以下であることが好ましく、この上限は、0.58以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.55以下である。
本発明のスキンケア製品用不織布は、MD方向の繊維配向率が50%以上であるため、不織布を構成する繊維が主にMD方向に沿って配向することで、MD方向よりもCD方向において、その機械的強度が小さくなる傾向にあり、CD方向に弱い力で伸びやすいスキンケア製品用不織布を得ることが可能となる。そして、その結果、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の追従性や拭取性が優れたものとなるため好ましい。さらに、CD方向に比べてMD方向は、その機械的強度が大きくなる傾向にあるが、MD方向にもある程度、伸びやすい不織布であると、不織布全体として強度が適度なものとなるため、結果として、CD方向にも弱い力で伸びやすいスキンケア製品用不織布となる。一方で、MD方向の伸長に要する力が、CD方向の伸長に要する力よりも大きいスキンケア製品用不織布であると、本スキンケア製品の製造時や使用時における取扱性がより優れたものとなる。上記の観点から、本発明のスキンケア製品用不織布のMD方向の湿潤時の破断強度とCD方向の湿潤時の破断強度の比、およびMD方向の湿潤時の破断伸度とCD方向の湿潤時の破断伸度の比は、上記の範囲内であることが好ましい。
また、本発明のスキンケア製品用不織布は、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定されるCD方向の湿潤時の破断伸度が100%以上であることが好ましく、110%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは120%以上である。さらに、また、本発明のスキンケア製品用不織布は、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定されるCD方向の湿潤時の20%伸長時応力が0.1N/25mm以上1.0N/25mm以下であることが好ましく、この上限は0.8N/25mm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは0.6N/25mm以下である。CD方向の湿潤時の破断伸度が100%以上であることで、不織布が破断するまでの伸び代が大きくなるため、結果的に、本スキンケア製品の追従性や拭取性の向上に寄与するものと推測する。また、CD方向の湿潤時の20%伸長時応力が0.1N/25mm以上であることで、本スキンケア製品の取扱性をより優れたものとすることができる。一方で、CD方向の湿潤時の20%伸長時応力が1.0N/25mm以下であることで、湿潤時にスキンケア製品用不織布が皮膚の細かな凹凸に沿い、結果的に、本スキンケア製品の追従性や拭取性の向上に寄与するものと推測する。
また、本発明のスキンケア製品用不織布は、特定の横断面形状を有する多葉扁平断面ポリエステル繊維を特定の割合で含むことにより本発明のスキンケア製品用不織布の嵩高性が適度なものとなり、繊維間の空隙が大きくなりすぎることを抑制できるため、上記のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の追従性や拭取性、肌あたりの柔らかさと保液性のバランスが優れたものとなる。上記の保液性を評価する手法としては、JIS L 1906:2010 3.吸水性に基づき、標準状態でのスキンケア製品用不織布の質量の値と、スキンケア製品用不織布に蒸留水を10分間含浸させた後のスキンケア製品用不織布の質量の値とを用いて算出した吸水倍率で評価することができる。スキンケア製品の追従性や拭取性、肌あたりの柔らかさと保液性のバランスがより優れたものとなるとの観点から、スキンケア製品用不織布の吸水倍率は、8.0以上15.0以下であることが好ましく、より好ましくは8.5以上14.5以下、さらに好ましくは9.0以上14.0以下である。
次に、本発明のスキンケア製品用不織布を製造するための製造方法の一例を説明する。以下に、多葉扁平断面ポリエステル繊維の他に、低融点繊維を含有する本発明のスキンケア製品用不織布の製造方法を説明する。本発明の不織布の製造方法は、少なくとも以下の工程を有する。
(a)多葉扁平断面ポリエステル繊維と低融点繊維とを混繊し、パラレルレイドウェブを得る工程I。
(b)上記パラレルレイドウェブを乾燥させる工程IIであり、乾燥温度が、上記低融点繊維の融点よりも10℃以低い温度である。
これらの工程を有するスキンケア製品用不織布の製造方法では、接着部を有しない不織布を得ることができる。そして、その結果、上記スキンケア製品用不織布の内部で、構成繊維同士が固定されることが解消され、この不織布は、弱い力で伸びるものとなるため、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品において、肌曲面への追従性および肌に付着した化粧料の拭取性が優れたものとなる。
(a)工程I
繊維同士の混繊は、周知の乾式法、または、湿式方のいずれでも可能であるが、不織布の厚みを大きくすることができ、不織布の柔らかさを向上し、結果として、得られたスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品の追従性や拭取性を向上することができるとの理由により、乾式法が好ましく採用される。さらに、乾式法の中でも、カーディング法が、繊維同士を均一に分散させることができる点で、好ましく採用される。カーディング法により得られる繊維ウェブは、例えば、パラレルレイドウェブ、クロスレイドウェブ、セミランダムウェブ、およびランダムウェブ等が挙げられるが、それらの中でも、CD方向に伸長したときに、弱い力で伸びるため、本発明のスキンケア製品用不織布を用いたスキンケア製品において、肌曲面への追従性および肌に付着した化粧料の拭取性が優れたものとなるとの理由から、パラレルレイドウェブが好ましく採用される。
なお、工程Iにおいて、水流交絡法やニードルパンチ法などの機械的絡合法を実施することが好ましい。その中でも、水流交絡法は、高圧水流により構成繊維を絡合させる方法であり、この方法は、ニードルパンチ法に比べ、絡合時の構成繊維の糸切れが少なく、しなやかな風合いのスキンケア製品用不織布が得られるため、好ましく採用される。
パラレルレイドウェブを得るために、ウェブを構成する繊維間に熱や接着剤等による接着部を形成する必要がないことはいうまでもない。
以上のことから、工程Iは、水流交絡法により交絡処理が施されたパラレルレイドウェブを得る工程であることが好ましい。
(b)工程II
本発明のスキンケア製品用不織布の製造方法では、スキンケア製品用不織布に含まれる低融点繊維の融点よりも10℃以上低い温度で乾燥させることが好ましい。上記の乾燥温度は、上記の観点から、低融点繊維の融点よりも20℃以上低いことがより好ましく、30℃以上低いことがさらに好ましい。乾燥方法は、特に限定されないが、熱風を吹き付ける熱風加工、熱ロール加工(例えば、熱エンボスロール加工)、または赤外線処理等が挙げられる。その中でも、得られた不織布の嵩高性が向上するとの理由から、熱風加工が好ましく採用される。
なお、乾燥工程において、低融点繊維の融点よりも10℃以上低い温度で乾燥させることで、得られたスキンケア製品用不織布を構成する繊維間に熱や接着剤等による接着部が形成されないことはいうまでもない。
そして、本発明のスキンケア製品用不織布に、化粧水や美容液、あるいはクレンジング剤等の薬液を浸漬させることで、スキンケア製品を得ることができる。ここで、スキンケア製品としては、例えば、フェイスマスクやスキンケアシート、目元用マスク、クレンジングシート、ポイントメイク用クレンジングシートなどを例示することができる。
本実施例で用いた測定法を後述する。
(1)スキンケア製品用不織布のMD方向の繊維配向率
スキンケア製品用不織布を上記スキンケア製品用不織布の面に垂直であり、かつMD方向に略垂直な方向に切断し、このスキンケア製品用不織布から薄切片を切り出し、この薄切片の断面にPt-Pd(白金-パラジウム)合金を真空蒸着し蒸着体を得た。次いで、この蒸着体に含まれる不織布の断面部分を走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテク社製SU3800型)で観察し、この観察範囲から無作為に10箇所抽出し、倍率500倍の断面写真を撮影した。次いで、同一写真内に写る全ての繊維の数と、繊維の断面の数を測定し、MD方向の繊維配向率を次の(4)式によって求めた。なお、同一写真内に写る全ての繊維の数と、繊維の断面の数を測定する際に、装置の焦点深度の関係により、隣り合う繊維同士の境目が不明瞭となり、繊維の数を測定することが難しい場合には、同一箇所の観察範囲において、焦点深度を適宜調整して、複数枚の写真を撮影して測定してもよい。
MD方向の繊維配向率 =
(繊維の断面の数)/(全ての繊維の数)×100 ・・・ (4)
なお、上記のSEM写真に断面が写っている繊維はMD方向に配向しているといえるため、全ての繊維の数に対する繊維の断面の数の比率が大きいほど、スキンケア製品用不織布のMD方向の繊維配向率は高いといえる。
(2)繊維が有する凸部の数
スキンケア製品用不織布を上記スキンケア製品用不織布の面に垂直であり、かつMD方向に略垂直な方向に切断し、このスキンケア製品用不織布から薄切片を切り出し、この薄切片の断面にPt-Pd(白金-パラジウム)合金を真空蒸着し蒸着体を得た。次いで、この蒸着体に含まれる不織布の断面部分を走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテク社製SU3800型)で観察し、この観察範囲から無作為に10箇所抽出し、倍率1,000倍の断面写真を撮影した。次いで、同一写真内で、繊維を無作為に10本ずつ抽出し、計100本の繊維について、繊維の断面の円周上における、凸部の数を測定した。
(3)繊維の扁平度
上記(2)で撮影した10枚の倍率1,000倍のスキンケア製品用不織布の断面写真内で、多葉扁平断面の合成繊維を無作為に10本ずつ抽出し、計100本の合成繊維の断面における、最大長さAと最大幅Bを測定し、扁平度(A/B)を次の(1)式によって求めた。なお、最大長さAと最大幅Bは、図1を用いて上記で詳細に説明したとおりである。次に、扁平度(A/B)が2.0~3.0の繊維を合成繊維Gとした。
扁平度(A/B) = A/B ・・・ (1)
(4)繊維の異形度
上記(2)で撮影した10枚の倍率1,000倍のスキンケア製品用不織布の断面写真内で、(3)で特定した合成繊維Gを無作為に10本ずつ抽出し、計100本の合成繊維Gの断面における、線分の長さCと垂線の長さDを測定し、異形度(C/D)を次の(2)式によって求めた。なお、線分の長さCと垂線の長さDは、図1を用いて上記で詳細に説明したとおりである。次に、合成繊維Gのうち、異形度(C/D)が1.0~5.0の繊維を合成繊維Hとした。
異形度(C/D) = C/D ・・・ (2)
(5)スキンケア製品用不織布に含まれる合成繊維Hの素材と多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量、および低融点繊維の含有量の特定
JIS L 1030-1:2012「繊維製品の混用率試験方法-第1部:繊維鑑別」、およびJIS L 1030-2:2012「繊維製品の混用率試験方法-第2部:繊維混用率」に基づいて、スキンケア製品用不織布に含まれる、上記(3)および(4)で特定した合成繊維Hを鑑別し、素材を特定した。次に、上記で素材を特定した合成繊維Hのうち、素材がポリエステルである繊維を多葉扁平断面ポリエステル繊維とした。また、上記で素材を特定した、スキンケア製品用不織布に含まれる多葉扁平断面ポリエステル繊維の正量混用率(標準状態における各繊維の質量比)を測定し、これをスキンケア製品用不織布に含まれる多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量(質量%)とした。
次に、JIS L 1030-1:2012「繊維製品の混用率試験方法-第1部:繊維鑑別」、およびJIS L 1030-2:2012「繊維製品の混用率試験方法-第2部:繊維混用率」に基づいて、スキンケア製品用不織布に含まれる低融点繊維の正量混用率(標準状態における各繊維の質量比)を測定し、これをスキンケア製品用不織布に含まれる低融点繊維の含有量(質量%)とした。
(6)酸化チタンの含有量
スキンケア製品用不織布に含まれる芯鞘型複合繊維が有する芯成分のポリエステル繊維の酸化チタンの含有量を以下の通り測定した。具体的には、上記スキンケア製品用不織布の面に垂直に切断し、このスキンケア製品用不織布から薄切片を切り出し、この薄切片の断面にPt-Pd(白金-パラジウム)合金を真空蒸着し蒸着体を得た。次いで、この蒸着体に含まれる不織布の断面部分を走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテク社製SU3800型)で観察し、この観察範囲から無作為に10箇所抽出し、倍率1,000倍の断面写真を撮影した。次いで、前記断面写真と同一視野内で、芯鞘型複合繊維を無作為に10本ずつ抽出し、計100本の繊維について、エネルギー分散型X線分析装置(SEM)(SEM-EMA)(SEM;日立ハイテク社製SU3800型、EMA;堀場製作所社製X-Max150)にて芯成分と鞘成分のチタンの含有量をそれぞれ分析し、得られた分析結果から、芯鞘型複合繊維が有する芯成分のポリエステル繊維の酸化チタンの含有量を換算し、100本の繊維の平均値を酸化チタンの含有量とした。
(7)目付
JIS L 1913:2010 6.2に基づいて測定した。具体的には、スキンケア製品用不織布の試料から50mm×50mmの試験片を、鋼製定規とかみそり刃とを用いて3枚採取した。標準状態における試験片の質量を測定して、単位面積当たりの質量を次の式によって求め、平均値を算出した。
ms=m/S
ここに、ms:単位面積当たりの質量(g/m
m:試験片の平均重量(g)
S:試験片の面積(m)。
(8)スキンケア製品用不織布のMD方向の湿潤時の破断強度とCD方向の湿潤時の破断強度の比
JIS L 1913:2010.6.3.2に基づき測定した。
スキンケア製品用不織布の試料から、幅25mm、長さ150mmの試験片を20枚用意した。次に、これらの20枚の試験片のうちの10枚の試験片については、スキンケア製品用不織布の製造工程におけるスキンケア製品用不織布のMD方向についての湿潤時における破断強度の測定を行った。これらの20枚の試験片のうちの残りの10枚の試験片については、スキンケア製品用不織布の製造工程におけるスキンケア製品用不織布のCD方向についての湿潤時における破断強度の測定を行った。具体的には、MD方向の評価については、100mLの蒸留水(水温:20℃)中に試験片を10分間含浸し、試験片を蒸留水から取り出してから速やかに定速伸長形引張試験機(島津製作所「AG-50kNG」)に試験片を取り付けて引張強度の測定を行った。試験片の長さ方向における、つかみ間隔を100mmとし、200mm/minの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加え、試験片が破断する際の強力を、応力ひずみ曲線から読み取り、得られた計10個の測定値の平均値をMD方向の湿潤時の破断強度とした。また、CD方向の評価については、100mLの蒸留水(水温:20℃)中に試験片を10分間含浸し、試験片を蒸留水から取り出してから速やかに定速伸長形引張試験機(島津製作所「AG-50kNG」)に試験片を取り付けて引張強度の測定を行った。試験片の長さ方向における、つかみ間隔を100mmとし、200mm/minの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加え、試験片が破断する際の強力を、応力ひずみ曲線から読み取り、得られた計10個の測定値の平均値をCD方向の湿潤時の破断強度とした。得られた各方向の破断強度の平均値から、スキンケア製品用不織布のMD方向の湿潤時の破断強度とCD方向の湿潤時の破断強度の比を次の(5)式によって求めた。
スキンケア製品用不織布のMD方向の湿潤時の破断強度とCD方向の湿潤時の破断強度の比=(MD方向の湿潤時の破断強度)/(CD方向の湿潤時の破断強度)・・・(5)
(9)スキンケア製品用不織布のCD方向の湿潤時の破断伸度、およびスキンケア製品用不織布のMD方向の湿潤時の破断伸度とCD方向の湿潤時の破断伸度の比
JIS L 1913:2010.6.3.2に基づき測定した。スキンケア製品用不織布のCD方向について、上記(7)の測定で得られた、応力ひずみ曲線から、試験片が破断する際の伸度を読み取り、得られた計10個の測定値の平均値をCD方向の湿潤時の破断伸度とした。
また、スキンケア製品用不織布のMD方向について、上記(7)の測定で得られた、応力ひずみ曲線から、試験片が破断する際の伸度を読み取り、得られた計10個の測定値の平均値をMD方向の湿潤時の破断伸度とした。そして、得られた各方向の破断伸度の平均値から、スキンケア製品用不織布のMD方向の湿潤時の破断伸度とCD方向の湿潤時の破断伸度の比を次の(6)式によって求めた。
スキンケア製品用不織布のMD方向の湿潤時の破断伸度とCD方向の湿潤時の破断伸度の比=(MD方向の湿潤時の破断伸度)/(CD方向の湿潤時の破断伸度)・・・(6)
(10)スキンケア製品用不織布のCD方向の湿潤時の20%伸長時強力
JIS L 1913:2010.6.3.2に基づき測定した。
スキンケア製品用不織布のCD方向について、上記(8)の測定で得られた、応力ひずみ曲線から、試験片が20%伸長する際の強力を読み取り、得られた計10個の測定値の平均値をCD方向の湿潤時の20%伸長時強力とした。
(11)スキンケア製品用不織布の吸水倍率
JIS L 1906:2010 3.吸水性に基づき測定した。
標準状態のスキンケア製品用不織布の試料から、100mm×100mmの試験片を5枚用意した。次に、各試験片について、1枚あたりの質量m1を測定し、100mLの蒸留水(20℃)に10分間浸漬した。上記の試験片を蒸留水中から取り出し、速やかに試験片の一端をクリップで固定し、1分間吊り下げた。その後速やかに、試験片1枚あたりの質量m2を測定し、次の式(7)によって吸水倍率(質量倍)求めた。測定は5枚の試験片で行い、得られた計5個の測定値の平均値を、スキンケア製品用不織布の吸水倍率とした。
吸水倍率(質量倍)=(m2-m1)/m1・・・(7)
(12)モニター評価
[スキンケア製品用不織布]
各実施例および比較例で得られたスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断し、この裁断不織布を蒸留水に浸漬し、裁断不織布の全質量に対し該蒸留水を700質量%含有するスキンケア製品用不織布を得た。次いで、このスキンケア製品用不織布の、手の甲部への追従性および肌あたりの柔らかさ、手の甲部に付着した化粧料(資生堂(株)「ベネフィーク セオティ スマートリキッドアイライナー」)の拭取性について女性パネル10名により各人の絶対評価にて10点満点で評価し、10名の平均点(小数点以下は四捨五入)から下記基準にて評価した。
A:9~10点
B:7~8点
C:5~6点
D:3~4点
E:0~2点。
[フェイスマスク]
各実施例および比較例で得られたスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスク用不織布を作成し、フェイスマスク用不織布を化粧水((株)良品計画 無印良品「化粧水・敏感肌用しっとりタイプ」)に浸漬し、フェイスマスク用不織布の全質量に対し該化粧水を700質量%含有するフェイスマスクを得た。次いで、このフェイスマスクの、顔面への追従性および肌あたりの柔らかさ、保液性について女性パネル10名により各人の絶対評価にて10点満点で評価し、10名の平均点(小数点以下は四捨五入)から下記基準にて評価した。
A:9~10点
B:7~8点
C:5~6点
D:3~4点
E:0~2点。
[クレンジングシート]
各実施例および比較例で得られたスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断し、この裁断不織布をクレンジング剤(コーセーコスメポート(株)「ホワイトクレンジングウォーター」)に浸漬し、裁断不織布の全質量に対し該クレンジング剤を700質量%含有するクレンジングシートを得た。次いで、このクレンジングシートを、アイラインに付着した化粧料(資生堂(株)「ベネフィーク セオティ スマートリキッドアイライナー」)の拭取性および肌あたりの柔らかさ、拭取時の取扱性について女性パネル10名により各人の絶対評価にて10点満点で評価し、10名の平均点(小数点以下は四捨五入)から下記基準にて評価した。
A:9~10点
B:7~8点
C:5~6点
D:3~4点
E:0~2点。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維(単繊維直径:13μm、繊維の横断面形状の円周上に有する凸部の数:8個、扁平度(A/B):2.1、異形度(C/D):1.7)50質量%と、熱可塑性樹脂の組合せ(鞘/芯)が高密度ポリエチレン樹脂(融点:130℃)/ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:255℃)からなる芯鞘型複合繊維(芯と鞘の複合比:50/50、芯成分中の酸化チタンの含有量が0.3質量%、鞘成分の融点:130℃)30質量%と、レーヨン繊維(単繊維直径:10μm)20質量%とを、オープナー、カード、パラレルラップ工程に処してパラレルレイドウェブとした。次に、このウェブを、高圧水流により絡合させ、熱風乾燥機を用いて乾燥温度:90℃で乾燥し、目付:70g/m、MD方向の繊維配向率:50%のスキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例2)
実施例1のスキンケア製品用不織布のMD方向の繊維配向率を55%に変更した以外は、実施例1と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例3)
実施例1のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の横断面形状の円周上に有する凸部の数を6個に変更し、スキンケア製品用不織布のMD方向の繊維配向率を65%に変更した以外は、実施例1と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例4)
実施例3のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の横断面形状の円周上に有する凸部の数を8個に変更した以外は、実施例3と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
なお、図2は、実施例4のスキンケア製品用不織布の断面写真である。すなわち、実施例4のスキンケア製品用不織布を、この不織布の面に垂直であり、かつ、この不織布のMD方向に略垂直な方向に切断して得られた切断面の写真である。なお、この写真の倍率は500倍である。この写真における、全ての繊維の数は65であり、繊維の断面の数は42である。よって、MD方向の繊維配向率は65%である。
(実施例5)
実施例3のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の横断面形状の円周上に有する凸部の数を10個に変更した以外は、実施例3と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例6)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)を2.6に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例7)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)を2.9に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例8)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)を3.2に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例9)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)を4.6に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例10)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれる芯鞘型複合繊維を、高密度ポリエチレン樹脂からなる部分とポリエチレンテレフタレート樹脂からなる部分とが交互に菊花状に配置された断面を有し、かつ全部分数が10個である分割型複合繊維(ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる部分の酸化チタンの含有量が0.3質量%、鞘成分の融点:130℃)に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例11)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を57質量%に変更し、芯鞘型複合繊維の含有量を23質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例12)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を55質量%に変更し、芯鞘型複合繊維の含有量を25質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表1にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例13)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を30質量%に変更し、芯鞘型複合繊維の含有量を50質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例14)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を60質量%に変更し、芯鞘型複合繊維の含有量を20質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例15)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を20質量%に変更し、芯鞘型複合繊維の含有量を70質量%に変更し、レーヨン繊維の含有量を10質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例16)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるレーヨン繊維の単繊維直径を11μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例17)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるレーヨン繊維の単繊維直径を12μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例18)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるレーヨン繊維の単繊維直径を16μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例19)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれる芯鞘型複合繊維の含有量を45質量%に変更し、レーヨン繊維の含有量を5質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例20)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を30質量%に変更し、レーヨン繊維の含有量を40質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表3にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表4にまとめた。
(実施例21)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を25質量%に変更し、レーヨン繊維の含有量を45質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表5にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表6にまとめた。
(実施例22)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれる芯鞘型複合繊維の含有量を50質量%に変更し、レーヨン繊維の含有量を0質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表5にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表6にまとめた。
(実施例23)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を20質量%に変更し、レーヨン繊維の含有量を50質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表5にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表6にまとめた。
(実施例24)
実施例4のスキンケア製品用不織布の製造工程における乾燥温度を150℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表5にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表6にまとめた。
(実施例25)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれる芯鞘型複合繊維を、熱可塑性樹脂の組合せ(鞘/芯)がともにポリエチレンテレフタレート樹脂(鞘成分の融点:130℃、芯成分の融点:255℃)からなる芯鞘型複合繊維(芯と鞘の複合比:50/50、芯成分中の酸化チタンの含有量が0.3質量%、鞘成分の融点:130℃)に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表5にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表6にまとめた。
(実施例26)
実施例25のスキンケア製品用不織布に含まれる芯鞘型複合繊維が有する芯成分の酸化チタンの含有量を10質量%に変更した以外は、実施例25と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表5にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表6にまとめた。
(実施例27)
実施例25のスキンケア製品用不織布に含まれる芯鞘型複合繊維が有する芯成分の酸化チタンの含有量を25質量%に変更した以外は、実施例25と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本実施例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表5にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表6にまとめた。
(比較例1)
実施例1のスキンケア製品用不織布のMD方向の繊維配向率を40%に変更した以外は、実施例1と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本比較例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表7にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表8にまとめた。
なお、図3は、比較例1のスキンケア製品用不織布の断面写真である。すなわち、比較例1のスキンケア製品用不織布を、この不織布の面に垂直であり、かつ、この不織布のMD方向に略垂直な方向に切断して得られた切断面の写真である。なお、この写真の倍率は500倍である。この写真における、全ての繊維の数は35であり、繊維の断面の数は14である。よって、MD方向の繊維配向率は40%である。
(比較例2)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)を1.5に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本比較例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表7にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表8にまとめた。
(比較例3)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)を4.0に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を作成しようとした。しかし、扁平度(A/B)が4.0のポリエチレンテレフタレート繊維の製糸製が悪く、糸を得ることができず、スキンケア製品用不織布を作成することができなかった。
(比較例4)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)を0.6に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本比較例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表7にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表8にまとめた。
(比較例5)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)を5.8に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本比較例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表7にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表8にまとめた。
(比較例6)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を10質量%に変更し、レーヨン繊維の含有量を60質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本比較例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表7にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表8にまとめた。
(比較例7)
実施例4のスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量を70質量%に変更し、芯鞘型複合繊維の含有量を10質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして、スキンケア製品用不織布を得た。
次に、このスキンケア製品用不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを得た。また、該フェイスマスクとは別に、このスキンケア製品用不織布を幅70mm、長さ55mmに裁断しクレンジングシートを得た。
ここで、本比較例のスキンケア製品用不織布の不織布構成を表7にまとめ、このスキンケア製品用不織布の物性等を表8にまとめた。
ここで、比較例1のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさおよびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさは、実施例1のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさおよびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさに比べ劣っていた。これは、比較例1のフェイスマスクおよびクレンジングシートに用いたスキンケア製品用不織布のMD方向の繊維配向率が、実施例1のスキンケア製品用不織布(不織布1)のMD方向の繊維配向率と比べ小さいためであると推測する。
また、比較例2のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさおよびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさは、実施例4のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさおよびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさに比べ劣っていた。これは、比較例2のフェイスマスクおよびクレンジングシートに用いたスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)が、実施例4のスキンケア製品用不織布(不織布4)に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)と比べ小さいためであると推測する。
また、比較例3のスキンケア製品用不織布は作成できなかった。これは、比較例3のスキンケア製品用不織布に用いたポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)が、不織布4に用いたポリエチレンテレフタレート繊維の扁平度(A/B)と比べ大きいためであると推測する。
また、比較例4のフェイスマスクの追従性と保液性およびクレンジングシートの拭取性は、実施例4のフェイスマスクの追従性と保液性およびクレンジングシートの拭取性に比べ劣っていた。これは、比較例4のフェイスマスクおよびクレンジングシートに用いたスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)が、不織布4に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)と比べ小さいためであると推測する。
また、比較例5のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさ、保液性およびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさは、実施例4のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさ、保液性およびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさに比べ劣っていた。これは、比較例5のフェイスマスクおよびクレンジングシートに用いたスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)が、不織布4に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の異形度(C/D)と比べ大きいためであると推測する。
また、比較例6のフェイスマスクの追従性と保液性およびクレンジングシートの拭取性は、実施例4のフェイスマスクの追従性と保液性およびクレンジングシートの拭取性に比べ劣っていた。これは、比較例6のフェイスマスクおよびクレンジングシートに用いたスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量が、不織布4に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量と比べ小さいためであると推測する。
また、比較例7のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさおよびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさ、取扱性は、実施例4のフェイスマスクの追従性と肌あたりの柔らかさおよびクレンジングシートの拭取性と肌あたりの柔らかさ、取扱性に比べ劣っていた。これは、比較例7のフェイスマスクおよびクレンジングシートに用いたスキンケア製品用不織布に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量が、不織布4に含まれるポリエチレンテレフタレート繊維の含有量と比べ大きいためであると推測する。
Figure 2023061379000001
Figure 2023061379000002
Figure 2023061379000003
Figure 2023061379000004
Figure 2023061379000005
Figure 2023061379000006
Figure 2023061379000007
Figure 2023061379000008
A: 最大長さ
B: 最大幅
C: 最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線分の長さ
D: 線分の長さCから凹部の底点に下した垂線の長さ
E: 最大長さAを対称軸とし、対向する両凸部頂点間を結ぶ線分のうち、最大幅Bを除いて最長となる長さ

Claims (11)

  1. MD方向の繊維配向率が50%以上であり、
    多葉扁平断面ポリエステル繊維を20質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、
    多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面の最大長さをA、最大幅をB、最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さをC、前記凸部の頂点間を結ぶ線Cから凹部の底点に下した垂線の長さをDとするとき、下記式(1)の扁平度(A/B)と下記式(2)の異形度(C/D)を同時に満足することを特徴とする、
    スキンケア製品用不織布。
    A/B=2.0~3.0 ・・・ (1)
    C/D=1.0~5.0 ・・・ (2)
  2. 低融点繊維を23質量%以上60質量%以下の範囲で含有し、
    接着部を有しない、
    請求項1に記載のスキンケア製品用不織布。
  3. 前記低融点繊維が、芯鞘型複合繊維である、
    請求項2に記載のスキンケア製品用不織布。
  4. 前記芯鞘型複合繊維の鞘部が、ポリエチレンである、
    請求項3に記載のスキンケア製品用不織布。
  5. セルロース繊維を5質量%以上45質量%以下の範囲で含有する、
    請求項1~4のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布。
  6. 前記セルロース繊維の繊維径が、12μm以下である、
    請求項5に記載のスキンケア製品用不織布。
  7. 前記多葉扁平断面ポリエステル繊維の横断面形状が円周上に6個以上の凸部を有する扁平形状である、
    請求項1~6のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布。
  8. MD方向の湿潤時の破断強度とCD方向の湿潤時の破断強度の比(MD方向の湿潤時の破断強度/CD方向の湿潤時の破断強度)が、2.0以上5.0以下であり、
    MD方向の湿潤時の破断伸度とCD方向の湿潤時の破断伸度の比(MD方向の湿潤時の破断伸度/CD方向の湿潤時の破断伸度)が、0.30以上0.60以下である、
    請求項1~7のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布。
  9. CD方向の湿潤時の破断伸度が、100%以上であり、
    CD方向の湿潤時の20%伸長時応力が、0.1N/25mm以上1.0N/25mm以下である、
    請求項1~8のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載のスキンケア製品用不織布を有する、スキンケア製品。
  11. 請求項2~9のいずれかに記載のスキンケア製品用不織の製造方法であって、
    水流交絡法により交絡処理が施されたパラレルレイドウェブを得る工程Iと、
    得られたパラレルレイドウェブを乾燥させる工程IIとを含み、
    前記工程IIでの乾燥温度が、前記低融点繊維の融点よりも10℃以上低い温度である、
    スキンケア製品用不織布の製造方法。
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