JP2020084386A - 積層不織布 - Google Patents

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Hisami Koyama
久美 小山
梶山 宏史
Hiroshi Kajiyama
宏史 梶山
中原 誠
Makoto Nakahara
誠 中原
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Abstract

【課題】特にフェイスマスクとして用いた場合に、肌への密着性に優れ、柔軟性に優れることで肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からのはく離が抑制された、積層不織布を提供することを課題とする。【解決手段】不織布層(A)と不織布層(B)とを有し、前記不織布層(A)は、単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維A1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2から成る繊維群を主成分とし、前記繊維A1と前記繊維A2との含有質量比(繊維A1/繊維A2)が、15/85〜75/25であり、前記不織布層(A)は少なくとも一方の面の最外層に配置され、前記不織布層(B)は、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bを主成分とし、前記積層不織布が、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値が0.5N/25mm以上6.0N/25mm以下であることを特徴とする、積層不織布。【選択図】なし

Description

本発明は、複数の不織布層を積層した積層不織布に関する。
近年、不織布は、保液性や風合いを活かしたスキンケア化粧品の用途として、その需要を拡大し続けている。そして、上記のスキンケア化粧品は、たとえば肌の表面で一定の時間、薬液を保持することで薬液が肌へ十分に浸透し、美白、保湿、アンチエイジングなどの効果を使用者に付与するものであるため、様々な商品が提案されている。
具体的には、スキンケア化粧品の一例として、以下のフェイスマスクが知られている。
特許文献1には、積層不織布を用いたフェイスマスクが開示されている。そして、この積層不織布は繊度0.5dtex以下の極細繊維を含む極細繊維層を備えている。この積層不織布を用いたフェイスマスクは、極細繊維層を備えているため、このフェイスマスクの密着性は優れたものとなる。
また、特許文献2にも、積層不織布を用いたフェイスマスクが開示されている。そしてこの積層不織布は単繊維直径が1〜500nmの熱可塑性樹脂からなる繊維を含有する不織布層(以下、ナノファイバー層)を備えている。この積層不織布を用いたフェイスマスクは、ナノファイバー層を備えているため、このフェイスマスクの密着性は優れたものとなる。
また、特許文献3にも、積層不織布を用いたフェイスマスクが開示されている。そして、この積層不織布は数平均繊維径が10μm以下の繊維を含む密着層を備えている。この積層不織布を用いたフェイスマスクは、密着層を備えているため、このフェイスマスクの密着性は優れたものとなる。
国際公開2006/016601号公報 特開2009−97120号公報 国際公開2011/004834号公報
本発明者らの知見によると、上記の特許文献1および特許文献2および特許文献3に開示された積層不織布は、極細繊維を含む層を備えているため、上記の積層不織布を用いたフェイスマスクは、極細繊維を含む層を肌側に配して使用した場合に、肌への密着性が優れたものとなる。しかし、これらの積層不織布は、繊維同士の相互の交絡が強い極細繊維を肌側に配する極細繊維層に多量に含有するものであるため、極細繊維層の柔軟性が極めて低くなる傾向にある。よって、これらの積層不織布の柔軟性は劣ったものとなる。よって、これらの積層不織布をフェイスマスクに用いる場合においては、フェイスマスクの使用時において、これらのフェイスマスクの柔軟性は劣ったものとなるため、これらのフェイスマスクが皮膚から浮く箇所が多くなる。すなわち、この積層不織布を用いたフェイスマスクが肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からはく離し、フェイスマスクが肌表面にしなやかにフィットしない傾向にあるとの課題がある。
そこで、本発明者は、フェイスマスクとして用いた場合に、肌への密着性と柔軟性とを高い水準にて両立する積層不織布を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
(1)不織布層(A)と不織布層(B)とを備える積層不織布であって、前記不織布層(A)は、単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維A1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2とから構成される繊維群を主成分として有しており、前記繊維A1と前記繊維A2との含有質量比(繊維A1/繊維A2)が、15/85〜75/25であり、前記不織布層(A)は、前記積層不織布の少なくとも一方の面の最外層に配置され、前記不織布層(B)は、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bを主成分として有しており、前記積層不織布が、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値が0.5N/25mm以上6.0N/25mm以下であることを特徴とする、積層不織布、
(2)前記積層不織布の目付が30g/cm以上70g/cm以下であり、前記積層不織布の厚みが0.35mm以上1.30mm以下である、(1)に記載の積層不織布、
(3)前記不織布層(B)に含まれる繊維Bは、単繊維直径が3μm以上30μm以下の疎水性繊維B1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の親水性繊維B2から構成され、
前記疎水性繊維B1と前記親水性繊維B2との含有質量比(疎水性繊維B1/親水性繊維B2)が、55/45〜85/15である、(1)または(2)に記載の積層不織布、
(4)前記不織布層(A)が最外層に配置された側の前記積層不織布の面のシリコン疑似肌表面に対する静摩擦係数が、0.4以上であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の積層不織布、
(5)前記不織布層(A)に含まれる前記繊維A1がポリアミド繊維であり、前記繊維A2がレーヨンであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の積層不織布、
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の積層不織布を用いた、フェイスマスクであり、
また、上記の積層不織布の製造方法としては、直径が50nm以上800nm以下の島成分を有する海島複合繊維と単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2とを混繊した後、カード工程に処し不織布層(A)の前駆体を得る工程と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bを主成分として含有する不織布層(B)と前記不織布層(A)の前駆体とを積層した後、前記不織布層(B)を構成する繊維と前記不織布層(A)の前駆体を構成する繊維とを高圧水流により絡合させ積層不織布の前駆体を得る工程と、前記積層不織布の前駆体に、前記海島複合繊維の海成分を除去する脱海処理を施す工程と、を少なくともこの順に有する積層不織布の製造方法が挙げられる。
本発明によれば、肌への密着性に優れ、柔軟性に優れることで肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からのはく離が抑制された、フェイスマスクが得られる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の積層不織布は、不織布層(A)と不織布層(B)とを有している。そして、不織布層(A)は、単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維A1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2とから構成される繊維群を主成分として有しており、前記繊維A1と前記繊維A2との含有質量比(繊維A1/繊維A2)が、15/85〜75/25である。この前記不織布層(A)は、積層不織布の少なくとも一方の面の最外層に配置されている。ここで、積層不織布が2層の不織布層から構成されるものである場合には、これら2層の不織布層はいずれも最外層となる。
また、不織布層(B)は単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bから構成されている。
そして、上記の構成である本発明の積層不織布は、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値が0.5N/25mm以上6.0N/25mm以下である。
まず、不織布層(A)について説明する。不織布層(A)は、単繊維直径を50nm以上800nm以下の極細繊維である繊維A1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2とから構成される繊維群を主成分として有しており、前記繊維A1と前記繊維A2との含有質量比(繊維A1/繊維A2)が、15/85〜75/25である。
ここで、上記のとおり不織布層(A)は繊維A1と繊維A2とから構成される繊維群を主成分として有しており、繊維A1と繊維A2とは不織布層(A)の全体において混繊している。
ここで、主成分とは、不織布層(A)の全質量に対する繊維A1と繊維A2との合計含有量が85質量%以上であることをいう。さらに、不織布層(A)は、繊維A1と繊維A2のみから構成されるものであっても良く、本発明の効果を阻害しない範囲において、繊維A1と繊維A2以外の繊維(例えば、単繊維直径が800nmより大きく3μm未満の繊維)を含むものであってもよい。ここで、上記の本発明の効果を阻害しない範囲とは、積層不織布がJIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値が0.5N/25mm以上6.0N/25mm以下となり、不織布層(A)が最外層に配置された側の積層不織布の面のシリコン疑似肌表面に対する静摩擦係数が0.4以上となる範囲をいう。
そして、この不織布層(A)は、積層不織布の少なくとも一方の面の最外層に配置されている。
前記繊維A1の単繊維直径を50nm以上とすることで、積層不織布を用いたフェイスマスクの使用時に繊維A1が脱落し皮膚へ残留することが抑制できる。一方で、繊維A1の単繊維直径を800nm以下とすることで、極細繊維である繊維A1が肌表面の細かな溝の内部まで入り込み、皮膚と繊維表面との接触面積が増大し、皮膚と不織布層(A)との摩擦係数が向上するため、肌とフェイスマスクとの摩擦係数が向上する。よって、フェイスマスクが肌表面で滑ることが抑制され、装着時の密着性が優れたものとなる。上記の理由から、繊維A1の単繊維直径の上限は、600nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。また、フェイスマスクの肌表面への密着性の向上とフェイスマスクの生産性の向上との2つの観点から、繊維A1の単繊維直径は、100nm以上であることが好ましい。
上記の繊維A1は、単繊維が個々に分散したもの、単繊維が部分的に結合したもの、複数の単繊維が凝集した集合体などの形態を有するものであって良い。すなわち、その長短や断面形状などに依らず、いわゆる繊維状の形態であれば良い。
なお、上記のとおり繊維A1は、積層不織布においては、複数の単繊維が凝集した集合体などの形態を有するものであって良い。このような形態を有する繊維A1を含む積層不織布であっても、この積層不織布に薬液を含浸させてなるフェイスマスクにおいては、単繊維の間に薬液が取り込まれることで単繊維の凝集が解消され、単繊維が個々に分散した状態となる。よって、フェイスマスクの性能(例えば、優れた肌への密着性)には影響を及ぼさない。
繊維A1の素材としては、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、これらの中でも、上記の密着性を高める点で、繊維A1はポリアミド繊維であることが好ましい。単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維A1を、親水性を有するポリアミド繊維とすることで、本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクと肌表面との間の薬液を吸収する毛細管効果が高まり、さらに、フェイスマスクと肌表面との接触面積が増大し、上記の密着性を更に高めることができる。尚、これらの熱可塑性樹脂には、他の成分が重合されていても良いし、安定剤などの添加物を含有していても良い。
繊維A1を構成し得るポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、各種のアラミド樹脂を用いることができるが、これらの中でも親水性の良好なナイロン6が好ましく用いられる。
また、繊維A2の単繊維直径は3μm以上である。繊維A2の単繊維直径が3μm以上であることで、不織布層(A)の柔軟性が優れたものとなり、結果として、この不織布層(A)を備える積層不織布を用いたフェイスマスクの肌表面からの剥離が抑制される。その理由は以下のとおりと推測する。繊維A2の単繊維直径が3μm以上であることで、繊維A2等の交絡の程度が、不織布層(A)の柔軟性を優れたものとするのに適切なものとなる。そして、このことは、繊維A2の単繊維直径が3μm以上であることで、繊維A2の剛性が、繊維A2等の交絡の程度を適切なものとするのに適したものとなるためと推測する。なお、上記の「繊維A2等の交絡」とは、繊維A2と繊維A2以外の繊維の交絡、および、繊維A2同士の繊維の交絡をいう。一方、繊維A2の単繊維直径を30μm以下とすることで、繊維が剛直となることを抑制することができ、結果として、不織布層(A)の柔軟性が優れたものとなる。よって、上記の不織布層(A)を備える積層不織布を用いたフェイスマスクは、使用者の顔面の凹凸に沿うようにしなやかに曲げることが可能となり、さらに、この積層不織布を用いたフェイスマスクを使用者の顔面の凹凸に沿うように伸ばすことが可能となる。よって、その結果として、この積層不織布を用いたフェイスマスクの肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からのはく離が抑制され、このフェイスマスクは肌表面にしなやかにフィットする。上記の観点から、繊維A2の単繊維直径は、3μm以上20μm以下であることがより好ましく、3μm以上10μm以下であることがさらに好ましい。
繊維A2としては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維、再生繊維であるレーヨンやキュプラ、リヨセル、テンセル、半合成繊維であるアセテートやトリアセテート、および動物系天然繊維である羊毛や絹、植物系天然繊維であるコットンや麻を使用することができるが、これらの中でも、吸水性を有し、湿潤時に繊維が膨潤することで、フェイスマスクの柔軟性を優れたものとすることができるとの理由により、上記の再生繊維、半合成繊維、天然繊維であることが好ましい。さらに、これらの中でも、湿潤時の繊維のモジュラスが低く、フェイスマスクの柔軟性をより優れたものとすることができるとの理由により、繊維A2の素材はレーヨンであることがより好ましい。
さらに、繊維A1と繊維A2とに吸水性が異なる繊維を用いることで、フェイスマスクの柔軟性をより優れたものとすることができるとの理由により、繊維A2の素材は、繊維A1の素材とは異なることがより好ましい。
また、不織布層(A)は、前記繊維A1と前記繊維A2との含有質量比(繊維A1/繊維A2)が、15/85〜75/25である。上記の構成を採用することで、積層不織布は密着性と柔軟性とに優れるとの効果を奏する。本発明の積層不織布が、上記の効果を奏するメカニズムの詳細については、単繊維直径が50nm以上800nm以下と極細であり皮膚との密着性に優れる繊維A1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下であり、極細繊維と比較して個々の繊維の剛性が比較的高いために繊維同士(上記のとおり、繊維A2と繊維A2以外の繊維、繊維A2同士を含む概念である。以下、同様である。)の交絡の程度を低下させる繊維A2を含むことにより、不織布層(A)における繊維A1および/または繊維A2を含む繊維の過度の交絡を抑制でき、不織布層(A)の柔軟性を高めるとともに、繊維A1による不織布層(A)の肌への優れた密着性を得ることができる。上記のとおり特性の異なる2種の繊維の含有質量比が特定のものとなっているため、本発明の積層不織布は、これを用いたフェイスマスクの密着性を優れたものとできる適度な摩擦係数を有する一方で、優れた柔軟性をも備えたものとなる。そして、この特性により、本発明の積層不織布は、不織布層(A)に極細繊維である繊維A1を特定の比率で含有するものであるため、前記積層不織布を用いたフェイスマスクの使用時において、フェイスマスクの表面に存在する繊維A1が肌に存在する細かなシワにも入り込み、フェイスマスクと肌との接触面積が大きくなり、その結果として、フェイスマスクと肌との間の静摩擦係数が優れたものとなる。よって、本フェイスマスクは肌との間で滑りが発生しにくい。
そして、さらに、本発明の積層不織布は、不織布層(A)に剛性が比較的高い繊維A2を特定の比率で含有するため、繊維A1の過度の交絡が抑制され、本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクは、使用時において、使用者の顔面の凹凸に沿うように伸ばすことが可能となるため、その結果として、フェイスマスクの肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からのはく離が抑制され、肌表面への優れたフィット性を発揮し、本フェイスマスクと肌との間に大きな隙間が発生することを抑制することができる。従って、本発明の積層不織布をフェイスマスクとして用いた場合に、本フェイスマスクと肌との間での滑り抑制による優れた密着性と、本フェイスマスクの優れた柔軟性による肌への優れたフィット性とが発揮されると推測する。上記の理由から、前記繊維A1と前記繊維A2との含有質量比(繊維A1/繊維A2)は、30/70〜65/35であることがより好ましい。
本発明に用いる不織布層(A)の目付は、3〜40g/mであることが好ましく、この下限は、5g/m以上であることがより好ましい。一方で、この上限は、25g/m以下であることがより好ましく、15g/m以下であることがさらに好ましい。目付を3g/m以上とすることで、本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクの肌表面への密着性と柔軟性とがより優れたものとなる。一方、目付を40g/m以下とすることで、後述の製造工程で発生する易溶性ポリマーの製造ロスを削減できる。
本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクと使用者の肌表面との密着性が優れたものとなるとの観点から、積層不織布は、不織布層(A)が積層不織布の少なくとも一方の面の最外層に配置されている。よって、この積層不織布の具体的な態様としては、後述の不織布層(B)の一方の面に不織布層(A)を配した2層積層構造(不織布層(B)/不織布層(A))や、不織布層(B)の両方の面に不織布層(A)を配した3層積層構造(不織布層(A)/不織布層(B)/不織布層(A))等が例示できる。
次に、不織布層(B)について説明する。不織布層(B)は、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bを主成分とする。ここで、主成分とは、不織布層(B)の全質量に対する繊維Bの含有量が90質量%以上であることをいう。さらに、不織布層(B)は、繊維Bのみから構成されるものであっても良く、本発明の効果を阻害しない範囲において、繊維B以外の繊維(例えば、単繊維直径が800nm以下の繊維)を含むものであっても良いことをいう。ここで、上記の本発明の効果を阻害しない範囲とは、積層不織布がJIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値が0.5N/25mm以上6.0N/25mm以下となる範囲をいう。繊維Bの単繊維直径が3μm以上であることで、不織布層(B)を備える積層不織布の強度が優れたものとなり、積層不織布を用いたフェイスマスクの生産時および使用時における取扱性が優れたものとなる。一方、繊維Bの単繊維直径を30μm以下とすることで、繊維が剛直となることを抑制し、積層不織布の柔軟性が優れたものとなる。よって、積層不織布を用いたフェイスマスクを使用者の顔面の凹凸に沿うようにしなやかに曲げることが可能となり、さらに、積層不織布を用いたフェイスマスクを使用者の顔面の凹凸に沿うように伸ばすことが可能となるため、その結果として、積層不織布を用いたフェイスマスクの肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からのはく離が抑制され、このフェイスマスクは肌表面へしなやかにフィットする。上記の観点から、繊維Bの単繊維直径は、3μm以上20μm以下であることがより好ましく、3μm以上10μm以下であることがさらに好ましい。
繊維Bの素材としては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維、再生繊維であるレーヨンやキュプラ、リヨセル、テンセル、半合成繊維であるアセテートやトリアセテート、および動物系天然繊維である羊毛や絹、植物系天然繊維であるコットンや麻を使用することができる。
これらの中でも、特に、疎水性繊維B1と親水性繊維B2との2種類の繊維を併用することが好ましい。
具体的に、疎水性繊維B1の素材としては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維を使用することができるが、本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクの生産時や使用時における取扱性をより優れたものとすることができるとの理由により、ポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
また、親水性繊維B2の素材としては、再生繊維であるレーヨンやキュプラ、リヨセル、テンセル、半合成繊維であるアセテートやトリアセテート、および動物系天然繊維である羊毛や絹、植物系天然繊維であるコットンや麻、および親水化処理を施した合成繊維等を使用することができるが、本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクの柔軟性が向上し、保液性をより優れたものとすることができるとの理由により、レーヨン繊維であることが好ましい。
さらに、上記の取り扱い性と柔軟性、保液性のバランスに優れるとの観点から、前記疎水性繊維B1と親水性繊維B2との含有質量比(疎水性繊維B1/親水性繊維B2)は、55/45〜85/15であることが好ましく、60/40〜75/25であることがより好ましい。
本発明の不織布層(B)の目付は、15〜60g/mであることが好ましく、この下限は、20g/m以上であることがより好ましい。一方、この上限は、55g/m以下であることがより好ましく、50g/m以下であることがさらに好ましい。積層不織布を構成する不織布層のうち、不織布層(B)は支持層としての機能を有するため、目付を15g/m以上とすることで、積層不織布の強度が向上し、この積層不織布を用いたフェイスマスクの生産時や使用時における取扱性が優れたものとなる。また、不織布層(B)の目付が大きくなれば、積層不織布の強度が向上し、この積層不織布を用いたフェイスマスクの生産時や使用時における取扱性が優れたものとなる。しかし、その一方で、この積層不織布を用いたフェイスマスクの肌表面への密着性や柔軟性は劣ったものとなる。よって、積層不織布が備える不織布層(B)の目付は60g/m以下であることが好ましい。
本発明の積層不織布を上記の構成とすることで、積層不織布の密着性が向上し、さらに積層不織布の柔軟性が向上するため、この積層不織布を用いたフェイスマスクの肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からのはく離が抑制される。
また、本発明の積層不織布は、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値が0.5N/25mm以上6.0N/25mm以下である。なお、以下、「JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値」を単に「10%強力」と称することがある。
本発明の積層不織布は、10%強力が特定の範囲内であることで、積層不織布の柔軟性に優れたものとなる。そして、柔軟性にも優れた積層不織布を用いたフェイスマスクは、上記のメカニズムにより、使用者の顔面の大きい凹凸が存在する部位(鼻の頭から使用者の頬にかけての部位等)にも、しなやかに沿うため、肌表面(鼻の頭から頬にかけての部位等の凹凸の大きい顔面の部位の肌表面を含む)からのはく離が抑制される。
積層不織布の柔軟性がより優れたものとなり、この積層不織布を用いたフェイスマスクの肌表面からのはく離が抑制されるとの理由から、積層不織布の10%強度は5.5N/25mm以下であることがより好ましく、更に好ましくは5.0N/25mm以下である。一方で、積層不織布の強度が優れたものとなり、積層不織布を用いたフェイスマスクの生産時および使用時における取扱性が優れたものとなるとの理由から、積層不織布の10%強度は1.0N/25mm以上であることがより好ましく、更に好ましくは1.5N/25mm以上である。なお、10%強度は、JIS L 1913:2010.6.3.2に基づき、積層不織布の試験片を20℃の蒸留水に10分間含浸し、蒸留水から取り出した試験片を定速伸長形引張試験機に取り付け、測定する。
また、本発明の積層不織布の目付は、30〜70g/mであることが好ましく、この下限は、35g/m以上であることがより好ましい。一方、この上限は、60g/m以下であることがより好ましい。目付を30g/m以上とすることで、本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクの生産時や使用時における取扱性が優れたものとなる。一方、目付を70g/m以下とすることで、この積層不織布を用いたフェイスマスクの柔軟性がより優れたものとなり、フェイスマスクの肌表面からのはく離が抑制される。
また、本発明の積層不織布は、目付が30〜70g/mである場合に、厚みは、0.35mm〜1.3mmであることが好ましく、この下限は、0.4mm以上であることがより好ましい。一方、この上限は、1.0mm以下であることがより好ましい。厚みが0.35mm以上であり、さらに、本発明の積層不織布の目付が30〜70g/mであると、積層不織布を構成する繊維同士の過剰な交絡が抑制され、積層不織布の主に10%強力が低下することで、この積層不織布を用いたフェイスマスクの柔軟性が向上し、このフェイスマスクの肌表面からのはく離が抑制される。一方、厚みを1.3mm以下であり、かつ、本発明の積層不織布の目付が30〜70g/mであると、この積層不織布を用いたフェイスマスクの取扱性が優れたものとなる。
本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクは、極細繊維である繊維A1を有する不織布層(A)が使用者の肌側となるように使用することで、繊維A1が肌表面の細かな凹凸まで入り込み、肌表面と不織布層(A)の表面との接触面積が増大し、フェイスマスクと肌表面との摩擦係数が向上し、フェイスマスクが肌表面で滑ることが抑制され、結果的に密着性が向上するものである。フェイスマスクと肌表面との間の摩擦係数を評価する手法としては、JISP8147:1994 3.2傾斜方法に基づき、化粧水を含浸させた積層不織布と擬似肌表面との間の静摩擦係数により評価することができる。フェイスマスクの肌表面への密着性の観点から、積層不織布の不織布層(A)と擬似肌表面との間の静摩擦係数は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。
また、本発明の積層不織布を用いたフェイスマスクは、繊維Aを有する不織布層(A)が使用者の肌側となり、不織布層(B)が不織布層(A)よりも空気側となるようにして使用されることで、不織布層(A)に含まれる単繊維直径の極めて小さい繊維A1による毛細管効果で不織布層(B)に含まれる薬液が、肌表面と接する不織布層(A)側に吸い寄せられ、このことによって薬液が空気中に揮発することを抑制でき、フェイスマスクの保液性を向上させることができる。これにより、フェイスマスクを装着している間、つまり一般的なフェイスマスクの使用時間である20分経過後も、薬液がフェイスマスクに保持され、結果的にこのフェイスマスクの肌表面への密着性が優れたものとなる。上記の保液性を評価する手法としては、化粧水を含浸させた積層不織布を擬似皮膚上に上載し、積層不織布が保持する初期の化粧水質量の値と、20分後の積層不織布が保持する化粧水質量の値とを用いた薬液保持率で評価することができる。密着性を長時間維持する観点から、20分後の積層不織布の薬液保持率は、70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80%質量以上である。
ここで、本発明の積層不織布が有する不織布層(A)および不織布層(B)の少なくともいずれか一方は、スパンレース不織布であることが好ましい。スパンレース不織布は、高圧水流により構成繊維を絡合させる方法により得られるが、この方法は、ニードルパンチにより構成繊維を絡合させる方法に比べ、絡合時の構成繊維の糸切れが少なく、強度の高い不織布層が得られるため、この積層不織布を用いたフェイスマスクの生産時や使用時における取扱性を高めることができる。
本発明の積層不織布で用いられる単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維A1を得るための方法としては、例えば、以下の実施例1の項に記載の方法を採用することができる。
なお、不織布層(A)、および不織布層(B)は、それぞれ単独で高圧水流により絡合させた後に、上記の不織布層(A)と不織布層(B)を積層して、高圧水流により一体化させ積層不織布としても良いし、カーディング工程を経た後の(絡合前の)不織布層(A)のウェブと、不織布層(B)のウェブを積層し、高圧水流により絡合、一体化させ、積層不織布としても良い。
本発明の積層不職布の用途としては、化粧品資材用途、ワイピング資材用途、医薬用途、衛生資材用途、雑貨用途などで適用することができる。積層不織布を薬液や水などに浸漬させて使用する用途が好ましく、特にフェイスマスクなどの化粧水や美容液を含浸させて使用するスキンケア用品すなわち化粧品資材で適用することが好ましい。
また、本発明の積層不織布の製造方法としては、以下の製造方法が好ましい。すなわち、直径が50nm以上800nm以下の島成分を有する海島複合繊維と単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2とを混繊した後、カード工程に処し不織布層(A)の前駆体を得る工程と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bを主成分として含有する不織布層(B)と前記不織布層(A)の前駆体とを積層した後、前記不織布層(B)を構成する繊維と前記不織布層(A)の前駆体を構成する繊維とを高圧水流により絡合させ積層不織布の前駆体を得る工程と、前記積層不織布の前駆体に、前記海島複合繊維の海成分を除去する脱海処理を施す工程と、を少なくともこの順に有する積層不織布の製造方法である。
本実施例で用いた測定法を後述する。
(1)積層不織布であることの特定
鋼製定規とかみそり刃とを用いて、試料から50mm×50mmの試験片を得た。次に、2本のピンセットを用意し、2本のピンセットのうちの一方のピンセットで上記の試験片の一方の面の表面近傍部を掴み、さらに、2本のピンセットのうちの他方のピンセットで上記の試験片の他方の面の表面近傍を掴み、2本のピンセットを上記の試験片の面方向に略垂直な方向にひっぱり上記の試験片を2枚のシート状の分離試験片とすることを試みた。2枚の分離試験片が得られた場合、各分離試験片について上記の操作と同様の操作を繰り返し実施した。上記の操作の繰り返しは、上記の操作により分離試験片が得られなくなるまで繰り返し実施した。ここで、分離試験片が得られた試料は積層不織布であると認定した。一方で、分離試験片が得られなかった試料は積層不織布ではないと認定した。なお、分離試験片が積層不織布が有する不織布層に相当する。
(2)単繊維直径が1000nm以上の繊維の単繊維直径
上記の(1)項の操作を行うことで得られた複数の分離試験片の各々について、以下の方法にて分離試験片に含まれる単繊維直径が1000nm以上の繊維の単繊維直径を測定した。分離試験片のピンセットにて掴まれていない部分において、分離試験片を分離試験片の面に垂直に切断し、この分離試験片から薄切片を切り出し、この薄切片の断面にPt−Pd(白金−パラジウム)合金を真空蒸着し蒸着体を得た。次いで、この薄切片に含まれる不織布層の断面部分を走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテク社製S−3500N型)で観察し、この観察範囲から無作為に10箇所抽出し、倍率1,000倍の断面写真を撮影した。次いで、同一写真内で単繊維直径が1000nm以上の繊維を無作為に10本ずつ抽出し、計100本の単繊維直径が1000nm以上の繊維の単繊維直径を測定した。尚、単繊維直径が1000nm以上の繊維が異形断面形状の場合は、断面写真から繊維の断面積を測定し、前記の断面積から真円直径に換算することで、単繊維直径が1000nm以上の繊維の単繊維直径とした。
(3)単繊維直径が1000nm未満の繊維の単繊維直径
上記の(1)項の操作を行うことで得られた複数の分離試験片の各々について、以下の方法にて分離試験片に含まれる単繊維直径が1000nm未満の繊維の単繊維直径を測定した。断面写真の倍率を10,000倍としたこと以外は、上記(2)の繊維の単繊維直径の測定方法に記載の方法と同様にして、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテク社製SU8010型)で断面写真を撮影した。次いで、同一写真内で単繊維直径が1000nm未満の繊維を無作為に10本ずつ抽出し、計100本の単繊維直径が1000nm未満の繊維の単繊維直径を測定した。尚、単繊維直径が1000nm未満の繊維が異形断面形状の場合は、断面写真から繊維の断面積を測定し、前記の断面積から真円直径に換算することで、単繊維直径が1000nm未満の繊維の単繊維直径とした。
(4)分離試験片における単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維と単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維との含有質量比
上記の(1)項の操作を行うことで得られた複数の分離試験片の各々について、以下の方法にて分離試験片における単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維と単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維との含有質量比を測定した。すなわち、JIS L 1030−1:2006「繊維製品の混用率試験方法−第1部:繊維鑑別」、およびJIS L 1030−2:2005「繊維製品の混用率試験方法−第2部:繊維混用率」に基づいて、分離試験片から、単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維を単離し、次に、単離した単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維の質量を測定した。なお、単離した繊維の単繊維直径は上記の「(3)単繊維直径が1000nm未満の繊維の単繊維直径」に記載の方法にて測定した。また、JIS L 1030−1:2006「繊維製品の混用率試験方法−第1部:繊維鑑別」、およびJIS L 1030−2:2005「繊維製品の混用率試験方法−第2部:繊維混用率」に基づいて、分離試験片から、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維を単離し、次に、単離した単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維の質量を測定した。なお、単離した繊維の単繊維直径は上記の「(2)単繊維直径が1000nm以上の繊維の単繊維直径」に記載の方法にて測定した。
次に、単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維の質量を単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維の質量で除して、分離試験片に含まれる単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維と単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維との含有質量比を算出した。
(分離試験片に含まれる単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維と単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維との含有質量比)
=(単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維の含有量)/(単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維の含有量)
(5)目付
JIS L 1913:1998 6.2に基づいて測定した。
積層不織布の試料から50mm×50mmの試験片を、鋼製定規とかみそり刃とを用いて10枚採取した。標準状態における試験片の質量を測定して、単位面積当たりの質量を次の式によって求め、平均値を算出した。
ms=m/S
ここに、ms:単位面積当たりの質量(g/m
m:試験片の平均重量(g)
S:試験片の面積(m)。
(6)厚み
JIS L 1913:1998 6.1.2 A法に基づいて測定した。
積層不織布の試料から、50mm×50mmの試験片を5枚採取した。厚さ測定器(TECLOCK社製定圧厚さ測定器、型式PG11J)を用いて標準状態で試験片に0.36kPaの圧力を10秒間かけて厚さを測定した。測定は各試験片(5枚)について行い、平均値を算出した。
(7)湿潤時の10%伸長時強力
JIS L 1913:2010.6.3.2に基づき測定した。
積層不織布の試料から、積層不織布の製造装置の進行方向と垂直な方向が長手方向となるように、幅25mm、長さ150mmの試験片を5枚用意した。そして、100mLの蒸留水(水温:20℃)中に試験片を10分間含浸し、試験片を蒸留水から取り出してから速やかに定速伸長形引張試験機(島津製作所「AG−50kNG」)に試験片を取り付けて引張強度の測定を行った。試験片の長さ方向における、つかみ間隔を100mmとし、200mm/minの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加え、試験片が10%伸長する際の強力を、応力ひずみ曲線から読み取り、得られた計5つの測定値の平均値を湿潤時の10%伸長時強力とした。
(8)静摩擦係数
JIS P8147:1994 3.2傾斜方法に基づき測定した。
積層不織布の試料から、幅30mm、長さ130mmの積層不織布の試験片(不織布層(A)および不織布層(B)を有する積層不織布)を10枚用意した。次に、これらの10枚の試験片のうち5枚の試験片については、積層不織布の製造装置の進行方向の静摩擦係数の評価に供し、これらの10枚の試験片のうち5枚の試験片については、積層不織布の製造装置の進行方向と垂直な方向の静摩擦係数の評価に供した。具体的に、前記進行方向の評価については、100mLの蒸留水(水温:20℃)中に試験片を10分間含浸し、試験片を蒸留水から取り出してから速やかに滑り傾斜角測定装置の重りに取り付けた。一方、シリコン疑似肌表面(ビューラックス製「バイオスキンプレート」、サイズ:195mm×130mm×5Tmm、硬度Lv2)を滑り傾斜角測定装置に取り付け、試験片を取り付けた重りを試験片の測定面がシリコン疑似肌表面に接触するように、かつ、試験片の前記進行方向と滑り傾斜角測定装置の滑り方向とが一致するように疑似肌表面上に上載し、傾け角度3°/秒未満の条件で、重りが落下したときの傾斜角を読み取り、前記傾斜角の正接(tanθ)を静摩擦係数とした。また、前記進行方向と垂直な方向の評価については、100mLの蒸留水(水温:20℃)中に試験片を10分間含浸し、取り出してから速やかに滑り傾斜角測定装置の重りに取り付けた。一方、シリコン疑似肌表面を滑り傾斜角測定装置に取り付け、試験片を取り付けた重りを試験片の測定面がシリコン疑似肌表面に接触するように、かつ、試験片の前記進行方向と垂直な方向と滑り傾斜角測定装置の滑り方向とが一致するように疑似肌表面上に上載し、傾け角度3°/秒未満の条件で、重りが落下したときの傾斜角を読み取り、前記傾斜角の正接(tanθ)を静摩擦係数とした。得られた10枚の試験片の静摩擦係数の平均値を積層不織布の静摩擦係数とした。
(9)化粧水の質量保持率
温度20℃×湿度60%RHの雰囲気下で24hr調湿した積層不織布の試料から、幅25mm、長さ25mmの積層不織布の試験片を5枚採取した。次いでこの試験片の質量(g)を測定した。また、シリコン疑似肌表面(ビューラックス製「頬部肌模型 40代」、サイズ:φ50mm×5Tmm)の質量(g)を測定した。試験片をこのシリコン疑似肌表面に上載し、化粧水(無印良品「化粧水・敏感肌用しっとりタイプ」(登録商標)、株式会社良品計画)を、試験片の質量に対しての7倍の質量となるように含浸させ、この状態で試験片とシリコン疑似肌表面と化粧水の初期の合計質量(g)を測定し、温度20℃×湿度60%RHの恒温恒湿槽に投入した。20分後に上記のサンプルを取り出し、試験片とシリコン疑似肌表面と化粧水の20分後の合計質量(g)を測定し、下式により薬液保持率(%)を算出した。測定は5枚分行い、平均値を算出し化粧水の質量保持率とした
初期の化粧水質量(g)=初期の合計質量(g)−シリコン疑似肌表面の質量(g)−試験片の質量(g)
20分後の化粧水質量=20分後の合計質量(g)−シリコン疑似肌表面の質量(g)−試験片の質量(g)
化粧水の質量保持率(%)=20分後の化粧水質量(g)/初期の化粧水質量(g)×100。
(10)市販のフェイスマスクの洗浄方法
市販のフェイスマスクを用いて、本実施例に記載の測定を実施する場合には、予め含浸してある薬液を洗浄、除去し、これを測定に供することができる。具体的に、1Lの蒸留水(水温:20℃)中に市販のフェイスマスクを投入し、5分間手指の腹で繰り返し押えて、予め含浸されている薬液を洗い出す。この作業を5回行った後、蒸留水中からフェイスマスクを慎重に取り上げ、広げたキムタオル(日本製紙クレシア/4枚重ね)等にこれを挟み、掌で軽く押えた後、平坦な場所で広げて静置し、温度20℃×湿度60%RHの雰囲気下で24hr調湿する。調湿後のフェイスマスクは所定のサイズに切り出し、各測定に供することができる。
(11)モニター評価(参考情報)
参考情報を得るために積層不織布を用いたフェイスマスクについてモニター評価を実施した。
各実施例および比較例で得られた積層不織布をマスク形に打ち抜きフェイスマスクを作成し、化粧水(無印良品「化粧水・敏感肌用しっとりタイプ」(登録商標)、株式会社良品計画)を、このフェイスマスクの質量に対しての7倍の質量となるように含浸させ、表情筋を動かした際の密着性と柔軟性、装着する際の取扱性について女性パネル10名により各人の絶対評価にて10点満点で評価し、10名の平均点(小数点以下は四捨五入)から下記基準にて評価した。
A:9〜10点
B:6〜8点
C:3〜5点
D:0〜2点。
(実施例1)
(海島複合繊維)
島成分として、ポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度:160Pa・s)と海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸8.0モル%共重合したPET(共重合PET 溶融粘度:95Pa・s)を290℃で別々に溶融後、計量し、既知の複合口金(国際公開12/173116号公報の図6(b)に開示された配列の複合口金)が組み込まれ、1つの吐出孔あたり島成分用として1000の分配孔を穿設した分配プレートを使用した紡糸パックに、海/島成分の複合比が60/40となるように流入し、吐出孔から複合ポリマー流を吐出して溶融紡糸を行い、未延伸繊維を得た。これを、延伸速度800m/minで延伸し、島成分径が230nm、150dtex−15フィラメントの海島複合繊維を得た。得られた海島複合繊維の強度は、3.6cN/dtex、伸度30%の優れた特性を示した。
(捲縮・カット工程)
上記海島複合繊維からなるフィラメントに捲縮(12山/25mm)を施した後、51mmの短繊維にカットした。
(不織布層(A))
上記の海島複合繊維(島成分径:230nm)83質量%と、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)17質量%をカードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとした。このウエッブを、圧力3MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、13g/mの不織布層(A)を得た。
(不織布層(B))
ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(単繊維直径:12μm)70質量%、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)30質量%を、カードで混繊、開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとした。このウエッブを、圧力3MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、36g/mの不織布層(B)を得た。
(積層不織布)
上記で得られた不織布層(B)の表裏面に不織布層(A)をそれぞれ配し、不織布構成をA/B/Aとし、さらに圧力:10MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、目付62g/mの積層不織布を得た。次に、前記積層不織布を、1%水酸化ナトリウム水溶液で温度95℃、浴比1:40、処理時間30分にて処理することにより、不織布層(A)に含まれる極細繊維カットファイバーの海成分を脱海し、目付50g/mの積層不織布層を得た。不織布層(A)に含まれる繊維A1の単繊維直径は230nmであった。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例2)
実施例1の海島複合繊維の島成分をナイロン6(N6 溶融粘度:190Pa・s)として、紡糸温度を270℃に変更し、海島複合繊維の島成分径を700nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布を用いて実施例1と同一の方法でフェイスマスクを得た。本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例3)
実施例2の海島複合繊維の島成分径を300nmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布を用いて実施例1と同一の方法でフェイスマスクを得た。本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例4)
(海島複合繊維)
溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のナイロン6(N6)(40質量%)と、重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点170℃で光学純度99.5%以上のポリL乳酸(60質量%)とを別々に計量し、別々に下記詳細の2軸押し出し混練機に供給し、220℃で混練してポリマーアロイチップを得た。
スクリュー形状:同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー :直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた
途中3箇所のバックフロー部有り
ベント :2箇所。
得られたポリマーアロイチップを、ステープル用紡糸機の一軸押し出し型溶融装置に供給し、溶融温度235℃、紡糸温度235℃(口金面温度220℃)、紡糸速度1200m/minとして溶融紡糸を行い、海島複合繊維を得た。これを合糸した後、スチーム延伸を行い単糸繊度3.0dtexの海島複合繊維からなるトウを得た。得られた海島複合繊維の強度は、3.5cN/dtex、伸度45%、U%=1.0%の優れた特性を示した。
(捲縮・カット工程)
上記海島複合繊維からなるトウに捲縮(12山/25mm)を施した後、51mmの短繊維にカットした。
(不織布層(A))
上記の海島複合繊維(島成分径:230nm)83質量%と、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)17質量%をカードで開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとした。このウエッブを、圧力3MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、13g/mの不織布層(A)を得た。
(不織布層(B))
ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(単繊維直径:12μm)70質量%、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)30質量%を、カードで混繊、開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとした。このウエッブを、圧力3MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、36g/mの不織布層(B)を得た。
(積層不織布)
上記で得られた不織布層(B)の表裏面に不織布層(A)をそれぞれ配し、不織布構成をA/B/Aとし、さらに圧力:10MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、目付62g/mの積層不織布を得た。次に、前記積層不織布を、1%水酸化ナトリウム水溶液で温度95℃、浴比1:40、処理時間30分にて処理することにより、不織布層(A)に含まれる極細繊維カットファイバーの海成分を脱海し、目付50g/mの積層不織布層を得た。不織布層(A)に含まれる繊維A1の単繊維直径は230nmであった。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例5)
実施例4の不織布層(A)に含まれるレーヨン繊維(単繊維直径:11μm)を、PET繊維(単繊維直径:12μm)に変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例6)
実施例4の不織布層(A)に含まれるレーヨン繊維(単繊維直径:11μm)を、PET繊維(単繊維直径:16μm)に変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例7)
実施例4の繊維A1の含有量を15質量%、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)の含有量を85質量%に変更した以外は実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例8)
実施例4の繊維A1の含有量を70質量%、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)の含有量を30質量%に変更した以外は実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例9)
実施例4の不織布層(A)に含まれるレーヨン繊維(単繊維直径:11μm)の単繊維直径を7μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例10)
実施例4の積層不織布の厚みを0.30mmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(実施例11)
実施例4の積層不織布の厚みを1.50mmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本実施例の積層不織布の不織布構成を表1にまとめ、この積層不織布の物性等を表2にまとめた。
(比較例1)
実施例4の繊維A1の含有量を10質量%、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)の含有量を90質量%に変更した以外は実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本比較例の積層不織布の不織布構成を表3にまとめ、この積層不織布の物性等を表4にまとめた。
(比較例2)
実施例4の繊維A1の含有量を80質量%、レーヨン繊維(単繊維直径:11μm)の含有量を20質量%に変更した以外は実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本比較例の積層不織布の不織布構成を表3にまとめ、この積層不織布の物性等を表4にまとめた。
(比較例3)
実施例4の海島複合繊維の島成分径を1000nmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本比較例の積層不織布の不織布構成を表3にまとめ、この積層不織布の物性等を表4にまとめた。
(比較例4)
実施例4の不織布層(A)に含まれるレーヨン繊維(単繊維直径:11μm)の単繊維直径を1μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本比較例の積層不織布の不織布構成を表3にまとめ、この積層不織布の物性等を表4にまとめた。
(比較例5)
実施例4の不織布層(A)に含まれるレーヨン繊維(単繊維直径:11μm)の単繊維直径を38μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本比較例の積層不織布の不織布構成を表3にまとめ、この積層不織布の物性等を表4にまとめた。
(比較例6)
実施例4の不織布層(B)に含まれるPET繊維(単繊維直径:12μm)の単繊維直径を35μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本比較例の積層不織布の不織布構成を表3にまとめ、この積層不織布の物性等を表4にまとめた。
(比較例7)
実施例4の不織布層(B)に含まれるPET繊維(単繊維直径:12μm)の単繊維直径を1μmに変更した以外は、実施例4と同様にして、目付50.0g/mの積層不織布を得た。
次に、この積層不織布をマスク形に打ち抜き、フェイスマスクを作成した。また、本比較例の積層不織布の不織布構成を表3にまとめ、この積層不織布の物性等を表4にまとめた。
ここで、比較例1のフェイスマスクの密着性と柔軟性は、実施例4のフェイスマスクの密着性と柔軟性に比べ劣っていた。これは、比較例1のフェイスマスクに用いた積層不織布を構成する不織布層(A)が含有する繊維A1の含有量が、実施例4のフェイスマスクに用いた積層不織布(不織布4)が含有する繊維A1の含有量と比べ低いためであると推測する。
また、比較例2のフェイスマスクの密着性と柔軟性は、実施例4のフェイスマスクの密着性と柔軟性に比べ劣っていた。これは、比較例2のフェイスマスクに用いた積層不織布を構成する不織布層(A)が含有する繊維A1の含有量が、不織布4が含有する繊維A1の含有量と比べ高いためであると推測する。
また、比較例3のフェイスマスクの密着性と柔軟性は、実施例4のフェイスマスクの密着性と柔軟性に比べ劣っていた。これは、比較例3のフェイスマスクに用いた積層不織布を構成する不織布層(A)が含有する繊維A1の単繊維直径が、不織布4が含有する繊維A1の単繊維直径と比べ大きいためであると推測する。
また、比較例4のフェイスマスクの密着性は、実施例4のフェイスマスクの密着性に比べ劣っていた。これは、比較例4のフェイスマスクに用いた積層不織布を構成する不織布層(A)が含有するレーヨン繊維の単繊維直径が、不織布4が含有するレーヨン繊維の単繊維直径と比べ小さいためであると推測する。
また、比較例5のフェイスマスクの密着性と柔軟性は、実施例4のフェイスマスクの密着性と柔軟性に比べ劣っていた。これは、比較例5のフェイスマスクに用いた積層不織布を構成する不織布層(A)が含有するレーヨン繊維の単繊維直径が、不織布4が含有するレーヨン繊維の単繊維直径と比べ大きいためであると推測する。
また、比較例6のフェイスマスクの密着性と柔軟性は、実施例4のフェイスマスクの密着性と柔軟性に比べ劣っていた。これは、比較例6のフェイスマスクに用いた積層不織布を構成する不織布層(B)が含有するPET繊維の単繊維直径が、不織布4が含有するPET繊維の単繊維直径と比べ大きいためであると推測する。
また、比較例7のフェイスマスクの取扱性は、実施例4のフェイスマスクの取扱性に比べ劣っていた。これは、比較例7のフェイスマスクに用いた積層不織布を構成する不織布層(B)が含有するPET繊維の単繊維直径が、不織布4が含有するPET繊維の単繊維直径と比べ小さいためであると推測する。
Figure 2020084386
Figure 2020084386
Figure 2020084386
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Claims (7)

  1. 不織布層(A)と不織布層(B)とを備える積層不織布であって、
    前記不織布層(A)は、単繊維直径が50nm以上800nm以下の繊維A1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2とから構成される繊維群を主成分として有しており、
    前記繊維A1と前記繊維A2との含有質量比(繊維A1/繊維A2)は、15/85〜75/25であり、
    前記不織布層(A)は、前記積層不織布の少なくとも一方の面の最外層に配置され、
    前記不織布層(B)は、単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bを主成分として有しており、
    前記積層不織布が、JIS L 1913:2010.6.3.2に準じて測定される湿潤時の10%伸長時強力の、MD方向とCD方向の平均値が0.5N/25mm以上6.0N/25mm以下であることを特徴とする、積層不織布。
  2. 前記積層不織布の目付が30g/cm以上70g/cm以下であり、
    前記積層不織布の厚みが0.35mm以上1.30mm以下である、
    請求項1に記載の積層不織布。
  3. 前記不織布層(B)に含まれる繊維Bは、単繊維直径が3μm以上30μm以下の疎水性繊維B1と、単繊維直径が3μm以上30μm以下の親水性繊維B2とから構成される繊維群を主成分として有しており、
    前記疎水性繊維B1と前記親水性繊維B2との含有質量比(疎水性繊維B1/親水性繊維B2)が、55/45〜85/15である、
    請求項1または2に記載の積層不織布。
  4. 前記不織布層(A)が最外層に配置された側の前記積層不織布の面のシリコン疑似肌表面に対する静摩擦係数が、0.4以上であることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の積層不織布。
  5. 前記不織布層(A)に含まれる前記繊維A1がポリアミド繊維であり、前記繊維A2がレーヨンであることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の積層不織布
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層不織布を用いた、フェイスマスク。
  7. 直径が50nm以上800nm以下の島成分を有する海島複合繊維と単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維A2とを混繊した後、カード工程に処し不織布層(A)の前駆体を得る工程と、
    単繊維直径が3μm以上30μm以下の繊維Bを主成分として含有する不織布層(B)と前記不織布層(A)の前駆体とを積層した後、前記不織布層(B)を構成する繊維と前記不織布層(A)の前駆体を構成する繊維とを高圧水流により絡合させ積層不織布の前駆体を得る工程と、
    前記積層不織布の前駆体に、前記海島複合繊維の海成分を除去する脱海処理を施す工程と、を少なくともこの順に有する積層不織布の製造方法。
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