JP2023058871A - ポリシロキサン化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】医療用材料に好適なポリシロキサン化合物及びその製造方法を提供する。【解決手段】1分子中に1個の炭素数8~20の環状脂肪族炭化水素基を含むポリシロキサン化合物であって、前記環状脂肪族炭化水素基の脂肪族環上に(メタ)アクリロキシ基及び第3級水酸基を有するものであることを特徴とするポリシロキサン化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリシロキサン化合物及びその製造方法に関する。
従来、眼科用デバイスをはじめとした医療用材料に用いられる化合物として、シロキサンを有するモノマーが知られている。例えば、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート(TRIS)は、眼科用デバイス用モノマーとして広く用いられている。このTRISと親水性モノマーであるN,N-ジメチルアクリルアミドやN-ビニル-2-ピロリドンを共重合して得られるポリマーは高酸素透過性であるという有益な特長を有する。しかし、疎水性の高いシロキサンモノマーはこれらの親水性モノマーとの相溶性が高いとは言えず、医療用材料となるハイドロゲルを作製した際に相分離が起こり、白濁してしまうという問題がある。
特許文献1には、下記式(a)、(a’)で示されるグリセロールメタクリレートを有するシロキサンが記載されている。
Figure 2023058871000001
また、特許文献2には、下記式(b)、(b’)で示されるグリセロールメタクリレートを有するシロキサンが記載されている。
Figure 2023058871000002
また、特許文献3には、下記式(c)で示される脂環式メタクリレートを有するシロキサンが記載されている。
Figure 2023058871000003
これらの化合物は、分子内に水酸基を有するため良好な親水性を発現する。それゆえに、親水性モノマーとの相溶性に優れるという利点を有している。
しかし、上述のような(ポリ)シロキサンと重合性基との連結基に第一級水酸基または第二級水酸基を有する化合物でハイドロゲルを作製する場合、これらの反応性の高い水酸基が望ましくない結果をもたらす場合がある。例えば、上記水酸基にラジカルが付加し、ヒドロキシラジカルによる架橋構造が形成される恐れがある。それにより、予期せぬ硬度の増加や柔軟性の低下が引き起こされる。そのため、従来のシロキサン化合物では、有益な親水性や十分な強度を有する医療用材料を提供することができない。そこで、これらの欠点を克服する化合物及び組成物に対する需要が依然として存在する。
特開2005-170827号公報 特開2013-231046号公報 特表2018-510946号公報
本発明は医療用材料に好適なポリシロキサン化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、1分子中に1個の炭素数8~20の環状脂肪族炭化水素基を含むポリシロキサン化合物であって、前記環状脂肪族炭化水素基の脂肪族環上に(メタ)アクリロキシ基及び第3級水酸基を有するものであるポリシロキサン化合物を提供する。
このようなポリシロキサン化合物であれば、医療用材料に好適に用いることができる。
また、本発明では、前記ポリシロキサン化合物が、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2023058871000004
(式(1)中、Rはメチル基または水素原子であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基である。)
Figure 2023058871000005
Figure 2023058871000006
(前記式(2)において、Rは互いに独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、nは1~200の整数である。破線は結合手を表す。前記式(3)において、Rは前記の通りであり、aは0~10の整数であり、bは0~10の整数であり、cは0~10の整数であり、ただしa+b+cは2以上である。破線は結合手を表す。)
このようなポリシロキサン化合物であれば、医療用材料に好適に用いることができる。
また、本発明では、前記式(1)において、Aが前記式(2)で表され、nが4~100の整数であることが好ましい。
このようなポリシロキサン化合物であれば、医療用材料により好適に用いることができる。
また、本発明では、前記式(1)において、Aが前記式(3)で表され、aが1であり、bが1であり、cが0であることも好ましい。
このようなポリシロキサン化合物であれば、医療用材料にさらに好適に用いることができる。
また、本発明では、前記式(1)において、Rがメチル基であることが好ましい。
本発明のポリシロキサン化合物は、このようなものが好ましい。
また、本発明では、前記式(2)または(3)において、Rが互いに独立に、メチル基またはブチル基であることが好ましい。
本発明のポリシロキサン化合物は、このようなものがより好ましい。
また、本発明では、上記に記載のポリシロキサン化合物の(メタ)アクリロキシ基の重合から導かれる繰り返し単位を含むものであるポリマーを提供する。
このようなポリマーであれば、(メタ)アクリロキシ基などの重合性基を有するほかの化合物との相溶性が良好である。
このとき、前記繰り返し単位の質量割合がポリマーの全質量に対し10質量%以上であることが好ましい。
このようなポリマーであれば、ポリシロキサン化合物の特性が表れやすい。
また、本発明では、上記に記載のポリマーを含むものであるハイドロゲル、又は医療用材料を提供する。
本発明のポリマーは、このような用途に好適に用いることができる。
また、本発明では、下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物の製造方法であって、
Figure 2023058871000007
(式(1)中、Rはメチル基または水素原子であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基である。)
Figure 2023058871000008
Figure 2023058871000009
(前記式(2)において、Rは互いに独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、nは1~200の整数である。破線は結合手を表す。前記式(3)において、Rは前記の通りであり、aは0~10の整数であり、bは0~10の整数であり、cは0~10の整数であり、ただしa+b+cは2以上である。破線は結合手を表す。)
下記式(4)で表される、末端に不飽和基を含有する化合物と、
Figure 2023058871000010
(Rは前記の通りである。)
下記式(5)または(6)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物、
Figure 2023058871000011
Figure 2023058871000012
(R、n、a、b、cは前記の通りである。)
とをヒドロシリル化反応させて、前記式(1)で表されるポリシロキサン化合物を得る工程を含むポリシロキサン化合物の製造方法を提供する。
このようなポリシロキサン化合物の製造方法であれば、ポリシロキサン化合物を高純度で得ることができる。
本発明のポリシロキサン化合物は、第三級水酸基で置換された環状脂肪族炭化水素基を有することにより、親水性モノマーとの相溶性に優れるとともに、医療用材料としたときに予期せぬ硬度の増加や柔軟性の低下が生じない。さらに、本発明のポリシロキサン化合物の(メタ)アクリロキシ基の重合から導かれる繰返し単位を含む(共)重合体は、好ましい強度を有する。本発明のポリシロキサン化合物は、医療用材料用モノマーとして有用である。
上述のように、医療用材料に好適なポリシロキサン化合物及びその製造方法の開発が求められていた。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、第三級水酸基で置換された環状脂肪族炭化水素基を有するポリシロキサン化合物が、他の親水性モノマーとの相溶性に優れていることを見出した。また、該(ポリ)シロキサン化合物と親水性モノマーの(共)重合体が柔軟性に優れていることをも見出した。
即ち、本発明は、1分子中に1個の炭素数8~20の環状脂肪族炭化水素基を含むポリシロキサン化合物であって、前記環状脂肪族炭化水素基の脂肪族環上に(メタ)アクリロキシ基及び第3級水酸基を有するものであるポリシロキサン化合物に関するものであり、特には、下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物に関するものである。
Figure 2023058871000013
(式(1)中、Rはメチル基または水素原子であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基である。)
Figure 2023058871000014
Figure 2023058871000015
(前記式(2)において、Rは互いに独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、nは1~200の整数である。破線は結合手を表す。前記式(3)において、Rは前記の通りであり、aは0~10の整数であり、bは0~10の整数であり、cは0~10の整数であり、ただしa+b+cは2以上である。破線は結合手を表す。)
さらに本発明は、該ポリシロキサン化合物の製造方法、該化合物から導かれる繰り返し単位を含むポリマー、及び該ポリマーを含む医療用材料、特には眼科用デバイスを提供する。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ポリシロキサン化合物]
本発明は、1分子中に1個の炭素数8~20の環状脂肪族炭化水素基を含むポリシロキサン化合物であって、前記環状脂肪族炭化水素基の脂肪族環上に(メタ)アクリロキシ基及び第3級水酸基を有するものであるポリシロキサン化合物に関するものである。
環状脂肪族炭化水素基の脂肪族環上に(メタ)アクリロキシ基及び第3級水酸基を有する基としては、炭素数8~20であれば特に限定されないが、例えば下記式に示すような環状脂肪族炭化水素基が好ましい。
Figure 2023058871000016
(前記式中、*はポリシロキサンのケイ素原子と結合する遊離基を示す)
特には前記ポリシロキサン化合物が、下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物であることが好ましい。
Figure 2023058871000017
(式(1)中、Rはメチル基または水素原子であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基である。)
Figure 2023058871000018
Figure 2023058871000019
(前記式(2)において、Rは互いに独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、nは1~200の整数である。破線は結合手を表す。前記式(3)において、Rは前記の通りであり、aは0~10の整数であり、bは0~10の整数であり、cは0~10の整数であり、ただしa+b+cは2以上である。破線は結合手を表す。)
該化合物はポリシロキサン構造を有し、かつポリシロキサンと重合性基である(メタ)アクリロキシ基との連結基が第三級水酸基で置換された環状脂肪族炭化水素基を含有することを特徴とする。本発明のポリシロキサン化合物において、この第三級水酸基が親水基となり、それには立体的な制限が存在する。これにより反応時の副反応を抑制し、また、本発明のポリシロキサン化合物の(メタ)アクリロキシ基の重合から導かれる繰返し単位を含むポリマー((共)重合体)において水素結合の方向性に由来する強固な水素結合性が生まれ、高い強度が得られると推測される。すなわち、本発明のポリシロキサン化合物は、親水性モノマーとの高い相溶性を有し、導かれる(共)重合体において好ましい強度を提供でき、さらに予期せぬ硬度の増加や柔軟性の低下も生じない。
上記式(1)において、Rはメチル基または水素原子であり、好ましくは、メチル基である。
Aは上記式(2)または(3)で表される基であり、nは1~200の整数であり、好ましくは、nは4~100の整数であり、更に好ましくは、nは4~30の整数である。aは0~10の整数であり、bは0~10の整数であり、cは0~10の整数であり、ただしa+b+cは2以上である。また、式(3)において、aが1であり、bが1であり、及びcが0であるのが好ましい。
上記式(2)または(3)において、Rは、互いに独立に、炭素数1~6の1価炭化水素基である。1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基等が挙げられる。Rは、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはブチル基である。
[ポリシロキサン化合物の製造方法]
以下、上記式(1)で示されるポリシロキサン化合物の製造方法を説明する。
本発明のポリシロキサン化合物の製造方法は、下記式(4)で表される、末端に不飽和基を含有する化合物(不飽和化合物)と、
Figure 2023058871000020
(Rは上記の通りである。)
下記式(5)または(6)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物、
Figure 2023058871000021
Figure 2023058871000022
(R、n、a、b、cは上記の通りである。)
とを触媒の存在下でヒドロシリル化反応させて、上記式(1)で表される化合物を得る工程を含むポリシロキサン化合物の製造方法である。
本発明のポリシロキサン化合物の製造方法は、末端に不飽和結合を有し、かつ第三級水酸基で置換された環状脂肪族炭化水素基を有する化合物(式(4))を原料として用いることを特徴とする。本発明のポリシロキサン化合物の製造方法において、上記式(4)で表される原料化合物が有する水酸基はシクロヘキサン環上に存在する第三級水酸基であるため、ヒドロシリル化反応において水酸基が望ましくない副反応を起こすことを抑制できる。これにより本発明のポリシロキサン化合物を高純度にて得ることができる。
上記ヒドロシリル化反応は従来公知の方法に従い行えばよい。本発明では、式(5)または式(6)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物に式(4)で表される不飽和化合物を例えば1モル当量以上を添加して反応させればよい。反応温度は特に制限されるものでないが、使用する溶媒の沸点を超えない程度の温度が好ましい。例えば、約0℃から約120℃の温度で行われるのがよい。該ヒドロシリル化反応は溶媒、ヒドロシリル化触媒、又は安定剤の存在下で行ってもよい。溶媒、ヒドロシリル化触媒及び安定剤は従来公知のものであればよく特に制限されるものではない。
上記ヒドロシリル化反応において不飽和化合物は、ハイドロジェンシロキサン化合物に対して1モル当量以上を添加することが好ましい。より好ましくは1.0~3.0モル当量であり、更に好ましくは1.1~2.0モル当量であり、特に好ましくは1.2~1.5モル当量である。ハイドロジェンシロキサン化合物に対して不飽和化合物を1モル当量以上添加することでハイドロジェンシロキサン化合物の残存および副反応の抑制ができる。また、上限値は制限されないが、3.0モル当量以下であれば収率や経済性の点から好ましい。
(ヒドロシリル化触媒)
ヒドロシリル化触媒は、例えば、貴金属触媒、特には塩化白金酸から誘導される白金触媒が好ましい。特に、塩化白金酸の水素イオンを重曹で完全中和して白金触媒の安定性を向上させるのがよい。例えば1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルジシロキサンと塩化白金酸の重曹中和物との錯体(カルステッド触媒)がより好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は上記ヒドロシリル化反応を進行させるための触媒量であればよい。例えば、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルジシロキサンと塩化白金酸の重曹中和物との錯体を、式(5)または(6)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物の質量に対し、白金換算量で1ppm~80ppmとなる量で使用すればよい。
(溶媒)
溶媒は、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びポリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル及び安息香酸メチル等のエステル系溶媒;直鎖ヘキサン、直鎖ヘプタン及び直鎖オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン及びエチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素溶媒;並びに石油系溶媒等;及び、メチルアルコール、エチルアルコール、直鎖プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、直鎖ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びポリエチレングリコールなどのアルコール系溶媒が挙げられる。前記溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。
(安定剤)
安定剤は、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、及びイオウ系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、p-メトキシフェノール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、4,4-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、フェノール樹脂類、及びクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物等が挙げられる。リン系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、トリス[2-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2-[(4,6,9,11-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-2-イル)オキシ]エチル]アミン、および亜リン酸エチルビス(2,4-ジtert-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。アミン系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、トリ又はテトラC1-3アルキルピペリジン又はその誘導体、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)オギサレート、1,2-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシ)エタン、フェニルナフチルアミン、N,N’-ジフェニル-1,4-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-シクロヘキシル-1,4-フェニレンジアミン等が挙げられる。イオウ系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。前記安定剤は1種を単独で使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。
上記のヒドロシリル化反応において、反応終点は、従来公知の方法に従い確認することができる。例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又はガスクロマトグラフィー(GC)等によって原料化合物のピークが消失したことで確認できる。
反応終了後は、従来公知の方法に従い精製すればよい。例えば、有機層を水で洗浄した後、溶媒を除去することにより生成物を単離することができる。また、減圧蒸留や活性炭処理などを使用してもよい。
本発明のポリシロキサン化合物の製造方法の一例としては、式(5)または式(6)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物1モル当量と上記式(4)で表される不飽和化合物1.3モル当量、塩化白金酸重曹中和物・ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5wt%)をポリシロキサン化合物の質量に対し白金換算量で10ppm、トルエンをハイドロジェンシロキサン化合物に対して100質量%を添加し、窒素雰囲気下80℃で加熱撹拌を行う。2時間程度反応させることにより反応は完結する。また、その際に不飽和化合物あるいは生成する化合物をGC測定等でモニタリングすることで反応の進行を確認できる。反応の完結後、n-ヘキサンをハイドロジェンシロキサン化合物に対して100質量%を添加し、有機層をメタノール水(メタノール:水=4:1)で洗浄し、有機層に存在する溶媒、未反応の原料を減圧留去することで、上記式(1)で表されるポリシロキサン化合物を得ることができる。
[ポリマー]
本発明のポリシロキサン化合物は、ポリシロキサン化合物の(メタ)アクリロキシ基の(付加)重合から導かれる繰り返し単位を含むポリマー(重合体)を与えることができる。本発明のポリシロキサン化合物は、(メタ)アクリロキシ基などの重合性基を有する他の化合物(以下、重合性モノマー、または親水性モノマーという)との相溶性が良好である。そのため、重合性モノマーと共重合することにより無色透明の共重合体を与えることができる。また、単独で重合することも可能である。
本発明のポリシロキサン化合物と他の重合性(親水性)モノマーとの重合から導かれる繰返し単位を含む共重合体の製造において、本発明のポリシロキサン化合物の配合割合は、本発明のポリシロキサン化合物から導かれる繰り返し単位の質量割合がポリマーの全質量に対し10質量%以上であることが好ましい。より詳細には、本発明のポリシロキサン化合物と重合性(親水性)モノマーとの合計100質量部に対して本発明のポリシロキサン化合物の(メタ)アクリロキシ基の(付加)重合から導かれる繰り返し単位を好ましくは10~80質量部、より好ましくは10~60質量部となる量がよい。上記繰り返し単位の質量割合が10質量%以上であれば、本発明のポリシロキサン化合物の特性が表れやすい。
重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3―ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のアクリル系モノマー;N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-アクリロイルモルホリン、N-メチル(メタ)アクリルアミド等のアクリル酸誘導体;N-ビニルピロリドン等、その他の不飽和脂肪族もしくは芳香族化合物、例えばクロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸;及び(メタ)アクリル基などの重合性基を有するシロキサンモノマーが挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリシロキサン化合物と上記他の重合性モノマーとの共重合は従来公知の方法により行えばよい。例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤など既知の重合開始剤を使用して行うことができる。該重合開始剤としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩などがあげられる。これら重合開始剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。重合開始剤の配合量は、重合成分の合計100質量部に対して0.001~2質量部が好ましく、より好ましくは0.01~1質量部であるのがよい。
本発明のポリシロキサン化合物の(メタ)アクリロキシ基の重合から導かれる繰返し単位を含む重合体は、親水性に優れる。また、該重合体から得られるハイドロゲルは透明性および強度が高い。また、該重合体から医療用材料を得ることもできる。従って、本発明のポリシロキサン化合物は、医療用材料、例えば、眼科デバイス、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜を製造するのに好適である。該重合体を用いた医療用材料の製造方法は特に制限されるものでなく、従来公知の医療用材料の製造方法に従えばよい。例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズなどレンズの形状に成形する際には、切削加工法や鋳型(モールド)法などを使用できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
下記実施例において、H-NMR分析はJEOL製のECS400を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して実施した。
また、ガスクロマトグラフ(GC)測定は、すべて下記の条件で行われた。
測定装置:Agilent社ガスクロマトグラフィー(FID検出器)
キャピラリーカラム:Agilent社製 J&W HP-5ms
(内径:0.25mm×長さ:30m×膜厚:0.25μm)
昇温プログラム:50℃(5分)→10℃/分→250℃(保持)
注入口温度:250℃
検出器温度:FID300℃
キャリアガス:ヘリウム(1.0ml/分)
スプリット比:50:1
注入量:1μL
下記実施例および比較例に使用した化合物は以下の通りである。
MHMVCH:式(7)で表される化合物
Figure 2023058871000023
AHPM:式(8A)(8B)で表される化合物の異性体混合物
Figure 2023058871000024
C-SiGMA:式(9A)(9B)で表される化合物の異性体混合物
Figure 2023058871000025
合成例1
ジムロート、温度計を付けた300mLの三口ナスフラスコに、窒素雰囲気下で下記式(10)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物50.0g、MHMVCH42.6g(ハイドロジェンシロキサン化合物に対する不飽和化合物のモル比=1.3)、トルエン50.0g、塩化白金酸重曹中和物・ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5wt%)0.03gを添加し、80℃まで加熱し、4時間熟成した。反応後にn-ヘキサンを50.0g添加し、メタノール水溶液(メタノール:水=4:1)で5回洗浄し、内温80℃で溶媒および未反応の原料などを減圧留去することで無色透明液体を得た。収量72.5g。H-NMRから式(10A)で表される化合物であることを確認した。GC測定を行い、目的物の純度を面積%から算出したところ、92.3%であった。
Figure 2023058871000026
Figure 2023058871000027
以下にH-NMRデータを示す。
-0.10-0.20ppm(21H)、0.30ppm(1H)、0.54ppm(1H)、0.88ppm(3H)、1.17ppm(2.5H)、1.30-1.80ppm(9H)、1.90-2.00ppm(3H)、2.20-2.30ppm(0.5H)、4.08ppm(0.4H)、4.84ppm(0.6H)、5.48-5.58ppm(1H)、6.05-6.12ppm(1H)。
合成例2
合成例1において式(10)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物を下記式(11)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物50.0g、MHVCH17.5g(ハイドロジェンシロキサン化合物に対する不飽和化合物のモル比=1.3)に替えた他は合成例1と同様の方法で無色透明液体を得た。収量61.2g。H-NMRにより下記式(11A)で表される化合物であることを確認した。GC測定を行い、目的物の純度を面積%から算出したところ、93.2%であった。
Figure 2023058871000028
Figure 2023058871000029
以下にH-NMRデータを示す。
-0.10-0.20ppm(33H)、0.30ppm(1H)、0.54ppm(1H)、0.88ppm(3H)、1.17ppm(2.5H)、1.30-1.80ppm(9H)、1.90-2.00ppm(3H)、2.20-2.30ppm(0.5H)、4.08ppm(0.4H)、4.84ppm(0.6H)、5.48-5.58ppm(1H)、6.05-6.12ppm(1H)。
合成例3
合成例1において式(10)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物を下記式(12)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物50.0g、MHVCH10.5g(ハイドロジェンシロキサン化合物に対する不飽和化合物のモル比=1.3)に替えた他は合成例1と同様の方法で無色透明液体を得た。収量48.8g。H-NMRにより下記式(12A)で表される化合物であることを確認した。
Figure 2023058871000030
Figure 2023058871000031
以下にH-NMRデータを示す。
-0.10-0.20ppm(132H)、0.30ppm(1H)、0.40ppm(2H)、0.54ppm(1H)、0.88ppm(6H)、1.17ppm(2.5H)、1.30-1.80ppm(13H)、1.90-2.00ppm(3H)、2.20-2.30ppm(0.5H)、4.08ppm(0.4H)、4.84ppm(0.6H)、5.48-5.58ppm(1H)、6.05-6.12ppm(1H)。
比較合成例1
合成例2においてMHMVCHをAHPM40.8g(ハイドロジェンシロキサン化合物に対する不飽和化合物のモル比=1.3)に替えた他は合成例1と同様の方法で無色透明液体を得た。収量72.5g。H-NMRにより下記式(13A)及び(13B)で表される化合物の異性体混合物であることを確認した。GC測定を行い、目的物の純度を面積%から算出したところ、89.3%であった。
Figure 2023058871000032
合成例2および比較合成例1に示す通り、シクロヘキサン環上に存在する第三級水酸基を含有する不飽和基含有化合物(MHMVCH)は、ハイドロジェンシロキサンとの付加反応において、ヒドロシリル化反応の際の副反応が抑制されることから、第一級及び第二級水酸基を有する不飽和基含有化合物(AHPM)に比べ高い純度でポリシロキサン化合物を製造できる。
[実施例1~4及び比較例1~3]
ハイドロゲルの製造例
上記合成例1~3で得た各化合物、上記比較合成例1で得た各化合物、上記式で表されるC-SiGMA、下記式で表される3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート(TRIS)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N、N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、イルガキュア1173(IRG1173)を、表1又は2に示す組成及び配合比で混合し、均一な溶液になるまで撹拌した。撹拌後Nによるバブリング5分間を行い、十分に脱気を行った後、ポリプロピレン製の鋳型へと封入した。高圧水銀ランプを用いてUV照射を行い、硬化した。硬化後、イソプロパノール、50%イソプロパノール水溶液、脱イオン水の順にそれぞれ数秒浸漬させることで洗浄を行い、ハイドロゲルフィルムを得た。得られたフィルムの各物性値を下記に示す方法に従い測定した。結果を表1及び2に示す。
TRIS:3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート
Figure 2023058871000033
[平衡含水率]
フィルムを脱イオン水に25℃で48時間浸漬させた後、表面の水分を拭き取り、水和したフィルムの質量を計測した。次に水和したフィルムを50℃のオーブンで48時間、25℃のオーブンで24時間乾燥させ、乾燥フィルムの質量を計測した。平衡含水率は以下の式により算出した。
平衡含水率(%)=100×(水和フィルムの質量-乾燥フィルムの質量)/水和フィルムの質量
[透明性]
フィルムを脱イオン水に25℃で48時間浸漬させた後、表面の水分を拭き取り、水和したフィルムを作成した。その外観を目視により観察し、下記の指標により評価した。
A:均一かつ透明であった
B:不均一あるいは白濁していた
[弾性率(ヤング弾性率)および伸び率]
フィルムを脱イオン水に25℃で48時間浸漬させた後、表面の水分を拭き取り、水和したフィルムを作成した。該水和したフィルムのヤング弾性率をインストロン5943を用いて測定した。0.8cm×4.0cmに切断されたフィルムを50Nのロードセル、1cm/分のヘッド速度で測定を行い、縦軸に得られる応力、横軸にひずみをとった応力-ひずみ曲線の初期(直線部)の傾きを算出し、ヤング弾性率(MPa)とした。また、フィルムが破断した時の伸び率を最大伸び率(%)とした。
Figure 2023058871000034
Figure 2023058871000035
表2に示す通り、比較化合物としてTRISを用いたハイドロゲルは透明性に難がある(比較例1)。また、比較化合物として式(13A)(13B)、C-SiGMAを用いたハイドロゲルは弾性率が高く、最大伸び率も低い(比較例2及び3)。一方、表1に示す通り、本発明のポリシロキサン化合物を用いたハイドロゲルは、透明性に優れ、優れた弾性率および最大伸び率を有する。すなわち、本発明のポリシロキサン化合物を用いたハイドロゲルは、有益な親水性や十分な強度や柔軟性を有する医療用材料を提供する。
[産業上の利用可能性]
本発明のポリシロキサン化合物は親水性や強度に優れるハイドロゲルを与える。本発明のポリシロキサン化合物は、医療用材料、例えば、眼科用デバイス、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜、及び眼鏡レンズ製造用モノマーとして有用である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(安定剤)
安定剤は、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、及びイオウ系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、p-メトキシフェノール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、4,4-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、フェノール樹脂類、及びクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物等が挙げられる。リン系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、トリス[2-[[2,4,8,10-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2-[(4,6,9,11-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン-2-イル)オキシ]エチル]アミン、および亜リン酸エチルビス(2,4-ジtert-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。アミン系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、トリ又はテトラC1-3アルキルピペリジン又はその誘導体、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)オサレート、1,2-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシ)エタン、フェニルナフチルアミン、N,N’-ジフェニル-1,4-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-シクロヘキシル-1,4-フェニレンジアミン等が挙げられる。イオウ系酸化防止剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。前記安定剤は1種を単独で使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。

Claims (11)

  1. 1分子中に1個の炭素数8~20の環状脂肪族炭化水素基を含むポリシロキサン化合物であって、前記環状脂肪族炭化水素基の脂肪族環上に(メタ)アクリロキシ基及び第3級水酸基を有するものであることを特徴とするポリシロキサン化合物。
  2. 前記ポリシロキサン化合物が、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリシロキサン化合物。
    Figure 2023058871000036
    (式(1)中、Rはメチル基または水素原子であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基である。)
    Figure 2023058871000037
    Figure 2023058871000038
    (前記式(2)において、Rは互いに独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、nは1~200の整数である。破線は結合手を表す。前記式(3)において、Rは前記の通りであり、aは0~10の整数であり、bは0~10の整数であり、cは0~10の整数であり、ただしa+b+cは2以上である。破線は結合手を表す。)
  3. 前記式(1)において、Aが前記式(2)で表され、nが4~100の整数であることを特徴とする請求項2に記載のポリシロキサン化合物。
  4. 前記式(1)において、Aが前記式(3)で表され、aが1であり、bが1であり、cが0であることを特徴とする請求項2に記載のポリシロキサン化合物。
  5. 前記式(1)において、Rがメチル基であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のポリシロキサン化合物。
  6. 前記式(2)または(3)において、Rが互いに独立に、メチル基またはブチル基であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のポリシロキサン化合物。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のポリシロキサン化合物の(メタ)アクリロキシ基の重合から導かれる繰り返し単位を含むものであることを特徴とするポリマー。
  8. 前記繰り返し単位の質量割合がポリマーの全質量に対し10質量%以上であることを特徴とする請求項7に記載のポリマー。
  9. 請求項7または請求項8に記載のポリマーを含むものであることを特徴とするハイドロゲル。
  10. 請求項7または請求項8に記載のポリマーを含むものであることを特徴とする医療用材料。
  11. 下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物の製造方法であって、
    Figure 2023058871000039
    (式(1)中、Rはメチル基または水素原子であり、Aは下記式(2)または(3)で表される基である。)
    Figure 2023058871000040
    Figure 2023058871000041
    (前記式(2)において、Rは互いに独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、nは1~200の整数である。破線は結合手を表す。前記式(3)において、Rは前記の通りであり、aは0~10の整数であり、bは0~10の整数であり、cは0~10の整数であり、ただしa+b+cは2以上である。破線は結合手を表す。)
    下記式(4)で表される、末端に不飽和基を含有する化合物と、
    Figure 2023058871000042
    (Rは前記の通りである。)
    下記式(5)または(6)で表されるハイドロジェンシロキサン化合物、
    Figure 2023058871000043
    Figure 2023058871000044
    (R、n、a、b、cは前記の通りである。)
    とをヒドロシリル化反応させて、前記式(1)で表されるポリシロキサン化合物を得る工程を含むことを特徴とするポリシロキサン化合物の製造方法。
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