JP2018193492A - 重合性基含有オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は上記事情に鑑み、眼用レンズ材料や被膜形成剤などとして有用な重合性基含有オルガノポリシロキサンの製造において、得られるオルガノポリシロキサンの着色を低減する方法を提供することを目的とする。より詳細には、ヒドロキシル基、チオール基、及び活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基を1分子中に少なくとも1個持つオルガノポリシロキサンと、重合性基を有する酸クロライドとを反応させることによって重合性基を有するオルガノポリシロキサンを製造する方法において、得られるオルガノポリシロキサンの着色を低減することを目的とする。【解決手段】重合性基含有オルガノポリシロキサンを製造する方法において、(A)ヒドロキシル基、チオール基、及び活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基を1分子中に少なくとも1個持つオルガノポリシロキサンと、(B)重合性基含有酸クロライドとを、(C)酸化防止剤及び還元剤の少なくとも1の存在下で反応させて、重合性基含有オルガノポリシロキサンを得る工程を含み、上記(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対して前記(C)成分の量が0.05〜5重量部であることを特徴とする、前記製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、重合性基含有オルガノポリシロキサンの製造方法に関する。詳細には、塗料添加剤及びコーティング剤等の樹脂改質材料、及び、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人口角膜などの眼用レンズに好適な、重合性基含有オルガノポリシロキサンの製造方法に関する。
一般に、オルガノポリシロキサンは塗料、樹脂などの組成物に添加することにより、消泡性、撥水性、離形性、防汚性、すべり性、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、難燃性等を向上させる効果を有する。
また熱や光硬化性を示す(メタ)アクリロイル基をオルガノポリシロキサンに化学的に結合させた(メタ)アクリロイル変性シロキサンは、熱や光によって化学的にシロキサンを硬化物中に固定化できるため、硬化物中にシロキサンを化学的に導入でき、ポリシロキサンの特性を持続させることが可能である。また(メタ)アクリロイル変性シロキサンは硬化物にオルガノポリシロキサン由来の柔軟性、酸素透過性などを付与する効果があることから、他の重合性モノマー等との併用で、眼用レンズ材料としても広く利用されている。
しかしながら、(メタ)アクリロイル変性シロキサンは他の重合性モノマーや塗料等との相溶性に乏しく、他の硬化性成分と反応しにくい問題、或いは消泡性や分散性の低下を招く場合があった。さらに眼用レンズ材料として適用した場合、無溶剤で硬化を行うと相分離を生じレンズの白濁を生じることがある。そのため他の重合性モノマーとの相溶性を高上するために有害な溶剤を使用したり、硬化後に溶剤を除去する行程を追加する必要があるなど、工業的に不利な問題があった。
一方、疎水性であるオルガノポリシロキサンと、親水性であるポリエーテルを化学的に結合させたポリエーテル変性シロキサンは塗料における樹脂成分の乳化性や分散性が向上するという効果が得られる。しかしポリエーテル変性シロキサンでは、親水性基であるポリエーテル基の含有率が高すぎると疎水性塗料に不溶となったり、シロキサン由来の特性である防汚性などの機能発現や持続性が不十分となる場合があった。また、ポリエーテル変性シロキサンは他の重合性モノマー又は重合性ポリマー(たとえば、ビニル変性基含有シロキサンとヒドロシランとのヒドロシリル化による硬化物等)の硬化物中に化学的に組み込まれないために、硬化前にはポリエーテル変性シロキサンと他の重合性モノマー又は重合性ポリマーの相溶性が高く均一に混合していた組成物であっても、硬化中に相溶性が低下し、硬化物の表面剥離や密着性の低下、色むらなどの現象が生じる場合があった。
特許文献1及び2には、上記双方の問題を解決すべく、ポリエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを共に有するシロキサン化合物を含む組成物が記載されている。
オルガノポリシロキサンと(メタ)アクリロイル基の間にリンカーとしてポリエーテルブロックを導入した構造を有する化合物は、一般的に、特許文献2に記されるように、トリエチルアミンのような有機塩基を触媒兼酸補足剤として使用して、末端に反応性水酸基を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサンと酸クロライドを反応させて合成する。
またポリエーテルを含まない化合物の合成においても、ケイ素原子に直接結合しないヒドロキシル基やチオール基、または活性水素を有するアミンと、重合性基を有する酸クロライドを、有機塩基を用いて反応させる方法が公知である。
特開2004−149592号公報 特許第5051383号
しかし上記の製造方法では、反応過程で有機塩基の酸化によるものと推定される黄変色を生じる。該黄変色はシリカゲル等での吸着脱色などの操作を経ても残存するため、特に低着色、透明性を要する眼用レンズ材料等への適用が困難となる問題があった。
本発明は上記事情に鑑み、眼用レンズ材料や被膜形成剤などとして有用な重合性基含有オルガノポリシロキサンの製造において、得られるオルガノポリシロキサンの着色を低減する方法を提供することを目的とする。より詳細には、ヒドロキシル基、チオール基、及び活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基を1分子中に少なくとも1個持つオルガノポリシロキサンと、重合性基を有する酸クロライドとを反応させることによって重合性基を有するオルガノポリシロキサンを製造する方法において、得られるオルガノポリシロキサンの着色を低減することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討したところ、酸クロライドとオルガノポリシロキサンの反応を、特定量の酸化防止剤または還元剤の存在下で行うことにより、反応生成物の着色を低減できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明は、
重合性基含有オルガノポリシロキサンを製造する方法において、
(A)ヒドロキシル基、チオール基、及び活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基を1分子中に少なくとも1個持つオルガノポリシロキサンと、(B)重合性基含有酸クロライドとを、(C)酸化防止剤及び還元剤の少なくとも1の存在下で反応させて、重合性基含有オルガノポリシロキサンを得る工程を含み、
上記(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対して前記(C)成分の量が0.05〜5重量部であることを特徴とする、前記製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、着色を低減した重合性基含有オルガノポリシロキサンを提供することができる。該重合性基含有オルガノポリシロキサンは眼用レンズ製造用モノマーとして有用である。
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
本発明は重合性基含有オルガノポリシロキサンの製造方法であり、特には(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン(以下、(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物ともいう)の製造方法である。該オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンの少なくとも1つの末端もしくは側鎖に重合性基を有する。本発明における重合性基とは、熱や光により反応してポリマーを与える基である。例えば、スチレン基などのビニル基、及び(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基が挙げられる。特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物は、詳細には、オルガノポリシロキサンと(メタ)アクリロイル基との間に下記一般式(5)または一般式(6)で示される基を有する。
−R−L− (5)
−R−NR− (6)
(Lは酸素原子または硫黄原子であり、R及びRは、ヘテロ原子を含んでもよい2価炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である)
(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物は、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、よりさらに好ましくは1〜3個有するのがよい。(メタ)アクリロイル基とは、下記式で表される基であり、Mは水素原子又はメチル基である。
Figure 2018193492
該(メタ)アクリロイル基は熱や光により重合する。(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物が(メタ)アクリロイル基を1つ有する場合、硬化物を形成する高分子の主鎖に対してシロキサン鎖がペンダント状に組み込まれる。これにより、シロキサン鎖によってもたらされる消泡性、撥水性、親水性、離形性、防汚性、及びすべり特性などを硬化物に与えることができ、特に眼用レンズにおいては酸素透過性を向上することができる。(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する場合、(メタ)アクリロイル基が架橋成分として働き、硬化物を形成する。尚、(メタ)アクリロイル基を有さないシロキサンは硬化することができない。このようなシロキサン化合物を含有すると、経時で硬化物からブリードを引き起こしたり、硬化時に他の(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物との相溶性が低下し、表面剥離や密着性の低下などを生じる恐れがある。(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物が(メタ)アクリロイル基を多数(特には上記した上限超えとなる数で)有する場合、架橋成分としての特性が強く表れ、シロキサン鎖によってもたらされる特性(消泡性、撥水性、離形性、防汚性、すべり性、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、及び難燃性等)を硬化物に与えることが困難になる。さらに、熱や光によって容易に重合が起こるため、保存中に重合反応が進行するおそれがあり、保存性及びハンドリング性に劣る。
(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物は、例えば、下記一般式(6)で表される。
Figure 2018193492

(Rは、互いに独立に、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基であり、a、b、c、及びdは互いに独立に0〜500の整数であり、eは0〜10の整数であり、但し0≦a+b+(c+d)×e≦500であり、
は、互いに独立に、Rの選択肢から選ばれる基、もしくは下記一般式(2’)または(3’)で示される基であり、
−R−LR (2’)
−R−NR (3’)
式(2’)においてLは酸素原子又は硫黄原子であり、式(2’)及び(3’)において、R及びRは、ヘテロ原子を含んでもよい2価炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、Rは、(メタ)アクリロイル基であり、但し、式(6)で表される化合物は(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有し、上記式(6)において括弧内に示される各シロキサン単位はランダムに結合していてもよい)
R、R〜R、a、b、c、及びdの詳細は後述する。
以下、本発明の製造方法についてより詳細に説明する。
本発明は、重合性基含有オルガノポリシロキサンを製造する方法であり、該製造方法は、(A)ヒドロキシル基、チオール基、または活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基を1分子中に少なくとも1個持つオルガノポリシロキサンと、(B)重合性基含有酸クロライドとを、(C)酸化防止剤または還元剤の存在下で反応させて、重合性基含有オルガノポリシロキサンを得る工程を含み、
上記(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対して前記(C)成分の量が0.05〜5重量であることを特徴とする。
[(A)オルガノポリシロキサン]
(A)ヒドロキシル基、チオール基、または活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基とは、詳細には、ヘテロ原子を含んでもよい2価炭化水素基の末端にヒドロキシル基、チオール基、または活性水素を持つアミノ基を有する基である。好ましくは、−R−LHまたは−R−NRHである。
上記−R−LH及び−R−NRHにおいて、Rは、水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基である。R及びRは、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜450の2価炭化水素基である。ヘテロ原子とは、窒素、酸素、硫黄、リン、塩素、及び臭素などであり、特には酸素原子であり、より詳細にはエーテル結合を有してよい2価炭化水素基である。
及びRは、例えば、下記一般式(4)で表される基である。
―R(OCHCH(OCHCH(CH))(OCHCH(C))− (4)
(式(4)においてRは炭素数1〜20の2価炭化水素基であり、x、y、及びzは互いに独立に0〜100の整数であり、但し0≦x+y+z≦100であり、上記括弧内に示されるオキシアルキレンはそれぞれブロック構造を有していてもランダムに結合していてよい)
x、y、及びzの値はシロキサン鎖長などの他の成分との比率により、生成物のHLB値を変えるために任意に選択できる。x、y、及びzの各々が上記上限値を超えたり、x+y+zが上記上限値を超えると、該化合物の粘性が高くなるため、ハンドリング性に劣り、また酸クロライドとの反応性も低下する恐れがある。Rにおいては、好ましくは0≦x+y+z≦50、より好ましくは1≦x+y+z≦30である。Rにおいては、好ましくは0≦x+y+z≦30であり、より好ましくは0≦x+y+z≦10であり、x+y+z=0が最も好ましい。
本発明の製造方法に用いるオルガノポリシロキサンは、好ましくは下記式(1)で表される。
Figure 2018193492

(Rは、互いに独立に、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい炭素数1〜30の1価の有機基であり、a、b、c、及びdは互いに独立に0〜500の整数であり、eは0〜10の整数であり、但し0≦a+b+(c+d)×e≦500であり、
は、互いに独立に、Rの選択肢から選ばれる基、もしくは下記一般式(2)または(3)で示される基であり
−R−LR (2)
−R−NR (3)
式(2)においてLは酸素原子又は硫黄原子であり、式(2)及び(3)において、R及びRは、ヘテロ原子を含んでもよい2価炭化水素基であり、R及びRは、水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、但し、式(1)で表される化合物は−R−LHまたは−R−NRHを少なくとも1つ有し、上記式(1)において括弧内に示される各シロキサン単位はランダムに結合していてもよい)
上記式(1)中、Rは互いに独立に、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8の1価炭化水素基である。該炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。この中でも原料の入手しやすさ、製造のしやすさ、シロキサンの特性の発現のしやすさなどからアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記式(1)中、a、b、c、及びdは、互いに独立に、0〜500の整数であり、但し、0≦a+b+(c+d)×e≦500である。a+b+(c+d)×eが500を超えると、化合物の粘度が高くなりハンドリング性が低下する恐れがある。さらにa及びdは好ましくは5〜200であり、より好ましくは10〜150であり、b及びcは好ましくは0〜100で、より好ましくは0〜20で、最も好ましくは0である。a、b、c、及びdの各々が上記上限値を超えると、得られる(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物の硬化性が悪くなり、また非シロキサンモノマー等との相溶性が悪くなる。さらには、化合物が高粘度となりハンドリング性が悪くなる恐れがあるため好ましくない。また、eは0〜10の整数であり、好ましくは0〜5であり、更に好ましくは0である。eが上記上限値を超えると粘性が高くなるためハンドリング性に劣り、また酸クロライドとの反応性も低下する恐れがある。好ましくは5≦a+b+(c+d)×e≦400であり、より好ましくは15≦a+b+(c+d)×e≦200、さらには20≦a+b+(c+d)×e≦100である。
上記式(1)で示されるオルガノポリシロキサンにおいて、上記式(2)及び上記式(3)で示される基は上述した通りである。式(2)及び(3)において、R及びRはヘテロ原子を含んでもよい2価炭化水素基であり、好ましくは上記一般式(4)で表される基である。R及びRは、水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水素基である。式(1)で示されるオルガノポリシロキサンは−R−LHまたは−R−NRHを少なくとも1つ有する。
−R−LH及び−R−NRHが、酸クロライドが有する重合性基と反応して、オルガノポリシロキサンに重合性基を導入する。該重合性基とは特には(メタ)アクリロイル基である。上記した通り、得られる(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物は(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、よりさらに好ましくは1〜3個で有するのがよい。従って、式(1)で表されるオルガノポリシロキサンは、式(2)で表されRが水素原子である基または式(3)で表されRが水素原子である基を分子中に少なくとも1個有し、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、よりさらに好ましくは1〜3個有する。
[(B)重合性基含有酸クロライド]
重合性基含有酸クロライドにおける重合性基とは、好ましくはスチレン基などのビニル基及び(メタ)アクリロイル基であり、特には(メタ)アクリロイル基である。(B)成分は好ましくはアクリル酸クロライド及びメタクリル酸クロライドから選ばれる1以上である。重合性基含有酸クロライドの量は、上記オルガノポリシロキサンが有するヒドロキシル基、チオール基、または活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基(以下、反応性有機基と称する)の総量(反応性基のモル数(総数))に対する比で、1.0〜5.0当量が好ましく、更に好ましくは1.0〜1.5当量であり、よりさらに好ましくは1.0〜1.05当量となる量がよい。前記下限値未満では、オルガノポリシロキサン中の反応性有機基が残存するため、得られる化合物の純度が低下する。また上記上限値を超えると、反応後に過剰に残存する未反応酸クロライドを除去するために時間を要するため好ましくない。
また後述する有機塩基を使用する場合、重合性基含有酸クロライドの添加量は、有機塩基の量に対してモル比として0.2〜1.0当量であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.0当量であり、よりさらに好ましくは0.8〜1.0当量である。上記下限値未満では過剰に残存する未反応有機塩基の除去に時間を要するために好ましくない。また上記上限値を超えると系内で生成する塩酸を捕捉しきることができず、反応系内が酸性となり、シロキサン鎖の切断が起こるおそれがあるため好ましくない。
[(C)酸化防止剤および還元剤]
本発明の製造方法は、酸化防止剤及び還元剤の少なくとも1を特定量で含有することを特徴とする。酸化防止剤および還元剤は、上記した反応性有機基含有オルガノポリシロキサンと溶媒、及び、任意で後述する有機塩基との混合液に可溶なものであればよい。またL−アスコルビン酸等のように酸化防止剤としても還元剤としても使用できる化合物はいずれとして含有されてもよく、酸化防止剤であるか還元剤であるかは重要ではない。
酸化防止剤および還元剤としては、例えば、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,5−ジ−t−アミル−ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン、2−t−ブチル−ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,t−ブチル−ヒドロキシアニソールなどのフェノール化合物、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、クエン酸、トコフェロール、カテコール、フェノチアジン、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルなどが挙げられる。これらの中でも、分子中のヒドロキシル基への酸クロライドの反応性が低い2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールが特に好ましい。酸化防止剤および還元剤は、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
本発明における酸化防止剤および還元剤の量は、(C)成分全体として、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.05重量部以上5重量部以下であり、より好ましくは0.07重量部以上3重量部以下であり、さらに好ましくは0.1重量部以上2重量部以下である。この量で使用することにより反応中に生じ得る着色を抑制することができる。上記下限値未満では着色を抑制する効果が低下する。また上記上限値超では重合性基含有酸クロライドとの副反応が多数生じ、不純物量が増加する恐れがある。
[反応温度]
酸クロライドと上記オルガノポリシロキサンの反応温度は、特に制限されるものでない。溶媒を使用する場合には、溶媒の沸点以下であれば良い。好ましくは0〜120℃であり、更に好ましくは0〜60℃である。反応温度が上記上限値超えではオルガノポリシロキサンに導入された(メタ)アクリロイル基が反応中に熱重合を起こすおそれがある。反応温度が上記下限値未満では反応性が低下して非効率である。
[後処理]
本発明の製造方法は上記した反応の後に後処理工程を1つ以上含んでも良い。後処理として、例えば、未反応である酸クロライドのクエンチ操作を行うことが好ましい。クエンチ操作を行わないと生成物内に未反応酸クロライドが残留するため好ましくない。クエンチ操作は任意の方法で行うことができるが、メタノール、エタノール等の低級アルコール、または水等を添加して行う方法が、クエンチ操作により生じる副生物の除去が容易であるため好ましい。高級アルコールを使用すると、生成物と副生物の分離が困難となる恐れがある。
また、生成する有機塩を除去する工程を含んでもよい。有機塩の除去は、任意の方法で行うことができるが、操作性の観点から濾過、水洗などが好ましい。有機塩を除去しないと、系内に残存する有機塩基により白濁等を生じる恐れがある。
[反応溶媒]
上記オルガノポリシロキサンと酸クロライドとの反応は無溶剤下で行っても良いが、該反応は著しい発熱を伴うため、適当な溶媒の存在下で行い、発熱を抑制することが望ましい。反応溶媒は、上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンが可溶であれば良く、従来公知の溶媒であってよいが、好ましくは酸クロライドと反応しない溶媒である。例えば、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、ジクロロメタン、及びジエチルエーテル等が挙げられる。メタノール、エタノール、及びプロパノール等のアルコール類や、ピリジンなどのアミン系溶媒は酸クロライドと反応するため好ましくない。
[(D)有機塩基]
上記オルガノポリシロキサンを酸クロライドと反応させるための触媒としてさらに有機塩基を使用することができる。有機塩基は反応副生物として生成する塩酸を捕捉するための酸捕捉剤としても機能する。有機塩基は、上記溶媒に可溶であれば良い。反応後の溶液から容易に除去することができる有機塩基であるのがよく、また、塩酸を捕捉して生じる有機塩基塩酸塩を濾過や洗浄などによって容易に除去できることが好ましい。例えば、トリエチルアミン、及びピリジン等が挙げられる。
有機塩基の添加量は、上記オルガノポリシロキサンが有する反応性有機基の総量に対してモル比として1.0〜5.0当量が好ましく、更に好ましくは1.1〜1.5当量である。有機塩基の量が上記下限値未満では、系内で生成する塩酸を捕捉しきることができず、反応系内が酸性となり、シロキサン鎖の切断が起こるおそれがある。また上記上限値を超えると、反応後に未反応の有機塩基が過剰に残存し、有機塩基を除去する工程に時間を要するため好ましくない。
本発明の製造方法に従えば、得られる重合性基含有オルガノポリシロキサン、特には上記式(6)で表されるような(メタ)アクリル変性シロキサン化合物は、着色が低減される。着色が低減されたことはハーゼン色数(APHA)100以下であることにより示される。本発明においてハーゼン色数(APHA)とは、JIS0071−1:1998「ハーゼン単位色数」に準拠した、色釈色差計CR−5(コニカミノルタ製)を用いて蒸留水を基準として測定された値である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
トルエン800g、下記一般式(7)で示される両末端カルビノールポリエーテル変性シロキサン(OH価約42.5mgKOH/g)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン47.8gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド41.6gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン1を得た。
Figure 2018193492
(式中のh=12,n=19)
Figure 2018193492
(式中のh=12,n=19)
[実施例2]
上記実施例1において、添加した2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールの量を3.5gから10g(シロキサン成分に対して2重量%)に変更した他は実施例1を繰り返して、上記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン2を得た。
[実施例3]
上記実施例1において、添加した2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールの量を0.35g(シロキサン成分に対して0.07重量%)に変更した以外は実施例1を繰り返して、上記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン3を得た。
[実施例4]
トルエン800g、下記一般式(8)で示される両末端カルビノールポリエーテル変性シロキサン(OH価約60.7mgKOH/g)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン68.3gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド59.4gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(8’)で表されるメタクリル変性シロキサン4を得た。
Figure 2018193492
(式中のh=3,n=19)
Figure 2018193492
(式中のh=3,n=19)
[実施例5]
トルエン800g、下記一般式(9)で示される両末端カルビノールポリエーテル変性シロキサン(OH価約13.1mgKOH/g)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン14.7gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド12.8gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(9’)で表されるメタクリル変性シロキサン5を得た。
Figure 2018193492
(式中のh=12,n=99)
Figure 2018193492
(式中のh=12,n=99)
[実施例6]
トルエン800g、下記一般式(10)で示される両末端カルビノールポリエーテル変性シロキサン(OH価約23.6mgKOH/g)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン26.5gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド23.1gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(10’)で表されるメタクリル変性シロキサン6を得た。
Figure 2018193492
(式中のh=6、i=10,n=39、hとiの順番はランダム)
Figure 2018193492
(式中のh=6、i=10,n=39、hとiの順番はランダム)
[実施例7]
上記実施例1において、メタクリル酸クロライドをアクリル酸クロライド36.0gに変更した以外は実施例1を繰り返して、下記式(7’’)で表されるアクリロイル変性シロキサン7を得た。
Figure 2018193492
(式中のh=12,n=19)
[実施例8]
トルエン800g、下記一般式(11)で示される両末端カルビノール変性シロキサン(OH価約65.1mgKOH/g)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン73.3gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド63.7gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(11’)で表されるメタクリル変性シロキサン8を得た。
Figure 2018193492
(式中のn=19)
Figure 2018193492
(式中のn=19)
[実施例9]
上記実施例8において、添加した2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールの量を0.35g(シロキサン成分に対して0.07重量%)に変更した以外は実施例8を繰り返して、上記式(11’)で表されるメタクリル変性シロキサン9を得た。
[実施例10]
トルエン800g、下記一般式(12)で示される両末端アミノ変性シロキサン(アミン当量約1500g/mol)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン41.6gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド36.2gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(12’)で表されるメタクリル変性シロキサン10を得た。
Figure 2018193492
(式中のn=19)

Figure 2018193492
(式中のn=19)
[実施例11]
上記実施例8において、メタクリル酸クロライドをアクリル酸クロライド31.4gに変更した以外は実施例8を繰り返して、アクリロイル変性シロキサン11を得た。
[実施例12]
トルエン800g、下記一般式(13)で示される片末端カルビノールポリエーテル変性シロキサン(OH価約41.0mgKOH/g)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン46.1gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド40.1gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(13’)で表されるメタクリル変性シロキサン12を得た。
Figure 2018193492
(式中のh=12,n=9)
Figure 2018193492
(式中のh=12,n=9)
[実施例13]
トルエン800g、下記一般式(14)で示される片末端アミノ変性シロキサン(アミン当量約850g/mol)500g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール3.5g(シロキサン成分に対して0.7重量%)、トリエチルアミン74.3gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド64.6gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、下記式(14’)で表されるメタクリル変性シロキサン13を得た。
Figure 2018193492
(式中のn=9)

Figure 2018193492
(式中のn=9)
[実施例14]
上記実施例1において、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールをブチルヒドロキシアニソール0.35g(シロキサン成分に対して0.07重量%)に変更した以外は実施例1を繰り返して、上記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン14を得た。
[実施例15]
上記実施例1において、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールをハイドロキノンモノメチルエーテル0.35g(シロキサン成分に対して0.07重量%)に変更した以外実施例1を繰り返して、上記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン15を得た。
[実施例16]
上記実施例1において、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールをL−アスコルビン酸0.35g(シロキサン成分に対して0.07重量%)に変更した以外は実施例1を繰り返して、上記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン16を得た。
[比較例1]
トルエン800g、上記一般式(7)で示される両末端カルビノールポリエーテル変性シロキサン(OH価約42.5mgKOH/g)500g、トリエチルアミン47.8gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド41.6gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、上記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン17を得た。
[比較例2]
上記比較例1において2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.15g(シロキサン成分に対して0.03重量%)を添加した以外は比較例1を繰り返して、上記式(7’)で表されるメタクリル変性シロキサン18を得た。
[比較例3]
トルエン800g、上記一般式(11)で示される両末端カルビノール変性シロキサン(OH価約65.1mgKOH/g)500g、トリエチルアミン73.3gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド63.7gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、上記一般式(11’)で表されるメタクリル変性シロキサン19を得た。
[比較例4]
上記比較例3において2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.15g(シロキサン成分に対して0.03重量%)を添加した以外は比較例3を繰り返し、上記式(11’)で表されるメタクリル変性シロキサン20を得た。
[比較例5]
トルエン800g、下記一般式(12)で示される両末端アミノ変性シロキサン(アミン当量約1500g/mol)500g、トリエチルアミン41.6gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド36.2gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、上記式(12’)で表されるメタクリル変性シロキサン21を得た。
[比較例6]
上記比較例5において2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.15g(シロキサン成分に対して0.03重量%)を添加した以外は比較例5を繰り返し、上記式(12’)で表されるメタクリル変性シロキサン22を得た。
[比較例7]
トルエン800g、上記一般式(13)で示される片末端カルビノールポリエーテル変性シロキサン(OH価約41.0mgKOH/g)500g、トリエチルアミン46.1gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド40.1gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、上記式(13’)で表されるメタクリル変性シロキサン23を得た。
[比較例8]
上記比較例7において2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.15g(シロキサン成分に対して0.03重量%)を添加した以外は比較例5を繰り返し、上記式(13’)で表されるメタクリル変性シロキサン24を得た。
[比較例9]
トルエン800g、上記一般式(14)で示される片末端アミノ変性シロキサン(アミン当量約850g/mol)500g、トリエチルアミン74.3gを仕込み、内温を60℃にてメタクリル酸クロライド64.6gを滴下した。滴下終了後、未反応のメタクリル酸クロライドをメタノールで処理し、生成した中和塩を濾過し、反応溶媒及び未反応原料を減圧留去して、上記式(14’)で表されるメタクリル変性シロキサン25を得た。
[比較例10]
上記比較例9において2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.15g(シロキサン成分に対して0.03重量%)に変更した以外は比較例9を繰り返し、上記式(14’)で表されるメタクリル変性シロキサン26を得た。
上記実施例及び比較例にて得られた各(メタ)アクリロイル変性シロキサンの色調(ハーゼン色数(APHA))をJIS0071−1:1998「ハーゼン単位色数」に準拠した以下の方法を用いて測定した。
[ハーゼン色数(APHA)]
(メタ)アクリロイル変性シロキサンの色調は、10mm×10mm×45mmのディスポーザブルセルにサンプルを3.5g入れ、色釈色差計CR−5(コニカミノルタ製)を用いて測定した。蒸留水をリファレンスとしたハーゼン色数(APHA)を測定した。結果を表1及び2に示す。表1及び2に記載の値において、ハーゼン色数(APHA)の値が100以下であると着色が抑制されたことを意味する。
Figure 2018193492
Figure 2018193492
表1に示す通り、オルガノポリシロキサンと酸クロライドとを特定量の酸化防止剤の存在下で反応させることにより、得られる(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物のAPHAは100以下となり、着色を抑制することができる。
本発明の製造方法に従えば、着色が低減された重合性基含有オルガノポリシロキサン、特には(メタ)アクリロイル変性シロキサン化合物を提供できる。該シロキサン化合物は低着色及び透明性を必要とする塗料添加剤や眼用レンズ材料として有用である。

Claims (9)

  1. 重合性基含有オルガノポリシロキサンを製造する方法において、
    (A)ヒドロキシル基、チオール基、及び活性水素を持つアミノ基から選ばれる基を末端に有する一価有機基を1分子中に少なくとも1個持つオルガノポリシロキサンと、(B)重合性基含有酸クロライドとを、(C)酸化防止剤及び還元剤の少なくとも1の存在下で反応させて、重合性基含有オルガノポリシロキサンを得る工程を含み、
    上記(A)オルガノポリシロキサン100重量部に対して前記(C)成分の量が0.05〜5重量部であることを特徴とする、前記製造方法。
  2. 前記(A)オルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)で表される、請求項1に記載の製造方法
    Figure 2018193492

    (Rは、互いに独立に、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、a、b、c、及びdは互いに独立に0〜500の整数であり、eは0〜10の整数であり、但し0≦a+b+(c+d)×e≦500であり、
    は、互いに独立に、Rの選択肢から選ばれる基、もしくは下記一般式(2)または(3)で示される基であり
    −R−LR (2)
    −R−NR (3)
    式(2)においてLは酸素原子又は硫黄原子であり、式(2)及び(3)において、R及びRは、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜450の2価炭化水素基であり、R及びRは、水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、但し、式(1)で表される化合物は−R−LHまたは−R−NRHを少なくとも1つ有し、上記式(1)において括弧内に示される各シロキサン単位はランダムに結合していてもよい)。
  3. 及びRが下記一般式(4)で示される、請求項2に記載の製造方法
    ―R(OCHCH(OCHCH(CH))(OCHCH(C))− (4)
    (式(4)においてRは炭素数1〜20の2価炭化水素基であり、x、y、及びzは互いに独立に0〜100の整数であり、但し0≦x+y+z≦100であり、上記括弧内に示されるオキシアルキレンはそれぞれブロック構造を有していてもランダムに結合していてよい)。
  4. 前記(B)成分が、アクリル酸クロライド及びメタクリル酸クロライドから選ばれる1以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記(A)オルガノポリシロキサンと(B)重合性基含有酸クロライドとの反応を、(C)酸化防止剤及び還元剤の少なくとも1つ及び(D)有機塩基の存在下で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記(C)成分が、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,5−ジ−t−アミル−ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン、2−t−ブチル−ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,t−ブチル−ヒドロキシアニソール、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、クエン酸、トコフェロール、カテコール、フェノチアジン、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルから選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 着色の少ない重合性基含有オルガノポリシロキサンを得る、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 重合性基含有オルガノポリシロキサンがJIS0071−1:1998「ハーゼン単位色数」に準拠したハーゼン色数APHA100以下を有する、請求項7記載の製造方法。
  9. 下記一般式(6)で表され、JIS0071−1:1998「ハーゼン単位色数」に準拠したハーゼン色数APHA100以下を有する、重合性基含有オルガノポリシロキサン。
    Figure 2018193492

    (Rは、互いに独立に、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、a、b、c、及びdは互いに独立に0〜500の整数であり、eは0〜10の整数であり、但し0≦a+b+(c+d)×e≦500であり、
    は、互いに独立に、Rの選択肢から選ばれる基、もしくは下記一般式(2’)または(3’)で示される基であり、
    −R−LR (2’)
    −R−NR (3’)
    式(2’)においてLは酸素原子又は硫黄原子であり、式(2’)及び(3’)において、R及びRは、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜450の2価炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、Rは、(メタ)アクリロイル基であり、但し、式(6)で表される化合物は(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有し、上記式(6)において括弧内に示される各シロキサン単位はランダムに結合していてもよい)。
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