JP2023058557A - 硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化前の浸透性及び硬化後の熱膨張の抑制を実現しつつ、電子部品装置の信頼性不良を抑制できる硬化性組成物を提供すること。【解決手段】ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)及び融点が100℃以上であるアミン系硬化剤(B)を含む、硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、硬化性組成物、特にアンダーフィル材として利用可能な硬化性組成物に関する。
電子部品の製造においては、基板と電子部品との間の空隙を充填して基板と電子部品とを接合させるために液状のコンポジットレジンであるアンダーフィル材が一般に用いられている。アンダーフィル材は微少サイズの空隙に対する浸透性が求められる一方、変形による電子部品の不良発生を抑制する観点からアンダーフィル材の硬化物には低い熱膨張係数を有することが求められる。
特許文献1は、N,N-(ジグリシジル)-トルイジンを含むアンダーフィル材が、硬化物の熱膨張の抑制と充填時の低粘度を両立しうることを開示している。
特開2019-11409号公報
しかしながら、アンダーフィル材として、硬化物の熱膨張係数を抑制された材料を用いたとしても、温度サイクル試験において電子部品装置におけるはんだクラックが生じ、信頼性不良が生じることがあることを本願発明者らは見いだした。これは熱膨張係数が抑制された材料を用いたとしても、意図しない内部応力が電子部品装置において発生しているためと推定される。本開示はかかる事情に鑑みて為されたものである。即ち、本開示の主たる目的は、硬化前の浸透性及び硬化後の熱膨張の抑制を実現しつつ、電子部品装置の信頼性不良を抑制できる硬化性組成物を提供することにある。
本開示はかかる事情に鑑みて為されたものである。従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記目的の達成を試みた。その結果、原料の熱力学的特性、原料の極性、原料の形状等に着目し、特定の組成物を用いることで、上記の主目的を達成できることを見出し、本開示に至った。本開示における好ましい一実施形態は次のとおりである:
[項1]
ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)、
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)、
融点100℃以上のアミン系硬化剤(B)及び
無機充填材(C)
を含み、
前記アミン系硬化剤(B)はイミダゾール系硬化剤及びイミダゾリン系硬化剤からなる群から選択される少なくとも一種である、硬化性組成物。
[項2]
前記アミン系硬化剤(B)の分子内窒素原子の数が3個以上である、項1に記載の硬化性組成物。
[項3]
前記アミン系硬化剤(B)の窒素含有率(14×アミン系硬化剤(B)分子内の窒素原子数/アミン系硬化剤(B)の分子量×100)は20重量%以上である、項1又は2に記載の硬化性組成物。
[項4]
前記アミン系硬化剤(B)が、トリアジン骨格含有硬化剤である、項1~3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項5]
前記ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)の量が、組成物中の有機物量に対して、20重量%以上であり、
前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)の量が、組成物中の有機物量に対して、20重量%以上である、項1~4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項6]
前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)は芳香族であり、そのモノマー構造が窒素原子を1個のみ有する構造である、項1~5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項7]
前記無機充填材(C)が球状無機粒子を含む、項1~6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項8]
前記球状無機粒子は、
中心粒径が0.5~5μmの範囲にある球状無機粒子(Cs)及び、
中心粒径が5~20μmの範囲にある球状無機粒子(Cl)
を含み、前記球状無機粒子(Cs)の中心粒径と前記球状無機粒子(Cl)の中心粒径との差は少なくとも1μmである、項7に記載の硬化性組成物。
[項9]
前記球状無機粒子の体積基準粒度分布測定において、横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットして得られる粒子の存在比率のチャートにおいて、粒径0.5~20μmの範囲においてピーク又はショルダーピークを少なくとも2個有する、項7に記載の硬化性組成物。
[項10]
線膨張係数が31ppm以下である、項1~9のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
[項11]
ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)、
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)、
融点が100℃以上であるアミン系硬化剤(B)及び
無機充填材(C)
を含む、アンダーフィル材であって、
前記アミン系硬化剤(B)が、イミダゾール系硬化剤及びイミダゾリン系硬化剤からなる群から選択される少なくとも一種である、アンダーフィル材。
[項12]
項11に記載のアンダーフィル材又はその硬化物により電子部品と基板とが接続されている、電子部品装置。
[項13]
項11に記載のアンダーフィル材を、電子部品と基板との空隙に充填する工程を含む、電子部品装置の製造方法。
本開示によれば、硬化前の浸透性及び硬化後の熱膨張の抑制が実現された硬化性組成物を提供することができる。また、本開示によれば、電子部品装置の信頼性不良を抑制できる硬化性組成物を提供することができる。
<硬化性組成物>
本開示における硬化性組成物は、ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)及び室温で固体であるアミン系硬化剤(B)を含む。
[硬化性組成物の特性]
工程短縮の観点から、アンダーフィル材の基板への塗布後、空隙への浸透と硬化が同時に行われることが好ましい。このためには、硬化炉(例えば140℃、20分)における昇温中においてもアンダーフィル材が浸透することが求められる。この観点から、ある一定温度(例えば120℃)以下では硬化が十分に進行せず、それ以上の温度で速やかに硬化が進行する硬化性組成物を用いることが有利である。
硬化性組成物の浸透性(100μmのスペーサーを設けて貼り合わせた2枚のスライドガラスの縁部に所定量の硬化性組成物を塗布して、25℃から140℃まで10分で昇温後の硬化性組成物の浸透距離。測定方法の詳細は実施例に記載。)は、18mm以上、23mm以上、28mm以上、33mm以上又は38mm以上であってよく、好ましくは21mm以上、より好ましくは26mm以上、さらに好ましくは31mm以上である。
硬化性組成物の40℃96時間貯蔵後における粘度増加は、貯蔵前を基準として、1.4倍以下、1.35倍以下、1.3倍以下、1.25倍以下、1.2倍以下、1.15倍以下、1.1倍以下又は1.05倍以下であってよく、好ましくは1.23倍以下、より好ましくは1.13倍以下である。40℃96時間貯蔵後における粘度増加が上記範囲にあることで生産性が向上する。
硬化性組成物の150℃3分間加熱後における反応率は、91%以上、93%以上、95%以上、97%以上又は99%以上であってよく、好ましくは92.5%以上、より好ましくは97.5%以上である。硬化性組成物の150℃3分間加熱後における反応率が上記範囲にあることで作業性が向上する。
[エポキシ樹脂]
本開示における硬化性組成物はエポキシ樹脂を含む。本明細書において、「エポキシ樹脂」とは、硬化剤と反応する前の状態のエポキシ樹脂のことをいう。エポキシ樹脂は、常温で液状又は固体であってよく、常温で液状であることが好ましい。エポキシ樹脂は、モノマー型エポキシ樹脂、プレポリマー型エポキシ樹脂又はモノマー型エポキシ樹脂とプレポリマー樹脂(例えば、重合度2~5又は2~3)との混合物であってもよい。
本開示における硬化性組成物はナフタレン型エポキシ樹脂(A1)及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)を含む。
(ナフタレン型エポキシ樹脂(A1))
本開示における硬化性組成物は、ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)を含む。「ナフタレン型エポキシ樹脂」とは、ナフタレン骨格を分子内に有するエポキシ樹脂である。ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)は、脂肪族基及び芳香族基等のその他の基を含んでいてもよい。エポキシ基含有基としてグリシジル基(例えば、グリシジルエーテル基又はグリシジルアミノ基)が用いられてよい。ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)はグリシジルアミノ基を有していなくてもよい。
エポキシ樹脂(A1)を用いることにより得られる硬化物の線膨張係数が低くなりやすい。また、エポキシ樹脂(A1)を用いることで、硬化性組成物中の充填材(例えばシリカ)の量が増加しても、硬化物の低い線膨張係数と絶縁性とを維持しやすい。これはエポキシ樹脂(A1)の占有体積が小さいために、エポキシ樹脂中で充填材粒子同士が衝突することを防止できることに基づくと推定される。
エポキシ樹脂(A1)のモノマー構造における窒素原子の数は0~2個、好ましくは0~1個、より好ましくは0個である。エポキシ樹脂(A1)が有する窒素原子の数を少なくすることで、耐熱性を維持しつつ、硬化物の絶縁性を向上させ得る。
エポキシ樹脂(A1)は、モノマー型(重合度1)又はプレポリマー型(例えば重合度2~5又は2~3)であってよい。エポキシ樹脂(A1)はモノマー型を含むことが好ましい。エポキシ樹脂(A1)の平均重合度は、1~2.5であってよく、好ましくは1~1.5である。エポキシ樹脂の重合度が低いことにより、低粘度となりやすく取り扱い性に優れ得る。
エポキシ樹脂(A1)のモノマー型が有するナフタレン基の数は1、2又は3であってよく、好ましくは1又は2である。
エポキシ樹脂(A1)のモノマー型が有するエポキシ基数は、1~6、2~5、2~4、2~3又は2(ジエポキシ)であってよく、好ましくは2~3又は2である。
エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量は、100~1200、150~900又は200~600であってよく、好ましくは180~750である。重量平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値であってよい。
エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は、50~500、60~400又は100~300であってよく、好ましくは80~350である。エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方として、例えばJISK7236:2001を参照できる。
エポキシ樹脂(A1)の例としては、1-グリシジルオキシナフタレン、2-グリシジルオキシナフタレン等のモノエポキシナフタレン;1,2-ジグリジジルオキシナフタレン、1,5-ジグリシジルオキシナフタレン、1,6-ジグリシジルオキシナフタレン(例えばDIC社製 EPICLON HP-4032D)、1,7-ジグリシジルオキシナフタレン、2,7-ジグリシジルオキシナフタレン等のジエポキシナフタレン;トリグリシジルオキシナフタレン、1,2,5,6-テトラグリシジルオキシナフタレン;2個のナフタレン基が有機基(例えば炭化水素基)を介して結合した構造を有するビスナフタレン型エポキシ樹脂(例えばDIC社製 EPICLON HP-4700);及びこれらのプレポリマー、並びにこれらの変性物が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
(グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2))
本開示における硬化性組成物は、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)を含む。「グリシジルアミン型エポキシ樹脂」とは、グリシジルアミノ基を分子内に有するエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂(A1)とエポキシ樹脂(A2)とを併用することで、浸透性及び耐熱性が好適となる。
エポキシ樹脂(A2)は、芳香族基を有することが好ましい。例えば、エポキシ樹脂(A2)はベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格及びフェナントレン骨格等の芳香族炭化水素骨格;及び/又はピリジン及びトリアジン等の窒素基含有芳香族炭化水素骨格を有していてよい。エポキシ樹脂(A2)が芳香族基を有することで、耐熱性を向上させ得る。また、エポキシ樹脂(A2)が芳香族基を有することで、吸湿性を低下させ、絶縁性を向上させ得る。
エポキシ樹脂(A2)のモノマー構造は、少なくともグリシジルアミノ基由来の窒素原子を1個有するが、それ以外の窒素原子の数は0~2個、好ましくは0~1個、より好ましくは0個である。すなわち、エポキシ樹脂(A2)のモノマー構造は窒素原子を1個のみ有することが好ましい。エポキシ樹脂(A2)が有する窒素原子の数が少ないことで、耐熱性を維持しつつ、吸湿性を低下させ、硬化物の絶縁性を向上させ得る。
エポキシ樹脂(A2)の窒素含有率(14×エポキシ樹脂(A2)のモノマー構造分子内の窒素原子数/エポキシ樹脂(A2)のモノマー構造の分子量×100)は、30%以下、20%以下、10%以下、又は7.5%以下であってよく、好ましくは15%以下、より好ましくは6%以下である。
エポキシ樹脂(A2)は、モノマー型(重合度1)又はプレポリマー型(例えば、重合度2~5又は2~3)であってよい。エポキシ樹脂(A2)はモノマー型を含むことが好ましい。エポキシ樹脂(A2)の平均重合度は、1~2.5であってよく、好ましくは1~1.5である。エポキシ樹脂の重合度が低いことにより、低粘度となりやすく取り扱い性に優れ得る。
エポキシ樹脂(A2)のモノマー型が有するグリシジルアミノ基の数は1、2又は3であってよく、好ましくは1又は2である。
エポキシ樹脂(A2)のモノマー構造が有するエポキシ基数は、耐熱性の観点から、1~7、2~5、2~4又は2~3であってよく、好ましくは3~4、特に3(トリエポキシ)である。グリシジルアミノ基に含まれるエポキシ基以外のエポキシ基は、グリシジルエーテル基に含まれるエポキシ基であってよい。
エポキシ樹脂(A2)のモノマー構造の重量平均分子量は、100~1200、150~900又は200~600であってよく、好ましくは180~750である。重量平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値であってよい。
エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量は、50~450、60~350又は100~250であってよく、好ましくは80~300である。エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方として、例えばJISK7236:2001を参照できる。
エポキシ樹脂(A2)の例としては、N,N-ジグリシジル-4-(グリシジルオキシ)アニリン、4,4'-メチレンビス[N,N-ビス(オキシラニルメチル)アニリン]、トリグリシジル-o-アミノフェノール、トリグリシジル-p-アミノフェノール等の芳香族型;1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の脂肪族型;モノグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート及びトリグリシジルイソシアヌレート等のイソシアヌレート型;ジグリシジルヒダントイン等のヒダントイン型;及びこれらのプレポリマー、並びにこれらの変性物が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。エポキシ樹脂(A2)はジグリシジルアミノ基を有していることが好ましい。
(その他エポキシ樹脂)
硬化性組成物はナフタレン型エポキシ樹脂(A1)及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)以外のエポキシ樹脂を含んでいることが好ましい。
その他エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールE(AD)型及びビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びビスフェノールA等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、フルオレン型及びアントラセン型等の芳香族型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂及びアダマンタン型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂;脂肪族鎖状エポキシ樹脂;リン含有エポキシ樹脂;及びアルキルフェノール型エポキシ樹脂、並びにこれらの変性物が挙げられる。耐熱性の観点から、その他エポキシ樹脂として芳香族エポキシ樹脂を含んでいてもよい。また、耐熱性の観点から、その他エポキシ樹脂として脂肪族エポキシ樹脂を含んでいなくてもよい。その他エポキシ樹脂の好適な例として、ビスフェノールエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、エポキシ基以外の活性水素含有基及び活性水素反応性基を有していなくてもよい。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。その他エポキシ樹脂は脂肪族エポキシ樹脂を含んでいなくてよい。
その他エポキシ樹脂のモノマー構造における窒素原子の数は0~2個、好ましくは0~1個、より好ましくは0個である。
[硬化剤]
(アミン系硬化剤(B))
硬化性組成物は、室温で固体のアミン系硬化剤(B)を含むことが好ましい。本開示において、アミン系硬化剤とは、熱硬化性樹脂に加えたときに硬化反応を進行又は促進させる作用を有するものであって、分子内にアミノ基を有するものをいう。ここで、「アミノ基」とは、当業者がアミノ基と認識するものであって、イミダゾール骨格又はイミダゾリン骨格に含まれるアミノ基を含む。また、本明細書における「硬化剤」とは、硬化促進剤も含む広義の概念であってよい。
硬化性組成物をアンダーフィル材として用いる場合、作業性の観点から、ある一定温度以下では硬化が十分に進行せず、それ以上の温度で速やかに硬化が進行することができる硬化性を硬化性組成物に付与できる硬化剤を選択することが重要である。このような硬化剤(B)として、高融点であって、分子内に窒素原子を複数個有するものが好適である。窒素原子の存在は、硬化剤(B)とエポキシ樹脂(A1)及びエポキシ樹脂(A2)との反応活性を向上させ、好適な硬化性に寄与していると推定される。
アンダーフィル材として用いる場合の硬化性の観点から、アミン系硬化剤(B)の融点は、50℃以上、100℃以上、120℃以上、150℃以上、175℃以上又は200℃以上であってよく、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは210℃以上、よりさらに好ましくは240℃以上である。また、アミン系硬化剤(B)の融点は400℃以下、350℃以下、300℃以下、280℃以下であってよい。
アンダーフィル材として用いる場合の硬化性の観点から、アミン系硬化剤(B)の分子内窒素原子の数は3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上又は8個以上であってよく、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。アミン系硬化剤(B)の分子内窒素原子の数は12個以下、10個以下又は8個以下であってよい。
アンダーフィル材として用いる場合の硬化性の観点から、アミン系硬化剤(B)の窒素含有率(14×アミン系硬化剤(B)分子内の窒素原子数/アミン系硬化剤(B)の分子量×100)は10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上又は42重量%以上であってよく、例えば18重量%以上、好ましくは28重量%以上、特に38重量%以上である。また、アミン系硬化剤(B)の窒素含有率は80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下であってよい。
アミン系硬化剤(B)は、例えば、脂肪族モノアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族モノアミン又は芳香族ポリアミンを用いることができる。アミン系硬化剤(B)は、エポキシ樹脂とのアミンアダクト体等でなくてもよい。硬化性の観点から、アミン系硬化剤(B)は水酸基を有していなくてよい。
アミン系硬化剤(B)は、イミダゾール系硬化剤及びイミダゾリン系硬化剤からなる群から選択される少なくとも一種である。アミン系硬化剤(B)はこれらのうち一種だけを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
「イミダゾール系硬化剤」とは、分子内にイミダゾール骨格を有する硬化剤である。イミダゾール系硬化剤の例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-アミノエチル-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール及び1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、並びにこれらの変性物が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。硬化性の観点から、イミダゾール系硬化剤は水酸基を有していなくてよい。
「イミダゾリン系硬化剤」とは、分子内にイミダゾリン骨格を有する硬化剤である。イミダゾリン系硬化剤の例としては、1-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-2-フェニルイミダゾリン、1-(2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル)-2-メチルイミダゾリン、2-メチルイミダゾリン、2,4-ジメチルイミダゾリン、2-エチルイミダゾリン、2-エチル-4-メチルイミダゾリン、2-ベンジルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2-(o-トリル)-イミダゾリン、テトラメチレン-ビス-イミダゾリン、1,1,3-トリメチル-1,4-テトラメチレン-ビス-イミダゾリン、1,3,3-トリメチル-1,4-テトラメチレン-ビス-イミダゾリン、1,1,3-トリメチル-1,4-テトラメチレン-ビス-4-メチルイミダゾリン、1,3,3-トリメチル-1,4-テトラメチレン-ビス-4-メチルイミダゾリン、1,2-フェニレン-ビス-イミダゾリン、1,3-フェニレン-ビス-イミダゾリン、1,4-フェニレン-ビス-イミダゾリン及び1,4-フェニレン-ビス-4-メチルイミダゾリン、並びにこれらの変性物が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。硬化性の観点から、イミダゾリン系硬化剤は水酸基を有していなくてよい。
アミン系硬化剤(B)は分子内にトリアジン骨格(特に1,3,5-トリアジン骨格)を含有するトリアジン骨格含有アミン系硬化剤、即ちトリアジン骨格含有イミダゾール系硬化剤及びトリアジン骨格含有イミダゾリン系硬化剤からなる群から選択される少なくとも一種であってよい。
アミン系硬化剤(B)がトリアジン骨格を含有することで、良好な浸透性が得られるとともに、良好な反応促進も可能となる。この理由は必ずしも定かではないが、トリアジン骨格を含有することで硬化剤の融点が適度に上昇することに加えて3個の環窒素原子の存在により他成分との適度な相互作用が実現したことによるものと考えられる。
トリアジン骨格含有アミン系硬化剤は、トリアジン骨格に直接結合したアミノ基を少なくとも1個(例えば1個、2個及び3個)有していてよく、好ましくは2個有する。硬化性の観点から、トリアジン骨格含有アミン系硬化剤は、トリアジン骨格に直接結合した水酸基を有していなくてよい。トリアジン骨格含有アミン系硬化剤は下記一般式(1)で表される化合物であってよい。
Figure 2023058557000001
(式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~25の一価の有機基であり、R、R及びRの少なくとも1個がイミダゾール骨格又はイミダゾリン骨格を含有する基である。)
及びRにおける一価の有機基は、脂肪族基及び芳香族基であってよい。R、R及びRの少なくとも1個(好ましくは1個)がイミダゾール骨格又はイミダゾリン骨格を含有する基である。R、R及びRの少なくとも1個、好ましくは2個がアミノ基(アルキルアミノ基、-NH2基、好ましくは-NH基)であることが好ましい。R、R及びRは分子量10~750であってよく、例えば(特にイミダゾール骨格又はイミダゾリン骨格を含有する基である場合)200~400である。R、R及びRが有する炭素数は0~20であってよく、例えば1~15である。
及びRがアミノ基である場合、Rがイミダゾール骨格又はイミダゾリン骨格を含有する基であってよく、好ましくはイミダゾール基を含有する基である。ここで、Rは、水酸基を有していても有していなくてもよい。
トリアジン骨格含有アミン系硬化剤は、下記一般式(2)で表される化合物であってよい。
Figure 2023058557000002
(式(2)中、Rはイミダゾール骨格又はイミダゾリン骨格を含有する炭素数3~25の有機基であり、R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~25の一価の有機基である。)
におけるイミダゾール骨格又はイミダゾリン骨格と、トリアジン骨格とは、スペーサー基(例えば、脂肪族炭化水素基及び含窒素脂肪族炭化水素基)を介して結合されていてよく、直接結合していてもよい。Rの炭素数は3~20であってよく、例えば3~15である。
、R、R及びRにおける有機基はそれぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基であってよく、好ましくは脂肪族基(例えば脂肪族炭化水素基)であり、例えばアルキル基、アルケニル基、アリール基又はヒドロキシアルキル基であり、より好ましくはアルキル基又はアルケニル基である。R、R、R及びRにおける有機基の炭素数は1~20であってよく、例えば1~15である。R、R、R及びRのうち少なくとも一個(例えば、一個、二個、又は三個)が水素原子であってよく、全てが水素原子であってよい。
トリアジン骨格含有イミダゾール系硬化剤は下記一般式(3)で表される化合物であってよい。
Figure 2023058557000003
(式(3)中、R、R10及びR11はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~25の有機基であり、Lは直接結合又は炭素数1~25の有機基である。)
、R10及びR11における有機基はそれぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基であってよく、好ましくは脂肪族基(例えば脂肪族炭化水素基)であり、例えばアルキル基、アルケニル基、アリール基又はヒドロキシアルキル基であり、より好ましくはアルキル基又はアルケニル基である。R、R10及びR11における有機基の炭素数は1~20であってよく、例えば1~15である。R、R10及びR11のうち少なくとも一個(例えば、一個又は二個、特にR及びR10の一方又は両方)が水素原子であってよく、全てが水素原子であってよい。
における有機基は二価の脂肪族基又は二価の芳香族基であってよく、好ましくは脂肪族基(例えば、脂肪族炭化水素基、含酸素脂肪族炭化水素基又は含窒素脂肪族炭化水素基)である。Lにおける有機基は、1個又は複数の窒素原子又は酸素原子を有していてもよいし、有していなくてもよい。Lにおける有機基の炭素数は1~20であってよく、例えば1~15である。
トリアジン骨格含有イミダゾリン系硬化剤は下記一般式(4)で表される化合物であってよい。
Figure 2023058557000004
(式(4)中、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~25の有機基であり、Lは直接結合又は炭素数1~25の有機基である。)
12、R13及びR14における有機基はそれぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基であってよく、好ましくは脂肪族基(例えば脂肪族炭化水素基)であり、例えばアルキル基、アルケニル基、アリール基又はヒドロキシアルキル基であり、より好ましくはアルキル基又はアルケニル基である。R12、R13及びR14における有機基の炭素数は1~20であってよく、例えば1~15である。R12、R13及びR14のうち少なくとも一個(例えば、一個又は二個、特にR12及びR13の一方又は両方)が水素原子であってよく、全てが水素原子であってよい。
における有機基は二価の脂肪族基又は二価の芳香族基であってよく、好ましくは脂肪族基(例えば、脂肪族炭化水素基、含酸素脂肪族炭化水素基又は含窒素脂肪族炭化水素基)である。Lにおける有機基は、1個又は複数の窒素原子又は酸素原子を有していてもよいし、有していなくてもよい。Lにおける有機基の炭素数は1~20であってよく、例えば1~15である。
上記のトリアジン骨格含有硬化剤としては市販品を利用してもよいし、当業者に公知の方法で製造することが可能である。例えば、国際公開2014/142035、特開2015-140394及び特開2019-6972等を参照することができる。
トリアジン骨格含有硬化剤の例としては、1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-ウンデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-ウンデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-ヘプタデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-エチル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-フェニルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-フェニル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)プロピル-2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-ウンデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-ヘプタデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-フェニルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-フェニル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ブチル-2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-ウンデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-ヘプタデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-フェニルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-フェニル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ペンチル-2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-ウンデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-ヘプタデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-エチル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-フェニルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-フェニル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘキシル-2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-ウンデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-ヘプタデシルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-フェニルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-フェニル-4-メチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール;1-(4,6-ジアミノ-s-トリアジン-2-イル)ヘプチル-2-フェニル-4-ヒ;ドロキシメチル-5-メチルイミダゾール;及びこれらのイミダゾール骨格をイミダゾリン骨格に置換した化合物、並びにこれらの変性物が挙げられる。具体的な製品の例としては、四国化成社製2MZ-A、2MZA-PW、C11Z-A及び2E4MZ-A等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。硬化性の観点から、イミダゾリン系硬化剤は水酸基を有していなくてよい。
硬化剤(B)が固形の場合、硬化剤(B)は所定の中心粒径まで粉砕されたものを用いてもよい。硬化剤(B)の中心粒径の例は、10μm以下、5μm以下、2.5μm以下及び1.5μm以下である。粉砕にはジェットミル等の気流式粉砕機;振動ボールミル、連続式回転ボールミル、バッチ式ボールミル等のボールミル;湿式ポットミル、遊星ポットミル等のポットミル;ローラーミ等の粉砕機を用いることができる。
(その他硬化剤)
本開示の硬化性組成物は、硬化剤(B)以外のその他硬化剤を含んでもよい。その他硬化剤の例としては、アミン系化合物(例えば、脂肪族アミン類、脂環式及び複素環式アミン類、芳香族アミン類及び変性アミン類)、イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物、アミド系化合物、エステル系化合物、フェノール系化合物、アルコール系化合物、チオール系化合物、エーテル系化合物、チオエーテル系化合物、尿素系化合物、チオ尿素系化合物、ルイス酸系化合物、リン系化合物、酸無水物系化合物、オニウム塩系化合物(又はカチオン重合開始剤)及び活性珪素化合物-アルミニウム錯体が挙げられる。絶縁性の観点から、本開示の硬化性組成物は酸無水物型の硬化剤を用いなくてもよい。硬化性組成物は常温で液体の硬化剤を含まなくてもよい。
[無機充填材(C)]
硬化性組成物は、
本開示における硬化性組成物は、無機充填材(C)を含有する。無機充填材(C)は、硬化性組成物に一般に使用される無機充填材であってよく、好ましくはシリカ粒子及びアルミナ粒子からなる群から選択される少なくとも一種である。
(球状無機粒子)
本開示における硬化性組成物は、充填材として球状無機粒子を含有することが好ましい。球状無機粒子はシリカ粒子及びアルミナ粒子からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。球状無機粒子は各種表面処理剤(例えば、シランカップリング剤)で処理されていてもよい。本明細書において、球状とは真球状、楕円球状などに限られず、当業者が球状であると認識する程度に球状であれば足りる。例えば、表面に多少の凸凹が存在する粒子も球状粒子であってよい。
球状無機粒子は粒度分布の異なる複数(例えば、2種、3種又は4種)の粒子を含んでいてよい。球状無機粒子は中心粒径が0.5~20μmの範囲にある異なる粒子分布を有する複数(例えば、2種、3種又は4種)の粒子を含んでいてよい。球状無機粒子は、中心粒径の小さい球状無機粒子(Cs)と、中心粒径の大きい球状無機粒子(Cl)とを含んでいてよい。球状無機粒子(Cs)の中心粒径は、0.5~5μm、0.5~4.5μm又は0.5~3μmであってよく、好ましくは0.5~4μmである。中心粒径の大きい球状無機粒子(Cl)の中心粒径は、5~20μm、7~20μm又は9~20μmであってよく、好ましくは7.5~20μmである。球状無機粒子(Cs)と球状無機粒子(Cl)との中心粒径の差は少なくとも1μm、少なくとも2.5μm、少なくとも5μm、又は少なくとも10μmであってよい。中心粒径及び粒度分布は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子分布測定装置を用いて測定できる。具体的には実施例に記載の方法で測定できる。なお、「中心粒径」とは体積基準粒度分布測定におけるd50の値を意味する。
球状無機粒子の体積基準粒度分布測定において、横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットして得られる粒子の存在比率のチャートにおいて、粒径0.5~20μmの範囲において複数(例えば、2個、3個又は4個)のピーク又はショルダーピーク(ここで、ショルダーピークとは、二つ以上のピークが存在し、一方のピークが他方のピークよりも顕著に小さい場合、それらが重なると、大きいピーク上にショルダー状で現れるピークのことをいう)を有することが好ましい。複数のピークのいずれか2個のピークの粒径差は少なくとも1μm、少なくとも2.5μm、少なくとも5μm、又は少なくとも10μmであってよい。
(その他無機充填材)
その他無機充填材の例は、上記球状無機粒子以外であって、ガラス、炭酸カルシウム、脂肪酸処理炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、タルク、マイカ、クレー、ガラスビーズ、シラスバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、プラスチックバルーン、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、グラファイト、針状結晶性炭酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、クリソタイル、ワラストナイト等の針状結晶性フィラー等が挙げられる。
無機充填材は、樹脂と無機充填材との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理されていてよい。このようなカップリング剤の例としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン;N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応物、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン及びN-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;γ-メルカプトシラン及びγ-エピスルフィドキシプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
[その他添加剤]
本開示の硬化性組成物は、その他添加剤を含んでいてよい。その他の添加剤の例として、カーボンブラック、有機染料及び有機顔料等の着色剤;有機粒子及び有機繊維等の有機充填材;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン及びシリコーンオイル(例えばアミノ変性シリコーンオイル及びエポキシ変性シリコーンオイル)等のシリコン系添加剤;ポリオキシアルキレン骨格を有するグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;ヒンダードフェノール類、メルカプタン類、スルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類及びチオアルデヒド類等の老化防止剤/酸化防止剤;ベンゾトリアゾール類及びヒンダードアミン類等の紫外線吸収剤・光安定剤;コロイダルシリカ、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド及び水添ひまし油等の揺変剤;熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の変性剤等が挙げられる。例えば、エポキシシラン等のシランカップリング剤と、シリコーンオイルとを組み合わせて添加してもよい。
[硬化性組成物の組成]
(エポキシ樹脂の総量)
エポキシ樹脂の総量は組成物に対して、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上又は35重量%以上であってよく、好ましくは18重量%以上、より好ましくは28重量%以上である。また、エポキシ樹脂の総量は組成物に対して、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下又は35重量%以下であってよく、好ましくは58重量%以下、より好ましくは48重量%以下である。
(ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)の量)
エポキシ樹脂(A1)の量は、組成物中の有機物量に対して、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上又は35重量%以上であってよく、好ましくは17重量%以上、より好ましくは28重量%以上、さらに好ましくは33重量%以上である。また、エポキシ樹脂(A1)の量は、組成物中の有機物量に対して、75重量%以下、65重量%以下、55重量%以下、45重量%以下又は40重量%以下であってよく、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である、さらに好ましくは39重量%以下である。なお、本明細書において「組成物中の有機物量」とは、組成物中の無機粒子以外の量であってよく、組成物中のエポキシ樹脂の総量と読み替えてもよい。
(エポキシ樹脂(A1)の有するナフタレン骨格が占める重量)
エポキシ樹脂(A1)の有するナフタレン骨格が占める重量は組成物に対して、1重量%以上、2.5重量%以上、4.5重量%以上、6重量%以上又は7.5重量%以上であってよく、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5.5重量%以上、さらに好ましくは6.5重量%以上である。また、エポキシ樹脂(A1)の有するナフタレン骨格が占める重量は組成物に対して、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下又は10重量%以下であってよく、好ましくは26重量%以下、より好ましくは16重量%以下である、さらに好ましくは11重量%以下である。
(グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)の量)
エポキシ樹脂(A2)の量は、組成物中の有機物量に対して、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上又は35重量%以上であってよく、好ましくは21重量%以上、より好ましくは28重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上である。また、エポキシ樹脂(A2)の量は、組成物中の有機物量に対して、75重量%以下、65重量%以下、55重量%以下、45重量%以下又は40重量%以下であってよく、好ましくは65重量%以下、より好ましくは45重量%以下である、さらに好ましくは39重量%以下である。
(その他エポキシ樹脂の量)
その他エポキシ樹脂の量は、組成物中の有機物量に対して、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上又は35重量%以上であってよく、好ましくは21重量%以上、より好ましくは28重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上である。また、その他エポキシ樹脂の量は、組成物中の有機物量に対して、75重量%以下、65重量%以下、55重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、25重量%以下又は15重量%以下であってよく、好ましくは65重量%以下、より好ましくは45重量%以下である、さらに好ましくは39重量%以下である。
(窒素原子が占める重量)
組成物における窒素原子が占める重量は、組成物に対して、0.5重量%以上、0.8重量%以上又は1.0重量%以上であってよい。また、組成物における窒素原子が占める重量は、組成物に対して、15重量%以下、12重量%以下、9重量%以下、6重量%以下、3重量%以下又は1.5重量%以下であってよく、好ましくは7.5重量%以下、より好ましくは2.5重量%以下である。
(無機充填材(C)の総量)
無機充填材(C)の総量は、組成物に対して、40重量%以上、45重量%以上、50重量%以上、55重量%以上、60重量%以上又は65重量%以上であってよく、好ましくは43重量%以上、より好ましくは53重量%以上である。また、無機充填材(C)の総量は、組成物に対して、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下又は60重量%以下であってよく、好ましくは70重量%以上、好ましくは66重量%以下、さらに好ましくは63重量%以下である。無機充填材の量が上記範囲にあることで、硬化性組成物の浸透性及び/又は線膨張係数が向上し得る。
無機充填材(C)の総量は、組成物に対して、30容積%以上、33容積%以上、36容積%以上、39容積%以上、41容積%以上又は43容積%以上であってよく、好ましくは35容積%以上、より好ましくは40容積%以上である。また、無機充填材(C)の総量は、組成物に対して、80容積%以下、65容積%以下、50容積%以下、45容積%以下、40容積%以下又は35容積%以下であってよく、好ましくは76容積%以下、より好ましくは66容積%以下である。
(球状無機粒子の量)
球状無機粒子の量は、無機充填材(C)の総量に対して、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、90重量%以上又は95重量%以上であってよく、好ましくは85重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。また、球状無機粒子の量は、充填材の総量に対して、100重量%以下、97重量%以下、93重量%以下、90重量%以下、85重量%以下又は80重量%以下であってよい。
(球状無機粒子(Cl)の量)
球状無機粒子(Cl)の量は、組成物に対して、30重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上であってよく、好ましくは42重量%以上、より好ましくは45重量%以上である。また、無機充填材(Cl)の総量は、組成物に対して、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、48重量%以下又は45重量%以下であってよく、好ましくは54重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。無機充填材の量が上記範囲にあることで、硬化性組成物の浸透性及び/又は線膨張係数が向上し得る。
(球状無機粒子(Cs)の量)
球状無機粒子(Cs)の量は、組成物に対して、3重量%以上、5重量%以上、7.5重量%以上、15重量%以上又は17.5重量%以上であってよく、好ましくは4.5重量%以上、より好ましくは8重量%以上である。また、無機充填材(C)の総量は、組成物に対して、40重量%以下、25重量%以下、又は15重量%以下であってよく、好ましくは18重量%以下、より好ましくは13重量%以下である。無機充填材の量が上記範囲にあることで、硬化性組成物の浸透性が向上し得る。
(硬化剤の量)
硬化剤の量は、組成物に対して、0.01重量%以上、0.2重量%以上、0.4重量%以上、0.6重量%以上、0.8重量%以上又は1.0重量%以上であってよく、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.7重量%以上である。また、硬化剤の総量は、組成物に対して、50重量%以下、35重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、5重量%以下、4.5重量%以下、3.5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下又は2重量%以下であってよく、好ましくは3.6重量%以下、より好ましくは2.2重量%以下である。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比は、硬化速度の観点からは、エポキシ樹脂と硬化剤との比(エポキシ樹脂の重量/硬化剤の重量)が100未満、50未満、又は25未満となるように設定されてもよい。
(アミン系硬化剤(B)の量)
硬化剤(B)の量は、硬化剤の総量に対して、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上、75重量%以上又は80重量%以上であってよく、好ましくは77重量%以上、より好ましくは92重量%以上である。また、硬化剤の総量は、硬化剤の総量に対して、100重量%以下、95重量%以下、85重量%以下、75重量%以下、65重量%以下又は55重量%以下であってよい。
(その他添加剤の総量)
その他添加剤の総量は、各成分に応じて適宜選択されればよい。例えば、その他添加剤の量は、組成物に対して、0.01重量%以上、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.5重量%以上又は0.8重量%以上であってよい。また、その他添加剤の総量は、組成物に対して、5重量%以下、4.5重量%以下、3.5重量%以下、3重量%以下、2.5重量%以下又は2重量%以下であってよい。
<硬化性組成物の調製方法>
硬化性組成物の調製方法は、各種成分を均一に分散混合できるのであればよい。プラネタリーミキサー等のミキサーを用いて成分を混練することによって得ることができる。調製に際して必要に応じて脱泡してもよい。
硬化性組成物は一液型または多液型(例えば二液型)であってもよいが、作業性の観点からは一液型が好ましい。保存安定性の観点からは、多液型であることが好ましい。
<硬化物>
硬化性組成物は、加熱により硬化し、硬化物となる。加熱温度は、50~250℃であってよく、例えば100℃~175℃である。加熱時間は、通常120分以内であり、例えば60分以内、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内、さらに好ましくは10分以内である。アンダーフィル材として硬化性組成物を用いる場合、硬化温度は、電子部品の耐熱性も考慮した温度設定であり、通常50~200℃、例えば80℃~150℃である。
硬化物のガラス転移温度は、128℃以上、133℃以上、138℃以上、143℃以上又は148℃以上であってよい。また、硬化物のガラス転移温度は、250℃以下、200℃以下又は175℃以下であってよい。硬化物のガラス転移温度が高くなることにより、耐熱性が向上し得る。
硬化によって、生成される結合の例としては、エーテル結合、エステル結合又は三級アミノ結合がある。生成されるエーテル結合の比率は、生成した結合100mol%に対して、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上又は80mol%以上であっってよい。生成されるエステル結合の比率は、生成した結合100mol%に対して、20mol%以下、15mol%以下、10mol%以下、又は7mol%以上であっってよく、好ましくは12mol%以下、より好ましくは8mol%以下である。生成される三級アミノ結合の比率は、生成した結合100mol%に対して、12mol%以下、9mol%以下、6mol%以下、又は3.5mol%以上であっってよく、好ましくは7.5mol%以下、より好ましくは2.5mol%以下である。生成される結合の同定は、NMR、IR等の各種分光法を用いることにより行うことができる。
硬化物の線膨張係数は、31ppm以下、29ppm以下、25ppm以下又は23ppm以下であってよく、好ましくは30ppm以下、より好ましくは29ppm以下、さらに好ましくは27ppm以下である。硬化物の線膨張係数が低いことにより、電子部品の不良発生が低減され得る。
<硬化性組成物の用途>
本開示の硬化性組成物は、浸透性及び低い線膨張係数が要求される場面に有用である。本開示の硬化性組成物は、接着剤又は充填材等の各種用途に利用することが可能であり、好ましくはアンダーフィル材、特に電子部品装置用のアンダーフィル材として利用することができる。電子部品装置においては、本開示のアンダーフィル材又はその硬化物により電子部品と基板とが接続される。電子部品と基板との空隙に本開示の硬化性組成物からなるアンダーフィル材を充填後、所定の温度で所定時間加熱することで、アンダーフィル材の硬化物により、電子部品と基板とが接合された電子部品装置を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、特に特記がない限り、部及び%は重量基準である。
[試験方法]
試験方法及び評価基準は以下のとおりである。
(粒度分布)
無機粒子(シリカ)の粒度分布はレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置(堀場製作所社製 Partica LA-950V2)を用いて湿式法にて行った。分散媒としてメタノールを使用した。粒度分布が広く大粒径の粒子に隠れて小粒子が検出できない場合には、分級した粒子をそれぞれ測定し両社の結果を合成してもよい。
(浸透性)
2枚のスライドガラスを、100μmのスペーサーを設けて、少しずらして貼り合わせた。所定量の硬化性組成物(アンダーフィル材)をギャップの縁に塗布して、25℃から140℃まで10分間、12.5℃/分で昇温させ、10分後の浸透距離を測定した。
(保存安定性)
硬化性組成物10ccを小瓶に採取し、40℃雰囲気下にて密閉静置し、96時間後の粘度を測定した。粘度測定はコーンプレート型粘度計(ブルックフィールド社製HBDV-II+Pro)を用い、測定温度25℃、せん断速度1秒-1の粘度を測定して、粘度が何倍なったかを求めた。
(硬化性)
アンダーフィルの硬化性はDSC(示差走査熱量計、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製 Q-2000)を用いて、硬化前の発熱量と硬化後の発熱量から算出した。アンダーフィルを25℃から200℃まで、10℃/分の速度で昇温させた際の発熱曲線とベースラインで囲まれた領域の面積を発熱量とした。硬化性(%)は以下の式により算出した。
硬化性(%)=((硬化前の発熱量)-(150℃3分加熱硬化後の発熱量))/(硬化前の発熱量)×100
(ガラス転移温度及び線膨張係数)
アンダーフィルを150℃3分で加熱し、硬化物を得た。硬化物をTMA(熱機械分析装置、日立ハイテクサイエンス社製 TMA7100)を用い、-40℃から250℃まで、5℃/分の速度で昇温させ、30℃から80℃の直線の勾配から線膨張係数を求めた。得られたTMAカーブの2接線の交点からガラス転移温度(Tg)を算出した。
(絶縁性)
JIS2型くし型基板に、アンダーフィルを200μm厚で塗布した後、150℃3分で硬化させ試験片を得た。試験片を85℃90%RHの恒温槽に投入し、各電極に32Vの電圧を印加し、1000時間後の抵抗値を測定した。絶縁性の測定はデジタル超高抵抗計(アドバンテスト社製 R8340A)を用いて100V1分印加後の抵抗値から求めた。
(温度サイクルテスト)
SON(Small Outline No Lead)実装基板の半導体素子(サイズ:2×2mm)と基板の間にアンダーフィルを塗布、浸透させた後、150℃で3分、加熱硬化させ、試験片を得た。試験片を-30℃から105℃(各30分間)/3000サイクルの冷熱衝撃環境下に曝した後、はんだクラックの状態を電子顕微鏡を用いて観察した。はんだのクラック進展度は完全破断を100%とし、発生したクラックの長さの比率から下記式により算出した。
クラック進展度(%)=(クラックの長さ/完全破断時のクラック全長)×100
[実施例1~7、比較例1~8]
表1に示す組成(重量部)で原料プラネタリーミキサーにより混合し、硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物を用いて、上記試験を行った。結果を表2に示す。
表1中に示した原料は具体的には次のとおりである:
Figure 2023058557000005
Figure 2023058557000006

Figure 2023058557000007
本開示の硬化性組成物は、接着剤又は充填材等の各種用途に利用することが可能であり、好ましくはアンダーフィル材、特に電子部品の製造用のアンダーフィル材として利用することができる。

Claims (13)

  1. ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)、
    グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)、
    融点100℃以上のアミン系硬化剤(B)及び
    無機充填材(C)
    を含み、
    前記アミン系硬化剤(B)はイミダゾール系硬化剤及びイミダゾリン系硬化剤からなる群から選択される少なくとも一種である、硬化性組成物。
  2. 前記アミン系硬化剤(B)の分子内窒素原子の数が3個以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記アミン系硬化剤(B)の窒素含有率(14×アミン系硬化剤(B)分子内の窒素原子数/アミン系硬化剤(B)の分子量×100)は20重量%以上である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記アミン系硬化剤(B)が、トリアジン骨格含有硬化剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)の量が、組成物中の有機物量に対して、20重量%以上であり、
    前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)の量が、組成物中の有機物量に対して、20重量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)は芳香族であり、そのモノマー構造が窒素原子を1個のみ有する構造である、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記無機充填材(C)が球状無機粒子を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記球状無機粒子は、
    中心粒径が0.5~5μmの範囲にある球状無機粒子(Cs)及び、
    中心粒径が5~20μmの範囲にある球状無機粒子(Cl)
    を含み、前記球状無機粒子(Cs)の中心粒径と前記球状無機粒子(Cl)の中心粒径との差は少なくとも1μmである、請求項7に記載の硬化性組成物。
  9. 前記球状無機粒子の体積基準粒度分布測定において、横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットして得られる粒子の存在比率のチャートにおいて、粒径0.5~20μmの範囲においてピーク又はショルダーピークを少なくとも2個有する、請求項7に記載の硬化性組成物。
  10. 線膨張係数が31ppm以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
  11. ナフタレン型エポキシ樹脂(A1)、
    グリシジルアミン型エポキシ樹脂(A2)、
    融点が100℃以上であるアミン系硬化剤(B)及び
    無機充填材(C)
    を含む、アンダーフィル材であって、
    前記アミン系硬化剤(B)が、イミダゾール系硬化剤及びイミダゾリン系硬化剤からなる群から選択される少なくとも一種である、アンダーフィル材。
  12. 請求項11に記載のアンダーフィル材又はその硬化物により電子部品と基板とが接続されている、電子部品装置。
  13. 請求項11に記載のアンダーフィル材を、電子部品と基板との空隙に充填する工程を含む、電子部品装置の製造方法。
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