JP5696518B2 - エポキシ樹脂組成物およびこの硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物およびこれを硬化してなる硬化物に関するものである。
エポキシ樹脂は、接着性、耐熱性、機械的強度に優れた樹脂として広く用いられているが、エポキシ樹脂単独では、その硬化物が硬くて脆いため、強靭化が課題とされていた。
そこで、従来では、エポキシ樹脂にスーパーエンプラのポリエーテルスルホン(以下では、PESと示す。)をアロイ化することで、エポキシ樹脂の強靱化が図られている(例えば、特許文献1−3参照)。
このエポキシ樹脂にPESをアロイ化する方法は、エポキシ樹脂とPESとを加熱しながら撹拌または混練することにより、エポキシ樹脂とPESとの溶解物を作製した後、その溶解物に硬化剤を配合することでエポキシ樹脂組成物を作製し、このエポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させることで、強靱化された硬化物を得るものである(例えば、特許文献3の段落0028参照)。
特許第3142425号公報 特許第4172220号公報 特許第4428978号公報
ところで、上記先行技術文献には、エポキシ樹脂に対する硬化剤として、種々のものが列挙されているだけであり、上記特許文献に記載の発明は、硬化剤に着眼したものではなかった。
そこで、エポキシ樹脂にPESをアロイ化するときに用いる硬化剤に着眼すると、エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン系硬化剤を用いることが好ましい。これは、アミン系硬化剤を用いると、エポキシ樹脂と反応した際に、エポキシ環が開き水酸基が生成し、被着体との水素結合による高接着性が期待できるためである。
さらに、アミン系硬化剤の中でも、芳香族ポリアミンをエポキシ樹脂の硬化剤として用い、その芳香族ポリアミンが1つの分子中にベンゼン環を多く有するものであることがより好ましい。これにより、他の硬化剤を用いた場合と比較して、エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物の機械的強度を向上できるからである。
しかし、芳香族ポリアミンにおいて、1つの分子中にベンゼン環を多く有するものは、常温(25℃)で固形の状態となっている。このため、このような固形の芳香族ポリアミンを用いると、得られるエポキシ樹脂組成物の流動性が損なわれてしまう。すなわち、液状のエポキシ樹脂と固形粉末状のPESとの溶解物を作製するだけでも、溶解物の流動性は溶解前よりも悪化するところ、さらに、固形の芳香族ポリアミンを配合すると、エポキシ樹脂組成物の流動性が無くなってしまう。
この結果、エポキシ樹脂組成物を接着剤等の用途に用いたときの作業性が悪化してしまう。例えば、接着剤を接着対象物に塗布する際に、エポキシ樹脂組成物自体に流動性が無いと、エポキシ樹脂組成物をそのまま塗布することができない。
なお、上記した先行技術文献のいずれにも、このように、硬化剤として固形の芳香族ポリアミンを用いると、エポキシ樹脂組成物の硬化前における流動性が損なわれるという問題は記載されていない。
本発明は上記点に鑑みて、硬化前における流動性を確保しつつ、硬化後における硬化物の機械的強度を向上できるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、液状のエポキシ樹脂(A)と、エポキシ樹脂の硬化剤(B)と、ポリエーテルスルホン(C)とを配合して得られたエポキシ樹脂組成物において、
硬化剤(B)として、25℃で液状のアミン系硬化剤(B1)と、25℃で固形の芳香族ポリアミン(B2)とを併用しており、得られた組成物が80℃で液状であることを特徴としている。
これによれば、硬化剤として、常温で固形の芳香族ポリアミンを用いており、一般的に、常温で固形の芳香族ポリアミンは、1つの分子中にベンゼン環を多く有するので、これを用いない場合と比較して、エポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物の機械的強度を向上できる。
さらに、硬化剤として、単独使用では硬化前におけるエポキシ樹脂組成物の流動性が失われてしまう固形の芳香族ポリアミンを使用しても、液状のアミン系硬化剤を併用するので、液状のエポキシ樹脂組成物が得られ、硬化前におけるエポキシ樹脂組成物の流動性を確保できる。
この結果、本発明によれば、硬化前における流動性を確保しつつ、硬化後における硬化物の機械的強度を向上できるエポキシ樹脂組成物を提供できる。
請求項1に記載の発明においては、固形の芳香族ポリアミン(B2)としては、請求項2に記載のように、骨格にジフェニルスルホンを有するものを用いることが好ましく、例えば、請求項3に記載のジアミノジフェニルスルホンを用いることが好ましい。
また、液状のアミン系硬化剤(B1)としては、請求項4に記載のように、芳香族ポリアミンを用いることが好ましく、例えば、請求項5に記載の芳香族ジアミンを用いることが好ましい。
また、得られる液状のエポキシ樹脂組成物としては、請求項6に記載のように、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、ポリエーテルスルホン(C)とが、すべて均一に溶解した液状の性状を採用したり、請求項7に記載のように、固形の芳香族ポリアミン(B2)とポリエーテルスルホン(C)の少なくも一方が、粉末の状態で、液状の組成物中に分散した性状を採用したりすることができる。
また、エポキシ樹脂組成物の配合比としては、請求項8に記載のように、エポキシ樹脂(A)とポリエーテルスルホン(C)との質量比を、95:5〜65:35とすることができる。であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。また、請求項9に記載のように、液状のアミン系硬化剤(B1)と、固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比を、95:5〜20:80とすることができる。
このとき、請求項10に記載のように、エポキシ樹脂(A)とポリエーテルスルホン(C)との質量比を80:20とし、液状のアミン系硬化剤(B1)と、固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比を、70:30〜50:50とすることが好ましい。これにより、後述の実施例に記載の通り、硬化剤として、固形の芳香族ポリアミン(B2)を単独使用した場合の機械的強度に近い機械的強度が得られるからである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、液状のエポキシ樹脂(A)と、エポキシ樹脂の硬化剤(B)と、PES(C)とを配合して得られるものであって、硬化剤(B)として、常温(25℃)で液状のアミン系硬化剤(B1)と、常温(25℃)で固形の芳香族ポリアミン(B2)とを併用することによって、液状として得られるものである。
本発明では、硬化剤(B)として、発明が解決しようとする課題の欄に記載の通り、硬化物の被着体との接着性を高めるという観点より、アミン系硬化剤を用いることとし、さらに、硬化物の機械的強度を向上させるために、固形の芳香族ポリアミン(B2)を用いるとともに、硬化前のエポキシ樹脂組成物を液状とするために、液状のアミン系硬化剤を用いている。
このエポキシ樹脂組成物は、プラスチック同士やセラミックス同士等の接着剤、例えば、各種センサー等の電子部品を収容する樹脂製(もしくはセラミックス製)パッケージの本体と蓋との接着剤に適している。このエポキシ樹脂組成物は、液状として得られるため、取り扱い性が良く、接着作業が容易となる。
このエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF(実施例参照)、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、レゾルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール、ジヒドロキシナフタレン等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型、あるいは、これらの水添による脂環型のグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエステル型; フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;さらには骨格がポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリル、シリコーンである柔軟性エポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は単独でも2種類以上を併用しても良い。特に、ビスフェノール型のエポキシ樹脂が、物性、接着性に優れるエポキシ樹脂として好適に用いられる。
エポキシ樹脂組成物に用いる液状のアミン系硬化剤(B1)としては、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン(実施例参照)等の芳香族ポリアミンが挙げられる。
また、その他にも、液状のアミン系硬化剤(B1)としては、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、メタキシリレンジアミン等の脂肪族ポリアミンや、イソホロンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン等の脂環式ポリアミンや、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等のポリエーテル骨格ジアミンが挙げられる。
ただし、液状のアミン系硬化剤(B1)としては、硬化物の機械的強度の向上の観点では、1つの分子中にベンゼン環を有する液状の芳香族ポリアミンを用いることが好ましく、さらに、液状のエポキシ樹脂組成物を得やすくするという観点では、液状の芳香族ジアミンを用いることがより好ましい。
エポキシ樹脂組成物に用いる固形の芳香族ポリアミン(B2)としては、ジフェニルスルホンを骨格に有するもの、例えば、ジフェニルスルホンの両末端にアミノ基がついた化合物(実施例のジアミノジフェニルスルホン参照)や、ジフェニルスルホンがエーテルで結合しオリゴマー化した構造を骨格に有する両末端アミノ基含有化合物が挙げられる。
また、その他にも、固形の芳香族ポリアミン(B2)としては、ジフェニルスルホンを骨格に有していないものを用いることもでき、例えば、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン等が挙げられる。
ただし、次の理由により、固形の芳香族ポリアミン(B2)としては、ジフェニルスルホンを骨格に有していないものよりも、ジフェニルスルホンを骨格に有するものを用いることが好ましい。
ここで、一般的に、エポキシ樹脂に対する硬化剤は、エポキシ樹脂の分子同士を結合するものであるので、エポキシ樹脂組成物の硬化物では、エポキシ樹脂と硬化剤とのネットワークが形成されている。しかし、エポキシ樹脂とPESとは結合しないため、エポキシ樹脂組成物の硬化物では、PESは独立して存在している。
これに対して、固形の芳香族ポリアミン(B2)として、骨格にジフェニルスルホンを有するものを用いた場合、式(I)、(II)に示すように、ジフェニルスルホンは、PESと化学構造が似ているので、相溶性が近い関係にある。式(I)はジフェニルスルホンを示し、式(II)はPESを示している。
Figure 0005696518
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このため、固形の芳香族ポリアミン(B2)として、骨格にジフェニルスルホンを有するものを用いると、エポキシ樹脂のネットワークとPESとの間に強い相互作用が働き、硬化物の機械的強度が向上すると考えられる。
なお、固形の芳香族ポリアミン(B2)として、ジフェニルスルホンを骨格に有していないものを用いても、1つの分子中にベンゼン環を多く有することから、硬化物の機械的強度を向上できるという効果を奏する。
次に、エポキシ樹脂組成物の作製方法について説明する。
液状のエポキシ樹脂(A)と固形のPES(C)とを加熱しながら撹拌または混練することにより、エポキシ樹脂とPESとの溶解物を作製する。このとき、液状のエポキシ樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂(A)とPES(C)との質量比を、95:5〜65:35の範囲内とすることが好ましい。
その後、その溶解物に加熱しながら液状のアミン系硬化剤(B1)と固形の芳香族ポリアミン(B2)とを配合する。このとき、エポキシ樹脂(A)と硬化剤との反応が1:1で行われるように、溶解物に対して、液状のアミン系硬化剤(B1)および固形の芳香族ポリアミン(B2)を配合する。
また、液状のアミン系硬化剤(B1)と固形の芳香族ポリアミン(B2)との配合比については、固形の芳香族ポリアミン(B2)が多すぎると、液状のエポキシ樹脂組成物が得られないので、液状のエポキシ樹脂組成物が得られる配合比とする。具体的には、液状のアミン系硬化剤(B1)と、固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比を、95:5〜20:80の範囲内とすることが好ましい。
このようにして、液状のエポキシ樹脂組成物が得られるが、得られたエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、PES(C)とが、すべて均一に溶解した液状である場合に限らず、固形の芳香族ポリアミン(B2)とPES(C)の少なくも一方が、固形の状態で、液状のエポキシ樹脂組成物中に分散していても良い。
このようにして得られた液状のエポキシ樹脂組成物を、所定の硬化条件で加熱し、冷却すると、機械的強度および接着性に優れた硬化物が得られる。この硬化物は、マトリックス中にドメインが分散したマトリックス・ドメインの相構造(いわゆる海島構造)をとる。
なお、後述の実施例において、エポキシ樹脂(A)の配合比が80以下のものは、マトリックスがPES、ドメインがエポキシ樹脂となり、エポキシ樹脂(A)の配合比が90、95のものは、マトリックスがエポキシ樹脂、ドメインがPESの相構造であった。
表1、2に、本発明の実施例および比較例におけるエポキシ樹脂組成物の配合比およびその評価結果や、エポキシ樹脂組成物の硬化物の評価結果を示す。なお、表1、2中のB1:B2は、液状のアミン系硬化剤(B1)と固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比を示している。
Figure 0005696518
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実施例1〜4では、表1に示す配合比(質量比)にて、液状のエポキシ樹脂(A)と粉末状のPES(C)とを混合し、120℃で1時間加熱撹拌することで、PES(C)をすべて溶解させて、両樹脂の均一溶液(粘調)とする。その後、この均一溶液を一旦80℃まで冷却し、硬化剤(B)として固形の芳香族ポリアミン(B2)を混合した後、100℃で1〜2時間加熱撹拌することで、エポキシ樹脂(A)、硬化物(B2)およびPES(C)のすべてを均一に溶解し、さらに、80℃以下に冷却し液状の芳香族ポリアミン(B1)を混合、数分撹拌することで液状のエポキシ樹脂組成物を得た。
実施例5、6は、配合比を実施例2と同じとして、実施例2に対して配合方法を変更したものである。具体的には、実施例5では、固形の芳香族ポリアミン(B2−a)が、粉末の状態で、液状のエポキシ樹脂組成物中に存在するように、エポキシ樹脂(A)とPES(C)の均一溶液に硬化剤を投入後の撹拌時間を数分に変更した。また、実施例6では、エポキシ樹脂(A)と固形の芳香族ポリアミン(B2)とを混合し、100℃で1時間加熱撹拌して、均一溶液とする。この均一溶液に液状のアミン系硬化剤(B1)と粉末状のPES(C)を混合し、100℃以下で数分撹拌することで、PES(C)が粉末の状態で分散した液状のエポキシ樹脂組成物を得た。
一方、比較例1、2では、表1に示すように、実施例1の配合比に対して、固形の芳香族ポリアミン(B2)と液状のアミン系硬化剤(B1)のどちらか一方を0に変更し、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物を作製した。
また、実施例7〜10および比較例3、4では、表2に示すように、エポキシ樹脂(A)とPES(C)との配合比を変えて、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物を作製した。なお、実施例7〜10では、PESの配合量が増大するに連れて、組成物の粘度が高まって流動性が失われてしまうため、液状のアミン系硬化剤の配合比を増大させた。また、比較例3では、エポキシ樹脂へのPESの投入を省略した点を除き、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物を作製した。
そして、各実施例および各比較例で作製したエポキシ樹脂組成物の80℃での性状および流動性の有無を確認し、エポキシ樹脂組成物を硬化して得た硬化物の引張り強度を測定した。これらの結果を表1、2に示している。引張り強度については、表下に記載の判定基準に基づいて測定結果を判定した結果を示している。
各実施例および各比較例で使用したエポキシ樹脂、PESおよび芳香族ポリアミン、硬化条件、強度測定方法は以下の通りである。
[材料]
・エポキシ樹脂(A):ビスフェノールF(製品名jER807、三菱化学社製)
・液状のアミン系硬化剤(B1):ジエチルトルエンジアミン(製品名jERキュアW、三菱化学社製)
・固形の芳香族ポリアミン(B2−a):4,4'-ジアミノジフェニルスルホン(ハンツマン社)、平均粒子径45μm程度の粉末状のものを使用
・固形の芳香族ポリアミン(B2−b):3,3'-ジアミノジフェニルスルホン(ハンツマン社)、平均粒子径45μm程度の粉末状のものを使用
・PES:製品名スミカエクセル5003PS、住化ケムテックス社製を100μm以下に粉砕して使用
[硬化条件]
120℃−3時間+180℃−5時間
[引張り強度の測定]
・試験片はJIS K7162に準拠し、引張り速度:5mm/minで実施した。
(評価結果について)
表1において、実施例1〜3と比較例1、2とを比較してわかるように、液状のアミン系硬化剤(B1)と固形の芳香族ポリアミン(B2−a)とを併用することで、固形の硬化剤のみを用いた比較例2は、80℃であっても固形であったのに対して、80℃で液状であるエポキシ樹脂組成物が得られ、硬化前における流動性を確保できるとともに、比較例2と同様に、液状の硬化剤のみを用いた比較例1よりも、硬化物の引張り強度を向上できる。
特に、実施例1〜3を比較してわかるように、実施例2、3における硬化物の引張り強度の判定結果が比較例2と同じであったことから、エポキシ樹脂(A)とPES(C)との質量比が80:20のとき、液状のアミン系硬化剤(B1)と固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比が、70:30〜50:50であることが好ましいと言える。
実施例2、4を比較してわかるように、固形の芳香族ポリアミン(B2)として、ベンゼン環に対するアミノ基の位置が異なるものを使用しても、同様の結果が得られる。
また、実施例5、6より、固形の芳香族ポリアミン(B2)とPES(C)の一方が、粉末の状態で、液状のエポキシ樹脂組成物中に分散していても、エポキシ樹脂組成物が均一液状である実施例2と同様に、比較例1よりも硬化物の引張り強度を向上できることがわかる。ただし、実施例2の方が実施例5、6よりも引張り強度が比較例2に近いことから、エポキシ樹脂組成物が均一液状である方が好ましいと言える。
表2に示す実施例7〜10および比較例3、4からわかるように、エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(A)とPES(C)との質量比が95:5〜65:35の範囲内であって、液状のアミン系硬化剤(B1)と固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比が95:5〜20:80の範囲内のとき、硬化前における流動性を確保できるとともに、硬化物の引張り強度を向上できる。

Claims (11)

  1. 液状のエポキシ樹脂(A)と、前記エポキシ樹脂の硬化剤(B)と、ポリエーテルスルホン(C)とを配合して得られたエポキシ樹脂組成物において、
    前記硬化剤(B)として、25℃で液状のアミン系硬化剤(B1)と、25℃で固形の芳香族ポリアミン(B2)とを併用しており、得られた前記組成物が80℃で液状であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記固形の芳香族ポリアミン(B2)は、骨格にジフェニルスルホンを有するものであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記固形の芳香族ポリアミン(B2)は、ジアミノジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 液状のアミン系硬化剤(B1)は、芳香族ポリアミンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記液状のアミン系硬化剤(B1)は、芳香族ジアミンであることを特徴とする請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂(A)と、前記硬化剤(B)と、前記ポリエーテルスルホン(C)とが、すべて均一に溶解した液状であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記固形の芳香族ポリアミン(B2)と前記ポリエーテルスルホン(C)の少なくも一方が、粉末の状態で、液状の前記組成物中に分散していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記エポキシ樹脂(A)と前記ポリエーテルスルホン(C)との質量比が、95:5〜65:35であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 前記液状のアミン系硬化剤(B1)と、前記固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比が、95:5〜20:80であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物
  10. 前記エポキシ樹脂(A)と前記ポリエーテルスルホン(C)との質量比が80:20であって、前記液状のアミン系硬化剤(B1)と、前記固形の芳香族ポリアミン(B2)との当量比が、70:30〜50:50であることを特徴とする請求項9に記載の硬化性樹脂組成物
  11. 請求項1ないし10のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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