JP6277821B2 - 積層型半導体装置の層間充填材用の組成物、積層型半導体装置、および積層型半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
ひずみにおける破壊靭性(以下、K1cと略記することがある)が低下してしまうという課題があり、高い流動性と、高いガラス転移温度と、強靭性とを有し、亀裂や剥離、著しい粘度上昇を抑えた、ICFとして充分な性能を有する組成物は、知られていなかった。
[1]
25℃での粘度が50Pa・s以下であるエポキシ化合物(A)と、融点または軟化点が80℃以上であるアミン化合物(B)と、融点または軟化点が80℃未満であるアミン化合物(C)とを含有する組成物であって、該アミン化合物(C)が、下記式(1)で表される化合物であり、該アミン化合物(C)の割合が、前記アミン化合物(B)と前記アミン化合物(C)との合計を100重量部としたときに、1重量部以上40重量部未満である組成物。
[2]
前記アミン化合物(C)の75℃での粘度が50Pa・s以下である、[1]に記載の組成物。
[3]
更に、少なくとも1種類以上の無機フィラー(D)を含有する、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
更に、フラックス(E)を含有する、[1]から[3]のいずれか1つに記載の組成物。
[5]
更に、分散剤(F)を含有する、[1]から[4]のいずれか1つに記載の組成物。
[6]
複数の基板と、該基板間に形成された層間充填材層とを有する積層型半導体装置であって、該層間充填材層の少なくとも1つが、[1]から[5]のいずれか1つに記載の組成物を硬化してなる層である、積層型半導体装置。
[7]
前記基板の少なくとも1つが、半導体デバイス層が形成された半導体基板である、[6]に記載の積層型半導体装置。
[8]
前記半導体基板を複数有する、[7]に記載の積層型半導体装置。
[9]
半導体デバイス層が形成された半導体基板表面に、[1]から[5]のいずれか1つに記載の組成物からなる層をプレアプライ法により形成し、当該半導体基板と他の基板とを積層し加圧接合した後、120℃〜180℃で処理する工程を含む、積層型半導体装置の製造方法。
[10]
前記他の基板が、半導体デバイス層が形成された半導体基板である、[9]に記載の積層型半導体装置の製造方法。
本発明の組成物は、常温で液状であるエポキシ化合物(A)と、融点または軟化点が80℃以上であるアミン化合物(B)と、融点または軟化点が80℃未満であるアミン化合物(C)とを含有するものである。
本発明に係る25℃での粘度が50Pa・s以下であるエポキシ化合物(A)としては、25℃での粘度が50Pa・s以下であれば、特に制限は無く、いかなるエポキシ化合物でも使用することができる。
以下、特に好ましくは190g/当量以下の化合物が用いられる。エポキシ当量は、通常知られる方法により測定することが可能である。
本発明の組成物の熱伝導性を向上させるため、本発明に係るエポキシ化合物(A)として、より具体的にはビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビフェニル骨格などの芳香環を有するエポキシ化合物が好ましい。
本発明に係る融点または軟化点が80℃以上であるアミン化合物(B)は、融点または軟化点が80℃以上であるアミン化合物であれば、いかなるアミン化合物であっても使用することができる。本発明において、融点とは、示差走査熱量計を用い、25℃から100℃まで2℃/分で昇温させたときに現れる吸熱ピークトップの温度により定義される。
アミン化合物とは、少なくとも1つのアミノ基を有する化合物であるが、本発明に係るアミン化合物(B)には、本発明の組成物のガラス転移温度を向上させるという観点では、2以上のアミノ基を有する化合物を用いることが好ましい。また、本発明の組成物のK1c値を高いものとするという観点では、有するアミノ基の範囲は1以上5以下であることが好ましく、より好ましくは1以上3以下であって、特に好ましくは1以上2以下である。
の中でも4,4−ジアミノジフェニルスルホンを用いることが好ましい。4,4‘−ジアミノジフェニルスルホンをアミン化合物(B)として適用することで、高いK1c値と高いガラス転移点を有する層間充填材組成物を得ることができる。
本発明に係る融点または軟化点が80℃未満であるアミン化合物(C)は、融点または軟化点が80℃未満であるアミン化合物であれば、いかなるアミン化合物であっても使用することができる。アミン化合物(C)における融点および軟化点とは、アミン化合物(B)における定義と同様である。
本発明に係るアミン化合物(C)の融点または軟化点を80℃未満とするには、通常、分子量を小さくしたり、芳香環だけでなく脂肪族鎖を含む構造を有する化合物としたり、有する置換基の数を増やす方法などがあり、これらを適宜組み合わせることにより、融点または軟化点が80℃未満のアミン化合物を選択することができる。
ミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、トリエタノールアミン等の、脂肪族アミン類が例示される。また、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)等のエーテルアミン類、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等の、ポリエーテルアミン類のうち融点または軟化点が80℃未満のものが例示される。また、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等の、脂環式アミン類が例示される。また、テトラクロロ−p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメタン、m−アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、ポリテトラメチレンオキシビス−4−アミノベンゾエート等の、芳香族アミン類が例示される。
本発明の組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、無機フィラー(D)を含有していてもよい。特に、高い熱伝導率を有する無機フィラー(D)を含有した場合、半導体基板からの熱伝導を促進させ、半導体基板の温度を低下させ、積層型半導体装置を安定的に動作させることが可能となる。また、本発明の組成物は、無機フィラー(D)を含有することにより、本発明の組成物から得られる層間充填材層の線膨張係数を好ましい範囲に制御することが可能となり、更にK1c値を向上することが可能となる。
無機フィラー(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
無機フィラー(D)の熱伝導率は、焼結等による薄板を形成してこれを定常法又は非定常法により測定することが出来る。非定常法では熱伝導率λは、熱拡散率(α)と比熱容量(Cp)、及び密度(ρ)に比例するので、例えばJIS R1611に規定の方法に従い、α、Cp及びρをそれぞれ求めた後、これらの積により熱伝導率λを測定することが出来る。
無機フィラー(D)は、その粒径が大き過ぎると、積層型半導体装置の層間での電気的接合を阻害したり、いったん接合した基板同士の電気的接合が温度変化などにより切断されたりするような不具合が発生する場合がある。また、小さ過ぎると凝集しやすくなり、組成物中での分散性が悪くなり、粘度上昇や接合不良を起こしたりすることから、粒状や扁平状の無機フィラーであれば、体積平均粒径が0.1μm以上10μm以下のものを用いることが好ましい。より好ましくは、1μm以上9μm以下、更に好ましくは2μm以上8μm以下、最も好ましくは3μm以上5μm以下である。
一方で、無機フィラー(D)の粒径が小さ過ぎると、必要な熱伝導パス数が増加してチップ間の厚み方向に上から下まで繋がる確率が小さくなり、熱伝導性の高いエポキシ化合物と組み合わせて用いても、層間充填材層の厚み方向への熱伝導率が不十分になる場合がある。また、無機フィラー(D)の粒径が小さ過ぎると、無機フィラー(D)が凝集しやすくなり、組成物中での無機フィラー(D)の分散性が悪くなる。本発明において、無機フィラー(D)の体積平均粒径を、上記範囲とすることにより、フィラー同士の過度の凝集が抑制され、良好な熱伝導率を有する層間充填層を得ることができる。
また、無機フィラー(D)は、組成物での分散性を高めるため、適宜表面処理を行ってもよい。より具体的には、例えばシランカップリング剤などにより適宜表面処理を行ってもよい。シランカップリング剤としては、エポキシ基又はアミノ基を有するものが好ましい。
無機フィラー(D)の比表面積は、組成物の粘度を下げるという観点で、好ましくは0.1m2/g以上100m2/g以下、より好ましくは0.5m2/g以上50m2/g以下、特に好ましくは1m2/g以上10m2/g以下である。比表面積は、ガス吸着法などの通常知られる比表面積測定方法により測定することができるが、例えば以下の方法
により測定することができる。無機フィラー(D)に250℃、15分間窒素ガスフローの前処理を行った後、株式会社マウンテック製 マックソーブHMMODEL−1201を用い、BET1点法(吸着ガス:窒素)にて、比表面積を測定することができる。
本発明の組成物中の無機フィラー(D)の含有量は、エポキシ化合物(A)とアミン化合物(B)とアミン化合物(C)との合計を100重量部とした場合に、10重量部以上400重量部以下が好ましく、20重量部以上300重量部以下がより好ましく、20重量部以上240重量部以下が特に好ましい。無機フィラー(D)の含有量が(A)と(B)と(C)の合計100重量部当たり、10重量部未満であると、無機フィラー(D)を含有する効果が小さくなり、目的とするK1c値が得られない場合があり、400重量部を超えると基板間の電気的接合を阻害することがある。
本発明の組成物は、更にフラックス(E)を含むことが好ましい。フラックスとは、具体的には、金属端子のはんだ接合時において、はんだバンプ等の金属電気信号端子およびランドの表面酸化膜の溶解除去や、はんだバンプのランド表面における濡れ広がり性の向上、更にははんだバンプの金属端子表面の再酸化防止などの機能を有する化合物である。
本発明に係る組成物は、無機フィラー(D)の分散性を高めるため、分散剤、界面活性剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等を含有することが好ましい。分散剤としては、無機フィラー(D)の分散性を高めるために、アミン価(mg−KOH/g)が10以上300以下の分散剤を用いることが好ましい。また、液の塗布性の向上や塗膜性状の改善効果に優れることから、官能基として3級アミノ基を有するものが好ましい。このような分散剤の一例として、例えば、アクリル系分散剤及び/又はウレタン系分散剤があげられる。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、アルキルベタイン類、アミノ酸類などが挙げられる。
また、これら分散剤においてC−H結合の一部又は全てがC−F結合となったフッ素界面活性剤も好ましく用いることができる。
本発明に係る組成物は、本発明の課題を解決できるものであって、前記エポキシ化合物(A)と、前記アミン化合物(B)と、前記アミン化合物(C)とを含有するものであれば、それぞれの含有量はいかなる比率であっても構わないが、本発明の組成物のガラス転移温度を向上させるため、前記アミン化合物(B)の割合が、該アミン化合物(B)と前記アミン化合物(C)との合計を100重量部としたときに、51重量部以上99重量部以下であることが好ましく、51重量部以上85重量部以下であることがより好ましく、55重量部以上70重量部以下であることが更に好ましく、61重量部以上70重量部以下であることが特に好ましい。
本発明の組成物には、その機能の更なる向上を目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の添加剤を含んでいてもよい。
このような添加剤としては、無機フィラーの配向を制御するための微粒子成分や、エポキシ樹脂の特性を損なわずに組成物を低粘度下する反応性希釈剤成分や、弾性率や破壊靱性等の膜物性の改良のために、柔軟性骨格やゴム弾性骨格を有する樹脂成分や、0.01〜1μm程度のゴム状粒子等が挙げられる。
さらにゴム状粒子としては、層間充填材としての積層型半導体装置の製造プロセスへの適合性を勘案して、0.01〜1μmの粒径を有するゴム状粒子であることが好ましい。ゴム状粒子の樹脂中への分散性促進のために、該粒子表面はゴム状成分とは異なる樹脂成分にて被覆されていても良い。ゴム状成分としては、汎用のゴム成分を用いることが出来る。この中でもスチレンブタジエンゴムやポリブタジエンゴム、シリコンゴムなどのゴム成分であることが好ましい。
定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、成形時の流動性改良及び基材との密着性向上の観点より、熱可塑性のオリゴマー類を添加することもできる。これらは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。その他の添加剤の配合量には特に制限はなく、必要な機能性が得られる程度に、通常の樹脂組成物の配合量で用いられる。
本発明に係る積層型半導体装置の層間充填材に好適な組成物は、前記構成成分を前記した混合割合で混合することにより製造することができる。その際、組成物の均一性の向上、脱泡等を目的として、ペイントシェーカーやビーズミル、プラネタリミキサ、撹拌型分散機、自公転攪拌混合機、三本ロールなどを用いて混合することが好ましい。また、混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、組成物の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め混合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
本発明に係る組成物は、高熱伝導性を有するので、電気・電子分野などにおいて熱伝導性が要求される放熱基板、放熱シート、熱伝導性ペースト、熱伝導性接着剤、半導体パッケージ、ヒートシンク、ヒートパイプ、電気電子機器の筐体等に使用することができる。なかでも、積層型半導体装置の層間充填材として特に好適である。
本発明の積層型半導体装置は、複数の基板を有するものであって、当該基板としては、
有機インターポーザなどに代表される有機基板、メモリー回路や論理回路などの半導体デバイス層が形成されたシリコン基板に代表される半導体基板があげられ、これらの基板の中から選ばれる任意の基板の間に本発明の組成物を含む層間充填材層を有するものである。
本発明における半導体基板としては、集積回路の製造において基板として用いることができる任意の材質のものを用いることができるが、シリコン基板が好ましく使用される。シリコン基板としては、口径に応じた基板膜厚のまま用いても良いし、バックサイドエッチングやバックグラインド等の裏面研磨により、100μm以下に薄膜化した後に用いても良い。
はんだバンプとしては微細なはんだボールを用いても良いし、リソグラフィーにて開口部を形成後、開口部の下地に直接、又はニッケルや銅のポストを形成した上にはんだめっきを施して、レジスト材を除去後、加熱処理によりはんだバンプを形成しても良い。はんだの組成としては特に限定はされないが、電気的な接合性及び低温接合性を勘案して、錫を主要成分として含有するはんだが好ましく用いられる。
有機基板は、はんだボールを外部電極とするアレイ状の電極と半導体基板を接続する高密度実装用のパターン変換基板(インターポーザ)であり、有機基板を構成する樹脂成分としてエポキシ樹脂等が、配線層として銅(Cu)がそれぞれ好ましく用いられる、第2の層間充填材層を介してプリント基板上に搭載された半導体基板積層体は、はんだバンプ等を介して有機基板に接続され、有機基板はアレイ状の電極を介してプリント基板の端子と電気的に接続されていてもよい。
本発明の組成物を含む層間充填材層は、有機基板および半導体基板から選ばれる任意の基板の間に形成されるが、低溶融粘度、高熱伝導率、高K1c値、且つ高ガラス転移温度の特性を生かすために、半導体基板と接する面に形成されることが好ましく、特には半導体基板と半導体基板との間に本発明の組成物を含む層間充填材層が形成されることが好ましい。
本発明の積層型半導体装置は、半導体基板表面に本発明の組成物を含む層間充填材層を、プレアプライ法により形成し、当該半導体基板と他の基板とを加圧接合した後に。12
0℃以上180℃以下の温度範囲で処理する工程を含む製造方法により製造できる。
プレアプライ法による層間充填材層の形成には、従前知られる形成法、より具体的には例えば、ディップ法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレード法、その他の任意の方法で形成することができる。層間充填材層は、半導体基板のどの面に形成しても構わないが、はんだバンプを有する面、またはランドを有する面に形成することが好ましい。
本発明の組成物から得られた層間充填材層を、組成物中に含まれる低分子量成分などを除去するために、50〜150℃の任意の温度、好ましくは60〜130℃の任意の温度でベーキング処理を行い、B−Stage化処理をすることが好ましい。
この際、一定の温度においてベーキング処理を行ってもよいが、組成物中の揮発成分除去を円滑に進めるために、減圧条件下にてベーキング処理を行ってもよい。また、樹脂の硬化が進行しない範囲で、段階的な昇温によるベーキング処理を行っても良い。例えば、初めに60℃、次に80℃、更に120℃で各5〜90分程度のべーキング処理を実施することができる。
m2の荷重をかけて実施することが好ましい。
また、加圧接合の際には、必要に応じて基板間に、好ましくは10gf/cm2〜10
Kgf/cm2、より好ましくは50gf/cm2〜5Kgf/cm2の荷重をかけて実施
することが好ましい。
以下において用いた層間充填材組成物塗布液の配合成分は次の通りである。
<エポキシ化合物(A)>
ダイソーケミカル株式会社製 品名「LX−01」(ビスフェノールA型グリシジルエーテルエポキシ樹脂、エポキシ当量181g/当量、25℃での粘度1×10^1Pa・s)
<アミン化合物(B)>
アミン化合物(B1):和歌山精化工業株式会社製 品名「セイカキュアS」(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、アミン価 124g/Eq、融点177℃)
アミン化合物(B2):イハラケミカル工業株式会社製 品名「CUA−4」(トリメチレンオキシビス−4−アミノベンゾエート、アミン価 157g/Eq、融点122−128℃)
<アミン化合物(C)>
アミン化合物(C1):イハラケミカル工業株式会社製 品名「エラスマー250P」(ポリテトラメチレンオキシビス−4−アミノベンゾエート、アミン価 235g/Eq、融点60℃、25℃での粘度1×10^2Pa・s)
アミン化合物(C2):日本化薬株式会社製 品名「カヤハードAA」 (3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(融点46℃)と、ホルムアルデヒド−2−エチルアニリンの重縮合物の混合物、アミン価 126g/Eq、常温で液体 )
<無機フィラー(D)>
無機フィラー(D1):株式会社龍森製 品名「MUF−2BV」(シリカフィラー)
無機フィラー(D2):日新リフラテック株式会社製 窒化ホウ素 品名「R−BN」<フラックス(E)>
和光純薬工業株式会社製 アジピン酸 試薬特級
<分散剤(F)>
分散剤(F):ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK−2155」アミン価(mg−KOH/g)48
(1) エポキシ化合物の溶融粘度
株式会社アントンパール・ジャパン製 粘弾性測定装置Physica MCR102を用いて、溶融粘度(コーンプレートせん断粘度)を測定した。
測定対象であるエポキシ化合物をパラレルプレートディッシュとコーンプレート(φ25mm、α=1.984°)の間に載置し、コーンプレートせん断粘度測定を行った。
攪拌混合後の層間充填材組成物塗布液をシクロヘキサノンにて分散させ、島津製作所製粒度分布測定装置「SALD−2200」にて測定した。得られた粒度分布から粉砕後の無機フィラーの体積平均粒径及び最大粒径を求めた。
無機フィラーに250℃、15分間窒素ガスフローの前処理を行った後、株式会社マウンテック製 マックソーブHM MODEL−1201を用い、BET1点法(吸着ガス
:窒素)にて、比表面積を測定した。
破壊靭性評価はASTM E−399に準拠して実施した。株式会社島津製作所 MST−I 荷重ロードセル100N を用い、速度0.5mm/minで3点曲げ法を行い、破断した時点での最大荷重値から破壊靭性値を算出した。破壊靭性値がより高いほど半導体装置の接合強度が高くなり好ましいが、算出した破壊靭性値が1.0(MPa・√m)以上であった場合、積層型半導体装置に使用するのに充分な強度を有するものと評価した。
株式会社アントンパール・ジャパン製 粘弾性測定装置Physica MCR102を用いて、調製した組成物をアルミニウム製ディスポーザブルディッシュとパラレルプレート(φ=20mm)間に挟み、動的粘弾性測定を行った。30〜200℃の間で硬化物の損失弾性率が極大となる温度をガラス転移点とした。測定条件はディッシュ上にて、γ=0.5%、ω=1Hzの条件で150℃2時間熱硬化させた後に室温まで冷却し、30〜200℃の間を3℃/minで昇温させる条件とした。ガラス転移温度がより高いほど耐熱性が優れ好ましく、半導体装置の動作温度以上である必要がある。
調製した組成物を80℃に温め、容器を傾けたときに流れ出た場合を流動性が良好なものと評価し「○」と、流動しなかった場合を流動性が悪いものと評価し「×」と、表1に記載した。
東レエンジニアリング株式会社製 フリップチップボンダー FC3000Sを用いて、調製した組成物をフリップチップ実装と同時に充填するプレアプライド法にてサンプルを作製し、形成された電子回路の電気抵抗値を四端子法にて評価した。フリップチップ実装後の抵抗値をR1、150℃2時間熱硬化させた後の抵抗値をR2としたとき、(R2−R1)/R1が±3%以内である場合を、良好に接合が可能であったものと評価して「○」を表1に記載した。
125ccの撹拌容器に、エポキシ化合物(A)を7.1g秤量し、これに分散剤(F)を全フィラー添加量に対して2重量部(0.47g)を配合して、自公転攪拌機(株式会社シンキー製 ARV−310)を用いて2000rpm、1kPaの条件下で1分間撹拌した。これに、アミン化合物(B1)を2.3g、アミン化合物(C1)を 0.6g添加して、自公転攪拌機にて1kPaの圧力条件下で、2000rpmで2分間撹拌したのちに、無機フィラー(D1)を23.3g添加して、自公転攪拌機にて1kPaの圧力条件下で、2000rpmで5分間撹拌した。更に、フラックス(E)を使用したエポキシ化合物および使用したアミン化合物の全重量に対して4重量部(0.4g)添加し、1kPaの圧力条件下で、2000rpmで5分間撹拌し、組成物を得た。この組成物を縦50mm、横30mm、厚さ3mmの型枠に流し込み、150℃にて2時間熱硬化することで、硬化物を得た。当該硬化物を、縦4.4mm、横21.6mm、幅2.2mmに切り出して破壊靭性測定用のサンプルを得た。破壊靱性評価結果、ガラス転移温度測定結果、流動性評価結果を表1に記載した。
実施例1と同様にして、エポキシ化合物(A)、アミン化合物(B1)、アミン化合物(B2)、アミン化合物(C1)、アミン化合物(C2)、無機フィラー(D1)、無機フィラー(D2)を表1の通りに配合した。各実施例、比較例すべてでフラックス(E)、分散剤(F)は実施例1と同量配合することで組成物を得た。
実施例1と同様にして、破壊靱性評価結果、ガラス転移温度測定結果、流動性評価結果を表1に記載した。
Claims (10)
- 前記アミン化合物(C)の75℃での粘度が50Pa・s以下である、請求項1に記載の組成物。
- 更に、少なくとも1種類以上の無機フィラー(D)を含有する、請求項1または請求項2に記載の組成物。
- 更に、フラックス(E)を含有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組成物。
- 更に、分散剤(F)を含有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
- 複数の基板と、該基板間に形成された層間充填材層とを有する積層型半導体装置であって、該層間充填材層の少なくとも1つが、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の組成物を硬化してなる層である、積層型半導体装置。
- 前記基板の少なくとも1つが、半導体デバイス層が形成された半導体基板である、請求項6に記載の積層型半導体装置。
- 前記半導体基板を複数有する、請求項7に記載の積層型半導体装置。
- 半導体デバイス層が形成された半導体基板表面に、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の組成物からなる層をプレアプライ法により形成し、当該半導体基板と他の基板とを積層し加圧接合した後、120℃〜180℃で処理する工程を含む、積層型半導体装置の製造方法。
- 前記他の基板が、半導体デバイス層が形成された半導体基板である、請求項9に記載の積層型半導体装置の製造方法。
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