JP5659806B2 - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、優れた難燃性を有するエポキシ樹脂組成物、ならびに該エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグおよび繊維強化複合材料に関する。
強化繊維で強化した繊維強化複合材料(以下、FRPという。)は、比強度、比剛性などに優れ、かつ、軽量である特性を有しており、そのような特性を活かして、航空機用構造材料、自動車用部品、ラケットやゴルフシャフトなどのスポーツ用途などに広く使用されている。
中でも近年、特に電子材料用途、自動車部品、鉄道車両、航空機等の用途では難燃化、燃焼時の低発煙化への要求が高まってきている。しかし従来のエポキシ樹脂組成物を用いたFRPに難燃性能は無く、また燃焼時の発煙性に問題があった。
これまでに種々のFRPの難燃化方法が検討され、中でも臭素化エポキシ樹脂が高い難燃性を有する理由から広く採用されてきた。しかし、臭素化エポキシ樹脂は高い難燃性を有するものの、火災時に発生するハロゲン系ガスの毒性が問題となり、人体への安全性、地球環境保護の観点から代替方法が望まれてきた。
そこで、臭素化エポキシ樹脂を代替する難燃化方法として、赤リンやリン酸エステル化合物をエポキシ樹脂に添加する方法(特許文献1)が主流となってきた。しかしこれらの方法は、その添加量等に応じて、1)機械的強度の低下、2)貯蔵安定性不良、3)長期間に亘ってリン化合物が徐々に染み出す、4)容易に加水分解されるため絶縁性や耐水性が高く求められるプリント配線基板や電子材料などでの採用が難しい、などの問題が依然として残っている。
また、リン酸エステル化合物を使用した場合は、樹脂組成物の耐熱性が低下する問題がある。
国際公開第2005/082982号パンフレット
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ハロゲン系難燃剤、赤リン、リン酸エステルを含有せずに優れた難燃性を達成することができ、また耐熱性を向上させることができるエポキシ樹脂組成物、ならびに該エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグおよび繊維強化複合材料を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討の結果、下記式(1)で示されるホスファゼン化合物(B)、下記式(2)で示される環状リン化合物(C)を併用することで、(B)成分と(C)成分の難燃性の相乗効果により、エポキシ樹脂組成物の優れた難燃性を達成できるとともに、耐熱性を向上させることができることを見出して本発明に至った。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]エポキシ樹脂(A)、式(1)に示す構造を有するホスファゼン化合物(B)、式(2)に示す構造を有する芳香族系リン化合物(C)およびエポキシ樹脂硬化剤(D)を含み、前記エポキシ樹脂(A)がフェノールノボラック型エポキシ樹脂であり、前記ホスファゼン化合物(B)成分と前記芳香族系リン化合物(C)成分の質量比(B)/(C)が0.7〜4.3であるエポキシ樹脂組成物(但し、(a)酸無水物基を有する3価及び/又は4価のポリカルボン酸誘導体、(b)ジオール化合物、及び(c)脂肪族ポリアミン残基誘導体及び/又は芳香族ポリアミン残基誘導体を必須の成分として生成されるウレタン結合を有するウレタン変性ポリイミド系樹脂、を含まない。)
Figure 0005659806
[式中、RおよびRは同一又は異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数8〜18のアルケニルアリール基、アミノ基置換フェニル基、アミノアルキル基置換フェニル基(置換基としてのアミノアルキル基の炭素数は1〜6である。)、ヒドロキシ基置換フェニル基、またはヒドロキシアルキル基置換フェニル基(置換基としてのヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜6である。)のいずれかである。nは3〜10000の整数を示す。]
Figure 0005659806
[式中、Rは炭素数6〜20のヒドロキシ置換アリール基、炭素数1〜18のヒドロキシ置換アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数7〜21のシアノ置換アリール基、炭素数1〜18のシアノ置換アルキル基、水素原子、またはヒドロキシ基である。]
[2]前記ホスファゼン化合物(B)成分と前記芳香族系リン化合物(C)成分の質量比(B)/(C)が1.3〜4.3である、[1]のエポキシ樹脂組成物。
]強化繊維に、[1]または[2]のエポキシ樹脂組成物を含浸してなるプリプレグ。
][]のプリプレグを硬化して得られる繊維強化複合材料。
][]の繊維強化複合材料であって、0.6mm厚の成形板としたときの難燃性がUL−94VでV−0である繊維強化複合材料。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤、赤リン、またはリン酸エステルを含有していないにもかかわらず、その硬化物は優れた難燃性を達成することができ、また耐熱性の向上も図ることができる。
本発明のプリプレグは、これを構成するエポキシ樹脂組成物がハロゲン系難燃剤、赤リン、またはリン酸エステルを含有していないにもかかわらず、その硬化物は優れた難燃性を達成することができ、また耐熱性の向上も図ることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、優れた難燃性を達成することができ、また耐熱性の向上も図ることができる。
<エポキシ樹脂(A)>
エポキシ樹脂(A)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アミノクレゾール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、およびフェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂をウレタンやイソシアネートで変性したエポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が用いられる。
これらのうち、機械物性・耐熱性・粘度等の取り扱い性の点でビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、およびトリスフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。特に優れた難燃性が得られやすい点でフェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本態様のエポキシ樹脂組成物は、取り扱い性の都合上、30℃での粘度が10〜10Pa・sで70℃での粘度が10〜10Pa・sであることが望ましい。
<ホスファゼン化合物(B)>
ホスファゼン化合物(B)は、前記式(1)で示される構成単位を有する化合物(環状ホスファゼン化合物も含まれる。)であれば特に限定されない。
式(1)において、好ましいRおよびRは、炭素数6〜8のアリール基、炭素数1〜3のアルキル基である。nは3〜20が好ましく、3〜8がより好ましい。
入手性の容易さの点で、R、Rがフェニル基でありn=3である環状ホスファゼン化合物がより好ましい。
<芳香族系リン化合物(C)>
芳香族系リン化合物(C)は、前記式(2)で表される化合物であれば特に限定されない。
式(2)において、難燃性能および保存安定性の点で、Rはヒドロキシ置換フェニル基が好ましい。
式(2)で表される化合物は市販品から入手可能である。例えば、三光株式会社製のHCA−HQ、BCA、HCA(いずれも製品名)などが挙げられる。
<含有割合>
エポキシ樹脂組成物のリン含有量は0.5〜3.0質量%であることが望ましい。リン含有量が0.5質量%以上であると十分な難燃性向上効果が得られやすく、3質量%以下であると、機械的強度の低下、貯蔵安定性不良等の問題が発生しにくい。該リン含有量のより好ましい範囲は0.9〜2.9質量%である。
エポキシ樹脂組成物に添加されるホスファゼン化合物(B)および芳香族系リン化合物(C)の合計量は、これらに由来するリンの含有量の合計が上記の範囲内となるように設定することが好ましい。
ホスファゼン化合物(B)と芳香族系リン化合物(C)の質量比(B)/(C)は0.1〜9.0である。この範囲であると、B成分とC成分の相乗効果が効果的に得られ、難燃性を付与するために必要な難燃剤の添加量を低減させることができる。エポキシ樹脂組成物の硬化物の難燃性を高くする点では、ホスファゼン化合物(B)の含有割合が、上記の範囲内で多い方が好ましく、エポキシ樹脂組成物の硬化物のTgを高くして耐熱性を向上させる点では、芳香族系リン化合物(C)の含有割合が、上記の範囲内で多い方が好ましい。
<エポキシ樹脂用硬化剤(D)>
エポキシ樹脂用硬化剤(D)としては、アミン、酸無水物(カルボン酸無水物等)、フェノール(ノボラック樹脂等)、メルカプタン、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾールなどが挙げられるが、エポキシ樹脂を硬化させうるものであればどのような構造のものでもよい。これらの中でも、アミン型の硬化剤が好ましい。
これら硬化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン型の硬化剤としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、およびこれらの異性体、変成体などが挙げられる。これらの中でも、プリプレグの保存性に優れる点で、ジシアンジアミドが特に好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤(D)の配合量は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量に対するエポキシ樹脂用硬化剤(D)の活性水素当量の比が0.5〜1となる量が好ましい。該比は0.6〜0.8がより好ましい。0.5以上にすることで充分に硬化することができる。1以下にすることで硬化物の靭性を高くできる。
<硬化促進剤>
必要に応じて、エポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を含有させることができる。
硬化促進剤としては、使用するエポキシ樹脂用硬化剤(D)による硬化反応を促進する効果を有するものであればよく、特に制限するものではない。
たとえばエポキシ樹脂用硬化剤(D)がジシアンジアミドである場合、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン等の尿素誘導体が好ましい。また、エポキシ樹脂用硬化剤(D)がカルボン酸無水物やノボラック樹脂である場合、三級アミンが好ましい。また、エポキシ樹脂用硬化剤(D)がジアミノジフェニルスルホンである場合、イミダゾール化合物、フェニルジメチルウレア(PDMU)等のウレア化合物、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体等のアミン錯体が好ましい。これらの中でもジシアンジアミドとDCMUの組み合わせが特に好ましい。
<熱可塑性樹脂>
本態様のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂を含有してもよい。
熱可塑性樹脂の種類については特に限定されず、たとえばフェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル、ポリオレフィン、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリルスチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ABS、AES、ASA、ポリビニルフォルマール等が挙げられる。
これらの中でも難燃性能とエポキシ樹脂への溶解性の点でフェノキシ樹脂が好ましい。
<添加剤>
本態様のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の様々な添加剤を含有してもよい。該添加剤としては、たとえば、シリコーンオイル、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド、エステル類、パラフィン類等の離型剤、結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム等の粉体やガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シランカップリング剤等を使用することができる。
≪エポキシ樹脂組成物の調製方法≫
本態様のエポキシ樹脂組成物は、それぞれ、各成分を混合することにより調製できる。各成分の混合方法としては、三本ロールミル、プラネタリミキサー、ニーダー、万能かくはん機、ホモジナイザー、ホモディスパーなどの混合機を用いる方法が挙げられる。
≪プリプレグ≫
本態様のエポキシ樹脂組成物は、強化繊維に含浸させてプリプレグとして使用することができる。
強化繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、高強度ポリエステル繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維などの各種の無機繊維または有機繊維を用いることができる。中でも難燃性の観点から、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維が好ましく、比強度および比弾性に優れる点から炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維の形態としては、一方向に引き揃えてもよく、織物、またノンクリンプファブリックでもよい。
プリプレグは、本態様のエポキシ樹脂組成物と前記強化繊維を用いて、公知の方法で製造することができる。
≪繊維強化複合材料≫
繊維強化複合材料は、前記プリプレグを硬化して得られる。
本発明において、繊維強化複合材料は、強化繊維として炭素繊維を含む炭素繊維強化複合材料であることが好ましい。
該炭素繊維強化複合材料は、難燃性に優れるとともに、耐熱性に優れる。難燃性については、例えば、エポキシ樹脂組成物全体のリン含有量が3質量%以下で、0.6mm厚の繊維強化複合材料成形板としたときの難燃性がUL−94VでV−0のレベルを達成することが可能である。耐熱性については、例えば、エポキシ樹脂組成物全体のリン含有量が3質量%以下で、該樹脂組成物の硬化物のTgが105℃以上、より好ましくは110℃以上を達成することが可能である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の各例で使用した原料(樹脂等)、炭素繊維、評価方法を以下に示す。
<原料>
・エポキシ樹脂A−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、製品名:jER828、エポキシ当量189g/eq、粘度(25℃):15Pa・S、粘度(75℃):16mPa・S)
・エポキシ樹脂A−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、製品名:jER1001、エポキシ当量475g/eq、粘度(75℃):200Pa・S)
・エポキシ樹脂A−3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、製品名:jER807、エポキシ当量168g/eq、粘度(25℃):4Pa・S、粘度(75℃):6mPa・S)
・エポキシ樹脂A−4:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、製品名:YDPN−638、エポキシ当量180g/eq、粘度(75℃):5.5Pa・S)
・ホスファゼン化合物B−1:環状フェノキシホスファゼン(株式会社伏見製薬所製、製品名:ラビトルFP−110、前記式(1)においてR、Rがフェニル基であり、n=3である化合物、リン含有率13.4質量%)
・芳香族系リン化合物C−1:10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキソ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光株式会社製、製品名:HCA−HQ、下記式(3)で表わされる化合物、リン含有率9.5質量%)
Figure 0005659806
・縮合リン酸エステル1(比較例):1,3−フェニレンビズジキシレニルフォスフェート(株式会社ADEKA製、製品名:アデカスタブFP−500、リン含有率9.0質量%
・熱可塑性樹脂1:フェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、製品名:YP−50S)
・硬化剤D−1:ジシアンジアミド(三菱化学株式会社製、製品名:DICY15)
・硬化促進剤1:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(保土ヶ谷化学株式会社製、製品名:DCMU99)
<炭素繊維>
・炭素繊維1:TR50S 15L、(製品名、三菱レイヨン株式会社製、目付け:1g/m)
<評価方法>
(1)UL−94V燃焼試験(樹脂板):
2mm厚の樹脂板を試験片(長さ127mm×幅12.7mm)に加工し、スガ試験機製燃焼試験機を用いてUL−94V規格に従って燃焼試験を実施した。すなわち、試験片をクランプに垂直に取付け、20mm炎による10秒間接炎を行い燃焼時間を測定した。5個の試験片について燃焼試験を行い、クランプまで燃焼したサンプルの数、各燃焼時間のうちの最大値、および5個の燃焼時間の合計(総燃焼時間)を記録した。また、その結果に基づいて判定[V−0、V−1、V−2、fail]を行った。難燃性はV−0が最も優れており、V−1、V−2、failの順に劣っていく。
(2)UL−94V燃焼試験(炭素繊維複合材料板):
上記(1)のUL−94V燃焼試験(樹脂板)において、試験片を、繊維目付210g/m、樹脂含有率33質量%の炭素繊維プリプレグを硬化して得られる、0.6mm厚または0.8mm厚の炭素繊維複合材料板([0°/90°]s)に変更するほかは、上記(1)と同様にして評価を行った。
(3)Tgの測定
測定機器はTAインスツルメント社製Q1000を用いた。
樹脂組成物の硬化物に関して、サンプルを粉砕し、5mg計量して、JISK7121準拠して、DSC−Tgを測定した。樹脂組成物の硬化条件は130℃×2時間、昇温速度2℃/分とした。
(4)粘度の測定
エポキシ樹脂組成物の30℃での粘度、および70℃での粘度を(測定装置:TAインスツルメント社製 AR−G2(製品名)、測定条件:25mmφパラレルプレートを用いて、プレートギャップ500nm、昇温速度2℃/minで昇温、角速度10rad/sec、ストレス300Pa)で測定した。
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
予め、表1に示す組成の硬化剤マスターバッチ1と、表2、3に示す組成のエポキシ樹脂マスターバッチ1、2を調製しておき、これらを混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。
[硬化剤マスターバッチ1の調製]
表1に示す組成で、エポキシ樹脂A−1、硬化剤D−1、硬化促進剤1を容器に計量し攪拌・混合した。さらに三本ロールミルにてさらに細かく混合して、硬化剤マスターバッチ1を得た。
Figure 0005659806
[エポキシ樹脂マスターバッチ1、2の調製]
表2、3に示す組成でエポキシ樹脂Aおよび熱可塑性樹脂1をガラスフラスコに計量した後、170℃に過熱したオイルバス中で3時間攪拌・混合し、エポキシ樹脂マスターバッチ1、2をそれぞれ得た。
Figure 0005659806
Figure 0005659806
<実施例1〜5および比較例1、2(実施例1〜5は参考例である)
表4に示す配合となるように各原料をガラスフラスコに計量した後、65℃に過熱したウォーターバス中で攪拌・混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂A−1〜A−3の合計のエポキシ当量に対する硬化剤D−1の活性水素当量の比はいずれも0.63である。
例4,5および比較例2で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物についてTgを測定した。結果を表4に示す。
実施例1〜5および比較例1、2で得られたエポキシ樹脂組成物を2mm厚のポリテトラフルオロエチレンのスペーサーを挟んだ2枚のガラス板の間に注入、130℃×2時間、昇温速度2℃/分の硬化条件で加熱硬化し、樹脂板を得た。得られた樹脂板についてUL−94準拠難燃性燃焼試験を行った。結果を表4に示す。
また得られたエポキシ樹脂組成物を、ヒラノテクシード社製、製品名:M−500のコンマコーターでフィルム状にし、52g/mの樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムと、前記炭素繊維1を用い、ドラムワインド方式によって繊維目付210g/m、樹脂含有率33質量%の炭素繊維プリプレグを得た。
得られた炭素繊維プリプレグを200mm×200mmの大きさにカットし、繊維方向が[0°/90°]s=0°/90°/90°/0°となるように4枚積み重ね、または0°/90°/0°となるように3枚積み重ね、130℃×90分、昇温速度2℃/分、圧力0.6MPaの条件でオートクレーブにて硬化し、厚さが0.8mm(4枚積層)または0.6mm(3枚積層)の炭素繊維複合材料板をそれぞれ得た。得られた素繊維複合材料板はについてUL−94準拠難燃性燃焼試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005659806
表4の結果に示されるように、難燃剤として(C)成分だけを添加した比較例1に比べて、(C)成分に加えて(B)成分を用いた実施例1は難燃性が向上した。難燃剤として(B)成分だけを添加した比較例2に比べて、(C)成分とに加えて(B)成分を用いた実施例5は難燃性が向上した。
また、(B)成分と(C)成分とを併用した実施例4,5は、(B)成分だけを添加した比較例2に比べて硬化物のTgが高く、耐熱性が向上した。なお、実施例4,5において、(C)成分の含有量が増えるにしたがって、Tgが上昇する傾向にある。したがって、実施例1〜3はTgを測定していないが、実施例4の113℃より高いと推測される。
<実施例6〜8>
配合を表5に示す通りに変更したほかは実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂A−1とA−4の合計のエポキシ当量に対する硬化剤D−1の活性水素当量の比は0.65である。
例6のエポキシ樹脂組成物について、30℃および70℃での粘度を測定した。結果を表5に示す。
例6〜8で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物についてTgを測定した。結果を表5に示す。
得られたエポキシ樹脂組成物を、実施例1と同じコンマコーターでフィルム状にし、53g/mの樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムを用い、実施例1と同じ方法で繊維目付215g/m、樹脂含有率33%の炭素繊維プリプレグを得た。
得られた炭素繊維プリプレグを用い、実施例1と同様にして、厚さが0.8mmまたは0.6mmの炭素繊維複合材料板をそれぞれ得、燃焼試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 0005659806
表5の結果に示されるように、エポキシ樹脂A−1とA−4を用いた実施例6〜8においても、良好な難燃性が得られた。
<比較例3>
表6に示す組成で原料をガラスフラスコに計量した後、65℃に過熱したウォーターバス中で攪拌・混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
得られたエポキシ樹脂組成物を、実施例1と同様にして、2mm厚の樹脂板に成形し、燃焼試験を行った。結果を表6に示す。
なお表6には、比較のために実施例5の結果を併記している。
Figure 0005659806
表6の結果に示されるように、難燃剤として縮合リン酸エステルを用いた比較例3に比べて、縮合リン酸エステルを用いず、その代わりに(B)成分を用いた実施例5は、リン含有量が同等であるにもかかわらず、難燃性が向上した。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂(A)、式(1)に示す構造を有するホスファゼン化合物(B)、式(2)に示す構造を有する芳香族系リン化合物(C)およびエポキシ樹脂硬化剤(D)を含み、前記エポキシ樹脂(A)がフェノールノボラック型エポキシ樹脂であり、前記ホスファゼン化合物(B)成分と前記芳香族系リン化合物(C)成分の質量比(B)/(C)が0.7〜4.3であるエポキシ樹脂組成物(但し、(a)酸無水物基を有する3価及び/又は4価のポリカルボン酸誘導体、(b)ジオール化合物、及び(c)脂肪族ポリアミン残基誘導体及び/又は芳香族ポリアミン残基誘導体を必須の成分として生成されるウレタン結合を有するウレタン変性ポリイミド系樹脂、を含まない。)
    Figure 0005659806
    [式中、RおよびRは同一又は異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数8〜18のアルケニルアリール基、アミノ基置換フェニル基、アミノアルキル基置換フェニル基(置換基としてのアミノアルキル基の炭素数は1〜6である。)、ヒドロキシ基置換フェニル基、またはヒドロキシアルキル基置換フェニル基(置換基としてのヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜6である。)のいずれかである。nは3〜10000の整数を示す。]
    Figure 0005659806
    [式中、Rは炭素数6〜20のヒドロキシ置換アリール基、炭素数1〜18のヒドロキシ置換アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数7〜21のシアノ置換アリール基、炭素数2〜19のシアノ置換アルキル基、水素原子、またはヒドロキシ基である。]
  2. 前記ホスファゼン化合物(B)成分と前記芳香族系リン化合物(C)成分の質量比(B)/(C)が1.3〜4.3である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 強化繊維に、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物を含浸してなるプリプレグ。
  4. 請求項3に記載のプリプレグを硬化して得られる繊維強化複合材料。
  5. 請求項4に記載の繊維強化複合材料であって、0.6mm厚の成形板としたときの難燃性がUL−94VでV−0である繊維強化複合材料。
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