JP6416830B2 - 熱発泡性材料、半固形物、半固形物の成形方法、及び発泡体の製造方法 - Google Patents

熱発泡性材料、半固形物、半固形物の成形方法、及び発泡体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡体の製造に使用される熱発泡性材料、当該熱発泡性材料から形成される半固形物、当該半固形物の成形方法、及び前記半固形物を用いて発泡体を製造する製造方法に関する。
従来、机の天板やドアなど、所定の厚さや強度が求められる部材を、FRP(繊維強化プラスチック)から形成することが行われていた。しかしながら、FRPを構成する繊維が高額であるため、部材の製造コストが高くなる問題が生じていた。そこで、製造コストを抑えるべく、部材の外郭のみをFRPから形成し、FRPの内側の芯材となる範囲を安価な発泡体から形成することが行われていた。
そして従来、上記の発泡体を製造する方法が種々提案されており、例えば特許文献1には、エポキシ樹脂・硬化剤・発泡剤・増粘剤の配合物を用いて、発泡体を製造する方法が開示されている。
特許文献1の方法は、エポキシ樹脂・硬化剤・発泡剤・増粘剤の配合物を混練する混練工程と、混練した配合物を離型紙等にフィルム状に塗布して、樹脂シートを形成するシート化工程と、樹脂シートを増粘させる増粘工程と、増粘した樹脂シートを発泡及び硬化させる発泡硬化工程とを順次実行するものである。
特開2015−101670号公報
特許文献1の方法は、上記の混練工程・シート化工程・増粘工程・発泡硬化工程の全てで加熱を行うものであり、その結果、図11に示すように配合物の粘度が変化すると考えられる。以下、特許文献1の方法で、上記の工程全てで加熱を行わなければならない理由を、図11を参照しつつ説明する。
特許文献1には、増粘剤として、アクリル酸エステル系化合物や、メタクリル酸エステル系化合物を使用することが開示されている。これらエステル系化合物は、粉末状を呈するものである。このため、上記のエポキシ樹脂・硬化剤・発泡剤・増粘剤の配合物は、当初、常温で固体或いは高粘度液体であり、粘度が高い値にあると考えられる。したがって、上記の配合物は、常温では混練できず、そのため、混練工程で、配合物を加熱して、配合物の粘度を混練に適した粘度域に下げていると考えられる(図11のA)。
そして、混練工程の加熱(図11のA)は、発泡開始温度(発泡剤が膨張を開始する温度)や硬化開始温度(エポキシ樹脂と硬化剤とが反応を開始する温度)よりも低い温度で行われる。このため、混練工程の加熱(図11のA)は、硬化剤とエポキシ樹脂との化学反応を伴うものではなく、分子運動の活発化で、一時的に配合物の粘度を下げるにすぎない。したがって混練工程の後では、配合物の温度が常温に戻っていくことに伴い、配合物の粘度が当初の値に戻ると考えられる(図11のB)。そしてこの当初と同等になった配合物の粘度が、塗工・コーティングに適した粘度域にないことで、次のシート化工程で、再度、加熱(ホットメルト)を行って、配合物の粘度を、塗工・コーティングに適した粘度域に下げる必要がある(図11のC)。
そして、シート化工程では配合物が樹脂シートとされるが、このシート化工程の加熱(図11のC)も、発泡開始温度や硬化開始温度よりも低い温度で行われて、化学反応を生じさせるものではない。このため、シート工程の後も、樹脂シートの温度が常温に戻っていくことに伴い、樹脂シートの粘度が、再び当初の値に戻ると考えられる(図11のD)。そしてこの当初と同等になった樹脂シートの粘度が、発泡に適した粘度域にないことで、次の増粘工程でも、加熱を行って、樹脂シートの粘度を、発泡に適した粘度域に高めていると考えられる(図11のE)。
そして増粘工程では、樹脂シートの加熱(図11のE)が、増粘開始温度(増粘剤が膨潤又は溶解、反応する温度)以上であって、且つ発泡開始温度未満で行われる。このため、増粘工程の加熱(図11のE)では、増粘剤の溶解による樹脂シートの粘度上昇は生じるものの、発泡は生じない。したがって次の発泡硬化工程で、再度、樹脂シートを発泡開始温度以上に加熱して、発泡を生じさせる必要がある(図11のF)。そして発泡が生じた後も、樹脂シートを硬化させるために、加熱が継続されると考えられる(図11のG)。
以上の理由から、特許文献1の方法では、混練工程・シート化工程・増粘工程・発泡硬化工程の全てで、加熱が必要とされ、このうち混練工程・シート化工程・増粘工程の加熱(図11のA、C、E)では、加熱温度を発泡開始温度や硬化開始温度よりも低くする厳格な温度管理を行わなければならない。
また混練工程においては、容器に貯留した配合物全てを、混練に適した粘度とすべく、均一な熱履歴を受けさせることは、非常に困難である。たとえ混練工程の加熱(図11のA)が、硬化開始温度よりも低い温度で行われたとしても、長時間滞留する配合物の部分では、繰り返し加熱の熱履歴を受けることで、エポキシ樹脂と硬化剤との化学反応が生じて粘度上昇が起き、その結果、得られる発泡体の品質が不均一になる。
以上のことから、特許文献1の方法は、発泡体を製造するために多大な手間を要し、実現性に乏しいと考えられる。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、その目的は、均一な大きさの気泡が均等に分布する発泡体を、手間を要せず得ることができる熱発泡性材料、当該熱発泡性材料から形成される半固形物、当該半固形物の成形方法、及び前記半固形物を用いて発泡体を製造する製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.発泡体を製造するために使用される熱発泡性材料であって、
エポキシ樹脂と、
第1温度において前記エポキシ樹脂との反応を開始する低温硬化剤と、
第2温度において熱膨張を開始する発泡剤と、
第3温度において前記エポキシ樹脂との反応を開始する高温硬化剤とを含み、
前記第1温度は60〜120℃の範囲内にあり、前記第2温度は80〜160℃の範囲内にあり、前記第3温度は120〜180℃の範囲内にあるともに、前記第2温度は前記第1温度よりも高く、前記第3温度は前記第2温度よりも高く、
前記熱発泡性材料は、23℃の粘度が10〜60Pa・sであり、
前記熱発泡性材料を、前記第1温度以上前記第2温度以下に加熱して前記低温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせた後、前記熱発泡性材料を冷却することで、前記熱発泡性材料を、60℃の粘度が200〜800Pa・sである半固形物とすることができ、
前記半固形物を前記第3温度以上に加熱することで、前記発泡剤の熱膨張を生じさせて前記半固形物を発泡体にするとともに、前記高温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせて、前記発泡体を硬化させることが可能である、熱発泡性材料。
項2.前記エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂のうちの1種、または2種以上を混合してなるものであり、
前記低温硬化材は、アミンアダクト系の硬化剤、マイクロカプセル型の硬化剤のいずれかであり、
前記高温硬化剤は、ノボラック樹脂、アミン類、ジシアンジアミド類、イミダゾール類、又は酸無水物であり、
前記発泡剤は、揮発性液体を熱可塑性高分子殻で内包した熱膨張性マイクロカプセル、或いは、加熱による分解で、窒素ガス、炭酸ガス、一酸化炭素、アンモニアガス、又は水素ガスを発生する薬剤である、項1に記載の熱発泡性材料。
項3.前記発泡剤の含有量は、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜30質量部である、項1又は2に記載の熱発泡性材料。
項4.前記エポキシ樹脂は、液状であり、
前記発泡剤は、粒子状であり、
前記低温硬化材及び前記前記高温硬化剤は、液状又は固体状であり、18℃〜23℃でエポキシ樹脂と反応しない潜在性を有している項1乃至3のいずれかに記載の熱発泡性材料。
項5.項1乃至4のいずれかに記載の熱発泡性材料から形成されて、発泡体を製造するために使用される半固形物であって、
前記低温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応が生じたことで、60℃の粘度が200〜800Pa・sとされている半固形物。
項6.シート状を呈する項5に記載の半固形物。
項7.粒状を呈する項5に記載の半固形物。
項8.項6に記載のシート状の半固形物を成形する方法であって、
項1乃至4のいずれかに記載の熱発泡性材料を混練する混練工程と、
混練された前記熱発泡性材料を、離型シートの表面に塗布するとともに、前記熱発泡性材料が塗布された離型シートを、前記第1温度以上前記第2温度以下の雰囲気下で加熱することで、前記熱発泡性材料に含まれる前記低温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせ、この後、前記熱発泡性材料を冷却することで、前記熱発泡性材料を、60℃の粘度が200〜800Pa・sであるシート状の半固形物とするシート化工程と、
前記シート状の半固形物を前記離型シートから剥離する剥離工程とを有する、成形方法。
項9.項7に記載の粒状の半固形物を成形する方法であって、
項1乃至4のいずれかに記載の熱発泡性材料を混練する混練工程と、
混練された前記熱発泡性材料を、離型シートの表面に塗布するとともに、前記熱発泡性材料が塗布された離型シートを、前記第1温度以上前記第2温度以下の雰囲気下で加熱することで、前記熱発泡性材料に含まれる前記低温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせ、この後、前記熱発泡性材料を冷却することで、前記熱発泡性材料を、60℃の粘度が200〜800Pa・sであるシート状の半固形物とするシート化工程と、
前記シート状の半固形物を前記離型シートから剥離する剥離工程と、
前記シート状の半固形物を細断するとともに、細断物の各々を所定粒径の粒状とすることで、粒状の半固形物を得る細断工程とを有する、成形方法。
項10.前記塗布工程では、ブレードの下方を前記離型シートが移動すること、或いは、前記離型シートの上方をブレードが移動することによって、前記離型シートの表面に塗布された前記熱発泡性材料の余剰部分が、前記ブレードで掻き取られる、項8又は9に記載の成形方法。
項11.項6に記載にシート状の半固形物を用いて、発泡体を製造する方法であって、
前記半固形物を板材の表面に貼り付ける貼付工程と、
前記半固形物が貼り付けられた板材を金型内部に投入して、金型内部を前記第3温度以上に加熱することで、前記発泡剤の熱膨張を生じさせて前記半固形物を発泡体にするとともに、前記発泡体に含まれる前記高温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせて、前記発泡体を硬化させる発泡硬化工程とを有する、発泡体の製造方法。
項12.前記半固形物が貼り付けられた板材(以下、貼付板材)と他の板材とを組み合わせることで、前記貼付板材や前記他の板材によって囲まれる内部空間を有するとともに、当該内部空間の壁面に前記半固形物が貼り付けられている箱体を組み立てる組み立て工程をさらに有し、
前記発泡硬化工程では、前記箱体を金型内部に投入して、金型内部を前記第3温度以上に加熱することが行われる、項11に記載の発泡体の製造方法。
項13.項11に記載に粒状の半固形物を用いて、発泡体を製造する方法であって、
前記半固形物を板材の表面に形成される凹部に投入する投入工程と、
前記半固形物が前記凹部に投入された前記板材を金型の内部に投入して、金型内部を前記第3温度以上に加熱することで、前記半固形物に含まれる前記発泡剤の熱膨張を生じさせて前記半固形物を発泡体にするとともに、前記発泡体に含まれる前記高温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせて、前記発泡体を硬化させる発泡硬化工程とを有する、発泡体の製造方法。
項14.前記板材は、炭素繊維プリプレグである、項11乃至13のいずれかに記載の発泡体の製造方法。
本発明によれば、均一な大きさの気泡が均等に分布する発泡体を、手間を要せず得ることができる。
本発明の実施形態の熱発泡性材料から製造される発泡体を示す断面図である。 本発明の実施形態の熱発泡性材料から成形されて、発泡体を製造するために使用されるシート状の半固形物を示す断面図である。 シート状の半固形物を成形する工程を示すフローチャートである。 シート状の半固形物を用いて発泡体を製造する工程を示すフローチャートである。 シート状の半固形物を貼り付けた板材と、他の板材とを用いて組み立てられた箱体の断面図である。 シート状の半固形物が発泡体となる過程を示す断面図である。 本発明の実施形態の材料を用いて発泡体を製造する過程における粘度変化を示すグラフである。 粒状の半固形物が発泡体となる過程を示す断面図である。 粒状の半固形物を成形する工程を示すフローチャートである。 粒状の半固形物を用いて発泡体を製造する工程を示すフローチャートである。 従来の材料を用いて発泡体を製造する過程における粘度変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る熱発泡性材料について説明する。本実施形態の熱発泡性材料は、図1に示す発泡体1を製造するために使用される。発泡体1は、均一な径の気泡2が均等に分布する樹脂成形物であり、机の天板、ドア、レーシングカーのウィング等の芯材として使用することができる。
上記発泡体1を製造するために使用される本実施形態の熱発泡性材料は、エポキシ樹脂と、低温硬化剤と、発泡剤と、高温硬化剤とを含む。
エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂のうちの1種、または2種以上を混合してなるものである。
ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等である。
ノボラック型エポキシ樹脂は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等である。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルキシレンジアミン等の樹脂である。
ナフタレン型エポキシ樹脂は、常温で液状を呈するものである。このナフタレン型エポキシ樹脂には、固形であったものを液状に溶かしたものも含まれる。
低温硬化剤は、60〜120℃の範囲内にある第1温度において、エポキシ樹脂との反応を開始して、分子量を増大させるものである。
低温硬化剤は、例えば、アミンアダクト型潜在性硬化剤、固形或いは液状の変性アミン化合物、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、ポリアミドアミンを含有する硬化剤、ポリチオールを含有する硬化剤である。
上記のアミンアダクト型潜在性硬化剤として、アミキュアPN-23,PN-F,PN-23J,PN-31J,PN-40J(味の素ファインテクノ株式会社製)や、アデカハードナーEH5030S(株式会社ADEKA製)を使用できる。
また上記の固形の変性アミン化合物として、フジキュアーFXR-1020 FXR-1081 FXR-1121 FXR-1032(株式会社T&K TOKA製)を使用できる。
また上記の液状の変性アミン化合物として、フジキュアー7001 7500(株式会社T&K TOKA製)を使用できる。
また上記のマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤として、ノバキュアHX3941HP,ノバキュアHX3921HP,ノバキュアHX3748、ノバキュアHX3742,ノバキュアHX3741,ノバキュアHX3722,ノバキュアHX3721,ノバキュアHX3613,ノバキュアHX3088(旭化成イーマテリアルズ株式会社製)を使用できる。
また上記のポリアミドアミンを含有する硬化剤として、EPCLON B-065(DIC株式会社製)を使用できる。
また上記のポリチオールを含有する硬化剤として、カレンズMT PE1(昭和電工株式会社製)を使用できる。
なお熱発泡性材料の単位体積当たりにおける低温硬化剤の添加量は、最適添加量とされる量の1/5〜4/5の量とすることが好ましい。低温硬化剤の添加量が最適添加量の1/5未満では、熱発泡性材料の粘度を高める効果が乏しくなる。低温硬化剤の添加量が最適添加量の4/5を超えると、熱発泡性材料の粘度が高くなりすぎて発泡が生じ難くなる虞がある。
発泡剤は、80〜160℃の範囲内にある第2温度において熱膨張を開始するものである。
発泡剤は、例えば、揮発性液体を熱可塑性高分子殻(シェル)で内包した熱膨張性マイクロカプセルや、加熱による分解で窒素ガス・炭酸ガス・一酸化炭素、アンモニアガス・水素ガスを発生する薬剤である。
上記の熱膨張性マイクロカプセルとして、例えば、Expancel(日本フィライト株式会社製)や、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬株式会社製)を使用できる。
上記加熱による分解でガスを発生する薬剤として、例えば、ビニホール,スパンセル,セルラー,セルボン,ネオセルボン,エクセラー(永和化成工業株式会社)を使用できる。
なお発泡剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜30質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が10質量部未満である場合には、充分な発泡量が得られない。発泡剤の含有量が30質量部を超える場合には、発泡量が多くなりすぎて、発泡体1の強度の低下等が生じ得る。
高温硬化剤は、120〜180℃の範囲内にある第3温度において、エポキシ樹脂との反応を開始して、分子量を増大させ且つ架橋するものである。
上記の高温硬化剤として、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂、芳香族アミン系の異性体を含むアミン類、ジシアンジアミド類、イミダゾール類、又は酸無水物を使用できる。
なお熱発泡性材料の単位体積当たりにおける高温硬化剤の添加量は、最適添加量とされる量の1/5〜4/5の量とすることが好ましい。高温硬化剤の添加量が最適添加量の1/5未満では、高温硬化剤の不足による耐熱性等の発泡体1の物性が低下する。高温硬化剤の添加量が最適添加量の4/5を超えると、高温硬化剤の含有量が過剰となり、耐湿性の低下等が生じる。
本実施形態の熱発泡性材料は、上記のエポキシ樹脂・低温硬化剤・発泡剤・高温硬化剤の配合が適宜設定されることで、発泡剤が熱膨張を開始する第2温度が、低温硬化剤がエポキシ樹脂との反応を開始する第1温度よりも高く、且つ、高温硬化剤がエポキシ樹脂との反応を開始する第3温度が上記の第2温度よりも高く、且つ、23℃における熱発泡性材料の粘度が10〜60Pa・sとされる。なお、発泡剤は粒子状のものを使用する必要がある。この粒子状の発泡剤を使用すれば、発泡剤の各々が独立発泡で膨張することで、気泡の大きさが均一の発泡体が得られる。一方、発泡剤が液状である場合には、膨張した気泡の大きさが不均一になる虞がある。また本実施形態では、上記粒子状の発泡材を使用することで、液状のエポキシ樹脂を使用する必要があり、この液状のエポキシ樹脂を用いることで、常温における熱発泡性材料の粘度を、塗工・コーティングに適したものにすることができる。なお、上記液状のエポキシ樹脂は、固形であったエポキシ樹脂を液状に溶解させたものであってよい。また、低温硬化剤及び恒温硬化剤は、液状でも固体状でもよいが、常温でエポキシ樹脂と反応しない潜在性を有している必要がある。上記の常温は、23℃±5℃範囲内(18℃〜28℃)にある温度である。
そして本実施形態では、上記の熱発泡性材料を用いて、図2に示すシート状の半固形物3が中間材として成形され、この後、半固形物3を用いて発泡体1(図1)が製造される。以下、図3を参照して、シート状の半固形物3を成形する工程を説明する。
図3に示すように、まず、上述のエポキシ樹脂・低温硬化剤・発泡剤・高温硬化剤を含む熱発泡性材料を常温で混練する混練工程が実施される。
ついで、混練された熱発泡性材料を、シート状の半固形物とするためのシート化工程が実施される。このシート化工程では、まず、常温にて、混練された熱発泡性材料が、離型シートの表面に塗布される。この際には、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、エアナイフコーターなど公知のコーターを使用して、例えば1mm程度の厚さで熱発泡性材料が、離型シートの表面に塗布される。離型シートは、例えば、紙または合成樹脂製のシート体であり、樹脂を塗布する離型シートの面にシリコーン系などの離型剤を塗布することが好ましい。
また上記の塗布を行う際には、コーターの下方で離型シートを移動させること、或いは、離型シートの上方でコーターを移動させることによって、離型シートの表面に塗布された熱発泡性材料の余剰部分をコーターで掻き取ることが好ましい。このようにすることで、離型シートの表面に塗布される熱発泡性材料の厚さを一定にすることができる。なお上記の離型シートを移動させることは、例えば、離型シートが載置されるベルトをモーター等の動力で回転させることで実現できる。また上記のコーターを移動させることは、例えば、コーターを吊下する吊下手段をモーター等の動力で移動させることで実現できる。
そしてシート化工程では、さらに、熱発泡性材料が塗布された離型シートを乾燥機内に投入して、離型シートを第1温度以上第2温度以下の雰囲気下で加熱することが行われる。この加熱は、熱発泡性材料に含まれる低温硬化剤とエポキシ樹脂との反応を生じさせて、熱発泡性材料の粘度を発泡に適した粘度域に高めるものである。そしてこの加熱の後、離型シートが常温にまで冷却されることで、粘度の高められた熱発泡性材料がシート状とされる。なお、上記の加熱及び冷却では、乾燥機における加熱温度・加熱時間や、加熱後の冷却時間等が、エポキシ樹脂・低温硬化剤・発泡剤・高温硬化剤の配合に応じて、調整されることで、60℃の粘度が200〜800Pa・sであるシート状の半固形物3が成形される。この半固形物3は、発泡時に流動して樹脂層と発泡層の分離を起こさない粘度域を有しており、樹脂中の発泡剤が均一に分散された状態を維持できる。なお上記のシート化工程における加熱温度(乾燥機内の雰囲気温度)は、60〜120℃とし、加熱時間は1〜120分とすることが好ましい。加熱温度が60℃未満では低温硬化剤が反応せず熱発泡性材料の粘度が高まらない。加熱温度が120℃を超えると加熱時に発泡剤の膨張が始まる虞がある。
ついで、離型シートからシート状の半固形物3を剥離する剥離工程が実施される。以上で、図2に示すシート状の半固形物3が得られる。
次に、図4を参照して、図2に示すシート状の半固形物3を用いて、図1に示す発泡体1を製造する工程について説明する。
図4に示すように、まず、シート状の半固形物3を、板材5(後述の図5)の表面に貼り付ける貼付工程が実施される。板材5は、炭素繊維の繊維材料に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、或いは不飽和ポリエステル樹脂を含ませた炭素繊維プリプレグである。繊維材料に含まれる樹脂は、半硬化状態(溶剤が蒸発して揮発分がなくなった状態から一部硬化反応が進んだ状態)とされており、常温で、表面にタック性がある半固体状から、固体状を呈している。
ついで、シート状の半固形物3が貼り付けられた板材5(以下、貼付板材5)と、他の板材6とを組み合わせることで、図5に示す箱体7を組み立てる組み立て工程が実施される。箱体7は、上壁及び下壁が貼付板材5によって構成され、上壁と下壁とを繋ぐ側壁が、他の板材6から構成されたものである。この箱体7は、貼付板材5や板材6によって囲まれる内部空間8を有しており、当該内部空間8の壁面に半固形物3が貼り付けられたものとされる(内部空間8の上面(上壁の内面)や、内部空間8の底面(下壁の内面)に、半固形物3が貼り付けられたものとされる)。板材6は、貼付板材5と同様、炭素繊維プリプレグからなる。また箱体7を構成する板材5,6は、螺子、接着剤、凹凸嵌合など、公知の手段・方法によって、接合されて一体とされる。なお上記の貼付工程において、貼付板材5に貼り付けられる半固形物3は、その発泡による拡大(膨張)で、内部空間8を満たすことが可能な厚さを有するものとされる。図5の例のように、内部空間8の上面及び底面に半固形物3が貼り付けられる場合には、半固形物3の各々は、その発泡による拡大(膨張)で、内部空間8の1/2を満たせる厚さを有するものとされる。
ついで図4に示すように、箱体7を、第3温度以上の雰囲気とされた金型内部に投入することで、箱体7を加熱する発泡硬化工程が実施される(例えば、130℃の雰囲気下で60分間、箱体7を加熱することが行われる)。この発泡硬化工程が実施される間では、まず半固形物3の温度が第2温度に到達することで、発泡剤の熱膨張が生じて、シート状の半固形物3が発泡体1になる。この際には、発泡体1(半固形物3)の側方を板材6が囲んでいることで、図6(a)に示すように、発泡剤の熱膨張による発泡体1(半固形物3)の拡大が上下方向に生じる。そして先の貼付工程で貼付板材5に貼り付けられる半固形物3の厚さが調整されていたことで、図6(b)に示すように、箱体7の内部空間8が発泡体1で満たされるまで、発泡剤の熱膨張による発泡体1の拡大が生じる。そして発泡体1の温度が第3温度に到達することで、発泡体1に含まれる高温硬化剤とエポキシ樹脂との反応が生じて、発泡体1が硬化する。以上で発泡体1の製造が完了する。
また上記の発泡硬化工程では、板材5,6を構成する炭素繊維プリプレグも加熱されることで、当該炭素繊維プリプレグに含まれる半硬化状態の樹脂も硬化する。すなわち炭素繊維プリプレグに含まれる樹脂は、一旦、溶融してから、高分子化及び架橋反応が進むことで、ゲル化して硬化する。この硬化によって、炭素繊維プリプレグであった板材5,6がFRP(繊維強化プラスチック)となる。
そして上記の発泡硬化工程によって、半固形物3が硬化した発泡体1となり、炭素繊維プリプレグであった板材5,6がFRPとなることで、箱体7は、外郭がFRPから構成され、内側の芯材となる範囲が発泡体1から構成された成形体100(図6(b))となる。この成形体100は、机の天板、ドア、レーシングカーのウィング等として使用可能なものである(図1は、成形体100に含まれる発泡体1を単独で拡大して示したものである)。
本実施形態によれば、手間を要せず、発泡体1を製造可能である。以下、その理由を、図7を参照しつつ説明する。図7は、本実施形態の熱発泡性材料の粘度の時間変化を示すグラフである。
熱発泡性材料は、当初、23℃の粘度が10〜60Pa・sとされるものであるため、常温(23℃±5℃)における粘度が、混練に適した粘度域にある。このため混練工程では、常温にて、熱発泡性材料に含まれるエポキシ樹脂・低温硬化剤・発泡剤・高温硬化剤を混練できる(図7のA)。したがって、上述した特許文献1(特開2015−101670号公報)の混練工程の加熱(図11のA)のように、熱発泡性材料の粘度を混練に適した粘度域に下げる加熱を要しない。
そしてさらに、熱発泡性材料に液状のエポキシ樹脂が含まれていること等から、混練工程によって、常温における熱発泡性材料の粘度を、塗工・コーティングに適した粘度域に調整できる(図7のA)。このため、次のシート化工程で、常温にて熱発泡性材料を離型シートに塗布でき(図7のB)、特許文献1のシート化工程の加熱(図11のC)のように、熱発泡性材料の粘度を、塗工・コーティングに適した粘度域に下げる加熱を要しない。
そしてさらに、シート化工程の加熱によって、低温硬化剤とエポキシ樹脂との化学反応が生じて熱発泡性材料の粘度が発泡に適した粘度域(60℃で200〜800Pa・s)に高められ、これに続く冷却によって、熱発泡性材料は、上記発泡に適した粘度域を持続的に有するシート状の半固形物3となる(図7のC)。したがって、半固形物3を得た後に、特許文献1の増粘工程(図11のE)のように、シート(シート状の半固形物3)の粘度を発泡に適した粘度域に調整する加熱を要しない。
そしてさらに、発泡硬化工程では、金型内部を第3温度以上とするだけの、温度管理の簡易な加熱によって(図7のD)、発泡剤の熱膨張と、高温硬化剤とエポキシ樹脂の反応とが順次生じることで、半固形物3が発泡体1となって硬化する。
以上の理由から、本実施形態の熱発泡性材料によれば、シート化工程・発泡硬化工程の2つの工程のみで加熱を行えばよく(図7のC,D)、特許文献1の配合物に比べて、加熱回数を少なくできる。またさらにシート化工程によって、発泡に適した粘度域を持続的に有する半固形物3が得られるため、その後の発泡硬化工程の加熱を、温度管理が簡易なものとすることができる。以上のことから、本実施形態の熱発泡性材料によれば、手間を要せず、発泡体1を製造可能である。また本実施形態の半固形物3によれば、温度管理が簡易な発泡硬化工程の加熱のみで発泡体1を製造することができるので、製造者から半固形物3を譲り受けた者は、極めて容易に発泡体1を得ることができる。
そして本実施形態の熱発泡性材料によれば、以下の(1),(2)の理由から、発泡に適した粘度を有するシート状の半固形物3を、安定して成形可能である。
(1)混練から離型シートに塗布するまでの間の作業(図7のA,B)を常温で実施できる。このため、離型シートに塗布される熱発泡樹脂は、硬化反応や発泡が生じておらず、熱履歴に差の無いものとなる。
(2)シート化工程の加熱及び冷却を行うことで(図7のC)、低温硬化剤とエポキシ樹脂との化学反応で、熱発泡樹脂の粘度を発泡に適した粘度域(60℃で200〜800Pa・s)に高めることができ、且つ、このように粘度が高められた状態で熱発泡樹脂をシート化できる。
そして本実施形態の熱発泡性材料から成形される半固形物3によれば、独立発泡を生じる粒子状の発泡剤が含まれることや、発泡に適した粘度を有していること(つまり、樹脂中の発泡剤が均一に分散されて、樹脂層と発泡層の分離を起こさないようになっていること)から、発泡硬化工程の加熱(図7のD)が行われることで、半固形物3の各部位で均一な大きさの気泡2が生じ、気泡2の各々は、その発生位置に留まるようになる。したがって、均一な大きさの気泡2が均等に分布する発泡体1を得ることができる。
また本実施形態によれば、シート状の半固形物3を板材5に貼り付けることによって、板材5に熱発泡性材料(シート状の半固形物3に相当)が固定される。このため、液状の発泡性材料を板材に塗布する場合のように、発泡性材料が板材上で流動することがない。したがって、熱発泡性材料(シート状の半固形物3に相当)の塗工厚さを一定に維持できるので、熱発泡性材料(シート状の半固形物3)の発泡硬化によって、所望の厚さを有する発泡体1を確実に得ることができる。
また本実施形態によれば、発泡体1の完成と同時に、外郭がFRPから構成され、内側の芯材が発泡体1から構成された成形体100が得られる。したがって本実施形態によれば、発泡体1をFRPに接合するような手間を要せず、机の天板やドア等として使用可能な成形体を容易に得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲において種々改変することができる。
例えば上記の実施形態では、箱体7を構成する板材5,6を、炭素繊維プレプレグとする例を示したが、炭素繊維以外の繊維を含むプリプレグによって箱体7を構成してもよく、或いは、箱体7を、プリプレグ以外の成形物から構成してよい(すなわち、半固形物3が貼り付けられる貼付板材5や、貼付板材5と組み合わされる他の板材6が、炭素繊維以外の繊維を含むプリプレグや、プリプレグ以外の成形品によって構成されてもよい)。
また上記実施形態では、箱体7の上壁及び下壁を、貼付板材5(半固形物3を貼り付けた板材5)によって構成する例を示したが、箱体7のあらゆる壁が貼付板材5で構成され得る。なお図5のように、箱体7の上壁及び下壁を、半固形物3を貼り付けた貼付板材5によって構成すれば、発泡剤の膨張による発泡体1(半固形物3)の拡大が、内部空間8の上側及び下側から接近するよう生じて、上側及び下側の発泡体1(半固形物3)が会合することで、内部空間8を発泡体1で閉塞できる。これにより中実で高強度な成形体を得ることができる。
また図5の例のように必ずしも複数の板材を用いて箱体7を構成する必要はなく、半固形物3を貼り付けた一つの板材を、金型内部に投入し加熱することで、半固形物3の発泡及び硬化を生じさせて、発泡体を得てもよい。
またシート状の半固形物3を用いることの代わりに、図8(a)に示す粒状の半固形物10を用いて発泡体が製造されてもよい。この場合、図9に示す工程から粒状の半固形物10が成形され、図10に示す工程から粒状の半固形物10を用いて、図8(b)に示す発泡体20が製造される。以下、図9に示す工程や、図10に示す工程について説明する。
粒状の半固形物10を成形する際には、シート状の半固形物3を成形する場合と同様、まず、混練工程、シート化工程、剥離工程が実施される(図9)。すなわち、混練工程では、エポキシ樹脂・低温硬化剤・発泡剤・高温硬化剤を含む熱発泡性材料が常温で混練される。シート化工程では、常温にて、混練された熱発泡性材料が離型シートの表面に塗布されるとともに、熱発泡性材料が塗布された離型シートが、第1温度以上第2温度以下の雰囲気下で加熱され、この後、熱発泡性材料が冷却されることで、熱発泡性材料が、60℃の粘度が200〜800Pa・sであるシート状の半固形物とされる。剥離工程では、シート状の半固形物が、離型シートから剥離される。
そして剥離工程の後に細断工程が実施される。この細断工程では、シート状の半固形物を細断するとともに、公知の造粒機によって細断物の各々を所定粒径の粒状とすることで、粒状の半固形物10が成形される。以上で、粒状の半固形物10が得られる。
そして、粒状の半固形物10を用いて発泡体20を製造する際には、図10に示すように、まず凹部51が表面に形成された板材50を準備し、粒状の半固形物10を板材50の凹部51に投入する投入工程が実施される(図8(a))。板材50は、上記の実施形態に示す板材5,6と同様、プリプレグや、プリプレグ以外の成形品によって構成されるものである。
ついで、半固形物10が凹部51に投入された板材50を金型内部に投入して、金型内部を第3温度以上に加熱する発泡硬化工程が実施される。これにより、半固形物10に含まれる発泡剤の熱膨張が生じて半固形物10が発泡体20になるとともに、この後、発泡体20に含まれる高温硬化剤とエポキシ樹脂との反応が生じることで、発泡体20が硬化する。以上で発泡体20が得られる。
以上のように熱発泡性材料から粒状の半固形物10を成形する場合には、板材50の凹部51に対応する形状の発泡体20を製造でき、凹部51が隙間なく発泡体20で充填された成形体を得ることができる。なお粒状の半固形物10は、図8に示す凹部51の形成された板材50に限らず、図5に示すような複数の板材から構成される箱体にも適用できる。例えば当該箱体が曲面状の底面を有する場合(箱体の内部空間の底面が曲面状である場合)、シート状の半固形物によれば、上記底面への貼り付けが困難であるが、粒状の半固形物10によれば、上記底面の凹凸を埋めることができるので、箱体の内部空間を発泡体で隙間なく満たした成形体を得ることができる。
1,20 発泡体
3,10 半固形物
5,6,50 板材
7 箱体
8 箱体の内部空間
51 凹部

Claims (10)

  1. 熱発泡性材料から形成されて、発泡体を製造するために使用される半固形物であって、
    前記熱発泡性材料は、
    エポキシ樹脂と、
    第1温度において前記エポキシ樹脂との反応を開始する低温硬化剤と、
    第2温度において熱膨張を開始する発泡剤と、
    第3温度において前記エポキシ樹脂との反応を開始する高温硬化剤とを含み、
    前記第1温度は60〜120℃の範囲内にあり、前記第2温度は80〜160℃の範囲内にあり、前記第3温度は120〜180℃の範囲内にあるともに、前記第2温度は前記第1温度よりも高く、前記第3温度は前記第2温度よりも高く、
    前記熱発泡性材料は、23℃の粘度が10〜60Pa・sであり、
    前記半固形物は、前記低温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応が生じたものであり、粒状を呈し、60℃の粘度が200〜800Pa・sとされている半固形物。
  2. 請求項に記載の粒状の半固形物を成形する方法であって、
    前記熱発泡性材料を混練する混練工程と、
    混練された前記熱発泡性材料を、離型シートの表面に塗布するとともに、前記熱発泡性材料が塗布された離型シートを、前記第1温度以上前記第2温度以下の雰囲気下で加熱することで、前記熱発泡性材料に含まれる前記低温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせ、この後、前記熱発泡性材料を冷却することで、前記熱発泡性材料を、60℃の粘度が200〜800Pa・sであるシート状の半固形物とするシート化工程と、
    前記シート状の半固形物を前記離型シートから剥離する剥離工程と、
    前記シート状の半固形物を細断するとともに、細断物の各々を所定粒径の粒状とすることで、粒状の半固形物を得る細断工程とを有する、成形方法。
  3. 前記シート化工程では、ブレードの下方を前記離型シートが移動すること、或いは、前記離型シートの上方をブレードが移動することによって、前記離型シートの表面に塗布された前記熱発泡性材料の余剰部分が、前記ブレードで掻き取られる、請求項に記載の成形方法。
  4. 前記エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂のうちの1種、または2種以上を混合してなるものであり、
    前記低温硬化材は、アミンアダクト系の硬化剤、マイクロカプセル型の硬化剤のいずれかであり、
    前記高温硬化剤は、ノボラック樹脂、アミン類、ジシアンジアミド類、イミダゾール類、又は酸無水物であり、
    前記発泡剤は、揮発性液体を熱可塑性高分子殻で内包した熱膨張性マイクロカプセル、或いは、加熱による分解で、窒素ガス、炭酸ガス、一酸化炭素、アンモニアガス、又は水素ガスを発生する薬剤である、請求項2又は3に記載の成形方法。
  5. 前記発泡剤の含有量は、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜30質量部である、請求項2乃至4のいずれかに記載の成形方法
  6. 前記エポキシ樹脂は、液状であり、
    前記発泡剤は、粒子状であり、
    前記低温硬化材及び前記高温硬化剤は、液状又は固体状であり、18℃〜23℃でエポキシ樹脂と反応しない潜在性を有している請求項2乃至5のいずれかに記載の成形方法
  7. 請求項1に記載の粒状の半固形物を用いて、発泡体を製造する方法であって、
    前記半固形物を板材の表面に形成される凹部に投入する投入工程と、
    前記半固形物が前記凹部に投入された前記板材を金型の内部に投入して、金型内部を前記第3温度以上に加熱することで、前記半固形物に含まれる前記発泡剤の熱膨張を生じさせて前記半固形物を発泡体にするとともに、前記発泡体に含まれる前記高温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせて、前記発泡体を硬化させる発泡硬化工程とを有する、発泡体の製造方法。
  8. 熱発泡性材料から形成されたシート状の半固形物を用いて、発泡体を製造する方法であって、
    前記熱発泡性材料は、
    エポキシ樹脂と、
    第1温度において前記エポキシ樹脂との反応を開始する低温硬化剤と、
    第2温度において熱膨張を開始する発泡剤と、
    第3温度において前記エポキシ樹脂との反応を開始する高温硬化剤とを含み、
    前記第1温度は60〜120℃の範囲内にあり、前記第2温度は80〜160℃の範囲内にあり、前記第3温度は120〜180℃の範囲内にあるともに、前記第2温度は前記第1温度よりも高く、前記第3温度は前記第2温度よりも高く、
    前記熱発泡性材料は、23℃の粘度が10〜60Pa・sであり、
    前記シート状の半固形物は、前記低温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応が生じたものであり、60℃の粘度が200〜800Pa・sとされており、
    前記発泡体を製造する方法は、
    前記半固形物を板材の表面に貼り付ける貼付工程と、
    前記半固形物が貼り付けられた板材を金型内部に投入して、金型内部を前記第3温度以上に加熱することで、前記発泡剤の熱膨張を生じさせて前記半固形物を発泡体にするとともに、前記発泡体に含まれる前記高温硬化剤と前記エポキシ樹脂との反応を生じさせて、前記発泡体を硬化させる発泡硬化工程とを有する、発泡体の製造方法。
  9. 前記半固形物が貼り付けられた板材(以下、貼付板材)と他の板材とを組み合わせることで、前記貼付板材や前記他の板材によって囲まれる内部空間を有するとともに、当該内部空間の壁面に前記半固形物が貼り付けられている箱体を組み立てる組み立て工程をさらに有し、
    前記発泡硬化工程では、前記箱体を金型内部に投入して、金型内部を前記第3温度以上に加熱することが行われる、請求項に記載の発泡体の製造方法。
  10. 前記板材は、炭素繊維プリプレグである、請求項乃至のいずれかに記載の発泡体の製造方法。
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