JP2023058009A - α、β-不飽和ケトンの異性化工程を含む化合物の製造方法 - Google Patents

α、β-不飽和ケトンの異性化工程を含む化合物の製造方法 Download PDF

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    • C07C49/597Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring of a five-membered ring

Abstract

【課題】反応時間短縮と反応収率の向上を実現した、α、β-不飽和ケトンの異性化方法を提供する。【解決手段】本発明は、下記一般式(II)で表される化合物を、分子状水素及び/または水素源、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で異性化させる工程を含む、下記一般式(I)で表される化合物の製造方法を提供する。【化1】TIFF2023058009000033.tif32160【選択図】 なし

Description

本発明は、α、β-不飽和ケトンの異性化工程を含む化合物の製造方法に関する。
アルキル(3-オキソ-2-アルキルシクロアルキル)アセテート、なかでもジヒドロジャスモン酸メチル(MDJ)は、フローラル、ジャスミン様の香気を有する有用な香料素材である。
Figure 2023058009000001
例えばMDJは、シクロペンタノン(1)とペンタナール(2)のアルドール反応、ならびに脱水反応および異性化反応により化合物(3)を得、次いでジメチルマロン酸エステルとの反応により得られることが既に報告されている(特許文献1)。
Figure 2023058009000002
前記アルドール反応、ならびに脱水反応および異性化反応は、具体的に以下のように進行する。
Figure 2023058009000003
シクロペンタノン(1)とペンタナール(2)のアルドール反応により、ケトアルコール(4)が得られる。このケトアルコール(4)を脱水することによりα、β-不飽和ケトン化合物(5)が得られる。このα、β-不飽和ケトン化合物(5)を異性化することにより、α、β-不飽和ケトン化合物(3)が得られる。
例えば、特許文献1には、2-(1-ヒドロキシアルキル)-シクロアルカン-1-オンを、酸及び白金族金属触媒の共存下で脱水異性化させる、2-アルキル-2-シクロアルケン-1-オンの製造方法が開示されている。
Figure 2023058009000004
さらに特許文献2には、i)パラジウム(Pd)または白金(Pt)から選択される金属およびii)分子状水素または水素源を含む触媒系の存在下、異性化させる製造方法が開示されている。
Figure 2023058009000005
また、特許文献3には、白金族金属触媒と水素を用いる二重結合の異性化反応において、反応器への仕込み前に有機硫黄化合物によって処理された白金族触媒を用いることで、オレフィンの異性化方法が開示されている。
特開2009-269910号公報 特開2016-509991号公報 特開平7-69938号公報
しかしながら、特許文献1および2の方法では、二重結合の異性化において、分子状水素または水素源が存在するために、二重結合部分が水素化された化合物が副生し、異性化反応の選択率が低下するという課題がある。また、水素化を抑制するために水素量を減らすと異性化反応の反応性が低下する。なお、白金族触媒量を増加させることで、異性化反応の反応性と選択率を両立させることができるが、製造コストが増加するという課題があった。
また、特許文献3の方法は、オレフィンを対象としたものであり、ケトアルコールを脱水した化合物を異性化するものとは異なる。さらに、この方法は、収率が低いという課題もある。
従って、本発明は、反応時間短縮と反応収率の向上を実現した、α、β-不飽和ケトンの異性化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、驚くべきことに、α、β-不飽和ケトンの白金族触媒を用いた異性化の際、第16族元素(酸素を除く)である硫黄を存在させると、反応時間を短縮させたり、反応収率が向上することを見出した。この知見に基づき、本発明者らは本発明の方法を完成した。
すなわち、本発明は、
下記一般式(II)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で異性化させる工程を含む、下記一般式(I)で表される化合物の製造方法である。
Figure 2023058009000006
式中、
1、R2、およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。
本発明の方法は、α、β-不飽和ケトンの異性化方法の反応時間短縮や反応収率の向上を実現できる。更には、白金金属触媒量の低減も可能である。
本発明は、前記のように、
下記一般式(II)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で異性化させる工程を含む、下記一般式(I)で表される化合物の製造方法である。
Figure 2023058009000007
式中、
1、R2、およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表わし、R3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。
また、本発明は、前記一般式(III)で表される化合物を、酸の存在下で脱水させて前記一般式(II)で表される化合物を得る工程を更に含む、一般式(I)で表される化合物の製造方法である。
Figure 2023058009000008
式中、
1、R2、およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。
また、本発明は、下記工程1及び2を含む、式(VII)の化合物の製造方法である。 工程1:下記一般式(IV)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、酸、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水異性化させ、下記一般式(V)で表される化合物を得る工程
工程2:工程1で得られた一般式(V)で表される化合物と、下記一般式(VI)で表されるマロン酸ジエステルとを反応させ、次いで水と反応させる、下記一般式(VII)で表される化合物を得る工程
Figure 2023058009000009
式中、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2’とR3’は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表し、
7は、炭素数1~3のアルキル基を表し、2つのR7は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書において、「直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基」は、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル基、sec-ペンチル基、t-ペンチル基、2-メチルブチル基、n-ヘキシル、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、3-エチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、4-エチルペンチル基、1,1-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、4,4-ジメチルペンチル基、1-プロピルブチル基、n-オクチルなどが挙げられる。「直鎖の炭素数1~8のアルキル基」は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどが挙げられる。「分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基」は、例えばイソプロピル、i-ブチル、sec-ブチル、i-ペンチル基、sec-ペンチル基、t-ペンチル基、2-メチルプロピル、2-メチルブチル基、t-ブチル、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、3-エチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、4-エチルペンチル基、1,1-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、4,4-ジメチルペンチル基、1-プロピルブチル基、などが挙げられる。「直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基」の「炭素数1~8のアルキル基」は、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
本明細書において、「炭素数1~5のアルキル基」は、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどが挙げられる。「炭素数1~5のアルキル基」は、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましい。
本明細書において、「炭素数1~3のアルキル基」は、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルなどが挙げられる。「炭素数1~3のアルキル基」は、炭素数1~2のアルキル基が好ましい。
本明細書において、「直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基」は、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-へキセニル等が挙げられる。「直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基」の炭素数2~8のアルケニル基」は、炭素数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素数2~4のアルケニル基がより好ましい。
本明細書において、「炭素数2~9のアルカンジイル基」は、例えば、エチレン、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基等のような炭素原子2~9を有する直鎖アルキレン基が挙げられる。「炭素数2~9のアルカンジイル基」は、炭素数2~7のアルカンジイル基が好ましく、炭素数2~5のアルカンジイル基がより好ましい。
本明細書において、「1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基」は、例えば、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイルが挙げられる。「1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基」は、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~7のアルカンジイル基が好ましく、1~2つの炭素数1~3のアルキル基で置換された炭素数2~7のアルカンジイル基が好ましく、1~2つの炭素数1~3のアルキル基で置換された炭素数2~5のアルカンジイル基がより好ましい。
<一般式(II)で表される化合物および一般式(I)で表される化合物>
本発明の一般式(I)で表される化合物(以下、「式(I)の化合物」、「化合物(I)」と呼ぶことがある)の製造方法においては、原料として一般式(II)で表される化合物(以下、「式(II)の化合物」、「化合物(II)」と呼ぶことがある)を用いる。
Figure 2023058009000010
前記式(I)および式(II)において、
1、R2、およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。
前記式(I)および式(II)において、
1、R2、およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~6のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~6のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~6のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~7のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~7のアルカンジイル基を表すのが好ましい。
前記式(I)および式(II)において、
1は、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくはn-ブチル基である。
前記式(I)および式(II)において、
4は、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
前記式(I)および式(II)において、
2とR3は、一緒になって、好ましくは炭素数2~9のアルカンジイル基、より好ましくは炭素数2~4のアルカンジイル基、更に好ましくは炭素数2のアルカンジイル基である。
前記式(I)および式(II)において、
1は、n-ブチル基であり、R2とR3は、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基を表し、R4は、水素原子であるのがより更に好ましい。
化合物(I)の具体例としては、2-プロピル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ブチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ヘキシル-2-シクロペンテン-1-オン、2-(1-メチルブチル)-2-シクロペンテン-1-オン、2-(2-メチルブチル)-2-シクロペンテン-1-オン、2-シクロペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-シクロヘキシル-2-シクロペンテン-1-オン、2-プロピル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-ブチル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-ペンチル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-ヘキシル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-(1-メチルブチル)-2-シクロヘキセン-1-オン、2-(2-メチルブチル)-2-シクロヘキセン-1-オン、2-シクロペンチル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-シクロヘキシル-2-シクロヘキセン-1-オン等が挙げられる。これらの中では、2-プロピル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ブチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ヘキシル-2-シクロペンテン-1-オンが好ましく、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オンが特に好ましい。
化合物(II)の具体例としては、2-プロピリデンシクロペンタン-1-オン、2-ブチリデンシクロペンタン-1-オン、2-ペンチリデンシクロペンタン-1-オン、2-ヘキシリデンシクロペンタン-1-オン、2-シクロペンチリデンシクロペンタン-1-オン、2-シクロヘキシリデンシクロペンタン-1-オン、2-プロピリデンシクロヘキサン-1-オン、2-ブチリデンシクロヘキサン-1-オン、2-ペンチリデンシクロヘキサン-1-オン、2-ヘキシリデンシクロヘキサン-1-オン、2-シクロペンチリデンシクロヘキサン-1-オン、2-シクロヘキシリデンシクロヘキサン-1-オン等が挙げられる。これらの中では、2-プロピリデンシクロペンタン-1-オン、2-ブチリデンシクロペンタン-1-オン、2-ペンチリデンシクロペンタン-1-オン、2-ヘキシリデンシクロペンタン-1-オンが好ましく、2-ペンチリデンシクロペンタン-1-オンが特に好ましい。
<一般式(III)で表される化合物>
本発明の一般式(I)で表される化合物(以下、「式(I)の化合物」、「化合物(I)」と呼ぶことがある)の製造方法においては、原料として一般式(III)で表される化合物(以下、「式(III)の化合物」、「化合物(III)」と呼ぶことがある)を用いる。
Figure 2023058009000011
前記式(III)において、
1、R2およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。
前記式(III)において、
1、R2およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~6のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~6のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~7のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~7のアルカンジイル基を表すのが好ましい。
前記式(III)において、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すのがより好ましい。
前記式(III)において、
1は、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくはn-ブチル基である。
前記式(III)において、
4は、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
前記式(III)において、
2とR3は、一緒になって、好ましくは炭素数2~9のアルカンジイル基、より好ましくは炭素数2~4のアルカンジイル基、更に好ましくは炭素数2のアルカンジイル基である。
前記式(III)において、
1は、n-ブチル基であり、R2とR3は、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基を表し、R4は、水素原子であるのがより更に好ましい。
化合物(III)の具体例としては、2-(1-ヒドロキシプロピル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン、2-(1-ヒドロキシヘキシル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシ-1-メチルブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシシクロペンチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシシクロヘキシル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシプロピル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシブチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシヘキシル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシ-1-メチルブチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシシクロペンチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシシクロヘキシル)-シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの中では、2-(1-ヒドロキシプロピル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン、2-(1-ヒドロキシヘキシル)-シクロペンタノンが好ましく、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オンが特に好ましい。
<一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物および一般式(VII)で表される化合物>
本発明の一般式(VII)で表される化合物(以下、「式(VII)の化合物」、「化合物(VII)」と呼ぶことがある)の製造方法においては、原料として一般式(IV)で表される化合物(以下、「式(IV)の化合物」、「化合物(IV)」と呼ぶことがある)、一般式(V)で表される化合物(以下、「式(V)の化合物」、「化合物(V)」と呼ぶことがある)一般式(VI)で表される化合物(以下、「式(VI)の化合物」、「化合物(VI)」と呼ぶことがある)を用いる。
Figure 2023058009000012
前記式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)において、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2’とR3’は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表し、
7は、炭素数1~3のアルキル基を表し、2つのR7は同一であっても異なっていてもよい。
前記式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)において、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~6のアルケニル基を表し、
2’とR3’は、一緒になって、炭素数2~7のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~7のアルカンジイル基を表し、
7は、炭素数1~3のアルキル基を表し、2つのR7は同一であっても異なっていてもよいのが好ましい。
前記式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)において、
1は、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくはn-ブチル基である。
前記式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)において、
4は、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
前記式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)において、
2’とR3’は、一緒になって、好ましくは、炭素数2~9のアルカンジイル基、より好ましくは炭素数2~4のアルカンジイル基、更に好ましくは炭素数2のアルカンジイル基である。
前記式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)において、
7は、メチル基が好ましい。
前記式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)において、
1は、n-ブチル基であり、R2’とR3’は、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基を表し、R4は、水素原子であり、R7は、メチル基が好ましい。
化合物(IV)の具体例としては、2-(1-ヒドロキシプロピル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-ン、2-(1-ヒドロキシヘキシル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシ-1-メチルブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシシクロペンチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシシクロヘキシル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシプロピル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシブチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシヘキシル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシ-1-メチルブチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシシクロペンチル)-シクロヘキサノン、2-(1-ヒドロキシシクロヘキシル)-シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの中では、2-(1-ヒドロキシプロピル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシブチル)-シクロペンタノン、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン、2-(1-ヒドロキシヘキシル)-シクロペンタノンが好ましく、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オンが特に好ましい。
化合物(V)の具体例としては、2-プロピル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ブチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ヘキシル-2-シクロペンテン-1-オン、2-(1-メチルブチル)-2-シクロペンテン-1-オン、2-(2-メチルブチル)-2-シクロペンテン-1-オン、2-シクロペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-シクロヘキシル-2-シクロペンテン-1-オン、2-プロピル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-ブチル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-ペンチル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-ヘキシル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-(1-メチルブチル)-2-シクロヘキセン-1-オン、2-(2-メチルブチル)-2-シクロヘキセン-1-オン、2-シクロペンチル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-シクロヘキシル-2-シクロヘキセン-1-オン等が挙げられる。これらの中では、2-プロピル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ブチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、2-ヘキシル-2-シクロペンテン-1-オンが好ましく、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オンが特に好ましい。
化合物(VI)の具体例としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル等が挙げられる。これらの中では、マロン酸ジエチルが好ましい。
化合物(VII)の具体例としては、ジヒドロジャスモン酸メチル等が挙げられる。
[式(I)の化合物の製造方法]
本発明において、式(II)の化合物を、分子状水素および/または水素源、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で異性化させる工程により、式(I)の化合物は製造できる。
<分子状水素および/または水素源>
前記水素源は水素移動剤であり得る。前記水素移動剤は、例えばテトラリン、ギ酸、リモネン、シクロヘキサノールである。分子状水素と水素源とは併用してもよい。
前記分子状水素は、不活性ガスと混合した状態で用いることができる。前記不活性ガスは、例えば窒素、アルゴンおよびヘリウムからなる群から選択されてもよい。前記分子状水素と不活性ガスを混合して用いる場合、その混合比(体積比、分子状水素/不活性ガス)は、反応性の観点から好ましくは1/10以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは1/3以上であり、副反応を抑制する観点から、好ましくは10/1以下、より好ましくは5/1以下、更に好ましくは3/1以下であり、好ましくは10/1~1/10、より好ましくは5/1~1/5、更に好ましくは3/1~1/3である。
<白金族金属触媒>
本発明に用いられる白金族金属触媒は、周期律表第5~6周期の第8~10族元素に含まれる、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種以上の金属成分を主成分として含む触媒である。これらの金属成分の中では、触媒活性等の観点から、Pt及びPdが好ましく、Pdがより好ましい。またこれらの金属成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、「主成分として含む」とは、触媒金属成分中に、当該成分を好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上含むことを意味する。
これらの白金族金属触媒は、他の金属成分又は副次量の助触媒を含有していてもよい。このような他の金属成分の例としては、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等の周期律表第4周期の第4~11族元素や、W、Ag及びAu等が挙げられる。
触媒は、担持型、ラネー型、可溶型、粉末状、顆粒状等の形態に適宜調製して使用することができる。
担持型触媒は、触媒の耐久性等の物理的特性を改善するために金属成分を担体に担持した触媒である。担持型触媒の調製は、沈殿法、イオン交換法、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、混練法等の公知の方法により行うことができる。担体としては、炭素(活性炭)、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、硫酸バリウム及び炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中では、炭素(活性炭)、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナが好ましい。
触媒としてパラジウム触媒を用いる場合の具体例としては、パラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナ、パラジウム担持硫酸バリウム、パラジウム担持炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中では、反応性が高く、反応後にパラジウム触媒を容易に回収可能なパラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナが好ましく、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、パラジウムカーボンが特に好ましい。
担持型触媒における金属成分の担持量は、触媒活性の点から、担体と担持された金属成分との合計量に基づき、通常0.1~70質量%程度が好ましい。
白金族金属触媒の使用量は、反応形式により適宜最適化することができる。具体的には、反応性及び経済性の観点から、原料である化合物(II)に対して、収率向上の観点から、金属量として好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、経済性の観点から、金属量として好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。白金族金属触媒の使用量は、原料である化合物(II)に対して、金属量として0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.05質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
<第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物>
本発明において、異性化反応の反応時間短縮や高反応収率が達成できるのは、第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物は、白金族金属触媒に吸着し、金属表面の電子状態を変化させることで、金属表面へのα,β-不飽和カルボニルの吸着状態が安定化するため、異性化反応の活性化エネルギーを減少させていると考えられる。即ち、第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物は、触媒改質剤として、働いていると考えらえる。
第16族元素(酸素を除く)単体とその化合物とは併用してもよい。
第16族元素は、硫黄、セレン、およびテルルから選択される1またはそれ以上を含む。なかでも第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物としては、硫黄及び硫黄化合物、セレン及びセレン化合物、並びにテルル及びテルル化合物からなる群から選択される1種以上を含むものが好ましく、硫黄を含むものがより好ましい。
硫黄化合物は、スルフィド基、チオフェン環又はチオール基を有する化合物が好ましい。例えば、ドデシルスルフィド(ジドデシルスルフィド)、メチルドデシルスルフィド等の炭素数1~18の炭化水素基を有するスルフィド化合物;アルキルチオフェンやポリアルキルチオフェン;ドデシルチオール(1-ドデカンチオール)等の炭素数1~18の炭化水素基を有するチオール化合物等が挙げられる。
これらの中では、第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物としては、入手性や取扱の簡便さ、反応性等の観点から、硫黄又は硫黄化合物が好ましく、回収再利用が可能な観点から、硫黄がより好ましい。尚、硫黄は硫黄単体ともいう。また、第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物として硫黄を用いた場合、白金族金属触媒を再利用しても反応効率がほぼ維持されるため、好ましい。
前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物は、X線電子分光法(XPSまたはESCA)において、使用後の触媒を使用前の触媒と比較してPd 3d軌道のスペクトルピークを0.1~1.0eV高エネルギー側にシフトさせることができる物質が好ましい。例えば、硫黄単体をPdに対して13mol%使用した場合、Pd/CのPd3dピークが335.5eV、340.8eVから335.9eV、341.1eVへとシフトする。
X線電子分光法の測定条件は以下のとおりである。
装置:PHI Quantera SXM (ULVAC PHI Inc.)
線源:単色化 Al Kα(1486.6eV)、出力25W,15kV
ビーム径:100μmスポット分析
Pass energy:280.0eV(survey) 112.0eV(narrow)
Step:1.00eV(survey)0.20eV(narrow)
帯電補正:neutralizerおよびAr
光電子の取り出し角度:45°
前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量は、使用する白金族金属触媒の金属量に対して、異性体の収率の観点から、好ましくは100mol%以下、より好ましくは60mol%以下、更に好ましくは40mol%以下、異性体の収率の観点から、好ましくは0.1mol%以上、より好ましくは0.5mol%以上、更に好ましくは1mol%以上である。前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量は、使用する白金族金属触媒の金属量に対して、好ましくは0.1mol%以上100mol%以下、より好ましくは0.5mol%以上60mol%以下、更に好ましくは1mol%以上40mol%以下である。前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量は、第16族元素(酸素を除く)単体とその化合物との合計量である。
異性化反応は、例えば80℃~250℃で行うことができる。異性化反応の温度は、反応性や選択性の観点から、100℃~200℃が好ましく、120℃~160℃がより好ましい。
異性化反応は、常圧でも進行するが、減圧下で反応させることにより、効率的に反応させることができる。反応圧力は、反応温度に応じ、20~200kPaの範囲が好ましく、50~150kPaの範囲がより好ましい。
<溶媒>
本発明は、溶媒の存在下でも不存在下でも行うことができる。溶媒を使用しない場合は生産性、経済性の観点から有利である。溶媒としては、特に制限されないが、不活性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、tert-ブタノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソペンタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルブタノール、ヘプタノール、2-ヘプタノール、オクタノール、2-オクタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-ブチルケトン、メチルn-アミルケトン、メチルイソアミルケトン、エチルブチルケトン、メチルn-ヘキシルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル、1,4-ジオキサン、イソアミルエーテル、n-ヘキシルエーテル、テトラヒドロピラン2-メチルフラン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル等のエーテル類、ギ酸n-メチル、ギ酸n-プロピル、ギ酸n-ブチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸n-アミル、酢酸n-ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-ブチル、酪酸メチル、酪酸n-ブチル、イソ吉草酸メチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸プロピル、フタル酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のエステル類、n-へキサン、n-オクタン、n-デカン、リグロイン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、t-ブチルベンゼン、p-シメン、テトラリン、デカリン等の炭化水素類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量は、原料の化合物(II)に対して、0.1~5質量倍とすることが好ましく、0.3~2質量倍とすることがより好ましい。
[式(II)の化合物を得る工程]
前記のように、本発明は、前記一般式(III)で表される化合物を、酸の存在下で脱水させて前記一般式(II)で表される化合物を得る工程を更に含む、一般式(I)で表される化合物の製造方法である。
前記方法の脱水工程において、分子状水素および/または水素源、酸、前記白金族金属触媒並びに前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物を存在させることは、脱水反応と異性化反応を連続して反応させる観点から好ましい。
即ち、前記一般式(III)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、酸、前記白金族金属触媒並びに前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水させて前記一般式(II)で表される化合物を得る工程を更に含む、一般式(I)で表される化合物の製造方法が、好ましい。
Figure 2023058009000013
式中、
1、R2およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。
<分子状水素および/または水素源>
分子状水素および/または水素源については、前記と同様である。この工程において前記分子状水素と不活性ガスを混合して用いる場合、その混合比(体積比、分子状水素/不活性ガス)は、反応性の観点から好ましくは1/10以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは1/3以上であり、副反応を抑制する観点から、好ましくは10/1以下、より好ましくは5/1以下、更に好ましくは3/1以下であり、好ましくは10/1~1/10、より好ましくは5/1~1/5、更に好ましくは3/1~1/3である。
<白金族金属触媒>
白金族金属触媒については、前記と同様である。前記白金金属触媒の使用量は、反応形式により適宜最適化することができる。具体的には、反応性及び経済性の観点から、原料である化合物(III)に対して、収率向上の観点から、金属量として好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、経済性の観点から、金属量として好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。白金族金属触媒の使用量は、原料である化合物(III)に対して、金属量として0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.05質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
<第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物>
前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物については、前記と同様である。前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量は、使用する白金族金属触媒の金属量に対して、異性体の収率の観点から、好ましくは100mol%以下、より好ましくは60mol%以下、更に好ましくは40mol%以下、異性体の収率の観点から、好ましくは0.1mol%以上、より好ましくは0.5mol%以上、更に好ましくは1mol%以上である。前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量は、使用する白金族金属触媒の金属量に対して、好ましくは0.1mol%以上100mol%以下、より好ましくは0.5mol%以上60mol%以下、更に好ましくは1mol%以上40mol%以下である。前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量は、第16族元素(酸素を除く)単体とその化合物の合計量である。
<酸>
本発明に用いられる酸としては、無機酸、有機酸、及び固体酸から選ばれる1種以上を用いることができる。反応混合物からの分離・除去の観点から固体酸が好ましい。
無機酸及び有機酸としては、一般的な酸を用いることができる。具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸等の縮合リン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸が挙げられる。
これらの酸の中でも、金属の腐食を抑える観点から、25℃における1段目の酸解離指 数(pKa)が0以上、好ましくは0.5以上の酸が好ましく、具体的には、リン酸(1 段目pKa:2.15)、ピロリン酸(1段目pKa:0.8)、トリポリリン酸等の縮 合リン酸、酢酸(1段目pKa:4.56)シュウ酸(1段目pKa:1.04)、クエ ン酸(1段目pKa:2.87)、マレイン酸(1段目pKa:1.75)、フマル酸( 1段目pKa:2.85)、リンゴ酸(1段目pKa:3.24)等の有機酸が挙げられる。
固体酸としては、公知の固体酸を用いることができる。具体的には、活性炭、活性アルミナ、硫酸ジルコニア、金属リン酸塩、トリポリリン酸二水素アルミニウム、酸化チタン等の無機金属固体や、カチオン交換樹脂、シリカ-チタニア複合酸化物、シリカ-酸化カルシウム複合酸化物、シリカ-マグネシア複合酸化物、ゼオライト等が挙げられる。
固体酸は、アンモニア昇温脱離(TPD;Temperature Programmed Desorption)法において、100~250℃の温度範囲でアンモニア(NH3)の脱離を起こす酸点の量(mmol/g)が、250℃より高い温度でNH3の脱離を起こす酸点の量(mmol/g)より多いものがより好ましい。100~250℃の範囲でNH3の脱離を起こす酸点の量は、0.01mmol/g 以上であり、かつ250℃より高い温度でNH3の脱離を起こす酸点の量は、0.3mmol/g 未満であることがより好ましい。例えば、後述する実施例記載のリン酸担持活性炭は、TPD法において、100~250℃の範囲でNH3の脱離を起こす酸点の量は、0.02mmol/gである。
上記の酸点の量は、触媒学会参照触媒であるゼオライト; JRC-Z5-25H のhighピーク(観測される2種のピークのうち、高温側のピーク)を0.99mmol/gとしてこれに対する相対的な量として測定する。ピークの検出は、質量スペクトルにおけるアンモニアのm/e=16のフラグメントでアンモニアを定量することにより行う。
TPD(アンモニア昇温脱離)の測定法としては、一般的に行われる測定法を用いることができる。例えば、以下のような条件で前処理、NH3吸着処理、真空処理を順に行った後、TPD測定を行う。
前処理:ヘリウム中200℃まで20分で昇温、1時間保持
NH3吸着処理:50℃、2.7kPaで10分間NH3を吸着
真空処理:50℃、4時間処理
TPD測定:ヘリウムガスを50ml/minで流通、昇温速度5℃/minで600℃まで昇温
このような酸点の分布をもつ固体酸としては、例えば、下記構造(A)、構造(B)及び金属原子(C)の少なくとも1つを有するものが好ましく挙げられ、なかでも構造(A)と金属原子(C)、構造(B)と金属原子(C)、及び構造(A)と構造(B)と金属原子(C)を含む固体酸が好ましい。前記固体酸は、前記アンモニア昇温脱離(TPD;Temperature Programmed Desorption)法により全体として酸点を測定する。具体的には、構造(A)、構造(B)、構造(C)のそれぞれを調節して、全体の酸点を所望の値に調節することができる。また、構造(A)および構造(B)を担体上に担持することも可能である。その場合、担体も含めて、全体としての酸点を所望の値に調節することが可能である。
・構造(A):無機リン酸が有するOH基の少なくとも一つから水素原子が除かれた構造
・構造(B):有機リン酸が有するOH基の少なくとも一つから水素原子が除かれた構造
・金属原子(C);アルミニウム、ガリウム及び鉄から選ばれる1種以上の金属原子
構造(A)としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸等の縮合リン酸、リン酸等が挙げられる。これらの中では、性能の点から、オルトリン酸、リン酸が好ましい。
また構造(B)としては、ホスホン酸、ホスホン酸モノエステル、ホスフィン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル等が挙げられる。これらの中では、ホスホン酸が好ましい。
金属原子(C)としては、性能及び/又はコストの点から、アルミニウムが好ましい。
なお、選択性その他性能を改良する目的で、アルミニウム、ガリウム、鉄以外の金属原子を少量有してもよい。また触媒中に含まれる金属原子(C)の全てが、必ずしも、構造(A)又は構造(B)と結合している必要はなく、金属原子(C)の一部分が金属酸化物又は金属水酸化物等の形で存在していてもよい。
固体酸の調製法として、沈殿法や金属酸化物又は水酸化物に無機リン酸及び有機リン酸を含浸する方法、無機リン酸アルミニウムゲル中の無機リン酸基を有機リン酸基へ置換する方法等が用いられるが、これらの中では沈殿法が好ましい。
また、固体酸を調製する際に、高表面積の担体を共存させ、担持触媒を得ることも可能である。担体として、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、ケイソウ土、活性炭等を用いることができる。担体を過剰に用いると、活性成分の含有量が低下し、活性を低下させるため、触媒中の担体の占める割合は、90重量%以下が好ましい。
固体酸の形状は、粉末でも成型したものでもよい。また、固体酸は、全て同一組成であってもよく、異なる組成の固体酸を組み合わせて用いてもよい。
上記の無機酸、有機酸、及び固体酸は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。固体酸のみを用いる場合は、中和工程を省略することもできる。
固体酸の使用量は、反応性の観点から、式(III)の化合物に対し0.0001質量%以上が好ましい。一方、生成する二重結合を含む化合物間の重合を抑え、収率を向上させるという観点から、固体酸の使用量は25質量%以下が好ましい。上記観点から、固体酸の使用量は、0.001~12質量%がより好ましく、0.01~6質量%が特に好ましい。
本工程は、例えば80℃~250℃で行うことができる。異性化反応の温度は、反応性や選択性の観点から、120℃~200℃が好ましく、120℃~160℃がより好ましい。
本工程は、常圧でも進行するが、減圧下で反応させることにより、生成する水を効率的に系外へ留去させ、原料及び反応生成物を留出させないで効率的に反応させることができる。反応圧力は、反応温度に応じ、20~200kPaの範囲が好ましく、50~150kPaの範囲がより好ましい。本発明の方法においては、生成する水を留去しながら反応を行うことが好ましい。
<溶媒>
溶媒については前記のとおりである。溶媒の使用量は、原料の化合物(III)に対して、0.1~5質量倍とすることが好ましく、0.3~2質量倍とすることがより好ましい。
<式(III)の化合物の製造>
原料の式(III)の化合物は、公知の方法により製造することがでいる。例えば、下記一般式(X)で表されるケトンと一般式(XI)で表されるアルデヒドを反応させることにより、得ることができる。一般式(X)で表されるケトンおよび一般式(XI)で表されるアルデヒドは、市販で入手するか、公知の方法により製造すればよい。
Figure 2023058009000014
式中、
1、R2およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。
本発明では、このような方法で得られる化合物(III)を精製せずに用いることもできるが、触媒の活性が低下する場合等は蒸留等により生成して使用しても良い。
[式(VII)の化合物の製造方法]
本発明は、下記工程1及び2を含む、式(VII)の化合物の製造方法である。
工程1:下記一般式(IV)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、酸、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水異性化させ、下記一般式(V)で表される化合物を得る工程
工程2:工程1で得られた一般式(V)で表される化合物と、下記一般式(VI)で表されるマロン酸ジエステルとを反応させ、次いで水と反応させる、下記一般式(VII)で表される化合物を得る工程
Figure 2023058009000015
式中、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2’とR3’は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表し、
7は、炭素数1~3のアルキル基を表し、2つのR7は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(IV)の化合物(以下、「式(IV)の化合物」、「化合物(IV)」と呼ぶことがある)は、式(III)の化合物のR2とR3の定義が限定されたものに対応する。また、一般式(V)の化合物(以下、「式(V)の化合物」、「化合物(I)」と呼ぶことがある)は、式(V)の化合物のR2とR3の定義が限定されたものに対応する。
<工程1>
この製造方法の工程1「下記一般式(IV)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、酸、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水異性化させ、下記一般式(V)で表される化合物を得る工程」は、前記一般式(I)で表される化合物の製造方法、すなわち、前記一般式(III)で表される化合物を分子状水素および/または水素源、酸、前記白金族金属触媒並びに前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水させて前記一般式(II)で表される化合物を得る工程を更に含む、一般式(I)で表される化合物の製造方法に従って行う。すなわち、式(I)の化合物の製造方法中、式(III)の化合物の代わりに式(IV)の化合物を、式(I)の化合物の代わりに式(V)の化合物に置き換えて、方法を行う。
<工程2>
工程2は、工程1で得られた式(V)の化合物と、一般式(VI)で表されるマロン酸ジエステルとを反応させ、次いで水と反応させる、一般式(VII)で表される化合物(以下、「式(VII)の化合物」、「化合物(VII)」と呼ぶことがある)を得る工程である。
具体的には、まず式(V)の化合物と式(VI)のマロン酸ジエステルとを塩基存在下に反応させて、一般式(VIII)で表される化合物(以下、「式(VIII)の化合物」、「化合物(VIII)」と呼ぶことがある)を得る。
Figure 2023058009000016
式中、R1、R2’、R3’、R4、R7は、前記で定義したとおりであり、2個のR7は同一でも異なっていてもよい。
原料である化合物(V)に対して、化合物(VII)を、好ましくは1~5モル倍、より好ましくは1.2~2モル倍の割合で反応させる。
用いることのできる塩基としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げられる。
塩基の使用量は化合物(V)に対して0.005~0.2モル倍が好ましく、0.01~0.1モル倍がより好ましい。溶媒としてはアルコール類等の極性溶媒が好ましい。
反応温度は-10~30℃が好ましく、-2~20℃がより好ましい。
次に、得られた化合物(VIII)と水とを反応させることにより、化合物(VII)を製造することができる。水は、化合物(VIII)に対して1~3モル倍量を加えることが好ましく、反応系中に滴下しながら反応させることが好ましい。この際の反応温度は150~230℃が好ましく、180~220℃が好ましい。
Figure 2023058009000017
[式中、R1、R2’、R3’、R4、R7は、前記で定義したとおりであり、2個のR7は同一でも異なっていてもよい。]
このようにして得られた化合物(VII)は、従来に比べ、収率がよく不純物が少ないので、化合物(VII)を高純度で得るための精製負荷が低減でき、香料素材として優れたものである。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の方法を開示する。
[1] 下記一般式(II)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で異性化させる工程を含む、下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
Figure 2023058009000018
[式中、
1、R2、およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。]
[2] 式中、R2とR3が、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表す[1]に記載の製造方法。
[3] 白金族金属触媒の金属がオスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種以上である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 白金族金属触媒の金属がパラジウムまたは白金である、[1]~[3]いずれかに記載の製造方法。
[5] 前記白金族金属触媒の金属が炭素に担持されている、[1]~[4]いずれかに記載の製造方法。
[6] 白金族金属触媒の使用量は、原料である化合物(II)に対して、金属量として0.01質量%以上20質量%以下である、[1]~[5]いずれかに記載の製造方法。
[7] 白金族金属触媒の使用量は、原料である化合物(II)に対して、金属量として、0.05質量%以上10質量%以下である[1]~[6]いずれかに記載の製造方法。
[8] 白金族金属触媒の使用量は、原料である化合物(II)に対して、金属量として0.1質量%以上5質量%以下である[1]~[7]いずれかに記載の製造方法。
[9] 前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物が、硫黄及び硫黄化合物、セレン及びセレン化合物、並びにテルル及びテルル化合物からなる群から選択される1種以上を含む、[1]~[8]いずれかに記載の製造方法。
[10] 前記硫黄化合物が、スルフィド基、チオフェン環又はチオール基を有する化合物である、[1]~[9]いずれかに記載の製造方法。
[11]前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物が、硫黄を含む、[1]~[10]いずれかに記載の製造方法。
[12] 分子状水素が、不活性ガスと混合され、前記不活性ガスが、窒素、アルゴンおよびヘリウムからなる群から選択される一つ以上である、[1]~[11]いずれかに記載の製造方法。
[13] 前記分子状水素と前記不活性ガスの体積比(分子状水素/不活性ガス)が、10/1~1/30である、[1]~[12]いずれかに記載の製造方法。
[14] 前記分子状水素と前記不活性ガスの体積比(分子状水素/不活性ガス)が、5/1~1/20である[1]~[13]いずれかに記載の製造方法。
[15] 前記分子状水素と前記不活性ガスの体積比(分子状水素/不活性ガス)が、3/1~1/10である、[1]~[14]いずれかに記載の製造方法。
[16] 前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量が、前記白金族金属触媒の金属量に対して、0.1mol%以上100mol%以下である、[1]~[15]いずれかに記載の製造方法。
[17] 前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量が、前記白金族金属触媒の金属量に対して、0.5mol%以上60mol%以下である、[1]~[16]いずれかに記載の製造方法。
[18] 前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量が、前記白金族金属触媒の金属量に対して、1mol%以上40mol%以下である、[1]~[17]いずれかに記載の製造方法。
[19] 異性化反応を、80℃~250℃で行う[1]~[18]いずれかに記載の製造方法。
[20] 異性化反応を、100℃~200℃で行う[1]~[19]いずれかに記載の製造方法。
[21] 異性化反応を、120℃~160℃で行う[1]~[20]いずれかに記載の製造方法。
[22] 前記一般式(III)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、酸、前記白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水させて前記一般式(II)で表される化合物を得る工程を更に含む、[1]~[21]いずれかに記載の製造方法。
Figure 2023058009000019
[式中、
1、R2およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
または、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。]
[23] 前記酸が固体酸を含む、[22]に記載の製造方法。
[24] 固体酸の使用量は、式(III)の化合物に対し0.001~12質量%である[22]又は[23]に記載の製造方法。
[25] 固体酸の使用量は、式(III)の化合物に対し0.01~6質量%である[22]~[24]いずれかに記載の製造方法。
[26] 式中、R2とR3が、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基である[1]~[25]いずれかに記載の製造方法。
[27] 式中、R2とR3が、一緒になって、炭素数2~4のアルカンジイル基である[1]~[26]いずれかに記載の製造方法。
[28] 式中、R2とR3が、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基である[1]~[27]いずれかに記載の製造方法。
[29] 式中、R1が、炭素数1~4のアルキル基である、[1]~[28]いずれかに記載の製造方法。
[30] 式中、R1が、n-ブチル基である、[1]~[29]いずれかに記載の製造方法。
[31] 式中、R4が、水素原子である、[1]~[30]いずれかに記載の製造方法。
[32] 式中、R1が、n-ブチル基であり、R2とR3が、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基であり、R4が、水素原子である、[1]~[31]いずれかに記載の製造方法。
[33] 前記一般式(III)で表される化合物が、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オンである[1]~[32]いずれかに記載の製造方法。
[34] 下記工程1及び2を含む、式(VII)の化合物の製造方法。
工程1:下記一般式(IV)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、酸、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水異性化させ、下記一般式(V)で表される化合物を得る工程
工程2:工程1で得られた一般式(V)で表される化合物と、下記一般式(VI)で表されるマロン酸ジエステルとを反応させ、次いで水と反応させる、下記一般式(VII)で表される化合物を得る工程
Figure 2023058009000020
[式中、
1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
2’とR3’は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表し、
7は、炭素数1~3のアルキル基を表し、2つのR7は同一であっても異なっていてもよい。]
[35] R2’とR3’が、一緒になって、炭素数2~4のアルカンジイル基である[34]記載の製造方法。請求項1に記載の製造方法。
[36] R2’とR3’が、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基である[34]又は[35]記載の製造方法。請求項1に記載の製造方法。
[37] R1が、炭素数1~4のアルキル基である、[34]~[36]いずれかに記載の製造方法。
[38] R1が、n-ブチル基である、[34]~[37]いずれかに記載の製造方法。
[39] R4が、水素原子である、[34]~[38]いずれかに記載の製造方法。
[40] R7が、メチル基である、[34]~[39]いずれかに記載の製造方法。
[41] R1が、n-ブチル基であり、R2’とR3’が、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基であり、R4が、水素原子であり、R7が、メチル基を表す、[34]~[40]いずれかに記載の製造方法。
以下の参考例、実施例、比較例において、「%」は特記しない限り「質量%」である。また、操作圧力は特記しない限り101lPa(大気圧)である。また、触媒の質量は乾燥状態での質量である。
<ガスクロマトグラフィーの装置及び分析条件>
GC装置:アジレント・テクノロジー株式会社製7890、水素炎イオン化型検出器 カラム:
収率を分析する場合は、DB-1(キャピラリーカラム、100%ジメチルポリシロキサン、内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。
キャリアガス:He、1.6mL/min
注入条件:200℃、スプリット比100/1
打ち込み量:1μL
検出条件:FID方式、280℃
内部標準法(内部標準:ウンデカン(東京化成工業社製、純度99%)によって分析した。
カラム温度条件:100℃から出発し、5℃/分の速度で210℃まで昇温した。その後、20℃/分の速度で280℃まで昇温し、280℃で4.5分間保持した。
[参考例1]
2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン‐1‐オン(4)の製造
Figure 2023058009000021
滴下層を備えた6m3の反応槽に、シクロペンタノン(1)(2241Kg)、水(1007kg)、および48%NaOH(11kg)を仕込んだ。反応槽中の混合物を攪拌しながら15℃に冷却した後、そこへ同温度でバレルアルデヒド(2)(985kg)を5時間かけて滴下した。滴下終了後、反応混合物を1時間攪拌した。反応混合物を中和し、混合物から過剰のシクロペンタノンを蒸留回収した。残留した有機層の反応終了物(1868kg)中には、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)1706kgが含まれていた。なお2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン‐1-オン(4)は公知化合物であり、公知文献特開2009-269910号公報等によりその構造を確認した。
[参考例2]
2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の製造
Figure 2023058009000022
連結管を備えた200mLの4つ口フラスコ(ガラス製)に、参考例例1で得られた2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)(100g、純度88%)、リン酸担持活性炭(粉末、1.1g)、および5%Pd/C(粉末、60.4%含水品、7.6g)を加え、窒素:水素(体積比)=1:0.33の雰囲気下で、三日月翼(翼径4cm)を用いて400rpmで攪拌し、140℃、101kPaになるように加熱した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。
反応開始から11時間後に留分が15.4g得られ、反応終了物が93.3g得られた。反応終了物をGCにより定量した結果、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)(71.2g)が生成し、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)(2.7g)が副生していた。2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率は89mol%であり、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は8mol%であった。
なお2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)は公知化合物であり、公知文献特開2009-269910号公報等によりその構造を確認した。
<硫黄を添加することによる効果>
[実施例1]
連結管を備えた200mLの4つ口フラスコ(ガラス製)に、参考例1で得られた2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)(100g、純度80%)、リン酸担持活性炭(粉末、1.1g、化合物(4)に対して1.3質量%)、5%Pd/C(粉末、60.4%含水品、7.6g、化合物(4)に対して3.7質量%)、硫黄粉末(富士フィルム和光純薬社製、粉末、2.2mg、白金族金属触媒の金属量に対して4mol%)を加え、窒素:水素(体積比)=1:0.33の雰囲気下で、三日月翼(翼径4cm)を用いて400rpmで攪拌し、140℃、101kPaになるように加熱した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。
反応開始から8時間後には、留分が15.2g得られ、反応終了物が93.5g得られた。反応終了物をGCにより定量した結果、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)(56.4g)が生成し、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)(1.4g)が副生していた。2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率は76%であり、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は2%であった。
[実施例2~4]
硫黄粉末の量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にして行った。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表1に示した。
[比較例1]
硫黄粉末を用いなかった以外は、実施例1と同様にして行った。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表1に示した。
Figure 2023058009000023
表1から、第16族元素単体として硫黄粉末を用いることで、化合物(4)から化合物(3)への異性化の収率が向上していることが確認できた。
[実施例5]
連結管を備えた500mLの4つ口セパラブルフラスコ(ガラス製)に、参考例1で得られた2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)(306g、純度80%)、リン酸担持活性炭(粉末、3.3g、化合物(4)に対して1.3質量%)、5%Pd/C(粉末、61.7%含水品、7.83g、化合物(4)に対して1.2質量%)、硫黄粉末(富士フィルム和光純薬社製、粉末、6.3mg、白金族金属触媒の金属量に対して13mol%)を加え、窒素:水素(体積比)=1:1.5の雰囲気下で140℃、6枚羽根ディスクタービン翼(翼径3cm)を用いて400rpmで攪拌し、101kPaになるように加熱し混合した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。反応8時間には、留分が36.7g得られ、反応終了物が268.6g得られた。得られた反応終了物をGCにより定量を行った。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表2に示した。
[実施例6]
5%Pd/Cの量を3.91g(粉末、61.7%含水品、化合物(4)に対して0.6質量%)に変更した以外は、実施例5と同様にして行った。反応8時間および反応12時間で得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表2に示した。
[比較例2]
連結管を備えた500mLの4つ口セパラブルフラスコ(ガラス製)に、参考例1で得られた2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)(299g、純度89%)、リン酸担持活性炭(粉末、3.3g、化合物(4)に対して1.2質量%)、5%Pd/C(粉末、61.7%含水品、7.86g、化合物(4)に対して1.1質量%)を加え、窒素:水素(体積比)=1:1.5の雰囲気下で、6枚羽根ディスクタービン翼(翼径3cm)を用いて400rpmで攪拌し、140℃、101kPaになるように加熱し混合した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。
反応8時間および18時間後で得られた留分を除いた反応終了物をGCにより定量を行った。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表2に示した。
Figure 2023058009000024
ほぼ同じ金属触媒量である、実施例5と比較例2との比較から、反応時間を短縮できることが確認できた。実施例6と比較例2との比較から、金属触媒量を低減でき、また反応時間を短縮できることが確認できた。
<分子状水素の量の効果>
[実施例7]
連結管を備えた500mLの4つ口セパラブルフラスコ(ガラス製)に、参考例1で得られた2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)(301g、純度88%)、リン酸担持活性炭(粉末、3.3g、化合物(4)に対して1.2質量%)、5%Pd/C(粉末、60.9%含水品、7.67g、化合物(4)に対して1.1質量%)、硫黄粉末(富士フィルム和光純薬社製、粉末、7.0mg、白金族金属触媒の金属量に対して13mol%)を加え、窒素:水素(体積比)=1:3の雰囲気下で、6枚羽根ディスクタービン翼(翼径3cm)を用いて400rpmで攪拌し、140℃、101kPaになるように加熱し混合した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。
反応開始から8時間後には、留分が38.2g得られ、反応終了物が273.8g得られた。反応終了物をGCにより定量した結果を表3に記載する。
Figure 2023058009000025
実施例5と実施例7を比較すると、窒素:水素(体積比)=1:1.5の実施例5のほうが、化合物(3)の収率が高いことが確認できた。
<第16族元素化合物の種類の効果>
[実施例8,9]
第16族元素化合物の種類を表4に示したものに変更した以外は、実施例6と同様にして行った。反応8時間および反応16時間で得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表4に示した。
Figure 2023058009000026
実施例6、実施例8および実施例9の結果から、第16族元素単体又はその化合物として、硫黄粉末、ドデシルスフィド、ドデカンチオールは、同様の効果があることが確認できた。
<化合物(5)から化合物(3)の異性化>
[参考例3]
Figure 2023058009000027
連結管を備えた1000mLのオートクレーブ(SUS製)に、参考例1で得られた2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)(703g、純度86%)、リン酸担持活性炭(粉末、21.0g)を加え、窒素雰囲気下で140℃、101kPaになるように加熱し混合した。反応中は上記のオートクレーブに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。
反応開始から2時間後に留分を除いた反応混合物を冷却し、ろ過によりリン酸賦活活性炭を取り除いた。得られたろ液を蒸留により精製した。得られた蒸留留分459.5gには、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)(24.3g)と2-ペンチリデンシクロペンタン-1-オン(5)(407.6g)が含まれていた。なお2-ペンチリデンシクロペンタン-1-オン(5)は公知化合物であり、公知文献Synthesis 1981; 1981(12): 1003-1004等によりその構造を確認した。
[実施例10]
連結管を備えた200mLの4つ口フラスコ(ガラス製)に、参考例3で得られた蒸留留分100g(2-ペンチリデンシクロペンタン-1-オン(5)(純度90%)および、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)(純度5%))、5%Pd/C(粉末、59.9%含水品、2.5g、化合物(5)に対して1.1質量%)、硫黄粉末(富士フィルム和光純薬社製、粉末、2.6mg、白金族金属触媒の金属量に対して13mol%)を加え、窒素:水素(体積比)=1:1.5の雰囲気下で、三日月翼(翼径4cm)を用いて400rpmで攪拌し、140℃、101kPaになるように加熱した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。
反応2時間後には、留分が0.3g得られ、反応終了物が102.2g得られた。反応終了物をGCにより定量した結果、2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)(93.5g)が生成し、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)(2.0g)が副生していた。2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率は98mol%であり、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は2mol%であった。
[比較例3]
連結管を備えた200mLの4つ口フラスコ(ガラス製)に、参考例3で得られた蒸留留分100g(2-ペンチリデンシクロペンタン-1-オン(5)(純度90%)、および2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)(純度5%))、5%Pd/C(粉末、59.9%含水品、7.5g、化合物(5)に対して3.3質量%)を加え、窒素:水素(体積比)=1:1.5の雰囲気下で、三日月翼(翼径4cm)を用いて400rpmで攪拌し、140℃、101kPaになるように加熱した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。反応4時間後に、留分が4.0g得られ、反応終了物が103.5g得られた。得られた反応終了物をGCにより定量した。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表5に示した。
[比較例4]
5%Pd/Cの量を2.5g(化合物(5)に対して1.1質量%)に変更した以外は、比較例4と同様にして行った。反応2時間で得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表5に示した。
Figure 2023058009000028
実施例10と比較例3との比較により、金属触媒量を低減でき、また反応時間を短縮することができることが確認できた。
金属触媒量が同じである、実施例10と比較例4との比較により、異性化反応の収率を向上させることを確認できた。
[実施例11]
連結管を備えた500mLの4つ口セパラブルフラスコ(ガラス製)に、参考例1で得られた2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オン(4)(300g、純度87%)、リン酸担持活性炭(粉末、3.3g、化合物(4)に対して1.3質量%)、5%Pd/C(粉末、60.9%含水品、3.84g、化合物(4)に対して0.6質量%)、硫黄粉末(富士フィルム和光純薬社製、粉末、2.9mg、白金族金属触媒の金属量に対して13mol%)を加え、窒素:水素(体積比)=1:0.43の雰囲気下で140℃、6枚羽根ディスクタービン翼(翼径3cm)を用いて400rpmで攪拌し、101kPaになるように加熱し混合した。反応中は上記のフラスコに連結した留分受器に、連続的に留分を留出させた。反応15時間には、留分が38.4g得られ、反応終了物は254.6g得られた。得られた反応終了物をGCにより定量を行った。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表6に示した。反応終了物を加圧濾過器を用いて濾別し、触媒(5%Pd/C)を回収した。
[実施例12]
実施例11で、リン酸担持活性炭、5%Pd/Cおよび硫黄粉末を加える代わりに、実施例11で回収した触媒を用いることに変更したこと以外は、実施例11と同様にして行った。
得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表6に示した。
[実施例13]
実施例11で回収した触媒の代わりに実施例12で回収した触媒を用いることに変更したこと以外は、実施例12と同様にして行った。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表6に示した。
[実施例14]
実施例12で回収した触媒の代わりに実施例13で回収した触媒を用いることに変更したこと以外は、実施例13と同様にして行った。得られた2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン(3)の収率、2-ペンチルシクロペンタン-1-オン(7)の生成率は表6に示した。
表6から、第16族元素単体として硫黄粉末を用いることで固体触媒として、3回再利用しても収率が低下しないことを確認できた。
Figure 2023058009000029

Claims (16)

  1. 下記一般式(II)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で異性化させる工程を含む、下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2023058009000030
    [式中、
    1、R2、およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
    3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
    または、
    1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
    2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。]
  2. 式中、R2とR3が、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表す請求項1に記載の製造方法。
  3. 白金族金属触媒の金属がパラジウムまたは白金である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記白金族金属触媒の金属が炭素に担持されている、請求項1~3いずれかに記載の製造方法。
  5. 前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物が、硫黄及び硫黄化合物、セレン及びセレン化合物、並びにテルル及びテルル化合物からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1~4いずれかに記載の製造方法。
  6. 前記硫黄化合物が、スルフィド基、チオフェン環又はチオール基を有する化合物である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物が、硫黄を含む、請求項1~4いずれかに記載の製造方法。
  8. 分子状水素が、不活性ガスと混合され、
    前記不活性ガスが、窒素、アルゴンおよびヘリウムからなる群から選択される一つ以上である、請求項1~7いずれかに記載の製造方法。
  9. 前記分子状水素と前記不活性ガスの体積比(分子状水素/不活性ガス)が、10/1~1/10である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の使用量が、前記白金族金属触媒の金属量に対して、0.1mol%以上100mol%以下である、請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記一般式(III)で表される化合物を、酸の存在下で脱水させて前記一般式(II)で表される化合物を得る工程を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の製造方法。
    Figure 2023058009000031
    [式中、
    1、R2およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
    3は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表すか、
    または、
    1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
    2とR3は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表す。]
  12. 前記酸が、固体酸を含む、請求項11に記載の製造方法。
  13. 1が、n-ブチル基であり、R2とR3が、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基であり、R4が、水素原子である、請求項1~12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記一般式(III)で表される化合物が、2-(1-ヒドロキシペンチル)-シクロペンタン-1-オンである請求項1~13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 下記工程1及び2を含む、式(VII)の化合物の製造方法。
    工程1:下記一般式(IV)で表される化合物を、分子状水素および/または水素源、酸、白金族金属触媒並びに第16族元素(酸素を除く)単体又はその化合物の存在下で脱水異性化させ、下記一般式(V)で表される化合物を得る工程
    工程2:工程1で得られた一般式(V)で表される化合物と、下記一般式(VI)で表されるマロン酸ジエステルとを反応させ、次いで水と反応させる、下記一般式(VII)で表される化合物を得る工程
    Figure 2023058009000032
    [式中、
    1およびR4は、同時にまたは独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2~8のアルケニル基を表し、
    2’とR3’は、一緒になって、炭素数2~9のアルカンジイル基を表すか、1~2つの炭素数1~5のアルキル基で置換された炭素数2~9のアルカンジイル基を表し、
    7は、炭素数1~3のアルキル基を表し、2つのR7は同一であっても異なっていてもよい。]
  16. 1が、n-ブチル基であり、R2’とR3’が、一緒になって、炭素数2のアルカンジイル基であり、R4が水素原子であり、R7が、メチル基である、請求項15記載の製造方法。
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