JP2023053931A - 冷凍デザート食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子レンジ加熱により、冷たいソースとデザートを同時に得ることができる、新感覚の冷凍デザート食品の提供。【解決手段】電子レンジ加熱により解凍してデザートとなる冷凍生地部11と、冷たいソースとなる冷凍ソース部12と、が積層された冷凍デザート食品1であって、冷凍生地部11は、電子レンジの庫内の載置面と直接、又は伝導伝熱性を有する媒体を介して接触が可能状態に配置されている、冷凍デザート食品1。冷凍ソース部12が2種以上のソースから構成されることが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍デザート食品に関する。
最近の食品の加熱において、家庭用、業務用ともに電子レンジによる加熱が広く使われている。電子レンジによる加熱は、マイクロ波の照射による。電子レンジにより加熱されやすいか否かは、加熱対象の誘電物性(誘電率、誘電損率)に依る。加熱対象毎に誘電物性が異なるため、加熱のされやすさに違いが生じる。特に、水は氷よりも10倍程度、誘電特性が高く、氷よりも水の方が早く加熱されることが知られている。
冷凍食品を解凍する場合、加熱前の凍結状態に含まれる氷と、解凍後に生じる水が共存する。つまり、誘電特性が異なる氷と水が共存することから加熱されやすさに差が生じ、結果として解凍ムラが生じやすくなる。
冷凍食品分野において、ケーキやムース等のデザートをそのまま冷凍した冷凍デザート食品が普及している。冷凍デザート食品は、電子レンジを用いて解凍すると上記のような理由により、解凍ムラが生じやすい。このため美味しく食べるために冷蔵庫内や常温での自然解凍が推奨される。
一方で、電子レンジによる加熱を前提とする冷凍デザートが提案されている。
例えば特許文献1は、デザート生地とそれに添えるソースを、実質的に重ならない態様で、電子レンジ内の同一平面上に配置することにより、一度の電子レンジ加熱操作で、デザート生地においては温かく、ソースにおいては冷製感が味わえる温度に容易に解凍・加熱することが可能な冷凍デザート食品を開示している。
例えば特許文献1は、デザート生地とそれに添えるソースを、実質的に重ならない態様で、電子レンジ内の同一平面上に配置することにより、一度の電子レンジ加熱操作で、デザート生地においては温かく、ソースにおいては冷製感が味わえる温度に容易に解凍・加熱することが可能な冷凍デザート食品を開示している。
デザート業界においては、新感覚のデザートの提案が求められる。
例えばケーキなどの焼成生地と、フルーツソースやクリームなどのソースを組み合わせて、美観も楽しめるデザートが多く提供されている。しかし、その際の焼成生地とソース類の組み合わせについては、訓練されたパティシエなどが行う場合が多く、複雑な作業や高度な技術が求められており、簡単に提供することは困難であった。
例えばケーキなどの焼成生地と、フルーツソースやクリームなどのソースを組み合わせて、美観も楽しめるデザートが多く提供されている。しかし、その際の焼成生地とソース類の組み合わせについては、訓練されたパティシエなどが行う場合が多く、複雑な作業や高度な技術が求められており、簡単に提供することは困難であった。
本発明は、一度の電子レンジ加熱により、冷たいソースとデザートを同時に得ることができる、新感覚の冷凍デザート食品を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の[1]~[11]を包含する。
[1]電子レンジ加熱により解凍してデザートとなる冷凍生地部と、冷たいソースとなる冷凍ソース部と、が積層された冷凍デザート食品であって、前記冷凍生地部は、電子レンジの庫内の載置面と直接、又は伝導伝熱性を有する媒体を介して接触が可能な状態に配置されている、冷凍デザート食品。
[2]前記冷凍ソース部が2種以上のソースから構成される、[1]に記載の冷凍デザート食品。
[3]前記冷凍ソース部は比重が異なる2種以上のソースから構成される、[1]又は[2]に記載の冷凍デザート食品。
[4]前記冷凍ソース部は、1種又は2種以上のソースから構成され、冷凍具材を備える、[1]~[3]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[5]前記冷凍生地部は、温まることにより良好に喫食できる成分を中心部に含有する、[1]~[4]のいずれか1つ記載の冷凍デザート食品。
[6]前記冷凍生地部は、中心部に30℃以上で溶解する成分を有する、[1]~[5]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[7]前記冷凍ソース部の形状は円柱であり、前記冷凍生地部の形状は円柱又は逆円錐台である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[8]前記冷凍ソース部が、解凍後に流動性を有するソースである、[1]~[7]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[9]前記冷凍生地部は、焼成生地食品の冷凍品及び冷凍ゲル食品のいずれか一方又は両方である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[10]前記冷凍生地部と、前記冷凍ソース部の間にさらに第2の冷凍生地部を備える、[1]~[9]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[11]前記第2の冷凍生地部は、メレンゲクッキー、チョコレート、クッキー、クランブル、スポンジケーキからなる群より選択される1種以上である、[10]に記載の冷凍デザート食品。
[1]電子レンジ加熱により解凍してデザートとなる冷凍生地部と、冷たいソースとなる冷凍ソース部と、が積層された冷凍デザート食品であって、前記冷凍生地部は、電子レンジの庫内の載置面と直接、又は伝導伝熱性を有する媒体を介して接触が可能な状態に配置されている、冷凍デザート食品。
[2]前記冷凍ソース部が2種以上のソースから構成される、[1]に記載の冷凍デザート食品。
[3]前記冷凍ソース部は比重が異なる2種以上のソースから構成される、[1]又は[2]に記載の冷凍デザート食品。
[4]前記冷凍ソース部は、1種又は2種以上のソースから構成され、冷凍具材を備える、[1]~[3]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[5]前記冷凍生地部は、温まることにより良好に喫食できる成分を中心部に含有する、[1]~[4]のいずれか1つ記載の冷凍デザート食品。
[6]前記冷凍生地部は、中心部に30℃以上で溶解する成分を有する、[1]~[5]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[7]前記冷凍ソース部の形状は円柱であり、前記冷凍生地部の形状は円柱又は逆円錐台である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[8]前記冷凍ソース部が、解凍後に流動性を有するソースである、[1]~[7]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[9]前記冷凍生地部は、焼成生地食品の冷凍品及び冷凍ゲル食品のいずれか一方又は両方である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[10]前記冷凍生地部と、前記冷凍ソース部の間にさらに第2の冷凍生地部を備える、[1]~[9]のいずれか1つに記載の冷凍デザート食品。
[11]前記第2の冷凍生地部は、メレンゲクッキー、チョコレート、クッキー、クランブル、スポンジケーキからなる群より選択される1種以上である、[10]に記載の冷凍デザート食品。
本発明によれば、一度の電子レンジ加熱により、冷たいソースとデザートを同時に得ることができる、新感覚の冷凍デザート食品を提供することができる。
本実施形態は、冷凍生地部と冷凍ソース部と、が積層された冷凍デザート食品である。
冷凍生地部は、解凍後にも焼成生地やゲルとして固体であり、電子レンジ加熱により解凍してデザートの主体となる。
冷凍生地部は、解凍後にも焼成生地やゲルとして固体であり、電子レンジ加熱により解凍してデザートの主体となる。
生地部の温度は、生地部の中心部分で縦に分割し、生地部の上部、中心部、底面部、側面部(側面の中央部)の各部位について、サーモカメラを用いて表面温度を測定し、最も高い温度を生地部の温度とする。
冷凍ソース部は、電子レンジ加熱により流動性を有する液体、またはゾル状の冷たいソースとなる。
本明細書において、「冷たいソース」とは、温度が0℃以上50℃以下、好ましくは10℃以上30℃以下である流動状態のソースを意味する。
本明細書において、「冷たいソース」とは、温度が0℃以上50℃以下、好ましくは10℃以上30℃以下である流動状態のソースを意味する。
冷たいソースの温度は、サーモカメラを用いてソース表面を数か所測定し、最も高い温度をソース温度とする。
<第1実施形態>
図1に第1実施形態の冷凍デザート食品1の一例の模式図を示す。
冷凍デザート食品1は、冷凍生地部11と、冷凍ソース部12とを備える。冷凍ソース部12は、冷凍生地部11の上に積層されている。
図1に第1実施形態の冷凍デザート食品1の一例の模式図を示す。
冷凍デザート食品1は、冷凍生地部11と、冷凍ソース部12とを備える。冷凍ソース部12は、冷凍生地部11の上に積層されている。
≪冷凍ソース部≫
冷凍ソース部12は、円柱形状である。冷凍ソース部12の大きさは、冷凍生地部の大きさやデザートの種類により適宜設計変更が可能である。例えばグラム換算で、冷凍生地部:冷凍ソース部が4:1~2:1となる割合に調整することが好ましい。
冷凍ソース部12は、円柱形状である。冷凍ソース部12の大きさは、冷凍生地部の大きさやデザートの種類により適宜設計変更が可能である。例えばグラム換算で、冷凍生地部:冷凍ソース部が4:1~2:1となる割合に調整することが好ましい。
冷凍ソース部は図1に示す形状に限定されない。冷凍ソース部は、円柱形状、直方体形状や立方形状を含む多角形柱形状に限られず、ひし形、星形、ハート形、うさぎや猫等の動物形、ツリーや花等の植物形等、自由な形状をとることができる。
冷凍ソース部12の大きさの一例は、直径R11が4cm以上12cm以下、4.5cm以上10cm以下であり、高さH12が0.5cm以上2.0cm以下、0.6cm以上1.5cm以下である。
冷凍ソース部12は、フルーツソース、アングレーズソース、抹茶ソース、キャラメルソース、クリームソース、カスタードソース、チョコレートソース、アップルシナモンソース、ラムレーズンソース、コーヒーソース、さくらソース、黒蜜ソース、メープルシロップの冷凍品が挙げられる。
冷凍ソース部12は、冷凍前のソースのBrixが10以上40以下であることが好ましい。
≪冷凍生地部≫
冷凍生地部11は、逆円錐台形状である。
逆円錐台とは、円錐台の上下を逆さにした立体図形である。円錐台とは、円錐を底面に平行な面で切り、小円錐の部分を除いた立体図形である。
冷凍生地部11は、逆円錐台形状である。
逆円錐台とは、円錐台の上下を逆さにした立体図形である。円錐台とは、円錐を底面に平行な面で切り、小円錐の部分を除いた立体図形である。
冷凍生地部の形状は限定されない。冷凍生地部は、円柱形状、直方体形状や立方形状を含む多角形柱形状に限られず、ひし形、星形、ハート形、うさぎや猫等の動物形、ツリーや花等の植物形等、自由な形状をとることができる。
冷凍ソース部と冷凍生地部の形状は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
製造効率を向上させる観点から、冷凍ソース部と冷凍生地部の形状を同じ形状にしてもよく、冷凍デザートの美観を向上させる観点から、異なる形状同士を組み合わせてもよい。
製造効率を向上させる観点から、冷凍ソース部と冷凍生地部の形状を同じ形状にしてもよく、冷凍デザートの美観を向上させる観点から、異なる形状同士を組み合わせてもよい。
冷凍生地部11の上底面の直径R13は、適宜設計変更が可能である。直径R13の例は、4cm以上10cm以下であり、5cm以上8cm以下である。
冷凍生地部11の下底面の直径R12は、上底面の直径R13から-3cm以上-0.5cm以下の範囲とすることが好ましい。
冷凍生地部11の高さH11は、適宜設計変更が可能である。H11の例は、2cm以上5cm以下、2.5cm以上4cm以下である。
冷凍生地部11は、穀物粉を含有する生地を焼成して得られる焼成生地食品の冷凍品である。穀物粉としては、例えば小麦粉、大麦粉、えん麦粉、ライ麦粉、米粉、コーン粉等が挙げられる。
焼成生地食品としては、スポンジケーキ、フォンダンショコラ、チョコテリーヌ、チーズケーキ、クレープ、ワッフル、スフレ、パン、パイ、カヌレ、シュークリーム、パンケーキ、どら焼きの皮、まんじゅうの皮、カステラ等が挙げられる。
焼成生地食品としては、スポンジケーキ、フォンダンショコラ、チョコテリーヌ、チーズケーキ、クレープ、ワッフル、スフレ、パン、パイ、カヌレ、シュークリーム、パンケーキ、どら焼きの皮、まんじゅうの皮、カステラ等が挙げられる。
また、冷凍生地部は冷凍ゲル食品であってもよい。冷凍ゲル食品としては、冷凍ゼリー、冷凍ムースが挙げられる。
冷凍生地部11は、焼成生地食品や冷凍ゲル食品の単体からなってもよく、焼成生地食品と冷凍ゲル食品との複合体や、焼成生地食品や冷凍ゲル食品と他の成分との複合体であってもよい。
冷凍生地部11は、電子レンジの庫内の載置面と接触が可能に配置されている。より具体的には、冷凍生地部11が冷凍ソース部12と接する面と反対側の面11aが、電子レンジの庫内の載置面と接触する面である。
電子レンジ加熱において、加熱対象物を均一に加熱するためにマイクロ波を対象物に均一に照射する工夫がされている。具体的には、加熱対象物を載置するテーブル部を回転させる、マイクロ波を回転して照射する等が挙げられる。しかしながら、このような工夫にもかかわらず、冷凍食品の解凍においては、解凍ムラが発生しやすいことが知られている。
そこで、冷凍食品が電子レンジでどのように解凍されるかについて本発明者が検証したところ、マイクロ波を均一に照射しているにもかかわらず、加熱対象物の底部から解凍が進むことが見いだされた。本発明者はこの点に着目し、本発明を完成させた。
本発明においては、冷凍ソース部が、冷凍生地部の上に積層されているため、電子レンジで加熱する際には冷凍生地部が電子レンジの庫内の載置面と直接、又は皿など伝導伝熱性を有する媒体を介して接触する。載置面は通常常温程度であり凍結されている冷凍生地部よりも温かい。このため、載置面から冷凍生地部への伝導伝熱により、冷凍生地部に含まれる水分の一部が、氷の状態から水の状態へと変化する。
水は氷よりも10倍程度誘電特性が高いため、電子レンジによる冷凍生地部の加熱が速く進み、先に冷凍生地部が解凍する。
このような作用は、冷凍ソース部の形状や冷凍生地部の形状に依らず発揮される。
また、本発明者らの検討により、電子レンジ加熱の際に、マイクロ波が冷凍生地部の中心部に集中して照射されることが見いだされた。このため、冷凍生地部の中心部が強く加熱され、30秒程度の電子レンジ加熱でも約40℃程度の温度にまで達することが明らかとなった。
冷凍生地部の中心部が強く加熱される作用を利用すると、例えば中心部に配置した約30℃で溶解する成分を、電子レンジ加熱によって冷凍生地部よりも早く解凍することができる。このため、中心部に配置した成分から揮発性が高いフレーバーを放出させることが可能となり、良好な風味を呈することができる。
一方、冷凍ソース部には載置面からの伝導伝熱が届きにくいため、冷凍ソース部に含まれる水は氷の状態が維持される。氷は誘電特性が低いため、冷凍ソース部の加熱は冷凍生地部よりも遅くなり、その結果、比較的長く冷たい状態が維持される。
上述の作用により本発明によれば、一度の電子レンジ加熱により、温かい冷凍生地部を有し、特に中心部に溶解する成分を入れた場合にはその成分が溶解し、切断することなどにより溶出する生地部を有し、その上に冷たいままの状態のソース部を有するデザート食品を提供することができる。特に中心部に入れた溶解する成分については、風味、特に香り立ちが良い成分を入れておくと、その風味を際立って感じることが可能である。
なお、電子レンジの底面は、マイクロ波の加熱によっては加熱されないように設計されており、庫内の載置面は、室温程度の温度を保ち、マイクロ波によってその載置面が部分的に加熱されることは生じ得ない。
冷凍生地部11の面11aは、電子レンジの庫内の載置面と直接接触していてもよく、冷凍ソース部12と載置面との間に、伝導伝熱性を有する媒体を介して接触していてもよい。このような媒体としては、紙皿、磁器皿、陶器皿、ガラス皿等が挙げられる。
冷凍ソース部11の面11aは、電子レンジの庫内の載置面と直接平面接触していることが好ましく、冷凍ソース部11と載置面との間に、伝導伝熱性を有する媒体を介して平面接触していることが好ましい。
本発明者らの検討により、冷凍生地部11を電子レンジの庫内の載置面と接触する態様、かつ冷凍生地部11の上に冷凍ソース部を配置した冷凍デザート食品は電子レンジを用いて加熱すると、冷凍生地部11の中心部が選択的に温まりやすいことが見いだされた。
ここで、冷凍生地部の中心部とは、冷凍生地部の上底の円の中心と、下底の円の中心とを結ぶ線上を意味する。
ここで、冷凍生地部の中心部とは、冷凍生地部の上底の円の中心と、下底の円の中心とを結ぶ線上を意味する。
上記のような作用を鑑みると、図2に示すように冷凍生地部11は、中心部に30℃以上で溶解する成分13を有することが好ましい。成分13の例は、30℃以上80℃以下で溶解する成分、40℃以上70℃以下で溶解する成分である。
成分13とは例えばホワイトチョコレート(40℃~45℃で溶解)、チョコレート(50℃~55℃で溶解)、キャラメルクリーム(30℃~80℃、配合によって溶解温度は調整可能)、カスタードクリーム(30℃~80℃、配合によって溶解温度は調整可能)が挙げられる。
また、成分13に溶解しない成分を含んだ場合にも、適度に温まることによってその温度差を楽しむことが可能である。溶解しない成分としては、例えば、温まることによってより美味しくなる成分が挙げられる。このような成分は、リンゴ、バナナ、いちじく、柿等の果実、さつまいも等の野菜、白餡、黒餡、こし餡、小倉餡、芋餡等の餡が挙げられる。
成分13を備える冷凍デザート食品1Aは、電子レンジによる加熱により、冷凍ソース部が冷たいソースとなり、冷凍生地部11が生地部となり、成分13が温かいソース又は温かいクリームとなる。冷凍デザート食品1Aは複数の温冷感覚を楽しめる新感覚のデザートとなる。
冷凍生地部11の面11aは、電子レンジの庫内の載置面と直接接触していてもよく、冷凍生地部11と載置面との間に、伝導伝熱性を有する媒体を介して接触していてもよい。このような媒体としては、紙皿、磁器皿、陶器皿、ガラス皿等が挙げられる。
冷凍生地部11の面11aは、電子レンジの庫内の載置面と直接平面接触していることが好ましく、冷凍生地部11と載置面との間に、伝導伝熱性を有する媒体を介して平面接触していることが好ましい。
<第1実施形態の変形例>
冷凍デザート食品1又は1Aは、冷凍生地部11と冷凍ソース部12との間に第2の冷凍生地部を備えていてもよい。第2の冷凍生地部としては、メレンゲクッキー、チョコレート、クッキー、クランブル、スポンジケーキ等が挙げられる。
冷凍デザート食品1又は1Aは、冷凍生地部11と冷凍ソース部12との間に第2の冷凍生地部を備えていてもよい。第2の冷凍生地部としては、メレンゲクッキー、チョコレート、クッキー、クランブル、スポンジケーキ等が挙げられる。
第2の冷凍生地部を備えると、冷凍ソース部12から冷凍生地部11へ水分が移動しにくくなり、デザートの食感を調整しやすくなる。
<第2実施形態>
図3に第2実施形態の冷凍デザート食品2の模式図を示す。
冷凍デザート食品2は、冷凍生地部21と、冷凍ソース部22とを備える。冷凍ソース部22は、冷凍生地部21の上に積層されている。
冷凍デザート食品2は、冷凍生地部21の面21aが電子レンジの庫内の載置面と接触する面である。
図3に第2実施形態の冷凍デザート食品2の模式図を示す。
冷凍デザート食品2は、冷凍生地部21と、冷凍ソース部22とを備える。冷凍ソース部22は、冷凍生地部21の上に積層されている。
冷凍デザート食品2は、冷凍生地部21の面21aが電子レンジの庫内の載置面と接触する面である。
冷凍デザート食品2において、冷凍生地部21及び冷凍ソース部22は円柱形状である。
冷凍デザート食品2において、冷凍生地部の直径R21と、冷凍ソース部の直径R22は同寸である。
R21、R22の例は、4cm以上10cm以下であり、5cm以上8cm以下である。
冷凍デザート食品2において、冷凍生地部の直径R21と、冷凍ソース部の直径R22は同寸である。
R21、R22の例は、4cm以上10cm以下であり、5cm以上8cm以下である。
冷凍生地部21の高さH21は、適宜設計変更が可能である。H21の例は、2cm以上5cm以下、2.5cm以上4cm以下である。
冷凍ソース部22の高さH22は、適宜設計変更が可能である。H22の例は、0.5cm以上2.0cm以下、0.6cm以上1.5cm以下である。
<第2実施形態の変形例2>
冷凍デザート食品2は、冷凍生地部と冷凍ソース部との間に第2の冷凍生地部を備えていてもよい。第2の冷凍生地部としては、メレンゲクッキー、チョコレート、クッキー、クランブル、スポンジケーキからなる群より選択される1種以上が挙げられる。
第2の冷凍生地部の伝導伝熱性が低い場合には、上に設置した冷凍ソース部の昇温と解凍をさらに遅らせることも可能である。
また、冷凍デザート食品の種類によっては、先に解凍した冷凍ソース部の水分が遅れて解凍された冷凍生地部に移り、生地部がべちゃべちゃした食感となる場合がある。一方、第2の冷凍生地部を備えると、冷凍ソース部から冷凍生地部への水分が移動しにくくなり、生地部の食感を調整しやすくなる。
冷凍デザート食品2は、冷凍生地部と冷凍ソース部との間に第2の冷凍生地部を備えていてもよい。第2の冷凍生地部としては、メレンゲクッキー、チョコレート、クッキー、クランブル、スポンジケーキからなる群より選択される1種以上が挙げられる。
第2の冷凍生地部の伝導伝熱性が低い場合には、上に設置した冷凍ソース部の昇温と解凍をさらに遅らせることも可能である。
また、冷凍デザート食品の種類によっては、先に解凍した冷凍ソース部の水分が遅れて解凍された冷凍生地部に移り、生地部がべちゃべちゃした食感となる場合がある。一方、第2の冷凍生地部を備えると、冷凍ソース部から冷凍生地部への水分が移動しにくくなり、生地部の食感を調整しやすくなる。
<第2実施形態の変形例3>
図3に示す冷凍デザート食品2は、冷凍生地部及び冷凍ソース部がそれぞれ円柱形状であるが、この形状は適宜設計変更が可能である。
例えば、冷凍生地部及び冷凍ソース部はそれぞれ円柱、立方体、直方体、角柱またはこれらの組み合わせであってもよい。
図3に示す冷凍デザート食品2は、冷凍生地部及び冷凍ソース部がそれぞれ円柱形状であるが、この形状は適宜設計変更が可能である。
例えば、冷凍生地部及び冷凍ソース部はそれぞれ円柱、立方体、直方体、角柱またはこれらの組み合わせであってもよい。
本実施形態の冷凍デザート食品で使用する包装容器は、特に限定されない。例えば、プラスチックカップ、紙カップ、ガラスカップなどを用いることができる。また、容器から容易に冷凍デザート商品を取り出せるものが望ましく、蛇腹カップなどに収容して提供することが好ましい。蛇腹カップは、広げる前はカップとして、広げると蛇腹状の皿に変形するカップである。
<第3実施形態>
図12に示す冷凍デザート5は、冷凍生地部50と、冷凍ソース部51とを備える。
冷凍生地部50についての説明は、第1実施形態における冷凍生地部の説明と同様である。
冷凍ソース部51は、2種以上のソースを有していてもよい。
本発明の一態様において2種以上のソースとは、味、色彩又は材質が異なるソースである。
本発明の一態様において2種以上のソースとは、比重が異なるソースである。
図12に示す冷凍デザート5は、冷凍生地部50と、冷凍ソース部51とを備える。
冷凍生地部50についての説明は、第1実施形態における冷凍生地部の説明と同様である。
冷凍ソース部51は、2種以上のソースを有していてもよい。
本発明の一態様において2種以上のソースとは、味、色彩又は材質が異なるソースである。
本発明の一態様において2種以上のソースとは、比重が異なるソースである。
図12に示す冷凍デザート5を電子レンジ加熱すると、適度に温められたソース部が冷たい生地部の上に広がるデザートが得られる。冷凍ソース部51が2種以上のソースを有することで、意匠性に優れたソース部を生地部の上に形成でき、かつおいしいデザートを得ることができる。
2種以上のソースの組み合わせは、フルーツソース、クリームソース、カスタードソース、チョコレートソース、アップルシナモンソース、ラムレーズンソース、コーヒーソース、さくらソース、抹茶ソース、黒蜜ソース、餅ソース、キャラメルソース、メープルシロップからなる群より選択される2種以上の組み合わせが挙げられる。
フルーツソースとしては、ストロベリーソース、ブルーベリーソース、マンゴーソース、キウイソース、ラズベリーソース、オレンジソース、メロンソース等が挙げられる。
クリームソースとしては、生クリーム、アングレーズソースが挙げられる。
本実施形態において、2種以上のソースは目的とする味やデザートの意匠によって適宜選択できる。2種以上のソースの比重、密度、粘度などの特性を異なったものを使用することによって、それぞれの解凍特性、解凍後の流動性などによりソースの模様などを変えることができる。
本実施形態において「比重の異なるソース」とは、容積に対する重量の割合を測定した比重の差が0.1以上のソースを意味する。
比重とは、100mL当たりの重量%をいう。例えば、10mLの重量が50gである場合、比重は0.5となる。
比重とは、100mL当たりの重量%をいう。例えば、10mLの重量が50gである場合、比重は0.5となる。
比重の異なるソースは、ソースを泡立てて、気泡入りのソースとすることで調製できる。
例えばかさ高く泡立ったソースは比重が小さくなり、気泡の含有量がすくないソースは比重が高くなる。ソースへの気泡の含有量は、所望の比重となるよう、適宜調整すればよい。
例えばかさ高く泡立ったソースは比重が小さくなり、気泡の含有量がすくないソースは比重が高くなる。ソースへの気泡の含有量は、所望の比重となるよう、適宜調整すればよい。
本実施形態では、例えば、比重が異なるソース同士や、粘度が異なるソース同士を組み合わせることによって、ソース同士が混合せず、それぞれ別々に解凍される。解凍された後のソースはそれぞれの有する物性に起因して流動性が異なり、別の挙動を示す。例えば、比重が重いソースは流動性が高く、ソースの下部に速く流出するのに対し、気泡などを含有させたことにより比重を軽く調整したソースは、流動性が低く、ソースの上部に遅く広がる。
その結果、花模様、ハート模様、縞模様、渦巻き模様、動物模様、キャラクター模様等の所望の模様を有するソース部を形成できる。
その結果、花模様、ハート模様、縞模様、渦巻き模様、動物模様、キャラクター模様等の所望の模様を有するソース部を形成できる。
2種以上のソースを備える冷凍ソース部の構造は、所望の模様や味によって適宜設計変更が可能である。
2種以上のソースを備える冷凍ソース部の構造の例を、図13~16に示す。
2種以上のソースを備える冷凍ソース部の構造の例を、図13~16に示す。
図13に示す冷凍ソース部7は、第1の冷凍ソース部71と、第2の冷凍ソース部72とを備える。図13の例において、第2の冷凍ソース部72及び第1の冷凍ソース部71は円柱形状であり、中心が一致する。
第1の冷凍ソース部71と、第2の冷凍ソース部72はそれぞれ冷凍生地部と接触する。
第1の冷凍ソース部71と、第2の冷凍ソース部72は、第1の冷凍ソース部71を構成するソース方が第2の冷凍ソース部72を構成するソースよりも比重が重いソースであることが好ましい。これにより、外側に位置する比重が重い、第2の冷凍ソース部72が広く、ソースの下部に広がるのに対し、第1の冷凍ソース部71は広がりにくく、ソースの上部に広がることを利用することにより、所望の模様を形成できる。
図14に示す冷凍ソース部8は、第1の冷凍ソース部81と、第2の冷凍ソース部82とを備える。図14の例において、第2の冷凍ソース部82及び第1の冷凍ソース部81は円柱形状であり、中心が一致する。
図14の例において、第1の冷凍ソース部81は冷凍生地部と接触する。
図14の例において、第1の冷凍ソース部81は冷凍生地部と接触する。
第1の冷凍ソース部81と、第2の冷凍ソース部82は、第1の冷凍ソース部81を構成するソース方が第2の冷凍ソース部82を構成するソースよりも比重が重いソースであることが好ましい。
図15に示す冷凍ソース部9は、第1の冷凍ソース部91と、第2の冷凍ソース部92とを備える。図15の例において、第2の冷凍ソース部92は、逆円錐台である。
第1の冷凍ソース部91と、第2の冷凍ソース部92は、第1の冷凍ソース部91を構成するソース方が第2の冷凍ソース部92を構成するソースよりも比重が重いソースであることが好ましい。
第1の冷凍ソース部91と、第2の冷凍ソース部92は、第1の冷凍ソース部91を構成するソース方が第2の冷凍ソース部92を構成するソースよりも比重が重いソースであることが好ましい。
第1の冷凍ソース部91と、第2の冷凍ソース部92はそれぞれ冷凍生地部と接触する。
図16に示す冷凍ソース部10は、第1の冷凍ソース部101と、第2の冷凍ソース部102とを備える。
第1の冷凍ソース部101と、第2の冷凍ソース部102はそれぞれ冷凍生地部と接触する。
第3実施形態において、2種以上のソースの好ましい組み合わせの例を以下に記載する。
・抹茶ソースとクリームソースの組み合わせ。
・フルーツソースとクリームソースの組み合わせ。
・フルーツソースとカスタードソースとの組み合わせ。
・フルーツソースとチョコレートソースとの組み合わせ。
・抹茶ソースとクリームソースの組み合わせ。
・フルーツソースとクリームソースの組み合わせ。
・フルーツソースとカスタードソースとの組み合わせ。
・フルーツソースとチョコレートソースとの組み合わせ。
<第4実施形態>
本発明の一態様において、冷凍デザートが備える冷凍ソース部は、1種又は2種以上のソースと、具材とを備えていてもよい。
本発明の一態様において、冷凍デザートが備える冷凍ソース部は、1種又は2種以上のソースと、具材とを備えていてもよい。
図17に、第4実施形態の冷凍デザート210の模式図を示す。
図17に示す冷凍デザート210は、冷凍生地部212、冷凍ソース部211及び冷凍具材213を備える。冷凍デザート210は、冷凍生地部212の上に冷凍ソース部211が積層されている。冷凍具材213は、冷凍ソース部211の内部に存在していてもよく、冷凍ソース部211の上に存在していてもよい。
図17に示す冷凍デザート210は、冷凍生地部212、冷凍ソース部211及び冷凍具材213を備える。冷凍デザート210は、冷凍生地部212の上に冷凍ソース部211が積層されている。冷凍具材213は、冷凍ソース部211の内部に存在していてもよく、冷凍ソース部211の上に存在していてもよい。
冷凍生地部212についての説明は、第1実施形態における冷凍生地部の説明と同様である。
冷凍ソース部211についての説明は、第3実施形態における冷凍ソース部の説明と同様である。
冷凍ソース部211についての説明は、第3実施形態における冷凍ソース部の説明と同様である。
冷凍具材213は、冷凍フルーツ、冷凍ナッツ、冷凍した食べられる花、冷凍餅、タピオカ、ナタデココなどのゲル化物の冷凍品等が挙げられる。
第4実施形態の冷凍デザートを電子レンジ加熱すると、適度に温められたソース部が冷たい生地部の上に広がるデザートが得られる。さらに冷凍具材は冷たい具材として喫食できる。
図18に、第4実施形態の冷凍デザート食品220の模式図を示す。
図18に示す冷凍デザート食品220は、冷凍生地部222、冷凍ソース部221及び冷凍具材223を備える。冷凍ソース部221は、第1の冷凍ソース部221Aと、第2の冷凍ソース部221Bとを備える。第1の冷凍ソース部221Aを構成するソースは、第2の冷凍ソース部221Bを構成するソースよりも比重が軽いソースである。
図18に示す冷凍デザート食品220は、冷凍生地部222、冷凍ソース部221及び冷凍具材223を備える。冷凍ソース部221は、第1の冷凍ソース部221Aと、第2の冷凍ソース部221Bとを備える。第1の冷凍ソース部221Aを構成するソースは、第2の冷凍ソース部221Bを構成するソースよりも比重が軽いソースである。
図18に示す冷凍デザート食品220は、第2の冷凍ソース部221Bが冷凍具材223を備える。
このような構成とすることで、電子レンジで解凍した際に、第2の冷凍ソース部221Bが解凍したソースと、冷凍具材とが生地部の上に広がりやすく、意匠性に優れたデザートが得られやすい。
このような構成とすることで、電子レンジで解凍した際に、第2の冷凍ソース部221Bが解凍したソースと、冷凍具材とが生地部の上に広がりやすく、意匠性に優れたデザートが得られやすい。
<冷凍デザート食品の製造方法1>
冷凍デザート食品は、冷凍生地部と冷凍ソース部とをそれぞれ別々に製造し、得られた冷凍生地部の上に冷凍ソース部を積層することにより製造できる。
冷凍デザート食品は、冷凍生地部と冷凍ソース部とをそれぞれ別々に製造し、得られた冷凍生地部の上に冷凍ソース部を積層することにより製造できる。
<冷凍デザート食品の製造方法2>
また、所望の形状のカップの底部に冷凍ソース部の原料を入れ、任意で第2の冷凍生地部の原料を積層し、さらにその上に冷凍生地部の原料を積層し、得られた積層体を冷凍することにより製造できる。
また、所望の形状のカップの底部に冷凍ソース部の原料を入れ、任意で第2の冷凍生地部の原料を積層し、さらにその上に冷凍生地部の原料を積層し、得られた積層体を冷凍することにより製造できる。
冷凍デザート食品の製造方法2により得られた冷凍デザート食品を、冷凍生地部が下になるようひっくり返して電子レンジ加熱することにより、冷凍ソース部は冷たいソースとなり、冷凍生地部は生地となる。
<冷凍デザート食品の製造方法3>
2種以上のソースを備える冷凍ソース部を備える冷凍デザート食品を製造する場合には、冷凍ソース部を製造する際に、第1のソースと第2のソースを所望の構造になるよう充填すればよい。
2種以上のソースを備える冷凍ソース部を備える冷凍デザート食品を製造する場合には、冷凍ソース部を製造する際に、第1のソースと第2のソースを所望の構造になるよう充填すればよい。
本実施形態において、ソースの比重を所望の範囲に調整する方法としては、ソースを泡立ててソースに気泡を含有させてもよく、気泡を含有させた成分をソースの混合することで、ソースに気泡を含有させてもよい。
冷凍ソース部を製造する際、例えば、アングレーズソースをアイスクリームマシンにセットして冷却しながら撹拌しアイスクリームを得てもよい。この際、途中でホイップした生クリームを加えてもよい。
<冷凍デザート食品の喫食方法>
本実施形態の冷凍デザート食品の解凍には、ターンテーブル式の電子レンジであってもよく、フラットテーブル式の電子レンジであってもよい。
電子レンジの庫内の常温の載置面に冷凍デザート食品の冷凍生地部が接する状態で載置し、加熱する。
解凍の条件は冷凍デザート食品の種類によって適宜調整すればよいが、例えば500Wで30秒間から1分間の一度の加熱により喫食することができる。
本実施形態の冷凍デザート食品の解凍には、ターンテーブル式の電子レンジであってもよく、フラットテーブル式の電子レンジであってもよい。
電子レンジの庫内の常温の載置面に冷凍デザート食品の冷凍生地部が接する状態で載置し、加熱する。
解凍の条件は冷凍デザート食品の種類によって適宜調整すればよいが、例えば500Wで30秒間から1分間の一度の加熱により喫食することができる。
<試験例1>
冷凍ソース部と、冷凍生地部として電子レンジ加熱では解凍しない冷凍ゲルを積層した冷凍デザート食品を製造し、電子レンジ加熱時の解凍様式を検証した。
冷凍ソース部と、冷凍生地部として電子レンジ加熱では解凍しない冷凍ゲルを積層した冷凍デザート食品を製造し、電子レンジ加熱時の解凍様式を検証した。
(冷凍生地部の製造)
表1に記載した配合通り各材料を混合し、加熱して溶解させ、ゲル材料を得た。50gのゲル材料を逆円錐台形状の型に流し込み、冷却した後、冷凍庫内に静置することにより、冷凍生地部としてのゲル部を得た。ゲル化剤としてはケルコゲルHM(ジェランガム、DSP五協フード&ケミカル株式会社)を使用した。
表1に記載した配合通り各材料を混合し、加熱して溶解させ、ゲル材料を得た。50gのゲル材料を逆円錐台形状の型に流し込み、冷却した後、冷凍庫内に静置することにより、冷凍生地部としてのゲル部を得た。ゲル化剤としてはケルコゲルHM(ジェランガム、DSP五協フード&ケミカル株式会社)を使用した。
逆円錐台形状の型の寸法は、具体的には下底面が直径5.5cmの円であり、上底面が直径4.5cmの円であり、高さが2.7cmとした。
製造したゲル部は電子レンジ加熱(500Wで1分間)でも溶解しなかった。
製造したゲル部は電子レンジ加熱(500Wで1分間)でも溶解しなかった。
(冷凍ソース部の製造)
表2に記載の配合に従い各材料を混合し、糖分が溶解するまで加熱した。これにより、Brix15、Brix27のそれぞれの処方のソースを得た。得られたソース、それぞれ15gを円柱型に流し込み、冷却した後、冷凍することによって、冷凍ソース部をそれぞれ得た。
円柱型の寸法は、具体的には底面の直径が5cmの円、高さ0.7cmとした。
表2に記載の配合に従い各材料を混合し、糖分が溶解するまで加熱した。これにより、Brix15、Brix27のそれぞれの処方のソースを得た。得られたソース、それぞれ15gを円柱型に流し込み、冷却した後、冷凍することによって、冷凍ソース部をそれぞれ得た。
円柱型の寸法は、具体的には底面の直径が5cmの円、高さ0.7cmとした。
(冷凍デザート食品の製造)
≪比較例1≫
Brixを15に調整した冷凍ソース部を皿の上に直接置き、その上に直接、上底面が冷凍ソース部に接する態様で、ゲル部を重ねた。これにより、冷凍ソース部がゲル部の下に配置した冷凍デザート食品を得た。
≪比較例1≫
Brixを15に調整した冷凍ソース部を皿の上に直接置き、その上に直接、上底面が冷凍ソース部に接する態様で、ゲル部を重ねた。これにより、冷凍ソース部がゲル部の下に配置した冷凍デザート食品を得た。
≪比較例2≫
Brixを27に調整した冷凍ソース部をゲル部に用いた以外は、比較例1と同様に冷凍デザート食品を得た。
Brixを27に調整した冷凍ソース部をゲル部に用いた以外は、比較例1と同様に冷凍デザート食品を得た。
≪実施例1≫
逆円錐台形状のゲル部を皿の上に直接置き、その上に直接、Brixを15に調整した冷凍ソース部を配置した。このとき、ゲル部の上底面が冷凍ソース部と接するよう配置した。これにより、冷凍ソース部がゲル部の上に配置した冷凍デザート食品を得た。
逆円錐台形状のゲル部を皿の上に直接置き、その上に直接、Brixを15に調整した冷凍ソース部を配置した。このとき、ゲル部の上底面が冷凍ソース部と接するよう配置した。これにより、冷凍ソース部がゲル部の上に配置した冷凍デザート食品を得た。
≪実施例2≫
Brixを27に調整した冷凍ソース部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により冷凍デザート食品を得た。
Brixを27に調整した冷凍ソース部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により冷凍デザート食品を得た。
(皿について)
実施例1~2、比較例1~2の冷凍デザート食品を載せる皿として、一片14.9cmの正方形の縁に、高さ2cmの耳部を付けた紙製の皿を使用した。
実施例1~2、比較例1~2の冷凍デザート食品を載せる皿として、一片14.9cmの正方形の縁に、高さ2cmの耳部を付けた紙製の皿を使用した。
(電子レンジによる解凍方法)
実施例1~2、比較例1~2の冷凍デザート食品を、紙皿に入れたまま電子レンジを用いて500Wで50秒間、解凍した。
実施例1~2、比較例1~2の冷凍デザート食品を、紙皿に入れたまま電子レンジを用いて500Wで50秒間、解凍した。
電子レンジの解凍条件は下記の通りである。
電子レンジの機種:SHARP RE-TS3-W5 (ターンテーブル方式)
周波数:2450MHz
出力:500W
ターンテーブルの直径:470mm
電子レンジの機種:SHARP RE-TS3-W5 (ターンテーブル方式)
周波数:2450MHz
出力:500W
ターンテーブルの直径:470mm
解凍時に、目視によってその解凍状況を確認し、ソースの溶け出す秒数を計測した。
(温度の測定方法)
ソース部については、所定の解凍時間後、直ぐに、サーモカメラ(testo 875-2 株式会社テスト製。以下同じ)にてソース表面を数か所測定し、最も高い温度を計測した。
ソース部については、所定の解凍時間後、直ぐに、サーモカメラ(testo 875-2 株式会社テスト製。以下同じ)にてソース表面を数か所測定し、最も高い温度を計測した。
ゲル部については、所定の解凍時間後、直ぐに、ゲル部の中心部分で縦に分割し、ゲル部の上部、中心部(ゲルの底部から1.35mmの中央部)、底面部、側面部(側面の中央部)の各部位について、サーモカメラを用いて表面温度を測定した。
解凍開始時のターンテーブルの温度は30℃であり、室温相当の温度であった。
その解凍状態を確認した結果を表3に示す。
その解凍状態を確認した結果を表3に示す。
比較例1は、ソースが21秒で溶け出し、50秒の加熱後のソース部の温度は50℃となっており、適度に溶解していた。また、ソースのイチゴの香り立ちが良かったが、温まった状態で解凍された。
実施例1は、ソースの溶け出しには48秒かかり、50秒の加熱後でもソース部の温度は18.5℃としかならず、ソースが十分には解凍されず、冷たさを残した状態であった。
また、実施例2及び比較例2は、実施例1及び比較例1よりも、ソースが溶け始める時間が少しずつ早くなり、また、50秒加熱後のソース温度は高くなることが明らかになった。
Brixが高くなることにより、ソースの溶け出しの時間が早まり、ソースが温まりやすくなった。官能的にも比較例1及び2は、電子レンジ加熱後は甘酸っぱく、香りを強く感じられ、温まったソースであったのに対し、実施例1及び2は甘いイチゴの味、香りは弱かったものの、冷たさを感じられるソースであった。
また、実施例1~2、比較例1~2の解凍前後の状態を図4~図11にそれぞれに示す。
図4に示す解凍前の実施例1を電子レンジで解凍すると、図5に示すようにソースは完全には溶けず、一部ゲルの上に残留した。
図6に示す解凍前の比較例1を電子レンジで解凍すると、図7に示すようにソースが完全に溶解し、ゲルの下に広がった。
図4に示す解凍前の実施例1を電子レンジで解凍すると、図5に示すようにソースは完全には溶けず、一部ゲルの上に残留した。
図6に示す解凍前の比較例1を電子レンジで解凍すると、図7に示すようにソースが完全に溶解し、ゲルの下に広がった。
図8に示す解凍前の実施例2を電子レンジで解凍すると、図9に示すようにソースは完全には溶けず、一部ゲルの上に残留した。
図10に示す解凍前の比較例2を電子レンジで解凍すると、図11に示すようにソースが完全に溶解し、ゲルの下に広がった。
図10に示す解凍前の比較例2を電子レンジで解凍すると、図11に示すようにソースが完全に溶解し、ゲルの下に広がった。
次に50秒加熱時のゲル部の各部の温度を測定した結果を表4に示す。
実施例1については全体的に加熱されており、中心部が41℃、底部が30℃と加熱されているのに対し、比較例1については、底部が22℃まで加熱されるものの、それ以外の部位は加熱されず、中心部でも9℃にまでしか加熱されないことが示唆された。
また、比較例2及び実施例2の場合にも、比較例1及び実施例1の場合よりも温度が高いものの同様の傾向を示し、ソースが上の場合にはゲル中心部が50℃まで上昇するのに対し、ソースが下の場合には底部が30℃まで上昇することが明らかになった。
以上の結果よりソース部を下部にすることにより、ソースのみを加熱し、溶解することができ、ゲル部は加熱されずに冷たい状態を維持することができることが明らかになった。
一方、ソース部を上にした場合には、ソースは加熱されず温度が低いものの、ゲル部の中心部は加熱され、温かくなることが示唆された。
上記試験例1の結果より、ソースとその上の食品の載置の順番を変えることによってそれぞれの加温の状況、それに伴ってゲルの温度分布、ソースの解凍状況を変えることができることが明らかになった。
上記試験例1の結果より、ソースとその上の食品の載置の順番を変えることによってそれぞれの加温の状況、それに伴ってゲルの温度分布、ソースの解凍状況を変えることができることが明らかになった。
<試験例2>
試験例1の結果より、ソースとその上の食品をのせる順番を変えることによってそれぞれの加温の状況を変えることができることが明らかになった。
次に、その際にソースを糖主体のものから牛乳、卵黄などのタンパク質、脂肪分が入ったソースに変えることによって、解凍状況にどのような影響を与えるかについても併せて検討することとした。
試験例1の結果より、ソースとその上の食品をのせる順番を変えることによってそれぞれの加温の状況を変えることができることが明らかになった。
次に、その際にソースを糖主体のものから牛乳、卵黄などのタンパク質、脂肪分が入ったソースに変えることによって、解凍状況にどのような影響を与えるかについても併せて検討することとした。
ソースを表5に示す処方で、下記に示す方法で調製した以外は、試験例1と同様の方法で実験を行った。
表5に記載の材料を用い、下記の操作でアングレーズソースを作製した。
まず、鍋に牛乳を入れ、中火にかけ、沸騰する直前まで加熱した(A)。
次に、ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れて、泡立て器で混合した(B)。
次に、(A)に(B)を入れ、卵黄が固まらないように攪拌した(C)。
次に、(C)を弱火で加熱しながら、ダマが生じないよう攪拌した。
ソースにとろみが出てきたら加熱を止め、濾し器でこしながらボウルに移した。さらに、バニラエッセンスを数滴入れかき混ぜ、ボウルを氷水で冷やし、アングレーズソースを得た。アングレーズソース15gを高さ0.7cm、直径5cmの円柱型の型に入れ、-20℃で一昼夜静置することにより凍結し、冷凍ソース部とした。
まず、鍋に牛乳を入れ、中火にかけ、沸騰する直前まで加熱した(A)。
次に、ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れて、泡立て器で混合した(B)。
次に、(A)に(B)を入れ、卵黄が固まらないように攪拌した(C)。
次に、(C)を弱火で加熱しながら、ダマが生じないよう攪拌した。
ソースにとろみが出てきたら加熱を止め、濾し器でこしながらボウルに移した。さらに、バニラエッセンスを数滴入れかき混ぜ、ボウルを氷水で冷やし、アングレーズソースを得た。アングレーズソース15gを高さ0.7cm、直径5cmの円柱型の型に入れ、-20℃で一昼夜静置することにより凍結し、冷凍ソース部とした。
試験例1と同様の方法によりゲル部及び冷凍デザート食品を製造した。
解凍は、電子レンジで500W、40秒間、加熱を行い、目視により解凍の状況を観察した。40秒で溶け出しが確認できない場合は、別途、溶け出しが確認できるまで加熱を行った。
解凍は、電子レンジで500W、40秒間、加熱を行い、目視により解凍の状況を観察した。40秒で溶け出しが確認できない場合は、別途、溶け出しが確認できるまで加熱を行った。
表6に、実施例3~4及び比較例3~4について、ソースのBrixとソースの位置を記載する。
・ソースの解凍状態について
まず、Brix23のアングレーズソースを用いた場合には、常温である28℃のターンテーブルに載置して電子レンジにより加熱した場合、比較例3ではソースの溶け出しは30秒かかり、ソース温度も40秒間の加熱では33℃まで加熱された。
まず、Brix23のアングレーズソースを用いた場合には、常温である28℃のターンテーブルに載置して電子レンジにより加熱した場合、比較例3ではソースの溶け出しは30秒かかり、ソース温度も40秒間の加熱では33℃まで加熱された。
これに対し実施例3では、ソースの溶け出しは78秒かかり、ソースが上の場合の方が比較例よりも解凍までに時間を要した。今回の設定時間である40秒では溶けきれておらず、ソースの温度も23℃までしか加熱されておらず、冷たいままだった。
一方、Brix37のアングレーズソースを用いた場合、比較例3は、ソースは18秒で溶け出し、すべて溶解され58.7℃まで加熱されていた。これに対して実施例4では、ソースの溶け出しは35秒と時間を要し、40秒の電子レンジ加熱ではすべては溶け切らず、24.5℃までしか上がらず、冷たいソースのままであった(表7)。
フルーツソースを用いた試験例1よりも解凍時間が長いために、その差が小さいものの、試験例1と同様にソースが上の場合には溶け始めまでの時間が長くかかり、ソース温度が上がらなかった。
・ゲルの解凍状態について
次にゲル部分の温度変化について検討した(表7)。
ソースを下とした比較例3及び比較例4では、ターンテーブルに接しているソース部が温まっており、ゲル部の中心部は25℃から30℃まで加熱されていた。
次にゲル部分の温度変化について検討した(表7)。
ソースを下とした比較例3及び比較例4では、ターンテーブルに接しているソース部が温まっており、ゲル部の中心部は25℃から30℃まで加熱されていた。
これに対して、ソース部を上にして、ゲル部が紙皿を介して直接ターンテーブルの上に置かれた実施例3~4は、常温(28℃)であるターンテーブルの接しているゲル部が加熱され、さらにゲル部の中心部が加熱されていることが明らかになった。
また、ゲル部の温度分布はフルーツソースと同様であり、ゲル部の上部、側面については温度上昇が少なかった。これに対し、中心部、底部の方が加熱による温度上昇が大きかった。
以上のように、ソースに乳、卵などの成分を含んだソースにおいても、そのソースの解凍特性(解凍のしやすさ)により、適した条件が異なるものの、フルーツソースと同様に、ソースをゲルの上に置いた場合には、ソース部は温まらず、ゲル部の底部、中心部、特に中心部が温まることが明らかになった。
<試験例3>
冷凍のフォンダンショコラと冷凍ソースを組み合わせた場合の電子レンジ加熱の影響について確認を行った。
フォンダンショコラには中央部にカカオバターからなるチョコレートを主成分とするガナッシュを含み、その周りにチョコレート味のケーキ生地で囲んだ冷凍ケーキである。その冷凍フォンダンショコラと冷凍ソースにおいて、その配置が異なった場合の電子レンジ加熱の影響を検証した。
冷凍のフォンダンショコラと冷凍ソースを組み合わせた場合の電子レンジ加熱の影響について確認を行った。
フォンダンショコラには中央部にカカオバターからなるチョコレートを主成分とするガナッシュを含み、その周りにチョコレート味のケーキ生地で囲んだ冷凍ケーキである。その冷凍フォンダンショコラと冷凍ソースにおいて、その配置が異なった場合の電子レンジ加熱の影響を検証した。
(フォンダンショコラの製造)
表8の配合に従って、以下の配合でフォンダンショコラを作成した。
表8の配合に従って、以下の配合でフォンダンショコラを作成した。
(ガナッシュの製造)
(1)生クリームに溶解したビタースイートチョコレートに加え、泡立て器で混ぜ合わせ、冷却した。
(2)(1)を10gずつにし、俵形に成型し、再度冷凍庫で冷やし固め、ガナッシュを作成した。
(1)生クリームに溶解したビタースイートチョコレートに加え、泡立て器で混ぜ合わせ、冷却した。
(2)(1)を10gずつにし、俵形に成型し、再度冷凍庫で冷やし固め、ガナッシュを作成した。
(チョコレート生地の製造)
(1)ビタースイートチョコレート及びバターを入れ、湯煎し溶解させた。
(2)卵を割りほぐし、グラニュー糖を加え、泡立て器で混ぜ合わせた。
(3)(1)のチョコレートを(2)のボウルに、少量ずつ加えながら混ぜ合わせた。
(4)(3)に薄力粉とココアを加え、泡立て器で混ぜ合わせ、チョコレート生地を作成した。
(5)チョコレート生地をセルクル型の中1/2程度に流し込み、冷凍させたガナッシュを中央に置き、上からさらに生地を流し入れる。生地は、1つあたり40gずつ流しいれた。
(6)220℃に予熱したオーブンで10分焼く。
(7)フォンダンショコラをセルクル型から外し、室温で常温になるまで静置し、-20℃で冷凍させた。これにより、冷凍生地部としての冷凍フォンダンショコラを得た。
冷凍されたケーキの重量は、48gであった。
(1)ビタースイートチョコレート及びバターを入れ、湯煎し溶解させた。
(2)卵を割りほぐし、グラニュー糖を加え、泡立て器で混ぜ合わせた。
(3)(1)のチョコレートを(2)のボウルに、少量ずつ加えながら混ぜ合わせた。
(4)(3)に薄力粉とココアを加え、泡立て器で混ぜ合わせ、チョコレート生地を作成した。
(5)チョコレート生地をセルクル型の中1/2程度に流し込み、冷凍させたガナッシュを中央に置き、上からさらに生地を流し入れる。生地は、1つあたり40gずつ流しいれた。
(6)220℃に予熱したオーブンで10分焼く。
(7)フォンダンショコラをセルクル型から外し、室温で常温になるまで静置し、-20℃で冷凍させた。これにより、冷凍生地部としての冷凍フォンダンショコラを得た。
冷凍されたケーキの重量は、48gであった。
(ソースの製造)
ソースは、表9に記載の配合に従い材料を混合し、15gを円柱型に冷凍することによって作成した。これにより、冷凍ソース部を得た。Brixは20に設定した。
ソースは、表9に記載の配合に従い材料を混合し、15gを円柱型に冷凍することによって作成した。これにより、冷凍ソース部を得た。Brixは20に設定した。
(解凍試験方法)
解凍は、電子レンジで500W、40秒加熱を行い、ソースが溶け出しについて目視で確認し、サーモグラフィーで温度変化を記録した。
解凍は、電子レンジで500W、40秒加熱を行い、ソースが溶け出しについて目視で確認し、サーモグラフィーで温度変化を記録した。
上記のように、フォンダンショコラは、その中心部にカカオバター成分が特に多いガナッシュを含むケーキである。
本発明において、冷凍ソース部を冷凍生地部の上に置くことにより、冷凍ソース部は冷たいソースとなり、冷凍生地部の中心部が特に加熱することが明らかになった。このため、冷凍生地部の上に置いた冷凍ソース部と、冷凍生地部の中心部のガナッシュが加熱され、溶解、カカオバターの風味、香り立ちがする冷凍デザート食品を製造した。
本発明において、冷凍ソース部を冷凍生地部の上に置くことにより、冷凍ソース部は冷たいソースとなり、冷凍生地部の中心部が特に加熱することが明らかになった。このため、冷凍生地部の上に置いた冷凍ソース部と、冷凍生地部の中心部のガナッシュが加熱され、溶解、カカオバターの風味、香り立ちがする冷凍デザート食品を製造した。
(比較例5)
ソース部を載せず、作製した冷凍フォンダンショコラのみを電子レンジ加熱した場合の結果を表10に示す。比較例5は、全体的に一様によく加熱されていたが、少し生地が乾燥しており、パサついていた。
ソース部を載せず、作製した冷凍フォンダンショコラのみを電子レンジ加熱した場合の結果を表10に示す。比較例5は、全体的に一様によく加熱されていたが、少し生地が乾燥しており、パサついていた。
(比較例6)
冷凍ソース部を冷凍フォンダンショコラの下に配置し、電子レンジ加熱した。冷凍ソース部は13秒で溶け始め、40秒加熱後には冷凍ソース部は溶解されていた。冷凍フォンダンショコラは冷凍ソース部に接する底部と中心部が温まっていたが、中心部のガナッシュまでが溶けるまでには至らなかった。また、解凍後のソースとフォンダンショコラがほぼ同じ温度であり、温度差を感じるまでには至らなかった。
冷凍ソース部を冷凍フォンダンショコラの下に配置し、電子レンジ加熱した。冷凍ソース部は13秒で溶け始め、40秒加熱後には冷凍ソース部は溶解されていた。冷凍フォンダンショコラは冷凍ソース部に接する底部と中心部が温まっていたが、中心部のガナッシュまでが溶けるまでには至らなかった。また、解凍後のソースとフォンダンショコラがほぼ同じ温度であり、温度差を感じるまでには至らなかった。
(実施例5)
次に冷凍ソース部を冷凍フォンダンショコラの上に配置し、電子レンジ加熱した。冷凍ソース部は溶け出すまでに38秒と時間がかかり、40秒間の加熱では冷たい状態であった。一方、冷凍フォンダンショコラは強く加熱されており、特に中心部の温度が高く、中のチョコレートが強く加熱されていた。
次に冷凍ソース部を冷凍フォンダンショコラの上に配置し、電子レンジ加熱した。冷凍ソース部は溶け出すまでに38秒と時間がかかり、40秒間の加熱では冷たい状態であった。一方、冷凍フォンダンショコラは強く加熱されており、特に中心部の温度が高く、中のチョコレートが強く加熱されていた。
冷凍フォンダンショコラの中心部のガナッシュは溶解されており、チョコレートの風味を強く感じることができた。また、ケーキは乾燥が防げて、しっとりとした食感であった。
(比較例7)
次に、冷凍ソース部と冷凍フォンダンショコラを別々に並べておいて電子レンジ加熱を行った。その結果、ソースとケーキはそれぞれ別個に加熱され、それぞれ温かい状態になっていた。
次に、冷凍ソース部と冷凍フォンダンショコラを別々に並べておいて電子レンジ加熱を行った。その結果、ソースとケーキはそれぞれ別個に加熱され、それぞれ温かい状態になっていた。
<試験例4>
さらに、冷凍のフォンダンショコラを下に、と冷凍ソースを上に配置した場合の電子レンジ加熱の影響、特に、冷凍ソースのBrixを変えた場合の風味への影響について検証した。
冷凍ソース部の有無、及び冷凍ソース部とフォンダンショコラの載置方法を変更させた以外は、試験例3と同様の方法で行った。
さらに、冷凍のフォンダンショコラを下に、と冷凍ソースを上に配置した場合の電子レンジ加熱の影響、特に、冷凍ソースのBrixを変えた場合の風味への影響について検証した。
冷凍ソース部の有無、及び冷凍ソース部とフォンダンショコラの載置方法を変更させた以外は、試験例3と同様の方法で行った。
(フォンダンショコラ)
試験例3と同様の方法で作成した。
試験例3と同様の方法で作成した。
(イチゴソース)
表11の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
表11の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
(試験方法)
解凍は、電子レンジで500W、40秒間加熱を行い、目視により解凍の状況を観察した。
温度の測定方法は、試験例1と同様の方法で行った。さらに、Brixが異なるソースを用いて、検証を行った。
解凍は、電子レンジで500W、40秒間加熱を行い、目視により解凍の状況を観察した。
温度の測定方法は、試験例1と同様の方法で行った。さらに、Brixが異なるソースを用いて、検証を行った。
・冷凍ソース部の溶け始め時間、ソース温度
冷凍ソース部を上にした場合、Brix19、27のソースでは40秒まで溶解せず、Brix36の時に20秒で溶け始めた。またソース温度もBrix36の場合には56℃まで上昇したが、Brixが19、27の場合にはソースは36℃までしか温まらなかった。
冷凍ソース部を上にした場合、Brix19、27のソースでは40秒まで溶解せず、Brix36の時に20秒で溶け始めた。またソース温度もBrix36の場合には56℃まで上昇したが、Brixが19、27の場合にはソースは36℃までしか温まらなかった。
・フォンダンショコラの温度
冷凍フォンダンショコラは、底部と中心部が加熱されており、側面部は加熱されていなかった。冷凍フォンダンショコラの上部は、実施例8では加熱されていたが、Brixが低い実施例6及び7の冷凍ソース部を上に積層した場合には、フォンダンショコラの上部は加熱されていなかった。
冷凍フォンダンショコラは、底部と中心部が加熱されており、側面部は加熱されていなかった。冷凍フォンダンショコラの上部は、実施例8では加熱されていたが、Brixが低い実施例6及び7の冷凍ソース部を上に積層した場合には、フォンダンショコラの上部は加熱されていなかった。
また、冷凍ソース部のBrixの上昇に従いフォンダンショコラの底部も温められる傾向にあるが、フォンダンショコラの中心部は冷凍ソース部のBrixに寄らず、70~78℃まで加熱されていた。
以上のように、冷凍ソース部を上にした場合は、冷凍ソース部のBrixの上昇に伴い冷凍ソース部は溶けやすくなり、ソース温度も高くなった。
同様にフォンダンショコラの底部も冷凍ソース部のBrixの上昇に伴い、温度が高くなっていった。
一方、フォンダンショコラの中心部は、冷凍ソース部のBrixの上昇に伴い温度が上がるものの、冷凍ソース部やフォンダンショコラ底部よりはソースのBrixの影響は少なく、Brixが低くても70℃程度までには加熱され、中のガナッシュが溶解していた。
これらの特性を利用することによって、冷たいソースと温かいフォンダンショコラ、とくに中心部に溶解したガナッシュを組み合わせたデザートの開発の可能性が示された。
同様にフォンダンショコラの底部も冷凍ソース部のBrixの上昇に伴い、温度が高くなっていった。
一方、フォンダンショコラの中心部は、冷凍ソース部のBrixの上昇に伴い温度が上がるものの、冷凍ソース部やフォンダンショコラ底部よりはソースのBrixの影響は少なく、Brixが低くても70℃程度までには加熱され、中のガナッシュが溶解していた。
これらの特性を利用することによって、冷たいソースと温かいフォンダンショコラ、とくに中心部に溶解したガナッシュを組み合わせたデザートの開発の可能性が示された。
<試験例5>
次に、これらの解凍特性を生かした商品形態について検討した。
実施例9として、冷凍いちごソースを上に、冷凍フォンダンフロマージュを下に配置した冷凍デザート食品を製造した。
フォンダンフロマージュはクリームチーズを原料としたチーズケーキである。
次に、これらの解凍特性を生かした商品形態について検討した。
実施例9として、冷凍いちごソースを上に、冷凍フォンダンフロマージュを下に配置した冷凍デザート食品を製造した。
フォンダンフロマージュはクリームチーズを原料としたチーズケーキである。
・冷凍いちごソースの製造方法
冷凍いちごソースは、表13の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
冷凍いちごソースは、表13の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
・冷凍フォンダンフロマージュの製造
まず、表14に記載の材料を使用し、チーズカスタードを製造した。耐熱容器に常温のクリームチーズ、砂糖を入れて混ぜ、薄力粉をふるい入れ、卵黄を加えてさらに混ぜた。牛乳を加えて混ぜ合わせ、600Wのレンジで2分加熱し、混ぜた。とろみがつくまで繰り返し加熱し、レモン汁を加えて混ぜ、粗熱を取り冷凍庫に入れて30分程度静置した。
まず、表14に記載の材料を使用し、チーズカスタードを製造した。耐熱容器に常温のクリームチーズ、砂糖を入れて混ぜ、薄力粉をふるい入れ、卵黄を加えてさらに混ぜた。牛乳を加えて混ぜ合わせ、600Wのレンジで2分加熱し、混ぜた。とろみがつくまで繰り返し加熱し、レモン汁を加えて混ぜ、粗熱を取り冷凍庫に入れて30分程度静置した。
次に、表15に記載の材料を使用し、チーズケーキ生地を製造した。ボウルに常温のクリームチーズ、砂糖を入れてすり混ぜ、溶き卵を少しずつ加えながらその都度混ぜ、薄力粉をふるい入れて混ぜた。さらに生クリーム、レモン汁を入れ混ぜ合わせた。型に、チーズカスタードを入れ、その後にチームケーキ生地を流し入れ、180℃で45分間焼成した。
得られた冷凍フォンダンフロマージュの上に冷凍いちごソースを積層し、冷凍デザート食品を製造した。
得られた冷凍デザート食品を40秒間のレンジ加熱を行い喫食した結果、中のチーズカスタードが良く加熱されていた。また冷凍フォンダンフロマージュの上に載置した、イチゴソースは溶けたが冷たく、ケーキとの温冷の差が感じられた。
実施例10として、冷凍いちごソースを上に、冷凍フォンダンキャラメルを下に配置した冷凍デザート食品を製造した。
・冷凍いちごソースの製造方法
冷凍いちごソースは、表13の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
冷凍いちごソースは、表13の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
・冷凍フォンダンキャラメルの製造方法
まず、表16に記載の材料を使用し、キャラメルクリームを製造した。鍋に砂糖と15gの水を入れ、カラメルをつくり、火からおろし静置し冷ました。さらに、バターと生クリームを入れ、混ぜ合わせ、キャラメルクリームを得た。
まず、表16に記載の材料を使用し、キャラメルクリームを製造した。鍋に砂糖と15gの水を入れ、カラメルをつくり、火からおろし静置し冷ました。さらに、バターと生クリームを入れ、混ぜ合わせ、キャラメルクリームを得た。
表17に記載の材料を使用し、キャラメルケーキ生地を製造した。キャラメルクリーム140gと、卵、ふるった薄力粉を混ぜ合わせた。セルクル型に生地を1/3程度入れ、キャラメルクリームを中央にいれた。キャラメルクリームの上に、生地を流しいれ、180℃、8分焼成した。得られたキャラメルケーキを冷凍し、冷凍生地部を得た。
得られた冷凍キャラメルケーキの上に冷凍いちごソースを積層し、冷凍デザート食品を製造した。
得られた冷凍デザート食品を40秒のレンジ加熱を行い喫食した結果、中のキャラメルクリームが良く加熱されていた。またケーキの上に載置した、イチゴソースは溶けたが冷たく、ケーキとの温冷の差が感じられた。
実施例11として、冷凍いちごソースを上に、冷凍キャラメル入りムースを下に配置した冷凍デザート食品を製造した。
・冷凍いちごソースの製造方法
冷凍いちごソースは、表13の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
冷凍いちごソースは、表13の処方で、試験例1と同様の方法で作成した。
・冷凍キャラメル入りムースの製造
まず、表18に記載の材料を使用し、ムース生地を製造した。得られたムース生地20gを紙カップに入れ、冷やして固めた。
次に、固まったムースの上にキャラメルを入れ、その後にさらに残りのムース生地を入れ、冷蔵し、キャラメル入りムースを製造した。キャラメル入りムースを冷凍し、冷凍キャラメル入りムースを得た。
まず、表18に記載の材料を使用し、ムース生地を製造した。得られたムース生地20gを紙カップに入れ、冷やして固めた。
次に、固まったムースの上にキャラメルを入れ、その後にさらに残りのムース生地を入れ、冷蔵し、キャラメル入りムースを製造した。キャラメル入りムースを冷凍し、冷凍キャラメル入りムースを得た。
得られた冷凍入りキャラメルムースの上に冷凍いちごソースを積層し、冷凍デザート食品を製造した。
得られた冷凍デザート食品を30秒のレンジ加熱を行い喫食した結果、中のキャラメルクリームが良く加熱されていた。またムースの上に載置した、溶けたイチゴソースは冷たさを残しており、ケーキとの温冷の差が感じられた。
実施例12として、冷凍アングレーズソースを上に、カスタードクリーム入りの冷凍スポンジケーキを下に配置した冷凍デザート食品を製造した。
・冷凍アングレーズソースの製造方法
表19に記載の材料を用い、下記の操作でアングレーズソースを作製した。
まず、鍋に牛乳を入れ、中火にかけ、沸騰する直前まで加熱し、(A)を得た。
次に、ボウルに卵黄を入れて、泡立て器で混合し、(B)を得た。
次に、(A)に(B)を入れ、卵黄が固まらないように攪拌し、(C)を得た。
次に、(C)を弱火で加熱しながら、ダマが生じないよう攪拌した。
表19に記載の材料を用い、下記の操作でアングレーズソースを作製した。
まず、鍋に牛乳を入れ、中火にかけ、沸騰する直前まで加熱し、(A)を得た。
次に、ボウルに卵黄を入れて、泡立て器で混合し、(B)を得た。
次に、(A)に(B)を入れ、卵黄が固まらないように攪拌し、(C)を得た。
次に、(C)を弱火で加熱しながら、ダマが生じないよう攪拌した。
ソースにとろみが出てきたら加熱を止め、濾し器でこしながらボウルに移し、バニラエッセンスを数滴入れかき混ぜ、ボウルを氷水で冷やし、アングレーズソースを得た。アングレーズソース15gを高さ0.7cm、直径5cmの円柱型の型に入れ、-20℃で一昼夜静置することにより凍結することによって製造した。
・カスタードクリーム入りの冷凍スポンジケーキの製造方法
まず、表20に示す材料を使用し、カスタードクリームを製造した。具体的には、まず、小鍋に牛乳とバニラビーンズを入れて火にかけ、沸騰直前まで温めた。
次に、ボールに卵黄を入れて泡立て器で溶きほぐし、砂糖と薄力粉を加えて混ぜた。ここに温めた牛乳を少しずつ加えて混ぜ、(A1)を得た。(A1)をこし器でこしながら小鍋に戻し、強火にかけ、耐熱性のゴムベラで絶えずなべ底をかくようにして混ぜた。煮立ち、なめらかな状態になったのちに、火を止めてバターを加え、溶かし混ぜ、(B1)を得た。
まず、表20に示す材料を使用し、カスタードクリームを製造した。具体的には、まず、小鍋に牛乳とバニラビーンズを入れて火にかけ、沸騰直前まで温めた。
次に、ボールに卵黄を入れて泡立て器で溶きほぐし、砂糖と薄力粉を加えて混ぜた。ここに温めた牛乳を少しずつ加えて混ぜ、(A1)を得た。(A1)をこし器でこしながら小鍋に戻し、強火にかけ、耐熱性のゴムベラで絶えずなべ底をかくようにして混ぜた。煮立ち、なめらかな状態になったのちに、火を止めてバターを加え、溶かし混ぜ、(B1)を得た。
さらにボールに生クリームを入れ、泡立て器で泡立てた。これと冷ました(B1)と合わせて、泡をつぶさないようにふんわりと混ぜ、カスタードクリームを得た。
表21に示す材料を使用し、スポンジ生地を製造した。
まず、ボウルに卵を割り入れ、コシを切るようにハンドミキサーで混ぜた。砂糖を3回に分けて加えながらその都度よく混ぜた。生地がもったりするまで混ざったら溶かしバター、牛乳、バニラエッセンスを加えてゴムベラで混ぜた。
次に、薄力粉をふるい入れてさらにゴムベラで粉気がなくなるまで混ぜ、生地を得た。生地を型に均等に流し入れ、180℃に予熱したオーブンで20分焼いた。粗熱をとり、型から取り出してスポンジ生地を得た。
まず、ボウルに卵を割り入れ、コシを切るようにハンドミキサーで混ぜた。砂糖を3回に分けて加えながらその都度よく混ぜた。生地がもったりするまで混ざったら溶かしバター、牛乳、バニラエッセンスを加えてゴムベラで混ぜた。
次に、薄力粉をふるい入れてさらにゴムベラで粉気がなくなるまで混ぜ、生地を得た。生地を型に均等に流し入れ、180℃に予熱したオーブンで20分焼いた。粗熱をとり、型から取り出してスポンジ生地を得た。
粗熱が取れたスポンジ生地35gにカスタード20gを充填し、冷凍してカスタードクリーム入りの冷凍スポンジケーキを得た。
得られたカスタードクリーム入りの冷凍スポンジケーキの上に冷凍アングレーズソースを積層し、冷凍デザート食品を製造した。
得られた冷凍デザート食品を80秒の電子レンジ加熱を行ったところ、アングレーズソースは一部しか解凍されていなかったが、100秒の電子レンジ加熱を行うことにより、解凍することができた。100秒での電子レンジ解凍によって、ケーキ生地が温かく加熱されており、特に中のカスタードクリームが良く加熱されていた。ケーキの上に載置した、アングレーズソースは溶けたが冷たく、ケーキとの温冷の差が感じられた。
<実施例13>
複数のソースを組み合わせた冷凍デザートを製造した。
まず、表22の処方に従い、生クリーム100gにソルビトールを13g添加し、泡立てることによってホイップした生クリームを調製した。
複数のソースを組み合わせた冷凍デザートを製造した。
まず、表22の処方に従い、生クリーム100gにソルビトールを13g添加し、泡立てることによってホイップした生クリームを調製した。
次に表23の処方に従い、材料混合し、抹茶ソースを製造した。
[生地部の製造]
表24の配合に従い、どら焼きの皮を製造した。
まず、ボウルに卵、卵黄、卵白、砂糖、メープルシロップ、みりんを入れ、混ぜ合わせた。ここに、別のボウルに重曹と水を入れ混ぜ合わせたものを加え、攪拌した。その後、さらに薄力粉をふるいながら加え、混ぜ合わせ、生地を得た。
得られた生地を冷蔵庫で30分ほど静置した。静置後の生地に水を加え、混ぜ合わせ、生地液を得た。
20g程度の生地液を、フライパンに丸く流しいれ、両面を焼き目が付くまで弱火で2分ほど焼成し、どら焼きの皮を得た。
表24の配合に従い、どら焼きの皮を製造した。
まず、ボウルに卵、卵黄、卵白、砂糖、メープルシロップ、みりんを入れ、混ぜ合わせた。ここに、別のボウルに重曹と水を入れ混ぜ合わせたものを加え、攪拌した。その後、さらに薄力粉をふるいながら加え、混ぜ合わせ、生地を得た。
得られた生地を冷蔵庫で30分ほど静置した。静置後の生地に水を加え、混ぜ合わせ、生地液を得た。
20g程度の生地液を、フライパンに丸く流しいれ、両面を焼き目が付くまで弱火で2分ほど焼成し、どら焼きの皮を得た。
[冷凍デザートの組み立て]
次に以下の方法で、冷凍デザート(あん、バター入りのどら焼き)を組み立てた。
どら焼きの皮1枚、にあんこ17g、バター5gの順に載せ、更にどら焼きの皮1枚を重ね合わせ、どら焼きを得た。
得られたどら焼きの上部周縁にフィルムを設置し、フィルム内にホイップした生クリームを入れた。
生クリームソースの表面に抹茶ソース適量を用い、つまようじで花模様を描いた。
得られたデザートを、冷凍庫で一昼夜静置させ、実施例13の冷凍デザートを得た。
次に以下の方法で、冷凍デザート(あん、バター入りのどら焼き)を組み立てた。
どら焼きの皮1枚、にあんこ17g、バター5gの順に載せ、更にどら焼きの皮1枚を重ね合わせ、どら焼きを得た。
得られたどら焼きの上部周縁にフィルムを設置し、フィルム内にホイップした生クリームを入れた。
生クリームソースの表面に抹茶ソース適量を用い、つまようじで花模様を描いた。
得られたデザートを、冷凍庫で一昼夜静置させ、実施例13の冷凍デザートを得た。
[評価方法]
実施例13の冷凍デザートを600Wで90秒間、加熱し、ソース部の温度及びデザート部の温度の測定、及び官能による評価を行った。温度の測定は、上記試験例1と同様の方法で行った。
実施例13の冷凍デザートを600Wで90秒間、加熱し、ソース部の温度及びデザート部の温度の測定、及び官能による評価を行った。温度の測定は、上記試験例1と同様の方法で行った。
抹茶ソースで模様を記したホイップした生クリームを上に置いた餡、バター入りのどら焼きについて、冷凍後に電子レンジにより解凍し、その温度変化などを検証した。
図19に、電子レンジで解凍する前の実施例13の冷凍デザートの外観写真を示す。
図19に、電子レンジで解凍する前の実施例13の冷凍デザートの外観写真を示す。
600Wの電子レンジで90秒したところ、ケーキ上部に配置したホイップした生クリームは、すべて解凍されていたが、温度は20.6℃までしか上がらず、冷たく感じられた。また、このホイップ状態の生クリームはフィルムを外したのちケーキ上部に広がり、視覚的に好ましいデザートを提供することができた。
図20に、電子レンジ加熱後の実施例13の冷凍デザートの外観写真を示す。
図21に、電子レンジ加熱後、フィルムを除去した実施例13の冷凍デザートの外観写真を示す。
次に、生クリームの下部に配置していた、あんこ及びバターを含むどら焼きについても、縦方向に切断し、断面を観察、温度測定を行うことによって、解凍状況を検証したところ、底面部から解凍され、55℃まで温まっていた。
またどら焼きの中心部も64℃まで温まっており、中心部に配置していたあんこ及びバターについては、バターが全て溶解し、あんこや生地となじみ、適度な甘味や、コクを有する良好な食味を呈した。
以上のように、本検証においても、冷凍生地部の底部から加熱、解凍され、底部及び中心部が特に加熱されるのに対し、上部のホイップ状の生クリームは強く加熱されておらず、温度差を有することが示された。
そのため、一度の電子レンジ加熱で冷たいソース及び温かいケーキの温冷の差を感じられるデザートを提供することができた。
そのため、一度の電子レンジ加熱で冷たいソース及び温かいケーキの温冷の差を感じられるデザートを提供することができた。
<実施例14>
冷凍ソース中に具材を含んだ場合の、冷凍ソース部及び冷凍生地部の解凍状況を確認した。
また、これまで1種類のソースを冷凍させたものを冷凍ケーキの上に載置し、電子レンジ加熱による解凍状況の確認を行ったが、比重の異なるソースを2種類積層したものについても同様の検証を行った。
冷凍ソース中に具材を含んだ場合の、冷凍ソース部及び冷凍生地部の解凍状況を確認した。
また、これまで1種類のソースを冷凍させたものを冷凍ケーキの上に載置し、電子レンジ加熱による解凍状況の確認を行ったが、比重の異なるソースを2種類積層したものについても同様の検証を行った。
[冷凍ソース部の調整]
(1)アイスクリームソースの製造
まず、表25の配合に従い、アングレーズソースを調製した。すなわち、あらかじめ鍋で温めていた牛乳と生クリームに、グラニュー糖、と溶きほぐした卵黄をいれ、中火にかけ、沸騰する直前(80℃程度)まで加熱し、鍋からはずし室温で冷却した後、冷凍庫で一昼夜静置し、アングレーズソースを得た。
(1)アイスクリームソースの製造
まず、表25の配合に従い、アングレーズソースを調製した。すなわち、あらかじめ鍋で温めていた牛乳と生クリームに、グラニュー糖、と溶きほぐした卵黄をいれ、中火にかけ、沸騰する直前(80℃程度)まで加熱し、鍋からはずし室温で冷却した後、冷凍庫で一昼夜静置し、アングレーズソースを得た。
次に、表26の配合に従い、別のボウルに生クリーム、牛乳、グラニュー糖を添加し泡立て、生クリームを得た。
冷凍したアングレーズソースをカッターミキサーで攪拌してアイスクリームのような状態にし、さらに、泡立てた生クリームを入れ更に混ぜ合わせ、凍結させることによってアイスクリームを調製した。
冷凍したアングレーズソースをカッターミキサーで攪拌してアイスクリームのような状態にし、さらに、泡立てた生クリームを入れ更に混ぜ合わせ、凍結させることによってアイスクリームを調製した。
(2)フランボワーズソースの製造
表27の配合に従い、鍋に冷凍のフランボワーズをつぶしつつ、水、グラニュー糖と共にいれ、加熱、混合しフランボワーズソースを作成した。
10gの室温まで冷ましたフランボワーズソースを直径4cmの円型に充填し、冷凍庫で一昼夜静置した。
表27の配合に従い、鍋に冷凍のフランボワーズをつぶしつつ、水、グラニュー糖と共にいれ、加熱、混合しフランボワーズソースを作成した。
10gの室温まで冷ましたフランボワーズソースを直径4cmの円型に充填し、冷凍庫で一昼夜静置した。
アイスクリームソースの比重は0.9、フランボワーズソースの比重は1.0であった。
[ソースの組み立て]
冷凍したフランボワーズソースを直径7.5cmの円型中央部に配置し、周縁部にアイスクリームソースを充填した。
充填したアイスクリームソースにブルーベリーを埋め込み、ソースとした。
冷凍したフランボワーズソースを直径7.5cmの円型中央部に配置し、周縁部にアイスクリームソースを充填した。
充填したアイスクリームソースにブルーベリーを埋め込み、ソースとした。
ケーキ部は常法により、中心部に砂糖、バターで煮詰めたリンゴソテーを入れ、パイ生地で折り込んで焼成したアップルパイ(直径7.5cmの円柱状に加工)を使用した。
ケーキ部の上にソース部を載せ、一昼夜冷凍庫に静置し、実施例14の冷凍デザートとした。
600Wの電子レンジで60秒から120秒、30秒ごとに段階的に加熱をかけ、解凍状況について、温度測定、観察、官能評価を行った。温度の測定は、試験例1と同様の方法で行った。
冷凍したアップルバイ(中心部にアップルが入っている)の上に、円柱型の冷凍したアングレーズソース、その周りにブルーベリーを埋め込んだアイスクリームソースを配置した冷凍デザートについて、電子レンジ加熱時の解凍状態について、検討した。
図22に、電子レンジ加熱前の実施例14の冷凍デザートの外観写真図を示す。
図23に、600Wの電子レンジで60秒間加熱した後に切断した実施例14の冷凍デザートの外観写真図を示す。
図24に、600Wの電子レンジでさらに30秒加熱し、合計90秒間加熱した後に切断した実施例14の冷凍デザートの外観写真図を示す。
図25に、600Wの電子レンジでさらに30秒加熱し、合計120秒間加熱した後に切断した実施例14の冷凍デザートの外観写真図を示す。
図26に、600Wの電子レンジで、連続して120秒間加熱した後の実施例14の冷凍デザートの外観写真図を示す。
まず、冷凍生地部の上に載置した具材を含んだ冷凍ソース部(アングレーズソース部)については、電子レンジ加熱60秒の加熱では、ではほとんど解凍されず、10.5℃程度までしか昇温しなかった。温度測定後、さらに電子レンジ加熱を30秒行い、計90秒加熱した場合に、初めて周りのアングレーズソースが溶け始め、さらに電子レンジ加熱を30秒を行った、計120秒加熱した場合に、全て解凍することができた。120秒加熱した後に、上部に残ったソースは15℃であり、冷たく感じられた。
また、アングレーズソースに埋め込んでいたブルーベリーは、17.6℃であり、冷たくシャリシャリした食感が保たれていた。
次に、下部に配置したアップルパイについて、検証した。底面部は44.8℃まで温まっており、また、アップルが入れられている中心部は53.3℃まで温まっており、温まったアップルが入ったアップルパイとして、良好な呈味を呈していた。
この結果より、具材を含まない冷凍ソース部と同様に、今回のブルーベリーのような冷凍フルーツなどの具材を含んだ冷凍ソース部を冷凍ケーキ部の上に載置した場合でも、一度の電子レンジ加熱でソース及び冷凍デザートなどの具材は解凍されるが、冷たい状態を保っていることが明らかになった。また、今回のアイスクリーム、フランボワーズソースなどのように、ソースを2種類使用した場合にも1種類のソースを使用した場合と同じように解凍されるが冷たい状態であることが明らかになった。
一方、下部に配置された生地部においても、底面部及び中心部が加熱され、特に中心部が集中的に加熱されることが明らかになった。今回のアップルパイの中のアップルのように、生地部の中心部に溶解しない成分を入れた場合においても、温まっておいしく食することができる具材を入れることによって、底面部などの下部、特に中心部が集中的に加熱され、温まっており、冷たいままの状態を保つ、上部のソース部とともに食べることによって温度差を楽しむことができる食品が製造できることが示された。
1、1A、2、220:冷凍デザート食品、11、21、50:冷凍生地部、12、22、51:冷凍ソース部、71、81、91、101、221A:第1の冷凍ソース部、72、82、92、102、221B:第2の冷凍ソース部、213、223:冷凍具材
Claims (11)
- 電子レンジ加熱により解凍してデザートとなる冷凍生地部と、冷たいソースとなる冷凍ソース部と、が積層された冷凍デザート食品であって、
前記冷凍生地部は、電子レンジの庫内の載置面と直接、又は伝導伝熱性を有する媒体を介して接触が可能な状態に配置されている、冷凍デザート食品。 - 前記冷凍ソース部が2種以上のソースから構成される、請求項1に記載の冷凍デザート食品。
- 前記冷凍ソース部は比重が異なる2種以上のソースから構成される、請求項1又は2に記載の冷凍デザート食品。
- 前記冷凍ソース部は、1種又は2種以上のソースから構成され、冷凍具材を備える、請求項1又は2に記載の冷凍デザート食品。
- 前記冷凍生地部は、温まることにより良好に喫食できる成分を中心部に含有する、請求項1又は2記載の冷凍デザート食品。
- 前記冷凍生地部は、中心部に30℃以上で溶解する成分を有する、請求項1又は2に記載の冷凍デザート食品。
- 前記冷凍ソース部の形状は円柱であり、
前記冷凍生地部の形状は円柱又は逆円錐台である、請求項1又は2に記載の冷凍デザート食品。 - 前記冷凍ソース部が、解凍後に流動性を有するソースであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の冷凍デザート食品。
- 前記冷凍生地部は、焼成生地食品の冷凍品及び冷凍ゲル食品のいずれか一方又は両方である、請求項1又は2に記載の冷凍デザート食品。
- 前記冷凍生地部と、前記冷凍ソース部の間にさらに第2の冷凍生地部を備える、請求項1又は2に記載の冷凍デザート食品。
- 前記第2の冷凍生地部は、メレンゲクッキー、チョコレート、クッキー、クランブル、スポンジケーキからなる群より選択される1種以上である、請求項10に記載の冷凍デザート食品。
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