JP2023053577A - 流動接触分解触媒および流動接触分解触媒の製造方法 - Google Patents

流動接触分解触媒および流動接触分解触媒の製造方法 Download PDF

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隆喜 水野
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Abstract

【課題】流動接触分解においてプロピレンの収率を向上させる流動接触分解触媒の提供。【解決手段】結合剤を10~30質量%、希土類金属でイオン交換されたゼオライトを10~40%質量%、粘土鉱物類を10~60%質量%、及び活性マトリックスを5~30質量%含み、前記結合剤はpHが1.6未満であるシリカ系結合剤形成成分から形成されたシリカ系結合剤であり、前記ゼオライトはFAU型ゼオライトであり、希土類金属の含有量は希土類金属酸化物(RE2O3)に換算して0.5~1.2質量%である、流動接触分解触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、流動接触分解触媒およびその製造方法に関する。
炭化水素油の流動接触分解に用いられる触媒(以下、「FCC触媒」とも記載する。)及びその製造方法として、ガソリン留分の収率増加、耐摩耗性の改善等を目的に様々な研究開発がなされている。
例えば、特許文献1には、ガソリン収率が高く、コーク収率が低く、摩耗強度の高いFCC触媒の製造方法の提供を目的として、ゼオライト(超安定化Y型ゼオライト、レアアース交換超安定化Y型ゼオライト等)と、結合材(塩基性塩化アルミニウム)、無機酸化物マトリックス(カオリン等)とを混合して得られ、かつpHが調整されたスラリーを噴霧乾燥する、FCC触媒の製造方法が開示されている。また、噴霧乾燥により得られた球状粒子を、純水で洗浄し、次いで硫酸アンモニウムを含む水で洗浄し、乾燥させて、FCC触媒を製造したことが記載されている。
特許文献2には、FCC触媒中にリン修飾サブミクロンZSM-5を含ませることで、エチレン及びプロピレンの生成を増加させることが記載されている。
特許文献3には、骨格アルミニウム原子の一部がジルコニア原子及びチタン原子で置換された超安定Y型ゼオライトを含むFCC触媒を、軽質オレフィン及びガソリン燃料を製造するための流動接触分解装置に用いたことが記載されている。
特許文献4には、イオン交換サイトIIIにバリウムイオンを含むYゼオライトを、FCC触媒に用いることで、ブチレンの収率を増加させることが記載されている。
特許文献5及び6には、FCC触媒原料としてコロイド状シリカを用いることで、FCC触媒の耐摩耗性を向上させることが記載されている。
特開2009-657号公報 特表2015-518782号公報 特表2017-534433号公報 特表2018-536535号公報 特表2019-528163号公報 特表2021-511200号公報
昨今、流動接触分解においてプロピレン収率の向上が求められており、従来のFCC触媒にはさらなる改善の余地がある。
そこで本発明は、流動接触分解触媒においてプロピレン収率を向上させるFCC触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、例えば以下の[1]~[3]に関する。
[1]
結合剤を10~30質量%、希土類金属でイオン交換されたゼオライトを10~40%質量%、粘土鉱物類を10~60%質量%、及び活性マトリックスを5~30質量%含み、
前記結合剤は、pHが1.6未満であるシリカ系結合剤形成成分から形成されたシリカ系結合剤であり、
前記ゼオライトはFAU型ゼオライトであり、
希土類金属の含有量は希土類金属酸化物(RE23)に換算して0.5~1.2質量%である、
流動接触分解触媒。
[2]
(a)少なくとも結合剤形成成分、ゼオライト、粘土鉱物類、および活性マトリックス形成成分を混合して原料スラリーを調製する工程、
(b)前記原料スラリーを、噴霧乾燥し、粒子を得る工程、
(c)前記粒子を、希土類金属を含む水溶液と接触させ、前記ゼオライトを希土類金属でイオン交換する工程、
を含み、
前記結合剤形成成分は、pHが1.6未満であるシリカ系結合剤形成成分であり、
前記ゼオライトはFAU型ゼオライトである
流動接触分解触媒の製造方法。
[3]
前記[1]の流動接触分解触媒と、ZSM-5を含む補助触媒とを含む流動接触分解触媒組成物。
本発明によれば、流動接触分解触媒にZSM-5添加剤を加えた流動接触分解触媒組成物を用いて流動接触分解を行うと、プロピレン収率を向上させることができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
[流動接触分解触媒]
本発明に係る流動接触分解触媒(FCC触媒)は、結合剤、希土類金属でイオン交換されたゼオライト、粘土鉱物類、及び活性マトリックスを含む。
〈結合剤〉
前記結合剤(以下「バインダー」とも記載する。)としては、pHが1.6未満であるシリカ系結合剤形成成分から形成されたシリカ系結合剤が用いられる。
シリカ系結合剤形成成分の詳細については後述する。
本発明のFCC触媒は、前記結合剤をSiO2量に換算して、例えば10~30質量%、好ましくは12~26質量%、より好ましくは14~24質量%含有する。
なお、本発明のFCC触媒を構成する各成分およびその原料は水を含む場合があるが、本発明において各成分の含有量ないし各原料の使用量は、水を含まない量(「固形分濃度」と表記する場合もある。)として表される。
〈希土類金属でイオン交換されたゼオライト〉
希土類金属でイオン交換されたゼオライトにおけるゼオライト、すなわちイオン交換前のゼオライトの詳細については後述する。
前記希土類金属としては、例えば、セリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジウム(Pr)、及びネオジム(Nd)が挙げられる。これらは1種であっても2種以上であってもよい。
本発明のFCC触媒は、前記ゼオライトを、例えば10~40質量%、好ましくは12~38質量%、より好ましくは14~36質量%含有する。含有量が前記下限値以上であると、前記FCC触媒は十分な反応活性を示す。一方、含有量が前記上限値以下であると、活性が高すぎることに由来する過分解、選択性の低下、また、触媒の耐摩耗性や流動性の悪化を防ぐことができる。
なお、本発明のFCC触媒を構成する各成分及びその原料は水を含む場合があるが、本明細書における各成分の含有量ないし各原料の使用量は、水を含まない量、または固形分濃度を表記して示す。
〈粘土鉱物類〉
増量材としての役割を担う前記粘土鉱物類は、粘土及び/または粘土鉱物であり、その例として、カオリン、ベントナイト、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト等が挙げられ、特にカオリンが好ましい。
本発明のFCC触媒は、前記粘土鉱物類を、例えば10~60質量%、好ましくは14~56質量%、より好ましくは18~52質量%含有する。含有量が前記下限値以上であると、FCC触媒の細孔構造の維持、触媒形状の維持、耐摩耗性、流動性等が良好である。一方、含有量が前記上限値以下であると、前記FCC触媒中の前記ゼオライト成分及び活性マトリックスの比率が高いことから、前記FCC触媒の活性が良好である。
〈活性マトリックス〉
前記活性マトリックスは、活性マトリックスの例としては、活性アルミナ(ベーマイト、ギブサイト等)、アルミナ-シリカ、シリカ-マグネシア、アルミナ-マグネシア、アルミナ-マグネシア-シリカ等の固体酸を有する物質を含むものが挙げられる。固体酸とは、触媒の反応温度領域において固体酸性を示すものであり、固体酸の測定方法としては、アンモニアを用いた昇温脱離法、アンモニアまたはピリジンを用いる in situ FTIR(フーリエ変換赤外線吸収スペクトル)法によりなされる。
また、金属捕捉剤としても機能する活性マトリックスとして、アルミナやリン-アルミナ、結晶性カルシウムアルミネート、セピオライト、チタン酸バリウム、スズ酸化カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マンガン、マグネシア、マグネシア-アルミナ等が挙げられる。
金属捕捉剤の原料として、酸化雰囲気で焼成することによりアルミナ等になる水酸化アルミニウム(ギブサイト)やベーマイト等の前駆体物質も用いることができる。
本発明のFCC触媒は、前記活性マトリックスを、例えば5~30質量%、好ましくは8~29質量%、より好ましくは10~28質量%含有する。含有量が前記下限値以上であると、分子量が大きい物質の分解促進、金属捕捉による活性成分の被毒抑制といった効果が表れる。一方、含有量が前記上限値以下であると、前記FCC触媒の耐摩耗性や流動性の悪化を防ぐことができる。
〈任意成分〉
本発明に係るFCC触媒は、結合剤、希土類金属でイオン交換されたゼオライト、粘土鉱物類、及び活性マトリックスに加えて、任意に添加剤を含んでいてもよい。
前記添加剤としては、たとえばCO燃焼促進成分(Pt、Pd)、脱硫黄酸化物成分(CeO2、MgO)等が挙げられる。
(希土類金属の含有量)
本発明のFCC触媒は希土類金属を含んでいる。本発明のFCC触媒における希土類金属の含有量は、希土類の酸化物(RE23)に換算して0.5~1.2質量%であり、さらに好ましくは0.6~1.1質量%である。希土類金属の含有量が前記範囲にあると、本発明のFCC触媒は、耐水熱性に優れ、かつプロピレン収率に優れる。
[流動接触分解触媒の製造方法]
本発明に係る流動接触分解触媒(FCC触媒)の製造方法は、
(a)少なくとも結合剤形成成分、ゼオライト、粘土鉱物類、および活性マトリックス形成成分を混合して原料スラリーを調製する工程、
(b)前記原料スラリーを噴霧乾燥し、粒子を得る工程、
(c)前記粒子を、希土類金属を含む水溶液と接触させ、前記ゼオライトを希土類金属でイオン交換する工程、
を含む。
《工程(a)》
前記工程(a)では、少なくとも結合剤形成成分、ゼオライト、粘土鉱物類、及び活性マトリックス形成成分を混合して、これらを含む原料スラリーを調製する。
前記工程(a)の態様としては、例えば結合剤形成成分にゼオライト、粘土鉱物類、活性マトリックス形成成分、及び任意に添加剤を混合して原料スラリーを調製するという態様が挙げられる。各成分は、粉末の状態で添加しても、スラリー化して添加してもよい。また、ゲル化を引き起こすことなくスラリーを調製できる限り、各成分を添加する順序は問わない。
(結合剤形成成分)
前記結合剤形成成分は、流動接触分解触媒中に結合剤を形成するための成分である。結合剤形成成分としてはシリカ系結合剤形成成分が用いられる。シリカ系結合剤形成成分は、通常、シリカ源と酸とを混合して調製される。前記シリカ源の例としてはシリカ、シリカゲル(シリカヒドロゲルも包含する。)、シリカゾル(シリカヒドロゾルも包含する。)、ケイ酸(塩)(オルトケイ酸(塩)、メタケイ酸(塩)も包含する。)の水溶液(たとえば、水ガラス)が挙げられる。シリカゾルおよびケイ酸塩には、ナトリウム型、カリウム型、リチウム型、酸型等のコロイダルシリカを使用することができる。これらのうちシリカゾルおよびケイ酸(塩)の水溶液が好適である。
前記酸としては、無機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸が挙げられ、これらの中でも硫酸、塩酸および硝酸が好ましく、硫酸が特に好ましい。
シリカ源と酸とを混合して前記シリカ系結合剤形成成分を調製する場合、これらは、酸に含まれる水素イオンとシリカ源中のケイ素原子とのモル比(以下「モル比([H+]/[SiO2])」とも記載する。)が好ましくは0.70以上、より好ましくは0.75以上となる割合で混合される。前記モル比の上限は、たとえば2.0である。
さらに、前記結合剤形成成分のpHは、1.6未満、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.3未満である。前記結合剤形成成分のpHを上記範囲とすることにより、流動接触分解においてプロピレン収率を向上させることができる。前記pHの下限は、たとえば0.1以上であり、0.2以上、または0.3以上であってもよい。なお、pH測定時の温度は、35~37℃(たとえば36℃)である。
(ゼオライト)
前記ゼオライトとしては、FAU型ゼオライトが用いられる。FAU型ゼオライトの例としては、超安定化Y型ゼオライト(USY)、USYに希土類金属をイオン交換等により導入した希土類金属交換超安定化Y型ゼオライト(以下「REUSY」とも記載する。)が挙げられる。
前記ゼオライトの後述する実施例で採用された方法で測定される格子定数は、好ましくは2.438~2.460nmの範囲にあり、より好ましくは2.440~2.458nmの範囲にある。
前記格子定数は、アナターゼ型TiO2を標準物質とし、X線回折法により、前記ゼオライトの回折面(553)面および(642)面の面間隔により決定される。
(粘土鉱物類)
前記粘土鉱物類の具体例、好ましい態様等は、上述のとおりである。
(活性マトリックス形成成分)
前記活性マトリックス形成成分の例としては、上述した活性マトリックスの具体例に加えて、加熱により活性マトリックスを形成する成分、たとえば水酸化アルミニウム(ギブサイト)、アルミナ水和物(ベーマイト)が挙げられる。
前記工程(a)の好ましい態様としては、結合剤形成成分に粘土鉱物類及び活性マトリックス形成成分を添加した後、ゼオライトを、pHが2.8~4.5に調整されたスラリーの状態で添加する。これによって、原料スラリーに添加した際、ゼオライトスラリーのpH変動が抑制され、ゼオライトが凝集しにくくなる。前記スラリーは、たとえば水に前記ゼオライトおよび酸を添加することにより調製できる。前記酸の例としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、有機酸(たとえば、クエン酸、ギ酸、酢酸等)が挙げられる。
前記原料スラリーの構成成分として挙げた各原料の具体例、好ましい態様等は、上述の通りである。
前記原料スラリーは、これらの成分に加えて、任意に添加剤及び水を添加して調製してもよい。
前記原料スラリーは、前記結合剤形成成分をSiO2量に換算して、例えば10~30質量%、好ましくは12~26質量%、より好ましくは14~24質量%(ただし、原料スラリー中の固形分(原料スラリー中の分散媒以外の成分以下も同様である。)量を100質量%とする。)含有する。
前記原料スラリーは、前記ゼオライトを、例えば10~40質量%、好ましくは12~38質量%、より好ましくは14~36質量%(ただし、原料スラリー中の固形分量を100質量%とする。)含有する。
前記原料スラリーは、前記粘土鉱物類を、例えば10~60質量%、好ましくは14~56質量%、より好ましくは18~52質量%(ただし、原料スラリー中の固形分量を100質量%とする。)含有する。
前記原料スラリーは、前記活性マトリックスを、例えば5~30質量%、好ましくは8~29質量%、より好ましくは10~28質量%(ただし、原料スラリー中の固形分量を100質量%とする。)含有する。
前記原料スラリーは、分散媒として水を含む。
前記原料スラリーには、分散媒として水以外の成分、例えばメタノール、エタノール、及びアセトン等が少量含まれていてもよい。
前記原料スラリーの固形分濃度は、原料スラリーの噴霧乾燥を困難なく実施する等のために、例えば10~50質量%、好ましくは20~40質量%である。
《工程(b)》
前記工程(b)では、前記原料スラリーを噴霧乾燥し、粒子(以下、「噴霧乾燥粒子」とも記載する。)を得る。
噴霧乾燥条件は、前記原料スラリーの固形分濃度、粘度等によって適宜変更してよく、得られる噴霧乾燥粒子の平均粒子径が、一般的なFCC触媒粒子と同様、平均50~90μmの範囲となる条件であれば、特に限定されない。
例えば、前記原料スラリーを噴霧乾燥機のスラリー貯槽に入れ、例えば120~450℃の範囲に設定された気流(例えば、空気流)が流れる乾燥チャンバー内に前記原料スラリーを噴霧することで、粒子(噴霧乾燥粒子)が得られる。原料スラリーの噴霧によって、前記気流の温度は低下するが、乾燥チャンバーの出口の温度は、ヒーター等を用いることで、例えば50~300℃の範囲に維持される。
前記噴霧乾燥粒子の粒子径は、前記原料スラリーの濃度、粘度、噴霧量、噴霧圧力、噴霧乾燥機のノズル径、熱風温度等を調製することにより、制御できる。
また、前記噴霧乾燥粒子を洗浄し(たとえば、水により洗浄し)、乾燥させてもよい。
《工程(c)》
前記工程(c)では、前記噴霧乾燥粒子を、希土類金属を含む水溶液と接触させ、前記噴霧乾燥粒子中の前記ゼオライトに希土類金属を導入する。この工程(c)によりFCC触媒が得られる。
前記工程(c)では、好ましくは前記噴霧乾燥粒子を水に懸濁させて懸濁液を調製し、この懸濁液をイオン交換する希土類金属を含む水溶液と接触させる。その後、得られた固形分(FCC触媒)を分離、洗浄及び乾燥してもよい。前記水の温度は、好ましくは40~80℃である。また、前記懸濁液を濾過し、濾別された固形分を再度水に懸濁させることにより、噴霧乾燥粒子中に存在する不要な可溶性物質を除去してもよい。
前記希土類金属を含む水溶液は、例えば希土類金属の塩(例えば、LaCl3)を水に溶解させることで調製できる。
前記工程(c)は、得られる流動接触分解触媒中の前記希土類金属の濃度が希土類金属の酸化物(RE23)に換算して0.5~1.2質量%、好ましくは0.6~1.1質量%含有するように行われる。前記希土類金属の酸化物が目的の含有量となるように、前記希土類金属を含む水溶液の量、濃度等により調整する。
前記ゼオライトが希土類金属を含まない場合のみならず、前記ゼオライトとして前記REUSYを使用し、工程(a)において原料スラリーを調製した際、または工程(b)で得られた噴霧乾燥粒子を洗浄する際に、前記REUSYから一部の希土類金属イオンが外れた(プロトンに置換された)場合であっても、工程(c)を行うことによって、所望の量の希土類金属を含む流動接触分解触媒を製造することができる。
以上のような工程(a)~(c)を含む本発明に係る流動接触分解触媒の製造方法により、上述した本発明に係る流動接触分解触媒を製造することができる。
[流動接触分解触媒組成物]
本発明に係る流動接触分解触媒組成物は、本発明に係るFCC触媒と、ZSM-5を含む補助触媒を含んでいる。
ZSM-5を含む補助触媒(アディティブ)としては、市販品であれば、例えば日揮触媒化成(株)社製のアディティブ(OCTUP-α)、特表2013-522025号公報の[0038]段落に記載されたZSM-5添加剤ないしZSM-5含有添加剤が挙げられる。前記触媒組成物中の前記補助触媒の含有割合は、前記FCC触媒に対して、好ましくは1~35質量%、より好ましくは5~25質量%である。
ここで、ZSM-5を含む補助触媒は、前記OCTUP-αに限らず、市場にあるZSM-5を含むFCC触媒を代わりに用いてもよい。
本発明に係るFCC触媒組成物の、後述の方法で測定される比表面積は、好ましくは200~400m2/g、より好ましくは250~350m2/gである。
本発明に係るFCC触媒組成物を流動接触分解に用いると、プロピレンの収率を向上させることができる。母体触媒での水素移行反応が抑制されるため、プロピレン源となるオレフィン留分の収率が増加し、ZSM-5を含む補助触媒の効果がより表れやすくなる。所定の結合剤が用いられることでゼオライトの被覆状態が従来とは異なる状態に変化し、ゼオライトの酸点上での水素移行反応が抑制されたと推察される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[触媒等の測定方法ないし評価方法]
(組成)
ゼオライトおよび実施例等で得られた触媒に含まれる各元素の含有量は、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、RIX 3000)を用いて測定した。
(ゼオライトの格子定数)
ゼオライトの格子定数は、アナターゼ型TiO2を標準物質とし、下記条件でのX線回折法により、前記ゼオライトの回折面(553)面および(642)面の面間隔により決定した。
《測定条件》
実施例等で得られた触媒を粉砕・成形した後、X線回折装置(株式会社リガク製 X-RAY DIFFRACT METER(RINT 1400))にセットし、管電圧30.0kV、管電流130.0mA、対陰極Cu、測定範囲:開始角度~終了角度(2θ)10.000°~70.000°、スキャンスピード2.000°/分、発散スリット 1deg、散乱スリット 1deg、受光スリット 0.15mmの条件で測定した。
(比表面積)
実施例等の触媒の比表面積を、マイクロトラック・ベル株式会社製のBELSORP-mini Ver2.5.6により測定した。具体的には、真空排気しながら500℃で1時間熱処理した触媒に対して、窒素ガスを吸着させ、BET法により比表面積(m2/g)を算出した。
[実施例1]
~FCC触媒-1調製~
水ガラス(SiO2濃度:17質量%)2647gと硫酸(硫酸濃度:25質量%)1598gを同時に連続的に加えて、SiO2濃度が10.6質量%かつpHが1.0(35~37℃で測定)のシリカヒドロゾル(シリカバインダーの一例)4245gを調製した。モル比([H+]/[SiO2])は1.09であった。このシリカヒドロゾルにカオリン(固形分濃度:84質量%)を923g、活性マトリックス形成成分として、活性アルミナ(固形分濃度:62質量%)を484g、硫酸にてpHを3.0に調整した、シリカを4%含有するアルミナ-シリカスラリー(固形分濃度:12質量%)を1731g加え、さらに、硫酸にてpHを3.9に調整した超安定化Y型ゼオライトスラリー(固形分濃度:33質量%)を2273g加えて撹拌した後、この混合スラリーを噴霧乾燥し、平均粒径70μmの球状粒子を得た。得られた球状粒子を温水(60℃)で洗浄し、次いで硫酸アンモニウム水溶液によるイオン交換を行い、最後に塩化ランタン水溶液と接触させ、FCC触媒中のランタンの含有量がLa23に換算して1.0質量%となるようにイオン交換した。得られた洗浄ケーキを雰囲気温度150℃に保持した乾燥機にて10時間乾燥し、FCC触媒-1を得た。得られた洗浄ケーキを雰囲気温度150℃に保持した乾燥機にて10時間乾燥し、FCC触媒-1を得た。
[実施例2]
~FCC触媒-2調製~
シリカヒドロゾルの調製の際に、水ガラス(SiO2濃度:17質量%)2647gと硫酸(硫酸濃度:25質量%)2244gとを同時に連続的に加えて(モル比([H+]/[SiO2])は1.53)、SiO2濃度が9.2質量%かつpHが0.6のシリカヒドロゾル4891gを調製した以外は実施例1と同様にして、FCC触媒-2を得た。
[実施例3]
~FCC触媒-3調製~
シリカヒドロゾルの調製の際に、水ガラス(SiO2濃度:17質量%)2647gと硫酸(硫酸濃度:25質量%)2585gとを同時に連続的に加えて(モル比([H+]/[SiO2])は1.76)、SiO2濃度が8.6質量%かつpHが0.4のシリカヒドロゾル5233gを調製した以外は実施例1と同様にして、FCC触媒-3を得た。
[実施例4]
~FCC触媒-4調製~
シリカヒドロゾルの調製の際に、水ガラス(SiO2濃度:17質量%)2647gと硫酸(硫酸濃度:25質量%)1266gとを同時に連続的に加えて(モル比([H+]/[SiO2])は0.86)、SiO2濃度が11.5質量%かつpHが1.3のシリカヒドロゾル3913gを調製した以外は実施例1と同様にして、FCC触媒-4を得た。
[比較例1]
~FCC触媒-R1調製~
シリカヒドロゾルの調製の際に、水ガラス(SiO2濃度:17質量%)2647gと硫酸(硫酸濃度:25質量%)953gとを同時に連続的に加えて(モル比([H+]/[SiO2])は0.65)、SiO2濃度が12.5質量%かつpHが1.6のシリカヒドロゾル3600gを調製した以外は実施例1と同様にして、FCC触媒-R1を得た。
[比較例2]
~FCC触媒-R2調製~
シリカヒドロゾルの調製の際に、水ガラス(SiO2濃度:17質量%)2647gと硫酸(硫酸濃度:25質量%)762gとを同時に連続的に加えて(モル比([H+]/[SiO2])は0.52)、SiO2濃度が13.1質量%かつpHが1.8のシリカヒドロゾル3409gを調製した以外は実施例1と同様にして、FCC触媒-R2を得た。
[比較例3]
~FCC触媒-R3調製~
シリカヒドロゾルの代わりに、特開2021-121420の実施例に記載の方法で製造した塩基性塩化アルミニウム水溶液(固形分濃度:23.5質量%)を1596g用い、カオリン(固形分濃度:84質量%)の使用量を1012gに変更した以外は実施例1と同様にして、FCC触媒-R3を得た。
FCC触媒の組成及び物性を表1-1、表1-2にまとめる。
Figure 2023053577000001
Figure 2023053577000002
表1-2において、フレッシュ触媒とは、実施例または比較例で得られた触媒であり、スチーム処理触媒とは、フレッシュ触媒を810℃にて100%の水蒸気条件下で12時間保持する条件下でスチーム処理した触媒である。
保持率(%)とは、スチーム処理触媒の各種比表面積/フレッシュ触媒の各種比表面積を百分率で表したものであり、この保持率が高いと耐水熱性が高いことを意味する。
<流動接触分解触媒組成物の製造方法>
実施例または比較例で得られたFCC触媒にZSM-5を含む補助触媒として日揮触媒化成(株)社製のアディティブ(OCTUP-α)を15質量%混合して流動接触分解触媒組成物を得た。
得られた流動接触分解触媒組成物をACE-MAT(Advanced Cracking Evaluation-Micro Activity Test)を用い、同一原油、同一反応条件下で、触媒組成物の性能評価試験を行った。各触媒組成物の性能評価試験の結果を表2に示す。
ただし、これらの性能評価試験を行う前に、予め触媒再生塔で水熱劣化を受けた状態を模擬する目的で、810℃で12時間スチーム処理を行った。
性能評価試験における運転条件は以下の通りである。
原料油:脱硫減圧軽油(DSVGO)100質量%
触媒/通油量の重量比(以下、「C/O」と記載する):5.0(質量%/質量%)
触媒質量基準の空間速度(WHSV):8h-1
反応温度:580℃
1)転化率=100-(LCO+HCO+CLO) (質量%)
2)収率:C/O=5.0のときの各生成物の重量を質量%とした。
3)ガソリンの沸点範囲:30~216℃(Gasoline)
4)LCOの沸点範囲:216~343℃(LCO:Light Cycle Oil)
5)HCO+CLOの沸点範囲:343℃+(HCO:Heavy Cycle Oil、CLO:Clarified Oil)
6)LPG(液体石油ガス)
7)Dry Gas:メタン、エタン及びエチレン
8)プロピレン:LPGに含まれる。
反応結果を表2にまとめる。
Figure 2023053577000003

Claims (3)

  1. 結合剤を10~30質量%、希土類金属でイオン交換されたゼオライトを10~40%質量%、粘土鉱物類を10~60%質量%、及び活性マトリックスを5~30質量%含み、
    前記結合剤は、pHが1.6未満であるシリカ系結合剤形成成分から形成されたシリカ系結合剤であり、
    前記ゼオライトはFAU型ゼオライトであり、
    希土類金属の含有量は希土類金属酸化物(RE23)に換算して0.5~1.2質量%である、
    流動接触分解触媒。
  2. (a)少なくとも結合剤形成成分、ゼオライト、粘土鉱物類、および活性マトリックス形成成分を混合して原料スラリーを調製する工程、
    (b)前記原料スラリーを、噴霧乾燥し、粒子を得る工程、
    (c)前記粒子を、希土類金属を含む水溶液と接触させ、前記ゼオライトを希土類金属でイオン交換する工程、
    を含み、
    前記結合剤形成成分は、pHが1.6未満であるシリカ系結合剤形成成分であり、
    前記ゼオライトはFAU型ゼオライトである
    流動接触分解触媒の製造方法。
  3. 請求項1に記載の流動接触分解触媒と、ZSM-5を含む補助触媒とを含む流動接触分解触媒組成物。
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