JP2023052036A5 - - Google Patents

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JP2023052036A5
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(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月23日付で作成された「JBI6010WOPCT1Seq
uence Listing.txt」というファイル名のASCII形式の配列表とし
てEFS-Webを介して電子的に提出され、14,801バイトのサイズを有する配列
表を含む。EFS-Webを介して提出された配列表は、本明細書の一部であり、参照に
よりその全体が本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体の静脈内及び/又は皮下投与による従
来又は既存の療法に対して不十分な応答又はそれらに忍容性不良を示す患者における潰瘍
性大腸炎、特に中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎の、臨床的に証明された安全かつ
臨床的に証明された有効な治療を提供する方法に関する。
(発明の背景)
潰瘍性大腸炎(UC)を含む炎症性腸疾患(IBD)は、胃腸(GI)管の破壊的炎症
及び上皮損傷によって特徴付けられる慢性再発性疾患である(Baumgart and
Sandborn,J Clin Invest.98:1010-1020(199
6)、Danese and Fiocchi,N Engl J Med.365:1
715-1725(2011))。米国におけるUCの発生率は、100,000人当た
り205~240人の有病率で、100,000人当たり9~12人であると推定される
(Tally et al.,Am J Gastroenterol.106 Sup
pl 1:S2-S25(2011))。欧州におけるUCの有病数の推定は、約1,0
00,000人である(Loftus,Gastroenterology.126(6
):1504-1517(2004)、Loftus,Gastoenterol Cl
in N Am.31:1-20(2002))。UCの病因は不明である。しかしなが
ら、腸内細菌を含む腸内の内容物に対する異常な免疫応答は、遺伝的に罹患しやすい個体
において疾患を引き起こすと考えられている(Geremia et al.,Auto
immun Rev.13:3-10(2014))。調節不全の先天性及び適応性免疫
経路は、IBDにおける異常腸炎症に寄与し、インターロイキン(IL)-12、インタ
ーフェロンγ(IFNγ)、及びIL-23を含むサイトカインは、UCの病因に関与し
ている(Geremia et al.,Autoimmune Rev.2014;1
3:3-10;Neurath,Nat Rev Immunol.14(5):329
-42(2014))。
IBDの病因におけるIL-12/23経路の関与は十分に確立されており、腸炎症に
おけるIL-12/IL-23経路の重要な役割が大腸炎において解明されている(Ah
ern et al.,Immunity.33(2):279-288(2010);
Investigator’s Brochure:STELARA(登録商標)(us
tekinumab),edition 18.Janssen Research &
Development,LLC(2017)、Uhlig et al.,Immu
nity.25:309 318(2006)、Yen et al.,J Clin
Invest.116(5):1310-1316(2006))。初期の研究は、抗I
FNγによる治療(Berg et al.,J Clin Invest.98:10
10-1020(1996)、Davidson et al.,J Immunol.
161:3143-3149(1998))又は抗IL-12p40モノクローナル抗体
(mAb)による治療が、大腸炎の実験モデルにおける疾患を予防することを示しており
、腸炎症を促進する1型ヘルパーT(Th-1)細胞に対する重要な役割を示唆している
(Neurath et al.,J Exp Med.182(5):1281-12
90(1995))。ゲノムワイド関連研究は、IL-23 R及びIL-12Bを含む
、UCに対する感受性の増加と関連しているIL-12/23経路におけるヒトのいくつ
かの遺伝子座に関係している(Anderson et al.,Nat Genet.
43(3):246-252(2011)、Brant et al.,Clin Ga
stroenterol Hepatol.11(1):22-26(2013))。活
動期のUCを有する対象は、非活動期のUCを有する対象及び正常対照よりも有意に多く
のIL-23、IL-22、IL-22R1及びp-STAT3陽性細胞を有することが
示された(Yu et al.,World J Gastroenterol.19(
17):2638-2649(2013))。
UCの治療に現在承認されている生物学的療法は、腫瘍壊死因子(TNF)又はインテ
グリン阻害剤のいずれかである(Colombel et al.,Gastroent
erology.132:52-65(2007)、Hanauer et al.,L
ancet.359:1541-1549(2002)、Sandborn et al
.,N Engl J Med.369:711-721(2013)、Sandbor
n et al.,Gastroenterology.142:257-265(20
12))。しかしながら、全ての現在承認されている治療薬のうちのただ1つの療法、ベ
ドリズマブ(vedolizumab)だけが、抗TNFに対する不十分な応答(すなわち、一次非
応答性若しくは二次不応答性)又は抗TNFに忍容性不良を示す対象における有効性を示
している(Feagan et al.,N Engl J Med.369:6997
10(2013))。抗TNFは、免疫抑制に関連した安全リスクを有し、全ての対象が
このような治療に適切に応答するわけではない。更に、抗TNFで観察されたように、不
十分な応答、及び忍容性不良が、それらのUCの治療のためのベドリズマブを受容してい
る対象において特定されている。したがって、代替的な作用機序を有する新規な療法に対
する未だ満たされていないニーズが残っている。
調べてみると、UCの治療に現在承認されている生物学的療法もまた、クローン病にお
ける有効性を示している(Sandborn et al.,Gastroentero
logy.135(4):1130-1141(2008))。多数の証拠は、炎症性腸
疾患(UC及びクローン病)が、炎症性サイトカイン、IL-12、及びIL-23から
強い寄与を有するTh1又はTh17細胞によって媒介されることを示唆している。ウス
テキヌマブ(STELARA(登録商標))は、ヒトIL-12/23p40に対する完
全ヒト免疫グロブリンG1 mAbであり、これは、IL-12及びIL-23の生物活
性を、それらがその細胞表面IL-12Rβ1受容体タンパク質と相互作用することを阻
害することによって防ぐ(Investigator’s Brochure:STEL
ARA(登録商標)(ustekinumab),edition 18.Jansse
n Research & Development,LLC(2017))。この作用
機序により、ウステキヌマブは、IL-12(Th1)-及びIL-23(Th17)-
媒介細胞応答を効果的に中和する。ウステキヌマブは、中等症から重症の活動期のクロー
ン病の成人対象の治療(クローン病の最初の承認は、2016年11月11に受けた)、
中等症から重症の尋常性乾癬を有する成人対象、又は活動性乾癬性関節炎を有する成人対
象の治療に、並びに中等症から重症の尋常性乾癬を有する小児対象(12~17歳)の治
療に、北米、ヨーロッパ、南米、及びアジア太平洋地域の国々を含む、世界中で販売承認
を受けている。
クローン病における導入療法としての静脈内(IV)ウステキヌマブの有効性及び安全
性は、臨床試験CRD3001及びCRD3002において評価されている。試験CRD
3001では、1つ以上のTNF拮抗薬に対する以前の不成功又は忍容性不良を示した対
象を評価し、CRD3002では、コルチコステロイド又は免疫調節物質の不十分な応答
又は忍容性不良の履歴を有するが、TNF拮抗薬に対する不十分な応答又は忍容性不良の
履歴がない対象を評価した。これらの試験では、2つのIV用量を評価した:130mg
のIV固定用量(mg/kg単位で約2mg/kg))を低用量群に選択し、一方、体重
範囲に基づく用量約6mg/kg IV(体重≦55kg:ウステキヌマブ260mg、
体重>55かつ≦85kg:ウステキヌマブ390mg、体重>85kg:ウステキヌマ
ブ:520mg)を、高用量群として選択した。両方の試験において、ウステキヌマブは
、プラセボと比べて臨床的に有意な有効性を示し、良好な安全性プロファイルで十分に忍
容された。
本発明の以前には、UCのためのウステキヌマブを用いた研究は行われておらず、生物
学的療法若しくは他の従来の両方が以前に不成功であったか、又はこれらに忍容性不良で
あった対象、又はコルチコステロイド依存性を示した対象において、UCを治療する、特
に中等症から重症の活動期のUCを治療する改善された方法が当該技術分野において必要
とされている。
(発明の概要)
本出願は、抗IL-12/IL-23p40抗体の対象への投与によって、特に従来若
しくは既存の療法に対して不十分な応答又はこれらに忍容性不良を示す対象における中等
症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療のための臨床的に証明された安全かつ
臨床的に証明された有効な方法及び組成物に関し、それにより、この対象集団において、
明らかに満たされていない医療ニーズに対処する。
1つの一般的態様では、本出願は、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の
治療を、それを必要とする対象において行う、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明
された有効な方法に関し、この方法は、対象に、安全かつ有効な量の抗IL-12/IL
-23p40抗体を含む医薬組成物を投与することを含み、抗体が重鎖可変領域と軽鎖可
変領域とを含み、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)ア
ミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ
酸配列と、を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)
アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミ
ノ酸配列と、を含む。
ある特定の実施形態では、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体は、対象に静脈内
で、好ましくは0週目に、約6.0mg/対象の体重1kg又は投与当たり130mgの
投与量で投与される。
ある特定の実施形態では、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体は、対象に静脈内
又は皮下で、好ましくは8週目に、それぞれ約6.0mg/対象の体重1kg又は投与当
たり90mgの投与量で投与される。
好ましくは、本出願の実施形態による方法によって治療される対象は、従来又は既存の
療法に対して不十分な応答を有したか、又はこれらに忍容性不良であった。いくつかの実
施形態では、対象は、抗TNF及び/又はベドリズマブなどの生物学的療法に以前に不成
功であったか、又はこれらに忍容性不良であった。いくつかの実施形態では、対象は、コ
ルチコステロイド、アザチオプリン(AZA)、及び/又は6メルカプトプリン(6MP
)による治療などの非生物学的療法に以前に不成功であったか、又はこれらに忍容性不良
であった。いくつかの実施形態では、対象は、コルチコステロイド依存性を示した。
別の一般的態様では、本願は、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療
を、それを必要とする対象において行う、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明され
た有効な方法に関し、この方法は、
対象に、抗IL-12/IL-23p40抗体を含む医薬組成物を、約6.0mg/対
象の体重1kg又は投与当たり130mgの抗体の投与量で、治療の0週目に静脈内投与
することと、
対象に、抗IL-12/IL-23p40抗体を含む医薬組成物を、投与当たり90m
gの抗体の投与量で、治療の8週目に皮下投与することと、を含み、
抗体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含み、重鎖可変領域が、配列番号1の相
補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配
列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の
相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸
配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含み、
対象が、抗TNF、ベドリズマブ(vedolizumab)、コルチコステロイド、アザチオプ
リン(AZA)、及び6メルカプトプリン(6MP)からなる群から選択される少なくと
も1つの療法に以前に失敗したか、若しくはこれらに忍容性不良であったか、又は対象が
、コルチコステロイド依存性を示した。
ある特定の実施形態では、本出願の方法は、(i)配列番号7の重鎖可変領域アミノ酸
配列と、(ii)配列番号8の軽鎖可変領域アミノ酸配列と、を含む、抗IL-12及び
/又は抗IL-23抗体若しくは抗原結合フラグメントを含む医薬組成物を、対象に静脈
内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む。
ある特定の実施形態では、本出願の方法は、(i)配列番号10の重鎖アミノ酸配列と
、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、抗IL-12/23p40抗体
のウステキヌマブを含む医薬組成物を、対象に静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投
与することを含む。
ある特定の実施形態では、0週目のIV用量は、約6.0mg/kgである。例えば、
IV用量は、体重が35kg以上~55kg以下の対象に対しては260mgであり、体
重が55kg超~85kg以下の対象に対しては390mgであり、体重が85kg超の
対象に対しては520mgである。
ある特定の実施形態では、対象は、本出願の一実施形態による方法の治療に対する応答
者であり、下記のうちの少なくとも1つを有するものとして特定される:(1)世界申請
書及び米国申請書のうちの少なくとも1つに基づく臨床的寛解、(2)内視鏡的治癒、(
3)臨床応答、(4)炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionnaire
)(IBDQ)スコアにおけるベースラインからの変化、(5)粘膜治癒、(6)May
oスコアにおけるベースラインからの減少、並びに(7)C反応性タンパク質、糞便ラク
トフェリン及び糞便カルプロテクチンからなる群から選択される1つ以上のバイオマーカ
ーの正常化。好ましくは、上記の(1)~(7)のうちの少なくとも1つは、治療の16
週目までに、より好ましくは8週目又は4週目までに、最も好ましくは2週目までに特定
される。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象において中等症から重症の活動期のUCを治
療する、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、対象が、
抗体による治療に対する応答者であり、0又は1のMayo内視鏡サブスコアを有する内
視鏡的治癒によって決定されるような疾患活動性における統計的に有意な改善を、抗体に
よる治療の8週目までに有するものとして特定される。
他の実施形態では、本発明は、対象において中等症から重症の活動期のUCを治療する
、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、対象が、抗体に
よる治療に対する応答者であり、≦4の潰瘍性大腸炎の内視鏡的重症度評価指標(Ulcera
tive Colitis Endoscopic Index of Severity)(UCEIS)スコアによって決定され
るような疾患活動性における統計的に有意な改善を、抗体による治療の8週目までに有す
るものとして特定される。
ある特定の実施形態では、対象は、Mayoスコアにおけるベースラインから≧30%
かつ≧3点の減少及び直腸出血サブスコアにおけるベースラインから≧1点の減少、又は
0若しくは1の直腸出血サブスコアによって決定される臨床応答を、抗体による治療の8
週目までに示す。
他の実施形態では、抗IL-12/IL-23p40抗体の維持用量が、8週目におけ
る治療後に8週間毎に、又は8週目における治療後に12週間毎に投与され、臨床応答は
、少なくとも44週間にわたって対象によって維持される。
ある特定の実施形態では、本発明は、対象において中等症から重症の活動期のUCを治
療する、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、初期治療
に対する非応答者として特定された対象に、好ましくは初期治療とは異なる投与経路で第
2の治療が施される。例えば、抗体又は抗体結合フラグメントのIV投与による初期治療
に対する非応答者として特定された対象は、本発明の実施形態による抗体又は抗体結合フ
ラグメントの後続の皮下投与で治療することができる。
ある特定の実施形態では、本出願は、対象における中等症から重症の活動期のUCを治
療する方法を提供し、IV投与で使用するための抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体は、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v)のスクロース、0.04%(w/
v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのLメチオニン、及び20μg/mLのE
DTA二ナトリウム塩二水和物を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある。
ある特定の実施形態では、本出願は、対象における中等症から重症の活動期のUCを治
療する、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、皮下投与
で使用するための抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体は、6.7mMのL-ヒスチ
ジン、7.6%(w/v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80
を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある。
ある特定の実施形態では、本出願は、UCを治療するために使用される1つ以上の追加
の薬物を対象に投与することを更に含む方法を提供する。好ましい実施形態では、追加の
薬物は、経口5-アミノサリチレート(5-ASA)化合物、経口コルチコステロイド、
免疫調節剤、6-メルカプトプリン(6-MP)、アザチオプリン(AZA)、又はメト
トレキサート(MTX)からなる群から選択される。
本出願の他の態様は、対象における中等症から重症の活動期のUCを治療する、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法で使用するための、抗IL-12及
び/又は抗IL-23抗体を含む医薬組成物、並びに組成物の調製方法及び医薬組成物を
含むキットを含む。
ある特定の実施形態では、本発明の方法に有用なキットは、本発明の静脈内投与用の医
薬組成物、及び本発明の皮下投与用の医薬組成物のうちの少なくとも1つを含む。他の実
施形態では、キットは、本発明の静脈内投与用医薬組成物及び皮下投与用医薬組成物の両
方を含む。
上述の「課題を解決するための手段」及び以降の「発明を実施するための形態」は、添
付の図面と併せて読むことでより良好に理解されるであろう。本発明は、図面に示される
実施形態そのものに限定されない点は理解されるべきである。
試験設計の図式表現を示す。略語、W8=8週目W16=16週目LTE=長期継続投与。
(発明の詳細な記述)
背景技術において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は
記載する。これら参照文献の各々はその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明
細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明のコンテキスト
を与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又
は特許請求されるいかなる発明に対しても先行技術の一部を構成することを容認するもの
ではない。
特に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が
属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。そうでない場合、
本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有するものである。本
明細書に引用する全ての特許、公開された特許出願及び刊行物は、参照によって恰もその
全体が本明細書に記載されているものと同様にして組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」及び「the
」は、特に文脈上明らかでない限り、複数の指示対象物を含むことに留意すべきである。
別途記載のない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、一連の全て
の要素を指すと理解されるべきである。当業者であれば、単なる通常の実験手順を使用す
るだけで、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態に対して多くの同等物を認識する
か、又は確認することができよう。このような等価物は、本発明によって包含されること
が意図される。
本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、文脈上必要としない限り、用語「含む(
comprise)」並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は、
指定の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を含むが、任意の他の整数若
しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外するものではないことを意味すると
理解されるであろう。本明細書で使用するとき、用語「含む」は、用語「含有する」又は
「含む(including)」に置き換えることができ、又はときに本明細書で使用するとき、
用語「有する」に置き換えることもできる。
本明細書で使用するとき、「からなる」は、特許請求の範囲の要素において指定されて
いない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。本明細書で使用するとき、「から本
質的になる」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材
料又はステップは除外しない。本発明の態様又は実施形態に関連して本明細書で使用する
とき、本開示の範囲を変化させるために、「含む(comprising)」、「含有する」、「含
む(including)」、及び「有する」という上記用語のいずれかを、用語「からなる」又
は「から本質的になる」に置き換えることができる。
本明細書で使用するとき、複数の列挙された要素間の接続的な用語「及び/又は」は、
個々の及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものとして理解される。例えば、2つ
の要素が「及び/又は」によって接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素なしの第
1の要素の適用性を指す。第2の選択肢は、第1の要素なしの第2の要素が適用可能であ
ることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用可能であることを指す
。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、意味に含まれ、したがって、本明細書で使用
される用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。選択肢のうちの2つ以上の
同時適用性もまた、意味に含まれることが理解され、したがって、用語「及び/又は」の
要件を満たす。
本明細書で使用するとき、「対象」とは、本発明の実施形態による方法によって治療さ
れる、又は治療された任意の動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する
。本明細書で使用するとき、用語「哺乳動物」とは、あらゆる哺乳動物を包含する。哺乳
動物の例としては、これらに限定されるものではないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネ
コ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル又は類人猿などの非ヒト霊長類(
NHP)、ヒト等、より好ましくはヒトが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「併用される」は、対象への2つ以上の治療薬の投与と
の関連において、複数の治療薬の使用を指す。用語「併用される」の使用は、治療薬を対
象に投与する順序について限定しない。例えば、第1の治療薬(例えば、本明細書に記載
される組成物)を、対象への第2の治療薬の投与の前(例えば、5分、15分、30分、
45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、
72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は
12週間前)、同時、又はその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2
時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間
、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与
することができる。
本明細書で使用するとき、「抗IL-12抗体」、「抗IL-23抗体」、「抗IL-
12/23p40抗体」、又は「IL-12/23p40抗体」は、サイトカインのイン
ターロイキン-12及びインターロイキン-23(IL-12/23p40)によって共
有される40kDa(p40)サブユニットに結合するモノクローナル抗体(mAb)又
はその抗原結合フラグメントを指す。この抗体は、RNA、DNA、若しくはタンパク質
合成、IL-12/23放出、IL-12/23受容体シグナル伝達、膜IL-12/2
3切断、IL-12/23活性、IL-12/23産生及び/又は合成などであるが、こ
れらに限定されない、IL-12/23活性又は機能のうちの少なくとも1つに影響を及
ぼすことができる。
用語「抗体」は、更に、抗体模倣薬を含む、あるいは単鎖抗体及びそのフラグメントな
どといった抗体の構造及び/若しくは機能を模倣する抗体の部分若しくはその特定フラグ
メント若しくは一部分を含む、抗体、その消化フラグメント、特定部分、及びバリアント
を包含することを意図する。機能フラグメントとしては、哺乳類のIL-12/23に結
合する抗原結合フラグメントが挙げられる。例えば、Fab(例えば、パパイン消化によ
る)、Fab’(例えば、ペプシン消化及び部分的還元による)及びF(ab’)(例
えば、ペプシン消化による)、facb(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(
例えば、ペプシン又はプラスミン消化による)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還
元及び再集合による)、Fv又はscFv(例えば、分子生物学的技術による)フラグメ
ントが挙げられるがこれらに限定されない、IL-12/23又はその部分に結合するこ
とができる抗体フラグメントが、本発明に包含される(例えば、上記のColligan
,Immunologyを参照のこと)。
かかるフラグメントは、当該技術分野において既知であるような、及び/又は本明細書
に記載のような、酵素による切断、合成又は組換え技術により生成することができる。抗
体はまた、1つ以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を
使用して、様々な切断型で生成することができる。例えば、F(ab’)重鎖部分をコ
ード化する遺伝子の組み合わせは、重鎖のC1ドメイン及び/又はヒンジ領域をコード
化するDNA配列を含むよう設計することができる。抗体の様々な部分を従来技術により
化学的に結合することができ、又は遺伝子工学技術を使用して隣接するタンパク質(cont
iguous protein)として調製することができる。
本明細書で使用するとき、用語「ヒト抗体」は、実質的にタンパク質の全ての部分(例
えば、CDR、フレームワーク、C、Cドメイン(例えば、C1、C2、C
)、ヒンジ(V、V))が軽微な配列の変化又は変異だけで実質的にヒトにおいて非
免疫原性である抗体を指す。「ヒト抗体」はまた、ヒト生殖細胞系列型の免疫グロブリン
配列に由来する抗体でも、又は厳密に一致する抗体でもあり得る。ヒト抗体は、生殖細胞
系列型免疫グロブリン配列にコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロにお
けるランダムな若しくは部位特異的な変異の導入により、又はインビボにおける体細胞突
然変異により導入された変異)を含み得る。多くの場合、これは、ヒト抗体がヒトにおい
て実質的に非免疫原性であることを意味する。ヒト抗体は、それらのアミノ酸配列の類似
性に基づいたグループに分類されている。したがって、配列類似性検索を使用して、類似
の直鎖配列を有する抗体を、ヒト抗体を作り出すためのテンプレートとして選択すること
ができる。同様に、名称に霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジー等)、げっ歯類(マウス、
ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター等)及び他の哺乳類を含む抗体は、かかる種、
亜属、属、亜科、及び科の特異的抗体であることを示す。更に、キメラ抗体は、上記の任
意の組み合わせを含み得る。かかる変化又は変異は、場合により、及び好ましくは、改変
していない抗体に比べて、ヒト又は他の種における免疫原性を保持するか又は低減させる
。したがって、ヒト抗体は、キメラ抗体又はヒト化抗体とは異なる。
ヒト抗体は、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/又は軽鎖
)遺伝子を発現することができる、ヒト以外の動物、又は原核若しくは真核細胞により生
成され得ることが指摘される。その上、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、天然のヒト抗体
では見られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、重鎖の可変領域と軽鎖の
可変領域とを接続する2~約8個のグリシン又は他のアミノ酸残基などのリンカーペプチ
ドを含み得る。かかるリンカーペプチドはヒト由来のものと見なされる。
本発明の方法及び組成物において有用である抗IL-12/23p40抗体(IL-1
2/23p40抗体とも称される)(又はIL-23に対する抗体)は、所望により、I
L-12/23p40への高親和性結合、任意選択でかつ好ましくは低毒性を有すること
を特徴とし得る。具体的には、可変領域、定常領域、及びフレームワークなどの個々の構
成要素が、個々に及び/又は集合的に、任意選択的にかつ好ましくは、低い免疫原性を有
する、本発明の抗体、その特定されたフラグメント、又はバリアントが本発明において有
用である。本発明で使用することができる抗体は、所望により、症状の測定可能な緩和並
びに低い及び/又は許容できる毒性を備えて、長期間対象を治療する能力を特徴とする。
低い若しくは許容できる免疫原性、及び/又は高い親和性、並びに他の好適な特性が、得
られる治療結果に寄与することができる。「低い免疫原性」は、本明細書では、治療され
る対象の約75%未満、若しくは好ましくは約50%未満で有意にHAHA、HACA若
しくはHAMA応答が増加する、及び/又は、治療される対象において低い力価(二重抗
原酵素免疫アッセイで測定したとき約300未満、好ましくは約100未満)が増加する
こととして定義される(Elliott et al.,Lancet 344:112
5-1127(1994)、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。「低い免疫原
性」は、治療期間中の推奨療法経過の間、推奨用量で治療される対象の25%未満、好ま
しくは治療される対象の10%未満で発生するとき、抗IL-12抗体で治療される対象
における抗IL-12抗体に対する滴定レベルの抗体の発生率としても定義することがで
きる。
「臨床的に証明された有効性」及び「臨床的に証明された有効な」という用語は、用量
、投与レジメン、治療又は方法の文脈において本明細書で使用するとき、特定の用量、投
与、治療レジメンの有効性を意味する。有効性は、本発明の薬剤に応答した、疾患の経過
中の変化に基づいて測定され得る。例えば、本発明の抗IL12/23p40(例えば、
ウステキヌマブ)は、治療されている障害の重症度を反映する少なくとも1つの指標にお
いて改善、好ましくは持続的な改善を引き起こすのに十分な量及び時間で、対象に投与さ
れる。その治療の量及び時間が十分であるかどうかを判定するために、対象の病気、疾患
又は病状の程度を反映する様々な指標が評価され得る。かかる指標には例えば、疾患重篤
度、症状、又は対象となっている障害の発現についての、臨床的に認識されている指標が
含まれる。改善度は全体的に医師により判定され、医師はこの判定を、徴候、症状、生検
、又は他の検査結果に基づいて行うことができ、また対象に対して行うアンケート、例え
ば所与の疾患に関して開発された生活の質に関する質問票などを採用することもできる。
例えば、本発明の抗IL12/23p40又は抗IL23抗体は、潰瘍性大腸炎に関連す
る対象の状態の改善を達成するために投与され得る。
この改善は、疾患活動性指標の改善、臨床症状の寛解、又は疾患活動性の任意の他の測
定によって示すことができる。このような疾患の指標は、潰瘍性大腸炎Mayoスコアで
ある。Mayoスコアは、排便回数、直腸出血、内視鏡所見、及び医師の総合評価(PG
A)の4つのサブスコアの合計として計算される、軽症、中等症、及び重症の潰瘍性大腸
炎(UC)について、確立され、妥当性が検証された疾患活動性指数であり、0~12の
範囲である。3~5点のスコアは、軽度の活動性疾患を示し、6~10点のスコアは中等
度の活動性疾患を示し、11~12点のスコアは重度の疾患を示す。内視鏡サブスコアな
しのMayoスコアである部分的Mayoスコアは、排便回数、直腸出血、及び医師の総
合評価サブスコアの合計として計算され、0~9の範囲である。PGAサブスコアなしの
Mayoスコアである修正Mayoスコアは、排便回数、直腸出血、及び内視鏡サブスコ
アの合計として計算され、0~9の範囲である。UCについての他の疾患活動性指標とし
ては、例えば、潰瘍性大腸炎の内視鏡的重症度評価指標(Ulcerative Colitis Endoscopi
c Index of Severity)(UCEIS)スコア及びブリストル便性状スケール(Bristol s
toolformscale)(BSFS)スコアが挙げられる。UCEISスコアは、粘膜血管パタ
ーン、出血、及び潰瘍化に基づいて、UCの内視鏡的重症度の総合評価を提供する(Tr
avis et al.,Gut.61:535-542(2012))。スコアは3~
11の範囲であり、より高いスコアは、内視鏡検査によるより重度の疾患を示す。BSF
Sスコアは、ヒト糞便の性状(又は一貫性)を7つのカテゴリに分類するために使用され
る(Lewis and Heaton,Scand J Gastroenterol
.32(9):920-924(1997))。
本明細書で使用するとき、「臨床応答」という用語は、薬物投与に対する対象の応答に
関連する場合、≧1の直腸出血サブスコアにおけるベースラインからの減少又は0若しく
は1の直腸出血サブスコアのいずれかを伴う、≧30%かつ≧3点のMayoスコアにお
ける導入期ベースラインからの減少を指す。
「臨床的に証明された安全性」という用語は、本発明の抗IL-12/IL-23p4
0抗体(例えば、ウステキヌマブ)による用量、投与レジメン、治療又は方法に関する場
合、標準治療又は別の比較薬と比べて、治療下で発現した有害事象(adverse event、A
E又はtreatment-emergent adverse event、TEAEと称される)の許容可能な頻度及び
/又は許容可能な重症度を伴う、良好なリスク:利益比を指す。本明細書で使用するとき
、「有害事象」、「治療中に発生した有害事象」、及び「有害反応」は、医薬組成物又は
治療薬の投与に関連するか、若しくはこれらによって引き起こされた、任意の有害な、好
ましくない、意図しない若しくは望ましくない兆候又は結果を意味する。これは、医薬品
を投与された対象における好ましくない医療上の出来事である。しかしながら、異常な値
又は観測結果は、治験担当医によって臨床的に有意であると見なされない限り、有害事象
として報告されない。本明細書で使用するとき、有害事象を指す場合、「臨床的に明らか
な」とは、当業者に許容される基準を使用して、医師又は治験担当医によって決定される
ような臨床的に有意であることを意味する。有害事象の有害又は望ましくない結果がこの
ような重症度に達すると、規制当局は、医薬組成物又は治療薬を提案される使用には許容
できないと見なし得る。特に、本発明の抗IL12/23p40又は抗IL23抗体によ
る用量、投与レジメン又は治療に関連する「安全」は、有害事象が抗IL12/23p4
0又は抗IL23抗体の使用による可能性がある、可能性が高い、又は非常に高いと考え
られる場合、抗体の投与に関連する有害事象の許容される頻度及び/又は許容される重症
度を指す。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「臨床的に証明された」(独立し
て、又は用語「安全性」及び/又は「有効」を修正するために使用される)は、臨床試験
によって証明されており、臨床試験が、米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国家
規制機関の承認基準を満たしていることを意味するものとする。例えば、臨床試験は、薬
剤の効果を臨床的に証明するために使用される、適切なサイズのランダム化二重盲検試験
であってもよい。
本明細書で使用するとき、「mg/kg」単位での抗IL-12/IL-23p40抗
体の投与量は、抗体を投与される対象の体重1キログラム当たりの抗IL-12/IL-
23p40抗体のミリグラムの量を指す。
本発明の抗体-産生及び作製
本発明の方法において使用される少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗
IL-23)は、任意選択的に、当該技術分野において周知の細胞株、混合細胞株、不死
化細胞、又は不死化細胞のクローン集団によって産生することができる。例えば、Aus
ubel,et al.,ed.,Current Protocols in Mol
ecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY
,NY(1987-2001)、Sambrook,et al.,Molecular
Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition
,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and
Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold
Spring Harbor,NY(1989)、Colligan,et al.,
eds.,Current Protocols in Immunology,Joh
n Wiley&Sons,Inc.,NY(1994-2001)、Colligan
et al.,Current Protocols in Protein Sci
ence,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997-2001)を参
照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
ヒトIL-12/23p40若しくはIL-23タンパク質又はそのフラグメントに特
異的なヒト抗体は、単離されたIL-12/23p40タンパク質、IL-23タンパク
質、及び/又はそれらの一部分(合成ペプチドなどの合成分子を含む)などの適切な免疫
原性抗原に対して生じ得る。他の特定の又は一般的な哺乳動物の抗体も同様に生じ得る。
免疫原性抗原の調製及びモノクローナル抗体の産生は、本開示を考慮して、任意の好適な
技術を用いて実施することができる。
1つのアプローチでは、適切な不死細胞株(例えば、限定されないが、Sp2/0、S
p2/0-AG14、NSO、NS1、NS2、AE-1、L.5、L243、P3X6
3Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5
、U937、MLA144、ACT IV、MOLT4、DA-1、JURKAT、WE
HI、K-562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL-60、MLA144、N
AMALWA、NEURO 2Aなどの骨髄腫細胞株、又はヘテロミローマス、その融合
産物、又はそれに由来する任意の細胞若しくは融合細胞、又は当該技術分野において既知
の任意の他の好適な細胞株)(例えば、www.atcc.org、www.lifet
ech.comなどを参照されたい)を、限定されないが、単離された又はクローン化さ
れた脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺、又は他の免疫若しくはB細胞含有細胞などの抗体産
生細胞、あるいは内因性又は異種核酸として、組換え若しくは内因性、ウイルス、細菌、
藻、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚、哺乳類、げっ歯類、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ヒ
ツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNA若
しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、単一、
二重若しくは三重鎖、ハイブリダイズなど、又はそれらの任意の組み合わせとしてのいず
れかで、重鎖又は軽鎖の定常若しくは可変、又はフレームワーク若しくはCDR配列を発
現する任意の他の細胞と融合することによりハイブリドーマを産生する。例えば、上記の
Ausubel及びColligan,Immunology chapter 2を参
照されたく、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗体産生細胞はまた、目的の抗原で免疫されたヒト又は他の好適な動物の末梢血、又は
好ましくは脾臓若しくはリンパ節から得ることもできる。任意の他の好適な宿主細胞を使
用して、本発明の抗体、特定されたフラグメント又はそのバリアントをコードする異種核
酸若しくは内在核酸を発現させることもできる。融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え
細胞は、選択的培養条件又は他の好適な既知の方法を使用して単離し、限界希釈若しくは
細胞選別又は他の既知の方法によってクローニングすることができる。所望の特異性を有
する抗体を産生する細胞は、好適なアッセイ(例えばELISA)によって選択すること
ができる。
ペプチド又はタンパク質ライブラリから組換え抗体を選択する(例えば、バクテリオフ
ァージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなどのディスプレイライブ
ラリであるがこれに限定されない、例えば、Cambridge antibody T
echnologies,Cambridgeshire,UK、MorphoSys,
Martinsreid/Planegg,DE、Biovation,Aberdee
n,Scotland,UK、BioInvent,Lund,Sweden、Dyax
Corp.,Enzon,Affymax/Biosite、Xoma,Berkel
ey,CA、Ixsys。例えば、欧州特許第368,684号、国際出願PCT/GB
91/01134号、国際出願PCT/GB92/01755号、国際出願PCT/GB
92/002240号、国際出願PCT/GB92/00883号、国際出願PCT/G
B93/00605号、米国特許出願第08/350260号(5/12/94)、国際
出願PCT/GB94/01422号、国際出願PCT/GB94/02662号、国際
出願PCT/GB97/01835号、(CAT/MRC)、国際公開第90/1444
3号国際公開第90/14424号国際公開第90/14430号国際出願PCT/US
94/1234号、国際公開第92/18619号国際公開第96/07754号(Sc
ripps)、国際公開第96/13583号、国際公開第97/08320号(Mor
phoSys)、国際公開第95/16027号(BioInvent)、国際公開第8
8/06630号国際公開第90/3809号(Dyax)、米国特許第4,704,6
92号(Enzon)、国際出願PCT/US91/02989号(Affymax)、
国際公開第89/06283号、欧州特許第371998号、欧州特許第550400号
、(Xoma)、欧州特許第229046号、国際出願PCT/US91/07149号
(Ixsys)、又は確率論的に生成されるペプチド若しくはタンパク質-米国特許第5
723323号、同第5763192号、同第5814476号、同第5817483号
、同第5824514号、同第5976862号、国際公開第86/05803号、欧州
特許第590 689号(Ixsys、適用された分子進化(Applied Mole
cular Evolution)(AME)前身、各々は、参照により全体が本明細書
に組み込まれる)か、又は当該技術分野において既知であり、かつ/又は本明細書に記載
される、ヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物の免疫
化に依存する(例えば、SCIDマウス、Nguyen et al.,Microbi
ol.Immunol.41:901-907(1997)、Sandhu et al
.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95-118(1996)、Er
en et al.,Immunol.93:154-161(1998)(各々は、参
照により全体が組み込まれる)、並びに関連する特許及び出願)方法を含むがこれらに限
定されない、必要な特異性の抗体を生成又は単離する他の好適な方法を使用することがで
きる。かかる技術には、リボソームディスプレイ(Hanes et al.,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937-4942(Can 1997
)、Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95
:14130-14135(Nov.1998))、単一細胞抗体生成技術(例えば、選
択リンパ球抗体方法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号、Wen et
al.,J.Immunol.17:887-892(1987)、Babcook
et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843-78
48(1996))、ゲルマイクロドロップレット(gel microdroplet)、及びフローサ
イトメトリー(Powell et al.,Biotechnol.8:333-33
7(1990)、One Cell Systems,Cambridge,MA、Gr
ay et al.,J.Imm.Meth.182:155-163(1995)、K
enny et al.,Bio/Technol.13:787-790(1995)
)、B細胞選択物(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.
Reports 19:125-134(1994)、Jonak et al.,Pr
ogress Biotech,Vol.5,In Vitro Immunizati
on in Hybridoma Technology,Borrebaeck,ed
.,Elsevier Science Publishers B.V.,Amste
rdam,Netherlands(1988))が挙げられるが、これらに限定されな
い。
ヒト以外の抗体又はヒト抗体を工学的処理又はヒト化する方法も同様に使用でき、当該
技術分野において周知である。一般に、ヒト化抗体又は改変抗体は、ヒト以外、例えば、
限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、ヒト以外の霊長類、又は他の哺乳動物に由来
する1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらのヒト以外のアミノ酸残基は、しばしば「
インポート」残基と呼ばれる残基により置き換えられる。かかる「インポート」残基は、
典型的には既知のヒト配列の「インポート」可変ドメイン、定常ドメイン、又は他のドメ
インから得られる。
既知のヒトIg配列が開示され、例えば、www.ncbi.nlm.nih.gov
/entrez/query.fcgi、www.ncbi.nih.gov/igbl
ast、www.atcc.org/phage/hdb.html、www.mrc-
cpe.cam.ac.uk/ALIGNMENTS.php、www.kabatda
tabase.com/top.html、ftp.ncbi.nih.gov/rep
ository/kabat、www.sciquest.com/、www.abca
m.com/、www.antibodyresource.com/onlineco
mp.html、www.public.iastate.edu/~pedro/re
search_tools.html、www.whfreeman.com/immu
nology/CH05/kuby05.htm、www.hhmi.org/gran
ts/lectures/1996/vlab/、www.path.cam.ac.u
k/~mrc7/mikeimages.html、mcb.harvard.edu/
BioLinks/Immunology.html、www.immunologyl
ink.com、pathbox.wustl.edu/~hcenter/index
.html、www.appliedbiosystems.com、www.nal.
usda.gov/awic/pubs/antibody、www.m.ehime-
u.ac.jp/~yasuhito/Elisa.html、www.biodesi
gn.com、www.cancerresearchuk.org、www.biot
ech.ufl.edu、www.isac-net.org、baserv.uci.
kun.nl/~jraats/links1.html、www.recab.uni
-hd.de/immuno.bme.nwu.edu、www.mrc-cpe.ca
m.ac.uk、www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html、
http://www.bioinf.org.uk/abs、antibody.ba
th.ac.uk、www.unizh.ch、www.cryst.bbk.ac.u
k/~ubcg07s、www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/
ccaewg.html、www.path.cam.ac.uk/~mrc7/hum
anisation/TAHHP.html、www.ibt.unam.mx/vir
/structure/stat_aim.html、www.biosci.miss
ouri.edu/smithgp/index.html、www.jerini.d
e、Kabat et al.,Sequences of Proteins of
Immunological Interest,U.S.Dept.Health(1
983)であり、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
かかるインポートされた配列は、免疫原性を低減させるため、あるいは、当該技術分野
において既知のように、結合、親和性、結合速度定数、解離速度定数、結合活性、特異性
、半減期、又は任意の他の好適な特性を低減、増強又は改変するために使用することがで
きる。一般的に、CDR残基は、抗原結合に直接的にかつほとんど実質的に影響する。し
たがって、ヒト以外のCDR配列又はヒトCDR配列の一部又は全てを維持しつつ、可変
領域及び定常領域のヒト以外の配列を、ヒトのアミノ酸又は他のアミノ酸に置き換えるこ
ともできる。
抗体は、任意選択的に、ヒト化されてもよく、又はヒト抗体は、抗原に対する高い親和
性及び他の有利な生物学的特性を保持させたまま改変され得る。この目的を達成するため
には、任意選択的に、親及びヒト化配列の3次元モデルを使用して親配列及び様々な理論
上のヒト化産物を解析するプロセスによって、ヒト化(又はヒト)抗体を調製することが
できる。3次元の免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られ
ている。選択された免疫グロブリン配列候補について可能性の高い3次元立体構造を図示
及び表示するコンピュータプログラムを利用可能である。これらの表示を調べることによ
り、免疫グロブリン配列候補の機能において残基が示す可能性の高い働きの解析、すなわ
ち免疫グロブリン候補の抗原結合能に影響する残基の解析が可能となる。このようにして
、標的抗原(複数可)に対する親和性の増強などといった望ましい抗体特性が達成される
ように、コンセンサス配列及びインポート配列からフレームワーク(FR)残基を選択し
組み合わせることができる。
加えて、本発明の方法において使用されるヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL
-23)特異的抗体は、ヒト生殖系列軽鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態で
は、軽鎖生殖系列配列は、A1、A10、A11、A14、A17、A18、A19、A
2、A20、A23、A26、A27、A3、A30、A5、A7、B2、B3、L1、
L10、L11、L12、L14、L15、L16、L18、L19、L2、L20、L
22、L23、L24、L25、L4/18a、L5、L6、L8、L9、O1、O11
、O12、O14、O18、O2、O4、及びO8を含むが、これらに限定されないヒト
VK配列から選択される。ある特定の実施形態では、軽鎖ヒト生殖系列フレームワークは
、V1-11、V1-13、V1-16、V1-17、V1-18、V1-19、V1-
2、V1-20、V1-22、V1-3、V1-4、V1-5、V1-7、V1-9、V
2-1、V2-11、V2-13、V2-14、V2-15、V2-17、V2-19、
V2-6、V2-7、V2-8、V3-2、V3-3、V3-4、V4-1、V4-2、
V4-3、V4-4、V4-6、V5-1、V5-2、V5-4、及びV5-6から選択
される。
他の実施形態では、本発明の方法において使用されるヒト抗IL-12/23p40(
又は抗IL-23)特異的抗体は、ヒト生殖系列重鎖フレームワークを含み得る。特定の
実施形態では、この重鎖ヒト生殖系列フレームワークは、VH1-18、VH1-2、V
H1-24、VH1-3、VH1-45、VH1-46、VH1-58、VH1-69、
VH1-8、VH2-26、VH2-5、VH2-70、VH3-11、VH3-13、
VH3-15、VH3-16、VH3-20、VH3-21、VH3-23、VH3-3
0、VH3-33、VH3-35、VH3-38、VH3-43、VH3-48、VH3
-49、VH3-53、VH3-64、VH3-66、VH3-7、VH3-72、VH
3-73、VH3-74、VH3-9、VH4-28、VH4-31、VH4-34、V
H4-39、VH4-4、VH4-59、VH4-61、VH5-51、VH6-1、及
びVH7-81から選択される。
特定の実施形態では、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域は、フレームワーク領域、
又はフレームワーク領域の少なくとも一部(例えば、FR2及びFR3などの2又は3つ
の小領域を含む)を含む。ある特定の実施形態では、少なくともFRL1、FRL2、F
RL3、又はFRL4は、完全ヒトである。他の実施形態では、少なくともFRH1、F
RH2、FRH3、又はFRH4は、完全ヒトである。いくつかの実施形態では、少なく
ともFRL1、FRL2、FRL3、又はFRL4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖
系列)であるか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列(上述の既知
のヒトIg配列の供給源で容易に入手可能である)を含む。他の実施形態では、少なくと
もFRH1、FRH2、FRH3、又はFRH4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系
列)であるか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列を含む。好まし
い実施形態では、フレームワーク領域は、完全なヒトフレームワーク領域である。
本発明の抗体のヒト化又は工学的処理は、Winter(Jones et al.,
Nature 321:522(1986)、Riechmann et al.,Na
ture 332:323(1988)、Verhoeyen et al.,Scie
nce 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immuno
l.151:2296(1993)、Chothia and Lesk,J.Mol.
Biol.196:901(1987),Carter et al.,Proc.Na
tl.Acad.SCi.U.S.A.89:4285(1992)、Presta e
t al.,J.Immunol.151-2623(1993)、米国特許第5723
323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第
5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,76688
6号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第56
93762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号、
同第4816567号、国際出願PCT/:US98/16280号、US96/189
78号、US91/09630号、US91/05939号、US94/01234号、
GB89/01334号、GB91/01134号、GB92/01755号、国際公開
第90/14443号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号
、欧州特許第229246号(各々、参照により全体が明細書に組み込まれ、その中に引
用される文献を含む)に記載されるものなどであるがこれらに限定されない、任意の既知
の方法を使用して行うことができる。
所定の実施形態において、抗体は、改変された(例えば、変異を導入された)Fc領域
を含む。例えば、いくつかの実施形態において、Fc領域は、抗体のエフェクター機能を
低減又は増強するために改変されている。いくつかの実施形態において、Fc領域は、I
gM、IgA、IgG、IgE、又は他のアイソタイプから選択されるアイソタイプであ
る。あるいは、又は加えて、アミノ酸修飾と、IL-23結合分子のFc領域のC1q結
合及び/又は補体依存性細胞傷害性機能を変更する1つ以上の更なるアミノ酸修飾とを組
み合わせることが有用であり得る。特定の目的の出発ポリペプチドは、C1qに結合する
ものであることができ、補体依存性細胞毒性(CDC)を示す。既存のC1q結合活性を
有し、任意選択的に更にCDCを介在する能力を有するポリペプチドは、これらの活性の
うちの1つ又は両方が増進するように、修飾され得る。C1qを改変する、かつ/又はそ
の補体依存性細胞傷害機能を修飾するアミノ酸修飾は、例えば、国際公開第004207
2号に記載され、参照により本明細書に組み入れる。
上記に開示されるように、例えば、C1q結合及び/又はFcγR結合を修飾し、それ
により、補体依存性細胞毒性(CDC)活性及び/又は抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(
antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)活性を変化させることに
よって、変更されたエフェクター機能を有する本発明のヒト抗IL-12/23p40(
又は抗IL-23)特異的抗体のFc領域を設計することができる。「エフェクター機能
」は、(例えば、対象における)生物活性を活性化又は低減させる役割を果たす。エフェ
クター機能の例として、これらに限定されるものではないが、C1q結合、CDC、Fc
受容体結合、ADCC、貪食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)の
ダウンレギュレーションなどが挙げられる。かかるエフェクター機能は、Fc領域が結合
ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と結合することを必要とする場合があり、また多
種多様なアッセイ(例えば、Fc結合アッセイ、ADCCアッセイ、CDCアッセイなど
)を使用して評価することができる。
例えば、改善されたC1q結合及び改善されたFcγRIII結合を有する(例えば、
改善されたADCC活性及び改善されたCDC活性の両方を有する)ヒト抗IL-12/
23p40(又は抗IL-23)抗体の変異体Fc領域を生成することができる。あるい
は、エフェクター機能を低減又は除去することが所望される場合、Fc領域のバリアント
は、CDC活性を低減させるよう及び/又はADCC活性を低減させるよう改変すること
ができる。他の実施形態において、これらの活性の1つだけが増強されてもよく、任意選
択的に、同時に他の活性が低減され得る(例えば、改善されたADCC活性と低減された
CDC活性を有するFc領域バリアント、及びこの逆のFc領域バリアントを生成するた
め)。
Fc変異は、胎児性Fc受容体(FcRn)との相互作用を変更し、それらの薬物動態
特性を改善するように遺伝子を操作して、導入することもできる。FcRnへの結合を改
善したヒトFc変異体の収集は、説明されている(Shields et al.,(2
001).High resolution mapping of the bind
ing site on human IgG1 for FcγRI,FcγRII、
FcγRIII,and FcRn and design of IgG1 vari
ants with improved binding to the FCγR、J
.Biol.Chem.276:6591-6604)。
別の種類のアミノ酸置換は、ヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)特異
的抗体のFc領域のグリコシル化パターンを変更するのに役立つ。Fc領域のグリコシル
化は、典型的に、N結合型又はO結合型のいずれかである。N結合型とは、アスパラギン
残基の側鎖への炭水化物部分の付加を言う。O連鎖グリコシル化は、5-ヒドロキシプロ
リン又は5-ヒドロキシリジンも使用され得るが、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的には
セリン又はスレオニンへの糖類、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシ
ロースのうちの1つの付着を言う。アスパラギン側鎖ペプチド配列への炭水化物部分の酵
素的付加のための認識配列は、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオ
ニンであり、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である。このため、ポリペプチド中にこ
れらのいずれかのペプチド配列が存在すると、グリコシル化が生じ得る部位がもたらされ
る。
グリコシル化パターンは、例えば、ポリペプチドに見出される1つ以上のグリコシル化
部位(複数可)を欠失させること、及び/又はポリペプチド中に存在しない1つ以上のグ
リコシル化部位を付加することによって変更され得る。ヒトIL-23特異的抗体のFc
領域へのグリコシル化部位の付加は、上記のトリペプチド配列の1つ以上を含むようにア
ミノ酸配列を改変することによって首尾よく達成される(N連鎖グリコシル化部位の場合
)。例示的なグリコシル化変異体は、重鎖の残基Asn297のアミノ酸置換を有する。
この変更は、元々のポリペプチド配列への1つ以上のセリン又はスレオニン残基の付加、
又はこれらによる置換によっても行われ得る(O結合型グリコシル化部位の場合)。加え
て、Asn 297をAlaに変更すると、グリコシル化部位の1つを除去することがで
きる。
ある特定の実施形態では、本発明のヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL-23
)特異的抗体は、GnT IIIがGlcNAcをヒト抗IL-12/23p40(又は
抗IL-23)抗体に付加するように、ベータ(1,4)-N-アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼIII(GnT III)を発現する細胞において発現される。かか
る様式で抗体を産生するための方法は、国際公開第9954342号、国際公開第030
11878号、特許公報20030003097A1、及びUmana et al.,
Nature Biotechnology,17:176-180,Feb.1999
に提供されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込ま
れる。
ヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体はまた、任意選択的に、本明
細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知であるように、ヒト抗体のレパート
リーを産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムス
ター、非ヒト霊長類など)の免疫化により生成することもできる。ヒト抗IL-12/2
3p40(又は抗IL-23)抗体を産生する細胞を、かかる動物から単離し、本明細書
に記載される方法などの好適な方法を使用して不死化してもよい。
ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニッ
クマウスは、既知の方法によって生成することができる(例えば、これらに限定されない
が、Lonbergらに発行された米国特許第5,770,428号、同第5,569,
825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,8
25号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、及び同第5,789,
650号、Jakobovitsらの国際公開第98/50433号、Jakobovi
tsらの国際公開第98/24893号、Lonbergらの国際公開第98/2488
4号、Lonbergらの国際公開第97/13852号、Lonbergらの国際公開
第94/25585号、Kucherlapateらの国際公開第96/34096号、
Kucherlapateらの欧州特許第0463 151 B1号、Kucherla
pateらの欧州特許第0710 719 A1号、Suraniらの米国特許第5,5
45,807号、Bruggemannらの国際公開第90/04036号、Brugg
emannらの欧州特許第0438 474 B1号、Lonbergらの欧州特許第0
814 259 A2号、Lonbergらの英国特許第2 272 440 A号、L
onbergらのNature 368 856-859(1994)、Taylorら
のInt.Immunol.6(4)579-591(1994)、GreenらのNa
ture Genetics 7:13-21(1994)、MendezらのNatu
re Genetics 15:146-156(1997)、TaylorらのNuc
leic Acids Research 20(23):6287-6295(199
2)、TuaillonらのProc Natl Acad Sci USA 90(8
)3720-3724(1993)、LonbergらのInt Rev Immuno
l 13(1):65-93(1995)及びFishwaldらのNat Biote
chnol 14(7):845-851(1996)、これらは、参照により各全体が
本明細書に組み込まれる)。一般に、これらのマウスは、機能的に再構成された、又は機
能的な再構成を受けることができる少なくとも1つのヒト免疫グロブリン遺伝子座に由来
するDNAを含む、少なくとも1つの導入遺伝子を含む。かかるマウスの内因性免疫グロ
ブリン遺伝子座を破壊又は欠失させて、当該マウスの、内因性遺伝子によりコードされて
いる抗体の産生能を除去することができる。
類似のタンパク質又はフラグメントへの特異的結合についての抗体のスクリーニングは
、ペプチドディスプレイライブラリを使用して首尾よく達成することができる。この方法
は、望ましい機能又は構造をもつ個々の構成要素についてペプチドの大規模コレクション
をスクリーニングすることを含む。ペプチド表示ライブラリの抗体スクリーニングは当該
技術分野において周知である。ディスプレイされたペプチド配列の長さは、3~5000
個以上のアミノ酸であり、頻繁には5~100個のアミノ酸長、多くは約8~25個のア
ミノ酸長であり得る。ペプチドライブラリを作成する直接化学合成法に加えて、いくつか
の組換えDNA方法も記述されている。1つのタイプには、バクテリオファージ又は細胞
の表面上でのペプチド配列のディスプレイを含む。各バクテリオファージ又は細胞は、特
定のディスプレイされたペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含有する。かかる
方法は、国際公開第91/17271号、同第91/18980号、同第91/1981
8号、及び同第93/08278号に記載されている。
ペプチドライブラリを作成するための他のシステムは、in vitroでの化学合成
法及び組換え法の両方の態様を有する。国際公開第92/05258号、同第92/14
843号、及び同第96/19256号を参照されたい。また、米国特許第5,658,
754号及び同第5,643,768号も参照されたい。ペプチドディスプレイライブラ
リ、ベクター、及びスクリーニングキットは、Invitrogen(Carlsbad
,CA)及びCambridge antibody Technologies(Ca
mbridgeshire,UK)のような供給元から市販されている。例えば、Enz
onに譲渡された米国特許第4704692号、同第4939666号、同第49467
78号、同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5
534621号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号
、同第5856456号、Dyaxに譲渡された同第5223409号、同第54034
84号、同第5571698号、同第5837500号、Affymaxに譲渡された同
第5427908号、同第5580717号、Cambridge antibody
Technologiesに譲渡された同第5885793号、Genentechに譲
渡された同第5750373号、Xomaに譲渡された同第5618920号、同第55
95898号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号、
同第5698417号、Colligan(上記)、Ausubel(上記)、又は上記
のSambrookを参照されたく、上記特許及び刊行物の各々は、参照により全体が本
明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体はまた、かかる抗体を乳中に産生するヤギ、ウシ、ウマ
、ヒツジ、ウサギなどのトランスジェニック動物又は哺乳動物を提供するために、核酸を
コード化する少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を使
用して調製することもできる。かかる動物は、既知の方法を使用して準備することができ
る。例えば、これらに限定されないが、米国特許第5,827,690号、同第5,84
9,992号、同第4,873,316号、同第5,849,992号、同第5,994
,616号、同第5,565,362号、同第5,304,489号などを参照されたい
(それらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明の方法に使用される抗体は、植物部分又はそれから培養された細胞において、か
かる抗体、特定された部分、又は変異体を産生するトランスジェニック植物及び培養され
た植物細胞(例えば、タバコ及びトウモロコシであるが、これらに限定されない)を提供
するために、少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体コー
ド化核酸を使用して更に調製することができる。非限定的な例として、例えば、誘導プロ
モーターを用い、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉をうまく使用
して大量の組換えタンパク質が提供されてきた。例えば、Cramer et al.,
Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95-118(199
9)及びその中で引用される文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモロコ
シは、他の組換え系において生成されるタンパク質又は天然資源から精製されるタンパク
質に等しい生物学的活性を有する哺乳動物タンパク質を、商業生成レベルで発現するため
に使用されてきた。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Bio
l.464:127-147(1999)及びその中で引用される文献を参照されたい。
抗体はまた、単鎖抗体(scFv)などの抗体フラグメントを含む、タバコ種子及びポテ
ト塊茎などといったトランスジェニック植物の種子からも大量に生成されてきた。例えば
、Conrad et al.,Plant Mol.Biol.38:101-109
(1998)及びその中で引用される文献を参照されたい。したがって、本発明の抗体は
また、既知の方法に従って、トランスジェニック植物を使用して産生することもできる。
例えば、Fischer et al.,Biotechnol.Appl.Bioch
em.30:99-108(Oct.,1999),Ma et al.,Trends
Biotechnol.13:522-7(1995)、Ma et al.,Pla
nt Physiol.109:341-6(1995)、Whitelam et a
l.,Biochem.Soc.Trans.22:940-944(1994)、及び
その中で引用される文献も参照されたい。上記文献の各々は、参照によりその全体が本明
細書に組み込まれる。
本発明の方法において使用される抗体は、広範囲にわたる親和性(KD)でヒトIL-
12/IL-23p40又はIL-23に結合することができる。好ましい実施形態では
、ヒトmAbは、任意選択的に、高い親和性でヒトIL-12/IL-23p40又はI
L-23に結合することができる。例えば、ヒトmAbは、ヒトIL-12/IL-23
p40又はIL-23を約10-7M以下、例えば、限定されないが、0.1~9.9(
又はその中の任意の範囲若しくは値)X10-7、10-8、10-9、10-10、1
0-11、10-12、10-13、又はその中の任意の範囲若しくは値などのKDで結
合することができる。
抗原に対する抗体の親和性又は結合活性は、任意の好適な方法を用いて実験により求め
ることができる。(例えば、Berzofsky,et al.,「Antibody-
Antigen Interactions,」In Fundamental Imm
unology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New Yo
rk,NY(1984)、Kuby,Janis Immunology,W.H.Fr
eeman and Company:New York,NY(1992)、及び本明
細書に記載される方法を参照されたい。)特定の抗体抗原相互作用について測定される親
和性は、異なる条件(例えば、塩濃度、pH)下で測定された場合に異なり得る。したが
って、親和性及び他の抗原結合パラメータ(例えば、KD、Ka、Kd)の測定は、好ま
しくは、抗体及び抗原の標準化溶液、及び本明細書で記載される緩衝剤等の標準化緩衝剤
を用いて行われる。
ベクター及び宿主細胞
本発明は、単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子工学処理され
る宿主細胞、及び当該技術分野において周知である組換え技術による少なくとも1つの抗
IL-12/IL-23p40抗体の産生にも関する。例えば、上記のSambrook
ら、上記のAusubelらを参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み
込まれる。
ポリヌクレオチドは、任意選択的に、宿主の増殖についての選択マーカーを含有するベ
クターに結合することができる。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿
物のような沈殿物内、又は荷電脂質との複合体内に導入される。ベクターがウイルスであ
る場合は、適切な包装ング細胞株を用いてin vitroでこれを包装ングし、その後
、宿主細胞内に形質導入することができる。
DNA挿入物は、適切なプロモーターに機能的に連結されるべきである。発現コンスト
ラクトは、転写開始部位、転写終結部位、及び転写された領域内では翻訳のためのリボソ
ーム結合部位を更に含む。構築により発現する成熟した転写産物のコード部分は、好まし
くは、翻訳されるべきmRNAの最後に適切に位置する開始及び終止コドン(例えば、U
AA、UGA、又はUAG)で始まる翻訳を含み、哺乳類又は真核生物細胞の発現ではU
AA及びUAGが好ましい。
発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含むが、これは任意選択
的である。かかるマーカーは、例えば、真核細胞培養のためのメトトレキサート(met
hotrexate、MTX)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase
、DHFR、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号、同第4,6
56,134号、同第4,956,288号、同第5,149,636号、同第5,17
9,017号、アンピシリン、ネオマイシン(G418)、マイコフェノール酸又はグル
タミンシンセターゼ(glutamine synthetase、GS、米国特許第5,122,464号、
同第5,770,359号、同第5,827,739号)抵抗性遺伝子、並びに大腸菌(
E.coli)及び他の細菌又は原核生物における培養のためのテトラサイクリン又はアンピシ
リン抵抗性遺伝子を含むが、これらに限定されない(上記特許は、参照により全体が本明
細書に組み込まれる)。上記の宿主細胞に対して適切な培養培地及び条件は、当該技術分
野において既知である。好適なベクターは、当事者にとって容易に明白となるであろう。
宿主細胞へのベクターコンストラクトの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション
、DEAE-デキストランを介在させたトランスフェクション、カチオン性脂質を介在さ
せたトランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染又は他の既知の方
法により達成され得る。かかる方法については、上記のSambrook、第1~4章及
び第16~18章、上記のAusubel、第1、9、13、15、16章など、当該技
術分野において記載されている。
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗体は、融合タンパク質などの修飾された
形態で発現され得、分泌シグナルだけでなく、追加の異種機能領域も含み得る。例えば、
追加アミノ酸の領域、特に荷電アミノ酸を抗体のN末端に追加して、精製中又は後続の処
理及び保存中に、宿主細胞における安定性及び持続性を改善することができる。また、ペ
プチド部分を本発明の抗体に追加して、精製を促進することもできる。抗体又は少なくと
も1つのそのフラグメントの最終調製前に、かかる領域を除去することができる。かかる
方法は、上記のSambrook、第17.29~17.42章及び第18.1~18.
74章、上記のAusubel、第16、17及び18章など、多くの標準的な実験室マ
ニュアルに記載されている。
当業者であれば、本発明の方法に使用されるタンパク質をコード化する核酸の発現に利
用可能な多数の発現系について精通している。あるいは、核酸は、抗体をコード化する内
因性DNAを含有する宿主細胞内で、(操作により)オン切換えすることにより、宿主細
胞中で発現させることができる。かかる方法は、米国特許第5,580,734号、同第
5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号に記
載されているように、当該技術分野において周知であり、これらは参照により全体が本明
細書に組み込まれる。
抗体、その特定された部分又はバリアントの産生に有用な細胞培養物の一例は哺乳動物
細胞である。哺乳動物細胞系は、しばしば細胞からなる単層形態を取るが、哺乳動物細胞
の懸濁液又はバイオリアクターも使用可能である。無傷なグリコシル化タンパク質を発現
可能ないくつかの好適な宿主細胞株が当該技術分野において開発されており、これにはC
OS-1(例えばATCC CRL 1650)、COS-7(例えばATCC CRL
-1651)、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL-10)、CHO(
例えばATCC CRL1610)及びBSC-1(例えばATCC CRL-26)細
胞株、Cos-7細胞、CHO細胞、hep G2細胞、P3X63Ag8.653、S
P2/0-Ag14、293細胞、HeLa細胞などが挙げられ、これらは例えば、Am
erican Type Culture Collection,Manassas,
Va(www.atcc.org)から容易に入手できる。好ましい宿主細胞としては、
骨髄腫及びリンパ腫細胞などのリンパ系に由来する細胞が挙げられる。特に好ましい宿主
細胞はP3X63Ag8.653細胞(ATCC登録番号CRL-1580)及びSP2
/0-Ag14細胞(ATCC登録番号CRL-1851)である。特に好ましい実施形
態では、組換え細胞は、P3X63Ab8.653又はSP2/0-Ag14細胞である
これらの細胞の発現ベクターは、複製起点、プロモーター(例えば、後期又は初期SV
40プロモーター、CMVプロモーター(米国特許第5,168,062号、同第5,3
85,839号)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセレートキナーゼ)
プロモーター、EF-1αプロモーター(米国特許第5,266,491号)、少なくと
も1つのヒト免疫グロブリンプロモーター、エンハンサー、及び/又はリボソーム結合部
位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージT Agポリ
付加部位)、並びに転写終結配列などのプロセシング情報部位などであるがこれらに限定
されない、発現制御配列のうちの1つ以上を含み得る。例えば、上記のAusubelら
、上記のSambrookらを参照されたい。本発明の核酸又はタンパク質の生成に有用
なその他の細胞は既知であり、並びに/あるいは例えば、American Type
Culture Collectionの細胞株及びハイブリドーマのカタログ(www
.atcc.org)又はその他の既知の若しくは商業的供給源から入手可能である。
真核宿主細胞が利用されるとき、典型的には、ベクター内にポリアデニル化又は転写終
結配列が組み込まれる。終結配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル
化配列である。転写の正確なスプライシングのための配列も、同様に含むことができる。
スプライシング配列の一例は、SV40由来のVP1イントロンである(Sprague
,et al.,J.Virol.45:773-781(1983年))。加えて、当
該技術分野において既知であるように、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列を
ベクター内に組み込むことができる。
抗体の精製
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、プロテインA精製、硫酸アン
モニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィ、ホ
スホセルロースクロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、アフィニティクロ
マトグラフィ、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ及びレクチンクロマトグラフィ
が挙げられるがこれらに限定されない、周知の方法により、組換え細胞培養物から回収し
、精製することができる。高速液体クロマトグラフィ(「high performance liquid chro
matography、HPLC」)を精製に利用することもできる。例えば、Colligan、
Current Protocols in Immunology又はCurrent
Protocols in Protein Science,John Wiley
& Sons,NY,NY(1997-2001)の、例えば、第1、4、6、8、9
、10章を参照されたく、各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体には、天然に精製された産物、化学合成による手法の産
物、並びに例えば、酵母、高等植物、昆虫、及び哺乳動物細胞を含む、真核宿主から組換
え法により産生された産物が含まれる。組換え産物の手順に利用される宿主に応じて、抗
体は、グリコシル化されてもグリコシル化されなくてもよいが、グリコシル化されるのが
好ましい。かかる方法は、上記のSambrook、セクション17.37-17.42
、上記のAusubel、第10、12、13、16、18、及び20章、上記のCol
ligan,Protein Science、第12~14章などの多くの標準的な実
験室マニュアルに記載されており、全てが参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体
本発明による抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、抗体に組み込む
ことができる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分、例えば、限定されないが、少な
くとも1つのリガンド結合部分(ligand binding portion、LBP)、例えば、限定され
ないが、重鎖若しくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部分、重鎖
又は軽鎖可変領域、フレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、FR4、又
はそれらのフラグメント、更に場合により、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含
む)、重鎖又は軽鎖定常領域(例えば、少なくとも1つのCH1、ヒンジ1、ヒンジ2、
ヒンジ3、ヒンジ4、CH2、若しくはCH3、又はそれらのフラグメント、更に場合に
より、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含む)、又はそれらの任意の部分を含む
任意のタンパク質又はペプチド含有分子を含む。抗体は、ヒト、マウス、ウサギ、ラット
、げっ歯類、霊長類、又はそれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない
、任意の哺乳動物を含むか、又はそれに由来し得る。
好ましくは、ヒト抗体又は抗原結合フラグメントは、ヒトIL-12/IL-23p4
0又はIL-23に結合し、それにより、タンパク質の少なくとも1つの生物学的活性を
部分的又は実質的に中和する。少なくとも1つのIL-12/IL-23p40又はIL
-23タンパク質又はフラグメントの少なくとも1つの生物学的活性を部分的に又は好ま
しくは実質的に中和する抗体又はその特定された部分若しくは変異体は、タンパク質又は
フラグメントに結合し、それによりIL-12/IL-23p40又はIL-23の、I
L-12及び/又はIL-23受容体への結合を通して、又は他のIL-12/IL-2
3p40又はIL-23依存性又は媒介型機序を通して媒介される活性を阻害することが
できる。本明細書で使用するとき、「中和抗体」という用語は、アッセイに応じて約20
~120%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65
、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、
99、100%以上、IL-12/IL-23p40又はIL-23依存活性を阻害する
ことができる抗体を指す。抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体がIL-
12/IL-23p40又はIL-23依存活性を阻害する能力は、好ましくは、本明細
書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つの好適なIL-1
2/IL-23p40又はIL-23タンパク質又は受容体アッセイによって評価される
。ヒト抗体は、任意のクラス(IgG、IgA、IgM、IgE、IgD等)又はアイソ
タイプのものであってもよく、カッパ又はラムダ軽鎖を含み得る。一実施形態では、ヒト
抗体は、IgG重鎖又は規定されたフラグメント、例えば、IgG1、IgG2、IgG
3又はIgG4(例えば、γ1、γ2、γ3、γ4)のうちの少なくとも1つのアイソタ
イプを含む。このタイプの抗体は、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において
既知の、少なくとも1つのヒト軽鎖(例えば、IgG、IgA、及びIgM)導入遺伝子
を含む、トランスジェニックマウス又は他のヒト以外のトランスジェニック哺乳動物を利
用することによって調製することができる。別の実施形態において、抗IL-23ヒト抗
体は、IgG1重鎖と、IgG1軽鎖とを含む。
抗体は、少なくとも1つのIL-12/IL-23p40又はIL-23タンパク質、
サブユニット、フラグメント、部分、又はそれらの任意の組み合わせに特異的な少なくと
も1つの特定されたエピトープに結合する。この少なくとも1つのエピトープは、タンパ
ク質の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの抗体結合領域を含むことが可能であり、
このエピトープは好ましくは、タンパク質の少なくとも1つの細胞外部分、可溶性部分、
親水性部分、外側部分、又は細胞質部分から構成されている。
一般に、ヒト抗体又は抗原結合フラグメントは、少なくとも1つのヒト相補性決定領域
(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの重鎖可変領域の変異体、及
び少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少な
くとも1つの軽鎖可変領域の変異体を含む抗原結合領域を含む。CDR配列は、ヒト生殖
細胞系列型配列に由来するものでよく、又は生殖細胞系列型配列に厳密に一致するもので
もよい。例えば、元のヒト以外のCDRに由来する合成ライブラリに由来するCDRを使
用することができる。これらのCDRは、元のヒト以外の配列に由来する保存的置換の組
込みによって形成され得る。別の特定の実施形態では、抗体又は抗原結合部分又は変異体
は、対応するCDR1、2及び/又は3のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの軽鎖C
DR(すなわち、CDR1、CDR2、及び/又はCDR3)の少なくとも一部分を含む
抗原結合領域を有することができる。
かかる抗体は、組換えDNA技術に関する従来技術を使用して抗体をコードする(すな
わち、1つ又は2つ以上の)核酸分子を調製して発現させることによって、又は任意の他
の好適な方法を使用することによって、従来技術を使用して抗体の様々な部分(例えば、
CDR、フレームワーク)を一緒に化学的に結合させることにより調製できる。
一実施形態では、本発明に有用な抗IL-12/23p40抗体は、それぞれ配列番号
1、2、及び3の重鎖相補性決定領域(CDR)HCDR1、HCDR2、及びHCDR
3と、それぞれ配列番号4、5、及び6の軽鎖CDR LCDR1、LCDR2、及びL
CDR3を含む、モノクローナル抗体、好ましくはヒトmAbである。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体は、規定されたアミノ酸配
列を有する重鎖又は軽鎖可変領域のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、
好ましい実施形態では、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、配列番
号7に少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95
%、及び最も好ましくは100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号8
に少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、
及び最も好ましくは100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、を有する抗IL
-12/IL-23p40抗体を含む。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体は、規定されたアミノ酸配
列を有する重鎖又は軽鎖のうちの少なくとも1つを含むことができる。別の好ましい実施
形態では、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、配列番号10に少な
くとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、及び最
も好ましくは100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号11に少なくとも85
%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、及び最も好ましく
は100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、を有する抗IL-12/IL-2
3p40抗体を含む。
好ましくは、抗IL-12/23p40抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を有する
重鎖と、配列番号11のアミノ酸配列を含む軽鎖と、を含むウステキヌマブ(Stela
ra(登録商標))である。本発明に有用な抗IL-12/23p40抗体の他の例とし
ては、ブリアキヌマブ(Briakinumab)(ABT-874、Abbott)及び米国特許
第6,914,128号、同第7,247,711号、同第7700739号(これらの
内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている他の抗体が挙げられ
るが、これらに限定されない。
本発明はまた、本明細書に記載されるアミノ酸配列と実質的に同じである配列中のアミ
ノ酸を含む抗体、抗原結合フラグメント、免疫グロブリン鎖及びCDRにも関する。好ま
しくは、かかる抗体又は抗原結合フラグメント及びかかる鎖若しくはCDRを含む抗体は
、高い親和性(例えば、KDが約10-9M以下)で、ヒトIL-12/IL-23p4
0又はIL-23に結合することができる。本明細書に記載されている配列と実質的に同
じであるアミノ酸配列としては、保存的アミノ酸置換並びにアミノ酸欠失及び/又は挿入
を含む配列が挙げられる。保存的アミノ酸置換は、第1のアミノ酸のものに類似する化学
的及び/又は物理的特性(例えば、電荷、構造、極性、疎水性/親水性)をもつ第2のア
ミノ酸で、第1のアミノ酸を置換することを指す。保存的置換は、限定されないが、1個
のアミノ酸を、以下の群内の別のアミノ酸で置き換えることを含む:リジン(K)、アル
ギニン(R)、及びヒスチジン(H);アスパラギン酸塩(D)及びグルタミン酸塩(E
);アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、スレオニン(T)、チロシ
ン(Y)、K、R、H、D、及びE;アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、
イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)
、メチオニン(M)、システイン(C)、及びグリシン(G);F、W、及びY;C、S
、及びT。
ヒトIL-12/IL-23p40又はIL-23に結合し、画定された重鎖又は軽鎖
可変領域を含む抗体は、当該技術分野で既知及び/又は本明細書に記載の、ファージディ
スプレイ(Katsube,Y.,et al.,Int J Mol.Med,1(5
):863-868(1998))又はトランスジェニック動物を採用する方法など、好
適な方法を使用して調製することができる。例えば、機能的に再構成されたヒト免疫グロ
ブリン重鎖導入遺伝子と、機能的な再配列を受けることが可能なヒト免疫グロブリン軽鎖
遺伝子座からのDNAを含む導入遺伝子と、を含むトランスジェニックマウスを、ヒトI
L-12/IL-23p40又はIL-23若しくはそのフラグメントで免疫化して抗体
の産生を誘発することができる。所望する場合、抗体産生細胞を単離することができ、本
明細書に記載されるように、かつ/又は当該技術分野において既知であるように、ハイブ
リドーマ又は他の不死化させた抗体産生細胞を調製することができる。あるいは、抗体、
特定された部分又はバリアントは、好適な宿主細胞内で、コード核酸又はその一部分を使
用して発現させることができる。
本発明の方法に使用される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、本
明細書で特定されるように、自然突然変異又はヒトによる操作のいずれかによる、1つ以
上のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を含み得る。
当業者が行い得るアミノ酸置換の数は、上記のものを含む多くの要因に基づく。一般的
に言えば、所与の抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体、フラグメント又
は変異体のアミノ酸置換、挿入又は欠失の数は、本明細書で特定されるように、40、3
0、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7
、6、5、4、3、2、1、例えば、1~30又はこの中の任意の範囲若しくは値を超え
ない。
機能上不可欠である抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体内のア
ミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発などの、当該
技術分野において既知の方法により特定することができる(例えば、上記のAusube
l、Chapters 8,15;Cunningham and Wells,Sci
ence 244:1081-1085(1989))。後者の手順では、分子内の各残
基毎に単個のアラニンによる変異を導入する。得られた突然変異分子は、次いで、例えば
、限定されないが、少なくとも1つのIL-12/IL-23p40又はIL-23中和
活性などの生物活性について試験される。抗体結合にとって極めて重要である部位もまた
、結晶化、核磁気共鳴又は光親和性標識などの構造解析によって同定することができる(
Smith,et al.,J.Mol.Biol.224:899-904(1992
)及びde Vos,et al.,Science 255:306-312(199
2))。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、配列番号1、2、3、4、5
、6、7、8、10、又は11のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸のうちの5個~全
てから選択される、少なくとも1つの部分、配列、又は組み合わせを含むことができるが
、これらに限定されない。
IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体又は特定の部分若しくは変異体とし
ては、上記配列番号の少なくとも3~5個の隣接アミノ酸、上記配列番号の5~17個の
隣接アミノ酸、上記配列番号の5~10個の隣接アミノ酸、上記配列番号の5~11個の
隣接アミノ酸、上記配列番号の5~7個の隣接アミノ酸、上記配列番号の5~9個の隣接
アミノ酸から選択される少なくとも1つの部分、配列、又は組み合わせが挙げられ得るが
、これらに限定されない。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、更に任意選択的に、上記配列
番号5、17、10、11、7、9、119、108、449、又は214個の隣接アミ
ノ酸の70~100%の少なくとも1つのポリペプチドを含むことができる。一実施形態
では、免疫グロブリン鎖、又はその一部分(例えば、可変領域、CDR)のアミノ酸配列
は、上記配列番号のうちの少なくとも1つの対応する鎖のアミノ酸配列と、約70~10
0%の同一性(例えば、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79
、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、
93、94、95、96、97、98、99、100、又はこの中の任意の範囲若しくは
値)を有する。例えば、軽鎖可変領域のアミノ酸配列を、上記配列番号の配列と比較する
ことができ、又は重鎖CDR3のアミノ酸配列を、上記配列番号と比較することができる
。好ましくは、70~100%のアミノ酸同一性(すなわち、90、91、92、93、
94、95、96、97、98、99、100、又はこの中の任意の範囲若しくは値)は
、当該技術分野において既知であるように、好適なコンピュータアルゴリズムを使用して
決定される。
当該技術分野において既知のように、「同一性」は、配列を比較することにより判定さ
れる、2つ以上のポリペプチド配列間又は2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係であ
る。当該技術分野において、「同一性」はまた、かかる線状の配列間の一致によって決定
されるような、ポリペプチド又はポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度を意味する
。「同一性」及び「類似性」は、Computational Molecular B
iology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University P
ress,New York,1988、Biocomputing:Informat
ics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,A
cademic Press,New York,1993、Computer Ana
lysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.
M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,Ne
w Jersey,1994、Sequence Analysis in Molec
ular Biology,von Heinje,G.,Academic Pres
s,1987、及びSequence Analysis Primer,Gribsk
ov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Pre
ss,New York,1991、並びにCarillo,H.,and Lipma
n,D.,Siam J.Applied Math.,48:1073(1988)に
記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない、既知の方法によって容易に
算出することができる。加えて、同一性の割合に関する値は、Vector NTI S
uite 8.0(Informax,Frederick,MD)の構成要素であるA
lignXのセッティングのデフォルトを用いて作成される、アミノ酸及びヌクレオチド
配列アラインメントから得ることができる。
同一性を決定する好ましい方法は、試験される配列間で最大の一致度が得られるように
設計される。同一性及び類似性を決定する方法は、公的に入手可能なコンピュータプログ
ラムにおいて成文化(codified)されている。2つの配列間の同一性及び類似性を決定す
るための好ましいコンピュータプログラム方法は、GCGプログラム包装(Devere
ux,J.,et al.,Nucleic Acids Research 12(1
):387(1984))、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Atsch
ul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.215:403-410(1
990))を含むが、これらに限定されない。BLAST Xプログラムは、NCBI及
び他のソース(BLAST Manual,Altschul,S.,et al.,N
CBINLM NIH Bethesda,Md.20894:Altschul,S.
,et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)から公的
に入手可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性を決定す
るために使用され得る。
例示的な重鎖及び軽鎖可変領域の配列、並びにそれらの部分は、上記配列番号に示され
る。本発明の抗体、又はその特定された変異体は、本発明の抗体から任意の数の隣接アミ
ノ酸残基を含むことができ、その数は、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23
抗体における隣接残基数の10~100%からなる整数の群から選択される。任意選択的
に、隣接アミノ酸のこの部分列は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、
70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170
、180、190、200、210、220、230、240、250、又はそれ以上の
アミノ酸長、又はその中の任意の範囲若しくは値である。更に、かかる部分列の数は、少
なくとも2、3、4、又は5などの、1~20からなる群から選択される任意の整数であ
り得る。
当業者には明らかとなるように、本発明には、本発明の少なくとも1つの生物活性のあ
る抗体が含まれている。生物活性抗体は、天然(非合成)、内因性、又は関連する、及び
既知の抗体のものの、少なくとも20%、30%、又は40%、及び好ましくは少なくと
も50%、60%、又は70%、及び最も好ましくは少なくとも80%、90%、又は9
5%~100%以上(限定されないが、比活性の最大10倍を含む)の比活性を有する。
酵素活性及び基質特異性のアッセイ及び定量測定の方法は、当業者にとって周知である。
別の態様では、本発明は、有機部分の共有結合により修飾される、本明細書に記載され
るヒト抗体及び抗原結合フラグメントに関する。かかる修飾は、改善された薬物動態特性
(例えば、増大した、インビボでの血清半減期)をもつ抗体又は抗原結合フラグメントを
産生することができる。有機部分は、直鎖又は分枝鎖親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は
脂肪酸エステル基であることができる。特定の実施形態では、親水性ポリマー基は、分子
量が約800~約120,000ダルトンであって、ポリアルカングリコール(例えば、
ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ポリプロピレングリコール
(polypropylene glycol、PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマー又はポリビ
ニルピロリドンであり得、また、脂肪酸基又は脂肪酸エステル基は、約8~約40の炭素
原子を含み得る。
修飾された抗体及び抗原結合フラグメントは、抗体に直接的又は間接的に共有結合され
る、1つ以上の有機部分を含み得る。本発明の抗体又は抗原結合フラグメントに結合され
る各有機部分は、独立して、親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であり
得る。本明細書で使用するとき、「脂肪酸」という用語は、モノカルボン酸及びジカルボ
ン酸を含む。本明細書で使用するとき、「親水性ポリマー基」という用語は、オクタンよ
りも水に対する溶解度が高い有機ポリマーを意味する。例えば、ポリリシンは、オクタン
よりも水に対する溶解度が高い。よって、ポリリシンの共有結合により修飾された抗体は
、本発明に包含される。本発明の抗体を修飾する好適な親水性ポリマーは、直線状又は分
岐状であり得、例えば、ポリアルカングリコール(例えば、PEG、モノメトキシ-ポリ
エチレングリコール(monomethoxy-polyethylene glycol、mPEG)、PPGなど)、
炭水化物(例えば、デキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖など)、親水性アミノ酸
のポリマー(例えば、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリア
ルカンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、及び
ポリビニルピロリドンを含む。好ましくは、本発明の抗体を修飾する親水性ポリマーは、
個別の分子体として、約800~約150,000ダルトンの分子量を有する。例えば、
PEG5000及びPEG20,000を使用することができる。下付き文字は、ポリマ
ーの平均分子量(ダルトン)である。親水性ポリマー基は、1~約6個のアルキル基、脂
肪酸基又は脂肪酸エステル基で置換することができる。脂肪酸又は脂肪酸エステル基で置
換される親水性ポリマー類は、好適な方法を利用することによって調製することができる
。例えば、アミン基を含むポリマーを、脂肪酸又は脂肪酸エステルのカルボン酸塩に連結
させることができ、脂肪酸又は脂肪酸エステル上の活性化カルボン酸塩(例えば、N,N
-カルボニルジイミダゾールで活性化されている)をポリマー上のヒドロキシル基に連結
させることができる。
本発明の抗体を修飾するために好適な脂肪酸及び脂肪酸エステルは、飽和されてもよい
し、又は1つ以上の不飽和単位を含有してもよい。本発明の抗体を修飾するために適切な
脂肪酸として、例えば、n-ドデカン酸(C12、ラウリン酸)、n-テトラデカン酸(
C14、ミリスチン酸)、n-オクタデカン酸(C18、ステアリン酸)、n-エイコサ
ン酸(C20、アラキジン酸)、n-ドコサン酸(C22、ベヘン酸)、n-トリアコン
タン酸(C30)、n-テトラコンタン酸(C40)、シス-Δ9-オクタデカン酸(C
18、オレイン酸)、全てのシス-Δ5,8,11,14-エイコサテトラエン酸(C2
0、アラキドン酸)、オクタンジオン酸、テトラデカンジオン酸、オクタデカンジオン酸
、ドコサンジオン酸などが挙げられる。好適な脂肪酸エステルは、直鎖又は分枝鎖の低級
アルキル基を含む、ジカルボン酸のモノエステルを含む。低級アルキル基は、1~約12
個、好ましくは1~約6個の炭素原子を含んでもよい。
修飾ヒト抗体及び抗原結合フラグメントは、1つ以上の修飾剤と反応させるなど、好適
な方法を使用して調製することができる。本明細書で使用されるとき、用語「修飾剤」は
、活性化基を含む好適な有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を
意味する。「活性化基」とは、適切な条件下で第2の化学基と反応し、これにより修飾剤
と第2の化学基との間に共有結合を形成することのできる、化学部分又は官能基である。
例えば、アミン反応性活性化基としては、トシル酸、メシル酸、ハロ(クロロ、ブロモ、
フルオロ、ヨード)などの求電子基、N-ヒドロキシスクシニミジルエステル(N-hydrox
ysuccinimidyl esters、NHS)などが挙げられる。チオール類と反応可能な活性化基と
しては、例えば、マレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、
5-チオール-2-ニトロ安息香酸チオール(TNB-チオール)などが挙げられる。ア
ルデヒド官能基は、アミン-又はヒドラジド-含有分子と連結することができ、及び、ア
ジド基は、三価リン基と反応してホスホルアミデート又はホスホルイミド結合を形成する
ことができる。分子中に活性基を導入するための好適な方法が、当該技術分野において既
知である(例えば、Hermanson,G.T.、Bioconjugate Tec
hniques,Academic Press:San Diego,CA(1996
)参照)。活性化基は、有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に
直接的に、又はリンカー部分(例えば、二価のC1~C12基、ここで1つ以上の炭素原
子は酸素、窒素又は硫黄などのヘテロ原子に置換できる)を介して、結合することができ
る。適切なリンカー部分としては例えば、テトラエチレングリコール、-(CH2)3-
、-NH-(CH2)6-NH-、-(CH2)2-NH-及び-CH2-O-CH2-
CH2-O-CH2-CH2-O-CH-NH-が挙げられる。リンカー部分を含む修飾
剤は、例えば1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(ethyl-
3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide、EDC)の存在下で、モノ-Boc-アルキ
ルジアミン(例えば、モノ-Boc-エチレンジアミン、モノ-Boc-ジアミノへキサ
ン)を脂肪酸と反応させることにより、遊離アミンと脂肪酸カルボキシレートとの間のア
ミド結合を形成することによって生成可能である。Boc保護基を、トリフルオロ酢酸(
trifluoroacetic acid、TFA)処理により生成物から除去し、記載されているように別
のカルボン酸塩にカップリングできる一級アミンを露出させることができ、又はこれを無
水マレイン酸と反応させ、得られる生成物を環化させて脂肪酸の活性化マレイミド誘導体
を生成することができる。(例えば、国際公開第92/16221号(Thompson
ら)を参照されたく、参照によりこの教示の全体が本明細書に組み込まれる)。
修飾された抗体は、ヒト抗体又は抗原結合フラグメントを修飾剤と反応させることによ
って産生することができる。例えば、有機部分は、アミン反応性修飾剤、例えば、PEG
のNHSエステルを利用して、部位特異的なものではない方法で抗体に結合させることが
できる。抗体又は抗原結合フラグメントのジスルフィド結合(例えば鎖内ジスルフィド結
合)を還元することによって、修飾されたヒト抗体又は抗原結合フラグメントを調製する
こともできる。このとき、還元された抗体又は抗原結合フラグメントをチオール反応性修
飾剤と反応させて、本発明の修飾された抗体を産生することが可能である。本発明の抗体
の特定の部位に結合される有機部分を含む修飾されたヒト抗体及び抗原結合フラグメント
は、逆タンパク質分解(Fisch et al.,Bioconjugate Che
m.,3:147-153(1992)、Werlen et al.,Bioconj
ugate Chem.,5:411-417(1994)、Kumaran et a
l.,Protein Sci.6(10):2233-2241(1997)、Ito
h et al.,Bioorg.Chem.,24(1):59-68(1996)、
Capellas et al.,Biotechnol.Bioeng.,56(4)
:456-463(1997))、及びHermanson,G.T.,Bioconj
ugate Techniques,Academic Press:San Dieg
o,CA(1996)に記載される方法などの好適な方法を使用して調製することができ
る。
本発明の方法はまた、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である
ように、非自然発生組成物、混合物、又は形態で提供される少なくとも1つ、少なくとも
2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ以上のその抗
IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を含む、抗IL-12/IL-23p
40又はIL-23抗体組成物も使用する。かかる組成物は、上記配列番号の隣接アミノ
酸の70~100%、又はその特定されるフラグメント、ドメイン、若しくは変異体から
なる群から選択される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体のアミノ酸配
列の、少なくとも1つ又は2つの完全長、C及び/若しくはN末端欠失変異体、ドメイン
、フラグメント、又は特定された変異体を含む非自然発生組成物を含む。好ましい抗IL
-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、例えば、上記配列番号の70~
100%の、本明細書に記載される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体
配列、又はその特定されたフラグメント、ドメイン、若しくは変異体の、少なくとも1つ
のCDR又はLBP含有部分として、少なくとも1つ又は2つの完全長、フラグメント、
ドメイン、又は変異体を含む。更に好ましい組成物は、例えば、上記配列番号などの70
~100%、又はその特定されたフラグメント、ドメイン、若しくは変異体のうちの少な
くとも1つを40~99%含む。かかる組成物の百分率は、当該技術分野において既知で
あるように、又は本明細書に記載されるように、重量、容量、濃度、モル濃度、あるいは
液体若しくは無水溶液(dry solutions)、混合物、懸濁液、エマルション、粒子、粉末
、又はコロイドとしてのモル濃度によるものである。
更なる治療活性成分を含む抗体組成物
本発明の方法に使用される抗体組成物は、任意に更に、抗感染症薬、心血管(cardiova
scular、CV)系作用薬、中枢神経系(central nervous system、CNS)薬、自律神経
系(autonomic nervous system、ANS)薬、呼吸器薬、消化(gastrointestinal、GI
)管作用薬、ホルモン薬、体液又は電解質平衡薬、血液作用薬、抗腫瘍薬、免疫調節薬、
眼、耳又は鼻用薬、局所作用薬、栄養薬などのうち、少なくとも1つから選択される、少
なくとも1つの化合物又はタンパク質を有効量含むことができる。かかる薬剤は、本明細
書に示されるそれぞれの製剤、適応症、用量、及び投与を含めて、当該技術分野ではよく
知られている(例えば、Nursing 2001 Handbook of Drug
s,21st edition,Springhouse Corp.,Springh
ouse,PA,2001、Health Professional’s Drug
Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Pren
tice-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ、Phar
mcotherapy Handbook,Wells et al.,Appleto
n&Lange,Stamford,CTを参照されたく、各々は、参照により本明細書
に組み込まれる)。
本発明の方法の抗体と組み合わせることができる薬剤の例として、抗感染薬は、殺アメ
ーバ薬又は少なくとも1種の抗原虫薬、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬又は
少なくとも1種の抗らい菌薬、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、テト
ラサイクリン、スルホンアミド、フルオロキノロン、抗ウイルス薬、マクロライド抗感染
薬、及び種々の抗感染薬から選択される少なくとも1種であり得る。ホルモン薬は、コル
チコステロイド、アンドロゲン、又は少なくとも1種のアナボリックステロイド、エスト
ロゲン、又は少なくとも1種のプロゲスチン、ゴナドトロピン、抗糖尿病薬、又は少なく
とも1種のグルカゴン、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン拮抗薬、下垂体ホルモン、及び
副甲状腺様薬から選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種のセファロスポ
リンは、セファクロル、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフジニル、塩酸
セフェピム、セフィキシム、セフメタゾールナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフ
ォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォ
キシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフ
チブテン、セフチゾキシムナトリウム、セフトリアキソンナトリウム、セフロキシムアキ
セチル、セフロキシムナトリウム、塩酸セファレキシン、セファレキシン一水和物、セフ
ラジン、及びロラカルベフから選択される少なくとも1種であり得る。
少なくとも1種のコルチコステロイド(coricosteroid)は、ベタメタゾン、酢酸ベタ
メタゾン又はリン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸コル
チゾン、デキサメサゾン、酢酸デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、酢酸
フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコル
チゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、メ
チルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリ
ウム、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト
酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、及
び二酢酸トリアムシノロンから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の
アンドロゲン又はタンパク質同化ステロイド薬は、ダナゾール、フルオキシメステロン、
メチルテストステロン、デカン酸ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、テス
トステロン、シピオン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、プロピオン酸テス
トステロン、及びテストステロン経皮剤から選択される少なくとも1種であり得る。
少なくとも1種の免疫抑制剤は、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、
ダクリズマブ、リンパ球免疫グロブリン、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸モフェ
チル、塩酸ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス、6-メルカプトプリン、メトトレ
キサート、ミゾリビン、及びタクロリムスから選択される少なくとも1種であり得る。
少なくとも1種の局所抗感染薬は、アシクロビル、アンホテリシンB、アゼライン酸ク
リーム、バシトラシン、硝酸ブトコナゾール、リン酸クリンダマイシン、クロトリマゾー
ル、硝酸エコナゾール、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、ケトコナゾール、酢酸
マフェニド、メトロニダゾール(局所)、硝酸ミコナゾール、ムピロシン、塩酸ナフチフ
ィン、硫酸ネオマイシン、ニトロフラゾン、ナイスタチン、スルファジアジン銀、塩酸テ
ルビナフィン、テルコナゾール、塩酸テトラサイクリン、チオコナゾール、及びトルナフ
テートから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の疥癬殺虫剤若しくは
殺シラミ薬は、クロタミトン、リンデン、ペルメトリン、及びピレトリンから選択される
少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の局所コルチコステロイドは、ジプロピオン
酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、デソニド、デスオ
キシメタゾン、デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、二酢酸ジフロラゾン
、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フル
チカゾン、ハルシノニド(halcionide)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪
酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フロ酸モメタゾン、及びトリアムシノロ
ンアセトニドから選択される少なくとも1種であり得る。(例えば、Nursing 2
001 Drug Handbookの1098~1136ページを参照されたい。)
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、かかる調節、処置、又
は治療を必要とする細胞、組織、器官、動物、又は対象に接触されるか又は投与される少
なくとも1つの抗IL-12/23p40又はIL-23抗体を含み、場合により更に、
少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されないが、TNF化学若しくはタンパク
質拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体又はフラグメント、可溶性
TNF受容体(例えば、p55、p70、又はp85)又はフラグメント、その融合ポリ
ペプチド、又は小分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I若しくはII(T
BP-1又はTBP-II)、ネレリモンマブ(nerelimonmab)、インフリキシマブ、エ
タナセプト(eternacept)、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネル
セプトなど)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオ
グルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒドロキシ
クロロキン硫酸塩、レフルノミド、スルファサラジン)、免疫化、免疫グロブリン、免疫
抑制薬(例えば、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、
サイトカイン又はサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1種を含む、任意の好適
かつ有効な量の組成物又は医薬組成物のうちの少なくとも1つを更に含むことができる。
かかるサイトカインの非制限的な例としては、IL-1~IL-23など(例えば、IL
-1、IL-2等)のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。好適な投与量は
、当該技術分野において周知である。例えば、Wells et al.,eds.,P
harmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appl
eton and Lange,Stamford,CT(2000)、PDR Pha
rmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia
2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing
,Loma Linda,CA(2000)を参照されたく、これらの各々は、参照によ
り全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体化合物
、組成物、又は混合物は更に、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存
剤、アジュバントなどであるがこれらに限定されない、任意の好適な助剤のうちの少なく
とも1つを含み得る。薬学的に許容される助剤が好ましい。かかる滅菌溶液を調製する方
法及びその非限定例は、当該技術分野において周知であり、例えば、Gennaro、,
Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,
18thEdition,Mack Publishing Co.(Easton,P
A),1990が挙げられるが、これに限定されない。当該技術分野において周知である
、又は本明細書に記載されるように、抗IL-12/IL-23p40、フラグメント、
又は変異体組成物の投与方法、溶解度、及び/又は安定性に好適な医薬的に許容される担
体を、日常的に選択することができる。
本組成物において有用な薬学的賦形剤及び添加剤は、これらに限定されないが、タンパ
ク質、ペプチド、アミノ酸、脂質及び炭水化物(例えば、単糖類、二糖、三糖、四糖、及
びオリゴ糖を含む糖類、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などの誘導体化糖、並
びに多糖類又は糖ポリマー)を含み、これらは、単独で又は組み合わせて存在してもよく
、単独で又は組み合わせて1~99.99重量%又は容量%含まれる。例示的なタンパク
質賦形剤には、ヒト血清アルブミン(human serum albumin、HSA)などの血清アルブ
ミン、組換えヒトアルブミン(recombinant human albumin、rHA)、ゼラチン、カゼ
インなどが挙げられる。緩衝能においても機能し得る代表的なアミノ酸/抗体構成要素に
は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラ
ギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニル
アラニン、アスパルテームなどが挙げられる。好ましいアミノ酸の1つはグリシンである
本発明において使用に好適な炭水化物賦形剤として、例えば、フルクトース、マルトー
ス、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類、ラクトース
、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース
、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン類などの多糖類、マンニトール、キシリ
トール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ミ
オイノシトールなどのアルジトールが挙げられる。本発明で使用するのに好ましい炭水化
物賦形剤は、マンニトール、トレハロース、及びラフィノースである。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、緩衝剤又はpH調整剤
も含み得、典型的には、緩衝剤は、有機酸又は塩基から調製される塩である。代表的な緩
衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸
、又はフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸緩衝剤が
挙げられる。本組成物における使用に好ましい緩衝剤は、クエン酸などの有機酸塩である
加えて、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、ポリビニルピ
ロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば、2-ヒドロキシプロピ
ル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着
香剤、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN20
」及び「TWEEN80」などのポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)
、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA)などの
ポリマー賦形剤/添加剤を含み得る。
本発明による抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体、部分又は変異体組
成物における使用に好適なこれら及び追加の既知の薬学的賦形剤及び/又は添加剤は、当
該技術分野において既知であり、例えば、「Remington:The Scienc
e&Practice of Pharmacy」、19th ed.,William
s&Williams,(1995)、及び「Physician’s Desk Re
ference」、52nd ed,Medical Economics,Montv
ale,NJ(1998)に列挙されており、これらの開示は、参照により全体が本明細
書に組み込まれる。好ましい担体又は賦形剤材料は、炭水化物(例えば単糖類及びアルジ
トール)及び緩衝剤(例えばクエン酸)又はポリマー剤である。例示的な担体分子はムコ
多糖、ヒアルロン酸であり、これらは関節内送達に有用であり得る。
製剤
上述した通り、本発明は、好ましくは、生理食塩水又は選択された塩を含むリン酸緩衝
剤を含む安定した製剤、並びに保存剤を含有する保存溶液及び製剤、並びに薬学的に許容
できる製剤中に少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を
含む薬学的又は獣医学的用途に好適な多用途保存製剤を提供する。保存製剤は、水性希釈
剤中に、少なくとも1つの既知の、すなわち少なくとも1つのフェノール、m-クレゾー
ル、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フ
ェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネ
シウム(例えば、六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルな
ど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメ
ロサール、又はそれらの混合物からなる群から任意選択的に選択される保存剤を含有する
。当該技術分野において既知であるように、0.001~5%、又は0.001、0.0
03、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、
0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、
1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、
2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、
3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、
4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又はその中の任意の範囲若しくは値
などであるがこれらに限定されない、その中の任意の範囲若しくは値の、任意の好適な濃
度又は混合物が使用され得る。非限定的な例としては、保存剤無添加、0.1~2%m-
クレゾール(例えば、0.2、0.3.0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1~
3%のベンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0
、2.5%)、0.001~0.5%のチメロサール(例えば、0.005、0.01)
、0.001~2.0%のフェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.5
、0.9、1.0%)、0.0005~1.0%のアルキルパラベン(複数可)(例えば
、0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075
、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2
、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などが挙げられる。
上述の通り、本発明の方法は、包装材と、場合により水性希釈剤中に処方された緩衝剤
及び/又は保存剤を伴う少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-2
3抗体の溶液を含む少なくとも1つのバイアルと、を含む製品を使用し、当該包装材は、
かかる溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40
、48、54、60、66、72時間以上にわたり保持することができることを記すラベ
ルを含む。本発明は、包装材と、凍結乾燥された抗IL-12/IL-23p40又はI
L-23抗体を含む第1のバイアルと、処方された緩衝剤又は保存剤の水性希釈剤を含む
第2のバイアルと、を含む製品を更に使用し、当該包装材は、抗IL-12/IL-23
p40又はIL-23抗体を水性希釈剤でもどして、24時間以上にわたって保持するこ
とができる溶液を形成するように対象に指示するラベルを含む。
本発明により使用される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、本明
細書に記載されるか又は当該技術分野において既知の、哺乳類細胞又はトランスジェニッ
ク製剤から産生することを含む組換え手段により産生され得るか、又は他の生物源から精
製され得る。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体の範囲は、湿式/乾式系の場合、
もどすときに約1.0μg/ml~約1000mg/mlの濃度が得られる量で含まれる
が、より低い濃度及び高い濃度でも作業可能であり、意図される送達ビヒクルに依存し、
例えば溶液製剤では、経皮パッチ、肺、経粘膜、又は浸透圧性若しくはマイクロポンプ方
法とは異なる。
好ましくは、水性希釈剤は任意選択的に、薬学的に許容できる保存剤を更に含む。好ま
しい保存剤には、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロ
ロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブ
チルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及び
チメロサール又はそれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。製剤中で使
用される保存剤の濃度は、抗菌効果を生み出すのに十分な濃度である。かかる濃度は選択
された保存剤によって異なり、当業者により容易に決定される。
他の賦形剤、例えば、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び保存剤エンハンサーは、任意選
択的にかつ好ましくは希釈剤に添加することができる。グリセリンなどの等張剤が、既知
の濃度で一般に使用される。好ましくは、生理学的に耐性の緩衝剤を添加して、改善され
たpH制御を提供する。製剤は、約pH4~約pH10、及び好ましくは約pH5~約p
H9の範囲、及び最も好ましくは約6.0~約8.0の範囲などの、広範囲のpH範囲を
対象にすることができる。好ましくは、本発明の処方は、約6.8~約7.8のpHを有
する。好適な緩衝剤には、リン酸緩衝剤を含み、最も好ましくは、リン酸ナトリウム、特
にリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline、PBS)を含む。
他の添加剤、例えばTween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウ
レート)、Tween40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)
、Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Plur
onic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、及
びPEG(ポリエチレングリコール)などの、薬学的に許容できる可溶化剤、又はポリソ
ルベート20若しくは80又はポロキサマー184若しくは188、Pluronic(
登録商標)polylsなどの非イオン性界面活性剤、他のブロックコポリマー、並びに
EDTA及びEGTAなどのキレート剤を製剤又は組成物に任意選択的に添加することで
、凝集を低減させることができる。これらの添加物は、製剤を投与するためにポンプ又は
プラスチック容器が使用される場合に特に有用である。薬学的に許容できる界面活性剤の
存在により、タンパク質が凝集する傾向が軽減される。
製剤は、少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体と、フ
ェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベン
ジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベ
ンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール又は
これらの混合物からなる群から選択される保存剤と、を水性希釈剤中で混合することを含
むプロセスにより調製することができる。少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p
40又はIL-23特異的抗体と保存剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混
合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、緩衝溶液中の一定
量の少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を、所望の濃
度のタンパク質及び保存剤を提供するのに十分な量の緩衝溶液中で所望の保存剤と組み合
わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成
成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用す
る投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
製剤は、透明な溶液として、又は水、保存剤及び/若しくは賦形剤、好ましくはリン酸
塩緩衝剤及び/若しくは生理食塩水、並びに選択された塩を水性希釈剤中に含有する第2
のバイアルでもどされる、凍結乾燥された抗IL-12/IL-23p40又はIL-2
3特異的抗体のバイアルを含む併用バイアル(dual vial)として対象に提供することが
できる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再
利用することができ、単一又は複数の対象治療サイクルを満たすことができ、したがって
、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供することができる。
本製品は、即時から24時間以上の範囲の期間にわたる投与に有用である。したがって
、本発明により特許請求される製品は、対象に大きな利益を提供する。本発明の処方は、
約2℃~約40℃の温度で所望により安全に保管し、長期間タンパク質の生物学的活性を
保持することができ、したがって包装ラベルには、溶液が6、12、18、24、36、
48、72、又は96時間以上にわたって保存及び/又は使用できることを示すことがで
きる。保存されている希釈剤を使用する場合には、かかるラベルに最高1~12ヶ月、半
年、1年半及び/又は2年までの使用を含むことができる。
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体の溶液は、少なくとも1つ
の抗体を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。混合
は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な希釈剤を調製するために、例
えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質、及
び任意選択的に保存剤又は緩衝剤を提供するのに十分な量で組み合わせる。このプロセス
の変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加
の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手
段に関して最適化することのできる因子である。
特許請求される製品は、透明な溶液として、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアル
でもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はI
L-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、対象に提供することができる
。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再利用す
ることができ、単一又は複数の対象治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在
使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
特許請求される製品は、透明な溶液、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルでもど
される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-2
3特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルを、薬局、診療所、又は他のかかる機関及び
施設に提供することによって、対象に対し間接的に提供することができる。この場合の透
明溶液は最高1リットル又は更にはそれ以上の容量であってもよく、この大きな容器から
より少量の少なくとも1つの抗体溶液を1回又は複数回取り出してより小さなバイアルに
移し、かつ薬局又は診療所により顧客及び/又は対象に提供できる。
単一バイアル系を含む承認済みデバイスとしては、BD Pens、BD Autoj
ector(登録商標)、Humaject(登録商標)、NovoPen(登録商標)
、B-D(登録商標)Pen、AutoPen(登録商標)、及びOptiPen(登録
商標)、GenotropinPen(登録商標)、Genotronorm Pen(
登録商標)、Humatro Pen(登録商標)、Reco-Pen(登録商標)、R
oferon Pen(登録商標)、Biojector(登録商標)、Iject(登
録商標)、J-tip Needle-Free Injector(登録商標)、In
traject(登録商標)、Medi-Ject(登録商標)、Smartject(
登録商標)などの溶液送達用のペン型インジェクタデバイス(例えば、Becton D
ickensen(Franklin Lakes、NJ、www.bectondic
kenson.com)、Disetronic(Burgdorf、Switzerl
and、www.disetronic.com)、Bioject,Portland
,Oregon(www.bioject.com)、National Medica
l Products,Weston Medical(Peterborough,U
K,www.weston-medical.com)、Medi-Ject Corp
(Minneapolis,MN,www.mediject.com)によって製造又
は開発されている)、及び類似の好適なデバイスが挙げられる。併用バイアルシステムを
含む承認済みデバイスとしては、HumatroPen(登録商標)などの、溶解した溶
液を送達するためのカートリッジ内で凍結乾燥された薬剤を溶解させるためのペン型注射
器システムが挙げられる。好適な他のデバイスの例としては、予め充填された注射器、自
動注射器、針なし注射器、及び針なしIV注入セットが挙げられる。
製品は、包装材を含み得る。包装材は、規制当局によって必要とされる情報に加えて、
製品を使用することができる条件を提供する。本発明の包装材は、該当する場合、少なく
とも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を水性希釈剤でもどして
溶液を形成し、2~24時間以上の期間にわたって、この溶液を湿式/乾式の2つのバイ
アル製品に使用する、という指示を対象に提供する。単一バイアルの溶液製品、予め充填
された注射器、又は自動注射器の場合、ラベルは、かかる溶液が2~24時間以上の期間
にわたって使用することができることを示す。製品は、ヒト用医薬製品用途に有用である
本発明の方法に使用される製剤は、抗IL-12/IL-23p40及び選択された緩
衝剤、好ましくは生理食塩水又は選択された塩を含有するリン酸塩緩衝剤を混合すること
を含むプロセスにより調製することができる。抗IL-12/IL-23p40抗体と緩
衝剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適
な製剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、
所望の濃度のタンパク質及び緩衝剤を提供するのに十分な量の水中で所望の緩衝剤と組み
合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構
成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用
する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
本発明の方法は、ヒト又は動物の対象に投与するのに有用かつ許容できる様々な製剤を
含む医薬組成物を提供する。かかる医薬組成物は、希釈剤として「標準状態」の水、及び
当業者に周知の日常的な方法を使用して調製される。例えば、ヒスチジン及びヒスチジン
一塩酸塩水和物などの緩衝構成要素が最初に提供され、続いて適切な非最終容量の「標準
状態」の水希釈剤、スクロース、及びポリソルベート80が添加され得る。次いで、単離
された抗体を添加することができる。最後に、水を希釈剤として使用する「標準状態」条
件の下で、医薬組成物の容量を所望の最終容量に調整する。当業者は、医薬組成物の調製
に好適ないくつかの他の方法を認識する。
医薬組成物は、水の容量単位当たりの示される質量の各構成成分を含むか、又は「標準
状態」の示されるpHを有する水溶液又は懸濁液であり得る。本明細書で使用されるとき
、「標準状態」という用語は、25℃+/-2℃の温度及び1気圧の圧力を意味する。「
標準状態」という用語は、当該技術分野では、単一技術分野が認識する一連の温度又は圧
力を指すように使用されないが、代わりに参照「標準状態」条件下の特定の組成物を含む
溶液又は懸濁液を説明するために使用される温度及び圧力を特定する参照状態である。こ
れは、溶液の容量が一部温度及び圧力の関数であるためである。当業者は、本明細書に開
示されるものと同等の医薬組成物が他の温度及び圧力で製造され得ることを認識する。か
かる医薬組成物が本明細書に開示されるものと同等であるかは、上記に定義された「標準
状態」条件下(例えば、25℃+/-2℃及び1気圧の圧力)で決定されるべきである。
重要なことに、かかる医薬組成物は、医薬組成物の単位容積当たり「約」ある特定の値
(例えば、「約0.53mgのL-ヒスチジン」)の構成要素質量を含有するか、又は約
ある特定の値のpH値を有し得る。医薬組成物中に存在する構成要素質量又はpH値は、
単離された抗体が医薬組成物に存在するか、又は単離された抗体が医薬組成物から除去さ
れた後(例えば、希釈により)に、医薬組成物中に存在する単離された抗体がペプチド鎖
に結合することができる場合の、「約」所与の数値である。つまり、構成要素の質量値又
はpH値などの値は、単離された抗体を医薬組成物に配置した後に単離された抗体の結合
活性が維持され、検出可能であるときの、「約」所与の数値である。
競合結合解析を行って、IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的mAbが
類似の若しくは異なるエピトープに結合し、かつ/又は互いに競合するかを決定する。E
LISAプレート上にAbを個々にコーティングする。競合するmAbを添加し、続いて
ビオチン化hrIL-12又はIL-23を添加する。陽性対照には、コーティングに同
じmAbを競合mAb(「自己競合」)として使用され得る。IL-12/IL-23p
40又はIL-23結合は、ストレプトアビジンを使用して検出される。これらの結果は
、mAbがIL-12/IL-23p40又はIL-23上の類似の又は部分的に重複す
るエピトープを認識するかどうかを示す。
医薬組成物の一実施形態では、単離された抗体濃度は、1mLの医薬組成物当たり約7
7~約104mgである。医薬組成物の別の実施形態では、pHは約5.5~約6.5で
ある。
安定又は保存製剤は、透明な溶液として、又は水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝剤及
び賦形剤を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗I
L-12/IL-23p40のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供すること
ができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回
再利用することができ、単一又は複数の対象治療サイクルを満たすことができ、したがっ
て、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
抗IL-12/IL-23p40抗体を安定化するその他の処方又は方法は、抗体を含
む凍結乾燥粉末の透明溶液以外のものであってよい。非透明溶液としては、微粒子懸濁液
を含む処方があり、このような微粒子は、ミクロスフェア、微小粒子、ナノ粒子、ナノス
フェア、又はリポソームとして様々に知られる種々の大きさの構造内に、抗IL-12/
IL-23p40抗体を含有する組成物である。活性薬剤を含有するかかる比較的均質な
本質的に球状の微粒子処方は、米国特許第4,589,330号に教示される通り、活性
薬剤及びポリマーを含有する水相と非水相とを接触させ、次いで非水相を蒸発させて水相
からの粒子の合体を引き起こすことにより形成することができる。多孔性微小粒子は、米
国特許第4,818,542号に教示される通り、連続溶媒中に分散された活性薬剤とポ
リマーとを含有する第1相を使用し、凍結乾燥又は希釈-抽出-沈殿により懸濁液からこ
の溶媒を除去することで調製することができる。こうした調製に好ましいポリマーは、ゼ
ラチン寒天、デンプン、アラビノガラクタン、アルブミン、コラーゲン、ポリグリコール
酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラクトン、ポリ
(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-C
O-グリコール酸)、ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレ
ン、ポリ(アルキル-2-シアノアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルDL-アスパルトア
ミド)、ポリ(エステル尿素)、ポリ(L-フェニルアラニン/エチレングリコール/1
,6-ジイソシアナトヘキサン)及びポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択
される、天然又は合成のコポリマー又はポリマーである。特に好ましいポリマーは、ポリ
グリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラク
トン)、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、及びポリ(エプシロン-カ
プロラクトン-CO-グリコール酸)などのポリエステルである。ポリマー及び/又は活
性物質を溶解させるのに有用な溶媒としては水、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩化
メチレン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ベンゼン、又はヘキサフルオロアセトンセス
キ水和物がある。活性物質含有相を第2相に分散させるプロセスは、ノズル内のオリフィ
スに上記の第1相を圧力で強制的に通して液滴形成に作用させる工程を含むことができる
乾燥粉末処方は、例えば、噴霧乾燥法、又は蒸発による溶媒抽出法、若しくは水性又は
非水性溶媒を除去するための1つ以上の工程が後続する結晶性組成物の沈殿による溶媒抽
出法などの、凍結乾燥以外のプロセスの結果として得ることができる。噴霧乾燥抗体製剤
の調製は、米国特許第6,019,968号に教示される。抗体ベースの乾燥粉末組成物
は、抗体の溶液又はスラリーを、及び任意選択的に、呼吸用乾燥粉末を提供するための条
件下で溶媒中の、賦形剤を、噴霧乾燥させることによって生産できる。溶媒には、容易に
乾燥可能な、例えば水及びエタノールなどの極性化合物が挙げられ得る。抗体の安定性は
、酸素不在下、例えば窒素ブランケット下において噴霧乾燥手順を実施すること、又は乾
燥用気体として窒素を使用することにより増強させることができる。別の比較的乾燥した
処方は、国際公開第9916419号中で教示されているような、典型的にヒドロフルオ
ロアルカン噴射剤を含む懸濁培地中に分散した、複数の有孔微細構造の分散物である。安
定化された分散物は、定量吸入器を用いて対象の肺に投与できる。噴霧乾燥された薬剤の
商業的製造において有用な機器は、Buchi Ltd.又はNiro Corp.によ
り製造されている。
本明細書に記載される安定若しくは保存製剤又は溶液のいずれかの抗IL-12/IL
-23p40は、SC若しくはIM注射、経皮、経肺、経粘膜、埋め込み、浸透圧ポンプ
、カートリッジ、マイクロポンプ又は当該技術分野において周知であり当業者により理解
される他の手段などの様々な送達方法を介して、本発明により対象に投与することができ
る。
治療適用
本発明はまた、当該技術分野において既知又は本明細書に記載のように、少なくとも1
つの本発明のIL-23抗体を用いて、例えば、細胞、組織、器官、動物、又は対象に、
治療有効量のIL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体を投与又は接触さ
せて、細胞、組織、器官、動物、又は対象における潰瘍性大腸炎を調節又は治療するため
の方法をも提供する。
本発明のいずれの方法も、かかる調節、治療、又は療法を必要としている細胞、組織、
臓器、動物、又は対象に、IL-12/IL-23p40を含む組成物又は医薬組成物を
有効量で投与することを含み得る。かかる方法は、所望により、このような疾病又は疾患
の処置のための同時投与又は併用療法を更に含むことができ、ここで、その少なくとも1
つのIL-12/IL-23p40、特定部分又はその変異体を投与することは、少なく
とも1つのTNF拮抗薬(例えば、以下に限定されないが、化学物質性若しくはタンパク
質性TNF拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体若しくはフラグメ
ント、可溶性TNF受容体(例えば、p55、p70又はp85)若しくはフラグメント
、その融合ポリペプチド、又は低分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I又
はII(TBP-1又はTBP-II)、ネレリモンマブ、インフリキシマブ、エタネル
セプト(Enbrel(商標))、アダリムマブ(Humira(商標))、CDP-5
71、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセプトなど)、抗リウマチ薬(例えば、
メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、金チオリ
ンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサラジン)、筋
弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、5-アミノサリチレー
ト)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えば、アミノグ
リコシド、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、カルバペナム、セファロスポリン、フ
ルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、その
他抗菌薬)、乾癬治療薬、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、糖尿病関連薬
、ミネラル、栄養薬、甲状腺剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、
制吐剤、抗腫瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えば、エポエチンアルファ
)、フィルグラスチム(例えば、G-CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(
GM-CSF、Leukine)、免疫付与剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤(例えば、
バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エ
ストロゲン受容体調節薬、散瞳剤、毛様体筋麻痺薬、アルキル化剤、代謝拮抗薬、分裂阻
害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経刺激
薬、刺激薬、ドネペジル、タクリン、ぜんそく治療薬、ベータ作用薬、吸入ステロイド、
ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくは類縁体、
ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカイン若しくはサイトカイン拮抗薬
から選択される少なくとも1つを、前に、同時に、及び/又は後に、投与することを更に
含む。好適な投与量は、当該技術分野において周知である。例えば、Wells et
al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Ed
ition,Appleton and Lange,Stamford,CT(200
0)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pha
rmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon
Publishing,Loma Linda,CA(2000)、Nursing 2
001 Handbook of Drugs,21st edition,Sprin
ghouse Corp.,Springhouse,PA,2001、Health
Professional’s Drug Guide 2001,ed.,Shann
on,Wilson,Stang,Prentice-Hall,Inc,Upper
Saddle River,NJ,を参照されたく、これらの参考文献の各々は参照によ
り全体が本明細書に組み込まれる。
治療処置
潰瘍性大腸炎の治療は、抗IL-12/23p40組成物の有効量又は投与量を、それ
を必要とする対象に投与することによって影響を受ける。投与される用量は、特定の薬剤
の薬力学的特徴並びにその投与方法及び経路、レシピエントの年齢、健康及び体重、症状
の性質及び程度、同時処置の種類、処置頻度、並びに所望の作用などの既知の因子により
異なり得る。場合によっては、望ましい治療量に達するために、反復投与、すなわち特定
の監視された量又は計量された量の反復個別投与を提供することが必要となる場合があり
、この場合、個別投与は、望ましい日用量又は効果が得られるまで繰り返される。
重症の活動期のUCの安全かつ有効な治療を、それを必要とする対象において提供する
1つの例示的なレジメンでは、約130mgの抗IL-12/IL-23p40抗体の総
投与量が、投与毎に対象に静脈内投与される。例えば、投与される組成物の総容量は、投
与当たり80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、14
0mg、150mg、160mg、170mg又は180mgで抗体の目標とする投与量
を対象に提供するように適切に調節される。
重症の活動期のUCの安全かつ有効な治療を、それを必要とする対象において提供する
1つの例示的なレジメンでは、約6.0±1.5mg/kgの抗IL-12/IL-23
p40抗体の総投与量が、投与毎に対象に静脈内投与される。例えば、投与される組成物
の総量は、投与当たり3.0mg/kg、3.5mg/kg、4.0mg/kg、4.5
mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/k
g、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、又は
9.0mg/対象の体重1kgで、抗体の目標とする投与量を対象に提供するように適切
に調節される。
投与当たりの対象に投与される抗IL-12/IL-23p40抗体の総投与量は、約
30分~180分、好ましくは60分~120分の期間にわたって、例えば、30分、6
0分、90分、120分、150分、又は180分、静脈内注入によって投与することが
できる。
重症の活動期のUCの安全かつ有効な治療を、それを必要とする対象において提供する
別の例示的なレジメンでは、約90mgの抗IL-12/IL-23p40抗体の総投与
量が、投与毎に対象に皮下投与される。例えば、投与される組成物の総量は、投与当たり
40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110m
g、120mg、130mg、又は140mgで抗体の目標とする投与量を対象に提供す
るように適切に調節される。投与当たりの目標とする投与量は、単回の皮下注射又は複数
回の皮下注射、例えば、1、2、3、4、5回又はそれ以上の皮下注射で投与することが
できる。
抗IL-12/IL-23p40抗体の総投与量は、1日1回、1週間に1回、1ヶ月
に1回、6ヶ月毎に1回など、1日間、1週間、1ヶ月間、6ヶ月間、1年間、2年間又
はそれ以上の期間にわたって投与することができる。それぞれ本明細書に記載される総投
与量での抗IL-12/IL-23p40抗体の複数回の投与は、それを必要とする対象
に投与することができる。
体内投与に好適な剤形(組成物)は、一般に、1単位又は容器当たり約0.001ミリ
グラム~約500ミリグラムの活性成分を含む。
非経口投与には、抗体は、薬学的に許容できる非経口ビヒクルと合わせて、又は別個に
提供される、溶液、懸濁液、エマルション、粒子、粉末、若しくは凍結乾燥粉末として、
製剤化され得る。かかるビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース
溶液及び1~10%ヒト血清アルブミンである。リポソーム及び不揮発性油などの非水性
ビヒクルを使用することもできる。ビヒクル又は凍結乾燥粉末は、等張性及び化学安定性
を維持する添加剤(例えば、等張性に関しては塩化ナトリウム、マンニトール;化学安定
性に関しては緩衝剤及び保存剤)を含有することができる。製剤は、既知の又は好適な技
術によって滅菌される。
好適な薬学的担体は、この分野での標準的参考テキストであるRemington’s
Pharmaceutical Sciences,A.Osolの最新版の中で記載
されている。
IL-12/IL-23p40抗体の薬学的に有効な量を投与するために、本発明に従
って、多くの既知の及び開発された方式を使用することができる。本発明のIL-12/
IL-23p40又はIL-23抗体は、担体中で、溶液、エマルション、コロイド若し
くは懸濁液として、又は乾燥粉末として、吸入によるか、又は本明細書に記載される若し
くは当該技術分野において既知である他の方式による投与に好適な様々なデバイス及び方
法のいずれかを使用して、送達することができる。
非経口投与用処方は、一般的な賦形剤として滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリ
コールなどのポリアルキレングリコール、植物性油、水素化ナフタレンなどを含有しても
よい。注射用の水性又は油性懸濁液は、既知の方法に従って、適切な乳化剤又は加湿剤及
び懸濁剤を使用することによって調製可能である。注射剤は、例えば水溶液、無菌注射液
又は溶媒中懸濁液などの非毒性の非経口投与可能な希釈剤であってもよい。使用可能なビ
ヒクル又は溶媒としては、水、リンゲル液、等張生理食塩水などが可能であり、通常の溶
媒又は懸濁溶媒としては、無菌の不揮発性油を使用することができる。これらの目的では
、天然又は合成若しくは半合成の、脂肪油又は脂肪酸、天然又は合成若しくは半合成の、
モノグリセリド又はジグリセリド又はトリグリセリドを含む、あらゆる種類の不揮発性油
及び脂肪酸を使用することができる。非経口投与は当該技術分野において既知であり、従
来の注射手段、米国特許第5,851,198号に記載されているようなガス加圧式無針
注射デバイス、及び米国特許第5,839,446号に記載されているようなレーザー穿
孔機デバイスが挙げられるが、これらに限定されず、これらは参照によって全体が本明細
書に組み込まれる。
代替的送達
本発明は更に、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、包内、軟骨
内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内
、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢
内、胸郭内、子宮内、膀胱内、病巣内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、
又は経皮手段による抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体の投与に関する
。抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、非経口(皮下、筋肉内
、又は静脈内)又は任意の他の投与、特に、液体溶液若しくは懸濁液の形態で使用するた
めに、特に、クリーム及び座薬などであるがこれらに限定されない半固体形態で、膣若し
くは直腸の投与における使用のために、錠剤若しくはカプセルなどであるがこれらに限定
されない形態で、口腔若しくは舌下投与用に、あるいは粉末、点鼻薬若しくはエアロゾル
、又はある特定の薬剤などであるがこれらに限定されない形態で、鼻腔内に、あるいは皮
膚構造を改変するか、又は経皮パッチ中の薬剤濃度を増加させるかのいずれかのために、
ジメチルスルホキシドなどの化学的促進剤を用いて(Junginger、et al.
In「Drug Permeation Enhancement;」Hsieh,D.
S.,Eds.,pp.59-90(Marcel Dekker,Inc.New Y
ork 1994、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、又はタンパク質及びペ
プチドを含有する製剤の皮膚への適用(国際公開第98/53847号)、又はエレクト
ロポレーションなどの一過性の輸送経路を作り出すための、若しくはイオントフォレシス
などの皮膚を通して荷電薬剤の移動度を増加させるための電界の適用、又は超音波導入な
どの超音波の適用(米国特許第4,309,989号及び同第4,767,402号)を
可能にする酸化剤を用いて、ゲル、軟膏、ローション、懸濁液若しくはパッチ送達系など
であるが、これらに限定されない形態で、経皮的に、調製することができる(上記の刊行
物及び特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
実施形態
本発明は以下の非限定的な実施形態も提供する。
1.臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量の抗IL-12/IL-
23p40抗体を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、中等症から重症の活動期
の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、抗
体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含み、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性
決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と
、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補
性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列
と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含む、方法。
2.抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列
の軽鎖可変領域と、を含む、実施形態1に記載の方法。
3.抗体が、配列番号10のアミノ酸配列の重鎖と、配列番号11のアミノ酸配列の軽
鎖と、を含む、実施形態1に記載の方法。
4.抗体が、約6.0mg/対象の体重1kg又は投与当たり130mgの投与量で、
対象に、好ましくは治療の0週目に静脈内投与される、実施形態1~3のいずれか1つに
記載の方法。
5.抗体が、投与当たり約90mgの投与量で、対象に、好ましくは治療の8週目に更
に皮下投与される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
6.対象が、抗TNF、ベドリズマブ(vedolizumab)、コルチコステロイド、アザチ
オプリン(AZA)、及び6メルカプトプリン(6MP)からなる群から選択される少な
くとも1つの療法に以前に失敗したか、若しくはこれらに忍容性不良であったか、又は対
象が、コルチコステロイド依存性を示した、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法
7.抗体が、8週目における治療後に維持用量で8週間毎に投与されるか、又は8週目
における治療後に維持用量で12週間毎に投与される、実施形態5に記載の方法。
8.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、世界定義及び米国定義のうちの少
なくとも1つに基づく臨床的寛解を、治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、
より好ましくは2週目までに有するものとして特定され、臨床的寛解が、0週目以降
なくとも44週目に継続している、実施形態7に記載の方法。
9.対象が、0週目以降少なくとも44週目に、コルチコステロイドフリー臨床的寛
解にある、実施形態8に記載の方法。
10.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、0週目以降少なくとも44週
目に継続している内視鏡的治癒を有するものとして特定される、実施形態7に記載の方法
11.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、0週目以降少なくとも44週
目に継続している、Mayo内視鏡サブスコアに基づく臨床応答を達成するものとして特
定される、実施形態7に記載の方法。
12.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、0週目以降少なくとも44週
目に継続している、炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionnaire)
(IBDQ)スコアにおけるベースラインからの変化を有するものとして特定される、実
施形態7に記載の方法。
13.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、0週目以降少なくとも44週
目に継続している粘膜治癒を有するものとして特定される、実施形態7に記載の方法。
14.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、0週目以降少なくとも44週
目に継続している、Mayoスコアにおけるベースラインからの減少を有するものとして
特定される、実施形態7に記載の方法。
15.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、0週目以降少なくとも44週
目に継続している、C反応性タンパク質、糞便ラクトフェリン及び糞便カルプロテクチン
からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの正常化を有するものとして特定さ
れる、実施形態7に記載の方法。
16.対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している、Mayoスコアにお
けるベースラインから≧30%かつ≧3点の減少及び直腸出血サブスコアにおけるベース
ラインから≧1点の減少、又は0若しくは1の直腸出血サブスコアによって決定される臨
床応答を示す、実施形態7に記載の方法。
17.中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を、それを必要とする対
象において行う方法であって、
a.対象に、第1の医薬組成物中の抗IL-12/IL-23p40抗体を、約6.
0mg/対象の体重1kg又は投与当たり130mgの投与量で、治療の0週目に静脈内
投与することと、
b.対象に、第2の医薬組成物中の抗IL-12/IL-23p40抗体を、投与当
たり90mgの投与量で、好ましくは、治療の8週目に皮下投与することと、を含み、
抗体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含み、重鎖可変領域が、配列番号1の相
補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配
列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の
相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸
配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含み、
対象が、抗TNF、ベドリズマブ(vedolizumab)、コルチコステロイド、アザチオプ
リン(AZA)、及び6メルカプトプリン(6MP)からなる群から選択される少なくと
も1つの療法に以前に失敗したか、若しくはこれらに忍容性不良であったか、又は対象が
、コルチコステロイド依存性を示した、方法。
18.抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配
列の軽鎖可変領域と、を含む、実施形態17に記載の方法。
19.抗体が、配列番号10のアミノ酸配列の重鎖と、配列番号11のアミノ酸配列の
軽鎖と、を含む、実施形態17に記載の方法。
20.静脈内投与のための医薬組成物が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/
v)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのL
-メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物を、pH6.0で
含む溶液を更に含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
21.皮下投与のための医薬組成物が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/
v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む
溶液を更に含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
22.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、世界定義及び米国定義のうちの
少なくとも1つに基づく臨床的寛解を、治療の16週目までに、好ましくは8週目までに
、より好ましくは2週目までに有するものとして特定される、実施形態1~21のいずれ
か1つに記載の方法。
23.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、内視鏡的治癒を、治療の16週
目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに有するものとして特定
される、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
24.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、Mayo内視鏡サブスコアに基
づく臨床応答を、治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週
目までに達成するものとして特定される、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法
25.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、炎症性腸疾患質問票(Inflamma
tory Bowel Disease Questionnaire)(IBDQ)スコアにおけるベースラインからの変
化を、治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに有
するものとして特定される、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
26.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、粘膜治癒を、治療の16週目ま
でに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに有するものとして特定され
る、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
27.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、Mayoスコアにおけるベース
ラインからの減少を、治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは
2週目までに有するものとして特定される、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方
法。
28.対象が、抗体による治療に対する応答者であり、C反応性タンパク質、糞便ラク
トフェリン及び糞便カルプロテクチンからなる群から選択される1つ以上のバイオマーカ
ーの正常化を、治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目
までに有するものとして特定される、実施形態1~27のいずれか一項に記載の方法。
29.対象が、Mayoスコアにおけるベースラインから≧30%かつ≧3点の減少及
び直腸出血サブスコアにおけるベースラインから≧1点の減少、又は0若しくは1の直腸
出血サブスコアによって決定される臨床応答を、治療の16週目までに、好ましくは8週
目までに、より好ましくは2週目までに示す、実施形態1~28のいずれか一項に記載の
方法。
30.対象が、治療の8週目までに抗体による治療に対する応答者ではなく、治療の1
6週目までに応答者である、実施形態17~21のいずれか1つに記載の方法。
31.中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を、それを必要とする対
象において行う方法であって、
a.対象に、第1の医薬組成物中の抗IL-12/IL-23p40抗体を、約6.
0mg/対象の体重1kg又は投与当たり130mgの投与量で、治療の0週目に静脈内
投与することと、
b.対象に、第2の医薬組成物中の抗IL-12/IL-23p40抗体を、投与当
たり90mgの投与量で、好ましくは、治療の8週目に皮下投与することと、を含み、
抗体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含み、重鎖可変領域が、配列番号1の相
補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配
列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の
相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸
配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含み、その後に維持療法が続き、
維持療法が、対象に、抗IL-12/IL-23p40抗体を、投与当たり90mgの
投与量で、8週間毎に1回又は12週間毎に1回、皮下投与することを含み、維持療法が
、44週間提供される、方法。
32.抗IL-12/IL-23p40抗体の医薬組成物であって、抗体と、中等症か
ら重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)を有する成人男性及び女性におけるランダム化、
二重盲検、プラセボ対照臨床試験からのデータを含む、付録Iに開示される1つ以上の薬
物製品ラベル要素を含む包装と、を含み、抗体が、(i)重鎖可変領域及び軽鎖可変領域
であって、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸
配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列
と、を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ
酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配
列と、を含む、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、(ii)配列番号7のアミノ酸配列の重
鎖可変領域及び配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域、又は(iii)配列番号10
のアミノ酸配列の重鎖及び配列番号11のアミノ酸配列の軽鎖、を含む、医薬組成物。
33.ウステキヌマブを含む薬物製品を販売する方法であって、ウステキヌマブを製造
することと、ウステキヌマブを含む療法が、潰瘍性大腸炎を有する対象の治療に安全かつ
有効であることを促進することであって、工程a)及びb)を実施することにより、医療
専門家(HCP)が薬物製品を購入することをもたらすことと、これにより、薬物製品を
販売することと、を含む、方法。
本発明を全般的に記述したことから、同様物は、実例として提供されるが制限すること
を意図していない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
更に、本発明の詳細は、以下の非限定例によって例示される。本明細書の全ての引用の開
示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
実施例1:ヒトにおける潰瘍性大腸炎の治療におけるウステキヌマブの導入研究
以下の中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)を有する成人男性及び女性にお
ける多施設、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照臨床試験を実施した:中等症から重症
の活動期の潰瘍性大腸炎を有する被験者において、ウステキヌマブ導入及び維持療法の安
全性並びに有効性を評価するための、第3相、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並
行群間比較、多施設試験。
全体的な理論的根拠
従来療法(コルチコステロイド若しくは6-メルカプトプリン/アザチオプリン[6-
MP/AZA])又は生物学的療法(TNF拮抗薬及び/又はインテグリン拮抗薬、ベド
リズマブ)に対する不十分な応答又は忍容性不良を示した、中等症から重症の活動期の潰
瘍性大腸炎を有する被験者において、ウステキヌマブの静脈内(IV)投与の有効性を評
価するために、試験を実施した。被験者に、0週目に、単回の130mg、単回の6mg
/kgのIV用量、又はプラセボを投与した。8週目に臨床応答が示されていない被験者
には、8週目に追加のIV又は皮下(SC)用量を投与した。
目的
この試験の主要目的には、(1)中等症から重症の活動期のUCを有する被験者におけ
る臨床的寛解を導入におけるウステキヌマブ有効性を評価することと、(2)中等症から
重症の活動期のUCを有する被験者におけるIVウステキヌマブ安全性を評価することと
、が含まれた。
この試験の副次的目的には、(1)中等症から重症の活動期のUCを有する被験者にお
いて、内視鏡的治癒(すなわち、粘膜の内視鏡観察での改善)の誘発におけるIVウステ
キヌマブの有効性を評価すること、(2)中等症から重症の活動期のUCを有する被験者
における臨床応答の誘導におけるIVウステキヌマブの有効性を評価することと、(3)
疾患に特異的な健康関連の生活の質に対するIVウステキヌマブの影響を評価することと
、(4)粘膜治癒(すなわち、内視鏡的治癒及び組織学的治癒)に対するウステキヌマブ
治療の有効性を評価することと、(5)生物学的不全状態に対するIVウステキヌマブに
よる導入療法の有効性を評価することと、(6)C反応性タンパク質(CRP)、糞便カ
ルプロテクチン、糞便ラクトフェリン、及び他のPDバイオマーカーにおける変化を含む
、中等症から重症の活動期のUCを有する被験者におけるウステキヌマブの導入療法の薬
物動態(PK)、免疫原性、及び薬力学(PD)を評価することと、が含まれた。
研究の探索目的には、(1)医師総合評価(PGA)サブスコアなしでMayoスコア
を使用して応答を評価することと、(2)ブリストル便性状スケール(Bristol Stool Fo
rm Scale)(BSFS)スコアの性能を評価することと、が含まれた。
実験計画
ウステキヌマブについての第3相開発プログラムは、2つの別個の試験、すなわち、導
入試験及び維持試験を含んだ。導入試験では、被験者を0週目に3つの治療群:プラセボ
、低用量のウステキヌマブ、及び高用量のウステキヌマブのうちの1つにランダム化した
。8週目に、全ての被験者を臨床的寛解及び臨床応答の主要エンドポイントについて評価
した。8週目で臨床応答を達成した被験者は、維持試験に入るのに適格であった。8週目
に臨床応答を達成しなかった被験者には、治療の8週目に、ウステキヌマブの第2の用量
を投与した。
16週目に、8週目に臨床応答を達成しなかった被験者を、臨床応答について再評価し
た。16週目で臨床応答を達成した被験者は、維持試験に入るように適格であった。16
週目で臨床応答を達成しなかった被験者は、維持研究に入るのに適格ではなく、試験薬剤
の最後の投与(8週目)の約20週間後に安全性の経過観察のために来院した。
導入中にIVウステキヌマブに臨床的に応答した被験者は、維持試験における主要な集
団を構成した。維持試験は、SCウステキヌマブを使用して維持療法を評価するように設
計されたランダム化治療中止試験であり、現在進行中である。
投与量及び投与
被験者には、試験の0週目に、ウステキヌマブの単回のIV用量又はプラセボを投与し
た。投与された用量による導入試験抗体は、以下の通りである。
●130mgの低固定用量でのウステキヌマブ
●約6mg/kgの高い体重範囲に基づく用量でのウステキヌマブ、
○ウステキヌマブ260mg(体重≦55kg)
○ウスタキヌマブ390mg(体重>55kgであるが、≦85kg)
○ウステキヌマブ520mg(体重>85kg)。
臨床応答ではなかった被験者には、8週目に、ウステキヌマブの第2の用量を投与した
。投与された第2の用量による試験抗体は、以下の通りである。
●0週目にプラセボにランダム化された被験者には、8週目に、ウステキヌマブ約6m
g/kgのIVの1用量+プラセボSC(盲検を維持するために)を投与した。
●0週目にウステキヌマブにランダム化された被験者には、8週目に、ウステキヌマブ
の90mgSCの1用量+プラセボIV(盲検を維持するために)を投与した。
安全性の評価
安全性を、AE及び臨床検査室試験結果(すなわち、血液学及び血清化学)に基づいて
評価した。有害事象は、被験者によって自発的に報告されたものであったか、又は試験来
院時に、非誘導的方法で、被験者の面接を行うことによって得られたものであった。安全
性評価は、以下の臨床検査室試験を含んだ。
●血液学:ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット、赤血球数、白血球(WBC)数、
及び血小板。
●血清化学:ナトリウム、カリウム、クロリド、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニ
ン、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェ
ラーゼ(ALT)、総ビリルビン及び直接ビリルビン、アルカリホスファターゼ、カルシ
ウム、リン酸塩、アルブミン、総タンパク質。
●スクリーニング:ヒト免疫不全ウイルス抗体の血清学検査、C型肝炎ウイルス(HC
V)抗体の血清学検査、B型肝炎ウイルス(HBV)抗体、B型肝炎表面抗原、HBV表
面抗体(抗HB)、及びHBVコア(抗HB)抗体の合計の血清学検査、クォンティフェ
ロンTBゴールド(QuantiFERON-TB Gold)検査、妊娠検査(βヒト
絨毛性ゴナドトロピン[βHCG])。
薬物動態
血清ウステキヌマブ濃度の測定のための血液サンプルを、0週目(注入前並びに注入後
)及び2、4、及び8週目に採取した。血清ウステキヌマブ濃度の解析は、メソスケール
ディスカバリー(MSD(登録商標))プラットフォーム(Gaithersburg,
MD,USA)上で、有効性が確認された電気化学発光免疫アッセイ(ECLIA)法を
使用して実施した。MSDプラットフォームを使用したECLIA法のサンプル中の最低
定量化可能濃度は、0.1688μg/mLであった。
免疫原性
全ての被験者から採取した血清サンプルを使用して、ウステキヌマブに対する抗体を評
価した。ウステキヌマブに対する抗体の解析を、有効性が確認された、薬物耐性、電気化
学発光免疫アッセイ(ECLIA)を使用して実施し、このアッセイでは、ウステキヌマ
ブを使用して、ウステキヌマブに対して誘発された免疫応答を捕捉及び検出した。ウステ
キヌマブに対する抗体を有する全ての被験者について抗体力価を決定し、抗薬物抗体陽性
サンプルの中和抗体(Nab)状態を決定した。
有効性の評価
有効性の評価を、試験全体を通して採集した。Mayoスコア並びに部分的Mayoス
コア、潰瘍性大腸炎の内視鏡的重症度評価指標(Ulcerative Colitis Endoscopic Index
of Severity)(UCEIS)、ブリストル便性状スケール(Bristol Stool Form Scale
)(BSFS))スコア、C反応性タンパク質(CRP)、糞便ラクトフェリン、糞便カ
ルプロテクチン、炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionnaire)(
IBDQ)、36項目のショートフォーム健康調査(SF-36)、及び、EuroQo
L-5D健康質問票が、全て評価され、有効性を決定する。有効性基準は、以下のように
定義された。
●臨床的寛解(世界申請書):>1の個々のサブスコアがない、≦2点のMayoスコ
ア。
●臨床的寛解(米国申請書):≦3の絶対排便回数、0の直腸出血スコア、及び0又は
1のMayo内視鏡サブスコア。
●臨床応答:≧1の直腸出血サブスコアにおけるベースラインからの減少又は0若しく
は1の直腸出血サブスコアのいずれかを伴う、≧30%かつ≧3点のMayoスコアにお
ける導入期ベースラインからの減少。
●内視鏡的治癒(すなわち、粘膜の内視鏡観察での改善):0又は1のMayo内視鏡
サブスコア。
●組織学的治癒:Geboesスコアに基づき、上皮中の0~<5%の好中球、及び陰
窩破壊、びらん、潰瘍、又は肉芽を伴わないとして定義される。
●粘膜治癒:内視鏡的治癒及び組織学的治癒の両方。
●正常又は非活動的な粘膜疾患:0のMayo内視鏡サブスコア。
●症候性寛解:0又は1のMayo排便回数サブスコア及び0の直腸出血サブスコア。
●CRP濃度の正常化:≦3mg/LのCRP濃度。
●糞便ラクトフェリン濃度の正常化:≦7.24μg/gの糞便ラクトフェリン濃度。
●糞便カルプロテクチン濃度の正常化:≦250mg/kgの糞便カルプロテクチン濃
度。
●修正Mayoスコア応答:
○定義1:≧2点かつ≧35%の修正Mayoスコアにおける減少及び≧1の直腸出
血サブスコアにおける減少又は0若しくは1の直腸出血サブスコアのいずれか。
○定義2:≧2点かつ≧30%の修正Mayoスコアにおける減少及び≧1の直腸出
血における減少又は0若しくは1の直腸出血スコアのいずれか。
安全性の結果
約6mg/kg及び130mgの両方の静脈内ウステキヌマブ用量は、8週を通して概
ねプラセボに匹敵する安全性プロファイルを伴い、概ね良好な忍容性を示した。安全性解
析対象集団(safety analysis set)の960人の被験者のうちで、8週を通して、1つ
以上の治療下で発現したAEを、約6mg/kg、130mg、及びプラセボ群における
被験者の、それぞれ50.0%、41.4%、及び48.0%について報告した。8週を
通して、重篤な有害作用(SAE)を、約6mg/kg、130mg、及びプラセボ群に
おける被験者の、それぞれ3.1%、3.7%、及び6.6%で報告した。
注入の1時間以内のAEは、約6mg/kg、130mg、及びプラセボ群において、
それぞれ0.9%、2.2%、及び1.9%であった。
1つ以上の感染症を有する被験者の割合は、約6mg/kg、130mg、及びプラセ
ボ群における被験者で、それぞれ15.3%、15.9%、及び15.0%であった。重
篤な感染症は、約6mg/kg、130mg、及びプラセボ群における被験者の、それぞ
れ0.3%、0.6%、及び1.3%について報告した。
薬物動態の結果
血清サンプルを、0週目(投与前)、0週目(投与後1時間)、2週目、4週目、及び
8週目に採取した。ウステキヌマブ治療にランダム化された被験者について、ウステキヌ
マブの単回IV注入は、約6mg/kgの体重に基づく調整用量として(すなわち、≦5
5kgの体重の被験者には260mg、>55kgかつ≦85kgの体重の被験者には3
90mg、若しくは>85kgの体重の被験者には520mg)、又は130mgの固定
用量として与えた。130mg群の被験者の体重中央値が72kgであることを考慮する
と、ウステキヌマブの130mg用量は、1kg当たりに基づいて約2mg/kgに相当
した。したがって、平均して、約6mg/kg群のウステキヌマブ曝露は、130mg群
の約3倍であった。この期待と一致して、ウステキヌマブ約6mg/kg又は130mg
の単回IV投与の後、血清ウステキヌマブ濃度の中央値は、8週を通して全てのサンプリ
ング時点でおよそ用量比例した。0週目の注入終了1時間後に観察された血清ウステキヌ
マブ濃度の中央値ピークは、約6mg/kg群及び130mg群について、それぞれ、1
27.0μg/mL及び43.16μg/mLであった。8週目の、主要有効性エンドポ
イントの評価時点で、血清ウステキヌマブ濃度中央値は、約6mg/kg群及び130m
g群について、それぞれ、8.59μg/mL及び2.51μg/mLであった。
0週目にプラセボIVの投与を受けた後、8週目に臨床応答ではなかった被験者には、
8週目にウステキヌマブ約6mg/kgをIV投与したが、一方0週目にウステキヌマブ
IVの投与を受けた後に、8週目に臨床応答ではなかった被験者には、8週目でウステキ
ヌマブ90mgをSC投与した。第0週にプラセボIVを投与し、続いて、8週目にウス
テキヌマブ約6mg/kgをIV投与した被験者の中でも、16週目(ウステキヌマブI
V投与後8週間)の血清ウステキヌマブ濃度中央値は、8週目で観察されたものよりもわ
ずかに高かった(0週目でウステキヌマブ約6mg/kgをIV投与した被験者中では、
[それぞれ10.51μg/mL対8.59μg/mL])。(0週目での初回IVウス
テキヌマブ投与後の)8週目にウステキヌマブ90mgをSC投与した被験者の中でも、
16週目の血清ウステキヌマブ濃度中央値は、0週目にウステキヌマブ130mgを投与
した被験者と比べて、0週目でウステキヌマブ約6mg/kgをIV投与した被験者でわ
ずかに高かった(それぞれ、1.92μg/mL対1.59μg/mL)。
免疫原性の結果
ウステキヌマブに対する抗体の評価に適切なサンプルを有するウステキヌマブ群におけ
る635人の被験者のうちで、4人(0.6%)の被験者は、8週を通して、ウステキヌ
マブに対する抗体に陽性であった。これら4人の被験者のうち、2人(50%)は、NA
bに対して陽性であった。
16週を通して任意の時間にウステキヌマブを投与し、抗薬物抗体(ADA)の評価に
適切なサンプルを有した822人の被験者のうちで、18人(2.2%)被験者が、最終
的な安全性評価の来院まで、ウステキヌマブに対する抗体に陽性であった。これらのうち
、15人の被験者のうち4人(26.7%)が、最終的な安全性評価の来院まで、NAb
として評価可能なものの中のNAbに陽性であった。8週目にウステキヌマブ90mgを
SC投与した被験者の中でも、16週を通してのウステキヌマブに対する抗体の発生率は
、約6mg/kgIV→90mgSC群と比べて、130mgIV→90mgSC群で数
値的に高かった(4.5%[132人の被験者のうち6人]対1.0%[101人の被験
者のうち1人]。
有効性の結果
8週目での臨床的寛解-世界定義
8週目では、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合(それぞ
れ、15.5%及び15.6%)が、臨床的寛解を、プラセボ群の被験者と比べて達成し
た(5.3%;両方の比較についてp<0.001;表1)。

N=被験者数、CI=信頼区間。
8週目での臨床的寛解-米国定義
8週目では、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合(それぞ
れ、18.9%及び16.6%)が、臨床的寛解を、プラセボ群の被験者と比べて達成し
た(6.3%;両方の比較についてp<0.001;表2)。

N=被験者数、CI=信頼区間。
8週目での内視鏡的治癒の内視鏡応答
8週目では、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合(それぞ
れ、27.0%及び26.3%)が、内視鏡的治癒を、プラセボ群の被験者と比べて達成
した(13.8%;両方の比較についてp<0.001;表3)。

N=被験者数、CI=信頼区間。
8週目での臨床応答
8週目では、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合(それぞ
れ、61.8%及び51.3%)が、臨床応答を、プラセボ群の被験者と比べて達成した
(31.3%;両方の比較についてp<0.001;表4)。

N=被験者数、CI=信頼区間。
8週目での総IBDQスコアにおけるベースラインからの変化。
ベースラインでは、IBDQスコア中央値は、全ての治療群にわたって類似していた。
8週目では、IBDQスコアにおけるベースラインからの中央値の改善は、約6mg/k
g及び130mgの群において(それぞれ、31.0及び31.5)、プラセボ群と比べ
て、有意に大きかった(10.0;両方の比較についてp<0.001)。
8週目での臨床的寛解
寛解が、8週目での0の直腸出血スコアにより臨床的寛解(世界定義)として評価され
た場合、このエンドポイントを達成した対象の割合は、主要有効性解析(世界定義)に基
づいて観察された割合とほぼ同一であった。約6mg/kg及び130mgの群の被験者
の有意に大きい割合(それぞれ、15.2%及び15.3%)が、このエンドポイントを
、プラセボ群の被験者と比べて達成した(5.3%;両方の比較についてp<0.001
)。
8週目での症候性寛解
8週目では、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合(それぞ
れ、44.7%及び41.3%)が、症候性寛解を、プラセボ群の被験者と比べて達成し
た(22.6%;両方の比較についてp<0.001)。
8週目での組織学的治癒
組織学的治癒は、上皮中の0~<5%の好中球、及び陰窩破壊、びらん、潰瘍、又は肉
芽を伴わないと定義された。8週目では、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の
有意に大きい割合(それぞれ、35.6%及び37.9%)が、組織学的治癒を、プラセ
ボ群の被験者と比べて達成した(21.9%;両方の比較についてp<0.001)。
8週目でのMayoスコアにおけるベースラインからの変化。
ベースラインでは、平均Mayoスコアは、全ての治療群にわたって同じであった(全
ての群について8.9)。8週目では、Mayoスコアにおけるベースラインからの平均
値の減少は、約6mg/kg及び130mgの群において(それぞれ、3.5及び3.2
)、プラセボ群の1.8と比べて、有意に大きかった(両方の比較についてp<0.00
1)。
8週を通じての部分的Mayoスコアにおけるベースラインからの変化。
ベースラインでは、平均部分的Mayoスコアは、全ての治療群にわたって同じであっ
た(全ての群について6.2)。早くも2週目に、及び8週を通して来院まで継続して、
部分的Mayoスコアの平均値の減少は、プラセボ群と比べて、約6mg/kg及び13
0mgの群において有意に大きかった。2週目では、部分的Mayoスコアの平均値のベ
ースラインからの減少は、プラセボ群の1.0と比べて、約6mg/kg及び130mg
の群において、それぞれ1.6及び1.5であった(両方の比較についてp<0.001
)。8週目では、部分的Mayoスコアの平均値のベースラインからの減少は、プラセボ
群の1.5と比べて、約6mg/kg及び130mgの群において、それぞれ2.9及び
2.6であった(両方の比較についてp<0.001)。
8週目でのUCEISスコア
UCEISスコアは、粘膜血管パターン、出血、及び潰瘍化に基づいて、UCの内視鏡
的重症度の総合評価を提供する。スコアは3~11の範囲であり、より高いスコアは、内
視鏡検査によるより重度の疾患を示す。UCEISスコアは、内視鏡検査のビデオの中央
読み取りの間にのみ評価された。
ベースラインでは、平均UCEISスコアは、全ての治療群にわたって類似していた(
約6mg/kg、130mg、及びプラセボ群で、それぞれで、7.6、7.5、7.5
)。8週目では、UCEISスコアにおけるベースラインからの平均値の減少は、約6m
g/kg及び130mgの群において(それぞれ、1.3及び1.1)、プラセボ群の0
.5と比べて、有意に大きかった(両方の比較についてp<0.001)。
8週目では、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合(それぞ
れ、20.2%及び19.1%)が、プラセボ群の被験者11.0%と比べて、≦4のU
CEISスコアを有していた(それぞれ、p<0.001及びp=0.004)。≦4の
UCEISスコアが、本試験において定義された内視鏡的治癒を定義した0又は1のMa
yo内視鏡サブスコアと関連付けられると仮定される。
ブリストル便性状スケールスコア
来院時のBSFSスコアは、来院前のBSFSスコアの3日間の1日平均の平均であっ
た。Mayoスコアの排便回数及び直腸出血スコアを計算するために使用された同じ3日
間を使用して、来院時の平均BSFSスコアを算出した。
ランダム化された被験者の約40%(370/961人)は、ベースラインで収集され
たBSFSスコアを有していた。ベースラインでは、被験者の99.2%(367/37
0人)は、≧3の平均BSFSスコアを有し、被験者の大部分(54.3%)は、下痢を
示す≧6の平均BSFSスコアを有していた。早くも2週目に、及び8週を通して来院ま
で続く、下痢の被験者の割合(≧6の平均BSFSスコア)は、プラセボ群と比べて、約
6mg/kg及び130mgの群において小さかった。8週目では、約6mg/kg、1
30mg及びプラセボの群において、それぞれ、被験者の22.8%、21.1%、及び
32.0%が、下痢(≧6の平均BSFSスコア)を有した。更に、8週目では、正常な
糞便(≧3かつ<5)を有する被験者の割合は、プラセボと比べて、約6mg/kg及び
130mgの群で大きかった(それぞれ、48.3%、48.9%、及び29.3%)。
C反応性タンパク質の正常化
C反応性タンパク質(CRP)は、IBDを有する被験者における炎症のマーカーとし
て使用される。UCにおいて、高いCRPは、重度の臨床活動性、高い沈降率、及び大腸
内視鏡検査で検出される活動性疾患に関連している。C反応性タンパク質は、検証済みの
高感度CRPアッセイを使用して検定される。
ベースラインでは、異常なCRP(>3mg/L)を有した被験者の割合は、全ての治
療群にわたって類似しており、全体として、ランダム化された被験者の59.2%は、ベ
ースラインにおいて異常なCRP濃度を有した。早くも2週目に、及び8週を通して来院
まで継続して、ベースラインで異常な値を有した被験者の中で、プラセボ群と比べて、約
6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合が、CRPの正常化(≦3
mg/L)を達成した。8週目に、約6mg/kg及び130mgの群において、それぞ
れ被験者の38.7%及び34.1%が、プラセボ群における被験者の21.1%と比べ
て、CRPの正常化を達成した(両方の比較についてp<0.001)。
糞便ラクトフェリンの正常化
ベースラインでは、異常な糞便ラクトフェリン(>7.24μg/g)を有する被験者
の割合は、全ての治療群にわたって類似しており、全体として、ランダム化された被験者
の90.0%は、ベースラインにおいて異常な糞便ラクトフェリン濃度を有した。4週目
及び8週目において、ベースラインで異常な値を有した被験者の中で、プラセボ群と比べ
て、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大きい割合が、糞便ラクトフェ
リンの正常化(≦7.24μg/g)を達成した。8週目では、約6mg/kg及び13
0mgの群の被験者の、それぞれ14.6%及び17.2%が、プラセボ群の被験者の9
.3%と比べて、糞便ラクトフェリンの正常化を達成した(ウステキヌマブ群について、
それぞれp=0.042、p=0.006)。
糞便カルプロテクチンの正常化
ベースラインでは、異常な糞便カルプロテクチン(>250mg/kg)を有する被験
者の割合は、プラセボ群(78.4%)と比べて、約6mg/kgの群(85.1%)に
おいてわずかに大きく、130mgの群の被験体の82.5%は、ベースラインにおいて
異常な糞便カルプロテクチンを有していた。2週目及び4週目において、ベースラインで
異常な値を有した被験者の中で、約6mg/kg及び130mgの群の被験者の有意に大
きい割合が、糞便カプロテクチンの正常化(≦250mg/kg)を達成した。8週目で
は、ベースラインでの異常な糞便のカルプロテクチンを有する被験者のうちで、正常化さ
れた糞便カルプロテクチンを有する被験者の割合は、プラセボ群の被験者(20.4%)
と比べて、有意ではないが、ウステキヌマブ約6mg/kg及び130mgの群において
(それぞれ、25.5%及び24.2%)数字的に大きかった(それぞれ、両方の比較に
ついてp=0.148、p=0.301)。
実施例2:ヒトの潰瘍性大腸炎の治療におけるウステキヌマブの維持試験
方法論
このランダム化治療中止維持試験では、全ての登録された被験者は、導入試験で投与さ
れた試験薬剤に対する応答者であった。主要(ランダム化)集団:導入後のIVウステキ
ヌマブに対して臨床応答を示した対象は、維持試験における主要な集団を構成した。この
集団は、以下を含んだ:導入試験の0週目に、ウステキヌマブ(すなわち、130mgI
V又は約6mg/kgIV)を投与するためにランダム化された導入の8週目に臨床応答
を示した被験者、及び導入試験の0週目にプラセボを投与するためにランダム化され、導
入8週目で臨床応答ではなかったが、導入8週目でIVウステキヌマブの用量(約6mg
/kg)を投与後、導入16週目で臨床応答を示した(プラセボ→ウステキヌマブ約6m
g/kgIV)被験者。これらの被験者を、維持期の0週目で、ウステキヌマブ90mg
SCを8週間毎に(q8w)、ウステキヌマブ90mgSCを12週間毎に(q12w)
、プラセボSCを投与するために、1:1:1の比でランダム化した。非ランダム化集団
:維持試験に入る追加の被験者は、主要集団においてランダム化されず、本試験では以下
のように維持治療を受けた:ウステキヌマブ導入遅延応答者(すなわち、導入期8週目で
IVウステキヌマブに対して臨床応答ではなかったが、導入期の8週目でウステキヌマブ
90mgのSC投与後の導入期の16週目で臨床応答を示した被験者)には、ウステキヌ
マブ90mgをq8wでSC投与し、プラセボ導入応答者(すなわち、プラセボIV導入
に臨床応答を示した被験者)には、プラセボをSC投与した。非ランダム化被験者は、有
効性及び安全性の両方について追跡したが、重要な有効性解析には含まれなかった。
全ての被験者には、その割り当てられた用量のSC試験薬剤を、維持期0週目の来院時
に投与した。その後、盲検を維持するために、全ての被験者には、全ての予定された試験
薬剤投与の来院時に、試験薬剤を投与した。被験者には、毎来院時に臨床的フレアについ
て評価し、臨床応答の減弱が確認された場合、救助薬の対象になった。維持試験の主要部
分は、44週目まで行われ、長期試験の延長は、220週目まで継続する。
被験者の数(計画及び解析された):
導入試験を完了し、導入試験薬剤に対する臨床応答を示した783人の被験者を、この
維持試験において登録した。維持期0週目における各治療群における被験者数は、以下の
通りであった。
●ランダム化(主要)集団(523人被験者[327人の対象が計画された]):
-176人の被験者を、ウステキヌマブ90mgのq8wでSC投与にランダム化し
た。
-172人の被験者を、ウステキヌマブ90mgのq12wでSC投与にランダム化
した。
-175人の被験者を、プラセボのSC投与にランダム化した。
●非ランダム化集団(260人の被験者):
-ウステキヌマブ導入遅延応答者であった157人の被験者(すなわち、導入期8週
目で、ウステキヌマブ対して臨床応答ではなかったが、導入期16週目で臨床応答した)
には、ウステキヌマブ90mgをq8wでSC投与した。
-プラセボのIV導入に臨床応答した(プラセボ導入応答者)103人の被験者には
、プラセボをSC投与した。
組み入れのための診断及び主な基準
このランダム化治療中止維持試験に登録された全ての被験者は、従来の療法(すなわち
、コルチコステロイド若しくは免疫調節剤)又は生物学的療法(すなわち、TNF拮抗薬
及び/若しくはベドリズマブ)に対して不十分な応答を有したか、又は忍容性が不良であ
って、導入試験中に試験薬剤に対する臨床応答を示した、中等症から重症の活動期のUC
を有するものであった。これには、IVウステキヌマブに対する臨床応答にあり、IVプ
ラセボに対する臨床応答にあり、又はウステキヌマブに対して遅延臨床応答にある被験者
であって、導入試験中にプロトコルに禁止された薬剤変更を受けなかった被験者が含まれ
た。
評価基準:
●薬物動態(PK):血清ウステキヌマブ濃度
●免疫原性:ウステキヌマブに対する抗体
●薬力学(PD)/バイオマーカー:血清バイオマーカー;糞便マイクロビオーム;粘
膜生検における疾患活動性及び治癒のRNA発現及び組織学的評価
●遺伝学及びエピジェネティクス:全血デオキシリボ核酸(DNA)
●有効性:Mayoスコア並びに部分的Mayoスコア、UC内視鏡的重症度評価指標
(UCEIS)、CRP、糞便ラクトフェリン、及び糞便カルプロテクチン
●健康関連生活の品質:炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionn
aire)(IBDQ)、36項目のショートフォーム健康調査(SF-36)、及び、Eu
roQoL-5D健康質問票(EQ-5D)
●医療経済学:UC疾患に関連する入院及び手術;生産性視覚的アナログスケール(V
AS)、並びに仕事の生産性及び活動障害に関する質問票-健康全般(Work Productivit
y and Activity Impairment Questionnaire-General Health)(WPAI-GH)
●安全性:有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)、感染症、注射部位反応、ア
レルギー反応、血液学並びに化学パラメータ、バイタルサイン、身体検査、及び結核の早
期検出
エンドポイント
●主要エンドポイントは、44週目での臨床的寛解であった。臨床的寛解の定義(並び
に試験手順)は、臨床的寛解の世界及び米国の好ましい定義に適応するために、米国内の
申請書及び米国外の申請書で異なる。臨床的寛解の各定義は、主要有効性解析対象集団に
おいて全ての被験者に適用された。
-臨床的寛解の主要エンドポイントの世界定義は、>1の個々のサブスコアを有さな
い、≦2点のMayoスコアとして定義された。
-臨床的寛解の米国定義は、≦3の絶対糞便数、0のMayo直腸出血サブスコア、
及び0若しくは1のMayo内視鏡サブスコアとして定義された。
●それらが試験された順序で列挙された主要な副次的エンドポイントは、以下の通りで
あった:
-44週目までの臨床応答の維持
-44週目での内視鏡的治癒
-44週目での臨床的寛解及び併用コルチコステロイドを投与しないこと(コルチコ
ステロイドフリー臨床的寛解)
-維持ベースラインにおいて臨床的寛解を達成した被験者の中での、44週目までの
臨床的寛解の維持
第3及び第4の主要な副次的エンドポイントについて、臨床的寛解の世界定義を使用し
て、米国外の国々の申請書をサポートし、臨床的寛解の米国定義を使用して、米国におけ
る申請書をサポートした。
人口統計学及びベースライン疾患特性を、主要有効性解析対象集団における961人の
被験者に基づいてまとめた。
臨床的寛解の維持に関連する第4の主要な副次的エンドポイントを除いて、多重性制御
されたエンドポイントの解析を、維持ベースラインでの臨床的寛解(世界定義)状態(I
WRSによって決定されるようなはい/いいえ)及び導入治療(プラセボIV[I-0]
→ウステキヌマブ約6mg/kgIV[I-8]、ウステキヌマブ130mgIV[I-
0]、又はウステキヌマブ約6mg/kgIV[I-0])によって層別化されたコクラ
ン-マンテル-ヘンツェル(Cochran-Mantel-Haenszel(CMH
)カイ二乗検定を使用して実施した。第4の主要な副次的エンドポイント(臨床的寛解の
維持)については、導入治療によって層別化されたCMHカイ二乗検定を使用した。
世界及び米国特有の複数の試験手順は、この試験における多重性制御されたエンドポイ
ントにわたる0.05レベルでの全体的な第1種の過誤(Type 1 error)率を制御するた
めに事前に指定された(セクション3.11.2.7.3)。全ての統計的検定を、両側
0.05有意水準で行った。公称p値が提示される。
安全性は、治療下で発現した有害事象(AE)、実験室パラメータ(血液学及び化学)
、及びバイタルサインパラメータの頻度及びタイプをまとめて評価した。安全性概要書は
、ランダム化された被験者、非ランダム化被験者、及び全ての治療された被験者に対して
別々に提供される。安全データの提示は、ランダム化された集団に焦点を合わせる。
結果
試験集団
導入試験を完了し、導入試験薬に対して臨床応答にあった合計で783人の被験者を、
この維持試験において登録した。これらのうち、523人の被験者は、維持試験のために
標的化された主要集団に属しており、維持期の0週目にウステキヌマブ又はプラセボのS
C投与を受けるようにランダム化された(ウステキヌマブ90mgSC q8w群、ウス
テキヌマブ90mgSC q12w、及びプラセボ群に、それぞれ176人、172人、
及び175人の被験者)。残りの250人の被験者は、157人のウステキヌマブ導入遅
延応答者(ウステキヌマブ90mgをq8wでSC投与した)及び103人のプラセボ導
入応答者(プラセボを投与した)を含む、非ランダム化集団に属していた。維持期のベー
スラインで治療を割り当てた全ての登録された被験者には、その時点でそれらの研究薬剤
を投与した。
40週(維持試験の最後の投与のための来院)の前に、主要集団において85人(16
.3%)の被験者が、試験薬剤を中断した。試験薬剤を中断した被験者の割合は、プラセ
ボ群(24.6%)において、ウステキヌマブのq8w及びq12Wの群(それぞれ、1
0.2%及び14.0%)の割合よりも大きかった。中断の最も一般的な理由は、UCの
悪化に起因する有効性の欠如及び有害事象であった。44週の前に、主要集団の29人の
被験者(5.5%)は、試験の参加を終了し、試験の参加の終了の最も一般的な理由は、
同意の撤回であった。
ベースライン臨床疾患特性は、利用可能な療法に難治性である、中等症から重度の活動
期のUCを有する被験者の集団を代表し、3つの治療群にわたって一般的にバランスがと
れていた。疾患の持続時間の中央値は6.05年であり、ベースラインMayoスコアの
中央値は9.0であり、86.9%及び13.1%が、それぞれ中等症及び重症のUCを
有した。導入期ベースラインでは、維持試験の主要集団における被験者の52.2%はコ
ルチコステロイドを摂取しており、26.6%は免疫調節薬を摂取しており、70.7%
はアミノサリチレートを摂取していた。被験者の大部分(93.5%)は、導入期ベース
ラインにおいて、コルチコステロイド及び/又は6-MP/AZAに対する不十分な応答
を有したか、若しくは忍容性不良であったか、又はコルチコステロイド依存性を示した。
全体的に主要集団では、被験者の47.6%は、文書化された生物学的療法の不成功の履
歴を有し、被験者の52.4%はそうでなかった。また、47.2%は、少なくとも1つ
の抗TNFに不成功であったが、13.4%は、抗TNF及びベドリズマブの両方に不成
功であり、49.3%は、生物学的療法に対して未経験であり、2人の被験者は、ベドリ
ズマブのみに対して生物学的不全であった。
有効性の結果
ウステキヌマブ維持療法は、TNF拮抗薬及び/又はベドリズマブを含む従来の治療又
は生物学的治療に以前に不成功であったか、又はこれらに忍容性不良であり、ウステキヌ
マブIVの単回投与の導入療法を受けた後に、8週目で臨床応答にあった、中等症から重
症の活動期のUCを有する被験者の集団において有効性を示した。
予め指定された世界及び米国に限定の複数の試験手順に基づいて、統計的有意性は、4
4週目での臨床的寛解の主要エンドポイント及び44週を通じての臨床応答の維持、44
週目での内視鏡的治癒、並びに44週目でのコルチコステロイドフリーの臨床的寛解の3
つの主要な副次的エンドポイントに対して、ウステキヌマブ投与レジメン(90mgをq
8wで、及び90mgをq12wで)の両方を主張することができる。加えて、米国に限
定の試験手順に基づくウステキヌマブ用量、及び世界試験に基づくウステキヌマブq12
wレジメンの両方に対して、44週を通じた臨床的寛解の維持(維持期のベースラインで
臨床的寛解を達成した被験者の中で)に統計的有意性を主張することができる。
●主要集団における臨床的有効性(すなわち、ウステキヌマブのIV導入療法を受けた
後、8週間、臨床応答にある被験者)
-主要エンドポイント:臨床的寛解
○44週目で臨床寛解(世界定義に基づく)にある被験者の割合は、プラセボ群の
被験者(24.0%)と比べて、ウステキヌマブのq8w群及びウステキヌマブのq12
w群(それぞれ、43.8%及び38.4%)で有意に大きかった(それぞれ、p<0.
001及びp=0.002)。
○44週目で臨床寛解(米国に限定の定義に基づく)にある被験者の割合は、プラ
セボ群の被験者(24.6%)と比べて、ウステキヌマブのq8w群及びウステキヌマブ
のq12w群(それぞれ、42.6%及び39.5%)で有意に大きかった(それぞれ、
p<0.001及びp=0.002)。
○臨床的寛解(世界定義及び米国の限定の定義の両方に基づく)の達成に対するウ
ステキヌマブの効果は、(生物学的治療に不成功であった被験者及び生物学的治療に不成
功ではなかった被験者並びに導入期のベースラインにおいて併用免疫調節薬若しくはコル
チコステロイドを投与されていた被験者及び投与されなかった被験者を含む)サブグルー
プ全体にわたって概ね一貫しており、データ処理規則の予め規定された変化に対してロバ
ストであった。
-主要な副次的エンドポイント:臨床応答の維持、内視鏡的治癒、コルチコステロイ
ドフリーの臨床的寛解、及び臨床的寛解の維持
○44週を通じて臨床応答を維持し、内視鏡的治癒を達成し、コルチコステロイド
フリーの寛解(臨床的寛解の世界定義及び米国に限定の定義の両方を適用)を達成した被
験者の割合は、プラセボ群のものと比べて、ウステキヌマブのq8w及びq12wの群で
有意に大きかった(p<0.01)。
○維持期のベースラインで臨床的寛解を達成した被験者の中で臨床的寛解を維持し
た被験者の割合は、プラセボ群におけるものと比べて、ウステキヌマブのq8w及びq1
2wの群の両方について、数値的に大きかった(臨床的寛解の世界定義及び米国に限定の
定義の両方を適用)。統計的有意性(p<0.01)は、臨床的寛解の米国に限定の定義
を使用すると、プラセボに対するq8w群及びq12w群の両方の比較について達成した
が、統計的有意性は、臨床的寛解の世界定義を使用すると、プラセボと比べて、q12w
群についてのみ達成された(p<0.01)。
-他の組織学的、粘膜、臨床的、及び内視鏡的エンドポイント
以下に要約される解析は、多重性に対して制御されなかった。統計的有意性の記述は、
公称p値に基づく。
○44週目に組織学的治癒を達成した(すなわち、<5%の陰窩における好中球浸
潤、陰窩破壊はなく、浸食、潰瘍、又は肉芽組織がない)被験者の割合は、プラセボ群と
比べて、ウステキヌマブのq8w及びq12w群において有意に大きかった(p<0.0
01)。
○44週目に粘膜治癒(内視鏡治癒と組織学的治癒との組み合わせ)を達成した被
験者の割合は、プラセボ群と比べて、ウステキヌマブのq8w及びq12w群において有
意に大きかった(p<0.01)。
○臨床的寛解の世界定義及び米国限定の定義の両方を適用すると、44週前に少な
くとも90日間、コルチコステロイドフリーの寛解を達成する対象の割合は、プラセボ群
のものと比べて、ウステキヌマブのq8w及びq12w群において有意に大きかった(p
<0.01)。更に、維持期ベースラインでコルチコステロイドを投与されている被験者
の中でも、プラセボ群のものと比べて、ウステキヌマブのq8w及びq12w群において
、有意に大きな割合の被験者(p<0.05)が、臨床的寛解であり、かつ、44週前の
少なくとも90日間、併用のコルチコステロイドを投与されていなかった。
○ウステキヌマブ維持治療の有効性は、部分的Mayoスコアの維持された改善、
症候性寛解の維持、並びに内視鏡的治癒の維持によって測定された臨床転帰においても実
証された。ウステキヌマブ維持療法の有効性の更なる証拠は、経時的な部分的Mayo寛
解及び症候性寛解、並びに症状制御(排便回数及び直腸出血)において観察された。
-炎症性バイオマーカー
○44週目まで経時的に、ウステキヌマブ治療群は、維持期ベースラインで観察さ
れたCRP、糞便ラクトフェリン、及び糞便カルプロテクチン濃度レベルを維持したが、
一方、プラセボ群では、CRP中央値、糞便ラクトフェリン、及び糞便カルプロテクチン
濃度は、悪化(増加)した。
○44週目では、正常化されたCRP、糞便カルプロテクチン及び糞便ラクトフェ
リンを有する被験者の割合は、プラセボ群と比べて、ウステキヌマブのq8w及びq12
w群において概して有意に大きかった。
-生物学的治療の不成功の状態による臨床エンドポイント
○生物学的治療の不成功の履歴を有する被験者及びそれを有さない被験者について
は、主要エンドポイント並びに主要な副次的エンドポイント及び粘膜治癒のそれぞれを達
成した被験者の割合は、一般に、プラセボ群の被験者と比べて、ウステキヌマブのq8w
及びq12w群において大きかった。
○場合によっては、治療効果が生物学的治療に不成功ではなかった集団及び不成功
集団において類似していた場合、ウステキヌマブのq8w群に対する治療効果が、ウステ
キヌマブのq12w群に対するものよりも大きいという、エンドポイントにわたる一貫し
た傾向が、生物学的治療に不成功であった被験者においてあった。この傾向は、生物学的
治療に不成功ではなかった集団においては観察されなかった。
-炎症性バイオマーカーサブグループに基づく有効性
○導入期又は維持期のベースラインのいずれかにおいて、より高い炎症負荷(CR
Pの上昇及び/又は糞便炎症マーカーの上昇)を有する被験者の中で、両方の投与量が、
一般に、プラセボと比べて有効性を示したが、ウステキヌマブのq8wの有効性が、ウス
テキヌマブのq12w群よりも、臨床エンドポイントの範囲にわたって良好であると思わ
れた。しかしながら、ベースラインでの炎症負荷が低い被験者では、ウステキヌマブのq
8w群及びq12w群は、エンドポイントに対する同様の有効性を示した。
-健康関連の生活の質
○44週目までに、ウステキヌマブのq8w群及びq12w群の被験者は、一般に
、プラセボ群の被験者と比べて、IBDQ、SF36及びEQ5D評価法を使用して評価
されるとき、健康関連の生活の質の改善を維持することができた。
-ウステキヌマブ90mgのq8w用量及びウステキヌマブ90mgのq12w用量
の成果
○ウステキヌマブのq8w群及びq12w群の両方が、一般に、主要エンドポイン
ト及び主要な副次的エンドポイントについての同様の有効性を示したが、q8wは、以下
のより客観的かつ厳格な有効性の尺度に基づいて、q12wよりもわずかに良好であった

◆44週目における内視鏡的治癒及び粘膜治癒
◆44週目における長期部分的Mayo寛解
◆維持期のベースラインにおいてコルチコステロイドを投与されている被験者の
中で、44週の前の少なくとも90日間、コルチコステロイドフリーの臨床的寛解及びコ
ルチコステロイドの排除
○更に、有効性が経時的に(以下のエンドポイントについて)試験された場合、q
8w群は、q12w群よりも大きな有効性を示した。
◆非活動性又は軽度の疾患を示す(すなわち、0又は1のサブスコア)Mayo
排便回数及び直腸出血サブスコア、並びに44週目までの経時的な≦3の絶対糞便数。
◆44週目までの経時的な部分的Mayo寛解及び症候性寛解
◆44週目までの経時的な糞便ラクトフェリン及びカルプロテクチン濃度におけ
るベースラインからの中央値の変化。
●ウステキヌマブ導入遅延応答者における有効性
ウステキヌマブ導入療法に対する遅延応答者であった被験者は、ウステキヌマブ90m
gをq8wで投与される間に、臨床応答を維持し、臨床的寛解、内視鏡的治癒、組織学的
治癒、及び粘膜治癒(内視鏡的治癒と組織学的治癒との組み合わせ)を達成することがで
きた。
●有効性及び薬物動態/免疫原性
-一般に、維持中に、血清ウステキヌマブ濃度と臨床的寛解及び内視鏡的治癒の臨床
的有効性の成果との間に明らかな関連性が観察された。加えて、CRPにより測定した場
合、より低いレベルの炎症が、血清ウステキヌマブ濃度が高い被験者において観察された

-維持ウステキヌマブを投与されている被験者の中で、ウステキヌマブに対するに対
する抗体の発生は、臨床的寛解、内視鏡的治癒、臨床応答、及びMayoスコアにおける
維持ベースラインからの変化などの複数のエンドポイントによって測定される臨床的有効
性に影響を及ぼすようには見えなかったが、データの解釈は、小さいサンプルサイズによ
って制限される。
薬物動態及び免疫原性結果
●ウステキヌマブ90mgのq8w又はq12wのSC投与による維持治療に続いて、
被験者がウステキヌマブ90mgをq8wでSC投与するか、又はウステキヌマブ90m
gをq12wでSC投与する維持投与レジメンをそれぞれ開始した後、約8週目又は12
週目に、定常状態に達した。経時的なトラフ型血清ウステキヌマブ濃度の定常状態の中央
値は、q12w群(0.92μg/mL~1.19μg/mL)におけるよりも、ウステ
キヌマブq8w群(2.69μg/mL~3.09μg/mL)において約3倍上回った

●ウステキヌマブの90mgをq8w又はq12wでSC投与する維持投与レジメン後
に、血清ウステキヌマブ濃度は、ほとんど全ての被験者で44週目まで持続され、検出不
能な経時的トラフ型濃度を有する被験者の割合は、90mgのq12wの群のもの(4.
9%~7.1%)よりも90mgのq8wの群(0.7%~2.4%)で少なかった。プ
ラセボ群の被験者におけるウステキヌマブ濃度の中央値は、16週目までに検出可能なレ
ベルを下回った。
●維持中の血清ウステキヌマブ濃度に対する異なるウステキヌマブIV導入用量の影響
は、予想通りに経時的に減少し続けた。
●トラフ型血清ウステキヌマブ濃度の中央値は、より体重が重い被験者では低くなる傾
向があった。
●ウステキヌマブ導入遅延応答者群における非ランダム化された被験者は、90mgで
q8wの同じウステキヌマブ投与レジメンのSC投与後に、ウステキヌマブのq8w群の
ランダム化された被験者と比べて、経時的に、より低い血清ウステキヌマブ濃度を有する
傾向があった。
●ウステキヌマブに対する抗体を評価するための適切なサンプルを有する680人の治
療被験者の中で、39人(5.7%)は、52週間の治療を通じて、ウステキヌマブの抗
体に対して陽性であり、大部分は、≦1:800の抗体力価を有した。この維持試験にお
いて、ウステキヌマブの抗体に対して陽性であった39人の治療被験者のうち、11人(
28.2%)は、中和抗体に対して陽性であった。
●全てのランダム化された治療群では、血清ウステキヌマブ濃度の中央値は、ウステキ
ヌマブの抗体に対して陰性であった被験者のレベルと比べて、ウステキヌマブの抗体に対
して陽性であった被験者において、経時的により低くなった。
安全性の結果
44週目までq12W又はq8wで投与されたウステキヌマブ90mgの皮下維持レジ
メンは、概ね良好な忍容性を示し、ウステキヌマブの既知の安全性プロファイルと一致し
た。
●AEは、ウステキヌマブq8wの群、ウステキヌマブq12wの群、及びプラセボ群
の被験者のそれぞれ、77.3%、69.2%、及び78.9%で報告された。
-合理的に因果関係があるAEは、ウステキヌマブq8wの群、ウステキヌマブq1
2wの群、及びプラセボ群の被験者のそれぞれ、26.1%、17.4%、及び28.6
%で報告された。
●感染症(治験担当医によって特定される)は、ウステキヌマブq8wの群、ウステキ
ヌマブq12wの群、及びプラセボ群の被験者のそれぞれ、48.9%、33.7%、及
び46.3%で報告された。
-経口又は非経口抗生物質治療を必要とする感染は、ウステキヌマブq8wの群、ウ
ステキヌマブq12wの群、及びプラセボ群の被験者のそれぞれ、22.7%、15.7
%、及び19.4%で報告された。
●重篤な感染症は、ランダム化された被験者の間で頻度が低く、ウステキヌマブq8w
の群、ウステキヌマブq12wの群、及びプラセボ群で、それぞれ、1.7%、3.5%
、及び2.3%で報告された。日和見的感染症は、3人の被験体(全てランダム化された
集団で)で特定された。サイトメガロウイルス大腸炎は、ウステキヌマブq12w群の2
人の被験者について診断され、1人の被験者は、眼及び口唇ヘルペスの同時中程度のAE
と診断された。活動性TBの症例は、44週を通じて、ウステキヌマブ治療被験者の中で
は報告されなかった。
●試験薬剤の中断をもたらすAEを有するランダム化された被験者の割合は、プラセボ
群において、q12w群及びq8w群よりも高く、プラセボ群における中断をもたらす最
も頻繁なAEは、UCを悪化させた。
●ウステキヌマブ導入遅延応答者を含む全ての治療被験者の中で、全体的な安全性プロ
ファイルは、ランダム化された集団で観察されたものと一致した。
●ウステキヌマブ導入遅延応答者であり、ウステキヌマブをq8wで投与されていた1
人の被験者について死亡が報告された。死因は、多結節性甲状腺腫のための甲状腺手術中
に発生した急性呼吸不全に起因していた。
●全ての治療された被験者のうち、2人の被験者(1人の被験者は、ウステキヌマブ導
入遅延応答患者群[ウステキヌマブをq8wで投与]に属し、1人の被験者は、導入中に
ウステキヌマブIをIV投与されたプラセボ群にランダム化された)は、重篤な主要有害
心血管事象を報告し、両者の事象は、周術期合併症と関連付けられた。
●全ての治療被験者の中で、悪性疾患が報告された6人の被験者がいた(5人のウステ
キヌマブ治療被験者及び1人のプラセボのみの被験者)。
-3人のウステキヌマブ治療被験者は、非黒色腫皮膚癌(NMSC)を報告し、3人
全員が、アザチオプリン又は6-MP治療の以前の履歴のいずれかを有し、2人は、診断
時に併用免疫調節療法を受けていた。
-2人のウステキヌマブ治療被験者は、固形腫瘍を有することを報告し、1人の被験
者は乳頭状腎細胞癌(q12w)を有し、1人の被験者は結腸癌を有しており(q8w)
、この維持試験における被験者の参加中に、両者の腫瘍が早期に検出された。
●アナフィラキシー又は遅延型過敏症反応の症例は、ウステキヌマブで治療された被験
者の中で特定されなかった。
●≧1のベースライン後の最大毒性グレード化学的及び血液学的実験室値を有する被験
者の割合は、プラセボ群とそれぞれのウステキヌマブ群との間に顕著な差はなかった。グ
レード3及びグレード4の化学的及び血液学的実験室値は、頻度が低い。
医療経済性及び医学的資源利用の結果
●44週目までに、併用されたウステキヌマブ群の被験者は、プラセボ群と比べて、U
C疾患関連での入院又は手術はほとんどなかった。
●44週目に、生産性の視覚的アナログスコア(VAS)における維持ベースラインか
らの変化は、ウステキヌマブ治療群における被験者の改善、及びプラセボ群の被験者にお
ける悪化を実証した。
●44週目に、4つのWPAI-GHドメインのそれぞれの中のパーセンテージは、ウ
ステキヌマブ治療群について維持期のベースラインから維持され、ウステキヌマブのq8
w群の被験者において、健康に起因する労働中の減損率、健康に起因する総合的な労働減
損率、及び健康に起因する活動減損率についての追加の改善が観察された。プラセボ群の
被験者については、全ての4つのWPAI-GHドメインについてのパーセンテージは悪
化した(すなわち、増加した)。
結論
●ウステキヌマブ維持試験は、ウステキヌマブ90mgをq12w及びq8wでSC投
与する投与レジメンが、単回のIVウステキヌマブ導入用量に応答した中等症から重症の
活動期のUCを有する成人被験者において、両方とも有効であったという一貫して決定的
な証拠を示した。
-ウステキヌマブの有効性は、生物学的療法に不成功であった被験者、並びに生物学
的療法ではなく、従来の療法に不成功であったが生物学的療法に不成功ではなかった被験
者(すなわち、生物学的療法未経験)で観察された。
-注目すべきことに、ウステキヌマブの両方の用量は有効であったが、q8w投与レ
ジメンは、いくつかの客観的及び/又はより厳格なエンドポイント(例えば、内視鏡的治
癒及び長期の部分的Mayo寛解)、並びに症候性及び部分的Mayo寛解の経時的な解
析に対して、わずかにより良好な有効性を示した。
●ウステキヌマブの90mgでq12w及び90mgでq8wのSC投与レジメンによ
る維持投与量は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎を有する成人被験者の集団において、4
4週間にわたって、概ね良好な忍容性を示した。
●この試験からの安全性及び有効性データは、ウステキヌマブSC維持療法のための良
好な利益/リスクプロファイルを支援する。
欧州委員会(European Commission)は、2019年9月4日現在で、欧州において、
潰瘍性大腸炎(UC)の治療のためのSTELARA(STELARA)(登録商標)(
ウステキヌマブ)が承認されている。承認されたラベルは、静脈内投与製剤(セクション
1~10)及び皮下投与製剤(セクション1~10)を記載する付録Iに示される。
本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体の医薬組成物と、付録Iに開示される
1つ以上のラベル要素を含む包装と、を含み、この抗体は、(i)重鎖可変領域及び軽鎖
可変領域であって、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)
アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミ
ノ酸配列と、を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1
)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3ア
ミノ酸配列と、を含む、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、(ii)配列番号7のアミノ酸
配列の重鎖可変領域及び配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域、又は(iii)配列
番号10のアミノ酸配列の重鎖及び配列番号11のアミノ酸配列の軽鎖、を含む。
付録I
製品特性の概要
1.医療品の名称
注入用溶液のためのSTELARA 130mgの濃縮物
2.定性的及び定量的組成物
各バイアルは、26mL中、130mgのウステキヌマブを含有する(5mg/mL)
ウステキヌマブは、組換えDNA技術を使用して、マウス骨髄腫細胞株で産生された、
インターロイキン(IL)-12/23に対する完全ヒトIgG1κモノクローナル抗体
である。
賦形剤の完全リストについては、セクション6.1を参照されたい。
3.医薬品形態
輸液用の濃縮物。
溶液は透明であり、無色から淡黄色である。
4.臨床特性
4.1治療適応症
クローン病
STELARAは、従来の療法若しくはTNFα拮抗薬のいずれかに不十分な応答を有
していたか、応答を喪失したか、又はこれに忍容性不良を示した、あるいは、このような
療法に医学的禁忌を有している、中等症から重症の活動期のクローン病を有する成人患者
の治療に適応される。
潰瘍性大腸炎
STELARAは、従来の療法若しくは生物学的療法のいずれかに不十分な応答を有し
ていたか、応答を喪失したか、又はこれに忍容性不良を示した、あるいは、このような療
法に医学的禁忌を有している、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎を有する成人患者
の治療に適応される(セクション5.1を参照)。
4.2用量及び用法
輸液用のSTELARA濃縮物は、クローン病又は潰瘍性大腸炎の診断及び治療におい
て経験される医師の指導及び監視下での使用が意図される。輸液用のSTELARA濃縮
物は、静脈内導入投与にのみ使用されるべきである。
用量
クローン病及び潰瘍性大腸炎
STELARA治療は、体重に基づいて単回の静脈内投与で開始される。輸液は、ラベ
ル表1に指定されたSTELARA130mgのバイアルの数から構成される(製剤につ
いてのセクション6.6を参照)。
初回皮下投与量は、静脈内投与後8週目に投与されるべきである。後続の皮下投与レジ
メンの用量については、注射(バイアル)用STELARA溶液及びプレフィルドシリン
ジSmPC内の注射用溶液のセクション4.2を参照されたい。
高齢者(≧65歳)
高齢患者には、用量調節は必要ない(セクション4.4を参照)。
腎障害及び肝障害
STELARAは、これらの患者集団においては試験されていない。服用の推奨は行わ
れない。
小児集団
18歳未満の小児におけるクローン病又は潰瘍性大腸炎の治療のためのSTELARA
の安全性及び有効性は未だ確立されていない。データは利用できない。
投与方法
STELARA 130mgは、静脈内投与のみに使用される。本剤は、少なくとも1
時間にわたって投与されるべきである。
投与前の医薬品の希釈に関する指示については、セクション6.6を参照されたい。
4.3 禁忌
セクション6.1に列挙された活性物質又は賦形剤のいずれかに対する過敏症。
臨床的に重要である活動性感染症(例えば、活動性結核;セクション4.4を参照)。
4.4 特別な警告及び使用上の注意
追跡可能性
生物学的医薬品の追跡可能性を改善するために、投与される製品の商品名及びバッチ番
号を明確に記録する必要がある。
感染症
ウステキヌマブは、感染のリスクを増加させ、潜伏性感染を再活性化する可能性を有し
得る。臨床試験では、STELARAを投与された患者では、重篤な細菌、真菌、及びウ
イルス感染症が観察されている(セクション4.8を参照)。
慢性感染症又は反復性感染症の既往歴を有する患者におけるSTELARAの使用を考
慮する際に、注意を払うべきである(セクション4.3を参照)。
STELARAによる治療を開始する前に、患者は結核感染症について評価されるべき
である。STELARAは、活動性結核症を有する患者には投与されてはならない(セク
ション4.3を参照)。潜伏性結核感染症の治療は、STELARAを投与する前に開始
されるべきである。抗結核治療はまた、適切な治療過程が確認できない潜在性又は活動性
結核症の既往歴を有する患者におけるSTELARAの開始前にも考慮されるべきである
。STELARAを投与されている患者は、治療中及び治療後の活動性結核症の徴候及び
症状について注意深く監視しなければならない。
感染症の徴候又は症状が発生する場合、患者は医療アドバイスを求めるように指示され
るべきである。患者が重篤な感染症を発症する場合、患者を注意深く監視するべきであり
、感染症が解消するまでSTELARAを投与すべきではない。
悪性腫瘍
ウステキヌマブのような免疫抑制剤は、悪性疾患のリスクを増加させる可能性を有する
。臨床試験においてSTELARAを投与された一部の患者は、皮膚及び非皮膚悪性疾患
を発症した(セクション4.8を参照)。
悪性疾患の既往歴を有する患者を含むか、又はSTELARAを投与される間に悪性疾
患を発症する患者において治療を継続する試験は行われていない。したがって、これらの
患者におけるSTELARAの使用を考慮する際は、注意を払うべきである。
全ての患者、特に60歳を超える患者、長期の免疫抑制療法の病歴を有する患者、又は
PUVA治療の治療歴を有する患者は、非黒色腫皮膚癌の外観について監視されるべきで
ある(セクション4.8を参照)。
全身性及び呼吸過敏症反応
全身性
重度の過敏症反応は、市販後の医療現場で報告されており、いくつかの場合では治療後
数日で報告されている。アナフィラキシー及び血管性水腫が発症した。アナフィラキシー
又は他の重篤な過敏症反応が発症する場合、適切な治療を開始する必要があり、STEL
ARAの投与を中止する必要がある(セクション4.8参照)。
呼吸器
アレルギー性肺胞隔炎及び好酸球性肺炎の症例は、ウステキヌマブの承認後の使用中に
報告されている。臨床症状には、1~3回投与後の咳、嚥下、及び間質性浸潤が含まれた
。重篤な結果は、呼吸不全及び長期入院を含んでいた。改善は、ウステキヌマブの中断後
、また場合によってはコルチコステロイドの投与後に報告されている。感染症が除外され
、診断が確定された場合、ウステキヌマブを中止し、適切な治療を開始する(セクション
4.8を参照)。
ワクチン接種
生ウイルスワクチン又は生細菌ワクチン(カルメットゲラン杆菌(BCG)など)は、
STELARAと同時に投与されるべきではないことが推奨される。特定の試験は、生ウ
イルスワクチン又は生細菌ワクチンを最近受けた患者において行われていない。STEL
ARAを投与している患者における生ワクチンによる感染の二次的伝染に関するデータは
ない。生ウイルスワクチン接種又は生細菌ワクチン接種の前に、STELARAによる治
療は、最後の投与の少なくとも15週間後に保留されるべきであり、ワクチン接種から少
なくとも2週間後に再開することができる。処方者は、ワクチン接種後の免疫抑制剤の併
用に関する追加の情報及び指針のために、特定のワクチンの製品特性の概要を調べる必要
がある。
STELARAを投与されている患者は、併用の不活性化又は非生ワクチン接種を受け
てもよい。
STELARAによる長期治療は、肺炎球菌多糖体又は破傷風ワクチンに対する体液性
免疫応答を抑制しない(セクション5.1を参照)。
併用免疫抑制療法
乾癬試験では、生物学的製剤、又は光線療法を含む免疫抑制剤と併用したSTELAR
Aの安全性及び有効性は評価されていない。乾癬性関節炎の試験では、併用MTXの使用
は、STELARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。クローン
病及び潰瘍性大腸炎の試験では、免疫抑制剤又はコルチコステロイドの併用は、STEL
ARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。他の免疫抑制剤とST
ELARAとの併用を考慮する際、又は他の免疫抑制生物学的製剤からの移行時には、注
意を払うべきである(セクション4.5を参照)。
免疫療法
STELARAは、アレルギー免疫療法を受けた患者において評価されていない。ST
ELARAがアレルギー免疫療法に影響を及ぼし得るかどうかは知られていない。
重篤な皮膚病態
乾癬患者において、剥離性皮膚炎は、ウステキヌマブ治療後に報告されている(セクシ
ョン4.8を参照)。尋常性乾癬の患者は、疾患の自然経過の一部として、剥離性皮膚炎
から臨床的に区別できない症状を有する乾癬性紅皮症を発症し得る。患者の乾癬の監視の
一部として、医師は、乾癬性紅皮症又は剥離性皮膚炎の症状に油断してはならない。これ
らの症状が現れる場合、適切な治療を開始するべきである。薬物反応が疑われる場合には
、STELARAを中止するべきである。
特別な集団
高齢者(≧65歳)
承認された適応症の臨床試験における、STELARAを投与された65歳以上の患者
の、若年患者と比べての有効性又は安全性における全体的な違いは認められなかったが、
65歳以上の患者の数は、若年患者とは異なる応答を示すかどうかを判定するのに十分で
はない。一般に高齢者集団における感染症の発生率が高いため、高齢者の治療には注意を
要するべきである。
ナトリウム含有量
STELARAは、1用量当たり1ミリモル(23mg)未満のナトリウムを含有し、
すなわち本質的に「ナトリウムフリー」である。しかしながら、STELARAは、注入
のために塩化ナトリウム9mg/ml(0.9%)溶液で希釈される。これは、減塩食の
患者を考慮するべきである(セクション6.6を参照)。
4.5 他の医薬品との相互作用及び他の形態の相互作用
生ワクチンは、STELARAと併用して投与されるべきではない(セクション4.4
を参照)。
ヒトでは相互作用試験が行われていない。第III相試験の母集団薬物動態解析では、
乾癬の患者で最も頻繁に使用された併用医薬品(パラセタモール、イブプロフェン、アセ
チルサリチル酸、メトホルミン、アトロバスタチン、レボチロキシンを含む)のウステキ
ヌマブの薬物動態に対する影響を調べた。これらの併用投与された医薬品との相互作用の
兆候はなかった。この解析は、少なくとも100人の患者(試験された集団の>5%)を
、これらの医薬品と、試験期間の少なくとも90%にわたって併用治療したことに基づい
た。ウステキヌマブの薬物動態は、乾癬性関節炎、クローン病、又は潰瘍性大腸炎を有す
る患者におけるMTX、NSAID、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、及び経口
コルチコステロイドの併用によって、又は乾癬性関節炎若しくはクローン病を有する患者
における抗TNFα剤への以前の曝露によって、又は潰瘍性大腸炎を有する患者における
生物学的製剤(すなわち、抗TNFα剤及び/又はベドリズマブ)への以前の曝露によっ
て、影響を受けなかった。
インビトロ試験の結果は、併用CYP450基質を投与されている患者における用量調
節の必要性を示唆していない(セクション5.2を参照)。
乾癬試験では、生物学的製剤、又は光線療法を含む免疫抑制剤と併用したSTELAR
Aの安全性及び有効性は評価されていない。乾癬性関節炎の試験では、併用MTXの使用
は、STELARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。クローン
病及び潰瘍性大腸炎の試験では、免疫抑制剤又はコルチコステロイドの併用は、STEL
ARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。(セクション4.4を
参照)。
4.6 生殖能力、妊娠及び授乳
妊娠する可能性のある女性
妊娠する可能性のある女性は、治療中及び治療後少なくとも15週間に、有効な避妊方
法を使用するべきである。
妊娠
妊婦におけるウステキヌマブの使用からの適切なデータはない。動物試験は、妊娠、胚
/胎児発生、分娩又は産後の発育に対する直接的又は間接的な有害な影響を示さない(セ
クション5.3を参照)。予防措置として、妊娠におけるSTELARAの使用を避ける
ことが好ましい。
授乳
ウステキヌマブがヒト母乳中に排泄されるかどうかは不明である。動物試験は、母乳中
の低レベルでのウステキヌマブの排泄物を示している。ウステキヌマブが摂取後に全身に
吸収されるかは不明である。ウステキヌマブからの乳児における有害反応の可能性のため
に、治療中及び治療後最長15週目まで授乳を中断するかどうか、又はSTELARAに
よる治療を中断するかどうかに関する決定は、子供への授乳の利益、及び女性に対するS
TELARA療法の利益を考慮して行わなければならない。
生殖能力
ヒトの生殖能力に対するウステキヌマブの影響は、評価されていない(セクション5.
3を参照)。
4.7 運転及び機械操作能力に与える影響
STELARAは、運転及び機械操作能力に影響を与えないか、又は無視できるほどの
影響を有する。
4.8 副作用
安全性プロファイルの要約
ウステキヌマブを用いた成人の乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎の
臨床試験の比較対照期間における最も一般的な有害反応(>5%)は、鼻咽頭炎及び頭痛
であった。ほとんどは軽度であると考えられ、試験治療の中断を必要としなかった。ST
ELARAについて報告されている最も重篤な有害反応は、アナフィラキシーを含む重篤
な過敏症反応である(セクション4.4を参照)。全体的な安全性プロファイルは、乾癬
、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎を有する患者と同様であった。
有害反応の一覧表
以下に記載される安全性データは、6,709人の患者(乾癬及び/又は乾癬性関節炎
を有する4,135人の患者、クローン病を有する1,749人の患者、及び潰瘍性大腸
炎を有する825人の患者)における、14の第II相及び第III相の試験で、成人で
のウステキヌマブの曝露を反映している。これには、少なくとも6ヶ月間又は1年間の臨
床試験の比較対照期間及び非比較対照期間におけるSTELARAへの曝露(それぞれ、
乾癬、乾癬性関節炎、クローン病又は潰瘍性大腸炎の4,577人の患者及び3,253
人の患者)、及び少なくとも4年間又は5年間の曝露(それぞれ乾癬を有する1,482
人の患者及び838人の患者)が含まれる。
ラベル表2は、成人の乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床研究
からの有害反応のリスト、並びに、市販後経験から報告された有害反応のリストを提供す
る。有害反応は、以下の慣習を使用して、器官別大分類(System Organ Class)及び頻度
によって分類される:極めてよく起こる(Very Common)(≧1/10)、良く起こる(C
ommon)(≧1/100~<1/10)、一般的でない(Uncommon)(≧1/1,000
~<1/100)、まれ(Rare)(≧1/10,000~<1/1,000)、極めてま
れ(<1/10,000)、知られていない(not known)(利用可能なデータから推定
することができない)。各頻度グループ分け内では、有害反応は、重症度が高い順に提示
されている。
選択された有害反応の説明
感染症
乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎を有する患者のプラセボ対照試験
において、感染症又は重篤な感染症の割合は、ウステキヌマブ処置患者とプラセボ処置患
者との間で類似していた。これらの臨床試験のプラセボ各対照期間では、感染率は、ウス
テキヌマブ処置患者で患者の年間経過観察当たり1.36であり、プラセボ処置患者では
1.34であった。重篤な感染症は、ウステキヌマブ処置患者で患者の年間経過観察当た
り0.03の割合で発生し(930人の患者の年間経過観察において30の重篤な感染症
)、及びプラセボ処置患者では0.03の割合で発生した(434人の患者の年間経過観
察において15の重篤な感染症)(セクション4.4を参照)。
6,709人の患者の曝露の11,581人の患者年を表す、乾癬、乾癬性関節炎、ク
ローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床試験の比較対照期間及び非比較対照期間において、経
過観察の中央値は1.0年であり、乾癬疾患試験では1.1年であり、クローン病試験で
は0.6年であり、潰瘍性大腸炎試験では1.0年であった。感染率は、ウステキヌマブ
処置患者で患者の年間経過観察当たり0.91であり、重症感染率は、ウステキヌマブ処
置患者で患者の年間経過観察当たり0.02であり(11,581人の患者の年間経過観
察において199の重篤な感染症)、報告された重篤な感染症は、肺炎、肛門膿瘍、蜂巣
炎、憩室炎、胃腸炎、及びウイルス感染症が含まれた。
臨床試験では、イソニアジドで併用治療された潜伏性結核症を有する患者は、結核を発
症しなかった。
悪性腫瘍
乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床試験のプラセボを対照とし
た期間において、非黒色腫皮膚癌を除外した悪性疾患の発生率は、プラセボ処置患者の0
.23(434人の患者の年間経過観察において1人の患者)と比べて、ウステキヌマブ
処置患者で100人の患者の年間経過観察当たり0.11(929人の患者の年間経過観
察において1人の患者)であった。非黒色腫皮膚癌の発生率は、プラセボ処置患者の0.
46(433人の患者の年間経過観察において2人の患者)と比べて、ウステキヌマブ処
置患者で100人の患者の年間経過観察当たり0.43(929人の患者の年間経過観察
において4人の患者)であった。
6,709人の患者の曝露の11,561人の患者年を表す、乾癬、乾癬性関節炎、ク
ローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床試験の比較対照期間及び非比較対照期間において、経
過観察の中央値は1.0年であり、乾癬疾患試験では1.1年であり、クローン病試験で
は0.6年であり、潰瘍性大腸炎試験では1.0年であった。非黒色腫皮膚癌を除外した
悪性腫瘍を、11,561人の患者の年間経過観察において、62人の患者で報告された
(ウステキヌマブ処置患者について、100人の患者の年間経過観察当たり0.54の発
生率)。ウステキヌマブ処置患者で報告された悪性疾患の発生率は、一般集団で予測され
る発生率(標準化発生率=0.93[95%信頼区間:0.71、1.20]年齢、性別
、及び人種について調整)と同等であった。非黒色腫皮膚癌以外の最も頻繁に観察された
悪性腫瘍は、前立腺癌、大腸直腸癌、黒色腫、及び乳癌であった。非黒色腫皮膚癌の発生
率は、ウステキヌマブ処置患者について、100人の患者の年間経過観察当たり0.49
(11,545人の患者の年間経過観察において56人の患者)であった。基底細胞皮膚
癌の患者対扁平細胞皮膚癌の患者の比(3:1)は、一般集団で予想される比率と同等で
ある(セクション4.4を参照)。
過敏症及び輸液反応
クローン病及び潰瘍性大腸炎の静脈内導入試験では、アナフィラキシー又は他の重篤な
輸液反応の事象は、単回の静脈内投与後には報告されなかった。これらの試験では、78
5人のプラセボ処置患者の2.2%及びウステキヌマブの推奨用量で治療された790人
の患者の1.9%は、注入中又は注入中に生じる有害事象を報告した。
小児集団
尋常性感染を有する12歳以上の小児患者における副作用
ウステキヌマブの安全性は、12~17歳から110人の患者の第III相で、最長6
0週目まで試験されている。この試験では、報告された有害事象は、尋常性乾癬を有する
成人における以前の試験で見たものと同様であった。
疑わしい有害反応の報告
医薬品の認可後に疑わしい有害反応を報告することは重要である。これにより、医薬品
の利益/リスクバランスを継続的に監視することができる。医療従事者は、Append
ix Vに列挙されている国内報告システムを介して、疑わしい有害反応を報告するよう
に依頼される。
4.9 過量投与
最大6mg/kgまでの単回用量は、用量制限毒性を伴わずに、臨床試験において静脈
内投与されてきた。過量投与の場合、患者は、有害反応のいかなる徴候又は症状について
も監視され、適切な対症療法が直ちに開始されることが推奨される。
5.薬理学的特性
5.1 薬物動態特性
薬物療法群:免疫抑制剤、インターロイキン阻害剤、ATCコード:L04AC05。
作用機序
ウステキヌマブは、ヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23
の共有p40タンパク質サブユニットに特異的に結合する完全ヒトIgG1κモノクロー
ナル抗体である。ウステキヌマブは、免疫細胞の表面上に発現されたIL-12Rβ1受
容体タンパク質へのp40の結合を防止することにより、ヒトIL-12及びIL-23
の生体活性を阻害する。ウステキヌマブは、IL-12Rβ1細胞表面受容体に既に結合
しているIL-12又はIL-23に結合することはできない。したがって、ウステキヌ
マブは、IL-12及び/又はIL-23受容体を有する細胞の補体又は抗体媒介性細胞
傷害性に寄与する可能性はない。IL-12及びIL-23は、マクロファージ及び樹状
細胞などの活性化抗原提示細胞によって分泌されるヘテロ二量体サイトカインであり、両
方のサイトカインは免疫機能に関与し、IL-12は、ナチュラルキラー(NK)細胞を
刺激し、Tヘルパー1(Th1)表現型に向かってCD4+T細胞の分化を促進し、IL
-23は、Tヘルパー17(Th17)経路を誘導する。しかしながら、IL 12及び
IL 23の異常な調節は、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎などの
免疫介在性疾患に関連している。
IL-12及びIL-23の共有p40サブユニットに結合することにより、ウステキ
ヌマブは、これらの疾患の病状の中心であるTh1及びTh17サイトカイン経路の中断
を通して、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、並びに潰瘍性大腸炎にその臨床効果を及ぼ
し得る。
クローン病及び潰瘍性大腸炎を有する患者において、ウステキヌマブによる治療は、誘
導期の間にC反応性タンパク質(CRP)及び糞便カルプロテクチンを含む炎症性マーカ
ーの減少をもたらし、次いで維持期全体にわたって維持された。
免疫化
乾癬試験2(PHOENIX2)の期間延長の間、少なくとも3.5年間STELAR
Aで治療された成人患者は、非全身治療乾癬対照群としての肺炎球菌多糖体ワクチン及び
破傷風ワクチンの両方に対する同様の抗体応答を装着した。同様の割合の成人患者には、
防御レベルの抗肺炎球菌及び抗破傷風抗体が作られ、STELARA治療及び対照患者の
間で抗体価が類似していた。
臨床的有効性
クローン病
ウステキヌマブの安全性及び有効性を、3つのランダム化、二重盲検、プラセボ対照、
多施設試験で、中等症から重症の活動期のクローン病の成人患者(クローン病活動性指数
[CDAI]スコア≧220かつ≦450)で評価した。臨床開発プログラムは、2つの
8週間の静脈内導入試験(UNITI-1及びUNITI-2)、それに続く、療法の5
2週間を表す44週の皮下ランダム化治療中止維持試験(IM-UNITI)で構成され
た。
導入試験には、1409人(UNITI-1、n=769;UNITI-2、n=64
0)の患者が含まれた。両方の導入試験の主要エンドポイントは、6週目に臨床応答にあ
る被験者の割合(≧100点のCDAIスコアの減少として定義される)であった。有効
性データを収集し、両方の試験について、8週目まで解析した。経口コルチコステロイド
、免疫調節薬、アミノサリチレート及び抗生物質の併用投与が認められ、患者の75%に
、これらの薬剤のうちの少なくとも1つを投与し続けた。両方の試験において、患者を、
0週目で約6mg/kgの推奨される段階的用量(表1、セクション4.2を参照)、1
30mgのウステキヌマブの固定用量、又はプラセボのいずれかの単回静脈内投与を受け
るようにランダム化した。
UNITI-1の患者は、以前の抗TNFα療法に不成功であったか、又はこれに忍容
性不良であった。患者の約48%は、1つの以前の抗TNFα療法に不成功であって、5
2%は、2つ又は3つの以前の抗TNFα療法に不成功であった。この試験では、患者の
29.1%は、不十分な初期応答を有し(一次非応答者)、69.4%は応答したが応答
を喪失し(二次非応答者)、及び36.4%は抗TNFα療法に忍容性不良であった。
UNITI-2の患者は、コルチコステロイド又は免疫調節薬を含む少なくとも1つの
従来の療法に不成功であり、抗TNFα未経験(68.6%)であったか、又は以前に受
けたが抗TNFα療法に不成功ではなかった(31.4%)のいずれかであった。
UNITI-1及びUNITI-2の両方において、患者の有意に大きい割合は、プラ
セボと比べて、ウステキヌマブ治療群において臨床応答及び臨床的寛解にあった(ラベル
表3)。臨床応答及び臨床的寛解は、ウステキヌマブ処置患者において3週目ほどの早期
に有意であり、8週目まで改善を続けた。これらの導入試験では、有効性は、130mg
用量群と比べて、段階的用量群においてより高く、より良好に持続し、したがって、段階
的投与は推奨される静脈内導入用量である。
維持試験(IM-UNITI)は、試験UNITI-1及びUNITI-2において、
ウステキヌマブによる導入の8週目に100点の臨床応答を達成した388人の患者を評
価した。患者を、8週間毎に90mgのウステキヌマブ、12週間毎に90mgのウステ
キヌマブ、又はプラセボを44週間のいずれかの皮下維持レジメンを受けるようにランダ
ム化した(推奨される維持用量に関しては、注射(バイアル)用STELARA溶液及び
プレフィルドシリンジSmPC内の注射用溶液のセクション4.2を参照されたい)。
44週目には、ウステキヌマブ処置患者において、プラセボ群と比べて、有意に高い割
合の患者が、臨床的寛解及び臨床応答を維持した(ラベル表4を参照)。
IM-UNITIでは、129人の患者のうち29人は、12週間毎に治療されたとき
に、ウステキヌマブに対する応答を維持せず、8週間毎にウステキヌマブを投与されるよ
うに用量調節を行った。応答の喪失は、≧220点のCDAIスコア及びベースラインで
のCDAIスコアからの≧100点の増加として定義される。これらの患者では、用量調
節後16週間の患者の41.4%において臨床的寛解が達成された。
UNITI-1及びUNITI-2導入試験の8週目でのウステキヌマブ導入に臨床応
答していなかった患者(476人の患者)は、維持試験(IM-UNITI)の非ランダ
ム化部分に参加し、その時点でウステキヌマブの90mgの皮下注射を受けた。8週間後
、患者の50.5%は臨床応答を達成し、8週毎に維持投与量を受け続け、維持投与量を
継続したこれらの患者のうち、大多数が44週目で、最初にウステキヌマブ導入に応答し
た患者と同様である割合で、応答を維持し(68.1%)、寛解を達成した(50.2%
)。
ウステキヌマブ導入に応答し、維持試験の開始時にプラセボ群にランダム化された13
1人の患者のうち、51人が後に応答を喪失し、8週間毎に90mgのウステキヌマブを
皮下投与された。応答を喪失し、ウステキヌマブを再開した患者の大部分は、導入期の注
入の24週間以内にそれを行った。これらの51人の患者のうち、70.6%は臨床応答
を達成し、39.2%は、ウステキヌマブの最初の皮下投与を受けた16週間後に、臨床
的寛解を達成した。
IM-UNITIでは、44週目までに試験を完了した患者は、試験延長期において治
療を継続するために適格であった。試験延長期に参加した患者の中で、TNF療法に不成
功であった患者及び従来の療法に不成功であった患者の両方について、臨床的寛解及び応
答は、概ね92週目まで維持された。
クローン病を有する患者において最長2年間までのこの試験延長期間においては、クロ
ーン病を有する患者において、新たな安全性の懸念は特定されなかった。
内視鏡検査
粘膜の内視鏡的外観を、サブスタディ中の適格なベースライン内視鏡的疾患活動性を有
する252人の患者において評価した。主要エンドポイントは、Simplified
Endoscopic Disease Severity Score for Cr
ohn’s Disease(SES-CD)におけるベースラインからの変化、潰瘍の
存在/サイズの第5の回腸結腸部分にわたる複合スコア、潰瘍によって覆われた粘膜表面
の割合、任意の他の病変及び狭小化/狭窄の存在/種類に影響を受ける粘膜表面の割合で
あった。8週目に、単回の静脈内導入投与後に、SES-CDスコアの変化は、ウステキ
ヌマブ群(n=155、平均変化=-2.8)において、プラセボ群(n=97、平均変
化=-0.7、p=0.012)よりも大きかった。
瘻孔応答
ベースラインで廃液性瘻孔を有する患者のサブグループ(8.8%;n=26)におい
て、ウステキヌマブ処置患者の12人/15人(80%)が、プラセボに曝露された5人
/11人(45.5%)と比べて、44週間にわたる瘻孔応答(廃液性瘻孔の数における
導入試験のベースラインから≧50%の低減として定義される)を達成した。
健康関連の生活の質
健康関連の生活の質を、炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionn
aire)(IBDQ)及びSF-36質問票によって評価した。8週目に、ウステキヌマブ
を投与された患者は、プラセボと比較して、UNITI-1及びUNITI-2の両方に
おける総IBDQスコア及びSF-36精神的サマリースコア(Mental Comp
onent Summary Score)並びにUNITI-2におけるSF-36の
身体的サマリースコア(Physical Component Summary Score)の統計的に有意に大きくか
つ臨床的に意味のある改善を示した。これらの改善は、プラセボと比較したとき、IM-
UNITI試験でのウステキヌマブ処置患者において、44週目まで概ねより良好に維持
された。健康関連の生活の質の改善は、試験延長中に92週目まで概ね維持された。
潰瘍性大腸炎
ウステキヌマブの安全性及び有効性を、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(6~
12のMayoスコア;≧2の内視鏡検査サブスコア)を有する成人患者の2つのランダ
ム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設試験で評価した。臨床開発プログラムは、最長1
6週の治療を伴う1つの静脈内導入試験(UNIFI-Iと称される)、それに続く、療
法の少なくとも52週を表す、44週目までの皮下のランダム化治療中止維持試験(UN
IFI-Mと称される)から構成された。
UNIFI-I及び及びUNIFI-Mについて提示された有効性の結果は、内視鏡検
査の中心レビューに基づくものであった。
UNIFI-Iは、961人の患者を含んだ。導入試験の主要エンドポイントは、8週
目の臨床的寛解における被験者の割合であった。患者を、0週目で約6mg/kgの推奨
される段階的用量(ラベル表1、セクション4.2を参照)、130mgのウステキヌマ
ブの固定用量、又はプラセボのいずれかの単回静脈内投与を受けるようにランダム化した
経口コルチコステロイド、免疫調節薬、及びアミノサリチレートの併用投与が認められ
、患者の90%に、これらの薬剤のうちの少なくとも1つを投与し続けた。登録された患
者は、従来の療法(コルチコステロイド又は免疫調節薬)、又は少なくとも1つの生物学
的療法(TNFα拮抗薬及び/又はベドリズマブ)に不成功である必要があった。患者の
49%は、従来の療法に不成功であったが、生物学的療法には不成功ではなかった(その
うち94%は、生物学的療法未経験であった)。患者の51%は、生物学的療法に不成功
であったか、又はこれに忍容性不良を示した。患者の約50%は、少なくとも1つの以前
の抗TNFα療法に不成功であり(そのうち48%は、一次非応答者であった)、17%
は、少なくとも1つの抗TNFα療法及びベドリズマブに不成功であった。
UNIFI-Iにおいて、患者の有意に大きい割合は、8週目において、プラセボと比
べて、ウステキヌマブ治療群において臨床的寛解にあった(ラベル表5)。最も早い計画
された試験のための来院の、早くも2週目に、及び以降の各来院において、より高い割合
のウステキヌマブ患者が、直腸出血を有さず、又はプラセボ患者と比べて、正常な排便回
数を達成した。部分的Mayoスコア及び症候性寛解における有意な差異は、早くも2週
目に、ウステキヌマブとプラセボとの間で観察された。
選択されたエンドポイントにおける有効性は、130mg用量群と比べて、段階的用量
群(6mg/kg)においてより高く、したがって、段階的投与は推奨される静脈内導入
用量である。
UNIFI-Mは、UNIFI-Iにおけるウステキヌマブの単回IV投与によって臨
床応答を達成した523人の患者を評価した。患者を、8週間毎に90mgのウステキヌ
マブ、12週間毎に90mgのウステキヌマブ、又はプラセボを44週間のいずれかの皮
下維持レジメンを受けるようにランダム化した(推奨される維持用量に関しては、注射(
バイアル)用STELARA溶液及びプレフィルドシリンジSmPC内の注射用溶液のセ
クション4.2を参照されたい)。
44週目には、プラセボ群と比べて、有意に高い割合の患者が、両方のウステキヌマブ
治療群において臨床的寛解にあった(ラベル表6を参照)。
臨床応答、粘膜治癒、及び臨床的寛解に対するウステキヌマブの有益な効果は、従来の
治療に不成功であったが生物学的療法では不成功ではなかった患者において、並びにTN
Fα拮抗薬療法に対する一次非応答を有する患者が含まれる少なくとも1つの以前のTN
Fα拮抗薬療法に不成功であった患者において導入及び維持で観察された。少なくとも1
つの以前のTNFα拮抗薬療法及びベドリズマブに不成功であった患者における導入にお
いても有益な効果が観察されたが、このサブグループの患者の数は小さすぎて、維持中に
この群において有益な効果についての決定的な結論を引き出すことはできなかった。
ウステキヌマブ導入に対する16週目の応答
UNIFI-Iの8週目に応答しなかったウステキヌマブ処置患者は、8週目でウステ
キヌマブの90mgのSC投与を受けた(患者の36%)。これらの患者のうち、推奨さ
れる導入用量に最初にランダム化された患者の9%が臨床的寛解を達成し、58%が16
週目で臨床応答を達成した。
UNFI-I試験の8週目に、ウステキヌマブ導入に臨床応答していなかったが、16
週目に応答した患者(157人の患者)は、UNIFI-Mの非ランダム化部分に参加し
、8週間毎に維持投与量を受けることを継続し、これらの患者の中でも、大部分(62%
)が応答を維持し、30%が44週目に寛解した。
内視鏡的正常化
内視鏡的正常化は、0のMayo内視鏡サブスコアとして定義され、UNIFI-Iの
早くも8週目に観察された。UNIFI-Mの44週目には、これは、プラセボ群の患者
の18%と比べて、12週間又は8週間毎にウステキヌマブで治療された患者の、それぞ
れ24%及び29%で達成された。
組織学的&組織内視鏡的粘膜治癒
組織学的治癒(陰窩の<5%における好中球浸潤として定義され、陰窩破壊なし、及び
侵食、潰瘍、又は肉芽組織がない)を、UNIFI-Iの8週目及びUNIFI-Mの4
4週目で評価した。8週目に、単回の静脈内導入投与の後、プラセボ群の患者(22%)
と比べて、推奨用量群における患者の有意に大きい割合が、組織学的治癒を達成した(3
6%)。44週目で、この効果の維持は、プラセボ(33%)と比べて、12週間毎(5
4%)及び8週間毎(59%)のウステキヌマブ群の組織学的治癒において、有意に多い
患者で観察された。
粘膜治癒及び組織学的治癒の両方を有する被験者として定義された、組織-内視鏡的粘
膜治癒の複合エンドポイントを、UNIFI-Iの8週目及びUNIFI-Mの44週目
に評価した。推奨用量でウステキヌマブを投与された患者は、プラセボ群(9%)と比べ
て、ウステキヌマブ群(18%)において、8週目の組織-内視鏡的粘膜治癒エンドポイ
ントの有意な改善を示した。44週目で、この効果の維持は、プラセボ(24%)と比べ
て、12週間毎(39%)及び8週間毎(46%)のウステキヌマブ群の組織-内視鏡的
粘膜治癒において、有意に多い患者で観察された。
健康関連の生活の質
健康関連の生活の質を、炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionn
aire)(IBDQ)、SF-36及びEuroQoL-5D(EQ-5D)質問票によっ
て評価した。
UNIFI-Iの8週目では、ウステキヌマブを投与される患者は、プラセボと比べて
、総IBDQスコア、EQ-5D並びにEQ-5D VAS、及びSF-36精神的サマ
リースコア(Mental Component Summary Score)並びにSF-36身体的サマリースコア
(Physical Component Summary Score)に対する有意に大きく、かつ臨床的に意味のある
改善を示した。これらの改善は、UNIFI-Mにおけるウステキヌマブ処置患者で44
週目まで維持された。
ウステキヌマブを投与される患者は、プラセボを投与されている患者よりもWPAI-
GH質問票によって評価されるように、総労働損失及び活動性障害におけるより大きな低
減によって評価される仕事生産性の大幅な改善を経験した。
入院及び潰瘍性大腸炎(UC)に関連する手術
UNIFI-Iの8週目までに、UC疾患に関連して入院した被験者の割合は、プラセ
ボ群の被験者(4.4%、14人/319人)と比べて、ウステキヌマブ推奨用量群の被
験者(1.6%、5人/322人)に対して有意に低く、UC疾患に関連する手術を受け
た被験者は、プラセボ群の0.6%(2人/319人)の被験者と比べて、推奨される導
入用量で、ウステキヌマブを投与される被験者にはいなかった。
UNIFI-Mの44週目には、プラセボ群の被験者(5.7%、10人/175人)
と比べて、組み合わせたウステキヌマブ群の被験者(2.0%、7人/348人)におい
て、有意に少ない数のUC関連入院が観察された。44週目までに、プラセボ群(1.7
%、3人/175人)の被験者と比べて、UC疾患に関連する手術を受けた、ウステキヌ
マブ群の被験者の数(0.6%、2人/348人)は、数値的に下回った。
免疫原性
ウステキヌマブに対する抗体は、ウステキヌマブ治療中に作られ得、大部分は中和抗体
である。抗ウステキヌマブ抗体の形成は、クローン病又は潰瘍性大腸炎を有する患者にお
いて、ウステキヌマブのクリアランスの増加と関連付けられる。有効性の低下は観察され
なかった。抗ウステキヌマブ抗体の存在と注射部位反応の発生との間に明らかな相関は存
在しない。
小児集団
欧州医薬品庁(European Medicines Agency)は、クローン病及び潰瘍性大腸炎におけ
る小児集団の1つ以上のサブセットにおいて、ウステキヌマブを用いた試験の結果を提出
するための義務を延期している(小児の使用に関する情報についてのセクション4.2を
参照されたい)。
5.2 薬物動態特性
推奨される静脈内導入投与に続いて、注射1時間後に観察されたピーク血清ウステキヌ
マブ濃度の中央値は、クローン病患者において126.1μg/mLであり、潰瘍性大腸
炎患者において127.0μg/mLであった。
分布
乾癬患者に対する単回静脈内投与後の終末期(Vz)中の分布容積中央値は、57~8
3mL/kgの範囲であった。
生体内変化
ウステキヌマブの正確な代謝経路は不明である。
排泄
乾癬患者に対する単回静脈内投与後の全身クリアランス(CL)中央値は、1.99~
2.34mL/日/kgの範囲であった。ウステキヌマブの半減期(t1/2)中央値は
、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬及び/又は乾癬性関節炎を有する患者において、約3
週間であって、全乾癬及び乾癬性関節炎試験にわたって15~32日の範囲であった。
用量比例
0.09mg/kg~4.5mg/kgの範囲の用量での単回静脈内投与後、およそ用
量比例的に、ウステキヌマブの全身曝露(Cmax及びAUC)が増加した。
特別な集団
腎機能又は肝機能障害患者において、利用可能な薬物動態データはない。
高齢者又は小児患者において、静脈内ウステキヌマブを用いては特定の試験は行われて
いない。
クローン病及び潰瘍性大腸炎を有する患者では、ウステキヌマブクリアランスにおける
変動性は、体重、血清アルブミンレベル、性別、及びウステキヌマブ状態に対する抗体に
よって影響を受けたが、体重は、分布容積に影響を及ぼす主な共変数であった。更に、ク
ローン病において、クリアランスは、C反応性タンパク質、TNF拮抗薬不成功状態及び
人種(アジア人対非アジア人)によって影響を受けた。これらの共変量の影響は、それぞ
れのPKパラメータの典型的又は基準的な値の±20%以内であったため、用量調節は、
これらの共変量に対して保証されない。免疫調節薬の併用は、ウステキヌマブの体内動態
(disposition)に有意な影響を及ぼさなかった。
CYP450酵素の制御
IL-12又はIL-23のCYP450酵素の制御に及ぼす効果を、ヒト肝細胞を使
用するインビトロ試験で評価し、これは、10ng/mLのレベルのIL-12及び/又
はIL-23がヒトCYP450酵素活性を変化させなかったことを示した(CYP1A
2、2B6、2C9、2C19、2D6、又は3A4;セクション4.5を参照)。
5.3 前臨床安全性データ
非臨床データは、医薬品の安全性保証の評価を含む、反復投与毒性及び生殖発生毒性(
developmental and reproductive toxicity)の試験に基づいて、ヒトに対する特別な危
険性(例えば、器官毒性)を明らかにしていない。カニクイザルにおける生殖発生毒性試
験では、雄の受胎率にも先天異常にも、又は発生毒性に対する有害な影響も観察されなか
った。マウスにおけるIL-12/23と類似の抗体を使用して、雌の受胎率に対する悪
影響は観察されなかった。
動物試験における用量レベルは、乾癬患者に投与されることを意図した最高等価用量よ
りも約45倍高く、ヒトにおいて観察されたものよりも100倍超高かったサルのピーク
血清濃度をもたらした。
げっ歯類IL-12/23p40に対する交差反応性を有さない抗体に対する適切なモ
デルの欠如により、ウステキヌマブによる発癌性試験は実施しなかった。
6. 薬剤特性
6.1 賦形剤のリスト
EDTA二ナトリウム塩二水和物
L-ヒスチジン
L-ヒスチジンモノ塩酸塩一水和物
L-メチオニン
ポリソルベート80
スクロース
注射用水
6.2 配合禁忌
適合性試験の非存在下では、この医薬品は、他の医薬品と混合されてはならない。ST
ELARAは、塩化ナトリウム9mg/mL(0.9%)溶液でのみ希釈されるべきであ
る。STELARAは、他の医薬品と同一の静脈ラインで同時に投与されるべきではない
6.3 使用期限
3年間。
凍結させない。
実際に使用されるときの化学的及び物理的安定性は、15~25℃で8時間にわたって
実証されている。
微生物の生物学的観点から、希釈方法が微生物汚染の危険性を排除しない限り、生成物
は直ちに使用されるべきである。すぐに使用されない場合、実際に使用されるときの保管
時間及び条件は、ユーザの責任である。
6.4 保管上の留意点
冷蔵庫(2℃~8℃)で保管する。凍結させない。
光から保護するために、バイアルを外側カートン内に保持する。
医薬品の希釈後の保存条件については、セクション6.3を参照されたい。
6.5 容器の性質及び内容物
コーティングされたブチルゴムストッパで閉じた、30mLのI型ガラスバイアル中の
26mL溶液。STELARAは、1バイアルパックで入手可能である。
6.6 使用及び取り扱い上の注意
STELARAバイアル中の溶液は振盪されるべきではない。溶液は、投与前に粒子状
物質又は変色について視覚的に検査されるべきである。溶液は透明であり、無色から淡黄
色である。溶液が変色又は濁っている場合、又は異物が存在する場合には、医薬品は使用
されるべきではない。
希釈
輸液用のSTELARA濃縮物は、無菌技術を使用して医療従事者によって希釈及び調
製されなければならない。
1.患者の体重に基づいて必要とされる投与量及びSTELARAバイアルの数を計算
する(セクション4.2、ラベル表1を参照)。STELARAの各26mLバイアルに
は、130mgのウステキヌマブが含まれる。STELARAの完全なバイアルのみを使
用する。
2.添加されるSTELARAの容積に等しい250mLの輸液バッグから塩化ナトリ
ウム9mg/mL(0.9%)溶液を引き出して、廃棄する。(必要なSTELARAの
各バイアル瓶について、26mLの塩化ナトリウムを廃棄し、2バイアルでは、52mL
を廃棄し、3バイアルでは78mLを廃棄し、4バイアルでは104mLを廃棄する)
3.必要とされる各バイアルから26mLのSTELARAを引き出し、それを250
mLの輸液バッグに加える。輸液バッグ内の最終容積は、250mLであるべきである。
穏やかに混合する。
4.投与前に希釈溶液を目視検査する。視覚的に不透明な粒子、変色、又は異物が観察
される場合には使用しない。
5.希釈溶液を少なくとも1時間にわたって投与する。希釈されると、注入は、輸液バ
ッグにおける希釈から8時間以内に完了されるべきである。
6.インライン、無菌、非発熱性、低タンパク質結合フィルタ(孔径0.2マイクロメ
ートル)を有する輸液セットのみを使用する。
7.各バイアルは、1回のみ使用するためのものであり、いかなる未使用の医薬品も、
地域の要件に従って廃棄されるべきである。
7.販売承認取得者
Janssen-Cilag International NV
Turnhoutseweg 30
2340Beerse
Belgium
8.販売承認番号番号
EU/1/08/494/005
9.初回承認日/承認更新日
初回承認日:2009年1月16日
最新更新日:2013年9月19日
10.改訂日
この医薬品に関する詳細な情報は、欧州医療機関http://www.ema.eu
ropa.eu/のウェブサイトで入手可能である。
1.医療品の名称
注射用のSTELARA45mg溶液
注射用のSTELARA90mg溶液
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA45mg溶液
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA90mg溶液
2.定性的及び定量的組成物
注射用のSTELARA45mg溶液
各バイアルは、0.5mL中、45mgのウステキヌマブを含有する。
注射用のSTELARA90mg溶液
各バイアルは、1mL中、90mgのウステキヌマブを含有する。
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA45mg溶液
各プレフィルドシリンジは、0.5mL中に45mgのウステキヌマブを含有する。
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA90mg溶液
各プレフィルドシリンジは、1mL中に90mgのウステキヌマブを含有する。
ウステキヌマブは、組換えDNA技術を使用して、マウス骨髄腫細胞株で産生された、
インターロイキン(IL)-12/23に対する完全ヒトIgG1κモノクローナル抗体
である。
賦形剤の完全リストについては、セクション6.1を参照されたい。
3.医薬品形態
注射用のSTELARA45mg溶液
注射用溶液
注射用のSTELARA90mg溶液
注射用溶液
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA45mg溶液
注射用溶液
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA90mg溶液
注射用溶液
溶液は透明であり、わずかに乳白色、無色から淡黄色である。
4.臨床特性
4.1治療適応症
尋常性乾癬
STELARAは、シクロスポリン、メトトレキサート(MTX)、又はPUVA(ソ
ラレン長波長紫外線)を含む他の全身療法に対して応答不良であったか、又はこれらに禁
忌を有するか、又はこれらに忍容性不良を示す成人における中等症から重症の尋常性乾癬
治療に適応される(セクション5.1を参照)。
小児尋常性乾癬
STELARAは、他の全身両方又は光線療法によって不十分に制御されるか、又はこ
れらに忍容性不良を示す、年齢12歳以上の青年期患者における中等症から重症の尋常性
乾癬の治療に適応される(セクション5.1を参照)。
乾癬性関節炎(PsA)
STELARAは、以前の非生物学的疾患修飾抗リウマチ薬(disease-modifying anti
-rheumatic drug)(DMARD)療法に対する応答が不十分であった場合、単独で又は
MTXと組み合わせて、成人患者の活動期の乾癬性関節炎の治療に適用される(セクショ
ン5.1を参照)。
クローン病
STELARAは、従来の療法若しくはTNFα拮抗薬のいずれかに不十分な応答を有
していたか、応答を喪失したか、又はこれに忍容性不良を示した、あるいは、このような
療法に医学的禁忌を有している、中等症から重症の活動期のクローン病を有する成人患者
の治療に適応される。
潰瘍性大腸炎
STELARAは、従来の療法若しくは生物学的療法のいずれかに不十分な応答を有し
ていたか、応答を喪失したか、又はこれに忍容性不良を示した、あるいは、このような療
法に医学的禁忌を有している、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎を有する成人患者
の治療に適応される(セクション5.1を参照)。
4.2用量及び用法
STELARAは、STELARAが適応される病態の診断及び治療において経験され
る医師の指導及び監視下での使用が意図される。
用量
尋常性乾癬
STELARAの推奨される用量は、皮下投与される45mgの初回量、続いて、4週
間後の45mgの用量、次いでその後の12週間毎の45mgの用量である。
治療の最長28週間の応答が示されていない患者において、治療を中断することを考慮
すべきである。
体重>100kgの患者
体重>100kgの患者については、初回量は、皮下投与される90mgであり、続い
て、4週間後の90mgの用量、次いでその後の12週間毎の90mgの用量である。こ
れらの患者において、45mgも有効であることが示された。しかしながら、90mgは
、より高い有効性をもたらした。(セクション5.1、ラベル表4を参照)
乾癬性関節炎(PsA)
STELARAの推奨される用量は、皮下投与される45mgの初回量、続いて、4週
間後の45mgの用量、次いでその後の12週間毎の45mgの用量である。あるいは、
90mgを体重>100kgの患者に使用してもよい。
治療の最長28週間の応答が示されていない患者において、治療を中断することを考慮
すべきである。
高齢者(≧65歳)
高齢患者には、用量調節は必要ない(セクション4.4を参照)。
腎障害及び肝障害
STELARAは、これらの患者集団においては試験されていない。服用の推奨は行わ
れない。
小児集団
12歳未満の乾癬を有する小児、又は18歳未満の乾癬性関節炎を有する小児における
STELARAの安全性及び有効性は未だ確立されていない。
小児尋常性乾癬(12歳以上)
体重に基づくSTELARAの推奨用量を以下に示す(ラベル表1及び2)。STEL
ARAは、0週目及び4週目に投与され、その後12週間毎に投与されるべきである。
治療の最長28週間の応答が示されていない患者において、治療を中断することを考慮
すべきである。
クローン病及び潰瘍性大腸炎
治療レジメンでは、STELARAの初回用量は、静脈内投与される。静脈内投与レジ
メンの用量については、SmPCの注入溶液用のSTELARA130mg濃縮物のセク
ション4.2を参照されたい。
90mgのSTELARAの初回皮下投与は、静脈内投与後8週目に行われるべきであ
る。これに続いて、12週間毎に投与することが推奨される。
初回皮下投与の8週間後に、十分な応答を示さなかった患者は、この時点で2回目の皮
下投与を受けてもよい(セクション5.1を参照)。
12週間毎の投与に対する応答を喪失する患者は、8週間毎への投与頻度の増加から利
益を得ることができる(セクション5.1、セクション5.2を参照)。
続いて、臨床的判断に従って8週間毎又は12週間毎で患者に投与してもよい(セクシ
ョン5.1を参照)。
IV導入投与の16週間後又は8週間に1回の維持投与への切り替えから16週間後の
治療効果の証拠を示さない患者において治療を中断することを考慮すべきである。
免疫調節薬及び/又はコルチコステロイドは、STELARAによる治療中に継続して
もよい。STELARAによる治療に応答した患者において、コルチコステロイドは、標
準的治療に従って低減又は中断されてもよい。
クローン病において、治療が中断される場合、8週間毎の皮下投与による治療の再開が
安全かつ有効である。
高齢者(≧65歳)
高齢患者には、用量調節は必要ない(セクション4.4を参照)。
腎障害及び肝障害
STELARAは、これらの患者集団においては試験されていない。服用の推奨は行わ
れない。
小児集団
18歳未満の小児におけるクローン病又は潰瘍性大腸炎の治療におけるSTELARA
の安全性及び有効性は未だ確立されていない。データは利用できない。
投与方法
STELARA45mg及び90mgのバイアル又はプレフィルドシリンジは、皮下注
射用だけのものである。可能な場合、乾癬を示す皮膚の領域は、注射部位としては回避さ
れるべきである。
皮下注射技術における適切なトレーニングの後、医師が適切であると医師が判定した場
合、患者又は介護者はSTELARAを注入してもよい。しかしながら、医師は、患者の
適切な経過観察を確実にするべきである。患者又はその介護者は、添付文書に提供される
指示に従って、所定量のSTELARAを注入するように指示されるべきである。投与の
総合的説明は、添付文書に与えられる。
使用及び取り扱い上の注意に関する更なる指示については、セクション6.6を参照さ
れたい。
4.3 禁忌
セクション6.1に列挙された活性物質又は賦形剤のいずれかに対する過敏症。
臨床的に重要である活動性感染症(例えば、活動性結核;セクション4.4を参照)。
4.4 特別な警告及び使用上の注意
追跡可能性
生物学的医薬品の追跡可能性を改善するために、投与される製品の商品名及びバッチ番
号を明確に記録する必要がある。
感染症
ウステキヌマブは、感染のリスクを増加させ、潜伏性感染を再活性化する可能性を有し
得る。臨床試験では、STELARAを投与された患者では、重篤な細菌、真菌、及びウ
イルス感染症が観察されている(セクション4.8を参照)。
慢性感染症又は反復性感染症の既往歴を有する患者におけるSTELARAの使用を考
慮する際に、注意を払うべきである(セクション4.3を参照)。
STELARAによる治療を開始する前に、患者は結核感染症について評価されるべき
である。STELARAは、活動性結核症を有する患者には投与されてはならない(セク
ション4.3を参照)。潜伏性結核感染症の治療は、STELARAを投与する前に開始
されるべきである。抗結核治療はまた、適切な治療過程が確認できない潜在性又は活動性
結核症の既往歴を有する患者におけるSTELARAの開始前にも考慮されるべきである
。STELARAを投与されている患者は、治療中及び治療後の活動性結核症の徴候及び
症状について注意深く監視しなければならない。
感染症の徴候又は症状が発生する場合、患者は医療アドバイスを求めるように指示され
るべきである。患者が重篤な感染症を発症する場合、患者を注意深く監視するべきであり
、感染症が解消するまでSTELARAを投与すべきではない。
悪性腫瘍
ウステキヌマブのような免疫抑制剤は、悪性疾患のリスクを増加させる可能性を有する
。臨床試験においてSTELARAを投与された一部の患者は、皮膚及び非皮膚悪性疾患
を発症した(セクション4.8を参照)。
悪性疾患の既往歴を有する患者を含むか、又はSTELARAを投与される間に悪性疾
患を発症する患者において治療を継続する試験は行われていない。したがって、これらの
患者におけるSTELARAの使用を考慮する際には、注意を払うべきである。
全ての患者、特に60歳を超える患者、長期の免疫抑制療法の治療歴を有する患者、又
はPUVA治療の治療歴を有する患者は、非黒色腫皮膚癌の外観について監視されるべき
である(セクション4.8を参照)。
全身性及び呼吸過敏症反応
全身性
重度の過敏症反応は、市販後の医療現場で報告されており、いくつかの場合では治療後
数日で報告されている。アナフィラキシー及び血管性水腫が発症した。アナフィラキシー
又は他の重篤な過敏症反応が発症する場合、適切な治療を開始する必要があり、STEL
ARAの投与を中止する必要がある(セクション4.8参照)。
呼吸器
アレルギー性肺胞隔炎及び好酸球性肺炎の症例は、ウステキヌマブの承認後の使用中に
報告されている。臨床症状には、1~3回投与後の咳、嚥下、及び間質性浸潤が含まれた
。重篤な結果は、呼吸不全及び長期入院を含んでいた。改善は、ウステキヌマブの中断後
、また場合によってはコルチコステロイドの投与後に報告されている。感染症が除外され
、診断が確定された場合、ウステキヌマブを中止し、適切な治療を開始する(セクション
4.8を参照)。
ラテックス過敏症
STELARAプレフィルドシリンジのシリンジ上の針カバーは、乾燥天然ゴム(ラテ
ックスの誘導体)から製造され、これはラテックス過敏症の人にアレルギー反応を引き起
こす可能性がある。
ワクチン接種
生ウイルスワクチン又は生細菌ワクチン(カルメットゲラン杆菌(BCG)など)は、
STELARAと同時に投与されるべきではないことが推奨される。特定の試験は、生ウ
イルスワクチン又は生細菌ワクチンを最近受けた患者において行われていない。STEL
ARAを投与している患者における生ワクチンによる感染の二次的伝染に関するデータは
ない。生ウイルスワクチン接種又は生細菌ワクチン接種の前に、STELARAによる治
療は、最後の投与の少なくとも15週間後に保留されるべきであり、ワクチン接種から少
なくとも2週間後に再開することができる。処方者は、ワクチン接種後の免疫抑制剤の併
用に関する追加の情報及び指針のために、特定のワクチンの製品特性の概要を調べる必要
がある。
STELARAを投与されている患者は、併用の不活性化又は非生ワクチン接種を受け
てもよい。
STELARAによる長期治療は、肺炎球菌多糖体又は破傷風ワクチンに対する体液性
免疫応答を抑制しない(セクション5.1を参照)。
併用免疫抑制療法
乾癬試験では、生物学的製剤、又は光線療法を含む免疫抑制剤と併用したSTELAR
Aの安全性及び有効性は評価されていない。乾癬性関節炎の試験では、併用MTXの使用
は、STELARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。クローン
病及び潰瘍性大腸炎の試験では、免疫抑制剤又はコルチコステロイドの併用は、STEL
ARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。他の免疫抑制剤とST
ELARAとの併用を考慮したとき、又は他の免疫抑制生物学的製剤からの移行時に注意
を払うべきである(セクション4.5を参照)。
免疫療法
STELARAは、アレルギー免疫療法を受けた患者において評価されていない。ST
ELARAがアレルギー免疫療法に影響を及ぼし得るかどうかは知られていない。
重篤な皮膚病態
乾癬患者において、剥離性皮膚炎は、ウステキヌマブ治療後に報告されている(セクシ
ョン4.8を参照)。尋常性乾癬の患者は、疾患の自然経過の一部として、剥離性皮膚炎
から臨床的に区別できない症状を有する乾癬性紅皮症を発症し得る。患者の乾癬の監視の
一部として、医師は、乾癬性紅皮症又は剥離性皮膚炎の症状に油断してはならない。これ
らの症状が現れる場合、適切な治療を開始するべきである。薬物反応が疑われる場合には
、STELARAを中止するべきである。
特別な集団
高齢者(≧65歳)
承認された適応症の臨床試験における、STELARAを投与された65歳以上の患者
の、若年患者と比べての有効性又は安全性における全体的な違いは認められなかったが、
65歳以上の患者の数は、若年患者とは異なる応答を示すかどうかを判定するのに十分で
はない。一般に高齢者集団における感染症の発生率が高いため、高齢者の治療には注意を
要するべきである。
4.5 他の医薬品との相互作用及び他の形態の相互作用
生ワクチンは、STELARAと併用して投与されるべきではない(セクション4.4
を参照)。
ヒトでは相互作用試験が行われていない。第III相試験の集団薬物動態解析では、乾
癬の患者で最も頻繁に使用された併用医薬品(パラセタモール、イブプロフェン、アセチ
ルサリチル酸、メトホルミン、アトロバスタチン、レボチロキシンを含む)のウステキヌ
マブの薬物動態に対する影響を調べた。これらの併用投与された医薬品との相互作用の兆
候はなかった。この解析は、少なくとも100人の患者(試験された集団の>5%)を、
これらの医薬品と、試験期間の少なくとも90%にわたって併用治療したことに基づいた
。ウステキヌマブの薬物動態は、乾癬性関節炎、クローン病、又は潰瘍性大腸炎を有する
患者におけるMTX、NSAID、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、及び経口コ
ルチコステロイドの併用によって、又は乾癬性関節炎若しくはクローン病を有する患者に
おける抗TNFα剤への以前の曝露によって、又は潰瘍性大腸炎を有する患者における生
物学的製剤(すなわち、抗TNFα剤及び/又はベドリズマブ)への以前の曝露によって
、影響を受けなかった。
インビトロ試験の結果は、併用CYP450基質を投与されている患者における用量調
節の必要性を示唆していない(セクション5.2を参照)。
乾癬試験では、生物学的製剤、又は光線療法を含む免疫抑制剤と併用したSTELAR
Aの安全性及び有効性は評価されていない。乾癬性関節炎の試験では、併用MTXの使用
は、STELARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。クローン
病及び潰瘍性大腸炎の試験では、免疫抑制剤又はコルチコステロイドの併用は、STEL
ARAの安全性又は有効性に影響を及ぼすようには見えなかった。(セクション4.4を
参照)。
4.6 生殖能力、妊娠及び授乳
妊娠する可能性のある女性
妊娠する可能性のある女性は、治療中及び治療後少なくとも15週間に、有効な避妊方
法を使用するべきである。
妊娠
妊婦におけるウステキヌマブの使用からの適切なデータはない。動物試験は、妊娠、胚
/胎児発生、分娩又は産後の発育に対する直接的又は間接的な有害な影響を示さない(セ
クション5.3を参照)。予防措置として、妊娠におけるSTELARAの使用を避ける
ことが好ましい。
授乳
ウステキヌマブがヒト母乳中に排泄されるかどうかは不明である。動物試験は、母乳中
の低レベルでのウステキヌマブの排泄物を示している。ウステキヌマブが摂取後に全身に
吸収されるかは不明である。ウステキヌマブからの乳児における有害反応の可能性のため
に、治療中及び治療後最長15週目まで授乳を中断するかどうか、又はSTELARAに
よる治療を中断するかどうかに関する決定は、子供への授乳の利益、及び女性に対するS
TELARA療法の利益を考慮して行わなければならない。
生殖能力
ヒトの生殖能力に対するウステキヌマブの影響は、評価されていない(セクション5.
3を参照)。
4.7 運転及び機械操作能力に与える影響
STELARAは、運転及び機械操作能力に影響を与えないか、又は無視できるほどの
影響を有する。
4.8 副作用
安全性プロファイルの要約
ウステキヌマブを用いた成人の乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎の
臨床試験の管理された期間における最も一般的な有害反応(>5%)は、鼻咽頭炎及び頭
痛であった。ほとんどは軽度であると考えられ、試験治療の中断を必要としなかった。S
TELARAについて報告されている最も重篤な有害反応は、アナフィラキシーを含む重
篤な過敏症反応である(セクション4.4を参照)。全体的な安全性プロファイルは、乾
癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎を有する患者と同様であった。
有害反応の一覧表
以下に記載される安全性データは、6,709人の患者(乾癬及び/又は乾癬性関節炎
を有する4,135人の患者、クローン病を有する1,749人の患者、及び潰瘍性大腸
炎を有する825人の患者)における、14の第II相及び第III相の試験で、成人で
のウステキヌマブの曝露を反映している。これには、少なくとも6ヶ月間又は1年間の臨
床試験の管理された期間及び非管理期間におけるSTELARAへの曝露(それぞれ、乾
癬、乾癬性関節炎、クローン病又は潰瘍性大腸炎の4,577人の患者及び3,253人
の患者)、及び少なくとも4年間又は5年間の曝露(それぞれ乾癬を有する1,482人
の患者及び838人の患者)が含まれる。
表3は、成人の乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床研究からの
有害反応のリスト、並びに、市販後経験から報告された有害反応のリストを提供する。有
害反応は、以下の慣習を使用して、器官別大分類(System Organ Class)及び頻度によっ
て分類される:極めてよく起こる(Very Common)(≧1/10)、良く起こる(Common
)(≧1/100~<1/10)、一般的でない(Uncommon)(≧1/1,000~<1
/100)、まれ(Rare)(≧1/10,000~<1/1,000)、極めてまれ
(<1/10,000)、知られていない(not known)(利用可能なデータから推定す
ることができない)。各頻度グループ分け内では、有害反応は、重症度が高い順に提示さ
れている。
選択された有害反応の説明
感染症
乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎を有する患者のプラセボ対照試験
において、感染症又は重篤な感染症の割合は、ウステキヌマブ処置患者とプラセボ処置患
者との間で類似していた。これらの臨床試験のプラセボ各対照期間では、感染率は、ウス
テキヌマブ処置患者で患者の年間経過観察1人当たり1.36であり、プラセボ処置患者
では1.34であった。重篤な感染症は、ウステキヌマブ処置患者で患者の年間経過観察
当たり0.03の割合で発生し(930人の患者の年間経過観察において30の重篤な感
染症)、及びプラセボ処置患者では0.03の割合で発生した(434人の患者の年間経
過観察において15の重篤な感染症)(セクション4.4を参照)。
6,709人の患者の曝露の11,581人の患者年を表す、乾癬、乾癬性関節炎、ク
ローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床試験の比較対照期間及び非比較対照期間において、経
過観察の中央値は1.0年であり、乾癬疾患試験では1.1年であり、クローン病試験で
は0.6年であり、潰瘍性大腸炎試験では1.0年であった。感染率は、ウステキヌマブ
処置患者で患者の年間経過観察1人当たり0.91であり、重症感染率は、ウステキヌマ
ブ処置患者で患者の年間経過観察1人当たり0.02であり(11,581人の患者の年
間経過観察において199の重篤な感染症)、報告された重篤な感染症は、肺炎、肛門膿
瘍、蜂巣炎、憩室炎、胃腸炎、及びウイルス感染症が含まれた。
臨床試験では、イソニアジドで併用治療された潜伏性結核症を有する患者は、結核を発
症しなかった。
悪性腫瘍
乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床試験のプラセボを対照とし
た期間において、非黒色腫皮膚癌を除外した悪性疾患の発生率は、プラセボ処置患者の0
.23(434人の患者の年間経過観察において1人の患者)と比べて、ウステキヌマブ
処置患者で100人の患者の年間経過観察当たり0.11(929人の患者の年間経過観
察において1人の患者)であった。非黒色腫皮膚癌の発生率は、プラセボ処置患者の0.
46(433人の患者の年間経過観察において2人の患者)と比べて、ウステキヌマブ処
置患者で患者100人の患者の年間経過観察当たり0.43(929人の患者の年間経過
観察において4人の患者)であった。
6,709人の患者の曝露の11,561人の患者年を表す、乾癬、乾癬性関節炎、ク
ローン病、及び潰瘍性大腸炎の臨床試験の比較対照期間及び非比較対照期間において、経
過観察の中央値は1.0年であり、乾癬疾患試験では1.1年であり、クローン病試験で
は0.6年であり、潰瘍性大腸炎試験では1.0年であった。非黒色腫皮膚癌を除外した
悪性腫瘍を、11,561人の患者の年間経過観察において、62人の患者で報告された
(ウステキヌマブ処置患者について、100人の患者の年間経過観察当たり0.54の発
生率)。ウステキヌマブ処置患者で報告された悪性疾患の発生率は、一般集団で予測され
る発生率(標準化発生率=0.93[95%信頼区間:0.71、1.20]年齢、性別
、及び人種について調整)で予測される発生率と同等であった。非黒色腫皮膚癌以外の最
も頻繁に観察された悪性腫瘍は、前立腺癌、大腸直腸癌、黒色腫、及び乳癌であった。非
黒色腫皮膚癌の発生率は、ウステキヌマブ処置患者について、100人の患者の年間経過
観察当たり0.49(11,545人の患者の年間経過観察において56人の患者)であ
った。基底細胞皮膚癌の患者対扁平細胞皮膚癌の患者の比(3:1)は、一般集団で予想
される比率と同等である(セクション4.4を参照)。
過敏症反応
乾癬及び乾癬性関節炎のウステキヌマブの臨床試験の比較対照期間中、発疹及び蕁麻疹
はそれぞれ、患者の<1%において観察されている(セクション4.4を参照)。
小児集団
尋常性感染を有する12歳以上の小児患者における副作用
ウステキヌマブの安全性は、12~17歳から110人の患者の第III相で、最長6
0週目まで試験されている。この試験では、報告された有害事象は、尋常性乾癬を有する
成人における以前の試験で見たものと同様であった。
疑わしい有害反応の報告
医薬品の認可後に疑わしい有害反応を報告することは重要である。これにより、医薬品
の利益/リスクバランスを継続的に監視することができる。医療従事者は、Append
ix Vに列挙されている国内報告システムを介して、いかなる疑わしい有害反応も報告
するように依頼される。
4.9 過量投与
最大6mg/kgまでの単回用量は、用量制限毒性を伴わずに、臨床試験において静脈
内投与されてきた。過量投与の場合、患者は、有害反応のいかなる徴候又は症状について
も監視され、適切な対症療法が直ちに開始されることが推奨される。
5.薬理学的特性
5.1 薬物動態特性
薬物療法群:免疫抑制剤、インターロイキン阻害剤、ATCコード:L04AC05。
作用機序
ウステキヌマブは、ヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23
の共有p40タンパク質サブユニットに特異的に結合する完全ヒトIgG1κモノクロー
ナル抗体である。ウステキヌマブは、免疫細胞の表面上に発現されたIL-12Rβ1受
容体タンパク質へのp40の結合を防止することにより、ヒトIL-12及びIL-23
の生体活性を阻害する。ウステキヌマブは、IL-12Rβ1細胞表面受容体に既に結合
しているIL-12又はIL-23に結合することはできない。したがって、ウステキヌ
マブは、IL-12及び/又はIL-23受容体を有する細胞の補体又は抗体媒介性細胞
傷害性に寄与する可能性はない。IL-12及びIL-23は、マクロファージ及び樹状
細胞などの活性化抗原提示細胞によって分泌されるヘテロ二量体サイトカインであり、両
方のサイトカインは免疫機能に関与し、IL-12は、ナチュラルキラー(NK)細胞を
刺激し、Tヘルパー1(Th1)表現型に向かってCD4+T細胞の分化を促進し、IL
-23は、Tヘルパー17(Th17)経路を誘導する。しかしながら、IL 12及び
IL 23の異常な調節は、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎などの
免疫介在性疾患に関連している。
IL-12及びIL-23の共有p40サブユニットに結合することにより、ウステキ
ヌマブは、これらの疾患の病状の中心であるTh1及びTh17サイトカイン経路の中断
を通して、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、並びに潰瘍性大腸炎にその臨床効果を及ぼ
し得る。
クローン病及び潰瘍性大腸炎を有する患者において、ウステキヌマブによる治療は、誘
導期の間にC反応性タンパク質(CRP)及び糞便のカルプロテクチンを含む炎症性マー
カーの減少をもたらし、次いで維持期全体にわたって維持された。
免疫化
乾癬試験2(PHOENIX2)の期間延長の間、少なくとも3.5年間STELAR
Aで治療された成人患者は、非全身治療乾癬対照群としての肺炎球菌多糖体ワクチン及び
破傷風ワクチンの両方に対する同様の抗体応答を装着した。同様の割合の成人患者には、
防御レベルの抗肺炎球菌及び抗破傷風抗体が作られ、STELARA治療及び対照患者の
間で抗体価が類似していた。
臨床的有効性
尋常性乾癬(成人)
ウステキヌマブの安全性及び有効性を、中等症から重症の乾癬を有し、光線療法又は全
身療法の候補者であった患者の、2つのランダム化、二重盲検プラセボ対照試験において
、1,996人の患者で評価した。加えて、ランダム化、評価者盲検、実薬対照試験は、
シクロスポリン、MTX、又はPUVAに対する不十分な応答を有したか、これらに忍容
性不良を示したか、又は禁忌を示した、中等症から重症の尋常性乾癬を有する患者におい
て、ウステキヌマブとエタネルセプトとを比較した。
乾癬試験1(PHOENIX 1)は、766人の患者を評価した。これらの患者の5
3%は、非応答性、忍容性不良のいずれかであったか、又は他の全身療法に対する禁忌を
有した。患者は、0週目及び4週目の45mg又は90mgの用量のウステキヌマブの投
与にランダム化され、続いて12週間毎に同じ用量の投与を受けた。患者は、0週目及び
4週目のプラセボの投与にランダム化され、12週目及び16週目にウステキヌマブ(4
5mg又は90mgのいずれか)を受けるようにクロスオーバーされ、続いて12週間毎
に投与された。28週目及び40週目の両方において、乾癬面積及び重篤度指標(Psoria
sis Area and Severity Index)の75応答(ベースラインに対して少なくとも75%の
PASIの改善)を達成したウステキヌマブに最初にランダム化された患者は、12週間
毎にウステキヌマブを投与されるか、又はプラセボを投与される(すなわち、療法の中止
)かに再ランダム化された。40週目にプラセボに再ランダム化された患者は、40週目
に得られたPASI改善の少なくとも50%の損失を経験したときに、最初の投与レジメ
ンにおけるウステキヌマブを再度開始した。全ての患者に、試験治療の最初の投与後、最
長76週間にわたって経過観察した。
乾癬試験2(PHOENIX 2)は、1,230人の患者を評価した。これらの患者
の61%は、非応答性、忍容性不良のいずれかであったか、又は他の全身療法に対する禁
忌を有した。患者は、0週目及び4週目の45mg又は90mgの用量のウステキヌマブ
の投与にランダム化され、続いて16週目に追加の用量の投与を受けた。患者は、0週目
及び4週目のプラセボの投与にランダム化され、12週目及び16週目にウステキヌマブ
(45mg又は90mgのいずれか)を受けるようにクロスオーバーされた。全ての患者
に、試験治療の最初の投与後、最長52週間にわたって経過観察した。
乾癬試験3(ACCEPT)は、他の全身療法に不十分に応答したか、これに忍容性不
良で会ったか、又は禁忌を有した、中等症から重症の乾癬を有する903人の患者を評価
し、ウステキヌマブの有効性をエタネルセプトと比較し、ウステキヌマブ及びエタネルセ
プトの安全性を評価した。試験の12週の実薬対照部分中に、エタネルセプト(50mg
を1週間に2回)、0週目及び4週目でのウステキヌマブ45mg、又は0週目及び4週
目でのウステキヌマブ90mgの投与に患者をランダム化した。
ベースライン疾患特性は、乾癬試験1及び2における全ての治療群にわたって概ね一貫
しており、17~18のベースラインPASIスコアの中央値、≧20のベースライン対
表面積(BSA)の中央値、及び10~12の範囲の皮膚疾患が生活の質に与える影響の
評価指標(Dermatology Life Quality Index)(DLQI)であった。被験者の約1/3
(乾癬試験1)及び1/4(乾癬試験2)は、乾癬性関節炎(PsA)を有した。同様の
疾患重症度も乾癬試験3に見られた。
これらの試験における主要エンドポイントは、12週目にベースラインからのPASI
75応答を達成した患者の割合であった(ラベル表4及び5を参照)。
乾癬試験1では、PASI 75の維持は、治療中止と比べて、継続的な治療で有意に
優れていた(p<0.001)。同様の結果が、ウステキヌマブのそれぞれの用量で見ら
れた。1年目(52週目)では、維持治療に再ランダム化された患者の89%が、プラセ
ボ(治療中止)に再ランダム化された患者の63%と比べて、PASI 75応答者であ
った(p<0.001)。18ヶ月目(76週目)では、維持治療に再ランダム化された
患者の84%が、プラセボ(治療中止)に再ランダム化された患者の19%と比べて、P
ASI 75応答者であった。3年目(148週目)では、維持治療に再ランダム化され
た患者の82%が、PASI 75応答者であった。5年目(244週目)では、維持治
療に再ランダム化された患者の80%が、PASI 75応答者であった。
プラセボに再ランダム化された患者で、PASI改善の≧50%の喪失後に、その元の
ウステキヌマブ治療レジメンを再度開始した患者において、85%が、療法の再開始後1
2週間以内に、PASI 75応答を取り戻した。
乾癬試験1では、2週目及び12週目に、プラセボと比べて、各ウステキヌマブ治療群
において、DLQIにおけるベースラインからの有意に大きな改善が示された。この改善
は、28週目まで持続した。同様に、4週目及び12週目の乾癬試験2において有意な改
善が見られ、これは24週目まで持続した。乾癬試験1では、SF-36の身体的及び精
神的サマリースコアにおける、及びかゆみの視覚的アナログスケール(Visual Analogue
Scale)(VAS)における爪乾癬の改善(爪乾癬重症度指数)もまた、プラセボと比べ
て、各ウステキヌマブ治療群において有意であった。乾癬試験2では、不安及び抑うつに
関する質問票(Hospital Anxiety and Depression Scale)(HADS)及び労働生産性
に関する質問票(Work Limitations Questionnaire)(WLQ)もまた、プラセボと比べ
て、各ウステキヌマブ治療群において有意に改善された。
乾癬性関節炎(PsA)(成人)
ウステキヌマブは、徴候及び症状、身体的機能及び健康関連の生活の質を改善し、活動
性のPsAを有する成人患者における末梢関節損傷の進行速度を低減することが示されて
いる。
ウステキヌマブの安全性及び有効性は、非ステロイド性抗炎症(NSAID)又は疾患
修飾性抗リウマチ(DMARD)療法にもかかわらず、活動性PsA(≧5の関節腫脹及
び≧5の圧痛関節)を有する患者の2つのランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験にお
いて、927人の患者で評価された。これらの試験における患者は、少なくとも6ヶ月間
のPsAの診断を有していた。リウマチ結節の証拠がない多関節型関節炎(39%)、末
梢関節炎を伴う脊椎炎(28%)、非対称性関節炎(21%)、遠位指節間関節の関与(
12%)及び離断性関節炎(0.5%)を含む、それぞれのPsAのサブタイプを有する
患者が登録された。両方の試験における患者の70%以上及び40%が、それぞれベース
ラインにおいて付着部炎(enthesitis)及び指炎(dactylitis)を有していた。患者を、
0週目及び4週目にウステキヌマブの45mg、90mgによる治療、又はプラセボの皮
下投与による治療、続いて、12週間毎の投与(q12w)を受けるようにランダム化し
た。患者の約50%は、MTXの安定した用量(≦25mg/週)で継続した。
PsA試験1(PSUMMIT I)及びPsA試験2(PSUMMIT II)では
、患者のそれぞれ80%及び86%が、以前にDMARDで治療されていた。試験1では
、抗腫瘍壊死因子(TNF)α剤による以前の治療は許容されなかった。研究2では、患
者の大部分(58%、n=180)は、1つ以上の抗TNFα剤(複数可)で以前に治療
されており、70%を超える患者が、いずれの時点でも有効性の欠如又は忍容性不良のた
めにそれらの抗TNFα治療を中断した。
徴候及び症状
ウステキヌマブによる治療は、24週目に、プラセボと比べて、疾患活動性の尺度の有
意な改善をもたらした。主要エンドポイントは、24週目におけるアメリアリウマチ学会
基準判定(American College of Rheumatology)(ACR)20を達成した患者の割合で
あった。重要な有効性の結果を、以下のラベル表6に示す。
ACR 20、50及び70の応答は、改善し続け、52週目まで(PsA試験1並び
に2)及び100週目まで(PsA試験1)維持された。PsA試験1では、100週目
のACR 20応答は、45mg及び90mgについて、それぞれ57%及び64%まで
達成された。PsA試験2では、52週目のACR 20応答は、45mg及び90mg
について、それぞれ47%及び48%まで達成された。
修正PsA応答基準(PsARC)応答を達成する患者の割合もまた、24週目にプラ
セボと比べて、ウステキヌマブ群において有意に大きかった。PsARC応答は、52週
目及び100週目まで維持された。末梢関節炎を伴う脊椎炎を主な症状として有した、ウ
ステキヌマブで治療された患者のより高い割合が、24週目に、プラセボと比べて、バス
強直性脊椎炎疾患活動指数(Bath Ankylosing Spondylitis Disease Activity Index)(
BASDAI)スコアにおいて50%及び70%の改善を示した。
ウステキヌマブ治療群で観察された応答は、併用MTXを投与されている及び投与され
ていない患者において類似しており、52週目及び100週目まで維持された。ウステキ
ヌマブを投与された、以前に抗TNFα剤で治療された患者は、プラセボを投与された患
者よりも、24週目でより大きな応答を達成し(45mg及び90mgについての24週
目のACR 20応答は、プラセボ(15%)と比べて、それぞれ37%及び34%であ
り(p<0.05))、応答は、52週目まで維持された。
ベースラインにおいて付着部炎及び/又は指炎を有する患者については、PsA試験1
では、付着部炎及び指炎スコアにおける有意な改善が、24週目にプラセボと比べて、ウ
ステキヌマブ群で観察された。PsA試験2では、付着部炎スコアにおける有意な改善及
び指炎スコアにおける数値的改善(統計的に有意ではない)が、24週目で、プラセボと
比べて、ウステキヌマブの90mg群において観察された。付着部炎スコア及び指炎スコ
アにおける改善は、52週目及び100週目まで維持された。
放射線応答
両手及び両足における構造的損傷は、ベースラインと比べて、手の遠位指骨間関節を添
加することによってPsAに対して修正されたされた、総van der Heijde
-Sharp score(vdH-Sスコア)の変化として表された。PsA試験1及
び2の両方において927人の被験者からのデータを組み合わせた予め指定された統合解
析を実施した。ウステキヌマブは、総修正vdH-Sスコアにおける24週目までのベー
スラインからの変化によって測定される、構造的損傷の進行速度の、プラセボと比べての
統計的に有意な減少を実証した(平均値±SDスコアは、ウステキヌマブの45mg(p
<0.05)及び90mg(p<0.001)群において、それぞれ、0.40±2.1
1及び0.39±2.40と比べて、プラセボ群において、0.97±3.85であった
)。この効果は、PsA試験1によって推進された。この効果は、併用MTXの使用に関
係なく実証され、52週目(統合解析)及び100週目(PsA試験1)まで維持された
身体機能及び健康関連生活の質
ウステキヌマブ処置患者は、24週目で健康評価質問票機能障害指数(Disability Ind
ex of Health Assessment Questionnaire)(HAQ-DI)によって評価される、身体
機能の有意な改善を示した。ベースラインからのHAQ-DIスコアにおける臨床的に意
味のある≧0.3の改善を達成する患者の割合もまた、プラセボと比較した場合に、ウス
テキヌマブ群において有意に大きかった。ベースラインからのHAQ-DIスコアの改善
は、52週目及び100週目まで維持された。
24週目に、プラセボと比べて、ウステキヌマブ群のDLQIスコアにおける有意な改
善があり、これは、52週目及び100週目まで維持された。PsA試験2では、24週
目にプラセボと比較した場合に、ウステキヌマブ群において慢性疾患患者の疲労評価(Fu
nctional Assessment of Chronic Illness Therapy-Fatigue)(FACIT-F)スコア
に有意な改善があった。疲労の臨床的に有意な改善を達成する患者の割合(FACIT-
Fにおいて4点)もまた、プラセボと比べて、ウステキヌマブ群において有意に大きかっ
た。FACITスコアの改善は、52週目まで維持された。
小児集団
欧州医薬品庁(European Medicines Agency)は、中等症から重症の尋常性乾癬及び若
年性突発性関節炎の6歳~11歳の小児集団の1つ以上のサブセットにおいて、ウステキ
ヌマブを用いた試験の結果を提出するための義務を延期している(小児の使用に関する情
報についてのセクション4.2を参照)。
小児尋常性乾癬
ウステキヌマブは、尋常性乾癬を有する12歳以上の小児患者における徴候及び症状、
並びに健康関連の生活の質を改善することが示されている。
ウステキヌマブの有効性を、多施設、第3相、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試
験(CADMUS)において、中等症から重症の尋常性乾癬を有する110人の12~1
7歳の小児患者で試験した。患者は、プラセボ(n=37)、又はウステキヌマブの推奨
用量(セクション4.2を参照、n=36)若しくはウステキヌマブの推奨用量の半分(
n=37)を、0週目及び4週目に皮下注射により投与され、続いて12週間毎に投与(
q12w)されるようにランダム化された。12週目に、プラセボ処置患者は、ウステキ
ヌマブを投与されるようにクロスオーバーした。
全身療法及び光線療法の候補者であった、PASI≧12、PGA≧3及び少なくとも
10%のBSA関与を有する患者が、試験のために適格であった。患者の約60%は、従
来の全身療法又は光線療法への曝露前であった。患者の約11%は、生物学的療法への曝
露前であった。
主要エンドポイントは、12週目でクリアされた(0)又は最小(1)のPGAスコア
を達成する患者の割合であった。副次的エンドポイントには、12週目の、PASI 7
5、PASI 90、小児の皮膚科的生活の質指数(Children’s Dermatology Life Qua
lity Index)(CDLQI)におけるベースラインからの変化、PedsQL(小児生活
の質評価表(Paediatric Quality of Life Inventory))の総スケールスコアにおけるベ
ースラインからの変化が含まれた。12週目に、ウステキヌマブで処置した被験者は、プ
ラセボと比べて、乾癬及び健康に関連する生活の質の有意な大きな改善を示した(表7)
全ての患者に、試験薬剤の最初の投与後、有効性を最長52週間にわたって経過観察し
た。クリアされた(0)又は最小の(1)のPGAスコアを有する患者の割合、及びPA
SI 75を達成する割合は、4週目に初回のベースライン後訪問時に、ウステキヌマブ
処置群とプラセボとの間の分離を示し、12週目まで最大に達した。PGA、PASI、
CDLQI及びPedQLの改善は、52週目まで維持された(ラベル表7)。
12週目までのプラセボ比較対照期間中、推奨用量群及び推奨用量の半分の群の両方の
有効性は、主要エンドポイントで概ね同等であった(それぞれ、69.4%及び67.6
%)が、高レベルの有効性基準(例えば、クリアされた(0)のPGA、PASI 90
)についての用量応答の証拠があった。12週目を超えて、有効性は、推奨投与の半分の
群と比べて、推奨用量群において、概ね、より高くかつ良好に持続され、この推奨用量の
半分の群では、有効性のわずかな喪失が、各12週目の投与間隔の終わりに向かってより
頻繁に観察された。推奨用量及び推奨用量の半分の安全性プロファイルは、同等であった
クローン病
ウステキヌマブの安全性及び有効性を、3つのランダム化、二重盲検、プラセボ対照、
多施設試験で、中等症から重症の活動期のクローン病の成人患者(クローン病活動性指数
[CDAI]スコア≧220かつ≦450)で評価した。臨床開発プログラムは、2つの
8週間の静脈内導入試験(UNITI-1及びUNITI-2)、それに続く、療法の5
2週間を表す44週の皮下ランダム化治療中止維持試験(IM-UNITI)で構成され
た。
導入試験には、1409人(UNITI-1、n=769;UNITI-2、n=64
0)の患者が含まれた。両方の導入試験の主要エンドポイントは、6週目に臨床応答にあ
る被験者の割合(≧100点のCDAIスコアの減少として定義される)であった。有効
性データを収集し、両方の試験について、8週目まで解析した。経口コルチコステロイド
、免疫調節薬、アミノサリチレート及び抗生物質の併用投与が認められ、患者の75%に
、これらの薬剤のうちの少なくとも1つを投与し続けた。両方の試験において、患者を、
0週目で約6mg/kgの推奨される段階的用量(輸液SmPC用の溶液のSTELAR
A130mg濃縮物のセクション4.2を参照)、130mgのウステキヌマブの固定用
量、又はプラセボのいずれかの単回静脈内投与を受けるようにランダム化した。
UNITI-1の患者は、以前の抗TNFα療法に不成功であったか、又はこれに忍容
性不良であった。患者の約48%は、1つの以前の抗TNFα療法の前に不成功であって
、52%は、2つ又は3つの以前の抗TNFα療法に不成功であった。この試験では、患
者の29.1%は、不十分な初期応答を有し(一次非応答者)、69.4%は応答したが
応答を受けたが応答を喪失し(二次非応答者)、及び36.4%は抗TNFα療法に忍容
性不良であった。
UNITI-2の患者は、コルチコステロイド又は免疫調節薬を含む少なくとも1つの
従来の療法に不成功であり、抗TNFα未経験(68.6%)であったか、又は以前に受
けたが抗TNFα療法に不成功ではなかった(31.4%)のいずれかであった。
UNITI-1及びUNITI-2の両方において、患者の有意に大きい割合は、プラ
セボと比べて、ウステキヌマブ治療群において臨床応答及び臨床的寛解にあった(ラベル
表8)。臨床応答及び臨床的寛解は、ウステキヌマブ処置患者において3週目ほどの早期
に有意であり、8週目まで改善を続けた。これらの導入試験では、有効性は、130mg
用量群と比べて、段階的用量群においてより高く、より良好に持続し、したがって、段階
的投与は推奨される静脈内導入用量である。
維持試験(IM-UNITI)は、試験UNITI-1及びUNITI-2において、
ウステキヌマブによる導入の8週目に100点の臨床応答を達成した388人の患者を評
価した。患者を、8週間毎に90mgのウステキヌマブ、12週間毎に90mgのウステ
キヌマブ、又はプラセボを44週間のいずれかの皮下維持レジメンを受けるようにランダ
ム化した(推奨される維持用量に関しては、セクション4.2を参照されたい)。
44週目には、プラセボ群と比べて、有意に高い割合の患者が、ウステキヌマブ処置患
者において、臨床的寛解及び臨床応答を維持した(ラベル表9を参照)。
IM-UNITIでは、129人の患者のうち29人は、12週毎に治療されたときに
、ウステキヌマブに対する応答を維持せず、8週毎にウステキヌマブを投与されるように
用量調節を行った。応答の喪失は、≧220点のCDAIスコア及びベースラインでのC
DAIスコアからの≧100点の増加として定義される。これらの患者では、用量調節後
16週間の患者の41.4%において臨床的寛解が達成された。
UNITI-1及びUNITI-2導入試験の8週目でのウステキヌマブ導入に臨床応
答していなかった患者(476人の患者)は、維持試験(IM-UNITI)の非ランダ
ム化部分に参加し、その時点でウステキヌマブの90mgの皮下注射を受けた。8週間後
、患者の50.5%は臨床応答を達成し、8週毎に維持投与量を受け続け、維持投与量を
継続したこれらの患者のうち、大多数が44週目で、最初にウステキヌマブ導入に応答し
た患者と同様である割合で、応答を維持し(68.1%)、寛解を達成した(50.2%
)。
ウステキヌマブ導入に応答し、維持試験の開始時にプラセボ群にランダム化された13
1人の患者のうち、51人が後に応答を喪失し、8週毎に90mgのウステキヌマブを皮
下投与された。応答を喪失し、ウステキヌマブを再開した患者の大部分は、導入期の注入
の24週間以内にそれを行った。これらの51人の患者のうち、70.6%は臨床応答を
達成し、39.2%は、ウステキヌマブの最初の皮下投与を受けた16週間後に、臨床的
寛解を達成した。
IM-UNITIでは、44週目までに試験を完了した患者は、試験延長期において治
療を継続するために適格であった。試験延長期に参加した患者の中で、TNF療法に不成
功であった患者及び従来の療法に不成功であった患者の両方について、臨床的寛解及び応
答は、概ね92週目まで維持された。
クローン病を有する患者において治療の最長2年間までのこの試験延長期間においては
、新たな安全性の懸念は特定されなかった。
内視鏡検査
粘膜の内視鏡的外観を、サブスタディ中の適格なベースライン内視鏡的疾患活動性を有
する252人の患者において評価した。主要エンドポイントは、Simplified
Endoscopic Disease Severity Score for Cr
ohn’s Disease(SES-CD)におけるベースラインからの変化、潰瘍の
存在/サイズの第5の回腸結腸部分にわたる複合スコア、潰瘍によって覆われた粘膜表面
の割合、任意の他の病変及び狭小化/狭窄の存在/種類に影響を受ける粘膜表面の割合で
あった。8週目に、単回の静脈内導入投与後に、SES-CDスコアの変化は、ウステキ
ヌマブ群(n=155、平均変化=-2.8)において、プラセボ群(n=97、平均変
化=-0.7、p=0.012)よりも大きかった。
瘻孔応答
ベースラインで廃液性瘻孔を有する患者のサブグループ(8.8%;n=26)におい
て、ウステキヌマブ処置患者の12人/15人(80%)が、プラセボに曝露された5人
/11人(45.5%)と比べて、44週間にわたる瘻孔応答(廃液性瘻孔の数における
導入試験のベースラインから≧50%の低減として定義される)を達成した。
健康関連の生活の質
健康関連の生活の質を、炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionn
aire)(IBDQ)及びSF-36質問票によって評価した。8週目に、ウステキヌマブ
を投与された患者は、プラセボと比較して、UNITI-1及びUNITI-2の両方に
おける総IBDQスコア及びSF-36精神的サマリースコア(Mental Comp
onent Summary Score)並びにUNITI-2におけるSF-36の
身体的サマリースコア(Physical Component Summary Score)の統計的に有意に大きくか
つ臨床的に有意な改善を示した。これらの改善は、プラセボと比較したとき、IM-UN
ITI試験でのウステキヌマブ処置患者において、44週目まで概ねより良好に維持され
た。健康関連の生活の質の改善は、試験延長中に92週目まで概ね維持された。
潰瘍性大腸炎
ウステキヌマブの安全性及び有効性を、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(6~
12のMayoスコア;≧2の内視鏡検査サブスコア)を有する成人患者の2つのランダ
ム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設試験で評価した。臨床開発プログラムは、最長1
6週の治療を伴う1つの静脈内導入試験(UNIFI-Iと称される)、それに続く、療
法の少なくとも52週を表す、44週目までの皮下のランダム化治療中止維持試験(UN
IFI-Mと称される)から構成された。
UNIFI-I及び及びUNIFI-Mについて提示された有効性の結果は、内視鏡検
査の中心レビューに基づくものであった。
UNIFI-Iは、961人の患者を含んだ。導入試験の主要エンドポイントは、8週
目の臨床的寛解における被験者の割合であった。患者を、0週目で約6mg/kgの推奨
される段階的用量(ラベル表1、セクション4.2を参照)、130mgのウステキヌマ
ブの固定用量、又はプラセボのいずれかの単回静脈内投与を受けるようにランダム化した
経口コルチコステロイド、免疫調節薬、及びアミノサリチレートの併用投与が認められ
、患者の90%に、これらの薬剤のうちの少なくとも1つを投与し続けた。登録された患
者は、従来の療法(コルチコステロイド又は免疫調節薬)、又は少なくとも1つの生物学
的療法(TNFα拮抗薬及び/又はベドリズマブ)に不成功である必要があった。患者の
49%は、従来の療法に不成功であったが、生物学的療法には不成功ではなかった(その
うち94%は、生物学的療法未経験であった)。患者の51%は、生物学的療法に不成功
であったか、又はこれに忍容性不良を示した。患者の約50%は、少なくとも1つの以前
の抗TNFα療法に不成功であり(そのうち48%は、一次非応答者であった)、17%
は、少なくとも1つの抗TNFα療法及びベドリズマブに不成功であった。
UNIFI-Iにおいて、患者の有意に大きい割合は、8週目において、プラセボと比
べて、ウステキヌマブ治療群において臨床的寛解にあった(ラベル表10)。最も早い計
画された試験のための来院の、早くも2週目に、及び以降の各来院において、より高い割
合のウステキヌマブ患者が、直腸出血を有さず、又はプラセボ患者と比べて、正常な排便
回数を達成した。部分的Mayoスコア及び症候性寛解における有意な差異は、早くも2
週目に、ウステキヌマブとプラセボとの間で観察された。
選択されたエンドポイントにおける有効性は、130mg用量群と比べて、段階的用量
群(6mg/kg)においてより高く、したがって、段階的投与は推奨される静脈内導入
用量である。
UNIFI-Mは、UNIFI-Iにおけるウステキヌマブの単回IV投与によって臨
床応答を達成した523人の患者を評価した。患者を、8週間毎に90mgのウステキヌ
マブ、12週間毎に90mgのウステキヌマブ、又はプラセボを44週間のいずれかの皮
下維持レジメンを受けるようにランダム化した(推奨される維持用量に関しては、注射(
バイアル)用STELARA溶液及びプレフィルドシリンジSmPC内の注射用溶液のセ
クション4.2を参照されたい)。
44週目には、プラセボ群と比べて、有意に高い割合の患者が、両方のウステキヌマブ
治療群において臨床的寛解にあった(ラベル表11を参照)。
臨床応答、粘膜治癒、及び臨床的寛解に対するウステキヌマブの有益な効果は、従来の
治療に不成功であったが生物学的療法では不成功ではなかった患者において、並びにTN
Fα拮抗薬療法に対する一次非応答を有する患者が含まれる少なくとも1つの以前のTN
Fα拮抗薬療法に不成功であった患者において導入及び維持で観察された。少なくとも1
つの以前のTNFα拮抗薬療法及びベドリズマブに不成功であった患者における導入にお
いても有益な効果が観察されたが、このサブグループの患者の数は小さすぎて、維持中に
この群において有益な効果についての決定的な結論を引き出すことはできなかった。
ウステキヌマブ導入に対する16週目の応答者
UNIFI-Iの8週目に応答しなかったウステキヌマブ処置患者は、8週目でウステ
キヌマブの90mgのSC投与を受けた(患者の36%)。これらの患者のうち、推奨さ
れる導入用量に最初にランダム化された患者の9%が臨床的寛解を達成し、58%が16
週目で臨床応答を達成した。
UNFI-I試験の8週目に、ウステキヌマブ導入に臨床応答していなかったが、16
週目に応答した患者(157人の患者)は、UNIFI-Mの非ランダム化部分に参加し
、8週間毎に維持投与量を受けることを継続し、これらの患者の中でも、大部分(62%
)が応答を維持し、30%が44週目に寛解した。
内視鏡的正常化
内視鏡的正常化は、0のMayo内視鏡サブスコアとして定義され、UNIFI-Iの
早くも8週目に観察された。UNIFI-Mの44週目には、これは、プラセボ群の患者
の18%と比べて、12週間又は8週間毎にウステキヌマブで治療された患者の、それぞ
れ24%及び29%で達成された。
組織学的&組織内視鏡的粘膜治癒
組織学的治癒(陰窩の<5%における好中球浸潤として定義され、陰窩破壊なし、及び
侵食、潰瘍、又は肉芽組織がない)を、UNIFI-Iの8週目及びUNIFI-Mの4
4週目で評価した。8週目に、単回の静脈内導入投与の後、プラセボ群の患者(22%)
と比べて、推奨用量群における患者の有意に大きい割合が、組織学的治癒を達成した(3
6%)。44週目で、この効果の維持は、プラセボ(33%)と比べて、12週間毎(5
4%)及び8週間毎(59%)のウステキヌマブ群の組織学的治癒において、有意に多い
患者で観察された。
粘膜治癒及び組織学的治癒の両方を有する被験者として定義された、組織-内視鏡的粘
膜治癒の複合エンドポイントを、UNIFI-Iの8週目及びUNIFI-Mの44週目
に評価した。推奨用量でウステキヌマブを投与された患者は、プラセボ群(9%)と比べ
て、ウステキヌマブ群(18%)において、8週目の組織-内視鏡的粘膜治癒エンドポイ
ントの有意な改善を示した。44週目で、この効果の維持は、プラセボ(24%)と比べ
て、12週間毎(39%)及び8週間毎(46%)のウステキヌマブ群の組織-内視鏡的
粘膜治癒において、有意に多い患者で観察された。
健康関連の生活の質
健康関連の生活の質を、炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionn
aire)(IBDQ)、SF-36及びEuroQoL-5D(EQ-5D)質問票によっ
て評価した。
UNIFI-Iの8週目では、ウステキヌマブを投与される患者は、プラセボと比べて
、総IBDQスコア、EQ-5D並びにEQ-5D VAS、及びSF-36精神的サマ
リースコア(Mental Component Summary Score)並びにSF-36身体的サマリースコア
(Physical Component Summary Score)に対する有意に大きく、かつ臨床的に意味のある
改善を示した。これらの改善は、UNIFI-Mにおけるウステキヌマブ処置患者で44
週目まで維持された。
ウステキヌマブを投与される患者は、プラセボを投与されている患者よりもWPAI-
GH質問票によって評価されるように、総労働損失及び活動性障害におけるより大きな低
減によって評価される仕事生産性の大幅な改善を経験した。
入院及び潰瘍性大腸炎(UC)に関連する手術
UNIFI-Iの8週目までに、UC疾患に関連して入院した被験者の割合は、プラセ
ボ群の被験者(4.4%、14人/319人)と比べて、ウステキヌマブ推奨用量群の被
験者(1.6%、5人/322人)に対して有意に低く、UC疾患に関連する手術を受け
た被験者は、プラセボ群の0.6%(2人/319人)の被験者と比べて、推奨される導
入用量で、ウステキヌマブを投与される被験者にはいなかった。
UNIFI-Mの44週目には、プラセボ群の被験者(5.7%、10人/175人)
と比べて、組み合わせたウステキヌマブ群の被験者(2.0%、7人/348人)におい
て、有意に少ない数のUC関連入院が観察された。44週目までに、プラセボ群(1.7
%、3人/175人)の被験者と比べて、UC疾患に関連する手術を受けた、ウステキヌ
マブ群の被験者の数(0.6%、2人/348人)は、数値的に下回った。
免疫原性
ウステキヌマブに対する抗体は、ウステキヌマブ治療中に作られ得、大部分は中和抗体
である。抗ウステキヌマブ抗体の形成は、有効性の低減が観察されなかったクローン病又
は潰瘍性大腸炎を有する患者を除いて、ウステキヌマブのクリアランスの増加及び有効性
の低減の両方と関連付けられる。抗ウステキヌマブ抗体の存在と注射部位反応の発生との
間に明らかな相関は存在しない。
小児集団
欧州医薬品庁(European Medicines Agency)は、クローン病及び潰瘍性大腸炎におけ
る小児集団の1つ以上のサブセットにおいて、ウステキヌマブを用いた試験の結果を提出
するための義務を延期している(小児の使用に関する情報についてのセクション4.2を
参照されたい)。
5.2 薬物動態特性
吸収
最大血清濃度(tmax)に達する時間の中央値は、健康な被験者における単回の90
mgの皮下投与の8.5日後であった。乾癬患者における45mg又は90mgのいずれ
かの単回の皮下投与後のウステキヌマブのtmaxの中央値は、健康な被験者において観
察されたものと同等であった。
単回の皮下投与後のウステキヌマブの絶対生物学的利用能は、乾癬患者において57.
2%であると推定された。
分布
乾癬患者に対する単回静脈内投与後の終末期(Vz)中の分布容積中央値は、57~8
3mL/kgの範囲であった。
生体内変化
ウステキヌマブの正確な代謝経路は不明である。
排泄
乾癬患者に対する単回静脈内投与後の全身クリアランス(CL)中央値は、1.99~
2.34mL/日/kgの範囲であった。ウステキヌマブの半減期(t1/2)中央値は
、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病又は潰瘍性大腸炎を有する患者において、約3週間で
あって、全乾癬及び乾癬性関節炎試験にわたって15~32日の範囲であった。母集団薬
物動態解析において、見かけのクリアランス(CL/F)及び見かけの分布容積(V/F
)は、乾癬患者において、それぞれ0.465l/日及び15.7lであった。ウステキ
ヌマブのCL/Fは、性別によって影響を受けなかった。母集団薬物動態解析は、ウステ
キヌマブに対する抗体について陽性の試験した患者において、ウステキヌマブのより高い
クリアランスに向かう傾向があったことを示した。
用量比例
乾癬を有する患者における0.09mg/kg~4.5mg/kgの範囲の用量での単
回静脈内投与後、又は約24mg~240mgの範囲の用量での単回皮下投与に続いて、
およそ用量比例的に、ウステキヌマブの全身曝露(Cmax及びAUC)が増加した。
単回用量対複数回用量
ウステキヌマブの血清濃度-時間プロファイルは、単回又は複数回の皮下用量投与後に
、概ね予測可能であった。乾癬患者において、ウステキヌマブの定常状態血清濃度は、0
週目及び4週目の初期皮下投与、それに続く12週間毎の投与の後に、28週目までに達
成された。定常状態トラフ型濃度中央値は、0.21μg/mL~0.26μg/mL(
45mg)及び0.47μg/mL~0.49μg/mL(90mg)の範囲であった。
12週間毎に皮下投与したときに、血清ウステキヌマブ濃度に経時的な蓄積は見られなか
った。
クローン病及び潰瘍性大腸炎を有する患者において、8週目に開始する約6mg/kg
の静脈内投与後、90mgのウステキヌマブの皮下維持用量を、8週間毎又は12週間毎
に投与した。定常状態のウステキヌマブ濃度は、第2の維持投与の開始によって達成され
た。クローン病を有する患者では、定常状態トラフ型濃度中央値は、90mgのウステキ
ヌマブについて、8週間毎又は12週間毎のそれぞれで、1.97μg/mL~2.24
μg/mL及び0.61μg/mL~0.76μg/mLの範囲であった。潰瘍性大腸炎
を有する患者では、定常状態トラフ型濃度中央値は、90mgのウステキヌマブについて
、8週間毎又は12週間毎のそれぞれで、2.69μg/mL~3.09μg/mL及び
0.92μg/mL~1.19μg/mLの範囲であった。90mgのウステキヌマブの
8週間毎から得られた定常状態のトロフ型ウステキヌマブレベルは、90mgを12週間
毎後の定常状態トラフ型レベルと比べて、より高い臨床的寛解率に関連していた。
薬物動態に対する体重の影響
乾癬患者からのデータを使用する母集団薬物動態解析では、体重は、ウステキヌマブの
クリアランスに影響を及ぼす最も有意な共変量であることが見出された。体重>100k
gの患者におけるCL/F中央値は、体重≦100kgの患者と比べて約55%高かった
。体重>100kgの患者におけるV/F中央値は、≦100kgの体重の患者と比べて
、約37%高かった。90mg群における体重の多い(>100kg)の患者のウステキ
ヌマブのトラフ型血清濃度中央値は、45mg群における体重の少ない(≦100kg)
患者のものと同等であった。乾癬性関節炎を有する患者からのデータを使用して、母集団
薬物動態確認解析から同様の結果を得た。
投与頻度調節
クローン病及び潰瘍性大腸炎を有する患者において、観察されたデータ及び母集団PK
解析に基づいて、治療に対する応答を喪失したランダム化された被験者は、応答を喪失し
なかった被験者と比べて、経時的により低い血清ウステキヌマブ濃度を有した。クローン
病では、90mgを12週間毎から90mgを8週間毎への用量調節は、トラフ型血清ウ
ステキヌマブ濃度の増加、及び付随する有効性の増加と関連していた。潰瘍性大腸炎では
、母集団PKモデルベースのシミュレーションは、90mgを12週間毎から8週間毎へ
投与量を調節することが、定常状態のトラフ型ウステキヌマブ濃度の3倍の増加をもたら
すと予想されることが実証された。更に、潰瘍性大腸炎を有する患者における臨床治験デ
ータに基づいて、曝露応答の良好な関係が、トラフ型濃度と、臨床的寛解及び粘膜治癒と
の間に確立された。
特別な集団
腎機能又は肝機能障害患者において、利用可能な薬物動態データはない。
高齢患者において特定の試験は行われていない。
ウステキヌマブの薬物動態は、乾癬及び潰瘍性大腸炎を有するアジア人患者と非アジア
人患者との間で概ね同等であった。
クローン病及び潰瘍性大腸炎を有する患者では、ウステキヌマブクリアランスにおける
変動性は、体重、血清アルブミンレベル、性別、及びウステキヌマブ状態に対する抗体に
よって影響を受けたが、体重は、分布容積に影響を及ぼす主な共変数であった。更に、ク
ローン病において、クリアランスは、C反応性タンパク質、TNF拮抗薬不成功状態及び
人種(アジア人対非アジア人)によって影響を受けた。これらの共変量の影響は、それぞ
れのPKパラメータの典型的又は基準的な値の±20%以内であったため、用量調節は、
これらの共変量に対して保証されない。免疫調節薬の併用は、ウステキヌマブの体内動態
(disposition)に有意な影響を及ぼさなかった。
母集団薬物動態解析では、ウステキヌマブの薬物動態に対するタバコ又はアルコールの
影響の兆候はなかった。
推奨される体重ベースの用量で処置された、12歳~17際の小児乾癬患者における血
清ウステキヌマブ濃度は、成人投与量で処置された成人の乾癬集団におけるものと概ね同
等であり、一方推奨される体重ベースの用量の半分で処置された小児乾癬患者における血
清ウステキヌマブ濃度は、成人におけるものよりも概ね低かった。
CYP450酵素の制御
IL-12又はIL-23のCYP450酵素の制御に及ぼす効果を、ヒト肝細胞を使
用するインビトロ試験で評価し、これは、10ng/mLのレベルのIL-12及び/又
はIL-23がヒトCYP450酵素活性を変化させなかったことを示した(CYP1A
2、2B6、2C9、2C19、2D6、又は3A4;セクション4.5を参照)。
5.3 前臨床安全性データ
非臨床データは、医薬品の安全性保証の評価を含む、反復投与毒性及び生殖発生毒性(
developmental and reproductive toxicity)の試験に基づいて、ヒトに対する特別な危
険性(例えば、器官毒性)を明らかにしていない。カニクイザルにおける生殖発生毒性試
験では、雄の受胎率にも先天異常にも、又は発生毒性に対する有害な影響も観察されなか
った。マウスにおけるIL-12/23と類似の抗体を使用して、雌の受胎率に対する悪
影響は観察されなかった。
動物試験における用量レベルは、乾癬患者に投与されることを意図した最高等価用量よ
りも最大約45倍高く、ヒトにおいて観察されたものよりも100倍超高かったサルのピ
ーク血清濃度をもたらした。
げっ歯類IL-12/23p40に対する交差反応性を有さない抗体に対する適切なモ
デルの欠如により、ウステキヌマブによる発癌性試験は実施しなかった。
6.薬剤特性
6.1 賦形剤のリスト
L-ヒスチジン
L-ヒスチジンモノ塩酸塩一水和物
ポリソルベート80
スクロース
注入用水
6.2 配合禁忌
適合性試験の非存在下では、この医薬品は、他の医薬品と混合されてはならない。
6.3 使用期限
注射用のSTELARA45mg溶液
2年間
注射用のSTELARA90mg溶液
2年間
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA45mg溶液
3年間
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA90mg溶液
3年間
6.4 保管上の留意点
冷蔵庫(2℃~8℃)で保管する。凍結させない。
光から保護するために、バイアル又はプレフィルドシリンジを外側カートン内に保持す
る。
6.5 容器の性質及び内容物
注射用のSTELARA45mg溶液
コーティングされたブチルゴムストッパで閉じた、2mLのI型ガラスバイアル中の0
.5mL溶液。
注射用のSTELARA90mg溶液
コーティングされたブチルゴムストッパで閉じた、2mLのI型ガラスバイアル中の1
mL溶液。
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA45mg溶液
固定ステンレス鋼針及び乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含有するニードルカバ
ーを含む、I型ガラス1mLシリンジ内の0.5mLの溶液。シリンジには、パッシブセ
ーフティガードが取り付けられている。
液プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA90mg溶
固定ステンレス鋼針及び乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含有するニードルカバ
ーを含む、I型ガラス1mLシリンジ内の1mLの溶液。シリンジには、パッシブセーフ
ティガードが取り付けられている。
STELARAは、1つのバイアルパック又は1つのプレフィルドシリンジのパックで
入手可能である。
6.6 使用及び取り扱い上の注意
STELARAバイアル又はプレフィルドシリンジ中の溶液は振盪されるべきではない
。溶液は、皮下投与前に粒子状物質又は変色について視覚的に検査されるべきである。溶
液は、透明からわずかに不透明で、無色から淡黄色黄であり、いくつかの小さな半透明又
は白色のタンパク質粒子を含有してもよい。この外観は、タンパク質溶液にとって珍しい
ことではない。溶液が変色又は濁っている場合、又は異物が存在する場合には、医薬品は
使用されるべきではない。投与前に、STELARAを室温に到達させるべきである(約
30分間)。使用の詳細な説明は、添付文書に提供される。
STELARA、は防腐剤を含有しない。したがって、バイアル及びシリンジ内に残っ
ているいかなる未使用の医薬品も使用されるべきではない。STELARAは、無菌の単
回使用のバイアル又は単回使用のプレフィルドシリンジとして供給される。シリンジ、針
、及びバイアルは、決して再使用されてはならない。いかなる未使用の医薬品又は廃棄物
材料も、地域の要件に従って廃棄されるべきである。
7.販売承認取得者
Janssen-Cilag International NV
Turnhoutseweg 30
2340 Beerse
ベルギー
8.販売承認番号番号
注射用のSTELARA45mg溶液
EU/1/08/494/001
注射用のSTELARA90mg溶液
EU/1/08/494/002
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA45mg溶液
EU/1/08/494/003
プレフィルドシリンジの注射用のSTELARA90mg溶液
EU/1/08/494/004
9.初回承認日/承認更新日
初回承認日:2009年1月16日
最新更新日:2013年9月19日
10.改訂日
この医薬品に関する詳細な情報は、欧州医療機関http://www.ema.eu
ropa.eu/のウェブサイトで入手可能である。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載の発明を列挙する。
[発明1]
臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量の抗IL-12/IL-23
p40抗体を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、中等症から重症の活動期の潰
瘍性大腸炎(UC)の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記抗
体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含み、前記重鎖可変領域が、配列番号1の相
補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配
列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号
4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミ
ノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含み、前記抗体での治療後に、
前記対象が、治療に対する応答者である、方法。
[発明2]
前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の前記重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸
配列の前記軽鎖可変領域と、を含む、発明1に記載の方法。
[発明3]
前記抗体が、配列番号10のアミノ酸配列の重鎖と、配列番号11のアミノ酸配列の軽
鎖と、を含む、発明1に記載の方法。
[発明4]
静脈内投与のための前記医薬組成物が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v
)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのL-
メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物を、pH6.0で含
む溶液を更に含む、発明1~3のいずれか一つに記載の方法。
[発明5]
皮下投与のための前記医薬組成物が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/v
)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む溶
液を更に含む、発明4に記載の方法。
[発明6]
前記抗体が、約6.0mg/前記対象の体重1kg又は投与当たり130mgの投与量
で、前記対象に、好ましくは前記治療の0週目に静脈内投与される、発明4に記載の方法

[発明7]
前記抗体が、投与当たり約90mgの投与量で、前記対象に、好ましくは前記治療の8
週目に更に皮下投与される、発明6に記載の方法。
[発明8]
前記対象が、抗TNF、ベドリズマブ、コルチコステロイド、アザチオプリン(AZA
)、及び6メルカプトプリン(6MP)からなる群から選択される少なくとも1つの療法
に以前に失敗したか、若しくはこれらに不耐性であったか、又は前記対象が、コルチコス
テロイド依存性を示した、発明7に記載の方法。
[発明9]
前記抗体が、8週目における前記治療後に維持用量で8週間毎に投与されるか、又は8
週目における前記治療後に維持用量で12週間毎に投与される、発明7に記載の方法。
[発明10]
前記対象が、世界定義及び米国定義のうちの少なくとも1つに基づく臨床的寛解を、前
記治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに有する
ものとして特定され、前記臨床的寛解が、0週目以降少なくとも44週目に継続してい
る、発明9に記載の方法。
[発明11]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に、コルチコステロイドフリー臨床的寛
解にある、発明9に記載の方法。
[発明12]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している内視鏡的治癒を有するも
のとして特定される、発明8に記載の方法。
[発明13]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している、Mayo内視鏡サブス
コアに基づく臨床応答を達成するものとして特定される、発明9に記載の方法。
[発明14]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している、炎症性腸疾患質問票(
IBDQ)スコアにおけるベースラインからの変化を有するものとして特定される、発明
9に記載の方法。
[発明15]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している粘膜治癒を有するものと
して特定される、発明9に記載の方法。
[発明16]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している、Mayoスコアにおけ
るベースラインからの減少を有するものとして特定される、発明9に記載の方法。
[発明17]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している、C反応性タンパク質、
糞便ラクトフェリン及び糞便カルプロテクチンからなる群から選択される1つ以上のバイ
オマーカーの正常化を有するものとして特定される、発明9に記載の方法。
[発明18]
前記対象が、0週目以降少なくとも44週目に継続している、Mayoスコアにおけ
るベースラインから≧30%かつ≧3点の減少及び直腸出血サブスコアにおけるベースラ
インから≧1点の減少、又は0若しくは1の直腸出血サブスコアによって決定される臨床
応答を示す、発明9に記載の方法。
[発明19]
中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を、それを必要とする対象にお
いて行う方法であって、
a.前記対象に、第1の医薬組成物中の抗IL-12/IL-23p40抗体を、約6
.0mg/前記対象の体重1kg又は投与当たり130mgの投与量で、前記治療の0週
目に静脈内投与することと、
b.前記対象に、第2の医薬組成物中の前記抗IL-12/IL-23p40抗体を、
投与当たり90mgの投与量で、好ましくは、前記治療の8週目に皮下投与することと、
を含み、
前記抗体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含み、前記重鎖可変領域が、配列番
号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2ア
ミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、前記軽鎖可変領域が、
配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDR
L2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含み、
前記対象が、治療に対する応答者であり、抗TNF、ベドリズマブ、コルチコステロイ
ド、アザチオプリン(AZA)、及び6メルカプトプリン(6MP)からなる群から選択
される少なくとも1つの療法に以前に失敗したか、若しくはこれらに不耐性であったか、
又は前記対象が、コルチコステロイド依存性を示した、方法。
[発明20]
前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の前記重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸
配列の前記軽鎖可変領域と、を含む、発明19に記載の方法。
[発明21]
前記抗体が、配列番号10のアミノ酸配列の重鎖と、配列番号11のアミノ酸配列の軽
鎖と、を含む、発明19に記載の方法。
[発明22]
静脈内投与のための前記医薬組成物が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v
)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのL-
メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物を、pH6.0で含
む溶液を更に含む、発明19~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明23]
皮下投与のための前記医薬組成物が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/v
)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む溶
液を更に含む、発明22に記載の方法。
[発明24]
前記対象が、世界定義及び米国定義のうちの少なくとも1つに基づく臨床的寛解を、前
記治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに有する
ものとして特定される、発明19~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明25]
前記対象が、内視鏡的治癒を、前記治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、
より好ましくは2週目までに有するものとして特定される、発明19~21のいずれか一
つに記載の方法。
[発明26]
前記対象が、Mayo内視鏡サブスコアに基づく臨床応答を、前記治療の16週目まで
に、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに達成するものとして特定され
る、発明19~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明27]
前記対象が、炎症性腸疾患質問票(IBDQ)スコアにおけるベースラインからの変化
を、前記治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに
有するものとして特定される、発明19~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明28]
前記対象が、粘膜治癒を、前記治療の16週目までに、好ましくは8週目までに、より
好ましくは2週目までに有するものとして特定される、発明19~21のいずれか一つに
記載の方法。
[発明29]
前記対象が、Mayoスコアにおけるベースラインからの減少を、前記治療の16週目
までに、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに有するものとして特定さ
れる、発明19~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明30]
前記対象が、C反応性タンパク質、糞便ラクトフェリン及び糞便カルプロテクチンから
なる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの正常化を、前記治療の16週目までに
、好ましくは8週目までに、より好ましくは2週目までに有するものとして特定される、
発明19~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明31]
前記対象が、Mayoスコアにおけるベースラインから≧30%かつ≧3点の減少及び
直腸出血サブスコアにおけるベースラインから≧1点の減少、又は0若しくは1の直腸出
血サブスコアによって決定される臨床応答を、前記治療の16週目まで、好ましくは8週
目まで、より好ましくは2週目までに示す、発明19~21のいずれか一つに記載の方法

[発明32]
前記対象が、前記治療の8週目までに前記抗体による治療に対する応答者ではなく、前
記治療の16週目までに応答者である、発明19~21のいずれか一つに記載の方法。
[発明33]
中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を、それを必要とする対象にお
いて行う方法であって、
a.前記対象に、第1の医薬組成物中の抗IL-12/IL-23p40抗体を、約6
.0mg/前記対象の体重1kg又は投与当たり130mgの投与量で、前記治療の0週
目に静脈内投与することと、
b.前記対象に、第2の医薬組成物中の前記抗IL-12/IL-23p40抗体を、
投与当たり90mgの投与量で、好ましくは、前記治療の8週目に皮下投与することと、
を含み、
前記抗体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含み、前記重鎖可変領域が、配列番
号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2ア
ミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、前記軽鎖可変領域が、
配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDR
L2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含み、その後に、維持
療法が続き、
前記維持療法が、前記対象に、前記抗IL-12/IL-23p40抗体を、投与当た
り90mgの投与量で、8週間毎に1回又は12週間毎に1回、皮下投与することを含み
、前記維持療法が、44週間提供される、方法。
[発明34]
抗IL-12/IL-23p40抗体の医薬組成物であって、
a.(i)重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む抗体であって、前記重鎖可変領域が、
配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDR
H2アミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、前記軽鎖可変領
域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5の
CDRL2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含む、抗体、(
ii)配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可
変領域と、を含む抗体、又は(iii)配列番号10のアミノ酸配列の重鎖と、配列番号
11のアミノ酸配列の軽鎖と、を含む抗体と、
b.中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)を有する成人男性及び女性におけ
るランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験からのデータを含む、付録Iに開示される1
つ以上の薬物製品ラベル要素を含む包装と、を含む、医薬組成物。

Claims (18)

  1. 中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を必要とする対象における前記治療を行う方法で用いるための医薬組成物であって、
    前記医薬組成物が、抗IL-12/IL-23p40抗体を含み、
    前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含み、
    前記方法は、導入療法と維持療法とを含み、
    a.前記導入療法は、前記抗体を、導入療法の治療の0週目に、体重が35kg以上~55kg以下の対象に対しては260mgの用量で、体重が55kg超~85kg以下の対象に対しては390mgの用量で、又は体重が85kg超の対象に対しては520mgの用量で、静脈内投与することを含み、及び
    b.前記維持療法の治療の初回投与が導入療法の治療の8週目であり、前記維持療法は、前記抗体を、8週間毎又は12週間毎に90mgの用量で皮下投与することを含み、
    前記医薬組成物は、前記対象が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続している内視鏡的治癒を有するものとして特定されるように、使用されるものである、
    前記医薬組成物。
  2. 中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を必要とする対象における前記治療を行う方法で用いるための医薬組成物であって、
    前記医薬組成物が、抗IL-12/IL-23p40抗体を含み、
    前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含み、
    前記方法は、導入療法と維持療法とを含み、
    a.前記導入療法は、前記抗体を、導入療法の治療の0週目に、体重が35kg以上~55kg以下の対象に対しては260mgの用量で、体重が55kg超~85kg以下の対象に対しては390mgの用量で、又は体重が85kg超の対象に対しては520mgの用量で、静脈内投与することを含み、及び
    b.前記維持療法の治療の初回投与が導入療法の治療の8週目であり、前記維持療法は、前記抗体を、8週間毎又は12週間毎に90mgの用量で皮下投与することを含み、
    前記医薬組成物は、臨床応答が少なくとも44週間にわたって対象によって維持されるように、使用されるものである、
    前記医薬組成物。
  3. 中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎(UC)の治療を必要とする対象における前記治療を行う方法で用いるための医薬組成物であって、
    前記医薬組成物が、抗IL-12/IL-23p40抗体を含み、
    前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含み、
    前記方法は、導入療法と維持療法とを含み、
    a.前記導入療法は、前記抗体を、導入療法の治療の0週目に、体重が35kg以上~55kg以下の対象に対しては260mgの用量で、体重が55kg超~85kg以下の対象に対しては390mgの用量で、又は体重が85kg超の対象に対しては520mgの用量で、静脈内投与することを含み、及び
    b.前記維持療法の治療の初回投与が導入療法の治療の8週目であり、前記維持療法は、前記抗体を、8週間毎又は12週間毎に90mgの用量で皮下投与することを含み、
    前記医薬組成物は、前記対象が、世界定義及び米国定義のうちの少なくとも1つに基づく臨床的寛解を、前記維持療法の治療の0週目に有するものとして特定され、前記臨床的寛解が、前記維持療法の治療の44週目まで維持されているように、使用されるものである、
    前記医薬組成物。
  4. 前記抗体が、配列番号10のアミノ酸配列の重鎖と、配列番号11のアミノ酸配列の軽鎖と、を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記医薬組成物が、静脈投与用又は皮下投与用である、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 静脈内投与のための前記医薬組成物が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのL-メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物を、pH6.0で含む溶液を更に含む、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 皮下投与のための前記医薬組成物が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む溶液を更に含む、請求項5に記載の医薬組成物。
  8. 前記対象が、抗TNF、ベドリズマブ、コルチコステロイド、アザチオプリン(AZA)、及び6メルカプトプリン(6MP)からなる群から選択される少なくとも1つの療法に以前に失敗したか、若しくはこれらに不耐性であったか、又は前記対象が、コルチコステロイド依存性を示した対象である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 前記医薬組成物は、前記対象が、世界定義及び米国定義のうちの少なくとも1つに基づく臨床的寛解を、前記維持療法の治療の16週目までに、8週目までに、又は2週目までに有するものとして特定され、前記臨床的寛解が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続しているように、使用されるものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 前記医薬組成物は、前記対象が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続している、Mayo内視鏡サブスコアに基づく臨床応答を達成するものとして特定されるように、使用されるものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 前記医薬組成物は、前記対象が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続している、炎症性腸疾患質問票(IBDQ)スコアにおけるベースラインからの変化を有するものとして特定されるように、使用されるものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. 前記医薬組成物は、前記対象が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続している粘膜治癒を有するものとして特定されるように、使用されるものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記医薬組成物は、前記対象が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続している、Mayoスコアにおけるベースラインからの減少を有するものとして特定されるように、使用されるものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 前記医薬組成物は、前記対象が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続している、C反応性タンパク質、糞便ラクトフェリン及び糞便カルプロテクチンからなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーの正常化を有するものとして特定されるように、使用されるものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 前記医薬組成物は、前記対象が、前記維持療法の治療の0週目以降の少なくとも44週目に継続している、Mayoスコアにおけるベースラインから≧30%かつ≧3点の減少及び直腸出血サブスコアにおけるベースラインから≧1点の減少、又は0若しくは1の直腸出血サブスコアによって決定される臨床応答を示すように、使用されるものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  16. 前記対象が、前記導入療法の治療の8週目までに前記抗体による前記導入療法の治療に対する応答者ではなく、前記導入療法の治療の16週目までに前記抗体による治療に対する応答者である、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  17. 前記維持療法の治療が、44週間提供される、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  18. 前記抗体が、ウステキヌマブである、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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