JP2023049805A - 膜付き金属ステムおよび圧力センサ - Google Patents

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Masanori Kobayashi
健 海野
Takeshi Unno
哲也 笹原
Tetsuya Sasahara
孝平 縄岡
Kohei Nawaoka
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Abstract

【課題】膜に剥離が生じていないことを効率的に確認できる膜付き金属ステム等を提供する。【解決手段】膜形成面を有する金属ステムと、前記膜形成面の上であって、第1の表面の一部を覆うように、前記第1の表面の上に形成される剥離検出パターンと、前記剥離検出パターンを前記第1の表面との間に挟み、前記第1の表面の少なくとも他の一部と前記剥離検出パターンの少なくとも一部とを覆うように、前記第1の表面および前記剥離検出パターンの上にこれらと直接接するように形成される上部膜と、を有し、前記上部膜の前記剥離検出パターンに対する密着力は、前記上部膜の前記第1の表面に対する密着力より小さい膜付き金属ステム。【選択図】図1

Description

本発明は、金属ステムの膜形成面に膜が形成される膜付き金属ステム等に関する。
圧力センサなどのセンサとして、金属ステムの膜形成面に、膜形成面の直上に形成される絶縁膜や、電極や抵抗を含む機能膜や、電極や抵抗の上面を覆う保護膜を形成する技術が提案されている(特許文献1等参照)。
このような膜が形成される金属ステムでは、たとえば膜形成面とその上に形成される膜や、形成される膜同士の間において、材質や線膨張係数の差などに起因して、膜の剥離が生じる場合がある。また、製造段階においては、金属ステムの膜形成面上に形成された膜に、剥離が生じていないことを確認し、膜の剥離が生じていないもののみを、次の工程に送る必要がある。
特開2005-249250号公報
しかしながら、従来の膜付き金属ステムでは、剥離が膜の様々な位置で発生し得るため、膜に剥離が生じていないことを目視や画像解析などにより確認する際、確認しなければならない面積が広く、検査効率や検査精度を高められない問題がある。また、膜が薄く光を透過しやすい場合には、膜自体を光で認識しづらいため、このような問題が顕著になる傾向がある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、膜に剥離が生じていないことを効率的に確認できる膜付き金属ステム等を提供することである。
本発明に係る膜付き金属ステムは、膜形成面を有する金属ステムと、
前記膜形成面の上であって、第1の表面の一部を覆うように、前記第1の表面の上に形成される剥離検出パターンと、
前記剥離検出パターンを前記第1の表面との間に挟み、前記第1の表面の少なくとも他の一部と前記剥離検出パターンの少なくとも一部とを覆うように、前記第1の表面および前記剥離検出パターンの上にこれらと直接接するように形成される上部膜と、を有し、
前記上部膜の前記剥離検出パターンに対する密着力は、前記上部膜の前記第1の表面に対する密着力より小さい。
本発明に係る膜付き金属ステムは、上部膜に対する密着力が第1の表面より小さい剥離検出パターンを有するため、剥離検出パターンと上部膜との間に剥離が生じていないことを確認することにより、第1の表面と上部膜との間に剥離が生じていないことを効率的に確認することができる。すなわち、あえて上部膜との密着力の小さい剥離検出パターンを設け、その部分に剥離が生じていないことを確認することで、より密着力の高い第1の表面と上部膜との間に関しても剥離が生じていないことを保証することができる。
また、たとえば、前記第1の表面は、前記金属ステムの前記膜形成面を含んでいてもよく
前記上部膜は、前記膜形成面の上に形成される絶縁膜を含んでいてもよい。
このような膜付き金属ステムでは、膜形成面の上に形成される絶縁膜に剥離が生じていないことを、剥離検出パターンにより効率的に確認することができる。
また、たとえば、前記第1の表面は、前記膜形成面の上に形成される絶縁膜の上表面を含んでもよく、
前記上部膜は、前記絶縁膜の上に形成される前記絶縁膜とは異なる絶縁性の保護膜を含んでもよい。
このような膜付き金属ステムでは、膜形成面の上に形成される保護膜と絶縁膜との間に剥離が生じていないことを、剥離検出パターンにより効率的に確認することができる。
また、たとえば、前記剥離検出パターンの面積は、前記膜形成面の面積の1/50以下であってもよい。
剥離検出パターンの面積を膜形成面の面積の1/50以下とすることにより、隔離検出パターンを避けて、他の機能部分を配置する領域を、膜形成面上に容易に確保できる。また、剥離が無いことを確認するためにチェックすべき領域が限定されていることにより、効率的な確認に資する。
また、前記剥離検出パターンは、同一面上に互いに分離して配置される第1部分と第2部分とを有してもよい。
剥離検出パターンが、互いに分離した複数の部分を有し、いずれの部分にも剥離が生じていないことを確認することにより、上部膜全体に剥離がないことを、より確実に保証することができる。
前記剥離検出パターンは、前記上部膜の外縁の一部と重なっていてもよい。
上部膜の外縁は、他の部分より剥離が発生しやすい傾向があるため、このような剥離検出パターンは、上部膜全体に剥離がないことを、より確実に保証することができる。
前記金属ステムはステンレス鋼からなってもよく、
前記上部膜は、シリコンの酸化物、窒化物および酸窒化物のうち少なくとも1つを含んでもよい。
ステンレス鋼の金属ステムは、耐熱性および機械的強度が優れており、シリコン酸化物等の上部膜は耐熱性が優れているため、このような膜付き金属ステムは、高温環境でも好適に用いることができる。
また、たとえば、前記剥離検出パターンは白金族元素からなっていてもよい。
このような剥離検出パターンは、上部膜に対して、上部膜の前記第1の表面に対する密着力より適度に小さい密着力を有するため、第1の表面と上部膜との間に剥離が生じていないことを効率的に確認するチェッカーとして適している。
また、本発明に係る膜付き金属ステムは、前記剥離検出パターンと前記上部膜との剥離を電気的に検出する剥離検出回路を有してもよい。
このような膜付き金属ステムでは、画像解析や目視を行わなくても、剥離検出パターンと上部膜との剥離が生じているか否かを容易かつ確実に検出できるため、効率的な検出が可能である。また、製品化後の剥離の検出も、簡便に行うことができる。
また、たとえば、前記剥離検出回路は、
前記上部膜の膜上表面に配置され、前記第1の表面に垂直な方向から見て前記剥離検出パターンを横断する検出配線部と、
前記検出配線部の両端部に配置される検出端子部と、を有してもよい。
このような検出配線部と検出端子部とを有する剥離検出回路は、シンプルな構造で、剥離検出パターンと上部膜との剥離が生じているか否かを、容易かつ確実に検出できる。
本発明に係る圧力センサは、上記いずれかの膜付き金属ステムと、
前記金属ステムにおける前記膜形成面の上に配置される圧力検出部からの検出信号が伝えられる信号伝達部と、を有する。
このような圧力センサは、膜に剥離が生じていないことを効率的に確認できる膜付き金属ステムを用いているため、品質ばらつきが抑制されるとともに、良好な生産性を有する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。 図2は、図1に示す圧力センサを膜形成面の上方から見た上面図である。 図3は、図1に示す圧力センサが有する膜構造を、上面図と断面図を用いて説明した概念図である。 図4は、第2実施形態に係る圧力センサが有する膜構造を、上面図と断面図を用いて説明した概念図である。 図5は、第3実施形態に係る圧力センサが有する膜構造を、上面図と断面図を用いて説明した概念図である。 図6は、本発明の第4実施形態に係る圧力センサを膜形成面の上方から見た上面図である。 図7は、本発明の第5実施形態に係る圧力センサを膜形成面の上方から見た上面図である。 図8は、本発明の第6実施形態に係る圧力センサを膜形成面の上方から見た上面図である。 図9は、本発明の第7実施形態に係る圧力センサが有する膜構造を、上面図と断面図を用いて説明した概念図である。 図10は、本発明の第8実施形態に係る圧力センサが有する膜構造を、上面図と断面図を用いて説明した概念図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る膜付き金属ステム16を用いる圧力センサ10の概略断面図である。図1に示すように、圧力センサ10は、メンブレン22を有する金属ステム20および金属ステム20の膜形成面22bに形成される膜複合体26を備える膜付き金属ステム16を有している。金属ステム20のメンブレン22および膜形成面22bに形成される膜複合体26は、圧力に応じた変形を生じる。
メンブレン22は、本実施形態では、中空筒状の金属ステム20の一端に形成してある端壁で構成してある。金属ステム20の他端は中空部の開放端となっており、金属ステム20の中空部は、接続部材12の流路12bに連通してある。
なお、実施形態では、膜付き金属ステム16として、メンブレン22の上に圧力検出部30(図2参照)が設けられており、圧力センサ10として用いられるものを例に説明を行うが、膜付き金属ステム16としては、圧力センサ10に用いられるもののみには限定されない。たとえば、膜付き金属ステムは、歪ケージその他のセンサ等として用いられるものも含まれる。
図1に示すように、圧力センサ10では、流路12bに導入される流体が、金属ステム20の中空部からメンブレン22の内面22aに導かれて、流体圧をメンブレン22に作用するようになっている。金属ステム20は、たとえばステンレス鋼などの金属で構成される。
金属ステム20の開放端の周囲には、フランジ部21が形成してある。フランジ部21は、金属ステム20の周壁から半径方向外側に突出するように形成してある。フランジ部21が、接続部材12と抑え部材14との間に挟まれて固定されることにより、メンブレン22の内面22aへと至る流路12bが密封されるようになっている。
接続部材12は、圧力センサ10を配管や外部流路などに接続するためのねじ溝12aを有する。圧力センサ10は、測定対象となる流体が封入してある圧力室などに対して、ねじ溝12aを介して固定されている。これにより、接続部材12の内部に形成されている流路12bおよび金属ステム20におけるメンブレン22の内面22aは、測定対象となる流体が内部に存在する圧力室に対して、気密に連通する。
抑え部材14の上面には、信号伝達部としての回路基板80が取り付けてある。回路基板80は、金属ステム20の周囲を囲むリング状の形状を有しているが、回路基板80の形状としてはこれに限定されない。回路基板80には、金属ステム20における膜形成面22bの上に配置される圧力検出部30(図2参照)からの検出信号が伝えられる回路などが内蔵してある。
金属ステム20は、膜形成面22bを有する。図1に示すように、金属ステム20では、メンブレン22の外面が膜形成面22bとなっている。膜形成面22bの上には、薄膜などの膜を含む膜複合体26が形成されている。後述するように、膜複合体26は、絶縁膜50や圧力検出部30などを含む。
図1に示す中間配線82は、膜複合体26の圧力検出部30と、回路基板80とを接続してある。中間配線82は、ワイヤボンディングなどにより構成されるが、中間配線82としては、ワイヤボンディング以外の配線構造であっても構わない。なお、金属ステム20の説明では、膜形成面22bを基準として金属ステム20の内部へ向かう方向を下方向とし、膜形成面22bを基準として金属ステム20から離間する方向を上方向とする。
図2は、図1に示す圧力センサ10を、膜形成面22bの上方から見た上面図である。ただし、図2では、回路基板80や中間配線82等は図示していない。図2に示すように、膜複合体26は、膜形成面22bの全体に形成されており、絶縁膜50と、圧力検出部30と、剥離検出パターン40(図3参照)とを有する。
図2に示すように、絶縁膜50は、図1に示す金属ステム20における膜形成面22b全体に形成されており、図2において、膜形成面22bは、絶縁膜50の下方に隠れている。圧力検出部30は、電気配線34によって接続される抵抗R1、R2、R3、R4や、抵抗R1~R4に電気的に接続する端子部32等を有する。
圧力検出部30の抵抗R1~R4は、メンブレン22の所定位置に形成されており、メンブレン22の変形に応じた歪を生じ、抵抗値が変化する。これらの抵抗R1~R4は、電気配線34によりホイートストーンブリッジ回路を構成するように接続されている。圧力検出部30は、絶縁性の膜である絶縁膜50により、金属ステム20の膜形成面22bに対して絶縁されている。
図1に示す圧力センサ10は、図2に示す圧力検出部30の出力から、メンブレン22に作用する流体圧を検出することができる。すなわち、抵抗R1~R4により構成されるホイートストーンブリッジの出力は、流体圧に伴うメンブレン22の歪み量に応じて変化するように構成してある。信号伝達部としての回路基板80は、圧力検出部30の検出信号を、端子部32および中間配線82を介して取得することができる。
図3は、図2に示す圧力センサ10が有する剥離検出パターン40の機能を説明した概念図である。図3(a)は、図2と同様に、圧力センサ10を膜形成面22bの上方から見た上面図である。ただし、図3(a)では、圧力検出部30については図示していない。また、図3(b)は、図3(a)の断面線AA’に沿って図3(a)に示す圧力センサ10を切断した断面図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、金属ステム20の膜形成面22b上には、剥離検出パターン40と、絶縁膜50とが形成してある。剥離検出パターン40は、膜形成面22bの上における所定の第1の表面(図3(b)に示す例では膜形成面22b)と、第1の表面の直上に形成される所定の上部膜(図3(b)に示す例では絶縁膜50)との間の剥離の有無を検出する。
図3(b)に示すように、剥離検出パターン40は、膜形成面22bの上であって、第1の表面としての膜形成面22bの少なくとも一部を覆うように、金属ステム20の膜形成面22bの上に形成される。第1実施形態では、剥離検出パターン40は、膜形成面22bの直上に形成されるが、剥離検出パターン40と膜形成面22b(第1の表面)との間に、他の層や膜が挟まれていてもよい。
図3(a)および図3(b)に示すように、剥離検出パターン40は、膜形成面22bの全体ではなく、膜形成面22bの一部に形成される。剥離検出パターン40の面積は、特に限定されないが、膜形成面22bの面積の1/50以下であることが、剥離検出パターン40に重ならないように、膜形成面22bの上に圧力検出部30(図2参照)を配置しやすく、好ましい。
図3(a)および図3(b)に示すように、上部膜としての絶縁膜50は、剥離検出パターン40の上に重ねるように、膜形成面22bの上に形成される。すなわち、絶縁膜50(上部膜)は、剥離検出パターン40を膜形成面22b(第1の表面)との間に挟み、膜形成面22b(第1の表面)の少なくとも他の一部(剥離検出パターン40に覆われている部分以外の部分の少なくとも一部)を覆っている。
また、上部膜としての絶縁膜50は、膜形成面22bの一部に加えて、剥離検出パターン40の少なくとも一部を覆う。図3(a)に示すように、第1実施形態では、絶縁膜50が、膜形成面22bと剥離検出パターン40の全体を覆っているが、絶縁膜50は、これとは異なり、膜形成面22bと剥離検出パターン40の一部を覆っていてもよい。
図3(b)に示すように、絶縁膜50(上部膜)は、膜形成面22b(第1の表面)および剥離検出パターン40の上に、これらと直接接触するように形成される。したがって、絶縁膜50の下表面は、膜形成面22bに接触している部分(保証部分54a)と、剥離検出パターン40に接触している部分(検出部分54b)とを有する。
ここで、剥離検出パターン40の材質等は、絶縁膜50に対する密着力を考慮して決定される。すなわち、絶縁膜50(上部膜)の剥離検出パターン40に対する密着力は、絶縁膜50(上部膜)の膜形成面22b(第1の表面)に対する密着力より小さい。
したがって、図3(c)に示すように、仮に絶縁膜50の下表面で剥離が発生する場合は、膜形成面22bに接触している保証部分54aより先に、剥離検出パターン40に接触している検出部分54b(図3(b)参照)で発生する。そうすると、図1に示す圧力センサ10では、絶縁膜50(上部膜)と剥離検出パターン40との間に剥離が生じていないことを確認することにより、より密着力の高い膜形成面22b(第1の表面)と絶縁膜50(上部膜)との間に関しても剥離が生じていないことを保証することができる。なお、図3(c)は、図3(b)に示す圧力センサ10において、絶縁膜50の下表面で剥離が発生した状態を概念的に示したものである。
図2および図3に示すように、絶縁膜50は、メンブレン22の外面である膜形成面22bのほぼ全体を覆うように形成してあり、たとえばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などで構成されることが好ましい。絶縁膜50の厚みは、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは1~5μmである。絶縁膜50は、たとえばCVDなどの蒸着法により、膜形成面22bおよび剥離検出パターン40の上に形成することができる。
剥離検出パターン40は、絶縁膜50を形成する前に、膜形成面22bの一部に形成される。ただし、剥離検出パターン40は、一旦膜形成面22b全体に形成された後、一部を残して他の部分を除去することにより、形成されてもよい。
剥離検出パターン40の材質は、特に限定されないが、たとえば、剥離検出パターン40が白金族元素からなることが、絶縁膜50(上部膜)の剥離の有無を確認する観点から好ましい。剥離検出パターン40が、化学的に安定な白金族元素からなることにより、絶縁膜50(上部膜)の剥離検出パターン40に対する密着力が適度に弱まり、剥離検出パターン40と絶縁膜50との接触部分が、剥離検出マーカーとして好適に機能する。
剥離検出パターン40は、スパッタリングや蒸着などの薄膜法により形成することができるが、剥離検出パターン40の形成方法は特に限定されない。また、剥離検出パターン40の厚みは、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.1~0.5μmである。
図2に示す圧力検出部30は、絶縁膜50の上表面に、歪抵抗膜や電極膜を、所定の形状で形成することにより、作製することができる。歪抵抗膜としては、たとえば、CrやArを含む導電性の薄膜が挙げられるが、特に限定されない。圧力検出部30の抵抗R1~R4は、たとえば、薄膜法により形成された歪抵抗膜を、所定の形状にパターニングすることにより、作製される。電極膜も、歪抵抗膜と同様に薄膜で構成され、電極膜の材質としては、Au、Al、Niのような金属などが挙げられる。
図1~図3で説明した第1実施形態に係る圧力センサ10は、上述したように、剥離検出パターン40を用いて検出する剥離面における下側の面である第1表面が、金属ステム20の膜形成面22bを含む。また、検出する剥離面における上側の面を含む上部膜が、膜形成面22bの上に形成される絶縁膜50を含む。
このような圧力センサ10では、剥離検出パターン40と絶縁膜50との接触部分で剥離を生じていないことを確認することにより、膜形成面22bと絶縁膜50との間に剥離が生じていないことを保証することができる。なぜなら、絶縁膜50の剥離検出パターン40に対する密着力は、絶縁膜50の膜形成面22bに対する密着力より小さいため、絶縁膜50の下表面において、保証部分54aより先に、検出部分54bにおいて剥離が生じるからである。
したがって、このような圧力センサ10では、絶縁膜50と膜形成面22bとの間に剥離が生じていないことを、効率的に確認することができる。なお、絶縁膜50の剥離検出パターン40および膜形成面22bに対する密着力は、単位面積の絶縁膜50を、剥離検出パターン40または膜形成面22bに対して垂直方向に引きはがすために要する力(直接引き剥がし法)により規定される。
第2実施形態
図4は、第2実施形態に係る圧力センサ110の膜構造を、上面図と断面図とを用いて説明した概念図である。圧力センサ110を上方から見た図である図4(a)に示すように、第2実施形態に係る圧力センサ110は、保護膜160を有する点と、剥離検出パターン140が絶縁膜150の下表面ではなく上表面152に形成される点で、第1実施形態に係る圧力センサ10とは異なる。しかし、図4に示す圧力センサ110は、金属ステム20や圧力検出部30については、図1~図3に示す圧力センサ110と同様である。第2実施形態に係る圧力センサ110の説明では、第1実施形態に係る圧力センサ10との相違点を中心に説明を行い。圧力センサ10との共通点については、説明を省略する。
図4(a)は、第1実施形態の説明における図2と同様に、圧力センサ110を膜形成面22bの上方から見た上面図である。また、図4(b)は、図4(a)の断面線AA’に沿って図4(a)に示す圧力センサ110を切断した断面図である。
図4(a)および図4(b)に示すように、圧力センサ110は保護膜160を有する。保護膜160は、絶縁膜150の上に形成される絶縁膜150とは別の絶縁性の膜である。保護膜160は、絶縁膜150との間に圧力検出部30の少なくとも一部を上下方向に挟み、圧力検出部30の少なくとも一部を覆っている。ただし、図4(a)に示すように、圧力検出部30のうち、端子部32の少なくとも一部は、図1に示す中間配線が接続できるように、保護膜160から露出している。
図4(a)および図4(b)に示すように、圧力センサ110において、絶縁膜150は金属ステム20の膜形成面22bの直上に形成されている。図3(a)に示す圧力センサ10とは異なり、圧力センサ10では、絶縁膜150と膜形成面22bの間には、他の膜は配置されていない。
圧力センサ110では、剥離検出パターン140は、膜形成面22bの直上ではなく、圧力検出部30の抵抗R1、R2等と同様に、絶縁膜150の上表面152(絶縁膜150の直上)に配置されている。すなわち、剥離検出パターン140は、第1の表面としての絶縁膜150の上表面152と、第1の表面の上に形成される上部膜としての保護膜160との間の剥離の有無を検出する。
図4(b)に示すように、剥離検出パターン140は、膜形成面22bの上に形成される絶縁膜150の上表面152の少なくとも一部を覆うように、絶縁膜150の上表面152の直上に形成される。図4(b)に示す例では、剥離検出パターン140は、絶縁膜150の直上に形成されるが、剥離検出パターン140の配置はこれのみには限定されず、剥離検出パターン140と絶縁膜150(第1の表面)との間に、他の層や膜が挟まれていてもよい。
図4(a)および図4(b)に示すように、上部膜としての保護膜160は、剥離検出パターン140の上に重ねるように、絶縁膜150の上表面152の上に形成される。すなわち、保護膜160(上部膜)は、剥離検出パターン140を絶縁膜150の上表面152(第1の表面)との間に挟み、上表面152(第1の表面)の少なくとも他の一部(剥離検出パターン140に覆われている部分以外の部分の少なくとも一部)を覆っている。
また、上部膜としての保護膜160は、絶縁膜150の上表面152の一部に加えて、剥離検出パターン140の少なくとも一部を覆う。図4(a)に示すように、第2実施形態では、保護膜160が、絶縁膜150または絶縁膜150の下層にある膜形成面22bの全体ではなく、一部を覆っている。
図4(b)に示すように、保護膜160(上部膜)は、絶縁膜150の上表面152(第1の表面)および剥離検出パターン140の上に、これらと直接接触するように形成される。したがって、保護膜160の下表面は、絶縁膜150の上表面152に接触している部分(保証部分164a)と、剥離検出パターン140に接触している部分(検出部分164b)とを有する。
ここで、剥離検出パターン140の材質等は、保護膜160に対する密着力を考慮して決定される。すなわち、保護膜160(上部膜)の剥離検出パターン140に対する密着力は、絶縁膜50(上部膜)の絶縁膜150の上表面152(第1の表面)に対する密着力より小さい。剥離検出パターン140の材質は、特に限定されないが、剥離検出パターン40と同様に、たとえば、白金族元素を含むことが好ましい。
したがって、図4(c)に示すように、仮に保護膜160の下表面で剥離が発生する場合は、絶縁膜150の上表面152に接触している保証部分164aより先に、剥離検出パターン140に接触している検出部分164b(図4(b)参照)で発生する。そうすると、第2実施形態に係る圧力センサ110では、保護膜160(上部膜)と剥離検出パターン140との間に剥離が生じていないことを確認することにより、より密着力の高い絶縁膜150の上表面152(第1の表面)と保護膜160(上部膜)との間に関しても剥離が生じていないことを保証することができる。なお、図4(c)は、図4(b)に示す圧力センサ110において、絶縁膜50の下表面で剥離が発生した状態を概念的に示したものである。
保護膜160は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などで構成されることが好ましい。保護膜160の厚みは、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは0.1~1μmである。保護膜160は、絶縁膜150の上表面152の上に、圧力検出部30および剥離検出パターン40を形成した後に形成される。保護膜160は、絶縁膜150と同様に、たとえばCVDなどの蒸着法により、絶縁膜150、圧力検出部30および剥離検出パターン40の上に形成することができる。なお、保護膜160の材質は、絶縁膜150と同様であってもよく、異なっていてもよい。
図4で説明した第2実施形態に係る圧力センサ110は、上述したように、剥離検出パターン140を用いて検出する剥離面における下側の面である第1表面が、膜形成面22bの上に形成される絶縁膜150の上表面152を含む。また、検出する剥離面における上側の面である上部膜が、絶縁膜150の上に形成される保護膜160を含む。
したがって、このような圧力センサ110では、保護膜160と絶縁膜150との間に剥離が生じていないことを、効率的に確認することができる。また、第2実施形態に係る圧力センサ110は、圧力センサ10との共通点については、圧力センサ10と同様の効果を奏する。
第3実施形態
図5は、第3実施形態に係る圧力センサ210の膜構造を、上面図と断面図とを用いて説明した概念図である。第3実施形態に係る圧力センサ210は、剥離検出パターン140に加えて、剥離検出パターン240を有する点で、第2実施形態に係る圧力センサ110とは異なる。しかし、図5に示す圧力センサ210は、金属ステム20、圧力検出部30、保護膜160および剥離検出パターン140を有する点については、図4に示す圧力センサ110と同様である。第3実施形態に係る圧力センサ210の説明では、第2実施形態に係る圧力センサ110との相違点を中心に説明を行い。圧力センサ110との共通点については、説明を省略する。
図5(a)は、第2実施形態の説明における図4(a)と同様に、圧力センサ210を膜形成面22bの上方から見た上面図である。図5(b)は、図5(a)の断面線AA’に沿って図5(a)に示す圧力センサ110を切断した断面図である。
図5(a)および図5(b)に示すように、圧力センサ210は、膜形成面22bと絶縁膜250との間の剥離を検出する剥離検出パターン240と、絶縁膜250と保護膜160との間の剥離を検出する剥離検出パターン140とを有する。剥離検出パターン140については、図4(b)に示す圧力センサ110が有する剥離検出パターン140と同様である。
図5(a)および図5(b)に示すように、剥離検出パターン240は、膜形成面22bの上であって、第1の表面としての膜形成面22bの少なくとも一部を覆うように、金属ステム20の膜形成面22bの上に形成される。また、図5(a)に示すように、膜形成面22bの上から見て、剥離検出パターン240は、剥離検出パターン140に対して重ならないように配置されている。
絶縁膜250は、図3に示す絶縁膜50と同様に、剥離検出パターン240の上に重ねるように、膜形成面22bの上に形成されている。すなわち、剥離検出パターン240の上部膜としての絶縁膜250は、、剥離検出パターン240を膜形成面22b(第1の表面)との間に挟み、膜形成面22b(第1の表面)の他の一部(剥離検出パターン240に覆われている部分以外の部分)を覆っている。
また、上部膜としての絶縁膜250は、膜形成面22bの一部に加えて、剥離検出パターン240を覆う。図5(a)に示すように、第3実施形態では、絶縁膜250が、膜形成面22bと剥離検出パターン240の全体を覆っている。
図5(b)に示すように、絶縁膜250(上部膜)は、膜形成面22b(第1の表面)および剥離検出パターン240の上に、これらと直接接触するように形成される。したがって、絶縁膜250の下表面は、膜形成面22bに接触している部分と、剥離検出パターン240に接触している部分とを有する(図3(b)の保証部分54aおよび検出部分54b参照)。
ここで、剥離検出パターン240の材質等は、図3に示す剥離検出パターン40と同様に、絶縁膜250に対する密着力を考慮して決定される。すなわち、絶縁膜250(上部膜)の剥離検出パターン240に対する密着力は、絶縁膜250(上部膜)の膜形成面22b(第1の表面)に対する密着力より小さい。
したがって、図5(b)に示す剥離検出パターン240は、図3(b)および図3(c)に示す剥離検出パターン40と同様に、絶縁膜250(上部膜)と剥離検出パターン240との間に剥離が生じていないことを確認することにより、より密着力の高い膜形成面22b(第1の表面)と絶縁膜250(上部膜)との間に関しても剥離が生じていないことを保証することができる。
また、図5(a)および図5(b)に示すように、剥離検出パターン240は、膜形成面22bの上から見て、保護膜160に対して重ならないように配置されている。このように、上部膜である絶縁膜250における剥離検出パターン240の直上にある部分が、他の膜に覆われておらず露出していることにより、絶縁膜250と剥離検出パターン240との間の剥離の有無を、精度よく検出することができる。
なお、剥離検出パターン240と第1の表面としての膜形成面22bとの間の密着力は、剥離検出パターン240と上部膜としての絶縁膜250との密着力より大きいことが好ましい。剥離検出パターン240自体が膜形成面22bから剥離してしまうと、剥離検出パターン240と絶縁膜250との剥離が、適切な条件で生じない可能性があるためである。また、剥離検出パターン240と第1の表面としての膜形成面22bとの間の密着力は、上部膜としての絶縁膜250と膜形成面22bとの密着力より大きいことも、剥離の検出精度を高めるために好ましい。
また、第2実施形態に係る圧力センサ210は、圧力センサ10や圧力センサ110との共通点については、圧力センサ10または圧力センサ110と同様の効果を奏する。
第4実施形態
図6は、第4実施形態に係る圧力センサ310を、メンブレン22の膜形成面22b(図1参照)の上方から見た上面図である。第4実施形態に係る圧力センサ310は、剥離検出パターン340が、同一面上に互いに分離して配置される第1部分340aと第2部分340bとを有する点で、第1実施形態に係る圧力センサ10とは異なるが、その他の点では圧力センサ10と同様である。圧力センサ310については、圧力センサ10との相違点を中心に説明を行い、圧力センサ10との共通点については説明を省略する。
圧力センサ310が有する剥離検出パターン340は、図3に示す剥離検出パターン40と同様に、金属ステム20の膜形成面22bと絶縁膜350との間の剥離の有無を検出する。剥離検出パターン340は、図3に示す剥離検出パターン40と同様に、金属ステム20の膜形成面22bと絶縁膜350との間に挟まれている。
ここで、圧力センサ310が有する剥離検出パターン340は、図2および図3に示す剥離検出パターン40とは異なり、同一面上に互いに分離して配置される第1部分340aと、第2部分340bとを有する。このような圧力センサ310では、いずれの部分340a、340bについても、剥離検出パターン340と絶縁膜350との間に剥離が生じていないことを確認することにより、絶縁膜350全体に剥離が無いことを、より確実に保証することができる。なお、圧力センサ310の絶縁膜350は、剥離検出パターン340の配置に伴い下表面の形状が異なることを除き、図3に示す圧力センサ10の絶縁膜50と同様である。
圧力センサ310では、たとえば絶縁膜350と膜形成面22bとの間に、膜形成面22bにおける異なる場所で、異なるモードの剥離が生じる傾向がある場合などに、第1部分340aと第2部分340bを、各剥離モードに対応する場所に、分離して配置することができる。また、第4実施形態に係る圧力センサ310は、圧力センサ10等との共通点については、圧力センサ10等と同様の効果を奏する。
第5実施形態
図7は、第5実施形態に係る圧力センサ410を、メンブレン22の膜形成面22b(図1参照)の上方から見た上面図である。図7では、図3(a)と同様に、絶縁膜450の上に配置される圧力検出部30については図示していない。第5実施形態に係る圧力センサ410は、剥離検出パターン440が、上部膜である絶縁膜450の外縁456の一部と重なっている点で第1実施形態に係る圧力センサ10と異なるが、その他の点では圧力センサ10と同様である。圧力センサ410については、圧力センサ10との相違点を中心に説明を行い、圧力センサ10との共通点については説明を省略する。
圧力センサ410が有する剥離検出パターン440は、図3に示す剥離検出パターン40と同様に、金属ステム20の膜形成面22bと絶縁膜350との間の剥離の有無を検出する。剥離検出パターン440は、図3に示す剥離検出パターン40と同様に、金属ステム20の膜形成面22bと絶縁膜450との間に挟まれている。
一方、圧力センサ410が有する剥離検出パターン440は、図2および図3に示す剥離検出パターン40とは異なり、上部膜としての絶縁膜450の外縁456の一部と重なっている。また、圧力センサ410の絶縁膜450は、膜形成面22bの外縁と略一致しているため、剥離検出パターン40は、膜形成面22bの外縁の一部にも重なっている。
ここで、上部膜としての絶縁膜450の外縁456は、絶縁膜450の他の部分に比べて剥離が生じやすい傾向を有する場合がある。したがって、図7に示すように、剥離検出パターン440が絶縁膜450の外縁456の一部と重なっている圧力センサ410は、絶縁膜450と剥離検出パターン440との間に剥離が生じていないことを確認することにより、絶縁膜450全体に剥離が無いことを、より確実に保証することができる。なお、圧力センサ410の絶縁膜450は、剥離検出パターン440の配置に伴い下表面の形状が異なることを除き、図3に示す圧力センサ10の絶縁膜50と同様である。
また、第5実施形態に係る圧力センサ410は、圧力センサ10等との共通点については、圧力センサ10等と同様の効果を奏する。
第6実施形態
図8は、第6実施形態に係る圧力センサ510を、メンブレン22の膜形成面22b(図1参照)の上方から見た上面図である。第6実施形態に係る圧力センサ510は、上部膜としての保護膜560と剥離検出パターン540の形状が異なることを除き、図4に示す圧力センサ110と同様である。圧力センサ510については、圧力センサ110との相違点を中心に説明を行い、圧力センサ110との共通点については、説明を省略する。なお、図8では、圧力センサ510の圧力検出部30(図4参照)については、図示を省略している。
図8に示す圧力センサ510の剥離検出パターン540は、絶縁膜150の上表面(絶縁膜150の直上)に配置されており、第1の表面としての絶縁膜150の上表面152と、第1の表面の上に形成される上部膜としての保護膜560との間の剥離の有無を検出する。
図8に示すように、保護膜560は、単純な円形状ではなく切り込み部を有しており、図4に示す保護膜160より複雑な形状の外縁562を有する。このように、保護膜560は、たとえば絶縁膜150の上に形成される圧力検出部30の端子部を露出させる必要があるなどの理由により、切り込みや突起のある外縁562を有する場合がある。
圧力センサ510の剥離検出パターン540は、図8に示すように、保護膜562の外縁562のうち、特に切り込みや突起部分に重なるように配置されている。ここで、図8に示すような保護膜560の場合、外縁562の切り込みや突起部分において、他の部分より剥離を生じやすい傾向が生じる場合がある。
したがって、図8に示すように、剥離検出パターン540が保護膜560の切り込みや突起部と重なっている圧力センサ510は、保護膜560と剥離検出パターン540との間に剥離が生じていないことを確認することにより、保護膜560全体に剥離が無いことを、より確実に保証することができる。また、第6実施形態に係る圧力センサ510は、圧力センサ110等との共通点については、圧力センサ110等と同様の効果を奏する。
第7実施形態
図9は、第7実施形態に係る圧力センサ610の膜構造を、上面図と断面図とを用いて説明した概念図である。図9(a)に示すように、第7実施形態に係る圧力センサ610は、剥離検出パターン40と上部膜である絶縁膜50との剥離を電気的に検出する剥離検出回路670を有する点で、図1~3に示す圧力センサ10とは異なるが、その他の点では、圧力センサ10と同様である。第7実施形態に係る圧力センサ610の説明では、第1実施形態に係る圧力センサ10との相違点を中心に説明を行い。圧力センサ10との共通点については、説明を省略する。
図9(a)は、圧力センサ610を膜形成面22bの上方から見た上面図である。ただし、図9(a)では、図3(a)と同様に、圧力検出部30については図示していない。また、図9(b)は、図9(a)の断面線AA’に沿って図9(a)に示す圧力センサ610を切断した断面図である。図9(a)および図9(b)に示すように、圧力センサ610の剥離検出パターン40は、金属ステム20の膜形成面22bと絶縁膜50との間の剥離の有無を検出する。すなわち、剥離検出パターン40は、図3に示す剥離検出パターン40と同様に、金属ステム20の膜形成面22bと絶縁膜50との間に挟まれている。
図9(a)および図9(b)に示すように、圧力センサ610は、剥離検出パターン40と絶縁膜50との剥離を電気的に検出する剥離検出回路670を有する。剥離検出回路670は、絶縁膜50の上表面52(上部膜の膜上表面)に配置されており、検出配線部672と検出端子部674とを有する。
検出配線部672は、絶縁膜50の上表面52に配置され、第1の表面である膜形成面22bに垂直な方向から見て剥離検出パターン40を横断するように形成されている。検出端子部674は、検出配線部672の両端部に配置される。検出端子部674には、図1に示す回路基板80へ繋がる中間配線(不図示)が接続される。
検出端子部674は、検出配線部672とは異なり、膜形成面22bに垂直な方向から見て、剥離検出パターン140に重複しないように形成される。剥離検出回路670に含まれる検出配線部672および検出端子部674は、たとえば導電性の薄膜等を、絶縁膜50の上表面52に形成することにより、作製される。
図9(c)は、図9(b)に示す圧力センサ610において、絶縁膜50の下表面、特に絶縁膜50と剥離検出パターン40との接触面において剥離が生じた状態を、概念的に示したものである。図9(c)に示すように、圧力センサ610において、絶縁膜50と剥離検出パターン40との間に剥離が生じると、剥離検出パターン40上の絶縁膜50および検出配線部672の一部が欠損または脱落する。したがって、圧力センサ510において、たとえば2つの検出端子部674間の抵抗変化を検出することにより、絶縁膜50と剥離検出パターン40との間で剥離が生じているか否かを、電気的に検出することが可能である。
このように、圧力センサ610では、絶縁膜50と剥離検出パターン40との接触面において剥離が生じていないことを電気的に検出することができ、これにより、絶縁膜50と膜形成面22b(第1の表面)との間に関しても、剥離が生じていないことを保証することができる。また、圧力センサ610は、剥離の有無を電気的に検出する剥離検出回路670を有するため、製造工程内での検査だけでなく、出荷後において圧力センサ610をユーザーが使用している状態においても、比較的単純でシンプルな構成で剥離を検出することができる。
また、第7実施形態に係る圧力センサ610は、圧力センサ10等との共通点については、圧力センサ10等と同様の効果を奏する。
第8実施形態
図10は、第8実施形態に係る圧力センサ710の膜構造を、上面図と断面図とを用いて説明した概念図である。図10(a)に示すように、第8実施形態に係る圧力センサ710は、剥離検出パターン140と上部膜である保護膜160との剥離を電気的に検出する剥離検出回路770を有する点で、図4に示す圧力センサ110とは異なるが、その他の点では、圧力センサ110と同様である。第8実施形態に係る圧力センサ710の説明では、第2実施形態に係る圧力センサ110との相違点を中心に説明を行い。圧力センサ110との共通点については、説明を省略する。
図10(a)は、圧力センサ710を膜形成面22bの上方から見た上面図である。また、図10(b)は、図10(a)の断面線AA’に沿って図10(a)に示す圧力センサ710を切断した断面図である。図10(a)および図10(b)に示すように、圧力センサ710の剥離検出パターン140は、絶縁膜150と絶縁膜150の上に形成される保護膜160との間の剥離の有無を検出する。剥離検出パターン140は、図10(b)に示すように、絶縁膜150と保護膜160の間に挟まれている。
図10(a)および図10(b)に示すように、圧力センサ710は、剥離検出パターン40と保護膜160との剥離を電気的に検出する剥離検出回路770を有する。剥離検出回路770は、保護膜160の上表面152(上部膜の膜上表面)に配置されており、検出配線部772と検出端子部774とを有する。
検出配線部772は、保護膜160の上表面162に配置され、第1の表面である絶縁膜150の上表面152に垂直な方向から見て剥離検出パターン140を横断するように形成されている。検出端子部774は、検出配線部772の両端部に配置される。検出端子部774には、図1に示す回路基板80へ繋がる中間配線(不図示)が接続される。
検出端子部774は、検出配線部772とは異なり、絶縁膜150の上表面152に垂直な方向から見て、剥離検出パターン140に重複しないように形成される。剥離検出回路770に含まれる検出配線部772および検出端子部774は、たとえば導電性の薄膜等を、保護膜160の上表面162に形成することにより、作製される。
図10(c)は、図10(b)に示す圧力センサ710において、保護膜160と剥離検出パターン140との接触面において剥離が生じた状態を、概念的に示したものである。図10(c)に示すように、圧力センサ710において、保護膜160と剥離検出パターン140との間に剥離が生じると、剥離検出パターン140上の保護膜160および検出配線部772の一部が欠損または脱落する。したがって、圧力センサ710において、たとえば2つの検出端子部774間の抵抗変化を検出することにより、絶縁膜50と剥離検出パターン40との間で剥離が生じているか否かを、電気的に検出することが可能である。
このように、圧力センサ710では、保護膜160と剥離検出パターン140との接触面において剥離が生じていないことを電気的に検出することができ、これにより、保護膜160と絶縁膜150(第1の表面)との間に関しても、剥離が生じていないことを保証することができる。また、圧力センサ710は、剥離の有無を電気的に検出する剥離検出回路770を有するため、製造工程内での検査だけでなく、出荷後において圧力センサ710をユーザーが使用している状態においても、比較的単純でシンプルな構成で剥離を検出することができる。
また、第8実施形態に係る圧力センサ710は、圧力センサ110等との共通点については、圧力センサ110等と同様の効果を奏する。
以上、実施形態を挙げて本発明に係る膜付き金属ステム16および圧力センサ10~710を説明したが、本発明はこれらの実施形態のみには限定されず、他の多くの実施形態や変形例を含むことは言うまでもない。たとえば、剥離検出パターンが剥離を検出対象とする膜は、絶縁膜や保護膜のみには限定されず、他の絶縁性または導電性の膜の剥離を、検出対象とするものであってもよい。
10、110、210、310、410、510、610、710…圧力センサ
12…接続部材
12a…ねじ溝
12b…流路
14…抑え部材
16、116…膜付き金属ステム
20…金属ステム
21…フランジ部
22…メンブレン
22a…内面
22b…膜形成面
26…膜複合体
30…圧力検出部
32…端子部
R1、R2、R3、R4…抵抗
34…電気配線
40、140、240、340、440、540…剥離検出パターン
340a…第1部分
340b…第2部分
50、150、250、350、450…絶縁膜
54a、164a…保証部分
54b、164b…検出部分
456、562…外縁
152、162、252…上表面
160、560…保護膜
670、770…剥離検出回路
672、772…検出配線部
674、774…検出端子部
80…回路基板
82…中間配線

Claims (11)

  1. 膜形成面を有する金属ステムと、
    前記膜形成面の上であって、第1の表面の一部を覆うように、前記第1の表面の上に形成される剥離検出パターンと、
    前記剥離検出パターンを前記第1の表面との間に挟み、前記第1の表面の少なくとも他の一部と前記剥離検出パターンの少なくとも一部とを覆うように、前記第1の表面および前記剥離検出パターンの上にこれらと直接接するように形成される上部膜と、を有し、
    前記上部膜の前記剥離検出パターンに対する密着力は、前記上部膜の前記第1の表面に対する密着力より小さい膜付き金属ステム。
  2. 前記第1の表面は、前記金属ステムの前記膜形成面を含み、
    前記上部膜は、前記膜形成面の上に形成される絶縁膜を含む請求項1に記載の膜付き金属ステム。
  3. 前記第1の表面は、前記膜形成面の上に形成される絶縁膜の上表面を含み、
    前記上部膜は、前記絶縁膜の上に形成される前記絶縁膜とは異なる絶縁性の保護膜を含む請求項1に記載の膜付き金属ステム。
  4. 前記剥離検出パターンの面積は、前記膜形成面の面積の1/50以下である請求項1から請求項3までのいずれかに記載の膜付き金属ステム。
  5. 前記剥離検出パターンは、同一面上に互いに分離して配置される第1部分と第2部分とを有する請求項1から請求項4までのいずれかに記載の膜付き金属ステム。
  6. 前記剥離検出パターンは、前記上部膜の外縁の一部と重なっている請求項1から請求項5までのいずれかに記載の膜付き金属ステム。
  7. 前記金属ステムはステンレス鋼からなり、
    前記上部膜は、シリコンの酸化物、窒化物および酸窒化物のうち少なくとも1つを含む請求項1から請求項6までのいずれかに記載の膜付き金属ステム。
  8. 前記剥離検出パターンは白金族元素からなる請求項1から請求項7までのいずれかに記載の膜付き金属ステム。
  9. 前記剥離検出パターンと前記上部膜との剥離を電気的に検出する剥離検出回路を有する請求項1から請求項8までのいずれかに記載の膜付き金属ステム。
  10. 前記剥離検出回路は、
    前記上部膜の膜上表面に配置され、前記第1の表面に垂直な方向から見て前記剥離検出パターンを横断する検出配線部と、
    前記検出配線部の両端部に配置される検出端子部と、を有する請求項9に記載の膜付き金属ステム。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかに記載の膜付き金属ステムと、
    前記金属ステムにおける前記膜形成面の上に配置される圧力検出部からの検出信号が伝えられる信号伝達部と、を有する圧力センサ。
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