JP2023043481A - コーティング剤組成物 - Google Patents

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明宏 山田
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Abstract

【課題】密着性及び屈曲性に優れ、かつ、高湿度下においても良好な硬化特性を示すコーティング剤を提供する。【解決手段】コーティング剤組成物は、下記(A)成分を85~99.9質量%および(B)成分を0.1~15質量%含む。(A)成分:特定構造を有する(メタ)アクリル酸系共重合体(B)成分:特定構造を有する2官能アミン化合物【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング剤組成物に関するものである。
イソシアネート含有樹脂とポリオールを反応させて得られるウレタン硬化系樹脂組成物は、耐摩耗性、屈曲性、可撓性、柔軟性、加工性、接着性、耐薬品性等の諸物性に優れ、且つ各種加工法への適性にも優れるため、電子機器部材、衣料、家具・家電、日用雑貨、建築・土木、インキ、接着剤、塗料等の樹脂成分として、又はフィルム、シート等の各種成形体として広く使用されている。
特許文献1には、ウレタン硬化系樹脂組成物を自動車部品のコーティング剤に利用する例が記載されている。自動車部品のコーティング剤には基材への密着性が求められる。これとともに、電気自動車用2次電池の外装ケースのような自動車部品は、コーティング後に絞り加工や曲げ加工等といったプレス加工により所望の形状に成形するため、コーティング剤には屈曲性も要求される。
特開2007-63281号公報
一方で、製造時の経済性の観点から、有機溶剤系のコーティング剤の使用量低減のためコーティングの薄膜化が要求されている。従来の膜厚よりもコーティング厚みを薄くすると温度や湿度等の外部環境の影響を受けやすくなることが課題として挙げられる。特にウレタン硬化系樹脂組成物では、空気中の水分による硬化不良が生じやすいため、硬化時間が長くなることや硬化不良によるタックの発生が問題となる。
本発明の課題は、密着性及び屈曲性に優れ、かつ、高湿度下においても良好な硬化特性を示すコーティング剤を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、シクロカーボネート基含有(メタ)アクリル酸エステルの繰り返し単位と、アルキル(メタ)アクリレートの繰り返し単位とを含む共重合体と多官能アミン化合物を含有する硬化性樹脂組成物が、密着性及び屈曲性に優れ、かつ、高湿度下においても良好な硬化特性を示すコーティング剤用樹脂組成物となることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のものである。
[1] (A)成分と(B)成分との合計含有量を100.0質量%としたとき、前記(A)成分を85~99.9質量%および前記(B)成分を0.1~15質量%含むことを特徴とする、コーティング剤組成物。
前記(A)成分: 下記式(1)で示されるモノマー(a-1)1~90質量%と、式(2)で示されるモノマー(a-2)10~99質量%と、前記モノマー(a-1)及びモノマー(a-2)と共重合可能な他のラジカル重合性モノマー(a-3)0~30質量%との(メタ)アクリル酸系共重合体
Figure 2023043481000001

(式(1)中、
は、水素原子またはメチル基を示し、
は、炭素数2~10のアルキル基を示し、
X=0または1である。)

Figure 2023043481000002
(式(2)中、
は水素原子又はメチル基を表し、
は炭素数1~6のアルキル基を表す。)

前記(B)成分: 下記式(3)または下記式(4)で表される2官能アミン化合物


Figure 2023043481000003

(式(3)中、
およびRはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を表し、
n=1~12である)

Figure 2023043481000004

(式(4)中、
およびRはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を表し、
n=1~8である)
本発明のシクロカーボネート基含有(メタ)アクリル酸系共重合体及び多官能アミン化合物を組み合わせてなる硬化性樹脂組成物は、コーティング剤として使用した際に、高湿度下においても良好な硬化特性を示し、かつ、密着性及び屈曲性に優れた硬化膜を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを包含する総称である。
<シクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)>
本発明で用いるシクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)は下記式(1)で示される。
Figure 2023043481000005
(式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数2~10のアルキル基を示し、X=0または1である。)
式(1)において、Rは炭素数2~10のアルキル基を表す。Rが炭素数2~10のアルキル基であることにより、ポリマー合成における反応性が良好であり、モノマー残分の少ないポリマーを得ることができる。その中でも、Rの炭素数が2~4であることが好ましく、Rの炭素数が2であることが特に好ましい。
式(1)において、Xの値は0または1である。その中でも、X=0であることが好ましい。Xが0または1であることにより、ポリマー合成における反応性が良好であり、モノマー残分の少ないポリマーを得ることができる。
シクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)は、各種の(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物を出発物質とし、0.05~0.3MPa程度で二酸化炭素を吹き込んで反応させることにより、得ることができる。このとき、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物としては、各種のモノマーを用いることができる。しかし、低粘度であり、反応にかかる時間が短く、得られるシクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)の色相が低く透明性の良好なモノマーを得られることから、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルを用いることが好ましく、グリシジル(メタ)アクリレートを用いることがさらに好ましい。
<シクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)の製造方法>
出発物質である各種の(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物のエポキシ基に対して二酸化炭素を作用させ、シクロカーボネート基とすることで、シクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)が製造される。二酸化炭素を反応系中に導入する方法としては、加圧下において各種の吹き込み方法を選択することができる。このとき、圧力、温度を一定の範囲内でコントロールすることにより、目的物の収率を高め、副生物の含有率を低く抑えることができる。
その場合の圧力としては、0.05~0.3MPaGであり、0.1~0.2MPaGであることが好ましい。0.3MPaGを超えて圧力を高く設定しても、シクロカーボネート体の収率は上がらず、副反応が進行しやすくなる。
合成時の反応温度は、圧力や触媒の条件にもよるが、40~70℃の範囲であり、50~60℃の範囲が好ましい。40℃未満であると、反応にかかる時間が長くなり過ぎる上に、未反応の原料が残存しやすくなる。また、着色が起こりやすくなる。一方、70℃を超えると、副生物の含有率が増えてしまい、ポリマー化に際してゲル化などの不具合が起こりやすくなる。また、着色も起こりやすくなる。
<アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a-2)>
本発明で用いるアルキル(メタ)アクリレートモノマー(a-2)は下記式(2)で示される。
Figure 2023043481000006

(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数1~6のアルキル基を表す。)
式(2)において、Rは、炭素数1~6のアルキル基である。Rのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。Rの炭素数は、1~4であることが更に好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
<その他のラジカル重合性モノマー(a-3)>
こうした他のモノマーとしては、共重合可能なラジカル重合性モノマーであれば特に限定されるものではなく、各種の(メタ)アクリル酸エステル単量体、ビニル化合物などを用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸-2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリセロール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシフェニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物などが挙げられ、メタクリル酸―2-ヒドロキシエチルが好ましい。ビニル化合物としては例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等のスチレン系モノマー、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類などが挙げられ、スチレンが好ましい。
〔(メタ)アクリル酸系共重合体(A)〕
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体(A)でのシクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)とアルキル(メタ)アクリレートモノマー(a-2)の割合は、重合前モノマーの重量比基準(モノマー(a-1)、モノマー(a-2)およびモノマー(a-3)の合計質量を100質量%とする)で、モノマー(a-1)が1~90質量%、モノマー(a-2)が10~99質量%の範囲から選択される。好ましくはモノマー(a-1)が1~50質量%、より好ましくは10~30質量%の範囲から選択される。
発明のシクロカーボネート基含有(メタ)アクリル酸系共重合体(A)は、シクロカーボネート基含有(メタ)アクリレートモノマー(a-1)に由来する構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-2)に由来する構成単位だけで構成されていてよい。あるいは他のラジカル重合性モノマー(a-3)を、重合前モノマーの重量比基準(モノマー(a-1)、モノマー(a-2)およびモノマー(a-3)の合計質量を100質量%とする)で、更に30質量%以下含有していてもよい。その他のラジカル重合性モノマー(a-3)の比率は、30質量%以下とするが、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体(A)の重量平均分子量、数平均分子量、分散度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めることができる。重合体(A)の重量平均分子量は、1,000~200,000であり、好ましくは8,000~150,000、より好ましくは10,000~100,000である。重合体(A)の重量平均分子量が低すぎると、硬化性樹脂組成物とした際の柔軟性が不足し、重量平均分子量が高すぎると、溶解性の低下や高粘度化によるハンドリング性悪化のおそれがある。
<(メタ)アクリル酸系共重合体(A)の製造方法>
次に、本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体(A)を製造する方法について説明する。
本発明における重合体(A)は、モノマー混合物をラジカル重合させることにより得ることができる。重合は公知の方法で行うことができる。例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられるが、共重合体の重量平均分子量を上記範囲内に調整しやすいという面で、溶液重合が好ましい。
重合開始剤は、公知のものを使用することができる。t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート等の有機過酸化物や、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は1種類のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、用いるモノマーの組み合わせや、反応条件などに応じて適宜設定することができる。
重合開始剤およびモノマーを投入するのに際しては、例えば、全量を一括仕込みしても良いし、一部を一括仕込みして残りを滴下しても良いし、あるいは全量を滴下しても良い。発熱の制御しやすさから、一部を一括仕込みして残りを滴下するか、または全量を滴下するのが好ましい。また、モノマー滴下後も重合開始剤を添加すると、残存モノマーを低減できるので好ましい。
溶液重合の際に使用する重合溶媒としては、モノマーと重合開始剤が溶解するものを使用することができ、具体的には、メタノール、エタノール、1-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを挙げることができる。
重合溶媒に対するモノマー(合計量)の濃度は、10~60質量%が好ましく、特に好ましくは20~50質量%である。モノマー混合物の濃度が低すぎると、モノマーが残存しやすく、得られる共重合体の分子量が低下するおそれがあり、モノマーの濃度が高すぎると、発熱を制御し難くなるおそれがある。
重合温度は、モノマーの種類や重合溶媒の種類などに依存し、例えば、50℃~120℃である。重合時間は、重合開始剤の種類と重合温度に依存し、例えば、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシネオデカノエートを使用した場合、重合温度を70℃として重合すると、重合時間は6時間程度が適している。
以上の重合反応を行うことにより、本発明に係る(メタ)アクリル酸系共重合体(A)が得られる。得られた共重合体は、そのまま用いてもよいし、重合反応後の反応液に、ろ取や精製を施して単離してもよい。
<(B)成分>
次に、本発明の硬化性樹脂組成物に用いる(B)成分について説明する。(B)成分は下式(3)または式(4)で表される2官能アミン化合物である。
Figure 2023043481000007
式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を表す。このアルキル基は直鎖アルキル基であってよく、また分岐アルキル基であってよい。また、このアルキル基の炭素数は、1~4が好ましく、1~2が更に好ましい。また、式(3)中のn=1~12である。nは、2~10が好ましく、4~8が更に好ましい。式(3)のモノマーの具体例としては、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,-8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン等を挙げることができる。
Figure 2023043481000008
(式(4)中、
およびRはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を表す。このアルキル基は直鎖アルキル基であってよく、また分岐アルキル基であってよい。また、このアルキル基の炭素数は、1~4が好ましく、1~2が更に好ましいが、水素原子が特に好ましい。また、式(4)中のn=1~8である。nは、2~8が好ましく、2~6が更に好ましい。式(4)のモノマーの具体例としては、「JEFFAMINE D-230」(ハンツマン社製)(R=水素原子、R=水素原子、n=2.5)、「JEFFAMINE D-400」(ハンツマン社製)(R=水素原子、R=水素原子、n=6)、等を挙げることができる。
<コーティング剤用硬化性樹脂組成物>
本発明のコーティング剤用硬化性樹脂組成物は、(A)成分および(B)成分を含む。(A)成分と(B)成分との合計含有量を100質量%としたとき、(A)成分の割合は85~99.9質量%とするが、90質量%以上が好ましく、また、95質量%以下が好ましい。また、(B)成分の割合は0.1~15質量%とするが、5質量%以上が好ましく、また、10質量%以下が好ましい。
<その他の成分>
本発明のコーティング剤用硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、有機溶剤やその他成分を添加することができる。
有機溶剤としては、得られるポリヒドロキシウレタン樹脂に対して不活性な有機溶剤であれば、いずれも使用可能である。例えば、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、1-ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶媒;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒を挙げることができ、これらを単体で、又は2種以上混合して用いることができる。
有機溶剤の含有量としては、コーティング用樹脂組成物の全質量を100質量部としたとき、100~400質量部が好ましく、150~300質量部がより好ましい。
他の成分としては、例えば、分散助剤、酸化防止剤、消泡剤、表面張力低下剤を一種または二種以上を含有させてもよい。
本発明のコーティング剤用硬化性樹脂組成物は、自動車部品等のコーティングに用いるコーティング剤として使用することが出来る。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<シクロカーボネート基含有(メタ)アクリル酸系単量体の合成>
(シクロカーボネート基含有モノマー(a-1)の合成)
二酸化炭素導入管、攪拌機、温度計を備えたオートクレーブに、出発原料としてブレンマーGH(グリシジルメタクリレート)1,000g、ヨウ化ナトリウム50g、メトキシハイドロキノン0.5gを仕込んだ。系内を50℃に温調しながら、炭酸ガスボンベより、系内を0.2MPaに保ちながら二酸化炭素を断続的に吹き込み続け、8時間攪拌しながら反応させた。室温まで冷却した後、イオン交換水300gを仕込んでよく攪拌し、しばらく静置して有機相と水相を分液させ、水相を除去した。この操作を計4回繰り返し、ヨウ化ナトリウムを取り除いた。その後、有機相を70℃、減圧下で2時間かけて脱水し、モノマー(a-1)を得た。
<シクロカーボネート基含有(メタ)アクリル酸系共重合体の合成>
(アクリルポリマー(A-1)の合成)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと略)416gを仕込み、フラスコ内を窒素置換して、窒素雰囲気下にした。モノマー(a-1)60.0g(0.322mol)、メタクリル酸n-ブチル140.0g(0.98mol)、を混合したモノマー溶液、及びPGMEA50gとt-ブチルパーオキシネオデカノエート(日油株式会社製「パーブチルND」)7.64g(0.031mol)を混合した重合開始剤溶液をそれぞれ調製した。
反応容器内を70℃まで昇温し、モノマー溶液及び重合開始剤溶液を同時にそれぞれ2時間かけて滴下した。その後、70℃で3時間反応させアクリルポリマーA-1のPGMEA溶液を得た。得られたアクリルポリマーは再沈殿精製後、真空乾燥を行った。
(アクリルポリマー(A-2)~(A-8)の合成)
下記表1、表2に示す種類および量の成分を使用した以外は、アクリルポリマー(A-1)の合成と同様の手順に従って、アクリルポリマー(A-2)~(A-8)を得た。
<比較アクリルポリマー(A’-1)の合成>
下記表2に示す種類および量の成分を使用した以外は、アクリルポリマー(A-1)と同様の手順に従って、アクリルポリマー(A’-1)を得た。
各アクリルポリマーの重量平均分子量は、下記の条件でGPCを用いて測定した。
〔重量平均分子量の測定〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件により、各重合体の重量平均分子量を求めた。
装置: 東ソー(株)社製、HLC-8220
カラム: shodex社製、LF-804
標準物質: ポリスチレン
溶離液: THF(テトラヒドロフラン)
流量: 1.0ml/min
カラム温度: 40℃
<コーティング用樹脂組成物の評価>
〔密着性の評価〕
実施例、比較例に記載の割合で調製した溶液をPETフィルム(東洋紡株式会社製 A4100 膜厚50μm)に塗布し、60℃のホットプレートで10分乾燥させ、膜厚10μmの硬化膜を得た。この硬化膜について、JIS K-5600-5-6:1999に準拠して、1mm幅で100マスの碁盤目状の切り込みを入れ、セロハンテープ(ニチバン製)を貼り付け、セロハンテープを剥離した。残存したマス数で密着性を評価し、残存したマス数が100個であるものを「◎」、90~99個であるものを「○」、60~89個であるものを「△」、59個以下であるものを「×」とした。
〔耐屈曲性の評価〕
密着性の測定と同条件にて作製した硬化膜について、JIS K-5600-5-1に準じて、円筒形マンドレル屈曲試験機を用いて屈曲性の評価を行った。評価用硬化膜を、塗膜面が外側になるように試験棒に巻き付けた際に、割れまたは剥がれが生じる最大の径(整数値、mm)を測定した。最小の径でも割れまたは剥がれがない場合は剥がれなしとした。値が小さいほど屈曲性の高い塗膜であることを意味する。
〔水含有時の硬化の評価(タック性)〕
密着性の測定と同条件にて作製した硬化膜及び実施例、比較例に記載の割合で調製した溶液に水5質量%を含有させて作製した硬化膜の表面を指で触り、べたつき具合を評価した。水含有の有無に関わらず硬化膜にべたつきが生じない場合を「〇」、水含有時の硬化膜にべたつきが生じる場合を「×」とした。
Figure 2023043481000009
Figure 2023043481000010

なお、表中の略語は以下の通りである。
カレンズMOI:2-イソシアナトエチルメタクリレート(商品名、昭和電工株式会社)
DBTDL:ジブチルスズラウリレート(ネオスタン
U-100、日東化成株式会社)
実施例1~8に示す通り、本発明で得られる硬化性樹脂組成物は、いずれの評価項目においても良好な評価を示した。
一方、比較例1は、水含有中での硬化膜でタックが生じたため、高湿下での硬化が不十分であるといえる。

Claims (1)

  1. (A)成分と(B)成分との合計含有量を100.0質量%としたとき、前記(A)成分を85~99.9質量%および前記(B)成分を0.1~15質量%含むことを特徴とする、コーティング剤組成物。

    前記(A)成分: 下記式(1)で示されるモノマー(a-1)1~90質量%と、下記式(2)で示されるモノマー(a-2)10~99質量%と、前記モノマー(a-1)及びモノマー(a-2)と共重合可能な他のラジカル重合性モノマー(a-3)0~30質量%との(メタ)アクリル酸系共重合体

    Figure 2023043481000011
    (式(1)中、
    は、水素原子またはメチル基を示し、
    は、炭素数2~10のアルキル基を示し、
    X=0または1である。)

    Figure 2023043481000012

    (式(2)中、
    は水素原子又はメチル基を表し、
    は炭素数1~6のアルキル基を表す。)

    前記(B)成分: 下記式(3)または下記式(4)で表される2官能アミン化合物

    Figure 2023043481000013

    (式(3)中、
    およびRはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を表し、
    n=1~12である)

    Figure 2023043481000014
    (式(4)中、
    およびRはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を表し、
    n=1~8である)
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