JP2023042598A - ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法 - Google Patents

ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023042598A
JP2023042598A JP2023014018A JP2023014018A JP2023042598A JP 2023042598 A JP2023042598 A JP 2023042598A JP 2023014018 A JP2023014018 A JP 2023014018A JP 2023014018 A JP2023014018 A JP 2023014018A JP 2023042598 A JP2023042598 A JP 2023042598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
halogen
compound represented
group
independently
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023014018A
Other languages
English (en)
Inventor
あかね 松本
Akane Matsumoto
尚亨 星谷
Naoyuki Hoshiya
昭佳 山内
Akiyoshi Yamauchi
洋介 岸川
Yosuke Kishikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Publication of JP2023042598A publication Critical patent/JP2023042598A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/18Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds
    • C07C41/22Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds by introduction of halogens; by substitution of halogen atoms by other halogen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/05Preparation of ethers by addition of compounds to unsaturated compounds
    • C07C41/06Preparation of ethers by addition of compounds to unsaturated compounds by addition of organic compounds only
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/18Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds
    • C07C41/24Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds by elimination of halogens, e.g. elimination of HCl

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】
ビニルエーテル及びその簡便な製造方法、並びに、ビニルエーテルの製造方法に用いるハロエーテル及びその製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】当該課題は、式(1):
Figure 2023042598000054
[式中、Yはカチオンであり、Rは有機基である。]で表される化合物を、ハロゲン化剤の存在下で、式(2a):
Figure 2023042598000055
[式中、R2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、R4aはH、ハロゲン、又は有機基であり、X1aはF以外のハロゲンである。]で表される化合物に作用させる工程1aを含む方法により、ハロエーテルを製造することで解決することができる。
【選択図】なし

Description

本開示は、ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法等に関する。
フルオロビニルエーテルの従来の合成法は多工程を要する。具体的には、酸フルオリドにフッ化物塩を反応させてフルオロアルコキシドの塩を合成した後、1)ブロモフルオロ酢酸エチルによる置換反応、2)LiAlHを用いた還元反応、3)塩化トシル及びピリジンを用いたトシル化反応、並びに4)リチウム(ビストリメチルシリル)アミド(LiHMDS)によるp-トルエンスルホン酸の脱離反応を経て、フルオロビニルエーテルが合成されている(非特許文献1)。
Yagupolskiiら, Journal of Fluorine Chemistry, 2015, Vol. 179, pp. 134-141
非特許文献1のフルオロビニルエーテルの合成法は多工程であり、合成法の簡便化の点で改善の余地がある。
本開示は、ビニルエーテル及びその簡便な製造方法、並びに、ビニルエーテルの製造方法に用いるハロエーテル及びその製造方法等を提供する。
本開示は、次の態様を包含する。
項1.
式(4a):
Figure 2023042598000001
[式中、
は有機基であり、
2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
4aはH、ハロゲン、又は有機基であり、
1aはF以外のハロゲンであり、
はハロゲンである。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(1):
Figure 2023042598000002
[式中、
はカチオンであり、
は前記と同意義である。]
で表される化合物を、ハロゲン化剤の存在下で、式(2a):
Figure 2023042598000003
[式中の記号は前記と同意義である。]
で表される化合物に作用させる工程1aを含む、製造方法。
項2.
前記ハロゲン化剤が、式(3a):
-Z (3a)
[式中、
はハロゲンであり、
Zはハロゲン又はNZであり、
及びZは、それぞれ独立して、有機基である、又は、Z及びZは互いに結合して環を形成している。]
又は式(3a’):
Figure 2023042598000004
[式中、
はハロゲンであり、
~Qは、それぞれ独立して、H又は有機基であり、Q~Qの任意の2個は互いに結合して環を形成していてもよい。]
で表される化合物である、項1に記載の製造方法。
項3.
が金属イオン又は四級アンモニウムイオンである、項1又は2に記載の製造方法。
項4.
が、1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基であり、前記フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
項5.
が、1個以上の置換基を有していてもよいC1-10フルオロアルキル基であり、前記C1-10フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
項6.
4aがF又はフルオロアルキル基である、項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。項7.
2a及びR3aが、それぞれ独立して、H又はC1-3アルキル基である、項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
項8.
前記工程1aが触媒の非存在下で行われる、項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。項9.
式(4b):
Figure 2023042598000005
[式中、
は有機基であり、
2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
4bはH、ハロゲン、又は有機基であり,
1b及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンである。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(1):
Figure 2023042598000006
[式中、
はカチオンであり、
は前記と同意義である。]
で表される化合物を、ハロゲン化剤及び触媒の存在下で、式(2b):
Figure 2023042598000007
[式中の記号は前記と同意義である。]
で表される化合物に作用させる工程1bを含む、製造方法。
項10.
4bがF又はフルオロアルキル基であるとき、X1bはF以外のハロゲンである、項9に記載の製造方法。
項11.
前記ハロゲン化剤が、式(3a):
-Z (3a)
[式中、
はハロゲンであり、
Zはハロゲン又はNZであり、
及びZは、それぞれ独立して、有機基である、又は、Z及びZは互いに結合して環を形成している。]
又は式(3a’):
Figure 2023042598000008
[式中、
はハロゲンであり、
~Qは、それぞれ独立して、H又は有機基であり、Q~Qの任意の2個は互いに結合して環を形成していてもよい。]
で表される化合物である、項9又は10に記載の製造方法。
項12.
前記触媒がルイス塩基である、項9~11のいずれか一項に記載の製造方法。
項13.
前記触媒が、式(3b):
-(Z) (3b)
[式中、
は、O、N、(S)、P、又は(Se)であり、
m及びkは、1又は2であり、
nは、Lの価数に対応する数であり、
各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、nが2以上であるとき、任意の2個のZは互いに結合して環を形成していてもよい。]
又は式(3c):
=Z (3c)
[式中、
は、O、S、又はSeであり、
はP(Z)又はC(Z)であり、各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、任意の2個のZは互いに結合して環を形成していてもよく、各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、任意の2個のZは互いに結合して環を形成していてもよい。]
で表されるルイス塩基である、項9~12のいずれか一項に記載の製造方法。
項14.
が金属イオン又は四級アンモニウムイオンである、項9~13のいずれか一項に記載の製造方法。
項15.
が、1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基であり、前記フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、項9~14のいずれか一項に記載の製造方法。
項16.
2b及びR3bが、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル基、又はフルオロアルキル基である、項9~15のいずれか一項に記載の製造方法。
項17.
4bがハロゲン又はフルオロアルキル基である、項9~16のいずれか一項に記載の製造方法。
項18.
式(4a):
Figure 2023042598000009
[式中、
は有機基であり、
2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
4aはH、ハロゲン、又は有機基であり、
1aはF以外のハロゲンであり、
はハロゲンである。]
で表される化合物。
項19.
式(4b):
Figure 2023042598000010
[式中、
は有機基であり、
2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
4bはH、ハロゲン、又は有機基であり、
1b及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンである。]
で表される化合物、及びハロゲン化物イオンを含有する組成物。
項20.
式(4b):
Figure 2023042598000011
[式中、
は有機基であり、
2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
4bはH、ハロゲン、又は有機基であり,
1b及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンである。]
で表される化合物、及び水を含有する組成物。
項21.
4bがF又はフルオロアルキル基であるとき、X1bはF以外のハロゲンである、項19又は20に記載の組成物。
項22.
式(5a):
Figure 2023042598000012
[式中、
は有機基であり、
2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
4aはH、ハロゲン、又は有機基である。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(4a):
Figure 2023042598000013
[式中、
、R2a、R3a、及びR4aは前記と同意義であり、
1aはF以外のハロゲンであり、
がハロゲンである。]
で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2aを含む、製造方法。
項23.
が、1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基であり、前記フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、項22に記載の製造方法。
項24.
が、1個以上の置換基を有していてもよいC1-10フルオロアルキル基であり、前記C1-10フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、項22又は23に記載の製造方法。
項25.
4aがF又はフルオロアルキル基である、項22~24のいずれか一項に記載の製造方法。
項26.
前記還元剤が有機金属試薬である、項22~25のいずれか一項に記載の製造方法。
項27.
前記還元剤が、
(i)遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属
(ii)遷移金属の金属対、及び
(iii)遷移金属と、酸又は金属塩との混合物
からなる群より選択される一種以上である、項22~25のいずれか一項に記載の製造方法。
項28.
前記還元剤がリン含有化合物である、項22~25のいずれか一項に記載の製造方法。
項29.
式(5a):
Figure 2023042598000014
[式中、
は有機基であり、
2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
4aはH、ハロゲン、又は有機基である。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(1):
Figure 2023042598000015
[式中、
はカチオンであり、
は前記と同意義である。]
で表される化合物を、ハロゲン化剤の存在下で、式(2a):
Figure 2023042598000016
[式中、
2a、R3a、及びR4aは前記と同意義であり、
1aはF以外のハロゲンである。]
で表される化合物に作用させる工程1aを含む、式(4a):
Figure 2023042598000017
[式中、
、R2a、R3a、R4a、及びX1aは前記と同意義であり、
がハロゲンである。]
で表される化合物を製造する工程、及び
式(4a)で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2a
を含む、製造方法。
項30.
式(5b):
Figure 2023042598000018
[式中、
は有機基であり、
2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
4bはH、ハロゲン、又は有機基である。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(1):
Figure 2023042598000019
[式中、
はカチオンであり、
は前記と同意義である。]
で表される化合物を、ハロゲン化剤及び触媒の存在下で、式(2b):
Figure 2023042598000020
[式中、
2b、R3b、及びR4bは前記と同意義であり、
1bはハロゲンである。]
で表される化合物に作用させる工程1bを含む、式(4b):
Figure 2023042598000021
[式中、
、R2b、R3b、R4b、及びX1bは前記と同意義であり、
はハロゲンである。]
で表される化合物を製造する工程、及び
式(4b)で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2b
を含む、製造方法。
項31.
4bがF又はフルオロアルキル基であるとき、X1bはF以外のハロゲンである、項30に記載の製造方法。
項32.
式(5c):
Figure 2023042598000022
[式中、
1cは、1個以上の置換基を有していてもよい、炭素数2以上のフルオロアルキル基又は炭素数1以上のフルオロアルコキシ基であり、前記フルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよく、
2c及びR3cは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
4cはFである。]
で表される化合物。
項33.
式(5b):
Figure 2023042598000023
[式中、
は有機基であり、
2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
4bはH、ハロゲン、又は有機基である。]
で表される化合物、及びハロゲン化物イオンを含有する組成物。
項34.
式(5b):
Figure 2023042598000024
[式中、
は有機基であり、
2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
4bはH、ハロゲン、又は有機基である。]
で表される化合物、及び水を含有する組成物。
本開示によれば、ビニルエーテル及びその簡便な製造方法、並びに、ビニルエーテルの製造方法に用いるハロエーテル及びその製造方法等が提供される。
本開示の前記概要は、本開示の各々の開示された実施形態または全ての実装を記述することを意図するものではない。
本開示の後記説明は、実例の実施形態をより具体的に例示する。
本開示のいくつかの箇所では、例示を通してガイダンスが提供され、及びこの例示は、様々な組み合わせにおいて使用できる。
それぞれの場合において、例示の群は、非排他的な、及び代表的な群として機能できる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられる。
1.用語
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本開示が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10~40℃の範囲内の温度を意味することができる。
本明細書中、表記「Cn-m」(ここで、n、及びmは、それぞれ、数である。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上、且つm以下であることを表す。
本明細書中、語句「式(N)で表される化合物」は、化合物(N)と称され得る。
本明細書中、「有機基」とは、1個以上の炭素原子を含有する基を意味する。
当該「有機基」の例は、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
シアノ基、
アルデヒド基、
O-、
S-、
NH-、
(R)N-、
CO-、
COO-、
SO-、
OCO-、及び
OSO
(これらの式中、Rは、独立して、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基である。)
を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「炭化水素基」の例は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基、及びこれらの組合せである基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アルキル基」の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、C1-12アルキル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アルケニル基」の例は、ビニル、1-プロペン-1-イル、2-プロペン-1-イル、イソプロペニル、2-ブテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、及び5-へキセン-1-イル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、C2-10アルケニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アルキニル基」の例は、エチニル、1-プロピン-1-イル、2-プロピン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、5-へキシン-1-イル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、C2-10アルキニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「シクロアルキル基」の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3-7シクロアルキル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「シクロアルケニル基」の例は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等のC3-7シクロアルケニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「シクロアルカジエニル基」の例は、シクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、シクロノナジエニル、シクロデカジエニル等のC4-10シクロアルカジエニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」は、C6-18アリール基であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」の例は、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、及び2-アンスリルを包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アラルキル基」の例は、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、2-ビフェニリルメチル、3-ビフェニリルメチル、及び4-ビフェニリルメチルを包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1~4個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環基であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、飽和、又は不飽和であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」の例は、テトラヒドロフリル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例:1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、アジリジニル(例:1-アジリジニル、2-アジリジニル)、アゼチジニル(例:1-アゼチジニル、2-アゼチジニル)、ピロリジニル(例:1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、ピペリジニル(例:1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル)、アゼパニル(例:1-アゼパニル、2-アゼパニル、3-アゼパニル、4-アゼパニル)、アゾカニル(例:1-アゾカニル、2-アゾカニル、3-アゾカニル、4-アゾカニル)、ピペラジニル(例:1,4-ピペラジン-1-イル、1,4-ピペラジン-2-イル)、ジアゼピニル(例:1,4-ジアゼピン-1-イル、1,4-ジアゼピン-2-イル、1,4-ジアゼピン-5-イル、1,4-ジアゼピン-6-イル)、ジアゾカニル(例:1,4-ジアゾカン-1-イル、1,4-ジアゾカン-2-イル、1,4-ジアゾカン-5-イル、1,4-ジアゾカン-6-イル、1,5-ジアゾカン-1-イル、1,5-ジアゾカン-2-イル、1,5-ジアゾカン-3-イル)、テトラヒドロピラニル(例:テトラヒドロピラン-4-イル)、モルホリニル(例:4-モルホリニル)、チオモルホリニル(例:4-チオモルホリニル)、2-オキサゾリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、及びジヒドロキノリル等を包
含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「ヘテロアリール基」の例は、単環性芳香族複素環基(例:5又は6員の単環性芳香族複素環基)、及び芳香族縮合複素環基(例:5~18員の芳香族縮合複素環基)を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「5又は6員の単環性芳香族複素環基」の例は、ピロリル(例:1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、フリル(例:2-フリル、3-フリル)、チエニル(例:2-チエニル、3-チエニル)、ピラゾリル(例:1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル)、イミダゾリル(例:1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、イソオキサゾリル(例:3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例:2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル)、イソチアゾリル(例:3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル)、チアゾリル(例:2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル)、トリアゾリル(例:1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル)、オキサジアゾリル(例:1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)、チアジアゾリル(例:1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル)、テトラゾリル、ピリジル(例:2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、ピリダジニル(例:3-ピリダジニル、4-ピリダジニル)、ピリミジニル(例:2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル)、ピラジニル等を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「5~18員の芳香族縮合複素環基」の例は、イソインドリル(例:1-イソインドリル、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル)、インドリル(例:1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル)、ベンゾ[b]フラニル(例:2-ベンゾ[b]フラニル、3-ベンゾ[b]フラニル、4-ベンゾ[b]フラニル、5-ベンゾ[b]フラニル、6-ベンゾ[b]フラニル、7-ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[c]フラニル(例:1-ベンゾ[c]フラニル、4-ベンゾ[c]フラニル、5-ベンゾ[c]フラニル)、ベンゾ[b]チエニル、(例:2-ベンゾ[b]チエニル、3-ベンゾ[b]チエニル、4-ベンゾ[b]チエニル、5-ベンゾ[b]チエニル、6-ベンゾ[b]チエニル、7-ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[c]チエニル(例:1-ベンゾ[c]チエニル、4-ベンゾ[c]チエニル、5-ベンゾ[c]チエニル)、インダゾリル(例:1-インダゾリル、2-インダゾリル、3-インダゾリル、4-インダゾリル、5-インダゾリル、6-インダゾリル、7-インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例:1-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾイミダゾリル、4-ベンゾイミダゾリル、5-ベンゾイミダゾリル)、1,2-ベンゾイソオキサゾリル(例:1,2-ベンゾイソオキサゾール-3-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-4-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-6-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-7-イル)、ベンゾオキサゾリル(例:2-ベンゾオキサゾリル、4-ベンゾオキサゾリル、5-ベンゾオキサゾリル、6-ベンゾオキサゾリル、7-ベンゾオキサゾリル)、1,2-ベンゾイソチアゾリル(例:1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-4-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-6-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-7-イル)、ベンゾチアゾリル(例:2-ベンゾチアゾリル、4-ベンゾチアゾリル、5-ベンゾチアゾリル、6-ベンゾチアゾリル、7-ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例:1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル)、キノリル(例:2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、8-キノリル)、シンノリニル(例:3-シンノリニル、4-シンノリニル、5-シンノリニル、6-シン
ノリニル、7-シンノリニル、8-シンノリニル)、フタラジニル(例:1-フタラジニル、4-フタラジニル、5-フタラジニル、6-フタラジニル、7-フタラジニル、8-フタラジニル)、キナゾリニル(例:2-キナゾリニル、4-キナゾリニル、5-キナゾリニル、6-キナゾリニル、7-キナゾリニル、8-キナゾリニル)、キノキサリニル(例:2-キノキサリニル、3-キノキサリニル、5-キノキサリニル、6-キノキサリニル、7-キノキサリニル、8-キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル(例:ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)、イミダゾ[1,2-a]ピリジル(例:イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-5-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)等を包含できる。
本明細書中、「RO-」の例は、アルコキシ(例:メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のC1-10アルコキシ)、シクロアルコキシ(例:シクロペントキシ、シクロヘキソキシ等のC3-7シクロアルコキシ)、アリールオキシ(例:フェノキシ、ナフトキシ等のC6-18アリールオキシ)、及びアラルキルオキシ(例:ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等のC7-19アラルキルオキシ)を包含できる。
本明細書中、「RS-」の例は、アルコキルチオ(例:メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1-10アルキルチオ)、シクロアルキルチオ(例:シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等のC3-7シクロアルキルチオ)、アリールチオ(例:フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-18アリールチオ)、及びアラルキルチオ(例:ベンジルチオ、フェネチルチオ等のC7-19アラルキルチオ)を包含できる。
本明細書中、「RNH-」の例は、モノアルキルアミノ(例:モノメチルアミノ、モノエチルアミノ、モノプロピルアミノ等のモノC1-10アルキルアミノ)、モノシクロアルキルアミノ(例:モノシクロペンチルアミノ、モノシクロヘキシルアミノ等のモノC3-7シクロアルキルアミノ)、モノアリールアミノ(例:モノフェニルアミノ、モノナフチルアミノ等のモノC6-18アリールアミノ)、及びモノアラルキルアミノ(例:モノベンジルアミノ、モノフェネチルアミノ等のモノC7-19アラルキルアミノ)を包含できる。
本明細書中、「(R)N-」の例は、ジアルキルアミノ(例:ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジC1-10アルキルアミノ)、N-アリール-N-アルキルアミノ(例:N-フェニル-N-メチルアミノ等のN-C6-18アリール-N-C1-10アルキルアミノ)、及びジアリールアミノ(例:ジフェニルアミノ等のジC6-18アリールアミノ)を包含できる。
本明細書中、「RCO-」の例は、アルキルカルボニル[例:アセチル、プロピオニル、ブチリル等の(C1-10アルキル)カルボニル]、シクロアルキルカルボニル[例:シクロペンタノイル、シクロヘキサノイル等の(C3-7シクロアルキル)カルボニル]、アリールカルボニル[例:ベンゾイル、ナフトイル等の(C6-18アリール)カルボニル]、及びアラルキルカルボニル[例:ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル等の(C7-19アラルキル)カルボニル]を包含できる。
本明細書中、「RCOO-」の例は、アルキルカルボニルオキシ[例:アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ等の(C1-10アルキル)カルボニルオキシ]、シクロアルキルカルボニルオキシ[例:シクロペンタノイル、シクロヘキサノイルオ
キシ等の(C3-7シクロアルキル)カルボニルオキシ]、アリールカルボニルオキシ[例:ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等の(C6-18アリール)カルボニルオキシ]、及びアラルキルカルボニルオキシ[例:ベンジルカルボニルオキシ、フェネチルカルボニルオキシ等の(C7-19アラルキル)カルボニルオキシ]を包含できる。
本明細書中、「RSO-」の例は、アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル等のC1-10アルキルスルホニル)、シクロアルキルスルホニル(例:シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル等のC4-8シクロアルキルスルホニル)、アリールスルホニル(例:フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-18アリールスルホニル)、及びアラルキルスルホニル(例:ベンジルスルホニル、フェネチルスルホニル等のC7-19アラルキルスルホニル)を包含できる。
本明細書中、「ROCO-」の例は、アルコキシカルボニル[例:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等の(C1-10アルコキシ)カルボニル]、シクロアルコキシカルボニル[例:シクロペントキシカルボニル、シクロヘキソキシカルボニル等の(C3-7シクロアルコキシ)カルボニル]、アリールオキシカルボニル[例:フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル等の(C6-18アリールオキシ)カルボニル]、及びアラルキルオキシカルボニル[例:ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等の(C7-19アラルキルオキシ)カルボニル]を包含できる。
本明細書中、「ROSO-」の例は、アルコキシスルホニル(例:メトキシスルホニル、エトキシスルホニル、プロポキシスルホニル等のC1-10アルコキシスルホニル)、シクロアルコキシスルホニル(例:シクロペントキシスルホニル、シクロヘキソキシスルホニル等のC3-7シクロアルコキシスルホニル)、アリールオキシスルホニル(例:フェノキシスルホニル、ナフトキシスルホニル等のC6-18アリールオキシスルホニル)、及びアラルキルオキシスルホニル(例:ベンジルオキシスルホニル、フェネチルオキシスルホニル等のC7-19アラルキルオキシスルホニル)を包含できる。
本明細書中、
「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアリール基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基」、及び
「1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基」
における「置換基」の例は、それぞれ、ハロ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、チオキソ基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィナモイル基、スルフェナモイル基、RO-、RS-、RCO-、RCOO-、RSO-、ROCO-、及びROSO-(これらの式中、Rは、前記と同意義である。)
を包含できる。
当該置換基のうち、「ハロ基」の例は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、及びヨード基を包含できる。
当該置換基の数は、1個から置換可能な最大個数の範囲内(例:1個、2個、3個、4個、5個、6個)であることができる。
2.式(4a)で表される化合物の製造方法
一実施態様において、式(4a)で表される化合物の製造方法は、式(1)で表される化合物を、ハロゲン化剤の存在下で、式(2a)で表される化合物に作用させる工程1aを含む。
2-1.式(1)で表される化合物
式(1)において、Rは、オキサイドを形成し得るものである限り、特に制限されない。Rは、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基(当該炭化水素基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基(当該アルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)である。前記炭化水素基及びアルキル基が有し得る「1個以上の置換基」は、ハロ基を含むことが好ましく、フルオロ基を含むことがさらに好ましい。すなわち、Rは、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいハロアルキル基(当該ハロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基(当該フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)である。前記フルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であってもよい。前記ハロアルキル基及びフルオロアルキル基が有し得る「1個以上の置換基」は、ニトリル基、エステル基(例:ROCO-)、ホルミル基、スルホニル含有基(例:ROSO-)を含むことが好ましい。前記炭化水素基、アルキル基、ハロアルキル基、及びフルオロアルキル基の炭素原子間に含まれ得る「ヘテロ原子」としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられるが、これらに限定されない。前記炭化水素、アルキル基、ハロアルキル基、及びフルオロアルキル基の炭素原子数は、1以上である限り、特に制限されず、例えば1~12の範囲内であり、好ましくは1~9の範囲内であり、さらに好ましくは1~6の範囲であり、最も好ましくは1~4の範囲内である。
上記「1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基(当該フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)」としては、例えば、
CF-、
CH-CF-、
CHF-CH-、
CF-CH-、
CF-CF-、
CF-CF-CH-、
CF-CF-CF-、
(CF)CF-、
CF-O-CF-、
CF-O-CF(CF)-、
CF-CF-CF-CF-、
CF-CF-CF(CF)-CF-、
CF-O-CH-CH-、
CF-O-CH(CF)-CH-、
CF-O-CF-CF-、
(CFCF)(CF)CF-、
(CF)C-、
CF-CF-O-CF-、
CF-CF-CF-CF-CF-、
CF-CF-O-CF-CF-、
CF-O-CF-O-CF-、
CF-CF-CF-CF-CF-CF-、
CF-CF-CF-O-CH-CF-、
CF-CF-CF-O-CF-CF-、
CF-CF-CF-CF-CF-CF-CF-、
CF-CF-CF-CF-CF-CF-CF-CF-、
CHF-CF-CF-CF-CF-CF-CF-CH
CF-CF(CF)-CF-、
CF-CF-CF(CF)-、
CF-CF-CF-O-CF(CF)-CF-、
CF-CF-CF-O-CF(CF)-CF-O-CF(CF)-CF-、
CF-CF-CF-O-[CF(CF)-CF-O-]-CF(CF)-CF
等のフルオロC1-10アルキル基、フルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルキル基、フルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルキル基、フルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルキル基等が挙げられる。
式(1)において、Yは、Rのカウンターイオンになり得るものであれば、特に制限されない。Yは、例えば、金属イオン又は式(1a):
Figure 2023042598000025
[式中、
~Yは、それぞれ独立して、H又は有機基であり、Y~Yの任意の2個又は3個は互いに結合して環を形成していてもよい。]
で表されるイオンである。式(1a)で表されるイオンとしては、例えばイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、キノリニウムイオン、トリアジニウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
金属イオンは、1価又は2価の金属イオンを包含し、及びその具体例としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、銀等が挙げられる。
式(1a)において、Y~Yは、含窒素イオンを形成し得るものである限り、特に制限されない。Y~Yの各々は、好ましくはH又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基であり、より好ましくはH、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、特に好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいC1-4アルキル基である。前記炭化水素基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が有し得る「置換基」としては、例えば、ハロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基等が挙げられるが、これらに限定されない。
~Yの任意の2個が互いに結合して形成される環としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等の5又は6員環等が挙げられるが、これらに限定されない。
は、金属イオン、又は、式(1a)において、Y~Yが全てH以外であるイオン等の四級アンモニウムイオンであることが好ましい。前記金属イオンは、例えば1価又は2価の金属イオンであり、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び遷移金属群からなる群より選ばれる1価又は2価の金属イオンであり、さらに好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、又は銀が好適に用いられる。
式(1)で表される化合物は、それ自体を直接使用してもよいが、式(1’)又は式(1’’):
-COF (1’)
-O―CH (1’’)
[式中、Rは前記と同意義である。但し、式(1’’)においては、RはR’-CFであり、R’は有機基である。]
で表される化合物等から式(1)で表される化合物を反応系中で発生させてもよい。
具体的には、式(1)で表される化合物は、式(1’)で表される化合物をフッ素化剤と反応させることにより生成し得る。すなわち、工程1a及び1bの反応剤として、式(1)で表される化合物を直接使用する代わりに、式(1’)で表される化合物及びフッ素化剤を使用することができる。フッ素化剤は、例えばF(Yは前記と同意義である。)で表される化合物であり、好ましくはフッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウムなどのアルカリ金属フッ化物、テトラメチルアンモニウムフロライド、テトラエチルアンモニウムフロライドなどのテトラC1-4アルキルアンモニウムフロライドが挙げられる。
また、式(1)で表される化合物は、式(1’’)で表される化合物をアミンと反応させることにより生成し得る。すなわち、工程1a及び1bの反応剤として、式(1)で表される化合物を直接使用する代わりに、式(1’)で表される化合物及びアミンを使用することができる。アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N’-ジメチルピペラジンなどが挙げられる。当該方法は、例えば、国際公開第2014/110329号公報などを参照することができる。
’は、Rと同様に、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基(当該炭化水素基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基(当該アルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)である。前記炭化水素基及びアルキル基が有し得る「1個以上の置換基」は、ハロ基を含むことが好ましく、フルオロ基を含むことがさらに好ましい。すなわち、R’は、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいハロアルキル基(当該ハロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基(当該フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい。)である。前記フルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基であってもよい。前記ハロアルキル基及びフルオロアルキル基が有し得る「1個以上の置換基」は、ニトリル基、エステル基(例:ROCO-)、ホルミル基、スルホニル含有基(例:ROSO-)を含むことが好ましい。前記炭化水素基、アルキル基、ハロアルキル基、及びフルオロアルキル基の炭素原子間に含まれ得る「ヘテロ原子」としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられるが、これらに限定されない。前記炭化水素、アルキル基、ハロアルキル基、及びフルオロアルキル基の炭素原子数は、1以上である限り、特に制限されず、例えば1~11の範囲内であり、好ましくは1~8の範囲内であり、さらに好ましくは1~5の範囲であり、最も好ましくは1~3の範囲内である。
式(1)で表される化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
2-2.式(2a)で表される化合物
式(2a)において、R2a及びR3aの各々は、好ましくはH又はC1-6アルキル基であり、より好ましくはH又はC1-4アルキル基であり、さらに好ましくはH又はC1-3アルキル基である。一実施態様において、(I)R2a及びR3aは共にHである
こと、(II)R2aがHであり、R3aがC1-3アルキル基であること、又は(III)
2a及びR3aは共にC1-3アルキル基であることが好ましい。
式(2a)において、R4aは、好ましくはハロゲン又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基であり、より好ましくはハロゲン又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である。前記炭化水素基及びアルキル基が有し得る「置換基」は、ハロ基を含むことが好ましく、フルオロ基を含むことがさらに好ましい。
4aは、好ましくはハロゲン又はハロアルキル基であり、より好ましくはF又はフルオロアルキル基であり、さらに好ましくはF又はフルオロC1-6アルキル基であり、さらにより好ましくはF又はフルオロC1-4アルキル基であり、特に好ましくはF又はフルオロC1-3アルキル基である。
1aは、F以外のハロゲンであるが、工程1aの反応を進行させることができる。X1aは、好ましくはCl、Br、又はIであり、さらに好ましくはCl又はBrである。
式(2a)で表される化合物は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
式(2a)で表される化合物の使用量は、特に制限されない。当該使用量の下限は、式(1)で表される化合物1モルに対して、例えば0.5モル以上、好ましくは1モル以上、より好ましくは3モル以上、さらに好ましくは5モル以上である。当該使用量の上限は、式(1)で表される化合物1モルに対して、例えば50モル以下、好ましくは40モル以下、さらに好ましくは30モル以下である。当該使用量は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。式(2a)で表される化合物を過剰に用いる際には未反応の式(2a)で表される化合物を回収してさらに用いることができる。
2-3.ハロゲン化剤
ハロゲン化剤は、式(2a)で表される化合物のR2a及びR3aが置換する炭素原子にハロゲンを導入し得るものである限り、特に制限されない。ハロゲン化剤としては、例えば、式(3a)又は(3a’)で表される化合物等が挙げられる。
式(3a)において、Xは、好ましくはCl、Br、又はIである。
式(3a)において、Zがハロゲンであるとき、Xと同一であっても異なっていてもよい。当該ハロゲンは、好ましくはCl、Br、又はIである。式(3a)において、Zがハロゲンであるハロゲン化剤としては、例えば、I、Br、ICl、BrI等が挙げられる。
ZがNZであるとき、Z及びZの各々は、好ましくはアルキル基、アルキルカルボニル基、又はアルキルスルホニル基である。
ZがNZであるとき、当該ハロゲン化剤は、例えば、N-ハロアミド化合物であ
る。当該N-ハロアミド化合物は、好ましくは、第一級アミド、第二級アミド、又はこれらの組み合わせである。第一級アミド又は第二級アミドとしては、カルボキシアミド、スルホンアミド、ラクタム、カルバメート、イミド、ウレイド、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。当該アミドとしては、例えば、ハロゲン化された5,5-ジメチルヒダントイン、3-ベンジル-5,5-ジメチルヒダントイン、5-メチル-5-フェニルヒダントイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、5,5-ヘキサメチレンヒダントイン、5,5-ペンタメチレンヒダントイン、5,5-テトラメチレンヒダントイン、スクシンイミド、フタルイミド、サッカリン、イソシアヌル酸、5,5-ジメチルバルビツール酸、グリコールウリル、3a,6a-ジフェニルグリコールウリル、3a,6a-ジメチルグリコールウリル、4,4,5,5-テトラメチル-2-イミダゾリジノン、4,4-ジメチル-2-オキサゾリジノンなどが挙げられる。
前記第一級アミドは、例えば、カルボキシアミドである。当該第一級カルボキシアミドとしては、例えば、下記:
ラクタム又はペプチドなどのZC(=O)NX
t-BuXNBoc、2-オキサゾリジノン誘導体(例:4,4-ジメチル-2-オキサゾリジノン)などのZNXC(=O)OZ(カルバメート);
2-イミダゾリジノン誘導体(例:4,4,5,5-テトラメチル-2-イミダゾリジノン)、グリコールウリル及びその誘導体(例:3a,6a-ジフェニルグリコールウリル、3a,6a-ジメチルグリコールウリル)などのZNXC(=O)NX(尿素の誘導体)
などが挙げられる。なお、Z及びZは、それぞれ独立して、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、Xは前記と同意義であり、同一分子中に存在する2個のXは互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記第一級アミドは、例えば、スルホンアミド、ホスホロアミド、又はニトラミドである。当該スルホンアミドとしては、例えば、ZS(=O)NX、ZNXS(=O)NXなどが挙げられる。当該ホスホロアミドとしては、例えば、Z P(=O)NXなどが挙げられる。当該ニトラミドとしては、例えば、ON-NXなどが挙げられる。なお、Z、Z、及びXは前記と同意義である。
前記第二級アミドは、例えば、イミド([C(=O)]NX)である。当該イミドとしては、例えば、スクシンイミド、フタルイミドなどが挙げられる。前記第二級アミドとしては、例えば、ZS(=O)NXC(=O)Z、ZS(=O)NXS(=O)、ZNC(=O)NXC(=O)Z、ZC(=O)NXC(=O)NXC(=O)Z、ZS(=O)NXC(=O)NXC(=O)Z、ZS(=O)NXC(=O)NXS(=O)(ウレイド)などが挙げられる。なお、Z、Z、及びXは前記と同意義である。ウレイドの非限定的な例としては、ハロゲン化されたヒダントイン誘導体(例:5,5-ジメチルヒダントイン、3-ベンジル-5,5-ジメチルヒダントイン、5-メチル-5-フェニルヒダントイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、5,5-ペンタメチレンヒダントイン、5,5-ヘキサメチレンヒダントイン、5,5-テトラメチレンヒダントインなど)、イソシアヌル酸、バルビツール酸誘導体(例:5,5-ジエチルバルビツール酸、5,5-ジメチルバルビツール酸、5-エチル-5-イソアミルバルビツール酸など)が挙げられる。
前記アミドはスルホンアミド、ラクタム、カルバメート、イミド、又はウレイドであることが好ましい。前記アミドの好適な例としては、ハロゲン化された5-ジメチルヒダントイン、3-ベンジル-5,5-ジメチルヒダントイン、5-メチル-5-フェニルヒダントイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、5,5-ヘキサメチレンヒダントイン、5,5-ペンタメチレンヒダントイン、5,5-テトラメチレンヒダントイン、スクシンイ
ミド、フタルイミド、サッカリン、イソシアヌル酸、5,5-ジメチルバルビツール酸、グリコールウリル、3a,6a-ジフェニルグリコールウリル、3a,6a-ジメチルグリコールウリル、4,4,5,5-テトラメチル-2-イミダゾリジノン又は4,4-ジメチル-2-オキサゾリジノンなどが挙げられる。
当該ハロゲン化剤は、例えば、モノハロ化又はポリハロ化されたアミド化合物である。
ZがNZであり、Z及びZが互いに結合して環を形成しているハロゲン化剤としては、例えば、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン、1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミドジクロロイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸、ジヨードイソシアヌル酸、N-クロロフタルイミド、N-ブロモフタルイミド、N-ヨードフタルイミド、N-クロロサッカリン、N-ブロモサッカリン、N-ヨードサッカリン、1-ハロ-5,5-ジメチルヒダントイン、3-ハロ-5,5-ジメチルヒダントイン、2,4,6,8-テトラハログリコールウリル、これらの混合物等が挙げられる。
式(3a’)において、Q~Qは、含窒素イオンを形成し得るものである限り、特に制限されない。Q~Qの各々は、好ましくはH又は1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基であり、より好ましくはH、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、特に好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいC1-4アルキル基である。前記炭化水素基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が有し得る「置換基」としては、例えば、ハロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基等が挙げられるが、これらに限定されない。
~Qの任意の2個が互いに結合して形成される環としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等の5又は6員環等が挙げられるが、これらに限定されない。
ハロゲン化剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ハロゲン化剤の使用量は、特に制限されない。当該使用量の下限は、式(1)で表される化合物1モルに対して、例えば0.01モル以上、好ましくは0.05モル以上、さらに好ましくは0.1モル以上である。当該使用量の上限は、式(1)で表される化合物1モルに対して、例えば10モル以下、好ましくは7モル以下、さらに好ましくは5モル以下である。当該使用量は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
2-4.触媒
工程1aは触媒の非存在下でも実施することができるが、触媒の存在下で実施してもよい。
触媒としては、反応を触媒するものであれば特に制限されない。触媒としては、例えば、ルイス塩基等が挙げられる。ルイス塩基としては、例えば、式(3b)で表される化合物等が挙げられる。
式(3b)において、LがO、(S)、又は(Se)である場合、nは2であり、各Zは、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基であり、より好まし
くは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基である。前記炭化水素基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が有し得る「置換基」としては、例えば、ハロ基、アルコキシ基等が挙げられる。
がN又はPである場合、nは3であり、各Zは、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基であり、より好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基である。
式(3b)で表される化合物としては、例えば、ジエチルエーテル等のジアルキルエーテル;ジフェニルエーテル等のジアリールスルフィド;ジメチルスルフィド等のジアルキルスルフィド;ジフェニルスルフィド等のジアリールスルフィド;ジメチルジスルフィド等のジアルキルジスルフィド;ジフェニルジスルフィド等のジアリールジスルフィド;ジメチルセレニド等のジアルキルセレニド;ジフェニルセレニド等のジアリールセレニド;ジメチルジセレニド等のジアルキルジセレニド;ジフェニルジセレニド等のジアリールジセレニド;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン;トリフェニルアミン等のトリアリールアミン;トリエチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン;トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン等が挙げられるが、これらに限定されない。
式(3c)において、Zとしては、例えば、
P(Z)[各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、任意の2個のZは互いに結合して環を形成していてもよい。]、
C(Z)[各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、2個のZは互いに結合して環を形成していてもよい。]
等が挙げられる。
各Zは、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基である。
各Zは、
N(Z)[各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、2個のZは互いに結合して環を形成していてもよい。]
であることも好ましい。
各Zは、好ましくは1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、より好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基であり、さらに好ましくは1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基である。
触媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
触媒の使用量は、特に制限されない。当該使用量の下限は、式(1)で表される化合物
1モルに対して、例えば0.001モル以上、好ましくは0.005モル以上、さらに好ましくは0.01モル以上である。当該使用量の上限は、式(1)で表される化合物1モルに対して、例えば30モル以下、好ましくは20モル以下、さらに好ましくは10モル以下である。当該使用量は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
2-5.溶媒
工程1aは、溶媒の存在下で実施することが好ましい。当該溶媒としては、特に制限されないが、例えば、次の溶媒が挙げられる。
・炭化水素溶媒[例:n-ヘキサン等の鎖状炭化水素、ベンゼン、トルエン、p-キシレン等の芳香族炭化水素]
・フッ素系溶媒、塩素系溶媒等のハロゲン系溶媒[例:ジクロロメタン、ジクロロエタン、パーフルオロヘキサン等のハロアルカン;クロロベンゼン等のハロアレーン;トリフルオロトルエン、ヘキサフルオロメタキシレン等のハロアルキルアレーン;ハロエーテル(例:3M社製3MTMNovecTM7200、3M社製3MTMNovecTM7300等のフルオロエーテル)]
・ニトリル系溶媒[例:アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等の鎖状ニトリル;ベンゾニトリル等の環状ニトリル]
・アミド系溶媒[例:カルボン酸アミド(例:ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の鎖状アミド、N-メチルピロリドン等の環状アミド)、リン酸アミド(例:ヘキサメチルリン酸アミド)]
・エーテル系溶媒[例:ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル]
・ウレア系溶媒[例:N,N-ジメチルプロピレンウレア]
・エステル系溶媒[例:酢酸エステル]
・スルホキシド系溶媒[例:ジメチルスルホキシド]
・ニトロ系溶媒[例:ニトロメタン、ニトロベンゼン]
・ケトン系溶媒[例:アセトン、メチルエチルケトン]
・これら2種以上の混合溶媒
2-6.温度
工程1aの温度は、反応が進行する限り特に制限されない。当該温度の下限は、例えば-20℃以上、好ましくは0℃以上、さらに好ましくは10℃以上である。当該温度の上限は、例えば100℃以下、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。当該温度は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
2-7.時間
工程1aの時間は、反応が進行する限り特に制限されない。当該時間の下限は、例えば3時間以上、好ましくは6時間以上、さらに好ましくは10時間以上である。当該時間の上限は、例えば72時間以下、好ましくは50時間以下である。当該時間は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
工程1aで得られる反応生成物は、慣用の方法、例えば、ろ過、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィー等により精製してもよい。
3.式(4b)で表される化合物の製造方法
一実施態様において、式(4b)で表される化合物の製造方法は、式(1)で表される化合物を、ハロゲン化剤及び触媒の存在下で、式(2b)で表される化合物に作用させる工程1bを含む。
3-1.式(1)で表される化合物
式(1)で表される化合物は、上記2-1に記載した通りである。
3-2.式(2b)で表される化合物
式(2b)において、R2b及びR3bの各々は、好ましくはH、ハロゲン、又は置換基としてハロ基を有していてもよいアルキル基であり、より好ましくはH、ハロゲン、アルキル基、又はフルオロアルキル基であり、さらに好ましくはH、F、C1-6アルキル基、又はフルオロC1-6アルキル基であり、さらにより好ましくはH、F、C1-4アルキル基、又はフルオロC1-4アルキル基であり、特に好ましくはH、F、C1-3アルキル基、又はフルオロC1-3アルキル基である。一実施態様において、(I)R2b
及びR3bは共にHであること、(II)R2bがHであり、R3bがC1-3アルキル基であること、又は(III)R2b及びR3bは共にC1-3アルキル基であることが好ま
しい。
一実施態様において、R4bは、有機基であることが好ましい。他の実施態様において、R4bは、例えばH、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、好ましくはハロゲン、又は置換基としてハロ基を有していてもよいアルキル基であり、より好ましくはハロゲン又はフルオロアルキル基であり、さらに好ましくはF又はフルオロアルキル基であり、さらにより好ましくはF又はフルオロC1-6アルキル基であり、特に好ましくはF又はフルオロC1-4アルキル基であり、特により好ましくはF又はフルオロC1-3アルキル基である。
1bは、Fであってもよく、F以外のハロゲンであってもよい。一実施態様において、R4bがF又はフルオロアルキル基であるとき、X1bはCl、Br、又はIであるこ
とが好ましい。また、一実施態様において、X1bは、Cl又はBrであることが好ましい。
3-3.ハロゲン化剤
ハロゲン化剤及びその使用量は、上記2-3に記載した通りである。
3-4.触媒
触媒及びその使用量は、上記2-4に記載した通りである。
3-5.溶媒
工程1bは、溶媒の存在下で実施することが好ましい。当該溶媒は、上記2-5に記載した通りである。
3-6.温度
工程1bの温度は、反応が進行する限り特に制限されない。当該温度の下限は、例えば-20℃以上、好ましくは0℃以上、さらに好ましくは10℃以上である。当該温度の上限は、例えば100℃以下、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。当該温度は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
3-7.時間
工程1bの時間は、反応が進行する限り特に制限されない。当該時間の下限は、例えば3時間以上、好ましくは6時間以上、さらに好ましくは10時間以上である。当該時間の上限は、例えば70時間以下、好ましくは50時間以下である。当該時間は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
工程1bで得られる反応生成物は、慣用の方法、例えば、ろ過、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィー等により精製してもよい。
4.式(4a)で表される化合物
式(4a)で表される化合物は、上記2に記載した通りである。
5.式(4b)で表される化合物を含有する組成物
5-1.式(4b)で表される化合物
式(4b)で表される化合物は、上記3に記載した通りであり、例えば、式(4a)で表される化合物であってもよい。式(4a)で表される化合物は、上記2に記載した通りである。式(4b)で表される化合物の含有量は、特に制限されないが、組成物100質量%に対して、例えば、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であり、及び/又は、99質量以下又は95質量%以下であることができる。
5-2.他の成分
当該組成物は、式(4b)で表される化合物を含有する限り、特に制限されず、さらに他の成分を含有することができる。他の成分としては、例えば、ハロゲン化物イオン、水、式(2b)で表される化合物、溶媒、触媒、カルボン酸、式(2b)で表される化合物のハロゲン付加物、式(1’)で表される化合物、Yで表されるカチオン、ハロゲン化剤、酸素等が挙げられる。他の成分は、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法における不純物等であることができる。他の成分は、1種単独であってもよく2種以上の組み合わせであってもよい。
5-3.式(4b)で表される化合物、及びハロゲン化物イオンを含有する組成物
ハロゲン化物イオンとしては、特に制限されないが、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられる。ハロゲン化物イオンは、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、又はヨウ化物イオンである。ハロゲン化物イオンは、例えば、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法における不純物、具体的には、ハロゲン化剤に由来するものであることができる。
ハロゲン化物イオンの含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば3×10-8質量%以上、好ましくは10-6質量%以上、さらに好ましくは10-3質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、イオンクロマトグラフィー、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
5-3’.式(4b)で表される化合物、ハロゲン化物イオン、及び触媒を含有する組成物
ハロゲン化物イオンとしては、上記5-3に記載のものが挙げられる。触媒としては、上記2-4又は3-4に記載のものが挙げられる。触媒は、例えば、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法に使用され得る触媒に由来するものであることができる。
ハロゲン化物イオンの含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり
、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば3×10-8質量%以上、好ましくは10-6質量%以上、さらに好ましくは10-3質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、イオンクロマトグラフィー、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
触媒の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-11質量%以上、好ましくは10-9質量%以上、さらに好ましくは10-3質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、誘導結合プラズマ質量分析(IPC-MS)、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
5-4.式(4b)で表される化合物、及び水を含有する組成物
水の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-8質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、カールフィッシャー法、又はH-NMRにより測定することができる。
5-4’.式(4b)で表される化合物、水、及び触媒を含有する組成物
触媒としては、上記2-4又は3-4に記載のものが挙げられる。触媒は、例えば、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法に使用され得る触媒に由来するものであることができる。
水の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-8質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、カールフィッシャー法、又はH-NMRにより測定することができる。
触媒の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-11質量%以上、好ましくは10-9質量%以上、さらに好ましくは10-3質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、誘導結合プラズマ質量分析(IPC-MS)、NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
5-5.式(4b)で表される化合物、及び式(2b)で表される化合物を含有する組成物
式(2b)で表される化合物は、上記3-2に記載した通りであり、例えば、式(2a)で表される化合物であってもよい。式(2a)で表される化合物は、上記2-2に記載した通りである。式(2b)で表される化合物は、例えば、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法における未反応原料であることができる。
式(2b)で表される化合物の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
5-6.式(4b)で表される化合物、及び溶媒を含有する組成物
溶媒としては、上記2-5又は3-5に記載のものが挙げられる。溶媒は、例えば、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法に使用され得る溶媒に由来するものであることができる。また、溶媒は、例えば、式(4b)で表される化合物の製造後に任意に添加され得るものであることができる。
溶媒の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
5-7.式(4b)で表される化合物、及び触媒を含有する組成物
触媒としては、上記2-4又は3-4に記載のものが挙げられる。触媒は、例えば、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法に使用され得る触媒に由来するものであることができる。
触媒の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-11質量%以上、好ましくは10-9質量%以上、さらに好ましくは10-3質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、誘導結合プラズマ質量分析(IPC-MS)、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
5-8.式(4b)で表される化合物、及びカルボン酸を含有する組成物
カルボン酸としては、特に制限されないが、例えば、式(6):
-COOH (6)
[式中、Rは前記と同意義である。]
で表される化合物等が挙げられる。カルボン酸は、例えば、上記2又は3に記載の式(4a)又は(4b)で表される化合物の製造方法において、式(1’)で表される化合物か
ら式(1)で表される化合物を反応系中で発生させる場合、式(1’)で表される化合物の加水分解物であることができる。
カルボン酸の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
5-9.式(4b)で表される化合物、及び式(2b)で表される化合物のハロゲン付加物を含有する組成物
式(2b)で表される化合物のハロゲン付加物としては、特に制限されないが、例えば、式(7):
Figure 2023042598000026
[式中、R2b、R3b、R4b、X1b、及びXは前記と同意義である。]
で表される化合物等が挙げられる。
前記ハロゲン付加物の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(4b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば3×10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
6.式(5a)で表される化合物の製造方法
式(5a)で表される化合物の製造方法は、式(4a)で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2aを含む。当該製造方法は、さらに工程1aを含むことが好ましい。
6-1.式(4a)で表される化合物
式(4a)で表される化合物は、上記2に記載した通りである。
6-2.還元剤
還元剤は、式(4a)で表される化合物を還元し得るものであれば、特に制限されない。
一実施態様において、還元剤は有機金属試薬であることが好ましい。有機金属試薬としては、例えば、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド等のアルキルマグネシウムブロミド;フェニルマグネシウムブロミド等のアリールマグネシウムブロミド等のグリニャール試薬が挙げられる。
一実施態様において、還元剤は、
(i)遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属
(ii)遷移金属の金属対、及び
(iii)遷移金属と、酸又は金属塩との混合物
からなる群なる群より選択される一種以上であることが好ましい。
還元剤(i)の遷移金属としては、例えば、Zn、Cu、Fe、Mn等が挙げられる。
還元剤(i)のアルカリ金属としては、例えば、Na等が挙げられる。還元剤(i)のアルカリ土類金属としては、例えば、Mg等が挙げられる。
還元剤(ii)の遷移金属の対としては、還元剤(i)で例示した遷移金属を含有するこ
とができ、例えば、Zn/Cu等が挙げられる。
還元剤(iii)の混合物としては、還元剤(i)で例示した遷移金属を含有することができ、例えば、Zn/酢酸、Zn/ZnCl等が挙げられる。
一実施態様において、還元剤はリン含有化合物であることが好ましい。リン含有化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等の複数のリン原子がリンカー(例:アルキレン)を介して連結した化合物、トリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィンが挙げられ、アルキル基とアリール基が混在して置換されたホスフィンでもよい。さらに、リン含有化合物としては、トリエチルホスファイト等のトリアルキル亜リン酸エステル、トリ(ジエチル
アミノ)ホスフィン等のトリ(モノ又はジアルキルアミノ)ホスフィン等が挙げられる。
還元剤の使用量は、特に制限されない。当該使用量の下限は、式(4a)で表される化合物1モルに対して、例えば0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、さらに好ましくは0.5モル以上である。当該使用量の上限は、式(4a)で表される化合物1モルに対して、例えば10モル以下、好ましくは7モル以下、さらに好ましくは5モル以下である。当該使用量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
6-3.溶媒
工程2aは、溶媒の存在下で実施することが好ましい。当該溶媒としては、特に制限されないが、例えば、次の溶媒が挙げられる。
・炭化水素溶媒[例:n-ヘキサン等の鎖状炭化水素、ベンゼン、トルエン、p-キシレン等の芳香族炭化水素]
・フッ素系溶媒、塩素系溶媒等のハロゲン系溶媒[例:ジクロロメタン、ジクロロエタン、パーフルオロヘキサン等のハロアルカン;クロロベンゼン等のハロアレーン;トリフルオロトルエン、ヘキサフルオロメタキシレン等のハロアルキルアレーン;ハロエーテル(例:3M社製3MTMNovecTM7200、3M社製3MTMNovecTM7300等のフルオロエーテル)]
・ニトリル系溶媒[例:アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等の鎖状ニトリル;ベンゾニトリル等の環状ニトリル]
・アミド系溶媒[例:カルボン酸アミド(例:ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の鎖状アミド、N-メチルピロリドン等の環状アミド)、リン酸アミド(例:ヘキサメチルリン酸アミド)]
・エーテル系溶媒[例:ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル]
・ウレア系溶媒[例:N,N-ジメチルプロピレンウレア]
・エステル系溶媒[例:酢酸エステル]
・スルホキシド系溶媒[例:ジメチルスルホキシド]
・ニトロ系溶媒[例:ニトロメタン、ニトロベンゼン]
・ケトン系溶媒[例:アセトン、メチルエチルケトン]
・アルコール系溶媒[例:メタノール、エタノール]
・酸[例:酢酸]
・これら2種以上の混合溶媒
6-4.温度
工程2aの温度は、反応が進行する限り特に制限されない。当該温度の下限は、例えば-70℃以上、好ましくは-50℃以上、さらに好ましくは-30℃以上である。当該温度の上限は、例えば200℃以下、好ましくは150℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。当該温度は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
6-5.時間
工程2aの時間は、反応が進行する限り特に制限されない。当該時間の下限は、還元剤の種類等にもよるが、例えば5分以上、好ましくは10分以上である。当該時間の上限は、例えば12時間以下、好ましくは6時間以下である。当該時間は、前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。
工程2aで得られる反応生成物は、慣用の方法、例えば、ろ過、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィー等により精製してもよい。
7.式(5b)で表される化合物の製造方法
式(5b)で表される化合物の製造方法は、工程1b、及び、式(4b)で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2bを含む。
7-1.工程1b
工程1bは、上記3に記載した通りである。
7-2.式(4b)で表される化合物
式(4b)で表される化合物は、上記3に記載した通りである。
7-3.還元剤
還元剤及びその使用量は、上記6-2に記載した通りである。
7-4.溶媒
工程2bは、溶媒の存在下で実施することが好ましい。当該溶媒は、上記6-3に記載した通りである。
7-5.温度及び時間
工程2bの温度及び時間は、それぞれ、上記6-4及び6-5に記載した、工程2aの温度及び時間と同じ範囲から選択することができる。
工程2bで得られる反応生成物は、慣用の方法、例えば、ろ過、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィー等により精製してもよい。
8.式(5c)で表される化合物
式(5c)において、R1cが、1個以上の置換基を有していてもよい、炭素数2以上のフルオロアルキル基又は炭素数1以上のフルオロアルコキシ基であるとき、前記置換基
としては、例えば、ニトリル基、エステル基(例:ROCO-)、ホルミル基、スルホニル含有基(例:ROSO-)等が挙げられる。前記フルオロアルキル又はフルオロアルコキシ基は、パーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシ基であってもよい。前記フルオロアルキル又はフルオロアルコキシ基の炭素数は、例えば11以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下である。前記フルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基の炭素原子間に含まれ得る「ヘテロ原子」としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられるが、これらに限定されない。
1cとしては、例えば、
CF-O-
CF-CF-、
CF-CF-CF-、
CF-CF-CF(CF)-、
CF-O-CF-、
CF-CF-O-、
CF-CF-CF-CF-、
CF-CF-O-CF-、
CF-O-CF-O-、
CF-CF-CF-CF-CF-、
CF-CF-CF-O-CH-、
CF-CF-CF-O-CF-、
CF-CF-CF-CF-CF-CF-、
CF-CF-CF-CF-CF-CF-CF-、
CF-CF(CF)-、
CF-CF-CF-O-CF(CF)-、
CF-CF-CF-O-CF(CF)-CF-O-CF(CF)-、
CF-CF-CF-O-[CF(CF)-CF-O-]-CF(CF)-等のフルオロC2-11アルキル基、フルオロC1-3アルコキシ基、フルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルコキシ基、フルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルコキシフルオロC1-3アルコキシ基等が挙げられる。
式(5c)において、R2c及びR3cの各々は、好ましくはH又はC1-6アルキル基であり、より好ましくはH又はC1-4アルキル基であり、さらに好ましくはH又はC1-3アルキル基である。一実施態様において、(I)R2c及びR3cは共にHである
こと、(II)R2cがHであり、R3cがC1-3アルキル基であること、又は(III)
2c及びR3cは共にC1-3アルキル基であることが好ましい。
9.式(5b)で表される化合物を含有する組成物
9-1.式(5b)で表される化合物
式(5b)で表される化合物は、上記7に記載した通りであり、例えば、式(5a)又は(5c)で表される化合物であってもよい。式(5a)及び(5c)で表される化合物は、それぞれ、上記6及び8に記載した通りである。式(5b)で表される化合物の含有量は、特に制限されないが、組成物100質量%に対して、例えば、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であり、及び/又は、99質量以下又は95質量%以下であることができる。
9-2.他の成分
当該組成物は、式(5b)で表される化合物を含有する限り、特に制限されず、さらに他の成分を含有することができる。他の成分としては、例えば、ハロゲン化物イオン、水、式(2b)で表される化合物、溶媒、触媒、カルボン酸、式(2b)で表される化合物
のハロゲン付加物、式(4b)で表される化合物、還元剤、酸素等が挙げられる。他の成分は、上記6又は7に記載の式(5a)又は(5b)で表される化合物の製造方法における不純物等であることができる。他の成分は、1種単独であってもよく2種以上の組み合わせであってもよい。
9-3.式(5b)で表される化合物、及びハロゲン化物イオンを含有する組成物
ハロゲン化物イオンとしては、特に制限されないが、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられる。ハロゲン化物イオンは、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、又はヨウ化物イオンである。また、ハロゲン化物イオンは、例えば、上記6又は7に記載の式(5a)又は(5b)で表される化合物の製造方法における不純物、具体的には、ハロゲン化剤に由来するものであることができる。
ハロゲン化物イオンの含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば15質量%以下、好ましくは10質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば3×10-8質量%以上、好ましくは10-6質量%以上、さらに好ましくは10-3質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、イオンクロマトグラフィー、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
9-4.式(5b)で表される化合物、及び水を含有する組成物
水の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば2質量%以下、好ましくは1質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-8質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、カールフィッシャー法、又はH-NMRにより測定することができる。
9-5.式(5b)で表される化合物、及び式(2b)で表される化合物を含有する組成物
式(2b)で表される化合物は、上記3-2に記載した通りであり、例えば、式(2a)で表される化合物であってもよい。式(2a)で表される化合物は、上記2-2に記載した通りである。式(2b)で表される化合物は、例えば、上記6又は7に記載の工程1a又は1bの原料に由来するものであることができる。
式(2b)で表される化合物の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
9-6.式(5b)で表される化合物、及び溶媒を含有する組成物
溶媒としては、上記2-5又は3-5に記載したものが挙げられる。溶媒は、例えば、上記6又は7に記載の式(5a)又は(5b)で表される化合物の製造方法に使用され得る溶媒に由来するものであることができる。また、溶媒は、例えば、式(5b)で表され
る化合物の製造後に任意に添加され得るものであることができる。
溶媒の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
9-7.式(5b)で表される化合物、及びカルボン酸を含有する組成物
カルボン酸としては、特に制限されないが、例えば、式(6)で表される化合物等が挙げられる。カルボン酸は、例えば、上記6又は7に記載の工程1a又は1bにおいて、式(1’)で表される化合物から式(1)で表される化合物を反応系中で発生させる場合、式(1’)で表される化合物の加水分解物であることができる。
カルボン酸の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
9-8.式(5b)で表される化合物、及び式(4b)で表される化合物を含有する組成物
式(4b)で表される化合物は、上記3に記載した通りであり、例えば、式(4a)で表される化合物であってもよい。式(4a)で表される化合物は、上記2に記載した通りである。式(4b)で表される化合物は、例えば、上記6又は7に記載の工程2a又は工程2bにおける未反応原料であることができる。
式(4b)で表される化合物の含有量は、特に制限されない。当該含有量の上限は、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。当該含有量の下限は、例えば検出限界以上であり、式(5b)で表される化合物100質量%(又は組成物100質量%)に対して、例えば10-9質量%以上、好ましくは10-6質量%以上である。当該含有量は前記下限及び前記上限を任意に組み合わせた範囲にすることができる。当該含有量は、H-NMR、ガスクロマトグラフィー(GC)、又はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により測定することができる。
以下、実施例によって本開示の一実施態様を更に詳細に説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
実施例1 1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロヘキサンの合成
窒素雰囲気下で、20mL容の耐圧容器に、フッ化カリウム(フッ素化剤) 58.1mgと、トリグライム 1mlを加えた。当該容器にパーフルオロヘキサノイルフルオライ
ド 316mgと、トリグライム 0.25mlを加えた。当該容器に一塩化ヨウ素(ハ
ロゲン化剤) 162mgとトリグライム 0.25mlを加えた。当該容器を0℃以下
に冷却し、1-クロロ-1-フルオロエタンを1.59g加えた。当該容器を30℃で18時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが21%の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -59.9~-60.0(m、1F
),-80.6(t,3F),-82.0~-85.7(m,2F),-121.8(s,2F),-122.7(s,2F),125.3(s,2F),-125.9~-126.0(t,2F),
H NMR(400MHz, CDCl):δ 3.94~3.88(m,2H).
フッ素化剤及びハロゲン化剤の種類を表1に示す化合物に変更した以外は実施例1で記載の方法と同様に操作し、実施例1と同じフルオロエーテルを合成した。
Figure 2023042598000027
実施例9 1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロヘキサンの合成における反応延長
実施例1で反応を実施した後に、当該容器に一塩化ヨウ素 162mgをさらに加えた。再度、当該容器を0℃以下に冷却し、1-クロロ-1-フルオロエタンを1.62g加えた。当該容器を30℃で18時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが39%の収率で生成していた。
実施例10 1-(2-ブロモ-1-クロロ-1-フルオロエトキシ)パーフルオロヘキサンの合成
窒素雰囲気下で、20mL容の耐圧容器に、フッ化カリウム 69.7mgと、トリグライム 1mLを加えた。当該容器にパーフルオロヘキサノイルフルオライド 316mgと、トリグライム 1mlを加えた。当該容器に1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBDMH)(286mg)とトリフェニルフォスフィンスルフィド(触媒)(2
9.4mg)を加えた。当該容器を0℃以下に冷却し、1-クロロ-1-フルオロエタンを1.60g加えた。当該容器を40℃で18時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが31%の収率で生成していた。なお、未反応のパーフルオロヘキサノイルフルオライドは57%であった。未反応の酸フロリドを考慮した転化収率は72%であった。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -65.6~-65.7(m、1F
),-82.4(t,3F),-82.8~-83.2(m,1F),-86.0~-86.4(m,1F),-123.3(s,2F),-124.1(s,2F),126.8(s,2F),-127.5(s,2F),
H NMR(400MHz, CDCl):δ 3.95~3.91(m,2H).
触媒を表2に記載の通り変更した以外は実施例10で記載の方法と同様に操作し、実施例10と同じフルオロエーテルを合成した。
Figure 2023042598000028
実施例16 臭素を用いた1-(2-ブロモ-1-クロロ-1-フルオロエトキシ)パーフルオロヘキサンの合成
窒素雰囲気下で、20mL容の耐圧容器に、フッ化カリウム 69.7mgと、トリグライム 1mLを加えた。当該容器にパーフルオロヘキサノイルフルオライド 316mgと、トリグライム 1mlを加えた。当該容器に臭素(156mg)を加えた。当該容器を0℃以下に冷却し、1-クロロ-1-フルオロエタンを1.60g加えた。当該容器を40℃で18時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが43%の収率で生成していた。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、40%の収率で表題のフルオロエーテルを得た。
イオンクロマトグラフィーを用いて得られたフルオロエーテルのハロゲン化物イオンの濃度を測定した。その結果、フッ化物イオン濃度は2.1×10-3質量%、塩化物イオン濃度は5.3×10-3質量%、臭化物イオン濃度は0.4質量%、ヨウ化物イオン濃度は3.7×10-3質量%であった。また、カールフィッシャー水分計により測定した水の濃度は8.5×10-2質量%であった。
実施例17 1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロヘキサンからの1-((1-フルオロビニル)オキシ)パーフルオロヘキサンの合成
10mL容の硝子容器に、1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロヘキサン(基質) 54.2mgを加え、当該容器内を窒素で置換した。当該容器にジグライム(溶媒) 0.25mlを加えた。当該容器にトリスジエチルアミノフォスフィン(還元剤) 35.9mgを加えた。-20℃で1時間攪拌し、19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが99%超の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -81.7~-81.9(dt、1
F),-82.9~-82.9(t,3F),-86.9(br,2F),-124.5(s,2F),-125.0(s,2F),127.4~127.5(t,2F),-128.2~-128.3(t,2F),
H NMR(400MHz, CDCl):δ 4.47~4.28(m,2H).
還元剤、溶媒、基質濃度、反応温度、及び時間を表3に記載の通り変更した以外は実施例17で記載の方法と同様に操作し、実施例17と同じビニルエーテルを合成した。
Figure 2023042598000029
実施例27 (2-ブロモ-1-クロロ-1-フルオロエトキシ)パーフルオロヘキサンからの1-((1-フルオロビニル)オキシ)パーフルオロヘキサンの合成
10mL容の硝子容器に、(2-ブロモ-1-クロロ-1-フルオロエトキシ)パーフルオロヘキサン 75.8mgを加え、当該容器内を窒素で置換した。当該容器にアセトニトリル 0.15mLを加えた。当該容器にトリスジエチルアミノホスフィン 49.9mgを加えた。-20℃で3時間攪拌し、19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが61%の収率で生成していた。
実施例28 1-(2-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロプロポキシ)パ―フルオロプロパンの合成
窒素雰囲気下で、20mL容の耐圧容器に、フッ化カリウム 58.1mgと、トリグライム 1mlを加えた。当該容器に2-(パーフルオロプロポキシ)パーフルオロプロパノイルフロリド 332mgと、トリグライム 0.25mlを加えた。当該容器に一塩化ヨウ素 162mgとトリグライム 0.25mlを加えた。当該容器を0℃以下に冷却し、1-クロロ-1-フルオロエタンを1.26g加えた。当該容器を30℃で18時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが22%の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -59.4~-59.7(m、1F
),-79.4~-79.5(t、3F),-80.4~-80.5(m、2F),-81.0(m、3F),-85.4~-86.4(dd、1F),-129.3(s、2F),-145.2(s、1F).
H NMR(400MHz, CDCl):δ 3.92~3.85(2H)
組成性物にパーフルオロヘキサン及びメタノールを加え、分液を行った。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが19%の収率で得られた。
H NMRにより測定した水の濃度は5.7質量%、トリグライムの濃度は2.4質量%であった。
実施例29 1-(2-((1-フルオロビニル)オキシ)パーフルオロプロポキシ)パーフルオロプロパンの合成
10mL容の硝子容器に、1-(2-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロプロポキシ)パ―フルオロプロパン 42.8mgを加え、当該容器内を窒素で置換した。当該容器にアセトニトリル 0.08mlを加えた。当該容器にトリスジエチルアミノホスフィン 27.5mgを加えた。-20℃で1時間攪拌し、19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが65%の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -83.80(br)
H NMR(400MHz, CDCl):δ 4.46~4.26(2H)
実施例30 1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンの合成
窒素雰囲気下で、20mL容の耐圧容器に、フッ化カリウム 58.1mgと、トリグライム 1mlを加えた。当該容器に3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパノイルフロライド 232mgと、トリグライム 0.25mlを加えた。当該容器に一塩化ヨウ素 162mgとトリグライム 0.25mlを加えた。当該容器を0℃以下に冷却し、1-クロロ-1-フルオロエタンを 0.98g加えた。当該容器を30℃で18時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが36%の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -59.4~-59.5(m、1F

H NMR(400MHz, CDCl):δ 3.92~3.88(2H).
得られたフルオロエーテルをH NMRにより分析した。結果、得られたフルオロエーテルは水を4.4質量%、トリグライムを3.6質量%含有していた。
実施例31 1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンの合成
10mL容の硝子容器に、1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 35.8mgを加え、当該容器内を窒素で置換した。当該容器にアセトニトリル 0.18mlを加えた。当該容器にトリスジエチルアミノホスフィン 28mgを加えた。-20℃で1時間攪拌し、19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが30%の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -85.1~-85.2(dt、1
F)
H NMR(400MHz, CDCl):δ 4.46~4.24(2H).
実施例32 1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンの組成物1
実施例31で得られた1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 29.6mgにトリグライム 1mlを加え1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 2.9質量%を含むトリグライム溶液を調製した。当該溶液を50℃で2時間加熱し、19FNMRで解析したところ、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンが2質量%減少した。
実施例33 1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンの組成物2
実施例31で得られた1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 14.8mgにトリグライム 0.5ml及び水 90μlを加え1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 2.5質量%及び水 15質量%を含むトリグライム溶液を調製した。当該溶液を50℃で2時間加熱し、19FNMRで解析したところ、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンが23質量%減少した。
実施例34 1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンの組成物3
実施例31で得られた1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 14.8mgにトリグライム 0.5ml、水 90μl、及びフッ化カリウム 29mgを加え、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 2.4質量%、水 14質量%、及びフッ化カリウム 5質量%を含むトリグライム液を調製したところ、溶液が分離した。当該溶液を50℃で2時間加熱し、19FNMRで解析したところ、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンが9質量%減少した。
実施例35 1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンの組成物4
実施例31で得られた1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 29.6mgにテトラヒドロフラン 1mlを加え、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 3.2質量%を含むテトラヒドロフラン溶液を調製した。当該溶液を50℃で20時間加熱し、19FNMRで解析したところ、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンが16質量%減少した。
実施例36 1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンの組成物5
実施例31で得られた1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 29.6mgにフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウムの1Mテトラヒドロフラン溶液 1mlを加え、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパン 3.2質量%及びフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム 28質量%を含むテトラヒドロフラン溶液を調製した。当該溶液を50℃で20時間加熱し、19FNMRで解析したところ、1-((1-フルオロビニル)オキシ)-3-(パーフルオロメトキシ)パーフルオロプロパンが41質量%減少した。
実施例35 1-(1-ブロモ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロヘキサンの合成
窒素雰囲気下で、20mL容の耐圧容器に、フッ化カリウム 58.1mgと、トリグライム 1mlを加えた。当該容器にパーフルオロヘキサノイルフルオライド 316mgと、トリグライム 0.25mlを加えた。当該容器に一塩化ヨウ素 162mgとトリグライム 0.25mlを加えた。当該容器を0℃以下に冷却し、1-ブロモ-1-フルオロエタン 1.48gを加えた。当該容器を30℃で18時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが24%の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCl):δ -48.5~-48.6(m、1F
),-81.9~-82.0(m,5F),-119.5(t,2F),-123.3(s,2F),123.9(s,2F),-127.1(t,2F).
実施例36 1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロオクタンの合成
窒素雰囲気下で、20mL容の耐圧容器に、テトラメチルアンモニウムフロライド 186mgと、トリグライム 3.5mlを加えた。当該容器にパーフルオロオクタノイルフルオライド 832mgと、トリグライム 0.5mlを加えた。当該容器にN-ヨー
ドサッカリン 618mgを加えた。当該容器を0℃以下に冷却し、1-クロロ-1-フルオロエタン 1.37gを加えた。当該容器を30℃で24時間攪拌した。得られた反応混合物を炭酸カリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液の混合液に滴下し、酢酸エチルで抽出した。19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが21%の収率で生成していた。
19F NMR(376MHz, CDCOCD):δ -59.3~-59.5(m
、1F),-81.5(t,J = 18.4Hz,3F),-82.4~82.5(m、1F),-85.8~-86.2(m,1F),-121.8~-122.4(m,6F),-122.9~-123.2(m,2F),-125.9~-126.0(m,2F),-126.5~-126.7(m,2F).
H NMR(400MHz, CDCOCD):δ 4.35(s、1H)、4.3
1(dd、J=12.8、16.0Hz、1H).
実施例37 1-((1-フルオロビニル)オキシ)パーフルオロオクタンの合成
10mL容の硝子容器に、1-(1-クロロ-1-フルオロ-2-ヨードエトキシ)パーフルオロオクタン 64mgを加え、当該容器内を窒素で置換した。当該容器にジグライム 0.25mlを加えた。当該容器に3M フェニルマグネシウムブロミドエーテル溶液 35μLを加えた。50℃で3時間攪拌した。1MHClに滴下し、エーテルで抽出後、19FNMRで解析したところ、表題のフルオロエーテルが55%の収率で生成していた。溶媒を留去後、表題のビニルエーテルを35%で得た。
19F NMR(376MHz, CDCOCD):δ -81.5~-81.6(m
、1F)、-81.9(t、J=12.0Hz、3F),-85.6(t、J=9.8Hz、2F)、-122.4~-122.5(m、6F)、-123.3~-123.5(m、2F)、-126.0~-126.1(m、2F)、-126.8~-127.0(m、2F).
H NMR(400MHz, CDCl):δ 4.47(dd、J=5.2、6.4
Hz、1H)、4.37(dd、J=4.4、5.6Hz、1H).
イオンクロマトグラフィーを用いて、得られたビニルエーテルのハロゲン化物イオンの濃度を測定した。その結果、塩化物イオン濃度は8.7×10-3質量%、フッ化物イオン濃度、ヨウ化物イオン濃度は検出限界以下であった。また、カールフィッシャー水分計により測定した水の濃度は8.5×10-2質量%であった。

Claims (34)

  1. 式(4a):
    Figure 2023042598000030
    [式中、
    は有機基であり、
    2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
    4aはH、ハロゲン、又は有機基であり、
    1aはF以外のハロゲンであり、
    はハロゲンである。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    式(1):
    Figure 2023042598000031
    [式中、
    はカチオンであり、
    は前記と同意義である。]
    で表される化合物を、ハロゲン化剤の存在下で、式(2a):
    Figure 2023042598000032
    [式中の記号は前記と同意義である。]
    で表される化合物に作用させる工程1aを含む、製造方法。
  2. 前記ハロゲン化剤が、式(3a):
    -Z (3a)
    [式中、
    はハロゲンであり、
    Zはハロゲン又はNZであり、
    及びZは、それぞれ独立して、有機基である、又は、Z及びZは互いに結合して環を形成している。]
    又は式(3a’):
    Figure 2023042598000033
    [式中、
    はハロゲンであり、
    ~Qは、それぞれ独立して、H又は有機基であり、Q~Qの任意の2個は互い
    に結合して環を形成していてもよい。]
    で表される化合物である、請求項1に記載の製造方法。
  3. が金属イオン又は四級アンモニウムイオンである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. が、1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基であり、前記フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. が、1個以上の置換基を有していてもよいC1-10フルオロアルキル基であり、前記C1-10フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 4aがF又はフルオロアルキル基である、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 2a及びR3aが、それぞれ独立して、H又はC1-3アルキル基である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記工程1aが触媒の非存在下で行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 式(4b):
    Figure 2023042598000034
    [式中、
    は有機基であり、
    2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
    4bはH、ハロゲン、又は有機基であり,
    1b及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンである。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    式(1):
    Figure 2023042598000035
    [式中、
    はカチオンであり、
    は前記と同意義である。]
    で表される化合物を、ハロゲン化剤及び触媒の存在下で、式(2b):
    Figure 2023042598000036
    [式中の記号は前記と同意義である。]
    で表される化合物に作用させる工程1bを含む、製造方法。
  10. 4bがF又はフルオロアルキル基であるとき、X1bはF以外のハロゲンである、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記ハロゲン化剤が、式(3a):
    -Z (3a)
    [式中、
    はハロゲンであり、
    Zはハロゲン又はNZであり、
    及びZは、それぞれ独立して、有機基である、又は、Z及びZは互いに結合して環を形成している。]
    又は式(3a’):
    Figure 2023042598000037
    [式中、
    はハロゲンであり、
    ~Qは、それぞれ独立して、H又は有機基であり、Q~Qの任意の2個は互いに結合して環を形成していてもよい。]
    で表される化合物である、請求項9又は10に記載の製造方法。
  12. 前記触媒がルイス塩基である、請求項9~11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記触媒が、式(3b):
    -(Z) (3b)
    [式中、
    は、O、N、(S)、P、又は(Se)であり、
    m及びkは、1又は2であり、
    nは、Lの価数に対応する数であり、
    各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、nが2以上であるとき、任意の2個のZは互いに結合して環を形成していてもよい。]
    又は式(3c):
    =Z (3c)
    [式中、
    は、O、S、又はSeであり、
    はP(Z)又はC(Z)であり、各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、任意の2個のZは互いに結合して環を形成していてもよく、各Zは、それぞれ独立して、有機基であり、任意の2個のZは互いに結合して環を形成していてもよい。]
    で表されるルイス塩基である、請求項9~12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. が金属イオン又は四級アンモニウムイオンである、請求項9~13のいずれか一項に
    記載の製造方法。
  15. が、1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基であり、前記フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、請求項9~14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 2b及びR3bが、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル基、又はフルオロアルキル基である、請求項9~15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 4bがハロゲン又はフルオロアルキル基である、請求項9~16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. 式(4a):
    Figure 2023042598000038
    [式中、
    は有機基であり、
    2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
    4aはH、ハロゲン、又は有機基であり、
    1aはF以外のハロゲンであり、
    はハロゲンである。]
    で表される化合物。
  19. 式(4b):
    Figure 2023042598000039
    [式中、
    は有機基であり、
    2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
    4bはH、ハロゲン、又は有機基であり、
    1b及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンである。]
    で表される化合物、及びハロゲン化物イオンを含有する組成物。
  20. 式(4b):
    Figure 2023042598000040
    [式中、
    は有機基であり、
    2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
    4bはH、ハロゲン、又は有機基であり,
    1b及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンである。]
    で表される化合物、及び水を含有する組成物。
  21. 4bがF又はフルオロアルキル基であるとき、X1bはF以外のハロゲンである、請求項19又は20に記載の組成物。
  22. 式(5a):
    Figure 2023042598000041
    [式中、
    は有機基であり、
    2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
    4aはH、ハロゲン、又は有機基である。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    式(4a):
    Figure 2023042598000042
    [式中、
    、R2a、R3a、及びR4aは前記と同意義であり、
    1aはF以外のハロゲンであり、
    がハロゲンである。]
    で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2aを含む、製造方法。
  23. が、1個以上の置換基を有していてもよいフルオロアルキル基であり、前記フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、請求項22に記載の製造方法。
  24. が、1個以上の置換基を有していてもよいC1-10フルオロアルキル基であり、前記C1-10フルオロアルキル基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよい、請求項22又は23に記載の製造方法。
  25. 4aがF又はフルオロアルキル基である、請求項22~24のいずれか一項に記載の製造方法。
  26. 前記還元剤が有機金属試薬である、請求項22~25のいずれか一項に記載の製造方法。
  27. 前記還元剤が、
    (i)遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属
    (ii)遷移金属の金属対、及び
    (iii)遷移金属と、酸又は金属塩との混合物
    からなる群より選択される一種以上である、請求項22~25のいずれか一項に記載の製造方法。
  28. 前記還元剤がリン含有化合物である、請求項22~25のいずれか一項に記載の製造方法。
  29. 式(5a):
    Figure 2023042598000043
    [式中、
    は有機基であり、
    2a及びR3aは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
    4aはH、ハロゲン、又は有機基である。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    式(1):
    Figure 2023042598000044
    [式中、
    はカチオンであり、
    は前記と同意義である。]
    で表される化合物を、ハロゲン化剤の存在下で、式(2a):
    Figure 2023042598000045
    [式中、
    2a、R3a、及びR4aは前記と同意義であり、
    1aはF以外のハロゲンである。]
    で表される化合物に作用させる工程1aを含む、式(4a):
    Figure 2023042598000046
    [式中、
    、R2a、R3a、R4a、及びX1aは前記と同意義であり、
    がハロゲンである。]
    で表される化合物を製造する工程、及び
    式(4a)で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2a
    を含む、製造方法。
  30. 式(5b):
    Figure 2023042598000047
    [式中、
    は有機基であり、
    2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
    4bはH、ハロゲン、又は有機基である。]
    で表される化合物の製造方法であって、
    式(1):
    Figure 2023042598000048
    [式中、
    はカチオンであり、
    は前記と同意義である。]
    で表される化合物を、ハロゲン化剤及び触媒の存在下で、式(2b):
    Figure 2023042598000049
    [式中、
    2b、R3b、及びR4bは前記と同意義であり、
    1bはハロゲンである。]
    で表される化合物に作用させる工程1bを含む、式(4b):
    Figure 2023042598000050
    [式中、
    、R2b、R3b、R4b、及びX1bは前記と同意義であり、
    はハロゲンである。]
    で表される化合物を製造する工程、及び
    式(4b)で表される化合物に、還元剤を作用させる工程2b
    を含む、製造方法。
  31. 4bがF又はフルオロアルキル基であるとき、X1bはF以外のハロゲンである、請求項30に記載の製造方法。
  32. 式(5c):
    Figure 2023042598000051
    [式中、
    1cは、1個以上の置換基を有していてもよい、炭素数2以上のフルオロアルキル基又は炭素数1以上のフルオロアルコキシ基であり、前記フルオロアルキル又はフルオロアルコキシ基は炭素原子間にヘテロ原子を含んでいてもよく、
    2c及びR3cは、それぞれ独立して、H又はアルキル基であり、
    4cはFである。]
    で表される化合物。
  33. 式(5b):
    Figure 2023042598000052
    [式中、
    は有機基であり、
    2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
    4bはH、ハロゲン、又は有機基である。]
    で表される化合物、及びハロゲン化物イオンを含有する組成物。
  34. 式(5b):
    Figure 2023042598000053
    [式中、
    は有機基であり、
    2b及びR3bは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、又は1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基であり、
    4bはH、ハロゲン、又は有機基である。]
    で表される化合物、及び水を含有する組成物。
JP2023014018A 2021-03-09 2023-02-01 ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法 Pending JP2023042598A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021037781 2021-03-09
JP2021037781 2021-03-09
JP2022036480A JP2022138156A (ja) 2021-03-09 2022-03-09 ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022036480A Division JP2022138156A (ja) 2021-03-09 2022-03-09 ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023042598A true JP2023042598A (ja) 2023-03-27

Family

ID=83226838

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022036480A Pending JP2022138156A (ja) 2021-03-09 2022-03-09 ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法
JP2023014018A Pending JP2023042598A (ja) 2021-03-09 2023-02-01 ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022036480A Pending JP2022138156A (ja) 2021-03-09 2022-03-09 ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20230416180A1 (ja)
EP (1) EP4306506A1 (ja)
JP (2) JP2022138156A (ja)
CN (1) CN116964025A (ja)
WO (1) WO2022191254A1 (ja)

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0830020B2 (ja) * 1987-09-11 1996-03-27 日本メクトロン株式会社 含ヨウ素パーフルオロエーテルの製造法
JPH0225439A (ja) * 1988-07-15 1990-01-26 Tokuyama Soda Co Ltd 含フッ素エーテル化合物の製造方法
US6552090B1 (en) * 1997-09-15 2003-04-22 3M Innovative Properties Company Perfluoroalkyl haloalkyl ethers and compositions and applications thereof
US6388139B1 (en) * 1997-11-05 2002-05-14 E. I. Du Pont De Nemours And Company Production of perfluoro (alkyl vinyl) ethers
WO2001081285A2 (en) * 2000-04-19 2001-11-01 Dupont Dow Elastomers L.L.C. Fluorovinyl ethers and copolymer compositions thereof
JP5338809B2 (ja) * 2008-03-31 2013-11-13 ダイキン工業株式会社 多官能含フッ素化合物及び該化合物の製造方法
JP5466230B2 (ja) * 2008-06-09 2014-04-09 ソルヴェイ・スペシャルティ・ポリマーズ・イタリー・エッセ・ピ・ア パーフルオロビニルエーテルの製造方法
CN104918907A (zh) 2013-01-11 2015-09-16 纳幕尔杜邦公司 用于制备全氟聚醚的全氟烷氧基季铵盐
FR3010082A1 (fr) * 2013-09-02 2015-03-06 Arkema France Procede de preparation d'une composition de polymeres fluores reticules
WO2019110710A1 (en) * 2017-12-06 2019-06-13 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. Process for preparing fluorohalogenoethers
CN113260602A (zh) * 2018-12-26 2021-08-13 大金工业株式会社 氟代醇盐的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN116964025A (zh) 2023-10-27
WO2022191254A1 (ja) 2022-09-15
JP2022138156A (ja) 2022-09-22
EP4306506A1 (en) 2024-01-17
US20230416180A1 (en) 2023-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SU613722A3 (ru) Способ получени замещенных пиразолов
JP2008540337A (ja) 3,3−二置換オキシインドールおよびチオ−オキシインドールを調製する方法
JP2004524358A (ja) フェニル酢酸誘導体の製造方法
BR112016011890B1 (pt) Processo para preparação de 5-fluoro-1h-pirazóis
EA007106B1 (ru) Способ получения амидов 2-галогенпиридинкарбоновых кислот
WO2022191254A1 (ja) ハロエーテル及びその製造方法並びにビニルエーテル及びその製造方法
JP4173278B2 (ja) 1−アリール−3−シクロプロピル−1,3−プロパンジオンの製造方法
JP7244789B2 (ja) 環状カーボネート化合物、及びその製造方法
KR102635093B1 (ko) 플루오로알콕시드의 제조 방법
US5723654A (en) Process for the preparation of alkyl 2-fluoro-isobutyrates
CN116583494A (zh) 氟化有机化合物的制造方法
US6777575B2 (en) Process for the preparation of 2-alkylthio benzoic acid derivatives
JP7476076B2 (ja) フルオロ酢酸エステルの製造方法
JP7437712B2 (ja) フッ素化有機化合物の製造方法
JP4803037B2 (ja) 含フッ素2−クロロアクリル酸エステルの製法
Milcent et al. Construction of N‐CF2H, N‐CF3, and N‐CH2CF3 Motifs
JP2024039659A (ja) α-クロロアクリル酸エステル類の製造方法
JP2024039602A (ja) α-クロロアクリル酸エステル類の製造方法
TW202421609A (zh) α-氯丙烯酸酯類之製造方法
BR112020019277A2 (pt) Processo para a produção de ácidos 2,6-dialquilfenil acéticos
JP2000026403A (ja) 硫化ペルフルオロアルキルアリ―ルの製造法および新規な硫化ペルフルオロアルキルアリ―ル
JPH04283524A (ja) トリフルオロメチル置換芳香族化合物の製造法
JPH02304076A (ja) 光学活性ヒドロキシフェノキシプロピオン酸エステル及びその製造方法
JPS624273A (ja) ピラゾール誘導体の製法
JPH0125738B2 (ja)