JP2023042441A - ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法、及びノルボルナン骨格含有重合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性と、ポリイミド樹脂との接着性とに優れ、従来知られるノルボルネンと鎖状オレフィンとの共重合体と同様にノルボルナン骨格と、鎖状オレフィン由来のアルキレン鎖とを分子鎖中に含むノルボルナン骨格含有重合体を製造し得るノルボルナン骨格含有重合体の製造方法と、当該製造方法により製造され得るノルボルナン骨格含有重合体とを提供すること。【解決手段】1種、又は2種以上の2-アルキルノルボルネンを、含金属触媒として周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物を用いて重合して、ノルボルナン骨格含有重合体を生成させる。【選択図】なし
Description
本発明は、ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法、及びノルボルナン骨格含有重合体に関する。
環状オレフィン単独重合体及び環状オレフィン共重合体は、低吸湿性及び高透明性を有し、光ディスク基板、光学フィルム、光学ファイバー等の光学材料の分野をはじめ、様々な用途に使用されている。
代表的な環状オレフィン共重合体として、透明樹脂として広く使用される、環状オレフィンとエチレンとの共重合体がある。環状オレフィンとエチレンとの共重合体は、そのガラス転移温度を環状オレフィンとエチレンとの共重合組成に応じて変えることが可能なため、広い温度領域でガラス転移温度(Tg)を調整した共重合体を製造することができる(例えば、非特許文献1を参照)。
Incoronata,Trittoら、Coordination Chemistry Reviews,2006年、第250巻、p.212-241
上記のような環状オレフィン共重合体からなるフィルムについて、機械的特性、寸法安定性、及び高周波帯域における低誘電特性等に優れるポリイミドフィルムと積層されて使用されることが想定される。しかし、特許文献1に記載されるような従来知られる方法によっては、透明性と、ポリイミド樹脂との接着性とに優れる環状オレフィン共重合体を得にくい問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、透明性と、ポリイミド樹脂との接着性とに優れ、従来知られるノルボルネンと鎖状オレフィンとの共重合体と同様にノルボルナン骨格と、鎖状オレフィン由来のアルキレン鎖とを分子鎖中に含むノルボルナン骨格含有重合体を製造し得るノルボルナン骨格含有重合体の製造方法と、当該製造方法により製造され得るノルボルナン骨格含有重合体とを提供することを目的とする。
本発明者らは、1種、又は2種以上の2-アルキルノルボルネンを、含金属触媒として周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物を用いて重合して、ノルボルナン骨格含有重合体を生成させることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)1種、又は2種以上の2-アルキルノルボルネンを、含金属触媒の存在下に重合して、ノルボルナン骨格含有重合体を生成させることを含み、
含金属触媒が、周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物である、ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
含金属触媒が、周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物である、ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
(3)得られるノルボルナン骨格含有重合体が、下記式(a2)で表される構成単位から選択される1種以上の構成単位を含み、ノルボルナン骨格含有重合体の試料を、JIS K7121に記載の方法に従って、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で示差走査熱量計による測定を行って得られたDSC曲線が、200℃~300℃の範囲内に融点のピークを有さない、(2)に記載のノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
(式(a2)中、n2は0以上5以下の整数である。)
(4)重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定により得られる、ノルボルナン骨格含有重合体の13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在する、(1)~(3)のいずれか1つに記載のノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
(5)周期律表第10族遷移金属元素が、ニッケル又はパラジウムである、(1)~(4)のいずれか1つに記載のノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
(6)金属化合物が、ジイミン化合物に由来するリガンドを有する、(1)~(5)のいずれか1つに記載のノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
(7)下記式(A)で表される構成単位を含むノルボルナン骨格含有重合体であって、
ノルボルナン骨格含有重合体の試料を、JIS K7121に記載の方法に従って、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で示差走査熱量計による測定を行って得られたDSC曲線が、200℃~300℃の範囲内に融点のピークを有さない、ノルボルナン骨格含有重合体。
(式(A)中、R1はアルキレン基であり、n1は0又は1であり、複数の構成単位におけるR1としてのアルキレン基は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。)
ノルボルナン骨格含有重合体の試料を、JIS K7121に記載の方法に従って、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で示差走査熱量計による測定を行って得られたDSC曲線が、200℃~300℃の範囲内に融点のピークを有さない、ノルボルナン骨格含有重合体。
(8)式(A)で表される構成単位が、下記式(a2)で表される構成単位から選択される1種以上の構成単位である、(7)に記載のノルボルナン骨格含有重合体。
(式(a2)中、n2は0以上5以下の整数である。)
(9)重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定により得られる13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在する、(7)又は(8)に記載のノルボルナン骨格含有重合体。
(10)分子鎖中に、ノルボルナン-2,3-ジイル基と、1種又は2種以上のアルキレン基とが交互に繰り返された部分を含み、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定により得られる13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在する、ノルボルナン骨格含有重合体。
本発明によれば、透明性と、ポリイミド樹脂との接着性とに優れ、従来知られるノルボルネンと鎖状オレフィンとの共重合体と同様にノルボルナン骨格と、鎖状オレフィン由来のアルキレン鎖とを分子鎖中に含むノルボルナン骨格含有重合体を製造し得るノルボルナン骨格含有重合体の製造方法と、当該製造方法により製造され得るノルボルナン骨格含有重合体とを提供することができる。
≪ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法≫
ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法は、1種、又は2種以上の2-アルキルノルボルネンを、含金属触媒の存在下に重合して、ノルボルナン骨格含有重合体を生成させることを含む。
上記の方法では、含金属触媒として、周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物が使用される。
ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法は、1種、又は2種以上の2-アルキルノルボルネンを、含金属触媒の存在下に重合して、ノルボルナン骨格含有重合体を生成させることを含む。
上記の方法では、含金属触媒として、周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物が使用される。
上記の方法によれば、β水素脱離と再挿入とが直ちに起こる所謂チェーン・ウォーキング機構を経る重合の進行により、trans-ノルボルナン-2,3-ジイル単位と、2-アルキルノルボルネンが有するアルキル基に由来するアルキレン基とが、交互に規則的に並んだ構造を含むポリマー鎖が生成する。
上記の方法により得られるノルボルナン骨格含有重合体は、透明性と、ポリイミド樹脂との接着性とに優れる。
他方で、従来知られる方法により製造される、環状オレフィンとエチレン等のオレフィンとの共重合体のような環状オレフィン共重合体は、透明性に優れる一方で、ポリイミド樹脂との接着性が劣る。
他方で、従来知られる方法により製造される、環状オレフィンとエチレン等のオレフィンとの共重合体のような環状オレフィン共重合体は、透明性に優れる一方で、ポリイミド樹脂との接着性が劣る。
ここで、環状オレフィンとエチレン等のオレフィンとを共重合して環状オレフィン共重合体を得る場合、環状オレフィンに由来する脂環式単位が連続する脂環式ブロックが不可避的に生成してしまう。
上記の方法により得られるノルボルナン骨格含有重合体と、環状オレフィンとエチレンとの共重合体のような環状オレフィン共重合体との、分子鎖の構造を考慮すると、環状オレフィンに由来する脂環式単位が連続する脂環式ブロックがポリイミド樹脂との接着性に悪影響を及ぼしており、上記の方法により得られるノルボルナン骨格含有重合体は、trans-ノルボルナン-2,3-ジイル単位と、2-アルキルノルボルネンが有するアルキル基に由来するアルキレン基とが、交互に規則的に並んだ構造を含むポリマー鎖からなることにより、ポリイミド樹脂との接着性に優れると考えられる。
上記の方法により得られるノルボルナン骨格含有重合体は、さらに、バリア性にも優れる。
上記の方法では、1種の2-アルキルノルボルネンのみを単独重合してもよく、2種以上の2-アルキルノルボルネンを共重合してもよい。
また、上記の重合反応において、所望する効果が損なわれない範囲において、2-アルキルノルボルネンと、2-アルキルノルボルネンと共重合し得る2-アルキルノルボルネン以外のオレフィン化合物とを、共重合させてもよい。
また、上記の重合反応において、所望する効果が損なわれない範囲において、2-アルキルノルボルネンと、2-アルキルノルボルネンと共重合し得る2-アルキルノルボルネン以外のオレフィン化合物とを、共重合させてもよい。
<2-アルキルノルボルネン>
2-アルキルノルボルネンとしては、ノルボルネン環上の2位にアルキル基を有するノルボルネン化合物であれば特に限定されない。ノルボルネン環上の2位のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状が好ましい。
2-アルキルノルボルネンとしては、ノルボルネン環上の2位にアルキル基を有するノルボルネン化合物であれば特に限定されない。ノルボルネン環上の2位のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状が好ましい。
2-アルキルノルボルネンは、所望する重合反応を阻害しない限りにおいて、ノルボルネン環上の2位以外の位置に置換基を有していてもよい。当該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基、及びハロゲン原子が挙げられる。
2-アルキルノルボルネンは、ノルボルネン環上の2位以外の位置に置換基を有さないのが好ましい。
2-アルキルノルボルネンは、ノルボルネン環上の2位以外の位置に置換基を有さないのが好ましい。
式(a1)で表される化合物は、例えば、J.Huang,et al.,Chem. Commun.,2017,53,4589に記載の方法に従い、ノルボルネンにカリウムtert-ブトキシド、及びn-ブチルリチウムを作用させた後、RBrで表される臭化アルキルをさらに反応させることにより豪栄することができる。
式(a1)で表される化合物の製造方法は、上記の方法には限定されない。
式(a1)で表される化合物の製造方法は、上記の方法には限定されない。
式(a1)で表される化合物は、具体的には、2-メチルノルボルネン、2-エチルノルボルネン、2-n-プロピルノルボルネン、2-n-ブチルノルボルネン、2-n-ペンチルノルボルネン、及び2-n-ヘキシルノルボルネンである。
<2-アルキルノルボルネン以外のオレフィン化合物>
2-アルキルノルボルネンと共重合し得る、2-アルキルノルボルネン以外のオレフィン化合物は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。
2-アルキルノルボルネン以外のオレフィン化合物の好適な例としては、2-アルキルノルボルネンに該当しない環状オレフィン化合物、エチレン、及びα-オレフィンが挙げられる。
2-アルキルノルボルネンと共重合し得る、2-アルキルノルボルネン以外のオレフィン化合物は、所望する効果が損なわれない限り特に限定されない。
2-アルキルノルボルネン以外のオレフィン化合物の好適な例としては、2-アルキルノルボルネンに該当しない環状オレフィン化合物、エチレン、及びα-オレフィンが挙げられる。
2-アルキルノルボルネンに該当しない環状オレフィン化合物としては、シクロアルケンや、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
(式中、R1~R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R5~R8は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
ただし、n=0の場合、R1~R4及びR9~R12の少なくとも1個は、水素原子ではない。)
R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R5~R8は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
ただし、n=0の場合、R1~R4及びR9~R12の少なくとも1個は、水素原子ではない。)
式(I)で示される環状オレフィン化合物について説明する。式(I)におけるR1~R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
R1~R8の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;炭素原子数1以上20以下のアルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R9~R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;炭素原子数1以上20以下のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
R9とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
R9又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
一般式(I)で示される環状オレフィン化合物の具体例としては、5-メチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5,5-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-エチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-ブチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-エチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-ヘキシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-オクチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-オクタデシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-メチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-ビニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-プロペニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ-3,7-ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ-3,8-ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ-3-エン;5-シクロペンチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-シクロヘキシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンといった3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8-メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-プロペニル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エンといった4環の環状オレフィン;
8-シクロペンチル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-シクロヘキシル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-シクロヘキセニル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-フェニル-シクロペンチル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ-4,9,11,13-テトラエン(1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ-5,10,12,14-テトラエン(1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]-4-ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5-エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]-14-エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンを挙げることができる。
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ-3,7-ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ-3,8-ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ-3-エン;5-シクロペンチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-シクロヘキシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンといった3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8-メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-プロペニル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エンといった4環の環状オレフィン;
8-シクロペンチル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-シクロヘキシル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-シクロヘキセニル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン、8-フェニル-シクロペンチル-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ-4,9,11,13-テトラエン(1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ-5,10,12,14-テトラエン(1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]-4-ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5-エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]-14-エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンを挙げることができる。
中でも、アルキル置換ノルボルネン(例えば、1個以上のアルキル基で置換されたビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン)、アルキリデン置換ノルボルネン(例えば、1個以上のアルキリデン基で置換されたビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン)が好ましく、5-エチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(慣用名:5-エチリデン-2-ノルボルネン、又は、単にエチリデンノルボルネン)が特に好ましい。
α-オレフィンとしては、C3~C12のα-オレフィンが好ましい。C3~C12のα-オレフィンは特に限定されないが、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、及び1-ドデセン等が挙げられる。
上記方法により得られるノルボルナン骨格含有重合体において、例えば後述する式(a2)で表される構成単位のような、2-アルキルノルボルネンに由来する構成単位の、全構成単位に対する比率は、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
<含金属触媒>
含金属触媒としては、周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物を用いる。
触媒の活性が高く、所望する重合反応を良好に進行させやすい点で、周期律表第10族遷移金属元素としては、ニッケル、パラジウム、及び白金が好ましく、ニッケル、及びパラジウムがより好ましく、パラジウムが特に好ましい。
含金属触媒としては、周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物を用いる。
触媒の活性が高く、所望する重合反応を良好に進行させやすい点で、周期律表第10族遷移金属元素としては、ニッケル、パラジウム、及び白金が好ましく、ニッケル、及びパラジウムがより好ましく、パラジウムが特に好ましい。
周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物としては、下記式(a-1):
LmM(X)2・・・(a-1)
(式中、Lはリガンドであり、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、又はアリールオキシ基であり、Mは、周期律表第10族遷移金属元素の原子であり、mはリガンドの数である。)
で表される化合物が好ましい。
LmM(X)2・・・(a-1)
(式中、Lはリガンドであり、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、又はアリールオキシ基であり、Mは、周期律表第10族遷移金属元素の原子であり、mはリガンドの数である。)
で表される化合物が好ましい。
リガンドとしては、所望する重合反応が進行する限り特に限定されない。所望する重合反応を進行させやすい点で、式(a-1)で表される金属化合物のような含金属触媒は、ジイミン化合物に由来するリガンドを有するのが好ましい。
式(a-1)で表される金属化合物の中では、下記式(a-2):
(式(a-2)中、Mは、周期律表第10族遷移金属元素の原子であり、Ra1、及びRa2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基又はアリールオキシ基であり、Ra3~Ra10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、カルバモイル基、又はヒドロカルビルチオ基であり、n1、及びn2は、それぞれ独立に、0以上5以下の整数である。Ra1とRa2とは、互いに結合して環を形成してもよい。Ra3とRa4とは、互いに結合して環を形成してもよい。)
式(a-2)において、Ra1、及びRa2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基又はアリールオキシ基である。Ra1、及びRa2は、互いに連結して環を形成してもよい。
アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、又はアリールオキシ基は置換基を有してもよい。
アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、又はアリールオキシ基は置換基を有してもよい。
式(a-2)において、Ra1、及びRa2としてのハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。これらの中では、塩素原子、及び臭素原子が好ましい。
式(a-2)において、Ra1、及びRa2としてのアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。Ra1、及びRa2としてのアルキル基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上12以下がより好ましく、1以上6以下がさらに好ましい。
アルキル基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及びn-ヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基が特に好ましい。
Ra1、及びRa2としてのアルキル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
アルキル基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及びn-ヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基が特に好ましい。
Ra1、及びRa2としてのアルキル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)において、Ra1、及びRa2としてのシクロアルキル基の炭素原子数は、3以上20以下が好ましく、4以上10以下がより好ましい。Ra1、及びRa2としてのシクロアルキル基の好適な例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。
ra1、及びRa2としてのアラルキル基の炭素原子数は、7以上12以下が好ましい。Ra1、及びRa2としてのアラルキル基の好適な例としては、ベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。これらの中では、ベンジル基が特に好ましい。
Ra1、及びRa2としてのアラルキル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra1、及びRa2としてのアラルキル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra1、及びRa2としてのアリール基の炭素原子数は6以上20以下が好ましく、6以上12以下がより好ましい。Ra1、及びRa2としてのアリール基の好適な例としては、フェニル基、ナフチル基、4-トリル基、メシチル基、及び4-フェニルフェニル基が挙げられる。これらの中では、フェニル基、4-トリル基、及びメシチル基が好ましい。
Ra1、及びRa2としてのアリール基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra1、及びRa2としてのアリール基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)において、Ra1、及びRa2としてのアルコキシ基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。Ra1、及びRa2としてのアルコキシ基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上12以下がより好ましく、1以上6以下がさらに好ましい。
アルコキシ基の好適な例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、及びn-ヘキシルオキシ基等が挙げられる。これらの中では、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、及びtert-ブチルオキシ基が特に好ましい。
Ra1、及びRa2としてのアルコキシ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
アルコキシ基の好適な例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、及びn-ヘキシルオキシ基等が挙げられる。これらの中では、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、及びtert-ブチルオキシ基が特に好ましい。
Ra1、及びRa2としてのアルコキシ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)において、Ra1、及びRa2としてのシクロアルコキシ基の炭素原子数は、3以上20以下が好ましく、4以上10以下がより好ましい。Ra1、及びRa2としてのシクロアルコキシ基の好適な例としては、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
式(a-2)において、Ra1、及びRa2としてのアラルキルオキシ基の炭素原子数は、7以上20以下が好ましい。Ra1、及びRa2としてのアラルキルオキシ基の好適な例としては、ベンジルオキシ基、(2-メチルフェニル)メトキシ基、(3-メチルフェニル)メトキシ基、(4-メチルフェニル)メトキシ基、(2,3-ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4-ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5-ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6-ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4-ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5-ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4-トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5-トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6-トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5-トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6-トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5-トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5-テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6-テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(2-エチルフェニル)メトキシ基、(3-エチルフェニル)メトキシ基、(4-エチルフェニル)メトキシ基、(2-n-プロピルフェニル)メトキシ基、(3-n-プロピルフェニル)メトキシ基、(4-n-プロピルフェニル)メトキシ基、(2-イソプロピルフェニル)メトキシ基、(3-イソプロピルフェニル)メトキシ基、(4-イソプロピルフェニル)メトキシ基、(2-n-ブチルフェニル)メトキシ基、(3-n-ブチルフェニル)メトキシ基、(4-n-ブチルフェニル)メトキシ基、(2-sec-ブチルフェニル)メトキシ基、(3-sec-ブチルフェニル)メトキシ基、(4-sec-ブチルフェニル)メトキシ基、(2-tert-ブチルフェニル)メトキシ基、(3-tert-ブチルフェニル)メトキシ基、(4-tert-ブチルフェニル)メトキシ基、(2-n-ヘキシルフェニル)メトキシ基、(3-n-ヘキシルフェニル)メトキシ基、(4-n-ヘキシルフェニル)メトキシ基、(2-n-オクチルフェニル)メトキシ基、(3-n-オクチルフェニル)メトキシ基、(4-n-オクチルフェニル)メトキシ基、(2-n-デシルフェニル)メトキシ基、(3-n-デシルフェニル)メトキシ基、(4-n-デシルフェニル)メトキシ基、ナフタレン-1-イルメトキシ基、及びナフタレン-2-イルメトキシ基等が挙げられる。これらの中では、ベンジル基が好ましい。
Ra1、及びRa2としてのアラルキルオキシ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra1、及びRa2としてのアラルキルオキシ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)において、Ra1、及びRa2としてのアリールオキシ基の炭素原子数は、6以上20以下が好ましい。Ra1、及びRa2としてのアリールオキシ基の好適な例としては、フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、3-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、2,3-ジメチルフェノキシ基、2,4-ジメチルフェノキシ基、2,5-ジメチルフェノキシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基、3,4-ジメチルフェノキシ基、3,5-ジメチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-3-メチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-5-メチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-6-メチルフェノキシ基、2,3,4-トリメチルフェノキシ基、2,3,5-トリメチルフェノキシ基、2,3,6-トリメチルフェノキシ基、2,4,5-トリメチルフェノキシ基、2,4,6-トリメチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-3,4-ジメチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-3,5-ジメチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-3,6-ジメチルフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチル-3-メチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-4,5-ジメチルフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ基、3,4,5-トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5-テトラメチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-3,4,5-トリメチルフェノキシ基、2,3,4,6-テトラメチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-3,4,6-トリメチルフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチル-3,4-ジメチルフェノキシ基、2,3,5,6-テトラメチルフェノキシ基、2-tert-ブチル-3,5,6-トリメチルフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチル-3,5-ジメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、2-エチルフェノキシ基、3-エチルフェノキシ基、4-エチルフェノキシ基、2-n-プロピルフェノキシ基、3-n-プロピルフェノキシ基、4-n-プロピルフェノキシ基、2-イソプロピルフェノキシ基、3-イソプロピルフェノキシ基、4-イソプロピルフェノキシ基、2-n-ブチルフェノキシ基、3-n-ブチルフェノキシ基、4-n-ブチルフェノキシ基、2-sec-ブチルフェノキシ基、3-sec-ブチルフェノキシ基、4-sec-ブチルフェノキシ基、2-tert-ブチルフェノキシ基、3-tert-ブチルフェノキシ基、4-tert-ブチルフェノキシ基、2-n-ヘキシルフェノキシ基、3-n-ヘキシルフェノキシ基、4-n-ヘキシルフェノキシ基、2-n-オクチルフェノキシ基、3-n-オクチルフェノキシ基、4-n-オクチルフェノキシ基、2-n-デシルフェノキシ基、3-n-デシルフェノキシ基、4-n-デシルフェノキシ基、ナフタレン-1-イルオキシ基、及びナフタレン-2-イルオキシ基が挙げられる。
Ra1、及びRa2としてのアリールオキシ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra1、及びRa2としてのアリールオキシ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa1、及びRa2は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基であり、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、又は無置換の炭素原子数1~12の直鎖状アルキル基であり、特に好ましくは塩素原子又はメチル基である。
式(a-2)におけるRa3~Ra10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、カルバモイル基、又はヒドロカルビルチオ基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としての、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アラルキルオキシ基、及びアリールオキシ基としては、Ra3~Ra10としてのこれらの基と同様である。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのアシル基の好適な例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘプタノイル基、及びデカノイル基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアシル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアシル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのアルコキシカルボニル基の好適な例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、及びn-デシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアルコキシカルボニル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアルコキシカルボニル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのアラルキルオキシカルボニル基の好適な例としては、2-フェニルエチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、1-フェニルエチルオキシカルボニル基、3-フェニルプロピルオキシカルボニル基、及び4-フェニルブチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアラルキルオキシカルボニル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアラルキルオキシカルボニル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのアリールオキシカルボニル基の好適な例としては、フェニルオキシカルボニル基、2-メチルフェニルオキシカルボニル基、4-メチルフェニルオキシカルボニル基、4-メトキシフェニルオキシカルボニル基、ナフタレン-1-イルオキシカルボニル基、2-メチルナフタレン-1イルオキシカルボニル基、3-メチルナフタレン-1-イルオキシカルボニル基、4-メチルナフタレン-1-イルオキシカルボニル基、6-メチルナフタレン-1-イルオキシカルボニル基、ナフタレン-2-イルオキシカルボニル基、1-メチルナフタレン-2-イルオキシカルボニル基、3-メチルナフタレン-2-イルオキシカルボニル基、4-メチルナフタレン-2-イルオキシカルボニル基、及び6-メチルナフタレン-2-イルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアリールオキシカルボニル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアリールオキシカルボニル基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのアミノ基は、無置換のアミノ基(-NH2)であっても、N-モノ置換アミノ基であっても、N,N-ジ置換アミノ基であってもよい。N-モノ置換アミノ基としては、N-アルキルアミノ基、又はN-シクロアルキルアミノ基が好ましい。N,N-ジ置換アミノ基としては、N,N-ジアルキルアミノ基、N,N-ジシクロアルキルアミノ基、及びN-アルキル-N-シクロアルキルアミノ基が好ましい。これらの基に含まれるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
N-アルキルアミノ基の好適な具体例としては、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-n-プロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N-n-ブチルアミノ基、及びN-イソブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基が挙げられる。
N-シクロアルキルアミノ基の例としては、N-シクロペンチルアミノ基、N-シクロヘキシルアミノ基、N-シクロヘプチルアミノ基、及びN-シクロオクチルアミノ基が挙げられる。
N,N-ジアルキルアミノ基の好適な具体例としては、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N,N-ジ-n-プロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N,N-ジ-n-ブチルアミノ基、及びN,N-ジ-tert-ブチルアミノ基が挙げられる。
N,N-ジシクロアルキルアミノ基の好適な具体例としては、N,N-ジシクロペンチルアミノ基、N,N-ジシクロヘキシルアミノ基、N,N-ジシクロヘプチルアミノ基、及びN,N-ジシクロオクチルアミノ基が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアミノ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、及びシアノ基等が挙げられる。
N-アルキルアミノ基の好適な具体例としては、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-n-プロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N-n-ブチルアミノ基、及びN-イソブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基が挙げられる。
N-シクロアルキルアミノ基の例としては、N-シクロペンチルアミノ基、N-シクロヘキシルアミノ基、N-シクロヘプチルアミノ基、及びN-シクロオクチルアミノ基が挙げられる。
N,N-ジアルキルアミノ基の好適な具体例としては、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N,N-ジ-n-プロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N,N-ジ-n-ブチルアミノ基、及びN,N-ジ-tert-ブチルアミノ基が挙げられる。
N,N-ジシクロアルキルアミノ基の好適な具体例としては、N,N-ジシクロペンチルアミノ基、N,N-ジシクロヘキシルアミノ基、N,N-ジシクロヘプチルアミノ基、及びN,N-ジシクロオクチルアミノ基が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアミノ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのカルバモイル基は、無置換のカルバモイル基(-CONH2)であっても、N-モノ置換カルバモイル基であて、N,N-ジ置換カルバモイル基であってもよい。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのカルバモイル基の好適な例としては、無置換のカルバモイル基(-CONH2);N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-n-プロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-n-ブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N-n-ペンチルカルバモイル基、N-ネオペンチルカルバモイル基、N-シクロペンチルカルバモイル基、N-シクロヘキシルカルバモイル基、N-シクロヘプチルカルバモイル基、及びN-シクロオクチルカルバモイル基等のN-モノ置換カルバモイル基;N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、N-エチル-N-n-ブチルカルバモイル基、及びN-n-ブチル-N-n-ヘキシルカルバモイル基等のN,N-ジ置換カルバモイル基が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアミノ基が窒素原子に結合する有機基を有する場合、当該有機基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのカルバモイル基の好適な例としては、無置換のカルバモイル基(-CONH2);N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-n-プロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-n-ブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N-n-ペンチルカルバモイル基、N-ネオペンチルカルバモイル基、N-シクロペンチルカルバモイル基、N-シクロヘキシルカルバモイル基、N-シクロヘプチルカルバモイル基、及びN-シクロオクチルカルバモイル基等のN-モノ置換カルバモイル基;N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-メチル-N-エチルカルバモイル基、N-エチル-N-n-ブチルカルバモイル基、及びN-n-ブチル-N-n-ヘキシルカルバモイル基等のN,N-ジ置換カルバモイル基が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのアミノ基が窒素原子に結合する有機基を有する場合、当該有機基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3~Ra10としてのヒドロカルビルチオ基としては、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、及びアラルキルチオ基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、及びtert-ブチルチオ基等が挙げられる。
シクロアルキルチオ基としては、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、及びシクロオクチルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、フェニルチオ基、ナフタレン-1-イルチオ基、及びナフタレン-2-イルチオ基等が挙げられる。
アラルキルチオ基としては、ベンジルチオ基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのヒドロカルビルチオ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、及びシアノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、及びtert-ブチルチオ基等が挙げられる。
シクロアルキルチオ基としては、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、及びシクロオクチルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、フェニルチオ基、ナフタレン-1-イルチオ基、及びナフタレン-2-イルチオ基等が挙げられる。
アラルキルチオ基としては、ベンジルチオ基等が挙げられる。
Ra3~Ra10としてのヒドロカルビルチオ基は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホネート基、及びシアノ基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3、及びRa4が、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下の炭化水素基であるのも好ましい。
当該炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基であってもよい。
アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
アルキル基としては、炭素原子数1以上20以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上12以下の直鎖状アルキル基がより好ましく、メチル基、及びエチル基がさらに好ましい。
直鎖状アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、及びn-ブチル基等が挙げられる。
分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、及びネオペンチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素原子数3以上20以下のシクロアルキル基が好ましく、炭素原子数5以上12以下のシクロアルキル基がより好ましい。
シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素原子数6以上20以下のアリールきが好ましく、炭素原子数6以上12以下のアリール基がより好ましく、フェニル基、又はメシチル基がより好ましい。
アリール基の例としては、フェニル基、ナフタレン-1-イル基、ナフタレン-2-イル基、4-トリル基、及びメシチル基等が挙げられる。
当該炭化水素基は、置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基、及びシリル基等が挙げられる。
当該炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基であってもよい。
アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
アルキル基としては、炭素原子数1以上20以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上12以下の直鎖状アルキル基がより好ましく、メチル基、及びエチル基がさらに好ましい。
直鎖状アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、及びn-ブチル基等が挙げられる。
分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、及びネオペンチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素原子数3以上20以下のシクロアルキル基が好ましく、炭素原子数5以上12以下のシクロアルキル基がより好ましい。
シクロアルキル基の例としては、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素原子数6以上20以下のアリールきが好ましく、炭素原子数6以上12以下のアリール基がより好ましく、フェニル基、又はメシチル基がより好ましい。
アリール基の例としては、フェニル基、ナフタレン-1-イル基、ナフタレン-2-イル基、4-トリル基、及びメシチル基等が挙げられる。
当該炭化水素基は、置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、ニトロ基、スルホニル基、及びシリル基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa3、及びRa4は、互いに連結して環を形成してもよい。形成される環は、脂肪族環であってもよく、及び芳香族環であってもよい。
Ra3、及びRa4が連結して形成される2価の基としては、エタン-1,2-ジイル基、エチレン-1,2-ジイル基、シクロヘキサン-1,2-ジイル基、ノルボルナン-1,2-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、2,3-ジメチルブタン-2,3-ジイル基、及びペンタン-2,4-ジイル基、ベンゼン-1,2-ジイル基、及びナフタレン-1,8-ジイル基等が挙げられる。
Ra3、及びRa4が連結して形成される2価の基としては、エタン-1,2-ジイル基、エチレン-1,2-ジイル基、シクロヘキサン-1,2-ジイル基、ノルボルナン-1,2-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、2,3-ジメチルブタン-2,3-ジイル基、及びペンタン-2,4-ジイル基、ベンゼン-1,2-ジイル基、及びナフタレン-1,8-ジイル基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa5、及びRa8は、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数1以上12以下のアルキル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、又はtert-ブチル基である。
式(a-2)におけるRa6、及びRa7は、それぞれ独立に、炭素原子数7以上20以下のアリール基であるのも好ましい。
当該アリール基の好適な例としては、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、ナフチル基、2-メチルナフタレン-1-イル基、3-メチルナフタレン-1-イル基、4-メチルナフタレン-1-イル基、2,3-ジメチルナフタレン-1-イル基、2,4-ジメチルナフタレン-1-イル基、2,5-ジメチルナフタレン-1-イル基、2,6-ジメチルナフタレン-1-イル基、3,4-ジメチルナフタレン-1-イル基、3,5-ジメチルナフタレン-1-イル基、3,6-ジメチルナフタレン-1-イル基、アントラセン-1-イル基、アントラセン-10-イル基、2-メチルアントラセン-1-イル基、3-メチルアントラセン-10-イル基、4-メチルアントラセン-10-イル基、2,3-ジメチルアントラセン-10-イル基、2,4-ジメチルアントラセン-10-イル基、2,5-ジメチルアントラセン-10-イル基、2,6-ジメチルアントラセン-10-イル基、3,4-ジメチルアントラセン-10-イル基、3,5-ジメチルアントラセン-10-イル基、3,6-ジメチルアントラセン-10-イル基、及び2-メチルアントラセン-10-イル基等が挙げられる。
当該アリール基の好適な例としては、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、ナフチル基、2-メチルナフタレン-1-イル基、3-メチルナフタレン-1-イル基、4-メチルナフタレン-1-イル基、2,3-ジメチルナフタレン-1-イル基、2,4-ジメチルナフタレン-1-イル基、2,5-ジメチルナフタレン-1-イル基、2,6-ジメチルナフタレン-1-イル基、3,4-ジメチルナフタレン-1-イル基、3,5-ジメチルナフタレン-1-イル基、3,6-ジメチルナフタレン-1-イル基、アントラセン-1-イル基、アントラセン-10-イル基、2-メチルアントラセン-1-イル基、3-メチルアントラセン-10-イル基、4-メチルアントラセン-10-イル基、2,3-ジメチルアントラセン-10-イル基、2,4-ジメチルアントラセン-10-イル基、2,5-ジメチルアントラセン-10-イル基、2,6-ジメチルアントラセン-10-イル基、3,4-ジメチルアントラセン-10-イル基、3,5-ジメチルアントラセン-10-イル基、3,6-ジメチルアントラセン-10-イル基、及び2-メチルアントラセン-10-イル基等が挙げられる。
式(a-2)におけるRa9、及びRa10は、好ましくは水素原子、又はアルキル基であり、より好ましくは水素原子、又は炭素原子数1以上12以下のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、又はイソブチル基である。
式(a-2)で表される化合物の好適な具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
下記式において、Meはメチル基であり、Etはエチル基であり、Phはフェニル基であり、Mesはメシチル基であり、OMeはメトキシ基であり、iPrはイソプロピル基であり、Mは周期律表第10族遷移金属元素の原子である。下記の化合物において、Mは、ニッケル、又はパラジウムが好ましく、パラジウムがより好ましい。
下記式において、Meはメチル基であり、Etはエチル基であり、Phはフェニル基であり、Mesはメシチル基であり、OMeはメトキシ基であり、iPrはイソプロピル基であり、Mは周期律表第10族遷移金属元素の原子である。下記の化合物において、Mは、ニッケル、又はパラジウムが好ましく、パラジウムがより好ましい。
以上説明した含金属触媒の使用量は、2-エチルノルボルネンを含む単量体の重合反応が良好に進行する限り特に限定されない。含金属触媒の使用量は、2-エチルノルボルネンを含む単量体100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上10質量部以下がより好ましく、1.5質量部以上6質量部以下がさらに好ましい。
<重合方法>
含金属触媒の存在下での2-アルキルノルボルネンを含む単量体の重合は典型的には、有機溶媒中で行われる。重合反応はバッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。
含金属触媒の存在下での2-アルキルノルボルネンを含む単量体の重合は典型的には、有機溶媒中で行われる。重合反応はバッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよい。
有機溶媒としては、重合反応を阻害しないかぎり特に限定されない。好ましい有機溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒等の炭化水素溶媒や、ハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。好ましい溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、イソドデカン、ミネラルオイル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びデカヒドロナフタレン(デカリン)等の脂肪族炭化水素溶媒や、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素溶媒や、クロロホルム、メチレンクロライド、ジクロロメタン、ジクロロエタン、及びクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、重合反応が所望する程度に進行する限り特に限定されない。有機溶媒の使用量は、2-アルキルノルボルネンを含む単量体100質量に対して、50質量部以上5000質量部以下が好ましく、100質量部以上3000質量部以下がより好ましく、150質量部以上2000質量部以下がさらに好ましい。
重合温度は、所望する程度に重合が進行する限り特に限定されない。重合温度は、-50℃以上200℃以下が好ましく、-30℃以上100℃以下がより好ましく、-10℃以上50℃以下がさらに好ましい。
重合を行う際には、含金属触媒とともに、助触媒を用いてもよい。助触媒の好ましい例としては、有機アルミニウム化合物、及びホウ素化合物が挙げられる。
(有機アルミニウム化合物)
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、及びジアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、及びジアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
トリアルキルアルミニウムの好適な具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリ-n-ヘキシルアルミニウム等が挙げられる。
ジアルキルアルミニウムクロライドの好適な具体例としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ-n-プロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、及びジ-n-ヘキシルアルミニウムクロライド等が挙げられる。
アルキルアルミニウムジクロライドの好適な具体例としては、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、n-プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、及びn-ヘキシルアルミニウムジクロライド等が挙げられる。
ジアルキルアルミニウムハイドライドの好適な具体例としては、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ-n-プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、及びジ-n-ヘキシルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
また、アルミノキサンも有機アルミニウム化合物として好ましい。アルミノキサンとしては、アルキルアルミノキサンが好ましく用いられる。アルキルアルミノキサンとしては、例えば、下記式(b1-1)又は(b1-2)で表される化合物が挙げられる。下記式(b1-1)又は(b1-2)で表されるアルキルアルミノキサンは、トリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。
アルキルアルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン及びメチルアルミノキサンのメチル基の一部を他のアルキル基で置換した修飾メチルアルミノキサンが挙げられる。修飾メチルアルミノキサンとしては、例えば、置換後のアルキル基として、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等の炭素原子数2以上4以下のアルキル基を有する修飾メチルアルミノキサンが好ましく、特に、メチル基の一部をイソブチル基で置換した修飾メチルアルミノキサンがより好ましい。アルキルアルミノキサンの具体例としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルエチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサン等が挙げられ、中でも、メチルアルミノキサン及びメチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。
アルキルアルミノキサンは、公知の方法で調製することができる。また、アルキルアルミノキサンとしては、市販品を用いてもよい。アルキルアルミノキサンの市販品としては、例えば、MMAO-3A、TMAO-200シリーズ、TMAO-340シリーズ、固体MAO(いずれも東ソー・ファインケム(株)製)やメチルアルミノキサン溶液(アルベマール社製)等が挙げられる。
(ホウ素化合物)
ホウ素化合物としては、従来から、オレフィン類の重合において助触媒として使用されているホウ素化合物を特に限定なく用いることができる。
ホウ素化合物としては、従来から、オレフィン類の重合において助触媒として使用されているホウ素化合物を特に限定なく用いることができる。
助触媒としてのホウ素化合物の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5-トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4-トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペン
タフルオロフェニル)ボラン、リチウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、カリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’-ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラブチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-2,4,6-トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びトリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
タフルオロフェニル)ボラン、リチウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、カリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’-ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラブチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル-2,4,6-トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びトリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物の使用量は、典型的には、含金属触媒1モルに対して、0.1モル以上10000モル以下が好ましく、5モル以上2000モル以上がより好ましい。
ホウ素化合物の使用量は、典型的には、含金属触媒1モルに対して、0.01モル以上100モル以下が好ましく、0.5モル以上10モル以下がより好ましい。
ホウ素化合物の使用量は、典型的には、含金属触媒1モルに対して、0.01モル以上100モル以下が好ましく、0.5モル以上10モル以下がより好ましい。
<ノルボルナン骨格含有重合体>
以上説明した方法によれば、下記式(A)で表される構成単位を含むノルボルナン骨格含有重合体が得られる。
(式(A)中、R1はアルキレン基であり、n1は0又は1であり、複数の構成単位におけるR1としてのアルキレン基は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。)
以上説明した方法によれば、下記式(A)で表される構成単位を含むノルボルナン骨格含有重合体が得られる。
当該ノルボルナン骨格含有重合体の試料について、JIS K7121に記載の方法に従って、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で示差走査熱量計による測定を行う場合、200℃~300℃の範囲内に融点のピークを有さないDSC曲線が得られる。
熱流の値に関する軸と、温度の値に関する軸とを有する直交座標平面上でのDSC曲線における融点のピークの存在は、得られたDSC曲線の温度微分曲線であるdDSC曲線から確認できる。具体的には、dDSC曲線において、正のピーク(上方に凸のピーク)と、負のピーク(下方に凸のピーク)とが、温度に関する軸の低温側から高温側に向かって連続して存在することにより、DSC曲線において融点ピークが存在することを確認できる。
熱流の値に関する軸と、温度の値に関する軸とを有する直交座標平面上でのDSC曲線における融点のピークの存在は、得られたDSC曲線の温度微分曲線であるdDSC曲線から確認できる。具体的には、dDSC曲線において、正のピーク(上方に凸のピーク)と、負のピーク(下方に凸のピーク)とが、温度に関する軸の低温側から高温側に向かって連続して存在することにより、DSC曲線において融点ピークが存在することを確認できる。
前述のように、環状オレフィンとエチレンとの共重合体のような従来の環状オレフィン共重合体は、環状オレフィンに由来する脂環式単位が連続する脂環式ブロックを分子鎖中に不可避的に含む。この脂環式ブロックが、環状オレフィン共重合体の結晶性を高める。このため、従来の環状オレフィン共重合体の試料について示差走査熱量計による測定を行う場合、得られるDSC曲線は、結晶融解に基づく融点ピークを有する。
他方、上記の方法により得られるノルボルネン骨格含有重合体の分子鎖は、trans-ノルボルナン-2,3-ジイル単位と、2-アルキルノルボルネンが有するアルキル基に由来するアルキレン基とが、交互に規則的に並んだ構造を含み、脂環式単位が連続する脂環式ブロックを少量しか含まないか含まない。
このため、上記の方法により得られるノルボルネン骨格含有重合体の試料について示差走査熱量計による測定を行う場合、得られるDSC曲線が、結晶融解に基づく融点ピークを有さないと考えられる。
他方、上記の方法により得られるノルボルネン骨格含有重合体の分子鎖は、trans-ノルボルナン-2,3-ジイル単位と、2-アルキルノルボルネンが有するアルキル基に由来するアルキレン基とが、交互に規則的に並んだ構造を含み、脂環式単位が連続する脂環式ブロックを少量しか含まないか含まない。
このため、上記の方法により得られるノルボルネン骨格含有重合体の試料について示差走査熱量計による測定を行う場合、得られるDSC曲線が、結晶融解に基づく融点ピークを有さないと考えられる。
つまり、得られるDSC曲線が、結晶融解に基づく融点ピークを有さないことは、ノルボルナン骨格含有重合体が、脂環式単位が連続する脂環式ブロックを少量しか含まないか含まないことを示す。
脂環式単位が連続する脂環式ブロックを少量しか含まないか含まないノルボルナン骨格含有重合体は、前述の通り、ポリイミド樹脂との接着性に優れる。
また、DSC曲線が、結晶融解に基づく融点ピークを有さない場合、ノルボルナン骨格含有重合体が透明性に優れる傾向がある。
脂環式単位が連続する脂環式ブロックを少量しか含まないか含まないノルボルナン骨格含有重合体は、前述の通り、ポリイミド樹脂との接着性に優れる。
また、DSC曲線が、結晶融解に基づく融点ピークを有さない場合、ノルボルナン骨格含有重合体が透明性に優れる傾向がある。
上記方法により得られるノルボルナン骨格含有重合体における、上記式(A)で表される構成単位の含有量は、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
また、以上説明した方法によれば、分子鎖中に、ノルボルナン-2,3-ジイル基と、1種又は2種以上のアルキレン基とが交互に繰り返された部分を有し、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定により得られる13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在する、ノルボルナン骨格含有重合体が得られる。
13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在することは、分子鎖中にtrans-ノルボルナン-2,3-ジイル基が存在することを意味する。
このため、ノルボルナン-2,3-ジイル基と、1種又は2種以上のアルキレン基とが交互に繰り返された部分は、上述の式(A)で表される構成単位が繰り返された部分に該当する。
このため、ノルボルナン-2,3-ジイル基と、1種又は2種以上のアルキレン基とが交互に繰り返された部分は、上述の式(A)で表される構成単位が繰り返された部分に該当する。
ノルボルナン骨格含有重合体が良好な機械物性を保持する点で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算値として測定されるノルボルナン骨格含有重合体の数平均分子量Mnは、10,000g/mol以上が好ましく、20,000g/mol以上がより好ましい。
また、ノルボルナン骨格含有重合体の加工性が良好である点で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算値として測定される重量平均分子量Mwと、数平均分子量Mnとに基づいて、Mw/Mnとして定義されるノルボルナン骨格含有重合体の分子量分布は、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましい。
また、ノルボルナン骨格含有重合体の加工性が良好である点で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算値として測定される重量平均分子量Mwと、数平均分子量Mnとに基づいて、Mw/Mnとして定義されるノルボルナン骨格含有重合体の分子量分布は、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましい。
ノルボルナン骨格含有重合体のガラス転移温度は特に限定されないが、加工性の観点から、例えば185℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましく、120℃以下がさらにより好ましく、100℃以下が特に好ましい。
2つのノルボルナン-2,3-ジイル基を連結するアルキレン鎖が長いほど、ノルボルナン骨格含有重合体のガラス転移温度が低い傾向がある。
2つのノルボルナン-2,3-ジイル基を連結するアルキレン鎖が長いほど、ノルボルナン骨格含有重合体のガラス転移温度が低い傾向がある。
以上説明したノルボルナン骨格含有重合体は、押出成形や射出成形等の種々の溶融加工方法において、良好に成形品に加工される。
ノルボルナン骨格含有重合体は透明であるため、例えば、フィルム、シート、又はレンズの成形に好適に用いられる。
また、前述の通り、ノルボルナン骨格含有重合体はポリイミド樹脂との接着性に優れるため、ポリイミドフィルムの改質剤、リジット基板の改質材等の電子材料として好適に用いられる。
また、前述の通り、ノルボルナン骨格含有重合体はポリイミド樹脂との接着性に優れるため、ポリイミドフィルムの改質剤、リジット基板の改質材等の電子材料として好適に用いられる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]
反応容器内に、2-エチルノルボルネン0.122gと、下記式の含金属触媒(触媒C1)0.0055gと、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート(NaBARF)0.0106gと、ジクロロメタン0.5mLとを加えた後、容器内の反応液を室温で20分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、ノルボルナン骨格含有重合体0.107gを得た。
反応容器内に、2-エチルノルボルネン0.122gと、下記式の含金属触媒(触媒C1)0.0055gと、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート(NaBARF)0.0106gと、ジクロロメタン0.5mLとを加えた後、容器内の反応液を室温で20分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、ノルボルナン骨格含有重合体0.107gを得た。
〔実施例2〕
反応容器内に、2-エチルノルボルネン0.244gと、下記式の含金属触媒(触媒C2)0.0120gと、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート(NaBARF)0.0212gと、ジクロロメタン1.0mLとを加えた後、容器内の反応液を室温で30分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、ノルボルナン骨格含有重合体0.230gを得た。
反応容器内に、2-エチルノルボルネン0.244gと、下記式の含金属触媒(触媒C2)0.0120gと、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート(NaBARF)0.0212gと、ジクロロメタン1.0mLとを加えた後、容器内の反応液を室温で30分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、ノルボルナン骨格含有重合体0.230gを得た。
〔実施例3〕
反応容器内に、2-メチルノルボルネン0.108gと、実施例1で用いた含金属触媒(触媒C1)0.0055gと、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート(NaBARF)0.0106gと、ジクロロメタン0.5mLとを加えた後、容器内の反応液を室温で20分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、ノルボルナン骨格含有重合体0.0817gを得た。
反応容器内に、2-メチルノルボルネン0.108gと、実施例1で用いた含金属触媒(触媒C1)0.0055gと、ナトリウムテトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート(NaBARF)0.0106gと、ジクロロメタン0.5mLとを加えた後、容器内の反応液を室温で20分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、ノルボルナン骨格含有重合体0.0817gを得た。
得られたノルボルナン骨格含有樹脂について、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定を行ったところ、得られた13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在した。
得られたノルボルナン骨格含有重合体について、以下の条件により、JIS K7121に従って、示差走査熱量計による測定を行ったところ、200℃~300℃の範囲内に融点のピークを有さないDSC曲線が得られた。
DSC装置:示差走査熱量計(TA Instrument社製 DSC-Q1000)
測定雰囲気:窒素
昇温条件:20℃/分
DSC装置:示差走査熱量計(TA Instrument社製 DSC-Q1000)
測定雰囲気:窒素
昇温条件:20℃/分
得られたノルボルナン骨格含有重合体について、以下の方法に従い、透明性、ポリイミド樹脂への密着性、及びバリア性を評価した。これらの評価結果について、表1に記す。
透明性:得られたノルボルナン骨格含有樹脂を溶融させた。溶融したノルボルナン骨格含有樹脂を、ガラス基板上で製膜した後に冷却し、厚さ100μmのフィルムサンプルを調製した。フィルムサンプルを目視で観察して、フィルムサンプルの透明性を評価した。透明の場合を〇とし、不透明な場合を×とした。
ポリイミド樹脂への密着性:カプトンフィルム上でのノルボルナン骨格含有樹脂を用いた溶融プレスを実施し、カプトンフィルム上にノルボルナン骨格含有樹脂のフィルムを備える積層フィルムを得た。得られた積層フィルムにおいてカプトンフィルムから、ノルボルナン骨格含有樹脂のフィルムを剥離させ、カプトンフィルムからの剥がれやすさに基づいて、ノルボルナン骨格含有樹脂のポリイミド樹脂への密着性を評価した。剥がれにくい場合を〇とし、剥がれやすい場合を×とした。
水蒸気バリア性:透明性の評価と同様にして、厚さ100μmのノルボルナン骨格含有樹脂のフィルムサンプルを得た。得られたフィルムサンプルを用いて、JIS Z0208の方法に従い、40℃、90%RHの条件において水蒸気バリア性を評価した。水蒸気バリア性をg/m2/24hの単位で評価した。4g/m2/24h以下の場合を〇とし、4g/m2/24hを超える場合を×とした。
〔比較例2〕
比較例2において、比較例1で用いた触媒C3を用いた。よく乾燥させた、撹拌子を含む150mLステンレス製オートクレーブに、トルエン56g及び2-ノルボルネン8.5gを加えた。次いで、9.0質量%(Al原子の含有量として)TMAO-211トルエン溶液(メチルアルミノキサンの溶液、東ソー・ファインケム(株)製、なお全Alに対して26mol%のトリメチルアルミニウムを含有する)をオートクレーブ内に2mL添加した。そして、90℃になるまでオートクレーブを加熱した後、オートクレーブ内に触媒のトルエン溶液を、触媒量が10μmolになるように添加した。次いで、オートクレーブ内にゲージ圧として0.7MPaのエチレン圧をかけた。加圧開始から30秒後を重合開始点とした。その後、容器内の反応液を15分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、エチレン-ノルボルネン共重合体2.7gを得た。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定を行ったところ、得られた13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在しなかった。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、実施例1と同様に、透明性、ポリイミド樹脂への密着性、及びバリア性を評価した。これらの評価結果について、表1に記す。
比較例2において、比較例1で用いた触媒C3を用いた。よく乾燥させた、撹拌子を含む150mLステンレス製オートクレーブに、トルエン56g及び2-ノルボルネン8.5gを加えた。次いで、9.0質量%(Al原子の含有量として)TMAO-211トルエン溶液(メチルアルミノキサンの溶液、東ソー・ファインケム(株)製、なお全Alに対して26mol%のトリメチルアルミニウムを含有する)をオートクレーブ内に2mL添加した。そして、90℃になるまでオートクレーブを加熱した後、オートクレーブ内に触媒のトルエン溶液を、触媒量が10μmolになるように添加した。次いで、オートクレーブ内にゲージ圧として0.7MPaのエチレン圧をかけた。加圧開始から30秒後を重合開始点とした。その後、容器内の反応液を15分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、エチレン-ノルボルネン共重合体2.7gを得た。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定を行ったところ、得られた13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在しなかった。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、実施例1と同様に、透明性、ポリイミド樹脂への密着性、及びバリア性を評価した。これらの評価結果について、表1に記す。
〔比較例3〕
比較例3において、下記構造の触媒C4を用いた。よく乾燥させた、撹拌子を含む150mLステンレス製オートクレーブに、トルエン56g及び2-ノルボルネン8.5gを加えた。次いで、9.0質量%(Al原子の含有量として)TMAO-211トルエン溶液(メチルアルミノキサンの溶液、東ソー・ファインケム(株)製、なお全Alに対して26mol%のトリメチルアルミニウムを含有する)をオートクレーブ内に2mL添加した。そして、90℃になるまでオートクレーブを加熱した後、オートクレーブ内に触媒のトルエン溶液を、触媒量が0.1μmolになるように添加した。次いで、オートクレーブ内にゲージ圧として0.7MPaのエチレン圧をかけた。加圧開始から30秒後を重合開始点とした。その後、容器内の反応液を15分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、エチレン-ノルボルネン共重合体1.1gを得た。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定を行ったところ、得られた13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在しなかった。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、実施例1と同様に、透明性、ポリイミド樹脂への密着性、及びバリア性を評価した。これらの評価結果について、表1に記す。
比較例3において、下記構造の触媒C4を用いた。よく乾燥させた、撹拌子を含む150mLステンレス製オートクレーブに、トルエン56g及び2-ノルボルネン8.5gを加えた。次いで、9.0質量%(Al原子の含有量として)TMAO-211トルエン溶液(メチルアルミノキサンの溶液、東ソー・ファインケム(株)製、なお全Alに対して26mol%のトリメチルアルミニウムを含有する)をオートクレーブ内に2mL添加した。そして、90℃になるまでオートクレーブを加熱した後、オートクレーブ内に触媒のトルエン溶液を、触媒量が0.1μmolになるように添加した。次いで、オートクレーブ内にゲージ圧として0.7MPaのエチレン圧をかけた。加圧開始から30秒後を重合開始点とした。その後、容器内の反応液を15分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、エチレン-ノルボルネン共重合体1.1gを得た。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定を行ったところ、得られた13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在しなかった。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、実施例1と同様に、透明性、ポリイミド樹脂への密着性、及びバリア性を評価した。これらの評価結果について、表1に記す。
〔比較例4〕
比較例4において、下記構造の触媒C5を用いた。よく乾燥させた、撹拌子を含む150mLステンレス製オートクレーブに、トルエン56g及び2-ノルボルネン8.5gを加えた。次いで、9.0質量%(Al原子の含有量として)TMAO-211トルエン溶液(メチルアルミノキサンの溶液、東ソー・ファインケム(株)製、なお全Alに対して26mol%のトリメチルアルミニウムを含有する)をオートクレーブ内に2mL添加した。そして、90℃になるまでオートクレーブを加熱した後、オートクレーブ内に触媒のトルエン溶液を、触媒量が0.1μmolになるように添加した。次いで、オートクレーブ内にゲージ圧として0.7MPaのエチレン圧をかけた。加圧開始から30秒後を重合開始点とした。その後、容器内の反応液を15分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、エチレン-ノルボルネン共重合体2.0gを得た
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定を行ったところ、得られた13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在しなかった。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、実施例1と同様に、透明性、ポリイミド樹脂への密着性、及びバリア性を評価した。これらの評価結果について、表1に記す。
比較例4において、下記構造の触媒C5を用いた。よく乾燥させた、撹拌子を含む150mLステンレス製オートクレーブに、トルエン56g及び2-ノルボルネン8.5gを加えた。次いで、9.0質量%(Al原子の含有量として)TMAO-211トルエン溶液(メチルアルミノキサンの溶液、東ソー・ファインケム(株)製、なお全Alに対して26mol%のトリメチルアルミニウムを含有する)をオートクレーブ内に2mL添加した。そして、90℃になるまでオートクレーブを加熱した後、オートクレーブ内に触媒のトルエン溶液を、触媒量が0.1μmolになるように添加した。次いで、オートクレーブ内にゲージ圧として0.7MPaのエチレン圧をかけた。加圧開始から30秒後を重合開始点とした。その後、容器内の反応液を15分間撹拌して、重合を行った。
反応後、反応溶液をメタノールに注ぎ、不溶部をろ過して、エチレン-ノルボルネン共重合体2.0gを得た
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定を行ったところ、得られた13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在しなかった。
得られたエチレン-ノルボルネン共重合体について、実施例1と同様に、透明性、ポリイミド樹脂への密着性、及びバリア性を評価した。これらの評価結果について、表1に記す。
表1によれば、2-エチルノルボルネン又は2-メチルノルボルネンを、周期律表第10族遷移金属元素であるPdを含む触媒C1又は触媒C2を用いて重合して得た実施例1~3のノルボルナン骨格含有重合体のみが、良好な透明性と、良好なポリイミド樹脂への密着性とを兼ね備えることが分かる。
また、実施例1~3のノルボルナン骨格含有重合体は、13C NMRスペクトルにおいて48ppm~55ppmの範囲内にピークを有することから、分子鎖中にtrans-ノルボルナン-2,3-ジイル基を含む。
また、触媒C1及び触媒C2が、所謂チェーン・ウォーキング機構による重合を進行させることを考慮すると、実施例1のノルボルナン骨格含有重合体は、式(a2)で表され、nが1である構成単位が繰り返された部分を含むと言える。
また、実施例1~3のノルボルナン骨格含有重合体は、13C NMRスペクトルにおいて48ppm~55ppmの範囲内にピークを有することから、分子鎖中にtrans-ノルボルナン-2,3-ジイル基を含む。
また、触媒C1及び触媒C2が、所謂チェーン・ウォーキング機構による重合を進行させることを考慮すると、実施例1のノルボルナン骨格含有重合体は、式(a2)で表され、nが1である構成単位が繰り返された部分を含むと言える。
他方、エチレンと、ノルボルネンとの共重合体である比較例2~比較例4のエチレン-ノルボルネン共重合体は、透明性と、ポリイミド樹脂への密着性との少なくとも一方が劣っていた。
Claims (10)
- 1種、又は2種以上の2-アルキルノルボルネンを、含金属触媒の存在下に重合して、ノルボルナン骨格含有重合体を生成させることを含み、
前記含金属触媒が、周期律表第10族遷移金属元素の原子を含有する金属化合物である、ノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。 - 重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定により得られる、前記ノルボルナン骨格含有重合体の13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在する、請求項1~3のいずれか1項に記載のノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
- 前記周期律表第10族遷移金属元素が、ニッケル又はパラジウムである、請求項1~4のいずれか1項に記載のノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
- 前記金属化合物が、ジイミン化合物に由来するリガンドを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のノルボルナン骨格含有重合体の製造方法。
- 重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定により得られる13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在する、請求項7、又は請求項8に記載のノルボルナン骨格含有重合体。
- 分子鎖中に、ノルボルナン-2,3-ジイル基と、1種又は2種以上のアルキレン基とが交互に繰り返された部分を含み、重クロロホルムを溶媒として用いる13C NMR測定により得られる13C NMRスペクトルにおいて、48ppm~55ppmの範囲内にピークが存在する、ノルボルナン骨格含有重合体。
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