JP2023041359A - 成形品、成形品の製造方法および成形品の金属イオン溶出低減方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、機械的物性を維持しながらも耐溶出性を発揮する熱可塑性樹脂を含有する成形品を提供することにある。【解決手段】本発明の目的は、少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBと親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であって、該無機フィラーBの表面積の80%以上が該熱可塑性樹脂Cにより被覆されている成形品、によって達成された。【選択図】図1
Description
本発明は、水分に接触する用途に使用される耐溶出性を有する成形品に関し、既存の材料よりもさらに優れた耐溶出性を有する熱可塑性樹脂を含有する成形品、その成形品の製造方法およびその成形品の金属イオン溶出低減方法に関する。
熱可塑性樹脂からなる成形品は、機械的特性、電気的特性、耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性及び耐溶剤性に優れる等の理由により、自動車部品、電気・電子部品、産業用機械部品、医療部品等の種々の用途に広く利用されている。
熱可塑性樹脂は錆ない特徴を有しているため、水分に接触する用途に用いられることも多い。しかし、水分に接触する用途の中でも特に燃料電池用冷却水循環ポンプ部品や半導体素子表面洗浄用の輸送配管、クリーンルーム用容器等、不純物が問題となる用途では熱可塑性樹脂の機械的特性や耐熱性等の改善に配合される無機フィラー等の成分による金属イオンの溶出などの問題があり、必ずしも十分な特性を示すことができていなかった。
耐溶出性を、材料面から改善するための検討が行われている。例えば、特許文献1には、ポリエチレン―プロピレン樹脂に鱗片状充填剤と繊維状充填材を含有させた樹脂組成物で、80℃の純水に浸漬した時に溶出する金属イオン量を規定している。また特許文献2では、金属イオンを捕捉する顆粒状の層状複水酸化物が充填された容器が提案されている。
しかしながらこの技術では金属イオンの捕捉効果は見られるものの、機械的特性が十分でなく、さらなる改善が求められている。
本発明の目的は、機械的物性を維持しながらも金属イオンの耐溶出性を発揮する熱可塑性樹脂を含有する成形品を提供することにある。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1. 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBとの親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であって、該無機フィラーBの表面積の80%以上が該熱可塑性樹脂Cにより被覆されている成形品。
2. 前記熱可塑性樹脂Cがオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂である前記1記載の成形品。
3. 前記成形品が半導体部品、電池部品、配管部品のいずれかである前記1または2に記載の成形品。
4. 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBとの親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む樹脂組成物の金属イオン低溶出性成形品の製造方法であって、該無機フィラーBと該熱可塑性樹脂Cをあらかじめ溶融混練することで、該無機フィラーBを該熱可塑性樹脂Cで被覆してから、該熱可塑性樹脂Aと溶融混練する、金属イオン低溶出性成形品の製造方法。
5. 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBとの親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む樹脂組成物の金属イオン溶出低減方法であって、前記無機フィラーBと熱可塑性樹脂Cをあらかじめ溶融混練することで、前記無機フィラーBを前記熱可塑性樹脂Cで被覆してから、前記熱可塑性樹脂Aと溶融混練する、金属イオン溶出低減方法。
1. 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBとの親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であって、該無機フィラーBの表面積の80%以上が該熱可塑性樹脂Cにより被覆されている成形品。
2. 前記熱可塑性樹脂Cがオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂である前記1記載の成形品。
3. 前記成形品が半導体部品、電池部品、配管部品のいずれかである前記1または2に記載の成形品。
4. 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBとの親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む樹脂組成物の金属イオン低溶出性成形品の製造方法であって、該無機フィラーBと該熱可塑性樹脂Cをあらかじめ溶融混練することで、該無機フィラーBを該熱可塑性樹脂Cで被覆してから、該熱可塑性樹脂Aと溶融混練する、金属イオン低溶出性成形品の製造方法。
5. 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBとの親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む樹脂組成物の金属イオン溶出低減方法であって、前記無機フィラーBと熱可塑性樹脂Cをあらかじめ溶融混練することで、前記無機フィラーBを前記熱可塑性樹脂Cで被覆してから、前記熱可塑性樹脂Aと溶融混練する、金属イオン溶出低減方法。
本発明によれば、これまで以上に耐溶出性に優れた成形品を提供することができる。
本発明の耐溶出性用成形品は、少なくとも、熱可塑性樹脂A、該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBとの親和性を有する熱可塑性樹脂C及び無機フィラーBを含む樹脂組成物からなる耐溶出性用成形品であって、該無機フィラーBが該熱可塑性樹脂Cにより被覆されていることを特徴とする。
<熱可塑性樹脂A>
本発明の熱可塑性樹脂Aとして、結晶性熱可塑性樹脂や非晶性熱可塑性樹脂が好適に用いられる。結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレンPE、ポリプロピレンPP)。フッ素樹脂等が挙げられる。溶融成形加工性を有するものであればよい。
本発明の熱可塑性樹脂Aとして、結晶性熱可塑性樹脂や非晶性熱可塑性樹脂が好適に用いられる。結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレンPE、ポリプロピレンPP)。フッ素樹脂等が挙げられる。溶融成形加工性を有するものであればよい。
非晶性熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、環状オレフィン(共)重合体(COP、COC)等が挙げられるが、耐熱性面で特にポリカーボネート樹脂、環状オレフィン(共)重合体が好適に用いられる。特にポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂が好ましい。本発明の熱可塑性樹脂Aは、慣用の方法により製造できる。
<無機フィラーB>
本発明の成形品に含有させる無機フィラーBとしては、繊維状充填剤、板状充填剤、又は粉粒状充填剤を挙げることができる。
本発明の成形品に含有させる無機フィラーBとしては、繊維状充填剤、板状充填剤、又は粉粒状充填剤を挙げることができる。
繊維状充填剤としては、例えば、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ-アルミナ繊維、アルミニウムシリケート繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、炭化ケイ素繊維、ウィスカー(炭化ケイ素、アルミナ、窒化珪素等のウィスカー)等の無機質繊維を挙げることができる。
板状充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、ガラスフレーク、グラファイト等を挙げることができる。粉粒状充填剤としては、例えば、ガラスビーズ、ガラス粉、ミルドファイバー(例えば、ミルドガラスファイバー等)、ウォラストナイト(珪灰石)等を挙げることができる。
繊維状充填剤の平均径は、例えば、1μm~30μm(好ましくは5μm~20μm、さらに好ましくは10~15μm)程度、平均長は、例えば、100μm~5mm(好ましくは300μm~4mm、さらに好ましくは500μm~3.5mm)程度であってもよい。
また、板状又は粉粒状充填剤の平均一次粒子径は、例えば、0.1μm~500μm、好ましくは1μm~100μm程度とすることができる。これらの無機充填剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
なお、繊維状充填剤の平均径及び平均長、並びに板状又は粉粒状充填剤の平均一次粒子径は、樹脂組成物中に配合される前の繊維状充填材、板状又は粉粒状充填剤について、CCDカメラで撮影した画像を解析し、加重平均により算出した値である。これらは例えば、株式会社セイシン企業製、動的画像解析法/粒子(状態)分析計PITA-3等を用いて算出することができる。なお、板状又は粉状充填材のアスペクト比は、特に限定されず、例えば、1以上10以下とすることができる。
<熱可塑性樹脂C>
本発明の熱可塑性樹脂Cは、該熱可塑性樹脂A以外であって該無機フィラーBとの親和性を有し無機フィラーBを被覆することができ、耐水性に優れた樹脂が好ましい。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エラストマー等が挙げられる。エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂Cは、該熱可塑性樹脂A以外であって該無機フィラーBとの親和性を有し無機フィラーBを被覆することができ、耐水性に優れた樹脂が好ましい。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エラストマー等が挙げられる。エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられる。
≪ポリエチレン樹脂≫
ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体などが挙げられる。α-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体などが挙げられる。α-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。
エチレン-α-オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体などが挙げられる。
なお、密度もしくは形状で分類した場合、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)のいずれでも構わない。
≪ポリプロピレン樹脂≫
ポリプロピレン樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体、プロピレンブロック共重合体(プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、エチレンおよびα-オレフィンから選択されるモノマーの少なくとも1種とプロピレンとを共重合して得られる共重合体とからなる)などが挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体、プロピレンブロック共重合体(プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなる共重合体成分と、エチレンおよびα-オレフィンから選択されるモノマーの少なくとも1種とプロピレンとを共重合して得られる共重合体とからなる)などが挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂に用いられるα-オレフィンは、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンが好ましく、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンがより好ましい。
プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-1-ヘキセンランダム共重合体、プロピレン-1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。
プロピレン-エチレン-α-オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-エチレン-1-オクテン共重合体などが挙げられる。
プロピレンブロック共重合体としては、例えば、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)共重合体、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)共重合体、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)共重合体、(プロピレン)-(プロピレン-1-ブテン)共重合体、(プロピレン)-(プロピレン-1-ヘキセン)共重合体、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン)共重合体、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)共重合体、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)共重合体、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-ブテン)共重合体、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-ヘキセン)共重合体、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン)共重合体、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)共重合体、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)共重合体、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ブテン)共重合体、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ヘキセン)共重合体などが挙げられる。
≪フッ素系樹脂≫
フッ素系樹脂としては、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)単位およびテトラフルオロエチレン(TFE)単位を含む共重合体が例示できる。フッ素樹脂において、CTFE単位とTFE単位との含有割合は、バリア性、耐熱性の観点よりモル比で、好ましくは10/90~90/10であり、より好ましくは15/85~60/40であり、さらに好ましくは18/82~40/60である。
フッ素系樹脂としては、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)単位およびテトラフルオロエチレン(TFE)単位を含む共重合体が例示できる。フッ素樹脂において、CTFE単位とTFE単位との含有割合は、バリア性、耐熱性の観点よりモル比で、好ましくは10/90~90/10であり、より好ましくは15/85~60/40であり、さらに好ましくは18/82~40/60である。
フッ素樹脂は、バリア性、耐熱性、耐クラック性にも優れる熱可塑性樹脂組成物が得られることから、CTFE単位、TFE単位、ならびに、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体(α)に由来する単量体(α)単位を含むものが好ましい。
単量体(α)としては、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、エチレン、ビニリデンフルオライド(VdF)、CF2=CF-ORf1(式中、Rf1は、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、CX1X2=CX3(CF2)nX4(式中、X1、X2およびX3は同一もしくは異なって、水素原子またはフッ素原子;X4は、水素原子、フッ素原子または塩素原子;nは、1~10の整数)で表されるビニル単量体、CF2=CF-OCH2-Rf2(式中、Rf2は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体などがあげられ、なかでも、PAVE、上記ビニル単量体およびアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、PAVEおよびヘキサフルオロプロピレン(HFP)からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
≪オレフィン系エラストマー≫
オレフィン系エラストマーは、エチレン及び/又はプロピレンを成分として含む共重合体であり、具体的にはエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-オクテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられ、これらに限定されるものではないが、特に無機フィラーとの反応性基を有する、エポキシ基含有オレフィン系共重合体であることが最も好ましい。
オレフィン系エラストマーは、エチレン及び/又はプロピレンを成分として含む共重合体であり、具体的にはエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-オクテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられ、これらに限定されるものではないが、特に無機フィラーとの反応性基を有する、エポキシ基含有オレフィン系共重合体であることが最も好ましい。
更に、オレフィン系エラストマーの中でも、エチレン-不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体又はα-オレフィンとα,β-不飽和酸のグリシジルエステルから成るオレフィン系共重合体に、下記一般式(1)で示される繰返し単位で構成された重合体又は共重合体の一種又は二種以上が分岐又は架橋構造的に化学結合したグラフト共重合体も利用することができる。
α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン等のC2~4のオレフィンを使用することができ、エチレン、プロピレンであることが好ましい。α,β-不飽和酸グリシジルエステルとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートを使用することが好ましい。その他、C1~12の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等の第3成分を共重合させてもよい。
オレフィン及びグリシジルエステルは、共重合体中それぞれ30~90モル%。70~10モル%の範囲で調整することができ、第3成分は0~30モル%の範囲を含有させることができる。
本発明では特に、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体(以下EGMAともいう)であることが好ましい。エチレンに対するグリシジルメタクリレートの割合は特に制限されるものではないが、共重合体の変性部位を各単量体質量に換算し、共重合体100質量部に対する割合として1~30質量部、好ましくは3~20質量部、更に好ましくは8~15質量部の範囲が好ましい。
≪スチレン系エラストマー≫
スチレン系エラストマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル単量体の単独又は共重合体で構成されたハードセグメントと、α-オレフィン(エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどのα-C2-12オレフィンなど)、ジエン系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)などから選択された少なくとも一種の単量体の単独又は共重合体で構成されたソフトセグメントとのブロック又はグラフト共重合体(又はその水素添加物)などが例示できる。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル単量体の単独又は共重合体で構成されたハードセグメントと、α-オレフィン(エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどのα-C2-12オレフィンなど)、ジエン系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)などから選択された少なくとも一種の単量体の単独又は共重合体で構成されたソフトセグメントとのブロック又はグラフト共重合体(又はその水素添加物)などが例示できる。
また、前記スチレン系エラストマーは、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などの酸又は酸無水物で変性された酸変性エラストマー、グリシジル基やエポキシ基を有する共重合性モノマー(グリシジル(メタ)アクリレートなど)を用いたり、エラストマーの不飽和結合をエポキシ化して得られたエポキシ変性エラストマーなどの反応性官能基を有するエラストマーであってもよい。
代表的なスチレン系エラストマーとしては、スチレン-ジエン-スチレンブロック共重合体[スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)など]、水素添加ブロック共重合体[スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(又は水添(スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体))(SEBS)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(又は水添(スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体))(SEPS)、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、ランダムスチレン-ブタジエン共重合体の水素添加重合体など]、これらの共重合体に官能基(エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基など)が導入された変性共重合体[ジエンの不飽和結合がエポキシ化されたエポキシ化スチレン-ジエン共重合体(エポキシ化スチレン-ジエン-スチレンブロック共重合体又はその水素添加重合体など)など]が例示できる。
≪シリコーン系エラストマー≫
シリコーン系エラストマーとしては、オルガノポリシロキサンを主成分として含むエラストマーであり、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、およびポリジフェニルシロキサン系に分けられる。オルガノポリシロキサンの一部がビニル基、アルコキシ基等で変性されていてもよい。シリコーンエラストマーの具体例としては、シリコーンゴム(ポリ(ジメチルシロキサン)およびポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルビニルシロキサン))が挙げられる。
シリコーン系エラストマーとしては、オルガノポリシロキサンを主成分として含むエラストマーであり、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、およびポリジフェニルシロキサン系に分けられる。オルガノポリシロキサンの一部がビニル基、アルコキシ基等で変性されていてもよい。シリコーンエラストマーの具体例としては、シリコーンゴム(ポリ(ジメチルシロキサン)およびポリ(ジメチルシロキサン-co-メチルビニルシロキサン))が挙げられる。
商業的に入手可能なシリコーンエラストマーとしては、KEシリーズ(信越化学社製)、SEシリーズ、CYシリーズおよびSHシリーズ(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)がある。
本発明の無機フィラーBは、その表面が熱可塑性樹脂Cによって被覆されていることを特徴とする。被覆されているか否かは、成形品の断面をSEMで観察する、もしくは以下の方法(以下、被覆確認法ともいう)によって知ることができる。
熱可塑性樹脂Cによって被覆されている無機フィラーBは、熱可塑性樹脂Cと無機フィラーBを溶融混錬する被覆処理工程によって製造することができる。この熱可塑性樹脂Cを表面に被覆処理した無機フィラーBを、熱可塑性樹脂Aに溶融混練する。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Cの両方を溶解できる溶剤にて、被覆に関与していない熱可塑性樹脂Aと過剰の熱可塑性樹脂Cを取り除く。その後、被覆処理した無機フィラーBをFT-IRで測定する。
被覆処理していない無機フィラーと比較し、FT-IRの熱可塑性樹脂C由来の吸収が観測された場合、無機フィラーBが熱可塑性樹脂Cによって被覆されているということが分かる。
成形品用の樹脂組成物は、無機フィラーの表面に熱可塑性樹脂Cを被覆させる製造工程を経たのち、熱可塑性樹脂Aを添加し、さらに溶融混錬することによって製造することができる。
例えば、まず押出機にて無機フィラーBと熱可塑性樹脂Cを溶融混練し、ペレット化してマスターバッチ化した後、ポリエステル熱可塑性樹脂Aと前記マスターバッチを再び溶融混練してペレット化したものを、射出成形機により作成しても良いし、前記マスターバッチと熱可塑性樹脂Aを任意の比率でブレンド後、直接射出成形機に投入し作成しても良い。
また、マスターバッチ化しない方法、例えば無機フィラーBと熱可塑性樹脂Cを押出機に投入し溶融混練した後、熱可塑性樹脂Aを投入して溶融混練し、ペレット化後、射出成型を行っても良い。この場合、いわゆるタンデム型押出機を用いて混練しても良い。タンデム型押出機は各バレルでの使用スクリュー数、混練パターン、混練温度などを細かく設定することが可能である。
このような方法を用いて、熱可塑性樹脂Cにより被覆されている無機フィラーBが、熱可塑性樹脂A中に分散された状態の成形品を得ることができる。熱可塑性樹脂Cは、被覆させた熱可塑性樹脂Cに追加して熱可塑性樹脂Aとの溶融混錬時に添加してもよい。
本発明において、無機フィラーBは、熱可塑性樹脂A100質量部に対して20~200質量部含むことが好ましく、30~160質量部含むことがより好ましい。
本発明においては、熱可塑性樹脂Cで表面を被覆された無機フィラーB以外に、表面を被覆しない無機フィラーBNを配合することもできる。配合量は、所望の機械的物性により適宜選択されるが、熱可塑性樹脂A100質量部に対して0~200質量部含ませることが好ましい。
本発明について熱可塑性樹脂Cは無機フィラーBと親和性を有することが好ましい。ここで親和性とは、樹脂組成物の成形時等の溶融混練時に熱可塑性樹脂Cが無機フィラーBの表面から剥離しない程度を言う。
例えば熱可塑性樹脂Cが無機フィラーBと反応性を有する官能基を含むものであったり、無機フィラーBを表面処理剤で処理し、無機フィラーBの疎水性を減少させたり、熱可塑性樹脂Cの官能基との反応や水素結合を促進させるものであってもよい。また、熱可塑性樹脂Aよりも高粘度の熱可塑性樹脂Cを選択し、熱可塑性樹脂Aとの溶融混練時に、熱可塑性樹脂Cのせん断組成変形を減じるものであっても良い。
本発明の無機フィラーBは、表面積の80%以上が該熱可塑性樹脂Cにより被覆されている(以下この割合を被覆率ともいう。)。
被覆率は、調整した成形片の無機フィラーBの断面構造を、走査型電子顕微鏡を用いて反射電子像を撮影し、撮影された無機フィラーBの周の長さd1、および、無機フィラーBと熱可塑性樹脂Cとが当接する部分の長さd2を計測し、無機フィラーBが熱可塑性樹脂Cによって覆われる割合(被覆割合)dc(%)=(d2/d1)×100として算出した。被覆割合dcを任意に選択した20個の無機粒子Bについて測定し、その平均値を無機粒子Bが熱可塑性樹脂Cによって覆われる被覆率とした。
成形片の調整は、まず成形片の断面や表面を研磨し観察鏡面を作成する。鏡面を作成する方法は特に限定されるものではないが、例えば、ウルトラミクロトームを用いて室温、又は液体窒素やクライオシステム等による冷却温度下、ガラスナイフ又はダイヤモンドナイフを用いて観察鏡面を削り出す方法や、研磨機により研磨する方法を挙げることができる。さらに、イオンビームによって超平滑面を作製するイオンミリング法やFIB-SEM と呼ばれる手法で観察鏡面を削り出す方法により作成することが出来る。
被覆率は80%以上であるが、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
<他の成分>
本発明においては、本発明の効果を害さない範囲で、上記各成分の他、一般に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の添加剤、即ち、バリ抑制剤、離型剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、結晶化促進剤、結晶核剤、各種酸化防止剤、熱安定剤、耐候性安定剤、腐食防止剤等を配合してもよい。
本発明においては、本発明の効果を害さない範囲で、上記各成分の他、一般に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の添加剤、即ち、バリ抑制剤、離型剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、結晶化促進剤、結晶核剤、各種酸化防止剤、熱安定剤、耐候性安定剤、腐食防止剤等を配合してもよい。
<成形品>
本発明の成形品は、以上説明した成形品用の樹脂組成物を成形してなる。本発明の成形品を作製する方法としては特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、上記のような樹脂組成物を押出機に投入して溶融混練してペレット化し、このペレットを所定の金型を装備した射出成形機に投入し、射出成形することで製造することができる。この成形品によって耐溶出性を向上させることができる。
本発明の成形品は、以上説明した成形品用の樹脂組成物を成形してなる。本発明の成形品を作製する方法としては特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、上記のような樹脂組成物を押出機に投入して溶融混練してペレット化し、このペレットを所定の金型を装備した射出成形機に投入し、射出成形することで製造することができる。この成形品によって耐溶出性を向上させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。評価は、特に断りのない限り23℃50%RHの雰囲気下で行った。
<材料>
以下の材料を使用し、評価用試料を作製した。使用量(質量部)は、表1に示す。
A1 ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、固有粘度0.69dl/g、カルボン
酸末端濃度23meq/k):ポリプラスチックス社製
B1 マイカ:山口雲母工業所製ミカレット21PU
C1 エチレンーグリシジルメタクリレート共重合体:住友化学社製ボンドファースト7L
B1MC11 B1:C1=10:10(質量部)でブレンド後、溶融混練しマスターバッチ化したもの
BN1 ガラス繊維:日本電気硝子社製T187(直径13μm、長径3.0mm)
P 酸化防止剤:BASFジャパン社製 イルガノックス1010
Q 滑剤:三洋化成工業社製 サンワックス161-P
以下の材料を使用し、評価用試料を作製した。使用量(質量部)は、表1に示す。
A1 ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、固有粘度0.69dl/g、カルボン
酸末端濃度23meq/k):ポリプラスチックス社製
B1 マイカ:山口雲母工業所製ミカレット21PU
C1 エチレンーグリシジルメタクリレート共重合体:住友化学社製ボンドファースト7L
B1MC11 B1:C1=10:10(質量部)でブレンド後、溶融混練しマスターバッチ化したもの
BN1 ガラス繊維:日本電気硝子社製T187(直径13μm、長径3.0mm)
P 酸化防止剤:BASFジャパン社製 イルガノックス1010
Q 滑剤:三洋化成工業社製 サンワックス161-P
<樹脂組成物の製造>
マスターバッチは、BとCを表1に記載の量をシリンダー温度190℃で溶融混練後、ペレタイズして作製した。
実施例1は、樹脂A1とペレタイズしたマスターバッチおよびその他の成分である酸化防止剤P、滑剤Qとをホッパーから投入し、ガラス繊維BN1をサイドフィードから投入し、シリンダー温度260℃で混練後、射出成形し、試験片(80mm×10mm×4mt)である成形品を作製した。
上記被覆確認法によって、無機フィラーB1が熱可塑性樹脂C1により被覆されていることを確認した。被覆率は98%であった。
マスターバッチは、BとCを表1に記載の量をシリンダー温度190℃で溶融混練後、ペレタイズして作製した。
実施例1は、樹脂A1とペレタイズしたマスターバッチおよびその他の成分である酸化防止剤P、滑剤Qとをホッパーから投入し、ガラス繊維BN1をサイドフィードから投入し、シリンダー温度260℃で混練後、射出成形し、試験片(80mm×10mm×4mt)である成形品を作製した。
上記被覆確認法によって、無機フィラーB1が熱可塑性樹脂C1により被覆されていることを確認した。被覆率は98%であった。
比較例1は、樹脂A1、無機フィラーB1およびその他の成分である酸化防止剤P、滑剤Qとをホッパーから投入、熱可塑性樹脂C1とガラス繊維BN1をサイドフィードから投入しシリンダー温度260℃で混練後、射出成形し、試験片(80mm×10mm×4mt)である成形品を作製した。被覆率は6%であった。
<評価>
<溶出性評価:電気伝導率>
金属イオンの溶出性評価は、前記試験片5本をPP容器に投入し、超純水750mlを加え90℃の恒温槽で、144hr、312hr、768hr放置後、東亜ディーケーケー製 CM-30Gにて電気伝導率の測定をおこなった。結果を表2に示す。
<機械的物性>
ISO3167に準拠したISO多目的試験片 Type-1Aを用いて、ISO527-1,2に準拠し引張強さおよび引張破壊ひずみの値をオリエンテック社製万能試験機テンシロンRTC-1325Aを用いて測定した。なお特に断りの無い限り測定は、23℃50%RH雰囲気下で行った。
<溶出性評価:電気伝導率>
金属イオンの溶出性評価は、前記試験片5本をPP容器に投入し、超純水750mlを加え90℃の恒温槽で、144hr、312hr、768hr放置後、東亜ディーケーケー製 CM-30Gにて電気伝導率の測定をおこなった。結果を表2に示す。
<機械的物性>
ISO3167に準拠したISO多目的試験片 Type-1Aを用いて、ISO527-1,2に準拠し引張強さおよび引張破壊ひずみの値をオリエンテック社製万能試験機テンシロンRTC-1325Aを用いて測定した。なお特に断りの無い限り測定は、23℃50%RH雰囲気下で行った。
<評価結果>
表2に示すように、本発明は、電気伝導率が低く耐溶出性に優れた成形品であることが判る。また当該成形品の製造方法およびその成形品による金属イオン溶出低減方法を提供することができた。
A 熱可塑性樹脂
B オレフィン系エラストマー(EGMA)
BN 表面被覆しない無機フィラー(ガラス繊維)
C 無機フィラー(マイカ)
X COフィード
Y サイドフィード
1 ホッパー
2 モーター
3 スクリュー
4 シリンダー
5 ストランドバス
6 カッター
Pelet ペレット
B オレフィン系エラストマー(EGMA)
BN 表面被覆しない無機フィラー(ガラス繊維)
C 無機フィラー(マイカ)
X COフィード
Y サイドフィード
1 ホッパー
2 モーター
3 スクリュー
4 シリンダー
5 ストランドバス
6 カッター
Pelet ペレット
Claims (5)
- 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBと親和性を有する熱可塑性樹脂Cとを含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であって、該無機フィラーBの表面積の80%以上が該熱可塑性樹脂Cにより被覆されている成形品。
- 前記熱可塑性樹脂Cがオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂である請求項1記載の成形品。
- 前記成形品が半導体部品、電池部品、配管部品のいずれかである請求項1または2に記載の成形品。
- 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBと親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む樹脂組成物の金属イオン低溶出性成形品の製造方法であって、該無機フィラーBと該熱可塑性樹脂Cをあらかじめ溶融混練することで、該無機フィラーBを該熱可塑性樹脂Cで被覆してから、該熱可塑性樹脂Aと溶融混練する、金属イオン低溶出性成形品の製造方法。
- 少なくとも、熱可塑性樹脂A、無機フィラーBおよび該熱可塑性樹脂A以外の該無機フィラーBと親和性を有する熱可塑性樹脂Cを含む樹脂組成物の金属イオン溶出低減方法であって、前記無機フィラーBと熱可塑性樹脂Cをあらかじめ溶融混練することで、前記無機フィラーBを前記熱可塑性樹脂Cで被覆してから、前記熱可塑性樹脂Aと溶融混練する、金属イオン溶出低減方法。
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JP2021148697A JP2023041359A (ja) | 2021-09-13 | 2021-09-13 | 成形品、成形品の製造方法および成形品の金属イオン溶出低減方法 |
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- 2021-09-13 JP JP2021148697A patent/JP2023041359A/ja active Pending
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