JP2023039041A - ポリウレタンフォーム成形体及びポリウレタンフォーム成形体の製造方法 - Google Patents

ポリウレタンフォーム成形体及びポリウレタンフォーム成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリウレタンフォームの粉砕物を用いた物品について、所望の物性を確保する。【解決手段】ポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリウレタンフォームの粉砕物11との混合組成物を発泡させてなるポリウレタンフォーム成形体10。【選択図】図1

Description

本開示は、ポリウレタンフォーム成形体及びポリウレタンフォーム成形体の製造方法に関する。
特許文献1及び特許文献2には、ポリウレタンフォームの粉砕物をバインダーと共に加熱し、加圧して得られた成形体が開示されている。
特開2007-001060号公報 特開2007-326329号公報
しかし、従来のポリウレタンフォームの粉砕物を用いた物品では、所望の物性が必ずしも十分でない場合があった。
本開示は、ポリウレタンフォームの粉砕物を用いた物品について、所望の物性を確保することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
ポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリウレタンフォームの粉砕物との混合組成物を発泡させてなる、ポリウレタンフォーム成形体。
本開示によれば、ポリウレタンフォームの粉砕物を用いた物品について、所望の物性を確保できる。
実施形態に係るポリウレタンフォーム成形体を模式的に示す断面図である。 実施例1-3の振動数と損失係数の関係を示すグラフである。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
・ポリウレタンフォームの粉砕物を、0質量%を超え15質量%以下含む、ポリウレタンフォーム成形体。
・JIS A 1409:1998に基づく残響室法吸音率測定において、1.0kHz-6.3kHzの範囲における吸音率の平均が0.50以上である、ポリウレタンフォーム成形体。
・JIS K 7391:2008に準じて測定される、450Hz付近の反共振点における損失係数が0.20以上である、ポリウレタンフォーム成形体。
・ポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリウレタンフォームの粉砕物との混合組成物を発泡させてポリウレタンフォーム成形体を得る、ポリウレタンフォーム成形体の製造方法。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.ポリウレタンフォーム成形体10
第1の態様のポリウレタンフォーム成形体10は、ポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリウレタンフォームの粉砕物11との混合組成物を発泡させてなる。第2の態様のポリウレタンフォーム成形体10は、ポリウレタンフォームの粉砕物11を、0質量%を超え15質量%以下含む。
(1)ポリウレタンフォームの粉砕物11
ポリウレタンフォームの粉砕物11は、軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリウレタンフォーム、及び硬質ポリウレタンフォームのいずれのポリウレタンフォームの粉砕物11であってもよい。これらの中でも、細分化の容易さの観点から、半硬質ポリウレタンフォーム、又は硬質ポリウレタンフォームであることが好ましい。また、ポリウレタンフォームとしては、連続気泡発泡体、及び独立気泡発泡体のいずれも用いることができる。吸音部材としては、連続気泡発泡体が用いられることが一般的であるが、ポリウレタンフォーム成形体10は、ポリウレタンフォームの粉砕物11を用いることで、独立気泡発泡体であっても吸音性等の所望の性能を発揮できる。ポリウレタンフォームは、複数の種類が併用されてもよい。材料となるポリウレタンフォームの密度は特に限定されない。JIS K 7222に準じて測定されるポリウレタンフォームの密度は、例えば、10kg/m-200kg/mであってもよい。
ポリウレタンフォームの粉砕物11は、材料となるポリウレタンフォームを細分化して得ることができる。具体的には、ポリウレタンフォームの粉砕物11は、リサイクル性の観点から、材料となるポリウレタンフォームとして、ポリウレタンフォームの製造過程で排出される端材、又は、破棄される予定の使用済みポリウレタンフォームを用いてもよい。また、ポリウレタンフォームの粉砕物11は、ポリウレタンフォームの製造過程で排出されるポリウレタンフォームのカス又は屑を、そのまま用いてもよい。
粉砕物11の大きさは、特に限定されない。粉砕物11の大きさは、例えば、50mm以下とすることができ、また、成形性の観点から、10mm以下、5mm以下、2mm以下、1mm以下であってもよい。粉砕物11の大きさは、例えば、マイクロスコープにより粉砕物11の拡大画像を取り込み、その外形の最大径を測定して求められる。また、粉砕物11の大きさは、所定寸法の開口径を有する篩を通過した画分として規定することもできる。所定寸法としては、10mm、5mm、2mm、1mm、0.5mmが例示される。粉砕物11の大きさは、例えば、0.1mm以上、0.5mm以上、1mm以上、3以上mm、5mm以上であってもよい。
粉砕物11の大きさは、生産性を考慮して、上記の下限と上限を適宜組み合わせた範囲とすることができる。なお、粉砕物11の大きさは、粉砕物11を得るときの加工条件を変更したり、得られた粉砕物11を適宜分級したりして、所望の範囲とすることができる。
ポリウレタンフォームの粉砕物11の含有量は、ポリウレタンフォーム成形体10を100質量%とした場合に、0質量%を超えていることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることがさらに好ましい。上記の含有量以上であれば、吸音性を向上できる。また、ポリウレタンフォームの粉砕物11にリサイクル材料を使用した場合には、上記の含有量以上とすることで、リサイクル性を向上できる。上記のポリウレタンフォームの粉砕物11の含有量は、成形性の観点から、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。これらの観点から、上記のポリウレタンフォームの粉砕物11の含有量は、0質量%を超え15質量%以下であり、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。
(2)混合組成物の他の成分
混合組成物は、ポリウレタンフォームの粉砕物11の他に、ポリオールと、ポリイソシアネートと、を含んでいる。混合組成物は、それ以外にも、発泡剤、架橋剤、触媒、その他の助剤を適宜含んでいてもよい。その他の助剤としては、例えば、整泡剤、着色剤等を挙げることができる。
ポリオールは、特に限定されず、ポリウレタンフォーム用のポリオールを使用できる。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリマーポリオールとしては、ポリエーテルポリオールにビニル系単量体をグラフト重合したポリオールが挙げられる。ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等が用いられる。ポリマーポリオール中のビニル系単量体単位(グラフト部分)の含有量は、ポリエーテルポリオールとの合計量中の10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
発泡剤としては、水、代替フロンあるいはペンタンなどの炭化水素、炭酸ガス等を、単独または組み合わせて使用できる。水の場合は、水とイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。
架橋剤としては、ポリウレタンフォームに通常使用される公知の架橋剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類、及びこれらの活性水素化合物にエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等を付加した化合物を挙げることができる。架橋剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
触媒は、公知のウレタン化触媒を使用することができる。触媒としては、例えば、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルジシクロへキシルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N-エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等のスズ触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。
ポリイソシアネートは、特に限定されない。ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを使用することができる。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができ、芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。
混合組成物中のポリウレタンフォームの粉砕物11以外の成分において、NCOインデックスは80-110であることが好ましく、90-105であることがより好ましい。NCOインデックスとは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数をイソシアネート基と反応する活性水素の総数で除したものに100を乗じた値とする。即ち、イソシアネート基と反応する活性水素数とポリイソシアネート中のイソシアネート基が化学量論的に等しい場合にそのNCOインデックスは100となる。
混合組成物中のポリウレタンフォームの粉砕物11以外の成分において、ポリオールの全量100質量部に対するポリイソシアネートの含有量は、27質量部以上38質量部以下が好ましく、29質量部以上36質量部以下がより好ましく、30質量部以上34質量部以下がさらに好ましい。
2.ポリウレタンフォーム成形体10の製造方法
ポリウレタンフォーム成形体10は、例えば、ポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリウレタンフォームの粉砕物11との混合組成物を発泡させてポリウレタンフォーム成形体を得ることができる。
ポリウレタンフォームの粉砕物11は、ポリウレタンフォームを粉砕して得ることができる。ここで「粉砕」とは、ポリウレタンフォームを細分化することであり、細分化する方法は特に限定されない。ポリウレタンフォームを、磨砕、研磨、研削、切削、切断によって細分化してもよい。また。ポリウレタンフォームの粉砕物11は、ポリウレタンフォームを粉砕した後に、分級されてもよい。
ポリウレタンフォームの粉砕は、例えば、粉砕機、グラインダーを用いて行うことができる。粉砕機は、特に限定されない。粉砕機の刃や、粉砕時間を適宜変更して、所望の大きさのポリウレタンフォームの粉砕物11を得ることができる。グラインダーは、特に限定されない。グラインダーに用いる砥石や、砥石の回転速度を適宜変更して、所望の大きさの粉砕物11を得ることができる。
ポリウレタンフォームの分級は、例えば、所定寸法の開口径を有する篩を用いた篩い分け操作によって行われる。ポリウレタンフォームの分級では、製品に求められる性能に応じて、所定(第1)の篩を通過した画分として粉砕物11を得てもよく、所定(第2)の篩を通過しない画分として粉砕物11を得てもよい。
ポリウレタンフォーム成形体10の製造方法において、混合組成物を得る方法は特に限定されない。混合組成物を得る方法の一例について説明する。ポリオールを含む第1原料と、ポリイソシアネートを含む第2原料とを準備する。第1原料と第2原料のうち少なくとも一方には、さらにポリウレタンフォームの粉砕物11が含まれる。第1原料と第2原料を混合して混合組成物を得る。このようにして混合組成物を得れば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応が進行する前に、ポリウレタンフォームの粉砕物11と他の成分とを十分に混合することができる。
混合組成物におけるポリオールの配合量(質量部)がポリイソシアネートの配合量(質量部)よりも多い場合には、ポリウレタンフォームの粉砕物11は第1原料に含まれることが好ましい。すなわち、ポリオール、及びポリウレタンフォームの粉砕物11を含む第1原料と、ポリイソシアネートを含む第2原料と、を混合して混合組成物を得ることが好ましい。第1原料は、さらに混合組成物におけるイソシアネート以外の成分、例えば、発泡剤、架橋剤、触媒等を含んでいてもよい。
ポリオール、及びポリウレタンフォームの粉砕物11を含む第1原料は、ポリウレタンフォームの粉砕物11を添加する前の状態よりも高粘度な状態、さらには、流動性を失った状態となり得る。第1原料は、ポリウレタンフォームの粉砕物11の含有量が多い程、また、ポリウレタンフォームの粉砕物11の大きさが大きい程、流動性が低下しやすい。本実施形態では、ポリウレタンフォームの粉砕物11の含有量及びポリウレタンフォームの粉砕物11の大きさを上述のように適宜設計することで、ポリウレタンフォーム成形体10を好適に成形できる。
ポリウレタンフォーム成形体10の成形方法は、特に限定されず、モールド成形、スラブ成形等の公知の方法を採用できる。モールド成形の場合には、例えば、混合組成物をモールドに充填し、モールドの内部で発泡させてポリウレタンフォーム成形体10を得ることができる。すなわち、ポリウレタンフォーム成形体10はモールド成形品であってもよい。なお、ポリウレタンフォーム成形体10において、ポリウレタンフォームの粉砕物11と、ポリウレタンフォームの粉砕物11以外の部分12とは明確に区別される必要はなく、目視にてポリウレタンフォーム成形体10の断面を確認した場合に、両者が区別されない状態であってもよい。図1においては、ポリウレタンフォームの粉砕物11を模式的に二点鎖線で示す。
3.ポリウレタンフォーム成形体10の物性及び用途
ポリウレタンフォーム成形体10は、軟質、半硬質、及び硬質のいずれであってもよい。ポリウレタンフォーム成形体10は、例えば、混合組成物中のポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤等の種類を適宜設計することにより、軟質、半硬質、及び硬質のいずれかとすることができる。ポリウレタンフォーム成形体10は、吸音性及び制振性の観点から、軟質であることが好ましい。また、ポリウレタンフォーム成形体10は、吸音性の観点から、連続気泡構造を有することが好ましい。
ポリウレタンフォーム成形体10の密度は特に限定されない。JIS K 7222:2005に準じて測定されるポリウレタンフォーム成形体10の密度は、例えば、50kg/m-250kg/mであってもよい。
ポリウレタンフォーム成形体10の25%圧縮硬さは特に限定されない。JIS K6400-2:2004 D法に準じて測定されるポリウレタンフォーム成形体10の25%圧縮硬さは、例えば、30kPa-350kPaであってもよい。
ポリウレタンフォーム成形体10は、好ましくは吸音機能を有する。ポリウレタンフォーム成形体10は、吸音部材として好適である。ポリウレタンフォーム成形体10は、JIS A 1409:1998に基づく残響室法吸音率測定において、1.0kHz-6.3kHzの範囲における吸音率の平均が0.50以上であることが好ましい。上記の吸音率の平均は、0.55以上であることがより好ましく、0.60以上であることがさらに好ましい。
なお、吸音率は、1m×1m×厚み20mmのサイズの測定用のサンプルを用いて、周波数1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hz、2500Hz、3150Hz、4000Hz、5000Hz、6300Hzにおいて測定する。そして、これらの周波数の吸音率の算術平均を、吸音率の平均とする。この際、測定用のサンプルの外周をアルミ製の固定具で覆い、テストピースと固定具の隙間をアルミテープでシールする。
ポリウレタンフォーム成形体10は、好ましくは制振機能を有する。ポリウレタンフォーム成形体10は、制振部材として好適である。ポリウレタンフォーム成形体10は、JIS K 7391:2008に準じて測定される、450Hz付近の反共振点における損失係数が0.20以上であることが好ましい。上記の損失係数は、0.24以上であることがより好ましく、0.26以上であることがさらに好ましい。なお、450Hz付近の反共振点は、通常、300Hz~600Hzに表れる反共振点である。
なお、損失係数は、30mm×300mm×厚み20mmのサイズの測定用のサンプルを用いて測定する。この際、測定用のサンプルの下に厚み2mmの鉄板を配置する。
3.本実施形態の作用効果
本実施形態によれば、ポリウレタンフォームの粉砕物11を用いて、所望の性能を有する物品を提供できる。ポリウレタンフォーム成形体10の所望の性能としては、吸音機能、制振機能が挙げられる。それ以外にも、ポリウレタンフォーム成形体10は、断熱機能、クッション機能、衝撃吸収機能等を有していてもよい。
ポリウレタンフォームの粉砕物11は、生産時に生じる端材や、従来廃棄されていたカスや屑を用いることができる。このため、材料ロスの少ない、環境に対応したポリウレタンフォーム成形体10を提案することができる。
ポリウレタンフォーム成形体10が吸音機能を有する場合には、吸音部材として好適である。また、ポリウレタンフォーム成形体10が制振機能を有する場合には、制振部材として好適である。
以下、実施例により更に具体的に説明する。
1.実施例1-6及び比較例1,2の作製
実施例1の粉砕物は、硬質ポリウレタンフォームを、粉砕機を用いて粉砕し、開口径が3mmの篩を通過した画分として得た。粉砕には、ホーライ社製の粉砕機(型番:PI2060型)を用いた。
なお、粉砕に用いた硬質ポリウレタンフォームは次のように用意した。以下に示す粉砕物用A液と粉砕物用B液を100:163となるように計量し、液温約20℃に温調した。そして、粉砕物用A液に粉砕物用B液を投入し、回転数3000rpm、5秒間攪拌したものを型に流し込み硬化させ、硬質ポリウレタンフォームを得た。硬質ポリウレタンフォームの密度は35kg/mとした。
粉砕物用A液:アクトコール SK-1907(三井化学SKCポリウレタン社製)
粉砕物用B液:コスモネート MC-400HW(三井化学SKCポリウレタン社製)
このようにして作製した粉砕物と、ポリオールと、ポリイソシアネートとの混合組成物を発泡させて、実施例1のポリウレタンフォーム成形体を製造した。
ポリウレタンフォーム成形体の製造工程を詳細に示す。ポリオール1(分子量5000、官能基数3、水酸基価33.5mgKOH/g)90質量部、ポリオール2(ポリマーポリオール、固形分ポリマー含量20%、分子量5000、水酸基価28mgKOH/g)10質量部、耐光剤(STAB UV65、SONGWON社製)1質量部、架橋剤(ジエタノールアミン、DEA-LF、三井化学社製)1.5質量部、触媒1(NE1070、Air Products社製)0.5質量部、触媒2(NE300、Air Products社製)0.25質量部、触媒3(D-60、東ソー社製)0.7質量部、整泡剤(B8738LF2、EVONIK社製)0.1質量部、顔料(PC4114T-T、大日本インキ社製)1.5質量部、連通化剤(CP1421、Dow社製)2.5質量部、発泡剤(水)1.08質量部、ポリウレタンフォームの粉砕物を混合して成形体用A液(第1原料)を調製した。ポリウレタンフォームの粉砕物の配合量は、ポリウレタンフォームの粉砕物を含むポリウレタンフォーム成形体の原料全体を100質量%とした場合に、2.5質量%とした。
得られた成形体用A液に、成形体用B液(第2原料)を添加し、攪拌して、混合組成物とした。成形体用B液には、イソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート、600B-1、BASF INOAC ポリウレタン社製)を用いた。成形体用B液の配合量は、ポリオール1とポリオール2の合計量100質量部に対して31.1質量部とした。得られた混合組成物をモールド(成形型)に充填してモールド内で発泡させた。ポリウレタンフォーム成形体の密度は200kg/mとした。
実施例2では、上記のポリウレタンフォームの粉砕物の配合量を5.0質量%とした。その他は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォーム成形体を得た。
実施例3では、開口径が10mmの篩を通過しない画分として粉砕物を得た。その他は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォーム成形体を得た。
実施例4では、ポリウレタンフォーム成形体の密度を135kg/mとした。その他は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォーム成形体を得た。
実施例5では、上記のポリウレタンフォームの粉砕物の配合量を5.0質量%とし、ポリウレタンフォーム成形体の密度を135kg/mとした。その他は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォーム成形体を得た。
実施例6では、開口径が10mmの篩を通過しない画分として粉砕物を得て、ポリウレタンフォーム成形体の密度を135kg/mとした。その他は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォーム成形体を得た。
比較例1では、ポリウレタンフォームの粉砕物を配合しなかった。その他は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォーム成形体を得た。
比較例2では、ポリウレタンフォームの粉砕物を配合せず、ポリウレタンフォーム成形体の密度を135kg/mとした。その他は、実施例1と同様にして、ポリウレタンフォーム成形体を得た。
2.評価方法
<吸音性>
JIS A 1409:1998に準じた実施形態に記載の方法で、残響室吸音率測定用のサンプルの1.0kHz-6.3kHzの範囲における吸音率の平均を求めた。この吸音率の平均が高い程、吸音性に優れるサンプルであるといえる。
Figure 2023039041000002
<制振性>
JIS K 7391:2008に準じた実施形態に記載の方法で、制振性に関する損失係数測定用のサンプルの450Hz付近の反共振点における損失係数を求めた。この損失係数が高い程、制振性に優れるサンプルであるといえる。
Figure 2023039041000003
3.結果
実施例1-6、比較例1,2の吸音率を表1に示す。「吸音率」の欄は、上記の評価方法で求めた吸音率の平均を表している。実施例1-3、比較例1の損失係数を表2及び図2のグラフに示す。表2の「損失係数」の欄は、上記の評価方法で求めた損失係数を表している。図2は振動数と損失係数の関係を示すグラフである。横軸が振動数(Hz)を示し、縦軸が損失係数を示す。
実施例1-6は、1.0kHz-6.3kHzの範囲における吸音率の平均が0.50以上であった。実施例1-6は、吸音性を有し、吸音部材として利用可能であることが示唆された。実施例1-3の上記吸音率は、比較例1よりも高かった。また、実施例4-6の上記吸音率は、比較例2よりも高かった。ポリウレタンフォームの粉砕物を用いることで、ポリウレタンフォーム成形体の吸音性を向上できることが示唆された。
実施例1-3は、450Hz付近の反共振点(表2に示す反共振点-3)における損失係数がそれぞれ、0.20以上であった。実施例1-3は、制振性を有し、制振部材として利用可能であることが示唆された。実施例1-3の上記損失係数は、比較例1よりも高かった。ポリウレタンフォームの粉砕物を用いたポリウレタンフォーム成形体であっても、ポリウレタンフォームの粉砕物を用いないポリウレタンフォーム成形体と同等以上の制振性能を実現できることが示唆された。
4.実施例の効果
以上の実施例によれば、ポリウレタンフォームの粉砕物を用いた物品について、所望の物性を確保できる。
本開示は上記で詳述した実施形態に限定されず、様々な変形又は変更が可能である。
10…ポリウレタンフォーム成形体
11…粉砕物
12…粉砕物以外の部分

Claims (5)

  1. ポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリウレタンフォームの粉砕物との混合組成物を発泡させてなるポリウレタンフォーム成形体。
  2. ポリウレタンフォームの粉砕物を、0質量%を超え15質量%以下含むポリウレタンフォーム成形体。
  3. JIS A 1409:1998に基づく残響室法吸音率測定において、1.0kHz-6.3kHzの範囲における吸音率の平均が0.50以上である、請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム成形体。
  4. JIS K 7391:2008に準じて測定される、450Hz付近の反共振点における損失係数が0.20以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポリウレタンフォーム成形体。
  5. ポリオールと、ポリイソシアネートと、ポリウレタンフォームの粉砕物との混合組成物を発泡させてポリウレタンフォーム成形体を得る、ポリウレタンフォーム成形体の製造方法。
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