JP2023115618A - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導フィラーを分散し易くできる軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。【解決手段】ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤および熱伝導フィラーを含む原料から軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて得られたプレポリマー、発泡剤および熱伝導フィラーを混合する工程を備える。熱伝導フィラーは、ポリオール成分100質量部に対して100-650質量部である。熱伝導フィラーは、黒鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ素、窒化ホウ素が例示される。【選択図】なし

Description

本発明は軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤および熱伝導フィラーを含む原料を混合して反応させ、熱伝導フィラーによって軟質ポリウレタンフォームに熱伝導性を付与する技術は知られている。軟質ポリウレタンフォームを生成するポリウレタン生成反応は、基本的には、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応によりウレタン結合を生成する樹脂化反応と、イソシアネート成分と発泡剤との反応によりウレア結合と炭酸ガスとを生成する泡化反応と、からなる。ポリオール成分100質量部に対して熱伝導フィラーの配合量が50-400質量部になると反応物が発泡し難くなる。発泡剤の量を増やすと反応物の発泡は確保できるが、軟質ポリウレタンフォームにバリやクラックが生じ易くなる。そこで、発泡剤の量を原料全体の0.3-0.4wt%とし、さらに原料に破泡剤を混合し、反応物の泡を破壊して軟質ポリウレタンフォームのバリやクラックを低減する先行技術が特許文献1に開示されている。
特開2021-105077号公報
先行技術は、原料を混合すると粘度がかなり大きくなり、加えて樹脂化反応と泡化反応とが同時に進行し、反応物の粘度が急激に上昇する。粘度が急激に上昇した反応物に熱伝導フィラーは混ざり難いので、軟質ポリウレタンフォームに熱伝導フィラーが分散され難くなるという問題点がある。
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、熱伝導フィラーを分散し易くできる軟質ポリウレタンフォームの製造方法の提供を目的とする。
この目的を達成するために本発明は、ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤および熱伝導フィラーを含む原料から軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて得られたプレポリマー、発泡剤および熱伝導フィラーを混合する工程を備え、熱伝導フィラーは、ポリオール成分100質量部に対して100-650質量部である。
第1の態様によれば、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて得られたプレポリマー、発泡剤および熱伝導フィラーを混合すると、ポリウレタン生成反応のうち泡化反応が主に進行するので、先行技術に比べて反応物の粘度の上昇を緩やかにできる。反応物に熱伝導フィラーが混ざり易くなるので、軟質ポリウレタンフォームに熱伝導フィラーを分散し易くできる。
第2の態様によれば、第1の態様において、発泡剤に熱伝導フィラーが分散した液体とプレポリマーとを混合する。プレポリマーに比べて粘度が小さい発泡剤に熱伝導フィラーを分散した液体とプレポリマーとを混合するので、熱伝導フィラーをさらに分散し易くできる。
第3の態様によれば、第2の態様において、発泡剤は、ポリオール成分100質量部に対して200-300質量部である。発泡剤に熱伝導フィラーが分散した液体の粘度を小さくできるので、液体とプレポリマーとを混合したときの粘度を小さくできる。よって熱伝導フィラーをさらに分散し易くできる。
第4の態様によれば、第1から第3の態様において、ポリオール成分は親水性ポリオールを主成分とし、発泡剤は水を主成分とする。親水性ポリオールをポリオール成分の主成分とするプレポリマーは親水性が強いので、発泡剤(水)と混ざり易くなる。プレポリマーのイソシアネート基と水との接触が多くなるので反応性を向上できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤および熱伝導フィラーを含む原料から作られる。
ポリオール成分は、ヒドロキシル基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されず、公知の軟質ポリウレタンフォームの成形に使われるポリオールが選択される。ポリオール成分は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエン及びポリカプロラクトンを含む群から選択されるヒドロキシル末端の1種以上の化合物が例示される。ポリエーテルを含むヒドロキシル末端の化合物は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールに、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)等のアルキレンオキシドを付加したポリエーテルポリオールが例示される。
ポリエステルを含むヒドロキシル末端の化合物は、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等と、を重縮合して得られるポリエステルポリオールが例示される。
ポリエーテル及びポリエステルを含むヒドロキシル末端の化合物は、ポリエーテルポリオールと多塩基酸とを反応させてポリエステル化したポリエーテルエステルポリオール、あるいは1分子内にポリエーテルとポリエステルの両セグメントを有するポリエーテルエステルポリオールが例示される。
ポリオール成分は、ヒドロキシル末端ポリ炭化水素、ヒドロキシル末端ポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシル末端ポリエステル、ヒドロキシメチル末端ポリエステル、ヒドロキシメチル末端ペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール及びポリアルキレンエーテルトリオールを含む群より選択され得る。ポリオール成分は、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)及びヒドロキシル末端ポリブタジエンを含む群からも選択され得る。
ポリオール成分は、ポリマーポリオールを含み得る。ポリマーポリオールは、ポリアルキレンオキシドからなるポリエーテルポリオールにポリアクリルニトリル、アクリロニトリル-スチレン共重合体等のポリマー成分をグラフト共重合させたものが例示される。
ポリオール成分は、水酸基価が10-280mgKOH/g、官能基数が2-4、重量平均分子量が800-10000(より好適には2000-7000)のポリオールを1種または2種以上用いるのが好ましい。
ポリオール成分は親水性ポリオールを主成分とすることができる。親水性ポリオールが主成分というのは、ポリオール成分に占める親水性ポリオールの割合が、50質量%を超えていることをいう。親水性ポリオールのアルキレンオキシドは、エチレンオキシド(EO)のみを含んでいても良いし、エチレンオキシドとプロピレンオキシド(PO)の混合物を含んでいても良い。親水性ポリオールは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの合計を100質量部とした割合(PO/EO)が0/100以上50/50未満のポリオールである。PO/EOは、核磁気共鳴分析および質量分析(イオン化法:ESI)により特定できる。
親水性ポリオールのアルキレンオキシドは、種々の形態、例えばランダム(ヘテロ性)形態、ブロック形態、キャップ形態またはこれらの組み合わせで配列されて良い。親水性ポリオールは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのヘテロ性混合物を含むものであって良い。親水性ポリオールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドで末端がキャップされていても良い。
イソシアネート成分は、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系、脂環族系または芳香族系のポリイソシアネート、それらの混合物、それらを変成して得られる変成ポリイソシアネートが挙げられる。脂肪族系ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネートが例示される。芳香族系ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックMDI(クルードMDI)が例示される。
プレポリマーは、ポリオール成分と過剰なイソシアネート成分とを反応させて得られる重合体であり、分子末端に活性なイソシアネート基をもつ。プレポリマーは、プレポリマーの粘度と相溶性の観点から、イソシアネート基含有率(JIS K7301:1995)が7-22%であることが好ましい。イソシアネート基含有率が7%未満の場合には、泡化反応が減少したりプレポリマーの粘度が大きくなり熱伝導フィラーの均一な分散が困難になったりする傾向がある。イソシアネート基含有率が22%を超える場合には、プレポリマーに含まれるポリオール成分が少なくなり軟質ポリウレタンフォームとしての特性が低下する傾向がある。
プレポリマーは、複数のプレポリマーが混ざっていても良いし、単独のプレポリマーであっても良い。複数のプレポリマーが混ざっている場合のプレポリマーのイソシアネート基含有率は、各プレポリマーのイソシアネート基含有率に、各々のプレポリマーの割合(質量%)の重みをつけた加重平均である。
発泡剤は水、低沸点有機化合物が例示される。低沸点有機化合物は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素、ハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン類、フッ素化炭化水素類のハロゲン化炭化水素が例示される。ハロゲン化炭化水素は、塩化メチレン、HCFC-141b、HFC-245fa、HFC-356mfcが例示される。
発泡剤は、水および低沸点有機化合物をそれぞれ単独で使用しても良いし、これらを併用しても良い。発泡剤は水を主成分とするのが好ましい。取り扱いが容易だからである。水が主成分というのは、発泡剤に占める水の割合が50質量%を超えていることをいう。ポリオール成分の主成分が親水性ポリオールであり、発泡剤の主成分が水のときは、ポリオール成分とイソシアネート成分とが反応して得られたプレポリマーと発泡剤との反応性を向上できる。
発泡剤の配合量は、ポリオール成分100質量部に対して200-300質量部が好ましい。軟質ポリウレタンフォームの成形性と熱伝導フィラーの分散性とを確保するためである。ただし、比重等の調整によって熱伝導フィラーの分散性や軟質ポリウレタンフォームの成形性が確保できるならば、発泡剤の配合量は、この範囲から外れても良い。
ポリオール成分100質量部に対して発泡剤の量が200質量部より少なくなると、原料の熱伝導フィラーが発泡剤に分散した液体の粘度が高くなり、原料が混ざり難くなり、熱伝導フィラーの分散性が低下する傾向がある。ポリオール成分100質量部に対する発泡剤の量が300質量部より多くなると、成形時にセルが崩壊し易くなり軟質ポリウレタンフォームを成形し難くなる傾向がある。
熱伝導フィラーの材料は、黒鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ素(金属シリコン)、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが例示される。熱伝導フィラーはこれらの材料の粉末である。黒鉛は、鱗状黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛、グラフェンが例示される。グラフェンは、グラファイト1層から10層程度までのものを含む。熱伝導フィラーは、他のフィラーに比べて比重が小さい黒鉛が好ましく、なかでも結晶性が高い鱗状黒鉛が好適である。
熱伝導フィラーは、例えば粒子径のメジアン径が0.3-400μmである。メジアン径は、レーザ回折法により測定される体積基準の粒度分布の頻度の積算が50%になる粒子径である。メジアン径が0.3-400μmの熱伝導フィラーが含まれる軟質ポリウレタンフォームは、熱伝導フィラー間の熱伝達によって熱伝導性を確保できる。
熱伝導フィラーは、ポリオール成分100質量部に対して100-650質量部含まれるのが好ましい。熱伝導フィラーによって軟質ポリウレタンフォームの熱伝導性を向上しつつ、軟質ポリウレタンフォームの成形性を確保できるからである。なお、ポリオール成分100質量部に対する熱伝導フィラーの量が100質量部未満のときは、軟質ポリウレタンフォームの熱伝導性が大きくなり難い。ポリオール成分100質量部に対する熱伝導フィラーの量が650質量部を超えると、フォームが発泡し難くなる傾向がある。
原料は、さらに整泡剤、触媒、破泡剤、難燃剤、老化防止剤、抗酸化剤、着色剤などの添加剤を含んでも良い。整泡剤は、軟質ポリウレタンフォームの気泡の形成を促進・安定化する成分である。整泡剤は有機珪素系界面活性剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤が例示される。軟質ポリウレタンフォームの用途によっては、整泡剤は、有機珪素系界面活性剤以外(非有機珪素系の界面活性剤)が好適である。
触媒は、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルホリン、N-エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジラウレート等のスズ触媒、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属触媒が例示される。
破泡剤は、ポリブテン等の炭化水素系、ダイマー酸ジエステル等のエステル系、シクロペンタシロキサン等のシリコーン系が例示される。難燃剤はリン酸エステル系、ハロゲン化リン酸エステルが例示される。老化防止剤はトリゾール系、ベンゾフェノン系が例示される。抗酸化剤はヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系が例示される。着色剤は染料や顔料を含む。
軟質ポリウレタンフォームは、例えば以下のように製造する。一例として、ポリオール成分、イソシアネート成分、整泡剤、難燃剤、発泡剤および熱伝導フィラーを原料とする場合を説明する。まず、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応により得られたプレポリマーに整泡剤を混合した混合物を作成する。発泡剤に熱伝導フィラーが分散した液体に難燃剤を混合した後、直ちに混合物を混ぜ合わせ、密閉型または開放型のモールドに注入する。モールド内で泡化反応を行わせ、所定時間(例えば3-20分)硬化後、脱型して軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
軟質ポリウレタンフォームを製造するため、ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤および熱伝導フィラーを同時に混合すると、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応(樹脂化反応)と、イソシアネート成分と発泡剤との反応(泡化反応)と、が同時に進行して反応物の粘度が急激に上昇する。粘度が急激に上昇した反応物に熱伝導フィラーは混ざり難いので、反応物の中に熱伝導フィラーのかたまり(だま)ができる等、軟質ポリウレタンフォームに熱伝導フィラーが分散され難くなる。
また、軟質ポリウレタンフォームを製造するため、ポリオール成分、発泡剤および熱伝導フィラーを混合した混合物にイソシアネート成分を加えて混合する場合は、混合物の粘度が大きくなり、熱伝導フィラーの分散性が悪く、混合物の流動性が低下する。混合物にイソシアネート成分を加えた反応物も粘度が大きく、さらに樹脂化反応および泡化反応が同時に進行して反応物の粘度が急激に大きくなるので、熱伝導フィラーの分散性が低下し、軟質ポリウレタンフォームの均一性が低下する。
これに対し、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて得られたプレポリマー、発泡剤および熱伝導フィラーを混合する方法によれば、プレポリマーと発泡剤とが出合ったときに泡化反応が進行し、反応物の粘度の上昇を緩やかにできる。反応物に熱伝導フィラーが混ざり易くなるので、軟質ポリウレタンフォームに熱伝導フィラーを分散し易くできる。
プレポリマーのイソシアネート基の当量に対して過剰量の発泡剤に熱伝導フィラーが分散した液体を作り、この液体とプレポリマーとを混合すると、反応物の粘度が大きくなる前に反応物をモールドに注入できる。また、反応物の中に熱伝導フィラーのだまが生じ難くなり、発泡剤に分散された熱伝導フィラーが反応物に混合される。よって熱伝導フィラーをさらに分散し易くできる。
これらの方法によれば、軟質ポリウレタンフォームに分散された熱伝導フィラーによって、熱伝導率が高く熱伝導率のばらつきが小さい軟質ポリウレタンフォームが得られる。得られた軟質ポリウレタンフォームは、空気中に伝わる音波の振動を熱エネルギーに変換して音を減衰する吸音材、クッション、背もたれ、マットレス(寝具マット)、枕などに好適である。熱伝導フィラーによる熱移動によって、温度の影響による吸音機能の低下の低減を図り、またクッション等の快適性を向上できるからである。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
表1に実施例1-9及び比較例1-3における軟質ポリウレタンフォームの原料の配合を示す。表1に示す数値は、比較例3を除き、プレポリマー100質量部のときの単位質量(質量部)である。但し、表1の*1の行のカッコ内の数値は、ポリオール100質量部に対する熱伝導フィラーの単位質量であり、*2の行のカッコ内の数値は、生成物の中の熱伝導フィラーの割合(質量%)である。比較例3の数値は、ポリオール100質量部のときの単位質量(質量部)である。
Figure 2023115618000001
なお、表1に示す各成分は以下のとおりである。
ポリオール1:重量平均分子量3200、水酸基価52mgKOH/g、官能基数3、PO/EO=25/75
ポリオール2:重量平均分子量7000、水酸基価24mgKOH/g、官能基数3、PO/EO=85/15
ポリオール3:重量平均分子量5100、水酸基価33mgKOH/g、官能基数3、PO/EO=80/20
ポリオール4:重量平均分子量3000、水酸基価57mgKOH/g、官能基数3、PO/EO=100/0
イソシアネート1:トルエンジイソシアネート(TDI)
イソシアネート2:ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)
イソシアネート3:変成ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)
熱伝導フィラー1:鱗状黒鉛、粒子径250-350μm
熱伝導フィラー2:酸化アルミニウム、粒子径0.3-40μm
整泡剤:非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物)
難燃剤:リン・窒素系化合物
破泡剤:ダイマー酸ジエステル
触媒:脂肪族アミン組成物
発泡剤:水
ポリオール1-4の重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフィ)による測定値である。
プレポリマー1は、57.0質量部のポリオール1と23.0質量部のイソシアネートとの反応生成物である。プレポリマー2は、71.3質量部のポリオール1と28.7質量部のイソシアネートとの反応生成物である。プレポリマー3は、63.3質量部のポリオール1と16.7質量部のイソシアネートとの反応生成物である。プレポリマー4は、40.3質量部のポリオール1と39.7質量部のイソシアネートとの反応生成物である。プレポリマー5は、16.2質量部のポリオール2と3.8質量部のイソシアネートとの反応生成物である。プレポリマー6は、15.9質量部のポリオール3と4.1質量部のイソシアネートとの反応生成物である。プレポリマー7は、15.4質量部のポリオール4と4.6質量部のイソシアネートとの反応生成物である。プレポリマー8は、62.9質量部のポリオール1と37.1質量部のイソシアネート2との反応生成物である。
実施例1-9及び比較例1,2における軟質ポリウレタンフォームは以下のようにして成形した。プレポリマー1-8を予め準備した後、プレポリマーと整泡剤とを計量し、20秒間撹拌して混合物を得た。熱伝導フィラー、難燃剤、触媒および発泡剤を計量し、1分30秒間撹拌して混合した。直ちに、先に作成した混合物と合わせて5秒間撹拌し、30-35℃に温度調節したモールドに注入し、キュア時間9分にて軟質ポリウレタンフォームを成形した。
実施例1-9は、十分量の熱伝導フィラーが分散された反応物を、粘度が小さい状態でモールドに注入することができた。これにより実施例1-9は、十分量の熱伝導フィラーが分散された軟質ポリウレタンフォームを得ることができた。
比較例3における軟質ポリウレタンフォームは以下のようにして成形を試みた。ポリオール3、熱伝導フィラー1、熱伝導フィラー2、整泡剤、破泡剤、触媒および発泡剤を計量し、1分30秒間撹拌して混合物を得た。イソシアネート3を計量し、混合物に加えて10秒間撹拌し、内側の一辺の長さが150mmの立方体の容器に流し込み、フリー発泡により成形した。
比較例3は、ポリオール3、熱伝導フィラー、整泡剤、破泡剤、触媒および発泡剤を混合した混合物の粘度が大きくなり、熱伝導フィラーの分散性が悪く、混合物の流動性も低下した。混合物にイソシアネート3を加えた反応物は、粘度が急激に大きくなったので、反応の均一性が低下して軟質ポリウレタンフォームを成形できなかった。
実施例1-6,9及び比較例1,2における軟質ポリウレタンフォームの密度および熱伝導率を測定した。実施例7,8は成形性の確認はしたが、得られたフォームの密度や熱伝導率の測定はしなかった。密度は、JIS K7222:2005に基づいて見掛け全体密度を求めた。熱伝導率は、JIS A1412-2:1999に基づき、縦200mm横200mm厚さ20mmの試験体について求めた。熱伝導率が0.1W/mk以上のものを良い(EX)と評価し、熱伝導率が0.1W/mk未満のものを悪い(poor)と評価した。密度、熱伝導率および評価は表1に記した。
比較例1は熱伝導フィラーが含まれておらず、比較例2は熱伝導フィラーが少量しか含まれないので、得られた軟質ポリウレタンフォームの熱伝導率が小さかった。これに対し実施例1-6,9は、十分量の熱伝導フィラーが分散された、熱伝導率が大きい軟質ポリウレタンフォームを得ることができた。実施例7,8におけるフォームの密度や熱伝導率は、実施例2,4-6におけるフォームの密度や熱伝導率と同等と推定される。
実施例1-9は、親水性ポリオール(PO/EO=25/75のポリオール1)が、プレポリマーを構成するポリオール成分の主成分であった。プレポリマーの親水性が強くなるので、混合物に発泡剤(水)が混ざり易くなったと推察される。プレポリマーのイソシアネート基と水との接触が多くなるので、実施例1-8は原料に触媒が含まれていなくても、反応速度を確保できたと推察される。実施例9は、実施例1-8と熱伝導フィラー及びイソシアネートが異なるが、原料に触媒を添加することにより軟質ポリウレタンフォームを成形できた。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。

Claims (4)

  1. ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤および熱伝導フィラーを含む原料から軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
    前記ポリオール成分と前記イソシアネート成分とを反応させて得られたプレポリマー、前記発泡剤および前記熱伝導フィラーを混合する工程を備え、
    前記熱伝導フィラーは、前記ポリオール成分100質量部に対して100-650質量部である軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 前記工程において、前記プレポリマーと、前記発泡剤に前記熱伝導フィラーが分散した液体と、を混合する請求項1記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 前記発泡剤は、前記ポリオール成分100質量部に対して200-300質量部である請求項2記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 前記ポリオール成分は親水性ポリオールを主成分とし、前記発泡剤は水を主成分とする請求項1から3のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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