JP2008001805A - 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フォーム強度、難燃性及び断熱特性に優れる硬質ポリウレタンフォームを製造するためのポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法の提供。
【解決手段】ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤及び触媒を含み、ポリイソシアネート成分と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するための硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物において、発泡剤はペンタン類を含有し、ポリオール化合物は、芳香族ポリエステルポリオールを20〜50重量%含有し、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加体を10〜30重量%、及びトルエンジアミンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体を20〜60重量%含有し、触媒がアミン触媒と三量化触媒である硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤及び触媒を含み、ポリイソシアネート成分と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するための硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物において、発泡剤はペンタン類を含有し、ポリオール化合物は、芳香族ポリエステルポリオールを20〜50重量%含有し、エチレンジアミンのエチレンオキサイド付加体を10〜30重量%、及びトルエンジアミンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体を20〜60重量%含有し、触媒がアミン触媒と三量化触媒である硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、発泡剤成分としてペンタン類を含有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(以下、ポリオール組成物という)及びペンタン発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォームは、断熱材、軽量構造材等として周知の材料である。係る硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、発泡剤を必須成分として含有するポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合して反応させ、発泡、硬化させることにより形成される。発泡剤としては、古くはCFC−11等のフロン化合物が使用されていたが、CFC化合物はオゾン層の破壊を引き起こすことから禁止され、HCFC−141bに切り換えられ、さらに2004年からはオゾン層破壊係数がゼロであるHFC化合物への切り換えが行われているが、HFC化合物は高価であるという問題を有する。
HFC化合物等のハロゲン化炭化水素化合物に代えて、低コストの発泡剤としてn−ペンタン、iso−ペンタン、シクロペンタン等のペンタン類を使用する技術が公知である。
また特許文献1には、ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物のいずれも、貯蔵安定性、発泡原液組成物の流動性がよく、硬化収縮性の小さな、トリメチロールアルカンを開始剤とするポリエーテルポリオールを使用することを特徴とするペンタン発泡の硬質ポリウレタンフォームが開示されている。
しかし、特許文献1に開示された硬質ポリウレタンフォームにおいては、使用されるポリオール化合物が実質的にポリエーテルポリオールであり、しかも発泡剤であるペンタン類の可燃性が高いために、得られたフォームの難燃性は、HFC化合物を発泡剤として使用した場合と比較して十分ではない。
硬質ポリウレタンフォームを構成するポリウレタン樹脂自体の難燃性を高める技術としては、硬質ポリウレタンフォーム用の芳香族系ポリエステルポリオールを多く使用する方法やイソシアヌレート基の濃度を高くする方法が考えられる。
ところが、芳香族ポリエステルポリオールとペンタン類との相溶性が悪く、芳香族ポリエステルポリオールの添加量が多くなると、ポリオール組成物中で発泡剤の相分離が発生しやすくなる。その結果、気泡が大きく、気泡の均一性に乏しく、十分な性能を有する硬質ポリウレタンフォームを得られない問題がある。
これに対して、特許文献1に開示されているような発泡剤と相溶性の良いポリエーテルポリオール化合物を使用して、反応時のイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)を2.0〜3.5と高く設定してイソシアヌレート基濃度の高いフォームを作製しようとすると、所定密度のフォーム形成のためにペンタン類の添加量を多くしなければならず、やはり発泡剤の分離が発生し、硬化性が低下して面材との接着強度の低下、フォーム強度の低下などの問題を生じる。
また、発泡剤としてシクロペンタンを使用した際に、硬質ポリウレタンフォームの断熱特性を改善することを目的として、シクロペンタンとの相溶性が低いポリエステルポリオールを用いることが開示されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2の技術ではフォーム強度、難燃性及び断熱特性の全てに優れ
る硬質ポリウレタンフォームを得ることはできない。
る硬質ポリウレタンフォームを得ることはできない。
また、特許文献2には、発泡剤としてペンタン類と水を併用することが開示されている。
ここで、水部数を低減させると、熱伝導率低下の効果が認められるが、これにより強度の低下が認められる。また、水部数を減らすと、発泡剤であるペンタン類の割合が増加することになり、難燃効果が低下することになる。
特許文献3には、発泡剤としてペンタン類を使用した場合に、相溶性を改善する目的のため、乳化剤を使用するものが開示されている。
本発明の目的は、フォーム強度、難燃性及び断熱特性に優れるペンタン発泡硬質ポリウ
レタンフォームを製造するためのポリオール組成物及びペンタン発泡硬質ポリウレタンフ
ォームの製造方法を提供することにある。
レタンフォームを製造するためのポリオール組成物及びペンタン発泡硬質ポリウレタンフ
ォームの製造方法を提供することにある。
ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤及び触媒を含み、ポリイソシアネート成分と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するための硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物において、
前記発泡剤はペンタン類を含有するものであり、
前記ポリオール化合物は、水酸基価が200〜400mgKOH/g、官能基数が2〜3、芳香族濃度が20〜30重量%、及びペンタン溶解度が2〜15g/ポリオール100gである芳香族ポリエステルポリオールを20〜50重量%含有し、水酸基価が600〜810mgKOH/gであるエチレンジアミンのエチレンオキサイド付加体を10〜30重量%、及び水酸基価が350〜500mgKOH/g、粘度が15000〜35000mPa・s/25℃であるトルエンジアミンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体を20〜60重量%含有し、
前記触媒がアミン触媒と三量化触媒であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、に関する。
前記発泡剤はペンタン類を含有するものであり、
前記ポリオール化合物は、水酸基価が200〜400mgKOH/g、官能基数が2〜3、芳香族濃度が20〜30重量%、及びペンタン溶解度が2〜15g/ポリオール100gである芳香族ポリエステルポリオールを20〜50重量%含有し、水酸基価が600〜810mgKOH/gであるエチレンジアミンのエチレンオキサイド付加体を10〜30重量%、及び水酸基価が350〜500mgKOH/g、粘度が15000〜35000mPa・s/25℃であるトルエンジアミンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体を20〜60重量%含有し、
前記触媒がアミン触媒と三量化触媒であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、に関する。
上記構成のポリオール組成物を使用して得られた硬質ポリウレタンフォームは、ペンタ
ン類を発泡剤成分として使用して形成されており、熱伝導率が低いため断熱特性が良好で
あり、しかも難燃性とフォーム強度が改善された硬質ポリウレタンフォームである。
ン類を発泡剤成分として使用して形成されており、熱伝導率が低いため断熱特性が良好で
あり、しかも難燃性とフォーム強度が改善された硬質ポリウレタンフォームである。
本発明における前記アミン触媒は、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン及び/又はN−メチルジシクロヘキシルアミンが好ましく、前記三量化触媒としては、オクチル酸カリウム、酢酸カリウム、及び第4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記アミン触媒と三量化触媒を併用することにより、イソシアヌレート結合が形成されて難燃性がより向上するだけでなく、高強度の硬質ポリウレタンフォームを得ることができるため寸法安定性を向上させることができる。また、前記三量化触媒を使用することにより、急激な発泡が生じ、これによりフォームの横伸びが激しくなる傾向にあった。しかし、前記触媒を併用し適量を添加することにより、フォームの横伸びを制御できる。更には、高強度化により、水部数の低減が可能となり、熱伝導率を低下させることができる。
本発明は、硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分とを混合して、発泡・硬化させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法、に関する。
上述の構成により、ペンタン類を発泡剤成分として使用した場合、断熱特性が良好であり、しかも難燃性とフォーム強度が改善された硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。難燃性においては、HCFC−141bを発泡剤として使用した硬質ポリウレタンフォームの着火性において同等のフォームを製造することができる。
上述の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記ポリオール組成物とポリイソシアネート成分との混合におけるイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)が1.2〜1.7であることが好ましく、より好ましくは1.3〜1.5である。
係る構成により、硬質ポリウレタンフォームを構成する樹脂中にイソシアヌレート結合が多く形成され、難燃性及びフォーム強度がより一層向上した硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明のポリオール化合物は、水酸基価が200〜400mgKOH/g、官能基数が2〜3、芳香族濃度が20〜30重量%、及びペンタン溶解度が2〜15g/ポリオール100gである芳香族ポリエステルポリオールを20〜50重量%含有する。
前記芳香族ポリエステルポリオールの水酸基価は、より好ましくは200〜300mgKOH/gである。水酸基価が200mgKOH/g未満の場合には、フォーム強度が不十分になるため収縮変形しやすくなる。一方、水酸基価が400mgKOH/gを超える場合には、ポリオール組成物の粘度が高くなりすぎるため、均一な発泡原液組成物を調製することが困難になり、フォームの品質が低下する。なお、前記芳香族ポリエステルポリオールを使用することにより、難燃性が向上する。
また、前記芳香族ポリエステルポリオールの官能基数は、2〜2.5であることが好ましい。官能基数が3を超える場合には、ポリオール組成物の粘度が高くなりすぎるため、均一な発泡原液組成物を調製することが困難になり、フォームの品質が低下する。
また、前記芳香族ポリエステルポリオールの芳香族濃度は、20〜30重量%である。芳香族濃度が20重量%未満の場合には、熱伝導率を0.0185(W/m・K)以下にすることが困難になり、断熱特性の向上を達成することができないだけでなく、フォーム強度が不十分になるため収縮変形しやすくなる。一方、芳香族濃度が30重量%を超えると、ペンタンと芳香族ポリエステルポリオールの相溶性が悪くなるため、均一な発泡原液組成物を調製することが困難になり、フォームの品質が低下する傾向にある。
前記芳香族ポリエステルポリオールのペンタン溶解度は、3〜10g/ポリオール100gであることが好ましい。また、ペンタン溶解度の低い芳香族ポリエステルポリオールとペンタン溶解度の高い芳香族ポリエステルポリオールとを併用しても良い。これらを併用することにより、断熱特性だけでなくフォーム強度も向上させることができる。ここで、ペンタン溶解度とは、液温20℃の芳香族ポリエステルポリオール100gに溶解するペンタンのg数をいう。ペンタン溶解度が2未満の場合には、芳香族ポリエステルポリオールとペンタンとの相溶性が低いため、ポリオール組成物が白濁したり、ポリオール組成物中で発泡剤の相分離が発生しやすくなる。その結果、気泡が大きく、しかも気泡の均一性に乏しく、断熱特性に劣る硬質ポリウレタンフォームになる。一方、ペンタン溶解度が15を超える場合には、得られる硬質ポリウレタンフォームの強度が低下し、収縮変形しやすくなる。芳香族ポリエステルポリオールのペンタン溶解度を上記範囲内に調整する方法としては、例えば、(1)o−、m−及びp−芳香族ポリカルボン酸の配合割合の調整、(2)ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール成分の配合割合の調整、(3)天然油脂等の添加物の使用などが挙げられる。
また、前記芳香族ポリエステルポリオールの配合量は、ポリオール化合物中に30〜40重量%であることが好ましい。芳香族ポリエステルポリオールの配合量が20重量%未満の場合にはフォームの断熱特性及び難燃性が低下し、一方、50重量%を越える場合には芳香族ポリエステルポリオールが、特にペンタンに溶けにくくなるため、分離が発生し、セルの均一な発泡原液組成物を調製することが困難になり、フォームの品質が低下する傾向にある。
本発明においては、前記芳香族ポリエステルポリオール化合物に加え、水酸基価が600〜810mgKOH/gであるエチレンジアミンのEO付加体を10〜30重量%、及び水酸基価が350〜500mgKOH/gであるトルエンジアミンのEO又はPO付加体を20〜60重量%のものを使用する。上記範囲外であると、フォーム強度を確保できなくなる。
前記エチレンジアミンのEO付加体の水酸基価は650〜810mgKOH/gであることが好ましく、トルエンジアミンのEO又はPO付加体の水酸基価は380〜480mgKOH/gであることが好ましい。前記エチレンジアミンのEO付加体及びトルエンジアミンのEO又はPO付加体の水酸基価が、上記範囲を下回ると、強度の低下が大きくなり、フォームの品質の低下が見られる。一方、上記範囲を超えると、ポリオール組成物の粘度が高くなりすぎ、均一な発泡原液組成物を調製することが困難となり、フォームの品質が低下することになる。
前記エチレンジアミンのEO付加体の使用量は、15〜20重量%であることが好ましく、トルエンジアミンのEO又はPO付加体の使用量は、30〜50重量%であることが好ましい。上記範囲外であると、有効なフォームの品質を確保できない。上記範囲より少ない場合は、フォーム強度が著しく低下する。一方、多い場合には、原液粘度の増大し、均一な撹拌が行えず、フォームの品質が低下する。
前記トルエンジアミンのEO又はPO付加体の粘度は、15000〜35000mPa・s/25℃であるものを使用する。前記ポリエーテルポリオール化合物として、高粘度のトルエンジアミンのEO又はPO付加体を使用することにより、高いフォーム強度を図ることができ、更なる熱伝導率の低減を望むことができる。
前記トルエンジアミンのEO又はPO付加体の粘度として、好ましくは、18000〜30000mPa・s/25℃である。前記粘度が15000mPa・s/25℃未満であると、フォーム強度を確保することができなくなり、35000mPa・s/25℃を超えると、均一な発泡原液組成物を調製することが困難となる。
上記2種のポリエーテルポリオール化合物を特定割合で併用することにより、ポリオール組成物の粘度を2500mPa・s/20℃以下に調整することができる。それにより均一な発泡原液組成物を調製することができるためフォームの品質低下を防止できる。また、成型品の初期強度を向上させることができる。一方、粘度が2500mPa・s/20℃を超えると、前記発泡原液組成物を撹拌することが困難となり、均一な発泡原液組成物を得ることができない。
本発明のポリオール組成物を構成するポリオール化合物としては、前記芳香族ポリエステルポリオール、前記ポリエーテルポリオール化合物のエチレンジアミンのEO付加体、及びトルエンジアミンのEO又はPO付加体に加えて、本発明の効果を阻害しない他のポリエーテルポリオール化合物を使用することができる。係る他のポリエーテルポリオール化合物としては、脂肪族アミン系ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリエーテルポリオール、芳香族アミン系ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエーテルポリオール等の公知のポリエーテルポリオールが挙げられる。
前記脂肪族アミン系ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンジアミン系ポリオールや、アルカノールアミン系ポリオールが例示される。これらのポリオール化合物は、アルキレンジアミンやアルカノールアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の多官能ポリオール化合物である。アルキレンジアミンとしては、公知の化合物が限定なく使用できる。具体的にはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミン等の炭素数が2〜8のアルキレンジアミンの使用が好適である。これらの中でも、炭素数の小さなアルキレンジアミンの使用がより好ましく、特にエチレンジアミン、プロピレンジアミンを開始剤としたポリオール化合物の使用が好ましい。アルキレンジアミン系ポリオールにおいては、開始剤であるアルキレンジアミンは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等が例示される。
前記脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、多官能性活性水素化合物、即ちポリオール開始剤として脂肪族ないし脂環族多官能性活性水素化合物にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させて得られる多官能性のオリゴマーである。ポリオール開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ペンタエリスリトール等の4官能アルコール類、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール類、並びに水等が例示される。
前記芳香族アミン系ポリエーテルポリオールは、芳香族ジアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を開環付加させたポリオール化合物である。開始剤である芳香族ジアミンとしては、公知の芳香族ジアミンを限定なく使用することができる。具体的には2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等が例示される。これらの中で、得られる硬質ポリウレタンフォームの断熱性やフォーム強度などの特性が優れている点でトルエンジアミン(2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン又はこれらの混合物)の使用が好ましい。
前記芳香族ポリエーテルポリオールは、ヒドロキノン、キシリレングリコール等の芳香族化合物を開始剤として、上記のポリエーテルポリオールと同様の方法で製造される。
本発明のポリオール組成物には、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としてはポリウレタンの技術分野において使用される低分子量多価アルコールを使用することができる。具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン等が例示される。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に際しては、当業者に周知の触媒、整泡剤、難燃剤、低粘度化助剤、着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
触媒として、上記ウレタン化反応促進触媒であるアミン触媒を使用する。具体的には、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどを使用することが好ましく、より好ましくはN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミンである。
また、本発明においては、前記アミン触媒に加えてポリウレタン分子の構造において難燃性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する三量化触媒を使用する。具体的には、オクチル酸カリウム、酢酸カリウム、及び第4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。前記触媒を使用することにより、フォーム強度を向上させることができる。
ここで、前記第4級アンモニウム塩としては、従来公知のものは限定なく使用可能である。例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩などが挙げられる。第4級アンモニウム塩含有触媒としては、市販品の使用が可能であり、例えば、Kaolizer No.400,410,420(花王製)等が例示される。
前記アミン触媒と三量化触媒の配合重量比は、アミン触媒/三量化触媒=2/1〜1/3であることが好ましく、より好ましくは2/1〜1/2である。アミン触媒が上記範囲より多い場合は、フォーム強度が低下する。一方、三量化触媒が多い場合は、フォームの横伸び大きくなり、製品の外観が悪化する。
本発明においては、さらに難燃剤を添加することも好ましい態様であり、好適な難燃剤としては、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が例示される。
ただし、三酸化アンチモン等の粉末状の難燃剤を過剰に添加するとフォームの発泡挙動に影響が表れるなどの問題を生じる場合が有り、その添加量はかかる問題を生じない範囲に制限される。
前記有機リン酸エステル類は、可塑剤としての作用も有する。従って、硬質ポリウレタンフォームの脆性改良の効果も奏することから、好適な添加剤である。またポリオール組成物の粘度低下効果も有する。かかる有機リン酸エステル類としては、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(β−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学製)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学製)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP,大八化学製)、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上を使用することができる。
前記有機リン酸エステル類の添加量は、ポリオール化合物の合計100重量部に対して40重量部以下であることが好ましく、より好ましくは10〜20重量部である。この範囲を超えると、可塑化効果、難燃効果が十分に得られない場合や、フォームの機械的特性が低下するなどの問題が生じる場合がある。
本発明において、発泡剤として使用するペンタン類は、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンから1種以上を適宜選択して使用する。発泡剤は、水とペンタンを併用することがより好ましい態様である。
前記ペンタン類の添加量は、得られる硬質ポリウレタンフォームの密度を考慮して適宜決定される。本発明において、ポリオール化合物の合計100重量部に対して、12〜25重量部であることが好ましく、より好ましくは、15〜20重量部である。なお、12重量部未満であると、発泡剤としての効果が小さくなり、一方、25重量部を越えると、前記ウレタンフォームの難燃性が悪化する。
また、水の添加量は、ポリオール化合物の合計100重量部に対して、0.5〜3.0重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0重量部である。なお、水部数が0.5重量部未満であると、フォーム強度が低下し、一方、3.0重量部を越えると、熱伝導率の低減の効果が認められない。
本発明のポリオール組成物と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリイソシアネート化合物としては、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、液状ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を使用することができる。液状MDIとしては、クルードMDI(c−MDI)(スミジュール44V−10,スミジュール44V−20等(住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR−200(日本ポリウレタン工業))、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等が使用される。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において周知のものは限定なく使用することができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造においては、NCOインデックスは、1.2〜1.7であることが好ましく、より好ましくは1.3〜1.6である。NCOインデックスが、1.2未満であると、難燃性の効果が小さく、一方、1.7を越えると、未反応のイソシアネート基が多く存在するため、反応が速くなり、フォームの加工性が悪くなる傾向にある。
本発明により製造される硬質ポリウレタンフォームの密度は、28〜45kg/m3であることが好ましい。密度が低い場合には、フォーム強度が低下する。一方、高い場合には、粘度が高くなり、撹拌性が悪化し、流動性も悪くなる。
本発明のポリオール組成物並びに硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、スラブストックフォーム、サンドイッチパネル等の連続生産されるフォームの製造に使用することができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法を、両面に紙面材を積層した断熱パネルの製造を例として説明する。本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、一般にスラブフォームやサンドイッチパネルを製造するのに使用される、面材供給装置、コンベア装置、ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合して下面材上に供給する発泡機(ミキサー)、加熱オーブン、及び連続状に形成された硬質ポリウレタンフォームを適宜の長さに裁断する裁断機を備えた公知の連続発泡装置を使用することができる。
前記サンドイッチパネルの製造工程は、一般的には以下の工程から構成される。
1)下紙面材を原反ロールから巻き戻してコンベアに供給する。
2)下紙面材上に、発泡機にてポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合して形成された発泡原液組成物を、紙面材の幅方向に均一に供給する。
3)上紙面材を供給する。上面材供給後にニップロール等のニップ装置を通過させて発泡原液組成物液の幅方向への拡散、液の厚さの均一化、上下面材と発泡原液組成物の親和等を行う。
4)加熱オーブンに送り込んで加熱し、発泡・硬化反応を行わせて両面に紙面材が積層された硬質ポリウレタンフォームとする。所定の厚さにするために、フォームの上下面を押さえるダブルコンベアを使用してもよい。
5)加熱オーブンから連続的に出てくる硬質ポリウレタンフォームを、裁断機にて所定長さに裁断する。
1)下紙面材を原反ロールから巻き戻してコンベアに供給する。
2)下紙面材上に、発泡機にてポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合して形成された発泡原液組成物を、紙面材の幅方向に均一に供給する。
3)上紙面材を供給する。上面材供給後にニップロール等のニップ装置を通過させて発泡原液組成物液の幅方向への拡散、液の厚さの均一化、上下面材と発泡原液組成物の親和等を行う。
4)加熱オーブンに送り込んで加熱し、発泡・硬化反応を行わせて両面に紙面材が積層された硬質ポリウレタンフォームとする。所定の厚さにするために、フォームの上下面を押さえるダブルコンベアを使用してもよい。
5)加熱オーブンから連続的に出てくる硬質ポリウレタンフォームを、裁断機にて所定長さに裁断する。
硬質ポリウレタンフォームサンドイッチパネルは、幅が1300mm以下、厚さが薄物の場合には10〜65mm、厚物の場合には65〜120mmであり、用途に応じて適宜設定される。使用する面材は特に限定されるものではないが、紙面材の場合には0.2〜2.5mmの厚さのクラフト紙及びライナー紙が使用される。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における物性等の評価方法は次のとおりである。
なお、表1及び表2には、物性評価の結果を示した。
<使用原料>
(1)ポリオール化合物
・ポリオールA:エチレンジアミン(EDA)のEO付加体(旭硝子社製、水酸基価600mgKOH/g)
・ポリオールB:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価480mgKOH/g)
・ポリオールC:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価470mgKOH/g)
・ポリオールD:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価440mgKOH/g)
・ポリオールE:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価420mgKOH/g)
・ポリオールF:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価385mgKOH/g)
・ポリオールG:芳香族ポリエステルポリオール(東邦理化社製、水酸基価250mgKOH/g、芳香族濃度24.8%、官能基数2、ペンタン溶解度2.0g/ポリオール100g)
・ポリオールH:芳香族ポリエステルポリオール(東邦理化社製、水酸基価250mgKOH/g、芳香族濃度24.0%、官能基数2、ペンタン溶解度10.0g/ポリオール100g)
(2)難燃剤(可塑剤):トリス(β−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学工業社製)
(3)整泡剤:SH−193:シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニングシリコン社製)
(4)アミン触媒:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(Kao.No.1、花王社製)、N−メチルジシクロヘキシルアミン(PC−12、サンアプロ社製)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(PC−8、サンアプロ社製)
(5)三量化触媒:オクチル酸カリウム(ペルロン9540、ペルロン社製)、酢酸カリウム(LK−25、米山化学工業社製)、第4級アンモニウム塩(Kao.No.410、花王社製)(DABCO−TMR、サンアプロ社製)
(6)発泡剤:シクロペンタン
(7)ポリイソシアネート化合物:c−MDI(MR−200、日本ポリウレタン社製)
(1)ポリオール化合物
・ポリオールA:エチレンジアミン(EDA)のEO付加体(旭硝子社製、水酸基価600mgKOH/g)
・ポリオールB:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価480mgKOH/g)
・ポリオールC:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価470mgKOH/g)
・ポリオールD:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価440mgKOH/g)
・ポリオールE:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価420mgKOH/g)
・ポリオールF:トルエンジアミン(TDA)のEO又はPO付加体(旭硝子社製、水酸基価385mgKOH/g)
・ポリオールG:芳香族ポリエステルポリオール(東邦理化社製、水酸基価250mgKOH/g、芳香族濃度24.8%、官能基数2、ペンタン溶解度2.0g/ポリオール100g)
・ポリオールH:芳香族ポリエステルポリオール(東邦理化社製、水酸基価250mgKOH/g、芳香族濃度24.0%、官能基数2、ペンタン溶解度10.0g/ポリオール100g)
(2)難燃剤(可塑剤):トリス(β−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学工業社製)
(3)整泡剤:SH−193:シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニングシリコン社製)
(4)アミン触媒:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(Kao.No.1、花王社製)、N−メチルジシクロヘキシルアミン(PC−12、サンアプロ社製)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(PC−8、サンアプロ社製)
(5)三量化触媒:オクチル酸カリウム(ペルロン9540、ペルロン社製)、酢酸カリウム(LK−25、米山化学工業社製)、第4級アンモニウム塩(Kao.No.410、花王社製)(DABCO−TMR、サンアプロ社製)
(6)発泡剤:シクロペンタン
(7)ポリイソシアネート化合物:c−MDI(MR−200、日本ポリウレタン社製)
<硬質ポリウレタンフォームの製造例>
表1に記載した配合によりポリオール組成物を調製し、前記ポリオール組成物とポリイソシアネートを使用して上記のサンドイッチパネルの製造方法により厚さ0.5mmのクラフト紙を面材として厚さ20mm、幅1200mmのサンドイッチパネルを連続生産した。ポリオール組成物とイソシアネート成分との混合比率は、NCOインデックスが表1記載の数値(1.6)となるように設定した。NCOインデックスは、添加した水に対しては1.0となるようにして設定した。
表1に記載した配合によりポリオール組成物を調製し、前記ポリオール組成物とポリイソシアネートを使用して上記のサンドイッチパネルの製造方法により厚さ0.5mmのクラフト紙を面材として厚さ20mm、幅1200mmのサンドイッチパネルを連続生産した。ポリオール組成物とイソシアネート成分との混合比率は、NCOインデックスが表1記載の数値(1.6)となるように設定した。NCOインデックスは、添加した水に対しては1.0となるようにして設定した。
<測定及び評価方法>
(1)ペンタンを除くポリオール組成物の粘度
ペンタンを添加しないポリオール組成物の温度20℃における粘度(mPa・s/20℃)をB型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。
(2)フォーム強度
作製したサンドイッチパネルの断面の硬さをJIS A 9511に準拠して測定した。
(3)面材との接着強度
作製したサンドイッチパネルの面材に幅5cmの切欠きを形成し、端部を剥離した面材をバネ秤にて剥離角度45°で引っ張り、その時の剥離強度(g/5cm幅)を測定した。
(4)難燃性
サンドイッチパネルから幅100mm、長さ100mmのサンプルを切り出し、内炎の高さを20mm、外炎の高さを38mmに調整したプロパンガスブンゼンバーナーの炎の先端に上記サンプルの先端を10秒間接触させ、フォームが燃焼するか否かを目視により観察した。フォームが燃焼しなかったものを○、着火するが燃焼が持続しないものを△、フォームが燃焼するものを×として評価した。
(5)熱伝導率
熱伝導率測定装置AUTO−Λ HC−074(英弘精機社製)を使用し、測定条件
は、JIS A 9511に準拠して熱伝導率(W/m・K)を測定した。
(6)外観評価
フォームセルの撹拌状態、表面の凹凸、平滑性、フォーム収縮を評価した。具体的に以下に説明する。
(ア)フォームセルの撹拌状態は、製品の裁断面フォームのセル状態、不均一さ、撹拌ムラの有無、セルの大きさを目視にて観察した。(イ)表面の凹凸、平滑性は目視にて観察した。(ウ)フォーム収縮は、製品の裁断時における収縮を観察した。
外観は上記(ア)〜(ウ)の項目を総合評価し、製品として使用できるか否かにより、○又は×を用いて評価した
(1)ペンタンを除くポリオール組成物の粘度
ペンタンを添加しないポリオール組成物の温度20℃における粘度(mPa・s/20℃)をB型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。
(2)フォーム強度
作製したサンドイッチパネルの断面の硬さをJIS A 9511に準拠して測定した。
(3)面材との接着強度
作製したサンドイッチパネルの面材に幅5cmの切欠きを形成し、端部を剥離した面材をバネ秤にて剥離角度45°で引っ張り、その時の剥離強度(g/5cm幅)を測定した。
(4)難燃性
サンドイッチパネルから幅100mm、長さ100mmのサンプルを切り出し、内炎の高さを20mm、外炎の高さを38mmに調整したプロパンガスブンゼンバーナーの炎の先端に上記サンプルの先端を10秒間接触させ、フォームが燃焼するか否かを目視により観察した。フォームが燃焼しなかったものを○、着火するが燃焼が持続しないものを△、フォームが燃焼するものを×として評価した。
(5)熱伝導率
熱伝導率測定装置AUTO−Λ HC−074(英弘精機社製)を使用し、測定条件
は、JIS A 9511に準拠して熱伝導率(W/m・K)を測定した。
(6)外観評価
フォームセルの撹拌状態、表面の凹凸、平滑性、フォーム収縮を評価した。具体的に以下に説明する。
(ア)フォームセルの撹拌状態は、製品の裁断面フォームのセル状態、不均一さ、撹拌ムラの有無、セルの大きさを目視にて観察した。(イ)表面の凹凸、平滑性は目視にて観察した。(ウ)フォーム収縮は、製品の裁断時における収縮を観察した。
外観は上記(ア)〜(ウ)の項目を総合評価し、製品として使用できるか否かにより、○又は×を用いて評価した
<評価結果>
表1より、ポリオール化合物として、高粘度のトルエンジアミンのEO又はPO付加体を使用した実施例1及び2において、ピーリング接着強度、フォーム強度、熱伝導率及び液粘度の評価項目において、目標(規格)値を満足することが判明した。また、前記ポリオールを使用することにより、フォーム強度の向上を図ることができ、これに伴い水部数を低減し、更なる熱伝導率低下を達成することができた。
表1より、ポリオール化合物として、高粘度のトルエンジアミンのEO又はPO付加体を使用した実施例1及び2において、ピーリング接着強度、フォーム強度、熱伝導率及び液粘度の評価項目において、目標(規格)値を満足することが判明した。また、前記ポリオールを使用することにより、フォーム強度の向上を図ることができ、これに伴い水部数を低減し、更なる熱伝導率低下を達成することができた。
また、表1の実施例において、芳香族ポリエステルポリオール使用し、NCOインデックスを調整することにより、難燃性もJIS A 9511レベルを確保することができた。
一方、表1の比較例1〜3においては、ポリオール化合物として、低粘度のトルエンジアミンのEO又はPO付加体を使用したところ、フォーム強度及び熱伝導率が目標値を下回り、比較例3においては、ピーリング接着強度も目標値を下回る結果となった。
表2により、アミン触媒/三量化触媒の重量比を2/1〜1/3の範囲とした実施例においては、ピーリング接着強度、フォーム強度、熱伝導率、難燃性、及び液粘度の評価項目において、目標(規格)値を満足する結果であることが判明した。
また、表2の実施例において、硬質ポリウレタンフォームは、製品厚みが10〜120mm、幅1300mm以下で、製品寸法精度及び外観の良好な製品が得られた。
一方、表2の比較例1〜3においては、アミン触媒のみを使用し、三量化触媒を使用しない場合は、フォーム強度が実施例と比較して著しく低下することが確認された。また、外観において、良好な製品は得られなかった。
これらの結果より、前記ポリオール化合物及び触媒を使用することにより、フォーム強度及び面材とフォームの接着強度に優れ、熱伝導率も低く断熱性に優れ、しかもペンタンを発泡剤として使用しても難燃性に優れる硬質ポリウレタンフォームを製造することができた。
Claims (4)
- ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤及び触媒を含み、ポリイソシアネート成分と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するための硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物において、
前記発泡剤はペンタン類を含有するものであり、
前記ポリオール化合物は、水酸基価が200〜400mgKOH/g、官能基数が2〜3、芳香族濃度が20〜30重量%、及びペンタン溶解度が2〜15g/ポリオール100gである芳香族ポリエステルポリオールを20〜50重量%含有し、水酸基価が600〜810mgKOH/gであるエチレンジアミンのエチレンオキサイド付加体を10〜30重量%、及び水酸基価が350〜500mgKOH/g、粘度が15000〜35000mPa・s/25℃であるトルエンジアミンのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体を20〜60重量%含有し、
前記触媒がアミン触媒と三量化触媒であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。 - 前記アミン触媒がN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン及び/又はN−メチルジシクロヘキシルアミンであり、前記三量化触媒がオクチル酸カリウム、酢酸カリウム、及び第4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
- 請求項1又は2記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物と、ポリイソシアネート成分とを混合して、発泡・硬化させる硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 前記ポリオール組成物とポリイソシアネート成分との混合におけるイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)が1.2〜1.7である請求項3記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2008280448A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Bridgestone Corp | ポリウレタン発泡体及びそれを用いた導電性ローラ |
JP2015078594A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-04-23 | 積水化学工業株式会社 | 難燃断熱パネル |
JP2016205624A (ja) * | 2014-02-27 | 2016-12-08 | 積水化学工業株式会社 | 配管または機器用耐火性断熱被覆材 |
WO2023107358A1 (en) | 2021-12-09 | 2023-06-15 | Dow Global Technologies Llc | Flame retardant flexible polyurethane foam for automotive seating |
-
2006
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