JP2023038363A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

Figure 2023038363000001
【課題】ESRを低減することが可能な積層セラミックコンデンサを提供すること。
【解決手段】積層セラミックコンデンサ1であって、積層された複数の誘電体層20と積層された複数の内部電極層30とを含む積層体10と、内部電極層30に接続される外部電極40と、を備え、外部電極40は、導電性樹脂層60と、導電性樹脂層60上に配置されるめっき層70と、を有し、導電性樹脂層60は、樹脂部61と、樹脂部61内に分散された導電性フィラー62と、導電性樹脂層60において導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在する金属粒子63と、を有し、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側よりも、導電性樹脂層60のめっき層70側の方が高い。
【選択図】図5

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
従来、急激な熱変化等により発生する応力を吸収するために、導電性樹脂層を含む外部電極を備える積層セラミックコンデンサが知られている。特許文献1には、焼き付け電極層の表面に導電性樹脂層を形成し、さらにその表面にめっき層を形成した外部電極が開示されている。導電性樹脂層としては、熱硬化性樹脂に導電性フィラーを配合したものが用いられている。この導電性フィラーが、導電性樹脂層の導電性を確保している。
特開平11-162771号公報
特許文献1の構成においては、導電性樹脂層内の導電性および導電性樹脂層とめっき層の導電性は、導電性フィラーの接触確率に頼っている。よって、導電性フィラーの接触確率が低い場合は、等価直列抵抗(ESR)が高くなってしまう。また、導電性樹脂層とめっき層の界面付近に存在している導電性フィラーが熱硬化性樹脂に覆われている場合、この覆われている部分には、めっきが析出しにくい。また、この部分は、導電性樹脂層とめっき層との間の導電性を低下させる原因にもなる。
本発明の目的は、ESRを低減することが可能な積層セラミックコンデンサを提供することである。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極層とを含む積層体と、前記内部電極層に接続される外部電極と、を備え、前記外部電極は、導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層と、を有し、前記導電性樹脂層は、樹脂部と、前記樹脂部内に分散された導電性フィラーと、前記導電性樹脂層において前記導電性フィラーとは異なる分布で偏って存在する金属粒子と、を有し、前記樹脂部に対する前記金属粒子の存在比率は、前記導電性樹脂層の前記積層体側よりも、前記導電性樹脂層の前記めっき層側の方が高く、前記導電性フィラーに対する前記金属粒子の存在比率は、前記導電性樹脂層の前記積層体側よりも、前記導電性樹脂層の前記めっき層側の方が高い。
本発明によれば、ESRを低減することが可能な積層セラミックコンデンサを提供することができる。
実施形態の積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサのII-II線に沿った断面図である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのIII-III線に沿った断面図である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのIV-IV線に沿った断面図である。 図2に示す積層セラミックコンデンサのV部の拡大図であって、導電性樹脂層の概要を示す図である。 2連構造の積層セラミックコンデンサを示す図である。 3連構造の積層セラミックコンデンサを示す図である。 4連構造の積層セラミックコンデンサを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1について説明する。図1は、実施形態の積層セラミックコンデンサ1の外観斜視図である。図2は、図1の積層セラミックコンデンサ1のII-II線に沿った断面図である。図3は、図2の積層セラミックコンデンサ1のIII-III線に沿った断面図である。図4は、図2の積層セラミックコンデンサ1のIV-IV線に沿った断面図である。図5は、図2に示す積層セラミックコンデンサ1のV部の拡大図であって、導電性樹脂層60の概要を示す図である。
積層セラミックコンデンサ1は、積層体10と外部電極40を有する。
図1~図4には、XYZ直交座標系が示されている。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の長さ方向Lは、X方向と対応している。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の幅方向Wは、Y方向と対応している。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の積層方向Tは、Z方向と対応している。ここで、図2に示す断面はLT断面とも称される。図3に示す断面はWT断面とも称される。図4に示す断面はLW断面とも称される。
図1~4に示すように、積層体10は、積層方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、積層方向Tに直交する幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、積層方向Tおよび幅方向Wに直交する長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2と、を含む。
図1に示すように、積層体10は、略直方体形状を有している。なお、積層体10の長さ方向Lの寸法は、幅方向Wの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。積層体10の角部および稜線部には、丸みがつけられていることが好ましい。角部は、積層体の3面が交る部分であり、稜線部は、積層体の2面が交る部分である。なお、積層体10を構成する表面の一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体10の寸法は、特に限定されない。
図2および図3に示すように、積層体10は、内層部11と、積層方向Tにおいて内層部11を挟み込むように配置された第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13と、を有する。
内層部11は、複数の誘電体層20と複数の内部電極層30とを含む。内層部11は、積層方向Tにおいて、最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30から最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30までを含む。内層部11では、複数の内部電極層30が誘電体層20を介して対向して配置されている。内層部11は、静電容量を発生させ実質的にコンデンサとして機能する部分である。
複数の誘電体層20は、誘電体材料により構成される。誘電体材料は、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、またはCaZrOなどの成分を含む誘電体セラミックであってもよい。また、誘電体材料は、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加したものであってもよい。
誘電体層20の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。積層される誘電体層20の枚数は、15枚以上700枚以下であることが好ましい。なお、この誘電体層20の枚数は、内層部11の誘電体層の枚数と第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13の誘電体層の枚数との総数である。
複数の内部電極層30は、複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32を有する。複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32は、積層体10の積層方向Tに交互に配置されるように埋設されている。
第1の内部電極層31は、第2の内部電極層32に対向する第1の対向部31Aと、第1の対向部31Aから第1の端面LS1に引き出される第1の引き出し部31Bとを有している。第1の引き出し部31Bは、第1の端面LS1に露出している。
第2の内部電極層32は、第1の内部電極層31に対向する第2の対向部32Aと、第2の対向部32Aから第2の端面LS2に引き出される第2の引き出し部32Bとを有している。第2の引き出し部32Bは、第2の端面LS2に露出している。
本実施形態では、第1の対向部31Aと第2の対向部32Aが誘電体層20を介して対向することにより容量が形成され、コンデンサの特性が発現する。
第1の対向部31Aおよび第2の対向部32Aの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、矩形形状のコーナー部が丸められていてもよいし、矩形形状のコーナー部が斜めに形成されていてもよい。第1の引出き出し部31Bおよび第2の引き出し部32Bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、矩形形状のコーナー部が丸められていてもいし、矩形形状のコーナー部が斜めに形成されていてもよい。
第1の対向部31Aの幅方向Wの寸法と第1の引き出し部31Bの幅方向Wの寸法は、同じ寸法で形成されていてもよく、どちらか一方の寸法が小さく形成されていてもよい。第2の対向部32Aの幅方向Wの寸法と第2の引き出し部32Bの幅方向Wの寸法は、同じ寸法で形成されていてもよく、どちらか一方の寸法が狭く形成されていてもよい。
第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成される。合金を用いる場合、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えばAg-Pd合金等により構成されてもよい。
第1の内部電極層31および第2の内部電極層32のそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下程度であることが好ましい。第1の内部電極層31および第2の内部電極層32の枚数は、合わせて15枚以上200枚以下であることが好ましい。
第1の主面側外層部12は、積層体10の第1の主面TS1側に位置する。第1の主面側外層部12は、第1の主面TS1と最も第1の主面TS1に近い内部電極層30との間に位置する複数の誘電体層20の集合体である。第1の主面側外層部12で用いられる誘電体層20は、内層部11で用いられる誘電体層20と同じものであってもよい。
第2の主面側外層部13は、積層体10の第2の主面TS2側に位置する。第2の主面側外層部13は、第2の主面TS2と最も第2の主面TS2に近い内部電極層30との間に位置する複数の誘電体層20の集合体である。第2の主面側外層部13で用いられる誘電体層20は、内層部11で用いられる誘電体層20と同じものであってもよい。
なお、積層体10は、対向電極部11Eを有する。対向電極部11Eは、第1の内部電極層31の第1の対向部31Aと第2の内部電極層32の第2の対向部32Aが対向する部分である。対向電極部11Eは、内層部11の一部として構成されている。図4には、対向電極部11Eの幅方向Wおよび長さ方向Lの範囲が示されている。なお、対向電極部11Eは、コンデンサ有効部ともいう。
なお、積層体10は、側面側外層部WGを有する。側面側外層部WGは、第1の側面側外層部WG1と、第2の側面側外層部WG2を有する。第1の側面側外層部WG1は、対向電極部11Eと第1の側面WS1との間に位置する誘電体層20を含む部分である。第2の側面側外層部WG2は、対向電極部11Eと第2の側面WS2との間に位置する誘電体層20を含む部分である。図3および図4には、第1の側面側外層部WG1および第2の側面側外層部WG2の幅方向Wの範囲が示されている。なお、側面側外層部WGは、Wギャップまたはサイドギャップともいう。
なお、積層体10は、端面側外層部LGを有する。端面側外層部LGは、第1の端面側外層部LG1と、第2の端面側外層部LG2を有する。第1の端面側外層部LG1は、対向電極部11Eと第1の端面LS1との間に位置する誘電体層20を含む部分である。第2の端面側外層部LG2は、対向電極部11Eと第2の端面LS2との間に位置する誘電体層20を含む部分である。図2および図4には、第1の端面側外層部LG1および第2の端面側外層部LG2の長さ方向Lの範囲が示されている。なお、端面側外層部LGは、Lギャップまたはエンドギャップともいう。
外部電極40は、第1の端面LS1側に配置された第1の外部電極40Aと、第2の端面LS2側に配置された第2の外部電極40Bと、を有する。
第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上に配置されている。第1の外部電極40Aは、第1の内部電極層31に接続されている。第1の外部電極40Aは、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にも配置されていてもよい。本実施形態では、第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上に配置されている。第2の外部電極40Bは、第2の内部電極層32に接続されている。第2の外部電極40Bは、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にも配置されていてもよい。本実施形態では、第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
前述のとおり、積層体10内においては、第1の内部電極層31の第1の対向部31Aと第2の内部電極層32の第2の対向部32Aとが誘電体層20を介して対向することにより容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層31が接続された第1の外部電極40Aと第2の内部電極層32が接続された第2の外部電極40Bとの間でコンデンサの特性が発現する。
第1の外部電極40Aは、第1の導電性樹脂層60Aと、第1の導電性樹脂層60A上に配置される第1のめっき層70Aと、を含む複数の層により構成されている。本実施形態においては、第1の外部電極40Aは、第1の下地電極層50Aと、第1の下地電極層50A上に配置される第1の導電性樹脂層60Aと、第1の導電性樹脂層60A上に配置される第1のめっき層70Aと、を有する。第1のめっき層70Aは、下層めっき層としての第1のNiめっき層71Aおよび上層めっき層としての第1のSnめっき層72Aを有する。
第2の外部電極40Bは、第2の導電性樹脂層60Bと、第2の導電性樹脂層60B上に配置される第2のめっき層70Bと、を含む複数の層により構成されている。本実施形態においては、第2の外部電極40Bは、第2の下地電極層50Bと、第2の下地電極層50B上に配置される第2の導電性樹脂層60Bと、第2の導電性樹脂層60B上に配置される第2のめっき層70Bと、を有する。第2のめっき層70Bは、下層めっき層としての第2のNiめっき層71Bおよび上層めっき層としての第2のSnめっき層72Bを有する。
なお、第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bを構成する各層の基本的な構成は同じである。また、第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bは、積層セラミックコンデンサ1の長さ方向Lの中央のWT断面に対して概ね面対称である。よって、第1の外部電極40Aと第2の外部電極40Bとを特に区別して説明する必要のない場合は、これらをまとめて外部電極40という場合がある。また、第1の下地電極層50Aと第2の下地電極層50Bとを特に区別して説明する必要のない場合は、これらをまとめて下地電極層50という場合がある。また、第1の導電性樹脂層60Aと第2の導電性樹脂層60Bとを特に区別して説明する必要のない場合は、これらをまとめて導電性樹脂層60という場合がある。また、第1のめっき層70Aと第2のめっき層70Bとを特に区別して説明する必要のない場合は、これらをまとめてめっき層70という場合がある。また、第1のNiめっき層71Aと第2のNiめっき層71Bとを特に区別して説明する必要のない場合は、これらをまとめてNiめっき層71という場合がある。また、第1のSnめっき層72Aと第2のSnめっき層72Bとを特に区別して説明する必要のない場合は、これらをまとめてSnめっき層72という場合がある。
下地電極層50は、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bを有する。
第1の下地電極層50Aは、第1の端面LS1上に配置されている。第1の下地電極層50Aは、第1の内部電極層31に接続されている。本実施形態においては、第1の下地電極層50Aは、第1の端面LS1上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
第2の下地電極層50Bは、第2の端面LS2上に配置されている。第2の下地電極層50Bは、第2の内部電極層32に接続されている。本実施形態においては、第2の下地電極層50Bは、第2の端面LS2上から第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部、ならびに第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にまで延びて形成されている。
下地電極層50は、本実施形態においては、焼き付け層である。焼き付け層は、ガラス成分と金属とを含む。焼き付け層のガラス成分は、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼き付け層の金属は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼き付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体に塗布して焼き付けたものである。焼き付け層は、内部電極層および誘電体層を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時焼成したものでもよく、内部電極層および誘電体層を有する積層チップを焼成して積層体を得た後に積層体に導電性ペーストを塗布して焼き付けたものでもよい。なお、内部電極層30および誘電体層20を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼付け層は、ガラス成分の代わりに誘電体材料を添加したものを焼き付けて形成することが好ましい。焼き付け層は、複数層であってもよい。
第1の端面LS1に位置する第1の下地電極層50Aの長さ方向の厚みは、第1の下地電極層50Aの積層方向Tおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上160μm以下程度であることが好ましい。
第2の端面LS2に位置する第2の下地電極層50Bの長さ方向の厚みは、第2の下地電極層50Bの積層方向Tおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上160μm以下程度であることが好ましい。
第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部にも第1の下地電極層50Aを設ける場合には、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの積層方向の厚みは、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの長さ方向Lおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にも第1の下地電極層50Aを設ける場合には、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの幅方向の厚みは、この部分に設けられた第1の下地電極層50Aの長さ方向Lおよび積層方向Tの中央部において、例えば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部にも第2の下地電極層50Bを設ける場合には、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの積層方向の厚みは、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの長さ方向Lおよび幅方向Wの中央部において、例えば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にも第2の下地電極層50Bを設ける場合には、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの幅方向の厚みは、この部分に設けられた第2の下地電極層50Bの長さ方向Lおよび積層方向Tの中央部において、例えば、3μm以上40μm以下程度であることが好ましい。
なお、下地電極層50は、焼き付け層に限らず、薄膜層であってもよい。薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。なお、下地電極層50は設けずに、後述の導電性樹脂層60が積層体10上に直接配置されてもよい。
導電性樹脂層60は、第1の導電性樹脂層60Aと、第2の導電性樹脂層60Bを有する。
第1の導電性樹脂層60Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置されている。第2の導電性樹脂層60Bは、第2の下地電極層50Bを覆うように配置されている。
第1の端面LS1側に位置する第1の導電性樹脂層60Aの長さ方向の厚みは、第1の導電性樹脂層60Aの積層方向Tおよび幅方向Wの中央部において、例えば、50μm以上150μm以下程度であることが好ましい。
第2の端面LS2側に位置する第2の導電性樹脂層60Bの長さ方向の厚みは、第2の導電性樹脂層60Bの積層方向Tおよび幅方向Wの中央部において、例えば、50μm以上150μm以下程度であることが好ましい。
第1の主面TS1側の一部および第2の主面TS2側の一部にも第1の導電性樹脂層60Aを設ける場合には、この部分に設けられた第1の導電性樹脂層60Aの積層方向の厚みは、この部分に設けられた第1の導電性樹脂層60Aの長さ方向Lおよび幅方向Wの中央部において、例えば、15μm以上60μm以下程度であることが好ましい。
第1の側面WS1側の一部および第2の側面WS2側の一部にも第1の導電性樹脂層60Aを設ける場合には、この部分に設けられた第1の導電性樹脂層60Aの幅方向の厚みは、この部分に設けられた第1の導電性樹脂層60Aの長さ方向Lおよび積層方向Tの中央部において、例えば、15μm以上60μm以下程度であることが好ましい。
第1の主面TS1側の一部および第2の主面TS2側の一部にも第2の導電性樹脂層60Bを設ける場合には、この部分に設けられた第2の導電性樹脂層60Bの積層方向の厚みは、この部分に設けられた第2の導電性樹脂層60Bの長さ方向Lおよび幅方向Wの中央部において、例えば、15μm以上60μm以下程度であることが好ましい。
第1の側面WS1側の一部および第2の側面WS2側の一部にも第2の導電性樹脂層60Bを設ける場合には、この部分に設けられた第2の導電性樹脂層60Bの幅方向の厚みは、この部分に設けられた第2の導電性樹脂層60Bの長さ方向Lおよび積層方向Tの中央部において、例えば、15μm以上60μm以下程度であることが好ましい。
図5は、図2に示す積層セラミックコンデンサのV部の拡大図であって、導電性樹脂層60の概要を示す図である。前述のとおり、第1の導電性樹脂層60Aと第2の導電性樹脂層60Bの基本的な構成は同じであるため、図5を用いて、これらをまとめて導電性樹脂層60として説明する。なお、第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bを構成する他の層についても同様である。図5に示すように、導電性樹脂層60は、下地電極層50上に配置されている。そして、導電性樹脂層60を覆うように、後述のめっき層70が配置されている。めっき層70は、Niめっき層71およびSnめっき層72を有する。
導電性樹脂層60は、樹脂部61と、樹脂部61内に分散された導電性フィラー62と、導電性樹脂層60において導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在する金属粒子63と、を有する。
導電性樹脂層60の樹脂部61は、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂の一つである。また、導電性樹脂層60の樹脂部61は、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤は、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系、活性エステル系、アミドイミド系など公知の種々の化合物であってもよい。
導電性樹脂層60に含まれる樹脂部61は、導電性樹脂層60全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性樹脂層60は、このような樹脂部61を含むため、例えばめっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサ1に物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層60は、緩衝層として機能する。よって、導電性樹脂層60は、積層セラミックコンデンサ1のクラック発生を抑制する。
導電性フィラー62は、樹脂部61内に略一様な分布で分散されて存在している。導電性フィラー62は、主に導電性樹脂層60の通電性を担う。具体的には、複数の導電性フィラー62同士が接触することにより、導電性樹脂層60内部に通電経路が形成され、下地電極層50とめっき層70の間は導通する。なお、複数の導電性フィラー62同士は、図5の奥行方向にも接触している。
導電性フィラー62を構成する金属は、Au、Ag、Cu、Ni、Sn、Bi、Znまたは、それらを含む合金であってもよい。導電性フィラー62は、好ましくはAgを含む。導電性フィラー62は、例えばAgの金属粉である。Agは、金属の中でもっとも比抵抗が低いため、電極材料に適している。また、Agは貴金属であるため、酸化しにくく、対候性が高い。よって、Agの金属粉は、導電性フィラー62として好適である。
また、導電性フィラー62は、金属粉の表面にAgコーティングされた金属粉であってもよい。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には、金属粉は、Cu、Ni、Sn、Biまたはそれらの合金粉であることが好ましい。Agの特性は保ちつつ、母材の金属を安価なものにするために、Agコーティングされた金属粉を用いることが好ましい。
さらに、導電性フィラー62は、Cu、Niに酸化防止処理を施したものであってもよい。また、導電性フィラー62は、金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングした金属粉であってもよい。金属粉の表面にSn、Ni、Cuをコーティングされたものを使用する際には、金属粉は、Ag、Cu、Ni、Sn、Biまたはそれらの合金粉であることが好ましい。
導電性フィラー62の形状は、特に限定されない。導電性フィラー62は、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いることが好ましい。
導電性フィラー62の平均粒子径は、例えば、0.2μm以上であってもよい。導電性フィラー62の平均粒子径は、好ましくは、0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは、1μm以上10μm以下である。
導電性樹脂層60に含まれる導電性フィラー62は、導電性樹脂層60全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。好ましくは、40vol%以上60vol%以下である。
ここで、樹脂部61に対する導電性フィラー62の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側と、導電性樹脂層60のめっき層70側とで、略同等である。後述するように、導電性樹脂層60を形成するための導電性樹脂ペーストは、熱硬化性樹脂および導電性フィラー62が撹拌混合されることにより生成されている。よって、導電性フィラー62は、導電性樹脂ペースト内において均一な分布で分散して存在している。したがって、塗布および熱処理後の導電性樹脂層60においても、導電性フィラー62は、樹脂部61内において均一な分布で分散して存在している。
金属粒子63は、導電性樹脂層60において導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在している。金属粒子63は、導電性樹脂層60内の電気的接触および、導電性樹脂層60とめっき層70の電気的接触を高める機能を有する。
具体的には、複数の金属粒子63同士が接触し、また、金属粒子63と導電性フィラー62が接触することにより、導電性フィラー62同士の電気的接触が高まる。すなわち、金属粒子63を介して導電性フィラー62同士が電気的に接続されることにより、導電性樹脂層60内における電気的な接触確率が高まる。このように、金属粒子63は、樹脂部61において、複数の導電性フィラー62間に存在し、複数の導電性フィラー62間の通電経路を形成する。
そして、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側よりも、導電性樹脂層60のめっき層70側の方が高い。具体的には、金属粒子63は、導電性樹脂層60の表層部側において、積層体10側よりも高密度で存在している。これにより、導電性樹脂層60の表面にめっきが良好に析出する。よって、導電性樹脂層60の表層の金属粒子63とめっき層70が良好に接触するため、導電性樹脂層60とめっき層70との間の導電性が高まる。
このように、導電性樹脂層60が、導電性フィラー62に加えて、導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在している金属粒子63を有するため、外部電極40における通電性が高まり、その結果、積層セラミックコンデンサ1のESRが低減する。
金属粒子63は、後述する含浸工程において含浸された有機金属錯体または金属イオンが転化した金属粒子であって、金属一次粒子63Aの状態であるものをいう。また、金属一次粒子63Aが凝集等して金属二次粒子63Bの状態となっている場合は、金属粒子63は、この金属二次粒子63B、またはこの金属二次粒子63Bを構成している金属一次粒子63Aを指す。
金属一次粒子は、JIS H7008:2002「金属微粒子用語」の「一次粒子」(primary particle)で定義されるように、単一の結晶核の成長によって生成した粒子を意味する。また、金属二次粒子は、JIS H7008:2002(金属微粒子用語)の「二次粒子」(secondary particle)で定義されるように、一次粒子の合体成長、凝集、固結などによって生成した粒子を意味する。
金属粒子63は、Au、Pt、Pd、Ag、Cu等から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。金属粒子63は、比抵抗が低く、後述の含浸工程後に還元されて金属として析出されやすいものであることが好ましい。金属粒子63は、好ましくは、Pdを含む。
金属粒子63は、導電性フィラー62を構成する金属と同じ金属であってもよい。例えば、金属粒子63が、導電性フィラー62を構成する金属と同じ金属であれば、異種金属の接触による電位腐食を防ぐことができる。
一方、金属粒子63は、導電性フィラー62を構成する金属と異なる金属であってもよい。例えば、金属粒子63は、導電性フィラー62を構成する金属よりもイオン化傾向が低い金属であってもよい。例えば、導電性フィラー62がAgを含む場合、金属粒子63は、Au、Pt、またはPdであってもよい。また、導電性フィラー62がCuである場合、金属粒子63は、Au、Pt、Pd、またはAgであってもよい。イオン化傾向が低い金属は、有機金属錯体または金属イオンの状態で含浸された後に還元されやすいため、金属として析出されやすい。
導電性樹脂層60は、金属粒子63になる前の前駆体を含んでいてもよい。例えば、導電性樹脂層60は、有機金属錯体または金属イオンを含む。例えば、金属粒子63としてPdを用いる場合は、導電性樹脂層60は、有機Pd錯体(有機パラジウム錯体)またはPdイオン(パラジウムイオン)を含んでいてもよい。
金属粒子63は、前述のとおり、金属一次粒子63Aと、金属一次粒子63Aにより構成された金属二次粒子63Bを含む。金属一次粒子63Aは、導電性フィラー62よりも平均粒子径の小さい金属微粒子である。金属一次粒子63Aの平均粒子径は、好ましくは、導電性フィラー62の平均粒子径の10分の1以下である。金属一次粒子63Aの平均粒子径は、導電性フィラー62の平均粒子径の100分の1以下であってもよい。例えば、導電性フィラー62の平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合、金属一次粒子63Aの平均粒子径は100nm以下(0.1μm以下)であってもよい。金属一次粒子63Aの平均粒子径は、好ましくは、5nm以上50nm以下(0.005μm以上0.05μm以下)である。
金属粒子63は、金属一次粒子63Aの状態において、導電性フィラー62よりも十分小さいため、複数の導電性フィラー62の隙間に入り込みやすい。よって、金属粒子63は、複数の導電性フィラー62間の通電経路の形成を効果的に行う。すなわち、導電性フィラー62よりも十分小さい金属粒子63を用いることにより、導電性樹脂層60内の電気的接触を高めて、ESRの低減効果を得ることが容易となる。
導電性樹脂層60に含まれる金属粒子63は、導電性樹脂層60全体の体積に対して、0.5vol%以上20vol%以下で含まれていることが好ましい。
樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側よりも、導電性樹脂層60のめっき層70側の方が高い。
また、前述のとおり、導電性フィラー62は、樹脂部61内に略一様な分布で分散されて存在しているため、導電性フィラー62に対する金属粒子63の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側よりも、導電性樹脂層60のめっき層70側の方が高い。
後述するように、金属粒子63は、その前駆体が熱硬化後の樹脂部61の表面に含浸されることにより、導電性樹脂層60内に配置される。よって、金属粒子63は、導電性樹脂層60とめっき層70の境界部から導電性樹脂層60の積層体10側に亘って存在している。そして、金属粒子63は、導電性樹脂層60における、導電性樹脂層60とめっき層70の境界部付近において、より高密度で存在している。
以下、本実施形態における導電性樹脂層60に係る各種パラメータの測定方法について説明する。
導電性フィラー62の平均粒子径の測定方法について説明する。ここで、平均粒子径とは、個数基準算術平均面積径をいう。まず、外部電極40を含む積層セラミックコンデンサ1が、集束イオンビーム(FIB)加工により薄片に加工される。次に、この薄片試料が、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)により撮像される。その後、撮像されたTEM画像またはSEM画像の解析により、外部電極40の導電性樹脂層60における導電性フィラー62の境界が検出される。なお、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)は試料に対して適切な方を用いる。次に、境界が検出された導電性フィラー62の断面積に基づく面積相当径が、導電性フィラー62の粒子径として算出される。そして、測定領域内に存在する複数の導電性フィラー62の粒子径がそれぞれ算出され、その個数基準算術平均が、平均粒子径として算出される。なお、測定領域は、測定領域内における導電性フィラー62の数が30個以上300個以下程度となるように適宜設定することができる。そして、30個以上の導電性フィラー62の粒子径に基づいて、平均粒子径を算出する。
金属一次粒子63Aの平均粒子径の測定方法について説明する。まず、外部電極40を含む積層セラミックコンデンサ1が、FIB加工により薄片に加工される。次に、この薄片試料が、TEMまたはSEMにより撮像される。その後、撮像されたTEM画像またはSEM画像の解析により、外部電極40の導電性樹脂層60における金属一次粒子63Aの境界が検出される。なお、TEMまたはSEMは試料に対して適切な方を用いる。次に、境界が検出された金属一次粒子63Aの断面積に基づく面積相当径が、金属一次粒子63Aの粒子径として算出される。そして、撮像範囲中における測定領域内に存在する金属一次粒子63Aの粒子径がそれぞれ算出され、その個数基準算術平均が、平均粒子径として算出される。なお、測定領域は、測定領域内における金属一次粒子63Aの数が30個以上300個以下程度となるように適宜設定することができる。そして、30個以上の金属一次粒子63Aの粒子径に基づいて、平均粒子径を算出する。なお、粒子径の測定対象となる金属粒子63は、金属一次粒子63Aとして識別できるものである。金属二次粒子63Bを構成している金属一次粒子63Aを識別できる場合は、識別された金属一次粒子63Aの粒子径が測定される。
導電性フィラー62の存在比率および金属粒子63の存在比率の測定方法について説明する。まず、外部電極40を含む積層セラミックコンデンサ1が、FIB加工により薄片に加工される。次に、この薄片試料が、TEMにより撮像される。その後、撮像されたTEM画像の画像解析により、樹脂部61と、導電性フィラー62と、金属粒子63とが判別が行われる。ここで、導電性フィラー62と金属粒子63は平均粒子径が異なるため、TEM画像上の大きさの情報等に基づき、導電性フィラー62と、金属粒子63とが判別される。判別処理は、自動処理であってもよいし、手動処理であってもよい。なお、導電性フィラー62と金属粒子63の形状が異なる場合は、形状係数を用いて、導電性フィラー62と、金属粒子63とが判別されてもよい。また、導電性フィラー62と金属粒子63の材質が異なる場合は、電子マイクロプローブ分析装置(EPMA)によるマッピングを利用して、導電性フィラー62と、金属粒子63とが判別されてもよい。なお、これらの判別手法は、上述の導電性フィラー62または平均粒子径の測定時にも利用できる。
そして、TEM画像における、導電性フィラー62を示す部分の面積と、樹脂部61を示す部分の面積との比をとることで、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率が算出される。また、TEM画像における、金属粒子63を示す部分の面積と、樹脂部61を示す部分の面積との比をとることで、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率が算出される。また、TEM画像における、金属粒子63を示す部分の面積と、導電性フィラーを示す部分の面積との比をとることで、導電性フィラー62に対する金属粒子63の存在比率が算出される。
これらの存在比率は、例えば、導電性樹脂層60を厚み方向に均等に二分割して、それぞれの分割エリアで算出することができる。これにより、例えば、図5の矢印J側のエリア、すなわち、導電性樹脂層60の積層体10側における、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率と、図5の矢印K側のエリア、すなわち導電性樹脂層60のめっき層70側における、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率とが算出され、これらの存在比率の比較が可能となる。なお、本実施形態においては、導電性樹脂層60を厚み方向に均等に三分割、あるいは四分割したときには、導電性樹脂層60のめっき層70側に近づくほど、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率が高くなっている。なお、各存在比率を算出する場合においては、それぞれの分割エリアにおける、TEMによる測定領域は同じ大きさに設定する。例えば、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率を算出するときは、いずれの分割エリアで測定する場合においても、測定領域を、例えば0.5μm×0.5μmに設定する。
めっき層70は、第1のめっき層70Aおよび第2のめっき層70Bを有する。
第1のめっき層70Aは、第1の導電性樹脂層60Aを覆うように配置されている。第2のめっき層70Bは、第2の導電性樹脂層60Bを覆うように配置されている。
めっき層70は、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。めっき層70は、複数層により形成されていてもよい。めっき層70は、好ましくは、Niめっき層71、Snめっき層72の2層構造である。Niめっき層71は、下地電極層50や導電性樹脂層60が、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだによって侵食されることを防止する。Snめっき層72は、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだの濡れ性を向上させる。これにより、積層セラミックコンデンサ1の実装を容易にする。
本実施形態においては、第1のめっき層70Aは、下層めっき層としてのNiめっき層71Aと、上層めっき層としてのSnめっき層72Aの2層構造により構成されている。また、第2のめっき層70Bは、下層めっき層としてのNiめっき層71Bと、上層めっき層としてのSnめっき層72Bの2層構造により構成されている。
Niめっき層71Aと、Snめっき層72Aそれぞれの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、めっき層70の下層となる導電性樹脂層60が、前述の導電性フィラー62と金属粒子63とを有しているため、めっき層70は、導電性樹脂層60に良好に付着している。
以上のように、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数の誘電体層20と積層された複数の内部電極層30とを含む積層体10と、内部電極層30に接続される外部電極40と、を有し、外部電極40は、導電性樹脂層60と、導電性樹脂層60上に配置されるめっき層70と、を有し、導電性樹脂層60は、樹脂部61と、樹脂部61内に分散された導電性フィラー62と、導電性樹脂層60において導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在する金属粒子63と、を有し、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側よりも、導電性樹脂層60のめっき層70側の方が高い。
より詳細には、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数の誘電体層20と積層された複数の内部電極層30とを含み、積層方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、積層方向Tに直交する幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、積層方向Tおよび幅方向Wに直交する長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2と、を含む積層体10と、第1の端面LS1上に配置される第1の外部電極40Aと、第2の端面LS2上に配置される第2の外部電極40Bと、を有し、複数の内部電極層30は、積層体10の第1の端面LS1に露出して第1の外部電極40Aと接続する第1の内部電極層31と、積層体10の第2の端面に露出して第2の外部電極40Bと接続する第2の内部電極層32と、を有し、第1の外部電極40Aは、第1の導電性樹脂層60Aと、第1の導電性樹脂層60A上に配置される第1のめっき層70Aと、を有し、第2の外部電極40Bは、第2の導電性樹脂層60Bと、第2の導電性樹脂層60B上に配置される第2のめっき層70Bと、を有し、第1の導電性樹脂層60Aおよび第2の導電性樹脂層60Bは、樹脂部61と、樹脂部61内に分散された導電性フィラー62と、第1の導電性樹脂層60Aおよび第2の導電性樹脂層60Bにおいて導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在する金属粒子63と、を有し、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率は、第1の導電性樹脂層60Aの積層体10側よりも第1の導電性樹脂層60Aのめっき層70側の方が高く、第2の導電性樹脂層60Bの積層体10側よりも第2の導電性樹脂層60Bのめっき層70側の方が高い。
なお、積層体10と外部電極40を含む積層セラミックコンデンサ1の長さ方向の寸法をL寸法とすると、L寸法は、0.2mm以上10mm以下であることが好ましい。また、積層セラミックコンデンサ1の積層方向の寸法をT寸法とすると、T寸法は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましい。また、積層セラミックコンデンサ1の幅方向の寸法をW寸法とする。W寸法は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましい。
次に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。
誘電体層20用の誘電体シートおよび内部電極層30用の導電性ペーストが準備される。誘電体シートおよび内部電極用の導電性ペーストは、バインダおよび溶剤を含む。バインダおよび溶剤は、公知のものであってもよい。
誘電体シート上に、内部電極層30用の導電性ペーストが、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより所定のパターンで印刷される。これにより、第1の内部電極層31のパターンが形成された誘電体シートおよび、第2の内部電極層32のパターンが形成された誘電体シートが準備される。
内部電極層のパターンが印刷されていない誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第1の主面TS1側の第1の主面側外層部12となる部分が形成される。その上に、第1の内部電極層31のパターンが印刷された誘電体シートおよび第2の内部電極層32のパターンが印刷された誘電体シートが順次積層されることにより、内層部11となる部分が形成される。この内層部11となる部分の上に、内部電極層のパターンが印刷されていない誘電体シートが所定枚数積層されることにより、第2の主面TS2側の第2の主面側外層部13となる部分が形成される。これにより、積層シートが作製される。
積層シートが静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスされることにより、積層ブロックが作製される。
積層ブロックが所定のサイズにカットされることにより、積層チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部および稜線部に丸みがつけられてもよい。
積層チップが焼成されることにより、積層体10が作製される。焼成温度は、誘電体層20や内部電極層30の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
積層体10の両端面に下地電極層50となる導電性ペーストが塗布される。本実施形態においては、下地電極層50は、焼き付け層である。ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストが、例えばディッピングなどの方法により、積層体10に塗布される。その後、焼き付け処理が行われ、下地電極層50が形成される。この時の焼き付け処理の温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
次に、導電性樹脂層60が形成される。なお、導電性樹脂層60は、下地電極層50の表面に形成されてもよく、積層体10上に直接形成されてもよい。本実施形態においては、導電性樹脂層60は、下地電極層50の表面に形成される。
まず、樹脂部61となるベース樹脂としての熱硬化性樹脂中に導電性フィラー62を分散させた導電性樹脂ペーストが準備される。この導電性樹脂ペーストは、熱硬化性樹脂および導電性フィラー62が撹拌混合されることにより生成される。よって、導電性フィラー62は、導電性樹脂ペースト内において一様な分布で分散して存在している。ここで、熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂である。導電性フィラー62は、例えばAgの金属粉である。
その後、導電性樹脂ペーストが、下地電極層50上に塗布され、250℃以上550℃以下の温度の熱処理が行われる。これにより、樹脂部61が熱硬化する。この時の熱処理時の雰囲気は、Air雰囲気もしくはN2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、導電性フィラー62を構成する金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えられていることが好ましい。
なお、導電性フィラー62は、熱硬化後の樹脂部61内においても、一様な分布で分散して存在している。よって、樹脂部61に対する導電性フィラー62の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側と、導電性樹脂層60のめっき層70が施される側とで、略同等となる。
次に、金属粒子63に転化する有機金属錯体または金属イオンが、熱硬化後の樹脂部61に含浸される。
例えば、樹脂部61が設けられた積層体10が、有機金属錯体が溶解されている超臨界流体の雰囲気にさらされる。これにより、樹脂部61の膨潤および、膨潤した樹脂部61への有機金属錯体の含浸が同時に行われる。
超臨界流体は、例えば、CO、N2、HO等の超臨界流体から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。ただし、超臨界流体は、好ましくは、溶解度の高い超臨界COである。なお、COの臨界温度は31℃であり、臨界圧力は73気圧である。超臨界CO2は、臨界温度以上かつ臨界圧力以上の条件下で、樹脂部61に接触する。超臨界流体の発生装置としては、例えばシリンジポンプが用いられる。
有機金属錯体は、超臨界流体に溶解する金属であればよく、例えば、Au、Pt、Pd、Ag、Cuを含む有機金属錯体であってもよい。ただし、有機金属錯体は、好ましくは、有機Pd錯体(有機パラジウム錯体)である。
超臨界流体に有機金属錯体を溶解させて、その後、超臨界流体を樹脂部61に接触させる。あるいは、超臨界流体に有機金属錯体を溶解させつつ、超臨界流体を樹脂部61に接触させてもよい。超臨界流体を樹脂部61に接触させる方法は、特に限定されない。例えば、樹脂部61が、有機金属錯体が溶解されている超臨界流体と接触するように、樹脂部61を備える積層体10が、耐圧性を有する容器内に一定時間放置される。これにより、樹脂部61に有機金属錯体が含浸される。
含浸処理により、有機金属錯体は、樹脂部61の内部に浸透し、複数の導電性フィラー62の隙間にも配置される。また有機金属錯体は、樹脂部61の表面付近において、樹脂部61の積層体10側よりも高密度で配置される。
樹脂部61の表面付近に配置された有機金属錯体および樹脂部61の内部に浸透した有機金属錯体は、その後、加熱処理や化学還元処理により還元されて、金属粒子63に転化する。これにより、金属粒子63を含む導電性樹脂層60が形成される。
このような超臨界流体および有機金属錯体を用いた処理により、導電性樹脂層60におけるめっき層70が施される側において、金属粒子63は、高密度で存在する。また、導電性樹脂層60における積層体10側において、金属粒子63は、めっき層70が施される側よりも低密度で存在する。
なお、超臨界流体および有機金属錯体を用いた処理に替えて、金属イオンを溶解させた溶液を用いた処理を採用することもできる。
この場合は、最初に、積層体10に設けられた樹脂部61に対して、有機溶液等を用いた膨潤処理が実施される。次に、膨潤した樹脂部61が、金属イオンが溶解されている溶液中に浸漬される。これにより、金属粒子63に転化する金属イオンが、熱硬化後の樹脂部61に含浸される。
含浸される金属イオンは、例えば、Au、Pt、Pd、Ag、Cuのイオンであってもよい。ただし、金属イオンは、好ましくは、Pdイオン(パラジウムイオン)である。なお、金属イオンは、1価以上4価以下の金属イオンであることが好ましい。Pdイオンを用いる場合は、好ましくは、2価のPdイオンが用いられる。
樹脂部61の表面に存在する金属イオンおよび樹脂部61の内部に浸透した金属イオンは、その後、加熱処理や化学還元処理により還元されて、金属粒子63に転化する。これにより、金属粒子63を含む導電性樹脂層60が形成される。
このような金属イオンを溶解させた溶液を用いた処理によっても、導電性樹脂層60におけるめっき層70が施される側において、金属粒子63は、高密度で存在する。また、導電性樹脂層60における積層体10側において、金属粒子63は、めっき層70が施される側よりも低密度で存在する。
なお、含浸処理に用いられる、金属粒子63に転化する有機金属錯体および金属イオンは、導電性フィラー62よりも十分小さいため、含浸処理により複数の導電性フィラー62の隙間に侵入しやすい。よって、有機金属錯体および金属イオンから転化した金属粒子63は、複数の導電性フィラー62間の通電経路を容易に形成することができる。
なお、含浸に用いられる金属粒子63は、Au、Pt、Pd、Ag、Cuを含み、好ましくは、Au、Pt、Pdを含む。より好ましくはPdである。しかしながら、これらの金属は高価である。よって、導電性樹脂ペーストを生成する際に、金属粒子63もベース樹脂に撹拌混合してしまうと、金属粒子63が、導電性フィラー62と同様に、導電性樹脂ペースト内において一様な分布で分散して存在する状態となる。この場合、ESRの低減およびめっき付き不良の改善に寄与しにくい場所にも多くの金属粒子63が存在する状況となり、コストアップにつながる。しかしながら、樹脂部61の硬化後に、金属粒子63に転化する有機金属錯体または金属イオンを含浸することで、低ESR化およびめっき付き不良の改善を図りつつ、金属粒子63の使用量を抑えてコストアップを抑えることができる。
特に、導電性樹脂層60に含まれる導電性フィラー62が、導電性樹脂層60全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下、より好ましくは、40vol%以上60vol%以下で含まれている場合において、導電性樹脂層60の樹脂部61に、金属粒子63の前駆体である有機金属錯体または金属イオンを含浸させることで、より効果的に、コストアップを抑えつつ、低ESR化およびめっき付き不良の改善を図ることができる。
その後、導電性樹脂層60の表面に、めっき層70が形成される。本実施形態では、導電性樹脂層60上に、Niめっき層71およびSnめっき層72が形成される。Niめっき層71およびSnめっき層72は、例えばバレルめっき法により、順次形成される。以上の製造方法により、積層セラミックコンデンサ1が製造される。
以上のように、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法は、導電性樹脂層60の樹脂部61となるベース樹脂に、導電性フィラー62を撹拌混合して分散させる工程と、積層体10の内部電極層30が露出している部分に、導電性フィラー62を分散させたベース樹脂を塗布する工程と、塗布されたベース樹脂を硬化させて樹脂部61を形成する工程と、金属粒子63に転化する有機金属錯体または金属イオンを溶解させた溶媒を樹脂部61に接触させて、樹脂部61に有機金属錯体または金属イオンを含浸させる工程と、含浸された有機金属錯体または金属イオンを還元して、金属粒子63により導電性フィラー62間の通電経路を形成する工程と、を含んでいる。
なお、積層セラミックコンデンサ1の構成は、図1~4に示す構成に限定されない。例えば、積層セラミックコンデンサ1は、図6A、図6B、図6Cに示すような、2連構造、3連構造、4連構造の積層セラミックコンデンサであってもよい。
図6Aに示す積層セラミックコンデンサ1は、2連構造の積層セラミックコンデンサ1であり、内部電極層30として、第1の内部電極層33および第2の内部電極層34に加えて、第1の端面LS1および第2の端面LS2のどちらにも引き出されない浮き内部電極層35を備える。図6Bに示す積層セラミックコンデンサ1は、浮き内部電極層35として、第1の浮き内部電極層35Aおよび第2の浮き内部電極層35Bを備えた、3連構造の積層セラミックコンデンサ1である。図6Cに示す積層セラミックコンデンサ1は、浮き内部電極層35として、第1の浮き内部電極層35A、第2の浮き内部電極層35Bおよび第3の浮き内部電極層35Cを備えた、4連構造の積層セラミックコンデンサ1である。このように、内部電極層30として、浮き内部電極層35を設けることにより、積層セラミックコンデンサ1は、対向電極部が複数に分割された構造となる。これにより、対向する内部電極層30間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。よって、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサ1の高耐圧化を図ることができる。なお、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、4連以上の多連構造であってもよいことはいうまでもない。
なお、積層セラミックコンデンサ1は、2個の外部電極を備える2端子型のものであってもよいし、多数の外部電極を備える多端子型のものであってもよい。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数の誘電体層20と積層された複数の内部電極層30とを含む積層体10と、内部電極層30に接続される外部電極40と、を有する積層セラミックコンデンサ1であって、外部電極40は、導電性樹脂層60と、導電性樹脂層60上に配置されるめっき層70と、を有し、導電性樹脂層60は、樹脂部61と、樹脂部61内に分散された導電性フィラー62と、導電性樹脂層60において導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在する金属粒子63と、を有し、樹脂部61に対する金属粒子63の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側よりも、導電性樹脂層60のめっき層70側の方が高い。
これにより、導電性樹脂層60内の電気的接触および、導電性樹脂層60とめっき層70の電気的接触を高めてESRを低減することができる。また、積層セラミックコンデンサ1が、導電性樹脂層60のめっき層70側に偏って存在する金属粒子63を有しているため、めっき付き不良の発生が抑制され、めっき付き不良に伴うはんだ爆ぜ不良の発生も抑制される。
(2)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1において、樹脂部61に対する導電性フィラー62の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側と、導電性樹脂層60のめっき層70側とで、略同等である。
導電性フィラー62が導電性樹脂層60内で均一に分散されている場合であっても、導電性樹脂層60が、導電性フィラー62とは異なる分布で偏って存在する金属粒子63を有しているため、上述の効果が得られる。
(3)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1において、導電性フィラー62に対する金属粒子63の存在比率は、導電性樹脂層60の積層体10側よりも、導電性樹脂層60のめっき層70側の方が高い。
例えば、導電性樹脂層60内の導電性フィラー62が少なめであっても、導電性樹脂層60のめっき層側において、導電性フィラー62に対する金属粒子63の存在比率が高められているため、導電性フィラー62と金属粒子63の両者の存在により、めっき付き不良の発生が抑制される。
(4)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の金属粒子63は、金属一次粒子63Aと、金属一次粒子63Aにより構成された金属二次粒子63Bを含み、金属一次粒子63Aの平均粒子径は、導電性フィラー62の平均粒子径の10分の1以下である。
金属粒子63が、導電性フィラー62よりも十分小さいため、金属粒子63が、複数の導電性フィラー62の間に入り込みやすい。よって、金属粒子63が、複数の導電性フィラー62間の通電経路の形成を効果的に行う。これにより、低ESR化を図ることができる。
(5)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の導電性フィラー62の平均粒子径は1μm以上である。
平均粒子径は1μm以上の導電性フィラー62を用いた場合においても、導電性フィラー62よりも十分小さい金属粒子63を用いることにより、金属粒子63が、複数の導電性フィラー62の間に入り込みやすい。よって、金属粒子63が、複数の導電性フィラー62間の通電経路を容易に形成することができる。これにより、低ESR化を図ることができる。
(6)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の金属一次粒子63Aの平均粒子径は0.1μm以下である。
平均粒子径が0.1μm以下の金属一次粒子63Aによって金属粒子63が構成されているため、金属粒子63が、複数の導電性フィラー62の間に入り込みやすい。よって、金属粒子63が、複数の導電性フィラー62間の通電経路を容易に形成することができる。これにより、低ESR化を図ることができる。
(7)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の金属粒子63は、樹脂部61において、導電性フィラー62間に配置され、導電性フィラー62間の通電経路を形成する。
金属粒子63が、導電性フィラー62間に配置され、導電性フィラー62の間の通電経路を形成することにより、低ESR化を図ることができる。
(8)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の金属粒子63のイオン化傾向は、導電性フィラー62のイオン化傾向よりも低い。
イオン化傾向が低い金属は、有機金属錯体または金属イオンの状態で含浸された後に還元されやすいため、金属として析出されやすい。よって、金属粒子63は、導電性フィラー62のイオン化傾向との関係性を考慮しても、金属として析出されやすく、良好な通電性を有する通電経路を形成する。
(9)本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の導電性樹脂層60は、有機金属錯体または金属イオンを含む。
低ESR化を実現することが可能であれば、一定量の有機金属錯体または金属イオンが残存することは許容される。例えば、金属粒子63に転化する有機金属錯体または金属イオンを溶解させた溶媒を樹脂部61に接触させて、樹脂部61に有機金属錯体または金属イオンを含浸させる方法を採用して、本実施形態の好ましい導電性樹脂層60を形成することができる。
本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、上記実施形態において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
1 積層セラミックコンデンサ
10 積層体
11 内層部
11E 対向電極部
12 第1の主面側外層部
13 第2の主面側外層部
LS1 第1の端面
LS2 第2の端面
WS1 第1の側面
WS2 第2の側面
TS1 第1の主面
TS2 第2の主面
20 誘電体層
30 内部電極層
31 第1の内部電極層
31A 第1の対向部
31B 第1の引き出し部
32 第2の内部電極層
32A 第2の対向部
32B 第2の引き出し部
40 外部電極
40A 第1の外部電極
40B 第2の外部電極
50 下地電極層
50A 第1の下地電極層
50B 第2の下地電極層
60 導電性樹脂層
60A 第1の導電性樹脂層
60B 第2の導電性樹脂層
61 樹脂部
62 導電性フィラー
63 金属粒子
63A 金属一次粒子
63B 金属二次粒子
70 めっき層
70A 第1のめっき層
70B 第2のめっき層
71 Niめっき層
71A 第1のNiめっき層
71B 第2のNiめっき層
72 Snめっき層
72A 第1のSnめっき層
72B 第2のSnめっき層
L 長さ方向
W 幅方向
T 積層方向

Claims (7)

  1. 積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極層とを含む積層体と、
    前記内部電極層に接続される外部電極と、を備え、
    前記外部電極は、導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層と、を有し、
    前記導電性樹脂層は、樹脂部と、前記樹脂部内に分散された導電性フィラーと、前記導電性樹脂層において前記導電性フィラーとは異なる分布で偏って存在する金属粒子と、を有し、
    前記樹脂部に対する前記金属粒子の存在比率は、前記導電性樹脂層の前記積層体側よりも、前記導電性樹脂層の前記めっき層側の方が高く、
    前記導電性フィラーに対する前記金属粒子の存在比率は、前記導電性樹脂層の前記積層体側よりも、前記導電性樹脂層の前記めっき層側の方が高い、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記金属粒子は、金属一次粒子と、金属一次粒子により構成された金属二次粒子を含み、
    前記金属一次粒子の平均粒子径は、前記導電性フィラーの平均粒子径の10分の1以下である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記導電性フィラーの平均粒子径は1μm以上である、請求項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記金属一次粒子の平均粒子径は0.1μm以下である、請求項または請求項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記金属粒子は、前記樹脂部において、前記導電性フィラー間に配置され、前記導電性フィラー間の通電経路を形成する、請求項1~のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記金属粒子のイオン化傾向は、前記導電性フィラーのイオン化傾向よりも低い、請求項1~のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記導電性樹脂層は、有機金属錯体または金属イオンを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
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