JP2023035642A - 車両のブレーキ制御装置 - Google Patents

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JP2023035642A JP2021142653A JP2021142653A JP2023035642A JP 2023035642 A JP2023035642 A JP 2023035642A JP 2021142653 A JP2021142653 A JP 2021142653A JP 2021142653 A JP2021142653 A JP 2021142653A JP 2023035642 A JP2023035642 A JP 2023035642A
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陽宣 堀口
Akinobu Horiguchi
悟 桑原
Satoru Kuwabara
誠 園木
Makoto Sonoki
洋平 川嶋
Yohei Kawashima
英夫 矢形
Hideo Yagata
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Abstract

【課題】振動騒音特性と応答性との双方に優れたブレーキ制御を実現する。【解決手段】ブレーキ制御装置の制御ユニット11は、HCU8から車室内に伝播する作動音量と車室内の暗騒音レベルとの差から、乗員が作動音量を不快と感じる不快指数を設定し、この乗員不快指数に基づいてHCU8に対する要求昇圧勾配を緩やかにする昇圧勾配補正率を設定し、この昇圧勾配補正率で要求昇圧勾配を補正して目標昇圧勾配を設定し、この要求昇圧勾配と目標昇圧勾配との差から制動トルクの不足分を補填する必要回生トルクを算出する。そして制御ユニット11は、目標昇圧勾配と必要回生トルクとでHCU8とインバータ5とを協調動作させる。【選択図】図1

Description

本発明は、液圧ブレーキにより摩擦制動力を発生させた際に発生する作動音を相対的に低くして車室内の静音性を確保するようにした車両のブレーキ制御装置に関する。
車両には、走行時の不安定挙動を解消する車両操安性制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)、左右駆動輪間の駆動力の配分を積極的に調整するトルクベクタリング機能や、車両の停止状態を保持する制動維持機能(AVH:Auto Vehicle Hold)等、自動的にブレーキを動作させるシステムが種々搭載されている。
これらのシステムによるブレーキ制御が走行時や減速時に介入されると、ブレーキ液圧を制御するアクチュエータやバルブの動作に起因する騒音や車体振動(NV: Noise and Vibration)が発生する。
エンジンを駆動源とすると共に変速機が搭載されている従来の車両では、ブレーキ液圧を制御するアクチュエータ類の動作に起因して騒音振動が発生しても、エンジン音や変速機音等による暗騒音(暗振動)レベルが勝っているため、ブレーキ系統の動作に起因する騒音振動が発生しても乗員に不快感を与えることが少なかった。
しかし、駆動源が電動化され、暗騒音が車室内のエアコンのファン音、オーディオの音量、乗員の会話等となり、相対的に暗騒音レベルが低下するため、相対的にブレーキ系統の動作に起因する騒音振動が顕在化して、乗員に不快感を与えてしまうことになる。更に、駆動源がインホイールモータとなり、変速機が不要となれば、ブレーキ系統の動作に伴う騒音振動がより顕在化し、乗員に与える不快感を増長させてしまうことになる。
この対策として、例えば特許文献1(特開2018-34537号公報)には、ブレーキ制御ユニットがマスタシリンダを動作させて発生させるブレーキ液圧(マスター圧)と、ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧(ブレーキ圧)との差圧が大きいと振動騒音が発生することに起因し、マスター圧がブレーキ圧の目標値となるように連動させ、その差圧を無くすことで、振動騒音(NV)を低減させる技術が開示されている。
特開2018-34537号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、マスター圧を常にブレーキ圧に連動させるように制御しているので応答性に問題がある。そのため、当該特許文献1に開示されている技術では、ブレーキの応答性を重視する際には、従来のブレーキ制御によりブレーキ圧を制御するモードに切換えるようにしている。
従って、引用文献1に開示されている技術では、NV特性に優れたモードと応答特性に優れたモードとを切換えているため、この双方を兼ね備えたブレーキ制御を実現することができない。
本発明は、振動騒音特性と応答性との双方に優れたブレーキ制御を実現することのできる車両のブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、液圧ブレーキを動作させて車両に制動力を付与する液圧ブレーキ動作部と、モータジェネレータを回生動作させて前記車両に制動力を付与する回生動作部と、前記液圧ブレーキ動作部と前記回生動作部とを協調動作させる制御部とを備える車両のブレーキ制御装置において、前記制御部は、前記ブレーキ動作部が前記液圧ブレーキを動作させる際の要求昇圧勾配と必要液圧とに基づいて前記ブレーキ動作部から車室内に伝播する作動音量を推定する作動音量推定部と、前記車室内の暗騒音レベルを推定する暗騒音レベル推定部と、前記作動音量推定部で推定した前記作動音量と前記暗騒音レベル推定部で推定した前記暗騒音レベルとの差から、乗員が該作動音量を不快と感じる不快指数を設定する乗員不快指数設定部と、前記乗員不快指数設定部で設定した前記乗員不快指数に基づいて前記要求昇圧勾配を緩やかにする昇圧勾配補正値を設定する昇圧勾配補正値設定部と、前記要求昇圧勾配を前記昇圧勾配補正値設定部で設定した昇圧勾配補正値で補正して目標昇圧勾配を設定する目標昇圧勾配設定部と、前記要求昇圧勾配と前記目標昇圧勾配設定部で設定した前記目標昇圧勾配との差から制動トルクの不足分を算出し、該不足分を補填する必要回生トルクを算出する必要回生トルク算出部とを備え、前記制御部は、前記目標昇圧勾配設定部で設定した目標昇圧勾配と前記必要回生トルク算出部で算出した前記必要回生トルクとで前記液圧ブレーキ動作部と前記回生動作部とを協調動作させる。
本発明によれば、制御部は、ブレーキ動作部から車室内に伝播する作動音量と車室内の暗騒音レベルとの差から、乗員が該作動音量を不快と感じる不快指数を設定し、この乗員不快指数に基づいて要求昇圧勾配を緩やかにする昇圧勾配補正値を設定し、この昇圧勾配補正値で要求昇圧勾配を補正して目標昇圧勾配を設定し、この要求昇圧勾配と目標昇圧勾配との差から制動トルクの不足分を補填する必要回生トルクを算出する。そして、制御部は、目標昇圧勾配と必要回生トルクとで液圧ブレーキ動作部と回生動作部とを協調動作させるようにしたので、振動騒音特性と応答性との双方に優れたブレーキ制御を実現することができる。
ブレーキ制御装置を搭載する電動車両の構成図 回生協調ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャート 目標昇圧勾配設定サブルーチンを示すフローチャート 回生協調制御量設定サブルーチンを示すフローチャート 昇圧勾配と必要液圧の変化を示すタイムチャート 作動音量推定マップの概念図 緊急度推定マップの概念図 不快指数テーブルの概念図 昇圧勾配補正率マップの概念図 回生協調制御による必要液圧相当のブレーキ圧の設定を示すタイムチャート
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1に示す自車両Mは、電動四輪駆動車であり、動力源としてフロントモータジェネレータ(FM/G)1とリヤモータジェネレータ(RM/G)2とを備えている。又、FM/G1の出力軸1aが、フロントデファレンシャル(「フロントデフ」と略称)Dfを介して、前駆動輪Fl,Frの駆動軸3l,3rに連設されている。更に、RM/G2の出力軸2aが、リヤデファレンシャル(「リヤデフ」と略称)Drを介して、後駆動輪Rl,Rrの駆動軸4l,4rに連設されている。
このFM/G1とRM/G2とは、インバータ5を介してバッテリ6に接続されている。インバータ5は、バッテリ6からの直流電力を交流電力に変換して、FM/G1とRM/G2とを駆動させて、前駆動輪Fl,Frと後駆動輪Rl,Rrを力行させる。又、減速走行時にインバータ5は、FM/G1とRM/G2とを発電機として機能させ、FM/G1とRM/G2とで回生発電された交流電力を直流電力に変換してインバータ5に充電させる。従って、インバータ5は、本発明の回生動作部としての機能を備えている。
FM/G1を発電機として機能させると、前駆動輪Fl,Frに回生ブレーキによる回生制動力が付与される。同様に、RM/G2を発電機として機能させると、後駆動輪Rl,Rrに回生ブレーキによる回生制動力が付与される。
又、前駆動輪Fl,Frと後駆動輪Rl,Rrとに、液圧ブレーキ機構7がそれぞれ設けられている。各液圧ブレーキ機構7は、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ等、周知の摩擦ブレーキ装置であり、液圧ブレーキ動作部としてのハイドロリック制御ユニット(HCU)8から供給されるブレーキ液圧によりホイールシリンダのピストンが作動して液圧制動(摩擦制動)力を付与する。
HCU8は昇圧ポンプ、アキュムレータ等からなる液圧発生装置、ブレーキ作動時の液圧を調整して各液圧ブレーキ機構7のホイールシリンダに供給する圧力調整制御弁、各液圧ブレーキ機構7にブレーキ液圧を供給する液圧回路の開閉を行う開閉制御弁等のアクチュエータやバルブを備えている。
上述したインバータ5、HCU8は、制御部としての制御ユニット11からの制御信号によって動作させる。尚、FM/G1、RM/G2、INV5、液圧ブレーキ機構7、HCU8、制御ユニット11にて、本発明のブレーキ制御装置が機能される。
この制御ユニット11は、CPU、RAM、ROM、書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ又はEEPROM)、及び周辺機器を備えるマイクロコントローラで構成されている。ROMにはCPUにおいて各処理を実行させるために必要なプログラムや固定データ等が記憶されている。又、RAMはCPUのワークエリアとして提供され、CPUでの各種データが一時記憶される。尚、CPUはMPU(Microprocessor)、プロセッサとも呼ばれている。又、CPUに代えてGPU(Graphics Processing Unit)やGSP(Graph Streaming Processor)を用いても良い。或いはCPUとGPUとGSPとを選択的に組み合わせて用いても良い。
更に、制御ユニット11は、両FM/G1,RM/G2の制御に必要な、各FM/G1,RM/G2に流れる電流値、電圧値、及び各種センサ類からの検出信号等をインバータ5から取得する。又、制御ユニット11は、上述した各種センサ類からの検出信号に基づき、自車両Mの走行或いは制動を制御するために必要な要求駆動力、或いは要求制動力を求める。そして、要求制動力に基づきインバータ5及びHCU8に対し、回生ブレーキ信号及び液圧ブレーキ信号をそれぞれ出力して回生協調ブレーキ制御を行う。
制御ユニット11で実行する自動ブレーキ制御としては、VDC制御、トルクベクタリング制御、AVH制御等がある。これらの自動ブレーキ制御が制御ユニット11において実行されると、HCU8に設けられている昇圧ポンプ、及びアクチュエータやバルブの動作に起因する騒音やNV等の騒音(振動)が発生する。特に、各FM/G1,RM/G2を駆動源とする自車両Mでは、車室内の暗騒音(暗振動)のレベルが低いため、相対的にHCU8の動作に伴う騒音(振動)が乗員に不快感を与えることになる。
そのため、制御ユニット11は、液圧制動(摩擦制動)時におけるHCU8の作動音量と、そのときの暗騒音(暗振動)レベルとの差分から、乗員である乗員が受ける不快指数を算出し、この不快指数に応じて液圧ブレーキの昇圧勾配(昇圧速度)を抑制し、その不足分を回生制動力で補填するようにしている。尚、制御ユニット11には車室内の騒音レベルを検出するマイクロフォン12が接続されている。
この制御ユニット11で実行する回生協調ブレーキ制御は、図2に示す回生協調ブレーキ制御ルーチンに従って実行される。このルーチンは、システムが起動すると所定演算周期毎に繰り返し実行され、先ず、ステップS1で、VDC制御、トルクベクタリング制御、AVH制御等を実行させる自動ブレーキ制御系からブレーキ制御指示があるか否かを調べ、ブレーキ制御指示がない場合は、そのままルーチンを抜ける。
一方、カーブ走行において、自車両Mの挙動が不安定と判定する等して、自動ブレーキ制御系からブレーキ制御指示が出力されていると判定すると、ステップS2へ進み、バッテリ6の充電残量[%]が規定値以下か否かを調べる。この充電残量は、例えば、バッテリ6の充電率(SOC:State Of Charge)を検出するSOCセンサ(図示せず)の検出値から推定する。又、規定値はFM/G1とRM/G2とによる回生発電にてバッテリ6に充電が可能か否かを判定する値であり、例えば70~80[%]程度に設定されている。
そして、充電残量が既定値を超えている場合、充分な回生制動が得られないと判定し、ルーチンを抜ける。又、充電残量が規定以下の場合、回生可能と判定し、ステップS3へ進み目標昇圧勾配を設定し、ステップS4へ進み回生協調制御量を設定してルーチンを抜ける。
ステップS3での処理は、図3に示す目標昇圧勾配設定サブルーチンに従って実行される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS11において自動ブレーキ制御系で設定した、制動開始時におけるブレーキ液圧の昇圧勾配の要求値(要求昇圧勾配)、及び必要とするブレーキ液圧(必要液圧)を読込む。図5に示すように、昇圧勾配は最大値(高)と最小値(低)とが設定されており、又、必要液圧も最大値(高)と最小値(低)とが設定されている。従って、ブレーキ液圧は、昇圧勾配の最大値から必要液圧の最大値に至るラインと昇圧勾配の最小値から必要液圧の最小値に至るラインで囲まれた領域の何れかに設定される。
次いで、ステップS12へ進み、ブレーキ制御系で設定した要求昇圧勾配と必要液圧とに基づき、HCU8の作動音量を、作動音量推定マップを参照して推定する。図6に作動音量推定マップの概念を示す。このマップは要求昇圧勾配と必要液圧とをパラメータとして、予め実験やシミュレーション等により、HCU8の車室内に伝播する作動音量を車種毎に求めたもので、固定データとして不揮発性メモリ等に記憶されている。このマップには要求昇圧勾配と必要液圧とが高くなるに従い車室内に伝播する大きい値の作動音量が設定されている。尚、このステップS12での処理が、本発明の作動音量推定部に対応している。
その後、ステップS13へ進み、要求昇圧勾配と必要液圧に基づき、ブレーキ制御系作動時の緊急度[%]を、緊急度マップを参照して設定する。図7に緊急度推定マップの概念を示す。このマップは要求昇圧勾配と必要液圧とをパラメータとして、予め実験やシミュレーション等により、ブレーキ制御の緊急度[%] を求めたもので固定データとして不揮発性メモリ等に記憶されている。このマップには要求昇圧勾配が急勾配で、必要液圧が大きくなるに従い緊急度が高く設定されている。
従って、例えば、高速度カーブ路に進入した際に、自車両Mがオーバステア、或いはアンダステアの傾向にあり、不安定挙動を解消すべくVDC制御が作動した場合には、要求昇圧勾配が急勾配で、必要液圧が大きくなるため、緊急度は高いと推定される。これに対し、赤信号等に伴う交差点手前の減速区間におけるブレーキ制御や追従走行時のブレーキ制御等では、要求昇圧勾配が緩やかで、必要液圧が小さいため、緊急度は低いと推定される。尚、このステップS13での処理が、本発明の緊急度設定部に対応している。
又、ステップS14へ進むと、車室内に設置したマイクロフォン12で検出した車室内騒音を読込み、車室内の暗騒音(車室内暗騒音)レベルを推定する。ここで、暗騒音とは、対象となる作動音を除いた車室内における騒音を云い、本実施形態における対象は、HCU8からの作動音となる。車室内暗騒音としては、走行に伴う風切り音やロードノイズ、エアコンの送風音、オーディオスピーカからの出力音、ワイパー作動による払拭音、乗員の会話等がある。この車室内暗騒音レベルが低くなれば、相対的にHCU8からの作動音が耳障りな不快音となる。従って、例えば、マイクロフォン12を運転者が着座するシートのヘッドレスト付近に設置することで、車室内暗騒音レベルをより精度良く推定することができる。尚、このステップS14での処理が、本発明の暗騒音レベル推定部に対応している。
次いで、ステップS15へ進み、ステップS12で推定したHCU8からの作動音(HCU作動音量)とステップS14で推定した暗騒音レベルとの差分に基づき、不快指数テーブルを参照して乗員に与える不快指数(乗員不快指数)を推定する。図8に不快指数テーブルの概念を示す。このテーブルには、横軸にHCU作動音量と暗騒音レベルとの差分が示され、縦軸に乗員不快指数が示されている。因みに、このテーブルでは、乗員不快指数を0~8の9段階で示し、(HCU作動音量-暗騒音レベル)≦聞こえないレベル(例えば、10[dB]程度)では、不快指数が全て0に設定される。又、不快指数1~2未満はHCU作動音が聞こえるが気にならないレベル、不快指数2~4未満はHCU作動音がやや気になるレベル、不快指数4~8はHCU作動音が非常に気になるレベルに設定されている。尚、このステップS15での処理が、本発明の乗員不快指数設定部に対応している。
その後、ステップS16へ進むと、ステップS13で推定した緊急度とステップS15で設定した乗員不快指数とに基づき、昇圧勾配補正値としての昇圧勾配補正率[%]を、昇圧勾配補正率マップを参照して設定する。図9に昇圧勾配補正率マップの概念を示す。このマップは緊急度と乗員不快指数とをパラメータとして、ブレーキ液圧をどの程度回生制動力に置き換えることができるかの割合を設定するもので、予め実験やシミュレーション等から求めて設定した固定値であり、不揮発性メモリ等に記憶されている。尚、このステップS16での処理が、本発明の昇圧勾配補正値設定部に対応している。
昇圧勾配補正率は、緊急度が高く乗員不快指数が高いほど小さな割合に設定されている。すなわち、自動ブレーキ制御系では、乗員不快指数が高くても緊急度が優先される。又、この昇圧勾配補正率は緊急度が低くても乗員不快指数が低い場合は小さい値に設定される。更に、緊急度と不快指数とが共に次第に高くなる領域では、昇圧勾配補正率は0[%]、すなわち補正なしに設定されている。
本実施形態では、この昇圧勾配補正率を、緊急度と乗員不快指数とに応じて緩やかにする度合いを、大、中、小の三段階に設定しているが、これに限定されるものではない。因みに、大=60[%]、中=40[%]、小=20[%]程度に設定されているが、これも限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。従って、例えば、信号機手前の減速区間での自動ブレーキ制御を行う際に、緊急度が低く、車室内が静寂で暗騒音レベルが低い場合は、昇圧勾配補正率が小に設定される。一方、上述したような、自車両Mが高速度カーブ路に進入した際にVDC制御が作動した場合には、緊急度が高いため、乗員不快指数に拘わらず乗員勾配補正率は0[%]となる。昇圧勾配補正値としては、昇圧勾配補正率以外に、補正係数、補正ゲイン、補正量であっても良い。
その後、ステップS17へ進むと、要求昇圧勾配を昇圧勾配補正率で補正して目標昇圧勾配を設定し、図2のステップS4へ進む。
すなわち、要求昇圧勾配をΔPi[Pa/s]、昇圧勾配補正率をkp[%]とした場合、目標昇圧勾配をPt[Pa/s]は、
Pt←(1-kp/100)・ΔPi
となる。尚、このステップS17での処理が、本発明の目標昇圧勾配設定部に対応している。
そして、ステップS18へ進み、この目標昇圧勾配Ptに対応する駆動信号をHCU8に出力する。すると、HCU8はブレーキ液圧を目標昇圧勾配Ptにて必要液圧Phに達するまで昇圧させる。その結果、このブレーキ液圧が液圧ブレーキ機構7に供給されて摩擦制動により各駆動輪Fl,Fr,Rl,Rrが制動される。
又、図2のステップS4へ進むと回生協調制御量が設定される。この回生制御量の設定は、図4に示す回生協調制御量設定サブルーチンにて実行される。このサブルーチンでは、先ず、ステップS21において、自動ブレーキ制御系で設定した要求昇圧勾配ΔPi及び必要液圧Phと、図3のステップS17で設定した目標昇圧勾配ΔPtとを読込む。そして、目標昇圧勾配ΔPtが必要液圧Phに達するまでの、要求昇圧勾配ΔPiと目標昇圧勾配ΔPtとの差、及び、要求昇圧勾配ΔPiが必要液圧Phに達した後は、この必要液圧Phと目標昇圧勾配ΔPtとの差から、図10にハッチングで示す領域の制動トルク不足分を算出する。この場合、ブレーキ液圧に対する制動トルクの特性は、予め不揮発性メモリに記憶されている。従って、要求昇圧勾配ΔPi或いは必要液圧Phと目標昇圧勾配ΔPtとの差分から制動トルク特性に基づいて不足分の制動トルクを設定することができる。
次いで、ステップS22へ進み、制動トルクの不足分を補填する必要回生トルクを算出する。尚、この必要回生トルクは演算周期毎に算出されるので、結果的に必要回生トルクは所定のトルク勾配で必要液圧に達するまで増加されることになる。尚、ステップS21,S22での処理が、本発明の必要回生トルク算出部に対応している。
その後、ステップS23へ進み、必要回生トルクを得るための電流指令値をインバータ5に出力して、ルーチンを抜ける。インバータ5は制御ユニット11からの電流指令値に基づいてFM/G1とRM/G2とを回生動作させて、各駆動輪Fl,Fr,Rl,Rrに付与する制動トルクの不足分を補填する。
例えば、図10に示すように、HCU8が作動する際の必要液圧と緊急度とが共に低く、且つ乗員不快指数が高い場合、昇圧勾配補正率が大きくなるため、要求昇圧勾配に対して目標昇圧勾配がより緩やかになる。その結果、図にハッチングで示す領域が、制動トルクの不足分を補填する必要回生トルクの領域となる。これにより、HCU8の作動音量が抑制され、乗員に与える不快感を軽減させることができる。そして、必要回生トルクが必要液圧に達した後は、ブレーキ液圧が必要液圧に達するまで、必要回生トルクが相対的に減少される。
このように、制御ユニット11では、VDC等の自動ブレーキ制御系が動作するに際し、HCU8から供給されるブレーキ液圧の要求昇圧勾配と必要液圧とに基づき、HCU8から車室内に伝播する作動音量を推定する。そして、この作動音量と車室内の暗騒音レベルとの差分に基づいて、乗員がHCU8の作動音をどの程度不快に感じるかの不快指数(乗員不快指数)を設定する。そして、自動ブレーキ制御系の緊急度が低い場合は、乗員不快指数に応じて、昇圧勾配補正率を設定し、この昇圧勾配補正率でブレーキ液圧の要求昇圧勾配を低く設定したので、HCU8から車室内に伝播する作動音量が抑制される。その結果、良好な振動騒音特性(静音性)を得ることができる。
又、摩擦制動による制動トルクの不足分を回生トルクで補填するようにしたので、応答遅れが生じることが無く、優れたブレーキ制御性を得ることができる。更に、自動ブレーキ制御系の緊急度が高い場合は、昇圧勾配補正率を0[%]とし、ブレーキ液圧による摩擦制動を優先させて動作させるようにしたので、高い安全性を得ることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば、制御ユニット11は、HCU8に変えて電動ブレーキブースタを直接制御動作させるようにしても良い。採用する車両は、前輪駆動車、後輪駆動車であっても良く、この場合、回生協調制御は駆動輪側で行う。
1…フロントモータジェネレータ、
2…リヤモータジェネレータ、
1a,2a…出力軸、
3l,3r,4l,4r…駆動軸、
5…インバータ、
6…バッテリ、
7…液圧ブレーキ機構、
8…ハイドロリック制御ユニット(HCU)、
11…制御ユニット、
12…マイクロフォン、
Fl,Fr…前駆動輪、
M…自車両、
Ph…必要液圧、
Pt…目標昇圧勾配、
Rl,Rr…後駆動輪、
ΔPi…要求昇圧勾配、
ΔPt…目標昇圧勾配

Claims (5)

  1. 液圧ブレーキを動作させて車両に制動力を付与する液圧ブレーキ動作部と、
    モータジェネレータを回生動作させて前記車両に制動力を付与する回生動作部と、
    前記液圧ブレーキ動作部と前記回生動作部とを協調動作させる制御部と
    を備える車両のブレーキ制御装置において、
    前記制御部は、
    前記液圧ブレーキ動作部が前記液圧ブレーキを動作させる際の要求昇圧勾配と必要液圧とに基づいて前記液圧ブレーキ動作部から車室内に伝播する作動音量を推定する作動音量推定部と、
    前記車室内の暗騒音レベルを推定する暗騒音レベル推定部と、
    前記作動音量推定部で推定した前記作動音量と前記暗騒音レベル推定部で推定した前記暗騒音レベルとの差から、乗員が該作動音量を不快と感じる乗員不快指数を設定する乗員不快指数設定部と、
    前記乗員不快指数設定部で設定した前記乗員不快指数に基づいて前記要求昇圧勾配を緩やかにする昇圧勾配補正値を設定する昇圧勾配補正値設定部と、
    前記要求昇圧勾配を前記昇圧勾配補正値設定部で設定した前記昇圧勾配補正値で補正して目標昇圧勾配を設定する目標昇圧勾配設定部と、
    前記要求昇圧勾配と前記目標昇圧勾配設定部で設定した前記目標昇圧勾配との差から制動トルクの不足分を算出し、該不足分を補填する必要回生トルクを算出する必要回生トルク算出部と
    を備え、
    前記制御部は、前記目標昇圧勾配設定部で設定した前記目標昇圧勾配と前記必要回生トルク算出部で算出した前記必要回生トルクとで前記液圧ブレーキ動作部と前記回生動作部とを協調動作させる
    ことを特徴とする車両のブレーキ制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記必要液圧と前記要求昇圧勾配とに基づいてブレーキ動作の緊急度を推定する緊急度設定部を更に有し、
    前記昇圧勾配補正値設定部は、前記緊急度設定部で設定した前記緊急度と前記乗員不快指数設定部で設定した前記乗員不快指数とに基づいて前記昇圧勾配補正値を設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の車両のブレーキ制御装置。
  3. 前記緊急度設定部で設定する前記緊急度は、前記必要液圧が高く、前記要求昇圧勾配が急勾配になるに従い高く設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両のブレーキ制御装置。
  4. 前記乗員不快指数設定部は、前記作動音量推定部で推定した前記作動音量よりも前記暗騒音レベル推定部で推定した前記暗騒音レベルが小さくなるに従い前記乗員不快指数を高く設定する
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の車両のブレーキ制御装置。
  5. 前記必要回生トルク算出部は、前記要求昇圧勾配及び前記必要液圧と、該必要液圧に到達するまでの前記目標昇圧勾配との差から制動トルクの不足分を算出する
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の車両のブレーキ制御装置。
JP2021142653A 2021-09-01 2021-09-01 車両のブレーキ制御装置 Pending JP2023035642A (ja)

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