JP5966587B2 - 車両用制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用制動装置に関するものである。
車両においては、ブレーキペダルの踏み込みによってマスタシリンダでブレーキ液圧が発生されて、マスタシリンダからホイールシリンダへとブレーキ液圧が供給されて制動が行われる。また、最近では、ハイブリッド車や電気自動車において行われているように、ブレーキ液圧による制動に加えて、減速時に走行用モータを発電機として機能させて制動を行う回生制動を行うことも一般的である。そして、ブレーキ液圧による制動と回生制動とを協調させる協調制御も行われている。
協調制御を行っている際に、車速が低下すると回生制動力が低下するため、その分ブレーキ液圧による制動力を高める必要がある。このブレーキ液圧を高める際に、同じ踏力であってもブレーキペダルが入り込む(踏み込み方向に変位する)という違和感を運転者に与えてしまう可能性がある。上記違和感を解消するため、特許文献1には、回生制動力をブレーキ液圧制動力へ漸次変更することが開示されている。また、特許文献2には、単位時間あたりのストローク量の増加が一定となるようにブレーキ液圧を制御することが開示されている。
特開2007−276534号公報 特開2007−276550号公報
ところで、ブレーキペダルの踏み込み力を倍力装置で倍力してマスタシリンダへ伝達することが一般的に行われており、この倍力装置として、負圧を利用した負圧式のものがある(真空倍力装置とも呼ばれる)。エンジンを搭載した車両であれば、減速時に吸気通路内に生じる吸気負圧を利用して、負圧式倍力装置へ負圧供給することが可能である。しかしながら、電気自動車のようにエンジンを搭載していない車両の場合は、負圧を発生させるバキュームポンプが別途設けられることになる。また、エンジンを搭載していても負圧式倍力装置へ安定した負圧を供給する等のために、バキュームポンプを設けることもある。
バキュームポンプは、負圧式倍力装置内の負圧がある所定値よりも小さくなったときに作動されるのが一般的である。この場合、前述した制動力の協調制御を行っているときに、負圧式倍力装置への負圧供給のためにバキュームポンプが作動される場合がある。この場合、負圧式倍力装置への負圧供給によって、倍力機能が増大され、これによってブレーキペダルの入り込み現象を生じることになり、この点においてなんらかの対策が望まれることになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、協調制御中のバキュームポンプの作動に起因するブレーキペダルの入り込み現象を防止あるいは低減できるようにした車両用制動装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
ブレーキペダルの踏み込み力を倍力してマスタシリンダに伝達する負圧式の倍力装置と、
前記倍力装置に対して倍力用の負圧を供給するバキュームポンプと、
前記マスタシリンダからホイールシリンダへ供給されるブレーキ液圧を調整するブレーキ液圧調整装置と、
回生ブレーキ装置と、
前記ブレーキ液圧調整装置を制御して、ブレーキ液圧による制動力と前記回生ブレーキ装置による回生制動力とを協調させる協調制御手段と、
前記協調制御手段によって制動力が協調制御されているときに、前記バキュームポンプの作動を抑制する抑制手段と、
を備え、
前記バキュームポンプが、前記倍力装置内の負圧が所定値よりも小さくなったときに作動されるように設定され、
前記抑制手段は、前記協調制御中は非協調制御中に比して、前記所定値を小さくすることにより前記バキュームポンプの作動条件を厳しくする、
ようにしてある。上記解決手法によれば、協調制御中は、バキュームポンプの作動が抑制されるので、この分、負圧式倍力装置による倍力機能増大が抑制されて、ブレーキペダルの入り込み現象を防止あるいは低減することができる。
以上に加えて、バキュームポンプが作動開始されにくくするというバキュームポンプの作動条件を厳しくするという手法によって、上記効果を得ることができる。
前記抑制手段は、前記協調制御中は非協調制御中に比して、前記バキュームポンプの作動時間を短くする、ようにしてある(請求項対応)。この場合、負圧式倍力装置での負圧不足を解消しつつ、負圧供給による負圧式倍力装置での倍力機能増大を抑制して、請求項1に対応した効果を得ることができる。
本発明によれば、協調制御中はバキュームポンプの作動を抑制して、バキュームポンプの作動に伴う負圧式倍力装置の倍力機能増大を抑制して、ブレーキペダルの入り込み現象を防止あるいは低減することができる。
本発明が適用された車両の駆動系とブレーキ系とその制御系を示す全体系統図。 協調制御の一例を示す特性図。 本発明の制御例を示すフローチャート。
図1において、1は制御装置で、この制御装置1は、車両コントローラ2と、後述のインバータ12の作動を制御するインバータコントローラ3と、後述のバッテリ13の充放電を制御するバッテリコントローラ4と、後述のブレーキユニット31の作動を制御するブレーキコントローラ5とを含む。車両コントローラ2は、インバータコントローラ3、バッテリコントローラ4及びブレーキコントローラ5を統括して制御するコントローラであって、これら3つのコントローラ3〜5とそれぞれ相互に通信可能であり、各種情報の送受信を行う。尚、制御装置1を、このように4つのコントローラ2〜5で構成する必要はなく、1以上3以下のコントローラで構成することも可能である。
上記各コントローラ2〜5は、周知のマイクロコンピュータをベースとするものであって、プログラムを実行する中央算出処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラムおよびデータを格納するメモリと、種々の信号の入出力を行うための入出力(I/O)バスとを含む。
上記車両の前部には、当該車両を駆動するための駆動モータ(走行用モータ)11が配設されている。この駆動モータ11は3相交流モータであり、この駆動モータ11(の各コイル)は、インバータ12を介して、直流の高圧バッテリ13と接続されている。実施形態では、車両は、エンジンを有しないで、駆動モータ11のみによって駆動される電気自動車となっている。
上記駆動モータ11のモータ軸11aは、差動ギヤを含む減速ギヤ16及び左右のドライブシャフト17を介して左右の前輪22と連結されており、これら前輪22は、駆動モータ11によって駆動される駆動輪とされている。一方、左右の後輪23は、非駆動輪(従動輪)とされている。なお、後輪を駆動輪とする一方、前輪を従動輪としてもよく、あるいは4輪駆動としてもよい。なお、以下の説明で、駆動輪と従動輪とを区別しない場合は、単に車輪21と称することもある。
駆動モータ11は、インバータ12を介してバッテリ(高圧バッテリ)13から供給される電力に応じた駆動トルクを発生して、左右の前輪22(駆動輪)を駆動して、車両を走行させる。一方、上記車両の制動時(車両の運転者によってブレーキペダル32が踏まれているとき)には、駆動モータ11は、左右の前輪22からの駆動力によって発電することが可能である。この車両制動時に、インバータコントローラ3は、後述の如く車両コントローラ2により決められた回生制動力が得られるように駆動モータ11を回生制御する。このとき、バッテリコントローラ4は、その発電電力(回生電力)をバッテリ13に充電させるように制御する。
上記駆動モータ11が回生電力を発電するとき、左右の前輪22には、その回転を制動しようとする回生制動(回生制動力)が同時に付与されることになる。左右の前輪22に付与される回生制動力は同じ値である。上記回生電力は、上記のようにバッテリ13に充電され、その充電量が多いほど、回生制動力が大きくなる。したがって、駆動モータ11、インバータ12及びバッテリ13は、車両制動時に車両の全車輪21のうちの一部の車輪21(本実施形態では、左右の前輪22)に対し回生制動を付与する回生制動装置10を構成することになる。
ここで、バッテリ13の充電量には限界があり、その充電量の上限値はバッテリ13の充電状態(SOC)や温度等によって決まる。したがって、回生制動力の上限値は、バッテリ13の充電状態(SOC)や温度等によって決まることになる。上記回生制動力は、0と上記上限値との間で自在に変更することが可能であり、回生制動力の増加速度及び減少速度も、0とかなり速い速度との間で自在に変更することが可能である。
上記車両は、上記回生制動装置10に加えて、車両制動時に車両の全車輪21に対しブレーキ液圧制動を付与する油圧式制動装置30を備えている。この油圧式制動装置30は、負圧式倍力装置51と、マスタシリンダ52と、ブレーキユニット31とを有する。ブレーキユニット31は、ポンプ及びバルブを含みかつこれらにより各車輪(液圧ブレーキ34)へ供給するブレーキ液圧を調整する。このブレーキユニット31には、マスタシリンダ52からブレーキ液圧が供給される。各車輪21に設けられたブレーキ34は、ホイールシリンダを有して、ホイールシリンダに供給されるブレーキ液圧の大きさに応じて制動されることになる。
また、各車輪21には、車輪21の車輪速を検出する車輪速センサ41が設けられており、各車輪速センサ41による検出情報は、ブレーキコントローラ5に入力されるようになっている。
ブレーキコントローラ5は、ブレーキユニット31のポンプ及びバルブの作動を制御して、各車輪21へ供給するブレーキ液圧(つまり液圧制動力)を制御する。具体的には、ホイールシリンダ(ブレーキ34)へ供給するブレーキ液圧の加圧と減圧と液圧維持とが切換可能である。ブレーキユニット31の切換機能を利用して、ABS制御、トラクション制御が行われると共に、後述するブレーキ液圧制動と回生制動との協調制御が行われる。
前記負圧式倍力装置51は、負圧通路53を介して、バキュームポンプ54と接続されている。負圧通路53には、負圧式倍力装置51内の負圧検出用の負圧センサ55が接続されている。負圧式倍力装置51内の負圧が減少して、負圧センサ55によって検出される負圧Pが第1所定値(下限しきい値)よりも小さくなると、バキュームポンプ54が作動されて、負圧式倍力装置51内の負圧が増大される。また、バキュームポンプ54の作動によって、負圧センサ55によって検出される負圧が第2所定値(上限しきい値)よりも大きくなると、バキュームポンプ53の作動が停止される。このようにして、負圧式倍力装置51内の負圧がある所定範囲内の負圧に維持されることになる。
ブレーキ液圧制動と回生制動との協調制御例について、図2を参照しつつ説明する。まず、ブレーキペダル32が踏み込み操作されることにより、この踏み込み操作力が負圧式倍力装置51で倍力されてマスタシリンダ52に伝達され、マスタシリンダ52でブレーキ液圧が発生される。マスタシリンダ52で発生されたブレーキ液圧は、ブレーキユニット31で調整制御されて、ホイールシリンダ(ブレーキ34)に供給される。また、ブレーキペダル32の踏み込み操作に伴って、駆動モータ11を利用した回生制動が行われる。
ブレーキ操作に伴って車速は徐々に低下されるが、ブレーキ当初は、車速が高すぎるために、回生制動力を十分確保することが難しく、このため、当初は、一定のマスタシリンダ液圧と小さな回生制動力とブレーキユニット31によって調整される大きな制御液圧(以下、DSC液圧と呼ぶ場合もある)とによる制動力とされる。マスタシリンダ液圧による制動力は常時一定とされており、したがって、車速の低下に伴って回生制動力が増加し、それに伴いDSC液圧が徐々に減少され、t3時点でDSC液圧が0になる。なお、t1時点から徐々に増大される制動力は、t3時点の前の時点となるt2時点で一定値とされる(ブレーキペダル32の踏み込み力に対応した制動力)。
マスタシリンダ液圧による制動力と回生制動力との合計制動力が一定のままt4時点になると、車速が小さくなっているために、車速の低下に伴って回生制動力が徐々に小さくされ、車速が0になるt5時点で回生制動力が0になる。回生制動力が低下し始めるt4時点から、再びDSC液圧による制動力が発生され、このDSC制動力は、回生制動力が小さくなるのに伴って大きくされる。そして、t5時点で車速が0になった後は、一定のマスタシリンダ液圧による一定制動力と大きなDSC液圧による制動力とされる。t6時点は、ブレーキペダル32が解放された時点であり、t6時点後は制動力が0になる。
ここで、ブレーキ中は、負圧式倍力装置51内の負圧は、徐々に減少(消費)されることになる。t4〜t5の間において、バキュームポンプ54が作動されて負圧式倍力装置51へ負圧が供給されると、倍力機能が増大されて、その分ブレーキペダル32の入り込み現象が生じることになり、運転者に違和感を与えてしまうことになる。特に、車速が大きく低下しているブレーキ後期は、運転者がブレーキ操作に敏感になっていることもあって、上記入り込みに対して違和感を感じやすいものとなる。
上記入り込みを抑制して運転者へ違和感を与えてしまう事態を防止あるいは低減するために、制動力を協調制御しているときは、バキュームポンプ54の作動を抑制するようにしてある。このバキュームポンプ54の作動を制御する一例が図3のフローチャートに示される。以下、図3のフローチャートについて説明するが、以下の説明でQはステップを示す。
図3の制御例では、バキュームポンプ54を作動させる開始しきい値としてのPLOWとして、PLOW1〜PLOW5の5種類設定されている。ただし、PLOW5絶対値>PLOW4絶対値>PLOW3絶対値>PLOW2絶対値>PLOW1絶対値である。開始しきい値に対応して、バキュームポンプ54の作動を停止する終了しきい値PHiとして、PHi1〜PHi5の5種類設定されている。PHi5絶対値>PHi4絶対値>PHi3絶対値>PHi2絶対値>PHi1絶対値である。勿論、PHi5絶対値>PLOW5絶対値であり、PHi4絶対値>PLOW4絶対値であり、PHi3絶対値>PLOW3絶対値であり、PHi2絶対値>PLOW2絶対値であり、PHi1絶対値>PLOW1絶対値である。
以上のことを前提として、まず、Q0において、各種センサ等からの信号が入力される。この後、Q1において、アクセルがONであるか否か、つまりアクセルペダルが踏み込まれているか否かが判別される。このQ1の判別でYESのときは、Q2において、車速Vが所定の高車速V2よりも大きいか否かが判別される。このQ2の判別でYESのときは、Q3において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PLOW5絶対値よりも小さいか否かが判別される。このQ3の判別でNOのときは、負圧式倍力装置51内の負圧が所望設定範囲内なので、そのままリターンされる。
上記Q3の判別でYESのときは、Q4において、バキュームポンプ54が作動される(負圧式倍力装置51への負圧供給)。Q4の後、Q5において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PHi5の絶対値よりも大きいか否かが判別される。このQ5の判別でNOのときは、Q4に戻って負圧式倍力装置51へ負圧が供給され続ける。これにより、高速走行中に、負圧式倍力装置51内に負圧が十分に蓄積されることになる。前記Q5の判別でYESのときは、Q6において、バキュームポンプ54が停止される。
前記Q2の判別でNOのときは、Q7において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PLOW4絶対値よりも小さいか否かが判別される。このQ7の判別でNOのときは、負圧式倍力装置51内の負圧が所望設定範囲内なので、そのままリターンされる。
前記Q7の判別でYESのときは、Q8において、バキュームポンプ54が作動される(負圧式倍力装置51への負圧供給)。Q8の後、Q9において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PHi4の絶対値よりも大きいか否かが判別される。このQ9の判別でNOのときは、Q8に戻って負圧式倍力装置51へ負圧が供給され続ける。Q9の判別でYESのときは、Q6において、バキュームポンプ54が停止される。このように、高速走行中でなくても、アクセルON時は(非ブレーキ時)には、負圧式倍力装置51に比較的大きな負圧が蓄積される。
前記Q1の判別でNOときは、Q10において、ブレーキペダル32が踏み込み操作されているか否かが判別される。このQ10の判別でNOのときは、前記Q2へ移行される。Q10の判別でYESのときは、Q11において、制動力の協調制御中であるか否かが判別される。このQ11の判別でNOのときは、Q12において、車速Vが所定車速V1(≦V2)よりも大きいか否かが判別される。
上記Q12の判別でYESのときは、Q13において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PLOW3絶対値よりも小さいか否かが判別される。このQ13の判別でNOのときは、負圧式倍力装置51内の負圧が所望設定範囲内なので、そのままリターンされる。
前記Q13の判別でYESのときは、Q14において、バキュームポンプ54が作動される(負圧式倍力装置51への負圧供給)。Q14の後、Q15において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PHi3の絶対値よりも大きいか否かが判別される。このQ15の判別でNOのときは、Q14に戻って負圧式倍力装置51へ負圧が供給され続ける。Q15の判別でYESのときは、Q6において、バキュームポンプ54が停止される。
前記Q12の判別でNOのときは、Q16において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PLOW2絶対値よりも小さいか否かが判別される。このQ16の判別でNOのときは、負圧式倍力装置51内の負圧が所望設定範囲内なので、そのままリターンされる。
前記Q16の判別でYESのときは、Q17において、バキュームポンプ54が作動される(負圧式倍力装置51への負圧供給)。Q17の後、Q18において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PHi2の絶対値よりも大きいか否かが判別される。このQ18の判別でNOのときは、Q17に戻って負圧式倍力装置51へ負圧が供給され続ける。Q18の判別でYESのときは、Q6において、バキュームポンプ54が停止される。
前記Q11の判別でYESのときは、Q19において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PLOW1絶対値よりも小さいか否かが判別される。このQ19の判別でNOのときは、負圧式倍力装置51内の負圧が所望設定範囲内なので、そのままリターンされる。
Q19の判別でYESのときは、Q20において、バキュームポンプ54が作動される(負圧式倍力装置51への負圧供給)。Q20の後、Q21において、負圧センサ55で検出される負圧Pの絶対値が、PHi1の絶対値よりも大きいか否かが判別される。このQ21の判別でNOのときは、Q20に戻って負圧式倍力装置51へ負圧が供給され続ける。Q21の判別でYESのときは、Q6において、バキュームポンプ54が停止される。
このように、制動力の協調制御中は、バキュームポンプ54の作動条件は、もっとも小さい負圧(もっとも厳しい条件)となるように設定されているので、協調制御中にバキュームポンプ54がもっとも作動されにくくなり、バキュームポンプ54の作動に起因するブレーキペダル32の入り込み現象が防止あるいは低減されることになる。ちなみに、協調制御中に、例えば、負圧センサ55で検出される負圧がPLOW5の絶対値よりも小さくなったときにバキュームポンプ54を作動させるように設定したときは、ブレーキペダル32の入り込み現象が生じ、しかも入り込みの程度も強いものになってしまう。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。制動力の協調制御中に、バキュームポンプ54の作動条件を厳しくする他の例として、例えば、バキュームポンプ54の作動時間をある一定時間に設定する一方、協調制御中はこの設定時間を短くするようにしてもよい。また、バキュームポンプ54の作動時間を短くすることと、作動開始の負圧しきい値を小さくすることとを併用してもよい。負圧式倍力装置51への負圧供給をバキュームポンプ54を利用して行うのであれば、エンジンを搭載した車両であってもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することや制御方法を提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、バキュームポンプによる負圧が利用される負圧式倍力装置を搭載した車両の制動装置として好適である。
1:制御装置
2:車両コントローラ
3:インバータコントローラ
4:バッテリコントローラ
5:ブレーキコントローラ
10:回生制動装置
11:駆動モータ
12:インバータ
13:ブレーキユニット(ブレーキ液圧調整装置)
22:駆動輪
34:液圧ブレーキ(ホイールシリンダ)
32:ブレーキペダル
34:ブレーキ(ホイールシリンダ)
51:負圧式倍力装置
52:マスタシリンダ
53:負圧通路
54:バキュームポンプ
55:負圧センサ
PLOW1〜PLOW5:しきい値(バキュームポンプの作動開始用)
PHi1〜PHi5:しきい値(バキュームポンプの作動停止用)

Claims (2)

  1. ブレーキペダルの踏み込み力を倍力してマスタシリンダに伝達する負圧式の倍力装置と、
    前記倍力装置に対して倍力用の負圧を供給するバキュームポンプと、
    前記マスタシリンダからホイールシリンダへ供給されるブレーキ液圧を調整するブレーキ液圧調整装置と、
    回生ブレーキ装置と、
    前記ブレーキ液圧調整装置を制御して、ブレーキ液圧による制動力と前記回生ブレーキ装置による回生制動力とを協調させる協調制御手段と、
    前記協調制御手段によって制動力が協調制御されているときに、前記バキュームポンプの作動を抑制する抑制手段と、
    を備え、
    前記バキュームポンプが、前記倍力装置内の負圧が所定値よりも小さくなったときに作動されるように設定され、
    前記抑制手段は、前記協調制御中は非協調制御中に比して、前記所定値を小さくすることにより前記バキュームポンプの作動条件を厳しくする、
    ことを特徴とする車両用制動装置。
  2. 請求項1において、
    前記抑制手段は、前記協調制御中は非協調制御中に比して、前記バキュームポンプの作動時間を短くする、ことを特徴とする車両用制動装置。


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