JP2023034938A - フリップフロップ回路、半導体集積回路装置、及び車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】フリップフロップ回路において、回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制しつつソフトエラー耐性を向上させる。【解決手段】フリップフロップ回路(101)は、マスターラッチ(ML1A)と、スレーブラッチ(SL1A)と、を備える。マスターラッチ(ML1A)に含まれる第1トライステートインバータ(TS1)に第1配線L1を追加し、スレーブラッチ(SL1A)に含まれる第2トライステートインバータ(TS2)に第2配線L2を追加する。【選択図】図2
Description
本明細書中に開示されている発明は、フリップフロップ回路並びにフリップフロップ回路を備える半導体集積回路装置及び車両に関する。
自動車の電気/電子システムに関する機能安全についてISO26262が規格化され、車両に搭載される半導体集積回路装置における信頼性の要求水準が高まっている。
半導体集積回路装置に含まれるフリップフロップ回路の信頼性を低下させる原因として、ソフトエラーが注目されている。ソフトエラーは、半導体集積回路装置に放射線が通過又は衝突することにより電子正孔対が生成され、一時的に記憶素子の保持値が反転することで発生する。
フリップフロップ回路のソフトエラー対策としては、フリップフロップ回路を三重化し、それぞれのフリップフロップ回路に多数決回路を接続した構成である冗長化フリップフロップ回路が一般的である。冗長化フリップフロップ回路では、3つのフリップフロップ回路のうち、1つにソフトエラーによる出力反転が生じても、残りの2つが正しい出力値を保持していれば、多数決回路の多数決によって正しい信号が出力される。
しかしながら、冗長化フリップフロップ回路は、単一のフリップフロップ回路と比較して、回路面積、遅延時間、及び消費電力がそれぞれ大幅に増加する。つまり、冗長化フリップフロップ回路は、回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドが大きいという問題を有する。
なお、特許文献1で開示されているフリップフロップ回路は、マスターラッチ回路からの出力データと、2つのスレーブラッチ回路からの2つの出力データに基づき多数決でフリップフロップ回路の出力データを生成することで、ソフトエラー耐性を向上させている。特許文献1で開示されているフリップフロップ回路は、上記の冗長化フリップフロップ回路と比較して、回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制することができる。しかしながら、特許文献1で開示されているフリップフロップ回路は、回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッド抑制に関して改善の余地がある。また、特許文献1で開示されているフリップフロップ回路は、クロック停止状態でしかソフトエラーの検出及び訂正を行うことができない。
本明細書中に開示されているフリップフロップ回路は、マスターラッチと、スレーブラッチと、を備える。前記マスターラッチは、第1インバータと、前記第1インバータの出力端に入力端が接続され、前記第1インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第1トライステートインバータと、を備える。前記スレーブラッチは、第2インバータと、前記第2インバータの出力端に入力端が接続され、前記第2インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第2トライステートインバータと、を備える。前記第1トライステートインバータは、クロック信号がゲート入力されるように構成される第1NMOSトランジスタと、前記クロック信号の反転信号である反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第1PMOSトランジスタと、を備える。前記第2トライステートインバータは、前記クロック信号がゲート入力されるように構成される第2PMOSトランジスタと、前記反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第2NMOSトランジスタと、を備える。前記フリップフロップ回路は、前記第1PMOSトランジスタのソースと前記第1NMOSトランジスタのソースとを接続するように構成される第1配線と、前記第2PMOSトランジスタのソースと前記第2NMOSトランジスタのソースとを接続するように構成される第2配線との少なくとも一方を備える。
本明細書中に開示されている半導体集積回路装置は、上記構成のフリップフロップ回路を備える構成である。
本明細書中に開示されている車両は、上記構成の半導体集積回路装置を備える構成である。
本明細書中に開示されているフリップフロップ回路、半導体集積回路装置、及び車両によれば、回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制しつつソフトエラー耐性を向上させることができる。
本明細書において、MOSトランジスタとは、ゲートの構造が、「導電体または抵抗値が小さいポリシリコン等の半導体からなる層」、「絶縁層」、及び「P型、N型、又は真性の半導体層」の少なくとも3層からなるトランジスタをいう。つまり、MOSトランジスタのゲートの構造は、金属、酸化物、及び半導体の3層構造に限定されない。
<一般的なフリップフロップ回路>
本発明の実施形態について説明する前に一般的なフリップフロップ回路について説明する。図1は、一般的なフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
本発明の実施形態について説明する前に一般的なフリップフロップ回路について説明する。図1は、一般的なフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図1に示す一般的なフリップフロップ回路100(以下「フリップフロップ回路100」という)はD型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路100は、、インバータINV0、INV1、INV2、及びINV5と、トランスミッションゲートTG1及びTG2と、マスターラッチML1と、スレーブラッチSL1と、を備える。
インバータINV0及びINV1は、2段に直列接続され、入力クロック信号CPからクロック信号CLKと、クロック信号CLKの反転信号である反転クロック信号バーCLKを生成する。インバータINV0は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp0及びNMOSトランジスタn0を備える。インバータINV1は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp1及びNMOSトランジスタn1を備える。なお、基準電位は電源電位VCより低い電位である。
インバータINV2は、データ信号Dからデータ信号Dの反転信号を生成する。インバータINV2は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp2及びNMOSトランジスタn2を備える。
データ信号Dの反転信号は、トランスミッションゲートTG1の入力端に供給される。トランスミッションゲートTG1の出力端は、マスターラッチML1の入力端に接続される。
トランスミッションゲートTG1は、クロック信号CLKがLOWレベルであるときにオン状態となり、クロック信号CLKがHIGHレベルであるときにオフ状態となるスイッチ回路である。トランスミッションゲートTG1は、PMOSトランジスタp3及びNMOSトランジスタn3を備える。PMOSトランジスタp3のソース及びドレインの一方はトランスミッションゲートTG1の入力端になり、他方はトランスミッションゲートTG1の出力端になる。NMOSトランジスタn3のソース及びドレインの一方はトランスミッションゲートTG1の入力端になり、他方はトランスミッションゲートTG1の出力端になる。
マスターラッチML1の詳細については後述する。
マスターラッチML1の出力端は、トランスミッションゲートTG2の入力端に接続される。トランスミッションゲートTG2の出力端は、スレーブラッチSL1の入力端に接続される。
トランスミッションゲートTG2は、クロック信号CLKがHIGHレベルであるときにオン状態となり、クロック信号CLKがLOWレベルであるときにオフ状態となるスイッチ回路である。トランスミッションゲートTG2は、PMOSトランジスタp7及びNMOSトランジスタn7を備える。PMOSトランジスタp7のソース及びドレインの一方はトランスミッションゲートTG2の入力端になり、他方はトランスミッションゲートTG2の出力端になる。NMOSトランジスタn7のソース及びドレインの一方はトランスミッションゲートTG2の入力端になり、他方はトランスミッションゲートTG2の出力端になる。
スレーブラッチSL1の詳細については後述する。
インバータINV5は、スレーブラッチSL1の出力信号を反転した信号Qを出力する。インバータINV5は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp11及びNMOSトランジスタn11を備える。
マスターラッチML1は、インバータINV3と、トライステートインバータTS1と、を備える。マスターラッチML1は、マスターラッチML1に入力される信号を保持する。
インバータINV3の入力端及びトライステートインバータTS1の出力端は、マスターラッチML1の入力端になる。インバータINV3の出力端及びトライステートインバータTS1の入力端は、マスターラッチML1の出力端になる。
インバータINV3は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp4及びNMOSトランジスタn4を備える。
トライステートインバータTS1は、クロック信号CLKがHIGHレベルであるときに、インバータINV3の出力信号を反転した信号を出力し、クロック信号CLKがLOWレベルであるときに、出力がハイインピーダンス状態になる。トライステートインバータTS1は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp5、PMOSトランジスタp6、NMOSトランジスタn5、及びNMOSトランジスタn6を備える。PMOSトランジスタp5及びNMOSトランジスタn6の各ゲートにインバータINV3の出力信号が供給され、PMOSトランジスタp6のゲートに反転クロック信号バーCLKが供給され、NMOSトランジスタn5のゲートにクロック信号CLKが供給される。
スレーブラッチSL1は、インバータINV4と、トライステートインバータTS2と、を備える。スレーブラッチSL1は、スレーブラッチSL1に入力される信号を保持する。
インバータINV4の入力端及びトライステートインバータTS2の出力端は、スレーブラッチSL1の入力端になる。インバータINV4の出力端及びトライステートインバータTS2の入力端は、スレーブラッチSL1の出力端になる。
インバータINV4は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp8及びNMOSトランジスタn8を備える。
トライステートインバータTS2は、クロック信号CLKがLOWレベルであるときに、インバータINV4の出力信号を反転した信号を出力し、クロック信号CLKがHIGHレベルであるときに、出力がハイインピーダンス状態になる。トライステートインバータTS2は、電源電位VC側から基準電位側に向かって順に直列接続されているPMOSトランジスタp9、PMOSトランジスタp10、NMOSトランジスタn9、及びNMOSトランジスタn10を備える。PMOSトランジスタp9及びNMOSトランジスタn10の各ゲートにインバータINV4の出力信号が供給され、PMOSトランジスタp10のゲートにクロック信号CLKが供給され、NMOSトランジスタn9のゲートに反転クロック信号バーCLKが供給される。
<第1実施形態に係るフリップフロップ回路>
図2は、第1実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図2は、第1実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図2に示す第1実施形態に係るフリップフロップ回路101(以下「フリップフロップ回路101」という)はD型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路101は、フリップフロップ回路100においてマスターラッチML1をマスターラッチML1Aに置換し、スレーブラッチSL1をスレーブラッチSL1Aに置換した構成である。
マスターラッチML1Aは、マスターラッチML1内のトライステートインバータTS1に配線L1が追加された構成である。配線L1は、PMOSトランジスタp6のソースとNMOSトランジスタn5のソースとを接続するように構成される。放射線に対して脆弱であるトライステートインバータTS1に配線L1を追加することで、PMOSトランジスタp6のソースとNMOSトランジスタn5とが並列接続となり、トライステートインバータTS1の出力に流れ出る電流量が増加する。つまり、配線L1の追加により、トライステートインバータTS1の駆動力が向上する。トライステートインバータTS1の駆動力が向上することによって、トライステートインバータTS1の放射線に対する脆弱性が改善され、マスターラッチML1Aに対する放射線の影響を抑制することができる。
スレーブラッチSL1Aは、スレーブラッチSL1内のトライステートインバータTS2に配線L2が追加された構成である。配線L2は、PMOSトランジスタp10のソースとNMOSトランジスタn9のソースとを接続するように構成される。放射線に対して脆弱であるトライステートインバータTS2に配線L2を追加することで、PMOSトランジスタp10のソースとNMOSトランジスタn9とが並列接続となり、トライステートインバータTS2の出力に流れ出る電流量が増加する。つまり、配線L2の追加により、トライステートインバータTS2の駆動力が向上する。トライステートインバータTS2の駆動力が向上することによって、トライステートインバータTS2の放射線に対する脆弱性が改善され、スレーブラッチSL1Aに対する放射線の影響を抑制することができる。
回路シミュレーションにより、フリップフロップ回路101のトライステートインバータTS1及びTS2の各出力箇所での臨界電荷量Qcritは、フリップフロップ回路100のトライステートインバータTS1及びTS2の各出力箇所での臨界電荷量Qcritより大きいことが確認されている。つまり、配線L1及びL2の追加によってトライステートインバータTS1及びTS2の放射線に対する脆弱性が改善されることが、回路シミュレーションから確認されている。
また、フリップフロップ回路101は、フリップフロップ回路100に配線L1及びL2のみを追加した構成であるので、冗長化フリップフロップ回路と比較して回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制することができる。
フリップフロップ回路101はフリップフロップ回路100に配線L1及びL2の両方を追加した構成であるが、配線L1及びL2の片方のみを追加した構成にしてもよい。配線L1及びL2の片方のみを追加した構成であっても、フリップフロップ回路100と比較してソフトエラー耐性を向上させることができると考えられる。
<第2実施形態に係るフリップフロップ回路>
図3Aは、第2実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図3Aは、第2実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図3Aに示す第2実施形態に係るフリップフロップ回路102(以下「フリップフロップ回路102」という)はD型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路102は、フリップフロップ回路100においてマスターラッチML1をマスターラッチML1Bに置換し、スレーブラッチSL1をスレーブラッチSL1Bに置換した構成である。
マスターラッチML1Bは、マスターラッチML1においてトライステートインバータTS1をトライステートインバータTS1’に置換した構成である。スレーブラッチSL1Bは、スレーブラッチSL1においてトライステートインバータTS2をトライステートインバータTS2’に置換した構成である。
トライステートインバータTS1’は、トライステートインバータTS1にNMOSトランジスタn12が追加された構成である。NMOSトランジスタn12は、NMOSトランジスタn5とNMOSトランジスタn6との間に設けられる。NMOSトランジスタn12のゲートにはインバータINV3の出力信号が供給される。
トライステートインバータTS2’は、トライステートインバータTS2にNMOSトランジスタn13が追加された構成である。NMOSトランジスタn13は、NMOSトランジスタn9とNMOSトランジスタn10との間に設けられる。NMOSトランジスタn13のゲートにはインバータINV4の出力信号が供給される。
アルファ線照射試験によって、セット付又はリセット付の構造の回路の方がセット及びリセットを有さない構造の回路よりもソフトエラー耐性が高いことが分かっている。セット付又はリセット付の構造の回路の一例として、図3Bに示すセット付の構造の回路を挙げることができる。図3Bに示す回路は、PMOSトランジスタQ1~Q3及びNMOSトランジスタQ4~Q6を備える。図3Bに示す回路は、セット信号SETの反転信号である反転セット信号バーSETがLOWレベルになると、PMOSトランジスタQ2がオンになりNMOSトランジスタQ5がオフになってセットされる。
そこで、フリップフロップ回路102は、セット付又はリセット付の構造の回路に存在するNMOSトランジスタの直列接続を採用して、ソフトエラー耐性の向上を図っている。
NMOSトランジスタn12をNMOSトランジスタn5とNMOSトランジスタn6との間に設けることで、寄生バイポーラ効果によってトライステートインバータTS1’の出力箇所と基準電位とが直接導通してしまうことを防止することができる。したがって、NMOSトランジスタn12をNMOSトランジスタn5とNMOSトランジスタn6との間に設けることで、寄生バイポーラ効果によるソフトエラーを抑制できると考えられる。また、NMOSトランジスタn13をNMOSトランジスタn9とNMOSトランジスタn10との間に設けることで、寄生バイポーラ効果によってトライステートインバータTS2’の出力箇所と基準電位とが直接導通してしまうことを防止することができる。したがって、NMOSトランジスタn13をNMOSトランジスタn9とNMOSトランジスタn10との間に設けることで、寄生バイポーラ効果によるソフトエラーを抑制できると考えられる。
また、フリップフロップ回路102は、フリップフロップ回路100にNMOSトランジスタn12及びn13のみを追加した構成であるので、冗長化フリップフロップ回路と比較して回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制することができる。
フリップフロップ回路102はフリップフロップ回路100にNMOSトランジスタn12及びn13の両方を追加した構成であるが、NMOSトランジスタn12及びn13の片方のみを追加した構成にしてもよい。NMOSトランジスタn12及びn13の片方のみを追加した構成であっても、フリップフロップ回路100と比較してソフトエラー耐性を向上させることができると考えられる。
<第3実施形態に係るフリップフロップ回路>
図4は、第3実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図4は、第3実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図4に示す第3実施形態に係るフリップフロップ回路103(以下「フリップフロップ回路103」という)はD型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路103は、フリップフロップ回路102においてマスターラッチML1BをマスターラッチML1Cに置換し、スレーブラッチSL1BをスレーブラッチSL1Cに置換した構成である。
マスターラッチML1Cは、マスターラッチML1BにPMOSトランジスタp12が追加された構成である。スレーブラッチSL1Cは、スレーブラッチSL1BにPMOSトランジスタp13が追加された構成である。
PMOSトランジスタp12は、PMOSトランジスタp4に並列接続される。PMOSトランジスタp12のゲートはトライステートインバータTS1’の出力端に接続される。PMOSトランジスタp13は、PMOSトランジスタp8に並列接続される。PMOSトランジスタp13のゲートはトライステートインバータTS2’の出力端に接続される。
PMOSトランジスタp12を追加することで、マスターラッチML1Cの出力箇所に流入する電流量は、マスターラッチML1Bの出力箇所に流入する電流量よりも増加する。また、PMOSトランジスタp13を追加することで、スレーブラッチSL1Cの出力箇所に流入する電流量は、スレーブラッチSL1Bの出力箇所に流入する電流量よりも増加する。これにより、フリップフロップ回路103のソフトエラー耐性は、フリップフロップ回路102のソフトエラー耐性よりも向上する。
<第4実施形態に係るフリップフロップ回路>
図5は、第4実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図5は、第4実施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図5に示す第4実施形態に係るフリップフロップ回路104(以下「フリップフロップ回路104」という)はD型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路104は、フリップフロップ回路100においてマスターラッチML1をマスターラッチML1Dに置換し、スレーブラッチSL1をスレーブラッチSL1Dに置換した構成である。
マスターラッチML1Dは、第1実施形態のマスターラッチML1Aと第2実施形態のマスターラッチML1Bとを組み合わせた構成である。
スレーブラッチSL1Dは、第1実施形態のスレーブラッチSL1Aと第2実施形態のスレーブラッチSL1Bとを組み合わせた構成である。
フリップフロップ回路104は、フリップフロップ回路101と比較してソフトエラー耐性の更なる向上を図っている。
<第5施形態に係るフリップフロップ回路>
図6は、第5施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図6は、第5施形態に係るフリップフロップ回路の構成例を示す図である。
図6示す第5施形態に係るフリップフロップ回路105(以下「フリップフロップ回路105」という)はD型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路105は、フリップフロップ回路100においてマスターラッチML1をマスターラッチML1Eに置換し、スレーブラッチSL1をスレーブラッチSL1Eに置換した構成である。
マスターラッチML1Eは、第1実施形態のマスターラッチML1Aと第3実施形態のマスターラッチML1Cとを組み合わせた構成である。
スレーブラッチSL1Eは、第1実施形態のスレーブラッチSL1Aと第3実施形態のスレーブラッチSL1Cとを組み合わせた構成である。
フリップフロップ回路105は、フリップフロップ回路101と比較してソフトエラー耐性の更なる向上を図っている。
<スイッチング電源装置及び車両>
上述したフリップフロップ回路は例えば図7に示すスイッチング電源装置に用いることができる。図7に示すスイッチング電源装置は、入力電圧Vinを降圧して所望の出力電圧Voutを生成するボトム検出オン時間固定方式の降圧型DC/DCコンバータである。
上述したフリップフロップ回路は例えば図7に示すスイッチング電源装置に用いることができる。図7に示すスイッチング電源装置は、入力電圧Vinを降圧して所望の出力電圧Voutを生成するボトム検出オン時間固定方式の降圧型DC/DCコンバータである。
図7に示すスイッチング電源装置200では、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefまで下がったことを検出すると、ドライバ22は、所定のオン時間Tonを設定するオン時間設定回路23からの出力に基づいて、所定のオン時間Tonだけスイッチ電圧Vswがハイレベルになるように上側トランジスタQ7をオン状態にする。なお、ドライバ22は、所定のオン時間Ton以外では上側トランジスタQ7をオフ状態にする。また、上側トランジスタQ7及び下側トランジスタQ8はドライバ22によって相補的にスイッチングされる。
また、図7に示すスイッチング電源装置200では、過電流保護機能や過熱保護機能等を実現するために、ドライバ22が電流センサや温度センサ等の出力に応じた動作を実行する。
ドライバ22はボトム検出オン時間固定方式スイッチング電源装置のステートを制御する電源制御回路であり、ドライバ22は上述したフリップフロップ回路を含む。帰還電圧Vfbと基準電圧Vrefとを比較する比較器21、ドライバ22、及びオン時間設定回路23は、半導体集積回路装置24内に設けられる。
なお、上述したフリップフロップ回路はボトム検出オン時間固定方式以外のスイッチング電源装置に用いることもできる。また、上述したフリップフロップ回路はスイッチング電源装置に限らず例えばモータ駆動装置等にも用いることができる。
次に、上述したスイッチング電源装置200の用途例について説明する。図8は、車載機器を搭載した車両の一構成例を示す外観図である。本構成例の車両300は、車載機器X11~X17と、これらの車載機器X11~X17に電力を供給するバッテリ(不図示)と、を搭載している。
車載機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
車載機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]やDRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
車載機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
車載機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power Steering]制御、電子サスペンション制御など)を行うボディコントロールユニットである。
車載機器X15は、ドアロックや防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
車載機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、電動サンルーフ、電動シート、及び、エアコンなど、標準装備品やメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
車載機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[Electronic Toll Collection System]など、ユーザの任意で車両Xに装着される電子機器である。
なお、上述したスイッチング電源装置200は、車載機器X11~X17のいずれにも組み込むことが可能である。
<その他>
本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
MOSトランジスタのゲート幅を大きくすることで、フリップフロップ回路のソフトエラー耐性を向上させることができる。しかしながら、全てのMOSトランジスタのゲート幅を大きくすると、回路面積の大きさに対するソフトエラー耐性の向上の効率が良くない。
半導体集積回路装置に放射線が通過又は衝突することにより生成される電子正孔対のうち、移動度の高い電子がNMOSトランジスタに多く収集される。したがって、NMOSトランジスタがオフのときにソフトエラーが発生し易い。そのため、NMOSトランジスタと対になるPMOSトランジスタがオンのときに流れる電流を増加させることでNMOSトランジスタに収集された電子を素早く除去できる構成にすることで、ソフトエラー耐性を向上させることができる。
そこで、マスターラッチ内のトライステートインバータに含まれるPMOSトランジスタのゲート幅を、マスターラッチ内のトライステートインバータに含まれるNMOSトランジスタのゲート幅より大きくすることで、効率良くソフトエラー耐性を向上させることができる。同様に、スレーブラッチ内のトライステートインバータに含まれるPMOSトランジスタのゲート幅を、スレーブラッチ内のトライステートインバータに含まれるNMOSトランジスタのゲート幅より大きくすることで、効率良くソフトエラー耐性を向上させることができる。
以上説明した第1局面に係るフリップフロップ回路(101、104、105)は、マスターラッチ(ML1A、ML1D、ML1E)と、スレーブラッチ(SL1A、SL1D、SL1E)と、を備え、前記マスターラッチは、第1インバータ(INV3)と、前記第1インバータの出力端に入力端が接続され、前記第1インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第1トライステートインバータ(TS1、TS1’)と、を備え、前記スレーブラッチは、第2インバータ(INV4)と、前記第2インバータの出力端に入力端が接続され、前記第2インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第2トライステートインバータ(TS2、TS2’)と、を備え、前記第1トライステートインバータは、クロック信号がゲート入力されるように構成される第1NMOSトランジスタ(n5)と、前記クロック信号の反転信号である反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第1PMOSトランジスタ(p6)と、を備え、前記第2トライステートインバータは、前記クロック信号がゲート入力されるように構成される第2PMOSトランジスタ(p10)と、前記反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第2NMOSトランジスタ(n9)と、を備え、前記第1PMOSトランジスタのソースと前記第1NMOSトランジスタのソースとを接続するように構成される第1配線(L1)と、前記第2PMOSトランジスタのソースと前記第2NMOSトランジスタのソースとを接続するように構成される第2配線(L2)との少なくとも一方を備える構成(第1の構成)である。
上記第1の構成であるフリップフロップ回路は、回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制しつつソフトエラー耐性を向上させることができる。
上記第1の構成であるフリップフロップ回路において、前記第1トライステートインバータは、前記第1インバータの出力がゲート入力されるように構成され、互いに直接接続される2つのNMOSトランジスタ(n6、n12)を備える構成(第2の構成)であってもよい。
上記第2の構成であるフリップフロップ回路は、上記第1の構成であるフリップフロップ回路と比較して、ソフトエラー耐性を更に向上させることができる。
上記第2の構成であるフリップフロップ回路において、前記第1インバータに含まれるPMOSトランジスタ(p4)に並列接続され、前記第1トライステートインバータの出力端がゲートに接続されるように構成されるPMOSトランジスタ(p12)を備える構成(第3の構成)であってもよい。
上記第3の構成であるフリップフロップ回路は、上記第2の構成であるフリップフロップ回路と比較して、ソフトエラー耐性を更に向上させることができる。
上記第1~第3いずれかの構成であるフリップフロップ回路において、前記第2トライステートインバータは、前記第2インバータの出力がゲート入力されるように構成され、互いに直接接続される2つのNMOSトランジスタ(n10、n13)を備える構成(第4の構成)であってもよい。
上記第4の構成であるフリップフロップ回路は、上記第1の構成であるフリップフロップ回路と比較して、ソフトエラー耐性を更に向上させることができる。
上記第4の構成であるフリップフロップ回路において、前記第2インバータに含まれるPMOSトランジスタ(p8)に並列接続され、前記第2トライステートインバータの出力端がゲートに接続されるように構成されるPMOSトランジスタ(p13)を備える構成(第5の構成)であってもよい。
上記第5の構成であるフリップフロップ回路では、上記第4の構成であるフリップフロップ回路と比較して、ソフトエラー耐性を更に向上させることができる。
以上説明した第2局面に係るフリップフロップ回路(102、103)において、マスターラッチ(ML1B、ML1C)と、スレーブラッチ(SL1B、SL1C)と、を備え、前記マスターラッチは、第1インバータ(INV3)と、前記第1インバータの出力端に入力端が接続され、前記第1インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第1トライステートインバータ(TS1’)と、を備え、前記スレーブラッチは、第2インバータ(INV4)と、前記第2インバータの出力端に入力端が接続され、前記第2インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第2トライステートインバータ(TS2’)と、を備え、前記第1トライステートインバータは、クロック信号がゲート入力されるように構成される第1NMOSトランジスタ(n5)と、前記クロック信号の反転信号である反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第1PMOSトランジスタ(p6)と、を備え、前記第2トライステートインバータは、前記クロック信号がゲート入力されるように構成される第2PMOSトランジスタ(p10)と、前記反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第2NMOSトランジスタ(n9)と、を備え、前記第1トライステートインバータは、前記第1インバータの出力がゲート入力されるように構成され、互いに直接接続される2つのNMOSトランジスタ(n6,n12)を備える構成(第6の構成)である。
上記第6の構成であるフリップフロップ回路は、回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制しつつソフトエラー耐性を向上させることができる。
以上説明した半導体集積回路装置(24)は、上記第1~第6いずれかの構成のフリップフロップ回路を備える構成(第7の構成)である。
上記第7の構成である半導体集積回路装置では、フリップフロップ回路の回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制しつつフリップフロップ回路のソフトエラー耐性を向上させることができる。
以上説明した車両(300)は、上記第7の構成の半導体集積回路装置を備える構成(第8の構成)である。
上記第8の構成である車両では、フリップフロップ回路の回路面積、遅延時間、及び消費電力それぞれのオーバーヘッドを抑制しつつフリップフロップ回路のソフトエラー耐性を向上させることができる。
21 比較器
22 ドライバ
23 オン時間設定回路
24 半導体集積回路装置
100 一般的なフリップフロップ回路
101~105 第1~第5実施形態に係るフリップフロップ回路
200 スイッチング電源装置
300 車両
INV0~INV5 インバータ
L1、L2 配線
ML1、ML1A~ML1E マスターラッチ
n0~n13、Q4~Q6 NMOSトランジスタ
p0~p13、Q1~Q3 PMOSトランジスタ
Q7 上側トランジスタ
Q8 下側トランジスタ
SL1、SL1A~SL1E スレーブラッチ
TG1、TG2 トランスミッションゲート
TS1、TS1’、TS2、TS2’ トライステートインバータ
X11~X17 車載機器
22 ドライバ
23 オン時間設定回路
24 半導体集積回路装置
100 一般的なフリップフロップ回路
101~105 第1~第5実施形態に係るフリップフロップ回路
200 スイッチング電源装置
300 車両
INV0~INV5 インバータ
L1、L2 配線
ML1、ML1A~ML1E マスターラッチ
n0~n13、Q4~Q6 NMOSトランジスタ
p0~p13、Q1~Q3 PMOSトランジスタ
Q7 上側トランジスタ
Q8 下側トランジスタ
SL1、SL1A~SL1E スレーブラッチ
TG1、TG2 トランスミッションゲート
TS1、TS1’、TS2、TS2’ トライステートインバータ
X11~X17 車載機器
Claims (8)
- マスターラッチと、スレーブラッチと、を備え、
前記マスターラッチは、第1インバータと、前記第1インバータの出力端に入力端が接続され、前記第1インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第1トライステートインバータと、を備え、
前記スレーブラッチは、第2インバータと、前記第2インバータの出力端に入力端が接続され、前記第2インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第2トライステートインバータと、を備え、
前記第1トライステートインバータは、クロック信号がゲート入力されるように構成される第1NMOSトランジスタと、前記クロック信号の反転信号である反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第1PMOSトランジスタと、を備え、
前記第2トライステートインバータは、前記クロック信号がゲート入力されるように構成される第2PMOSトランジスタと、前記反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第2NMOSトランジスタと、を備え、
前記第1PMOSトランジスタのソースと前記第1NMOSトランジスタのソースとを接続するように構成される第1配線と、前記第2PMOSトランジスタのソースと前記第2NMOSトランジスタのソースとを接続するように構成される第2配線との少なくとも一方を備える、フリップフロップ回路。 - 前記第1トライステートインバータは、前記第1インバータの出力がゲート入力されるように構成され、互いに直接接続される2つのNMOSトランジスタを備える、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
- 前記第1インバータに含まれるPMOSトランジスタに並列接続され、前記第1トライステートインバータの出力端がゲートに接続されるように構成されるPMOSトランジスタを備える、請求項2に記載のフリップフロップ回路。
- 前記第2トライステートインバータは、前記第2インバータの出力がゲート入力されるように構成され、互いに直接接続される2つのNMOSトランジスタを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のフリップフロップ回路。
- 前記第2インバータに含まれるPMOSトランジスタに並列接続され、前記第2トライステートインバータの出力端がゲートに接続されるように構成されるPMOSトランジスタを備える、請求項4に記載のフリップフロップ回路。
- マスターラッチと、スレーブラッチと、を備え、
前記マスターラッチは、第1インバータと、前記第1インバータの出力端に入力端が接続され、前記第1インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第1トライステートインバータと、を備え、
前記スレーブラッチは、第2インバータと、前記第2インバータの出力端に入力端が接続され、前記第2インバータの入力端に出力端が接続されるように構成される第2トライステートインバータと、を備え、
前記第1トライステートインバータは、クロック信号がゲート入力されるように構成される第1NMOSトランジスタと、前記クロック信号の反転信号である反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第1PMOSトランジスタと、を備え、
前記第2トライステートインバータは、前記クロック信号がゲート入力されるように構成される第2PMOSトランジスタと、前記反転クロック信号がゲート入力されるように構成される第2NMOSトランジスタと、を備え、
前記第1トライステートインバータは、前記第1インバータの出力がゲート入力されるように構成され、互いに直接接続される2つのNMOSトランジスタを備える、フリップフロップ回路。 - 請求項1~6のいずれか一項に記載のフリップフロップ回路を備える、半導体集積回路装置。
- 請求項7に記載の半導体集積回路装置を備える、車両。
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2022
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