JP2023028481A - インクジェット印刷装置およびそのクリーニング方法 - Google Patents

インクジェット印刷装置およびそのクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット印刷装置において、従来よりも印刷の効率や品質等の点で有利となるようにクリーニング対象ヘッドを適切に決定する。【解決手段】インクジェット印刷装置においてクリーニングを開始すべきときに、クリーニング対象ヘッド決定部172により、検査パターンの印刷画像から得られる吐出状態の検出結果(欠け情報LI)に基づき、クリーニング対象とすべき印刷ヘッドが指定ヘッドとして決定される。その後、追加ヘッド選定部162により、指定ヘッド以外の印刷ヘッドである残余ヘッドの中から、クリーニング対象に追加することで印刷の効率や品質の点でメリットが生じる印刷ヘッドが追加ヘッドとして選定される。クリーニング実行制御部163は、指定ヘッドおよび選定された追加ヘッドに対してクリーニングが実行されるようにクリーニング機構25を制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット印刷装置およびそのクリーニング方法に関するものであり、特に、インクジェット印刷装置におけるクリーニング対象の印刷ヘッドの決定に関する。
従来より、印刷用紙等の基材(印刷媒体)にインクを吐出することにより印刷を行うインクジェット印刷装置が知られている。インクジェット印刷装置では、吐出間隔が長くなると、印刷が行われている期間中に、ノズル近傍における溶媒の蒸発によるインクの乾燥、ノズル内部への気泡の混入、ノズルへの塵埃の付着等が生じることがある。このような現象が発生すると、正常な吐出等が行えず、印刷不良を生じる可能性がある。そこで、このような問題を回避するためのメンテナンスが随時行われている。
このメンテナンスは、インクを吐出するための印刷ヘッド(「インクジェットヘッド」とも呼ばれる)に対するクリーニングと、印刷内容と関係のないインクを印刷ヘッドから強制的に吐出させるフラッシングとに大別される。フラッシングは印刷用紙の搬送中に実行することができるが、クリーニングは印刷用紙の搬送停止中に実行する必要がある。このため、クリーニングに要する時間の割合(クリーニング頻度)が高くなると、印刷のスループットが低下する。一方、印刷のスループットを高く維持するために、クリーニング頻度を低くすると、印刷画像にかすれや白抜け領域(インクが付着しない領域)が生じて印刷品質が低下する。
本願で開示されるインクジェット印刷装置に関連して、特許文献1には、インクジェットプリンタにおいて、各ヘッドからのインクの吐出により印刷用紙に印刷されたチェックパターンに基づき、クリーニングを実行すべきヘッド決定するインクジェットプリンタが記載されている(同文献の図6等参照)。このインクジェットプリンタでは、印刷用紙に印刷されたチェックパターンを使用者が目視で確認してクリーニングが必要なヘッド(指定ヘッド)を決定し、決定された指定ヘッドに対してクリーニングが実行される。また、印刷用紙における当該チェックパターンを撮像して得られるパターン画像データに基づき、各ヘッドにつき(吐出不良に関する)評価値が求められ、その評価値と閾値との比較によりクリーニングが必要なヘッドが検出され、検出されたヘッドの集合と使用者により決定された指定ヘッドの集合との相違から、次の処理で利用される新たな閾値が取得される(閾値の更新)(段落[0039]参照)。
特開2013-176880号公報
従来、インクジェット印刷装置における印刷ヘッドのうちクリーニングを実行すべき印刷ヘッド(以下「クリーニング対象ヘッド」という)の決定は、各印刷ヘッドにおける吐出不良(所謂ノズル欠け等)の程度や、動作時間、印刷条件の変更等の情報に基づき行われていた。例えば、上記のように、印刷用紙に印刷されたチェックパターンを操作者が目視してクリーニング対象ヘッドを決定したり、インクジェット印刷装置内の制御部が当該チェックパターンを撮像して得られるパターン画像データに基づき吐出不良(ノズル欠け等)を検出し、その検出結果に基づきクリーニング対象ヘッドを決定していた。
しかし、このような従来のクリーニング対象ヘッドの決定方法では、印刷の品質を所望レベルよりも低下させることなく、印刷のスループットを十分に高く維持することができない場合がある。一方、このような従来の方法で決定されるクリーニング対象ヘッドとともに他の印刷ヘッドを同時にクリーニングをすると印刷の効率(スループット)や品質の点で従来よりも有利になる場合もある。しかし、印刷動作中の条件や状況に応じてどの印刷ヘッドを同時にクリーニングすれば有利であるかを使用者が的確に判断してクリーニング対象ヘッドを適切に決定するのは困難である。
そこで、インクジェット印刷装置において、従来よりも印刷の効率や品質等の点で有利となるようにクリーニング対象ヘッドを適切に決定することが求められている。
本発明の第1の局面は、インクジェット印刷装置であって、
印刷媒体を搬送する搬送機構と、
前記印刷媒体に対してインクを吐出する複数の印刷ヘッドを含む印刷部と、
前記複数の印刷ヘッドを選択的にクリーニング可能に構成されたクリーニング機構と、
前記搬送機構に前記印刷媒体を搬送させるとともに前記印刷部にインクを前記印刷媒体に吐出させることにより、前記印刷媒体に対して印刷を行う印刷実行制御部と、
前記クリーニング機構に前記複数の印刷ヘッドに対し選択的にクリーニングを実行させるクリーニング実行制御部と、
前記複数の印刷ヘッドの吐出状態を示す情報に基づき、クリーニングを実行すべき場合に、クリーニング対象とすべき印刷ヘッドを指定ヘッドとして示すクリーニング開始指示を出力するクリーニング起動部と、
前記クリーニング開始指示が出力されると、クリーニングに関連する構成または機能を示す印刷機固有情報、印刷ジョブに関する情報、前記複数の印刷ヘッドにおける前記指定ヘッド以外の印刷ヘッドである残余ヘッドの乾燥状態を示す情報、当該残余ヘッドの吐出動作履歴、および、当該残余ヘッドのメンテナンス履歴のうち少なくとも1つに基づき、当該残余ヘッドのうち前記指定ヘッドとともにクリーニング対象とすべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定する追加ヘッド選定部と
を備え、
前記印刷実行制御部は、前記クリーニング開始指示が出力されると、前記クリーニング開始指示により開始されるクリーニングが終了するまで前記印刷媒体に対する前記印刷を停止し、
前記クリーニング実行制御部は、前記クリーニング開始指示に応じて前記追加ヘッド選定部により前記追加ヘッドが選定されると、前記クリーニング機構に前記指定ヘッドおよび前記追加ヘッドに対してクリーニングを実行させる。
本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面において、
前記追加ヘッド選定部は、前記残余ヘッドのうち前記指定ヘッドとともにクリーニング対象とした場合に印刷の効率および品質の少なくとも一方が向上する印刷ヘッドを前記追加ヘッドとして選定する。
本発明の第3の局面は、本発明の第1の局面において、
前記追加ヘッド選定部は、前記印刷機固有情報に基づき、前記残余ヘッドのうちクリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間に比べて短くなる印刷ヘッドを前記追加ヘッドとして選定する。
本発明の第4の局面は、本発明の第1の局面において、
前記追加ヘッド選定部は、前記印刷機固有情報に基づき、前記残余ヘッドのうち、クリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間から増大せずかつ印刷の効率または品質が向上する印刷ヘッドを、前記追加ヘッドとして選定する。
本発明の第5の局面は、本発明の第1の局面において、
前記追加ヘッド選定部は、前記残余ヘッドのうち前記指定ヘッドのみのクリーニングが実行された場合に乾燥よって状態が悪化する印刷ヘッドを前記追加ヘッドとして選定する。
本発明の第6の局面は、本発明の第1の局面において、
前記追加ヘッド選定部は、前記印刷ジョブに関する情報に基づき、前記指定ヘッドに対してクリーニングを実行した後に印刷されるべき印刷ジョブの印刷条件に応じて前記追加ヘッドを選定する。
本発明の第7の局面は、本発明の第1の局面において、
前記制御部は、履歴情報記憶部を含み、前記複数の印刷ヘッドのそれぞれにつき、メンテナンス、吐出動作、および、吐出不良検査のうち少なくとも1つの履歴を示す情報を前記履歴情報記憶部に蓄積し、
前記追加ヘッド選定部は、前記履歴情報記憶部に蓄積された前記情報に基づき前記残余ヘッドの中から前記追加ヘッドを選定する。
本発明の第8の局面は、本発明の第1の局面において、
前記追加ヘッド選定部は、印刷部が互いに色の異なる印刷ヘッドを含み前記クリーニング機構が同一色の印刷ヘッドを単位としてクリーニング可能に構成されている場合、前記印刷機固有情報に基づき、指定ヘッドのうちクリーニングの所要時間が最も長い色の印刷ヘッドのクリーニング所要時間よりも長くならない範囲で前記残余ヘッドの中から前記追加ヘッドを選定する。
本発明の第9の局面は、印刷媒体を搬送しつつ複数の印刷ヘッドから当該印刷媒体にインクを吐出することにより前記印刷媒体への印刷を行うインクジェット印刷装置のクリーニング方法であって、
前記複数の印刷ヘッドの吐出状態を示す情報に基づき、クリーニングを実行すべき場合に、クリーニング対象とすべき印刷ヘッドを指定ヘッドとして示すクリーニング開始指示を出力するクリーニング起動ステップと、
前記クリーニング開始指示が出力されると、クリーニングに関連する構成または機能を示す印刷機固有情報、印刷ジョブに関する情報、前記複数の印刷ヘッドにおける前記指定ヘッド以外の印刷ヘッドである残余ヘッドの乾燥状態を示す情報、当該残余ヘッドの吐出動作履歴、および、当該残余ヘッドのメンテナンス履歴のうち少なくとも1つに基づき、当該残余ヘッドのうち前記指定ヘッドとともにクリーニング対象とすべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定する追加ヘッド選定ステップと、
前記クリーニング開始指示に応じて前記追加ヘッドが選定されると、前記指定ヘッドおよび前記追加ヘッドに対するクリーニングを実行するクリーニング実行ステップとを備える。
本発明の他の局面は、本発明の上記局面ならびに後述の実施形態およびその変形例に関する説明から明らかであるので、その説明を省略する。
本発明の第1の局面によれば、印刷部における複数の印刷ヘッドの吐出状態を示す情報に基づき、クリーニングを実行すべき場合に、クリーニング対象とすべき印刷ヘッドを指定ヘッドとして示すクリーニング開始指示が出力される。このクリーニング開始指示が出力されると、クリーニングに関連する構成または機能を示す印刷機固有情報、印刷ジョブに関する情報、上記複数の印刷ヘッドにおける指定ヘッド以外の印刷ヘッドである残余ヘッドの乾燥状態を示す情報、当該残余ヘッドの吐出動作履歴、および、当該残余ヘッドのメンテナンス履歴のうち少なくとも1つに基づき、当該残余ヘッドのうち指定ヘッドとともにクリーニング対象とすべき印刷ヘッドが追加ヘッドとして選定される。その後、印刷媒体に対する印刷が停止した状態で、指定ヘッドおよび追加ヘッドに対してクリーニングが実行される。このようにしてインクジェット印刷装置においてクリーニングに関連する情報に基づき選定された追加ヘッドに対しても指定ヘッドとともにクリーニングを行うことで、指定ヘッドのみに対しクリーニングを行う場合に比べ印刷装置としてのメリット(印刷の効率や品質等の向上)を得ることができる。また、追加ヘッドは、印刷機固有情報や、印刷ジョブに関する情報、吐出動作履歴、メンテナンス履歴等からなるクリーニング関連の情報に基づき自動的に選定される。このため、クリーニング対象に含めるべき追加ヘッドを、人間の熟練度等の依存することなく、適切に選定することができる。
例えば本発明の第3の局面によれば、残余ヘッドのうちクリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間に比べて短くなる印刷ヘッドが記追加ヘッドとして選定されるので、クリーニングの所要時間の短縮により印刷の効率(スループット)が向上する。
また、例えば本発明の第5の局面によれば、残余ヘッドのうち指定ヘッドのみのクリーニングが実行された場合に乾燥よって状態が悪化する印刷ヘッドが追加ヘッドとして選定されるので、当該印刷ヘッドの状態が良好に維持されてクリーニングの頻度が低減され、印刷の効率や品質を高く維持することができる。
また本発明の第6の局面によれば、指定ヘッドに対してクリーニングを実行した後に印刷されるべき印刷ジョブの印刷条件に応じて追加ヘッドが選定されることで、次のジョブではその印刷条件(用紙幅、用紙種類、印刷品質の要求度等)に適合した印刷が行われ、これにより印刷の効率や品質を高く維持することができる。
また本発明の第7の局面によれば、上記複数の印刷ヘッドのそれぞれについてのメンテナンス、吐出動作、および、吐出不良検査のうち少なくとも1つの履歴を示す情報に基づき追加ヘッドが選定されるので、各印刷ヘッドの状態が良好に維持されてクリーニングの頻度が低減され、印刷の効率や品質を高く維持することができる。
また本発明の第8の局面によれば、印刷部が互いに色の異なる印刷ヘッドを含みクリーニング機構が同一色の印刷ヘッドを単位としてクリーニング可能に構成されている場合、指定ヘッドのうちクリーニングの所要時間が最も長い色の印刷ヘッドのクリーニング所要時間よりも長くならない範囲で残余ヘッドの中から追加ヘッドが選定される。これにより、カラー印刷が可能なインクジェット印刷装置において、各印刷ヘッドの状態が良好に維持されてクリーニングの頻度が低減され、印刷のスループットを高く維持することができる。
また本発明の第9の局面によれば、本発明の第1の局面と同様の効果が得られる。
本発明の他の局面の効果については、本発明の上記局面の効果ならびに下記実施形態およびその変形例の効果についての説明から明らかであるので、説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成図である。 上記実施形態におけるインクジェット印刷装置の一構成例を示す模式図である。 上記実施形態における印刷部の一構成例を示す平面図である。 上記実施形態における印刷制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 上記実施形態における制御部の概略機能構成を示すブロック図である。 上記実施形態における主制御部のうちクリーニングに関連する部分の概略構成を示すブロック図である。 上記実施形態における主制御部のうちクリーニングに関連する部分の詳細構成を示すブロック図である。 上記実施形態におけるメンテナンスの運用手順の一例を説明するためのフローチャートである。 上記実施形態におけるクリーニング処理の一例を示すフローチャートである。 上記実施形態においてクリーニング対象のヘッドを追加することによりクリーニング所要時間が短くなる場合を説明するための模式図である。 図9に示すクリーニング処理における追加ヘッドの選定のうち条件1に基づく追加ヘッドの選定の変形例を説明するためのフローチャートである。 上記実施形態における印刷部および用紙を概念的に示す上面図である。 上記実施形態における印刷部およびクリーニング機構を概念的に示す側面図である。 上記実施形態において用紙幅が変更される場合のクリーニング対象を説明するための模式図である。 図9に示すクリーニング処理における追加ヘッドの選定のうち条件5に基づく追加ヘッドの選定の変形例を説明するためのフローチャートである。 上記実施形態におけるクリーニング処理の別例においてクリーニングを自動的に起動する場合の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態におけるクリーニング処理の別例においてクリーニングを手動で起動する場合の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態におけるクリーニング処理の別例におけるクリーニング実行処理の手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<1.印刷システムの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成図である。この印刷システムは、インクジェット印刷装置10と印刷データ生成装置40とによって構成されている。インクジェット印刷装置10と印刷データ生成装置40とは通信回線5によって互いに接続されている。印刷データ生成装置40は、PDFファイル等の入稿データに対してRIP処理等を施して印刷データを生成する。印刷データ生成装置40で生成された印刷データは、通信回線5を介してインクジェット印刷装置10に送信される。インクジェット印刷装置10は、印刷データ生成装置40から送信された印刷データに基づいて、印刷媒体としての印刷用紙に印刷画像を出力する。インクジェット印刷装置10は、印刷機本体200と、印刷機本体200の動作を制御する印刷制御装置100と、印刷状態を検査する画像検査装置300とによって構成されている。すなわち、このインクジェット印刷装置10は、検査機能付きの印刷装置である。画像検査装置300の一部の構成要素は、印刷機本体200に内蔵されている。
なお、図1に示す構成では画像検査装置300はインクジェット印刷装置10の一構成要素である(すなわち、画像検査装置300はインクジェット印刷装置10に含まれている)が、これには限定されない。画像検査装置300がインクジェット印刷装置10とは独立した1つの装置であってもよい。
<2.インクジェット印刷装置の構成>
図2は、インクジェット印刷装置10の一構成例を示す模式図である。上述したように、このインクジェット印刷装置10は、印刷制御装置100と印刷機本体200と画像検査装置300とによって構成されている。
印刷機本体200は、印刷媒体としての印刷用紙(例えばロール紙)PAを供給する用紙送出部21と、印刷用紙PAへの印刷を行う印刷機構20と、印刷後の印刷用紙PAを巻き取る用紙巻取部28とを備えている。印刷機構20は、印刷用紙PAを内部へと搬送するための第1の駆動ローラ22と、印刷機構20の内部で印刷用紙PAを搬送するための複数個の支持ローラ23と、印刷用紙PAにインクを吐出して印刷を行う印刷部24と、印刷部24のクリーニング(例えば、後述するノズルからのインクの吸引によるパージやノズル面のワイピング)を行うクリーニング機構25と、印刷後の印刷用紙PAを乾燥させる乾燥部26と、印刷画像(印刷後の印刷用紙PA)を撮像する撮像部310と、印刷用紙PAを印刷機構20の内部から出力するための第2の駆動ローラ27とを備えている。撮像部310は、画像検査装置300の構成要素であって、CCDまたはCMOS等のイメージセンサを用いて構成されている。
印刷制御装置100は、以上のような構成の印刷機本体200の動作を制御する。印刷制御装置100に印刷出力の指示コマンドが与えられると、印刷制御装置100は、印刷用紙PAが用紙送出部21から用紙巻取部28へと搬送されるよう、印刷機本体200の動作を制御する。このようにして印刷用紙PAが搬送されている状態において、まず印刷部24によって印刷用紙PAへの印刷が行われ、次に乾燥部26によって印刷用紙PAの乾燥が行われ、最後に撮像部310によって印刷画像の撮像が行われる。また、必要に応じて、クリーニング機構25による印刷部24のクリーニングが行われる。
画像検査装置300は、撮像部310と画像検査コンピュータ320とによって構成されている。撮像部310による印刷画像の撮像によって得られた撮像画像データDiは、画像検査コンピュータ320に送られる。画像検査コンピュータ320では、撮像画像データDiを画像解析して欠け(欠点)を検出する検査が行われる。なお、このような手法に限らず、撮像画像データDiと印刷データ生成装置40から送信された印刷データDpとを比較照合することによって、欠け(欠点)を検出する検査等が行われるようにしてもよい。また、予め用意された検査画像データDcを用いて検査パターンを印刷し、その印刷画像の撮像によって得られた撮像画像データDiと検査画像データDcとを比較照合することによって、欠け(欠点)を検出する検査等が行われるようにしてもよい。画像検査コンピュータ320で得られた検査結果Drは印刷制御装置100に送られる。
図3は、印刷部24の一構成例を示す平面図である。図3に示すように、印刷部24は、印刷用紙PAの搬送方向に列置されたC色(シアン色)、M色(マゼンタ色)、Y色(黄色)、およびK色(黒色)の印刷ヘッド列240C、240M、240Y、および240Kから構成されている。各印刷ヘッド列は、千鳥状に配置された複数個の印刷ヘッド241により構成されている。各印刷ヘッド241には、インクを吐出する多数のノズルが含まれている。C色の印刷ヘッド列240Cに含まれる印刷ヘッド241の各ノズルはC色のインクを吐出し、M色の印刷ヘッド列240Mに含まれる印刷ヘッド241の各ノズルはM色のインクを吐出し、Y色の印刷ヘッド列240Yに含まれる印刷ヘッド241の各ノズルはY色のインクを吐出し、K色の印刷ヘッド列240Kに含まれる印刷ヘッド241の各ノズルはK色のインクを吐出する。
なお、ここではカラー印刷を行うインクジェット印刷装置10の構成を例示したが、モノクロ印刷を行うインクジェット印刷装置が採用されている場合にも本発明を適用することができる。また、ここでは水性インクを用いるインクジェット印刷装置10の構成を例示したが、例えばラベル印刷向けインクジェット印刷装置のようにUVインク(紫外線硬化インク)を用いるインクジェット印刷装置が採用されている場合にも本発明を適用することができる。以上のように、クリーニングが必要となる印刷部を備えていれば、印刷装置の種類については特に限定されない。
<3.印刷制御装置のハードウェア構成>
図4は、印刷制御装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、印刷制御装置100は、ハードウェア的には、本体110、補助記憶装置121、光ディスクドライブ122、表示部123、キーボード124、およびマウス125等を備えるコンピュータである。本体110は、CPU111、メモリ112、第1ディスクインタフェース部113、第2ディスクインタフェース部114、表示制御部115、入力インタフェース部116、出力インタフェース部117、およびネットワークインタフェース部118を含んでいる。CPU111、メモリ112、第1ディスクインタフェース部113、第2ディスクインタフェース部114、表示制御部115、入力インタフェース部116、出力インタフェース部117、およびネットワークインタフェース部118は、システムバスを介して互いに接続されている。第1ディスクインタフェース部113には補助記憶装置121が接続されている。第2ディスクインタフェース部114には光ディスクドライブ122が接続されている。表示制御部115には、表示部(表示装置)123が接続されている。入力インタフェース部116には、キーボード124およびマウス125が接続されている。出力インタフェース部117には、通信ケーブルを介して印刷機本体200が接続されている。ネットワークインタフェース部118には通信回線5が接続されている。補助記憶装置121は磁気ディスク装置等である。光ディスクドライブ122には、CD-ROMやDVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての光ディスク6が挿入される。表示部123は液晶ディスプレイ等である。表示部123は、利用者が所望する情報を表示するために使用される。キーボード124およびマウス125は、この印刷制御装置100に対して利用者が指示を入力するための操作部として使用される。
補助記憶装置121には、印刷制御プログラム(印刷機本体200による印刷処理の実行を制御するためのプログラム)Pが格納されている。CPU111は、補助記憶装置121に格納された印刷制御プログラムPをメモリ112に読み出して実行することにより、印刷制御装置100の各種機能を実現する。メモリ112は、RAMおよびROMを含んでいる。メモリ112は、補助記憶装置121に格納された印刷制御プログラムPをCPU111が実行するためのワークエリアとして機能する。なお、印刷制御プログラムPは、上記コンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一過性の記録媒体)に格納されて提供される。すなわち、ユーザーは、例えば、印刷制御プログラムPの記録媒体としての光ディスク6を購入して光ディスクドライブ122に挿入し、光ディスク6から印刷制御プログラムPを読み出して補助記憶装置121にインストールする。また、これに代えて、通信回線5を介して送信される印刷制御プログラムPをネットワークインタフェース部118で受信して、それを補助記憶装置121にインストールするようにしてもよい。
<4.制御部>
<4.1 概略構成>
図5は、印刷制御装置100で印刷制御プログラムPが実行されることによって実現される制御部150の概略機能構成を示すブロック図である。制御部150は、主制御部151と乾燥制御部154と検査制御部155とから構成され、主制御部151は、メンテナンス内容決定部152および印刷制御部153を含んでいる。
メンテナンス内容決定部152は、画像検査装置300による検査の結果(画像検査コンピュータ320で得られた検査結果Dr)に基づいて印刷部24における各印刷ヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう)241に対するメンテナンスの内容を決定する。このメンテナンス内容決定部152では、後述のように、メンテナンスが必要な場合にクリーニングの要否が判定され、クリーニングを行う場合にはクリーニング対象とすべき印刷ヘッド241が決定される。このために、メンテナンス内容決定部152には、クリーニング起動部161および追加ヘッド選定部162が含まれている。
印刷制御部153は、印刷部24および搬送機構210を制御する。印刷部24は、既述のように、複数の印刷ヘッド(インクジェットヘッド)241から構成され、各印刷ヘッド241は、多数のノズルを含んでいる(図3参照)。搬送機構210は、本実施形態においては、用紙送出部21と第1の駆動ローラ22と複数個の支持ローラ23と第2の駆動ローラ27と用紙巻取部28とによって搬送機構210が実現される(図2参照)。印刷部24のメンテナンスが行われる際には、メンテナンス内容決定部152によって決定されたメンテナンスの内容に応じて印刷制御部153が印刷部24およびクリーニング機構25の動作を制御する。
乾燥制御部154は、乾燥部26が印刷用紙PAを乾燥させる際の温度(乾燥温度)を制御する。検査制御部155は、撮像部310による印刷画像の撮像タイミングを制御する。
<4.2 主制御におけるクリーニング関連部分の構成>
図6は、本実施形態における主制御部151のうちクリーニングに関連する部分の概略構成を示すブロック図である。主制御部151は、クリーニング関連する部分の構成要素として、クリーニング起動部161と、追加ヘッド選定部162と、クリーニング実行制御部163と、印刷実行制御部165とを備えており、クリーニング実行制御部163と印刷実行制御部165とは既述の印刷制御部153を構成する。
クリーニング起動部161は、後述の所定タイミングでクリーニングの要否を判定し、クリーニングが必要な場合には、クリーニングすべき印刷ヘッド(以下「指定ヘッド」)すなわちクリーニング対象を決定してクリーニング開始指示Icsを出力する。追加ヘッド選定部162は、クリーニング開始指示Icsが出力されると、クリーニング対象として追加すべき印刷ヘッド(以下「追加ヘッド」という)を選定する。クリーニング実行制御部163は、追加ヘッドが選定されると、印刷部24における印刷ヘッド241のうち指定ヘッドおよび追加ヘッドに対してクリーニング機構25がクリーニングを行うようにクリーニング機構25を制御する。一方、印刷実行制御部165は、印刷データ生成装置40からの印刷データDpに基づいて印刷を行うときには、その印刷データDpが示す印刷画像が印刷用紙PAに形成されるように印刷部24および搬送機構210を制御し、クリーニング開始指示Icsが出力されると、搬送機構に印刷用紙PAの搬送を停止させる(クリーニング開始指示Icsの出力時点で印刷用紙PAの搬送が停止している場合にはその停止状態が維持される)。
図7は、本実施形態における主制御部151のうちクリーニングに関連する部分の詳細構成を示すブロック図である。主制御部151は、上述のクリーニング起動部161、追加ヘッド選定部162、および、クリーニング実行制御部163に加えて、検査結果保持部156およびクリーニング関連情報保持部157を備えている。また図7に示すように、クリーニング起動部161は、ノズル欠け判定部171と、クリーニング対象ヘッド決定部172と、UI表示部173と、UI操作部174と、クリーニング指示受付部175とを含んでいる。
検査結果保持部156は、画像検査コンピュータ320から送られる検査結果Drを保持する。メンテナンス内容決定部152では、画像検査コンピュータ320から送られた検査結果Drのうちノズル欠け等の欠け(欠点)に関する検査結果である欠け情報LIが使用される。クリーニング起動部161において、ノズル欠け判定部171は、この欠け情報LIに基づき各印刷ヘッドにつきノズル欠けの程度を判定し、クリーニング対象ヘッド決定部172は、クリーニングの要否を判定するとともに、印刷部24における印刷ヘッドのうちクリーニング対象とすべき印刷ヘッドである指定ヘッドを決定する。クリーニングが必要と判定され、クリーニング対象としての指定ヘッドが決定されると、それらを示す情報がクリーニング指示としてクリーニング対象ヘッド決定部172からクリーニング指示受付部175に送られる。
一方、本実施形態では、UI表示部173とUI操作部174により利用者がクリーニングの要否を判断してクリーニング対象の印刷ヘッドを指定することもできる。すなわち、UI表示部173は、上記欠け情報LI、または、上記欠け情報LIにクリーニングの履歴情報および各印刷ヘッド241の吐出動作の履歴情報等のいずれかを組み合わせた情報を表示し、利用者が、UI表示部173に表示された当該情報を見て、クリーニング対象の印刷ヘッドをUI操作部174に対する入力操作によって指定することができる。利用者がクリーニングが必要と判断してクリーニング対象としての指定ヘッドを決定すると、それらを示す情報がクリーニング指示としてUI操作部174からクリーニング指示受付部175に送られる。
クリーニング指示受付部175は、クリーニング対象ヘッド決定部172またはUI操作部174からクリーニング指示を受け取ると、クリーニング開始指示Icsを指定ヘッドを示す情報とともに出力する。このクリーニング開始指示Isは、追加ヘッド選定部162に送られる。なお既述のように、このクリーニング開始指示Isは、印刷実行制御部165にも送られる(図6参照)。
追加ヘッド選定部162は、クリーニング開始指示Icsを受け取ると、クリーニング関連情報保持部157に保持されている情報に基づき、印刷部24における指定ヘッド以外の印刷ヘッド(以下「残余ヘッド」という)のうちクリーニング対象として追加すべき印刷ヘッドすなわち追加ヘッドを選定する。選定された追加ヘッドを示す情報は、指定ヘッドを示す情報ととともにクリーニング実行制御部163に送られる。
クリーニング関連情報保持部157に保持されている情報(以下「クリーニング関連情報」という)は、各印刷ヘッド241につき、それをクリーニング対象とすべきか否かを判定するのに有用な情報であって上記欠け情報LI以外の情報である。本実施形態では、クリーニング関連情報として、吐出動作履歴、メンテナンス履歴(吐出不良検査の履歴を含む)、印刷ジョブに関する情報であるジョブ情報(次のジョブに関する情報等)、および、印刷機固有情報(印刷部24等のクリーニングに関する部分の構成やクリーニングに関連する機能を示す情報)が、クリーニング関連情報保持部157に蓄積されているが、追加ヘッドの選定に使用すべきクリーニング関連情報はこれらに限定されない。これらのクリーニング関連情報のうち履歴情報は、印刷動作やメンテナンス動作(クリーニング動作を含む)の実行に応じて制御部150において更新されていく。なお、追加ヘッドの選定の詳細は後述する。
クリーニング機構25は、印刷部24における複数の印刷ヘッド241を選択的にクリーニング可能に構成されている。クリーニング実行制御部163は、追加ヘッド選定部162から送られる情報に基づき、印刷部24における印刷ヘッド241のうち指定ヘッドおよび追加ヘッドに対してクリーニング機構25がクリーニングを行うようにクリーニング機構25を制御する。なお、本実施形態におけるクリーニング機構25は、印刷ヘッド毎にクリーニングを行うだけでなく、複数の印刷ヘッド(例えば同一色の複数印刷ヘッド)を1組として一括してクリーニングすることも可能なように構成されている。
<5.メンテナンスの制御>
本実施形態に係るインクジェット印刷装置10では、印刷部24に対するメンテナンスは、画像検査装置300による検査の結果に基づいて行われる。これに関し、本実施形態では、各ジョブに基づく印刷の終了後に、メンテナンスの要否やメンテナンスの種類を決定する処理(以下「メンテナンス内容決定処理」という)が行われる。その後、メンテナンス内容決定処理の結果に応じて印刷制御部153による印刷部24およびクリーニング機構25の動作が制御されることによって、印刷部24に対する所望のメンテナンスが行われる。
図8は、本実施形態におけるメンテナンスの運用手順の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施形態に係るインクジェット印刷装置10は、入稿データに対応する印刷データを印刷データ生成装置40から受け取る毎に、その印刷データとともにジョブ情報を印刷制御装置100内の補助記憶装置121に記憶することで印刷ジョブ(以下、単に「ジョブ」ともいう)を登録する(図1、図4参照)。ジョブ情報は、印刷の際に設定されるべき種々の条件(例えば解像度、用紙サイズ、枚数等)を示す印刷条件データを含む。本実施形態では、複数のジョブを連続的に受け付けることができ、受け付けられた複数のジョブは、受け付け順に順次処理される。この過程において印刷制御装置100におけるCPU111により、図8のフローチャートに示される処理が実行される。すなわち、CPU111は印刷制御プログラムPに基づき下記のように動作する。
各ジョブの処理が実行される際、まず停止状態の印刷用紙PAの搬送が開始されるよう搬送機構210の動作を制御する。搬送速度は、徐々に上昇し、予め設定された基準速度(印刷に適した速度)に到達すると当該基準速度で一定に維持される。搬送速度が基準速度で維持されている状況下(すなわち、印刷用紙PAが一定速度で搬送されている状況下)において、当該ジョブの印刷データに応じた印刷が印刷用紙PAに対して行われるように印刷部24の動作を制御する。
このようにして、まず、上記複数のジョブのうちの最初のジョブを実行する。すなわち、最初のジョブの印刷データDpに応じた印刷を行う(ステップS102)。
このジョブが終了すると、所定の検査パターンが印刷用紙PAに印刷されるように印刷部24および搬送機構210を制御し、検査パターンの印刷画像に基づき各印刷ヘッド241の吐出状態を検出する(ステップS104)。すなわち、CPU111の制御の下で、撮像部310が検査パターンの印刷画像を撮像し、画像検査コンピュータ320は、その撮像により得られた撮像画像データDiに対して画像解析を行う。この画像解析の結果は、検査結果Drとして検査結果保持部156である補助記憶装置121またはメモリ112に保持される。
次に、この検査結果Drのうちノズル欠け等の欠け(欠点)に関する検査結果である欠け情報LIに基づき、メンテナンスの要否を判定する(ステップS106)。この判定の結果、メンテナンスが不要な場合にはステップS114へ進み、メンテナンスが必要な場合には、その欠け情報LIに基づきクリーニングの要否を判定する(ステップS108)。
既述のように、クリーニングの要否については、CPU111が自動的に判定する場合、すなわちCPU111が印刷制御プログラムPの所定ルーチンを実行することによりソフトウェア的に実現されるノズル欠け判定部171が判定する場合と、利用者が判断して手動操作で指示する場合、すなわち表示部123に表示される情報に基づき利用者がキーボード124やマウス125による入力操作でクリーニングの要否を指示する場合とがある(図7参照)。後者の場合、CPU111が印刷制御プログラムPにおける他の所定ルーチンを実行することによりソフトウェア的に実現される既述のUI表示部173およびUI操作部174を用いて利用者によりクリーニングの要否が指示される。
ステップS108でクリーニング不要と判定された場合(クリーニング不要と指示された場合を含む)には、フラッシング等のクリーニング以外のメンテナンスの実行(ステップS110)の後に、ステップS114へ進む。一方、ステップS110でクリーニングが必要と判定された場合(クリーニングが必要と指示された場合を含む)には、印刷部24および搬送機構210を制御して印刷動作を停止させて(クリーニングが必要と判断された時点で印刷動作が停止している場合にはその停止状態を維持して)(ステップS111)、クリーニング処理を実行する(ステップS112)。クリーニング処理が終了すると、印刷動作可能な状態として(ステップS113)、ステップS114へ進む。
ステップS114では、補助記憶装置121に登録されているジョブに関する情報(ジョブ情報)に基づき次のジョブがあるか否かを判定する。その判定の結果、次のジョブがある場合には、ステップS102へ戻り、当該次のジョブにつきステップS102以降の処理を実行し、次のジョブがない場合には、印刷動作を終了させる。
<5.1 クリーニング処理の一例>
図9は、本実施形態におけるクリーニング処理の一例を示すフローチャートであり、図8のフローチャートにおけるステップS112のクリーニング処理の手順を示している。このクリーニング処理では、CPU111は印刷制御プログラムPにおける所定ルーチンに基づき下記のように動作する。
まず、当該クリーニング処理の開始が、使用者の入力操作によるものか否かが判定され(ステップS122)、使用者の入力操作によるものである場合には、ステップS126へ進み、クリーニング対象とすべき印刷ヘッドである指定ヘッドを決定するための判断材料となる情報を表示部123(UI表示部173)に表示する(ステップS126)。本例では、当該判断材料として、各印刷ヘッド241の吐出状態を示す上記欠け情報LIが表示部123に表示される。利用者がこの欠け情報に基づきクリーニング対象としての指定ヘッドを決定し、当該指定ヘッドを示す入力操作を行うと、その入力操作を受け付ける(ステップS128)。
ステップS122での判定の結果、当該クリーニング処理の開始が、使用者の入力操作によるものでない場合には、各印刷ヘッド241の吐出状態を示す上記欠け情報LIに基づきクリーニング対象の印刷ヘッドである指定ヘッドを決定する(ステップS124)。すなわち、CPU111がソフトウェア処理により自動的に指定ヘッドを決定する。
上記のようにステップS124またはS128によりクリーニング対象としての指定ヘッドが決定されると、次に、クリーニング関連情報保持部157としての補助記憶装置121に保持されている既述のクリーニング関連情報に基づき、印刷部24における指定ヘッド以外の印刷ヘッド(残余ヘッド)のうち、指定ヘッドとともにクリーニング対象とすべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定する(図7参照)(ステップS130)。ここで、追加ヘッドは、指定ヘッドとともにクリーニング対象とした場合にインクジェット印刷装置としてのメリットが得られるか否かを基準に選定され、基本的には、追加ヘッドをクリーニング対象に含めることで印刷装置における印刷のスループットまたは品質が向上するか否かを基準として選定される。具体的には本実施形態では、残余ヘッドのうちクリーニング対象に追加すべき追加ヘッドとして、下記の条件1~条件5のそれぞれに基づく追加ヘッドを選定し、各条件n(n=1~5)に基づく追加ヘッドの和集合を対象追加ヘッドとする。上記のクリーニング関連情報は、下記の条件1~条件5のそれぞれを満たすか否かを判定するための情報からなる。
(条件1):指定ヘッドとともにクリーニング対象とすると指定ヘッドのみをクリーニング対象とする場合に比べクリーニングの所要時間が短くなる印刷ヘッド
(条件2):指定ヘッドのみを対象とするクリーニングが実行された場合に乾燥により吐出状態が悪化する印刷ヘッド
(条件3):開始すべきクリーニングの終了後に実行すべきジョブの印刷条件に適合した印刷のためにクリーニング対象に追加すべき印刷ヘッド
(条件4):印刷ヘッドのそれぞれにつき、メンテナンス、吐出動作、および、吐出不良検査のうち少なくとも1つの履歴からクリーニング対象に追加すべき印刷ヘッド
(条件5):印刷部が互いに色の異なる印刷ヘッドを含み、クリーニング機構が同一色の印刷ヘッドを単位としてクリーニング可能に構成されている場合、指定ヘッドのうちクリーニングの所要時間が最も長い色の指定ヘッドのクリーニング所要時間よりも長くならない範囲でクリーニング対象に追加可能な印刷ヘッド
(1)条件1に基づく追加ヘッドの選定
残余ヘッドのうち条件1を満たす印刷ヘッドをクリーニング対象に追加する場合、印刷部24における印刷ヘッド241の個数および配置や、クリーニング制御モードと所要時間との関係等、インクジェット印刷装置10においてクリーニングに関連する構成や機能を示す情報を印刷機固有情報として予め保持しておく必要がある。どの印刷ヘッドをクリーニング対象に追加するとクリーニング所要時間が短くなるか否かは、クリーニングに関連する印刷機固有の構成や機能に依存するからである。
例えば図10に示すように、印刷ヘッドにおけるノズルの目詰まり解消のためのインクの吸引(パージ)を印刷ヘッド毎に行うモードと複数の印刷ヘッドにつき一括して行うモードとを切り替えられるようにクリーニング機構25が構成されている場合がある。この場合、クリーニングとしてのパージを印刷ヘッド毎に行うよりも当該複数の印刷ヘッドにつき一括して行う方がクリーニング所要時間が短くなることがある。図10に示す例では、クリーニング機構25は、印刷ヘッドHD1~HD3にそれぞれ対向するキャップCP1~CP3と、キャップCP1~CP3にそれぞれ接続された対応するバルブVL1~VL3と、キャップCP1~CP3に共通に接続された1個のバルブ4と、バルブ1~4に接続されたポンプPMとを備えており、各印刷ヘッドHDiのインク(i=1~3)を廃液として対応するキャップCPiおよびバルブVLiを介して個別にポンプPMにより吸引するための流路と、3個の印刷ヘッドHD1~HD3のインクを廃液としてバルブ4を介して一括してポンプPMにより吸引するための流路とを有している。この例では、2個の印刷ヘッドHD1,HD2のインクをバルブVL1,VL2をそれぞれ介して個別に吸引するよりも、3個の印刷ヘッドHD1~HD3のインクをバルブ4を介して一括して吸引する方が、クリーニングとしてのパージに要する時間が短くなる。
本実施形態では、このようにクリーニング対象の印刷ヘッドを追加することでクリーニング所要時間が短くなるか否かを判定するための情報すなわち上記の印刷機固有情報は、クリーニング関連情報の一部として予め補助記憶装置121に格納されている。補助記憶装置121においてクリーニング関連情報を格納する部分は、図7に示した機能ブロック図におけるクリーニング関連情報保持部157に相当する。
なお、クリーニング対象としての印刷ヘッドの追加によりクリーニング所要時間が短くはならないが、或る印刷ヘッドを追加してもクリーニング所要時間が増大せず、かつ、その印刷ヘッドの状態を良好にする等により印刷の効率または品質が向上する場合には、その印刷ヘッドを条件1に基づく追加ヘッドとして選定するようにしてもよい。
一方、クリーニング動作中は、インクジェット印刷装置10は印刷動作を停止した状態となるので、利用者が時間を重視する場合や印刷作業を急ぐ必要がある場合には、条件1に基づく追加ヘッドの選定を変更できるようにするのが好ましい。図11は、このための構成例を説明するためのフローチャートであり、図9に示すクリーニング処理における追加ヘッドの選定のうち条件1に基づく追加ヘッドの選定の変形例を示している。図11に示すように、この変形例では、残余ヘッドのうち条件1に基づく追加ヘッドをクリーニング関連情報としての印刷機固有情報を用いて選定し(ステップS202)、その後、選定された追加ヘッドを表示部123に示し(ステップS203)、利用者が表示部123に示される追加ヘッドをクリーニング対象に含めるか否かをキーボード124やマウス125による入力操作で指示できる(ステップS206)。すなわち、この変形例は、残余ヘッドのうちクリーニング対象に含めるべき印刷ヘッドを条件1に基づき選定するときに、残余ヘッドのうちクリーニング関連情報に基づき選定された印刷ヘッドをそのままクリーニング対象に含めるのではなく、当該選定された印刷ヘッドのクリーニング対象への追加を受け入れるか否かを利用者が指示するためのUI表示部およびUI操作部を備える構成となっている(ステップS204,S206)。クリーニング対象への追加を受け入れることを指示する入力操作が受け付けられた場合は、選定された印刷ヘッドは条件1に基づく追加ヘッドとされ(ステップS210)、クリーニング対象への追加を受け入れないことを指示する入力操作が受け付けられた場合は、選定された印刷ヘッドは追加ヘッドに含めず(ステップS212)、条件1に基づく追加ヘッドは空集合となる。
なお、残余ヘッドのうちクリーニング対象に含めるべき印刷ヘッド(追加ヘッド)を条件2~条件5のいずれかに基づき選定する場合においても、このような利用者の指示を可能とするためのUI表示部やUI操作部を備えるようにしてもよい。このような構成において、条件1~条件5のいずれかの条件に基づき選定された追加ヘッドのクリーニング対象への追加を受け入れないことを指示する入力操作が受け付けられた場合、受け入れないことが指示された当該追加ヘッドは、クリーニング機構25によってクリーニングが実行されるべき追加ヘッドから除外される。この場合、当該追加ヘッド以外の追加ヘッド(当該条件以外の条件に基づき選定された追加ヘッド)および指定ヘッドに対してクリーニングが実行される。
(2)条件2に基づく追加ヘッドの選定
印刷ヘッド列の幅よりも印刷用紙PAの幅(以下、単に「用紙幅」という)が狭い場合(後述の図14に示される“先行ジョブ”参照)、印刷動作中においてインクを吐出しない印刷ヘッドが存在する。この場合、インクを吐出しない印刷ヘッドについては、強制的にメンテナンスを実行した方が状態を良好に維持することができる。一方、印刷用紙PAに印刷された検査パターンの画像から得られる欠け情報LIに基づきクリーニング対象の印刷ヘッドである指定ヘッドを決定する場合(図7の172、図9のS124参照)、用紙幅の外側に配置される印刷ヘッドはインクを吐出しないので、その印刷ヘッドについては欠け情報LI等の吐出状態を示す情報を得ることができない。しかし、印刷ヘッド列の幅が用紙幅よりも狭い場合には、クリーニング関連情報のうちのジョブ情報を用いて条件2に基づく追加ヘッドを選定することで、デキャップ状態でパージ等のクリーニングを行わない印刷ヘッドもクリーニング対象とされる。これにより、当該印刷ヘッドの状態が良好に維持されクリーニングの頻度が低減されることで、印刷のスループットや品質を高く維持することができる。
図12および図13を用いてより具体的に説明する。
図12は印刷部24および印刷用紙PAの概念的な上面図であり、図13は印刷部24およびクリーニング機構25の概念的な側面図である。
図12に示すように、印刷部24は印刷用紙PAの上方に配置されている。印刷部24は、ヘッド保持板240と、印刷用紙PAの紙幅方向Xに並置されヘッド保持板240の下面に取り付けられた複数の印刷ヘッド241(第1印刷ヘッド241a~第4印刷ヘッド241d)と、を備えている。印刷用紙PAは搬送方向Yに搬送される。紙幅方向Xおよび搬送方向Yに直交する方向は上下方向Zである。
印刷部24は印刷用紙PAの直上の印刷位置P1と、印刷位置P1から紙幅方向Xに離隔したクリーニング位置P2との間を移動することができる。図12には図示しないが、クリーニング位置P2における印刷部24の下方にはクリーニング機構25が配置されている。
印刷部24は、第1印刷ヘッド241a~第4印刷ヘッド241dの紙幅X方向長さに相当する幅W10の印刷用紙PAに対して印刷を行うことができる。しかし、幅W10よりも狭い狭幅W11の印刷用紙PAが使用されることもある。狭幅W11の印刷用紙PAに印刷を行う場合、第1印刷ヘッド241a~第3印刷ヘッド241cが印刷に使用され、第4印刷ヘッド241dは印刷に使用されない。
図13は印刷部24およびクリーニング機構25を印刷用紙PAの搬送方向Yの反対の「-Y」方向から見た概念的な側面図である。クリーニング機構25は、保持板250の上面に複数のキャップ251(第1キャップ251a~第4キャップ251d)を載置している。第1キャップ251a~第4キャップ251dは、前述の第1印刷ヘッド241a~第4印刷ヘッド241dにそれぞれ対応している。クリーニング機構25は、キャップ251が印刷ヘッド241をキャップするキャップ高さと前記キャップ高さから微小距離下方でキャップ251が印刷ヘッド241から離隔するデキャップ高さとの間で昇降可能である。キャップ高さではキャップ251が印刷ヘッド241をキャップすることで印刷ヘッド241のノズルの乾燥を防止できる。また、デキャップ高さでは印刷ヘッド241がキャップ251に向けてインク滴をパージさせて印刷ヘッド241をクリーニングする。あるいは不図示のワイパにより印刷ヘッド241のノズル面をワイピングしてクリーニングしてもよい。図13ではクリーニング機構25はデキャップ高さに位置している。
通常は、狭幅W11の印刷用紙PAに印刷を行った後、第1印刷ヘッド241a~第3印刷ヘッド241cをクリーニング機構25によりクリーニングする。しかし、図13に示すように、第1印刷ヘッド241a~第3印刷ヘッド241cがクリーニングされている期間、クリーニング対象でない第4印刷ヘッド241dはデキャップ状態で放置される。したがって、指定ヘッドである第1印刷ヘッド241a~第3印刷ヘッド241cのクリーニング期間が、指定ヘッドでない第4印刷ヘッド241dの耐乾燥時間より長くなると予想される場合には、第4ヘッド印刷241dを追加ヘッドに選定する。すなわち、第1印刷ヘッド241a~第3印刷ヘッド241cのクリーニング(パージ)と並行して第4印刷ヘッド241dのクリーニング(パージ)を行う。逆に、指定ヘッドである第1印刷ヘッド241a~第3印刷ヘッド241cのクリーニング期間が、指定ヘッドでない第4印刷ヘッド241dの耐乾燥時間より短くなると予想される場合には、第4印刷ヘッド241dを追加ヘッドに選定せずクリーニングを実施しない。このような制御を行うことにより、クリーニング頻度を不必要に増加させることなく、指定ヘッドでない第4印刷ヘッド241dの状態を良好に維持することができる。
(3)条件3に基づく追加ヘッドの選定
開始すべきクリーニングの終了後に実行すべき印刷ジョブである次のジョブの印刷条件(用紙幅、用紙種類、印刷品質の要求度等)に適合した印刷のためにクリーニング対象に追加すべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定することで、各印刷ヘッドの状態が良好に維持されてクリーニングの頻度が低減され、これにより、印刷のスループットや品質を高く維持することができる。例えば図14に示すように、開始すべきクリーニングの直前の印刷ジョブである先行ジョブの用紙幅W1よりも次のジョブの用紙幅W2が広くなる場合、先行ジョブでは使用していなかった印刷ヘッドを次のジョブでは使用することになる。この場合、クリーニング関連情報としてのジョブ情報(より詳しくは次のジョブの印刷条件を示す情報)を用いて条件3に基づく追加ヘッドを選定することで、そのような印刷ヘッドをクリーニング対象に含め、これにより、次のジョブを良好に実行して印刷のスループットや品質の低下を抑えることができる。また、先行ジョブにおける印刷品質の要求度よりも次のジョブにおける印刷品質の要求度が高い場合、または、先行ジョブにおけるノズル欠けの許容度よりも次のジョブにおけるノズル欠けの許容度が小さい場合、クリーニング関連情報としてのジョブ情報を用いて条件3に基づく追加ヘッドの選定することで、次のジョブを良好に実行して印刷のスループットや品質の低下を抑えることができる。なお、この場合、クリーニング起動部161におけるノズル欠け判定部171による判定レベルを次のジョブ情報に基づき厳しい方向に変更するようにしてもよい。
(4)条件4に基づく追加ヘッドの選定
クリーニング関連情報としての吐出動作履歴やメンテナンス履歴を用いて、残余ヘッドのうち条件4に基づきクリーニング対象に追加すべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定することで、各印刷ヘッドの状態が良好に維持されてクリーニングの頻度が低減され、これにより、印刷のスループットや品質を高く維持することができる。本実施形態では、例えば残余ヘッドのうち次の(a)~(f)の印刷ヘッドは、条件4に基づく追加ヘッドとして選定される。なお、この場合、クリーニング関連情報保持部157は履歴情報記憶部として使用されることになる。
(a)直近のクリーニングの実施時点からの経過時間が所定時間を超えている印刷ヘッド
(b)インクの吐出量または吐出動作時間が上限値を超えるかまたは下限値を下回る印刷ヘッド
(c)直近のインクの吐出動作時点からの経過時間が所定時間を超えている印刷ヘッド
(d)ノズル欠けの検出頻度が所定値を超えている印刷ヘッド
(e)総吐出数および/または総吐出時間が上限を超えている印刷ヘッド
(f)搬送パス上の同じ位置の上流側のヘッドや周囲のヘッドからのミスト等の付着が多い印刷ヘッド
(5)条件5に基づく追加ヘッドの選定
印刷部24が互いに色の異なる印刷ヘッドを含み、クリーニング機構が同一色の印刷ヘッドを単位としてクリーニング可能に構成されている場合、指定ヘッドのうちクリーニングの所要時間が最も長い色の指定ヘッドのクリーニング所要時間よりも長くならない範囲でクリーニング対象に追加可能な印刷ヘッドは、条件5に基づく追加ヘッドとして選定される。したがって、このような追加ヘッドの選定には、印刷部24の構成やクリーニング機構25の構成を示す情報を含む印刷機固有情報が使用される。このような条件5に基づく追加ヘッドの選定により、カラー印刷が可能なインクジェット印刷装置において、各印刷ヘッドの状態が良好に維持されてクリーニングの頻度が低減され、これにより、印刷のスループットを高く維持することができる。
ただし、条件5に基づき追加ヘッドを選定すると、インク消費量が過度に多くなる可能性がある。このため、インク消費量の抑制を重視する場合には、条件5に基づき選定される追加ヘッドによるインク消費量の増大を制限するために条件5に付加すべき条件を利用者が指定できるようにするのが好ましい。例えば図15に示すような手順で、条件5に基づく追加ヘッドの選定を行うようにするのが好ましい。図15に示す例では、まず、条件5に付加すべき条件(以下、単に「付加条件」という)を指示するための操作画面を表示部123に表示し(ステップS222)、その付加条件を指示するためのキーボード124やマウス125による操作画面への入力操作を受け付ける(ステップS224)。次に、残余ヘッドのうち、条件5に加えて当該付加条件を満たす印刷ヘッドを、クリーニング関連情報としての印刷機固有情報に基づき追加ヘッドとして選定する(ステップS226)。このようにして条件5に基づく追加ヘッドを選定する構成によれば、付加条件を適切に設定することで、過大なインク消費を回避することができる。なお、上記のステップS222において、追加ヘッドの個数の上限や単位時間当たりのインク消費量(推定値)の上限等の条件5に付加可能な条件や、利用者による適切な付加条件の指示を可能とするために有用な情報やヒントを示す情報を表示部123に表示するのが好ましい。
なお、以上の説明からわかるように、図5から図7に示す主制御部151の構成要素のうち、メンテナンス内容決定部152は図8のステップS104~S108および図9のステップS122~S128により実現され、クリーニング起動部161は図8のステップS108および図9のステップS122~S128により実現され、UI表示部173およびUI操作部174は図9のステップS126,S128によりそれぞれ実現され、ノズル欠け判定部171およびクリーニング対象ヘッド決定部172は図9のステップS124により実現され、追加ヘッド選定部162は図9のステップS130により実現され、クリーニング実行制御部163は図9のステップS132により実現される。
<5.2 クリーニング処理の別例>
本実施形態において、クリーニングの要否については、CPU111が自動的に判定する場合、すなわちCPU111によりソフトウェア的に実現されるノズル欠け判定部171が判定する場合と、利用者が判断して手動操作で指示する場合、すなわち表示部123に表示される情報に基づき利用者がキーボード124やマウス125による入力操作でクリーニングの要否を指示する場合とがある(図7参照)。図9に示す上記クリーニング処理は、これら両者の場合に対応する内容となっているが(ステップS122~S128)、いずれの場合も、各ジョブの終了後に印刷される検査パターンの画像から吐出状態の検出結果が得られたときにおいてメンテナンスが必要と判定された場合にクリーニングの要否が判定されることが前提となっている(図8のステップS102~S108参照)。しかし、利用者の入力操作によるクリーニング必要との指示(クリーニング開始指示)を上記とは異なるタイミングで行うことが必要な場合も考えられる。以下、利用者の入力操作によるクリーニング開始指示を上記とは異なるタイミングで行えるクリーニング処理を図16~図18を参照して説明する。
図16~図18は、本実施形態におけるクリーニング処理の別例を示すフローチャートである。本例では、クリーニングの要否をCPU111が自動的に判定する場合のクリーニング処理(以下「自動起動のクリーニング処理」という)と、使用者の入力操作によりクリーニング開始が指示される場合のクリーニング処理(以下「手動起動のクリーニング処理」という)とは、図4に示す印刷制御装置100内において動作するオペレーティングシステム(以下「OS」と略記する)の下において並行に動作する2つの異なるプロセスとして実行される。また本例では、図18に示すクリーニング実行処理のプロセスが、上記2つのプロセスとは異なる別のプロセスとしてインクジェット印刷装置10の電源投入時に起動され、電源遮断時まで常駐している。なお、このOSはプロセス管理機能を有し、このOSにおいてプロセス間通信等のシステム関数が提供されるものとする。
図16は、自動起動のクリーニング処理の手順を示しており、このクリーニング処理は図8のステップS112に相当する。
図8のステップS108においてクリーニングが必要と判定されると、ステップS111を経て図16のクリーニング処理が実行される。このクリーニング処理においてCPU111は下記のように動作する。
まず、図8のステップS104での吐出状態の検出結果(具体的には欠け情報LI)に基づき、クリーニング対象の印刷ヘッドである指定ヘッドを決定し(ステップS142)、次に、指定ヘッドを示す情報(以下「指定ヘッド情報」という)とともにクリーニング開始指示Icsを、クリーニング実行処理のプロセス(図18)に対し送信する(ステップS144)。その後、クリーニング実行処理のプロセスからクリーニング終了通知を受信するまで待機する(ステップS148)。この待機中にクリーニング終了通知を受信すると、図16のクリーニング処理のルーチンを終了して図8の処理ルーチンに戻り、ステップS113以降の処理を実行する。
図18は、上記クリーニング実行処理の手順を示すフローチャートである。このクリーニング実行処理のプロセスは、起動されると、クリーニング開始指示Icsを受信するまで待機状態となる(ステップS162)。この待機中において図16のステップS144または後述の図17のステップS156においてクリーニング開始指示Icsが送信されると、これを受信する。このとき、クリーニング開始指示Icsとともに送信される指定ヘッド情報を受け取る。次に、この指定ヘッド情報が示す印刷ヘッド(指定ヘッド)以外の印刷ヘッドである残余ヘッドのうち指定ヘッドとともにクリーニング対象とすべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定する(ステップS164)。この追加ヘッドの選定の詳細は、図9のステップS130での追加ヘッドの選定と同じである。その後、指定ヘッドおよび追加ヘッド(より詳しくは、既述の条件1~条件5のそれぞれに基づく追加ヘッドの和集合である対象追加ヘッド)に対しクリーニングを実行する(ステップS166)。これより、1つのクリーニング開始指示Icsに対応するクリーニング実行処理が終了するので、ステップS162へ戻り、次のクリーニング開始指示Icsを受信するまで待機状態となる。
図17は、手動起動のクリーニング処理の手順を示しており、このクリーニング処理は、図16のクリーニング処理が実行されるプロセスとは並行に動作する異なるプロセス(以下「手動起動プロセス」という)で実行される。すなわち、利用者がキーボード124やマウス125による入力操作によりクリーニング開始を指示すると、図16のクリーニング処理が実行されるプロセスと別のプロセスが手動起動プロセスとして新たに起動され、当該手動起動プロセスにおいて図17のクリーニング処理が実行される。このクリーニング処理においてCPU111は下記のように動作する。
まず、クリーニング対象の印刷ヘッドである指定ヘッドを利用者が決定するための判断材料となる情報を表示部123(UI表示部173)に表示する(ステップS152)。ここで判断材料となる情報は、各印刷ヘッド241についてのクリーニング履歴や吐出動作履歴を示す情報や、クリーニング対象とすべき否かの判定のヒントとなる他の情報等である。利用者がこれらの情報に基づきクリーニング対象としての指定ヘッドを示す入力操作を行うと、その入力操作を受け付ける(ステップS154)。次に、指定ヘッドを示す情報(指定ヘッド情報)とともにクリーニング開始指示Icsを、クリーニング実行処理のプロセス(図18)に対し送信する(ステップS156)。その後、クリーニング実行処理のプロセスからクリーニング終了通知を受信するまで待機する(ステップS158)。この待機中にクリーニング終了通知を受信すると、図17のクリーニング処理のプロセスすなわち手動起動プロセスが終了する。
このように、図17の手動起動のクリーニング処理は、クリーニング開始指示を示す入力操作が利用者により行われる毎にクリーニング処理の実行のための新たな手動起動プロセスが起動され、手動起動のクリーニング処理が終了すると手動起動プロセスも終了する。なお、手動プロセスの起動時には、印刷動作が停止していることが前提であり、クリーニング開始指示を示す入力操作の時点で印刷中である場合や印刷用紙PAが搬送中である場合には当該入力操作は受け付けられない。
なお、以上の説明からわかるように、本例では、図5から図7に示す主制御部151の構成要素のうち、メンテナンス内容決定部152は図8のステップS104~S108、図16のステップS142,S144、図17のステップS152~S156、および、図18のS162により実現され、クリーニング起動部161は図8のステップS108、図16のステップS142,S144、図17のステップS152~S156、および、図18のS162により実現され、ノズル欠け判定部171およびクリーニング対象ヘッド決定部172は図16のステップS142により実現され、UI表示部173およびUI操作部174は図17のステップS152,S154によりそれぞれ実現され、ノズル欠け判定部171およびクリーニング対象ヘッド決定部172は図16のステップS142により実現され、追加ヘッド選定部162は図18のステップS164により実現され、クリーニング実行制御部163は図18のステップS166により実現される。
<6.効果>
上記のような本実施形態によれば、検査パターンの印刷画像から得られる吐出状態の検出結果(欠け情報LI)に基づきクリーニング対象とされた指定ヘッド以外の印刷ヘッドである残余ヘッドの中から、クリーニング対象に追加することで印刷のスループットまたは品質が向上する印刷ヘッドが追加ヘッドとして選定され、指定ヘッドおよび選定された追加ヘッド(対象追加ヘッド)に対してクリーニングが実行される。これにより、インクジェット印刷装置において、従来よりも効率的なクリーニングが行われ、印刷のスループットや品質を向上させることができる。また、追加ヘッドは、吐出動作履歴や、メンテナンス履歴、ジョブ情報、印刷機固有情報等からなるクリーニング関連情報に基づき自動的に選定される。このため、クリーニング対象に含めるべき追加ヘッドを、人間の熟練度等の依存することなく、適切に選定することができる。
<7.変形例>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいてさらに種々の変形を施すことができる。例えば、上記実施形態に係るインクジェット印刷装置では、各ジョブが終了する毎に検査パターンが印刷され、その検査パターンの印刷画像に基づきメンテナンスの要否やクリーニングの要否が判定される(図8参照)。しかし、クリーニングの要否の判定タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、印刷機本体200が原因で印刷の中断が生じたときに、その印刷画像から得られる吐出状態の検出結果(欠け情報LI)に基づきクリーニングの要否を判定してもよい。またジョブの実行途中に検査パターンを印刷しながらジョブの進行を進めていたような場合には、本画像の印刷の中断時や停止時にもっとも近接した時期に印刷された検査パターンに対する検査結果に基づきメンテナンスの要否やクリーニングの要否を判定してもよい。
また上記実施形態では、既述の条件1~条件5のそれぞれに基づく追加ヘッドを選定し、各条件n(n=1~5)に基づく追加ヘッドの和集合を対象追加ヘッド(クリーニング対象)としている。しかし、これに代えて、これら条件1~条件5の中から1つまたは複数の条件を選択し、選択した条件のそれぞれに基づく追加ヘッドを選定し、選択した各条件に基づく追加ヘッドの和集合を対象追加ヘッドとしてもよい。
また上記実施形態では、クリーニング処理につき2つの例(図9に示す例と図16~図18に示す例)を挙げて説明したが、当該2つの例のクリーニング処理を、本発明の趣旨を逸脱せず且つ矛盾を生じない範囲において組み合わせた構成を採用してもよい。
また上記実施形態では、印刷ヘッドで印刷したチェックパターンを読み取り、その読み取り情報に基づいてクリーニングを実行すべき印刷ヘッドを決定した。しかし、印刷ヘッドのノズル面を光学素子で直接観察し、あるいは印刷ヘッドから吐出されるインク滴の飛翔状態を光学素子で直接観察し、その観察結果に基づいてクリーニングを実行すべき印刷ヘッドを決定するようにしてもよい。
10…インクジェット印刷装置
24…印刷部
25…クリーニング機構
100…印刷制御装置
150…制御部
151…主制御部
152…メンテナンス内容決定部
153…印刷制御部
156…検査結果保持部
157…クリーニング関連情報保持部
161…クリーニング起動部
162…追加ヘッド選定部
163…クリーニング実行制御部
165…印刷実行制御部
171…ノズル欠け判定部
172…クリーニング対象ヘッド決定部
173…UI表示部
174…UI操作部
175…クリーニング指示受付部
200…印刷機本体
210…搬送機構
241…インクジェットヘッド(印刷ヘッド)
300…画像検査装置
310…撮像部
320…画像検査コンピュータ

Claims (20)

  1. 印刷媒体を搬送する搬送機構と、
    前記印刷媒体に対してインクを吐出する複数の印刷ヘッドを含む印刷部と、
    前記複数の印刷ヘッドを選択的にクリーニング可能に構成されたクリーニング機構と、
    前記搬送機構に前記印刷媒体を搬送させるとともに前記印刷部にインクを前記印刷媒体に吐出させることにより、前記印刷媒体に対して印刷を行う印刷実行制御部と、
    前記クリーニング機構に前記複数の印刷ヘッドに対し選択的にクリーニングを実行させるクリーニング実行制御部と、
    前記複数の印刷ヘッドの吐出状態を示す情報に基づき、クリーニングを実行すべき場合に、クリーニング対象とすべき印刷ヘッドを指定ヘッドとして示すクリーニング開始指示を出力するクリーニング起動部と、
    前記クリーニング開始指示が出力されると、クリーニングに関連する構成または機能を示す印刷機固有情報、印刷ジョブに関する情報、前記複数の印刷ヘッドにおける前記指定ヘッド以外の印刷ヘッドである残余ヘッドの乾燥状態を示す情報、当該残余ヘッドの吐出動作履歴、および、当該残余ヘッドのメンテナンス履歴のうち少なくとも1つに基づき、当該残余ヘッドのうち前記指定ヘッドとともにクリーニング対象とすべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定する追加ヘッド選定部と
    を備え、
    前記印刷実行制御部は、前記クリーニング開始指示が出力されると、前記クリーニング開始指示により開始されるクリーニングが終了するまで前記印刷媒体に対する前記印刷を停止し、
    前記クリーニング実行制御部は、前記クリーニング開始指示に応じて前記追加ヘッド選定部により前記追加ヘッドが選定されると、前記クリーニング機構に前記指定ヘッドおよび前記追加ヘッドに対してクリーニングを実行させる、インクジェット印刷装置。
  2. 前記追加ヘッド選定部は、前記残余ヘッドのうち前記指定ヘッドとともにクリーニング対象とした場合に印刷の効率および品質の少なくとも一方が向上する印刷ヘッドを前記追加ヘッドとして選定する、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記追加ヘッド選定部は、前記印刷機固有情報に基づき、前記残余ヘッドのうちクリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間に比べて短くなる印刷ヘッドを前記追加ヘッドとして選定する、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記追加ヘッド選定部は、前記印刷機固有情報に基づき、前記残余ヘッドのうち、クリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間から増大せずかつ印刷の効率または品質が向上する印刷ヘッドを、前記追加ヘッドとして選定する、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記追加ヘッド選定部は、前記残余ヘッドのうち前記指定ヘッドのみのクリーニングが実行された場合に乾燥によって状態が悪化する印刷ヘッドを前記追加ヘッドとして選定する、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  6. 前記追加ヘッド選定部は、前記残余ヘッドのうち、前記複数の印刷ヘッドの前記印刷媒体の幅方向のサイズが前記印刷媒体の幅よりも広いために印刷中にインクを吐出しない印刷ヘッドを、前記追加ヘッドとして選定する、請求項5に記載のインクジェット印刷装置。
  7. 前記追加ヘッド選定部は、前記残余ヘッドのうち、前記複数の印刷ヘッドの前記印刷媒体の幅方向のサイズが前記印刷媒体の幅よりも広いために吐出不良検出用のテストパターンの印刷によっては吐出不良を検出できない印刷ヘッドを、前記追加ヘッドとして選定する、請求項5に記載のインクジェット印刷装置。
  8. 前記追加ヘッド選定部は、前記印刷ジョブに関する情報に基づき、前記指定ヘッドに対してクリーニングを実行した後に印刷されるべき印刷ジョブの印刷条件に応じて前記追加ヘッドを選定する、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  9. 前記追加ヘッド選定部は、前記印刷条件で特定される前記印刷媒体の幅に応じて前記追加ヘッドを選定する、請求項8に記載のインクジェット印刷装置。
  10. 前記追加ヘッド選定部は、前記印刷条件で特定される印刷品質に応じて前記追加ヘッドを選定する、請求項8に記載のインクジェット印刷装置。
  11. 前記制御部は、履歴情報記憶部を含み、前記複数の印刷ヘッドのそれぞれにつき、メンテナンス、吐出動作、および、吐出不良検査のうち少なくとも1つの履歴を示す情報を前記履歴情報記憶部に蓄積し、
    前記追加ヘッド選定部は、前記履歴情報記憶部に蓄積された前記情報に基づき前記残余ヘッドの中から前記追加ヘッドを選定する、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  12. 前記追加ヘッド選定部は、前記履歴情報記憶部に蓄積された前記情報に基づき、直近のクリーニングの実施時点からの経過時間が所定時間を超えていること、インクの吐出量または吐出動作時間が上限値を超えるかまたは下限値を下回ること、直近のインクの吐出動作時点からの経過時間が所定時間を超えていること、および、吐出不良の検出頻度が所定値を超えていることのうち、少なくとも1つの条件を満たす印刷ヘッドを、前記残余ヘッドの中から前記追加ヘッドとして選定する、請求項11に記載のインクジェット印刷装置。
  13. 前記追加ヘッド選定部は、印刷部が互いに色の異なる印刷ヘッドを含み前記クリーニング機構が同一色の印刷ヘッドを単位としてクリーニング可能に構成されている場合、前記印刷機固有情報に基づき、指定ヘッドのうちクリーニングの所要時間が最も長い色の印刷ヘッドのクリーニング所要時間よりも長くならない範囲で前記残余ヘッドの中から前記追加ヘッドを選定する、請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  14. 利用者による入力操作を受け付ける操作部を更に備え、
    前記操作部は、前記追加ヘッド選定部による前記追加ヘッドの選定のために付加すべき条件を指定する入力操作を受け付け、
    前記追加ヘッド選定部は、前記入力操作により指定された条件を満たすように前記追加ヘッドを選定する、請求項1から13のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  15. 前記操作部は、前記残余ヘッドのうちクリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間に比べて短くなる印刷ヘッドを前記追加ヘッドとして選定する場合に、短縮時間を指定する入力操作を受け付け、
    前記追加ヘッド選定部は、前記追加ヘッドをクリーニング対象に含めることにより前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間に比べて短くなる時間が前記短縮時間よりも大きくなるように前記追加ヘッドを選定する、請求項14に記載のインクジェット印刷装置。
  16. 前記操作部は、前記追加ヘッドとして選定すべき印刷ヘッドの最大個数を指定する入力操作を受け付け、
    前記追加ヘッド選定部は、前記追加ヘッドとして選定される印刷ヘッドの個数が前記最大個数を超えないように前記追加ヘッドを選定する、請求項14に記載のインクジェット印刷装置。
  17. 前記追加ヘッド選定部は、
    前記印刷機固有情報、前記印刷ジョブに関する情報、前記残余ヘッドの乾燥状態を示す情報、前記残余ヘッドの吐出動作履歴、および、前記残余ヘッドのメンテナンス履歴のうち少なくとも1つに基づき選定された追加ヘッドを示す表示部と、
    利用者による入力操作を受け付ける操作部とを含み、
    前記操作部は、前記表示部により示される前記追加ヘッドをクリーニング対象として受け入れるか否かを指示する入力操作を受け付け、
    前記追加ヘッド選定部は、前記表示部により示される前記追加ヘッドのうちいずれかの追加ヘッドをクリーニング対象として受け入れないことが前記入力操作により指示された場合に、受け入れないことが指示された当該追加ヘッドを、前記クリーニング機構によってクリーニングが実行されるべき追加ヘッドから除外する、請求項1から13のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
  18. 印刷媒体を搬送しつつ複数の印刷ヘッドから当該印刷媒体にインクを吐出することにより前記印刷媒体への印刷を行うインクジェット印刷装置のクリーニング方法であって、
    前記複数の印刷ヘッドの吐出状態を示す情報に基づき、クリーニングを実行すべき場合に、クリーニング対象とすべき印刷ヘッドを指定ヘッドとして示すクリーニング開始指示を出力するクリーニング起動ステップと、
    前記クリーニング開始指示が出力されると、クリーニングに関連する構成または機能を示す印刷機固有情報、印刷ジョブに関する情報、前記複数の印刷ヘッドにおける前記指定ヘッド以外の印刷ヘッドである残余ヘッドの乾燥状態を示す情報、当該残余ヘッドの吐出動作履歴、および、当該残余ヘッドのメンテナンス履歴のうち少なくとも1つに基づき、当該残余ヘッドのうち前記指定ヘッドとともにクリーニング対象とすべき印刷ヘッドを追加ヘッドとして選定する追加ヘッド選定ステップと、
    前記クリーニング開始指示に応じて前記追加ヘッドが選定されると、前記指定ヘッドおよび前記追加ヘッドに対するクリーニングを実行するクリーニング実行ステップとを備える、クリーニング方法。
  19. 前記追加ヘッド選定ステップでは、前記印刷機固有情報に基づき、前記残余ヘッドのうちクリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間に比べて短くなる印刷ヘッドが前記追加ヘッドとして選定される、請求項18に記載のクリーニング方法。
  20. 前記追加ヘッド選定ステップでは、前記印刷機固有情報に基づき、前記残余ヘッドのうち、クリーニング対象に含めることによりクリーニングの所要時間が前記指定ヘッドのみのクリーニングの所要時間から増大せずかつ印刷の効率または品質が向上する印刷ヘッドが、前記追加ヘッドとして選定される、請求項18に記載のクリーニング方法。
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