JP2023027881A - 拡散及び注入ガンのメンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばイソシアネート及びポリオールを混合して発泡ウレタン樹脂を吹き付ける拡散及び注入ガンを現場でメンテナンスできるようする。【解決手段】例えばイソシアネート及びポリオールを混合して発泡ウレタン樹脂を吹き付ける拡散及び注入ガン1のメンテナンス方法であって、洗浄剤によりガン内部の洗浄を終えた拡散及び注入ガン1に対し、薬剤の供給口からフタル酸系可塑剤を注入し、ガン内部に充填させることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば2種類の薬剤を混合して発泡ウレタン樹脂を吹き付ける拡散及び注入ガンのメンテナンス方法に関する。
例えば2種類の薬剤を混合して発泡ウレタン樹脂を吹き付ける拡散及び注入ガンは、使用する度にガン内部を洗浄し、ガン内部の防錆やガン内部の部材の固着を防止することを目的としてグリスをガン内部に充填する。ガン内部の洗浄は、拡散及び注入ガンを分解して専用の洗浄剤を用いて洗浄する場合のほか、分解しない拡散及び注入ガンに薬剤の供給口から洗浄剤を供給して洗浄する場合がある(特許文献1・[0023])。ガン内部の洗浄を終えた拡散及び注入ガンは、組み立てられた状態で薬剤の供給口からグリスを注入し、グリスをガン内部に充填した状態を保って、次回の使用に備える。
特開2001-259486号公報
ガン内部の洗浄を終えた拡散及び注入ガンのガン内部に充填するグリスは、粘度が高く、専用装置を用いなければガン内部に充填できない。このため、ガン内部の洗浄からグリスの充填までのメンテナンスは、拡散及び注入ガンを使用した現場で完了できず、専用のメンテナンス場に拡散及び注入ガンを持ち帰る必要があった。拡散及び注入ガンは、同一現場で繰り返して使用されることもあり、前後の使用の間にメンテナンス場に拡散及び注入ガンを持ち帰ってメンテナンスすることは、拡散及び注入ガンの稼働率の観点から非能率的であった。そこで、現場で拡散及び注入ガンをメンテナンスできるように、検討した。
検討の結果開発したものが、2種類の薬剤を混合して発泡ウレタン樹脂を吹き付ける拡散及び注入ガンのメンテナンス方法であって、洗浄剤によりガン内部の洗浄を終えた拡散及び注入ガンに対し、薬剤の供給口からフタル酸系可塑剤を注入し、ガン内部に充填させることを特徴とする拡散及び注入ガンのメンテナンス方法である。拡散及び注入ガンは、ガン内部にフタル酸系可塑剤を充填させた状態を再使用時まで維持される。ガン内部に充填されたフタル酸系可塑剤は、拡散及び注入ガンの再使用時に、供給される薬剤によって吐出口から押し出されて排出される。
拡散及び注入ガンのガン内部に充填されたフタル酸系可塑剤は、ガン内部の防錆を図り、ガン内部の部材の固着を防止する。フタル酸系可塑剤は、拡散及び注入ガンの再使用時に供給される薬剤に混合しても有害物質を発生させない。使用されるフタル酸系可塑剤は、DOP(フタル酸ビス)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、DUP(フタル酸ジウンデシル)等があり、特にDOPが好ましい。
フタル酸系可塑剤が注入される拡散及び注入ガンは、先行してガン内部が洗浄されていればよい。ガン内部が洗浄された拡散及び注入ガンは、従来通り、分解された状態でガン内部を洗浄剤により洗浄し、再び組み立てたものでもよいし、組み立てられた状態でガン内部に洗浄剤を流し込み、ガン内部を洗浄したものでもよい。使用される洗浄剤は、特に限定されないが、従来一般に使用されるジクロロメタンが例示される。
拡散及び注入ガンは、組み立てられた状態で、順次洗浄剤、フタル酸系可塑剤をガン内部に流し込むようにすれば、分解が不要になる。具体的には、拡散及び注入ガンは、組み立てられた状態で、薬剤の供給口に接続したホースを通じて洗浄剤をガン内部に注入し、吐出口から洗浄液を吐出させながらガン内部を洗浄した後、前記ホースを通じてフタル酸系可塑剤をガン内部に注入し、吐出口を閉鎖させてフタル酸系可塑剤をガン内部に充填させれば、分解不要でメンテナンスできる。
組み立てられた状態の拡散及び注入ガンに注入する洗浄剤とフタル酸系可塑剤とは、注入する薬液が異なるだけで、両者に注入手段(例えばホースやエアコンプレッサ)を共用することができる。注入手段を共用する場合、洗浄剤用タンクと可塑剤用タンクとを注入手段に接続し直す場合と、洗浄剤用タンク及び可塑剤用タンクを並列に注入手段に接続しておき、適宜切り替え得る場合とがある。
本発明により、拡散及び注入ガンは洗浄後、ガン内部にフタル酸系可塑剤を充填させるだけで、ガン内部の防錆やガン内部の部材の固着を防止するメンテナンスができる。そして、洗浄剤を充填させた洗浄剤用タンクや、フタル酸系可塑剤を充填させた可塑剤用タンクを現場に持ち込めば、洗浄からフタル酸系可塑剤の充填までの一連の作業を、拡散及び注入ガンを使用する現場で実行できる。拡散及び注入ガンのメンテナンスは、間断的な作業の間に必要なことから、メンテナンス場へ持ち帰らずに現場で実施できると大変便利である。こうして、本発明によれば、拡散及び注入ガンの稼働率を高める効果がもたらされる。
拡散及び注入ガンは、組み立てられた状態で、薬剤の供給口に接続したホースを通じて洗浄剤をガン内部に注入し、吐出口から洗浄液を吐出させながらガン内部を洗浄した後、前記ホースを通じてフタル酸系可塑剤をガン内部に注入し、吐出口を閉鎖させてフタル酸系可塑剤をガン内部に充填させると、分解が不要になるので、メンテナンスの能率が向上できる。これは、拡散及び注入ガンのメンテナンスにおける作業者負担が軽減されるほか、拡散及び注入ガンの稼働率を高める効果をもたらす。
本発明を利用する際に用いられる装置構成の一例を表すブロック図である。 本例の装置構成における洗浄工程を表すブロック図である。 本例の装置構成における可塑剤充填工程を表すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明は、例えば薬剤としてイソシアネート及びポリオールの2液を並列に供給し、ガン内部のチャンバーで両薬剤を混合させて、発泡ウレタンを吐出口12から吐出させる拡散及び注入ガン1を現場で間断的に使用する際、不使用時の拡散及び注入ガン1のメンテナンスに利用される。メンテナンスは、薬剤供給ホースを接続したマニホールドを外しただけで組み立てた状態にある拡散及び注入ガン1に対して実施される。
本例のメンテナンス方法は、図1に見られるように、使用を終えた拡散及び注入ガン1に、アダプタ11を介して洗浄剤用タンク2又は可塑剤用タンク3を選択的に接続し、洗浄剤用タンク2からは洗浄剤を、可塑剤用タンク3からはフタル酸系可塑剤をガン内部に供給される。アダプタ11は、1本の共用ホース4を拡散及び注入ガン1の薬剤供給口13の2つの開口に接続する二股の分岐路である。共用ホース4が二股仕様であれば、アダプタ11を用いることなく、共用ホース4を直接薬剤供給口13に接続してもよい。洗浄剤用タンク2及び可塑剤用タンク3は、別々に用意されてもよいし、例えば移動自在なキャリアーに併せて搭載され、メンテナンス装置として用意されてもよい。
切り替えバルブ41は、切り替えレバーにより2つの入力口と出力口との接続を手動で切り替える。切り替えバルブ41は、制御装置により自動で切り替えるようにしてもよい。本例のメンテナンス方法では、洗浄剤の供給を終えた後、共用ホース4を利用して、直ちにフタル酸系可塑剤をガン内部に供給できるように、切り替えバルブ41を用いて、共用ホースとの接続を洗浄剤用ホース21及び可塑剤用ホース41で切り替えている。洗浄剤用ホース21及び可塑剤用ホース41は、それぞれ直接アダプタ11に接続するようにして、順番に着脱させてもよい。
洗浄剤用タンク2は、タンク供給口から延びる洗浄剤用ホース21を切り替えバルブ41の入力口の一方に接続する。洗浄剤用タンク2は、エアコンプレッサ6から延びる二股のエア供給ホース5の一方をタンク加圧口に接続する。洗浄剤は、エアコンプレッサ6から供給される圧縮空気によりタンク供給口から押し出され、洗浄剤用ホース21、切り替えバルブ41、共用ホース4、アダプタ11を経て、ガン内部に供給される。本例の洗浄剤は、ジクロロメタンである。
同様に、可塑剤用タンク3は、タンク供給口から延びる可塑剤用ホース31を切り替えバルブ41の入力口の他方に接続する。可塑剤用タンク2は、エアコプレッサ6から延びる二股のエア供給ホース5の他方をタンク加圧口に接続する。可塑剤は、エアコンプレッサ6から供給される圧縮空気によりタンク供給口から押し出され、可塑剤用ホース31、切り替えバルブ41、共用ホース4、アダプタ11を経て、ガン内部に供給される。本例のフタル酸系可塑剤は、DOP(フタル酸ビス)である。
拡散及び注入ガン1は、共用ホース4、洗浄剤用ホース21及び可塑剤用ホース31を用いて洗浄剤用タンク2及び可塑剤用タンク3を切り替え選択自在に接続し、洗浄剤用タンク2及び可塑剤用タンク3それぞれに並列にエア供給ホース5を接続した状態(図1参照)から、メンテナンスを始める。拡散及び注入ガン1は、使用を終え、薬剤供給ホースが接続されたマニホールドだけが分離された状態にあるとする。マニホールドから薬剤供給ホースは、洗浄ガンと別に洗浄を含めたメンテナンスが施される。
まず、切り替えバルブ41を共用ホース4及び洗浄剤用ホース21の接続に切り替えてエアコンプレッサ6を始動させる。圧縮空気は、洗浄剤用タンク2及び可塑剤用タンク3共に供給されるが、洗浄剤用タンク2のみが拡散及び注入ガン1と接続されているため、フタル酸系可塑剤が拡散及び注入ガン1に供給されることはない。拡散及び注入ガン1は、図2に見られるように、引き金14を引くとチャンバーが後退し、アダプタ11の開口と吐出口12とがチャンバーを介して連通状態となり、圧縮空気に押された洗浄剤がガン内部に供給されて吐出口12から排出されることにより、ガン内部が洗浄される。
吐出口12から排出される洗浄剤に異物が混ざらなくなれば、ガン内部の洗浄が完了する。そこで、エアコンプレッサ6を作動させたまま、切り替えバルブ41を共用ホース4及び可塑剤用ホース31の接続に切り替えると、図3に見られるように、洗浄剤に変わって、フタル酸系可塑剤がガン内部に供給され、吐出口12から排出される。そして、フタル酸系可塑剤が吐出口12からある程度排出された時点で引き金14を戻すと、フタル酸系可塑剤がガン内部からアダプタ11の開口までに充填された状態で、フタル酸系可塑剤の供給が停止する。この状態からエアコンプレッサ6を停止させ、拡散及び注入ガン1からアダプタ11を外して薬剤供給口を塞げば、拡散及び注入ガン1の洗浄からフタル酸系可塑剤の充填までの一連の作業が完了する。
拡散及び注入ガン1は、次回作業まで、フタル酸系可塑剤をガン内部に充填した状態を維持する。フタル酸系可塑剤が充填されたガン内部は、水分が接触しないので錆びる恐れがない。また、フタル酸系可塑剤が潤滑油として働き、ガン内部の部材の固着が防止され、即時使用に適した状態に拡散及び注入ガン1を保持できる。拡散及び注入ガン1は、次回作業の始めに、薬剤供給口13を開いて薬剤供給ホースを接続したマニホールドを取り付ける。そして、拡散及び注入ガン1は、薬剤の供給を開始されれば、薬剤がガン内部に充填されたフタル酸系可塑剤を押し出して吐出口12から排出させ、その後混合された薬剤が発泡ウレタンとして吐出口12から放出されるようになる。
1 拡散及び注入ガン
11 アダプタ
12 吐出口
13 薬剤供給口
14 引き金
2 洗浄剤用タンク
21 洗浄剤用ホース
3 可塑剤用タンク
31 可塑剤用ホース
4 共用ホース
41 切り替えバルブ
5 エア供給ホース
6 エアコンプレッサ

Claims (2)

  1. 2種類の薬剤を混合して発泡ウレタン樹脂を吹き付ける拡散及び注入ガンのメンテナンス方法であって、
    洗浄剤によりガン内部の洗浄を終えた拡散及び注入ガンに対し、薬剤の供給口からフタル酸系可塑剤を注入し、ガン内部に充填させることを特徴とする拡散及び注入ガンのメンテナンス方法。
  2. 拡散及び注入ガンは、組み立てられた状態で、
    薬剤の供給口に接続したホースを通じて洗浄剤をガン内部に注入し、吐出口から洗浄液を吐出させながらガン内部を洗浄した後、
    前記ホースを通じてフタル酸系可塑剤をガン内部に注入し、吐出口を閉鎖させてフタル酸系可塑剤をガン内部に充填させる請求項1記載のメンテナンス方法。

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