JP2023026858A - 積層体及びその製造方法、包装体並びに包装物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バリア層とシーラント層との間に中間基材層を含む積層体において、内容物に含有される成分に対する耐吸着性に優れ、且つ、強浸透性物質によるラミネート強度の低下が抑制された積層体を提供すること。【解決手段】 本発明の実施形態に係る積層体は、基材層と、バリア層と、中間基材層と、第1接着層と、接着性樹脂層とシーラント層とをこの順序で具備する。上記中間基材層はポリアミド系樹脂を含み、上記第1接着層は2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含み、上記接着性樹脂層は低密度ポリエチレン樹脂又はエチレン-メタクリル酸共重合体を含み、上記シーラント層は環状オレフィン系樹脂を含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層体及びその製造方法、包装体並びに包装物品に関する。
包装材料などとして使用される積層体では、シーラント層に熱可塑性樹脂が用いられている。この熱可塑性樹脂としては、ラミネート加工性及びヒートシール性に優れる点から、特には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等が使用されている。
しかしながら、それら樹脂は、優れたヒートシール性により高い密着強度を達成できる反面、医薬品や食品などに含まれる成分を吸着し易い。従って、それら樹脂からなるシーラント層を、内容物を収容する空間と接するように含んだ包装体は、内容物を変質又は劣化させ易い。
このため医薬品や食品などの包装に使用する積層体には、低吸着性素材であるポリエステル系樹脂やポリアクリロニトリル系樹脂がシーラント層に用いられてきた。しかしながら、ポリエステル系樹脂フィルムはヒートシール性が劣る問題があり、ポリアクリロニトリル系樹脂フィルムは製膜性に劣り、またコストや安定した調達の観点からも問題があった。
特許文献1は、低吸着性および靭性に優れ、医薬品や食品等の包装に適した包装用フィルムを提供することを課題として、環状オレフィン樹脂からなる二軸配向フィルムを開示している。同文献では、ポリエチレンテレフタレート/バリア層(アルミ箔)/シーラント層からなる積層体において、シーラント層としてこの環状オレフィン樹脂フィルムを使用し、ドライラミネート法によりアルミ箔とシーラント層とを貼り合わせている(段落0043)。
このように、低吸着性のシーラント層とアルミ箔等のバリア層とを貼り合わせる場合、ドライラミネート法が一般的に利用される。その際、ドライラミネート用接着剤として二液硬化型のウレタン系接着剤が通常用いられる。
ところで、包装材料により包装される内容物が、浴用剤の香料、湿布剤成分、アルコール、あるいは各種殺菌剤などの強浸透性物質を含有する場合、長期の保存中に強浸透性物質が包装材料である積層体に浸透する問題がある。バリア層はガスバリア性を有するため、積層体に浸透した強浸透性物質はバリア層とシーラント層との間でトラップされ、バリア層とシーラント層間の接着層を溶解してしまい、ラミネート強度の低下を引き起こす。特に二液硬化型ウレタン系接着剤を用いた場合、強浸透性物質によるバリア層とシーラント層間のラミネート強度の低下は著しく、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすという問題があった。このため包装用積層体のシーラント層として特許文献1のような低吸着性シートを使用する場合、耐吸着性に加え、強浸透性物質に対する耐性の改善が所望される。
特許文献2は、バリア層(アルミ箔等)/接着層/シーラント層からなる積層体において、バリア層とシーラント層間に強浸透性物質がトラップされることによるラミネート強度の低下を抑制する接着剤として、イソシアネート系化合物を含む一液硬化型接着剤を開示している。
国際公開第2017/033810号 特許第4306278号公報
特許文献2に開示のイソシアネート系化合物を含有する接着剤は、バリア層/接着層/シーラント層からなる積層体において、バリア層とシーラント層間のラミネート強度が強浸透性物質の強い浸透力によって低下することを抑制するために開発された接着剤である。本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、バリア層とシーラント層間に中間基材層が含まれる積層体においては、接着剤層として上記接着剤を使用しても、強浸透性物質によるラミネート強度の低下を抑制できない場合があることがわかった。
本発明は、包装材料として使用され、バリア層とシーラント層との間に中間基材層を含む積層体において、内容物に含有される成分に対する耐吸着性に優れ、且つ、強浸透性物質によるラミネート強度の低下が抑制された積層体を提供することを目的とする。
本発明の第一側面によると、基材層と、バリア層と、中間基材層と、第1接着層と、接着性樹脂層と、シーラント層とをこの順序で具備し、上記中間基材層はポリアミド系樹脂を含み、上記第1接着層は2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含み、上記接着性樹脂層は低密度ポリエチレン樹脂又はエチレン-メタクリル酸共重合体を含み、上記シーラント層は環状オレフィン系樹脂を含む積層体が提供される。
本発明の第二側面によると、上記基材層と上記バリア層と上記中間基材層と上記第1接着層とをこの順序で具備する第1積層体を形成すること、上記接着性樹脂層を押出ラミネート法により形成すること、及び、上記第1接着層と上記シーラント層とが向き合うように、上記接着性樹脂層を間に挟んで上記第1積層体と上記シーラント層とを積層することを含む上記第一側面に係る積層体の製造方法が提供される。
本発明の第三側面によると、上記第一側面に係る積層体を含んだ包装体が提供される。
本発明の第四側面によると、上記第三側面に係る包装体と、これに包装された内容物とを含んだ包装物品が提供される。
本発明によれば、包装材料として使用され、バリア層とシーラント層との間に中間基材層を含む積層体において、内容物に含有される成分に対する耐吸着性に優れ、且つ、強浸透性物質によるラミネート強度の低下が抑制された積層体が提供される。
本発明の一実施形態に係る積層体の一例を概略的に示す部分断面図。 一変形例に係る積層体を概略的に示す部分断面図。 他の変形例に係る積層体を概略的に示す部分断面図。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。なお、同様又は類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の一例を概略的に示す断面図である。
図1に示す積層体1は、基材層11と、バリア層14と、中間基材層17と、第1接着層18と、接着性樹脂層19と、シーラント層20とをこの順序で含んでいる。第1接着層18と接着性樹脂層19は、中間基材層17とシーラント層20との間に介在し、中間基材層17とシーラント層20とを接着している。本実施形態によれば、バリア層14とシーラント層20との間に中間基材層17を含む形態においても、バリア層14とシーラント層20間の強浸透性物質によるラミネート強度の低下を抑制することができる。
積層体1が含んでいる各層について、以下に説明する。
(基材層)
基材層11は、例えば、紙、樹脂フィルム又はそれらの組み合わせである。樹脂フィルムとしては例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、又はセロハンを使用することができる。
樹脂フィルムは、積層体1に機械的強度を付与する観点からは、延伸されたフィルムとすることができる。基材層11として1軸または2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を含むことは、腰強度が高い積層体1を得る上で有利である。
基材層11の厚さは、一例によれば、3μm乃至200μmの範囲にあり、他の例によれば、6μm乃至30μmの範囲にある。
基材層11の主面には、用途に応じて印刷層を設けてもよい。印刷層は、基材層11の2つの主面のうち、バリア層14側の主面に設けてもよく、その裏面に設けてもよく、それらの双方に設けてもよい。
(バリア層)
バリア層14は、水蒸気や酸素等の気体の透過性を低減させるガスバリア性を有する層である。
バリア層14は、例えば、アルミニウム層又は無機酸化物層からなる単層であってもよいし、アルミニウム層又は無機酸化物層を含む多層構造であってもよい。バリア層14は、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム又は透明蒸着フィルムである。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)樹脂層は、アルミニウム層又は無機酸化物層との組み合わせにおいてバリア層14を構成し、この樹脂層のみからなるものはバリア層14から除外される。
アルミニウム箔の厚さは、一例によれば、3μm乃至200μmの範囲にあり、他の例によれば、5μm乃至100μmの範囲にあることがより好ましい。アルミニウム箔が薄すぎると、基材と貼り合わせる際の取り扱いが困難である。一方、アルミニウム箔は、一定の厚さ以上ではバリア性の向上が見込めずコスト高となり、包装材としても柔軟性が劣ってくる傾向となり扱いづらいものとなる。
アルミニウム蒸着フィルムは、第1樹脂層の上にアルミニウム層を蒸着したフィルムである。第1樹脂層は、例えば、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム又は二軸延伸されたポリプロピレンフィルムである。
第1樹脂層の厚さは、特に制限される訳ではないが、一例によれば、3μm乃至200μmの範囲にあり、他の例によれば、6μm乃至30μmの範囲にある。アルミニウム蒸着層の厚さは、一例によれば、5nm乃至100nmの範囲にある。アルミニウム蒸着層が薄すぎると、十分に水蒸気及び酸素等の気体の侵入を防ぐことができない可能性がある。一方、厚いアルミニウム蒸着層は、コスト高となるばかりでなく、蒸着層にクラックが入りやすくなるなりバリア性の低下に繋がる懸念がある。
透明蒸着フィルムは、第2樹脂層の上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の手段により無機酸化物層を形成したものである。第2樹脂層は、上掲の第1樹脂層と同じフィルムを採用することができる。
無機酸化物層は、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物からなる。無機酸化物薄膜層の多くは無色あるいはごく薄く着色した透明な層であり、包装材料として透明性が必要な場合には好適に採用できる。また、金属層とは異なりマイクロ波を透過させるため、電子レンジで加熱する食品等の包装材への使用も可能である。
無機酸化物層の厚さは、一例によれば、5nm乃至300nmの範囲にあり、他の例によれば、10nm乃至150nmの範囲にある。無機酸化物層が薄すぎると、均一な膜が得られないことや厚さが十分でないことがあり、バリア層14としての機能を十分に果たすことができない場合がある。一方、無機酸化物層が厚すぎると、積層体1を折り曲げたり引っ張ったりした場合に、無機酸化物層に亀裂を生じる可能性がある。
透明蒸着フィルムとしては、例えば、商品名「GL FILM」及び「PRIME BARRIER(商標登録)」(何れも凸版印刷株式会社製)等の市販品を使用することができる。
バリア層14が例えば蒸着層からなる単層の場合は、図1に示すように基材11の一方の主面上に積層され得る。バリア層14が例えばアルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム又は透明蒸着フィルムである場合は、図示しない接着層を介して基材層11の一方の主面上にドライラミネートされ得る。接着層としては、ドライラミネート用接着剤として一般的に使用される二液硬化型ウレタン系接着剤などを使用することができ、グラビアコート法、ロールコート法などの公知の塗布方法を利用することができる。
(中間基材層)
中間基材層17は、ポリアミド系樹脂を含有する。中間基材層17は、積層体1の強度を向上させる。更に、中間基材層17がポリアミド系樹脂を含有することで、隣接する第1接着層18との接着強度が高まり、強浸透性物質によるデラミネーション(剥離)の抑制に貢献する。すなわち、このポリアミド系樹脂に含有されるアミド結合が、隣接する第1接着層18に含有されるイソシアネート系化合物のイソシアネート結合と反応し、界面で強固なウレア結合を形成する。このため強浸透性物質によるラミネート強度の低下が抑制される結果、ラミネーション(剥離)の発生が防止される。
ポリアミド系樹脂は、例えば、脂肪族骨格を含むポリアミドである。ポリアミド系樹脂として、例えば、脂肪族ポリアミド重合体又は脂肪族ポリアミド共重合体が用いられる。ポリアミド系樹脂の具体例として、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、及びナイロン46などの脂肪族ポリアミド重合体、ナイロン6-66、ナイロン6-610、ナイロン66-610、ナイロン6-12などの脂肪族ポリアミド共重合体を例示することができる。脂肪族ポリアミドは、単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
中間基材層17は、ポリアミド系樹脂以外の材料を更に含むことができる。例えば、中間基材層17は、スリップ剤などの添加剤を更に含むことができる。中間基材層17の質量に占めるポリアミド系樹脂の割合は、99.0質量%以上であることが好ましく、99.9質量%以上であることが好ましい。
中間基材層17の厚さは、3μm乃至200μmの範囲にあることが好ましく、6μm乃至30μmの範囲にあることがより好ましい。
中間基材層17は、例えば、図示しない接着層を介して、バリア層14の主面のうち基材層11側とは反対側の主面上にドライラミネートされてよい。接着層としては、ドライラミネート用接着剤として一般的に使用される二液硬化型ウレタン系接着剤などを使用することができ、グラビアコート法、ロールコート法などの公知の塗布方法を利用することができる。
中間基材層17の主面には、用途に応じて印刷層を設けてもよい。印刷層は、中間基材層17の2つの主面のうち、基材層11側の主面に設けてもよく、その裏面に設けてもよく、それらの双方に設けてもよい。
(第1接着層)
第1接着層18は、2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含む1液硬化型接着剤由来の層であり、2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含む。
2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、ジイソシアネートモノマー、又は、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプあるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体が挙げられる。2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物として、具体的には、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート及びその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーを使用することが可能である。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を用いることができる。
第1接着層18は、隣接する接着性樹脂層19との二層構成で中間基材層17とシーラント層20とを接着する。これら二層の協同により、バリア層14とシーラント層20との間のラミネート強度を改善し、アルコール、薬効成分、香料成分などの揮発性物質を含む各種強浸透性物質が積層体1に作用しても、バリア層14とシーラント層20間のラミネート強度が低下することがなく、所期の接着性と強浸透性内容物耐性をもたらしている。
第1接着層18は、一例によると、上掲のジイソシアネートモノマー又はその誘導体を、固形分割合で例えば1.0乃至10.0質量%で含有する塗工液を、中間基材層17の基材層11側とは反対側の主面上に塗工して形成することができる。第1接着層18の面積あたりの質量(乾燥状態)は、0.05乃至0.25g/mの範囲にあることが好ましく、0.10乃至0.20g/mの範囲にあることがより好ましい。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層19は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)又はエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)を含む。接着性樹脂層19はシーラント層20に対し良好な接着強度を示すため、ポリアミド系樹脂を含む中間基材層17に対し良好な接着強度を示す第1接着層18と協同して、バリア層14とシーラント層20間のラミネート強度を改善し、積層体1に所期の接着性と強浸透性内容物耐性をもたらす。
接着性樹脂層19は、押出ラミネート法により形成される押出樹脂層である。すなわち、接着性樹脂層19は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)又はエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)を含有する溶融樹脂を、中間基材層17の第1接着層18が形成された主面上、又は、シーラント層20の一方の主面上に、押出ラミネート法を用いて形成される。
低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)は、高圧法など公知の製造方法によって得られる。低密度ポリエチレン樹脂は、例えば、ナフサを熱分解して得られたエチレンを重合させることで得られる。低密度ポリエチレン樹脂は、一例によると、温度が190℃であり、荷重が21.168N(=2.16kgf)である場合のメルトフローレート(MFR)が、3.6g/10分乃至13.0g/10分の範囲にあることが好ましく、4.0g/10分乃至13.0g/10分の範囲にあることがより好ましく、5g/10分乃至10.5g/10分の範囲にあることが更に好ましい。なお、ここで述べるメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210:1999に準拠した方法で得られた測定値である。メルトフローレート(MFR)は、具体的には、190℃で2.16kgfの荷重を樹脂に掛けた時に10分間で吐出される樹脂重量の測定値である。以下、用語「メルトフローレート(MFR)」は、この方法によって得られる値を意味することとする。
低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)として、メルトフローレート(MFR)が上記範囲にあるものを使用した場合、押出ラミネートに適した物性が得られ、しかも、高速製膜を行った場合にも不都合を生じ難い。そして、この場合、均質な層を形成することができる。
低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の密度は、0.915g/cm乃至0.925g/cmの範囲にあることが好ましく、0.915g/cm乃至0.922g/cmの範囲にあることがより好ましい。低密度ポリエチレン樹脂の密度が小さすぎると、接着性樹脂層19の製膜が不安定となる可能性が高い。低密度ポリエチレン樹脂の密度が高すぎると、製膜が不安定になる。なお、ここで述べる密度とは、JIS K7112:1999に準拠した方法で得られた測定値である。
低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の市販品としては、例えば、「LC607K」(温度190℃、荷重21.168NにおけるMFR;8.0g/10分、密度;0.919g/cm)及び「LC520」(温度190℃、荷重21.168NにおけるMFR;3.6g/10分、密度;0.923g/cm)が挙げられる。これら樹脂は、いずれも日本ポリエチレン株式会社製である。また、住友化学社製のLDPE「L417」も接着性樹脂層19として好適に使用することができる。
接着性樹脂層19に含まれる低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とは主鎖に対する側鎖の分岐の炭素数が異なる。低密度ポリエチレン樹脂は、炭素数約20個を超える長鎖分岐を有する。一方、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、炭素数約20個を超える長鎖分岐を有さない。低密度ポリエチレン樹脂は、押出製膜時における耳揺れ現象やネックイン現象が発生しにくいという点で直鎖状低密度ポリエチレン樹脂よりも優れる。また、低密度ポリエチレン樹脂は、引裂性においても直鎖状低密度ポリエチレン樹脂よりも優れる。
押出ラミネート法を用いて接着性樹脂層19とシーラント層20を積層する場合は、低密度ポリエチレン樹脂の融点が100℃乃至120℃の範囲にあれば良好に製膜できる。また、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の融点は、100℃乃至110℃の範囲にあることがより好ましい。融点が120℃以上になると、耳揺れ現象やネックイン現象により加工が困難となる。
エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)のメタクリル酸含有量(以下、酸含有量という)は、4質量%乃至11質量%の範囲にあることが好ましい。この酸含有量を過剰に小さくすると、接着性樹脂層19と第1接着層18との接着強度が低くなる傾向にあり、長期保管時にデラミネーション等の不具合を生じる可能性が高まる。また、この酸含有量を過剰に高くすると、接着性樹脂層19とシーラント層20との接着強度が低くなる傾向にある。
エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)は、MFRが7.0g/10分乃至15.0g/10分の範囲にあることが好ましい。
エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)として、メルトフローレートが上記範囲にあるものを使用した場合、押出ラミネートに適した物性が得られ、しかも、高速製膜を行った場合にも不都合を生じ難い。そして、この場合、均質な層を形成することができる。
エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)は、融点が90℃乃至110℃の範囲にあることが好ましい。好適な環状オレフィン系樹脂は、最適押出温度が比較的低い。エチレン-メタクリル酸共重合体として融点が低いものを使用した場合、エチレン-メタクリル酸共重合体の融点と環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度との差が小さくなる。即ち、それらの最適押出温度を近づけることができる。それ故、この場合、高品質な層を高速に形成することができる。
エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)は、例えば、高圧法で重合された樹脂である。エチレン-メタクリル酸共重合体の市販品としては、例えば、三井・デュポンポリケミカル株式会社製の「ニュクレル(登録商標)N1108C」が挙げられる。
接着性樹脂層19の厚さは、好ましくは5μm以上である。また、接着性樹脂層19の厚さは、好ましくは5μm乃至30μm未満の範囲であり、より好ましくは5μm乃至25μmの範囲である。接着性樹脂層19の厚さを過剰に薄くすると、接着性樹脂層19の製膜が不安定となる。接着性樹脂層19の厚さを過剰に厚くすると、吸着を生じやすくなる。
接着性樹脂層19は、添加剤を更に含むことができる。添加剤は、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、及び着色剤の1以上である。
(シーラント層)
シーラント層20は、環状オレフィン系樹脂を含んでいる。シーラント層20は、積層体1にヒートシール性を付与するのに加え、積層体1の非吸着性を高める役割を担っている。
シーラント層20は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。例えば、シーラント層20は、環状オレフィン系樹脂を含む単層構造であってもよいし、環状オレフィン系樹脂を含む層と、他の樹脂層とを備えた多層構造であってもよい。他の樹脂層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合させた開環メタセシス重合体(COP)、環状オレフィンとα-オレフィン(鎖状オレフィン)との共重合体、即ち、環状オレフィンコポリマー(COC)、又はそれらの混合物であることが好ましい。
環状オレフィンとしては、エチレン系不飽和結合及びビシクロ環を有する任意の環状炭化水素を使用することができる。環状オレフィンは、特には、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(ノルボルネン)骨格を有するものが好ましい。
ノルボルネン骨格を有する環状オレフィンから得られる環状オレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環メタセシス重合体を使用することができる。そのような開環メタセシス重合体の市販品としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ZEONOR(ゼオノア;登録商標)」が挙げられる。ノルボルネン骨格を有する環状オレフィンから得られる環状オレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系環状オレフィンコポリマーを使用することができる。そのような環状オレフィンコポリマーの市販品としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル(登録商標)」、及び、TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbHが製造し、ポリプラスチックス株式会社が販売している「TOPAS(登録商標)」が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂としては、例えば、メタロセン触媒を使用してエチレンとノルボルネンを共重合した共重合体である環状オレフィンコポリマーを好適に用いることができる。環状ポリオレフィンコポリマーは、環状オレフィンポリマーと同等の非吸着性を備え、かつ、安価に入手可能である。メタロセン触媒を使用してエチレンとノルボルネンを共重合した共重合体としては、式(a)で表される繰り返し単位と式(b)で表される繰り返し単位とを含む共重合体を用いることができる。そのような環状オレフィン系樹脂
の市販品としては、例えば、TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbHが製造し、ポリプラスチックス株式会社が販売している「TOPAS(登録商標)」が挙げられる。
Figure 2023026858000002
好適な環状オレフィン系樹脂は、ガラス転移温度が、例えば、60℃乃至100℃の範囲にある。
シーラント層20は、添加剤を更に含むことができる。添加剤は、例えば、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、及び着色剤の1以上である。滑剤としては、例えば、高級脂肪酸金属塩、脂肪族アルコール、ポリグリコール、トリグリセリド、ワックス、フェノール系化合物、又は、それらの1以上を含んだ混合物を加工性を改善する目的で好適に使用することができる。ワックスは、天然由来のワックス、例えば、モンタンワックスなどの鉱物系ワックスであって
もよく、ポリエチレンワックスなどの合成ワックスであってもよい。
シーラント層20は、物理的強度の観点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸によることの他の利点は、薄いフィルムを製造可能なことである。環状オレフィン系樹脂はドローレゾナンスが発生しやすいため、例えば厚さが30μm以下であるような薄いフィルムを押出によって直接製造することは難しい。
シーラント層20の厚さは、好ましくは5μm以上である。また、シーラント層20の厚さは、好ましくは10μm乃至50μmの範囲であり、より好ましくは10μm乃至30μmの範囲である。シーラント層20を過剰に薄くすると、シーラント層20の製膜が不安定となり、吸着を抑制する効果が小さくなることがある。一方、シーラント層20を過剰に厚くした場合、シーラント層20の厚さの増加に伴う吸着抑制効果の向上は僅かである。
シーラント層20は、基材層11とバリア層14と中間基材層17と第1接着層18とをこの順序で具備する第1積層体と、押出ラミネート法により形成された押出樹脂層である接着性樹脂層19を間に挟んで、第1接着層18と向き合うように積層される。
例えば、シーラント層20がフィルムである場合、押出樹脂層である接着性樹脂層19を間に挟んで、サンドイッチラミネート法により第1積層体とシーラント層20とを貼り合わせて積層体1を形成することができる。
あるいは、第1積層体の第1接着層18上に、接着性樹脂層19とシーラント層20とを押出ラミネート法又は共押出ラミネート法により積層して積層体1を形成することができる。
<変形例>
積層体には、様々な変形が可能である。上述したように、本実施形態に係る積層体は、図1に示されない接着層を更に含んでいてよく、また、図1に示されない印刷層を更に含んでいてよい。以下に図2及び図3を参照しながら変形例を説明する。なお、図1を参照しながら説明した事項は、単独で又は複数を組み合わせて、ここに記載する変形例に係る積層体へ適用することができる。
図2は、一変形例に係る積層体を概略的に示す部分断面図である。
図2に示す積層体2は、基材層11と第2接着層13とバリア層14と第3接着層15と中間基材層17と第1接着層18と接着性樹脂層19とシーラント層20とをこの順序で具備する。基材層11とバリア層14との間に第2接着層13を含み、バリア層14と中間基材層17との間に第3接着層15を含むこと以外は、図1を参照しながら説明した積層体1と同様である。
第2接着層13及び第3接着層15は、例えば、ドライラミネート用接着剤として一般的に使用される二液硬化型ウレタン系接着剤などを塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、グラビアコート法、ロールコート法など公知の方法を用いることができる。
第2接着層13及び第3接着層15は、乾燥状態における面積あたりの質量が、一例によれば1.25乃至7.5g/mの範囲にあり、他の例によれば2.5乃至5.0g/mの範囲にある。
図3は、他の変形例に係る積層体を概略的に示す部分断面図である。
図3に示す積層体3は、基材層11と印刷層12と第2接着層13とバリア層14と第3接着層15と印刷層16と中間基材層17と第1接着層18と接着性樹脂層19とシーラント層20とをこの順序で具備する。基材層11と第2接着層13との間に印刷層12を含み、第3接着層15と中間基材層17との間に印刷層16を含むこと以外は、図2を参照しながら説明した積層体2と同様である。
印刷層15及び16は、積層体3、又は積層体3含む包装体もしくは包装物品を、商業製品として実用に供するために形成される層である。印刷層15及び16は、例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、及び塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダ樹脂に各種顔料、体質顔料、可塑剤、乾燥剤、及び安定剤等の添加剤が添加されているインキにより構成される層であって、文字及び絵柄等のパターンを表示している。印刷層15及び16の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、及びシルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、及びグラビアコート等の周知の塗布方式を用いることができる。
印刷層15及び16の厚さは、特に限定されるものではなく、一例によれば0.1乃至5μmの範囲にあり、他の例によれば0.2乃至1μmの範囲にある。
以下に、本発明に関連して行った試験について記載する。
<1>積層体の製造
(例1)
図2に示す積層体2を、以下の方法により製造した。
まず、基材層11として、厚さが12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を準備した。また、バリア層14として、厚さが20μmのアルミニウム箔を準備した。
次に、基材層11の一方の主面に、エステル系ウレタン接着剤(芳香族二液硬化型)を塗布して第2接着層13を形成した。この第2接着層13を間に挟んで基材層11とバリア層14とをドライラミネート法により積層し、基材層11/第2接着層13/バリア層14からなる積層体aを形成した。第2接着層13の乾燥状態における面積あたりの質量(塗布量)は、3.0g/mとした。
次いで、積層体aのバリア層14側に、第2接着層13で使用した接着剤と同じ接着剤を塗布して第3接着層15を形成した。この第3接着層15を間に挟んで積層体aと中間基材層17とをドライラミネート法により積層し、基材層11/第2接着層13/バリア層14/第3接着層15/中間基材層17からなる積層体bを形成した。第3接着層15の塗布量(乾燥状態)は3.0g/mとした。また、中間基材層17として、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)を使用した。
次いで、積層体bの中間基材層17側に、ジイソシアネートモノマーのビューレットタイプの脂肪族一液硬化型接着剤を塗布して第1接着層18を形成することにより、基材層11/第2接着層13/バリア層14/第3接着層15/中間基材層17/第1接着層18からなる第1積層体を製造した。ここで、ジイソシアネートモノマーのビューレットタイプの脂肪族一液硬化型接着剤として、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプ(配合質量比:ヘキサメチレンジイソシアネート/酢酸エチル=5/95、固形分濃度:4.98質量%)を使用した。第1接着層18の塗布量(乾燥状態)は0.25g/mとした。
次いで、第1積層体の第1接着層18側に、押出ラミネート法により接着性樹脂層19を形成し、この接着性樹脂層19を間に挟んで、第1接着層18とシーラント層20とが向き合うように貼り付けることにより、図2に示す積層体2を製造した。ここで、接着性樹脂層19として、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)(L417、住友化学(株)製;MFR5g/10min、密度0.922g/cm)を使用した。接着性樹脂層19の厚さ(積層後の厚み)は、13μmとした。シーラント層20として、環状オレフィンコポリマー(COC)の二軸延伸フィルム(TSC-1、倉敷紡績(株)製;厚さ25μm)を使用した。
(例2)
第1接着層18の塗布量(乾燥状態)を、0.25g/mから0.15g/mに変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体2を製造した。
(例3)
第1接着層18の塗布量(乾燥状態)を、0.25g/mから0.05g/mに変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体2を製造した。
(例4)
シーラント層20を、環状オレフィンコポリマー(COC)の二軸延伸フィルムから環状オレフィンコポリマー(COC)の未延伸フィルム(ME-1、倉敷紡績(株)製;厚さ25μm)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体2を製造した。
(例5)
接着性樹脂層19を、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)からエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)(N1108C、三井・ダウポリケミカル(株)製)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体2を製造した。
(例6)
バリア層14を、アルミニウム箔からアルミナ蒸着PETフィルム(GL-ARH、凸版印刷(株)製;厚さ20μm)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体2を製造した。
(例7)
シーラント層20を、環状オレフィンコポリマー(COC)の二軸延伸フィルムから、環状オレフィンコポリマー(COC)/ポリエチレンの共押出2層フィルム(MPシリーズ M3400MP、DIC株式会社製;厚さ30μm)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体2を製造した。
(比較例1)
以下の点を除き、例1と同様の方法により、積層体を製造した。
すなわち、例1で得た基材層11/第2接着層13/バリア層14/第3接着層15/中間基材層17からなる積層体bの中間基材層17側に接着剤Aを塗布し、接着層を形成した。この接着層上にシーラント層15をドライラミネート法により積層し、基材層11/第2接着層13/バリア層14/第3接着層15/中間基材層17/接着層/シーラント層20からなる積層体を得た。ここで、接着剤Aとして、第2接着層13及び第3接着層15で使用した接着剤と同じエステル系ウレタン接着剤(芳香族二液硬化型)した。シーラント層20として、例1で使用したフィルムと同じ二軸延伸COCフィルムを使用した。
(比較例2)
接着剤Aを、エステル系ウレタン接着剤(芳香族二液硬化型)からエステル系ウレタン接着剤(脂肪族二液硬化型)に変更した点を除き、比較例1と同様の方法により、積層体を製造した。
(比較例3)
シーラント層20を、環状オレフィンコポリマー(COC)の二軸延伸フィルムから、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)(MZ434、タマポリ(株)製;厚さ25μm)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体を製造した。
(比較例4)
シーラント層20を、環状オレフィンコポリマー(COC)の二軸延伸フィルムから、エチレン-メタクリル酸アイオノマーフィルム(EMAA)(N1108C三井・ダウポリケミカル(株)製;厚さ25μm)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体を製造した。
(比較例5)
シーラント層20を、環状オレフィンコポリマー(COC)の二軸延伸フィルムから、未延伸ポリプロピレン(CPP)(RS-503C、出光ユニテック(株)製;厚さ25μm)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体を製造した。
(比較例6)
中間基材層17を、二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)から厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体を製造した。
(比較例7)
バリア層14を、アルミニウム箔からポリエチレンテレフタレート(PET)に変更した点を除き、例1と同様の方法により、積層体を製造した。
<2>評価
例1乃至7、及び、比較例1乃至7の各積層体を用いて、評価用サンプルを作製した。まず、各積層体から10cm×10cmの試験片を2枚切り出し、シーラント層が内側になるように2枚の試験片を重ね、3辺をヒートシールして袋形状とした。次いで、その袋内にメントールを入れ、残りの辺をヒートシールすることにより、評価用サンプルとしてメントール含有包装袋を作製した。これらサンプルを温度40℃、相対湿度75%の恒温槽で1ヵ月保存した後に、以下に説明する方法により耐吸着性、ラミネート強度及び水蒸気バリア性を評価した。
(メントール耐吸着性)
各サンプルから薬剤成分のメントールを取り出した後、包装袋を細かく裁断した。裁断された試験片をメタノールに浸漬することにより、メントール抽出液を得た。次に、メントール抽出液を高速液体クロマトグラフィで分析し、包装袋に吸着されたメントールの量を定量した。これをもとに、包装袋の面積当たりに吸着されたメントール量を算出した。メントール吸着量が3.0μg/cm以下を合格基準とし、3.0μg/cm以下をA、3.0μg/cm超をBと評価した。結果を表1に纏めた。
(ラミネート強度)
各サンプルから薬剤成分のメントールを取り出した後、包装袋を15mm幅の短冊状に切り出し、バリア層とシーラント層との間を、株式会社エー・アンド・デイ社製RTF-1250を用いて引張速度300mm/minにて剥離し、ラミネート強度を測定した。ラミネート強度が15.0N/15mm以上を合格基準とし、15.0N/15mm以上をA、15.0N/15mm未満をBと評価した。結果を表1に纏めた。
(水蒸気透過度)
各サンプルから薬剤成分のメントールを取り出した後、包装袋を専用治具を用いて8角形に切り出し、水蒸気透過率測定装置(MOCON、株式会社日立ハイテクサイエンス(株)製)を用いて、温度(40)℃、相対湿度(90)%の雰囲気下で20分の測定を3サイクル行い、その平均値を水蒸気透過度とした。水蒸気透過度が1.0g/m/day以下を合格基準とし、1.0g/m/day以下をA、1.0g/m/day超をBと評価した。結果を表1に纏めた。
Figure 2023026858000003
表1に示される結果から、本実施形態に係る積層体は、包装用積層体として、内容物に含有される成分に対する耐吸着性、強浸透性物質に対する耐剥離性、及び水蒸気バリア性のすべてに優れることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1、2、3…積層体、11…基材層、12…印刷層、13…第2接着層、14…バリア層、15…第3接着層、16…印刷層、17…中間基材層、18…第1接着層、19…接着性樹脂層、20…シーラント層。

Claims (7)

  1. 基材層と、バリア層と、中間基材層と、第1接着層と、接着性樹脂層と、シーラント層とをこの順序で具備し、前記中間基材層はポリアミド系樹脂を含み、前記第1接着層は2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含み、前記接着性樹脂層は低密度ポリエチレン樹脂又はエチレン-メタクリル酸共重合体を含み、前記シーラント層は環状オレフィン系樹脂を含む積層体。
  2. 前記第1接着層は面積あたりの質量が0.05乃至0.25g/mの範囲にある請求項1に記載の積層体。
  3. 前記シーラント層が二軸延伸フィルムである請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記バリア層がアルミニウム箔又は無機酸化物層を含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の積層体。
  5. 前記基材層と前記バリア層と前記中間基材層と前記第1接着層とをこの順序で具備する第1積層体を形成すること、及び、
    前記接着性樹脂層を押出成形し、これを間に挟んで前記第1接着層と前記シーラント層とが向き合うように前記第1積層体と前記シーラント層とを積層すること、もしくは、
    前記第1積層体の前記第1接着層側に、前記接着性樹脂層と前記シーラント層を押出成形又は共押出成形により積層すること
    を含む請求項1乃至4の何れか1項に記載の積層体の製造方法。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の積層体を含んだ包装体。
  7. 請求項6に記載の包装体と、これに包装された内容物とを含んだ包装物品。
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