JP2022125979A - 低吸着、且つ耐内容物性積層体、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シーラント層が内容物の有効成分に対して低吸着性を示すことと、耐内容物性を有し、デラミネーションを抑制することを両立可能な積層体を提供すること。【解決手段】少なくとも基材層11と、ガスバリア層12と、接着層13と、シーラント層14とをこの順に積層した積層体であって、前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマーフィルムを含み、前記接着層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含み、かつ膜厚が0.1μm~3.0μmであることを特徴とする積層体である。【選択図】図1
Description
本発明は、医薬品、食品、化粧品等の内容物成分を吸着し難く、且つ内容物の影響によるデラミネーションを抑制する積層体およびその製造方法に関するものである。
食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料としては、一般に、内容物の変質や腐敗等を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、水蒸気、酸素、その他の内容物を変質させる気体の進入を遮断するガスバリア性を有する積層体が用いられている。
このような積層体は、例えば、基材層、ガスバリア層、シーラント層などから構成され、接着剤層を介して、アルミニウム箔などの金属箔あるいは金属蒸着フィルムとポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエステル、ナイロンなどのプラスチックフィルムを多層ラミネートして作製される。
そして多くの場合、プラスチックフィルムを基材とする単体または積層体から構成される包装袋は、最内層側にシーラント層を設けており、シーラント層同士を対向させて重ねヒートシールして包装袋に製袋する方法が取られている。
このようなシーラントフィルムとして、高いシール強度を示すポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂や、アイオノマー、EMMAなどのコポリマー樹脂が用いられている。
しかし、これらの樹脂からなるシーラントフィルムは、油脂や香料などの有機化合物からなる成分を吸着しやすいため、シーラントフィルムを内容物と接する最内層としている包装材は、内容物の味覚や香りを変化させやすいという欠点を持っている。また、香気成分・薬効成分等の吸着による内容物の減少が起こってしまう。
医薬品などの有効成分が、包装材料に吸着されることを防ぐために、接内容物層に低吸着性シーラントを用いた包材がある。低吸着シーラントにはポリエステル性樹脂やポリアクリロニトリル樹脂等からなるシーラントフィルムが開発されているが、ポリエステル性樹脂はヒートシール性が悪い、ポリアクリロニトリル樹脂はコスト高、製膜が困難という問題を抱えている。そこでヒートシール性と製膜安定性を兼ね備え、さらに靭性を向上させた二軸延伸環状オレフィンコポリマーフィルムが開発された(特許文献1参照)。
また、これらのプラスチックフィルムと金属箔または金属蒸着フィルムとを貼り合わせる接着剤としては、一般的にウレタン2液硬化タイプのドライラミネート用接着剤が用いられる。しかし、包装材料により包装される内容物には、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、高沸点有機溶剤などを含有するものが多くあり、これらの内容物を包装すると、長期の保存中に内容物の成分が積層体に浸透し、特にガスバリア層とシーラント層の間の接着剤層を侵す結果、シーラント層がガスバリア層から剥離(デラミネーション)する問題があった。耐内容物性包材には、このようなデラミネーションを防ぐような物性が求められている。
アンカーコート層を含む積層体フィルムにおいて、そのアンカーコート層が酸変性ポリオレフィン樹脂とエポキシ系シランカップ剤を含有するアンカーコート剤から塗膜化されることで、耐薬品性、密着性、接着性、耐ボイル性を持ったアンカーコート層を形成することが可能になった(特許文献2参照)。
しかし、低吸着性と耐内容物性を両立させるため、バリアフィルムと低吸着シーラントフィルムを上記のような耐薬品性のあるアンカーコート剤を用いて押出しラミネート法で貼り合わせた場合、押出し樹脂のポリエチレン樹脂に内容物が吸着してしまい、包材として低吸着性を確保することができない。そのため、内容物の有効成分を包材へ吸着させない、且つ、耐内容物性も担保できる包材が求められている。
そこで、本発明の課題は、包材用積層体における、上記の従来技術の欠点を解消し、シーラント層が内容物の有効成分に対して低吸着性を示すことと、耐内容物性を有し、デラミネーションを抑制することを両立可能な積層体を提供することである。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、
少なくとも基材層と、ガスバリア層と、接着層と、シーラント層とをこの順に積層した積層体であって、
前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含んで構成されており、
前記接着層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含み、かつ膜厚が0.1μm~3.0μmであることを特徴とする積層体である。
少なくとも基材層と、ガスバリア層と、接着層と、シーラント層とをこの順に積層した積層体であって、
前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含んで構成されており、
前記接着層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含み、かつ膜厚が0.1μm~3.0μmであることを特徴とする積層体である。
次に、請求項2に記載の発明は、前記ガスバリア層がアルミニウム箔から成ることを特徴とする請求項1に記載の積層体である。
次に、請求項3に記載の発明は、前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂フィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
次に、請求項4に記載の発明は、前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出しフィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
次に、請求項5に記載の発明は、前記接着層の膜厚が0.1~3.0μmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体である。
次に、請求項6に記載の発明は、
前記請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
平均粒径0.05μmから0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の水性分散体を前記ガスバリア層に塗布後乾燥させ、その樹脂とシーラント層を熱圧着させる熱ラミネーション法により、酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を溶融し塗膜化させて、前記接着層を形成することを特徴とする積層体の製造方法である。
前記請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
平均粒径0.05μmから0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の水性分散体を前記ガスバリア層に塗布後乾燥させ、その樹脂とシーラント層を熱圧着させる熱ラミネーション法により、酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を溶融し塗膜化させて、前記接着層を形成することを特徴とする積層体の製造方法である。
次に、請求項7に記載の発明は、
前記請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
平均粒径0.05μmから0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の水性分散体を前記ガスバリア層に塗布後乾燥させ、
次に、この酸変性ポリオレフィン樹脂層上に溶融樹脂を押し出して、シーラント層を圧着することにより、溶融樹脂の熱と圧力とで酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を溶融し塗膜化させ、これら酸変性ポリオレフィン樹脂の塗膜と溶融樹脂層とで前記接着層を形成することを特徴とする積層体の製造方法である。
前記請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
平均粒径0.05μmから0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の水性分散体を前記ガスバリア層に塗布後乾燥させ、
次に、この酸変性ポリオレフィン樹脂層上に溶融樹脂を押し出して、シーラント層を圧着することにより、溶融樹脂の熱と圧力とで酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を溶融し塗膜化させ、これら酸変性ポリオレフィン樹脂の塗膜と溶融樹脂層とで前記接着層を形成することを特徴とする積層体の製造方法である。
本発明の積層体によれば、シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含み、接着層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含むことにより、例えば貼付剤の薬効成分に対して優れた低吸着性を示し、かつ耐内容物性を有し、デラミネーションを抑制する積層体を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体を概略的に示す断面図である。
図1に示す積層体1は、例えば、包装材料として使用する。積層体1は、基材層11と、ガスバリア層12と、接着層13と、シーラント層14とを含み、この順に積層されている。以下、各層について詳述する。
図1に示す積層体1は、例えば、包装材料として使用する。積層体1は、基材層11と、ガスバリア層12と、接着層13と、シーラント層14とを含み、この順に積層されている。以下、各層について詳述する。
<基材層>
基材層と11ガスバリア層12との積層は、例えば接着層15を介して行うことができる。接着層15としては、例えばドライラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
基材層と11ガスバリア層12との積層は、例えば接着層15を介して行うことができる。接着層15としては、例えばドライラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
基材層11は特に制限はなく、用途に応じて選択すればよいが、紙、樹脂フィルム又はそれらの組み合わせ等が用いられる。樹脂フィルムとしては例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、又はセロハンを使用することができる。樹脂フィルムの厚さは、特に制限される訳ではないが、例えば包装体として用いる場合には、3μm~200μmの範囲内にあることが好ましく、6μm~30μmの範囲内にあることがより好ましい。
基材層11の主面に、用途に応じて印刷層16を設けてもよい。印刷層16は、基材層11の主面のうち、接着層15側の主面に設けてもよく、その裏面に設けてもよく、それらの双方に設けてもよい。
<ガスバリア層>
ガスバリア層12としては、外部からの水分、有機ガス、及び酸素等の無機ガスがガス吸収層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。ガスバリア層としては、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム蒸着膜等を用いることができる。特に、ガスバリア性及び取り扱い性を両立させやすくする観点から、ガスバリア層としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
ガスバリア層12としては、外部からの水分、有機ガス、及び酸素等の無機ガスがガス吸収層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。ガスバリア層としては、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム蒸着膜等を用いることができる。特に、ガスバリア性及び取り扱い性を両立させやすくする観点から、ガスバリア層としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
バリア材料におけるバリア性については、包装する内容物や保存期間などに応じて最適範囲を適宜選択すればよい。中でも、40℃、90%RH条件下での水蒸気透過度として、100g/m2・day以下が好ましく、20g/m2・day以下がより好ましく、10g/m2・day以下がさらに好ましく、1g/m2・day以下が特に好ましい。
また、20℃、90%RH条件下での酸素透過度として、100ml/m2・day・MPa以下が好ましく、20ml/m2・day・MPa以下がより好ましく、10ml/m2・day・MPa以下がさらに好ましく、1ml/m2・day・MPa以下が特に好ましい。
また、20℃、90%RH条件下での酸素透過度として、100ml/m2・day・MPa以下が好ましく、20ml/m2・day・MPa以下がより好ましく、10ml/m2・day・MPa以下がさらに好ましく、1ml/m2・day・MPa以下が特に好ましい。
<接着層>
本発明の積層体1は、ガスバリア層12とシーラント層14との間に接着層13を有することが必要である。接着層13を、ガスバリア層12とシーラント層14との間に設けることによって、ガスバリア層12とシーラント層14との密着性が向上し、積層体1のヒートシール強度が向上する。
本発明の積層体1は、ガスバリア層12とシーラント層14との間に接着層13を有することが必要である。接着層13を、ガスバリア層12とシーラント層14との間に設けることによって、ガスバリア層12とシーラント層14との密着性が向上し、積層体1のヒートシール強度が向上する。
接着層13は、平均粒径0.05μm~0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を含有する水性分散体により形成された層で構成することができる。この接着層13は、熱ラミネーションの熱と圧力によって塗膜化すると、耐薬品性、密着性、接着性、耐ボイル性を持った耐内容物性を有し、シーラント層がガスバリア層から剥離(デラミネーション)することを抑制する。
なお、酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の平均粒径が0.05μmより小さい場合、表面が平滑になりすぎ、製造工程中でブロッキングを生じやすい。一方、平均粒径が0.5μmを越える場合、微粒子と微粒子との間の距離が広くなり、熱圧を掛けても隙間ができて剥離(デラミネーション)しやすい。
このように接着層13を酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を含有する水性分散体により形成する場合には、この水性分散体の塗布・乾燥後の塗膜の膜厚が0.1μm~3.0μmであることが望ましい。0.1μmより薄いと十分な接着強度が出ない、また3.0μmより厚いと接着層13の凝集破壊が生じ、やはり接着強度が出ないので望ましくない。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂成分を主成分とし、不飽和カルボン酸により酸変性されている。ポリオレフィン樹脂成分は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等のアルケンをモノマーとする樹脂が好ましく利用できる。また、酸変性オレフィン樹脂におけるポリオレフィン樹脂成分の含有量は50%以上が望ましい。
また、この水性分散体の層上に溶融樹脂を押し出し、シーラント層を圧着する方法(押出しラミネーション)により、溶融樹脂の熱と圧力とで酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を溶融し塗膜化させることもできる。この場合には、まず、平均粒径0.05μmから0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の水性分散体を前記ガスバリア層12に塗布後乾燥させてその層を形成する。そして、次に、押し出し機から溶融した樹脂を、酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の前記層上に押し出し、この溶融樹脂層を介してシーラント層14を前記ガスバリア層12に押圧する。この結果、溶融樹脂層の熱と押圧とによって前記層が塗膜化して、ガスバリア層12とシーラント層14とを強く密着させることができる。なお、この場合、接着層13はこうして形成された酸変性ポリオレフィン樹脂の塗膜と溶融樹脂層の2層で構成されたものである。
押し出し機から溶融して押し出す樹脂としては、ポリオレフィン樹脂を例示できる。例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である。
なお、前記水性分散体には、このほか、シランカップリング剤を配合することができる
。シランカップリング剤を配合することにより、有機系のシーラント層14だけでなく、無機系のガスバリア層12に強く密着させることが可能である。
。シランカップリング剤を配合することにより、有機系のシーラント層14だけでなく、無機系のガスバリア層12に強く密着させることが可能である。
<シーラント層>
本発明の積層体を構成するシーラント層14は、低吸着性を有する環状オレフィンコポリマー(COC)を含んでいる必要がある。
本発明の積層体を構成するシーラント層14は、低吸着性を有する環状オレフィンコポリマー(COC)を含んでいる必要がある。
このシーラント層14は、COCフィルム単体で構成することもできるし、COCの層に他の樹脂層を積層した多層構造のシーラント層で構成することも可能である。
シーラント層の厚みは150μm以下とすればよく、薄過ぎると貼り合わせた際のシール強度が低下する場合があるので少なくとも15μm以上とすることが好ましく、より好ましくは20μm以上、50μm以下である。
シーラント層の厚みは150μm以下とすればよく、薄過ぎると貼り合わせた際のシール強度が低下する場合があるので少なくとも15μm以上とすることが好ましく、より好ましくは20μm以上、50μm以下である。
シーラント層14をCOCフィルム単体で構成する場合には、このCOCフィルムとして延伸したフィルムを使用することもできるし、未延伸のフィルムを使用することも可能である。靭性を考慮すると、二軸延伸したCOCフィルムが望ましい。COC層の厚みは薄いほど経済的に有利となり、30μm以下であることが好ましく、7.5μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。また、低吸着性の観点から、0.1μm以上が好ましい。
多層シーラント中にCOC層を含む場合も、COC層の厚みは上記厚さとすることが好ましい。
また、多層構造のシーラント層を使用する場合には、例えば、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出しフィルムを使用することができる。
本発明の積層体において、シーラント層14を形成する方法としては、接着層13上にシーラント層14を熱ラミネーション法又は押出しラミネーションにより熱圧着させる方法が挙げられる。
以下の方法により、基材層11とガスバリア層12と接着層13とシーラント層14とを含んだ積層体を製造し、この積層体を用いて4方袋を製造した。
<実施例1>
先ず、基材層11として、厚さが12μmである二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を準備した。ガスバリア層12として、厚さが20μmのアルミニウム箔を準備した。
先ず、基材層11として、厚さが12μmである二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を準備した。ガスバリア層12として、厚さが20μmのアルミニウム箔を準備した。
次に、基材層11の一方の主面に接着層15として、芳香族系接着剤(LX500 DICグラフィックス(株)製)を塗布し、接着層15を挟んで基材層11とガスバリア層12とをドライラミネートした。
次いで、ガスバリア層12の基材層11と反対側の表面に、接着層13として、酸変性ポリオレフィン樹脂(アローベースSD5200 ユニチカ(株)製)/溶剤:メタノール=4:6を塗布、乾燥後(塗布量:0.1g/m2、平均膜厚0.1μm)、接着層13の上にシーラント層14を積層し、熱ラミネーション法(温度140℃、ラミ速度2m/min、圧力0.2MPa)によりシーラント層14を形成した。シーラント層14は、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の2軸延伸フィルム(TSC-1、倉敷紡績(株)製)25μmを用いた。以上のようにして、実施例1の積層体を製造した。
なお、接着層13のアローベースSD5200は微粒子状の酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体で、微粒子状酸変性ポリオレフィン樹脂の平均粒径は0.05μmである。
<実施例2>
シーラント層14として、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の未延伸フィルム(ME-1、倉敷紡績製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の積層体を製造した。
シーラント層14として、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の未延伸フィルム(ME-1、倉敷紡績製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の積層体を製造した。
<実施例3>
シーラント層14として、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出し未延伸フィルム(M3400MP DIC(株)製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の積層体を製造した。
シーラント層14として、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出し未延伸フィルム(M3400MP DIC(株)製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の積層体を製造した。
<実施例4>
接着層13の微粒子状酸変性ポリオレフィン樹脂の平均粒径を0.50μmとした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4の積層体を製造した。
接着層13の微粒子状酸変性ポリオレフィン樹脂の平均粒径を0.50μmとした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4の積層体を製造した。
<実施例5>
接着層13の乾燥後の塗布量が0.3g/m2、膜厚0.3μmだった以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5の積層体を製造した。
接着層13の乾燥後の塗布量が0.3g/m2、膜厚0.3μmだった以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5の積層体を製造した。
<実施例6>
この例は、押出しラミネーションにより、ガスバリア層12とシーラント層14とを積層した例である。このため、この実施例6では、接着層13は酸変性ポリオレフィン樹脂の塗膜と溶融樹脂層の2層で構成されている。
この例は、押出しラミネーションにより、ガスバリア層12とシーラント層14とを積層した例である。このため、この実施例6では、接着層13は酸変性ポリオレフィン樹脂の塗膜と溶融樹脂層の2層で構成されている。
まず、実施例1と同様に、接着層15を挟んで基材層11とガスバリア層12とをドライラミネートした。
次いで、ガスバリア層12の基材層11と反対側の表面に、酸変性ポリオレフィン樹脂(アローベースSD5200 ユニチカ(株)製)/溶剤:メタノール=4:6を塗布、乾燥後(塗布量:0.1g/m2、平均膜厚0.1μm)して、その層を形成した。そして、次に、押し出し機から溶融した樹脂を、酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の前記層上に押し出し、この溶融樹脂層を介してシーラント層14を前記ガスバリア層に押圧して、実施例6の積層体を製造した。
なお、接着層13のアローベースSD5200は微粒子状の酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体で、微粒子状酸変性ポリオレフィン樹脂の平均粒径は0.05μmである。
また、溶融樹脂層は、低密度ポリエチレン樹脂(LC600A 日本ポリエチレン(株)製)である。その厚みは13μmである。
また、シーラント層14としては、実施例1のシーラント層14と同じ環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の2軸延伸フィルム(TSC-1、倉敷紡績(株)製)25μmを用いた。
<比較例1>
シーラント層14として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(MZ051 タマポリ(株)製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の積層体を製造
した。
シーラント層14として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(MZ051 タマポリ(株)製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の積層体を製造
した。
<比較例2>
接着層13の乾燥後の塗布量が0.03g/m2、膜厚0.03μmだった以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2の積層体を製造した。
接着層13の乾燥後の塗布量が0.03g/m2、膜厚0.03μmだった以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2の積層体を製造した。
<比較例3>
接着層13の乾燥後の塗布量が4.0g/m2、膜厚4.0μmだった以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3の積層体を製造した。
接着層13の乾燥後の塗布量が4.0g/m2、膜厚4.0μmだった以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3の積層体を製造した。
<比較例4>
この例は、ドライラミネーションにより、ガスバリア層12とシーラント層14とを積層した例である。
この例は、ドライラミネーションにより、ガスバリア層12とシーラント層14とを積層した例である。
まず、実施例1と同様に、接着層15を挟んで基材層11とガスバリア層12とをドライラミネートした。
次いで、ガスバリア層12の基材層11と反対側の表面に、接着層13として、芳香族系接着剤(LX500 DICグラフィックス製)を介して、ドライラミネーション法によりシーラント層14を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例4の積層体を製造した。シーラント層14は、実施例1のシーラント層14と同じ環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の2軸延伸フィルム(TSC-1、倉敷紡績(株)製)25μmである。また、接着剤の主剤はDICグラフィックス(株)製LX500、硬化剤はDICグラフィックス(株)製KW75である。
実施例1~4、比較例1~7の各積層体を用いて、薬剤成分としてメントールを封入し、四方をヒートシールして包装袋を製造した。包装袋は、縦方向の寸法が10cm、横方向の寸法が10cmであり、40℃・75%RHの恒温槽で1か月保存した。以下のようにして、各包装袋の薬剤吸着性およびラミネート強度を測定した。
<評価項目>
(薬剤吸着性評価)
包装袋から薬剤成分のメントールを取り出した後、包装袋を細かく裁断してメタノールに浸漬し、メントールを抽出した溶液を得た。次に、メントール抽出液を高速液体クロマトグラフィで分析し、包装袋に吸着されたメントールの量を定量した。これをもとに、包装袋の単位面積当たりに吸着されたメントール量を算出した。
(薬剤吸着性評価)
包装袋から薬剤成分のメントールを取り出した後、包装袋を細かく裁断してメタノールに浸漬し、メントールを抽出した溶液を得た。次に、メントール抽出液を高速液体クロマトグラフィで分析し、包装袋に吸着されたメントールの量を定量した。これをもとに、包装袋の単位面積当たりに吸着されたメントール量を算出した。
(袋のラミネート強度評価)
実施例1~6及び比較例1~4に係る包装袋に関して、幅が15mmとなる短冊状試験片を切り出し、ガスバリア層とシーラント層間を剥離し、株式会社エー・アンド・デイ社製RTF-1250を用いて引張速度300mm/minにてラミネート強度を測定した。
実施例1~6及び比較例1~4に係る包装袋に関して、幅が15mmとなる短冊状試験片を切り出し、ガスバリア層とシーラント層間を剥離し、株式会社エー・アンド・デイ社製RTF-1250を用いて引張速度300mm/minにてラミネート強度を測定した。
実施例1~6及び比較例1~4の評価結果を表1に示す。なお、表中、「LLDPE」は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(MZ051 タマポリ(株)製)を示す。
表1に示すように、実施例1~6に係る包装袋は、40℃・75%RH環境下の長期保存後であっても、内容物に含まれる有効成分が包装体に吸着されることを抑制することができた。さらに、実施例1~6に係る包装袋は、十分なラミネート強度が確保されており
、デラミネーションを防ぐことが可能である。
、デラミネーションを防ぐことが可能である。
一方、比較例1に係る包装体は、低吸着性を有しないシーラント層であったため、内容物に含まれる有効成分を吸着し易かった。
また、比較例2、3に係る包装体は、内容物に含まれる有効成分に対する低吸着性を示したものの、接着層の膜厚が良好な範囲から外れていたため、ラミネート強度が弱くデラミネーションを起こす可能性がある。
また、比較例4に係る包装体は、耐内容物性の低い接着剤が内容物の影響を受けたためラミネート強度が低かった。
以上の結果から、本発明によって、優れた低吸着性を示し、かつ耐内容物性を有し、デラミネーションを抑制する積層体を提供することができることがわかった。
1・・・積層体
11・・・基材層
12・・・ガスバリア層
13・・・接着層
14・・・シーラント層
15・・・接着層
16・・・印刷層
11・・・基材層
12・・・ガスバリア層
13・・・接着層
14・・・シーラント層
15・・・接着層
16・・・印刷層
Claims (7)
- 少なくとも基材層と、ガスバリア層と、接着層と、シーラント層とをこの順に積層した積層体であって、
前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含んで構成されており、
前記接着層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含み、かつ膜厚が0.1μm~3.0μmであることを特徴とする積層体。 - 前記ガスバリア層がアルミニウム箔から成ることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂フィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出しフィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 前記接着層の膜厚が0.1~3.0μmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
平均粒径0.05μmから0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の水性分散体を前記ガスバリア層に塗布後乾燥させ、その樹脂とシーラント層を熱圧着させる熱ラミネーション法により、酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を溶融し塗膜化させて、前記接着層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。 - 前記請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
平均粒径0.05μmから0.5μmの範囲の酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子の水性分散体を前記ガスバリア層に塗布後乾燥させ、
次に、この酸変性ポリオレフィン樹脂層上に溶融樹脂を押し出して、シーラント層を圧着することにより、溶融樹脂の熱と圧力とで酸変性ポリオレフィン樹脂の微粒子を溶融し塗膜化させ、これら酸変性ポリオレフィン樹脂の塗膜と溶融樹脂層とで前記接着層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021023251 | 2021-02-17 | ||
JP2021023251 | 2021-02-17 |
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ID=83058442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022018741A Pending JP2022125979A (ja) | 2021-02-17 | 2022-02-09 | 低吸着、且つ耐内容物性積層体、およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022125979A (ja) |
-
2022
- 2022-02-09 JP JP2022018741A patent/JP2022125979A/ja active Pending
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