JP2013248744A - 包装材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、基材層、バリア層、アンカーコート層、シーラント層を有する包装材料であって、
該アンカーコート層は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%含むポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散体中には不揮発性水性化助剤を実質的に含まないように形成された水性分散液を、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布、加熱乾燥して形成され、且つ、
該シーラント層は、該アンカーコート層に隣接する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と、環状ポリオレフィン系樹脂層とを有する層であることを特徴とする、上記包装材料を提供する。
【選択図】 図1
Description
1.少なくとも、基材層、バリア層、バリア層上に隣接して積層されたアンカーコート層、該アンカーコート層上に隣接して積層されたシーラント層を有する包装材料であって、
該アンカーコート層は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%含むポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散体中には不揮発性水性化助剤を実質的に含まないように形成された水性分散液を、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布、加熱乾燥して形成され、且つ、
該シーラント層は、該アンカーコート層に隣接する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と、環状ポリオレフィン系樹脂層とを有する層であることを特徴とする、上記包装材料。
2.前記シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と環状ポリオレフィン系樹脂層との2層からなる層であることを特徴とする、上記1に記載の包装材料。
3.前記バリア層が、アルミニウム箔、並びにアルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜及びアルミナ蒸着膜からなる群より選択される少なくとも1種からなる層であることを特徴とする、上記1又は2に記載の包装材料。
4.直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と環状ポリオレフィン系樹脂組成物層とは、共押出コーティングにより積層されることを特徴とする、上記1〜3のいずれか1項に記載の包装材料。
したがって、本発明の包装材料は、特に内容物の品質保持性が要求される包装容器を形成するのに好適なものである。
<1>本発明の包装材料を形成する積層体の層構成
図1は、本発明の包装材料の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。また、本発明において、密度はJIS K7112に準拠して測定した。
本発明の包装材料に用いる基材層としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどのプラスチックフィルムを好適に使用できるほか、防湿セロハン、合成紙、紙なども使用することができる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
本発明において、バリア層は、外部への内容物のにおい漏れや、外部からの酸素及び水蒸気ガスの浸入を抑え、内容物の変質を防ぐためのものであり、適用する包装材料の用途に応じて任意のバリア層を形成することができる。
本発明において、アンカーコート層は、シーラント層とバリア層とを接着するためのものである。
本発明において使用するアンカーコート層は、不飽和カルボン酸、又はその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含有し、かつ、数平均粒子径が1μm以下、例えば、50〜200nmのポリオレフィン樹脂粒子からなり、乳化剤等の不揮発性水性化助剤を実質的に含まない水性分散体を塗布、乾燥したものである。この水性分散液は、特開2004−9504号公報に記載されるものであり、不飽和カルボン酸又はその無水物とオレフィン化合物と(メタ)アクリル酸エステルとから構成されるポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体と陰イオン性基が20〜700(当量/106g)のポリエステル樹脂(B)の水性分散体とを、それぞれの水性分散体中の樹脂分の質量比が(A)/(B)=90/10〜20/80となるように混合して製造されるものである。上記において、不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられ、陰イオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基等が挙げられる。上記の水性分散液の具体例としては、ユニチカ(株)からアローベースSA−1200、SB−1200、SE−1200、TB−2010等として市販されるものが例示される。
本発明のシーラント層は、LLDPE層と環状ポリオレフィン系樹脂層とを有する。本発明の包装材料において、該LLDPE層は、シーラント層の表面(貼合面)に位置し、アンカーコート層と隣接する。
本発明の一態様において、シーラント層は、LLDPE層と環状ポリオレフィン系樹脂層との2層からなる層である。この構成を有するシーラント層は、環状ポリオレフィン系樹脂層が、本発明の包装材料の最表層、すなわち包装容器の最内層となるため、優れた非吸着性を示すことができる。
本発明において、シーラント層中のLLDPE層を構成するLLDPEは、密度0.900〜0.940g/cm3の直鎖状ポリエチレンであって、メタロセン触媒等のシングルサイト触媒又はチーグラー・ナッタ触媒等のマルチサイト系触媒を用いて、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを低温、低圧で共重合させて得られるコポリマーである。
また、共重合方法としては、エチレン及びα−オレフィンを、低圧法、スラリー法、溶液法、気相法等の重合方法が挙げられる。
ができる。
さらに、上記のようなLLDPEを主成分とし、これに、必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤等の添加剤の1種ないし2種以上を添加してもよい。
本発明において、環状ポリオレフィン系樹脂層を構成する環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合した開環メタセシス重合体(COP)、及び、環状オレフィンとα−オレフィン(鎖状オレフィン)との共重合体、すなわち環状オレフィンコポリマー(COC)を包含する。
本発明の包装材用シーラント層の製造は、任意の方法によりなされるが、成膜安定性の観点から好ましくは、共押出コーティング法により、環状ポリオレフィン系樹脂組成物とLLDPEとを、アンカーコート層上に共押出コーティングすることにより形成するか、又は、溶融共押出法(例えば、Tダイ法、インフレーション法)等の成膜法により、環状ポリオレフィン系樹脂組成物とLLDPEとを共押出して多層シーラントフィルムを製造し、これを基材層、バリア層、アンカーコート層からなる積層体とラミネートする。
本発明の包装材料は、シーラント層が最内層となるように製袋することにより、包装袋とすることができる。また、本発明の包装材料をシーラント層を最内層とする蓋材として使用し、包装容器を製造することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと厚さ7μmのアルミニウム箔(AL箔)とを、PETフィルムの貼り合わせ面にイソシアネート系のアンカーコート剤を乾燥時の厚みが0.5μmとなるように塗布、乾燥してアンカーコート層(アンカーコート〔1〕)を形成し、LDPEを用いて押し出し温度295℃で厚さ15μmになるように押し出しラミネートを行った。次に、そのAL箔面に、アンカーコートとして、無水マレイン酸2質量%を含有するポリオレフィン共重合樹脂の水性分散液(分散樹脂の数平均粒子径0.6μm、乳化剤不使用;ユニチカ(株)社製 アローベースSE−1200)を、乾燥時の厚さが0.5μmとなるように塗布し、加熱乾燥して層(アンカーコート〔2〕)を形成した。
PETフィルム/アンカーコート〔1〕/LDPE/AL箔/アンカーコート〔2〕/LLDPE層(20μm)/環状ポリオレフィン樹脂層(5μm)
なお、本願明細書の積層体の記載において、「/」はその左右の層が積層一体化されていることを示す。
シーラント層の形成において、環状ポリオレフィン樹脂の代わりに、LLDPEを使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
シーラント層の形成において、LLDPEの代わりに、LDPEを使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
シーラント層の形成において、LLDPEの代わりに、環状ポリオレフィン樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
(1)吸着性試験
実施例1及び比較例1〜3の積層体を10cm×10cm四方に切り取り、その初期重量を測定した。
保管後、積層体を取り出して、重量を測定し、初期重量との差から、l−メントールの吸着量を算出した。
実施例1及び比較例1〜3の積層体を、基材層を外側にして重ね合せ、ヒートシーラー(テスター産業(株)製TP-701S HEAT SEAL TESTER)で、160℃で1秒間、圧力1kgf/cm2でヒートシールした。
以下の表に結果を示す。
また、シール強度については、LLDPE層を有さない比較例3の積層体は、実施例1の積層体と比較してシール強度が弱かった。
2:バリア層
3:アンカーコート層
4:シーラント層
a:LLDPE層
b:環状ポリオレフィン系樹脂層
Claims (4)
- 少なくとも、基材層、バリア層、バリア層上に隣接して積層されたアンカーコート層、該アンカーコート層上に隣接して積層されたシーラント層を有する包装材料であって、
該アンカーコート層は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%含むポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散体中には不揮発性水性化助剤を実質的に含まないように形成された水性分散液を、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布、加熱乾燥して形成され、且つ、
該シーラント層は、該アンカーコート層に隣接する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と、環状ポリオレフィン系樹脂層とを有する層であることを特徴とする、上記包装材料。 - 前記シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と環状ポリオレフィン系樹脂層との2層からなる層であることを特徴とする、請求項1に記載の包装材料。
- 前記バリア層が、アルミニウム箔、並びにアルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜及びアルミナ蒸着膜からなる群より選択される少なくとも1種からなる層であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装材料。
- 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と環状ポリオレフィン系樹脂組成物層とは、共押出コーティングにより積層されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装材料。
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