JP2023026618A - ポリエチレン樹脂管 - Google Patents

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Abstract

【課題】識別性及び外観に優れる樹脂管を目的とする。【解決手段】筒状の本体10と、前記本体10の外面に一体に形成され、前記本体10の管軸O1方向に延びる1以上の識別層20とを備え、前記本体10を構成する第一の樹脂と、前記識別層20を構成する第二の樹脂とは、下記(1)、(2)及び(3)のいずれかを満たすことよりなる。(1)第一の樹脂及び第二の樹脂が低密度ポリエチレンである。(2)第一の樹脂及び第二の樹脂が中密度ポリエチレンである。(3)第一の樹脂及び第二の樹脂が高密度ポリエチレンである。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエチレン樹脂管に関する。
従来、ポリエチレン製の管(ポリエチレン樹脂管)等の樹脂管は、水道管、ガス管等の多種の用途に汎用されている。このため、樹脂管は、用途毎に色分けされている。樹脂管の用途が増えると、色調だけで識別しようとしても、各々の色調が近似してくる。用途毎の色調が近似してくると、樹脂管の用途を外見で識別しにくくなるという問題がある。特に、暗所において、色調で樹脂管の用途を識別するのは困難である。
こうした問題に対し、例えば、特許文献1は、本体の外面に本体と一体的に成形された、ライン状のマーキング層を備える樹脂管を開示している。このマーキング層は、発光材料及び金属材料を含む。特許文献1の発明は、マーキング層のような識別層を設けることで、暗所における樹脂管の視認性を容易にし、金属検知機で検知可能としている。
特開2014-188757号公報
しかしながら、単に本体の外面にライン状のマーキング層等の識別層を形成しようとすると、識別層が歪んで、外観が低下する。加えて、識別層が本体から剥離しやすい。識別層が本体から剥離すると、樹脂管の外観が損なわれる。
そこで、本発明は、識別性及び外観に優れるポリエチレン樹脂管を目的とする。
本体の外面に識別層を形成するには、共押出成形で樹脂管を製造する方法がある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
共押出成形機の金型内において、本体の樹脂と識別層の樹脂との流れ方が異なると、識別層の厚さや幅が不均一になり、識別層の表面が平滑になりにくい。加えて、本体の樹脂と識別層の樹脂とが相溶しにくくなり、識別層が本体から剥離しやすい。
本発明は、上記知見を基に完成されたものであり、以下の態様を有する。
[1]筒状の本体と、前記本体の外面に一体に形成され、前記本体の管軸方向に延びる1以上の識別層とを備え、
前記本体を構成する第一の樹脂と、前記識別層を構成する第二の樹脂とは、下記(1)、(2)及び(3)のいずれかを満たす、ポリエチレン樹脂管。
(1)第一の樹脂及び第二の樹脂が低密度ポリエチレンである。
(2)第一の樹脂及び第二の樹脂が中密度ポリエチレンである。
(3)第一の樹脂及び第二の樹脂が高密度ポリエチレンである。
[2]前記第一の樹脂と前記第二の樹脂とは、JIS K 6922-1:1997の附属書表2に示す種類の類が同じか又は1類異なる、[1]に記載のポリエチレン樹脂管。
[3][1]又は[2]に記載のポリエチレン樹脂管の製造方法であって、共押出成形で前記本体と前記識別層とを形成する、ポリエチレン樹脂管の製造方法。
本発明のポリエチレン樹脂管によれば、識別性及び外観に優れる。
本発明の一実施形態に係るポリエチレン樹脂管の斜視図である。 図1のII-II断面図である。
[ポリエチレン樹脂管]
本発明のポリエチレン樹脂管(以下、単に樹脂管ということがある)は、筒状の本体と、本体の外面に形成された識別層とを備える。
以下、一実施形態に係るポリエチレン樹脂管について、図面を参照して説明する。
図1の樹脂管1は、筒状の本体10と、4つの識別層20とを備える。
識別層20は、本体10の外面に位置している。識別層20は、帯状である。識別層20は、本体10の管軸O1方向に延びている。識別層20は、本体10と一体に形成されている。
図2に示すように、4つの識別層20は、本体10の管軸O1を中心に、90°間隔で環状に位置している。
本体10の長さは、樹脂管1の用途に応じて決定され、例えば、2m以上10m以下が好ましい。本体10の長さは、一方の開口端から他方の開口端までの距離である。
本体10の内径R1は、樹脂管1の用途に応じて決定され、例えば、10mm以上600mm以下が好ましい。
本体10の厚さ(即ち、樹脂管1の径方向における長さ)d1は、樹脂管1の用途に応じて決定され、例えば、1mm以上50mm以下が好ましい。
本体10の色調は、特に限定されず、用途、目的に応じて適宜決定される。
本体10を構成する第一の樹脂は、ポリエチレンである。本体10における樹脂100質量部に対するポリエチレンの含有量は100質量部である。
ポリエチレンは、エチレンの単独重合体(ホモポリエチレン)、エチレンと5モル%以下の1-オレフィン単量体との共重合体、エチレンと官能基に炭素、水素及び水素原子だけを持つ1モル%以下の非オレフィン単量体との共重合体である。
第一の樹脂の種類は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンのいずれでもよい。中でも、第一の樹脂としては、高密度ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンの種類は、JIS K 6922-1:1997の附属書表1、2に示されている。
低密度ポリエチレンは、附属書表2における1種1類~6類のいずれかの条件を備える。低密度ポリエチレンの密度は、910kg/m以上930kg/m未満である。
中密度ポリエチレンは、附属書表2における2種1類~5類のいずれかの条件を備える。中密度ポリエチレンの密度は、930kg/m以上942kg/m未満である。
高密度ポリエチレンは、附属書表2における3種1類~5類のいずれかの条件を備える。高密度ポリエチレンの密度は、942kg/m以上である。
附属書表1及び2に記載の通り、ポリエチレンの種類は「●種●類」のように「種」と「類」との組み合わせによって分類される。
第一の樹脂のメルトフローレート(MFR)は、例えば、0.01g/10分以上200g/10分以下が好ましく、0.1g/10分以上100g/10分以下がより好ましく、0.2g/10分以上50g/10分以下がさらに好ましく、0.3g/10分以上10g/10分以下が特に好ましい。
第一の樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 6922-2:2010の附属書の4.1(メルトフローレート)に従い、試験温度190℃、試験荷重21.18Nで測定された値である。
第一の樹脂の引張強さは、5.9MPa以上が好ましく、19.6MPa以上がより好ましく、25MPa以上がさらに好ましい。第一の樹脂の引張強さの上限は、通常、100MPaである。
第一の樹脂の引張強さは、JIS K 6922-2:2010の附属書の4.3(引張試験)に従い、測定された値である。
第一の樹脂の引張破断伸びは、100%以上が好ましく、350%以上がより好ましく、500%以上がさらに好ましい。第一の樹脂の引張破断伸びの上限は、通常、1200%である。
第一の樹脂の引張破断伸びは、JIS K 6922-2:2010の附属書の4.3(引張試験)に従い、測定された値である。
第一の樹脂のデュロメータ硬さは、30HD以上が好ましく、60HD以上がより好ましく、65HD以上がさらに好ましい。第一の樹脂のデュロメータ硬さの上限は、通常、200HDである。
第一の樹脂のデュロメータ硬さは、JIS K 6922-2:2010の附属書の4.4(デュロメータD硬さ試験)に従い、測定された値である。
第一の樹脂のビカット軟化点は、65℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。第一の樹脂のビカット軟化点の上限は、通常、150℃である。
第一の樹脂のビカット軟化点は、JIS K 6922-2:2010の附属書の4.5(ビカット軟化点試験)に従い、測定された値である。
第一の樹脂の質量平均分子量は、0.5×10以上10.0×10以下が好ましく、1.5×10以上3.0×10以下がより好ましい。質量平均分子量が上記範囲内であれば、樹脂の流動性が適度になり生産性を高められる。
第一の樹脂の質量平均分子量は、JIS K 7252-1:2008に従い、測定される。
第一の樹脂の数平均分子量は、0.1×10以上2.0×10以下が好ましく、0.5×10以上1.0×10以下がより好ましい。数平均分子量が上記範囲内であれば、樹脂の流動性が適度になり生産性を高められる。
第一の樹脂の数平均分子量は、JIS K 7252-1:2008に従い、測定される。
第一の樹脂のガラス転移点は、-140℃以上-90℃以下が好ましく、-120℃以上-100℃以下がより好ましい。ガラス転移点が上記範囲内であれば、樹脂の流動性が適度になり生産性を高められる。
第一の樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)により測定される値である。
第一の樹脂の溶融点は、110℃以上130℃以下が好ましく、120℃以上125℃以下がより好ましい。溶融点が上記範囲内であれば、樹脂の流動性が適度になり生産性を高められる。
第一の樹脂の溶融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定される値である。
第一の樹脂の結晶化度は、60%以上80%以下が好ましく、65%以上70%以下がより好ましい。結晶化度が上記範囲内であれば、樹脂の流動性が適度になり生産性を高められる。
第一の樹脂の結晶化度は、DSCにより測定される値である。
第一の樹脂の鉛筆硬度は、HB以上7B以下が好ましく、HB以上6B以下がより好ましい。鉛筆硬度が上記範囲内であれば、傷つきにくくなり、外観をさらに良好にできる。
第一の樹脂の鉛筆硬度は、JIS K 5600-5-4:1999に従い、測定される値である。
第一の樹脂の含有量は、本体10の総質量に対して、90質量%以上99.99999質量%以下が好ましい。
本体10は、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等の添加剤を含有してもよい。
本体10中の添加剤の含有量は、添加剤の種類を勘案して決定される。第一の樹脂100質量部に対する添加剤の含有量は、1.0×10-5質量部以上10質量部以下が好ましく、1.0×10-3質量部以上1.0質量部以下がより好ましい。
識別層20の長さは、本体10の長さと同様である。識別層20の長さは、本体10の長さと同じでもよいし異なってもよい。識別層20の長さは、本体10の長さと同等が好ましい。
識別層20の幅(即ち、樹脂管1の周方向における長さ)w2は、識別層20の目的に応じて適宜決定され、例えば、2mm以上50mm以下とされ、4mm以上40mm以下が好ましい。また、樹脂管1の外周(管軸O1回りの周長)に対する幅w2の比率(w2比率)は、例えば、5%以上30%以下とされ、7%以上25%以下が好ましい。幅w2が上記下限値以上であれば、識別層20を看取しやすい。幅w2が上記上限値以下であれば、側面視において、本体10の色調を看取しやすい。
なお、w2比率は、[識別層20の幅w2]÷[樹脂管1の周長]×100で求められる。
識別層20の厚さ(即ち、樹脂管1の径方向における長さ)d2は、本体10の厚さd1に応じて適宜決定され、例えば、0.02mm以上2.0mm以下が好ましく、0.1mm以上0.5mm以下がより好ましい。厚さd2が上記下限値以上であれば、識別層20の強度を高められる。厚さd2が上記下限値以上であれば、識別層20の色の濃さに関わらず、識別層20の色調を識別しやすい。厚さd2が上記上限値以下であれば、識別層20の位置で、本体10の厚さが薄くなりすぎず、本体10の強度を高められる。厚さd2が上記上限値以下であれば、電気融着継手との接続の際に、樹脂管1の表面の切削作業によって識別層20が消失され、切削作業が行われたことを容易に確認できる。
d2/d1で表される厚さ比は、3.0×10-6以上3.0×10-2以下が好ましく、3.0×10-5以上3.0×10-3以下がより好ましい。
識別層20の色調は、特に限定されないが、本体10の色調と異なることが好ましい。識別層20の色調が本体10の色調と異なることで、樹脂管1の外周に縞模様を表す。そして、識別層20と本体10の色調の組み合わせにより、樹脂管1の色分けのバリエーションが増える。
識別層20を構成する第二の樹脂は、ポリエチレン樹脂である。識別層20における樹脂100質量部に対するポリエチレン樹脂の含有量は100質量部である。
第二の樹脂の種は、第一の樹脂の種と同じである。
即ち、第一の樹脂と第二の樹脂とは、下記(1)、(2)及び(3)のいずれかを満たす。
(1)第一の樹脂及び第二の樹脂が低密度ポリエチレンである。
(2)第一の樹脂及び第二の樹脂が中密度ポリエチレンである。
(3)第一の樹脂及び第二の樹脂が高密度ポリエチレンである。
即ち、第一の樹脂と第二の樹脂とは、JIS K 6922-1:1997の附属書表2におけるポリエチレンの「種」が同じである。
第一の樹脂と第二の樹脂との種が同じなため、第一の樹脂と第二の樹脂とは相溶しやすい。このため、識別層20が本体10に密着する。
加えて、第一の樹脂と第二の樹脂との種が同じであれば、両者の流動性が同等となる。このため、識別層20が歪みにくくなる。さらに、第一の樹脂と第二の樹脂との流動性が同等であるため、識別層20の表面は、本体10の表面と同等に平滑になる。このため、樹脂管1の外観が良好となる。
第一の樹脂と第二の樹脂とは、JIS K 6922-1:1997の附属書表2における「類」が同じか又は1類異なることが好ましい。例えば、第一の樹脂が3種1類であれば、第二の樹脂は3種1類又は1種2類が好ましい。また、例えば、第一の樹脂が3種3類であれば、第二の樹脂は3種2類、3種3類及び3種4類が好ましい。中でも、第一の樹脂と第二の樹脂とは、「種」及び「類」が同じであることが好ましい。
第二の樹脂のMFRは、第一の樹脂のMFRと同様である。第二の樹脂のMFRと第一の樹脂のMFRとの差は、0g/10分以上1g/10分以下が好ましく、0g/10分以上0.3g/10分以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂のMFRの差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の引張強さは、第一の樹脂の引張強さと同様である。第二の樹脂の引張強さと第一の樹脂の引張強さとの差は、0MPa以上10MPa以下が好ましく、0MPa以上5MPa以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂の引張強さの差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の引張破断伸びは、第一の樹脂の引張破断伸びと同様である。第二の樹脂の引張破断伸びと第一の樹脂の引張破断伸びとの差は、0%以上100%以下が好ましく、0%以上50%以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂の引張破断伸びの差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂のデュロメータ硬さは、第一の樹脂のデュロメータ硬さと同様である。第二の樹脂のデュロメータ硬さと第一の樹脂のデュロメータ硬さとの差は、0HD以上30HD以下が好ましく、0HD以上15HD以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂のデュロメータ硬さの差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂のビカット軟化点は、第一の樹脂のビカット軟化点と同様である。第二の樹脂のビカット軟化点と第一の樹脂のビカット軟化点との差は、0°以上10℃以下が好ましく、0°以上5℃以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂のビカット軟化点の差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の質量平均分子量は、第一の樹脂の質量平均分子量と同様である。第二の樹脂の質量平均分子量と第一の樹脂の質量平均分子量との差は、0以上1.0×10以下が好ましく、0以上0.5×10以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂の質量平均分子量の差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の数平均分子量は、第一の樹脂の数平均分子量と同様である。第二の樹脂の数平均分子量と第一の樹脂の数平均分子量との差は、0以上1.0×10以下が好ましく、0以上0.5×10以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂の数平均分子量の差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂のガラス転移点は、第一の樹脂のガラス転移点と同様である。第二の樹脂のガラス転移点と第一の樹脂のガラス転移点との差は、0℃以上10℃以下が好ましく、0℃以上5℃以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂のガラス転移点の差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の溶融点は、第一の樹脂の溶融点と同様である。第二の樹脂の溶融点と第一の樹脂の溶融点との差は、0℃以上10℃以下が好ましく、0℃以上5℃以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂の溶融点の差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の結晶化度は、第一の樹脂の結晶化度と同様である。第二の樹脂の結晶化度と第一の樹脂の結晶化度との差は、0%以上10%以下が好ましく、0%以上5%以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂の結晶化度の差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の鉛筆硬度は、第一の樹脂の鉛筆硬度と同様である。第二の樹脂の鉛筆と第一の樹脂の鉛筆硬度との差は、0以上2B以下が好ましく、0以上1B以下がより好ましい。
第一の樹脂と第二の樹脂の硬度の差が上記範囲内であれば、識別層20の外観をより良好にできる。
第二の樹脂の含有量は、識別層20の総質量に対して、90質量%以上99.99999質量%以下が好ましい。
識別層20は、添加剤を含んでもよい。識別層20が含む添加剤は、本体10が含む添加剤と同様である。本体10の添加剤と識別層20の添加剤とは、同じでもよいし、異なってもよい。
識別層20中の添加剤の含有量は、添加剤の種類を勘案して決定される。第二の樹脂100質量部に対する添加剤の含有量は、1.0×10-5質量部以上10質量部以下が好ましく、1.0×10-3質量部以上1.0質量部以下がより好ましい。
[樹脂管の製造方法]
樹脂管1の製造方法は、共押出成形で本体10と識別層20とを形成する工程を含む。
樹脂管1の製造装置としては、例えば、押出成形機と、サイジングダイと、冷却槽と、切断機とを備える製造装置を例示できる。
押出成形機は、共押出可能な成形機である。押出成形機は、少なくとも2つの供給口を備える。
サイジングダイは、下流に向かうに従い縮径する筒状の部材である。
冷却槽は、縮径された樹脂管を冷却し、樹脂を硬化する装置である。冷却槽としては、例えば、水冷式の冷却槽が挙げられる。
上記製造装置を用いた樹脂管の製造方法の一例を示す。
押出成形機の一の供給口から第一の樹脂と必要に応じて添加剤(第一の樹脂と添加剤とを併せて第一の樹脂組成物ということがある)を投入する。押出成形機の他の供給口から第二の樹脂と必要に応じて添加剤(第二の樹脂と添加剤とを併せて第二の樹脂組成物ということがある)を投入する。第一の樹脂組成物を第一の樹脂の融点以上に加熱し、混練する。第二の樹脂組成物を第二の樹脂の融点以上に加熱し、混練する。次いで、第一の樹脂組成物と第二の樹脂組成物とを押出成形機で筒状に押し出す。第一の樹脂組成物と第二の樹脂組成物とは、別の流路を通流し、次いで合流し、第二の樹脂組成物が識別層20を形成する。この際、第一の樹脂と第二の樹脂とは同じ「種」であるため、第一の樹脂組成物と第二の樹脂組成物との流動性が同等である。第二の樹脂組成物は第一の樹脂組成物と同様に流動するため、識別層20の歪みが抑制され、識別層20の表面が平滑になる。加えて、第一の樹脂と第二の樹脂とが相溶しやすく、識別層20が本体10から剥離しにくくなる。
これにより、本体10の外面に識別層20が一体に形成された筒状成形体を得る。
次に、筒状成形体をサイジングダイに挿入する。筒状成形体は、サイジングダイ内を通過するに従い、所望の太さとなる。所望の太さに調整された筒状成形体を冷却槽に挿入する。冷却槽は、筒状成形体を冷却し、樹脂を硬化する。硬化した筒状成形体を所望の長さに切断し、樹脂管1とする。
押出成形機における第一の樹脂組成物への加熱温度は、例えば、170℃以上250℃以下が好ましく、180℃以上220℃以下がより好ましい。加熱温度が上記範囲内であれば、第一の樹脂の熱分解を抑えつつ、良好な流動性を得られる。
押出成形機における第二の樹脂組成物への加熱温度は、第一の樹脂組成物への加熱温度と同様である。
冷却槽における冷却水の温度は、例えば、20℃以上30℃以下が好ましい。冷却水の温度が上記範囲内であれば、筒状成形体を十分に硬化できる。
冷却槽を通過した筒状成形体は、切断機で所望の長さに切断され、樹脂管1となる。
本実施形態の樹脂管によれば、本体の外面に識別層を備える。加えて、第一の樹脂と第二の樹脂とが同じ種である。このため、樹脂管は、識別性及び外観に優れる。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
上述の実施形態は、4つの識別層を備える。本発明はこれに限定されず、識別層が3つ以下でもよいし、5つ以上でもよい。中でも、あらゆる角度で識別層を視認できるように、識別層の数は4以上が好ましく、4以上8以下がより好ましく、4以上6以下がより好ましい。
上述の実施形態では、4つの識別層が管軸を中心に90°間隔で位置している。即ち、4つの識別層は、等間隔である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、各識別層の間隔が異なってもよい。
ただし、識別層は、管軸を中心に樹脂管を回転した際に、視認できるように位置していることが好ましい。
上述の実施形態では、直線の帯状の識別層が本体の長さ方向(一方の開口端から他方の開口端に向かう)全域にわたっている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、個々の識別層は、破線でもよい。また、識別層は、波型やジグザグ型等、直線でなくてもよい。ただし、押出成形機内での第二の樹脂の流動性を高め、より美麗な識別層を得る観点からは、直線の帯状の識別層が好ましい。
(使用原料)
・樹脂A:3種1類の高密度ポリエチレン。密度=942kg/m、MFR=0.39g/10分、デュロメータ硬さ=65HD、ビカット軟化点=120℃。
・樹脂B:3種2類の高密度ポリエチレン。密度=943kg/m、MFR=0.59g/10分、デュロメータ硬さ=80HD、ビカット軟化点=125℃。
・樹脂C:2種1類の中密度ポリエチレン。密度=935kg/m、MFR=1.6g/10分、デュロメータ硬さ=50HD、ビカット軟化点=100℃。
・樹脂D:3種1類の高密度ポリエチレン。密度=950kg/m、MFR=0.11g/10分、デュロメータ硬さ=67HD、ビカット軟化点=125℃。
・樹脂E:3種2類の高密度ポリエチレン。密度=951kg/m、MFR=0.80g/10分、デュロメータ硬さ=62HD、ビカット軟化点=122℃。
(実施例1~4)
表1の記載に従い、第一の樹脂100質量部と、着色剤7.0×10-4質量部と、酸化防止剤3.0×10-4質量部と、紫外線吸収剤(UVA)1.5×10-4質量部とを押出成形機に供給した。
表1の記載に従い、第二の樹脂100質量部と、着色剤7.0×10-4質量部と、酸化防止剤3.0×10-4質量部と、紫外線吸収剤(UVA)1.5×10-4質量部とを押出成形機に供給した。
供給した樹脂を190℃で溶融し、混練しつつ押し出し、筒状成形体を得た。筒状成形体を23℃の冷却水で、60分間冷却した。冷却した筒状成形体を切断し、内径R1=87mm、長さ=5m、厚さd1=13.3mm、厚さd2=0.1mm、幅w2=20mmの樹脂管を得た。得られた樹脂管は、直線状の4つの識別層を有していた。
得られた樹脂管について、外観、クリープ性能及び引張強さを測定し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
識別層を構成する樹脂を樹脂Cとした以外は、実施例1と同様にして樹脂管を得た。
得られた樹脂管について、外観、クリープ性能及び引張強さを測定し、その結果を表1に示す。
(評価方法)
<外観>
各例の樹脂管を目視で確認し、下記評価基準に従って評価した。
≪評価基準≫
〇:樹脂管の表面に、亀裂、空泡及び凹凸のいずれも見られない。
×:樹脂管の表面に、亀裂、空泡又は凹凸のいずれかが見られる。
<クリープ性能>
日本水道協会規格JWWA K 144に準拠してクリープ性能試験を行った。各例の樹脂管について、樹脂管の管外径の3倍以上の長さの管状の試験片を切り取し、これを試料とした。試料の両端を水圧試験治具等で固定した。試験媒体として、試験片の内部及び外部共に水を使用した。試験は、(1)式によって算出した試験圧力を用いて行った。
P=2σ/(SDR-1)・・・(1)
P:試験圧力(MPa)。
σ:管の円周応力(MPa)。
試験温度は、常温内圧クリープの場合は20℃(+3℃~-1℃)とし、熱間内圧クリープ及び長期熱間内圧クリープの場合は80℃(±1℃)とした。
試験時間は、常温内圧クリープの場合は100時間、熱間内圧クリープの場合は165時間、長期熱間内圧クリープの場合は1000時間とした。
上記の試験温度及び試験時間でクリープ試験を行い、常温内圧クリープ、熱間内圧クリープ及び長期熱間内圧クリープのいずれでも、割れも破壊も生じない場合(即ち、各試験温度において試験時間以上まで破壊されない場合)を「○」、各試験のいずれかで、割れや破壊が生じた場合を「×」とした。
<引張強さ>
各例の樹脂管について、JIS K 6922-2に従って、引張破断伸びを求めた。得らえた値を下記評価基準に当てはめて評価した。
≪評価基準≫
〇:引張破断伸びが500%以上。
△:引張破断伸びが100%以上500%未満。
×:引張破断伸びが100%未満。
Figure 2023026618000002
表1に示す通り、本発明を適用した実施例1は、外観、クリープ性能及び引張強さ能の評価が「○」又は「△」であった。
一方、第一の樹脂が3種1類であり、第二の樹脂が2種1類である比較例1は、外観、クリープ性能の評価が「×」であった。
1 ポリエチレン樹脂管
10 本体
20 識別層
O1 管軸

Claims (1)

  1. 筒状の本体と、前記本体の外面に一体に形成され、前記本体の管軸方向に延びる1以上の識別層とを備え、
    前記本体を構成する第一の樹脂と、前記識別層を構成する第二の樹脂とは、下記(1)、(2)及び(3)のいずれかを満たす、ポリエチレン樹脂管。
    (1)第一の樹脂及び第二の樹脂が低密度ポリエチレンである。
    (2)第一の樹脂及び第二の樹脂が中密度ポリエチレンである。
    (3)第一の樹脂及び第二の樹脂が高密度ポリエチレンである。
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