JP2022157416A - 多層管 - Google Patents

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大慧 熊谷
Hiroaki Kumagai
伸太郎 梅山
Shintaro UMEYAMA
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Abstract

【課題】線膨張係数が低いガラス繊維層を備える多層管を提供する。【解決手段】管状の複数の層を備え、管状であり、かつポリエチレン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層11と、管状であり、ポリエチレン樹脂およびガラス繊維を含むガラス繊維層12と、を備え、ポリオレフィン樹脂層11の外側に、ガラス繊維層12が位置し、ガラス繊維層12が、最外層である、多層管10。【選択図】図1

Description

本発明は、多層管に関する。
従来、空調用の冷温水配管として、耐熱性および耐圧性に優れている鋼管が用いられている。しかし、上記鋼管は重く、施工性が悪い。また、上記鋼管は腐食しやすいという問題がある。
そこで、各種の樹脂を用いた樹脂管が、冷温水配管として用いられてきている。上記樹脂管としては、例えば、ポリエチレン樹脂を含む第1のポリオレフィン樹脂層と、ガラス繊維を含むポリオレフィン樹脂層と、ポリエチレン樹脂を含む第2のポリオレフィン樹脂層とを備え、第1のポリオレフィン樹脂層の外側にガラス繊維層が配置され、ガラス繊維層の外側に第2のポリオレフィン樹脂層が配置されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような樹脂管は、押出成形で成形される。
特許第6574546号公報
上記の樹脂管を押出成形で成形する際、ガラス繊維層の外側にポリオレフィン樹脂層がある。そのため、ガラス繊維層は押出成形時のせん断の力を受けにくくなり、結果として、ガラス繊維層に含まれるガラス繊維が配向しにくくなるため、ガラス繊維の配合により期待される線膨張係数の低減効果や、耐圧性の向上が達成しにくかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、線膨張係数が低く、または耐圧性の高いガラス繊維層を備える多層管を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]管状の複数の層を備える多層管であって、管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層と、管状であり、ポリオレフィン樹脂およびガラス繊維を含むガラス繊維層と、を備え、前記ポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ガラス繊維層が位置し、前記ガラス繊維層が、最外層である、多層管。
[2]管状の複数の層を備える多層管であって、管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層と、管状であり、ポリオレフィン樹脂およびガラス繊維を含むガラス繊維層と、を備え、前記ポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ガラス繊維層が位置し、接着層をさらに備え、前記ガラス繊維層の外側に前記接着層が位置しており、前記接着層の外側にガスバリア層が位置している、多層管。
[3]前記ポリオレフィン樹脂層を2層以上備える、[1]または[2]に記載の多層管。
本発明によれば、線膨張係数が低いガラス繊維層を備える多層管を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る本発明の一実施形態に係る多層管を模式的に示し、多層管の管軸方向に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る多層管を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る多層管を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る本発明の一実施形態に係る多層管を模式的に示し、多層管の管軸方向に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る配管部材を模式的に示し、配管部材の管軸方向に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る配管部材を模式的に示し、配管部材の管軸方向に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る配管部材を模式的に示し、配管部材の管軸方向に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る配管部材の製造方法を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る配管部材の製造方法を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る配管部材の製造方法を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る配管部材を模式的に示し、配管部材の管軸方向に沿う断面図である。
[多層管]
本発明の一実施形態に係る多層管は、管状の複数の層を備える。複数の層は、周方向に内側から外側に向かって並んで配置されている。本発明の一実施形態に係る多層管は、管状であり、かつポリエチレン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層と、管状であり、ポリエチレン樹脂およびガラス繊維を含むガラス繊維層と、を備える。すなわち、本発明の一実施形態に係る多層管の管壁は、ポリオレフィン樹脂層と、ガラス繊維層と、を備える。本発明の一実施形態に係る多層管は、ポリオレフィン樹脂層を少なくとも1つ備える。本発明の一実施形態に係る多層管は、ポリオレフィン樹脂層の外側に、ガラス繊維層が配置されており、ガラス繊維が、管軸方向に配向している。
以下、本発明の一実施形態に係る多層管について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る多層管を模式的に示し、多層管の管軸方向に沿う断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る多層管を模式的に示す側面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る多層管を模式的に示す平面図である。
図1、図2および図3に示す多層管10は、ポリオレフィン樹脂層11と、ガラス繊維層12と、を備える。ポリオレフィン樹脂層11と、ガラス繊維層12とはそれぞれ、管状である。多層管10は、管軸O1を有し、内部に流路20を有する。
多層管10の厚さt1は、5mm以上20mm以下であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂層11は、ポリオレフィン樹脂を含む。ガラス繊維層12は、ポリオレフィン樹脂とガラス繊維とを含む。
ポリオレフィン樹脂層11の厚さt2は、多層管10の総厚みに対して5%以上40%以下であることが好ましく、10%以上30%以下であることがより好ましい。
図3に示すように、ガラス繊維層12では、ガラス繊維15が、管軸O1方向に配向している。ここで、ガラス繊維15が、管軸O1方向に配向しているとは、ガラス繊維15の長手方向と管軸O1とのなす角θが、45°以下であることを言う。また、ガラス繊維15が、管軸O1方向に配向しているとは、ガラス繊維層12に含まれるガラス繊維15の50%以上が、ガラス繊維15の長手方向と管軸O1とのなす角が、20°~70°の範囲内にあることを言う。
なお、ガラス繊維の配向態様は、例えば、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察することによって確認することができる。観察条件としては特に限定されないが、日本電子社製走査電子顕微鏡JSM-6701Fを用い、蒸着厚み10nm、加速電圧15kV、倍率25倍で観察してよい。これによって、ガラス繊維層12の境界、例えば、ガラス繊維層12とポリオレフィン樹脂層11との境界を目視で確認することができる。
本実施形態の多層管10では、ガラス繊維層12におけるガラス繊維の含有量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、1質量部以上200質量部以下であることが好ましく、5質量部以上150質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上70質量部以下であることがさらに好ましい。ガラス繊維の含有量が上記範囲内であると、多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性がより一層高くなる。
ガラス繊維層12の厚さt3は、多層管10の総厚みに対して60%以上95%以下であることが好ましく、70%以上95%以下であることがより好ましい。ガラス繊維層12の厚さt3が上記下限値以上であると、多層管10の線膨張係数を十分に低くしつつ、ガラス繊維層12に含まれるガラス繊維の濃度を低くできる。ガラス繊維層12の厚さt3が上記上限値以下であると、十分なポリオレフィン樹脂層11の厚さを確保できるため、ガラス繊維層12に含まれるガラス繊維が冷水または温水中に流出しにくい。
本実施の形態においては、ガラス繊維層12は後述するポリオレフィン樹脂層11よりも外側(ポリオレフィン樹脂層11の外周面)に位置し、ガラス繊維層12よりも外側(ガラス繊維層12の外周面)に他のポリオレフィン樹脂層が積層されていない。多層管10の押出成形時に、ガラス繊維層12よりも外側に他のポリオレフィン樹脂層が積層されないため、ガラス繊維層12を構成するガラス繊維含有樹脂組成物が金型内面と接触し、金型内面から受けるせん断力によりガラス繊維が押出方向、すなわち多層管10の管軸方向に配向しやすくなる。
また、後述する接着層31と、ガスバリア層32は金型から押出後のガラス繊維層12の外周面に積層するため、これらの層の有無はガラス繊維層12のガラス繊維の配向に影響しない。また、共押出により金型内でガラス繊維層12と積層しないのであれば、ガラス繊維層12の外層に他のポリオレフィン樹脂層を有していてもよく、光透過性を低減するためにカーボンブラックを含有させたポリオレフィン樹脂層をガラス繊維層12の外周面に積層してもよい。
(ポリオレフィン樹脂)
ポリオレフィン樹脂層11およびガラス繊維層12に含まれるポリオレフィン樹脂は特に限定されない。ポリオレフィン樹脂としては、従来公知のポリオレフィン樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体等が挙げられる。多層管10の強度、寸法安定性および高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、ポリエチレンまたはポリプロピレンが好ましい。ポリエチレンを用いれば、多層管10の耐衝撃性、耐震性および長期クリープ特性を効果的に高めることができる。ポリプロピレンを用いれば、ガラス繊維の含有量を多くして耐圧性を高め、線膨張係数を低くしても、ガラス繊維層12の押出成形性を維持することができる。
ポリエチレン(PE)としては、例えば、LDPE、LLDPE、HDPE等が挙げられる。ポリプロピレン(PP)としては、例えば、ホモPP、ブロックPP、ランダムPP等が挙げられる。ポリブテンとしては、例えば、ポリブテン-1等が挙げられる。
エチレン-α-オレフィン共重合体は、エチレンに対して、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンまたは1-オクテン等のα-オレフィンを数モル%程度の割合で共重合させた共重合体であることが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂層11とガラス繊維層12とに含まれるポリオレフィン樹脂は同一であってもよく、異なっていてもよい。
(ガラス繊維)
ガラス繊維の繊維長は、0.05mm以上10mm以下であることが好ましい。成形前のガラス繊維長は、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。ガラス繊維の繊維長が上記範囲内であると、多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性がより一層高くなる。
ガラス繊維の繊維長は、複数のガラス繊維の長さの平均を意味する。
ガラス繊維の繊維径は、1μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。ガラス繊維の繊維径が上記範囲内であると、多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性がより一層高くなる。
ガラス繊維の繊維径は、1つのガラス繊維の最大径を求め、複数のガラス繊維の最大径を平均することにより求められる。
多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性を効果的に高める観点からは、ガラス繊維は表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、シランカップリング剤が好ましい。表面処理剤としては、例えば、メタクリルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン、ビニルシラン、エポキシシラン等が挙げられる。多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性を効果的に高める観点からは、ガラス繊維はアミノシランにより表面処理されていることが好ましい。
ガラス繊維がアミノシランにより表面処理されていることで、ガラス繊維が表面処理されていなかったり、ガラス繊維がアミノシラン以外の表面処理剤により表面処理されていたりする場合と比べて、多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性がより一層高くなる。
(相溶化剤)
多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性を効果的に高める観点からは、ガラス繊維層12は相溶化剤を含むことが好ましい。
相溶化剤としては、例えば、マレイン酸変性ポリオレフィン、シラン変性ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。なお、これらの相溶化剤は、上記ポリオレフィン樹脂に含まれない。相溶化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性を効果的に高める観点からは、相溶化剤は、マレイン酸変性ポリオレフィンまたはシラン変性ポリオレフィンであることが好ましく、シラン変性ポリオレフィンであることがより好ましい。
ガラス繊維層12において、ポリオレフィン樹脂100質量部に対する相溶化剤の含有量は、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上15質量部以下であることがさらに好ましい。相溶化剤の含有量が上記範囲内であると、多層管10の耐衝撃強度、寸法安定性およびガスバリア性がより一層高くなる。
(他の成分)
ポリオレフィン樹脂層11およびガラス繊維層12はそれぞれ、上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。ただし、上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いる場合には、ポリオレフィン樹脂層11およびガラス繊維層12における上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量は、ポリオレフィン樹脂層11およびガラス繊維層12における上記ポリオレフィン樹脂の含有量よりも少ないことが好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いる場合に、ポリオレフィン樹脂と上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計100質量%中、ポリオレフィン樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂と上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂との合計100質量%中、ポリオレフィン樹脂の含有量は、100質量%以下であってもよく(全量を含む)、99.99質量%以下であってもよく、99.9質量%以下であってもよい。
多層管10の高温下での耐久性をより一層高めたり、銅等の金属による耐久性の低下を抑えたりする観点から、ポリオレフィン樹脂層11およびガラス繊維層12は、酸化防止剤を含むことが好ましい。
酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ、C7-C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o―クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert―ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-キシリル)メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン2-イルアミノ]フェノール、ジエチル[{3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル}メチル]ホスフォネート等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2-[[2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)(1,1-ビフェニル)-4,4’-ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
上記ラクトン系酸化防止剤としては、例えば、3-ヒドロキシ-5,7-ジ-tert-ブチル-フラン-2-オンとo-キシレンとの反応生成物等が挙げられる。
多層管10の高温下での耐久性をさらに一層高めたり、銅等の金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であることが好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることがより好ましい。上記フェノール系酸化防止剤および上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多層管10の高温下での耐久性をさらに一層高めたり、銅等の金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記酸化防止剤は、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルまたは2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシベンシル)メシチレンであることが好ましい。また、酸化防止剤を含む層は、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルまたは2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシベンシル)メシチレンを含むことが好ましい。
酸化防止剤を含む層100質量%中、上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、および上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量はそれぞれ、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることがさらに好ましい。上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、および上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が、上記下限値以上であると、多層管10の高温下での耐久性がより一層高くなる。上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、および上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が、上記上限値を超えても、多層管10の高温下での耐久性は変わらない。そのため、上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、および上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が、上記上限値以下であると、過剰な酸化防止剤の使用が抑えられる。
多層管10におけるポリオレフィン樹脂層11およびガラス繊維層12は、必要に応じて、架橋剤、銅害防止剤、滑剤、光安定剤、顔料または染料等の添加剤を含んでいてもよい。
特に、本実施形態の多層管10は最外層がガラス繊維層であり、光透過率が高いため、ガラス繊維層12に顔料または染料を含むことが望ましい。
架橋剤としては、有機過酸化物等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン等が挙げられる。架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機過酸化物の使用量は、特に限定されない。有機過酸化物を用いる場合に、有機過酸化物を含む層において、上記ポリオレフィン樹脂100質量部に対する有機過酸化物の含有量は、0.01質量部以上2質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上1質量部以下であることがより好ましい。
滑剤としては、特に限定されず、例えば、フッ素系滑剤、パラフィンワックス系滑剤、ステアリン酸系滑剤等が挙げられる。滑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記滑剤の使用量は特に限定されない。上記滑剤を含む層において、上記ポリオレフィン樹脂100質量部に対する滑剤の含有量は、0.01質量部以上3質量部以下であることが好ましい。
光安定剤としては、特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。光安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、酸化物系、カーボンブラック、クロム酸モリブデン系、硫化物-セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の多層管10によれば、ポリエチレン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層11と、ポリエチレン樹脂およびガラス繊維を含むガラス繊維層12と、を備え、ポリオレフィン樹脂層11の外側に、ガラス繊維層12が配置されており、ガラス繊維が、管軸O1方向に配向しているため、線膨張係数が低いガラス繊維層を備える多層管を提供することができる。従って、本実施形態の多層管10によれば、耐熱性に優れる多層管を提供することができる。
多層管10の線膨張係数は、2×10-5/℃以上9×10-5/℃以下であることが好ましく、2×10-5/℃以上8×10-5/℃以下であることがより好ましく、3×10-5/℃以上7×10-5/℃以下であることがもっとも好ましい。多層管10の線膨張係数が上記下限値以上であると、成形性に優れる。多層管10の線膨張係数が上記上限値以下であると、冷温水を流した時の収縮が小さい。
多層管10の耐圧性は4.0MPa以上であり、4.5MPa以上が好ましく、5MPa以上がより好ましく、6MPa以上が最も好ましい。耐圧性はPWA(建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会規格)001規格に準拠した破壊水圧評価により測定できる。
<他の実施形態>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定するものではない。
例えば、図4に示すような変形例に係る多層管30を採用してもよい。なお、変形例に係る多層管30では、前記実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4に示す変形例に係る多層管30は、ポリオレフィン樹脂層11と、ガラス繊維層12と、接着層31と、ガスバリア層32と、を備える。接着層31は、ガラス繊維層12の外側(外周)に配置されている。ガスバリア層32は、接着層31の外側(外周)に配置されている。
(接着層)
接着層31は、ガスバリア層32を接着する性質を有していればよく、接着性を発現する適宜の材料により形成される。
接着層31の材料としては、公知の接着剤を適用可能である。接着剤としては、例えば、変性ポリオレフィン系接着剤、アクリル系接着剤、特殊合成ゴム系接着剤、合成樹脂系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられる。
接着層31の厚さは、0.01mm以上1mm以下であることが好ましく、0.02mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。
(ガスバリア層)
ガスバリア層32は、ガスバリア性を有していればよく、ガスバリア性を発現する適宜の材料により形成される。ガスバリア層32の材料としては、例えば、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。ガスバリア層32の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多層管10のガスバリア性をより一層高める観点からは、ガスバリア層32は、エチレン-ビニルアルコール樹脂を含むことが好ましい。また、ガスバリア層32の材料は、エチレン-ビニルアルコール樹脂であることが好ましい。エチレン-ビニルアルコール樹脂におけるエチレン含量は、20モル%以上50モル%以下であることが好ましく、30モル%以上40モル%以下であることがより好ましい。エチレン含量が上記下限値以上であると、ガスバリア層32を成形する際の成形性、およびガスバリア層32の耐水性がより一層高くなる。エチレン含量が上記上限値以下であると、ガスバリア層32および多層管10のガスバリア性がより一層高くなる。
ガスバリア層32の厚さは、0.01mm以上1mm以下であることが好ましく、0.5mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂層11よりも内側(ポリオレフィン樹脂層11の内周面)に他の樹脂層が積層されていてもよい。
さらに、ポリオレフィン樹脂層11は設けなくてもよい。ポリオレフィン樹脂層11を設けないことで、ガラス繊維層12の内周面が金型からせん断力を受け、ガラス繊維をより配向させやすくなる。
さらに、ポリオレフィン樹脂層11にガラス繊維を含有させてもよい。ガラス繊維を含むポリオレフィン樹脂を複数積層することで、金型合流部までにガラス繊維が押出方向に配向するため、ガラス繊維層12が単一樹脂層である場合よりもガラス繊維が押出方向に配向しやすい。
さらに、ガラス繊維の配向方向は管軸O1方向でなくてもよい。押出成形機や金型構造、引き取り機を回転させるなどしてガラス繊維を多層管10の周方向(管軸O1と直交する方向)に配向させてもよく、この場合でも、金型内面からのせん断力をガラス繊維層12に与えやすく、周方向にガラス繊維を配向させやすい。ここで、ガラス繊維15が多層管10の周方向(管軸O1と直交する方向)に配向しているとは、ガラス繊維15の長手方向と管軸O1と直交する面とのなす角θが、45°以下であることを言う。また、ガラス繊維15が、管軸O1方向に配向しているとは、ガラス繊維層12に含まれるガラス繊維15の50%以上が、ガラス繊維15の長手方向と、管軸O1と直交する面とのなす角が、20°~70°の範囲内にあることを言う。
[配管部材]
上述の実施形態の多層管は、以下に示す配管部材に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態による配管部材について、図面に基づいて説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る配管部材を模式的に示し、配管部材の管軸方向に沿う断面図である。
図5に示す配管部材100は、管部101と、継手部102と、を備える。配管部材100は、管軸O2を有し、内部に流路120を有する。
管部101は、上述の多層管で構成されている。管部101は、第1の管部111と、第2の管部112と、第1の管部111と第2の管部112との間に形成された融着部103と、を有する。すなわち、管部101は、第1の管部111と第2の管部112とが融着部103を介して融着により接合された融着管である。言い換えれば、管部101は、第1の管部111と第2の管部112とが融着部103を介して融着により一体化した樹脂管接続体である。第1の管部111および第2の管部112はそれぞれ、管状である。融着部103は、第1の管部111と第2の管部112を融着することにより形成されるため、融着部103もガラス繊維層を有する。
継手部102は、管部101に接合されている。より詳細には、継手部102は、管部101の一端部(第1の管部111の一端部(融着部103とは反対側の端部))に接合されている。
第1の管部111と第2の管部112との融着部103の内周面において、内周ビード104が形成されている。第1の管部111と第2の管部112とがそれぞれ、内周ビード104を有する。内周ビード104は、第1の管部111側の第1の凸部104aと第2の管部112側の第2の凸部104bとを有する。第1の管部111は、第1の凸部104aを有する。第2の管部112は、第2の凸部104bを有する。内周ビード104は、第1の凸部104a部分の内周ビードと、第2の凸部104b部分の内周ビードとを有する。
第1の管部111と第2の管部112との間の融着部103の外周面において、外周ビード105が形成されている。第1の管部111と第2の管部112とがそれぞれ、外周ビード105を有する。外周ビード105は、第1の管部111側の第3の凸部105aと第2の管部112側の第4の凸部105bとを有する。第1の管部111は、第3の凸部105aを有する。第2の管部112は、第4の凸部105bを有する。外周ビード105は、第3の凸部105a部分の内周ビードと、第4の凸部105b部分の内周ビードとを有する。
第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第1の管部111において、第1の管部111の内周ビード104が形成されていない領域を、領域R1aとする。領域R1aは、図5におけるX1aとX1bとの間の領域である。
第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第2の管部112において、第2の管部112の内周ビード104が形成されていない領域を、領域R2aとする。領域R2aは、図5におけるX2aとX2bとの間の領域である。
第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第1の管部111において、端部とは、第1の管部111の端面から第1の管部111の延びる方向の内側に向かって3cmまでの領域(図5の領域R1;領域R1は、図5におけるX0とX1aとの間の領域である)をいう。第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第1の管部111において、領域R1aは、第1の管部111の端面から第1の管部111の延びる方向の内側に向かって3cmまでの領域(図5の領域R1)から、内周ビード104が形成されている領域(図5の領域R1b;領域R1bは、図5におけるX0とX1bとの間の領域である)を除く領域である。ただし、第1の凸部104a部分のビード幅が3cm以上である場合には、第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第1の管部111において、端部とは、第1の管部111の端面から第1の管部111の延びる方向の内側に向かって第1の凸部104a部分のビード幅+2.5cmまでの領域をいう。なお、一般に、第1の凸部104a部分のビード幅は2cm未満である。
第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第2の管部112において、端部とは、第2の管部112の端面から第2の管部112の延びる方向の内側に向かって3cmまでの領域(図5の領域R2;領域R2は、図5におけるX0とX2aとの間の領域である)をいう。第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第2の管部112において、領域R2aは、第2の管部112の端面から第2の管部112の延びる方向の内側に向かって3cmまでの領域(図5の領域R2)から、内周ビード104が形成されている領域(図5の領域R2b;領域R2bは、図5におけるX0とX1bとの間の領域である)を除く領域である。ただし、第2の凸部104b部分のビード幅が3cm以上である場合には、第1の管部111と第2の管部112とが接続された状態の第2の管部112において、端部とは、第2の管部112の端面から第2の管部112の延びる方向の内側に向かって第2の凸部104b部分のビード幅+2.5cmまでの領域をいう。なお、一般に、第2の凸部104b部分のビード幅は2cm未満である。
なお、第1の管部111と第2の管部112とを接続する前の第1の管部111において、端部とは、第1の管部111の端面から第1の管部111の延びる方向の内側に向かって3cmまでの領域をいう。
また、第1の管部111と第2の管部112とを接続する前の第2の管部112において、端部とは、第2の管部112の端面から第2の管部112の延びる方向の内側に向かって3cmまでの領域をいう。
本実施形態の配管部材100では、第1の管部111および第2の管部112の少なくとも一方が上述の多層管で構成されている。
第1の管部111と第2の管部112は、構成が同じであってもよく、構成が異なっていてもよい。同じ構成であれば、ビードを均一に形成しやすく、製造が容易である。
第1の管部111と第2の管部112の構成が同じ場合、例えば、図6に示すように、第1の管部111および第2の管部112は、ポリオレフィン樹脂層131とガラス繊維層130とを有していてもよい。この場合、融着部103において、第1の管部111のポリオレフィン樹脂層131と第2の管部112のポリオレフィン樹脂層131が接続して内周ビード104を形成し、第1の管部111のガラス繊維層130と第2の管部112のガラス繊維層130が接続して外周ビード105を形成する。
継手部102と接続される第1の管部111がガラス繊維層130を有することで、継手部102の近傍まで繊維含有層による耐圧性や低伸縮性を付与できるため、配管部材100をより耐圧性や低伸縮性に優れたものにできる。
第1の管部111と第2の管部112の構成が異なる場合、例えば、図7に示すように、第1の管部111はポリオレフィン樹脂層131から構成され、第2の管部112はポリオレフィン樹脂層131とガラス繊維層130とを有していてもよい。この場合、融着部103において、第1の管部111のポリオレフィン樹脂層131と第2の管部112のガラス繊維層130が接続して内周ビード104を形成し、第1の管部111のポリオレフィン樹脂層131と第2の管部112のガラス繊維層130が接続して外周ビード105を形成する。
第1の管部111が繊維非含有層のみで構成されていることで、構造が複雑な継手部102と第1の管部111との接合を容易にすることができる。例えば、継手部102が第1の管部111にインコアを挿入する構造である場合、第1の管部111が繊維含有層を含まないことで継手部102のインコアを挿入しやすく、第1の管部111も柔軟に拡径しやすく破断しにくい配管部材100とすることができる。
継手部102は、溶接やガス圧接をせずに、カプラーで配管を接続する機械式継手である。継手部102は、一端部102Aが管部101の一端部(第1の管部111の一端部(融着部103とは反対側の端部))に接合されている。より詳細には、継手部102の一端部102Aが、第1の管部111の一端部に外嵌している。一方、継手部102の他端部102Bは開口しており、他の配管を挿入、接続するための受け口102Cを有する。
継手部102は、射出成形により、第1の管部111と一体成形されていてもよい。
継手部102は、1層の構造を有していてもよく、2層の構造を有していてもよく、3層以上の構造を有していてもよい。継手部102が第1の管部111と一体成形されている場合、継手部102の構造と第1の管部111とは同じ構造となる。例えば、継手部102が1層の構造の場合、一体成形される第1の管部111も1層の構造となる。
継手部102は、第1の管部111および第2の管部112と同様の樹脂を含む。継手部102に含まれる樹脂と、第1の管部111に含まれる樹脂および第2の管部112に含まれる樹脂とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。上記樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
継手部102は、第1の管部111および第2の管部112と同様に、繊維含有層を有していてもよい。上記繊維は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記繊維としては、上述の多層管と同様のものが挙げられる。
継手部102が繊維含有層を有する場合、繊維含有層に含まれる繊維の長手方向の向きは、特に限定されないが、管部101の管軸O1方向に傾いていることが好ましい。
本実施形態の配管部材100によれば、管部101が第1の管部111と第2の管部112とを有し、第1の管部111および第2の管部112の少なくとも一方が上述の多層管で構成されているため、第1の管部111および第2の管部112の少なくとも一方が線膨張係数が低いガラス繊維層を備える。従って、本実施形態の配管部材100によれば、耐熱性に優れる配管部材を提供することができる。
[配管部材の製造方法]
以下、本発明の一実施形態に係る配管部材の製造方法について、図面に基づいて説明する。
図8~図10は、本発明の一実施形態に係る配管部材の製造方法を示す断面図である。
管部101を構成する第1の管部111および第2の管部112を、押出成形法等により成形する。
第1の管部111および第2の管部112が2層(ポリオレフィン樹脂層131/ガラス繊維層130)構造の場合、上記樹脂と上記繊維とを含み、ガラス繊維層130を形成する第1の樹脂組成物、および上記樹脂を含み、ポリオレフィン樹脂層131を形成する第2の樹脂組成物を調製し、第1の樹脂組成物および第2の樹脂組成物を、成型管の周方向に相当する方向へ流動させることが可能な方法を特に限定することなく用いることができる。
上述のようにして得られた第1の管部111と第2の管部112を融着(接続)する。
図8は、融着(接続)前の第1の管部111と第2の管部112とを模式的に示す断面図である。
図8に示す第1の管部111および第2の管部112を用いて、図9および図10に示す状態を経て、第1の管部111の端部と第2の管部112の端部とを融着することによって接続することにより管部101を得る。
上記融着の方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。融着は、接続前の第1の管部111の端部および接続前の第2の管部112の端部を加熱する加熱工程と、加熱された第1の管部111の端部と、加熱された第2の管部112の端部とを圧着する圧着工程とを備えることが好ましい。上記加熱工程において、接続前の第1の管部111の端面を加熱することが好ましく、接続前の第2の管部112の端面を加熱することが好ましい。
上記圧着工程において、加熱された第1の管部111の端面と、加熱された第2の管部112の端面とを圧着することが好ましい。
図9は、融着における加熱工程を説明するための断面図である。
上記加熱工程において、ヒーターHを用いて第1の管部111の端部および第2の管部112の端部を加熱することが好ましい。ヒーターHによる加熱では、第1の管部111の端面および第2の管部112の端面側から加熱することが好ましい。
上記加熱工程における加熱温度は、第1の管部111および第2の管部112に含まれる樹脂等の配合成分の種類によって適宜変更可能である。上記加熱温度は、230℃以上250℃以下であることが好ましく、235℃以上245℃以下であることがより好ましい。
上記加熱工程における加熱時間は、第1の管部111および第2の管部112に含まれる樹脂等の配合成分の種類、並びに、第1の管部111および第2の管部112の径によって適宜変更可能である。
図10は、融着における圧着工程を説明するための断面図である。
上記圧着工程における圧力は、第1の管部111および第2の管部112に含まれる樹脂等の配合成分の種類によって適宜変更可能である。上記圧力は、1MPa以上3MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以上2.8MPa以下であることがより好ましい。
上記圧着工程における圧着時間は、第1の管部111および第2の管部112に含まれる樹脂等の配合成分の種類、並びに、第1の管部111および第2の管部112の径によって適宜変更可能である。
上記のようにして、第1の管部111と第2の管部112とを融着により接続することにより、融着部103を形成し、図5に示すように、融着部103を介して第1の管部111と第2の管部112とが接続された管部1を得ることができる。
上述のようにして得られた管部1の一端部(第1の管部111の一端部(融着部103とは反対側の端部))に継手部102を接合して、図5に示す配管部材100を得る。
<他の実施形態>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定するものではない。
例えば、図11に示すような変形例に係る配管部材200を採用してもよい。なお、変形例に係る配管部材200では、前記実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11に示す変形例に係る配管部材200は、継手部210の構造が、上記の配管部材100とは異なっている。
継手部210は、機械式継手である。継手部210は、一端部210Aが管部1の一端部(第1の管部111の一端部(融着部103とは反対側の端部))に接続されている。より詳細には、継手部210の一端部210Aが、第1の管部111の一端部に挿入されている。さらに、継手部210の一端部210Aが接続された第1の管部111の一端部の外周には、押さえリング220が外嵌されている。一方、継手部210の他端部210Bは開口しており、他の配管を挿入、接続するための受け口210Cを有する。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施の形態に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、実施の形態に複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。さらに、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
多層管10を以下のように製造した。
ポリオレフィン樹脂層11を製造するための樹脂組成物としてホモポリプロピレンの樹脂組成物(密度0.9g/cm3、MFR0.5g/10min(条件:230℃、荷重2.16kg))を用意し、ガラス繊維層12を製造するためのガラス繊維含有樹脂組成物として、上記と同じホモポリプロピレン樹脂の樹脂組成物(密度0.9g/cm、MFR0.5g/10min(条件:230℃、荷重2.16kg))にガラス繊維(平均繊維長3mm、平均繊維径13μm)を20重量%および顔料1重量%(ともにガラス繊維層12を製造するための樹脂組成物全体に対する量)をブレンドした。樹脂組成物は、二軸同方向押出機を用いて混練し、コンパウンドとして調製した。
ポリオレフィン樹脂層11を製造するための樹脂組成物およびガラス繊維層12を製造するためのガラス繊維含有樹脂組成物を用いて、共押出により成形を行った。具体的には、2つのシングル押出機(ポリオレフィン樹脂層11用のシングル押出機の押出厚さはいずれも40mm、ガラス繊維層12用のシングルのシングル押出機の押出厚さは75mm)を使用して押出し温度220℃で押出し、二層管型の金型を使用して賦形した。押し出された多層管10を引き取り機で引き取り、所定の長さに切断して多層管10を得た。
得られた多層管10の内径は71mm、外径は89mm、ポリオレフィン樹脂層11の厚みは1.5mm、ガラス繊維層12の厚みは6.5mmであった。
[実施例2]
引き取り機を回転させたこと以外は実施例1と同様にして多層管10を得た。
[比較例1]
ガラス繊維層12の外周面に設ける他のポリオレフィン樹脂層のための樹脂組成物としてポリオレフィン樹脂層11と同じ樹脂組成物を用意し、ポリオレフィン樹脂層11および他のポリオレフィン樹脂層を製造するための樹脂組成物、およびガラス繊維層12を製造するためのガラス繊維含有樹脂組成物を用い、3つのシングル押出機(ポリオレフィン樹脂層11および他のポリオレフィン樹脂層用のシングル押出機の押出厚さはいずれも40mm、ガラス繊維層12用のシングルのシングル押出機の押出厚さは75mm)を使用して押出し温度220℃で押出し、三層管型の金型を使用して賦形したこと以外は実施例1と同様にして多層管10を得た。
得られた多層管10の内径は71mm、外径は89mm、ポリオレフィン樹脂層11の厚みは1.5mm、ガラス繊維層12の厚みは5.0mm、他のポリオレフィン樹脂層の厚みは1.5mmであった。
[線膨張係数]
線膨張係数は次のようにして求めた。
多層管10を約1000mmの長さに切断し、60℃(Thot)に設定した恒温槽にて24時間養生した後、多層管の長さ(Lhot)を測定した。その後、同じ多層配管を、5℃(Tcool)に設定した恒温槽にて24時間養生し、多層管の長さ(Lcool)を測定した。得られた値を下記の式(1)に代入し、線膨張係数を決定した。
Figure 2022157416000002
[耐圧性評価]
PWA(建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会規格)001規格に準拠して破壊水圧評価を行った。つまり、長さ1000mmの樹脂管の試験片を切り取り、その内部に常温(23℃)の水を充填するとともに一定速度で水を入れ続けることにより加圧し、樹脂管が破裂する時の水圧(MPa)を求めた。
[ガラス繊維の配向]
多層管10の、管軸O1を含む面で厚肉を切断した断面、および管軸O1と直交する面で切断した断面を、日本電子社製走査電子顕微鏡JSM-671Fを用い、蒸着厚み10nm、加速電圧15kV、倍率25倍の条件で目視観察し、管軸O1、および管軸O1と直交する方向のガラス繊維の有無、角度、およびその比率を確認した。
(線膨張係数評価)
実施例1、2、および比較例1の多層管それぞれについて、上記した方法により線膨張係数を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2022157416000003
10,30 多層管
11 ポリオレフィン樹脂層
12 ガラス繊維層
20 流路
31 接着層
32 ガスバリア層
100,200 配管部材
101 管部
102,210 継手部
103 融着部
104 内周ビード
105 外周ビード
111 第1の管部
112 第2の管部
115 ガラス繊維
120 流路
130 ガラス繊維層
131 ポリオレフィン樹脂層
220 押さえリング

Claims (3)

  1. 管状の複数の層を備える多層管であって、
    管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層と、
    管状であり、ポリオレフィン樹脂およびガラス繊維を含むガラス繊維層と、
    を備え、
    前記ポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ガラス繊維層が位置し、
    前記ガラス繊維層が、最外層である、多層管。
  2. 管状の複数の層を備える多層管であって、
    管状であり、かつポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン樹脂層と、
    管状であり、ポリオレフィン樹脂およびガラス繊維を含むガラス繊維層と、
    を備え、
    前記ポリオレフィン樹脂層の外側に、前記ガラス繊維層が位置し、
    接着層をさらに備え、
    前記ガラス繊維層の外側に前記接着層が位置しており、
    前記接着層の外側にガスバリア層が位置している、多層管。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂層を2層以上備える、請求項1または2に記載の多層管。
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